JP2004177252A - 姿勢計測装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】物体の周りに配置した測量手段や計測手段から取得した複数の距離情報からカメラなどと一体となっている物体の姿勢を正確に計測する。
【解決手段】レーザ光発信部1は、計測するためのレーザ光を複数の計測点から道路面に向けて照射する。レーザ光受信部2は、道路面からのレーザ光の反射を各計測点毎に受光する。反射波フィルタ部3は、それぞれ受光した反射波においてノイズ等をカットする。パルス計測部4は、レーザ光発信部1による各計測点からのレーザ照射により道路面から反射されるレーザ光をレーザ光受信部2で受光するまでのパルスをカウントする。高さ計測部5は、パルス計測部4からのパルスカウント値を距離に換算して各計測点の道路面からの高さを求める。姿勢計測部6は、複数の計測点の高さ情報から車両の姿勢を求める。姿勢情報記録部7は、逐次求めた車両の姿勢を記録する。
【選択図】 図1
【解決手段】レーザ光発信部1は、計測するためのレーザ光を複数の計測点から道路面に向けて照射する。レーザ光受信部2は、道路面からのレーザ光の反射を各計測点毎に受光する。反射波フィルタ部3は、それぞれ受光した反射波においてノイズ等をカットする。パルス計測部4は、レーザ光発信部1による各計測点からのレーザ照射により道路面から反射されるレーザ光をレーザ光受信部2で受光するまでのパルスをカウントする。高さ計測部5は、パルス計測部4からのパルスカウント値を距離に換算して各計測点の道路面からの高さを求める。姿勢計測部6は、複数の計測点の高さ情報から車両の姿勢を求める。姿勢情報記録部7は、逐次求めた車両の姿勢を記録する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、指定した平面、または基準とする平面に対する傾きを測定する計測・測量技術に関係する。また、複数のGPSセンサ装置などを使って複数の位置情報から平面を求めて基準面からの姿勢を得る、または、ジャイロセンサなどを計測センサとして使って基準面からの姿勢情報を得る技術に関係する。また、市街地走行中の車両の振動、または、路面の凹凸に対する車両の傾き形状を計測する技術に関係する。
【0002】
【従来の技術】
姿勢を計測する手段として、車速センサやジャイロセンサが代表的であり、車両やヘリコプターなどに搭載されている。これらのジャイロセンサは、時々刻々と変化する姿勢情報を計測可能である。また、複数の高精度なDGPS装置[非特許文献2]を使って、姿勢を計測する技術も存在する。
【0003】
また、車両などの移動手段を使って屋外環境の景観を撮影する場合、カメラの姿勢は重要なカメラパラメータとして利用される。このため、カメラ姿勢を正確に検出、推定する手法として、エピポーラ解析や因子分解法やモーションステレオによる動画像解析手法がある。さらに、外界の景観情報の全周囲景観を撮像する画像入力装置として全方位カメラが存在するが、全方位カメラの視点(光学的中心)に関する位置、方位、姿勢などのカメラパラメータ推定は全方位カメラを利用した空間測量や画像計測において重要なパラメータとなっている。
【0004】
一方、レーザ計測技術が進歩する中で、レーザジャイロによる物体の姿勢を高精度に計測する技術がある。図7は光ファイバジャイロ(FOG:Fiber Optic Gyroscope)、または、リングレーザジャイロ(RLG:Ring Laser Gyroscope)の計測原理である。この計測原理は、右回りのレーザ光と左回りのレーザ光との合成光の強度変化により位相差を求めることで角速度を検出することができる。図7は、一軸周りの回転を示しているが、三軸周りの回転へも応用されており、これによりロケットなどのRoll,Pitch,Yaw回転を計測する技術として航空機制御において使用されている。さらに、複合現実感などの研究では、視点位置合わせに高精度なレーザジャイロを使用している[非特許文献1]。
【0005】
【非特許文献1】
佐藤清秀、穴吹まほろ、山本裕之、田村秀行、“屋外装着型複合現実感のためのハイブリッド位置合わせ手法”、日本バーチャルリアリティ学会論文誌、vol7,no.2,pp.129−137,June 2002
【0006】
【非特許文献2】
パイオニア株式会社「現在地がわかる仕組み」、[online]、2001年6月26日、パイオニア株式会社[平成14年10月15日検索]、インターネット、<URL:http://www.pioneer.co.jp/e−place/03/02.html>
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
車両などの移動手段にカメラやセンサなどの計器類を搭載した屋外での移動撮影・計測は、市街地景観に関する空間データ収集の迅速性、空間情報に対する情報更新性に優れている。しかし、車両は移動中において、撮影環境の影響を受けて微小な運動をするなど、車両並びにヘリコプターなどの移動手段は屋外環境に応じて微小に変動する場合がある。例えば、道路は常に理想的な平面ではなく、上り下り坂や微小に傾きが変化する坂があり、アスファルトのメンテナンスの頻度が多くなると路面は左右で微小に傾いていることがあり、時々刻々変化する方位や姿勢を検出する必要がある。このときの微小な運動をジャイロセンサなどのセンサを利用しても正確な運動として検出することは難しい。また、屋外計測において、DGPS(Differential Global Positioning System)測位値などの高精度な位置情報で検出することが可能であるが、高層の建物が並ぶ場所ではビルシャドウなどにより見通し悪く、高精度なDGPS装置を利用したとしても、それから取得する測位情報はデータ品質が悪く姿勢計測は不向きである。
【0008】
そこで、本発明は、このような時々刻々に撮影環境に応じた微小な姿勢情報を検出、または、計測することを課題としている。
【0009】
また、カメラなどの撮影機器を車両などの移動手段に搭載して、屋外などの環境で撮影するとき、カメラの姿勢は、ジャイロセンサなどを利用した手段だけでは計測することは困難であった。さらに、レーザジャイロを利用した姿勢計測は10〜20cm/秒などの極端に低速な運動に関して検知精度に及ぼす角速度の計測誤差が発生する。また、レーザジャイロは、積分計算により位置情報などを求めている場合もあり、ドリフト誤差(時間が経過するにつれての誤差)が蓄積し、場合によっては正確な位置合わせができないなどの問題がある。
【0010】
これに対して、本発明は、物体の周りに配置した光学的計測センサまたは光学的距離測定センサなどの測量手段や計測手段を用いて取得した複数の距離情報から、例えばカメラなどと一体となっている物体の傾きや姿勢を正確に計測することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明は、光学的な測量手段または計測手段を搭載した移動手段を使って、移動手段の姿勢情報を計測する装置であって、移動手段の周りに、ある幾何パターンに従って配置した複数の光学的な測量手段または計測手段を使って、道路または地面までの距離情報を取得する機能手段と、前記複数の光学的な測量手段または計測手段が取得した各々の距離情報から、ある基準平面に対する前記移動手段の傾斜または姿勢を測定する機能手段と、を具備することを特徴とする姿勢計測装置を、その課題の解決手段とする。
【0012】
あるいは、光学的な測量手段または計測手段を搭載した移動手段を使って、移動手段の姿勢情報を計測する装置であって、移動手段が移動することを検出し、ある一定量移動したときの位置情報を測定する機能手段と、前記移動手段の周りに、ある幾何パターンに従って配置した複数の光学的な測量手段または計測手段を使って、道路または地面までの距離情報を取得する機能手段と、前記複数の光学的な測量手段または計測手段が取得した各々の距離情報から、前記測定された各位置情報における、ある基準平面に対する前記移動手段の傾斜または姿勢を測定する機能手段と、を具備することを特徴とする姿勢計測装置を、その課題の解決手段とする。
【0013】
あるいは、上記の姿勢計測装置において、前記ある基準平面とする平面を設定する機能手段を具備し、前記移動手段の傾斜または姿勢を測定する機能手段では、前記設定した基準平面からの姿勢を測定することを特徴とする姿勢計測装置を、その課題の解決手段とする。
【0014】
あるいは、光学的な測量手段または計測手段を搭載した移動手段を使って、移動手段の姿勢情報を計測する方法であって、移動手段の周りに、ある幾何パターンに従って配置した複数の光学的な測量手段または計測手段を使って、道路または地面までの距離情報を取得する段階と、前記複数の光学的な測量手段または計測手段が取得した各々の距離情報から、ある基準平面に対する前記移動手段の傾斜または姿勢を測定する段階と、を具備することを特徴とする姿勢計測方法を、その課題の解決手段とする。
【0015】
あるいは、光学的な測量手段または計測手段を搭載した移動手段を使って、移動手段の姿勢情報を計測する方法であって、移動手段が移動することを検出し、ある一定量移動したときの位置情報を測定する段階と、前記移動手段の周りに、ある幾何パターンに従って配置した複数の光学的な測量手段または計測手段を使って、道路または地面までの距離情報を取得する段階と、前記複数の光学的な測量手段または計測手段が取得した各々の距離情報から、前記測定された各位置情報における、ある基準平面に対する前記移動手段の傾斜または姿勢を測定する段階と、を具備することを特徴とする姿勢計測方法を、その課題の解決手段とする。
【0016】
あるいは、上記の姿勢計測方法において、前記移動手段の傾斜または姿勢を測定する段階の前に、前記ある基準平面とする平面を設定する段階を具備し、前記移動手段の傾斜または姿勢を測定する段階では、前記設定した基準平面からの姿勢を測定することを特徴とする姿勢計測方法を、その課題の解決手段とする。
【0017】
本発明では、光学的な測量手段や計測手段を図3の車両などの移動手段の複数の計測点に取り付けて求めた各計測点の高さ情報を用いることにより、道路面の微小な傾き並びにタイヤによる振動吸収とそれに伴う車両の傾きや姿勢情報を高精度に計測する。また、カメラなどの撮像装置と組み合わせることにより、視点の姿勢を計測可能とする。本発明により計測した姿勢情報は、コンピュータビジョンにおけるカメラパラメータなどとして利用することができ、外界の物体の空間情報を高精度に計測する(空間計測、空間測量、車両を使った移動式測量)ことが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を用いて詳細に説明する。
【0019】
[実施形態例1]
図1は本発明の第1の実施形態例に関する基本構成図である。なお、図3に示すように、本実施形態例では、姿勢計測装置を車両に取り付けた応用例について説明し、道路などの地表を走行しているときの時間的に変化する車両の姿勢を計測することを説明する。
【0020】
本実施形態例による姿勢計測装置は、計測するためのレーザ光を発信するためのレーザ光発信部1、車両周りの複数の計測点から道路面に向けて照射されたレーザ光の道路面からの反射光を各計測点で受光するレーザ光受信部2、受光した反射波においてノイズ等をカットする反射波フィルタ部3、各計測点でのレーザ光発信部1からのレーザ光と道路面からの反射光を合波してその間のパルスをカウントするパルス計測部4、パルス計測部4からのパルスカウント値を距離に換算して道路面からの計測点の高さを求める高さ計測部5、複数の高さ情報から車両の姿勢を求める姿勢計測部6、並びに、逐次求めた車両の姿勢を記録する姿勢情報記録部7から構成される。
【0021】
図2は、本実施形態例における処理フローを示しており、図4にはレーザ計測センサ3個を取り付けた場合、図5には4個を取り付けた場合、図6には6個を取り付けた場合の例を示す。図面左側が運転席(進行方向)であり、天井から見た図に示すような、ある幾何パターンに従った配置でレーザ計測センサを設置する。ここで、xyは天井面で設定した座標系である。
【0022】
図4では、車両の幅をWとして、その距離を隔ててP2とP3の位置に2個のセンサを取り付け、その場合のx軸座標系での位置から車両の頭部までの長さをLとし、その距離を隔ててP1の位置に1個のセンサを取り付ける。また、図5では、車両の幅をWとして、その距離を隔ててP1とP4の位置に2個のセンサを取り付け、その場合のx軸座標系での位置から長さをLだけ隔てて、Wの幅でP2とP3の位置に2個のセンサを取り付けている。さらに、図6では、車両の幅をWとして、その距離を隔ててP4とP5の位置に2個のセンサを取り付け、その場合のx軸座標系での位置から長さをLだけ隔てて、Wの幅でP2とP3の位置に2個のセンサを取り付け、P4とP5のx軸座標系での位置から長さをL+D1だけ隔ててP1を取り付け、P4とP5のx軸座標系での位置から長さを−D2だけ隔ててP6を取り付けている。これ以降、図4に示す3個のセンサ(レーザ受信部2)を有する場合を説明する。
【0023】
図3は、3個のセンサを車両11に搭載した場合について側面からみた図である。本実施形態例のレーザ光発信部1では、コンデンサーバンク12などにより充電を行い、所定の電圧に達するとフラッシュランプが発光するなどして、レーザ光発信部1からレーザ光が照射される。このとき、ハーフミラー13により車両11の前方を計測する光と車両11の後方を計測するためのレーザ光に分岐される。次に、目標物、すなわち、地表面(道路面)に照射される前に、一部の光を光分岐部14で分岐して、スタートパルスとしてパルスカウンタ4−1のゲート回路をオープンにする。一方、光分岐部14を通過したレーザ光は反射板により曲げられて車両11の真下の点P1の照射口15から道路面へ照射される。
【0024】
次に、道路面から反射した光は、点P1の受光窓16により検出され、その後、図略のフィルタ部において太陽光などの背景雑音が除去される。続いて、パルスカウンタ4−1に入射することで、この受光パルスはストップパルスとして機能し、ゲート回路をクローズする。ここで、スタートパルスによる時間とストップパルスによる時間差がパルスでカウントされ、高さ計測部5−1において、このパルスカウント値が距離に換算されて点P1から道路面までの距離Z1が計測される。
【0025】
同様に、ハーフミラー13で分けられた光は、光分岐部17においてパルスカウンタ4−2のゲート回路をオープンし、反射板(図4の反射ミラー21,22を含む)を経由して点P2の照射口18から車両11後方に位置する道路面へ照射される。さらに、道路面から反射した光は点P2の受光窓19で検出され、図略のフィルタ部において、太陽光などの背景雑音を除去されてからパルスカウンタ4−2に入射されてゲート回路をクローズすることより、ゲート回路のスタートからクローズまでの時間差がパルスでカウントされ、高さ計測部5−2において、このパルスカウント値が距離に換算されて距離Z2が計測される。これと同じように、点P3においても、図4のようにハーフミラー20で反射されて分岐され反射ミラー23,24を含む反射板によりレーザ光が照射され、点P3から道路面までの距離Z3が計測される。
【0026】
各時間での高さ情報を示すために、時間を表すサフィックスとしてiを使用し、各位置:点P1,P2,P3での高さ情報をそれぞれZi1,Zi2,Zi3とする。高さ計測部5−1,5−2など(図1の高さ計測部5)から出力された各位置:点P1,P2,P3での高さ情報から、姿勢計測部6は各時間での姿勢情報を算出する。つまり、図2での法線ベクトル計算では、式(1)に示す行列演算を行い、法線ベクトル(αi,βi,γi)を求める。次に、式(2)と式(3)の演算を行い、Roll回転ψi、並びに、Pitch回転ωiを得る。
【0027】
【数1】
【0028】
最後に、姿勢情報記録部7において、求めた姿勢情報(Roll回転ψi,Pitch回転ωi)を時系列に記録する。
【0029】
レーザ距離計測における距離分解能、すなわち、測定誤差はレーザ光のクロック周波数に依存する。最近のレーザ光ではセンチメートルまでの測定分解能を有するレーザ計測装置が実用化されており、このレーザ光を利用する場合は、点P1,P2,P3での高さ情報Zi1,Zi2,Zi3はセンチメートルの測定誤差以内で計測可能である。本発明では、さらにクロック周波数の高いレーザ光を利用することにより、ミリメートルレベルでの高さ計測が実現できる。
【0030】
このようにして、逐次、車両の姿勢を得ることができ、GPS測位を利用したリモートセンシングと異なり、高層なビルが立ち並ぶ市街地環境においても高精度に車両の動く姿勢をリアルタイムに測定することができる。
【0031】
また、図5のような幾何的パターンにセンサを配置した場合は、式(4)に従って、法線ベクトル(αi,βi,γi)を求め、図6のような幾何的パターンに配置した場合は、式(5)に従って、法線ベクトル(αi,βi,γi)を求めて、上記と同様に、各時間でのRoll回転ψi、並びに、Pitch回転ωiを得ることができる。
【0032】
【数2】
【0033】
[実施形態例2]
本発明による第2の実施形態例を説明する。図8は本実施形態例に関係する基本構成図であり、実施形態例1に対して、測位計測部8があり、各時間に対応する測位情報(緯度経度、標高、方位など)を測定する。GPS測位では位置情報と方位が取得できるだけであるため、GPS測位に実施形態例1で測定したRoll回転とPitch回転を回転情報を追加して、運動情報として運動情報記録部9に記録することができる。
【0034】
処理フローは、図2と同じであるが、図11の処理フローで示すように、測位計測部8により得た測位情報から位置情報を求めて移動物体の移動量(1つ前に測定した点との距離など)を算出して、その距離が許容範囲以上であれば、そのときの光学的距離センサなどによる高さ情報から、その位置における姿勢情報、すなわち、Roll回転とPitch回転を計測して、測位情報から得た方位(Yaw回転)、位置情報(X,Y,Z)と合わせて、運動情報として記録する。つまり、静止している状態では逐次姿勢を求めない仕組みになっている。
【0035】
[実施形態例3]
本発明による第3の実施形態例を説明する。図9は本実施形態例に関係する基本構成図である。本実施形態例における、構成、および処理フローは実施形態例1と同様であり、異なる点は、図12の処理フローで示すように、姿勢を測定するときの基準とする面を設定する基準面設定部10を有することである。
【0036】
初期状態において、車両における点P1,P2,P3の高さは、特に限定する必要は無い。つまり、図4から図5のような幾何的パターンで、点P1,P2,P3を配置するだけで、高さ方向には適当に配置させる。その代わり、初期状態とする姿勢を本実施形態例により検出し、初期の法線ベクトル(α1,β1,γ1)で張られる平面を基準面とし、それ以降に時々刻々変化する法線ベクトル(αi,βi,γi)を初期の法線ベクトル(α1,β1,γ1)からの相対的な姿勢情報として検出する。これにより、点P1,P2,P3の高さを水平に同一の高さに固定しなくてもよく、基準面さえ同定するだけで、姿勢からの相対的な姿勢情報を高精度に計測することができる。
【0037】
[実施形態例4]
本発明による第4の実施形態例を説明する。図10は本実施形態例に関係する基本構成図である。本実施形態例は、上記した実施形態例2に実施形態例3を適用した例である。すなわち、実施形態例1に加えて、実施形態例2で説明した各時間に対応する測位情報(緯度経度、標高、方位など)を測定する測位計測部8を有するとともに、実施形態例3で説明した姿勢を測定するときの基準とする面を設定する基準面設定部10を有する。これにより、初期状態において、車両における点P1,P2,P3の高さは、特に限定する必要は無く、基準面さえ同定するだけで、姿勢からの相対的な姿勢情報と高精度に計測することができるとともに、GPS測位では位置情報と方位が取得できるだけであるため、GPS測位に実施形態例1で測定したRoll回転とPitch回転を回転情報を追加して、運動情報として運動情報記録部9に記録することができる。
【0038】
なお、図1、図8,図9および図10で示した装置のうちデータ処理を行う部分についは、その一部もしくは全部を、コンピュータ等の演算処理手段や制御手段を用いて実現できること、あるいは、図2、図11および図12で示した処理のうちデータ処理を行う手順については、その手順をコンピュータ等に実行させることができることは言うまでもなく、コンピュータ等でその各部の処理機能を実現するためのプログラム、あるいは、コンピュータ等にその処理手順を実行させるためのプログラムを、そのコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスクや、MO、ROM、メモリカード、CD、DVD、リムーバルディスクなどに記録して、保存したり、提供したりすることが可能であり、また、インターネットのような通信ネットワークを通じて、該プログラムを提供したりすることが可能である。このようにして記録媒体や通信ネットワークにより提供されたプログラムを、コンピュータ等の演算処理手段や制御手段にインストールすることで、本発明が実施可能となる。
【0039】
【発明の効果】
本発明は、屋外撮影時などでの微小な振動に対しても、カメラ視点などの姿勢を高精度に計測できる効果があり、カメラや測量装置を取り付けた車両を使ったモービルマッピングに適用すれば、車両を剛体としたときの運動、並びに、車両に取り付けたカメラに対するカメラパラメータとしても利用することができ、屋外景観の測量、計測などに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施形態例に関係する基本的構成図である。
【図2】第1の実施形態例の計測点を3点とした場合の車両姿勢計測の処理フロー図である。
【図3】本発明による装置を車両に搭載した場合の実施形態例を示す図である。
【図4】3点から車両姿勢を求めるための天井からみた配置図である。
【図5】4点から車両姿勢を求めるための天井からみた配置図である。
【図6】6点から車両姿勢を求めるための天井からみた配置図である。
【図7】光ファイバジャイロ、レーザジャイロの計測原理を説明する図である。
【図8】本発明による第2の実施形態例に関係する基本的構成図である。
【図9】本発明による第3の実施形態例に関係する基本的構成図である。
【図10】本発明による第4の実施形態例に関係する基本的構成図である。
【図11】第2の実施形態例における距離計測を行う処理フロー図である。
【図12】第3の実施形態例における初期状態での姿勢(基準平面)を設定する処理フロー図である。
【符号の説明】
1…レーザ光発信部
2…レーザ光受信部
3…反射波フィルタ部
4…パルス計測部4
5…高さ計測部
6…姿勢計測部
7…姿勢情報記録部
8…測位計測部
9…運動情報記録部
10…基準面設定部
【発明の属する技術分野】
本発明は、指定した平面、または基準とする平面に対する傾きを測定する計測・測量技術に関係する。また、複数のGPSセンサ装置などを使って複数の位置情報から平面を求めて基準面からの姿勢を得る、または、ジャイロセンサなどを計測センサとして使って基準面からの姿勢情報を得る技術に関係する。また、市街地走行中の車両の振動、または、路面の凹凸に対する車両の傾き形状を計測する技術に関係する。
【0002】
【従来の技術】
姿勢を計測する手段として、車速センサやジャイロセンサが代表的であり、車両やヘリコプターなどに搭載されている。これらのジャイロセンサは、時々刻々と変化する姿勢情報を計測可能である。また、複数の高精度なDGPS装置[非特許文献2]を使って、姿勢を計測する技術も存在する。
【0003】
また、車両などの移動手段を使って屋外環境の景観を撮影する場合、カメラの姿勢は重要なカメラパラメータとして利用される。このため、カメラ姿勢を正確に検出、推定する手法として、エピポーラ解析や因子分解法やモーションステレオによる動画像解析手法がある。さらに、外界の景観情報の全周囲景観を撮像する画像入力装置として全方位カメラが存在するが、全方位カメラの視点(光学的中心)に関する位置、方位、姿勢などのカメラパラメータ推定は全方位カメラを利用した空間測量や画像計測において重要なパラメータとなっている。
【0004】
一方、レーザ計測技術が進歩する中で、レーザジャイロによる物体の姿勢を高精度に計測する技術がある。図7は光ファイバジャイロ(FOG:Fiber Optic Gyroscope)、または、リングレーザジャイロ(RLG:Ring Laser Gyroscope)の計測原理である。この計測原理は、右回りのレーザ光と左回りのレーザ光との合成光の強度変化により位相差を求めることで角速度を検出することができる。図7は、一軸周りの回転を示しているが、三軸周りの回転へも応用されており、これによりロケットなどのRoll,Pitch,Yaw回転を計測する技術として航空機制御において使用されている。さらに、複合現実感などの研究では、視点位置合わせに高精度なレーザジャイロを使用している[非特許文献1]。
【0005】
【非特許文献1】
佐藤清秀、穴吹まほろ、山本裕之、田村秀行、“屋外装着型複合現実感のためのハイブリッド位置合わせ手法”、日本バーチャルリアリティ学会論文誌、vol7,no.2,pp.129−137,June 2002
【0006】
【非特許文献2】
パイオニア株式会社「現在地がわかる仕組み」、[online]、2001年6月26日、パイオニア株式会社[平成14年10月15日検索]、インターネット、<URL:http://www.pioneer.co.jp/e−place/03/02.html>
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
車両などの移動手段にカメラやセンサなどの計器類を搭載した屋外での移動撮影・計測は、市街地景観に関する空間データ収集の迅速性、空間情報に対する情報更新性に優れている。しかし、車両は移動中において、撮影環境の影響を受けて微小な運動をするなど、車両並びにヘリコプターなどの移動手段は屋外環境に応じて微小に変動する場合がある。例えば、道路は常に理想的な平面ではなく、上り下り坂や微小に傾きが変化する坂があり、アスファルトのメンテナンスの頻度が多くなると路面は左右で微小に傾いていることがあり、時々刻々変化する方位や姿勢を検出する必要がある。このときの微小な運動をジャイロセンサなどのセンサを利用しても正確な運動として検出することは難しい。また、屋外計測において、DGPS(Differential Global Positioning System)測位値などの高精度な位置情報で検出することが可能であるが、高層の建物が並ぶ場所ではビルシャドウなどにより見通し悪く、高精度なDGPS装置を利用したとしても、それから取得する測位情報はデータ品質が悪く姿勢計測は不向きである。
【0008】
そこで、本発明は、このような時々刻々に撮影環境に応じた微小な姿勢情報を検出、または、計測することを課題としている。
【0009】
また、カメラなどの撮影機器を車両などの移動手段に搭載して、屋外などの環境で撮影するとき、カメラの姿勢は、ジャイロセンサなどを利用した手段だけでは計測することは困難であった。さらに、レーザジャイロを利用した姿勢計測は10〜20cm/秒などの極端に低速な運動に関して検知精度に及ぼす角速度の計測誤差が発生する。また、レーザジャイロは、積分計算により位置情報などを求めている場合もあり、ドリフト誤差(時間が経過するにつれての誤差)が蓄積し、場合によっては正確な位置合わせができないなどの問題がある。
【0010】
これに対して、本発明は、物体の周りに配置した光学的計測センサまたは光学的距離測定センサなどの測量手段や計測手段を用いて取得した複数の距離情報から、例えばカメラなどと一体となっている物体の傾きや姿勢を正確に計測することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明は、光学的な測量手段または計測手段を搭載した移動手段を使って、移動手段の姿勢情報を計測する装置であって、移動手段の周りに、ある幾何パターンに従って配置した複数の光学的な測量手段または計測手段を使って、道路または地面までの距離情報を取得する機能手段と、前記複数の光学的な測量手段または計測手段が取得した各々の距離情報から、ある基準平面に対する前記移動手段の傾斜または姿勢を測定する機能手段と、を具備することを特徴とする姿勢計測装置を、その課題の解決手段とする。
【0012】
あるいは、光学的な測量手段または計測手段を搭載した移動手段を使って、移動手段の姿勢情報を計測する装置であって、移動手段が移動することを検出し、ある一定量移動したときの位置情報を測定する機能手段と、前記移動手段の周りに、ある幾何パターンに従って配置した複数の光学的な測量手段または計測手段を使って、道路または地面までの距離情報を取得する機能手段と、前記複数の光学的な測量手段または計測手段が取得した各々の距離情報から、前記測定された各位置情報における、ある基準平面に対する前記移動手段の傾斜または姿勢を測定する機能手段と、を具備することを特徴とする姿勢計測装置を、その課題の解決手段とする。
【0013】
あるいは、上記の姿勢計測装置において、前記ある基準平面とする平面を設定する機能手段を具備し、前記移動手段の傾斜または姿勢を測定する機能手段では、前記設定した基準平面からの姿勢を測定することを特徴とする姿勢計測装置を、その課題の解決手段とする。
【0014】
あるいは、光学的な測量手段または計測手段を搭載した移動手段を使って、移動手段の姿勢情報を計測する方法であって、移動手段の周りに、ある幾何パターンに従って配置した複数の光学的な測量手段または計測手段を使って、道路または地面までの距離情報を取得する段階と、前記複数の光学的な測量手段または計測手段が取得した各々の距離情報から、ある基準平面に対する前記移動手段の傾斜または姿勢を測定する段階と、を具備することを特徴とする姿勢計測方法を、その課題の解決手段とする。
【0015】
あるいは、光学的な測量手段または計測手段を搭載した移動手段を使って、移動手段の姿勢情報を計測する方法であって、移動手段が移動することを検出し、ある一定量移動したときの位置情報を測定する段階と、前記移動手段の周りに、ある幾何パターンに従って配置した複数の光学的な測量手段または計測手段を使って、道路または地面までの距離情報を取得する段階と、前記複数の光学的な測量手段または計測手段が取得した各々の距離情報から、前記測定された各位置情報における、ある基準平面に対する前記移動手段の傾斜または姿勢を測定する段階と、を具備することを特徴とする姿勢計測方法を、その課題の解決手段とする。
【0016】
あるいは、上記の姿勢計測方法において、前記移動手段の傾斜または姿勢を測定する段階の前に、前記ある基準平面とする平面を設定する段階を具備し、前記移動手段の傾斜または姿勢を測定する段階では、前記設定した基準平面からの姿勢を測定することを特徴とする姿勢計測方法を、その課題の解決手段とする。
【0017】
本発明では、光学的な測量手段や計測手段を図3の車両などの移動手段の複数の計測点に取り付けて求めた各計測点の高さ情報を用いることにより、道路面の微小な傾き並びにタイヤによる振動吸収とそれに伴う車両の傾きや姿勢情報を高精度に計測する。また、カメラなどの撮像装置と組み合わせることにより、視点の姿勢を計測可能とする。本発明により計測した姿勢情報は、コンピュータビジョンにおけるカメラパラメータなどとして利用することができ、外界の物体の空間情報を高精度に計測する(空間計測、空間測量、車両を使った移動式測量)ことが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を用いて詳細に説明する。
【0019】
[実施形態例1]
図1は本発明の第1の実施形態例に関する基本構成図である。なお、図3に示すように、本実施形態例では、姿勢計測装置を車両に取り付けた応用例について説明し、道路などの地表を走行しているときの時間的に変化する車両の姿勢を計測することを説明する。
【0020】
本実施形態例による姿勢計測装置は、計測するためのレーザ光を発信するためのレーザ光発信部1、車両周りの複数の計測点から道路面に向けて照射されたレーザ光の道路面からの反射光を各計測点で受光するレーザ光受信部2、受光した反射波においてノイズ等をカットする反射波フィルタ部3、各計測点でのレーザ光発信部1からのレーザ光と道路面からの反射光を合波してその間のパルスをカウントするパルス計測部4、パルス計測部4からのパルスカウント値を距離に換算して道路面からの計測点の高さを求める高さ計測部5、複数の高さ情報から車両の姿勢を求める姿勢計測部6、並びに、逐次求めた車両の姿勢を記録する姿勢情報記録部7から構成される。
【0021】
図2は、本実施形態例における処理フローを示しており、図4にはレーザ計測センサ3個を取り付けた場合、図5には4個を取り付けた場合、図6には6個を取り付けた場合の例を示す。図面左側が運転席(進行方向)であり、天井から見た図に示すような、ある幾何パターンに従った配置でレーザ計測センサを設置する。ここで、xyは天井面で設定した座標系である。
【0022】
図4では、車両の幅をWとして、その距離を隔ててP2とP3の位置に2個のセンサを取り付け、その場合のx軸座標系での位置から車両の頭部までの長さをLとし、その距離を隔ててP1の位置に1個のセンサを取り付ける。また、図5では、車両の幅をWとして、その距離を隔ててP1とP4の位置に2個のセンサを取り付け、その場合のx軸座標系での位置から長さをLだけ隔てて、Wの幅でP2とP3の位置に2個のセンサを取り付けている。さらに、図6では、車両の幅をWとして、その距離を隔ててP4とP5の位置に2個のセンサを取り付け、その場合のx軸座標系での位置から長さをLだけ隔てて、Wの幅でP2とP3の位置に2個のセンサを取り付け、P4とP5のx軸座標系での位置から長さをL+D1だけ隔ててP1を取り付け、P4とP5のx軸座標系での位置から長さを−D2だけ隔ててP6を取り付けている。これ以降、図4に示す3個のセンサ(レーザ受信部2)を有する場合を説明する。
【0023】
図3は、3個のセンサを車両11に搭載した場合について側面からみた図である。本実施形態例のレーザ光発信部1では、コンデンサーバンク12などにより充電を行い、所定の電圧に達するとフラッシュランプが発光するなどして、レーザ光発信部1からレーザ光が照射される。このとき、ハーフミラー13により車両11の前方を計測する光と車両11の後方を計測するためのレーザ光に分岐される。次に、目標物、すなわち、地表面(道路面)に照射される前に、一部の光を光分岐部14で分岐して、スタートパルスとしてパルスカウンタ4−1のゲート回路をオープンにする。一方、光分岐部14を通過したレーザ光は反射板により曲げられて車両11の真下の点P1の照射口15から道路面へ照射される。
【0024】
次に、道路面から反射した光は、点P1の受光窓16により検出され、その後、図略のフィルタ部において太陽光などの背景雑音が除去される。続いて、パルスカウンタ4−1に入射することで、この受光パルスはストップパルスとして機能し、ゲート回路をクローズする。ここで、スタートパルスによる時間とストップパルスによる時間差がパルスでカウントされ、高さ計測部5−1において、このパルスカウント値が距離に換算されて点P1から道路面までの距離Z1が計測される。
【0025】
同様に、ハーフミラー13で分けられた光は、光分岐部17においてパルスカウンタ4−2のゲート回路をオープンし、反射板(図4の反射ミラー21,22を含む)を経由して点P2の照射口18から車両11後方に位置する道路面へ照射される。さらに、道路面から反射した光は点P2の受光窓19で検出され、図略のフィルタ部において、太陽光などの背景雑音を除去されてからパルスカウンタ4−2に入射されてゲート回路をクローズすることより、ゲート回路のスタートからクローズまでの時間差がパルスでカウントされ、高さ計測部5−2において、このパルスカウント値が距離に換算されて距離Z2が計測される。これと同じように、点P3においても、図4のようにハーフミラー20で反射されて分岐され反射ミラー23,24を含む反射板によりレーザ光が照射され、点P3から道路面までの距離Z3が計測される。
【0026】
各時間での高さ情報を示すために、時間を表すサフィックスとしてiを使用し、各位置:点P1,P2,P3での高さ情報をそれぞれZi1,Zi2,Zi3とする。高さ計測部5−1,5−2など(図1の高さ計測部5)から出力された各位置:点P1,P2,P3での高さ情報から、姿勢計測部6は各時間での姿勢情報を算出する。つまり、図2での法線ベクトル計算では、式(1)に示す行列演算を行い、法線ベクトル(αi,βi,γi)を求める。次に、式(2)と式(3)の演算を行い、Roll回転ψi、並びに、Pitch回転ωiを得る。
【0027】
【数1】
【0028】
最後に、姿勢情報記録部7において、求めた姿勢情報(Roll回転ψi,Pitch回転ωi)を時系列に記録する。
【0029】
レーザ距離計測における距離分解能、すなわち、測定誤差はレーザ光のクロック周波数に依存する。最近のレーザ光ではセンチメートルまでの測定分解能を有するレーザ計測装置が実用化されており、このレーザ光を利用する場合は、点P1,P2,P3での高さ情報Zi1,Zi2,Zi3はセンチメートルの測定誤差以内で計測可能である。本発明では、さらにクロック周波数の高いレーザ光を利用することにより、ミリメートルレベルでの高さ計測が実現できる。
【0030】
このようにして、逐次、車両の姿勢を得ることができ、GPS測位を利用したリモートセンシングと異なり、高層なビルが立ち並ぶ市街地環境においても高精度に車両の動く姿勢をリアルタイムに測定することができる。
【0031】
また、図5のような幾何的パターンにセンサを配置した場合は、式(4)に従って、法線ベクトル(αi,βi,γi)を求め、図6のような幾何的パターンに配置した場合は、式(5)に従って、法線ベクトル(αi,βi,γi)を求めて、上記と同様に、各時間でのRoll回転ψi、並びに、Pitch回転ωiを得ることができる。
【0032】
【数2】
【0033】
[実施形態例2]
本発明による第2の実施形態例を説明する。図8は本実施形態例に関係する基本構成図であり、実施形態例1に対して、測位計測部8があり、各時間に対応する測位情報(緯度経度、標高、方位など)を測定する。GPS測位では位置情報と方位が取得できるだけであるため、GPS測位に実施形態例1で測定したRoll回転とPitch回転を回転情報を追加して、運動情報として運動情報記録部9に記録することができる。
【0034】
処理フローは、図2と同じであるが、図11の処理フローで示すように、測位計測部8により得た測位情報から位置情報を求めて移動物体の移動量(1つ前に測定した点との距離など)を算出して、その距離が許容範囲以上であれば、そのときの光学的距離センサなどによる高さ情報から、その位置における姿勢情報、すなわち、Roll回転とPitch回転を計測して、測位情報から得た方位(Yaw回転)、位置情報(X,Y,Z)と合わせて、運動情報として記録する。つまり、静止している状態では逐次姿勢を求めない仕組みになっている。
【0035】
[実施形態例3]
本発明による第3の実施形態例を説明する。図9は本実施形態例に関係する基本構成図である。本実施形態例における、構成、および処理フローは実施形態例1と同様であり、異なる点は、図12の処理フローで示すように、姿勢を測定するときの基準とする面を設定する基準面設定部10を有することである。
【0036】
初期状態において、車両における点P1,P2,P3の高さは、特に限定する必要は無い。つまり、図4から図5のような幾何的パターンで、点P1,P2,P3を配置するだけで、高さ方向には適当に配置させる。その代わり、初期状態とする姿勢を本実施形態例により検出し、初期の法線ベクトル(α1,β1,γ1)で張られる平面を基準面とし、それ以降に時々刻々変化する法線ベクトル(αi,βi,γi)を初期の法線ベクトル(α1,β1,γ1)からの相対的な姿勢情報として検出する。これにより、点P1,P2,P3の高さを水平に同一の高さに固定しなくてもよく、基準面さえ同定するだけで、姿勢からの相対的な姿勢情報を高精度に計測することができる。
【0037】
[実施形態例4]
本発明による第4の実施形態例を説明する。図10は本実施形態例に関係する基本構成図である。本実施形態例は、上記した実施形態例2に実施形態例3を適用した例である。すなわち、実施形態例1に加えて、実施形態例2で説明した各時間に対応する測位情報(緯度経度、標高、方位など)を測定する測位計測部8を有するとともに、実施形態例3で説明した姿勢を測定するときの基準とする面を設定する基準面設定部10を有する。これにより、初期状態において、車両における点P1,P2,P3の高さは、特に限定する必要は無く、基準面さえ同定するだけで、姿勢からの相対的な姿勢情報と高精度に計測することができるとともに、GPS測位では位置情報と方位が取得できるだけであるため、GPS測位に実施形態例1で測定したRoll回転とPitch回転を回転情報を追加して、運動情報として運動情報記録部9に記録することができる。
【0038】
なお、図1、図8,図9および図10で示した装置のうちデータ処理を行う部分についは、その一部もしくは全部を、コンピュータ等の演算処理手段や制御手段を用いて実現できること、あるいは、図2、図11および図12で示した処理のうちデータ処理を行う手順については、その手順をコンピュータ等に実行させることができることは言うまでもなく、コンピュータ等でその各部の処理機能を実現するためのプログラム、あるいは、コンピュータ等にその処理手順を実行させるためのプログラムを、そのコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスクや、MO、ROM、メモリカード、CD、DVD、リムーバルディスクなどに記録して、保存したり、提供したりすることが可能であり、また、インターネットのような通信ネットワークを通じて、該プログラムを提供したりすることが可能である。このようにして記録媒体や通信ネットワークにより提供されたプログラムを、コンピュータ等の演算処理手段や制御手段にインストールすることで、本発明が実施可能となる。
【0039】
【発明の効果】
本発明は、屋外撮影時などでの微小な振動に対しても、カメラ視点などの姿勢を高精度に計測できる効果があり、カメラや測量装置を取り付けた車両を使ったモービルマッピングに適用すれば、車両を剛体としたときの運動、並びに、車両に取り付けたカメラに対するカメラパラメータとしても利用することができ、屋外景観の測量、計測などに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施形態例に関係する基本的構成図である。
【図2】第1の実施形態例の計測点を3点とした場合の車両姿勢計測の処理フロー図である。
【図3】本発明による装置を車両に搭載した場合の実施形態例を示す図である。
【図4】3点から車両姿勢を求めるための天井からみた配置図である。
【図5】4点から車両姿勢を求めるための天井からみた配置図である。
【図6】6点から車両姿勢を求めるための天井からみた配置図である。
【図7】光ファイバジャイロ、レーザジャイロの計測原理を説明する図である。
【図8】本発明による第2の実施形態例に関係する基本的構成図である。
【図9】本発明による第3の実施形態例に関係する基本的構成図である。
【図10】本発明による第4の実施形態例に関係する基本的構成図である。
【図11】第2の実施形態例における距離計測を行う処理フロー図である。
【図12】第3の実施形態例における初期状態での姿勢(基準平面)を設定する処理フロー図である。
【符号の説明】
1…レーザ光発信部
2…レーザ光受信部
3…反射波フィルタ部
4…パルス計測部4
5…高さ計測部
6…姿勢計測部
7…姿勢情報記録部
8…測位計測部
9…運動情報記録部
10…基準面設定部
Claims (6)
- 光学的な測量手段または計測手段を搭載した移動手段を使って、移動手段の姿勢情報を計測する装置であって、
移動手段の周りに、ある幾何パターンに従って配置した複数の光学的な測量手段または計測手段を使って、道路または地面までの距離情報を取得する機能手段と、
前記複数の光学的な測量手段または計測手段が取得した各々の距離情報から、ある基準平面に対する前記移動手段の傾斜または姿勢を測定する機能手段と、を具備する
ことを特徴とする姿勢計測装置。 - 光学的な測量手段または計測手段を搭載した移動手段を使って、移動手段の姿勢情報を計測する装置であって、
移動手段が移動することを検出し、ある一定量移動したときの位置情報を測定する機能手段と、
前記移動手段の周りに、ある幾何パターンに従って配置した複数の光学的な測量手段または計測手段を使って、道路または地面までの距離情報を取得する機能手段と、
前記複数の光学的な測量手段または計測手段が取得した各々の距離情報から、前記測定された各位置情報における、ある基準平面に対する前記移動手段の傾斜または姿勢を測定する機能手段と、を具備する
ことを特徴とする姿勢計測装置。 - 請求項1または請求項2に記載の姿勢計測装置において、
前記ある基準平面とする平面を設定する機能手段を具備し、
前記移動手段の傾斜または姿勢を測定する機能手段では、前記設定した基準平面からの姿勢を測定する
ことを特徴とする姿勢計測装置。 - 光学的な測量手段または計測手段を搭載した移動手段を使って、移動手段の姿勢情報を計測する方法であって、
移動手段の周りに、ある幾何パターンに従って配置した複数の光学的な測量手段または計測手段を使って、道路または地面までの距離情報を取得する段階と、
前記複数の光学的な測量手段または計測手段が取得した各々の距離情報から、ある基準平面に対する前記移動手段の傾斜または姿勢を測定する段階と、を具備する
ことを特徴とする姿勢計測方法。 - 光学的な測量手段または計測手段を搭載した移動手段を使って、移動手段の姿勢情報を計測する方法であって、
移動手段が移動することを検出し、ある一定量移動したときの位置情報を測定する段階と、
前記移動手段の周りに、ある幾何パターンに従って配置した複数の光学的な測量手段または計測手段を使って、道路または地面までの距離情報を取得する段階と、
前記複数の光学的な測量手段または計測手段が取得した各々の距離情報から、前記測定された各位置情報における、ある基準平面に対する前記移動手段の傾斜または姿勢を測定する段階と、を具備する
ことを特徴とする姿勢計測方法。 - 請求項4または請求項5に記載の姿勢計測方法において、
前記移動手段の傾斜または姿勢を測定する段階の前に、前記ある基準平面とする平面を設定する段階を具備し、
前記移動手段の傾斜または姿勢を測定する段階では、前記設定した基準平面からの姿勢を測定する
ことを特徴とする姿勢計測方法。
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