【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ローター内に配設された複数のタンブラーが揃って開錠位置に在る時にロッキングバーによる施錠状態を解除して開錠することが可能となるタンブラー錠に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来のタンブラー錠は、図５に施錠状態の横断面（ａ）及び縦断面（ｂ）を示し、図６に開錠状態の横断面（ａ）及び縦断面（ｂ）を示すとおり、鍵穴１から差し込むキーＫの側部で図５（ａ）実線図示の施錠位置から鎖線図示の開錠位置へ押し動かされる複数のタンブラーＴ１〜Ｔ９がキーＫの差し込み方向に沿って所定間隔で配設されたローターＲと、該ローターＲを回転自在に取り付けるステーターＳと、タンブラーＴ１〜Ｔ９の少なくとも一つが施錠位置に在る時はコイルバネ４、４の付勢力でステーターＳに形成された施錠溝５に嵌合してローターＲの回転を阻止し、各タンブラーＴ１〜Ｔ９が揃って開錠位置に在る時にその外周部２に形成された開錠切欠３に嵌合してステーターＳの施錠溝５から抜け出すことが可能となるロッキングバーＬとを備えている（特許文献１参照）。
【０００３】
【特許文献１】
特開２００２−１８８３３３号公報（第４頁、第１−５図）
【０００４】つまり、タンブラー錠は、鍵穴１からローターＲ内にキーＫを差し込むと、そのキーＫの側部でローターＲ内に配設されたタンブラーＴ１〜Ｔ９が揃って施錠位置から開錠位置へ押し動かされて、それら各タンブラーＴ１〜Ｔ９の外周部２に形成された開錠切欠３が、ステーターＳの施錠溝５に嵌合してローターＲの回転を阻止しているロッキングバーＬの端部と対峙する。そして、その状態で、キーＫを図６（ａ）に矢印で示す開錠方向に回すと、ロッキングバーＬが、ローターＲのトルクで押し上げられて、同図の如く各タンブラーＴ１〜Ｔ９の開錠切欠３に嵌合してステーターＳの施錠溝５から抜け出し、ローターＲが回転して開錠されるようになっている。
【０００５】なお、ローターＲ内には、各タンブラーＴ１〜Ｔ９を揺動可能に支持する支軸６と、該支軸６で支持された各タンブラーＴ１〜Ｔ９を開錠位置から施錠位置へ戻す方向に付勢するタンブラーバネ７と、該バネ７で付勢された各タンブラーＴ１〜Ｔ９を施錠位置の始端に揃えて衝止させるバックアップピン８とが設けられ、該バックアップピン８に、ロッキングバーＬをステーターＳの施錠溝５に嵌合させるよう付勢するコイルバネ４、４が取り付けられている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、最近は、この種のタンブラー錠がピッキングによって不正開錠される被害が激増して大きな社会問題ともなっている。そのピッキングの主な手口は、鍵穴１からローターＲ内に二つの工具を同時に差し込み、一方の工具でローターＲにトルクを与えながら、他方の工具でローターＲ内に所定間隔で配設された各タンブラーＴ１〜Ｔ９を鍵穴１に近いものから順次一つずつ図５（ａ）鎖線図示の開錠位置の方向へ押し動かして、その外周部２に形成された開錠切欠３の位置を探り当て、これにロッキングバーＬを嵌合させて行くというものである。
【０００７】つまり、従来のタンブラー錠は、ローターＲにトルクを与えることにより、ロッキングバーＬを押し上げて、その端部をタンブラーの外周部２に押し当てた状態で、該タンブラーを施錠位置から開錠位置の方向へ押し動かせば、その外周部２に形成された開錠切欠３の開口端３ａをロッキングバーＬの端部が通過する際に生ずる手応えを感知して該ロッキングバーＬを開錠切欠３に嵌合させることが可能であるという欠点を有していた。
【０００８】この欠点に鑑み、上記特許文献１には、開錠切欠３を開口端３ａに浅い段部を有した段付き形状とし、その段部で開口端３ａを通過したロッキングバーＬの端部を開錠切欠３に嵌合させないようにする発明が開示されている。
【０００９】しかしながら、この発明が特許文献１に開示されると、開錠切欠３が、その開口端３ａに浅い段部を有する段付き形状であることが公に知られてしまうので、ロッキングバーＬの端部が開口切欠３の開口端３ａを通過する時の手応えと、その開口端３ａに形成された浅い段部の端を通過する時の手応えとを感知すれば不正開錠が可能であることを容易に見破られてしまう。また、手応えを二度感知する場合は、一度だけ感知する場合に比べて多少時間はかかるが、手馴れたピッキング犯であれば、数分以内に開錠することが可能であるものと予想される。
【００１０】また、最近は、ピッキングを防止するために、鍵穴１をＷ形に折れ曲がった形状にして、その鍵穴１にピッキング用工具を差し込んで操作することを困難にする工夫もなされているが、ピッキング犯が鍵穴の形状に合わせてその鍵穴に差し込みやすく操作しやすいピッキング用工具を作り出すことも十分予想されるので、ピッキング被害を確実に防止し得るとは言い得ない。
【００１１】そこで本発明は、タンブラー錠のピッキング被害を確実に防止するために、上述の如くローターにトルクを与えて順次各タンブラーの開錠切欠にロッキングバーを嵌合させるというピッキングの手口そのものが通用しないようにすることを技術的課題としている。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、鍵穴から差し込むキーの側部で施錠位置から開錠位置へ押し動かされる複数のタンブラーがキーの差し込み方向に沿って所定間隔で配設されたローターと、該ローターを回転自在に取り付けたステーターと、前記タンブラーの少なくとも一つが施錠位置に在る時は前記ステーターに形成された施錠溝に嵌合して前記ローターの回転を阻止し、前記タンブラーが揃って開錠位置に在る時に当該各タンブラーの外周部に形成された開錠切欠に嵌合して前記施錠溝から抜け出すことが可能となるロッキングバーとを備えたタンブラー錠において、前記タンブラーの中に、前記開錠切欠の開口端とその開錠切欠に嵌合するロッキングバーの端部との間における施錠時のクリアランスが他のタンブラーより大きいタンブラーが、一又は二以上混在していることを特徴とする。
【００１３】本発明によれば、鍵穴から差し込んだピッキング用工具で、ローターにトルクを与えてローター内に配設されたタンブラーの外周部にロッキングバーの端部を押し当てながら、該タンブラーを施錠位置から開錠位置へ押し動かしてその外周部に形成された開錠切欠にロッキングバーを嵌合させようとしても、施錠時のクリアランスが他のタンブラーより大きいタンブラーは、クリアランスの小さい他のタンブラーが未だ施錠位置に在る時は、外周部にロッキングバーの端部を押し当てながら開錠位置へ押し動かすことができず、もし、開錠位置へ押し動かしたとしても、他のタンブラーとのクリアランスの差によって開錠切欠にロッキングバーを嵌合させることができないため、押すのを止めれば自動的に施錠位置へ戻ってしまう。
【００１４】一方、施錠時のクリアランスが小さい他のタンブラーは、ローターにトルクを与えてロッキングバーの端部を外周部に押し当てながら施錠位置から開錠位置へ押し動かし、その外周部に形成された開錠切欠にロッキングバーの端部を嵌合させることができなくはないが、該ロッキングバーは、施錠位置に在るクリアランスの大きいタンブラーに邪魔されて、クリアランスの小さいタンブラーの開錠切欠に嵌合する深さが浅くなるので、次にそのロッキングバーをクリアランスの大きいタンブラーの外周部に押し当てて該タンブラーを施錠位置から開錠位置へ押し動かそうとした時に、クリアランスの小さいタンブラーの開錠切欠に嵌合させたロッキングバーの端部がその開錠切欠から外れて、該タンブラーが施錠位置に戻るという現象が生じ得る。
【００１５】このように、本発明のタンブラー錠は、ローターにトルクを与えて各タンブラーの開錠切欠にロッキングバーを嵌合させるというピッキングの手口が通用しない構造になっているので、本発明が特許文献等に開示されて、その構造を知り得たとしても、ピッキングによって不正開錠することができない。したがって、ピッキングの被害を確実に防止してタンブラー錠の信頼性を著しく高めることができる。
【００１６】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面によって具体的に説明する。
図１及び図２は、本発明によるタンブラー錠の一例を示す図であって、図１の（ａ）及び（ｂ）は、そのタンブラー錠の施錠状態を示す横断面図及び縦断面図であり、図２（ａ）及び（ｂ）は、タンブラー錠の開錠状態を示す横断面図及び縦断面図である。
【００１７】また、図３及び図４は、本発明によるタンブラー錠の他の例を示す図であって、図３の（ａ）及び（ｂ）は、そのタンブラー錠の施錠状態を示す横断面図及び縦断面図であり、図４（ａ）及び（ｂ）は、タンブラー錠の開錠状態を示す横断面図及び縦断面図である。なお、図５及び図６に示す従来のタンブラー錠と対応する部分には同一符号を付し、従来と共通する構成については詳細説明を省略する。
【００１８】図１及び図２に示すタンブラー錠は、ローターＲ内に配設された複数のタンブラーＴ１〜Ｔ９の中に、外周部２に形成された開錠切欠３の開口端３ａとその開錠切欠３に嵌合するロッキングバーＬの端部との間における施錠時のクリアランスが他のタンブラーＴ１、Ｔ３、Ｔ５、Ｔ７及びＴ９より大きいタンブラーＴ２、Ｔ４、Ｔ６及びＴ８が、混在している。
【００１９】なお、本例では、鍵穴１に近い方から数えて奇数番目のタンブラーＴ１、Ｔ３、Ｔ５、Ｔ７及びＴ９は、施錠時のクリアランスが小さく、偶数番目のタンブラーＴ２、Ｔ４、Ｔ６及びＴ８は、そのクリアランスが奇数番目に比べて０．１〜０．３ｍｍ程度大きくなっている。
【００２０】また、偶数番目のタンブラーＴ２、Ｔ４、Ｔ６及びＴ８についてその施錠時のクリアランスを大きくするために、これら各タンブラーＴ２、Ｔ４、Ｔ６及びＴ８と対峙するロッキングバーＬの端部に、夫々深さ０．１〜０．３ｍｍ程度の窪み９が設けられている。
【００２１】このように構成されたタンブラー錠は、鍵穴１から差し込んだ一方のピッキング用工具でローターＲにトルクを与えながら、他方のピッキング用工具で図１の施錠位置にある計９個のタンブラーＴ１〜Ｔ９を鍵穴１に近いものから順次一つずつ開錠位置の方向へ押し動かして、各タンブラーの外周部２に形成された開錠切欠３にロッキングバーＬを嵌合させて行くという従来のピッキングの手口で不正開錠することはできない。
【００２２】すなわち、図１の施錠状態では、鍵穴１に差し込んだ一方のピッキング用工具で、ローターＲにトルクを与えてそのローターＲ内に配設された各タンブラーＴ１〜Ｔ９の外周部２にロッキングバーＬの端部を押し当て、他方のピッキング用工具で、各タンブラーＴ１〜Ｔ９を順次施錠位置から開錠位置へ押し動かしてその外周部２に形成された開錠切欠３にロッキングバーＬを嵌合させようとしても、施錠時のクリアランスが小さい奇数番目のタンブラーＴ１、Ｔ３、Ｔ５、Ｔ７及びＴ９が施錠位置に在る時は、それより施錠時のクリアランスが大きい偶数番目のタンブラーＴ２、Ｔ４、Ｔ６及びＴ８をその外周部２にロッキングバーＬの端部を押し当てながら施錠位置から開錠位置へ押し動かすことができないし、もし、開錠位置へ押し動かしたとしてもタンブラーバネ７の付勢力によって自動的に図１の施錠位置に戻ってしまう。
【００２３】一方、偶数番目のタンブラーＴ２、Ｔ４、Ｔ６及びＴ８より施錠時のクリアランスが小さい奇数番目のタンブラーＴ１、Ｔ３、Ｔ５、Ｔ７及びＴ９は、ローターＲにトルクを与えてロッキングバーＬの端部を外周部２に押し当てながら順次施錠位置から開錠位置へ押し動かして、各々の外周部２に形成された開錠切欠３にロッキングバーＬの端部を嵌合させることが不可能ではないが、もし、ロッキングバーＬの端部を各タンブラーＴ１、Ｔ３、Ｔ５、Ｔ７及びＴ９の開錠切欠３に嵌合させ得たとしても、該ロッキングバーＬは、偶数番目のタンブラーＴ２、Ｔ４、Ｔ６及びＴ８が施錠位置に在るために、奇数番目のタンブラーＴ１、Ｔ３、Ｔ５、Ｔ７及びＴ９の開錠切欠３に嵌合する深さが０．１〜０．３ｍｍ程度と非常に浅くなり、次にそのロッキングバーＬを偶数番目のタンブラーＴ２、Ｔ４、Ｔ６及びＴ８の外周部２に押し当てて、これら各タンブラーを施錠位置から開錠位置へ押し動かそうとした時に、ロッキングバーＬの端部が奇数番目のタンブラーＴ１、Ｔ３、Ｔ５、Ｔ７及びＴ９の開錠切欠３から外れて、これらタンブラーがタンブラーバネ７の付勢力によって施錠位置に戻るという現象が生ずることとなる。
【００２４】したがって、図１及び図２に示すタンブラー錠は、ローターＲにトルクを与えて各タンブラーＴ１〜Ｔ９の開錠切欠３に順次ロッキングバーＬを嵌合させて行くという従来のピッキング手口によって不正開錠することができず、実験によれば、ピッキング犯罪に精通した鍵の専門家でも、ピッキングによって１時間以内に開錠することはできなかった。
【００２５】特に、クリアランスの小さいタンブラーＴ１、Ｔ３、Ｔ５、Ｔ７及びＴ９と、クリアランスの大きいタンブラーＴ２、Ｔ４、Ｔ６及びＴ８とが交互に設けられていると、ピッキングによる不正開錠が著しく困難であり、更に、例えばロッキングバーＬの端部に設ける各窪み９の深さを０．１ｍｍと０．２ｍｍ又は０．２ｍｍと０．３ｍｍ、あるいは０．１ｍｍと０．３ｍｍの如く互いに異ならせて、偶数番目のタンブラーＴ２、Ｔ４、Ｔ６及びＴ８のクリアランスにも大小の差を設ければ、ピッキングよる不正開錠がより一層困難になるので、ピッキングの被害を確実に防止してタンブラー錠の信頼性を著しく高めることができる。
【００２６】また、上記の如く、ロッキングバーＬの端部に窪み９を形成することによって、タンブラーＴ２、Ｔ４、Ｔ６及びＴ８の外周部２に形成された開錠切欠３の開口端３ａとその開錠切欠３に嵌合するロッキングバーＬの端部との間における施錠時のクリアランスを他のタンブラーＴ１、Ｔ３、Ｔ５、Ｔ７及びＴ９より大きくすれば、図５及び図６に示す従来のタンブラー錠についても、そのロッキングバーＬに同様の窪みを形成する簡単な改造を施すだけで、本発明を適用することができるという利点がある。
【００２７】次に、図３及び図４に示すタンブラー錠は、上記の如くロッキングバーＬに窪み９を形成する代わりに、偶数番目のタンブラーＴ２、Ｔ４、Ｔ６及びＴ８について、その外周部２に形成される開錠切欠３の開口端３ａを奇数番目のタンブラーＴ１、Ｔ３、Ｔ５、Ｔ７及びＴ９のそれよりも０．１〜０．３ｍｍ程度ロッキングバーＬの端部から遠ざけて配置することによって、施錠時のクリアランスを大きくしたものである。なお、タンブラーＴ２、Ｔ４、Ｔ６及びＴ８のクリアランスは互いに均等する場合に限らず、そのクリアランスに０．１ｍｍあるいは０．２ｍｍ程度の差を設けても良い。
【００２８】また、実施態様では、偶数番目のタンブラーＴ２、Ｔ４、Ｔ６及びＴ８の全てについてそのクリアランスを他のタンブラーより大きくしたが、これに限らず、そのうちの１個だけクリアランスを大きくする場合であっても良い。
【００２９】
【発明の効果】
本発明のタンブラー錠は、従来のピッキング手口が全く通用しない構造になっているので、例えその構造を知り得たとしても、ピッキングによって不正開錠することができない。したがって、ピッキングの被害を確実に防止することができると同時に、これまでピッキング被害が多発していたタンブラー錠の信頼性を回復させるのみならず、その信頼性を著しく高めることができるという大変優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明によるタンブラー錠の一例を示す開錠状態の断面図
【図２】図１に示すタンブラー錠の施錠状態の断面図
【図３】本発明によるタンブラー錠の他の例を示す開錠状態の断面図
【図４】図３に示すタンブラー錠の施錠状態の断面図
【図５】従来のタンブラー錠の開錠状態を示す断面図
【図６】従来のタンブラー錠の施錠状態を示す断面図
【符号の説明】
１………………鍵穴
Ｒ………………ローター
Ｔ１〜Ｔ９……タンブラー
２………………タンブラーの外周部
３………………タンブラーの開錠切欠
Ｓ………………ステーター
５………………施錠溝
Ｌ………………ロッキングバー
９………………窪み[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a tumbler lock that can be unlocked by unlocking a locked state by a locking bar when a plurality of tumblers disposed in a rotor are in an unlocked position together.
[0002]
[Prior art]
A conventional tumbler lock has a keyhole 1 as shown in FIG. 5 showing a cross section (a) and a vertical section (b) in a locked state, and FIG. 6 showing a cross section (a) and a vertical section (b) in an unlocked state. 5A, a plurality of tumblers T1 to T9 which are pushed from the locked position shown by the solid line to the unlocked position shown by the dashed line on the side of the key K to be inserted are arranged at predetermined intervals along the insertion direction of the key K. The rotor R, the stator S for rotatably mounting the rotor R, and the locking groove 5 formed in the stator S by the urging force of the coil springs 4 and 4 when at least one of the tumblers T1 to T9 is in the locking position. When the tumblers T1 to T9 are all in the unlocked position, they are fitted into the unlocking notch 3 formed in the outer peripheral portion 2 to lock the groove 5 of the stator S. Lock that allows you to escape And a Nguba L (see Patent Document 1).
[0003]
[Patent Document 1]
JP 2002-188333 A (page 4, FIG. 1-5)
That is, in the tumbler lock, when the key K is inserted into the rotor R from the keyhole 1, the tumblers T1 to T9 arranged in the rotor R are aligned with the side of the key K from the locked position to the unlocked position. And the unlocking notch 3 formed on the outer peripheral portion 2 of each of the tumblers T1 to T9 fits into the locking groove 5 of the stator S to prevent the rotation of the rotor R from being stopped. Confront the end. When the key K is turned in the unlocking direction shown by the arrow in FIG. 6A in this state, the locking bar L is pushed up by the torque of the rotor R, and the tumblers T1 to T9 are opened as shown in FIG. The rotor R is rotated and unlocked by fitting into the lock notch 3 and coming out of the locking groove 5 of the stator S.
In the rotor R, a support shaft 6 for swingably supporting the tumblers T1 to T9 and the tumblers T1 to T9 supported by the support shaft 6 are returned from the unlocked position to the locked position. A tumbler spring 7 urged in the direction, and a backup pin 8 for aligning each tumbler T1 to T9 urged by the spring 7 with the start end of the locking position and stopping the tumbler T7 are provided. Coil springs 4, 4 for urging the L to fit into the locking groove 5 of the stator S are attached.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, recently, the damage of this kind of tumbler lock being illegally unlocked by picking has increased sharply, which has become a major social problem. The main method of the picking is that two tools are simultaneously inserted into the rotor R from the keyhole 1 and torque is applied to the rotor R by one tool, and the other tool is arranged at a predetermined interval in the rotor R by the other tool. The tumblers T1 to T9 are sequentially pushed one by one from the one close to the keyhole 1 in the direction of the unlocking position shown by the chain line in FIG. 5 (a) to find the position of the unlocking notch 3 formed on the outer peripheral portion 2 thereof. The locking bar L is fitted to this.
That is, in the conventional tumbler lock, the locking tumbler L is pushed up by applying a torque to the rotor R, and the tumbler is opened from the locked position with its end pressed against the outer peripheral portion 2 of the tumbler. When the locking bar L is pushed and moved in the direction of the locking position, the locking bar L is unlocked by sensing the response generated when the end of the locking bar L passes through the opening end 3a of the unlocking notch 3 formed on the outer peripheral portion 2. There was a disadvantage that it could be fitted into the notch 3.
[0008] In view of this drawback, Patent Document 1 discloses that the unlocking notch 3 has a stepped shape having a shallow step at the opening end 3a, and the end of the locking bar L passing through the opening end 3a at the step. There is disclosed an invention in which a part is not fitted into the unlocking notch 3.
However, when the invention is disclosed in Patent Document 1, it is publicly known that the unlocking notch 3 has a stepped shape having a shallow stepped portion at its open end 3a. Unauthorized unlocking is possible by sensing the response when the end of L passes through the opening end 3a of the opening notch 3 and the response when passing through the end of the shallow step formed in the opening end 3a. It's easy to find out. In addition, it takes a little longer to sense the response twice than to sense it only once, but it is expected that a picking person who is familiar with it will be able to unlock within a few minutes. You.
Recently, in order to prevent picking, the keyhole 1 is bent into a W-shape to make it difficult to insert a picking tool into the keyhole 1 and to operate it. In addition, since it is sufficiently expected that a picker can easily insert and operate a picking tool in accordance with the shape of the keyhole, it is impossible to say that the picking damage can be reliably prevented.
In order to prevent the picking damage of the tumbler lock, the present invention provides a picking method itself in which a torque is applied to the rotor and the locking bar is sequentially fitted to the unlocking notch of each tumbler as described above. The technical task is to make it unacceptable.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problem, the present invention provides a rotor in which a plurality of tumblers pushed from a locked position to an unlocked position on a side of a key inserted from a keyhole are arranged at predetermined intervals along a key insertion direction. And a stator having the rotor rotatably mounted thereon, and when at least one of the tumblers is at a locking position, fits into a locking groove formed in the stator to prevent rotation of the rotor, and the tumbler is rotated. A locking bar that can be fitted into an unlocking notch formed in the outer peripheral portion of each tumbler when the tumbler is in the unlocked position and can be pulled out of the locking groove. In the meantime, the clearance at the time of locking between the open end of the unlocking notch and the end of the locking bar fitted into the unlocking notch is larger than other tumblers. Tumbler, characterized in that a mixture one or more.
According to the present invention, the tumbler is locked while the end of the locking bar is pressed against the outer periphery of the tumbler provided in the rotor by applying torque to the rotor with a picking tool inserted through the keyhole. Even if the locking bar is pressed into the unlocked notch formed on the outer periphery by pushing the tumbler from the position to the unlocking position, the tumbler with a clearance larger than the other When still in the locked position, it is not possible to push and move to the unlocked position while pressing the end of the locking bar against the outer periphery, and even if it is pushed to the unlocked position, clearance with other tumblers The locking bar cannot be fitted into the unlocking notch due to the difference between the two, so if you stop pressing it, it will automatically return to the locked position. .
On the other hand, another tumbler having a small clearance at the time of locking is pressed from the locking position to the unlocking position while applying torque to the rotor and pressing the end of the locking bar against the outer peripheral portion, and is formed on the outer peripheral portion. It is not impossible to fit the end of the locking bar into the unlocked notch, but the locking bar is obstructed by the tumbler with a large clearance in the locking position, so that the locking bar is locked in the unlocking notch of the tumbler with a small clearance. Since the fitting depth becomes shallow, when the locking bar is next pressed against the outer periphery of the tumbler with a large clearance to push the tumbler from the locked position to the unlocked position, the tumbler with a small clearance is opened. When the end of the locking bar fitted into the lock notch is disengaged from the unlock notch and the tumbler returns to the locked position. Phenomenon may occur.
As described above, the tumbler lock of the present invention has a structure in which the picking method of fitting the locking bar to the unlocking notch of each tumbler by applying a torque to the rotor does not work. Even if it is disclosed in a patent document or the like and its structure is known, it cannot be unlocked by picking. Therefore, the damage of picking can be reliably prevented, and the reliability of the tumbler lock can be significantly improved.
[0016]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be specifically described with reference to the drawings.
1 and 2 are views showing an example of a tumbler lock according to the present invention. FIGS. 1A and 1B are a cross-sectional view and a vertical cross-sectional view showing a locked state of the tumbler lock. 2 (a) and 2 (b) are a cross-sectional view and a vertical cross-sectional view showing the unlocked state of the tumbler lock.
FIGS. 3 and 4 are views showing another example of the tumbler lock according to the present invention. FIGS. 3A and 3B are cross-sectional views showing the locked state of the tumbler lock. It is a figure and a longitudinal section, and Drawing 4 (a) and (b) are a transverse section and a longitudinal section showing an unlocked state of a tumbler lock. Parts corresponding to those of the conventional tumbler lock shown in FIGS. 5 and 6 are denoted by the same reference numerals, and a detailed description of a configuration common to the conventional one will be omitted.
The tumbler lock shown in FIGS. 1 and 2 includes an open end 3a of an unlock notch 3 formed in an outer peripheral portion 2 and a plurality of tumblers T1 to T9 provided in a rotor R. Tumblers T2, T4, T6, and T8 that have clearances at the time of locking between the locking bar L and the ends of the locking bars L that fit into the lock notches 3 are larger than the other tumblers T1, T3, T5, T7, and T9. .
In this example, the odd-numbered tumblers T1, T3, T5, T7 and T9 counted from the side closer to the keyhole 1 have a small clearance when locking, and the even-numbered tumblers T2, T4, T6 and T8. Has a clearance about 0.1 to 0.3 mm larger than the odd number.
In order to increase the clearance at the time of locking the even-numbered tumblers T2, T4, T6 and T8, the ends of the locking bars L facing the respective tumblers T2, T4, T6 and T8 are respectively provided. A depression 9 having a depth of about 0.1 to 0.3 mm is provided.
In the tumbler lock thus constructed, a total of nine tumblers in the locked position shown in FIG. 1 are applied to the rotor R by one picking tool inserted from the keyhole 1 while torque is applied to the rotor R by the other picking tool. Conventionally, the locking bars L are fitted into unlocking notches 3 formed on the outer peripheral portion 2 of each tumbler by pushing and moving T1 to T9 one by one in the direction of the unlocking position sequentially from the one close to the keyhole 1. Can not be unlocked by the picking method of the Internet.
That is, in the locked state shown in FIG. 1, one of the picking tools inserted into the keyhole 1 applies torque to the rotor R, and applies a torque to the outer peripheral portion 2 of each of the tumblers T1 to T9 disposed in the rotor R. The end of the locking bar L is pressed, and each of the tumblers T1 to T9 is sequentially pushed from the locking position to the unlocking position with the other picking tool, so that the locking bar L is inserted into the unlocking notch 3 formed on the outer peripheral portion 2. When the odd-numbered tumblers T1, T3, T5, T7, and T9 having the small clearance at the time of locking are in the locking position, the even-numbered tumblers T2 having a larger clearance at the time of locking are used. T4, T6, and T8 cannot be moved from the locked position to the unlocked position while pressing the end of the locking bar L against the outer peripheral portion 2 thereof. Reverts back automatically locked position in FIG. 1 by the urging force of the tumbler spring 7 even moved pressed into location.
On the other hand, the odd-numbered tumblers T1, T3, T5, T7, and T9 having smaller locking clearances than the even-numbered tumblers T2, T4, T6, and T8 apply a torque to the rotor R to generate an end of the locking bar L. It is impossible to fit the end of the locking bar L into the unlocking notch 3 formed in each of the outer peripheral portions 2 by sequentially pressing and moving the locking portion from the locking position to the unlocking position while pressing the outer peripheral portion 2 against the outer peripheral portion 2. However, even if the end of the locking bar L could be fitted into the unlocking notch 3 of each of the tumblers T1, T3, T5, T7 and T9, the locking bar L would still have an even number of tumblers T2, T4. , T6 and T8 are in the locking position, so that the depth of the odd-numbered tumblers T1, T3, T5, T7 and T9 to be fitted into the unlocking notch 3 is as shallow as about 0.1 to 0.3 mm. Then, when the locking bar L is pressed against the outer peripheral portion 2 of the even-numbered tumblers T2, T4, T6, and T8, and these tumblers are pushed from the locked position to the unlocked position, the locking bar L is moved. Of the odd numbered tumblers T1, T3, T5, T7, and T9 come off the unlocking notch 3, and these tumblers return to the locked position by the urging force of the tumbler spring 7.
Accordingly, the tumbler lock shown in FIGS. 1 and 2 employs a conventional picking method in which the locking bar L is fitted into the unlocking notch 3 of each of the tumblers T1 to T9 sequentially by applying a torque to the rotor R. Unauthorized unlocking was not possible, and experiments have shown that even a key expert who was well versed in picking offenses could not unlock by picking within one hour.
In particular, if the tumblers T1, T3, T5, T7, and T9 having small clearances and the tumblers T2, T4, T6, and T8 having large clearances are alternately provided, it is extremely difficult to illegally open the door by picking. Further, the depth of each recess 9 provided at the end of the locking bar L is made different from each other such as 0.1 mm and 0.2 mm, or 0.2 mm and 0.3 mm, or 0.1 mm and 0.3 mm. If the clearances of the even-numbered tumblers T2, T4, T6, and T8 are also made larger or smaller, unauthorized unlocking by picking becomes more difficult, so that the damage of picking is reliably prevented, and the reliability of the tumbler lock is ensured. Properties can be significantly increased.
As described above, by forming the depression 9 at the end of the locking bar L, the opening end 3a of the unlocking notch 3 formed on the outer peripheral portion 2 of the tumblers T2, T4, T6 and T8 and the opening 9a. If the clearance between the locking bar L and the end of the locking bar L fitted in the unlocking notch 3 at the time of locking is made larger than the other tumblers T1, T3, T5, T7 and T9, the conventional tumbler shown in FIGS. The lock also has the advantage that the present invention can be applied to the lock bar L by simply performing a simple modification to form a similar depression in the lock bar L.
Next, in the tumbler lock shown in FIGS. 3 and 4, instead of forming the depression 9 in the locking bar L as described above, the even-numbered tumblers T2, T4, T6 and T8 are provided on the outer peripheral portion 2 thereof. By disposing the open end 3a of the unlocking notch 3 formed at a distance of about 0.1 to 0.3 mm from the end of the locking bar L than that of the odd-numbered tumblers T1, T3, T5, T7 and T9. The clearance at the time of locking is increased. Note that the clearances of the tumblers T2, T4, T6, and T8 are not limited to being equal to each other, and the clearances may be provided with a difference of about 0.1 mm or 0.2 mm.
Further, in the embodiment, the clearance of all of the even-numbered tumblers T2, T4, T6 and T8 is made larger than that of the other tumblers. However, the present invention is not limited to this. There may be.
[0029]
【The invention's effect】
Since the tumbler lock of the present invention has a structure in which the conventional picking method does not work at all, even if the structure is known, it cannot be unlocked by picking. Therefore, it is possible to reliably prevent the damage of the picking, and at the same time, it is possible to not only restore the reliability of the tumbler tablet, which has been frequently damaged by the picking, but also to significantly improve the reliability. effective.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a sectional view of an unlocked state showing an example of a tumbler tablet according to the present invention. FIG. 2 is a sectional view of a locked state of the tumbler tablet shown in FIG. 1. FIG. FIG. 4 is a sectional view showing the locked state of the tumbler lock shown in FIG. 3; FIG. 5 is a sectional view showing the unlocked state of the conventional tumbler lock. FIG. 6 is a sectional view showing the locked state of the conventional tumbler lock. Cross-sectional view shown [Description of reference numerals]
1 Keyhole R Rotor T1 to T9 Tumbler 2 Outer peripheral portion 3 of tumbler Unlocking notch S of tumbler S ………………………………… Lock groove L …………… Locking bar 9 …………… Dove
