JP2004173973A - 斜視内視鏡用投影モデルのパラメータ推定方法 - Google Patents
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Abstract
【目的】斜視内視鏡に対応した拡張現実感手術支援システムを実現化できるようにする。
【解決手段】斜視内視鏡10の挿入部12に位置マーカを設け、挿入部12の回転毎に、位置マーカの世界座標系での位置を測定し、この位置の各測定値に基づき、投影モデルのパラメータnw、cwを推定する。次に、推定したパラメータnw,cwに応じて投影モデルで得られる、世界座標系から画像座標系への投影点の画像座標系での座標値と、この投影点の画像座標系において実測された座標値とに基づき、投影モデルのパラメータnc,ccを推定する。
【選択図】 図2
【解決手段】斜視内視鏡10の挿入部12に位置マーカを設け、挿入部12の回転毎に、位置マーカの世界座標系での位置を測定し、この位置の各測定値に基づき、投影モデルのパラメータnw、cwを推定する。次に、推定したパラメータnw,cwに応じて投影モデルで得られる、世界座標系から画像座標系への投影点の画像座標系での座標値と、この投影点の画像座標系において実測された座標値とに基づき、投影モデルのパラメータnc,ccを推定する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、斜視内視鏡によって得られた画像を処理する斜視内視鏡用画像処理システムにおける斜視内視鏡用投影モデルのパラメータ推定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
低浸襲性に優れた内視鏡手術に関しては、これまで種々の拡張現実感手術支援システムが開発され開示されている(下記非特許文献1〜6参照)。
本願発明者らも、3次元超音波画像を用いた拡張現実感腹腔鏡手術支援システムを開発し、これを開示している(下記非特許文献13参照)。
【0003】
これらの手術支援システムは、直視内視鏡(観察窓の光軸が挿入部の軸線と一致している、正面を見る内視鏡)を対象としたシステムであるが、内視鏡手術では、広い視野を確保するために、斜視内視鏡(観察窓の光軸が挿入部の軸線に対して傾斜している、斜め方向を見る内視鏡)が用いられることが多い。
【0004】
斜視内視鏡では、広い視野を確保できるように、広角レンズやスィングプリズムを組み合わせて用いるなどの光学的な工夫が行なわれている。このような光学的工夫がなされた斜視鏡に対応して、拡張現実感手術支援システムを実現するためには、世界座標系(3次元空間に設定された基準となる座標系)から画像座標系(斜視内視鏡に備えられたCCD等の撮像面等に設定された座標系)への変換を決定する投影モデルや、その投影モデルにおいて必要となる、世界座標系からカメラ座標系への変換を決定する外部パラメータや、斜視内視鏡に固有の内部パラメータのモデル、およびそれらを推定する手法が必要となる。内部パラメータに関しては、直視内視鏡用のモデルを適用することが可能であり、またその推定に関しても、従来提案されている手法(例えば、下記非特許文献11,12参照)を用いることが可能である。しかし、外部パラメータに関しては、これまで斜視内視鏡に対応し得るモデルが提案されておらず、このためその推定方法も提案されていなかった。このような事情により、従来、斜視内視鏡に対応した投影モデルは知られていなかった。
【0005】
なお、広角レンズの歪パラメータの推定に関しては、すでに多くの高精度な手法が提案されている(下記非特許文献8〜10参照)。また、斜視内視鏡の研究においても、斜視内視鏡の運動速度を一定にするという条件に、各々の運動位置の視野を合成して擬似広角化するという手法が提案されている(下記非特許文献7参照)。しかし、斜視内視鏡に対応した拡張現実感手術支援システムに適用し得るものではなかった。
【0006】
【非特許文献1】
D.Dey,D.Gobbi,P.Slomka,K.J.M.Surry,and T.M.Peters,“Automatic fusion of freehand endoscopic brain images to three−dimensional surfaces:creating stereoscopic panoramas.”,IEEE Trans.Med.Imag.,Vol. 21,pp.23−30,2002.
【0007】
【非特許文献2】
J.Helferty,C.Zhang,G.McLennan,and W.Higgins,“Videoendoscopic distortion correction and its application to virtual guidance of endoscopy”,IEEE Trans.Med.Imag.,Vol.20,pp.605−616,2002.
【0008】
【非特許文献3】
S.D.Buck et al.,“A system to Support laparoscopic Surgeryby augmented reality visualization.”Springer−Verlag,2001,Proceedings, MICCAI,pp.691−698
【0009】
【非特許文献4】
R.Khadem et al.,“Endoscope calibration and accuracy testingfor 3D/2D image rgistration.”Springer−Verlag,2001,Proceedings, MICCAI,pp.1361−1365
【0010】
【非特許文献5】
P.J.Edwards,A.P.King,C.R.Maurer,D.A.de Cunha,D.J.Hawkers,D.L.G. Hill,R.P.Gastion,M.R.Fenlon,A.J.usczyzck,A.J.Strong,C.L.Chandler,and M.J.Gleeson,“Design and Evaluation of a system for microscope−assisted guided interventions(MAGI)”
【0011】
【非特許文献6】
J.D.Stefansic,A.J.Herline,Y.Shyr,W.C.Chaman,J.M.Fitzpatrick,B.M. Dawant,and R.L.Galloway,“Registration of physical space to laparoscopic image space for use in minimally invasive hepatic surgery”,IEEE Trans.Med.Imag.,vol.20,pp.1012−1023,2000.
【0012】
【非特許文献7】
H.Yamauchi et al.,“「記憶する内視鏡」による内視鏡視野の擬似広角化”,J.JSCAS,vol.2,no.2,pp.62−68,2000.
【0013】
【非特許文献8】
H.Haneishi,Y.Yagihashi,and Y.Miyake“A New method for distortion correction of electronic endoscopic images”.IEEE Trans. Med.Imag.,vol.14,No.3,pp.548−555,1995.
【0014】
【非特許文献9】
K.Vijayan et al.,“A new approach for nonlinear distortioncorrection in endoscopic images based on least squares estimation,”IEEE Trans.Med.Imag.,vol.18,pp.345−354,1995.
【0015】
【非特許文献10】
W.E.Smith et al.,“Correction of distortion in endoscopic images,”IEEE Trans.Med.Imag.,vol.11,pp.117−122,1992.
【0016】
【非特許文献11】
Wang and W.H.Tsai,“Camera calibration by vanishing lines for 3−D computer vision”,IEEE Trans.PAMI,vol.13,no.4,pp.370−376, 1991.
【0017】
【非特許文献12】
R.Y.Tsai,“A versatile camera calibration technique for high−accuracy 3−D machine vision metrology using of−the−shelf tv cameras and lenses”.IEEE J.Robot.Automat.,vol.3,pp.323−344,1987.
【0018】
【非特許文献13】
M.Nakamoto et al.,“3D Ultrasound System Using a Magneto−Optic Hybrid Tracker for Augmented Reality Visualization in Laparoscopic Liver Surgery”.In MICCAI 2002,LNCS 2489,pp. 148−155,September 2002.
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、これまで、斜視内視鏡に対応した拡張現実感手術支援システムは実現されていなかった。しかし、近年、特に腹腔内、関節整形、耳鼻科手術では、斜視内視鏡が用いられることが多いため、斜視内視鏡に対応した拡張現実感手術支援システムを実現することが強く望まれていた。
そこで、本願発明者は、斜視内視鏡に対応した拡張現実感手術支援システムを実現するため、斜視内視鏡に対応した投影モデルを備えた斜視内視鏡用画像処理システムを開発し、これを本願と同日に特許庁に開示した。
【0020】
本発明は、斜視内視鏡に対応した拡張現実感手術支援システムを実現化するため、この斜視内視鏡用画像処理システムにおける斜視内視用投影モデルのパラメータ推定方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明の斜視内視鏡用投影モデルのパラメータ推定方法は、体腔内に挿入される直線状に延びた挿入部と、該挿入部の先端面に設けられた観察窓と、観察対象の画像が撮像される撮像面とを備え、前記観察窓の光軸が前記挿入部の軸線に対して傾斜し、かつ前記挿入部が前記撮像面に対して、前記軸線を回転軸として相対的に回転可能に構成された斜視内視鏡により得られた画像を処理する斜視内視鏡用画像処理システムおいて、前記斜視内視鏡の外部空間に設定された世界座標系から前記撮像面に設定された画像座標系への変換を決定する、下式(2)によって規定された投影モデルのパラメータを推定する方法であって、
siC=MT0TRotC(−θ,nC,cC)TRotW(θ,nw,cw)pW…(2)
(ここで、pWは、前記世界座標系上の点の位置を表すベクトル、iCは、前記カメラ座標系上の点の位置を表すベクトル、nwは、前記世界座標系において前記軸線の方向を規定するベクトル、cwは、前記世界座標系において前記軸線の通過位置を規定するベクトル、nCは、前記カメラ座標系において前記光軸の方向を規定するベクトル、cCは、前記カメラ座標系において前記光軸の通過位置を規定するベクトル、θは、前記挿入部が前記軸線を回転軸として、前記撮像面に対して相対的に回転するときの回転角、T0は、前記挿入部が前記軸線を回転軸として、前記撮像面に対して相対的に回転していないときの、前記世界座標系から前記カメラ座標系への対応を表す変換、TRotWは、前記世界座標系において、前記挿入部が前記軸線を回転軸として、前記撮像面に対して相対的に回転するときの該回転を表す変換、TRotCは、前記カメラ座標系内の回転補正を表す変換、Mは、前記斜視内視鏡に固有の内部パラメータ、sは所定のスカラー、をそれぞれ示している。)
【0022】
前記挿入部の前記軸線回りの回転に伴って該軸線を中心とした円軌道上を移動する位置マーカを設け、前記挿入部を、前記軸線を回転軸として前記撮像面に対して相対的に回転移動させる試行を複数回行ない、該試行ごとに前記位置マーカの前記世界座標系での位置を測定し、この位置の各測定値に基づき前記円軌道を特定することによって、上式(2)のベクトルnw、ベクトルcwおよび回転角θの各推定値を求め、
次に、前記ベクトルnw、ベクトルcwおよび回転角θの各推定値を上式(2)に代入して得られる、前記世界座標系から前記画像座標系への投影点の該画像座標系での座標値と、該投影点の該画像座標系において実測された座標値とに基づき、上式(1)のベクトルncおよびベクトルccの各推定値を求めることを特徴とするものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0024】
〈斜視内視鏡装置概要〉
図1は斜視内視鏡装置の一例を模式的に示す図である。図示した斜視内視鏡装置1は、斜視内視鏡(斜視型硬性内視鏡)10、画像処理装置20、および画像表示装置30を備えてなる。
【0025】
斜視内視鏡10は、CCD等の撮像素子などにより構成される撮像面(図示略)を備えたカメラ部11と、該カメラ部11から軸線LW方向に延びた硬性の挿入部12とを備えている。この挿入部12は体腔内等に挿入される部分であり、その先端面12aは前記軸線LWと斜交するように形成されている。また、挿入部12は前記軸線LWを回転軸として、前記カメラ部に対して回転可能に構成されており、その先端面12aには観察窓13が設けられている。この観察窓13の光軸LCは前記軸線LWに対して傾斜するように構成されており、該軸線LWを回転軸として前記挿入部12を回転させると、該光軸LCは前記撮像面に対して相対的に回転移動するようになっている。なお、前記軸線LWは世界座標系(斜視内視鏡10の外部空間に設定された座標系)SWにおいて定義され、前記光軸LCは、カメラ座標系(観察窓13に設定された座標系)SCにおいて定義されている。
【0026】
前記斜視内視鏡装置1においては、観察対象からの反射光が、観察窓13より挿入部12内に取り込まれ、カメラ部11内の撮像素子において撮像される。そして、撮像素子により得られた画像信号は、画像処理装置20において信号処理され、さらに信号処理された画像信号が、画像表示装置30において画像に変換されて表示されるようになっている。
【0027】
〈斜視内視鏡用画像処理システム〉
前記斜視内視鏡装置1は、斜視内視鏡用画像処理システムを備えている。この斜視内視鏡用画像処理システムは、斜視内視鏡10により得られた画像信号を処理して、拡張現実感手術支援に利用し得る画像を形成するものであり、例えば、画像表示装置30内に設けられた演算回路や演算プログラム等により構成される。
【0028】
そして、この斜視内視鏡用画像処理システムは、前記世界座標系SWから前記撮像面に設定された画像座標系への変換を決定する投影モデルを備えている。この投影モデルは、前記斜視内視鏡10に固有の内部パラメータMと、前記世界座標系SWから前記カメラ座標系SCへの変換を決定する外部パラメータTとを用いて、下式(3)で規定されている。
【0029】
siC=MTpW……(3)
【0030】
ここで、pWは、前記世界座標系上の点の位置を表すベクトル、iCは、前記カメラ座標系上の点の位置を表すベクトル、sは所定のスカラー、をそれぞれ示している。
【0031】
また、この斜視内視鏡用画像処理システムは、前記外部パラメータTを、下式(4)によって規定している。
【0032】
T=T0TRotC(−θ,nC,cC)TRotW(θ,nw,cw)……(4)
【0033】
ここで、nwは、前記世界座標系において前記軸線の方向を規定するベクトル、cwは、前記世界座標系において前記軸線の通過位置を規定するベクトル、nCは、前記カメラ座標系において前記光軸の方向を規定するベクトル、cCは、前記カメラ座標系において前記光軸の通過位置を規定するベクトル、θは、前記挿入部が前記軸線を回転軸として、前記撮像面に対して相対的に回転するときの回転角、T0は、前記挿入部が前記軸線を回転軸として、前記撮像面に対して相対的に回転していないときの、前記世界座標系から前記カメラ座標系への対応を表す変換、TRotWは、前記世界座標系において、前記挿入部が前記軸線を回転軸として、前記撮像面に対して相対的に回転するときの該回転を表す変換、TRotCは、前記カメラ座標系内の回転補正を表す変換、をそれぞれ示している。
【0034】
〈斜視内視鏡の投影モデル〉
以下、前記投影モデルについて、図2、図3を用いて詳細に説明する。図2および図3は、投影モデルの概念を模式的に示す図で、図2は前記世界座標系SWから前記カメラ座標系SCへの変換を示し、図3は前記カメラ座標系SC内の回転補正を示している。
【0035】
前記世界座標系SWの点の位置ベクトルをPW=t(xW,yW,zW,1)、前記カメラ座標系SCの点の位置ベクトルをPCとし、世界座標系SWからカメラ座標系SCに変換する剛体アフィン変換(前記外部パラメータTに相当する)をTとすると、PWからPCへの変換は、下式(5)で表される。
【0036】
pC=TpW……(5)
【0037】
また、上式(5)における外部パラメータTは、下式(6)で表される。
【0038】
【数1】
【0039】
ここで、Rは、回転を意味する3行3列の直交行列を表し、tは、平行移動を意味する3次元ベクトルを表し、Iは単位行列を表している。
【0040】
一方、前記PCの2次元投影点の位置ベクトルを、iP=t(uP=xC/zC,vP=yC/zC,1)とすると、この投影点iPから、前記画像座標系上においてこの投影点iPと対応する画像点iCへの対応関係は、前記内部パラメータMを用いて、下式(7)で表される。
【0041】
siC=MiP……(7)
【0042】
ここで、sは所定のスカラーを示している。
【0043】
また、上式(7)における内部パラメータMは、下式(8)で表される。
【0044】
【数2】
【0045】
ここで、fは、焦点距離を表し、ku,kvは、それぞれu軸,v軸の単位長を表し、t(u0,v0)は、画像中心の座標を表している。
【0046】
前記斜視内視鏡10において、前記外部パラメータTは、以下のように記述できる。まず、図2(a)に示すように、前記斜視内視鏡10において、前記世界座標系SWに対して前記カメラ座標系SCが回転移動していないときの、該世界座標系からSW該カメラ座標系SCへの変換をT0とする。なお、図2(a)では、この回転の伴わないカメラ座標系をSC0と表記している。
【0047】
次いで、図2(b)に示すように、世界座標系SWにおいて、前記軸線LWを回転軸として、前記撮像面に対して前記挿入部12を角度θだけ回転移動させる場合を想定する。このときの回転を表す変換をTRotW(θ,nw,cw)とする。なお、このとき前記軸線LWは、前記2つのベクトルnw,cwによって規定される。また、図2(b)では、この回転変換TRotWの後、前記T0の変換を施したカメラ座標系をS’C0と表記している。
【0048】
前記回転後のカメラ座標系S’C0は、回転前のカメラ座標系をSC0に対して相対的に回転移動している。一方、前記斜視内視鏡10の撮像面(および前記画像座標系)の前記世界座標系SWに対する位置は変化していない。このため、カメラ座標系における回転補正が必要となる。本発明では、図3に示すように、前記カメラ座標系をS’C0を、前記光軸LCを回転軸として、前記回転方向とは反対方向に角度−θだけ回転転補正する変換TRotC(−θ,nC,cC)を施すことにより、この回転補正を行う。
【0049】
このような一連の変換を行うことにより、すなわち、上式(4)により規定された外部パラメータTを含む、上式(3)により規定された投影モデルを適用することによって、前記世界座標系SWから前記撮像面に設定された画像座標系への変換を決定することが可能となる。
【0050】
〈パラメータ推定方法〉
次に、本発明の一実施形態に係る斜視内視鏡用投影モデルのパラメータ推定方法について説明する。まず、前述の、回転が伴わないときの変換T0と、内部パラメータMの推定を行う。これらの推定方法としては、従来提案されている様々な手法を適用することが可能である。本実施形態においても従来の手法、例えば、前記非特許文献11に記載された手法を用いて、前記変換T0と前記内部パラメータMの推定を行う。
【0051】
次いで、前述の、回転を伴うときの変換TRotW(θ,nw,cw)における、前記軸線LWの方向と通過位置をそれぞれ規定する2つのベクトルnw,cwの推定を行う。このベクトルnw,cwは、前記軸線LWを決定するパラメータなので、自由度は4となる。そこで、これらの推定にあたっては、まず、前記斜視内視鏡10の挿入部12に、該挿入部12の回転に応じて前記軸線LWを中心とする円軌道上を移動する3次元位置マーカを設ける。この3次元位置マーカの円軌道の中心に対応するのが前記ベクトルcwであり、この円軌道を含む平面の法線方向に一致し、この円軌道の中心を通るベクトルに対応するのが前記ベクトルnwとなる。また、前記斜視内視鏡10の前記カメラ部11にも、該カメラ部11の前記世界座標系SWでの位置を検出するための位置センサを設けカメラ部11の位置を計測する。
【0052】
次に、前記挿入部12を回転させては、前記3次元位置マーカの位置を計測するという手順を複数回繰り返して行う。3次元位置マーカの位置計測値をpi W(i=1,2,・・・n)とすると、下式(9)を満たすようなnwを線形推定により求める。
【0053】
【数3】
【0054】
ここで、(,)は内積を表し、││はユークリッドノルムを表す。
【0055】
次いで、この求められたnwから、下式(10)を満たすようなcwを非線形推定、例えば、Levenberg−Marquadt法を用いて求める。
【0056】
【数4】
【0057】
ここで、(,)は内積を表し、││はユークリッドノルムを表す。
【0058】
続いて、求められたpi W−cwがなす角度から、下式(11)により前記回転角θを求める。
【0059】
【数5】
【0060】
ここで、(,)は内積を表し、[,]は外積を表し、││はユークリッドノルムを表す。
【0061】
最後に、前述の、回転補正の変換TRotC(−θ,nC,cC)における、カメラ座標系において前記光軸LCの方向を表すベクトルnCと、カメラ座標系において前記光軸LCの通過点の位置を表すベクトルcCを推定する。これらの推定にあたっては、まず、前記各ベクトルcC,nC,回転角θに対応する、世界座標系上の点pi Wobjの計算上の画像投影点i’C(pi Wobj,θ;nC,cC)を、上式(3)、(4)を用いて求める。次に、pi Wobjの実際の画像座標系上での位置ベクトルをiC iとして、下式(12)を満たす前記各ベクトルcC,nCを求める。
【0062】
【数6】
【0063】
〈シミュレーション実験〉
次に、前述したベクトルcC,nCの推定に関して行ったシミュレーション実験について説明する。シミュレーションのための生成データは、次の通りである。すなわち、観察対象として、縦横の間隔4mm、3×3に点が配列された点列の図柄をキャリブレーションに用いた。また、各点に対して標準偏差0.1mmのガウスノイズを加えた。そして、斜視内視鏡の挿入部を約45度ずつ回転させ、回転毎に4枚(4フレーム)ずつ、観察窓から約30〜40cm離れた位置に配置した前記図柄を撮像するという想定で、前述した投影モデルによる前記図柄の各点の投影点の図を作成した(図4)。なお、画像面(撮像面)の範囲は200〜400画素(pixel)の範囲と想定した。
【0064】
画像面上で、標準偏差0.5,1.0,1.5画素のガウスノイズをそれぞれ加えたシミュレーション結果を表1に示す。投影点の残差およびベクトルcC,nCの誤差は、シミュレーションで与えた真値と推定値との差である。また、与えたガウスノイズの標準偏差と、投影点の残差およびベクトルcC,nCの誤差との関係を明らかにするため、これらの関係を図5に示した。図5に示すように、投影点の残差およびベクトルcC,nCの誤差は、与えたガウスノイズの標準偏差に対して略線形であることが確かめられた。
【0065】
【表1】
【0066】
〈実画像における実験〉
次に、前述した投影モデルによる投影の精度を検証するために、実画像を用いて実施した複数の実験について説明する。
【0067】
(実験1)
この実験1では、斜視角度30度、撮像面の大きさ340×340画素の歪無し斜視内視鏡を用いた。また、観察対象は前記点列の図柄とした。斜視内視鏡の挿入部をその軸線を回転軸として約45度ずつ回転させ、回転毎に観察対象点の画像を3枚(3フレーム)取り込み、その画像を用いてキャリブレーションを行った。そして、キャリブレーションを行った角度範囲で取得した画像の精度を調べた。観察対象点の世界座標系上での位置は、3次元センサ(Polaris;NorthernDigital Inc.)を用いて計測した。この3次元センサの精度は、0.35mmである。
【0068】
この実験1で得られた結果を図6に示す。この実験1により確認された誤差は、3.02画素であった。また、パラメータを推定する際の残差は、2.86画素であった。この誤差は、画像面サイズの約1パーセント、1mm程度に相当する。これは、実用上の許容範囲ではあるが、前述のシミュレーション結果に比べると精度が劣る。これは、キャリブレーションに用いた画像のフレーム数が少なかったためであると考えられる。
【0069】
(実験2)
この実験2では、前記実験1において、画像のフレーム数と各フレームにおけるサンプル点の数との関係を検証するために行った。実験に用いた器具等は、前記実験1と同じである。この実験2で得られた結果を図7に示す。図7に示すように、キャリブレーションに用いる画像のフレーム数(F)が多いほど、またフレーム毎のサンプル点数が多いほど、高い精度が得られることが確かめられた。
【0070】
(実験3)
この実験3では、撮像面の大きさ340×240画素(0.11mm/pixel)の斜視内視鏡を用いた。また、観察対象は格子模様の図柄とした。斜視内視鏡の挿入部をその軸線を回転軸としてΔθずつ回転させ、回転毎に観察対象の画像を取り込み、その画像を用いてキャリブレーションを行った。また、キャリブレーションに用いた画像とは異なる5枚に画像において、画像ごとに16点、計80点の計測点を用いて、投影誤差(前述の投影モデルで得られた画像投影点の座標値と、観察対象の点の実際の座標を3次元センサを用いて得られた座標値との差)の平均を求めた。なお、3次元センサは、前記実験1,2で用いたものを用いた。また、用いた斜視内視鏡には、樽型歪が存在するため、前記非特許文献8に記載された方法により、歪補正を行った。
【0071】
また、前記回転角度Δθを変化させ、回転毎に得られた画像に基づき、前述した光軸LCのキャリブレーションを行い、得られたパラメータで投影誤差を計測した。この結果を図8に示す。図8に示すように、Δθの減少と共に残差と投影誤差は減少し、Δθ=18度のとき誤差は4.1画素(画像面内では0.45mm)となり、それより小さいΔθでは著しい誤差の減少は見られなかった。このとき、前記非特許文献5に記載された方法によるキャリブレーションにおける残差を求めたところ、4.2画素(画像面内では0.46mm)であったため、投影誤差中に光軸LCのキャリブレーション誤差が占める割合は、十分小さいといえる。また、このとき得られた画像の一例を図9に示す。画像中の+が、投影モデルにより得られた、観察対象点の画像上での位置を示している。
【0072】
(実験5)
この実験5では、前述の投影モデルにおける軸線LW=(nW,cW)と、光軸LC=(nC,cC)の必要性を検証した。光軸LCを簡略化した投影モデル(比較例1)と、軸線LWを簡略化した投影モデル(比較例2)と、本発明の投影モデル(実施例)との比較を行った。比較にあたっては、前記実験4の手法より、Δθ=18度のときの投影誤差を各投影モデルにおいて求めた。その結果を表2に示す。表2に示すように、投影誤差は本発明の実施例に係る投影モデルが最も小さい。この結果から、光軸LCおよび軸線LWは、斜視内視鏡の投影モデルにおいて必要なパラメータであることがいえる。
【0073】
【表2】
【0074】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の態様の変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、斜視内視鏡の挿入部の回転角を検出するために3次元センサを用いているが、ロータリーエンコーダなど他の回転角検出手段を用いて回転角を検出するように構成してもよい。
【0075】
また、上記実施形態においては、外部パラメータT0、内部パラメータMを推定する際、前記非特許文献11に記載された手法を用いているが、この手法に代えて種々の手法、例えば、前記非特許文献12や非特許文献「I.W.Faig:“Calibration of close−range photogrammetric systems:Mathematical formulation,”Photogrammetric Eng.and Remote Sensing,vol.41,pp.1479−1486,1975.」等に記載された手法を用いることができる。
【0076】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の斜視内視鏡用投影モデルのパラメータ推定方法によれば、斜視内視鏡において世界座標系から画像座標系への変換を決定する投影モデルのパラメータを、高精度に推定することが可能となる。
【0077】
このため、斜視内視鏡用の投影モデルを実用化することができ、この投影モデルを用いることによって、斜視内視鏡に対応した拡張現実感手術支援システムを実現化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】斜視内視鏡装置の一例を模式的に示す図
【図2】世界座標系からカメラ座標系への変換を模式的に示す図
【図3】カメラ座標系における回転補正を模式的に示す図
【図4】投影モデルによって得られた投影点の図
【図5】シミュレーション実験で得られた関係を示す図
【図6】実験1で得られた結果を示す図
【図7】実験2で得られた結果を示す図
【図8】実験3で得られた結果を示す図
【図9】実験4で得られた画像の一例を示す図
【符号の説明】
1 斜視内視鏡装置
10 斜視内視鏡
11 カメラ部
12 挿入部
12a 先端面
13 観察窓
20 画像処理装置
30 画像表示装置
LW 挿入部の軸線
LC 観察窓の光軸
【発明の属する技術分野】
本発明は、斜視内視鏡によって得られた画像を処理する斜視内視鏡用画像処理システムにおける斜視内視鏡用投影モデルのパラメータ推定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
低浸襲性に優れた内視鏡手術に関しては、これまで種々の拡張現実感手術支援システムが開発され開示されている(下記非特許文献1〜6参照)。
本願発明者らも、3次元超音波画像を用いた拡張現実感腹腔鏡手術支援システムを開発し、これを開示している(下記非特許文献13参照)。
【0003】
これらの手術支援システムは、直視内視鏡(観察窓の光軸が挿入部の軸線と一致している、正面を見る内視鏡)を対象としたシステムであるが、内視鏡手術では、広い視野を確保するために、斜視内視鏡(観察窓の光軸が挿入部の軸線に対して傾斜している、斜め方向を見る内視鏡)が用いられることが多い。
【0004】
斜視内視鏡では、広い視野を確保できるように、広角レンズやスィングプリズムを組み合わせて用いるなどの光学的な工夫が行なわれている。このような光学的工夫がなされた斜視鏡に対応して、拡張現実感手術支援システムを実現するためには、世界座標系(3次元空間に設定された基準となる座標系)から画像座標系(斜視内視鏡に備えられたCCD等の撮像面等に設定された座標系)への変換を決定する投影モデルや、その投影モデルにおいて必要となる、世界座標系からカメラ座標系への変換を決定する外部パラメータや、斜視内視鏡に固有の内部パラメータのモデル、およびそれらを推定する手法が必要となる。内部パラメータに関しては、直視内視鏡用のモデルを適用することが可能であり、またその推定に関しても、従来提案されている手法(例えば、下記非特許文献11,12参照)を用いることが可能である。しかし、外部パラメータに関しては、これまで斜視内視鏡に対応し得るモデルが提案されておらず、このためその推定方法も提案されていなかった。このような事情により、従来、斜視内視鏡に対応した投影モデルは知られていなかった。
【0005】
なお、広角レンズの歪パラメータの推定に関しては、すでに多くの高精度な手法が提案されている(下記非特許文献8〜10参照)。また、斜視内視鏡の研究においても、斜視内視鏡の運動速度を一定にするという条件に、各々の運動位置の視野を合成して擬似広角化するという手法が提案されている(下記非特許文献7参照)。しかし、斜視内視鏡に対応した拡張現実感手術支援システムに適用し得るものではなかった。
【0006】
【非特許文献1】
D.Dey,D.Gobbi,P.Slomka,K.J.M.Surry,and T.M.Peters,“Automatic fusion of freehand endoscopic brain images to three−dimensional surfaces:creating stereoscopic panoramas.”,IEEE Trans.Med.Imag.,Vol. 21,pp.23−30,2002.
【0007】
【非特許文献2】
J.Helferty,C.Zhang,G.McLennan,and W.Higgins,“Videoendoscopic distortion correction and its application to virtual guidance of endoscopy”,IEEE Trans.Med.Imag.,Vol.20,pp.605−616,2002.
【0008】
【非特許文献3】
S.D.Buck et al.,“A system to Support laparoscopic Surgeryby augmented reality visualization.”Springer−Verlag,2001,Proceedings, MICCAI,pp.691−698
【0009】
【非特許文献4】
R.Khadem et al.,“Endoscope calibration and accuracy testingfor 3D/2D image rgistration.”Springer−Verlag,2001,Proceedings, MICCAI,pp.1361−1365
【0010】
【非特許文献5】
P.J.Edwards,A.P.King,C.R.Maurer,D.A.de Cunha,D.J.Hawkers,D.L.G. Hill,R.P.Gastion,M.R.Fenlon,A.J.usczyzck,A.J.Strong,C.L.Chandler,and M.J.Gleeson,“Design and Evaluation of a system for microscope−assisted guided interventions(MAGI)”
【0011】
【非特許文献6】
J.D.Stefansic,A.J.Herline,Y.Shyr,W.C.Chaman,J.M.Fitzpatrick,B.M. Dawant,and R.L.Galloway,“Registration of physical space to laparoscopic image space for use in minimally invasive hepatic surgery”,IEEE Trans.Med.Imag.,vol.20,pp.1012−1023,2000.
【0012】
【非特許文献7】
H.Yamauchi et al.,“「記憶する内視鏡」による内視鏡視野の擬似広角化”,J.JSCAS,vol.2,no.2,pp.62−68,2000.
【0013】
【非特許文献8】
H.Haneishi,Y.Yagihashi,and Y.Miyake“A New method for distortion correction of electronic endoscopic images”.IEEE Trans. Med.Imag.,vol.14,No.3,pp.548−555,1995.
【0014】
【非特許文献9】
K.Vijayan et al.,“A new approach for nonlinear distortioncorrection in endoscopic images based on least squares estimation,”IEEE Trans.Med.Imag.,vol.18,pp.345−354,1995.
【0015】
【非特許文献10】
W.E.Smith et al.,“Correction of distortion in endoscopic images,”IEEE Trans.Med.Imag.,vol.11,pp.117−122,1992.
【0016】
【非特許文献11】
Wang and W.H.Tsai,“Camera calibration by vanishing lines for 3−D computer vision”,IEEE Trans.PAMI,vol.13,no.4,pp.370−376, 1991.
【0017】
【非特許文献12】
R.Y.Tsai,“A versatile camera calibration technique for high−accuracy 3−D machine vision metrology using of−the−shelf tv cameras and lenses”.IEEE J.Robot.Automat.,vol.3,pp.323−344,1987.
【0018】
【非特許文献13】
M.Nakamoto et al.,“3D Ultrasound System Using a Magneto−Optic Hybrid Tracker for Augmented Reality Visualization in Laparoscopic Liver Surgery”.In MICCAI 2002,LNCS 2489,pp. 148−155,September 2002.
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、これまで、斜視内視鏡に対応した拡張現実感手術支援システムは実現されていなかった。しかし、近年、特に腹腔内、関節整形、耳鼻科手術では、斜視内視鏡が用いられることが多いため、斜視内視鏡に対応した拡張現実感手術支援システムを実現することが強く望まれていた。
そこで、本願発明者は、斜視内視鏡に対応した拡張現実感手術支援システムを実現するため、斜視内視鏡に対応した投影モデルを備えた斜視内視鏡用画像処理システムを開発し、これを本願と同日に特許庁に開示した。
【0020】
本発明は、斜視内視鏡に対応した拡張現実感手術支援システムを実現化するため、この斜視内視鏡用画像処理システムにおける斜視内視用投影モデルのパラメータ推定方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明の斜視内視鏡用投影モデルのパラメータ推定方法は、体腔内に挿入される直線状に延びた挿入部と、該挿入部の先端面に設けられた観察窓と、観察対象の画像が撮像される撮像面とを備え、前記観察窓の光軸が前記挿入部の軸線に対して傾斜し、かつ前記挿入部が前記撮像面に対して、前記軸線を回転軸として相対的に回転可能に構成された斜視内視鏡により得られた画像を処理する斜視内視鏡用画像処理システムおいて、前記斜視内視鏡の外部空間に設定された世界座標系から前記撮像面に設定された画像座標系への変換を決定する、下式(2)によって規定された投影モデルのパラメータを推定する方法であって、
siC=MT0TRotC(−θ,nC,cC)TRotW(θ,nw,cw)pW…(2)
(ここで、pWは、前記世界座標系上の点の位置を表すベクトル、iCは、前記カメラ座標系上の点の位置を表すベクトル、nwは、前記世界座標系において前記軸線の方向を規定するベクトル、cwは、前記世界座標系において前記軸線の通過位置を規定するベクトル、nCは、前記カメラ座標系において前記光軸の方向を規定するベクトル、cCは、前記カメラ座標系において前記光軸の通過位置を規定するベクトル、θは、前記挿入部が前記軸線を回転軸として、前記撮像面に対して相対的に回転するときの回転角、T0は、前記挿入部が前記軸線を回転軸として、前記撮像面に対して相対的に回転していないときの、前記世界座標系から前記カメラ座標系への対応を表す変換、TRotWは、前記世界座標系において、前記挿入部が前記軸線を回転軸として、前記撮像面に対して相対的に回転するときの該回転を表す変換、TRotCは、前記カメラ座標系内の回転補正を表す変換、Mは、前記斜視内視鏡に固有の内部パラメータ、sは所定のスカラー、をそれぞれ示している。)
【0022】
前記挿入部の前記軸線回りの回転に伴って該軸線を中心とした円軌道上を移動する位置マーカを設け、前記挿入部を、前記軸線を回転軸として前記撮像面に対して相対的に回転移動させる試行を複数回行ない、該試行ごとに前記位置マーカの前記世界座標系での位置を測定し、この位置の各測定値に基づき前記円軌道を特定することによって、上式(2)のベクトルnw、ベクトルcwおよび回転角θの各推定値を求め、
次に、前記ベクトルnw、ベクトルcwおよび回転角θの各推定値を上式(2)に代入して得られる、前記世界座標系から前記画像座標系への投影点の該画像座標系での座標値と、該投影点の該画像座標系において実測された座標値とに基づき、上式(1)のベクトルncおよびベクトルccの各推定値を求めることを特徴とするものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0024】
〈斜視内視鏡装置概要〉
図1は斜視内視鏡装置の一例を模式的に示す図である。図示した斜視内視鏡装置1は、斜視内視鏡(斜視型硬性内視鏡)10、画像処理装置20、および画像表示装置30を備えてなる。
【0025】
斜視内視鏡10は、CCD等の撮像素子などにより構成される撮像面(図示略)を備えたカメラ部11と、該カメラ部11から軸線LW方向に延びた硬性の挿入部12とを備えている。この挿入部12は体腔内等に挿入される部分であり、その先端面12aは前記軸線LWと斜交するように形成されている。また、挿入部12は前記軸線LWを回転軸として、前記カメラ部に対して回転可能に構成されており、その先端面12aには観察窓13が設けられている。この観察窓13の光軸LCは前記軸線LWに対して傾斜するように構成されており、該軸線LWを回転軸として前記挿入部12を回転させると、該光軸LCは前記撮像面に対して相対的に回転移動するようになっている。なお、前記軸線LWは世界座標系(斜視内視鏡10の外部空間に設定された座標系)SWにおいて定義され、前記光軸LCは、カメラ座標系(観察窓13に設定された座標系)SCにおいて定義されている。
【0026】
前記斜視内視鏡装置1においては、観察対象からの反射光が、観察窓13より挿入部12内に取り込まれ、カメラ部11内の撮像素子において撮像される。そして、撮像素子により得られた画像信号は、画像処理装置20において信号処理され、さらに信号処理された画像信号が、画像表示装置30において画像に変換されて表示されるようになっている。
【0027】
〈斜視内視鏡用画像処理システム〉
前記斜視内視鏡装置1は、斜視内視鏡用画像処理システムを備えている。この斜視内視鏡用画像処理システムは、斜視内視鏡10により得られた画像信号を処理して、拡張現実感手術支援に利用し得る画像を形成するものであり、例えば、画像表示装置30内に設けられた演算回路や演算プログラム等により構成される。
【0028】
そして、この斜視内視鏡用画像処理システムは、前記世界座標系SWから前記撮像面に設定された画像座標系への変換を決定する投影モデルを備えている。この投影モデルは、前記斜視内視鏡10に固有の内部パラメータMと、前記世界座標系SWから前記カメラ座標系SCへの変換を決定する外部パラメータTとを用いて、下式(3)で規定されている。
【0029】
siC=MTpW……(3)
【0030】
ここで、pWは、前記世界座標系上の点の位置を表すベクトル、iCは、前記カメラ座標系上の点の位置を表すベクトル、sは所定のスカラー、をそれぞれ示している。
【0031】
また、この斜視内視鏡用画像処理システムは、前記外部パラメータTを、下式(4)によって規定している。
【0032】
T=T0TRotC(−θ,nC,cC)TRotW(θ,nw,cw)……(4)
【0033】
ここで、nwは、前記世界座標系において前記軸線の方向を規定するベクトル、cwは、前記世界座標系において前記軸線の通過位置を規定するベクトル、nCは、前記カメラ座標系において前記光軸の方向を規定するベクトル、cCは、前記カメラ座標系において前記光軸の通過位置を規定するベクトル、θは、前記挿入部が前記軸線を回転軸として、前記撮像面に対して相対的に回転するときの回転角、T0は、前記挿入部が前記軸線を回転軸として、前記撮像面に対して相対的に回転していないときの、前記世界座標系から前記カメラ座標系への対応を表す変換、TRotWは、前記世界座標系において、前記挿入部が前記軸線を回転軸として、前記撮像面に対して相対的に回転するときの該回転を表す変換、TRotCは、前記カメラ座標系内の回転補正を表す変換、をそれぞれ示している。
【0034】
〈斜視内視鏡の投影モデル〉
以下、前記投影モデルについて、図2、図3を用いて詳細に説明する。図2および図3は、投影モデルの概念を模式的に示す図で、図2は前記世界座標系SWから前記カメラ座標系SCへの変換を示し、図3は前記カメラ座標系SC内の回転補正を示している。
【0035】
前記世界座標系SWの点の位置ベクトルをPW=t(xW,yW,zW,1)、前記カメラ座標系SCの点の位置ベクトルをPCとし、世界座標系SWからカメラ座標系SCに変換する剛体アフィン変換(前記外部パラメータTに相当する)をTとすると、PWからPCへの変換は、下式(5)で表される。
【0036】
pC=TpW……(5)
【0037】
また、上式(5)における外部パラメータTは、下式(6)で表される。
【0038】
【数1】
【0039】
ここで、Rは、回転を意味する3行3列の直交行列を表し、tは、平行移動を意味する3次元ベクトルを表し、Iは単位行列を表している。
【0040】
一方、前記PCの2次元投影点の位置ベクトルを、iP=t(uP=xC/zC,vP=yC/zC,1)とすると、この投影点iPから、前記画像座標系上においてこの投影点iPと対応する画像点iCへの対応関係は、前記内部パラメータMを用いて、下式(7)で表される。
【0041】
siC=MiP……(7)
【0042】
ここで、sは所定のスカラーを示している。
【0043】
また、上式(7)における内部パラメータMは、下式(8)で表される。
【0044】
【数2】
【0045】
ここで、fは、焦点距離を表し、ku,kvは、それぞれu軸,v軸の単位長を表し、t(u0,v0)は、画像中心の座標を表している。
【0046】
前記斜視内視鏡10において、前記外部パラメータTは、以下のように記述できる。まず、図2(a)に示すように、前記斜視内視鏡10において、前記世界座標系SWに対して前記カメラ座標系SCが回転移動していないときの、該世界座標系からSW該カメラ座標系SCへの変換をT0とする。なお、図2(a)では、この回転の伴わないカメラ座標系をSC0と表記している。
【0047】
次いで、図2(b)に示すように、世界座標系SWにおいて、前記軸線LWを回転軸として、前記撮像面に対して前記挿入部12を角度θだけ回転移動させる場合を想定する。このときの回転を表す変換をTRotW(θ,nw,cw)とする。なお、このとき前記軸線LWは、前記2つのベクトルnw,cwによって規定される。また、図2(b)では、この回転変換TRotWの後、前記T0の変換を施したカメラ座標系をS’C0と表記している。
【0048】
前記回転後のカメラ座標系S’C0は、回転前のカメラ座標系をSC0に対して相対的に回転移動している。一方、前記斜視内視鏡10の撮像面(および前記画像座標系)の前記世界座標系SWに対する位置は変化していない。このため、カメラ座標系における回転補正が必要となる。本発明では、図3に示すように、前記カメラ座標系をS’C0を、前記光軸LCを回転軸として、前記回転方向とは反対方向に角度−θだけ回転転補正する変換TRotC(−θ,nC,cC)を施すことにより、この回転補正を行う。
【0049】
このような一連の変換を行うことにより、すなわち、上式(4)により規定された外部パラメータTを含む、上式(3)により規定された投影モデルを適用することによって、前記世界座標系SWから前記撮像面に設定された画像座標系への変換を決定することが可能となる。
【0050】
〈パラメータ推定方法〉
次に、本発明の一実施形態に係る斜視内視鏡用投影モデルのパラメータ推定方法について説明する。まず、前述の、回転が伴わないときの変換T0と、内部パラメータMの推定を行う。これらの推定方法としては、従来提案されている様々な手法を適用することが可能である。本実施形態においても従来の手法、例えば、前記非特許文献11に記載された手法を用いて、前記変換T0と前記内部パラメータMの推定を行う。
【0051】
次いで、前述の、回転を伴うときの変換TRotW(θ,nw,cw)における、前記軸線LWの方向と通過位置をそれぞれ規定する2つのベクトルnw,cwの推定を行う。このベクトルnw,cwは、前記軸線LWを決定するパラメータなので、自由度は4となる。そこで、これらの推定にあたっては、まず、前記斜視内視鏡10の挿入部12に、該挿入部12の回転に応じて前記軸線LWを中心とする円軌道上を移動する3次元位置マーカを設ける。この3次元位置マーカの円軌道の中心に対応するのが前記ベクトルcwであり、この円軌道を含む平面の法線方向に一致し、この円軌道の中心を通るベクトルに対応するのが前記ベクトルnwとなる。また、前記斜視内視鏡10の前記カメラ部11にも、該カメラ部11の前記世界座標系SWでの位置を検出するための位置センサを設けカメラ部11の位置を計測する。
【0052】
次に、前記挿入部12を回転させては、前記3次元位置マーカの位置を計測するという手順を複数回繰り返して行う。3次元位置マーカの位置計測値をpi W(i=1,2,・・・n)とすると、下式(9)を満たすようなnwを線形推定により求める。
【0053】
【数3】
【0054】
ここで、(,)は内積を表し、││はユークリッドノルムを表す。
【0055】
次いで、この求められたnwから、下式(10)を満たすようなcwを非線形推定、例えば、Levenberg−Marquadt法を用いて求める。
【0056】
【数4】
【0057】
ここで、(,)は内積を表し、││はユークリッドノルムを表す。
【0058】
続いて、求められたpi W−cwがなす角度から、下式(11)により前記回転角θを求める。
【0059】
【数5】
【0060】
ここで、(,)は内積を表し、[,]は外積を表し、││はユークリッドノルムを表す。
【0061】
最後に、前述の、回転補正の変換TRotC(−θ,nC,cC)における、カメラ座標系において前記光軸LCの方向を表すベクトルnCと、カメラ座標系において前記光軸LCの通過点の位置を表すベクトルcCを推定する。これらの推定にあたっては、まず、前記各ベクトルcC,nC,回転角θに対応する、世界座標系上の点pi Wobjの計算上の画像投影点i’C(pi Wobj,θ;nC,cC)を、上式(3)、(4)を用いて求める。次に、pi Wobjの実際の画像座標系上での位置ベクトルをiC iとして、下式(12)を満たす前記各ベクトルcC,nCを求める。
【0062】
【数6】
【0063】
〈シミュレーション実験〉
次に、前述したベクトルcC,nCの推定に関して行ったシミュレーション実験について説明する。シミュレーションのための生成データは、次の通りである。すなわち、観察対象として、縦横の間隔4mm、3×3に点が配列された点列の図柄をキャリブレーションに用いた。また、各点に対して標準偏差0.1mmのガウスノイズを加えた。そして、斜視内視鏡の挿入部を約45度ずつ回転させ、回転毎に4枚(4フレーム)ずつ、観察窓から約30〜40cm離れた位置に配置した前記図柄を撮像するという想定で、前述した投影モデルによる前記図柄の各点の投影点の図を作成した(図4)。なお、画像面(撮像面)の範囲は200〜400画素(pixel)の範囲と想定した。
【0064】
画像面上で、標準偏差0.5,1.0,1.5画素のガウスノイズをそれぞれ加えたシミュレーション結果を表1に示す。投影点の残差およびベクトルcC,nCの誤差は、シミュレーションで与えた真値と推定値との差である。また、与えたガウスノイズの標準偏差と、投影点の残差およびベクトルcC,nCの誤差との関係を明らかにするため、これらの関係を図5に示した。図5に示すように、投影点の残差およびベクトルcC,nCの誤差は、与えたガウスノイズの標準偏差に対して略線形であることが確かめられた。
【0065】
【表1】
【0066】
〈実画像における実験〉
次に、前述した投影モデルによる投影の精度を検証するために、実画像を用いて実施した複数の実験について説明する。
【0067】
(実験1)
この実験1では、斜視角度30度、撮像面の大きさ340×340画素の歪無し斜視内視鏡を用いた。また、観察対象は前記点列の図柄とした。斜視内視鏡の挿入部をその軸線を回転軸として約45度ずつ回転させ、回転毎に観察対象点の画像を3枚(3フレーム)取り込み、その画像を用いてキャリブレーションを行った。そして、キャリブレーションを行った角度範囲で取得した画像の精度を調べた。観察対象点の世界座標系上での位置は、3次元センサ(Polaris;NorthernDigital Inc.)を用いて計測した。この3次元センサの精度は、0.35mmである。
【0068】
この実験1で得られた結果を図6に示す。この実験1により確認された誤差は、3.02画素であった。また、パラメータを推定する際の残差は、2.86画素であった。この誤差は、画像面サイズの約1パーセント、1mm程度に相当する。これは、実用上の許容範囲ではあるが、前述のシミュレーション結果に比べると精度が劣る。これは、キャリブレーションに用いた画像のフレーム数が少なかったためであると考えられる。
【0069】
(実験2)
この実験2では、前記実験1において、画像のフレーム数と各フレームにおけるサンプル点の数との関係を検証するために行った。実験に用いた器具等は、前記実験1と同じである。この実験2で得られた結果を図7に示す。図7に示すように、キャリブレーションに用いる画像のフレーム数(F)が多いほど、またフレーム毎のサンプル点数が多いほど、高い精度が得られることが確かめられた。
【0070】
(実験3)
この実験3では、撮像面の大きさ340×240画素(0.11mm/pixel)の斜視内視鏡を用いた。また、観察対象は格子模様の図柄とした。斜視内視鏡の挿入部をその軸線を回転軸としてΔθずつ回転させ、回転毎に観察対象の画像を取り込み、その画像を用いてキャリブレーションを行った。また、キャリブレーションに用いた画像とは異なる5枚に画像において、画像ごとに16点、計80点の計測点を用いて、投影誤差(前述の投影モデルで得られた画像投影点の座標値と、観察対象の点の実際の座標を3次元センサを用いて得られた座標値との差)の平均を求めた。なお、3次元センサは、前記実験1,2で用いたものを用いた。また、用いた斜視内視鏡には、樽型歪が存在するため、前記非特許文献8に記載された方法により、歪補正を行った。
【0071】
また、前記回転角度Δθを変化させ、回転毎に得られた画像に基づき、前述した光軸LCのキャリブレーションを行い、得られたパラメータで投影誤差を計測した。この結果を図8に示す。図8に示すように、Δθの減少と共に残差と投影誤差は減少し、Δθ=18度のとき誤差は4.1画素(画像面内では0.45mm)となり、それより小さいΔθでは著しい誤差の減少は見られなかった。このとき、前記非特許文献5に記載された方法によるキャリブレーションにおける残差を求めたところ、4.2画素(画像面内では0.46mm)であったため、投影誤差中に光軸LCのキャリブレーション誤差が占める割合は、十分小さいといえる。また、このとき得られた画像の一例を図9に示す。画像中の+が、投影モデルにより得られた、観察対象点の画像上での位置を示している。
【0072】
(実験5)
この実験5では、前述の投影モデルにおける軸線LW=(nW,cW)と、光軸LC=(nC,cC)の必要性を検証した。光軸LCを簡略化した投影モデル(比較例1)と、軸線LWを簡略化した投影モデル(比較例2)と、本発明の投影モデル(実施例)との比較を行った。比較にあたっては、前記実験4の手法より、Δθ=18度のときの投影誤差を各投影モデルにおいて求めた。その結果を表2に示す。表2に示すように、投影誤差は本発明の実施例に係る投影モデルが最も小さい。この結果から、光軸LCおよび軸線LWは、斜視内視鏡の投影モデルにおいて必要なパラメータであることがいえる。
【0073】
【表2】
【0074】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の態様の変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、斜視内視鏡の挿入部の回転角を検出するために3次元センサを用いているが、ロータリーエンコーダなど他の回転角検出手段を用いて回転角を検出するように構成してもよい。
【0075】
また、上記実施形態においては、外部パラメータT0、内部パラメータMを推定する際、前記非特許文献11に記載された手法を用いているが、この手法に代えて種々の手法、例えば、前記非特許文献12や非特許文献「I.W.Faig:“Calibration of close−range photogrammetric systems:Mathematical formulation,”Photogrammetric Eng.and Remote Sensing,vol.41,pp.1479−1486,1975.」等に記載された手法を用いることができる。
【0076】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の斜視内視鏡用投影モデルのパラメータ推定方法によれば、斜視内視鏡において世界座標系から画像座標系への変換を決定する投影モデルのパラメータを、高精度に推定することが可能となる。
【0077】
このため、斜視内視鏡用の投影モデルを実用化することができ、この投影モデルを用いることによって、斜視内視鏡に対応した拡張現実感手術支援システムを実現化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】斜視内視鏡装置の一例を模式的に示す図
【図2】世界座標系からカメラ座標系への変換を模式的に示す図
【図3】カメラ座標系における回転補正を模式的に示す図
【図4】投影モデルによって得られた投影点の図
【図5】シミュレーション実験で得られた関係を示す図
【図6】実験1で得られた結果を示す図
【図7】実験2で得られた結果を示す図
【図8】実験3で得られた結果を示す図
【図9】実験4で得られた画像の一例を示す図
【符号の説明】
1 斜視内視鏡装置
10 斜視内視鏡
11 カメラ部
12 挿入部
12a 先端面
13 観察窓
20 画像処理装置
30 画像表示装置
LW 挿入部の軸線
LC 観察窓の光軸
Claims (1)
- 体腔内に挿入される直線状に延びた挿入部と、該挿入部の先端面に設けられた観察窓と、観察対象の画像が撮像される撮像面とを備え、前記観察窓の光軸が前記挿入部の軸線に対して傾斜し、かつ前記挿入部が前記撮像面に対して、前記軸線を回転軸として相対的に回転可能に構成された斜視内視鏡により得られた画像を処理する斜視内視鏡用画像処理システムおいて、前記斜視内視鏡の外部空間に設定された世界座標系から前記撮像面に設定された画像座標系への変換を決定する、下式(1)によって規定された投影モデルのパラメータを推定する方法であって、
siC=MT0TRotC(−θ,nC,cC)TRotW(θ,nw,cw)pW…(1)
(ここで、pWは、前記世界座標系上の点の位置を表すベクトル、iCは、前記画像座標系上の点の位置を表すベクトル、nwは、前記世界座標系において前記軸線の方向を規定するベクトル、cwは、前記世界座標系において前記軸線の通過位置を規定するベクトル、nCは、前記カメラ座標系において前記光軸の方向を規定するベクトル、cCは、前記カメラ座標系において前記光軸の通過位置を規定するベクトル、θは、前記挿入部が前記軸線を回転軸として、前記撮像面に対して相対的に回転するときの回転角、T0は、前記挿入部が前記軸線を回転軸として、前記撮像面に対して相対的に回転していないときの、前記世界座標系から前記カメラ座標系への対応を表す変換、TRotWは、前記世界座標系において、前記挿入部が前記軸線を回転軸として、前記撮像面に対して相対的に回転するときの該回転を表す変換、TRotCは、前記カメラ座標系内の回転補正を表す変換、Mは、前記斜視内視鏡に固有の内部パラメータ、sは所定のスカラー、をそれぞれ示している。)
前記挿入部の前記軸線回りの回転に伴って該軸線を中心とした円軌道上を移動する位置マーカを設け、前記挿入部を、前記軸線を回転軸として前記撮像面に対して相対的に回転移動させる試行を複数回行ない、該試行ごとに前記位置マーカの前記世界座標系での位置を測定し、この位置の各測定値に基づき前記円軌道を特定することによって、上式(1)のベクトルnw、ベクトルcwおよび回転角θの各推定値を求め、
次に、前記ベクトルnw、ベクトルcwおよび回転角θの各推定値を上式(1)に代入して得られる、前記世界座標系から前記画像座標系への投影点の該画像座標系での座標値と、該投影点の該画像座標系において実測された座標値とに基づき、上式(1)のベクトルncおよびベクトルccの各推定値を求めることを特徴とする斜視内視鏡用投影モデルのパラメータ推定方法。
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