JP2004170305A - 3次元形状計測方法および3次元形状計測装置 - Google Patents

3次元形状計測方法および3次元形状計測装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光学的に十分な距離を有しながら実際の装置の奥行き長を短くして、小型化を図ることが可能な3次元形状計測装置を提供する。
【解決手段】被計測物体から同一距離にあり、拡散角の異なる拡散光を照射する複数の照明手段と、前記各照明手段で照射された前記被計測物体を撮影する撮影手段と、前記撮影手段で撮影された画像データを記録する記録手段と、前記記録手段に記録された画像データを用いて、3次元形状を演算する演算手段とを備える。また、ハーフミラーにより、前記各照明手段から照射される拡散光を一つの光軸上に合成して、前記被計測物体を照射する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被計測物体の3次元形状または3次元形状と色を計測する3次元形状計測方法および3次元形状計測装置に係わり、特に、計測産業、通信産業、映像産業などの分野において使用される3次元形状計測方法および3次元形状計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
カメラを用いて被計測物体の3次元形状を取得する様々な計測装置が提案されている。これらの方法は、ステレオ法に代表される被計測物体に特別な照明を照射しないパッシブ型計測装置、被計測物体に特別な照明を照射するアクティブ型計測装置に分類できる。
パッシブ型計測装置は、特に、ステレオ法はカメラ2台でできるため非常に低コストで汎用性もあり、昔から精力的に研究されてきたが、未だに計測の信頼性が低く汎用的に使える装置としては実用段階に至っていない。
一方、アクティブ型計測装置は計測精度、分解能、計測信頼性も実用水準に到達しており、近年では動画像計測も可能となった。
しかしながら、一般に装置が大型かつ高価であり携帯化できるサイズヘの小型化は不可能であった。
また、アプリケーションによっては、計測精度や分解能が低くて構わない場合も多いが、従来のアクティブ型計測装置ではこれらのスペックを下げても装置の低価格化や小型化を効率よくはかることができない。
【0003】
これに対し、異なる距離の光源から拡散光を被計測物体に照射し、各々の輝度値の比を取ることによって距離を求める装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
前述の特許文献1に開示されている装置の構成を図14に示す。
図14において、13は被計測物体、11は遠方の光源、12は遠方の光源11より距離x0だけ被計測物体13に近い光源、14は撮影カメラ、15は画像データの記録メモリ、16は画像データの演算器、17は全体の制御装置である。
図14に示す装置は、計測精度分解能はあまり高くないものの、基本的には2つの光源とカメラを用意するだけで装置を構成することができるので、極めて低価格に作ることが可能であり、その他の方式と比較すれば比較的小型の装置にすることも可能である。
【0004】
図14に示す装置の動作と計測原理を説明する。
初めに、制御装置17は、光源11を点灯して拡散光を被計測物体13に照射し、撮影カメラ14で被計測物体13を撮影し、この画像データを記録メモリ15に記録した後、光源11を消灯する。
光源11と被計測物体13間の距離をx、光源11の光量をL1、光源12の光量をL2とすると、光源11で照明された被計測物体13上のある地点の輝度V1は、光源11から来る光を撮影カメラ14の方向に反射する反射率をkとすると、下記(1)式で与えられる。
【数1】
V1=kL1/4πx ・・・・・・・・・・・・・・・・・ (1)
次に、制御装置17は、光源12を点灯して拡散光を被計測物体13に照射し、撮影カメラ14で被計測物体13を撮影し、この画像データを画像メモリ15に記録した後、光源12を消灯する。
この時、光源12で照明された該地点の輝度V2は、下記(2)式で与えられる。
【数2】
V2=kL2/4π(x−x0) ・・・・・・・・・・・・ (2)
【0005】
次に、制御装置17は、演算器16を用いて、(1)式と(2)式の比をとることによって該地点の距離xを求め、全画素について、この演算を施すことによって被計測物体13の3次元形状データを求めて、記録メモリ15に書き込む。この時の演算式は、(1)式および(2)式より、下記(3)式で与えられる。
【数3】
x=x0/{1−√(V1L2/V2L1)}・・・・・・・・・・・・ (3)
前述の特許文献1では、1点の距離計測なのか、3次元形状全体の計測なのか明示されていないが、動作原理は同じで3次元形状計測を明示的に示した請求項が特許文献2に記載されている。また、特許文献2と全く同じ内容の特許が数式の表現を代えて、特許文献3の請求項1および請求項2、特許文献4の請求項1、特許文献5の請求項1、および、特許文献6の請求項1に記載されている。
【0006】
なお、本願発明に関連する先行技術文献情報としては以下のものがある。
【特許文献1】
特開昭61−155909号公報
【特許文献2】
特開昭63−233312号公報
【特許文献3】
特開2002−77944号公報
【特許文献4】
特開2002−65581号公報
【特許文献5】
特開2002−95625号公報
【特許文献6】
特開2002−65585号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述の図14に示す装置は、以下に掲げる問題点がある。
(1)装置を薄型化できない。
装置の奥行き長は、図14の二つの光源間の距離x0で決まるが、x0を小さくすると距離計測の分解能が悪くなるため、実用に供するためにx0は大きくする必要がある。
しかし、x0が大きいと、装置の奥行き長が長くなる他、手前の光源12が遠方の光源11の影とならないように横方向にずらす距離yも大きくなってしまい、装置が大型化する問題が起こる。また、距離yを大きくすると、後で述べる課題2にかかげた問題がより深刻化する。
光学的に充分な距離x0を有しながら実際の装置の奥行き長が短くてすむ小型装置を提供することが本発明の課題1である。
【0008】
(2)光沢のある物体が計測できない。
前述の(1)式と、(2)式とは、どちらも同じ反射率kを用いている。これは照明の入射角に依存せず同一方向(撮影カメラ方向)への反射率は同じであることを前提としている。
しかしながら、一般に物体の反射率kは、照明の入射角や照明の波長に依存して変化し一定ではない。図14に示す装置では、光源の波長(色)が同じであること前提としているので後者の問題はないが、距離yが大きくなると、光源11と光源12の入射角の差も大きくなるので、反射率kの変化が無視できなり正確な計測ができなくなる。
特に、光沢のある物体に代表される鏡面反射特性の強い物体に照明を当てるとハイライトを生じるが、ハイライト近辺領域は照明の入射角のわずかな違いで反射率kが大きく変わるため計測不能となってしまう。
従って、従来の技術では石膏など光沢のない拡散反射特性の強い物体の計測に限られていた。ちなみに、前述の特許文献2では、実験に石膏像を使用している。
被計測物体が光沢のある物体でも計測可能な装置を提供することが本発明の課題2である。
【0009】
(3)性能を落とさず物体の色と形状を同時に取得できない。
従来の技術では、被計測物体の色は計測しない、もしくはカラーカメラを用いて形状計測と色計測を兼用する公知の方法によっている。
ところが、カラーカメラのSN比は、モノクロカメラより悪いためわずかな輝度差から距離情報を算出する本計測法においては不都合である。
別々の専用カメラを用いて形状計測と色計測を同時に行うことによってこの問題を解決しながら、両カメラの撮影の光軸を一つとしてオクルージョン(色計測カメラまたは形状計測カメラには写りながら形状計測カメラまたは色計測カメラからは影となって見えない領域)のない色と3次元形状の同時計測可能装置を提供することが、本発明の課題3である。
【0010】
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、3次元形状計測方法および3次元形状計測装置において、光学的に十分な距離x0を有しながら実際の装置の奥行き長を短くして、小型化を図ることが可能となる技術を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、3次元形状計測方法および3次元形状計測装置において、被計測物体が光沢のある物体でも計測することが可能となる技術を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、3次元形状計測方法および3次元形状計測装置において、色計測カメラと形状計測カメラとして、それぞれ別々の専用カメラを用いて形状計測と色計測を同時に行うとともに、両カメラの撮影の光軸を一つとしてオクルージョンのない色と3次元形状とを同時に計測することが可能となる技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前述の課題1を解決するため、本発明(請求項6に記載された発明)では、被計測物体から同一距離にあり拡散角の異なる拡散光を照射する複数の光源と、被計測物体を撮影する手段と、画像データの記録手段と、画像データの演算手段とを備える。
本発明の3次元形状計測装置の動作、測定原理や動作は前述した従来の3次元形状計測装置と同じであり、照明手段の構成が異なる。これを図1を用いて説明する。
図1(a)は、従来の装置の照明手段を示す図であり、距離の異なる光源21と光源22からなり、各々の光源(21,22)から順次拡散光を被計測物体23に照射して撮影する。
この図1(a)から分かるように、装置の奥行き長24は少なくともx0以上が必要となる。また、手前の光源21が、奥の光源22の影とならないよう横または縦方向に距離25だけずらして配置しなければならない。
【0012】
これに対して、図1(b)に示す本発明の3次元形状計測装置は、被計測物体23から同一距離にある二つの光源(26,27)から拡散角の異なる拡散光を照射する。
光の広がり方は、光源26は位置215に仮想的な点光源を置いた場合と等価であり、光源27は位置216に仮想的な点光源を置いた場合と等価であるので、位置215と位置216の距離差で与えられる光学的な距離差x0は従来の3次元形状計測装置と同じである。
よって、同じ光学的な距離差x0を有しながら、実際の奥行き長は、図1(b)に示す28の長さに短縮できる。
図1(c)に示す本発明の3次元形状計測装置は、光源211に負の拡散角を与えている。光源211から照射された光は一旦収束した後で拡散光となる。
光の広がり方は、光源211は位置217に仮想的な点光源を置いた場合と等価であり、光源210は位置218に仮想的な点光源を置いた場合と等価であるので、位置217と位置218の距離差で与えられる光学的な距離差x0は従来の3次元形状計測装置と同じである。
光学的な焦点は、光源211の前方に位置する。よって、同じ光学的な距離差x0を有しながら、実際の奥行き長は、図1(c)に示す213の長さに短縮できる。
また、光源の照射面積も、図1(b)より小さいので、より小型の光源で済み、位置212に光源210をよせることによって、縦方向にずらす距離も、図1(b)に示す29よりも、図1(c)に示す214の距離に短縮できる。
【0013】
なお、前述の(1)式、(2)式で用いる光源の光量は、図14に示すように全方向に照射する点光源の光量を想定しているので、図1で用いるような特定の範囲に照射する光源の光量を予め補正する必要がある。
これは、光源26、光源211の光源の光量をL1’、照射範囲の立体角をω1、光源27、光源210の光源の光量をL2’、照射範囲の立体角をω2とすると、下記(4)式、(5)式にように変換することにより、全方向に照射する点光源の等価光量に変換される。
【数4】
L1=4πL1’/ω1 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ (4)
L2=4πL2’/ω2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ (5)
以上説明したように、本発明の3次元形状計測装置は、光学的には十分な距離x0を有しながら、実際の3次元形状計測装置の奥行き長は短くてすみ3次元形状計測装置の小型化がはかれるので課題1が解決される。また、横または縦にずらす距離も小さくできるので、被計測物体への照射角度の差も小さくでき課題2の解決にも有効である。
【0014】
課題2を解決するため、本発明(請求項7に記載の発明)では、ハーフミラーを有し、複数の照明手段から照射される拡散光をハーフミラーで合成して一つの光軸上で照射することを特徴とする。
図2に、本発明の3次元形状計測装置の照明手段の構成図を示す。
図2において、31と32は異なる距離にある光源、33はハーフミラー、34は被計測物体、35は撮影手段である。
図2に示す3次元形状計測装置では、光源31と光源32からの照射光は、どちらもハーフミラー33で、同じ光軸36に沿って進む光となり、被計測物体34に照射されるので、2つの光源を切り替えて照射しても、被計測物体34への照射角度の差をほとんど生じない。
その結果、被計測物体34が、鏡面反射特性の強い光沢のある物体でも照明の切り替えによる反射率の変化を無視できる程小さくできるので計測可能となり、課題2が解決される。
【0015】
課題2を解決するため、本発明(請求項9に記載の発明)では、一つの光源と、時分割で複数の異なる光学経路を内部に作る光学系と、該光学経路毎に異なる拡散角の拡散光に変換する複数の光学手段と、被計測物体を撮影する手段と、画像データの記録手段と、画像データの演算手段とを備える。
本発明の3次元形状計測装置の動作、測定原理は、従来の3次元形状計測装置と同じであり照明手段の構成が異なる。この照明手段を図3を用いて説明する。図3において、48は被計測物体、41は平行ビームを照射する光源、42と43は回転ミラー、44と45はミラー、46と47は曲率の異なる凹レンズであり、平行ビーム光を拡散角の異なる拡散光に変換する。
図3(a)は、回転ミラー42が光路からはずれた状態、回転ミラー43が光路に45度の角度で入り込んでいる状態を示す。
この状態では、光源41からの照射光は、光軸49に沿って通過し、凹レンズ46で拡散光に変換されて、被計測物体48に照射される。
【0016】
図3(b)は、回転ミラー42が光路に45度の角度に入り込んでいる状態、回転ミラー43が光路からはずれた状態を示す。
この状態では、光源41からの照射光は、光軸410に沿って通過し、凹レンズ47で、図3(a)とは異なる拡散角の拡散光に変換されて、被計測物体48に照射される。
つまり、時分割で、図3(a)の状態と、図3(b)の状態とを切り替えて照射することによって、どちらの拡散光も同じ光軸に沿って、被計測物体48に照射されるので照射角度の差をほとんど生じない。
その結果、被計測物体48が鏡面反射特性の強い光沢のある物体でも照明の切り替えによる反射率の変化を無視できる程小さくできるので計測可能となり、課題2が解決される。
【0017】
課題2を解決するため、本発明(請求項10に記載の発明)では、拡散光に変換する光学手段が拡散角を任意に制御できる手段であることを特徴とする。
図4(a)に、本発明の3次元形状計測装置の照明手段の構成図を示す。
同図において、51は光源、52はズームレンズや可変焦点レンズに代表される拡散角を任意に制御できる光学系、53は被計測物体である。
光学系52のズーム比を変えることによって、拡散角度の異なる拡散光54と55を照射する。どちらの照射光も同じ光軸上で被計測物体53に照射されるので、被計測物体53への照射角度の差はほとんどない。
その結果、被計測物体53が、鏡面反射特性の強い光沢のある物体でも照明の切り替えによる反射率の変化を無視できる程小さくできるので計測可能となり、課題2が解決される。
また、請求項7と請求項10を組み合わせた3次元形状計測装置の照明手段を、図4(b)と、図4(c)に示す。
被計測物体の大きさや3次元形状計測装置からの距離によって最適な拡散角が異なるが、図4(b)と、図4(c)に示すように拡散角を任意に制御する手段を用いることによって、拡散光(56、57)の拡散角を任意に制御でき、被計測物体の大きさや3次元形状計測装置からの距離に幅広く対応することができる。
【0018】
課題2を解決するため、本発明(請求項11に記載の発明)では、偏光を照射する光源、若しくは、偏光を分離する光学手段のいずれかを照明手段内に有し、撮影手段の前に前記偏光と偏光の向きが直交する偏光を分離する光学手段を有し、偏光した拡散光を照射して該偏光の偏光の向きと直交する偏光のみを撮影することを特徴とする。
請求項11と請求項6に基づく3次元形状計測装置の照明手段と撮影手段の構成図を図5に示す。
図5において、61と62は異なる拡散角の拡散光を照射する手段、63は特定の向きの偏光を分離する手段、64は光沢のある被計測物体、65は、手段63とは偏光の向きが直交する偏光を分離する手段、66は撮影手段である。
従来の装置で照射すると画像67が撮影されるが、被計測物体64は光沢のある被計測物体なので、ハイライト領域68が発生してしまう。
【0019】
この現象と引き起こされる問題点を図6(a)を用いて説明する。図6(a)は、ある面に角度θで入射した光を同じ角度θに反射する反射率を図示している。
光沢のある物体の場合、垂直に入射した光を垂直方向に返す角度では鏡面反射によって著しく強い反射率71を示す。この領域がハイライト領域68に相当する。
本発明の3次元形状計測装置の計測原理においては、被計測物体表面の反射率kが照明を変えても変わらないことを前提としているが、異なる位置の光源をずらして配置している場合、照射角にわずかな違いδθが発生する。
光沢のない物体や、光沢のある物体においても、ハイライト領域から大幅にずれた角度(例えば、図中のθ1)であるなら、θ1と、θ1からδθ異なる入射光に対する反射率の差δk1は無視できるほど小さいが、ハイライト近傍領域の角度θ2である場合には、反射率の差δk2は無視できない程大きくなり計測不能となる。
【0020】
一方、本発明では偏光が照射される。仮に、この偏光をP偏光とする。
図6(b)は、ある面に角度θで入射したP偏光を同じ角度θに反射する光をP偏光と、P偏光と偏光の向きが直交するS偏光にわけて反射率を図示している。
これを見るとわかるようにハイライトの急激な反射率の増大分はほとんどP偏光で占められる。
本発明の3次元形状計測装置では、照明光と偏光の向きが直交する偏光のみを分離して撮影するので、図6(c)に示すS偏光のみが撮影される。よって、ハイライトの消失した画像69が撮影される。
ハイライトが消失しθに関わらずδkは常に無視できるほど小さくなるので、被計測物体64が、光沢のある物体でも計測が可能となり課題2を解決できる。また、ハイライトは著しく高輝度なので撮影可能なダイナミックレンジを越える問題(白トビまたはオーバーフロー)を生じやすいが、本発明はこの問題も軽減する効果がある。
【0021】
課題3を解決するため、本発明(請求項12に記載の発明)は、照明手段が赤外光を照射する手段であり、撮影する手段の前に赤外光と可視光を分離する手段と可視光の撮影手段とを有し、赤外光と可視光の撮影を一つの光軸上で行うことを特徴とする。
請求項6と請求項12を組み合わせた3次元形状計測装置の構成とその動作を図7を用いて説明する。
図7において、81と82は赤外の異なる拡散光を照射する照射手段、83は被計測物体、84は赤外光は透過し可視光を反射するコールドミラー、85は赤外光を撮影する撮影手段、86は可視光を撮影する撮影手段である。
照射手段81または照射手段82から順次照射された異なる拡散角の赤外拡散光は被計測物体83に照射される。
被計測物体83からの反射光は、コールドミラー84を通過して撮影手段85にて撮影される。形状計測は、撮影手段85で撮影した画像を用いて行う。
【0022】
一方、被計測物体83から出る可視光は、コールドミラー84にて反射され、撮影手段86で撮影される。これによって、色画像は撮影手段86で計測されることになる。
なお、コールドミラー84から反射した画像は左右が反転しているので、後述の実施の形態のようにミラーでもう一回反転させるか、撮影手段86に左右反転機能を持つTVカメラを用いる。
本発明の3次元形状計測装置によって、形状計測カメラも色計測カメラも一つの光軸87から撮影することになるので、色計測カメラには写りながら形状計測カメラには影となって写らない領域、若しくはこれと反対の領域などのオクルージョンを発生しないで色と形状の同時計測可能な3次元形状計測装置を実現することができ課題3を解決できる。
また、形状計測に専用の赤外モノクロカメラを使用できるので高SN比で形状計測が可能な他、色画像取得のためのライティングを計測光に影響されることなく独立に設定できる利便性も提供できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
なお、実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
[実施の形態1]
図8は、本発明の実施の形態1の3次元形状計測装置の概略構成を示す図であり、この図8は、本願の請求項6に記載の3次元形状計測装置の実施の形態である。
図8において、91と92は拡散光を照射するライト、93は曲率の小さなレンズ、94は曲率の大きなレンズであり、ライト(91、92)、レンズ93、およびレンズ94で、請求項6に記載の被計測物体95から同一距離にあり異なる拡散光を照射する複数の照明手段を構成する。
95は被計測物体、96は撮影カメラ、97は画像データを記録する記録メモリ、98は画像データの演算器、99は全体を制御する制御装置である。
なお、記録メモリ97、演算器98、および制御装置99は、画像入カポートを備えたコンピュータで構成し、演算器98と制御装置99は同じCPUに兼用させても良いし、記録メモリ97は、メモリの他、ハードディスクや光ディスクで代用しても良い。また、図中、細い矢印は制御の流れ、太い矢印はデータの流れを表す。
【0024】
本実施の形態の3次元形状計測装置の動作を説明する。
制御装置99は、ライト91を発光させて、撮影カメラ96で被計測物体95の撮影を行い、記録メモリ97に画像データを記録した後で、ライト91を消灯する。この時、ライト91から発せられた拡散光は、レンズ93にて拡散角を調整された上で被計測物体95に照射される。
次に、制御装置99は、ライト92を発光させて、撮影カメラ96で被計測物体95の撮影を行い、記録メモリ97に画像データを記録した後で、ライト92を消灯する。この時、ライト92から出た拡散光は、レンズ94にて負の拡散角を有する収束光に変換され、レンズ94の先で一旦収束した後で拡散光になり、被計測物体95に照射される。
制御装置99は、記録メモリ97に記録された2枚の画像データから、演算器98を用いて、前記の(3)式の演算を行うことによって、3次元形状データを算出し記録メモリ97に記録する。
なお、本実施の形態では、レンズ93とレンズ94とを用いたが、これは曲面ミラー、フレネルレンズ、ホログラフィカルレンズなどを用いても良い。
本実施の形態によれば、性能を落とさずに奥行き長の短い小型の3次元形状計測装置を実現することが可能となる。特に、一方だけを負の拡散角を有する拡散光(収束光)とすることによって、照明手段を著しく小型化することができる。
【0025】
[実施の形態2]
図9は、本発明の実施の形態2の3次元形状計測装置の概略構成を示す図であり、この図9は、本願の請求項7に記載の3次元形状計測装置の実施の形態である。
図9において、101と102は拡散光を照射するライト、103は曲率の大きなレンズ、104は曲率の小さなレンズ、105はハーフミラー、106は被計測物体、107は撮影カメラ、108は画像データを記録する記録メモリ、109は画像データの演算器、1010は全体を制御する制御装置である。
なお、記録メモリ108、演算器109、および制御装置1010は、画像入カポートを備えたコンピュータで構成し、演算器109と制御装置1010は同じCPUに兼用させても良いし、記録メモリ108はメモリの他、ハードディスクや光ディスクで代用しても良い。また、図中、細い矢印は制御の流れ、太い矢印はデータの流れを表す。
【0026】
本実施の形態の3次元形状計測装置の動作を説明する。
制御装置1010は、ライト101を発光させて、撮影カメラ107で被計測物体106の撮影を行い、記録メモリ108に画像データを記録した後で、ライト101を消灯する。この時、ライト101から発せられた拡散光は、レンズ103にて負の拡散角を有する収束光に変換され、ハーフミラー105にて光量の半分が反射した先で、一旦収束した後で、拡散光になり被計測物体106に照射される。
次に、制御装置1010は、ライト102を発光させて、撮影カメラ107で被計測物体106の撮影を行い、記録メモリ108に画像データを記録した後でライト102を消灯する。この時、ライト102から発せられた拡散光は、レンズ104にて拡散角を調整され、ハーフミラー105にて光量の半分が透過して被計測物体106に照射される。
制御装置1010は、記録メモリ108に記録された2枚の画像データから演算器109を用いて、前述の(3)式の演算を行うことによって、3次元形状データを算出し記録メモリ108に記録する。
なお、本実施の形態では、レンズ103とレンズ104とを用いたが、これは曲面ミラー、フレネルレンズ、ホログラフィカルレンズなどを用いても良い。
本実施の形態によれば、照明手段(101,102)は同じ光軸上で拡散光を照射することが可能となる。この結果、照射角度の差がほとんど生じないので、被計測物体が鏡面反射特性の強い光沢のある物体でも計測が可能となる。
【0027】
[実施の形態3]
図10は、本発明の実施の形態3の3次元形状計測装置の概略構成を示す図であり、この図10は、本願の請求項9に記載の3次元形状計測装置の実施の形態である。
図10において、111は平行ビームを照射するレーザ発振器、112は円盤の半分が反射ミラーコーティングされ残り半分が透明な円盤、113は円盤112を回転させるモータ、114と115は曲率の異なるレンズ、116と117はミラー、118は被計測物体、119は撮影カメラ、1110は画像データを記録する記録メモリ、1111は画像データの演算器、1112は全体を制御する制御装置である。
なお、記録メモリ1110、演算器1111、および制御装置1112は画像入カポートを備えたコンピュータで構成し、演算器1111と制御装置1112は同じCPUに兼用させても良いし、記録メモリ1110はメモリの他、ハードディスクや光ディスクで代用しても良い。また、図中、細い矢印は制御の流れ、太い矢印はデータの流れを表す。
【0028】
本実施の形態の3次元形状計測装置の動作を説明する。
制御装置1112は、モータ113に円盤112を回転させるように命令する。
図10(a)に示すように、円盤112の透明領域が上部に位置する状態で、制御装置1112はレーザ発振器111を発光させる。なお、この状態の検知は、モータ113にロータリエンコーダ等を装備させても、モータ113にサーボモータを使っても、あるいは円盤112に非接触の透過光スイッチをつけて検知しても良い。
レーザ発振器111から照射された光は、円盤112の透明領域を通過しミラー116にて反射した後、レンズ114で所定の拡散角を有する拡散光に変換され再び円盤112の下部に入射する。円盤112の下部は、ミラー領域なので全光量が反射して被計測物体118を照射する。
制御装置1112は、撮影カメラ119を用いて被計測物体118の画像を撮影し、画像データを記録メモリ1110に記録した後で、レーザ発振器111を消灯する。
【0029】
次に、図10(b)に示すように、円盤112のミラー領域が上部に位置する状態で、制御装置1112はレーザ発振器111を発光させる。
レーザ発振器111から照射された光は、円盤112で反射し、ミラー117で再度反射した後、レンズ115によって、図10(a)のときとは異なる拡散角の拡散光に変換されて、円盤112の下部に入射する。円盤112の下部は、透明領域なので全光量が通過して被計測物体118を照射する。
制御装置1112は、撮影カメラ119を用いて被計測物体118の画像を撮影し画像データを記録メモリ1110に記録した後でレーザ発振器111を消灯する。
制御装置1112は、記録メモリ1110に記録された2枚の画像データから演算器1111を用いて、前述の(3)式3演算を行うことによって、3次元形状データを算出し記録メモリ1110に記録する。
本実施の形態の3次元形状計測装置の作用は、前述の実施の形態2の3次元形状計測装置と同じであるが、発光した光量全てを被計測物体118に照射できる点、および、光源が一つなので確実かつ正確に同強度の拡散光を照射できる点で優れている。
【0030】
また、円盤112のミラー化する領域は、例えば、90度毎に透明領域とミラー領域が繰り返されるパターンでも良く、図10に示したパターンに限定されるものではない。
また、本実施の形態では、時分割で複数の光学経路を内部に作り出す方法として、回転するミラーと透明の複合光学系を用いたが、例えば、図3に示した機械的に動くミラー、液晶または音響光学素子など屈折率を制御できる素子を用いても実現可能である。時分割で複数の異なる光学経路を照明手段内部に作る光学系であるならば、本実施の形態の手段に限定するものではない。
本実施の形態によれば、照明手段が同じ光軸上で拡散光を照射することが可能となる。この結果、照射角度の差がほとんど生じないので、被計測物体が鏡面反射特性の強い光沢のある物体でも計測が可能となる。
更に、前述の実施の形態2の3次元形状計測装置と比べて、照明光量の利用効率が2倍高く、かつ、光源が一つなので確実かつ正確に同強度の拡散光を照射できる利点を有する。
【0031】
[実施の形態4]
図11は、本発明の実施の形態4の3次元形状計測装置の概略構成を示す図であり、この図11は、本願の請求項10に記載の3次元形状計測装置の実施の形態である。
図11において、121は拡散光を照射するライト、122は2周波液晶を用いた可変焦点レンズ、123は可変焦点レンズ122を駆動するためのアンプ、124は被計測物体、125は撮影カメラ、126は画像データを記録する記録メモリ、127は画像データの演算器、128は全体を制御する制御装置である。
なお、記録メモリ126、演算器127、および制御装置128は画像入カポートを備えたコンピュータで構成し、演算器127と制御装置128は同じCPUに兼用させても良いし、記録メモリ126はメモリの他、ハードディスクや光ディスクで代用しても良い。また、図中、細い矢印は制御の流れ、太い矢印はデータの流れを表す。
【0032】
本実施の形態の3次元形状計測装置の動作を説明する。
制御装置128は、アンプ123を用いて可変焦点レンズ122を所定の屈折率(第1の屈折率)に調整する。
次に、制御装置128は、ライト121を発光させて、撮影カメラ125で被計測物体124の撮影を行い、記録メモリ126に画像データを記録した後でライト121を消灯する。この時、ライト121から発せられた拡散光は、可変焦点レンズ122にて所定の拡散角(第1の拡散角)を有する拡散光に変換された後で被計測物体124に照射される。
次に、制御装置128は、アンプ123を用いて可変焦点レンズ122を、第1の屈折率とは異なる屈折率に調整する。
それから、制御装置128は、ライト121を発光させて撮影カメラ125で被計測物体124の撮影を行い、記録メモリ126に画像データを記録した後でライト121を消灯する。この時、ライト121から発せられた拡散光は、可変焦点レンズ122にて、第1の拡散角とは異なる拡散角を有する拡散光に変換された後で被計測物体124に照射される。
制御装置128は、記録メモリ126に記録された2枚の画像データから演算器127を用いて、前述の(3)式の演算を行うことによって、3次元形状データを算出し記録メモリ126に記録する。
【0033】
なお、本実施の形態では、拡散角を任意に制御できる手段に2周波液晶を用いた可変焦点レンズを用いたが、ズームレンズやバリフォーカルレンズを用いて拡散角を任意に制御できる手段を構成しても良い。
本実施の形態によれば、照明手段が同じ光軸上で拡散光を照射することが可能となる。この結果、照射角度の差がほとんど生じないので、被計測物体が鏡面反射特性の強い光沢のある物体でも計測が可能となる。
更に、前述の実施の形態2の3次元形状計測装置と比べて、照明光量の利用効率が2倍高く、光源が一つなので確実かつ正確に同強度の拡散光を照射できる利点を有する。
また、図4(b)と図4(c)に示すように、本実施の形態の3次元形状計測装置は、被計測物体の大きさや計測3次元形状計測装置からの距離に幅広く対応できる効果も有する。
【0034】
[実施の形態5]
図12は、本発明の実施の形態5の3次元形状計測装置の概略構成を示す図であり、この図12は、本願の請求項11に記載の3次元形状計測装置の実施の形態である。
図12において、131と132は偏光する拡散光を照射するレーザダイオードであり、偏光の向きは同じに揃えている。
133は曲率の小さなレンズ、134は曲率の大きなレンズ、135は被計測物体、136は、レーザダイオード131や、レーザダイオード132とは偏光の向きが直交する光のみを分離する偏光フィルタ、137は撮影カメラ、138は画像データを記録する記録メモリ、139は画像データの演算器、1310は全体を制御する制御装置である。
なお、記録メモリ138、演算器139、および制御装置1310は画像入カポートを備えたコンピュータで構成し、演算器139と制御装置1310は同じCPUに兼用させても良いし、記録メモリ138はメモリの他、ハードディスクや光ディスクで代用しても良い。また、図中、細い矢印は制御の流れ、太い矢印はデータの流れを表す。
【0035】
本実施の形態の3次元形状計測装置の動作を説明する。
制御装置1310は、レーザダイオード131を発光させて、撮影カメラ137で被計測物体135の撮影を行い、記録メモリ138に画像データを記録した後でレーザダイオード131を消灯する。この時、レーザダイオード131から発せられた偏光の拡散光は、レンズ133にて拡散角を調整された上で被計測物体135に照射される。
被計測物体135からの反射光は、偏光の向きが、レーザダイオード131の偏光の向きと直交する光のみが偏光フィルタ136を透過して撮影カメラ137に届く。
次に、制御装置1310は、レーザダイオード132を発光させて、撮影カメラ137で被計測物体135の撮影を行い、記録メモリ138に画像データを記録した後でレーザダイオード132を消灯する。
この時、レーザダイオード132から出た偏光の拡散光は、レンズ134にて負の拡散角を有する収束光に変換され、レンズ134の先で一旦収束した後で拡散光になり被計測物体135に照射される。被計測物体135からの反射光は、偏光の向きが、レーザダイオード131の偏光の向きと直交する光のみが偏光フィルタ136を透過して撮影カメラ137に届く。
【0036】
制御装置1310は、記録メモリ138に記録された2枚の画像データから演算器139を用いて、前述の(3)式の演算を行うことによって、3次元形状データを算出し記録メモリ138に記録する。
なお、本実施の形態では、光源として、レーザダイオード131とレーザダイオード132を用いたが、一般の光源に偏光フィルタを組み合わせて光源を構成しても良い。また、偏光フィルタの代わりに偏光プリズムを用いて構成しても良い。
本実施の形態によれば、被計測物体135に生じるハイライトだけを消失して計測が可能となるため、被計測物体135が鏡面反射特性の強い光沢のある物体でも計測が可能となる。
更に、ハイライトによって起こされる撮影可能なダイナミックレンジを越える問題(白トビまたはオーバーフロー)を軽減する効果も有する。
【0037】
[実施の形態6]
図13は、本発明の実施の形態6の3次元形状計測装置の概略構成を示す図であり、この図13は、本願の請求項12に記載の3次元形状計測装置の実施の形態である。
図13において、141と142は赤外光の拡散光を照射するライト、143は曲率の大きなレンズ、144は曲率の小さなレンズ、145はハーフミラー、146は被計測物体、147は赤外光のみを透過するコールドミラー、148はミラー、149は赤外光の撮影カメラ、1410はカラーカメラ、1411は画像データを記録する記録メモリ、1412は画像データの演算器、1413は全体を制御する制御装置である。
なお、記録メモリ1411、演算器1412、および制御装置1413は画像入カポートを備えたコンピュータで構成し、演算器1412と制御装置1413は同じCPUに兼用させても良いし、記録メモリ1411はメモリの他、ハードディスクや光ディスクで代用しても良い。また、図中、細い矢印は制御の流れ、太い矢印はデータの流れを表す。
【0038】
本実施の形態の3次元形状計測装置の動作を説明する。
制御装置1413は、ライト141を発光させて、撮影カメラ149で被計測物体146の赤外撮影を行い、記録メモリ1411に画像データを記録した後で、ライト141を消灯する。この時、ライト141から発せられた赤外拡散光は、レンズ143にて負の拡散角を有する収束光に変換され、ハーフミラー145にて光量の半分が反射した先で一旦収束した後で拡散光になり、被計測物体146に照射される。
次に、制御装置1413は、ライト142を発光させて撮影カメラ149で被計測物体146の撮影を行い、記録メモリ1411に画像データを記録した後でライト142を消灯する。この時、ライト142から発せられた赤外拡散光は、レンズ144にて拡散角を調整され、ハーフミラー145にて光量の半分が透過して被計測物体146に照射される。
制御装置1413は、記録メモリ1411に記録された2枚の画像データから演算器1412を用いて、前述の(3)式の演算を行うことによって、3次元形状データを算出し記録メモリ1411に記録する。
【0039】
次に、制御装置1413は、カラーカメラ1410を用いて被計測物体146の色を撮影し、色情報データとして記録メモリ1411に記録する。
この時、環境光が被計測物体146に反射してできる色情報を含む可視光は、コールドミラー147にて反射し、ミラー148にて再度反射してカラーカメラ1410で撮影される。
なお、ミラー148で再度反射させるのは、コールドミラー147から反射した画像は左右が反転するため、もう一度反射する必要があるからである。
カラーカメラ1410に左右逆転機能を有するカラーカメラを用いるのであれば、ミラー148は省略できる。
本実施の形態によれば、形状計測カメラも色計測カメラも同じ光軸から撮影するので、色計測力メラには写りながら形状計測カメラには影となって写らない領域、若しくはこれと反対の領域などのオクルージョンを発生しないで色と形状の同時計測が可能となる。
また、形状計測に専用のモノクロカメラを使用できるので、高SN比で形状計測が可能な他、色画像取得のためのライティングを計測光に影響されることなく独立に設定できる効果も有する。
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【0040】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
(1)本発明によれば、性能を落とさずに奥行き長の短い小型の3次元形状計測装置を実現することが可能となる。
特に、一方だけを負の拡散角を有する拡散光(収束光)とすることによって、照明手段を著しく小型化することができる。
(2)本発明によれば、照明手段が同じ光軸上で拡散光を照射することが可能となる。この結果、照射角度の差がほとんど生じないので、被計測物体が鏡面反射特性の強い光沢のある物体でも計測が可能となる。
(3)本発明によれば、照明光量の利用効率を向上させ、さらに、確実かつ正確に同強度の拡散光を照射することが可能となる。
(4)本発明によれば、被計測物体の大きさや3次元形状計測装置からの距離に幅広く対応することが可能となる。
【0041】
(5)本発明によれば、被計測物体に生じるハイライトだけを消失して計測が可能となるため、被計測物体が鏡面反射特性の強い光沢のある物体でも計測が可能となる。
更に、ハイライトによって起こされる撮影可能なダイナミックレンジを越える問題(白トビまたはオーバーフロー)を軽減することも可能となる。
(6)本発明によれば、形状計測カメラも色計測カメラも同じ光軸から撮影するので、色計測力メラには写りながら形状計測カメラには影となって写らない領域若しくはこれと反対の領域などのオクルージョンを発生しないで色と形状の同時計測が可能となる。
また、形状計測に専用のモノクロカメラを使用できるので、高SN比で形状計測が可能な他、色画像取得のためのライティングを計測光に影響されることなく独立に設定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の3次元形状計測装置の照明手段の構成を示す図である。
【図2】本発明の3次元形状計測装置の照明手段の構成を示す図である。
【図3】本発明の3次元形状計測装置の照明手段の構成を示す図である。
【図4】本発明の3次元形状計測装置の照明手段の構成を示す図である。
【図5】本発明の3次元形状計測装置の照明手段と撮影手段の構成を示す図である。
【図6】本発明の3次元形状計測装置の作用を説明するための、被計測物体の反射率を照明光と同じ向きの偏光、および照明光と直交する向きの偏光に分けて示したグラフである。
【図7】本発明の3次元形状計測装置の照明手段と撮影手段の構成を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態1の3次元形状計測装置の概略構成を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態2の3次元形状計測装置の概略構成を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態3の3次元形状計測装置の概略構成を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態4の3次元形状計測装置の概略構成を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態5の3次元形状計測装置の概略構成を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態6の3次元形状計測装置の概略構成を示す図である。
【図14】従来の3次元形状計測装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
11,12,21,22,26,27,31,32,41,51,211,210…光源、13,23,34,48,53,64,83,95,106,118,124,135,146…被計測物体、14,96,107,119,125,137…撮影カメラ、15,97,108,126,138,1110,1411…記録メモリ、16,98,109,127,139,1111,1412…演算器、17,99,128,1010,1112,1310,1413…制御装置、33,105,145…ハーフミラー、35…撮影手段、36,49,87,410…光軸、42,43…回転ミラー、44,45,116,117,148…ミラー、46,47,93,94,103,104,114,115,133,134,143,144…レンズ、52…拡散角を任意に制御できる光学系、54,55,56,57…拡散光、61,62…拡散光を照射する手段、63,65…特定の向きの偏光を分離する手段、66…撮影手段、67,69…画像、68…ハイライト領域、81,82…赤外の異なる拡散光を照射する手段、
84,147…コールドミラー、85…赤外光を撮影する撮影手段、86…可視光を撮影する撮影手段、91,92,101,102,121…ライト、
111…レーザ発振器、112…円盤、113…モータ、122…可変焦点レンズ、123…アンプ、131,132…レーザダイオード、136…偏光フィルタ、141,142…赤外光の拡散光を照射するライト、149…赤外光の撮影カメラ、1410…カラーカメラ。

Claims (12)

  1. 照明手段から前記被計測物体に対して拡散光を照射する第1のステップと、
    前記第1のステップで照射された前記被計測物体を撮影する第2のステップと、
    前記第2のステップで撮影された画像データを記録する第3のステップと、
    前記第1ないし第3のステップを、前記被計測物体から同一距離に配置され、それぞれ拡散角の異なる拡散光を照射する複数の照明手段毎に実行する第4のステップと、
    前記第3のステップで記録された各照射手段毎の画像データを用いて、3次元形状を演算する第5のステップとを有することを特徴とする3次元形状計測方法。
  2. 前記第1のステップにおいて、前記各照明手段から照射される拡散角がそれぞれ異なる拡散光を同一の光軸上に合成して、前記各照明手段から前記被計測物体に対して照射することを特徴とする請求項1に記載の3次元形状計測方法。
  3. 照明手段から前記被計測物体に対して拡散光を照射する第1のステップと、
    前記第1のステップで照射された前記被計測物体を撮影する第2のステップと、
    前記第2のステップで撮影された画像データを記録する第3のステップと、
    前記第1ないし第3のステップを、前記照明手段から照射される拡散光の拡散角を時分割で変化させて複数回実行する第4のステップと、
    前記第3のステップで記録された複数回の画像データを用いて、3次元形状を演算する第5のステップとを有することを特徴とする3次元形状計測方法。
  4. 前記第1のステップは、偏光の向きが第1の方向の拡散光を照射するステップであり、
    前記第2のステップは、偏光の向きが前記第1の方向と直交する第2の方向の光のみを撮影するステップであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の3次元形状計測方法。
  5. 前記第1のステップは、赤外光を照射するステップであり、
    前記被計測物体から反射される可視光を撮影するステップを有し、
    前記赤外光と可視光の撮影を同一の光軸上で行うことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の3次元形状計測方法。
  6. 被計測物体から同一距離にあり、拡散角の異なる拡散光を照射する複数の照明手段と、
    前記各照明手段で照射された前記被計測物体を撮影する第1の撮影手段と、
    前記第1の撮影手段で撮影された画像データを記録する記録手段と、
    前記記録手段に記録された画像データを用いて、3次元形状を演算する演算手段とを備えることを特徴とする3次元形状計測装置。
  7. ハーフミラーを有し、
    前記ハーフミラーにより、前記各照明手段から照射される拡散光を一つの光軸上に合成して、前記被計測物体を照射することを特徴とする請求項6に記載の3次元形状計測装置。
  8. 前記各照明手段は、一つの光源と、
    前記光源から照射される光を拡散光に変換する光学手段とを有することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の3次元形状計測装置。
  9. 拡散角の異なる拡散光を照射する照明手段と、
    前記照明手段で照射された前記被計測物体を撮影する第1の撮影手段と、
    前記第1の撮影手段で撮影された画像データを記録する記録手段と、
    前記記録手段に記録された画像データを用いて、3次元形状を演算する演算手段とを備え、
    前記照明手段は、一つの光源と、
    時分割で複数の異なる光学経路を生成する光学系と、
    前記光学系で生成される光学経路毎に、異なる拡散角の拡散光に変換する複数の光学手段とを有することを特徴とする3次元形状計測装置。
  10. 拡散角の異なる拡散光を照射する照明手段と、
    前記照明手段で照射された前記被計測物体を撮影する第1の撮影手段と、
    前記第1の撮影手段で撮影された画像データを記録する記録手段と、
    前記記録手段に記録された画像データを用いて、3次元形状を演算する演算手段とを備え、
    前記照明手段は、一つの光源と、
    前記光源から照射される光を、時分割で拡散角がそれぞれ異なる拡散光に変換する光学手段とを有することを特徴とする3次元形状計測装置。
  11. 前記照明手段は、偏光の向きが第1の方向の拡散光を照射し、
    前記第1の撮影手段の前に、前記偏光の向きが前記第1の方向と直交する第2の方向の光を分離する偏光分離手段を有し、
    前記第1の撮影手段は、前記偏光分離手段で分離された、偏光の向きが前記第2の方向の光のみを撮影することを特徴とする請求項6ないし請求項10のいずれか1項に記載の3次元形状計測装置。
  12. 前記照明手段は、赤外光を照射し、
    前記第1の撮影手段の前に、赤外光と可視光を分離する分離手段と、
    前記分離手段で分離された可視光を撮影する第2の撮影手段とを有し、
    前記第1の撮影手段は、前記分離手段で分離された赤外光のみを撮影するとともに、前記赤外光と可視光の撮影を同一の光軸上で行うことを特徴とする請求項6ないし請求項11のいずれか1項に記載の3次元形状計測装置。
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