JP2004168686A - 葉面散布剤 - Google Patents

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JP2004168686A JP2002334918A JP2002334918A JP2004168686A JP 2004168686 A JP2004168686 A JP 2004168686A JP 2002334918 A JP2002334918 A JP 2002334918A JP 2002334918 A JP2002334918 A JP 2002334918A JP 2004168686 A JP2004168686 A JP 2004168686A
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Jiro Suzuki
次郎 鈴木
Kenji Oga
健児 大賀
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Kohjin Holdings Co Ltd
Kohjin Co
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Kohjin Holdings Co Ltd
Kohjin Co
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Abstract

【課題】茶葉の生産に当たり、窒素過剰使用による環境汚染の問題を解決し、茶葉中のアミノ酸組成を改善する、特に酸性アミノ酸の増加を抑制しテアニンの含有量を増加させる葉面散布剤、及び茶葉中のアミノ酸組成を改善する方法を提供する。
【解決手段】テアニン、グルタミン及びグルタミン酸のうちから選ばれる少なくとも1種のアミノ酸、アミノ酸の濃度が10〜1,000ppm、を、茶葉の収穫直前に茶葉の葉面に散布する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、茶葉中のアミノ酸組成の改善、特に酸性アミノ酸の増加を抑制し、テアニンの含有量を増加させる葉面散布剤及び茶葉中のアミノ酸組成を改善する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
緑茶は発酵茶を主体とする各種のお茶に比べて独特な香りとあまみがあり多くの人々に愛飲されている。最近では嗜好品としてだけでなく癒し効果や抗ガン作用等で健康食品として注目されている。このため、茶葉中のアミノ酸量を増やす、特に旨味や癒しの成分とされているテアニンの含量を増やすことを目的として、品位の高い茶葉を生産する努力がなされてきた。例えば、窒素肥料を大過剰に施し茶葉中のアミノ酸を増やす方法、あるいは、日光によるアミン酸類の主にカテキン類への変化を抑えるために寒冷紗等で茶樹を覆うこと、が行われてきた。しかしながら、窒素肥料の過剰施用は地下水の汚染や流亡による河川の富養化更には海の赤潮の一つの原因になっている。この様な環境への影響は無視できない状況に来たため、窒素肥料の大幅削減が指導されている。窒素肥料が減れば茶葉中のアミノ酸、特にテアニンは減少し、そのため、お茶の旨味や癒し効果が減少している。
【0003】
そこで、窒素肥料の過剰施用にかえて、茶葉中のアミノ酸組成の改善、特にテアニン含量の増加させる方法について、種々の検討がなされており、例えば、ベンジルアミノプリンをお茶に散布しテアニンの茶葉中の含有量を増加させる方法(特許文献1)、モノエチルアミン及びタンパク質を分解して得られたアミノ酸の溶液を葉面散布しテアニン等を葉中で生合成させる方法(特許文献2)、テアニン等のアミノ酸及びサイトカイニン等の混合物を根灌水及び葉面散布し茶葉の風味・旨味を改善する方法(特許文献3)、塩酸エチルアミン、アミノ酸類、サイトカイニン等からなる混合物を根灌水及び葉面散布しテアニンの含有量を増加させる方法(特許文献4)等が開示されている。
しかしながら、これらの効果は限定的であり、茶葉中のテアニンの含有量を大きく増加させるものとはいえず、また、酸性アミノ酸、アスパラギン酸及びグルタミン酸、も増加する傾向にあり、全体として品位の高い茶葉が得られるとは言い難い。
【0004】
【特許文献1】
特開昭54−105058号公報
【特許文献2】
特開昭58−170703号公報
【特許文献3】
特開平6−169642号公報、同6−256110号公報
【特許文献4】
特開平8−109104号公報
【0005】
従来、茶葉中のテアニンは根部で生合成されて葉部に転流することが明らかにされており(非特許文献1、2)、茶樹から切り取った枝部をテアニン溶液に漬けることによって葉部にテアニンが転流したという報告があるが、アミノ酸を単独で葉面散布することによって葉部のテアニン量が増加したという報告はない。
【0006】
【非特許文献1】
Sasaoka,K.et.al.:Agr.Biol.Chem.1965年29巻984頁
【非特許文献2】
西條了康、竹尾忠一:茶業技術研究 1978年54巻46頁
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、窒素肥料の使用量を減らしても茶葉中のアミノ酸組成、特に酸性アミノ酸の増加を抑制し、テアニンの含有量を増加させる葉面散布剤、及び茶葉中のアミノ酸組成を改選する方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等はかかる課題を解決すべく鋭意研究の結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、
(1)テアニン、グルタミン及びグルタミン酸のうちから選ばれる少なくとも1種のアミノ酸を有効成分として含有する、茶葉中のアミノ酸組成を改善する茶葉の葉面散布剤、
(2)アミノ酸組成の改善が、テアニン含有量を増加させるものである、上記(1)記載の葉面散布剤、
(3)有効成分であるアミノ酸の濃度が、10〜1,000ppmである葉面散布剤、
(4)テアニン、グルタミン及びグルタミン酸のうちから選ばれる少なくとも1種のアミノ酸を茶葉の葉面に散布することを特徴とする、茶葉中のアミノ酸組成を改善する方法、
を提供するものである。
茶葉中のアミノ酸量は窒素肥料の投入量に強く正の相関を示すとされている。しかし、環境問題から窒素肥料の投入量を削減しなくてはならない。本発明によると、従来根部で生合成され葉部に転流するとされているテアニンを直接葉部に散布することによって茶葉中のアミノ酸組成が変化し、特に酸性アミノ酸の増加を抑制しつつテアニンの含有量を大幅に改善することができるものであり、また、生合成中間体であるグルタミンあるいはグルタミン酸を葉部に散布することでテアニンと同様な効果を発揮することを見いだしたものである。
【0009】
【発明の実施の態様】
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明の有効成分であるテアニン、グルタミンあるいはグルタミン酸は、必ずしも精製品である必要はなく、また、抽出品、化学合成品あるいは発酵生産品のいずれでもよい。
【0010】
本発明は、テアニン、グルタミン及びグルタミン酸から選ばれる少なくとも1種のアミノ酸を有効成分とするものであるが、適宜、水などの適当な溶媒に溶解した溶液の剤形に調整することが望ましい。
施用方法は葉面散布であり、アミノ酸濃度は10〜1000ppm、好ましくは20〜500ppm、更に好ましくは30〜300ppmが効果的である。これ以下の濃度では散布回数を増やすことにより効果は発現するが実用的でなく、一方、これ以上の濃度では、茶葉表面に斑がでることがあり好ましくない。
【0011】
葉の表面はクチラク相といわれる脂質で覆われていて、水性の葉面散布剤ははじかれて水滴となって地上におちてしまうため、葉面散布剤は、展着剤を併用することが望ましい。また、腐敗防止の観点から殺菌剤、界面活性剤、防腐剤等を添加することは任意である。
併用できる展着剤としては公知のものが使用できるが、製茶工程で除去されやすく残っても安全な、例えば、サポニン等の天然界面活性剤、多糖類等が好ましい。
【0012】
葉面散布剤の散布時期は、茶葉中のテアニンが変化を受けやすい為、収穫の直前、例えば収穫の2、3日前、に行うことが好ましく、通常の散布装置で霧状に茶葉の表面が全面濡れる程度で十分である。
散布回数は、アミノ酸の濃度を低くして回数を増やす方が好ましいが、作業性と目的のアミノ酸組成を考慮して決定すればよい。
【0013】
植物への養分供給は土壌を経由して行われるのが基本であり、緊急事態の忌避策として葉面散布がおこなわれている。
アミノ酸を根部に施用する方法も考えられるが、一般に根からの吸収は、窒素の場合、窒素源が土壌微生物によって一旦アンモニウムイオン、硝酸イオンに変えられて行われる。従って、アミノ酸を土壌に用いても窒素源にはなるにしてもテアニン量を直接増やすことは期待できない。
葉面散布剤がどのような経過で葉中に吸収されるか現状では完全には解明されていないとされている。また、アミノ酸がクチクラ層、細胞壁、細胞膜を通過するか、更に細胞内のクロロプラスト或いはサイトゾルに蓄積するか明らかにされた例は見あたらない。本発明は、テアニンは茶葉細胞内に蓄積し、グルタミンあるいはグルタミン酸は茶葉中でテアニンに変わることを明らかにしたものである。
【0014】
【実施例】
以下実施例を挙げて本発明の内容を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例になんら限定されるものではない。
実施例1
テアニンの粉末1g及び展着剤としてキサンタンガム0.2gを水10Lに溶かし葉面散布液とした。
やぶきた種で2番茶収穫後約2ヶ月後の芽長が5〜10cm、樹畝幅約1m、畝長さ10mの茶樹に農業用噴霧器で葉面が濡れるように散布した。翌日も同様の散布を行った。
翌々日、芽を採取し冷凍庫に保存運搬し、乾燥作業の前に十分水洗し、次いで電子レンジで予備乾燥した後、70℃の熱風乾燥機で乾燥して測定用のサンプルとした。
茶葉中のアミノ酸の定量分析は後藤らの方法(茶業研究報告 1993年77巻29頁)に準じ、高速液体クロマトグラフィーを用い行った。
分析結果を表1に示す。なお、表中の数字は、mg/100g茶葉、を表す(以下、同じ)。
【0015】
実施例2
実施例1において、テアニン1gの代わりにグルタミン1gを用いた以外は実施例1と同様に実施した。
分析結果を表1に示す。
【0016】
実施例3
実施例1において、テアニン1gの代わりにグルタミン酸1gを用いた以外は実施例1と同様に実施した。
分析結果を表1に示す。
【0017】
比較例
葉面散布液を全く散布しない区を対照区として、実施例1と同様に芽を採取し同様の操作を行った。
分析結果を表1に示す。
【0018】
【表1】
Figure 2004168686
【0019】
表1から、本発明の葉面散布剤は、茶葉中の遊離の酸性アミノ酸(アスパラギン酸、グルタミン酸)の増加は抑制されているものの、遊離のL−テアニンの含有量を顕著に増加させることがわかる。
【0020】
【発明の効果】
以上述べてきたように、本発明によって、茶葉の生産に当たり窒素過剰使用による環境汚染の問題と窒素削減による茶葉の旨味・癒し作用の低下する相反する問題を解決する、茶葉中のアミノ酸組成を改善する葉面散布剤、及び茶葉中のアミノ酸組成を改善する方法が提供される。
現在アミノ酸含量が低いために茶葉が大量に廃棄されているが、本発明により、廃棄量を減少させることができる。また、お茶に対する嗜好にあわせて、アスパラギン酸やグルタミン酸等の酸性アミノ酸を抑えテアニンを増やした茶葉の生産も可能にすることもできる。

Claims (4)

  1. テアニン、グルタミン及びグルタミン酸のうちから選ばれる少なくとも1種のアミノ酸を有効成分として含有する、茶葉中のアミノ酸組成を改善する茶葉の葉面散布剤。
  2. アミノ酸組成の改善が、テアニン含有量を増加させるものである、請求項1記載の葉面散布剤。
  3. 有効成分であるアミノ酸の濃度が、10〜1,000ppmである葉面散布剤。
  4. テアニン、グルタミン及びグルタミン酸のうちから選ばれる少なくとも1種のアミノ酸を茶葉の葉面に散布することを特徴とする、茶葉中のアミノ酸組成を改善する方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007098931A1 (en) * 2006-03-03 2007-09-07 Unilever Plc Process for preparing a tea product
US8945655B2 (en) 2007-07-10 2015-02-03 Conopco, Inc. Stable and consumable compositions
US9078455B2 (en) 2010-03-25 2015-07-14 Conopco, Inc. Process for manufacturing tea products
JP2020530488A (ja) * 2017-08-11 2020-10-22 シーオーツー グロ インコーポレイテッド 植物成長促進システムおよび方法
WO2023107346A1 (en) * 2021-12-07 2023-06-15 Steinbronn Joshua Mark Plant metabolism promoting compositions and methods of use

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