JP2004166404A - 太陽電池電源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】太陽電池の出力電圧と蓄電池の端子間電圧との差異にかかわらず、常時太陽電池の発電する最大出力電力によって効率良く充電できる太陽電池電源装置を提供する。
【解決手段】蓄電池2の端子間電圧および太陽電池群1の出力電圧は、蓄電池電圧センサ3および太陽電池電圧センサ10にて常時検出され、制御回路11に送られる。制御回路11は、蓄電池2の端子間電圧が予想される実動作温度条件下の満充電電圧に満たないときには、太陽電池群1の動作電圧が予想される実動作温度条件下の最適動作電圧となるようにスイッチングレギュレータ4のPWM制御を行ない、蓄電池2を最大出力電力で充電する。続いて、端子間電圧が満充電電圧に達すると、蓄電池2の端子間電圧が一定電圧となるようにスイッチングレギュレータ4のPWM制御を行ない、蓄電池2を補充電する。
【選択図】 図1
【解決手段】蓄電池2の端子間電圧および太陽電池群1の出力電圧は、蓄電池電圧センサ3および太陽電池電圧センサ10にて常時検出され、制御回路11に送られる。制御回路11は、蓄電池2の端子間電圧が予想される実動作温度条件下の満充電電圧に満たないときには、太陽電池群1の動作電圧が予想される実動作温度条件下の最適動作電圧となるようにスイッチングレギュレータ4のPWM制御を行ない、蓄電池2を最大出力電力で充電する。続いて、端子間電圧が満充電電圧に達すると、蓄電池2の端子間電圧が一定電圧となるようにスイッチングレギュレータ4のPWM制御を行ない、蓄電池2を補充電する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、太陽電池電源装置に関し、より特定的には、太陽電池を電源として蓄電池への充電を制御する太陽電池電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽電池を利用した電源装置においては、電圧変動の大きな太陽電池の出力電圧を安定的に蓄電池に供給する手段として、スイッチングレギュレータを用いたパルス幅変調制御(PWM変調)が一般的に行なわれている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図9は、従来の太陽電池電源装置の一例の構成を概略的に示す図である。
図9を参照して、従来の太陽電池電源装置は、太陽電池素子1aを複数個直並列に接続した太陽電池群1と、蓄電池2と、蓄電池2の端子間電圧を検出する蓄電池電圧センサ3と、太陽電池群1から蓄電池2への充電を制御するためのスイッチングレギュレータ4と、負荷7と、逆止ダイオード9とを含む。
【0004】
スイッチングレギュレータ4は、さらに、太陽電池群1と蓄電池2との間を電気的に結合/分離するためのスイッチング素子5と、蓄電池電圧センサ3からの検出信号に応じてスイッチング素子5のオン/オフ動作を制御するPWM制御回路6とを含む。
【0005】
負荷7は、蓄電池2に並列に接続されており、蓄電池2から電力が供給される。蓄電池2の一端と負荷7の一端との間にはリレースイッチ8が配設される。リレースイッチ8は、蓄電池電圧センサ3の検出信号を受けてオン/オフ動作を行ない、蓄電池2と負荷7とを電気的に結合/分離する。
【0006】
図9の構成の太陽電池電源装置において、蓄電池2の端子間電圧は蓄電池電圧センサ3によって常時検出されており、日中、端子間電圧が所定電圧未満にあるときは、スイッチング素子5は連続してオンに固定され、太陽電池群1によって蓄電池2の充電が行なわれる。
【0007】
一方、蓄電池2の端子間電圧が所定電圧以上になったときは、蓄電池電圧センサ3からの検出信号がPWM制御回路6に伝達されると、スイッチング素子5は、PWM制御に切替わり、スイッチングレギュレータとして動作する。すなわち、スイッチング素子5のオン/オフ制御によってパルス幅変調制御を行なうことにより、蓄電池2に対して一定電圧を安定的に供給し、過充電を防止する。
【0008】
一方、太陽電池電源装置においては、太陽電池から効率良くエネルギーを取り出す手段として、発電特性が照度や温度によって変化する性質を把握し、太陽電池から常に最大出力電力を取り出すという最大電力追従制御(MPPT:Maximum Peak Power Tracker)が広く行なわれている。
【0009】
その一例としては、太陽電池と蓄電池との間にDC/DCコンバータを配設し、実動作時の条件下において、太陽電池の出力電圧が最適動作電圧(太陽電池の出力電力を最大とする電圧値)となるように負帰還制御する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開平7−322529号公報(第2−3頁、第1図)
【0011】
【特許文献2】
実開昭63−92919号公報(第4図)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、図9に示す従来の太陽電池電源装置において、スイッチングレギュレータ4は、蓄電池2の端子間電圧が所定電圧を超えたときにのみオン/オフ動作が制御され、端子間電圧が所定電圧未満であれば、常時オンに制御される。
【0013】
したがって、蓄電池2の端子間電圧が所定電圧未満であるときにおいては、太陽電池群1の出力電圧と蓄電池2の端子間電圧に大きな電圧差があっても、太陽電池群1の動作電圧は、蓄電池2の端子間電圧に逆止ダイオード9とスイッチング素子5の順方向電圧を加えた電圧に固定され、必ずしも太陽電池群1が発電する最大出力電力を取り出すことができないという問題があった。
【0014】
特に、薄膜系の太陽電池においては、透明導電膜からなる電極のシート抵抗が高いことから、1個の太陽電池素子を細長いストリング状に形成して、この太陽電池素子を複数個直列接続して1枚の太陽電池モジュールを構成するのが一般的である。したがって、太陽電池の出力電圧は、通常、蓄電池の端子間電圧よりも高くなることが多い。よって、この場合は、太陽電池の出力電圧は、蓄電池の端子間電圧に固定されてしまうことから、太陽電池の発電しうる最大出力電力を有効に利用することができない不具合が生じうる。
【0015】
一方で、太陽電池の出力電圧が蓄電池の端子間電圧よりも低い場合は、蓄電池をまったく充電できないこととなる。
【0016】
それゆえ、この発明の目的は、かかる問題点を解決するためになされたものであって、太陽電池の出力電圧と蓄電池の端子間電圧との差異にかかわらず、常時太陽電池の発電する最大出力電力によって効率良く充電できる太陽電池電源装置を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明のある局面に従えば、太陽電池の出力電力を蓄電池に充電する太陽電池電源装置であって、太陽電池の出力電圧と蓄電池の端子間電圧とをそれぞれ第1の所定電圧と第2の所定電圧とに制御するためのスイッチングレギュレータ回路と、スイッチングレギュレータ回路のスイッチングを制御するための制御信号を供給する制御回路と、太陽電池の出力電圧を検出する太陽電池電圧検出回路と、蓄電池の端子間電圧を検出する蓄電池電圧検出回路とを備える。制御回路は、蓄電池電圧検出回路にて検出した端子間電圧と第3の所定電圧とを比較して、端子間電圧が前記第3の所定電圧未満であると判断したときには、前記太陽電池の出力電圧が第1の所定電圧となるようにスイッチングレギュレータ回路に制御信号を供給する手段と、端子間電圧が第3の所定電圧以上であると判断したときには、端子間電圧が第2の所定電圧となるようにスイッチングレギュレータ回路に制御信号を供給する手段とを備える。
【0018】
好ましくは、第1の所定電圧は、太陽電池の出力電力を最大となるときの最適動作電圧とし、第2の所定電圧は、蓄電池を満充電後においてさらに補充電するときの蓄電池の端子間電圧とし、第3の所定電圧は、蓄電池が満充電されたときの端子間電圧とする。
【0019】
より好ましくは、制御回路は、第1〜第3の所定電圧の入力手段と、太陽電池および蓄電池の実動作時における予想温度の入力手段と、予想温度に基づいて第1〜第3の所定電圧を温度補正する手段とを備える。
【0020】
より好ましくは、制御回路は、第1〜第3の所定電圧の入力手段と、太陽電池の実動作時の温度を検出する太陽電池温度検出回路と、蓄電池の実動作時の温度を検出する蓄電池温度検出回路と、太陽電池温度検出回路および蓄電池温度検出回路にて検出した温度情報に基づいて第1〜前記第3の所定電圧を温度補正する手段をさらに備える。
【0021】
より好ましくは、太陽電池温度検出回路および蓄電池温度検出回路は着脱自在とする。
【0022】
この発明の別の局面に従えば、制御回路は、スイッチング制御に先立って、蓄電池電圧検出回路にて前記蓄電池の端子間電圧を検出し、太陽電池電圧検出回路にて太陽電池の出力電圧を検出し、検出した蓄電池の端子間電圧と太陽電池の出力電圧とを照合して、蓄電池と太陽電池との適合性を判断する手段をさらに備える。
【0023】
この発明のさらに別の局面に従えば、蓄電池が過放電しているときの端子間電圧に相当する第4の所定電圧の入力手段と、蓄電池と負荷とを電気的に結合/分離するためのスイッチ手段とをさらに備える。制御回路は、蓄電池電圧検出回路にて検出した蓄電池の端子間電圧が、第2の所定電圧以上であると判断すると、スイッチ手段をオン状態に駆動して蓄電池と負荷とを電気的に結合し、蓄電池の端子間電圧が第4の所定電圧以下であると判断すると、スイッチ手段をオフ状態に駆動して蓄電池と負荷とを電気的に分離する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
【0025】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1に従う太陽電池電源装置の構成を概略的に示す図である。
【0026】
図1を参照して、太陽電池電源装置は、太陽電池素子1aを複数個直並列に接続した太陽電池群1と、蓄電池2と、蓄電池2の端子間電圧検出回路としての蓄電池電圧センサ3と、スイッチングレギュレータ4と、逆止ダイオード9と、太陽電池群1の出力電圧検出回路としての太陽電池電圧センサ10と、蓄電池電圧センサ3および太陽電池電圧センサ10の検出信号を演算処理してスイッチングレギュレータ4内部のPWM制御回路6に制御信号を出力する制御回路11とを含む。
【0027】
スイッチングレギュレータ4は、図9の従来の太陽電池電源装置と同様に、スイッチング素子5と、スイッチング素子5のオン/オフ動作を制御するPWM制御回路6とを含む。
【0028】
スイッチングレギュレータ4は、太陽電池群1の出力電流をスイッチング素子5のオン/オフ比で制御する。スイッチング素子5はPWM制御回路6の出力電圧によって駆動され、パルス電圧が図示しない制御端子に加えられる。パルス電圧がスイッチング素子5の制御端子に直接または間接的に加えられ、スイッチング素子5により切り刻まれた直流電流は、さらに2次回路の整流器と平滑回路(ともに図示せず)によって平坦な直流電流に変換される。図示しない平滑回路は、出力電流を平均化し、1サイクルの電流積分値の平均値に比例した電流を得る作用をするので、パルス幅に比例した出力電流を得ることができる。
【0029】
制御回路11は、各電圧センサの出力電圧を基準電圧と比較して、この比較結果を制御信号としてPWM制御回路6に加える。PWM制御回路6は、制御回路11の制御信号を受け、PWM制御回路6のパルス幅を出力電流が大きい場合はパルス幅を狭め、逆の場合はパルス幅を広げる。このようにして、制御されたパルス幅でスイッチング素子5を駆動して、パルス幅に比例した出力電流を一定に保つように制御する。
【0030】
また、制御回路11は、温度変化によって太陽電池群1および蓄電池2の特性が変動することに鑑みて、これらの特性の温度依存性に関する情報の入力手段を有する。これによって、太陽電池群1の動作電圧および蓄電池2の端子間電圧を常時正確に制御でき、効率良い充電が可能となる。
【0031】
なお、実施の形態1に従う太陽電池電源装置は、同図に示すように、図9の従来の太陽電池電源装置に対して、太陽電池群1の出力電圧を検出するための太陽電池電圧センサ10を備えた点で異なっており、共通する部分については説明を省略する。また、図示しないが、実施の形態1の太陽電池電源装置は、図9の従来の太陽電池電源装置と同様に、蓄電池2に並列接続される負荷7および負荷7と蓄電池2とを電気的に結合するリレースイッチ8とを含む。
【0032】
以下に、実施の形態1の太陽電池電源装置における充電動作を説明する。本実施の形態では、太陽電池素子1aの一例としてアモルファスシリコン太陽電池を用いる。使用するアモルファスシリコン太陽電池は、一般的に、図2に示す発電特性を有している。
【0033】
図2は、アモルファスシリコン太陽電池の代表的な電流−電圧特性および発電特性である。なお、図2の特性は、温度25℃時におけるものである。
【0034】
図2を参照して、アモルファスシリコン太陽電池の電流−電圧特性は、短絡電流が約1.2A、開放電圧が約90Vである。かかる電流−電圧特性における出力電力は、電流と出力電圧との積として求めることができ、同図に示すように、出力電圧70V付近において最大となる。また、出力電圧が約62〜75Vの電圧範囲において、最大出力電力の95%の電力を得ることができる。したがって、図1の太陽電池電源装置において、太陽電池群1の最適動作電圧をかかる電圧範囲内に設定してやれば、最大出力電力にて蓄電池2の充電を行なうことが可能となる。
【0035】
なお、太陽電池の発電特性は、太陽電池の温度変化の影響を受けて変動する性質を有する。例えば、図2のアモルファスシリコン太陽電池では、太陽電池の温度が上昇すると、1℃あたり−0.3%の割合で最適動作電圧は低下する。
【0036】
また、図2の発電特性を有するアモルファスシリコン太陽電池において、充電動作を行なうことができる動作保証電圧は、出力電圧が55V以上90V以下となる電圧範囲に定められている。ここで、出力電圧が55V以下とは、例えば日没後などの不日照時における出力電圧が該当し、出力電圧が90V以上とは、太陽電池群1が暴走状態にあるときの出力電圧に該当する。したがって、太陽電池群1の出力電圧がこのような動作保証電圧範囲外にある場合は、後述するように、太陽電池群1は充電動作を終了する。
【0037】
次に、本実施の形態における蓄電池として使用する12V鉛蓄電池の性能の一例を表1に示す。なお、以下の性能は、12V鉛蓄電池の温度25℃における性能である。
【0038】
【表1】
【0039】
表1を参照して、12V鉛蓄電池において、満充電状態にあるときに検出される端子間電圧(以下、満充電電圧と称す。)は、14.1Vである。ただし、端子間電圧が満充電電圧レベルにあっても、実際には12V鉛蓄電池の容量の100%が充電されているわけではないことから、不足分についてはさらに一定電圧で補充電する必要がある。このときの一定電圧(以下、補充電電圧と称す。)は、表1に示すように、端子間電圧13.5Vに設定される。
【0040】
また、充電された12V鉛蓄電池は、負荷に電力を供給することによって放電するが、このとき過放電していることの検出値として設定される端子間電圧(以下、過放電電圧と称す。)は11.5Vである。したがって、端子間電圧が11.5V以下となったことが検出されると、12V鉛蓄電池は、後述するように、制御回路11の指示によって負荷への電力供給を停止するとともに、再充電される。
【0041】
再び、図1を参照して、太陽電池電圧センサ10は、太陽電池群1の出力電圧を検出し、検出結果を制御回路11に出力する。したがって、制御回路11には、蓄電池2の端子間電圧を検出する蓄電池電圧センサ3からの検出信号が入力されるとともに、太陽電池電圧センサ10からの検出信号が入力されることとなる。
【0042】
制御回路11は、太陽電池電圧センサ10によって検出した出力電圧を、予め設定されている最適動作電圧と比較し、比較結果としての制御信号をスイッチングレギュレータ4のPWM制御回路6へと出力する。具体的には、検出した出力電圧が最適動作電圧よりも高い場合は、パルス幅を狭めるようにPWM制御回路6に指示する。一方、出力電圧が最適動作電圧よりも低いときには、パルス幅を広げるようにPWM制御回路6に指示する。続いて、PWM制御回路6は、これらの指示に基づき、スイッチング素子5のオン/オフ動作を制御する。かかる制御は、日中において太陽電池群1の出力電圧を検出して行なわれ、最終的に太陽電池群1の出力電圧は最適動作電圧に調整される。これにより、太陽電池群1は、最大出力電力で蓄電池2を充電することができ、効率良い充電が可能となる。
【0043】
これと並行して、蓄電池2の端子間電圧は、蓄電池電圧センサ3において常時検出されており、太陽電池群1より最大出力電力で充電されて増加しつづける電圧変化が制御回路11へと伝達される。やがて制御回路11は、蓄電池2の端子間電圧が満充電電圧に達したことを検出すると、蓄電池2の端子間電圧を補充電電圧に保持するように、PWM制御回路6に制御信号を出力する。PWM制御回路6は、制御信号に応答してスイッチング素子5のオン/オフ制御を行なう。このようにして、太陽電池群1は、それまでの最大出力電力による充電動作を停止し、一定電圧での補充電へと移行する。この一定電圧での補充電は、日没まで継続される。
【0044】
図3は、この発明の実施の形態1に従う太陽電池電源装置における充電動作を説明するためのフロー図である。
【0045】
図3を参照して、最初に、蓄電池電圧センサ3は、蓄電池2の端子間電圧を検出して検出信号を制御回路11へと転送する。これにより、制御回路11において、充電する蓄電池が何V仕様であるかが認識される(ステップS02)。本実施の形態では、表1の特性を有する12V鉛蓄電池であることが認識されたものとする。
【0046】
次に、太陽電池電圧センサ10は、太陽電池群1の出力電圧を検出し、制御回路11に検出信号を送る。制御回路11は、送られてきた太陽電池群1の出力電圧が所定範囲内にあるか否かを判定する(ステップS03)。ここで、所定範囲内にあるか否かの判定とは、出力電圧が先述の動作保証電圧の範囲(本実施の形態では、55〜90Vとする。)にあること、および12V鉛蓄電池を充電するのに最低限必要とされる電圧範囲(本実施の形態では、20V以上とする。)にあることが判断される。このように、本実施の形態の太陽電池電源装置は、充電動作の初期において、蓄電池2の端子間電圧と太陽電池群1の出力電圧とを検出して、太陽電池群1と蓄電池2との適合性を自動的に判断することから、さまざまな電圧仕様の蓄電池に対して対応することができる。
【0047】
ステップS03において、太陽電池群1の動作電圧が上記の所定範囲内にあること、すなわち、蓄電池2に対して充電可能な状態であると判断されると、制御回路11は、図2に示す太陽電池群1の発電特性のデータと、蓄電池2の特性データ(満充電電圧、補充電電圧および過放電電圧)とをプリセットする(ステップS04)。ここで、蓄電池2は、その種類によって異なる特性を有するが、ステップS04で充電する蓄電池の特性を充電ごとにプリセットすることから、本実施の形態の太陽電池電源装置は、幅広い種類の蓄電池(鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池など)に対応可能である。
【0048】
一方、ステップS03において、制御回路11は、太陽電池群1の出力電圧が所定範囲内にないこと、すなわち、不日照時あるいは暴走状態等にあると判断すると、再びステップS03に戻り、判定を繰り返す。
【0049】
制御回路11は、ステップS04のプリセットにおいて、さらに、太陽電池群1および蓄電池2の特性データを温度補正するための温度情報を入力する。これは、蓄電池2の特性および太陽電池群1の発電特性がその温度条件によって変動することから、蓄電池2の充電状態を正しく把握するとともに、太陽電池群1の出力電圧を実動作時の温度において最適動作電圧となるように随時補正する必要があるためである。本実施の形態で使用する12V鉛蓄電池は、実際の充電時において周囲温度よりも約5℃上昇することから、実動作時の温度を約30℃と推定してプリセットする(ステップS05)。
【0050】
同様に、太陽電池群1の温度は、通常日中で約50℃程度となることから、この温度を実動作時の温度と推定し、プリセット値として設定する(ステップS06)。
【0051】
次に、蓄電池2の特性をステップS05でプリセットした温度をもとに補正を行なう(ステップS07)。ここで、蓄電池2の温度補正係数は−0.03V/℃であることから、温度30℃における満充電電圧は、表1の25℃時の検出値14.1Vから約14.0Vに補正される。以下において、補正後の満充電電圧を所定値(i)と定義する。
【0052】
同様に、温度30℃における補充電電圧は、表1の25℃時の電圧値13.5Vに対して約13.4Vに補正される。以下において、補正後の補充電電圧を所定値(ii)と定義する。
【0053】
さらに、太陽電池群1においても最適動作電圧の温度補正を行なう(ステップS08)。ここでは、太陽電池群1の温度補正係数が−0.3%/℃であり、日中の温度の予想値が50℃前後であることから、最適動作電圧は約65Vに補正される。以下において、この補正した最適動作電圧を所定値(iv)と定義する。
【0054】
次に、制御回路11は、以上の温度補正した蓄電池2および太陽電池群1の特性をもとに充電動作の制御を行なう。
【0055】
まず、制御回路11は、蓄電池電圧センサ3において、蓄電池2の端子間電圧を検出し、その検出値を満充電電圧である所定値(i)と比較する(ステップS09)。
【0056】
ステップS09において、端子間電圧が所定値(i)未満であると判定された場合は、制御回路11は、太陽電池群1から最大出力電力で蓄電池2を充電すべく、太陽電池群1の出力電圧が最適動作電圧である所定値(iv)となるように制御する(ステップS10)。具体的には、制御回路11は、太陽電池群1の出力電圧を太陽電池電圧センサ10で検出し、検出した出力電圧と所定値(iv)とを比較すると、比較結果としての制御信号をスイッチングレギュレータ4のPWM制御回路6へと出力する。PWM制御回路6は、制御信号に基づいてスイッチング素子5のオン/オフ制御を行なう。これにより、太陽電池群1の出力電圧は所定値(iv)に駆動され、蓄電池2を最大出力電力にて充電する。
【0057】
ステップS10において検出された太陽電池群1の出力電圧は、さらにステップ03にて説明した充電可能な電圧範囲にあるか否かが判定される(ステップS11)。ここで、出力電圧が所定電圧範囲内にあると判断された場合は、さらにステップS09において蓄電池2の充電を継続する。
【0058】
一方、出力電圧が充電可能な電圧範囲内にないと判断された場合は、制御回路11は、充電動作を終了する(ステップS14)。
【0059】
再び、ステップS09に戻って、蓄電池2の端子間電圧が所定値(i)以上であると判定した場合、すなわち、満充電電圧が検出された場合は、制御回路11は、さらに、蓄電池2の補充電を行なうために、端子間電圧を所定値(ii)となるようにスイッチングレギュレータ4を制御する。具体的には、制御回路11は、蓄電池電圧センサ3で検出した蓄電池2の端子間電圧と所定値(ii)と比較し、比較結果としての制御信号をスイッチングレギュレータ4のPWM制御回路6へと出力する。PWM制御回路6は、制御信号に基づいてスイッチング素子5のオン/オフ制御を行なう。これにより、蓄電池2の端子間電圧は所定値(ii)に駆動され、蓄電池2は一定電圧で補充電されることとなる。
【0060】
なお、ステップS12における蓄電池2の端子間電圧の制御に並行して、太陽電池電圧センサ10においては、太陽電池群1の出力電圧が常時検出される(ステップS13)。蓄電池2の補充電時においては、ステップS10に示す太陽電池群1側での電圧制御は行なわれず、蓄電池2側での電圧制御に切替わることから、制御回路11は、スイッチング素子5を常にオン状態として電力を供給している。ここで、太陽電池群1の出力電圧がステップS03で示す充電可能な所定範囲内にあると判断された場合は、ステップS12において蓄電池2の補充電を継続する。一方、出力電圧が所定範囲内にないと判断された場合は、充電不可能であると判断して動作を終了する(ステップS14)。
【0061】
図4は、この発明の実施の形態1に従う太陽電池電源装置が充電動作を行なう際の太陽電池群1の出力電圧(図4(a))および電流(図4(c))と、蓄電池2の端子間電圧(図4(b))および充電電流(図4(d))との動作波形図である。
【0062】
図4(a)を参照して、太陽電池群1の出力電圧は、スイッチングレギュレータ4のPWM制御により最適動作電圧である70V近傍に設定されており、最大出力電力で蓄電池2を充電することができる。これに応答して、蓄電池2の端子間電圧は、図4(b)に示すように、初期電圧である12Vから徐々に満充電電圧である14.5Vにまで上昇する。
【0063】
次に、蓄電池電圧センサ3によって蓄電池2の端子間電圧が満充電電圧に達したことが検出されると、スイッチングレギュレータ4は太陽電池群1の電圧制御を停止し、スイッチング素子5を常時オン状態に設定する。したがって、太陽電池群1の出力電圧は開放電圧である90V付近を遷移する。
【0064】
一方、蓄電池2においては、満充電後の補充電へと移行し、スイッチングレギュレータ4のPWM制御によって端子間電圧を一定電圧(13.5V)の保持しながら充電を継続する。これによって、蓄電池2は実質的に100%充電されることとなる。
【0065】
以上のように、この発明の実施の形態1に従えば、蓄電池の端子間電圧が満充電電圧未満であるときには、スイッチングレギュレータのPWM制御によって太陽電池の動作電圧が最適動作電圧に駆動されることにより、太陽電池の出力電圧と蓄電池の端子間電圧との差異にかかわらず、常時最大出力電力にて効率良く充電することが可能となる。
【0066】
また、太陽電池の特性に実動作時の温度条件を考慮した温度補正を施すことにより、太陽電池群の出力電圧を高精度に最適動作電圧に制御することができ、充電効率をさらに向上することができる。
【0067】
また、蓄電池の特性についても実動作温度を考慮した補正を行なうことにより、蓄電池の充電状態を正確に判定できることから、制御精度を高めるとともに、蓄電池の容量不足によるシステム停止となる確立が低減されて信頼性が向上する。
【0068】
また、本実施の形態の太陽電池電源装置は、充電に先立って、蓄電池の端子間電圧と太陽電池群の出力電圧とを検出して太陽電池と蓄電池との適合性を判断することから、適合性を満たす様々な種類の蓄電池に応用することができるという汎用性を備える。さらに、太陽電池および蓄電池の特性を予めプリセットし、これらの特性をもとにスイッチング制御を行なうことから、特性の異なる太陽電池および蓄電池に対して対応可能である。
【0069】
[実施の形態2]
図5は、この発明の実施の形態2に従う太陽電池電源装置の構成を概略的に示す図である。
【0070】
図5を参照して、本実施の形態の太陽電池電源装置は、図1の実施の形態1の太陽電池電源装置に対して、太陽電池群1の温度を検出する太陽電池温度センサ12と、蓄電池2の温度を検出する蓄電池温度センサ13とが付加されたものであり、共通する部分については説明を繰り返さない。
【0071】
太陽電池温度センサ12および蓄電池温度センサ13は、太陽電池群1に取り付けられた太陽電池温度検出素子12aおよび蓄電池2に取り付けられた蓄電池温度検出素子13aにそれぞれ接続され、各検出素子からの温度情報を受けて、制御回路11に検出信号を出力する。
【0072】
したがって、制御回路11は、蓄電池電圧センサ3および太陽電池電圧センサ10からの検出信号に加えて、太陽電池温度センサ12および蓄電池温度センサ13からの検出信号を受け、これらの4信号の演算処理結果をスイッチングレギュレータ4内のPWM制御回路6に出力する。
【0073】
以上の構成において、太陽電池温度センサ12は、太陽電池温度検出素子12aを介して常時太陽電池群1の温度を検出し、制御回路11に出力する。制御回路11は、入力された温度情報をもとに、予め設定されている25℃時の太陽電池群1の最適動作電圧を温度補正する。さらに、補正後の最適動作電圧と、太陽電池電圧センサ10にて検出した出力電圧とを比較し、比較結果としての制御信号をPWM制御回路6に出力する。PWM制御回路6は、制御信号に基づいてスイッチング制御を行ない、太陽電池群1の出力電圧が補正後の最適動作電圧となるように調整する。これによって、蓄電池2には、実動作温度下における最大出力電力が供給されることとなる。
【0074】
蓄電池2の温度補正についても、太陽電池群1と同様に実行される。蓄電池温度センサ13は、蓄電池温度素子13aにて検出した温度情報を制御回路11に出力する。制御回路11は、予め入力されている温度25℃時の満充電電圧、補充電電圧および過充電電圧を与えられた温度に基づいて補正する。続いて、制御回路11は、蓄電池電圧センサ3にて検出した端子間電圧と補正後の満充電電圧とを比較し、比較結果としての制御信号をPWM制御回路6に出力する。PWM制御回路6は、制御回路11からの制御信号に応答して、スイッチング素子5のオン/オフ動作を制御する。具体的には、蓄電池2の端子間電圧が補正後の満充電電圧未満のときには、太陽電池群1の出力電圧が補正後の最適動作電圧となるようにスイッチング制御を行なう。一方、蓄電池2の端子間電圧が補正後の満充電電圧以上のときには、端子間電圧が補正後の補充電電圧に保持されるようにスイッチング制御を行なう。このように、蓄電池2の端子間電圧を温度補正することにより、蓄電池2の充電状態を正しく判定できることから、制御精度を高めることができるとともに、蓄電池2の容量不足によるシステム停止となる確立が低減されて信頼性が向上する。
【0075】
以上に示したように、本実施の形態の太陽電池電源装置は、実施の形態1の太陽電池電源装置が実動作温度の予想値をもとに太陽電池群1および蓄電池2の特性を温度補正するのに対して、実動作時の太陽電池群1および蓄電池2の温度を常時検出し、検出した温度情報をこれらの特性に反映させて電圧制御を行なうことから、より正確な制御ができ、充電効率を向上することができる。
【0076】
図6は、この発明の実施の形態2に従う太陽電池電源装置における充電動作を説明するためのフロー図である。
【0077】
図6を参照して、最初に、蓄電池電圧センサ3は、蓄電池2の端子間電圧を検出して検出信号を制御回路11へと転送する(ステップS22)。これにより、制御回路11において、何V仕様の蓄電池であるかが認識される。本実施の形態では、表1の特性を有する12V鉛蓄電池であることが認識されたものとする。
【0078】
次に、太陽電池電圧センサ10は、太陽電池群1の出力電圧を検出し、制御回路11に検出信号を送る。制御回路11は、送られてきた検出信号から、太陽電池群1の出力電圧が所定範囲内にあるか否かを判定する(ステップS23)。ここで、太陽電池群1の動作電圧が所定範囲内にあるか否かの判定とは、実施の形態1と同様に、動作電圧が動作保証電圧の範囲(本実施の形態では、55〜90Vとする。)にあること、および12V鉛蓄電池を充電するのに最低限必要とされる電圧範囲(本実施の形態では、20V以上とする。)にあることが判断される。
【0079】
ステップS23において、制御回路11は、太陽電池群1の出力電圧が上記の所定範囲内にあること、すなわち、蓄電池2に対して充電可能範囲内にあると判断すると、図2に示す太陽電池群1の発電特性のデータと、蓄電池2の特性データ(満充電電圧、補充電電圧および過放電電圧)とをプリセットする(ステップS24)。ここで、プリセットされる太陽電池群1および蓄電池2の特性データは、ともに温度25℃時のものである。
【0080】
一方、ステップS23において、制御回路11は、太陽電池群1の動作電圧が所定範囲内にないこと、すなわち、太陽電池群1が不日照時あるいは暴走状態にあると判断すると、再びステップS23に戻り、判定を繰り返す。
【0081】
続いて、制御回路11は、蓄電池2および太陽電池群1の特性データを実動作温度下の特性に補正するために、それぞれに装着した蓄電池温度検出素子13aおよび太陽電池温度検出素子12aを用いて温度を検出する(ステップS25,S26)。各検出素子の検出した温度情報は、蓄電池温度センサ13および太陽電池温度センサ12から制御回路11へと伝送される。
【0082】
次に、制御回路11は、検出した温度情報をもとに、蓄電池2の特性の温度補正を行なう(ステップS26)。本実施の形態では、12V鉛蓄電池の温度補正係数である―0.03V/℃を用いて補正し、補正後の満充電電圧、補充電電圧を、それぞれ所定値(i),(ii)と定義する。
【0083】
同様に、太陽電池群1の最適動作電圧についても温度補正が行なわれる。本実施の形態においては、温度補正係数として−0.3%/℃を用いて補正し、補正後の最適動作電圧を所定値(iv)と定義する(ステップS28)。
【0084】
以上のように、本実施の形態の太陽電池電源装置における温度補正は、実際に検出した温度情報をもとに行なうことから、予想温度をもとに補正を行なう実施の形態1の太陽電池電源装置に対して、より正確な電圧制御を行なうことができ、充電効率が向上される。
【0085】
続いて、制御回路11は、上記の温度補正したプリセット値に基づいて、スイッチングレギュレータ4のスイッチング制御を行ない、太陽電池群1から蓄電池2を充電する。かかる充電動作は、ステップS29〜S34に示されるが、図3に示す実施の形態1の太陽電池電源装置のフロー図のステップS09〜S14の動作と同様であることから、詳細な説明は省略する。
【0086】
以上のように、この発明の実施の形態2に従えば、蓄電池の端子間電圧が満充電電圧未満であるときには、スイッチングレギュレータのPWM制御によって太陽電池の動作電圧が最適動作電圧に駆動されることにより、太陽電池の出力電圧と蓄電池の端子間電圧とが異なっていても、常時最大出力電力にて効率良く充電することが可能となる。
【0087】
さらに、実動作時に検出した温度情報に基づいて太陽電池群1および蓄電池2の特性を温度補正し、補正後の各特性を基準としてスイッチング制御を行なうことから、より正確な電圧制御を行なうことができ、充電効率をさらに向上することが可能となる。
【0088】
[実施の形態3]
図7は、この発明の実施の形態3に従う太陽電池電源装置の構成を概略的に示す図である。
【0089】
図7を参照して、本実施の形態の太陽電池電源装置は、図5に示す実施の形態2の太陽電池電源装置に対して、蓄電池2に並列された負荷7と、負荷7の一端子と、蓄電池2の一端子との間に接続され、両端子を電気的に結合/分離するリレースイッチ8とをさらに含んでおり、共通する部分については、説明を省略する。
【0090】
さらに、本実施の形態の太陽電池電源装置においては、太陽電池温度センサ12および太陽電池温度検出素子12aと、蓄電池温度センサ13および蓄電池温度検出素子13aとはいずれも着脱自在であり、本装置を使用するユーザによって任意に設定することができる。なお、各温度検出素子および温度センサの装着の有無は、制御回路11において、検出される温度情報から容易に判断することができる。なお、温度センサおよび温度検出素子が装着されていると判断された場合は、検出した温度情報をもとに太陽電池群1および蓄電池2の特性の温度補正を行なわれる。一方、温度センサおよび温度検出素子が装着されていないと判断された場合は、プリセットされた予想温度の情報をもとに、各特性の温度補正を行なわれる。
【0091】
図7の構成において、制御回路11は、蓄電池電圧センサ3、太陽電池電圧センサ10からの検出信号と、太陽電池温度センサ12および蓄電池温度センサ13からの検出信号とを受けると、これらの4信号を演算処理し、演算結果を制御信号としてPMW制御回路6に出力するとともに、リレースイッチ8に出力する。
【0092】
リレースイッチ8は、制御回路11からの制御信号に応じて蓄電池2と負荷7とを電気的に結合/分離する。リレースイッチ8がオン状態に駆動され、蓄電池2と負荷7とが電気的に結合されているときには、蓄電池2から負荷7へと電力が供給される。一方、リレースイッチ8がオフ状態に駆動されると、蓄電池2と負荷7とは電気的に分離され、負荷7への電力供給は停止される。このようなリレースイッチ8のオン/オフ制御は、蓄電池電圧センサ3にて検出した蓄電池2の端子間電圧を参照して実行される。すなわち、蓄電池2の充電が進み、端子間電圧が満充電電圧から補充電電圧に切替わると、リレースイッチ8はオン状態に駆動されて負荷7への電力供給を開始する。さらに、負荷7への電力供給によって蓄電池2の端子間電圧が低下し、予め設定された過放電電圧レベルを下回ると、リレースイッチ8は、オフ状態に駆動されて負荷7への電力供給を停止する。これによって、蓄電池2の過放電が防止される。
【0093】
図8は、この発明の実施の形態3に従う太陽電池電源装置における充電動作を説明するためのフロー図である。
【0094】
図8を参照して、まず、蓄電池電圧センサ3は、蓄電池2の端子間電圧を検出して検出信号を制御回路11へと転送する。これにより、制御回路11において、何Vの蓄電池であるかが認識される(ステップS42)。本実施の形態では、表1の特性を有する12V鉛蓄電池であることが認識されたものとする。
【0095】
次に、太陽電池電圧センサ10は、太陽電池群1の出力電圧を検出し、制御回路11に検出信号を送る。制御回路11は、送られてきた検出信号から太陽電池群1の出力電圧が所定範囲内にあるか否かを判定する(ステップS43)。ここで、所定範囲内にあるか否かの判定とは、実施の形態1および2と同様に、動作電圧が先述の動作保証電圧の範囲にあること、および12V鉛蓄電池を充電するのに最低限必要とされる電圧範囲にあることが判断される。
【0096】
ステップS43において、制御回路11は、太陽電池群1の出力電圧が上記の所定範囲内にあること、すなわち、蓄電池2に対して充電可能な状態であると判断したときには、図2に示す太陽電池群1の発電特性のデータと、蓄電池2の特性データ(満充電検出電圧、補充電時の一定電圧および過放電検出電圧)とをプリセットする(ステップS44)。
【0097】
一方、ステップS43において、制御回路11は、太陽電池群1の出力電圧が所定範囲内にないこと、すなわち、太陽電池群1が不日照あるいは暴走状態にあると判断したときには、再びステップS43に戻り、判定を繰り返す。
【0098】
制御回路11は、さらに、ステップS44においてプリセットした太陽電池群1および蓄電池2の特性データを温度補正するための温度情報を入力する。
【0099】
まず、制御回路11は、蓄電池温度センサ12の装着の有無を検出する(ステップS45)。装着の有無の判断は、先述のように、蓄電池温度センサ13の検出値を参照して容易に行なうことができる。ここで、蓄電池温度検出素子13aおよび蓄電池温度センサ13を着脱自在としたのは、装着することで正確な温度補正が可能となる一方で電源装置の規模が大きくなることから、ユーザが任意に選択することができるようにしたものである。
【0100】
ステップS45において、蓄電池温度センサ13が装着されていることを確認した場合は、制御回路11は、実際の蓄電池2の温度を検出する(ステップS46)。一方、蓄電池温度センサ13が装着されていないことを確認した場合は、予めセットしていた実動作時の予想温度を用いることとする(ステップS47)。
【0101】
続いて、制御回路11は、太陽電池温度センサの装着の有無についても同様に検出する(ステップS48)。ここで、太陽電池温度センサ12が装着されていることが確認された場合は、実際の太陽電池群1の温度が検出される(ステップS49)。一方、太陽電池温度センサ12が装着されていないことが確認された場合は、太陽電池群1の温度として予め設定しておいた予想温度を用いることとする(ステップS50)。
【0102】
次に、これらの検出した温度情報または予想される温度情報をもとに、蓄電池2の特性の温度補正を行なう(ステップS51)。図3の実施の形態1と同様に、蓄電池2の満充電電圧、補充電電圧を温度補正し、補正後の電圧値をそれぞれ所定値(i),(ii)と定義する。さらに、蓄電池2の過放電電圧を温度補正し、補正後の電圧を所定値(iii)と定義する。
【0103】
太陽電池群1についても、同様に、検出した温度情報または予想される温度情報をもとに最適動作電圧の温度補正を行なう(ステップS52)。補正後の最適動作電圧を所定値(iv)と定義する。
【0104】
制御回路11は、以上のステップにおいて温度補正した太陽電池群1および蓄電池2の特性をもとにスイッチングレギュレータ4のPWM制御を行ない、蓄電池2を充電する。さらに、本実施の形態では、太陽電池電源装置に負荷7が接続されていることに対応して、制御回路11は、リレースイッチ8のオン/オフ制御を行ない、過放電を防止する。
【0105】
まず、蓄電池電圧センサ3において、蓄電池2の端子間電圧を検出し、その検出値を満充電電圧である所定値(i)と比較する(ステップS53)。
【0106】
ステップS53において、端子間電圧が所定値(i)未満であると判定された場合は、制御回路11は、太陽電池群1から最大出力電力で蓄電池2を充電すべく、太陽電池群1の出力電圧が最適動作電圧である所定値(iv)となるように制御する(ステップS54)。具体的には、制御回路11は、太陽電池電圧センサ10で検出した太陽電池群1の出力電圧と所定値(iv)とを比較すると、比較結果としての制御信号をスイッチングレギュレータ4のPWM制御回路6へと出力する。PWM制御回路6は、制御信号に基づいてスイッチング素子5のオン/オフ制御を行なう。これにより、太陽電池群1の出力電圧は所定値(iv)に駆動され、蓄電池2を最大出力電力にて充電する。
【0107】
ステップS54において検出された太陽電池群1の出力電圧は、ステップS55において、さらに充電可能な所定範囲にあるか否かが判定される。ここで、出力電圧が12V鉛蓄電池の充電可能な電圧範囲内にあると判断された場合は、さらにステップS53において蓄電池2の充電を継続する。
【0108】
一方、出力電圧が充電可能な電圧範囲内にないと判断された場合は、充電動作を終了する(ステップS60)。
【0109】
再び、ステップS53に戻って、蓄電池2の端子間電圧が所定値(i)以上であると判定された場合、すなわち、蓄電池2において満充電が検出された場合は、制御回路11は、蓄電池2の補充電を行なうとともに、負荷7への電力供給を行なう。制御回路11は、かかる動作に並行して、蓄電池2の端子間電圧を蓄電池電圧センサ3にて検出し、検出された端子間電圧と過放電電圧である所定値(iii)との比較を行なう(ステップS58)。
【0110】
ステップS58において、蓄電池2の端子間電圧が所定値(iii)以下であることが検出されたとき、すなわち、過放電状態にあると判断されたときには、制御回路11は、蓄電池2と負荷7とを接続するリレースイッチ8をオンからオフへと遷移させて、負荷7への電力供給を停止する(ステップS59)。
【0111】
一方、蓄電池2の端子間電圧が所定値(iii)以上であることが検出されたとき、すなわち、過放電状態にないと判断されたときには、負荷7への電力供給を継続するとともに、蓄電池2の端子間電圧が所定値(ii)となるようにスイッチングレギュレータ4を制御し、一定電圧にて補充電を行なう(ステップS57)。
【0112】
さらに、制御回路11は、ステップS57の蓄電池2への補充電に並行して、太陽電池電圧センサ10にて太陽電池群1の出力電圧を常時検出し、出力電圧が上述した所定範囲内にあるか否かの判定を実行する(ステップS56)。ここで、出力電圧が所定範囲内にあると判断された場合には、ステップS58に進んで、さらに、負荷7への電力供給とともに蓄電池2の補充電を継続する。一方、出力電圧が所定範囲内にないと判断された場合には、充電動作が不可能であることから、動作を終了する(ステップS60)。
【0113】
以上のように、この発明の実施の形態3に従えば、蓄電池の端子間電圧が満充電電圧未満であるときには、スイッチングレギュレータのPWM制御によって太陽電池の動作電圧が最適動作電圧に駆動されることにより、太陽電池の出力電圧と蓄電池の端子間電圧とが異なっていても、常時最大出力電力で充電することが可能となる。
【0114】
また、蓄電池の端子間電圧を検出してリレースイッチのオン/オフ動作を制御することにより、蓄電池から負荷への過剰な電力供給による過放電を防止することができる。
【0115】
さらに、蓄電池および太陽電池の温度センサおよび温度検出素子を着脱自在とすることにより、ユーザの任意な選択によって、電圧制御の精度と装置規模との調整が可能となる。
【0116】
なお、各実施の形態に従う太陽電池電源装置において、太陽電池はアモルファスシリコン太陽電池に特定されず、結晶シリコン、または化合物半導体型など任意の太陽電池にも適用することができる。さらには、太陽電池に限らず、燃料電池等の発電装置においても実現しうる。
【0117】
また、蓄電池については、鉛蓄電池の他に、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池などの任意の蓄電池に応用できる。
【0118】
また、スイッチングレギュレータとしては、主として昇圧型チョッパまたは降圧型チョッパが使用されるが、他の方式においても適用可能である。
【0119】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0120】
【発明の効果】
以上のように、この発明のある局面に従えば、蓄電池の端子間電圧が満充電電圧未満であるときには、スイッチングレギュレータのPWM制御によって太陽電池の動作電圧が最適動作電圧に駆動されることにより、太陽電池の出力電圧と蓄電池の端子間電圧とが異なっていても常時最大出力電力にて効率良く充電することが可能となる。
【0121】
また、太陽電池の特性に実動作時の温度条件を考慮した温度補正を施すことにより、太陽電池群の動作電圧を高精度に最適動作電圧に制御することができ、充電効率をさらに向上することができる。
【0122】
また、蓄電池の特性についても実動作温度を考慮した補正を行なうことにより、蓄電池の充電状態を正確に判定できることから、制御精度を確保できるとともに、蓄電池の容量不足によるシステム停止となる確立が低減されて信頼性が向上する。
【0123】
さらに、太陽電池電源装置は、充電に先立って、蓄電池の端子間電圧と太陽電池群の出力電圧とを検出して太陽電池と蓄電池との適合性を判断することから、適合性を満たす様々な種類の蓄電池に応用することができるという汎用性を備える。また、太陽電池および蓄電池の特性を予めプリセットし、これらの特性をもとにスイッチング制御を行なうことから、特性の異なる太陽電池および蓄電池に対して対応可能である。
【0124】
また、この発明の別の局面に従えば、実動作時に検出した温度情報に基づいて太陽電池および蓄電池の特性を温度補正し、補正後の各特性を基準としてスイッチング制御を行なうことから、より正確な電圧制御を行なうことができ、充電効率をさらに向上することが可能となる。
【0125】
さらに、この発明の別の局面に従えば、蓄電池の端子間電圧を検出してリレースイッチのオン/オフ動作を制御することにより、蓄電池から負荷への過剰な電力供給による過放電を防止することができる。
【0126】
また、蓄電池および太陽電池の温度センサおよび温度検出素子を着脱自在とすることにより、ユーザの任意な選択によって、制御の精度と装置規模との調整が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に従う太陽電池電源装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】アモルファスシリコン太陽電池の代表的な電流−電圧特性および発電特性である。
【図3】この発明の実施の形態1に従う太陽電池電源装置における充電動作を説明するためのフロー図である。
【図4】この発明の実施の形態1に従う太陽電池電源装置における太陽電池の出力電圧(図4(a))および出力電流(図4(c))と、蓄電池の端子間電圧(図4(b))および充電電流(図4(d))との動作波形図である。
【図5】この発明の実施の形態2に従う太陽電池電源装置の構成を概略的に示す図である。
【図6】この発明の実施の形態2に従う太陽電池電源装置における充電動作を説明するためのフロー図である。
【図7】この発明の実施の形態3に従う太陽電池電源装置の構成を概略的に示す図である。
【図8】この発明の実施の形態3に従う太陽電池電源装置における充電動作を説明するためのフロー図である。
【図9】従来の太陽電池電源装置の一例の構成を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1 太陽電池群、1a 太陽電池素子、2 蓄電池、3 蓄電池電圧センサ、4 スイッチングレギュレータ、5 スイッチング素子、6 PWM制御回路、7 負荷、8 リレースイッチ、9 逆止ダイオード、10 太陽電池電圧センサ、11 制御回路、12 太陽電池温度センサ、12a 太陽電池温度検出素子、13 蓄電池温度センサ、13a 蓄電池温度検出素子。
【発明の属する技術分野】
この発明は、太陽電池電源装置に関し、より特定的には、太陽電池を電源として蓄電池への充電を制御する太陽電池電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽電池を利用した電源装置においては、電圧変動の大きな太陽電池の出力電圧を安定的に蓄電池に供給する手段として、スイッチングレギュレータを用いたパルス幅変調制御(PWM変調)が一般的に行なわれている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図9は、従来の太陽電池電源装置の一例の構成を概略的に示す図である。
図9を参照して、従来の太陽電池電源装置は、太陽電池素子1aを複数個直並列に接続した太陽電池群1と、蓄電池2と、蓄電池2の端子間電圧を検出する蓄電池電圧センサ3と、太陽電池群1から蓄電池2への充電を制御するためのスイッチングレギュレータ4と、負荷7と、逆止ダイオード9とを含む。
【0004】
スイッチングレギュレータ4は、さらに、太陽電池群1と蓄電池2との間を電気的に結合/分離するためのスイッチング素子5と、蓄電池電圧センサ3からの検出信号に応じてスイッチング素子5のオン/オフ動作を制御するPWM制御回路6とを含む。
【0005】
負荷7は、蓄電池2に並列に接続されており、蓄電池2から電力が供給される。蓄電池2の一端と負荷7の一端との間にはリレースイッチ8が配設される。リレースイッチ8は、蓄電池電圧センサ3の検出信号を受けてオン/オフ動作を行ない、蓄電池2と負荷7とを電気的に結合/分離する。
【0006】
図9の構成の太陽電池電源装置において、蓄電池2の端子間電圧は蓄電池電圧センサ3によって常時検出されており、日中、端子間電圧が所定電圧未満にあるときは、スイッチング素子5は連続してオンに固定され、太陽電池群1によって蓄電池2の充電が行なわれる。
【0007】
一方、蓄電池2の端子間電圧が所定電圧以上になったときは、蓄電池電圧センサ3からの検出信号がPWM制御回路6に伝達されると、スイッチング素子5は、PWM制御に切替わり、スイッチングレギュレータとして動作する。すなわち、スイッチング素子5のオン/オフ制御によってパルス幅変調制御を行なうことにより、蓄電池2に対して一定電圧を安定的に供給し、過充電を防止する。
【0008】
一方、太陽電池電源装置においては、太陽電池から効率良くエネルギーを取り出す手段として、発電特性が照度や温度によって変化する性質を把握し、太陽電池から常に最大出力電力を取り出すという最大電力追従制御(MPPT:Maximum Peak Power Tracker)が広く行なわれている。
【0009】
その一例としては、太陽電池と蓄電池との間にDC/DCコンバータを配設し、実動作時の条件下において、太陽電池の出力電圧が最適動作電圧(太陽電池の出力電力を最大とする電圧値)となるように負帰還制御する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開平7−322529号公報(第2−3頁、第1図)
【0011】
【特許文献2】
実開昭63−92919号公報(第4図)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、図9に示す従来の太陽電池電源装置において、スイッチングレギュレータ4は、蓄電池2の端子間電圧が所定電圧を超えたときにのみオン/オフ動作が制御され、端子間電圧が所定電圧未満であれば、常時オンに制御される。
【0013】
したがって、蓄電池2の端子間電圧が所定電圧未満であるときにおいては、太陽電池群1の出力電圧と蓄電池2の端子間電圧に大きな電圧差があっても、太陽電池群1の動作電圧は、蓄電池2の端子間電圧に逆止ダイオード9とスイッチング素子5の順方向電圧を加えた電圧に固定され、必ずしも太陽電池群1が発電する最大出力電力を取り出すことができないという問題があった。
【0014】
特に、薄膜系の太陽電池においては、透明導電膜からなる電極のシート抵抗が高いことから、1個の太陽電池素子を細長いストリング状に形成して、この太陽電池素子を複数個直列接続して1枚の太陽電池モジュールを構成するのが一般的である。したがって、太陽電池の出力電圧は、通常、蓄電池の端子間電圧よりも高くなることが多い。よって、この場合は、太陽電池の出力電圧は、蓄電池の端子間電圧に固定されてしまうことから、太陽電池の発電しうる最大出力電力を有効に利用することができない不具合が生じうる。
【0015】
一方で、太陽電池の出力電圧が蓄電池の端子間電圧よりも低い場合は、蓄電池をまったく充電できないこととなる。
【0016】
それゆえ、この発明の目的は、かかる問題点を解決するためになされたものであって、太陽電池の出力電圧と蓄電池の端子間電圧との差異にかかわらず、常時太陽電池の発電する最大出力電力によって効率良く充電できる太陽電池電源装置を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明のある局面に従えば、太陽電池の出力電力を蓄電池に充電する太陽電池電源装置であって、太陽電池の出力電圧と蓄電池の端子間電圧とをそれぞれ第1の所定電圧と第2の所定電圧とに制御するためのスイッチングレギュレータ回路と、スイッチングレギュレータ回路のスイッチングを制御するための制御信号を供給する制御回路と、太陽電池の出力電圧を検出する太陽電池電圧検出回路と、蓄電池の端子間電圧を検出する蓄電池電圧検出回路とを備える。制御回路は、蓄電池電圧検出回路にて検出した端子間電圧と第3の所定電圧とを比較して、端子間電圧が前記第3の所定電圧未満であると判断したときには、前記太陽電池の出力電圧が第1の所定電圧となるようにスイッチングレギュレータ回路に制御信号を供給する手段と、端子間電圧が第3の所定電圧以上であると判断したときには、端子間電圧が第2の所定電圧となるようにスイッチングレギュレータ回路に制御信号を供給する手段とを備える。
【0018】
好ましくは、第1の所定電圧は、太陽電池の出力電力を最大となるときの最適動作電圧とし、第2の所定電圧は、蓄電池を満充電後においてさらに補充電するときの蓄電池の端子間電圧とし、第3の所定電圧は、蓄電池が満充電されたときの端子間電圧とする。
【0019】
より好ましくは、制御回路は、第1〜第3の所定電圧の入力手段と、太陽電池および蓄電池の実動作時における予想温度の入力手段と、予想温度に基づいて第1〜第3の所定電圧を温度補正する手段とを備える。
【0020】
より好ましくは、制御回路は、第1〜第3の所定電圧の入力手段と、太陽電池の実動作時の温度を検出する太陽電池温度検出回路と、蓄電池の実動作時の温度を検出する蓄電池温度検出回路と、太陽電池温度検出回路および蓄電池温度検出回路にて検出した温度情報に基づいて第1〜前記第3の所定電圧を温度補正する手段をさらに備える。
【0021】
より好ましくは、太陽電池温度検出回路および蓄電池温度検出回路は着脱自在とする。
【0022】
この発明の別の局面に従えば、制御回路は、スイッチング制御に先立って、蓄電池電圧検出回路にて前記蓄電池の端子間電圧を検出し、太陽電池電圧検出回路にて太陽電池の出力電圧を検出し、検出した蓄電池の端子間電圧と太陽電池の出力電圧とを照合して、蓄電池と太陽電池との適合性を判断する手段をさらに備える。
【0023】
この発明のさらに別の局面に従えば、蓄電池が過放電しているときの端子間電圧に相当する第4の所定電圧の入力手段と、蓄電池と負荷とを電気的に結合/分離するためのスイッチ手段とをさらに備える。制御回路は、蓄電池電圧検出回路にて検出した蓄電池の端子間電圧が、第2の所定電圧以上であると判断すると、スイッチ手段をオン状態に駆動して蓄電池と負荷とを電気的に結合し、蓄電池の端子間電圧が第4の所定電圧以下であると判断すると、スイッチ手段をオフ状態に駆動して蓄電池と負荷とを電気的に分離する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
【0025】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1に従う太陽電池電源装置の構成を概略的に示す図である。
【0026】
図1を参照して、太陽電池電源装置は、太陽電池素子1aを複数個直並列に接続した太陽電池群1と、蓄電池2と、蓄電池2の端子間電圧検出回路としての蓄電池電圧センサ3と、スイッチングレギュレータ4と、逆止ダイオード9と、太陽電池群1の出力電圧検出回路としての太陽電池電圧センサ10と、蓄電池電圧センサ3および太陽電池電圧センサ10の検出信号を演算処理してスイッチングレギュレータ4内部のPWM制御回路6に制御信号を出力する制御回路11とを含む。
【0027】
スイッチングレギュレータ4は、図9の従来の太陽電池電源装置と同様に、スイッチング素子5と、スイッチング素子5のオン/オフ動作を制御するPWM制御回路6とを含む。
【0028】
スイッチングレギュレータ4は、太陽電池群1の出力電流をスイッチング素子5のオン/オフ比で制御する。スイッチング素子5はPWM制御回路6の出力電圧によって駆動され、パルス電圧が図示しない制御端子に加えられる。パルス電圧がスイッチング素子5の制御端子に直接または間接的に加えられ、スイッチング素子5により切り刻まれた直流電流は、さらに2次回路の整流器と平滑回路(ともに図示せず)によって平坦な直流電流に変換される。図示しない平滑回路は、出力電流を平均化し、1サイクルの電流積分値の平均値に比例した電流を得る作用をするので、パルス幅に比例した出力電流を得ることができる。
【0029】
制御回路11は、各電圧センサの出力電圧を基準電圧と比較して、この比較結果を制御信号としてPWM制御回路6に加える。PWM制御回路6は、制御回路11の制御信号を受け、PWM制御回路6のパルス幅を出力電流が大きい場合はパルス幅を狭め、逆の場合はパルス幅を広げる。このようにして、制御されたパルス幅でスイッチング素子5を駆動して、パルス幅に比例した出力電流を一定に保つように制御する。
【0030】
また、制御回路11は、温度変化によって太陽電池群1および蓄電池2の特性が変動することに鑑みて、これらの特性の温度依存性に関する情報の入力手段を有する。これによって、太陽電池群1の動作電圧および蓄電池2の端子間電圧を常時正確に制御でき、効率良い充電が可能となる。
【0031】
なお、実施の形態1に従う太陽電池電源装置は、同図に示すように、図9の従来の太陽電池電源装置に対して、太陽電池群1の出力電圧を検出するための太陽電池電圧センサ10を備えた点で異なっており、共通する部分については説明を省略する。また、図示しないが、実施の形態1の太陽電池電源装置は、図9の従来の太陽電池電源装置と同様に、蓄電池2に並列接続される負荷7および負荷7と蓄電池2とを電気的に結合するリレースイッチ8とを含む。
【0032】
以下に、実施の形態1の太陽電池電源装置における充電動作を説明する。本実施の形態では、太陽電池素子1aの一例としてアモルファスシリコン太陽電池を用いる。使用するアモルファスシリコン太陽電池は、一般的に、図2に示す発電特性を有している。
【0033】
図2は、アモルファスシリコン太陽電池の代表的な電流−電圧特性および発電特性である。なお、図2の特性は、温度25℃時におけるものである。
【0034】
図2を参照して、アモルファスシリコン太陽電池の電流−電圧特性は、短絡電流が約1.2A、開放電圧が約90Vである。かかる電流−電圧特性における出力電力は、電流と出力電圧との積として求めることができ、同図に示すように、出力電圧70V付近において最大となる。また、出力電圧が約62〜75Vの電圧範囲において、最大出力電力の95%の電力を得ることができる。したがって、図1の太陽電池電源装置において、太陽電池群1の最適動作電圧をかかる電圧範囲内に設定してやれば、最大出力電力にて蓄電池2の充電を行なうことが可能となる。
【0035】
なお、太陽電池の発電特性は、太陽電池の温度変化の影響を受けて変動する性質を有する。例えば、図2のアモルファスシリコン太陽電池では、太陽電池の温度が上昇すると、1℃あたり−0.3%の割合で最適動作電圧は低下する。
【0036】
また、図2の発電特性を有するアモルファスシリコン太陽電池において、充電動作を行なうことができる動作保証電圧は、出力電圧が55V以上90V以下となる電圧範囲に定められている。ここで、出力電圧が55V以下とは、例えば日没後などの不日照時における出力電圧が該当し、出力電圧が90V以上とは、太陽電池群1が暴走状態にあるときの出力電圧に該当する。したがって、太陽電池群1の出力電圧がこのような動作保証電圧範囲外にある場合は、後述するように、太陽電池群1は充電動作を終了する。
【0037】
次に、本実施の形態における蓄電池として使用する12V鉛蓄電池の性能の一例を表1に示す。なお、以下の性能は、12V鉛蓄電池の温度25℃における性能である。
【0038】
【表1】
【0039】
表1を参照して、12V鉛蓄電池において、満充電状態にあるときに検出される端子間電圧(以下、満充電電圧と称す。)は、14.1Vである。ただし、端子間電圧が満充電電圧レベルにあっても、実際には12V鉛蓄電池の容量の100%が充電されているわけではないことから、不足分についてはさらに一定電圧で補充電する必要がある。このときの一定電圧(以下、補充電電圧と称す。)は、表1に示すように、端子間電圧13.5Vに設定される。
【0040】
また、充電された12V鉛蓄電池は、負荷に電力を供給することによって放電するが、このとき過放電していることの検出値として設定される端子間電圧(以下、過放電電圧と称す。)は11.5Vである。したがって、端子間電圧が11.5V以下となったことが検出されると、12V鉛蓄電池は、後述するように、制御回路11の指示によって負荷への電力供給を停止するとともに、再充電される。
【0041】
再び、図1を参照して、太陽電池電圧センサ10は、太陽電池群1の出力電圧を検出し、検出結果を制御回路11に出力する。したがって、制御回路11には、蓄電池2の端子間電圧を検出する蓄電池電圧センサ3からの検出信号が入力されるとともに、太陽電池電圧センサ10からの検出信号が入力されることとなる。
【0042】
制御回路11は、太陽電池電圧センサ10によって検出した出力電圧を、予め設定されている最適動作電圧と比較し、比較結果としての制御信号をスイッチングレギュレータ4のPWM制御回路6へと出力する。具体的には、検出した出力電圧が最適動作電圧よりも高い場合は、パルス幅を狭めるようにPWM制御回路6に指示する。一方、出力電圧が最適動作電圧よりも低いときには、パルス幅を広げるようにPWM制御回路6に指示する。続いて、PWM制御回路6は、これらの指示に基づき、スイッチング素子5のオン/オフ動作を制御する。かかる制御は、日中において太陽電池群1の出力電圧を検出して行なわれ、最終的に太陽電池群1の出力電圧は最適動作電圧に調整される。これにより、太陽電池群1は、最大出力電力で蓄電池2を充電することができ、効率良い充電が可能となる。
【0043】
これと並行して、蓄電池2の端子間電圧は、蓄電池電圧センサ3において常時検出されており、太陽電池群1より最大出力電力で充電されて増加しつづける電圧変化が制御回路11へと伝達される。やがて制御回路11は、蓄電池2の端子間電圧が満充電電圧に達したことを検出すると、蓄電池2の端子間電圧を補充電電圧に保持するように、PWM制御回路6に制御信号を出力する。PWM制御回路6は、制御信号に応答してスイッチング素子5のオン/オフ制御を行なう。このようにして、太陽電池群1は、それまでの最大出力電力による充電動作を停止し、一定電圧での補充電へと移行する。この一定電圧での補充電は、日没まで継続される。
【0044】
図3は、この発明の実施の形態1に従う太陽電池電源装置における充電動作を説明するためのフロー図である。
【0045】
図3を参照して、最初に、蓄電池電圧センサ3は、蓄電池2の端子間電圧を検出して検出信号を制御回路11へと転送する。これにより、制御回路11において、充電する蓄電池が何V仕様であるかが認識される(ステップS02)。本実施の形態では、表1の特性を有する12V鉛蓄電池であることが認識されたものとする。
【0046】
次に、太陽電池電圧センサ10は、太陽電池群1の出力電圧を検出し、制御回路11に検出信号を送る。制御回路11は、送られてきた太陽電池群1の出力電圧が所定範囲内にあるか否かを判定する(ステップS03)。ここで、所定範囲内にあるか否かの判定とは、出力電圧が先述の動作保証電圧の範囲(本実施の形態では、55〜90Vとする。)にあること、および12V鉛蓄電池を充電するのに最低限必要とされる電圧範囲(本実施の形態では、20V以上とする。)にあることが判断される。このように、本実施の形態の太陽電池電源装置は、充電動作の初期において、蓄電池2の端子間電圧と太陽電池群1の出力電圧とを検出して、太陽電池群1と蓄電池2との適合性を自動的に判断することから、さまざまな電圧仕様の蓄電池に対して対応することができる。
【0047】
ステップS03において、太陽電池群1の動作電圧が上記の所定範囲内にあること、すなわち、蓄電池2に対して充電可能な状態であると判断されると、制御回路11は、図2に示す太陽電池群1の発電特性のデータと、蓄電池2の特性データ(満充電電圧、補充電電圧および過放電電圧)とをプリセットする(ステップS04)。ここで、蓄電池2は、その種類によって異なる特性を有するが、ステップS04で充電する蓄電池の特性を充電ごとにプリセットすることから、本実施の形態の太陽電池電源装置は、幅広い種類の蓄電池(鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池など)に対応可能である。
【0048】
一方、ステップS03において、制御回路11は、太陽電池群1の出力電圧が所定範囲内にないこと、すなわち、不日照時あるいは暴走状態等にあると判断すると、再びステップS03に戻り、判定を繰り返す。
【0049】
制御回路11は、ステップS04のプリセットにおいて、さらに、太陽電池群1および蓄電池2の特性データを温度補正するための温度情報を入力する。これは、蓄電池2の特性および太陽電池群1の発電特性がその温度条件によって変動することから、蓄電池2の充電状態を正しく把握するとともに、太陽電池群1の出力電圧を実動作時の温度において最適動作電圧となるように随時補正する必要があるためである。本実施の形態で使用する12V鉛蓄電池は、実際の充電時において周囲温度よりも約5℃上昇することから、実動作時の温度を約30℃と推定してプリセットする(ステップS05)。
【0050】
同様に、太陽電池群1の温度は、通常日中で約50℃程度となることから、この温度を実動作時の温度と推定し、プリセット値として設定する(ステップS06)。
【0051】
次に、蓄電池2の特性をステップS05でプリセットした温度をもとに補正を行なう(ステップS07)。ここで、蓄電池2の温度補正係数は−0.03V/℃であることから、温度30℃における満充電電圧は、表1の25℃時の検出値14.1Vから約14.0Vに補正される。以下において、補正後の満充電電圧を所定値(i)と定義する。
【0052】
同様に、温度30℃における補充電電圧は、表1の25℃時の電圧値13.5Vに対して約13.4Vに補正される。以下において、補正後の補充電電圧を所定値(ii)と定義する。
【0053】
さらに、太陽電池群1においても最適動作電圧の温度補正を行なう(ステップS08)。ここでは、太陽電池群1の温度補正係数が−0.3%/℃であり、日中の温度の予想値が50℃前後であることから、最適動作電圧は約65Vに補正される。以下において、この補正した最適動作電圧を所定値(iv)と定義する。
【0054】
次に、制御回路11は、以上の温度補正した蓄電池2および太陽電池群1の特性をもとに充電動作の制御を行なう。
【0055】
まず、制御回路11は、蓄電池電圧センサ3において、蓄電池2の端子間電圧を検出し、その検出値を満充電電圧である所定値(i)と比較する(ステップS09)。
【0056】
ステップS09において、端子間電圧が所定値(i)未満であると判定された場合は、制御回路11は、太陽電池群1から最大出力電力で蓄電池2を充電すべく、太陽電池群1の出力電圧が最適動作電圧である所定値(iv)となるように制御する(ステップS10)。具体的には、制御回路11は、太陽電池群1の出力電圧を太陽電池電圧センサ10で検出し、検出した出力電圧と所定値(iv)とを比較すると、比較結果としての制御信号をスイッチングレギュレータ4のPWM制御回路6へと出力する。PWM制御回路6は、制御信号に基づいてスイッチング素子5のオン/オフ制御を行なう。これにより、太陽電池群1の出力電圧は所定値(iv)に駆動され、蓄電池2を最大出力電力にて充電する。
【0057】
ステップS10において検出された太陽電池群1の出力電圧は、さらにステップ03にて説明した充電可能な電圧範囲にあるか否かが判定される(ステップS11)。ここで、出力電圧が所定電圧範囲内にあると判断された場合は、さらにステップS09において蓄電池2の充電を継続する。
【0058】
一方、出力電圧が充電可能な電圧範囲内にないと判断された場合は、制御回路11は、充電動作を終了する(ステップS14)。
【0059】
再び、ステップS09に戻って、蓄電池2の端子間電圧が所定値(i)以上であると判定した場合、すなわち、満充電電圧が検出された場合は、制御回路11は、さらに、蓄電池2の補充電を行なうために、端子間電圧を所定値(ii)となるようにスイッチングレギュレータ4を制御する。具体的には、制御回路11は、蓄電池電圧センサ3で検出した蓄電池2の端子間電圧と所定値(ii)と比較し、比較結果としての制御信号をスイッチングレギュレータ4のPWM制御回路6へと出力する。PWM制御回路6は、制御信号に基づいてスイッチング素子5のオン/オフ制御を行なう。これにより、蓄電池2の端子間電圧は所定値(ii)に駆動され、蓄電池2は一定電圧で補充電されることとなる。
【0060】
なお、ステップS12における蓄電池2の端子間電圧の制御に並行して、太陽電池電圧センサ10においては、太陽電池群1の出力電圧が常時検出される(ステップS13)。蓄電池2の補充電時においては、ステップS10に示す太陽電池群1側での電圧制御は行なわれず、蓄電池2側での電圧制御に切替わることから、制御回路11は、スイッチング素子5を常にオン状態として電力を供給している。ここで、太陽電池群1の出力電圧がステップS03で示す充電可能な所定範囲内にあると判断された場合は、ステップS12において蓄電池2の補充電を継続する。一方、出力電圧が所定範囲内にないと判断された場合は、充電不可能であると判断して動作を終了する(ステップS14)。
【0061】
図4は、この発明の実施の形態1に従う太陽電池電源装置が充電動作を行なう際の太陽電池群1の出力電圧(図4(a))および電流(図4(c))と、蓄電池2の端子間電圧(図4(b))および充電電流(図4(d))との動作波形図である。
【0062】
図4(a)を参照して、太陽電池群1の出力電圧は、スイッチングレギュレータ4のPWM制御により最適動作電圧である70V近傍に設定されており、最大出力電力で蓄電池2を充電することができる。これに応答して、蓄電池2の端子間電圧は、図4(b)に示すように、初期電圧である12Vから徐々に満充電電圧である14.5Vにまで上昇する。
【0063】
次に、蓄電池電圧センサ3によって蓄電池2の端子間電圧が満充電電圧に達したことが検出されると、スイッチングレギュレータ4は太陽電池群1の電圧制御を停止し、スイッチング素子5を常時オン状態に設定する。したがって、太陽電池群1の出力電圧は開放電圧である90V付近を遷移する。
【0064】
一方、蓄電池2においては、満充電後の補充電へと移行し、スイッチングレギュレータ4のPWM制御によって端子間電圧を一定電圧(13.5V)の保持しながら充電を継続する。これによって、蓄電池2は実質的に100%充電されることとなる。
【0065】
以上のように、この発明の実施の形態1に従えば、蓄電池の端子間電圧が満充電電圧未満であるときには、スイッチングレギュレータのPWM制御によって太陽電池の動作電圧が最適動作電圧に駆動されることにより、太陽電池の出力電圧と蓄電池の端子間電圧との差異にかかわらず、常時最大出力電力にて効率良く充電することが可能となる。
【0066】
また、太陽電池の特性に実動作時の温度条件を考慮した温度補正を施すことにより、太陽電池群の出力電圧を高精度に最適動作電圧に制御することができ、充電効率をさらに向上することができる。
【0067】
また、蓄電池の特性についても実動作温度を考慮した補正を行なうことにより、蓄電池の充電状態を正確に判定できることから、制御精度を高めるとともに、蓄電池の容量不足によるシステム停止となる確立が低減されて信頼性が向上する。
【0068】
また、本実施の形態の太陽電池電源装置は、充電に先立って、蓄電池の端子間電圧と太陽電池群の出力電圧とを検出して太陽電池と蓄電池との適合性を判断することから、適合性を満たす様々な種類の蓄電池に応用することができるという汎用性を備える。さらに、太陽電池および蓄電池の特性を予めプリセットし、これらの特性をもとにスイッチング制御を行なうことから、特性の異なる太陽電池および蓄電池に対して対応可能である。
【0069】
[実施の形態2]
図5は、この発明の実施の形態2に従う太陽電池電源装置の構成を概略的に示す図である。
【0070】
図5を参照して、本実施の形態の太陽電池電源装置は、図1の実施の形態1の太陽電池電源装置に対して、太陽電池群1の温度を検出する太陽電池温度センサ12と、蓄電池2の温度を検出する蓄電池温度センサ13とが付加されたものであり、共通する部分については説明を繰り返さない。
【0071】
太陽電池温度センサ12および蓄電池温度センサ13は、太陽電池群1に取り付けられた太陽電池温度検出素子12aおよび蓄電池2に取り付けられた蓄電池温度検出素子13aにそれぞれ接続され、各検出素子からの温度情報を受けて、制御回路11に検出信号を出力する。
【0072】
したがって、制御回路11は、蓄電池電圧センサ3および太陽電池電圧センサ10からの検出信号に加えて、太陽電池温度センサ12および蓄電池温度センサ13からの検出信号を受け、これらの4信号の演算処理結果をスイッチングレギュレータ4内のPWM制御回路6に出力する。
【0073】
以上の構成において、太陽電池温度センサ12は、太陽電池温度検出素子12aを介して常時太陽電池群1の温度を検出し、制御回路11に出力する。制御回路11は、入力された温度情報をもとに、予め設定されている25℃時の太陽電池群1の最適動作電圧を温度補正する。さらに、補正後の最適動作電圧と、太陽電池電圧センサ10にて検出した出力電圧とを比較し、比較結果としての制御信号をPWM制御回路6に出力する。PWM制御回路6は、制御信号に基づいてスイッチング制御を行ない、太陽電池群1の出力電圧が補正後の最適動作電圧となるように調整する。これによって、蓄電池2には、実動作温度下における最大出力電力が供給されることとなる。
【0074】
蓄電池2の温度補正についても、太陽電池群1と同様に実行される。蓄電池温度センサ13は、蓄電池温度素子13aにて検出した温度情報を制御回路11に出力する。制御回路11は、予め入力されている温度25℃時の満充電電圧、補充電電圧および過充電電圧を与えられた温度に基づいて補正する。続いて、制御回路11は、蓄電池電圧センサ3にて検出した端子間電圧と補正後の満充電電圧とを比較し、比較結果としての制御信号をPWM制御回路6に出力する。PWM制御回路6は、制御回路11からの制御信号に応答して、スイッチング素子5のオン/オフ動作を制御する。具体的には、蓄電池2の端子間電圧が補正後の満充電電圧未満のときには、太陽電池群1の出力電圧が補正後の最適動作電圧となるようにスイッチング制御を行なう。一方、蓄電池2の端子間電圧が補正後の満充電電圧以上のときには、端子間電圧が補正後の補充電電圧に保持されるようにスイッチング制御を行なう。このように、蓄電池2の端子間電圧を温度補正することにより、蓄電池2の充電状態を正しく判定できることから、制御精度を高めることができるとともに、蓄電池2の容量不足によるシステム停止となる確立が低減されて信頼性が向上する。
【0075】
以上に示したように、本実施の形態の太陽電池電源装置は、実施の形態1の太陽電池電源装置が実動作温度の予想値をもとに太陽電池群1および蓄電池2の特性を温度補正するのに対して、実動作時の太陽電池群1および蓄電池2の温度を常時検出し、検出した温度情報をこれらの特性に反映させて電圧制御を行なうことから、より正確な制御ができ、充電効率を向上することができる。
【0076】
図6は、この発明の実施の形態2に従う太陽電池電源装置における充電動作を説明するためのフロー図である。
【0077】
図6を参照して、最初に、蓄電池電圧センサ3は、蓄電池2の端子間電圧を検出して検出信号を制御回路11へと転送する(ステップS22)。これにより、制御回路11において、何V仕様の蓄電池であるかが認識される。本実施の形態では、表1の特性を有する12V鉛蓄電池であることが認識されたものとする。
【0078】
次に、太陽電池電圧センサ10は、太陽電池群1の出力電圧を検出し、制御回路11に検出信号を送る。制御回路11は、送られてきた検出信号から、太陽電池群1の出力電圧が所定範囲内にあるか否かを判定する(ステップS23)。ここで、太陽電池群1の動作電圧が所定範囲内にあるか否かの判定とは、実施の形態1と同様に、動作電圧が動作保証電圧の範囲(本実施の形態では、55〜90Vとする。)にあること、および12V鉛蓄電池を充電するのに最低限必要とされる電圧範囲(本実施の形態では、20V以上とする。)にあることが判断される。
【0079】
ステップS23において、制御回路11は、太陽電池群1の出力電圧が上記の所定範囲内にあること、すなわち、蓄電池2に対して充電可能範囲内にあると判断すると、図2に示す太陽電池群1の発電特性のデータと、蓄電池2の特性データ(満充電電圧、補充電電圧および過放電電圧)とをプリセットする(ステップS24)。ここで、プリセットされる太陽電池群1および蓄電池2の特性データは、ともに温度25℃時のものである。
【0080】
一方、ステップS23において、制御回路11は、太陽電池群1の動作電圧が所定範囲内にないこと、すなわち、太陽電池群1が不日照時あるいは暴走状態にあると判断すると、再びステップS23に戻り、判定を繰り返す。
【0081】
続いて、制御回路11は、蓄電池2および太陽電池群1の特性データを実動作温度下の特性に補正するために、それぞれに装着した蓄電池温度検出素子13aおよび太陽電池温度検出素子12aを用いて温度を検出する(ステップS25,S26)。各検出素子の検出した温度情報は、蓄電池温度センサ13および太陽電池温度センサ12から制御回路11へと伝送される。
【0082】
次に、制御回路11は、検出した温度情報をもとに、蓄電池2の特性の温度補正を行なう(ステップS26)。本実施の形態では、12V鉛蓄電池の温度補正係数である―0.03V/℃を用いて補正し、補正後の満充電電圧、補充電電圧を、それぞれ所定値(i),(ii)と定義する。
【0083】
同様に、太陽電池群1の最適動作電圧についても温度補正が行なわれる。本実施の形態においては、温度補正係数として−0.3%/℃を用いて補正し、補正後の最適動作電圧を所定値(iv)と定義する(ステップS28)。
【0084】
以上のように、本実施の形態の太陽電池電源装置における温度補正は、実際に検出した温度情報をもとに行なうことから、予想温度をもとに補正を行なう実施の形態1の太陽電池電源装置に対して、より正確な電圧制御を行なうことができ、充電効率が向上される。
【0085】
続いて、制御回路11は、上記の温度補正したプリセット値に基づいて、スイッチングレギュレータ4のスイッチング制御を行ない、太陽電池群1から蓄電池2を充電する。かかる充電動作は、ステップS29〜S34に示されるが、図3に示す実施の形態1の太陽電池電源装置のフロー図のステップS09〜S14の動作と同様であることから、詳細な説明は省略する。
【0086】
以上のように、この発明の実施の形態2に従えば、蓄電池の端子間電圧が満充電電圧未満であるときには、スイッチングレギュレータのPWM制御によって太陽電池の動作電圧が最適動作電圧に駆動されることにより、太陽電池の出力電圧と蓄電池の端子間電圧とが異なっていても、常時最大出力電力にて効率良く充電することが可能となる。
【0087】
さらに、実動作時に検出した温度情報に基づいて太陽電池群1および蓄電池2の特性を温度補正し、補正後の各特性を基準としてスイッチング制御を行なうことから、より正確な電圧制御を行なうことができ、充電効率をさらに向上することが可能となる。
【0088】
[実施の形態3]
図7は、この発明の実施の形態3に従う太陽電池電源装置の構成を概略的に示す図である。
【0089】
図7を参照して、本実施の形態の太陽電池電源装置は、図5に示す実施の形態2の太陽電池電源装置に対して、蓄電池2に並列された負荷7と、負荷7の一端子と、蓄電池2の一端子との間に接続され、両端子を電気的に結合/分離するリレースイッチ8とをさらに含んでおり、共通する部分については、説明を省略する。
【0090】
さらに、本実施の形態の太陽電池電源装置においては、太陽電池温度センサ12および太陽電池温度検出素子12aと、蓄電池温度センサ13および蓄電池温度検出素子13aとはいずれも着脱自在であり、本装置を使用するユーザによって任意に設定することができる。なお、各温度検出素子および温度センサの装着の有無は、制御回路11において、検出される温度情報から容易に判断することができる。なお、温度センサおよび温度検出素子が装着されていると判断された場合は、検出した温度情報をもとに太陽電池群1および蓄電池2の特性の温度補正を行なわれる。一方、温度センサおよび温度検出素子が装着されていないと判断された場合は、プリセットされた予想温度の情報をもとに、各特性の温度補正を行なわれる。
【0091】
図7の構成において、制御回路11は、蓄電池電圧センサ3、太陽電池電圧センサ10からの検出信号と、太陽電池温度センサ12および蓄電池温度センサ13からの検出信号とを受けると、これらの4信号を演算処理し、演算結果を制御信号としてPMW制御回路6に出力するとともに、リレースイッチ8に出力する。
【0092】
リレースイッチ8は、制御回路11からの制御信号に応じて蓄電池2と負荷7とを電気的に結合/分離する。リレースイッチ8がオン状態に駆動され、蓄電池2と負荷7とが電気的に結合されているときには、蓄電池2から負荷7へと電力が供給される。一方、リレースイッチ8がオフ状態に駆動されると、蓄電池2と負荷7とは電気的に分離され、負荷7への電力供給は停止される。このようなリレースイッチ8のオン/オフ制御は、蓄電池電圧センサ3にて検出した蓄電池2の端子間電圧を参照して実行される。すなわち、蓄電池2の充電が進み、端子間電圧が満充電電圧から補充電電圧に切替わると、リレースイッチ8はオン状態に駆動されて負荷7への電力供給を開始する。さらに、負荷7への電力供給によって蓄電池2の端子間電圧が低下し、予め設定された過放電電圧レベルを下回ると、リレースイッチ8は、オフ状態に駆動されて負荷7への電力供給を停止する。これによって、蓄電池2の過放電が防止される。
【0093】
図8は、この発明の実施の形態3に従う太陽電池電源装置における充電動作を説明するためのフロー図である。
【0094】
図8を参照して、まず、蓄電池電圧センサ3は、蓄電池2の端子間電圧を検出して検出信号を制御回路11へと転送する。これにより、制御回路11において、何Vの蓄電池であるかが認識される(ステップS42)。本実施の形態では、表1の特性を有する12V鉛蓄電池であることが認識されたものとする。
【0095】
次に、太陽電池電圧センサ10は、太陽電池群1の出力電圧を検出し、制御回路11に検出信号を送る。制御回路11は、送られてきた検出信号から太陽電池群1の出力電圧が所定範囲内にあるか否かを判定する(ステップS43)。ここで、所定範囲内にあるか否かの判定とは、実施の形態1および2と同様に、動作電圧が先述の動作保証電圧の範囲にあること、および12V鉛蓄電池を充電するのに最低限必要とされる電圧範囲にあることが判断される。
【0096】
ステップS43において、制御回路11は、太陽電池群1の出力電圧が上記の所定範囲内にあること、すなわち、蓄電池2に対して充電可能な状態であると判断したときには、図2に示す太陽電池群1の発電特性のデータと、蓄電池2の特性データ(満充電検出電圧、補充電時の一定電圧および過放電検出電圧)とをプリセットする(ステップS44)。
【0097】
一方、ステップS43において、制御回路11は、太陽電池群1の出力電圧が所定範囲内にないこと、すなわち、太陽電池群1が不日照あるいは暴走状態にあると判断したときには、再びステップS43に戻り、判定を繰り返す。
【0098】
制御回路11は、さらに、ステップS44においてプリセットした太陽電池群1および蓄電池2の特性データを温度補正するための温度情報を入力する。
【0099】
まず、制御回路11は、蓄電池温度センサ12の装着の有無を検出する(ステップS45)。装着の有無の判断は、先述のように、蓄電池温度センサ13の検出値を参照して容易に行なうことができる。ここで、蓄電池温度検出素子13aおよび蓄電池温度センサ13を着脱自在としたのは、装着することで正確な温度補正が可能となる一方で電源装置の規模が大きくなることから、ユーザが任意に選択することができるようにしたものである。
【0100】
ステップS45において、蓄電池温度センサ13が装着されていることを確認した場合は、制御回路11は、実際の蓄電池2の温度を検出する(ステップS46)。一方、蓄電池温度センサ13が装着されていないことを確認した場合は、予めセットしていた実動作時の予想温度を用いることとする(ステップS47)。
【0101】
続いて、制御回路11は、太陽電池温度センサの装着の有無についても同様に検出する(ステップS48)。ここで、太陽電池温度センサ12が装着されていることが確認された場合は、実際の太陽電池群1の温度が検出される(ステップS49)。一方、太陽電池温度センサ12が装着されていないことが確認された場合は、太陽電池群1の温度として予め設定しておいた予想温度を用いることとする(ステップS50)。
【0102】
次に、これらの検出した温度情報または予想される温度情報をもとに、蓄電池2の特性の温度補正を行なう(ステップS51)。図3の実施の形態1と同様に、蓄電池2の満充電電圧、補充電電圧を温度補正し、補正後の電圧値をそれぞれ所定値(i),(ii)と定義する。さらに、蓄電池2の過放電電圧を温度補正し、補正後の電圧を所定値(iii)と定義する。
【0103】
太陽電池群1についても、同様に、検出した温度情報または予想される温度情報をもとに最適動作電圧の温度補正を行なう(ステップS52)。補正後の最適動作電圧を所定値(iv)と定義する。
【0104】
制御回路11は、以上のステップにおいて温度補正した太陽電池群1および蓄電池2の特性をもとにスイッチングレギュレータ4のPWM制御を行ない、蓄電池2を充電する。さらに、本実施の形態では、太陽電池電源装置に負荷7が接続されていることに対応して、制御回路11は、リレースイッチ8のオン/オフ制御を行ない、過放電を防止する。
【0105】
まず、蓄電池電圧センサ3において、蓄電池2の端子間電圧を検出し、その検出値を満充電電圧である所定値(i)と比較する(ステップS53)。
【0106】
ステップS53において、端子間電圧が所定値(i)未満であると判定された場合は、制御回路11は、太陽電池群1から最大出力電力で蓄電池2を充電すべく、太陽電池群1の出力電圧が最適動作電圧である所定値(iv)となるように制御する(ステップS54)。具体的には、制御回路11は、太陽電池電圧センサ10で検出した太陽電池群1の出力電圧と所定値(iv)とを比較すると、比較結果としての制御信号をスイッチングレギュレータ4のPWM制御回路6へと出力する。PWM制御回路6は、制御信号に基づいてスイッチング素子5のオン/オフ制御を行なう。これにより、太陽電池群1の出力電圧は所定値(iv)に駆動され、蓄電池2を最大出力電力にて充電する。
【0107】
ステップS54において検出された太陽電池群1の出力電圧は、ステップS55において、さらに充電可能な所定範囲にあるか否かが判定される。ここで、出力電圧が12V鉛蓄電池の充電可能な電圧範囲内にあると判断された場合は、さらにステップS53において蓄電池2の充電を継続する。
【0108】
一方、出力電圧が充電可能な電圧範囲内にないと判断された場合は、充電動作を終了する(ステップS60)。
【0109】
再び、ステップS53に戻って、蓄電池2の端子間電圧が所定値(i)以上であると判定された場合、すなわち、蓄電池2において満充電が検出された場合は、制御回路11は、蓄電池2の補充電を行なうとともに、負荷7への電力供給を行なう。制御回路11は、かかる動作に並行して、蓄電池2の端子間電圧を蓄電池電圧センサ3にて検出し、検出された端子間電圧と過放電電圧である所定値(iii)との比較を行なう(ステップS58)。
【0110】
ステップS58において、蓄電池2の端子間電圧が所定値(iii)以下であることが検出されたとき、すなわち、過放電状態にあると判断されたときには、制御回路11は、蓄電池2と負荷7とを接続するリレースイッチ8をオンからオフへと遷移させて、負荷7への電力供給を停止する(ステップS59)。
【0111】
一方、蓄電池2の端子間電圧が所定値(iii)以上であることが検出されたとき、すなわち、過放電状態にないと判断されたときには、負荷7への電力供給を継続するとともに、蓄電池2の端子間電圧が所定値(ii)となるようにスイッチングレギュレータ4を制御し、一定電圧にて補充電を行なう(ステップS57)。
【0112】
さらに、制御回路11は、ステップS57の蓄電池2への補充電に並行して、太陽電池電圧センサ10にて太陽電池群1の出力電圧を常時検出し、出力電圧が上述した所定範囲内にあるか否かの判定を実行する(ステップS56)。ここで、出力電圧が所定範囲内にあると判断された場合には、ステップS58に進んで、さらに、負荷7への電力供給とともに蓄電池2の補充電を継続する。一方、出力電圧が所定範囲内にないと判断された場合には、充電動作が不可能であることから、動作を終了する(ステップS60)。
【0113】
以上のように、この発明の実施の形態3に従えば、蓄電池の端子間電圧が満充電電圧未満であるときには、スイッチングレギュレータのPWM制御によって太陽電池の動作電圧が最適動作電圧に駆動されることにより、太陽電池の出力電圧と蓄電池の端子間電圧とが異なっていても、常時最大出力電力で充電することが可能となる。
【0114】
また、蓄電池の端子間電圧を検出してリレースイッチのオン/オフ動作を制御することにより、蓄電池から負荷への過剰な電力供給による過放電を防止することができる。
【0115】
さらに、蓄電池および太陽電池の温度センサおよび温度検出素子を着脱自在とすることにより、ユーザの任意な選択によって、電圧制御の精度と装置規模との調整が可能となる。
【0116】
なお、各実施の形態に従う太陽電池電源装置において、太陽電池はアモルファスシリコン太陽電池に特定されず、結晶シリコン、または化合物半導体型など任意の太陽電池にも適用することができる。さらには、太陽電池に限らず、燃料電池等の発電装置においても実現しうる。
【0117】
また、蓄電池については、鉛蓄電池の他に、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池などの任意の蓄電池に応用できる。
【0118】
また、スイッチングレギュレータとしては、主として昇圧型チョッパまたは降圧型チョッパが使用されるが、他の方式においても適用可能である。
【0119】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0120】
【発明の効果】
以上のように、この発明のある局面に従えば、蓄電池の端子間電圧が満充電電圧未満であるときには、スイッチングレギュレータのPWM制御によって太陽電池の動作電圧が最適動作電圧に駆動されることにより、太陽電池の出力電圧と蓄電池の端子間電圧とが異なっていても常時最大出力電力にて効率良く充電することが可能となる。
【0121】
また、太陽電池の特性に実動作時の温度条件を考慮した温度補正を施すことにより、太陽電池群の動作電圧を高精度に最適動作電圧に制御することができ、充電効率をさらに向上することができる。
【0122】
また、蓄電池の特性についても実動作温度を考慮した補正を行なうことにより、蓄電池の充電状態を正確に判定できることから、制御精度を確保できるとともに、蓄電池の容量不足によるシステム停止となる確立が低減されて信頼性が向上する。
【0123】
さらに、太陽電池電源装置は、充電に先立って、蓄電池の端子間電圧と太陽電池群の出力電圧とを検出して太陽電池と蓄電池との適合性を判断することから、適合性を満たす様々な種類の蓄電池に応用することができるという汎用性を備える。また、太陽電池および蓄電池の特性を予めプリセットし、これらの特性をもとにスイッチング制御を行なうことから、特性の異なる太陽電池および蓄電池に対して対応可能である。
【0124】
また、この発明の別の局面に従えば、実動作時に検出した温度情報に基づいて太陽電池および蓄電池の特性を温度補正し、補正後の各特性を基準としてスイッチング制御を行なうことから、より正確な電圧制御を行なうことができ、充電効率をさらに向上することが可能となる。
【0125】
さらに、この発明の別の局面に従えば、蓄電池の端子間電圧を検出してリレースイッチのオン/オフ動作を制御することにより、蓄電池から負荷への過剰な電力供給による過放電を防止することができる。
【0126】
また、蓄電池および太陽電池の温度センサおよび温度検出素子を着脱自在とすることにより、ユーザの任意な選択によって、制御の精度と装置規模との調整が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に従う太陽電池電源装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】アモルファスシリコン太陽電池の代表的な電流−電圧特性および発電特性である。
【図3】この発明の実施の形態1に従う太陽電池電源装置における充電動作を説明するためのフロー図である。
【図4】この発明の実施の形態1に従う太陽電池電源装置における太陽電池の出力電圧(図4(a))および出力電流(図4(c))と、蓄電池の端子間電圧(図4(b))および充電電流(図4(d))との動作波形図である。
【図5】この発明の実施の形態2に従う太陽電池電源装置の構成を概略的に示す図である。
【図6】この発明の実施の形態2に従う太陽電池電源装置における充電動作を説明するためのフロー図である。
【図7】この発明の実施の形態3に従う太陽電池電源装置の構成を概略的に示す図である。
【図8】この発明の実施の形態3に従う太陽電池電源装置における充電動作を説明するためのフロー図である。
【図9】従来の太陽電池電源装置の一例の構成を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1 太陽電池群、1a 太陽電池素子、2 蓄電池、3 蓄電池電圧センサ、4 スイッチングレギュレータ、5 スイッチング素子、6 PWM制御回路、7 負荷、8 リレースイッチ、9 逆止ダイオード、10 太陽電池電圧センサ、11 制御回路、12 太陽電池温度センサ、12a 太陽電池温度検出素子、13 蓄電池温度センサ、13a 蓄電池温度検出素子。
Claims (7)
- 太陽電池の出力電力を蓄電池に充電する太陽電池電源装置であって、
前記太陽電池の出力電圧と前記蓄電池の端子間電圧とをそれぞれ第1の所定電圧と第2の所定電圧とに制御するためのスイッチングレギュレータ回路と、
前記スイッチングレギュレータ回路のスイッチングを制御するための制御信号を供給する制御回路と、
前記太陽電池の出力電圧を検出する太陽電池電圧検出回路と、
前記蓄電池の端子間電圧を検出する蓄電池電圧検出回路とを備え、
前記制御回路は、
前記蓄電池電圧検出回路にて検出した端子間電圧と第3の所定電圧とを比較して、前記端子間電圧が前記第3の所定電圧未満であると判断したときには、前記太陽電池の出力電圧が前記第1の所定電圧となるように前記スイッチングレギュレータ回路に前記制御信号を供給する手段と、
前記端子間電圧が前記第3の所定電圧以上であると判断したときには、前記端子間電圧が前記第2の所定電圧となるように前記スイッチングレギュレータ回路に前記制御信号を供給する手段とを備える、太陽電池電源装置。 - 前記第1の所定電圧は、前記太陽電池の出力電力が最大となるときの最適動作電圧とし、
前記第2の所定電圧は、前記蓄電池を満充電後においてさらに補充電するときの前記蓄電池の端子間電圧とし、
前記第3の所定電圧は、前記蓄電池が満充電されたときの端子間電圧とする、請求項1に記載の太陽電池電源装置。 - 前記制御回路は、
前記第1〜第3の所定電圧の入力手段と、
前記太陽電池および前記蓄電池の実動作時における予想温度の入力手段と、
前記予想温度に基づいて前記第1〜第3の所定電圧を温度補正する手段とを備える、請求項2に記載の太陽電池電源装置。 - 前記制御回路は、
前記第1〜第3の所定電圧の入力手段と、
前記太陽電池の実動作時の温度を検出する太陽電池温度検出回路と、
前記蓄電池の実動作時の温度を検出する蓄電池温度検出回路と、
前記太陽電池温度検出回路および前記蓄電池温度検出回路にて検出した温度情報に基づいて前記第1〜前記第3の所定電圧を温度補正する手段をさらに備える、請求項2に記載の太陽電池電源装置。 - 前記太陽電池温度検出回路および前記蓄電池温度検出回路は着脱自在とする、請求項4に記載の太陽電池電源装置。
- 前記制御回路は、前記スイッチング制御に先立って、
前記蓄電池電圧検出回路にて前記蓄電池の端子間電圧を検出し、
前記太陽電池電圧検出回路にて太陽電池の出力電圧を検出し、
検出した前記蓄電池の端子間電圧と前記太陽電池の出力電圧とを照合して、前記蓄電池と前記太陽電池との適合性を判断する手段をさらに備える、請求項1に記載の太陽電池電源装置。 - 前記蓄電池が過放電しているときの端子間電圧に相当する第4の所定電圧の入力手段と、
前記蓄電池と負荷とを電気的に結合/分離するためのスイッチ手段とをさらに備え、
前記制御回路は、
前記蓄電池電圧検出回路にて検出した前記蓄電池の端子間電圧が、前記第2の所定電圧以上であると判断すると、前記スイッチ手段をオン状態に駆動して前記蓄電池と前記負荷とを電気的に結合し、
前記蓄電池の端子間電圧が前記第4の所定電圧以下であると判断すると、前記スイッチ手段をオフ状態に駆動して前記蓄電池と前記負荷とを電気的に分離する、請求項2に記載の太陽電池電源装置。
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