JP2004164308A - コンピュータグラフィックスによる海面表現方法 - Google Patents

コンピュータグラフィックスによる海面表現方法 Download PDF

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Takashi Ito
貴志 伊藤
Takeshi Kaneko
武嗣 金子
Toshimi Abe
聡美 阿部
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Abstract

【課題】本発明の課題は、3次元テクスチャを海面表現に適用することができ、海面の状況をよりリアルに表現することができるコンピュータグラフィックスによる海面表現方法を提供することにある。
【解決手段】本発明は、リアルタイムで海面に生じる波の映像を発生させるコンピュータグラフィックスによる海面表現方法において、白波を順次多くした2枚以上の海面の2次元テクスチャをテクスチャ座標系の高さ方向に順次配置することにより海面用3次元テクスチャを作成し、作成した海面用3次元テクスチャの高さ方向の座標の値を、3次元波の海面ポリゴンの海面の高さの各頂点に対応させて海面用3次元テクスチャを海面ポリゴンに貼り付けることを特徴とする。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はリアルタイムで海面に生じる波の映像を発生させるリアルタイムコンピュータグラフィックスによる海面表現方法に関する。
【0002】
本発明は、海面の表現が重要な要素となる乗り物に関する操縦訓練、戦闘訓練、各種教育、研究開発等に必要なシミュレーションシステムに用いることができる。
【0003】
【従来の技術】
図7は従来の2次元テクスチャの貼り付けを示す説明図である。すなわち、2次元テクスチャの貼り付けは、図7に示すように、1枚の海面模様の2次元テクスチャ11を、海面のポリゴン12に貼り付けるものである。ここで、テクスチャとは、コンピュータグラフィックスで、物体の表面の質感を表現するために貼り付ける画像をいい、テクスチャを物体表面に貼り付けることをテクスチャマッピングという。また、ポリゴンとは、直訳すると「多角形」であり、一般的には立体は多角形の平面であるポリゴンを張り合わせて作り上げるものであり、秒間何百ポリゴンと言うのは1秒間に何枚の板を表示できるかと言う単位である。
【0004】
図8は従来のテクスチャアニメーションを示す説明図である。すなわち、テクスチャアニメーションは、図8に示すように、海面模様の2次元テクスチャ11を海面のポリゴン12に貼り付け、一定時間間隔で海面模様の2次元テクスチャ11……11を切り替えて海面のポリゴン12に貼り付け、アニメーションさせることによって白波の発生を表現するものである。テクスチャアニメーションは2次元テクスチャの貼り付け方法に比べ、海面の模様に変化をつけられる。
【0005】
図9は2次元テクスチャの手法を示す説明図である。すなわち、ポリゴンをスクリーン上に描画する際、ポリゴンの各頂点に設定したuv座標から、描画するピクセルのuv座標を補間して求め、その座標値のテクセルをピクセルの色とする。ここで、テクセルとは、テクスチャ画像での1画素のことを示す。
【0006】
図10は2次元テクスチャにより表現された海面をディスプレイ上に表示した中間画像である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の2次元テクスチャの貼り付けの問題点を以下に示す。
【0008】
▲1▼ 海面に対して、白波が波の頂点で発生するとは限らない。
【0009】
▲2▼ 波の模様の変化を表現することが出来ない。
【0010】
▲3▼ 同じテクスチャを繰り返し貼り付けるので、繰り返しの模様が目立ち、違和感が生じる。
【0011】
上記の理由から、白波の状態により海面状況を判断する訓練システムにおいては不十分である。
【0012】
また、従来のテクスチャアニメーションの問題点を以下に示す。
【0013】
▲1▼ 模様の変化をスムーズに表現するためには多くのテクスチャと、処理能力の高いハイスペックなマシンが必要となる。
【0014】
▲2▼ アニメーションする基準が波高や海面の荒さに関係していない。
【0015】
▲3▼ シーステート毎にテクスチャを変えることで海面の変化を表現しなければならず、膨大な量のテクスチャを用意する必要がある。ここで、シーステートとは、海洋波を「風浪」と「うねり」に分けた場合の「風浪」の平均波高(1/3有義波高に相当)をクラス分けしたものである。
【0016】
▲4▼ 海面全体が同時にアニメーションするので、繰り返しの模様が目立ち、違和感が生じる。
【0017】
上記の理由から、白波の状態により海面状況を判断する訓練システムにおいては不十分である。
【0018】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、3次元テクスチャを海面表現に適用することができ、海面の状況をよりリアルに表現することができるコンピュータグラフィックスによる海面表現方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、リアルタイムで海面に生じる波の映像を発生させるコンピュータグラフィックスによる海面表現方法において、白波を順次多くした2枚以上の海面の2次元テクスチャをテクスチャ座標系の高さ方向に順次配置することにより海面用3次元テクスチャを作成するステップと、前記ステップで作成した海面用3次元テクスチャの高さ方向の座標の値を、3次元波の海面ポリゴンの海面の高さの各頂点に対応させて海面用3次元テクスチャを海面ポリゴンに貼り付けるステップとよりなることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態例を詳細に説明する。
【0021】
図1は本発明の実施形態例に係る3次元テクスチャの手法を示す説明図である。すなわち、3次元空間ポリゴンをスクリーン上に描画する際、ポリゴンの各頂点に設定したuvw座標から、描画する目的のピクセルのuvw座標を補間して求め、その座標値のボクセルをピクセルの色とする。ここで、ボクセルとは、テクセルの概念を3次元に拡張したものを指し、3次元テクスチャ画像での1画素のことを示す。ここで、3次元テクスチャとは、3次元コンピュータグラフィックスで、物体の表面の質感を表現するために貼り付ける画像をいい、テクスチャを物体表面に貼り付けることをテクスチャマッピングという。同じ立方体のグラフィックでも、金属のテクスチャを貼り付ければ金属片に見え、木目のテクスチャを貼り付ければ木片に見える。また、ポリゴンとは、直訳すると「多角形」であり、一般的には立体は多角形の平面であるポリゴンを張り合わせて作り上げるものであり、秒間何百ポリゴンと言うのは1秒間に何枚の板を表示できるかと言う単位である。この数が大きいと当然再現性が良くなる。この方式の利点としては、3次元空間ポリゴンの頂点の座標を指定してやるだけで良いので、3次元空間を容易に表現できることである。ポリゴン数を増やすと当然座標計算に時間がかかるのでそれだけマシンパワーを必要とする。
【0022】
図2は本発明の実施形態例に係る3次元テクスチャの機能を示す説明図である。すなわち、3次元テクスチャとは、2枚以上の2次元テクスチャ20a,20b,………,20nをテクスチャ座標系(u,v,w)の高さ方向(w)に3次元的に重ねることで、3次元データ(ボリュームデータ)を可視化する機能である。
【0023】
図3は本発明の実施形態例に係る海面用3次元テクスチャを示す説明図である。すなわち、3次元テクスチャの3次元波への適用において、先ず図3に示すように海面用の3次元テクスチャを作成する。海面用3次元テクスチャは複数の海面の2次元テクスチャa,b,c,dをテクスチャ座標系(u,v,w)の高さ方向(w)に3次元的に重ねて構成される。この場合、2次元テクスチャaが最も白波の少ない海面を表し、2次元テクスチャb,2次元テクスチャcと順次白波が多くなる海面を表し、2次元テクスチャdが最も白波の多い海面を表すように配置する。
【0024】
図5は本発明の実施形態例に係る海面用3次元テクスチャをディスプレイ上に表示した中間画像である。
【0025】
図4は本発明の実施形態例に係る3次元テクスチャの3次元波への適用を示す説明図であり、図3,図5に示す3次元テクスチャの高さ方向(w座標の値)を、3次元波のポリゴンの海面の高さに対応させる。すなわち、リアルタイムで海面に生じる波の映像を発生させるリアルタイムコンピュータグラフィックスによる海面表現方法において、白波を順次多くした2枚以上の海面の2次元テクスチャをテクスチャ座標系の高さ方向に順次配置することにより、海面用3次元テクスチャを作成し、作成した海面用3次元テクスチャの高さ方向の座標の値を、3次元波の海面ポリゴンの海面の高さの各頂点に対応させて海面用3次元テクスチャを海面ポリゴンに貼り付ける。
【0026】
したがって、一つの3次元テクスチャで、様々なシーステートに対応することができる。また、海面の高さを3次元テクスチャのw座標と対応させることによって、波の高さによって海面の模様を変化させることができる。なお、各2次元テクスチャ間は補間して描画されるため、海面の模様はスムーズに変化する。
【0027】
図6は本発明の実施形態例に係る3次元テクスチャにより表現された海面の変化をディスプレイ上に表示した中間画像である。
【0028】
なお、本発明の実施形態例に係るコンピュータグラフィックスによる海面表現方法の具体的適用例として、操船シミュレータ、海難救助訓練システム、ヘリの洋上訓練シミュレータ等がある。
【0029】
本発明の実施形態例に係る3次元テクスチャを海面表現に適用することで、以下の利点が得られる。
【0030】
▲1▼ 図6(a)〜(d)に示すように3次元テクスチャを海面表現に適用することにより波や風の状態に基づいた白波をリアルタイムで表現できる為、図10に示すように2次元テクスチャを海面表現に適用するものと比較し、よりリアルな海面の状況、白波の発生が、ローコストで実現できる。また、時間、波高によって海面に変化をつけることができる。
【0031】
▲2▼ テクスチャの作成方法次第では、様々なシーステートを1つの3次元テクスチャで表現することが可能である。
【0032】
▲3▼ 波高に応じて海面の変化を表現できる為、テクスチャの繰り返しが目立たない。
【0033】
▲4▼ 処理が軽く、一般市販のパソコン(PC)で十分に対応可能であるため、システム全体の低価格化を可能にできる。
【0034】
▲5▼ 海面の状況をよりリアルに表現することができるため、白波の状況で判断を要する訓練等をより効率的に行うことができる。
【0035】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、3次元テクスチャを海面表現に適用することができ、海面の状況をよりリアルに表現することができるコンピュータグラフィックスによる海面表現方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例に係る3次元テクスチャの手法を示す説明図である。
【図2】本発明の実施形態例に係る3次元テクスチャの機能を示す説明図である。
【図3】本発明の実施形態例に係る海面用3次元テクスチャを示す説明図である。
【図4】本発明の実施形態例に係る3次元テクスチャの3次元波への適用を示す説明図である。
【図5】本発明の実施形態例に係る海面用3次元テクスチャを構成する各2次元テクスチャをディスプレイ上に表示した中間画像である。
【図6】本発明の実施形態例に係る3次元テクスチャにより表現された海面の変化をディスプレイ上に表示した中間画像である。
【図7】従来の2次元テクスチャの貼り付けを示す説明図である。
【図8】従来のテクスチャアニメーションを示す説明図である。
【図9】2次元テクスチャの手法を示す説明図である。
【図10】2次元テクスチャにより表現された海面をディスプレイ上に表示した中間画像である。
【符号の説明】
11 海面模様の2次元テクスチャ
12 海面のポリゴン
20a,20b,………,20n 2次元テクスチャ

Claims (1)

  1. リアルタイムで海面に生じる波の映像を発生させるコンピュータグラフィックスによる海面表現方法において、
    白波を順次多くした2枚以上の海面の2次元テクスチャをテクスチャ座標系の高さ方向に順次配置することにより海面用3次元テクスチャを作成するステップと、
    前記ステップで作成した海面用3次元テクスチャの高さ方向の座標の値を、3次元波の海面ポリゴンの海面の高さの各頂点に対応させて海面用3次元テクスチャを海面ポリゴンに貼り付けるステップと
    よりなることを特徴とするコンピュータグラフィックスによる海面表現方法。
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