JP2004162649A - 燃料ガスの燃焼性検知方法及び装置及びガス燃料内燃機関 - Google Patents

燃料ガスの燃焼性検知方法及び装置及びガス燃料内燃機関 Download PDF

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恭弘 森田
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Abstract

【課題】燃料ガスの燃焼性の監視を連続的に行いオンライン監視を可能として機器の制御や警報、燃料成分調整を即時に可能とする燃料ガスの燃焼性検知装置を提供する。
【解決手段】燃料ガスの熱伝導率を測定する熱伝導率計21と、予め測定された燃料ガスと同一成分の熱伝導率と燃焼指数との関係を測定した検量線を記憶する記憶手段22と、熱伝導率計21からの信号と記憶手段22に記憶された検量線とから燃焼指数を求め、この燃焼指数に基づいて燃焼性を算出する演算手段23とを備えた構成としたものである。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にメタンを主成分とした燃料ガスの燃焼性検知方法及び燃焼性検知装置及びガス燃料内燃機関に関するものである。
【0002】
【関連する背景技術】
液化天然ガス(LNG)は、定置式の貯槽や車載燃料容器に貯蔵して使用するような形態の場合、外部からの入熱によりメタン分が先に蒸発して相対的にプロパンやブタン等の割合が増加し、経時的に成分が変化してしまう。燃料ガスの成分が変化すると燃焼性も変化し、燃焼装置や内燃機関等の機器の出力特性に影響を及ぼしてしまう。例えば、燃焼装置では燃焼温度や排ガス性能が変化し、内燃機関ではノッキング性能や排ガス特性が変化し、機器の設計温度や設計強度を超えると破損してしまう。このため、予め燃料ガスの燃焼性を監視し、その変化に応じて機器の燃焼制御を変化させたり、燃料ガスの成分を調整する必要がある。
【0003】
天然ガスは、メタンを主成分とするガスで、硫黄分、その他の不純物を含まないため、燃焼してもSOxや煤を発生せず、COの排出量も石油に比べて数割少ないクリーンなエネルギである。このため環境に優しい自動車として天然ガス自動車(NGV)が世界各国で普及し始めてきている。天然ガス自動車の構造は、基本的に液化石油ガス(LPG)自動車、ガソリン車と同じであり、異なるのは燃料系だけである(非特許文献1参照)。
【0004】
天然ガス自動車は、燃料の貯蔵方式により天然ガスを気体のまま、高圧(20MPa)でガス容器に貯蔵するタイプの圧縮天然ガス自動車(CNG自動車)、天然ガスを液体(−162℃)にして、超低温容器に貯蔵するタイプの液化天然ガス自動車(LNG自動車)がある。
ガス燃料エンジンの場合、燃料ガスの組成に依存してノッキングを生じ、エンジンの燃焼系部品の損傷に繋がる虞があるため、これを回避することが重要な技術的課題とされている。エンジン用燃料の耐ノッキング性を表す指標については種々提案されているが、これらの指標は、ガスエンジンを対象とした場合、ノッキングの発生を予測するには不十分であることが経験されている。これは、複数の成分から構成されるガス燃料が極めて複雑な燃焼特性を示すこと、エンジンの設計因子や運転条件が関連するためであり、これらの影響因子の詳細な調査・解明が必要とされている。
【0005】
【非特許文献1】
自動車工学全書編集委員会編者「自動車工学全書4巻」 株式会社山海堂出版
6章燃料供給装置6.7LPG燃料供給装置 頁205〜207
【特許文献1】
特開平8−201327号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来、天然ガスの燃焼性の監視は、機器に入る前の燃料ガスを採取してガスクロマトグラフ法等を用いて成分分析を行うという非連続的な方法であり、オフライン監視となっていた。このため、機器の制御や燃料ガスの調整に時間が掛かり、燃料組成の変動に対して即時制御ができず、ノッキング予防のために機器の出力を制御して運転したり、排ガス特性が悪化したりする等機器の性能を十分に発揮できなかった。
【0007】
ガス燃料自動車においては、ノッキング対応は、ガソリンエンジンと同様にノッキングセンサを使用してノッキングが発生した後に燃料噴射量、点火時期等の制御を行うためエンジンが破損する場合がある。また、ノッキングが発生してもエンジンが破損しないように、又はノッキングが発生しないようにエンジン出力を抑制して運転する必要があり(例えば、定格出力の70%等)、また、燃料ガスの発熱量の変化は、排ガス中の酸素濃度を酸素センサで検知し、又は事前に燃料組成を分析して検知する必要がある一方、燃料ガスは成分が時々刻々と変化するため、燃料ガスがエンジンに供給されるときには燃料成分が大幅に変化しており、エンジン性能を十分に発揮することができなくなる。従って、ガス燃料エンジンにおいては、燃料ガスの燃焼性をエンジンに供給される直前において検知することが好ましい。
【0008】
一方、本願出願人は、プラント等の定置式装置において天然ガスの混合比を測定するために熱伝導率からガスの発熱量を検知する検知装置に使用するべく高応答性、長寿命、且つ高精度で熱伝導率を測定することが可能な熱伝導率計を提案している(特許文献1参照)。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、燃料ガスの燃焼性の監視を連続的に行いオンライン監視を可能として機器の制御や警報、燃料成分調整を即時に可能とする燃料ガスの燃焼性検知方法及び装置及びガス燃料内燃機関を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、燃料ガスの熱伝導率を測定し、この測定値と前記燃料ガスと同一成分の熱伝導率と燃焼指数との関係を測定した検量線とから燃焼指数を求めることにより燃焼性を検知することを特徴としている。
【0010】
請求項2の発明は、燃料ガスの熱伝導率を測定する熱伝導率計と、予め測定された前記燃料ガスと同一成分の熱伝導率と燃焼指数との関係を測定した検量線を記憶する記憶手段と、前記熱伝導率計からの信号と前記記憶手段に記憶された検量線とから燃焼指数を求め、この燃焼指数に基づいて燃焼性を算出する演算手段とから成ることを特徴としている。
【0011】
請求項3の発明は、燃料ガスの熱伝導率を測定する熱伝導率計と、予め測定された前記燃料ガスと同一成分の熱伝導率とノッキング指標との関係を測定した検量線を記憶する記憶手段と、前記熱伝導率計からの信号と前記記憶手段に記憶された検量線とからノッキング指標を求め、このノッキング指標に基づいて燃焼性を算出する演算手段とから成ることを特徴としている。
【0012】
請求項4の発明は、ガス燃料内燃機関であって、請求項3に記載の燃焼性検知装置を備え、前記演算手段からの信号に基づいて燃焼を制御することを特徴としている。
燃料ガスと同一成分の液化天然ガスの熱伝導率と燃焼指数との関係を予め測定して得られた検量線のデータを記憶手段に記憶しておき、熱伝導率計により検出した熱伝導率に応じた信号と前記メモリに記憶されている検量線のデータとから、演算手段により前記燃焼指数を求めて燃焼性を算出する。これにより、機器の制御や警報、燃料成分調整を即時に可能となり、内燃機関における耐ノッキング性を向上させることが可能となる(請求項1、2)。
【0013】
燃焼性検知装置は、燃料ガスと同一成分のガスの熱伝導率と燃焼指数としてのノッキング指標との関係を予め測定して得られた検量線のデータを記憶している記憶手段と、熱伝導率計からの熱伝導率に応じた信号と前記記憶手段に記憶されている検量線のデータとからノッキング指標を求めて燃焼性を算出する演算手段を備えており、算出した燃焼性に応じた信号を出力する(請求項3)。
【0014】
前記燃焼性検知装置を備えたガス燃料内燃機関は、前記燃焼性検知装置により燃料配管中を流れる燃料ガスの燃焼性をリアルタイムで検知し、演算手段から入力される燃焼性を表す信号に基づいて燃焼室に供給される直前の燃料ガスの燃焼性を検知してノッキングの発生を未然に防止する。これにより、ノッキングの発生に配慮することなく必要な出力を確保することが可能となる(請求項4)。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る燃焼ガスの燃焼性検知方法について説明する。
天然ガスは、世界各地に存在しており、産地により組成(成分)が多少異なるが、メタン(CH)を主成分とし、エタン(C)、プロパン(C)、ブタン(C10)から成る混合ガスで、その割合は、大凡メタン:エタン:プロパン:ブタン=90:6:3:1になっている。
【0016】
そこで、本願発明者らは、液化天然ガスの主成分であるメタン(CH)に着目して、熱伝導率計(特許文献1参照)を用いて熱伝導率とメタン濃度、及び熱伝導率と発熱量との関係について実験し検証した結果、極めて良好な相関関係があることが判明した。試料の液化天然ガスとして我が国への代表的な供給国であるブルネイ、インドネシア、マレーシア及びオーストラリアの各産地の液化天然ガスを選定し、これらの液化天然ガスについて上記実験及び検証を行った。
【0017】
図1(a)はブルネイ産液化天然ガスの熱伝導率―メタン濃度との関係を示す特性図、同図(b)は熱伝導率―発熱量の関係を示す特性図である。図2(a)はマレーシア産液化天然ガスの熱伝導率―メタン濃度との関係を示す特性図、同図(b)は熱伝導率―発熱量の関係を示す特性図である。図3(a)はインドネシア産液化天然ガスの熱伝導率―メタン濃度との関係を示す特性図、同図(b)は熱伝導率―発熱量の関係を示す特性図である。図4(a)はオーストラリア産液化天然ガスの熱伝導率―メタン濃度との関係を示す特性図、同図(b)は熱伝導率―発熱量の関係を示す特性図である。
【0018】
これらの特性図から、液化天然ガスの主成分であるメタンの熱伝導率とメタン濃度、熱伝導率と発熱量は、何れも直線関係にあり、メタン濃度が高くなるに伴い熱伝導率が直線的(線形)に増加し、発熱量が低くなるに伴い熱伝導率が直線的(線形)に増加することが判明した。各図中のプロットは、メタンの熱伝導率―メタン濃度、熱伝導率―発熱量の関係を、ガスクロマトグラフ法を用いて実測した値で、熱伝導率計により測定した直線と一致している。従って、各特性図における直線を検量線として使用することができる。
【0019】
そして、燃料ガスとしての液化天然ガスと同一成分の液化天然ガスの熱伝導率と燃焼指数としてのメタン価、オクタン価、ノッキング指標等との関係を予め測定して得られた検量線のデータをメモリに記憶しておき、熱伝導率計により検出した熱伝導率に応じた信号と前記メモリに記憶されている検量線のデータとから、演算手段により前記メタン価、オクタン価、ノッキング指標を求めて燃焼性を算出することが可能となる。
【0020】
従って、燃料ガスの熱伝導率を測定することにより、メタン価、オクタン価、ノッキング指標等の燃焼指数を求めることが可能となり、機器の制御や警報、燃料成分調整を即時に可能となり、内燃機関における耐ノッキング性を向上させることが可能となる。
ところで、自動車用液体燃料の火花点火内燃機関の耐ノッキング性を表す尺度(ノッキング指標)としてオクタン価が使用されているが、オクタン価は、ガソリン内燃機関用燃料(ガソリン)のために考案された尺度であり、ガス燃料内燃機関用燃料ガスの尺度として使用するには以下のような理由により難点がある。
【0021】
即ち、オクタン価は、上限が120までしか規定されておらず、純メタンや二酸化炭素を多量に含む下水消火ガスの場合オクタン価は120以上となるため、正式なオクタン価の決定ができない。大抵のガス燃料のオクタン価は100以上となり、ノッキング性に大差ないように見えるが、実際にはノッキング特性には相当の差があり、ガソリン用の尺度であるオクタン価は必ずしもガス燃料の尺度として適当でない。
【0022】
そこで、ガス燃料エンジンの耐ノッキング性を表す尺度としてメタン価が提唱されている。このメタン価としてのガス燃料の新たなノッキング指標(以下「新ノッキング指標」という)は、サンプルガスと同等のノッキング性を有するモデルガス組成を明示するガス型の指標である。
メタン価の決定方法は、オクタン価の決定法と同様であるが、使用する標準燃料が異なる。標準燃料として、メタン、水素を使用し、ノッキングを起こし難い(標準アンチノックガス組成)メタンのメタン価を100とし、ノッキングを起こし易い(標準プロノックガス組成)水素のメタン価を0として、メタン価が100以上となる場合は、標準燃料としてメタン、二酸化炭素混合ガスを使用し、ノッキングを起こしたときの標準燃料中の炭酸ガス容積百分率に100を加えてメタン価とする。例えば、ノッキング発生時の標準燃料組成がメタン70%、炭酸ガスが30%であれば、メタン価は130となる。
【0023】
また、上記ガス燃料の新ノッキング指標として標準アンチノックガス組成にメタンを、標準プロノックガス組成にn―ブタンを選択し、更に、希薄燃焼ガスエンジンが近年広く使用されつつあり、空気過剰率がノッキング性に及ぼす影響が大きいことから、空気過剰率の影響も考慮した場合、新ノッキング指標NGKI(Natural Gas Knocking Index)は、次式で表される。
【0024】
NGKI=λ×0.125×[H]+0.20×[C]+0.38×[C]+1.00×[n−C10]+0.85×[i−C10
ここに、λは、空気過剰率で、λ=(吸入空気量/燃料ガスの理論空気量)で表される。また、[ ]は、各成分の容積百分率(%)を表す。
この新ノッキング指標(NGKI)が適用されるガス燃料内燃機関の空気過剰率λは、理論混合比(三元触媒使用)から、希薄燃焼範囲まで、1.0≦λ≦約2.4とされる。
【0025】
そして、本願発明においては、オクタン価(ノッキング指標)、メタン価(新ノッキング指標)を含めて燃焼指数と定義し、オクタン価、メタン価、発熱量等の機器の制御に必要となる燃料ガスの指数を燃焼性と定義することとする。
図5は、液化天然ガス(LNG)を燃料とする内燃機関の実施形態を示し、内燃機関としてのガスエンジン1は、前述したように基本的にガソリンエンジンと同じであり、異なるのは燃料系だけである。ガスエンジン1のシリンダ2の燃焼室3に連通する吸気通路5には、吸気弁7とスロットル弁9との間に電磁式燃料噴射弁11が配設され、スロットル弁9の上流には、吸入空気量を検出するエアフローセンサ12、吸入空気の温度を検出する温度センサ13が設けられており、排気通路6には排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサ14が設けられている。
【0026】
液化天然ガスを貯溜する燃料ガス容器15は、燃料配管16を通して気化装置17、燃料配管18を通して燃料噴射弁11に接続されており、燃料配管18には、燃料噴射弁11の直ぐ上流位置に燃焼性検知装置20が設けられている。燃料ガス容器15から燃料配管16に送給された液化天然ガスは、気化装置17により気化されてガス状となり、燃料配管18を通して燃料噴射弁11から燃焼室3に噴射される。
【0027】
燃焼性検知装置20は、図6に示すように熱伝導率計21、記憶手段としてのメモリ(ROM)22、演算手段としての燃焼性演算部23を備えている。熱伝導率計21は、測定対象ガスとしての燃料ガスの給送通路18に配置された測温抵抗体25、温度センサ26、抵抗R1、R2、R3、恒温槽27、恒温槽ヒータ28、恒温槽温度制御回路29、比較器31、熱伝導率演算部32から成り、測温抵抗体25と抵抗R1〜R3により恒温槽27内でホイートストンブリッジが組まれている(特許文献1参照)。
【0028】
測温抵抗体25は、シリコンナイトライド(SiN)、白金(Pt)、シリコンナイトライドの三層構造の基台30上に形成されたダイヤフラム部に作り込まれている。前記ダイヤフラム部にはスリットが多数形成されており、前記ダイヤフラム部の下には空間が設けられている。そして、基台30上に測温抵抗体25に近接して温度センサ26が設けられている。
【0029】
燃料ガスが測温抵抗体25に給送されると、その熱伝導率に比例した熱を測温抵抗体25から奪う。抵抗R1と測温抵抗体25との接続点に生じる電圧は、比較器31の反転入力へ、抵抗R2とR3との接続点に生じる電圧は、比較器31の非反転入力に加えられる。比較器31は、これらの抵抗R1と測温抵抗体25との接続点に生じる電圧と抵抗R2とR3との接続点に生じる電圧とが等しくなるように測温抵抗体25へ流れる電流iを制御して、測温抵抗体25の抵抗値を一定に保つ。これにより、測温抵抗体25の発熱温度が一定値に保たれると共に、出力電圧Vが変化する。
【0030】
温度センサ26は、恒温槽27の温度を計測し、この計測温度に基づいて恒温槽温度制御回路29が恒温槽ヒータ28への電力を制御して、基台30の周囲温度を一定値に保持する。熱伝導率演算部31は、入力される電圧Vを所定の演算式に基づいて演算し、燃料ガスの熱伝導率λmを算出する。このように、熱伝導率計21は、基台30の周囲温度を一定値に保持し且つ発熱量を一定値に保持した状態で測温抵抗体25への電流の供給量に基づいて測温抵抗体25に給送される燃料ガスの熱伝導率λmをリアルタイムで求めることができる。
【0031】
メモリ22には燃料ガス(液化天然ガス)と同一成分の液化天然ガスの熱伝導率と燃焼指数としての前記新ノッキング指標との関係を予め測定して得られた検量線のデータ、メタン価、オクタン価、発熱量等との関係を予め測定して得られた検量線のデータ等が記憶されている。
燃焼性演算部23は、メモリ22に格納されている検量線の中から所定の検量線例えば、前記新ノッキング指標の検量線のデータを読み出し、熱伝導率演算部31から入力される熱伝導率λmに基づいて新ノッキング指標を求め、当該新ノッキング指標に基づいて燃焼性を算出して対応する燃焼性信号を出力する。
【0032】
以下に作用を説明する。
電子制御装置(ECU)35は、エンジン回転センサ(図示せず)から入力される信号とエアフローセンサ12から入力される信号とにより、エンジン回転数Neと吸入空気量Vaに応じた燃料噴射量Qを算出し、温度センサ13からの信号により前記燃料噴射量Qを温度補正して燃料噴射量Q’を算出し、当該燃料噴射量Q’に応じて燃料噴射弁11を制御すると共に点火プラグ10の点火時期を制御する。また、電子制御装置35は、酸素センサ14からの信号に応じて空燃比のフィードバック制御を行い、排気ガス成分を三元触媒により浄化させる。
【0033】
燃焼性検知装置20は、燃料配管18中を流れる燃料ガスの燃焼性(性質)をリアルタイムで検知することができ、電子制御装置35は、燃焼性検知装置20から入力される燃焼性を表す信号に基づいて燃焼室3に噴射供給される直前の燃料ガスの性質を検知して、ノッキングが起きる前に点火プラグ10の点火時期を遅角制御し、ノッキングの発生を未然に防止する。これにより、ノッキングの発生に配慮することなく、必要なエンジン出力を確保することが可能となる。
【0034】
また、電子制御装置35は、燃焼室3に噴射される直前(燃料ガスの燃焼前)に燃焼性としての発熱量の変化を検知することが可能であるために、即時に燃料噴射量を制御することが可能であり、点火時期制御に代えて燃料噴射弁11を制御して燃料ガスの噴射量を少なくしてA/Fを大きくしてノッキングの発生を防止することもできる。
【0035】
また、吸気弁7及び排気弁8の開閉時期を連続的に制御可能な可変バルブ機構を備えたガスエンジンにおいては、上述したように点火時期制御に代えて吸気弁の閉弁時期を遅らせるようにしてもよい。更に、スロットル弁開度を自動制御可能なガスエンジンにおいては、点火時期制御や、燃料噴射量制御に代えてスロットル弁の開度を大きくしてA/Fを大きくするようにしてもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、燃料ガスの燃焼性を連続的に検知することができることで、オンライン監視が可能となり、燃焼装置等の機器の制御や警報、燃料成分調整がリアルタイムで可能となり、機器の性能を十分に発揮させることが可能となる(請求項1〜3)。
【0037】
また、請求項3の燃焼性検知装置をガス燃料内燃機関に適用することで、ノッキングが起きる前に燃料ガスの燃焼性を検知して、事前に点火時期を遅らせる等の制御が可能となり、ノッキングの発生に配慮することなく、必要な出力を発生させることが可能となる(請求項4)。更に、LNGの形態で貯蔵して燃料を供給する充填所への応用も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液化天然ガスの熱伝導率とメタン濃度、発熱量との関係を示す特性図で、図1(a)はブルネイ産液化天然ガスの熱伝導率―メタン濃度との関係を示す特性図、同図(b)は熱伝導率―発熱量の関係を示す特性図である。
【図2】液化天然ガスの熱伝導率とメタン濃度、発熱量との関係を示す特性図で、図2(a)はマレーシア産液化天然ガスの熱伝導率―メタン濃度との関係を示す特性図、同図(b)は熱伝導率―発熱量の関係を示す特性図である。
【図3】液化天然ガスの熱伝導率とメタン濃度、発熱量との関係を示す特性図で、図3(a)はインドネシア産液化天然ガスの熱伝導率―メタン濃度との関係を示す特性図、同図(b)は熱伝導率―発熱量の関係を示す特性図である。
【図4】液化天然ガスの熱伝導率とメタン濃度、発熱量との関係を示す特性図で、図4(a)はオーストラリア産液化天然ガスの熱伝導率―メタン濃度との関係を示す特性図、同図(b)は熱伝導率―発熱量の関係を示す特性図である。
【図5】本発明に係るガス燃料内燃機関の実施形態を示す構成図である。
【図6】図5に示す燃焼性検知装置の構成図である。
【符号の説明】
1 ガスエンジン(ガス燃料内燃機関)
2 シリンダ
3 燃焼室
10 点火プラグ
11 燃料噴射弁
12 エアフローセンサ
13 温度センサ
14 酸素センサ
15 燃料ガス容器
16、18 燃料配管
17 気化装置
20 燃焼性検知装置
21 熱伝導率計
22 メモリ(記憶手段)
23 燃焼性演算部(演算手段)
35 電子制御装置

Claims (4)

  1. 燃料ガスの熱伝導率を測定し、この測定値と前記燃料ガスと同一成分の熱伝導率と燃焼指数との関係を測定した検量線とから燃焼指数を求めることにより燃焼性を検知することを特徴とする燃焼ガスの燃焼性検知方法。
  2. 燃料ガスの熱伝導率を測定する熱伝導率計と、予め測定された前記燃料ガスと同一成分の熱伝導率と燃焼指数との関係を測定した検量線を記憶する記憶手段と、前記熱伝導率計からの信号と前記記憶手段に記憶された検量線とから燃焼指数を求め、この燃焼指数に基づいて燃焼性を算出する演算手段とから成ることを特徴とする燃焼ガスの燃焼性検知装置。
  3. 燃料ガスの熱伝導率を測定する熱伝導率計と、予め測定された前記燃料ガスと同一成分の熱伝導率とノッキング指標との関係を測定した検量線を記憶する記憶手段と、前記熱伝導率計からの信号と前記記憶手段に記憶された検量線とからノッキング指標を求め、このノッキング指標に基づいて燃焼性を算出する演算手段とから成ることを特徴とする燃焼ガスの燃焼性検知装置。
  4. ガス燃料内燃機関であって、請求項3に記載の燃焼性検知装置を備え、前記演算手段からの信号に基づいて燃焼を制御することを特徴とするガス燃料内燃機関。
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