JP2004160569A - ワイヤ放電加工機 - Google Patents

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Akihiko Imashiro
昭彦 今城
Kazuhiko Fukushima
一彦 福島
Masahiro Iesawa
雅宏 家澤
Takuji Magara
卓司 真柄
Ryogo Koba
亮吾 木場
Yoichi Otomo
陽一 大友
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Abstract

【課題】可動部の小型化・簡素化・軽量化を図り、ワイヤ放電加工を高速・高精度に行えるワイヤ放電加工機を提供する。
【解決手段】水平面内の所定位置においてワイヤ電極2を略鉛直方向に搬送するワイヤ電極搬送機構と、それぞれが回転自在に支持されると共に、伸縮自在な第1のリンク21および第2のリンク22を有し、上記第1および第2のリンクの連結部において被加工物1を水平に保持すると共に、上記ワイヤ電極2に対して上記被加工物1を水平面内の所望の位置に位置決めできるパラレルリンク機構を備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はワイヤ電極を用いた放電加工機の構造に係わり、さらに詳しくは、パラレルリンク機構を用いてワイヤ電極に対して被加工物の位置制御を行うことにより、被加工物を所望の形状に加工するワイヤ放電加工機に関する。
【0002】
【従来の技術】
図13は、例えば、特許文献1に示された従来の放電加工機の構造を説明するための図であり、図13(a)は上面図、図13(b)は側面図である。
図において、151はワイヤ電極、152は被加工物、101は被加工物152を載せるテーブル、102はワイヤ電極151を上方から支持するビーム部材(第1の電極支持ビーム)、103はこのビーム部材102を支持するコラム、104はこのコラム103をY軸方向(図13のY方向)に直動案内する直動案内機構、105はこの直動案内機構104ならびに上記コラム103を支持するサドルである。
また、106はこのサドル105をX軸方向(図13のX方向)に直動案内する直動案内機構、107はこの直動案内機構106ならびに上記サドル105を支持するベッドである。
【0003】
また、120はコラム103をY軸方向に駆動するためのボールねじ、121はボールねじ120に連結したサーボモータ、122はサドル105をX軸方向に駆動するためのボールねじ、123はボールねじ107に連結したサーボモータである。
また、109は加工液を満たす加工槽、110はこの加工槽109に取り付けられたシール板、150はコラム103で支持され、加工槽109内に突き出たワイヤ電極151を下方から支持する下部アームである。
【0004】
図13に示したように、従来の放電加工機では、サドル105をX軸方向に駆動することによって、ワイヤ電極151をX方向に位置決めする。
さらに、コラム103をY軸方向に駆動することによって、ビーム部材102に支持されたワイヤ電極151をY方向に位置決めする。
ベッド107、サドル105、コラム103およびビーム部材102はシリアルに結合されており、可動部となるサドル105およびコラム103およびその駆動機構などからなる制御機構(すなわち、ワイヤ電極を支持するビーム部材を位置決めするための制御機構)が大型化する。
【0005】
このため、可動部の機械共振周波数が低下することになり、可動部の位置制御(すなわち、ワイヤ電極の位置制御)においてサーボ帯域が制限される。
即ち、図13に示したような従来のシリアル機構による放電加工機では、放電加工時においてワイヤ電極の位置制御を高精度・高速度に行えない。
また、装置が大型になるので、製造コストが上がり、装置ユーザの設置床面積も増える。
また、図13に示したような従来のシリアル機構による放電加工機では、被加工物152とともに静止している加工槽109に対して、ワイヤ電極151をX方向に移動させる必要がある。
【0006】
このとき、ワイヤ電極151を下方から支持する下部アーム150は、加工槽109の一壁面に設けられた穴の中を移動する。
この穴から加工液が流出するのを防ぐために、加工槽109の穴が設けられた壁面に密着してシール板110が取り付けられている。
しかしながら、このシール板110と加工槽109の壁面との摺動抵抗によって、ワイヤ電極151の位置決め速度と精度が低下する。
この従来例では、シール板110の摺動抵抗を低減するため、ボールねじ122をシール板110に近づけて、モーメントアームを小さくする工夫をしているが、シール板110の摺動抵抗の影響を除去するまでには、至っていない。
【0007】
【特許文献1】
特開平12−107940号公報(図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の放電加工機では、一般的な工作機械と同様にXY直交軸の駆動系をシリアルに結合した機械構造体であるため、可動部(即ち、加工電極であるワイヤ電極を支持するビーム部材を位置決めするための制御機構)が大型化する。
そのため、可動部の機械共振周波数が低下し、可動部位置制御におけるサーボ帯域が制限されるため、放電加工時においてワイヤ電極の位置制御を高精度・高速度に行えないという問題点があった。
また、装置が大型になり、製造コストが上がるとともに、装置の設置床面積が増えるという問題点もあった。
さらに、被加工物を加工液の中に浸して放電加工する際に、シール板と加工槽壁面との摺動抵抗によって、ワイヤ電極の位置決め速度と精度が低下するという問題点もあった。
【0009】
この発明は、このような従来の放電加工機の問題点を解決するためになされたものであり、ワイヤ電極の水平面内位置を固定した状態で、被加工物をパラレルリンク機構で保持して位置決め制御することにより、可動部(即ち、被加工物の位置決め制御駆動部)の小型化・簡素化・軽量化を図り、その結果、可動部の機械共振周波数が高められて、サーボ帯域が拡大し、ワイヤ電極に対する被加工物の位置決め動作、およびワイヤ放電時における短絡回復動作を高速化し、ワイヤ放電加工を高速・高精度に行えるワイヤ放電加工機を提供することを目的とする。
【0010】
また、加工槽の加工液に被加工物を浸して放電加工する場合でも、パラレルリンクを加工槽の上方に配置し、パラレルリンク先端から被加工物を懸架することによって、可動部に対する加工液のシールを不要とし、シールによる摺動抵抗を防止して、位置決め動作を高速・高精度に行えるワイヤ放電加工機を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るワイヤ放電加工機は、水平面内の所定位置においてワイヤ電極を略鉛直方向に搬送するワイヤ電極搬送機構と、それぞれが回転自在に支持されると共に、伸縮自在な第1のリンクおよび第2のリンクを有し、上記第1および第2のリンクの連結部において被加工物を水平保持すると共に、上記ワイヤ電極に対して上記被加工物を水平面内の所望の位置に位置決めできるパラレルリンク機構を備えたものである。
【0012】
また、この発明に係るワイヤ放電加工機の上記パラレルリンク機構は、保持した被加工物の水平面内での回転を防止する回転防止機構を有したものである。
【0013】
また、この発明に係るワイヤ放電加工機は、被加工物に対する加工形状を極座標で表した加工形状データに基づいて、上記パラレルリンク機構を構成する第1および第2のリンクを連結する連結軸の中心と、上記第1および第2のリンクのそれぞれの旋回中心との距離を演算し、その演算結果に応じて上記第1および第2のリンクの長さを制御する制御装置を備えたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。
なお、各図間において、同一符号は同一あるいは相当のものを表す。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1によるワイヤ放電加工機の構成をX方向から見た側面図である。
また、図2は、図1に示した実施の形態1によるワイヤ放電加工機を上側から見た上面図である。
図1あるいは図2において、1は被加工物、2は被加工物1を放電加工により加工するワイヤ電極、6は被加工物1を載せる小型定盤、7は被加工物1を小型定盤6に固定するクランプ、11は小型定盤6を保持する連結軸、10は連結軸11を位置決めする伸縮リンク、3は伸縮リンク10を保持しながら旋回させる旋回リンク、12は図示しないボールねじを介して伸縮リンク10を旋回リンク3の中に引き込んだり、あるいは旋回リンク3から押し出して、伸縮リンク10の長さを調節・駆動するサーボモータである。
【0015】
また、13は旋回リンク3を保持する旋回保持部、4はワイヤ電極2を案内する上部ガイド、5はワイヤ電極2を案内する下部ガイド、17はワイヤ電極2を巻いたボビン、18はボビン17から引き出したワイヤ電極2にテンションを与えるテンションプーリ、16はワイヤ電極2を回収する回収ローラ、8はこの回収ローラ16で回収したワイヤ電極2を収納するワイヤ電極回収箱、9は被加工物1を浸漬する加工液、15は加工液9を貯める加工槽、19は加工槽15を支持するベッド、20はボビン17およびテンションプーリ18などを支持するコラムであり、このコラム20はベッド19によって支持されている。
なお、テンションプーリ18、上部ガイド4、下部ガイド5、回収ローラ16などによって、水平面内の所定位置においてワイヤ電極を略鉛直方向に搬送するワイヤ電極搬送機構が構成されている。
【0016】
次に動作について説明する。
ワイヤ電極2は下部ガイド5の下に配置された回収ローラ16の巻取り力によってボビン17から引き出され、テンションプーリ18でテンションを与えられた後、上部ガイド4に達する。
上部ガイド4の下には、被加工物1が配置されており、ワイヤ電極2に与えた電圧により、ワイヤ電極2と被加工物1との間に放電を発生せしめ、放電の熱によって被加工物1を加工する。
被加工物1の下には下部ガイド5が配置されており、ワイヤ電極2はこれら上部ガイド4と下部ガイド5によって、水平面内の所定の位置において鉛直方向に保持されることになる。
下部ガイド5を通過したワイヤ電極2は回収ローラ16を経て、ワイヤ電極回収箱8に収まる。
【0017】
ワイヤ電極2の搬送経路を構成する(即ち、ワイヤ電極搬送機構を構成する)ボビン17、 テンションプーリ18、上部ガイド4、下部ガイド5、回収ローラ16はベッド19およびコラム20によって支持されており、ワイヤ電極2の搬送経路は空間にほぼ固定されている。
なお、本実施の形態では、説明を省略しているが、上部ガイド4にXY平面内の微動軸(u軸、v軸)を設けて、ワイヤ電極2を傾けて被加工物1の加工断面にテーパをつけても良い。その場合、ワイヤ経路は多少変化することになる。
【0018】
一方、伸縮リンク10、旋回リンク3、サーボモータ12、旋回保持部13からなるリンクをライトアーム21と呼ぶ。
図1では、重なって見えないが、図2に示すように、ライトアーム21と同じ構成のレフトアーム22をY軸に関して対称に配置している。
なお、図2において、41はレフトアーム22の伸縮リンクであり、ライトアーム21の伸縮リンク10と同等のものである。
このように、第1のリンクであるライトアーム21と第2のリンクであるレフトリンク22が対となり、それぞれの端部(即ち、それぞれの伸縮リンクの端部)を連結軸11に結合することによって、2自由度のパラレルリンク機構を構成している。
【0019】
このように、第1のリンクであるライトアーム21と第2のリンクであるレフトリンク22が対となって、ライトアーム21およびレフトアーム22のサーボモータを駆動することにより、ライトアーム21の伸縮リンク10とレフトアーム22の伸縮リンク41の旋回リンクからの突き出し量(即ち、伸縮リンクの長さ)を変え、連結軸11をXY平面内の所望の座標に位置決めすることができる。
【0020】
連結軸11には、小型定盤6およびクランプ7によって被加工物1が水平に固定されており、レフトアーム22とライトアーム21で構成したパラレルリンク機構によって、被加工物1のXY面内の座標を所望の値に位置決めすることができる。
結局、固定されたワイヤ電極2の搬送経路に対し、被加工物1をレフトアーム22とライトアーム21で構成されたパラレルリンク機構で駆動して位置決めすることにより、被加工物1を所望の形状にワイヤ放電加工することになる。
【0021】
図3は、ライトアーム21とレフトアーム22の連結部の詳細構造を説明するための図であり、Y方向から見た正面図である。
図において、11は連結軸、43は連結軸11の内側に組み込まれた上側連結軸受、44は連結軸11の内側に組み込まれた下側連結軸受、45はこれらの上側連結軸受43および下側連結軸受44の内輪に固定された連結内部軸である。ライトアーム21の伸縮リンク10は連結軸11に固定されており、この連結軸11の内側に上側連結軸受43と下側連結軸受44が組み込まれている。
これらの上側連結軸受43と下側連結軸受44の内輪には、連結内部軸45が固定されており、連結内部軸45にはレフトアーム22の伸縮リンク41が固定されている。
【0022】
ライトアーム21とレフトアーム22の連結部をこのように構成することによって、ライトアーム21の伸縮リンク10とレフトアーム22の伸縮リンク41は、互いにZ軸(図2参照)周りに自在に旋回でき、しかも、連結軸11を所望のXY座標(即ち、水平面内の所望の位置)に位置決めできることになる。
連結軸11の下方には、小型定盤6が固定されており、この小型定盤6の上に被加工物1を載せて上からクランプ7で挟み込んで固定する。
被加工物1は、連結軸11と共に所望のXY座標(即ち、水平面内の所望の位置)に位置決めすることができる。
【0023】
以上説明したように、本実施の形態によるワイヤ放電加工機は、水平面内の所定位置においてワイヤ電極を略鉛直方向に搬送するワイヤ電極搬送機構と、それぞれが回転自在に支持されると共に、伸縮自在な第1のリンクおよび第2のリンクを有し、上記第1および第2のリンクの連結部において、被加工物を水平に保持すると共に、上記ワイヤ電極に対して上記被加工物を水平面内の所望の位置に位置決め制御するパラレルリンク機構を備えたことを特徴とする。
【0024】
従って、従来の図13に示したようなシリアル結合の直交XYZ位置決め機構に比べて、パラレルリンクにより可動部の質量を小さくでき、さらにワイヤ電極の水平面内位置を固定したままで被加工物を位置決めするため、ワイヤ電極搬送系を静止させて可動部から除外することができる。
その結果、可動部の小型・軽量化が図れて、機械共振周波数が高められてサーボ帯域が拡大して位置決め動作の高速・高精度化を行うとともに、ワイヤ放電における短絡回復動作を高速化し、ワイヤ放電加工を高速・高精度に行える。
【0025】
また、レフトアーム22およびライトアーム21は加工槽15の上方に配置し、連結軸11から下方に部材を突き出して、加工液9に浸漬された状態で被加工物1を保持する。
このように構成することにより、可動部に対する加工液9のシールが不要となっている。
シールを省略することにより、シール抵抗による位置決め精度の低下を解消し、信頼性の高い装置を安価に構成できる効果がある。
また、下部ガイド5の直下に回収ローラ16を配置しているため、ワイヤ方向変換機構が不要であり、装置を簡素に構成できる。
【0026】
実施の形態2.
図4は、実施の形態2によるワイヤ放電加工機の構成と動作を説明するための図であり、図2(a)はワイヤ電極2が被加工物1の右前部分にあるとき、図4(b)はワイヤ電極2が被加工物1の左前部分にあるとき、図4(c)はワイヤ電極2が被加工物1の中央部分にあるとき、図4(d)はワイヤ電極2が被加工物1の右奥部分にあるとき、図4(e)はワイヤ電極2が被加工物1の左奥部分にあるときを示している。
図4において、25は連結軸11に固定された先端プレート、23はこの先端プレート25に回転軸を介して連結された第1段平行リンク、26は回転軸を介して第1段平行リンク23支持する中間プレート、24は回転軸を介して中間プレート26に連結された第2段平行リンク、27は回転軸を介して第2段平行リンク24を支持する支持プレートである。
【0027】
次に動作について説明する。
支持プレート27はベッド19に固定されており、この支持プレート27に対して第2段平行リンク24で連結された中間プレート26は支持プレート27と平行を保ちながら、支持プレート27のまわりを旋回する。
この中間プレート26に対して、第1段平行リンク23で連結された先端プレート25は中間プレート26と平行を保ちながら、中間プレート26のまわりを旋回する。
【0028】
結局、先端プレート25は支持プレート27と平行を保つことになる。
支持プレート27はベッド19に固定されているため、先端プレート25はベッド19に対して一定の角度を保つことになる。
また、平行リンクを製図用ドラフタのように第1段平行リンク23および第2段平行リンク24からなる2段平行リンクで構成しているため、図4(a)〜図4(e)に示したように先端プレート25はXY平面内を自由に移動できる。
被加工物1を先端プレート25によって支持することにより、被加工物のXY平面内の角度を一定に保つことができる。
【0029】
図5は、第1段平行リンク23および第2段平行リンク24からなる2段平行リンクの構造を示す図である。
図5を用いて、まず、第2段平行リンク24について説明する。
ベッド19に固定されている支持プレート27には、下側から軸受ハウジング27aを取り付け、この軸受ハウジング27aの内側にアンギュラー玉軸受を背面合わせで2個挿入する。
アンギュラー玉軸受は軸受ハウジング27aで挟み込まれて、アンギュラー玉軸受の外輪は支持プレート27に固定される。
一方、アンギュラー玉軸受の内輪には、軸を挿入して固定し、この軸に第2段平行リンク24を固定する。
このように構成することにより、第2段平行リンク24は支持プレート27のまわりを滑らかに旋回できることになる。
【0030】
第2段平行リンク24のもう一方の端にも軸を取り付け、この軸をアンギュラー玉軸受の内輪に固定する。
このアンギュラー玉軸受は中間プレート26の下側に取り付けた軸受ハウジング26aで保持する。
第2段平行リンク24の2本のリンク、支持プレート27および中間プレート26によって平行四辺形を構成する。
このように構成することにより、支持プレート27の2本の軸の軸中心を結ぶ直線と中間プレート26の2本の軸の軸中心を結ぶ直線は常に平行に保たれる。
【0031】
次に、第1段平行リンク23について説明する
中間プレート26の上側に軸受ハウジング26bを取り付け、その中にアンギュラー玉軸受を背面合わせで2個挿入する。
アンギュラー玉軸受は軸受ハウジング26bで挟み込まれて、アンギュラー玉軸受の外輪は中間プレート26に固定される。
一方、アンギュラー玉軸受の内輪には、軸を挿入して固定し、この軸に第1段平行リンク23を固定する。
このように構成することにより、第1段平行リンク23は中間プレート26のまわりを滑らかに旋回できることになる。
【0032】
第1段平行リンク23のもう一方の端にも軸を取り付け、この軸をアンギュラー玉軸受の内輪に固定する。
このアンギュラー玉軸受は先端プレート25の下側に取り付けた軸受ハウジング(図示せず)で保持する。
第1段平行リンクの2本のリンク、中間プレート26および先端プレート25によって平行四辺形を構成する。
このように構成することにより、先端プレート25の2本の軸の軸中心を結ぶ直線と中間プレート26の2本の軸の軸中心を結ぶ直線は常に平行に保たれる。
【0033】
第1段目と第2段目を合わせて見れば、先端プレート25と中間プレート26が平行を保ち、中間プレート26と支持プレート27が平行を保つので、結局、先端プレート25は支持プレート27に対して平行を保つことになる。
また、中間プレート26が支持プレート27のまわりを旋回でき、また、先端プレート25は中間プレート26のまわりを旋回できる。
中間プレート26の支持プレート27に対する旋回角度と、先端プレート25の中間プレート26に対する旋回角度とは独立であるため、先端プレート25はXY平面の相当な範囲内で任意の位置に平行を保ったまま移動できる。
【0034】
先端プレート25には上から軸受ハウジング29を取り付け、位置決め軸28を回転自由に支持する。
位置決め軸28のもう一方の端は、連結軸11に固定し、パラレルリンク(即ち、ライトアーム21およびレフトアーム22)で連結軸11を駆動することにより、先端プレート25を所望のXY座標値に位置決めできることになる。
また、先端プレート25には、下方延長部材48を固定しており、この下方延長部材48の下部には、小型定盤6およびクランプ7を設けている。
そして、実施の形態1の場合(図1あるいは図3参照)と同様に、小型定盤6の上に被加工物1を載せ、上からクランプ7によって被加工物1を挟み込んで固定する。
このように構成することにより、被加工物1とベッド19を平行に保ったままで、さらに、被加工物1の水平面内角度を一定に保ちながら(即ち、被加工物1を水平面内で回転させることなく)、被加工物1を所望のXY座標に容易に位置決めできる。
【0035】
本実施の形態によれば、被加工物が回転せず、角度が一定であるため、例えば、被加工物をX軸に平行に移動させながら、被加工物のX軸と平行な平面にダイヤルゲージを当ててY方向の変位を測定して、被加工物セッティングの平行度を確認することができる。
また、新たにアクチュエータを増やすことなく、2段平行リンクという簡素に機構によりワークを平行に保つため、装置を安価に構成できる。
【0036】
以上説明したように、本実施の形態によるワイヤ放電加工機は、水平面内の所定位置においてワイヤ電極を略鉛直方向に搬送するワイヤ電極搬送機構と、被加工物を水平に保持すると共に、上記ワイヤ電極に対して上記被加工物を水平面内の所望の位置に位置決め制御するパラレルリンク機構を備えた実施の形態1によるワイヤ放電加工機において、さらに、パラレルリンク機構は、保持した被加工物の水平面内での回転を防止する回転防止機構(即ち、保持した被加工物の水平面内角度を一定に保つ機構)を有していることを特徴とする。
そのため、実施の形態1の場合よりも、さらに高精度な被加工物の放電加工が可能となるワイヤ放電加工機を実現できる。
また、保持した被加工物の水平面内での回転を防止する回転防止機構は、2段平行リンクを用いているので、高精度な被加工物の放電加工が行えると共に、簡素な構成で、かつ、安価なワイヤ放電加工機を実現できる。
【0037】
実施の形態3.
図6は、実施の形態3によるワイヤ放電加工機の構成と動作を説明するための図であり、図6(a)はワイヤ電極2が被加工物1の右前部分にあるとき、図6(b)はワイヤ電極2が被加工物1の左前部分にあるとき、図6(c)はワイヤ電極2が被加工物1の中央部分にあるとき、図6(d)はワイヤ電極2が被加工物1の右奥部分にあるとき、図6(e)はワイヤ電極2が被加工物1の左奥部分にあるときを示している。
図6において、30はライトアーム21に連結されたヨーイング(yawing)リンク、31はヨーイングリンク30を駆動するサーボモータ、32はヨーイングリンク30をライトアーム21に連結する回転軸、34はクランプ7および小型定盤6から付き出たセンターアーム、35はこのセンターアーム34をヨーイングリンク30に連結する回転軸である。
【0038】
次に動作について説明する。
ヨーイングリンク30には、ボールねじ(図示せず)が内蔵されており、サーボモータ31の回転によって回転軸が直動ガイド(図示せず)に沿ってヨーイングリンク30の上をスライドする。
このようにして回転軸33をスライドさせると、センターアーム34は回転軸35を支点に旋回してヨーイング角(XY平面内の角度、即ち、Z軸周りの回転角度)を変化させることができる。
従って、被加工物1の位置に応じてサーボモータ31を制御することにより、被加工物1の角度を一定に制御できる。
例えば、図6(b)では、ヨーイングリンク30上の回転軸33を回転軸32に近づけることによって、センターアーム34とライトアーム21のなす角を小さくし、被加工物1のXY平面内の角度を一定に保っている。
【0039】
図7は、ヨーイングリンク30まわりの機構を説明するための平面図である。
図において、60はサーボモータ31で駆動されるボールねじ、62はボールねじ60で駆動されるスライダ、61はこのスライダ60を直動案内するガイドレールである。
サーボモータ31を駆動することにより、ボールねじ60を介してスライダ62を駆動し、スライダ62をガイドレール61に沿って動かし、ヨーイングリンク30と連結された回転軸32と回転軸33の間の距離を所望の大きさに設定できる。
【0040】
回転軸33、ヨーイングリンク30、回転軸33、センターアーム34、回転軸35、ライトアームの伸縮リンク10によって三角形を形成しており、回転軸32と回転軸33の距離を調整ことによって、センターアーム34と伸縮リンク10のなす角を所望の値に設定できる。
センターアーム34には、図5と同様に、図示しない下方延長部材58、小型定盤6、クランプ7を取り付け、被加工物1を保持する。
結局、被加工物1は、センターアーム34に固定され、ヨーイングリンク30に取り付けられた回転軸32と回転軸33の距離をサーボモータ31で調整することによって、被加工物1のXY水平面内の角度(ヨーイング角度)を制御できることになる。
【0041】
即ち、連結軸11のXY座標値が変化しても、ヨーイングリンク30のサーボモータ31を駆動することによって、被加工物1の水平面内の角度が一定となるように制御できることになる。
本実施の形態によるワイヤ放電加工機では、被加工物の角度が一定であるため、例えば、被加工物をX軸に平行に移動させながら、被加工物のX軸と平行な平面にダイヤルゲージを当ててY方向の変位を測定して、被加工物セッティングの平行度を確認することができる。
また、サーボモータで制御されたヨーイングリンクを付加することによって、装置の可動部を小型化できる。
【0042】
以上説明したように、本実施の形態によるワイヤ放電加工機は、水平面内の所定位置においてワイヤ電極を略鉛直方向に搬送するワイヤ電極搬送機構と、それぞれが回転自在に支持されると共に、伸縮自在な第1のリンクおよび第2のリンクを有し、第1および第2のリンクの連結部において被加工物を水平に保持すると共に、上記ワイヤ電極に対して上記被加工物を水平面内の所望の位置に位置決め制御するパラレルリンク機構を備えた実施の形態1によるワイヤ放電加工機において、さらに、パラレルリンク機構は、保持した被加工物の水平面内での回転を防止する回転防止機構(即ち、保持した被加工物の水平面内角度を一定に保つ機構)を有し、該回転防止機構はサーボモータの駆動により被加工物の水平面内の角度を制御するヨーイングリンクを用いて構成されているので、連結軸部の水平面内の座標位置が変化しても、被加工物の水平面内の角度を常に一定に保つことが可能となり、さらに高精度な被加工物の放電加工が行えると共に、可動部を小型化でき、かつ、安価なワイヤ放電加工機を実現できる。
【0043】
実施の形態4.
図8は、実施の形態4によるワイヤ放電加工機の構成と動作を説明するための図であり、図8(a)はワイヤ電極2が被加工物1の右前部分にあるとき、図8(b)はワイヤ電極2が被加工物1の左前部分にあるとき、図8(c)はワイヤ電極2が被加工物1の中央部分にあるとき、図8(d)はワイヤ電極2が被加工物1の右奥部分にあるとき、図8(e)はワイヤ電極2が被加工物1の左奥部分にあるときを示している。
【0044】
図8において、クランプ7および小型定盤6(図8ではクランプ7の下にあり、クランプ7に隠れて見えない)は第1のリンクであるライトアーム21に固定させている。
このため、被加工物1の位置により、被加工物1のヨーイング角(XY平面内の角度、即ち、Z軸周りの角度)はライトアーム21とともに変化する。
しかしながら、ワイヤ電極2(放電加工点)に対する被加工物1の位置は、次に述べるような幾何学的関係がある。
この幾何学的関係に基づいてパラレルリンク機構を制御することにより、被加工物1を任意形状に放電加工することができる。
【0045】
図9は、第1のリンクであるライトアーム21と第2のリンクであるレフトアーム22からなるパラレルリンクと放電加工点の幾何学的関係を示した説明図である。
座標系としては、図1あるいは図4等で示した作業座標(X、Y)と符号を反対に取った内部座標(x、y)を用いる。
図9に示すように、連結軸11(図1を参照)の中心の座標を(x0t、y0t)、放電加工点(即ち、被加工物1とワイヤ電極2が接触する位置)の座標を(x、y)、レフトアーム22の旋回中心から連結軸11の中心までの長さをr、ライトアーム21の旋回中心から連結軸11の中心までの長さをr、レフトアーム22の旋回中心とライトアーム21の旋回中心の間の距離をL、x軸とレフトアーム22およびライトアーム21のなす角をθおよびθ、連結軸11の中心と放電加工点の距離をr、連結軸11の中心と放電加工点を結ぶ直線とライトアーム21のなす角をθとする。
【0046】
図9において、次式が成り立つ。
0t = r cosθ−L/2 ・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
0t = rsinθ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
また、
= x0t + rcos(θ+θ) ・・・・・・・・・・・・・(3)
= y0t + rsin(θ+θ)・・・・・・・・・・・・・(4)
式(1)、(2)を式(3)、(4)に代入して、
= rcosθ−L/2 + rcos(θ+θ)・・・・ ・・・・(5)
= rsinθ+ rsin(θ+θ)・・・・・・・・・・・ (6)
式(5)にsinθを、式(6)にc osθを掛けて足せば、次式が得られる。
−x sinθ+ ycosθ
= ( L/2 ) sinθ+ rsinθ・・・・・・・・・・・・(7)
【0047】
式(4)をθについて解く。
sinθ =(1−cosθ1/2 を式(7)に代入し、整理すれば次のようになる。
{ y + ( L/2 + x} cosθ− 2 ycosθ sinθ
+ r sinθ− ( L/2+ x = 0 ・・・・・・・(8)
式(8)はcosθに関する2次方程式であり、これをcosθについて解けば、
cosθが正のとき、次式が成り立つ。
cosθ= {−B+(B−AC)1/2}/A・・・・・・・・・・・・・(9)
ここで、
A = y +( L/2+x
B = −y0 .sinθ
C = r sinθ−(L/2+x
【0048】
次に、rを求める。
式(5)にcosθを、式(6)にsinθを掛けて足せば、次式が得られる。
cosθ+ y sinθ = r− (L/2) cosθ+rcosθ・・(10)
整理して、次式が得られる。
= (L/2 +x) cosθ+ y (1−cosθ1/2 −rcosθ・・(11)
また、rと連結軸11の座標(x0t、y0t)には、次の関係がある。
= { y0t + (L/2 − X0t 1/2 ・・・・・・・・・・・・・(12)
なお、図5より、cosθは次のように表される。
cosθ= (L/2 − X0t ) / { y0t + (L/2 − x0t 1/2 ・・(13)
【0049】
座標(r、θ)は被加工物1内の放電加工点の極座標表現とみなすこともでき、(r、θ)によって、ワイヤ放電加工する任意形状を表せる。
この(r、θ)に対して、式(11)〜式(12)に基づいてレフトアーム長さr、ライトアーム長さrを制御することにより、任意形状をワイヤ放電加工できることになる。
被加工物1と小型定盤6の平行度に関しては、静止側たとえばコラム20側に取り付けた直交位置決めテーブル(u軸、v軸)(図示せず)とダイヤルゲージ(図示せず)を用いて、調整しても良い。
また、式(11)〜式(12)に基づく演算はデジタル計算機を用いることによって、容易に安価に実現できる。
【0050】
図10は、これらの式に基づいてパラレルリンクを制御するために、デジタル計算機を内蔵した制御装置でサーボモータ指令値を計算する手順を示したフローチャートである。
ステップS75で加工形状を制御装置に入力し、ステップS76では、この加工形状を極座標表現して(r、θ)を設定する。
また、ステップS78では、機械構造に関する情報を制御装置に入力しておき、ステップS79では、ステップS78の機械構造情報を基に、x、 y、 Lの値を設定する。
【0051】
ステップS77では、式(9)に基づいて、r、θ、 x、 y、 Lの値から、
cosθを算出する。
ステップS80では、逆余弦関数を計算してθを算出する。
ステップS81では、式(11)に基づき、θの値などから rを算出する。
ステップS82では、式(1)、式(2)に基づき、r、θ、Lから(x0t、y0t)を算出する。
ステップS83では、式(12)に基づき、x0t、 y0t、 Lからrを算出する。
【0052】
図11は、実施の形態4によるワイヤ放電加工機の正面図およびこれを制御する制御装置の概略構成を示す図である。
図において、66は放電加工電源およびNC制御装置を内蔵した電気系ラック
、67はNC制御装置のキーボード、68はNC制御装置のフロッピー(登録商標)ディスクドライブ、69はNC制御装置のディスプレイ、70はNC制御装置、71、72はこのNC制御装置70の位置指令信号を受け取るサーボアンプ、65はレフトアーム22のサーボモータである。
【0053】
被加工物1に対する所望の加工形状をディスプレイ69の表示を見ながら、キーボード67から入力する。
または、予め別個のパーソナルコンピュータで設定した加工形状データをフロッピー(登録商標)ディスク装置68から読み込む。
このようにして設定した加工形状データに基づいて、NC制御装置70は図10に示したフローチャートに従って、リンク長さr、および rに関する位置指令を生成し、サーボアンプ71、72に送出する。
サーボアンプ71、72は、この位置指令に基づいてサーボモータ12、65を駆動する電流を生成し、サーボモータ12、65を駆動する。
ライトリンク21の伸縮リンク10およびレフトリンク22の伸縮リンク41は、サーボモータによって伸縮され、結局、被加工物1は所望の形状にワイヤ放電加工されることになる。
【0054】
以上説明したように、本実施の形態によるワイヤ放電加工機は、水平面内の所定位置においてワイヤ電極を略鉛直方向に搬送するワイヤ電極搬送機構と、それぞれが回転自在に支持されると共に、伸縮自在な第1および第2のリンクを有し、第1および第2のリンクの連結部で被加工物を水平に保持すると共に、ワイヤ電極に対して被加工物を水平面内の所望の位置に位置決め制御するパラレルリンク機構を備えたワイヤ放電加工機において、被加工物に対する加工形状を極座標で表した加工形状データに基づいて、パラレルリンク機構を構成する第1および第2のリンクを連結する連結軸の中心と第1および第2のリンクのそれぞれの旋回中心との距離を演算し、その演算結果に応じて第1および第2のリンクの長さを制御する制御装置をさらに備えたものである。
これにより、被加工物に対して高速・高精度な放電加工を行えると共に、所望形状の放電加工を自動的に容易に行うことが可能となる。
【0055】
実施の形態5.
図12は、第1および第2のリンクの連結部の機構として、C軸機構を用いた実施の形態5によるワイヤ放電加工機の要部の構成を示す図である。
図において、51はC軸モータ、52はC軸モータ51を連結軸11に固定するホルダ、53はC軸モータ51のモータ軸、54はモータ軸53に取り付けるカップリング、57はカップリング54を介して回転させられるC軸、58はC軸57に取り付けられた下方延長部材、55および56はC軸を回転自由に支持する軸受である。
ホルダ52によって連結軸11に固定されたC軸モータ51を駆動すると、モータ軸53が回転し、カップリング54を介してC軸57が回転させられる。
【0056】
C軸57には、下方延長部材58を取り付けており、この下方延長部材58に固定された小型定盤6の上に、被加工物1を載せて上からクランプ7で挟み込んで被加工物1を小型定盤6に固定する。
C軸57の回転によって、被加工物1の回転角度を制御できる。
したがって、被加工物1を保持する連結軸11のXY座標位置に応じて、制御装置(図示せず)によってC軸モータ51のモータ軸53の角度を制御することにより、連結軸11のXY座標が変化しても被加工物1の回転角度を一定に保つことができる。
あるいは、加工軌跡(即ち、加工形状)に応じてC軸モータ51を制御することにより、被加工物1を所望の加工形状にワイヤ放電加工できることになる。
【0057】
以上説明したように、本実施の形態によれば、被加工物を保持している連結軸を回転制御することが可能なC軸機構を用いることにより、被加工物を保持する連結軸の水平面内位置が変化しても被加工物の回転角度を一定に保つ(即ち、被加工物の回転を防止する)ことができるので、可動部をさらに小型化して高速・高精度な被加工物の放電加工が行える。
【0058】
【発明の効果】
この発明によるワイヤ放電加工機は、水平面内の所定位置においてワイヤ電極を略鉛直方向に搬送するワイヤ電極搬送機構と、それぞれが回転自在に支持されると共に、伸縮自在な第1のリンクおよび第2のリンクを有し、上記第1および第2のリンクの連結部において被加工物を水平に保持すると共に、上記ワイヤ電極に対して上記被加工物を水平面内の所望の位置に位置決めできるパラレルリンク機構を備えたので、可動部の小型化・軽量化が図れ、機械共振周波数が高められてサーボ帯域が拡大して加工点の位置決め動作の高速・高精度化を行うことができるワイヤ放電加工機を実現できる。
【0059】
また、この発明によるワイヤ放電加工機のパラレルリンク機構は、保持した被加工物の水平面内での回転を防止する回転防止機構を有しているので、さらに高精度な被加工物の放電加工が可能となるワイヤ放電加工機を実現できる。
【0060】
また、この発明によるワイヤ放電加工機は、被加工物に対する加工形状を極座標で表した加工形状データに基づいて、パラレルリンク機構を構成する第1および第2のリンクを連結する連結軸の中心と、上記第1および第2のリンクのそれぞれの旋回中心との距離を演算し、その演算結果に応じて上記第1および第2のリンクの長さを制御する制御装置を備えたので、被加工物に対して高速・高精度な放電加工を行えると共に、所望形状の放電加工を自動的に容易に行うことが可能な放電加工機を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1によるワイヤ放電加工機の側面図である。
【図2】実施の形態1によるワイヤ放電加工機の上面図である。
【図3】実施の形態1によるワイヤ放電加工機のライトアームとレフトアームの連結部の構造を説明するための図である。
【図4】実施の形態2によるワイヤ放電加工機の構成と動作を説明するための図である。
【図5】実施の形態2によるワイヤ放電加工機の2段平行リンクの構造を説明するための図である。
【図6】実施の形態3によるワイヤ放電加工機の構成と動作を説明するための図である。
【図7】実施の形態3によるワイヤ放電加工機のヨーイングリンク周りの構造を説明するための図である。
【図8】実施の形態4によるワイヤ放電加工機の構成と動作を説明するための図である。
【図9】実施の形態4によるワイヤ放電加工機において、パラレルリンクと放電加工点の幾何学的関係を説明するための図である。い
【図10】実施の形態4によるワイヤ放電加工機において、極座標で表された加工点データに基づいて、パラレルリンクのリンク長さを演算する処理手順を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態4によるワイヤ放電加工機の構成を示す図である。
【図12】実施の形態5によるワイヤ放電加工機の要部の構成を示す図である。
【図13】従来のワイヤ放電加工機の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 被加工物 2 ワイヤ電極 3 旋回リンク
4 上部ガイド 5 下部ガイド 6 小型定盤
7 クランプ 8 ワイヤ電極回収箱 9 加工液
11 連結軸 10 伸縮リンク 12 サーボモータ
13 旋回保持部 15 加工槽 16 回収ローラ
17 ボビン 18 テンションプーリ 19 ベッド
20 コラム 21 ライトアーム 22 レフトアーム
23 第1段平行リンク 24 第2段平行リンク
25 先端プレート 26 中間プレー 27 支持プレート
28 位置決め軸 29 軸受ハウジング
30 ヨーイングリンク 31 サーボモータ 32 回転軸
34 センターアーム 35 回転軸
41 伸縮リンク 43 上側連結軸受 44 下側連結軸受
45 連結内部軸 48 下方延長部材
51 C軸モータ 52 ホルダ 53 モータ軸
54 カップリング 57 C軸 58 下方延長部材
55、56 軸受 60 ボールねじ 61 ガイドレール
62 スライダ 65 サーボモータ
66 電気系ラック 67 キーボード
68 フロッピー(登録商標)ディスクドライブ 69 ディスプレイ
70 NC制御装置 71、72 サーボアンプ

Claims (8)

  1. 水平面内の所定位置においてワイヤ電極を略鉛直方向に搬送するワイヤ電極搬送機構と、
    それぞれが回転自在に支持されると共に、伸縮自在な第1のリンクおよび第2のリンクを有し、上記第1および第2のリンクの連結部において被加工物を水平に保持すると共に、上記ワイヤ電極に対して上記被加工物を水平面内の所望の位置に位置決めするパラレルリンク機構を備えたことを特徴とするワイヤ放電加工機。
  2. 上記パラレルリンク機構は、保持した被加工物の水平面内での回転を防止する回転防止機構を有したことを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工機。
  3. 上記回転防止機構は、2段平行リンクを用いて構成されていることを特徴とする請求項2に記載のワイヤ放電加工機。
  4. 上記回転防止機構は、サーボモータの駆動により被加工物の水平面内の角度を制御するヨーイングリンクを用いて構成されていることを特徴とする請求項2に記載のワイヤ放電加工機。
  5. 上記回転防止機構は、被加工物を保持する連結部の水平面内の位置に応じて上記被加工物の回転を制御することを特徴とする請求項2に記載のワイヤ放電加工機。
  6. 被加工物に対する加工形状を極座標で表した加工形状データに基づいて、上記パラレルリンク機構を構成する第1および第2のリンクを連結する連結軸の中心と上記第1および第2のリンクのそれぞれの旋回中心との距離を演算し、その演算結果に応じて上記第1および第2のリンクの長さを制御する制御装置を備えたことを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工機。
  7. 上記パラレルリンク機構は、第1および第2のリンクの連結部より下方に延出する部材を設け、上記部材により被加工物を加工槽内の加工液に浸漬した状態で保持することを特徴とする請求項1〜6に記載のワイヤ放電加工機。
  8. 放電加工部位の下方にワイヤ電極回収部を配置したこと特徴とする請求項1から7に記載の放電加工機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102294524A (zh) * 2011-09-01 2011-12-28 南京航空航天大学 高速往复走丝浸液式电火花线切割机床
CN108436207A (zh) * 2018-05-07 2018-08-24 蒋飞跃 一种具有调节机构的线切割机

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