JP2004158559A - フィデューシャルマーク及びそれを有する露光装置 - Google Patents

フィデューシャルマーク及びそれを有する露光装置 Download PDF

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JP2004158559A JP2002321435A JP2002321435A JP2004158559A JP 2004158559 A JP2004158559 A JP 2004158559A JP 2002321435 A JP2002321435 A JP 2002321435A JP 2002321435 A JP2002321435 A JP 2002321435A JP 2004158559 A JP2004158559 A JP 2004158559A
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仁 宇田川
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Abstract

【課題】精確なマーク位置検出を行うのに適するフィデューシャルマーク、および、そのようなマークを有する露光装置を提供する。
【解決手段】基板1は、線膨張係数の低いセラミックスからなり、該基板上には、成膜された表面膜2が成膜されている。該表面膜2の表面3は、予め研削加工が施されており、その後、フィデューシャルマークが、該表面膜の表面3に、マークパターン4、5として掘り込まれ、あるいは、突出形成されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路等のリソグラフィに用いる露光装置、及び、それに用いるフィデューシャルマークに関する。特には、ノイズの少ない検出が可能なフィデューシャルマーク(以下、単にマークとも書く)、及び、そのようなフィデューシャルマークを有し、高精度のパターン形成を行うことができる露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体集積回路の小型化、小線幅化が進んでいる。このため、基板へパターンを転写する際における露光のアラインメント(位置合わせ)精度の向上が求められている。半導体集積回路や露光装置の各部分の設計値のみに基づいて、露光の調整や位置合わせを行うと、転写されるパターンの位置や形状に大きな誤差を生じるため、必要に応じて装置諸元のキャリブレーションを行う必要がある。そのようなキャリブレーションのために、基準となるフィデューシャルマークをレチクルやウェハあるいはそれらのステージ上に形成しておき、それらの相対的な位置関係を計測することが行われる。あるいは、電子ビームの形状や倍率、ボケの検出のためにも、フィデューシャルマークが用いられることがある。
【0003】
フィデューシャルマークの検出方法について、荷電粒子線露光装置の一種である電子線露光装置の場合を例にとって説明する。図3は、縮小投影方式の電子線露光装置の構成、及び、フィデューシャルマーク検出方法の概要を示す斜視図である。
【0004】
図3の上部に示されている照明光学系61から放射された照明ビームB1は、マスクステージ62上に形成されているビーム成形用パターン(指標マーク)11を通過して成形されビームB2となり、投影光学系63に入射し、投影光学系63の作用により、反転・縮小され、ビームB3となる。同ビームB3は、偏向器65の静電力あるいは電磁力の作用により偏向させられ、ウェハステージ69上の所望の位置に結像する。この結像したビームが指標マーク像13である。
【0005】
ウェハステージ69上には、長方形をしたマーク部材(基板)16が設けられており、同マーク部材16の左端には、電子ビーム走査式の位置検出マーク(フィデューシャルマーク)15が、右端には、ベースラインチェック用の光学式位置検出マーク17(フィデューシャルマーク)がそれぞれ設けられている。
【0006】
この位置検出マーク15は、基板上の表面膜に形成されている凹部あるいは凸部からなっており、照射されるビームB3はこの凹凸部のエッジによって散乱される。この散乱される電子は、ウェハステージ69の上方に配置されている反射電子検出器67により検出される。同反射電子検出器67の検出信号を処理することにより、指標マーク像13と位置検出マーク15との相対的位置関係を測定することができる。
【0007】
さらに、反射検出器67の側方には、光学式検出器18が配置されている。同光学式検出器18は、光学式位置検出マーク17へ紫外光等を照射し、その反射光を検出することにより、光学式位置検出マーク17の位置を測定する。
【0008】
ベースラインチェックは、露光に用いる電子ビームで位置検出マーク15を検出し、同時に光学式検出器18で光学式位置検出マーク17を検出して、電子線光軸とアラインメント光学系の相対的位置関係、あるいは、レチクル(マスク)ステージ62とウェハステージ69の相対的位置関係を知るために行う。
【0009】
上述のベースラインチェックにおいて、フィデューシャルマークの検出の誤差を少なくするためには、フィデューシャルマーク15、17の形成される基板16の安定性が不可欠である。
【0010】
フィデューシャルマークの不安定化の要因としては、温度の変動に伴うマーク部材(基板)16の膨張が考えられる。ここで、マーク15とマーク17の距離(基板16の長さ)は相当長い(例えば、数百mm)ため、基板の熱膨張による位置の測定精度の低下を招きやすい。それを防止するため、基板の素材には、低熱膨張性が要請される。
また、電子線露光装置のような荷電粒子線露光装置においては、露光ビームを用いてマークを検出する際には高エネルギー照射を伴うため、基板の素材は耐熱性が高いことが要請される。このため、フィデューシャルマーク用の基板としては、低熱膨張性のセラミックスやガラスなどが用いられる。
【0011】
しかしながら、セラミックスは、その性質上ピンホール(内部空孔)があって、表面を研磨しても、研磨後の表面に微細な凹凸が残る場合が多い。そして、そのようなセラミックス基板の表面に成膜を施すと、この基板表面(下地)の凹凸が膜の表面にも反映されて残ってしまい、該表面膜の表面に凹凸が生じる。この状態のままで、該表面膜上に凹凸加工を施してフィデューシャルマークを形成すると、マーク以外の凹凸のエッジ部が存在することとなる。このようなフィデューシャルマークの検出を行った場合に、マークのほかに上記凹凸による反射電子信号を検出してしまう。したがって、フィデューシャルマーク用のセラミックス基板上の凹凸は、精確な露光の調整や位置合わせにおいて、致命的な欠陥となる畏れが高い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、精確なマーク位置検出を行うのに適するフィデューシャルマーク、及び、そのようなマークを有し、高精度のパターン形成が可能な露光装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係るフィデューシャルマークは、基板と、該基板上に成膜された表面膜と、該表面膜に掘り込まれた、あるいは、突出形成されたマークパターンとを具備し、該基板が線膨張係数の低いセラミックスからなり、該表面膜の表面が研削又は研磨加工されていることを特徴とする。
【0014】
本発明によると、基板表面に成膜加工を施したあと、基板表面の凹凸に起因する表面膜表面の凹凸を研削加工によって除去してあるので、マークのエッジ以外にプローブ光(光、電子線など)を散乱させるエッジ部が存在しない。よって、散乱光のノイズを抑えることができ、フィデューシャルマークの検出の精度を高めることができる。
【0015】
本発明に係るフィデューシャルマークは、前記表面膜がタンタルやタングステン等の重金属または炭素等の導電性非金属からなっていることが望ましい。
【0016】
重金属は電子線を多く散乱する性質を有するため、フィデューシャルマークを形成する表面膜として重金属元素を用いると、信号レベルが高くなる。そのため、バックグラウンドノイズの影響が小さくなり、位置検出を容易に行うことができる。
【0017】
また、炭素等の導電性非金属等、導電性を具備する素材を用いると、電子線の照射による帯電を予防することができる。このため、外乱電場が生じることなく、より精確な位置測定が可能である。
【0018】
本発明に係る露光装置は、感応基板上にエネルギー線を選択的に照射してデバイスパターンを形成する露光装置であって、感応基板ステージ及び/又は原版ステージ等に、位置合わせや装置調整用の基準となる、前記のフィデューシャルマークが配置されていることを特徴とする。
【0019】
ここにいうエネルギー線には、紫外線や軟X線等の電磁波、並びに、電子線やイオンビーム等の荷電粒子線を含む。
【0020】
本発明に係る露光装置は、前述の本発明に係るフィデューシャルマークを具備するため、精度の高いマーク検出を行うことができる。したがって、感応基板(半導体ウェハ等)上に、微細高密度パターンを高精度、高歩留で形成できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
【0022】
ここでは、荷電粒子線露光装置の一種である電子線露光装置で用いられるフィデューシャルマークを例にとって説明する。電子線によるフィデューシャルマークの検出は、基板上に段差として作成されたマークに電子線を照射し、該マークからの反射電子信号を検出するのが一般的である。
【0023】
この際、高エネルギー照射を伴うため、マークの基板や蒸着膜を構成する材料には、耐熱性が求められる。併せて、熱膨張によるマーク位置検出の精度の低下を抑えるため、低熱膨張性が要請される。ここでは、そのような基板として低熱膨張セラミックスを用いる。
【0024】
図1は、本発明に係るフィデューシャルマークの製造工程を示す図である。図1(A)は、低熱膨張セラミックス基板の一例を模式的に示す断面図であり、図1(B)は、図1(A)の基板表面に成膜を施した状態を示す断面図である。図1(C)は、図1(B)の表面膜の表面に研削加工を施した状態を示す断面図である。図1(D)は、完成状態のフィデューシャルマークを示す断面図である。
【0025】
図1(A)に示すように、基板1の表面は研磨されてはいるが、セラミックスの性質上、空孔が表出した多数の凹凸1a、1b、1cが存在する。該基板1の表面をさらに研削加工しても、他の空孔も基板内に存在するため、現実的には平坦な状態にすることができない。この基板1の表面上に成膜を施したのが図1(B)の状態である。基板1上に成膜された表面膜2の表面は、基板表面の凹凸1a、1b、1cを各々反映した凹凸2a、2b、2cが生じ、また、膜の厚みにもムラが生じている。
【0026】
このまま表面膜2上にフィデューシャルマークを形成して電子線を照射した場合、次のような不具合が生じる。すなわち、電子線は凹凸のエッジの部分で散乱されるので、マークのエッジ(図1(D)の符号4参照)だけでなく、図2に示す表面膜2上の凹凸2a、2b、2cのエッジからも電子線が散乱され、反射電子信号に大きなノイズが含まれることとなり、精確なマーク検出(位置測定)が困難になる。
【0027】
ここで、表面膜としては、原子番号の大きい物質の方が電子線を反射しやすい性質があるため、タンタル、タングステン等の重金属を用いることが多い。また、表面膜として、導電性がある物質を用いると、電子線の照射により帯電することがなく、外乱電場を生じないため、炭素等の導電性非金属を用いることもできる。
【0028】
図1(C)は、図1(B)の表面膜2の表面を研磨(研削)した状態を示す断面図である。図1(C)に示すように、表面層としてタンタル(Ta)をスパッタリングにより成膜し、成膜後にCMP(Chemical Mechanical Polishing)などの手段を用いて膜2の表面を研磨することにより、膜表面にある凹凸や膜厚のムラを除去して、凹凸のない平滑な表面3を得ることができる。
【0029】
タンタルをCMPにより研削加工する技術の例は、特開平11−21546号及び特開2001−189296号、並びに、その中で引用されている諸文献に記載されているものを挙げることができる。タングステンのCMPについては、特許2953566号、及び、その中で引用されている諸文献に記載されているものを挙げることができる。
【0030】
図1(D)は、完成状態のフィデューシャルマークを示す断面図である。図1(C)に示す表面膜の表面3上の適当な位置に、平行に並ぶ溝群をエッチングにより形成して、図1(D)に示すフィデューシャルマーク4を形成する。
【0031】
図2は、図1(C)の表面膜の表面3上に凸部を形成した状態を示す断面図である。図2に示すように、表面膜の表面3上の適当な位置に、成膜、エッチング処理を施して凸部5を突出形成することにより、フィデューシャルマークを形成してもよい。
【0032】
図1(D)に示すフィデューシャルマークの完成状態で、表面膜の表面3において、フィデューシャルマーク4以外の凹凸を予め除去してあるため、反射電子信号に同マーク以外の凹凸のエッジからの電子散乱によるノイズが混ざるのを予防することができ、精確なマーク検出(位置測定)を行うことが可能になる。ゆえに、以上のようなフィデューシャルマークを有する露光装置は、微細かつ高密度なパターンを基板上に高精度、高歩留で転写形成することが可能となる。
【0033】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明によると、表面膜上に位置検出用フィデューシャルマークを形成する前に、CMP装置等を用いて表面膜上に研削加工を施し、該表面膜の表面に生じる凹凸をフラットするので、セラミックス基板の材質の性質上、予め除去することが不可能な表面の凹凸によって生じた膜表面の凹凸に起因するノイズが生じるのを防ぐことができ、高精度のマーク検出(位置測定)を実現することができる。
【0034】
また、表面膜として導電性の物質を使用することにより、電子線等の照射による表面膜の帯電を防止することができる。さらに、タンタル、タングステン等の原子番号の大きな重金属を用いることにより、マークによる電子線の散乱の効率を上げることができるので、反射電子信号の信号レベルを上げることができる。
【0035】
したがって、このようなフィデューシャルマークを備えることによって、本発明に係る露光装置は、半導体基板へパターン転写を行う際の露光精度を大きく上げることが可能となり、微細かつ高密度なパターンを高精度、高歩留で形成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフィデューシャルマークの製造工程を示す図である。
(A) 低熱膨張セラミックス基板の一例を模式的に示す断面図である。
(B) (A)の基板表面に成膜を施した状態を示す断面図である。
(C) (B)の表面膜の表面に研削加工を施した状態を示す断面図である。
(D) 完成状態のフィデューシャルマークを示す断面図である。
【図2】図1(C)の表面膜の表面3上に凸部を形成した状態を示す断面図である。
【図3】縮小投影方式の電子線露光装置の構成、及び、フィデューシャルマーク検出方法の概要を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 低熱膨張セラミックス基板
1a、1b、1c 基板表面上の凹凸
2 表面膜
2a、2b、2c 表面膜の表面に生じた各々1a、1b、1cに対応する凹凸
3 研削加工が施された表面膜の表面
4 フィデューシャルマーク
5 突出形成されたフィデューシャルマーク
11 ビーム成形用パターン(指標マーク)
13 指標マーク像
15 電子ビーム走査式位置検出マーク(フィデューシャルマーク)
16 マーク部材(基板)
17 光学式位置検出マーク(フィデューシャルマーク)
18 光学式検出器
61 照明光学系
62 マスクステージ
63 投影光学系
65 偏向器
67 反射電子検出器
69 ウェハステージ
B1、B2、B3 ビーム

Claims (3)

  1. 基板と、
    前記基板上に成膜された表面膜と、
    前記表面膜に掘り込まれた、あるいは、突出形成されたマークパターンと、
    を具備するフィデューシャルマークであって、
    前記基板が線膨張係数の低いセラミックスからなり、
    前記表面膜の表面が研削又は研磨加工されていることを特徴とするフィデューシャルマーク。
  2. 前記表面膜が、重金属等の金属または炭素等の導電性非金属からなることを特徴とする請求項1記載のフィデューシャルマーク。
  3. 感応基板上にエネルギー線を選択的に照射してデバイスパターンを形成する露光装置であって、
    感応基板ステージ及び/又は原版ステージ等に、位置合わせや装置調整用の基準となる、請求項1または請求項2記載のフィデューシャルマークが配置されていることを特徴とする露光装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007281157A (ja) * 2006-04-06 2007-10-25 Mitsubishi Electric Corp 半導体装置の製造方法
JP2013140846A (ja) * 2011-12-28 2013-07-18 Canon Inc 描画装置及び物品の製造方法
CN112388496A (zh) * 2020-11-26 2021-02-23 西安奕斯伟硅片技术有限公司 应用于双面抛光设备的物料管理方法、系统及存储介质

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