JP2004158334A - Fuel cell system and equipment with this fuel cell system - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気化学反応により電気エネルギを出力する燃料電池を備えた燃料電池システムおよびこの燃料電池システムを備えた機器に関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、燃料電池と、該燃料電池に燃料および酸化ガスを供給する補助手段としての補機とを備え、燃料電池にて電気化学反応を起こさせて電気を発生する燃料電池システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この燃料電池は、電解質膜の両側にアノードとカソードの電極を備え、補機からアノードに水素や炭化水素などの燃料(還元剤)の供給を受けるとともに、カソードに酸素や空気などの酸化ガス(酸化剤)の供給を受け、電気化学反応を起こして電気を発生する。
また、補機は、燃料電池を駆動するために、燃料を貯蔵するための燃料貯蔵部としてのタンク、燃料を供給するための燃料供給部としてのポンプ、酸化ガスを供給するためのコンプレッサ等を備えている。
そして、このような燃料電池システムは、二次電池を具備し、補機はこの二次電池に蓄えられた電気エネルギを取得して、燃料電池システムを起動している。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−153476号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような燃料電池システムでは、システム起動時のエネルギ源として二次電池を用いているので、燃料電池システムの小型化を図れないなどの問題が一例として挙げられる。
また、二次電池の蓄電量が不足した場合には、利用者に二次電池の充電を実施させる等の煩雑な作業を実施させてしまうなどの問題が一例として挙げられる。
【0005】
本発明の目的は、このような問題点に鑑みて、構造を簡素化して小型化を図るとともに、利便性の向上を図れる燃料電池システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃料電池システムは、電気化学反応により電気エネルギを出力する燃料電池を備えた燃料電池システムであって、前記燃料電池における電気化学反応を補助する補助手段と、当該燃料電池システムの起動時に前記補助手段にたいして起動エネルギを供給するエネルギ供給手段とを具備し、前記エネルギ供給手段は、機械エネルギ、位置エネルギおよび熱エネルギのうちの少なくともいずれか一つを前記起動エネルギとして蓄積し、この蓄積した起動エネルギを前記補助手段に供給することを特徴とする。
ここで、燃料電池としては、例えば、メタノールやメタン等の燃料を水素ガスに改質し、この水素ガスと酸化ガスとを利用して電気化学反応を生じる固体高分子型燃料電池(PEFC)、または、メタノール等の燃料を改質せずに、電気化学反応を生じる直接メタノール型燃料電池(DMFC)等を採用できる。
また、補助手段としては、燃料を燃料電池に供給するポンプ、メタノール等の燃料の濃度を検知するセンサ、燃料電池の電気化学反応を促進させるために燃料電池に熱をかける発熱体、酸化ガスを燃料電池に供給するコンプレッサ、等を採用できる。また、これらに限らず、燃料電池を固体高分子型燃料電池を採用した場合には、メタノールやメタン等の燃料を水素ガスに改質する改質機等も採用できる。
さらに、エネルギ供給手段としては、機械エネルギを蓄積可能に構成される、ぜんまい、ばね、板ばね、ゴム等の弾性部材を採用できる。
本発明によれば、補助手段は、エネルギ供給手段からの機械エネルギ、位置エネルギおよび熱エネルギのうちの少なくともいずれか一つにより燃料電池システムを起動するので、補助手段に燃料電池システムの起動時のエネルギを供給する二次電池等を設ける必要がない。そして、利用者に二次電池等の充電を実施させる等の煩雑な作業を実施させることがないので、燃料電池システムの利便性の向上を図れる。また、機械エネルギ、位置エネルギおよび熱エネルギのうちの少なくともいずれか一つにより燃料電池システムが起動するので、燃料電池システムの構造を簡素化して小型化を図れる。
【0007】
本発明の燃料電池システムでは、前記補助手段は、前記燃料電池にて用いられる燃料を貯蔵する燃料貯蔵部と、前記燃料貯蔵部に貯蔵された燃料を前記燃料電池に供給する燃料供給部とを備え、前記エネルギ供給手段は、前記燃料供給部に前記起動エネルギを供給して前記燃料を前記燃料電池に供給させることが好ましい。
本発明によれば、補助手段は、燃料貯蔵部および燃料供給部を備え、燃料供給部はエネルギ供給手段からのエネルギにより燃料貯蔵部に貯蔵された燃料を燃料電池に供給するので、燃料電池にて電気化学反応を生じさせて電気エネルギを生成させることができる。また、燃料供給部が機械エネルギ、位置エネルギおよび熱エネルギのうちの少なくともいずれか一つにより駆動するように構成されているので、燃料供給部の構成が簡単な構造となり、容易に製造できる。
【0008】
本発明の燃料電池システムでは、前記補助手段は、前記エネルギ供給手段からの起動エネルギを電気エネルギに変換する発電機を備え、前記発電機にて発電された電気エネルギを当該燃料電池システムを稼動するエネルギとすることが好ましい。
本発明によれば、補助手段は、発電機を備えているので、エネルギ供給手段からのエネルギにより発電される電気エネルギを利用して燃料電池システムを稼動できる。したがって、燃料電池システムの起動時および稼動時で、利用するエネルギを使い分け、効率的に燃料電池システムにて電気エネルギを生成することができる。
【0009】
本発明の燃料電池システムでは、前記エネルギ供給手段は、機械エネルギを蓄積するとともに前記補助手段に前記機械エネルギを供給するぜんまいであることが好ましい。
本発明によれば、エネルギ供給手段は、ぜんまいで構成されているので、簡単な構造で駆動源としてのエネルギ供給手段を構成できる。また、人力によって容易に機械エネルギを発生し、発生した機械エネルギを容易に蓄積できる。
【0010】
本発明の燃料電池システムでは、外部エネルギにより回転自在に構成される回転錘を備え、前記回転錘は、回転することにより前記ぜんまいを巻き上げ可能に構成されていることが好ましい。
本発明によれば、例えば、小型化が図られ、携帯性を有する電子機器(ノートパソコン、携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ、PDA(Personal Digital Assistant))に燃料電池システムを搭載した場合に、外部エネルギとして該電子機器の動きに応じた運動エネルギによって回転錘が回転するように構成すれば、電子機器を携帯している人の運動等によりぜんまいが自動的に巻き上げられ、エネルギ供給手段は機械エネルギを常に蓄積できる。
【0011】
本発明の燃料電池システムでは、前記エネルギ供給手段は、物体の位置の変化により得られる位置エネルギを蓄積するとともに、蓄積した位置エネルギを機械エネルギに変換することが好ましい。
本発明によれば、エネルギ供給手段は、物体の位置の変化を利用することで、エネルギの蓄積を容易に実施できる。また、エネルギ供給手段は、位置エネルギを機械エネルギに変換するので、エネルギの蓄積および供給を簡単な構造で実現でき、燃料電池システムの構造を簡素化して小型化が図れる。
【0012】
本発明の燃料電池システムでは、エネルギ供給手段は、周囲の温度変化により得られる熱エネルギを蓄積するとともに、蓄積した熱エネルギを機械エネルギに変換することが好ましい。
本発明によれば、エネルギ供給手段は、周囲の温度変化を利用することで、エネルギの蓄積を容易に実施できる。また、エネルギ供給手段は、熱エネルギを機械エネルギに変換するので、エネルギの蓄積および供給を簡単な構造で実現でき、燃料電池システムの構造を簡素化して小型化が図れる。
【0013】
本発明の燃料電池システムでは、前記エネルギ供給手段は、外部から与えられる外部エネルギを蓄積し、この蓄積したエネルギを前記起動エネルギとして前記補助手段に供給することが好ましい。
ここで、外部から与えられる外部エネルギとしては、利用者により燃料電池システムに対して実施される操作等を採用できる。例えば、燃料貯蔵部が、燃料電池システムを構成する筐体に対して着脱自在なカートリッジとして構成されている場合には、このカートリッジを筐体に設置する際の押圧力を外部エネルギとして採用できる。
本発明では、エネルギ供給手段は、例えば、利用者による燃料電池システムに対する操作等の外部エネルギを蓄積し、この蓄積したエネルギを起動エネルギとして補助手段に供給する。このことにより、利用者による燃料電池システムに対する操作等の外部エネルギにより燃料電池システムを起動できるので、外部エネルギを効率的に利用できる。
【0014】
本発明の燃料電池システムでは、前記補助手段は、当該燃料電池システムを起動した後、前記燃料電池にて発電された電気エネルギの一部により当該燃料電池システムを稼動することが好ましい。
本発明では、補助手段は、燃料電池システムの起動時に、エネルギ供給手段からエネルギ供給を受ける。そして、補助手段は、起動後に、燃料電池による発電エネルギの一部の供給を受ける。このことにより、燃料電池システムの起動時および稼動時で、利用するエネルギを使い分け、効率的に燃料電池システムにて電気エネルギを生成することができる。また、補助手段は、燃料電池による発電エネルギの一部の供給により燃料電池システムを稼動するので、燃料電池に供給する燃料が不足するまで、常時、燃料電池システムを稼動できる。
【0015】
一方、本発明の機器は、前述した燃料電池システムを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、例えば、機器としてノートパソコン、携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ、PDA等に上述した燃料電池システムを搭載すれば、前述した燃料電池システムの作用効果を享受するとともに、該機器の駆動源となる燃料電池システムが小型化するので、機器自体の小型化を図れる。
【0016】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
〔燃料電池システムの構成〕
図1は、本実施形態における燃料電池システム1を模式的に示す図である。
燃料電池システム1は、メタノール溶液等の燃料および酸素や空気等の酸化ガスを利用した電気化学反応により電気エネルギを生成する。この燃料電池システム1は、燃料電池2と、補助手段としての補機3と、エネルギ供給手段4とを備えている。
【0017】
燃料電池2は、直接メタノール燃料電池(DMFC)であり、燃料電池セルが拡散層を介して複数積層されたスタック構造で構成されている。本実施形態では、説明を簡略化するため、図1に示すように、単一の燃料電池セルで構成した燃料電池2を図示する。
この燃料電池2は、固体電解質膜21と、この固体電解質膜21を両側から挟持するように配置されるアノード電極22およびカソード電極23と、燃料拡散層24と、空気拡散層25とを備えた燃料電池セルが両側から図示しないガスケット等により液密に構成されている。
【0018】
固体電解質膜21は、例えば、ナフィオン膜(デゥポン社商標名)等のプロトン伝導性高分子から構成される。
アノード電極22は、メタノール溶液等の燃料が供給される側に配置され、メタノールと水との反応の触媒を担持したカーボン触媒電極膜から構成される。ここで、触媒としては、例えば、白金およびルテニウムの合金等を採用できる。このアノード電極22において、供給されたメタノールと水とが反応して二酸化炭素、プロトンおよび電子が発生する。
カソード電極23は、酸素や空気等の酸化ガスが供給される側に配置され、触媒として、例えば、白金を担持したカーボン触媒電極から構成される。このカソード電極23において、供給された酸化ガスと、固体電解質膜21を通ったプロトンと、外部の負荷を通って仕事をした後にカソード電極23に達した電子とが反応して水が生成される。
【0019】
燃料拡散層24および空気拡散層25は、メッシュの金属フォーム(例えば、スチールウール等)からなる多孔性膜であり、供給される燃料および酸化ガスをそれぞれ拡散してアノード電極22およびカソード電極23にそれぞれ導く。また、燃料拡散層24は、燃料を吸入する吸入口24Aおよび排出成分(未反応メタノール、水、二酸化炭素)を排出する排出口24Bとを備えている。同様に、空気拡散層25も、酸化ガスを吸入する吸入口25Aおよび生成した水および空気を排出する排出口25Bとを備えている。
これら燃料拡散層24および空気拡散層25は、それぞれ、アルミニウム、ステンレス鋼等であってもよく、また、スポンジチタン等の多孔製金属材料、カーボンペーパ紙にカーボンを担持したものやカーボンクロス等であってもよい。
【0020】
補機3は、燃料電池システム1を稼動して燃料電池2における電気化学反応を補助する。この補機3は、燃料貯蔵部としてのタンク31と、燃料供給部32と、コンプレッサ33と、加熱器34と、ラジエータ35と、セパレータ36と、凝縮器37と、スプリッタ38と、センサ39と、図示しない制御手段とを備えている。また、この補機3には、燃料の効率的に利用するために、燃料電池2に供給される余剰燃料および電気化学反応にて生成した水分を再度利用する循環流路3Aおよび3Bが形成されている。
【0021】
タンク31は、純メタノール液を貯蔵するメタノールタンク311と、水と純メタノール液を所定の混合比で混合して貯蔵するミキシングタンク312とを備えている。そして、メタノールタンク311とミキシングタンク312とが図示しないバルブを介してパイプにて接続され、適宜、メタノールタンク311から純メタノール液がミキシングタンク312に供給される。なお、ミキシングタンク312と水を貯蔵する図示しないタンクとがバルブを介してパイプにて接続され、適宜、ミキシングタンク312に水が供給される。また、上述した循環流路3Aは、ミキシングタンク312と燃料電池2の燃料拡散層24の排出口24Bとの間に形成され、循環流路3Bは、ミキシングタンク312と燃料電池2の空気拡散層25の排出口25Bとの間に形成される。
【0022】
燃料供給部32は、ミキシングタンク312にて混合されたメタノール溶液を燃料電池2に供給する。ここで、ミキシングタンク312と燃料供給部32の流入口がパイプにより接続され、燃料供給部32の流出口と燃料拡散層24の吸入口24Aとがパイプにより接続される。この燃料供給部32は、前述したように、機械エネルギを蓄積する後述するエネルギ供給手段4からの機械エネルギにより駆動される。本実施形態では、燃料供給部32は、チューブポンプとして構成されている。
この燃料供給部32の詳細については、後述する。
【0023】
コンプレッサ33は、空気拡散層25の吸入口25Aとパイプにより接続され、大気中の空気を燃料電池2に供給する。なお、本実施形態では、コンプレッサ33を用いたが、これに限らず、ブロワ等を用いてもよい。
加熱器34は、燃料電池2を所望の温度で加熱し、燃料電池2における電気化学反応を促進させる。なお、本実施形態では、加熱器34にて燃料電池2を加熱しているが、これに限らず、例えば、コンプレッサ33にて所望の温度に加熱された空気を燃料電池2に供給することで燃料電池2を加熱するような構成としてもよい。このような構成では、加熱器34を省略できる。
【0024】
ラジエータ35は、循環流路3Aに位置し、燃料拡散層24の排出口24Bとパイプにより接続され、アノード電極22からの排出成分が有する熱を放熱する。例えば、このラジエータ35内部に冷却水を通して内部を通過する排出成分を冷却するように構成してもよく、また、このラジエータ35に冷却空気が送風されるように冷却ファンを別途配置するような構成としてもよい。ここで、アノード電極22からの排出成分としては、未反応メタノール溶液、および、反応により生成した二酸化炭素等を含んでいる。
セパレータ36は、気液分離膜として機能し、循環流路3Aに位置する第1セパレータ361および循環流路3Bに位置する第2セパレータ362とを備えている。そして、第1セパレータ361は、ラジエータ35にて冷却された排出成分を未反応メタノール溶液、および、二酸化炭素に分離し、未反応メタノールをミキシングタンク312に戻し、二酸化炭素を排出する。
【0025】
凝縮器37は、空気拡散層25の排出口25Bとパイプにより接続され、燃料電池2で生成した水分を回収する。そして、セパレータ36の第2セパレータ362は、凝縮器37にて回収した水分およびカソード電極23に余剰に供給された空気を分離し、分離した空気を排出する。
スプリッタ38は、循環流路3Bに位置し、図示しない制御手段による制御の下、循環流路3B中を流れる水を適宜、排出する。
【0026】
センサ39は、ミキシングタンク312内の混合されたメタノール溶液のメタノール濃度を検出し、検出した値を制御手段に出力する。なお、センサ39は、メタノール濃度を検出する他、ミキシングタンク312に配置して内部に貯蔵されるメタノール溶液の水位を検出する水位検出センサを設けてもよい。また、燃料電池2、供給される燃料および空気の温度を検出する温度センサ等を設けてもよい。
制御手段は、補機3全体を制御する。例えば、センサ39から出力される信号に基づいて、メタノールタンク311からミキシングタンク312への純メタノール液の供給量の制御、燃料供給部32の燃料供給量の制御、コンプレッサ33の空気供給量の制御、スプリッタ38からの排出水量の制御、および、加熱器34における加熱制御等を実施する。
【0027】
エネルギ供給手段4は、補機3を構成する燃料供給部32を駆動するために用いられているため、以下に燃料供給部32と同時に説明する。
【0028】
〔燃料供給部およびエネルギ供給手段の構成〕
次にチューブポンプとして構成される燃料供給部32の構成について説明する。
図2は、第1実施形態における燃料供給部32の概略構成を示す図である。
図3は、第1実施形態における燃料供給部32の断面図である。
この燃料供給部32は、外郭を形成する筐体321と、この筐体321内に収容されるチューブ322と、このチューブ322内の燃料を送液する駆動機構323とを備えている。
【0029】
筐体321は、図2または図3に示すように、略円形箱状に形成され、上方に配置される第1筐体321Aと、下方に配置される第2筐体321Bとを備えている。
【0030】
第1筐体321Aは、図3に示すように、略円盤状に形成された中空部材であり、その内部には、第2筐体321B側に開口した孔321A1と、後述する駆動機構323が収容される略円形の収容部321A2とが形成されている。ここで、この収容部321A2は、第2筐体321Bの中心位置から偏心して形成されている。また、第1筐体321Aの上面は、蓋材321A3が設けられ、この蓋材321A3にて第1筐体321Aの上面を塞ぐことで、収容部321A2が閉塞される。
第2筐体321Bは、平面略正方形状に形成され、図3に示すように、その上面には、後述するポンプとしてのチューブ322および駆動機構323の一部の設置空間となる凹部321B1が形成されている。また、この凹部321B1の底面には、チューブ322の配置位置を規制する案内溝321B2が形成されている。
そして、この筐体321では、第1筐体321Aの下面に第2筐体321Bがビス止め等により一体的に固定される。
【0031】
図4は、チューブ322の配置を説明する図である。具体的には、筐体321の第1筐体321Aを外して上方から見た図である。
チューブ322は、その内部を燃料が流通する。このチューブ322は、図2または図4に示すように、第2筐体321Bの外部から第2筐体321Bに形成された孔321B3を貫通して第2筐体321Bの案内溝321B2に沿って略円弧状に配置され、もう一方の孔321B3を貫通して再び外部へ配置されている。そして、この孔321B3とチューブ322との隙間は封止材321B4で封止され、密封されている。このチューブ322の材料としては、シリコーンゴム、ポリウレタン、その他の弾性材料が採用できる。
【0032】
図5は、燃料供給部32の駆動機構323を図3の上方から見た平面図である。
図6は、燃料供給部32の駆動機構323の断面図である。
駆動機構323は、チューブ322内部の燃料を移動させて流通させる。この駆動機構323は、図5に示すように、機械エネルギを蓄積して供給するエネルギ供給手段4と、エネルギ供給手段4からの機械エネルギに基づいてチューブ322内部の燃料を流通させる駆動部324(図6)と、駆動部324の駆動速度を調速する調速部325とを備えている。すなわち、本実施形態では、エネルギ供給手段4を燃料供給部32に具備した構成としている。
【0033】
エネルギ供給手段4は、ぜんまい41と、このぜんまい41を収納する香箱42とを備えている。
香箱42は、中心部分に形成された香箱真42Aを軸として回転自在に構成され、外周には調速部325の二番車325Aと噛合する香箱車42Bが形成されている。
ぜんまい41は、一端が香箱真42Aに、他端が香箱車42Bの内周部分に固定されている。そして、香箱42は、ぜんまい41がほどけることにより香箱真42Aを軸として回転し、ぜんまい41の機械エネルギが調速部325および駆動部324(図6)に伝達される。
また、香箱真42Aには、角穴車42Cが固定され、この角穴車42Cは、筐体321の外部に突出して設けられた巻き上げ機構326の巻真326A(図2、5)に図示しない巻き上げ輪列を介して接続されている。そして、巻真326Aの端部に設けられた竜頭326B(図2)を回すことで、香箱真42Aが回転してぜんまい41を巻き上げることが可能となる。
【0034】
駆動部324は、図3または図6に示すように、チューブ322上で転動してチューブ322内の燃料を移動するボール324Aと、調速部325の二番車325Aと共に回転するロータ駆動部324Bと、第2筐体321Bに回動自在に固定されボール324Aをチューブ322に対して押圧しつつ移動させるロータ324Cと、ボール324Aの移動を規制するリテーナ324Dとを備えている。
ボール324Aは、図3または図4に示すように、駆動機構323の駆動によりチューブ322を押圧しつつチューブ322上を転動してチューブ322内の燃料を移動する。このボール324Aは、複数設けられ(本実施形態では二つ)、後述するリテーナ324Dのボール保持部324D2に保持され、駆動機構323の駆動により略円弧状に配置されたチューブ322上を転動する。
【0035】
ロータ駆動部324Bは、図6に示すように、略円盤状とされ、中心部分が調速部325の二番車325Aに固定された筒かな325A3に接続されている。このため、ロータ駆動部324Bは、香箱42の回転に伴う二番車325Aの回転に連動し、二番車325A位置を中心として回転する。また、ロータ駆動部324Bの外周側には、円盤状部分の下方に略垂直に突出して複数の突出部324B1が設けられている(本実施形態では二つ)。
【0036】
ロータ324Cは、ボール324Aを押圧しつつチューブ322上で転動させる。このロータ324Cは、図3に示すように、略円盤状に形成され、第2筐体321Bの案内溝321B2の中心に固定された支持軸321B5に、ベアリング321B6を介して回転可能に支持されている。また、ロータ324Cの内周側には、ロータ駆動部324Bの突出部324B1と嵌合するトラック孔324C1が形成され、ロータ駆動部324Bの回転と連動してロータ324Cが回転する。さらに、ロータ324Cのボール324Aと対向する面には、押圧ゴム324C2が設けられ、ボール324Aに当接している。このため、ボール324Aは、ロータ324Cに対して滑り難い状態となり、ロータ324Cの回転に伴って良好にチューブ322上を転動する。
【0037】
リテーナ324Dは、図3に示すように、略円盤状に形成され、ロータ324Cおよび第2筐体321Bの間に設けられている。また、リテーナ324Dの中央部分には、図4に示すように、孔324D1が形成され、第2筐体321Bの支持軸321B5、ベアリング321B6およびロータ324Cの下端部が貫通している。ここで、リテーナ324Dの孔324D1は、貫通する支持軸321B5、ベアリング321B6およびロータ324Cの下端部における全体の寸法よりも大きく形成されている。このため、リテーナ324Dは、ロータ324Cには固定されずに独立して第2筐体321Bに載置された状態となる。また、リテーナ324Dの外周部分には、ボール324Aを保持するボール保持部324D2が形成されている。このボール保持部324D2は、リテーナ324Dの周囲に等間隔で、ボール324Aと同数箇所(本実施形態では二つ)形成され、それぞれ内部にボール324Aが配置されている。また、ボール保持部324D2の近傍には、凸部324D3が形成されている。さらに、リテーナ324Dの側面には、第2筐体321Bに揺動可能に固定された板ばね321B7が適当な付勢力で押し付けられている。そして、板ばね321B7の先端は、リテーナ324Dの凸部324D3の回転移動により第2筐体321Bに固定された検出部321B8に接触・離反する。
これらロータ駆動部324B、ロータ324Cおよびリテーナ324Dは、例えば、ステンレス鋼や、アルミニウム等で構成できる。
【0038】
調速部325は、駆動部324のロータ駆動部324Bの回転速度を調速する。この調速部325は、図5に示すように、香箱車42Bと噛合する二番車325Aと、以下順に増速するように噛合した三番車325Bと、四番車325Cと、五番第一中間車325Dと、五番第二中間車325Eと、五番車325Fと、六番車325Gと、調速ロータ325Hと、調速ロータ325Hの回転により電気エネルギを出力するステータ325Iとを備えている。
そして、香箱車42Bの回転は、図5または図6に示すように、二番車325Aのかな325A1へ伝達された後、二番車325Aの歯車325A2から増速されて三番車325Bのかなへ、三番車325Bの歯車から増速されて四番車325Cのかな325C1へ伝達される。さらに、四番車325Cの歯車325C2から五番第一中間車325Dを介して増速されて五番第二中間車325Eのかな325E1へ、五番第二中間車325Eの歯車325E2から増速されて五番車325Fのかなへ、五番車325Fの歯車から増速されて六番車325Gのかなへ、六番車325Gの歯車から増速されて調速ロータ325Hへと伝達される。そして、これら各部材は、上下に適宜形成された輪列受および地板に軸支されている。
【0039】
調速ロータ325Hは、六番車325Gと噛合するロータかな325H1、永久磁石325H2および調速ロータ325Hの回転を滑らかにする慣性板325H3とを備えている。
ステータ325Iは、調速ロータ325Hの回転によって永久磁石325H2の磁束を鎖交させる磁気回路を形成し、磁束の変化により電気エネルギを出力する。このステータ325Iは、一対のステータ材325I1と、このステータ材325I1にそれぞれ巻線された一対のコイル325I2とを備えている。
【0040】
ステータ材325I1は、略平行に配置され、一対が配置された状態でその先端部分に形成された孔に、調速ロータ325Hの永久磁石325H2が配置される。
コイル325I2は、永久磁石325H2が回転することで生じるステータ材325I1での磁束変化を電力に変換する。ステータ325Iからの交流出力は、昇圧整流、全波整流、半波整流、トランジスタ整流等からなる整流回路を通して整流され、コンデンサ等で構成された電源回路に充電供給される。そして、この電源回路に充電された電力は、燃料電池システム1の起動時に電気エネルギを必要とする補機3の各構成要素(制御手段を含む)に供給される。
すなわち、本発明にかかる発電機は、調速ロータ325Hおよびステータ325Iに相当する。
【0041】
ここで、補機3を構成する制御手段は、コイル325I2に電気的に接続されており、調速ロータ325Hおよびステータ325Iで発電された電力で駆動される。そして、制御手段は、燃料供給部32の燃料供給量の制御、すなわち、駆動部324の駆動速度の制御を実施する調速制御部を備えている。
この調速制御部は、水晶振動子と、この水晶振動子からの周波数を分周して基準信号を出力する発振回路と、発電された交流電流の周波数を検出する検出回路と、検出された周波数と基準周波数とを比較してその差に応じた出力値を出力する制御回路とを備えている。発振回路では、水晶振動子からの信号を用いて基準信号を出力する。制御回路では、この基準信号と検出回路からの回転検出信号とを比較し、その位相差等に応じて調速ロータ325Hを制動して調速部325A〜325Gを介して駆動部324のロータ駆動部324Bの回転周期を制御する。なお、調速ロータ325Hの制動方法としては、ステータ325Iの出力端子間を短絡してショートブレーキを掛けたり、コイル325I2に流れる電流値を制御して制動量をコントロールすればよい。これにより、調速ロータ325Hの回転周期(回転速度)が所定の周期(速度)に保たれ、調速部325A〜325Gおよびおよびロータ駆動部324Bの回転周期(回転速度)が調速される。
ここで、ぜんまい41の巻数や寸法、材質などは、燃料電池システム1を稼動する時間、例えば最低12時間得られるように設定されている。
【0042】
〔燃料電池システムの動作〕
次に、第1実施形態における燃料電池システム1の動作について説明する。
ぜんまい41がほどけて香箱42が回転すると、この回転力が香箱車42Bに噛合する調速部325で増速されながら伝達され、調速部325の調速ロータ325Hが回転する。そして、ステータ325Iは、調速ロータ325Hに固定された永久磁石325H2が回転することによって、電気エネルギに変換して発電する。燃料供給部32を除く補機3(電気エネルギを必要とする構成要素)は、この発電により得られた電気エネルギにより起動する。制御手段もまた、この発電により得られた電気エネルギにより起動し、補機3の稼動状態を制御する。以下には、補機3の稼動状態の制御のうち、燃料供給部32の燃料供給量の制御を説明する。
【0043】
制御手段の調速制御部は、調速ロータ325Hを制動して調速部325A〜325Gの回転速度を所定速度に調速する。
二番車325Aが調速されることによって筒かな325A3に接続されたロータ駆動部324Bは、所定回転速度で回転するとともに、ロータ324Cに回転運動を伝達する。そして、ロータ324Cは、図4に示す矢印R方向に回転する。
ロータ324Cが回転すると、押圧ゴム324C2に押圧されているボール324Aは摩擦によってチューブ322を押し潰しながら転動する。これによって、チューブ322内の二つのボール324Aに挟まれた燃料が移動する。一方のボール324Aが案内溝321B2の一方の端部まで移動すると、ボール324Aは押圧ゴム324C2とともに支持軸321B5を中心に回転を続けるので、チューブ322の押圧が解除される。この状態で、他方のボール324Aが転動しながら燃料を案内溝321B2に沿って押し出し、これによってチューブ322内の燃料が流通する。一方のボール324Aは、その間に再び案内溝321B2上に配置され、チューブ322を押し潰して、他方のボール324Aとで挟まれた燃料を移動させる。これを繰り返すことによってミキシングタンク312内に貯蔵された燃料がチューブ322を介して連続で燃料電池2に供給される。
【0044】
ここで、ボール324Aの回転数は、リテーナ324Dによって検出される。ボール324Aは、転動に伴ってリテーナ324Dのボール保持部324D2を押し、これによってリテーナ324Dが回転する。この際、リテーナ324Dの凸部324D3が板ばね321B7に接触し、ついで板ばね321B7をその付勢力に抗してリテーナ324Dから離反する方向に移動させる。ここで、板ばね321B7の先端が検出部321B8に接触した状態では、電気的に導通した状態であり、板ばね321B7の先端が検出部321B8から離反することによって、検出部321B8がボール324Aの回転を検知する。すなわち、このボール324Aの回転を二回検知すれば駆動部324が一回転したことになる。これを利用して、図示しない制御手段は、駆動部324の回転数や燃料の流量を算出するなどして燃料供給部32の運転状態を制御する。
そして、補機3は、燃料電池システム1が起動した後には、燃料電池2における電気化学反応により生成する電気エネルギの一部を適宜利用して、燃料電池システム1を稼動する。例えば、燃料供給部32は、図示しないモータを備え、燃料電池システム1を稼動する際には、このモータが燃料電池2にて生成される電気エネルギの一部を利用して、燃料電池2に燃料を供給するように構成する。
【0045】
〔第1実施形態の効果〕
上述した実施形態では、以下のような効果がある。
(1)補機3の燃料供給部32は、ぜんまい41を備えたエネルギ供給手段4からのエネルギ(機械エネルギ)により燃料電池2に燃料を供給して、燃料電池システムを起動するので、燃料電池システム1の起動時に燃料供給部32にエネルギを供給する二次電池等を設ける必要がない。そして、利用者に二次電池等の充電を実施させる等の煩雑な作業を実施させることがないので、燃料電池システム1の利便性の向上を図れる。また、機械エネルギを蓄積して供給するぜんまい41により燃料電池システム1が起動するので、燃料電池システム1の構造を簡素化して小型化を図れる。
【0046】
(2)燃料供給部32は、チューブ322、駆動部324および調速部325を備えているので、一定量の燃料を燃料電池に供給することができ、燃料電池における発電を効率的に実施できる。
(3)駆動機構323の調速部325は、発電機としての調速ロータ325Hおよびステータ325Iを備えているので、エネルギ供給手段4からのエネルギ(機械エネルギ)により発電される電気エネルギを利用して燃料電池システム1を稼動できる。また、発電機としての調速ロータ325Hおよびステータ325Iを調速部325に具備する構成としているので、燃料電池システム1をコンパクトな構成とし小型化を図れる。
【0047】
(4)エネルギ供給手段4は、ぜんまい41で構成されているので、簡単な構造で駆動源としてのエネルギ供給手段4を構成できる。また、巻き上げ機構326を利用すれば、人力によって容易に機械エネルギを発生し、発生した機械エネルギを容易に蓄積できる。
(5)補機3は、燃料電池システム1の起動時に、エネルギ供給手段4からエネルギの供給を受ける。そして、補機3は、燃料電池システム1の起動後に、燃料電池2による発電エネルギの一部の供給を受けて燃料電池システム1を稼動する。このことにより、例えば、燃料電池システム1を起動した後、エネルギ供給手段4にて蓄積した機械エネルギが不足し、燃料電池システム1を稼動できない場合であっても、燃料電池2による発電エネルギを利用して燃料電池システム1を稼動できる。したがって、燃料電池システム1を確実に起動するとともに、稼動でき、効率的に燃料電池システム1にて電気エネルギを生成することができる。また、補機3は、燃料電池による発電エネルギの一部の供給により燃料電池システム1を稼動するので、燃料電池2に供給する燃料が不足するまで、常時、燃料電池システム1を稼動できる。
(6)エネルギ供給手段4を燃料供給部32に具備して燃料供給部32内に一体的に構成しているので、燃料電池システム1の小型化を図れる。
(7)燃料電池システム1を、例えば、ノートパソコン、携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ、PDA等の電子機器に搭載すれば、該燃料電池システム1の小型化により、電子機器自体の小型化を図れる。
【0048】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
第1実施形態では、エネルギ供給手段4は、ぜんまい41を備え、燃料電池システム1は、このぜんまい41の機械エネルギにより起動している。
これに対して第2実施形態の燃料電池システム1では、エネルギ供給手段4は、位置エネルギを蓄積し、この位置エネルギにより起動する。すなわち、燃料供給部32の構成が相違するのみで、その他の構成は同一である。
【0049】
図7は、第2実施形態における燃料供給部32の概略構成を示す図である。なお、図7では、燃料供給部32の内部構造を説明するために、筐体321を適宜省略している。
燃料供給部32は、図7に示すように、右側に配置される第1筐体321Aと、左側に配置される第2筐体321Bとを備えた筐体321にて外郭が形成されている。
第1筐体321Aは、略箱状に形成され、第2筐体321Bと対向する一方の端面に、第2筐体321B側に開口する孔321A1が形成されている。そして、第1筐体321A内部には、駆動機構323が設置される。
第2筐体321Bは、第1筐体321Aと対向する一方の端面が開口して略箱状に形成されている。そして、第2筐体321B内部には、案内溝321B2に沿ってチューブ322の一部が設置されるとともに、第1筐体321Aの孔321A1を介して駆動機構323の一部が設置される。
【0050】
図8は、駆動機構323を正面側から見た図である。具体的には、図7の右側から駆動機構323を見た図である。
エネルギ供給手段4は、物体の位置エネルギを蓄積するとともに、物体の位置の変化により得られる位置エネルギを機械エネルギに変換する。このエネルギ供給手段4は、図7に示すように、ドラム43と、所定重量の重錘44と、一端がドラム43に、他端が重錘44にそれぞれ取り付けられたロープ45と、ドラム43を回転可能な取っ手46とを備えている。
このようなエネルギ供給手段4では、取っ手46を回転させると、ロープ45がドラム43に巻き付けられ、重錘44が持ち上げられるようになっている。重錘44には、重力の作用により落下しようとする力が働き、この落下しようとする力が、ドラム43に巻き付けられたロープ45を引っ張ることで、ドラム43に回転力が付与され、ドラム43と同軸上に設けられた一番車43Aが回転する。
【0051】
なお、この一番車43Aには、図8に示すように、重錘44の巻き上げ方向には回転するが、反対方向には回転しないようにラチェット機構43Bが形成され、重錘44の巻き上げを容易に実施できるようになっている。
このラチェット機構43Bは、ドラム43に一体的に形成されたキチ車43B1と、一番車43Aに取り付けられたこはぜ43B2とを備えている。そして、駆動機構323の駆動時には、キチ車43B1とこはぜ43B2とが噛合した状態でドラム43からの回転力を一番車43Aに伝達する。そしてまた、重錘44の巻き上げ時のみ、キチ車43B1に形成された爪からこはぜ43B2が逃げて、噛み合いが外れ、巻き上げ可能となる。
【0052】
駆動部324は、調速部325の二番車325Aに接続されたロータ324Cと、リテーナ324Dとを備えている。そして、二番車325Aの回転と連動してロータ324Cが回転し、押圧ゴム324C2にてボール324Aを押圧しつつチューブ322上を転動させる。
調速部325は、駆動部324の回転速度を調速する。この調速部325は、一番車43Aと噛合する二番車325Aと、増速するように噛合した三番車325Bと、この三番車325Bと連動する機械式脱進機325Jと、この機械式脱進機325Jを間欠運動させる振り子325Kと、発電機325Lとを備えている。
機械式脱進機325Jは、三番車325Bの回転が伝達されて回転するガンギ325Mと、このガンギ325Mを間欠運動させるアンクル325Nとを備えている。
ガンギ325Mは、図示しない複数個の歯を有しており、これらの歯は、アンクル325Nの爪325N1,325N2(図8)に交互に噛み合うように形成されている。
アンクル325Nは、図8に示すように、回転軸Raxを中心にして正面側から見て左右に揺動運動し、その2つの爪325N1,325N2によって、交互にガンギ325Mの回転を止め、ガンギ325Mを間欠的に1歯ずつ回転させる。
【0053】
振り子325Kは、その振動によりアンクル325Nを一定の周期で揺動運動させる。本実施形態では、振り子325Kは、振動周期により駆動部324の駆動速度、すなわち、チューブ322内の燃料の供給速度を制御している。この振り子325Kは、アンクル325Nの回転軸Raxに連結されたロッド325Oと、このロッド325Oの先端部分325O1(図7)に設置される円形の振り子玉325Pとを備えている。
なお、この振り子325Kは、ガンギ325Mから駆動力が伝達されることにより、その一定周期の揺動運動が減衰することなく継続される。
また、振り子325Kは、回転軸Raxを上に、振り子玉325Pを下にした状態であって、仮に、アンクル325Nから力が加わらない状態では、振り子325Kの重心と回転軸Raxの中心を結ぶ直線は、重力方向に平行で、振幅の中心になるように設置される。
【0054】
この振り子325Kの固有振動周期Toは、図7に示すように、ロッド325Oの支点325O2から振り子325Kの重心位置325K1までの長さLが一定であれば、振幅に関係なく一定である。
理論的には、固有振動周期To(s)は、以下の数1で示される。なお、支点325O2から振り子325Kの重心位置325K1までの長さをL(m)、重力加速度をG(m/s2)とする。ここで、振り子325Kの重心位置325K1とは、ロッド325Oおよび振り子玉325Pを全て含めた重心の位置を示すものである。
【0055】
【数1】
【0056】
ここで、ロッド325Oの長さは、適宜、変更可能となっており、すなわち、振り子325Kの固有振動周期Toを変更可能となっている。
発電機325Lは、振り子325Kの運動に基づいて発電する。この発電機325Lは、図7または図8に示すように、振り子325Kに固定された永久磁石325Qと、この永久磁石325Qに対向して配置されるコイル325Rとを備えている。
永久磁石325Qは、図8に示すように、振り子325Kの裏面側で、振り子325Kの円弧状の振動軌跡に沿って複数配置されている(本実施形態では4つ)。
また、各永久磁石325Q1,325Q2,325Q3,325Q4は、振り子玉325Pの厚み方向にS極またはN極が向くように取り付けられている。さらに、これら永久磁石325Qは、具体的な図示は省略するが、コイル325Rに対向する極が、振り子325Kの振動方向にS極とN極とが交互となるように、等間隔で取り付けられている。
【0057】
コイル325Rは、図8に示すように、PCパーマロイ等で構成された磁心325R1と、この磁心325R1に巻回されるコイル線325R2とを有することで、振り子325Kの振動によって発電する。
磁心325R1は、図8に示すように、各永久磁石325Q1,325Q2,325Q3,325Q4の極に対向する一対の対向部X,Yを有し、これらの対向部X,Yの間隔は、各永久磁石325Q1,325Q2,325Q3,325Q4の間隔と同じである。
このような発電機325Lでは、各永久磁石325Q1,325Q2,325Q3,325Q4の極がS,Nと交互に取り付けられているため、振り子325Kの振動に伴って、コイル325R内を通過する磁束の大きさが変化するとともに、磁束の向きが交互に逆転する。このため、発電機325Lには、交流電力が発生する。そして、この発電された電力は、燃料電池システム1の起動時に電気エネルギを必要とする補機3の各構成要素、および、制御手段に供給される。
【0058】
ここで、制御手段は、発電機325Lと電気的に接続されており、発電機325Lで発電された電力で駆動される。そして、制御手段の調速制御部は、水晶振動子と、この水晶振動子からの周波数を分周して基準振動周期Tsの基準信号を出力する発振回路と、発電された交流電流の周波数から振動する振り子325Kの振動周期Taを検出する検出回路と、検出された振動周期Taと基準振動周期Tsとを比較してその差に応じた出力値を出力する制御回路とを備えている。このうち、制御回路では、振動周期Taと基準振動周期Tsとを比較して、振り子325Kの振動周期Taを基準振動周期Tsに一致させるように作動する。
具体的に、制御回路は、発電機325Lで発電された交流信号(交流電流)が入力される第1の交流入力端子に接続された図示しない第1スイッチと、前記交流信号が入力される第2の交流入力端子に接続された第2スイッチとを有し、これらのスイッチを同時にオンすることにより、第1、第2の交流入力端子を短絡等によって閉ループ状態にし、永久磁石325Qおよびコイル325Rとの間にショートブレーキを掛けるように作動する。
この結果、振り子325Kは、制御回路により所定の基準振動周期Tsで振動し、この基準振動周期Tsに応じて駆動部324が調速される。
【0059】
次に、第2実施形態における燃料電池システム1の動作について説明する。
重錘44が重力の作用にて落下してドラム43が回転すると、この回転力が一番車43Aに噛合する二番車325Aおよび三番車325Bで増速されながらガンギ325Mに伝達される。
ガンギ325Mの回転は、アンクル325Nに伝達され、振り子325Kは、所定の長さに設定されたロッド325Oに応じた所定の振動周期Taで振動する。そして、発電機325Lは、振り子325Kの運動により発電する。燃料供給部32を除く補機3(電気エネルギを必要とする構成要素)は、この発電より得られた電気エネルギにより起動する。制御手段もまた、この発電により得られた電気エネルギにより起動し、補機3の稼動状態を制御する。以下には、補機3の稼動状態の制御のうち、燃料供給部32の燃料供給量の制御を説明する。
【0060】
制御手段の調速制御部は、振り子325Kの振動周期Taが基準振動周期Tsに一致するように調速する。また、この振り子325Kの基準振動周期Tsでの振動に応じて駆動部324が調速される。
駆動部324の調速により、所定の回転速度でロータ324Cが回転を実施する。そして、ロータ324Cが回転すると、ボール324Aは、押圧ゴム324C2にて押圧されつつ、チューブ322上で転動し、ミキシングタンク312内に貯蔵された燃料がチューブ322を介して連続で燃料電池2に供給される。
そして、補機3は、燃料電池システム1が起動した後には、燃料電池2における電気化学反応により生成する電気エネルギの一部を適宜利用して、燃料電池システム1を稼動する。
【0061】
〔第2実施形態の効果〕
上述した第2実施形態によれば、上記(1)〜(3)、(5)〜(7)と略同様の効果の他、以下のような効果がある。
(8)エネルギ供給手段4は、ドラム43と、重錘44と、ロープ45と、取っ手46とを備え、重錘44の位置の変化を利用することで、エネルギの蓄積を容易に実施できる。また、エネルギ供給手段4は、位置エネルギを駆動機構323の駆動力となる機械エネルギに変換するので、エネルギの蓄積および供給を簡単な構造で実現でき、燃料電池システム1の構造を簡素化して小型化が図れる。
【0062】
(9)振り子325Kのロッド325Oの長さは、適宜、変更可能となっており、すなわち、振り子325Kの固有振動周期Toを変更可能となっている。このことにより、駆動部324の駆動速度を容易に変更できる。
(10)調速部325は、機械式脱進機325Jを介して振り子325Kで駆動部324の駆動速度を制御し、さらに、制御手段で振り子325Kの実際の振動周期Taを制御して駆動部324の駆動速度を制御するので、二段階で駆動部324の速度を制御でき、調速精度、すなわち、燃料の供給速度を高精度に実施できる。
【0063】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
第1実施形態では、エネルギ供給手段4は、ぜんまい41を備え、燃料電池システム1は、このぜんまい41の機械エネルギにより起動している。
これに対して第3実施形態の燃料電池システム1では、エネルギ供給手段4は、熱エネルギを蓄積し、この熱エネルギにより起動する。すなわち、燃料供給部32の構成が相違するのみで、その他の構成は同一である。
【0064】
図9は、第3実施形態における燃料供給部32の概略構成を示す図である。
エネルギ供給手段4は、熱エネルギを蓄積するとともに、周囲の温度変化により得られる熱エネルギを機械エネルギに変換する。このエネルギ供給手段4は、図9に示すように、周囲温度の変化により体積が変化する熱変換体47Aを収納する熱変換体収納部47と、熱変換体47Aの膨張収縮に応じて進退運動する進退駆動部48と、この進退駆動部48における進退運動に応じて回転運動する回転駆動部49とを備えている。
ここで、熱変換体47Aとしては、固体および液体の一方から他方へ相変化し、この相変化により体積が変化する相変化物質を採用でき、本実施形態では、パラフィンワックスを採用している。
【0065】
熱変換体収納部47は、有底筒状の容器47Bと、この容器47Bの開口を塞ぐ可撓性を有する蓋部材47Cと、容器47Bの開口側端部と嵌合し、蓋部材47Cを容器47Bの開口側端部とで挟持する筒状のカバー部材47Dとを備えている。
ここで、蓋部材47Cは、例えば、シリコーンゴムまたはテフロン(登録商標)ゴム等を含んで形成された密閉性に優れた強靭な膜を採用する。
進退駆動部48は、蓋部材47Cに連結されたロッド48Aと、カバー部材47Dの外周面に位置し、ロッド48Aと連動して摺動自在に設けられた有底筒状の摺動部材48Bと、ロッド48Aと連結し、両側に鋸歯状の歯を有するラック48Cとを備えている。
【0066】
ロッド48Aは、熱変換体47Aの膨張収縮に応じて、カバー部材47Dに形成されたガイド部47D1に案内されながらカバー部材47Dから進退運動し、これに連動して摺動部材48Bおよびラック48Cも進退運動を実施する。
また、摺動部材48Bの開口側の端縁部には、径方向外側へ突出する鍔48B1が設けられ、この鍔48B1は、コイルスプリング48Dの一端に係合している。さらに、このコイルスプリング48Dの他端は、容器47Bに対して位置が固定された係止部材48D1と係合している。このため、進退駆動部48は、コイルスプリング48Dにより、例えば、図9中下側方向に付勢され、熱変換体47Aの収縮時の運動を補助する。
【0067】
回転駆動部49は、ラック48Cを挟んで、それぞれ鋸歯状の歯を有する角穴車49Aおよび歯車49Bと、歯車49Bの回転を角穴車49Aに伝達する歯車49Cとを備えている。
角穴車49Aは、同軸に通常の歯車49A1および49A2が一体化され、歯車49A1と歯車49Cが噛合し、歯車49A2と調速部325の二番車325Aのかな325A1が噛合する。
歯車49Bは、同軸に通常の歯車49B1が一体化され、この歯車49B1と歯車49Cとが噛合する。
【0068】
図10は、ラック48Cと角穴車49Aおよび歯車49Bとの噛合状態を説明する図である。
ラック48Cが前進すると、図10(A)に示すように、一方の側に設けられた歯48C1が角穴車49Aの歯に押されて、他方の歯48C2が歯車49Bの歯と噛み合い、歯車49Bが反時計回り(図10(A)中矢印の方向)に回転する。そして、歯車49Bの回転が歯車49Cを介して角穴車49Aに伝達され、図10(A)に示すように、角穴車49Aが反時計回り(図10(A)中矢印の方向)に回転する。
また、ラック48Cが後退すると、図10(B)に示すように、歯48C2が歯車49Bの歯に押されて、歯48C1が角穴車49Aの歯と噛み合い、角穴車49Aが反時計回り(図10(A)中矢印の方向)に回転する。
すなわち、進退駆動部48の進退運動に伴って、角穴車49Aは一定方向(反時計回り)に回転する。
駆動部324および調速部325は、第1実施形態と略同様な構成であり、説明を省略する。
【0069】
次に、第3実施形態における燃料電池システム1の動作を説明する。
熱変換体47Aの膨張収縮により進退駆動部48が進退運動を実施すると、回転駆動部49により回転運動に変換され、回転駆動部49に噛合する調速部325で増速されながら調速部325の調速ロータ325Hに伝達される。そして、ステータ325Iは、調速ロータ325Hに固定された永久磁石325H2が回転することによって、電気エネルギに変換して発電する。燃料供給部32を除く補機3(電気エネルギを必要とする構成要素)は、この発電により得られた電気エネルギにより起動する。制御手段もまた、この発電により得られた電気エネルギにより起動し、補機3の稼動状態を制御する。
そして、制御手段の調速制御部は、第1実施形態と同様に調速ロータ325Hを制動し、駆動部324の駆動速度を所定速度に調速し、ミキシングタンク312内に貯蔵された燃料がチューブ322を介して連続して一定量で燃料電池2に供給される。
そして、補機3は、燃料電池システム1が起動した後には、燃料電池2における電気化学反応により生成する電気エネルギの一部を適宜利用して、燃料電池システム1を稼動する。
【0070】
[第3実施形態の効果]
上述した第3実施形態によれば、上記(1)〜(3)、(5)〜(7)と略同様の効果の他、以下のような効果がある。
(11)エネルギ供給手段4は、熱変換体47Aを収納する熱変換体収納部47と、進退駆動部48と、回転駆動部49とを備え、周囲の温度変化による熱変換体47Aの膨張収縮を利用することで、エネルギの蓄積を容易に実施できる。また、エネルギ供給手段4は、蓄積した熱エネルギを駆動機構323の駆動力となる機械エネルギに変換するので、エネルギの蓄積および供給を簡単な構造で実現でき、燃料電池システム1の構造を簡素化して小型化が図れる。
(12)駆動機構323の駆動力を周囲の温度差から得るようにしたので、外部からエネルギを供給しなくとも、駆動機構323を半永久的に駆動できる。すなわち、燃料電池システム1の起動時のエネルギとするのみならず、稼動時のエネルギとすることもできる。
【0071】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態を説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
第1実施形態では、エネルギ供給手段4のぜんまい41には、予め機械エネルギが蓄えられ、この蓄えられた機械エネルギを燃料電池システム1の起動時のエネルギとして利用している。
これに対して第4実施形態では、メタノールタンク311は、燃料電池システム1を構成する筐体に対して着脱自在なカートリッジとして構成される。そして、エネルギ供給手段4のぜんまい41は、メタノールタンク311を筐体に設置する際の押圧力により機械エネルギを蓄積し、この蓄積した機械エネルギを燃料電池システム1の起動時のエネルギとして利用する。
【0072】
図11は、第4実施形態におけるメタノールタンク311の概略構成を示す図である。
メタノールタンク311は、図11に示すように、燃料電池システム1を構成する図示しない筐体に設置されたカートリッジホルダ313に対して着脱自在であるカートリッジとして構成される。
【0073】
図12は、メタノールタンク311およびカートリッジホルダ313の断面図である。
メタノールタンク311において、底面には燃料取出部311Aが形成され、上面側にはカートリッジホルダ313と係合する係合部311Bが形成されている。
燃料取出部311Aは、燃料取り出し用の孔311A1と、不使用時に孔311A1からメタノールタンク311外部に燃料が漏れることを防止する弁体311A2と、孔311A1を封止するように貼着されたシール311A3とを備えている。
係合部311Bは、メタノールタンク311の上面側から該上面と略平行に延出し、先端部分が上方に折曲して略L字状に形成されている。そして、この係合部311Bは、カートリッジホルダ313の蓋材313Bの案内部313B3と係合し、案内部313B3に案内されることで、メタノールタンク311がカートリッジホルダ313の所定位置に設置される。
【0074】
カートリッジホルダ313は、内周形状がメタノールタンク311の外周形状と略同一である略箱状に形成されている。このカートリッジホルダ313は、上部が開口したホルダ本体313Aと、ホルダ本体313Aの開口部分を開閉自在とする蓋材313Bとを備えている。
ホルダ本体313Aは、その底面に、上方に突出した燃料取入部313A1が設けられている。この燃料取入部313A1は、ミキシングタンク312とパイプを介して連通した孔であり、ホルダ本体313Aの所定位置にメタノールタンク311が搭載された時に、シール311A3を貫通して弁体311A2を上方に押し上げて、メタノールタンク311内部と連通する。
【0075】
蓋材313Bは、断面略V字状に設けられ、ホルダ本体313Aの開口部分の辺縁に開口部分を開閉するように断面略V字状の谷部分が回動自在に設けられている。この蓋材313Bは、断面略V字状の一方の面に、ホルダ本体313Aと係合して設置状態を保持する突起部313B1と、メタノールタンク311をホルダ本体313Aに対して押圧するタンク押圧部313B2とが形成されている。また、他方の面には、メタノールタンク311を所定位置に案内する案内部313B3と、洗浄機構(隔壁261A)を押圧する洗浄機構押圧部313B4とが形成されている。さらに、蓋材313Bの断面略V字状の谷部分には、蓋材313Bの開閉に連動して回動する後述する外部エネルギ伝達機構5の第1伝達部51が設けられている。
【0076】
図13は、メタノールタンク311、カートリッジホルダ313およびエネルギ供給手段4の配置関係を示す図である。
図13に示すように、カートリッジホルダ313と燃料供給部32のエネルギ供給手段4との間に外部エネルギ伝達機構5が設けられている。
外部エネルギ伝達機構5は、メタノールタンク311をカートリッジホルダ313に設置する際のカートリッジホルダ313の蓋材313Bの開閉運動(外部エネルギ)をエネルギ供給手段4に伝達する。そして、エネルギ供給手段4は、この伝達されたエネルギを蓄積する。この外部エネルギ伝達機構5は、カートリッジホルダ313の蓋材313Bの開閉運動を回転運動で伝達するものであり、蓋材313Bに設けられた第1伝達部51と、この第1伝達部51に噛合して回転する第2伝達部52とを備えている。
【0077】
このうち、第2伝達部52は、同軸にかな521と歯車522とが一体化して構成される。そして、第2伝達部52は、第1伝達部51の回転を、第1伝達部51と噛合するかな521を介して、歯車522にてエネルギ供給手段4に伝達する。この歯車522は、エネルギ供給手段4の香箱真42Aに固定された角穴車42Cと噛合する。
ここで、角穴車42Cは、外部エネルギ伝達機構5の回転運動に連動して反時計方向には回転するが時計方向には回転しないように、図示しないこはぜと噛み合っており、外部エネルギ伝達機構5の回転により、角穴車42Cを一方向に回転させてぜんまい41を巻き上げる。
【0078】
次に、第4実施形態における燃料電池システム1の動作について説明する。
利用者は、カートリッジホルダ313の蓋材313Bを開いて、新しい燃料が貯蔵されたメタノールタンク311をホルダ本体313A内に装填する。この際、メタノールタンク311の係合部311Bが蓋材313Bの案内部313B3に受け止められ、メタノールタンク311の係合部311Bとは反対側の端部がホルダ本体313Aの内周部分に支持される。
この状態で蓋材313Bを閉めると、案内部313B3が下方に回動してメタノールタンク311が案内され、メタノールタンク311の燃料取出部311Aが燃料取入部313A1の先端に接触する。
【0079】
さらに蓋材313Bを回動させると、タンク押圧部313B2がメタノールタンク311をホルダ本体313Aに押圧し、燃料取入部313A1がシール311A3を貫通して、弁体311を上方に押し上げて、メタノールタンク311とミキシングタンク312が燃料を流通可能に連通する。そして、蓋材313Bの突起部313B1がホルダ本体313Aに係合してメタノールタンク311がカートリッジホルダ313に固定される。
また、同時に、蓋材313Bに設けられた外部エネルギ伝達機構5の第1伝達部51が回転し、第2伝達部52を介してエネルギ供給手段4のぜんまい41が巻き上がる。
そして、エネルギ供給手段4は、上述した外部エネルギにより蓄積した機械エネルギを燃料電池システム1の起動時のエネルギとして供給する。
なお、燃料電池システム1の起動動作および稼動動作については、第1実施形態と同様に実施でき、説明を省略する。
【0080】
上述した第4実施形態によれば、上記(1)〜(7)と略同様の効果の他、以下のような効果がある。
(13)メタノールタンク311は、カートリッジとして構成される。そして、メタノールタンク311をカートリッジホルダ313に設置する際に、カートリッジホルダ313の蓋材313Bの開閉動作に連動して外部エネルギ伝達機構5が回転し、エネルギ供給手段4に起動エネルギが蓄積される。このことにより、メタノールタンク311をカートリッジホルダ313に設置することで燃料電池システム1の起動エネルギを蓄積できるので、外部エネルギを効率的に利用し、エネルギ供給手段4に予め起動エネルギを蓄積することなく、利用者による作業効率を向上させ、燃料電池システム1の利便性の向上を図れる。
【0081】
[実施形態の変形]
尚、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、以下に示すような変形をも含むものである。
前記各実施形態では、燃料電池2は、直接メタノール型燃料電池として説明したが、これに限らず、例えば、以下に示すように、固体高分子型燃料電池(PEFC)とする構成を採用してもよい。
【0082】
図14は、固体高分子型燃料電池(PEFC)を用いた燃料電池システム1を模式的に示す図である。
この燃料電池システム1は、前記各実施形態の燃料電池2と略同様の構成である固体高分子型燃料電池(PEFC)2と、補機3とを備えている。
補機3は、固体高分子型燃料電池(PEFC)2に燃料として水素ガスを供給し、固体高分子型燃料電池(PEFC)2にて電気化学反応を生じさせる。この補機3は、燃料を貯蔵するタンク31と、タンク31に貯蔵された燃料を流通させる燃料供給部32と、燃料供給部32にて流通された燃料を改質する改質器30とを備えている。
【0083】
ここで、タンク31に貯蔵される燃料としては、水酸化ホウ素ナトリウム(NaBH4)と、水酸化ナトリウム(NaOH)と、水(H2O)とが混合した混合液を使用する。なお、燃料としては、この混合液の他、前記各実施形態で用いたメタノール溶液等、その他の燃料を使用してもよい。
また、燃料供給部32の構成は、前記各実施形態で用いたものを採用できる。改質器30は、タンク31から燃料供給部32により移動された混合液を反応させる触媒を収容する触媒収容タンク301と、触媒収容タンク301にて反応した混合液において水素ガスを固体高分子燃料電池(PEFC)2に供給するセパレータ302とを備えている。
【0084】
触媒収容タンク301は、触媒として、水素吸蔵合金であるMg2NiH4を収容する。なお、触媒としては、Mg2NiH4に限らない。固体高分子燃料電池(PEFC)の用途および燃料に応じて種々のものを採用でき、例えば、その他のマグネシウム系水素吸蔵合金、チタン系またはジルコニウム系金属を用いた水素吸蔵合金、希土類系水素吸蔵合金、ランタン・ニッケル・アルミニウム系およびミッシュメタル・ニッケル・アルミニウム系水素吸蔵合金等を採用できる。そして、触媒収容タンク301において、燃料供給部32を介して流入した混合液は、触媒により反応し、水素、水蒸気、未反応の混合液、および、混合液に含まれていたその他の不純物として、セパレータ302側に流出する。
【0085】
セパレータ302は、気液分離膜として機能し、触媒収容タンク301から流入した水素、水蒸気、未反応の混合液、および、混合液に含まれていたその他の不純物を分離して、水素を固体高分子燃料電池(PEFC)に供給し、その他を排出する。
すなわち、エネルギ供給手段4から機械エネルギ、位置エネルギまたは熱エネルギの供給を受けることで、燃料供給部32がタンク31に貯蔵された燃料を改質器30に移動させる。そして、改質器30から水素が固体高分子燃料電池(PEFC)2に供給され、固体高分子燃料電池(PEFC)2にて電気化学反応が生じて電気エネルギが生成し、燃料電池システム1が起動する。起動した後は、燃料電池システム1にて発電された電気エネルギの一部を利用して燃料電池システム1が稼動する。
【0086】
なお、上述した固体高分子燃料電池(PEFC)2を用いた燃料電池システム1において、補機3に前記各実施形態で用いたコンプレッサ33、加熱器34、ラジエータ35、セパレータ36、凝縮器37、スプリッタ38、および、制御手段等を備えた構成としてもよい。このような構成では、燃料の再利用および反応により生成した水分を利用でき燃料電池システム1の効率化を図れる。また、適宜、固体高分子燃料電池(PEFC)に水素を供給する際に、加湿する加湿器等を用いてもよい。
【0087】
前記各実施形態では、補機3は、コンプレッサ33、加熱器34、ラジエータ35、セパレータ36、凝縮器37、および、スプリッタ38を具備して燃料電池システム1の効率化を図っていたが、これに限らない。例えば、以下に示すようにこれらを省略した構成としてもよい。
図15は、前記各実施形態において、補機3の構成を簡略化した図である。
この燃料電池システム1では、補機3は、タンク31と、燃料供給部32のみを備えて構成される。
このような構成では、エネルギ供給手段4から機械エネルギ、位置エネルギまたは熱エネルギの供給を受けることで、燃料供給部32がタンク31に貯蔵された燃料を燃料電池2に供給する。そして、燃料電池2にて電気化学反応が生じ、電気エネルギが生成して燃料電池システム1が起動する。起動した後は、燃料電池システム1にて発電された電気エネルギの一部を利用して燃料電池システム1が稼動するように構成する。このような構成では、補機3は、エネルギ供給手段4から供給される機械エネルギ、位置エネルギまたは熱エネルギにより電気エネルギを生成する発電機を具備する構成としなくとも、燃料電池システム1を起動でき、補機3の構成を簡略化して燃料電池システム1の小型化を図れる。この場合には、発電機を構成する調速ロータ325Hおよびステータ325Iを省略する構成とするため、駆動部324の調速をガンギおよびアンクル等の機械式調速機を用いる。このような構成では、電子回路等の制御手段を具備する必要がなく、燃料電池システム1の構成を簡素化できる。
【0088】
前記各実施形態では、燃料供給部32は、チューブポンプとして構成されていたが、これに限らず、例えば、シリンジポンプ、ダイヤフラムポンプ等にて構成してもよい。
例えば、シリンジポンプとして構成した場合には、駆動部324をカム、ラック等で構成してシリンジポンプのピストンを進退移動させて燃料を流入および流出するように構成すればよい。
同様に、例えば、ダイヤフラムポンプとして構成した場合には、駆動部324をカム、ラック等で構成してダイヤフラムポンプのダイヤフラムを変形させることで、ポンプ内の容積を増減させ燃料を流入および流出するように構成すればよい。
【0089】
前記各実施形態では、エネルギ供給手段4は、機械エネルギ、位置エネルギおよび熱エネルギのうちのいずれかを蓄積していたが、これに限らず、機械エネルギ、位置エネルギおよび熱エネルギのうちの2つまたは全てを蓄積するように構成してもよい。また、エネルギ供給手段4を複数設けるように構成してもよい。このような構成では、燃料電池システム1を起動するためのエネルギ量を大幅に増加でき、燃料電池システム1を稼動するエネルギとしても利用できる。また、燃料の粘性が高く、チューブ322内を流通させるために比較的高いエネルギを必要とする場合などでも、駆動機構323の駆動力を補って、燃料電池2に燃料を良好に供給できる。
【0090】
前記第1実施形態において、外部エネルギにより回転自在に構成される回転錘を設け、ぜんまい41を回転錘と連結させ、回転錘の回転によりぜんまい41を巻き上げ可能に構成してもよい。
このような構成では、携帯性を有する電子機器に燃料電池システムを具備した場合に、外部エネルギとして該電子機器の動きに応じた運動エネルギによって回転錘が回転するように構成すれば、電子機器を携帯している人の運動等によりぜんまい41が自動的に巻き上げられ、エネルギ供給手段4は機械エネルギを常に蓄積できる。
【0091】
前記第1実施形態において、第2実施形態または第3実施形態における位置エネルギまたは熱エネルギを用いてぜんまい41を巻き上げるように構成してもよい。
例えば、第1実施形態において、第2実施形態にて説明した位置エネルギを蓄積するエネルギ供給手段をさらに設ける。そして、このエネルギ供給手段と巻き上げ機構326とを接続し、ぜんまい41がほどけた状態において、重錘44の重力の作用による位置の変化を利用して、ぜんまい41を巻き上げる。
また、例えば、第1実施形態において、第3実施形態にて説明した熱エネルギを蓄積するエネルギ供給手段をさらに設ける。そして、このエネルギ供給手段と巻き上げ機構326とを接続し、ぜんまい41がほどけた状態において、熱変換体47Aの膨張収縮を利用してぜんまい41を巻き上げる。
【0092】
第2実施形態において、第1実施形態または第3実施形態における機械エネルギまたは熱エネルギを用いて位置エネルギを蓄積するように構成してもよい。
例えば、第2実施形態において、第3実施形態にて説明した熱エネルギを蓄積するエネルギ供給手段をさらに設ける。そして、重力の作用により重錘44が落下した状態において、熱変換体47Aの膨張収縮を利用してドラム43を回転させ、ロープ45を巻き上げ、エネルギ供給手段4に位置エネルギを蓄積する。
また、例えば、第2実施形態において、ドラム43の軸に第1実施形態にて説明したぜんまい41を備えたエネルギ供給手段を設け、ぜんまい41を利用してドラム43を回転させてロープ45を巻き上げる。
【0093】
前記第1実施形態では、エネルギ供給手段4は、ぜんまい41にて構成されていたが、これに限らず、弾性を有する弾性部材であればよく、例えば、ばね、板ばね、ゴム等にて構成してもよい。
【0094】
前記第2実施形態では、永久磁石325Qは、振り子玉325Pの正面側に配置された構成を説明したが、これに限らず、以下のような構成としてもよい。
例えば、永久磁石325Qを振り子玉325Pの表裏を貫通するように配置してもよい。また、例えば、永久磁石325Qを振り子玉325Pの両面にそれぞれ配置してもよい。さらに、例えば、永久磁石325Qを振り子玉325Pの下側に配置してもよい。
【0095】
前記第2実施形態では、永久磁石325QのS極およびN極は、振り子玉325Pの厚み方向に向くように配置されていたが、これに限らない。例えば、永久磁石325QのS極およびN極を、振り子玉325Pの振動方向に向くように配置してもよい。この際にも、永久磁石325Q(325Q1,325Q2,325Q3,325Q4)は、振り子玉325Pの振動方向にS極とN極とが交互になるように配置されるとともに、振り子玉325Pの円弧状の振動軌跡に沿って配置される。
前記第3実施形態では、熱変換体47Aとしてパラフィンワックスを用いた構成を説明したが、これに限らない。例えば、液体および気体の相変化で体積が変化するアンモニア、二酸化炭素および塩化メチル等でもよく、相変化により体積が増減するものであればよい。また、熱変換体47Aの動作温度範囲を適宜変更するために、相変化物質と融点が異なる添加剤を混合してもよい。
【0096】
前記第4実施形態における外部エネルギ伝達機構5の構成を前記第2実施形態に採用してもよい。
例えば、第2実施形態において、外部エネルギ伝達機構5とエネルギ供給手段4のドラム43とを接続し、メタノールタンク311をカートリッジホルダ313に設置する際の蓋材313Bの開閉運動を外部エネルギ伝達機構5が伝達し、ドラム43を回転させて重錘44が取り付けられたロープ45を巻き上げる。すなわち、外部から与えられる外部エネルギをエネルギ供給手段4が燃料電池システム1の起動エネルギとして蓄積する。
【0097】
前記第4実施形態では、外部エネルギ伝達機構5は、第1伝達部51と第2伝達部52とを備えた構成を説明したが、これに限らない。外部から与えられる外部エネルギをエネルギ供給手段4に伝達する機構であればよく、歯車の他、カムやラック等を用いた構成としてもよい。
前記第4実施形態では、外部エネルギ伝達機構5の第1伝達部51は、カートリッジホルダ313の蓋材313Bに形成されていたが、これに限らない。すなわち、外部から与えられる外部エネルギとして、カートリッジホルダ313にメタノールタンク311を設置する際の押圧力を利用すればよく、蓋材313Bに限らず、その他の位置に外部エネルギ伝達機構5を設けてもよい。
前記第4実施形態では、外部から与えられる外部エネルギとして、カートリッジホルダ313にメタノールタンク311を設置する際の押圧力とする構成を説明したが、これに限らない。例えば、利用者が燃料電池システム1を操作する際、すなわち、操作ボタンの押下等による押圧力を外部エネルギとして利用してもよい。
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明の燃料電池システムによれば、構造を簡素化して小型化を図るとともに、利便性の向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施形態に係る燃料電池システムを模式的に示す図。
【図2】本発明の第1実施形態における燃料供給部の概略構成を示す図。
【図3】前記実施形態における燃料供給部の断面図。
【図4】前記実施形態におけるチューブの配置を説明する図。
【図5】前記実施形態における駆動機構を図3の上方から見た平面図。
【図6】前記実施形態における駆動機構の断面図。
【図7】本発明の第2実施形態における燃料供給部の概略構成を示す図。
【図8】前記実施形態における駆動機構を正面側から見た図。
【図9】本発明の第3実施形態における燃料供給部の概略構成を示す図。
【図10】前記実施形態におけるラックと角穴車および歯車との噛合状態を説明する図。
【図11】本発明の第4実施形態におけるメタノールタンクの概略構成を示す図。
【図12】前記実施形態におけるメタノールタンクおよびカートリッジホルダの断面図。
【図13】前記実施形態におけるメタノールタンク、カートリッジホルダおよびエネルギ供給手段の配置関係を示す図。
【図14】本発明における変形例を示す図。
【図15】本発明における変形例を示す図。
【符号の説明】
1・・・燃料電池システム、2・・・燃料電池、3・・・補機(補助手段)、4・・・エネルギ供給手段、31・・・タンク(燃料貯蔵部)、32・・・燃料供給部、41・・・ぜんまい、322・・・チューブ(ポンプ)、324・・・駆動部、325・・・調速部、325H・・・調速ロータ(発電機)、325I・・・ステータ(発電機)、325L・・・発電機。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a fuel cell system including a fuel cell that outputs electric energy by an electrochemical reaction, and an apparatus including the fuel cell system.
[0002]
[Background Art]
2. Description of the Related Art Conventionally, there is known a fuel cell system that includes a fuel cell and auxiliary equipment as auxiliary means for supplying fuel and oxidizing gas to the fuel cell, and generates electricity by causing an electrochemical reaction in the fuel cell. (For example, see Patent Document 1).
This fuel cell has anode and cathode electrodes on both sides of an electrolyte membrane, receives fuel (reducing agent) such as hydrogen or hydrocarbon from an auxiliary machine to the anode, and oxidizes gas (such as oxygen or air) on the cathode. Oxidizing agent) to generate an electrochemical reaction to generate electricity.
The auxiliary equipment includes a tank as a fuel storage unit for storing fuel, a pump as a fuel supply unit for supplying fuel, a compressor for supplying oxidizing gas, and the like, for driving the fuel cell. Have.
Such a fuel cell system includes a secondary battery, and the auxiliary machine obtains the electric energy stored in the secondary battery and activates the fuel cell system.
[0003]
[Patent Document 1]
JP-A-7-153476
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the above-described fuel cell system, since a secondary battery is used as an energy source at the time of starting the system, there is a problem that the fuel cell system cannot be downsized.
In addition, when the amount of power stored in the secondary battery is insufficient, a problem such as causing the user to perform a complicated operation such as charging the secondary battery is cited as an example.
[0005]
An object of the present invention is to provide a fuel cell system capable of simplifying the structure, reducing the size, and improving the convenience in view of such problems.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The fuel cell system according to the present invention is a fuel cell system including a fuel cell that outputs electric energy by an electrochemical reaction, wherein the fuel cell system includes an auxiliary unit that assists the electrochemical reaction in the fuel cell, Energy supply means for supplying start-up energy to the auxiliary means, wherein the energy supply means accumulates at least one of mechanical energy, potential energy and heat energy as the start-up energy, and stores the accumulated energy. Starting energy is supplied to the auxiliary means.
Here, as the fuel cell, for example, a polymer electrolyte fuel cell (PEFC) in which a fuel such as methanol or methane is reformed into hydrogen gas, and an electrochemical reaction is generated using the hydrogen gas and the oxidizing gas, Alternatively, a direct methanol fuel cell (DMFC) that generates an electrochemical reaction without reforming a fuel such as methanol can be employed.
As auxiliary means, a pump for supplying fuel to the fuel cell, a sensor for detecting the concentration of fuel such as methanol, a heating element for applying heat to the fuel cell to promote an electrochemical reaction of the fuel cell, and an oxidizing gas are used. A compressor or the like for supplying the fuel cell can be employed. The fuel cell is not limited to these, and when a polymer electrolyte fuel cell is used as the fuel cell, a reformer that reforms a fuel such as methanol or methane into hydrogen gas can be used.
Further, as the energy supply means, an elastic member such as a mainspring, a spring, a leaf spring, or rubber, which can store mechanical energy, can be employed.
According to the present invention, the auxiliary means starts the fuel cell system by at least one of mechanical energy, potential energy, and heat energy from the energy supply means. There is no need to provide a secondary battery or the like that supplies energy. Since the user is not required to perform complicated operations such as charging the secondary battery or the like, the convenience of the fuel cell system can be improved. In addition, since the fuel cell system is started by at least one of mechanical energy, potential energy, and heat energy, the structure of the fuel cell system can be simplified and downsized.
[0007]
In the fuel cell system according to the aspect of the invention, the auxiliary unit may include a fuel storage unit that stores fuel used in the fuel cell, and a fuel supply unit that supplies the fuel stored in the fuel storage unit to the fuel cell. Preferably, the energy supply unit supplies the starting energy to the fuel supply unit to supply the fuel to the fuel cell.
According to the present invention, the auxiliary unit includes the fuel storage unit and the fuel supply unit, and the fuel supply unit supplies the fuel stored in the fuel storage unit to the fuel cell by the energy from the energy supply unit. To cause an electrochemical reaction to generate electric energy. In addition, since the fuel supply unit is configured to be driven by at least one of mechanical energy, potential energy, and heat energy, the configuration of the fuel supply unit has a simple structure and can be easily manufactured.
[0008]
In the fuel cell system according to the aspect of the invention, the auxiliary unit includes a generator that converts startup energy from the energy supply unit into electric energy, and operates the fuel cell system using the electric energy generated by the generator. Energy is preferred.
According to the present invention, since the auxiliary means includes the generator, the fuel cell system can be operated using electric energy generated by the energy from the energy supply means. Therefore, when the fuel cell system is started and operated, the energy to be used can be properly used, and the fuel cell system can efficiently generate electric energy.
[0009]
In the fuel cell system according to the aspect of the invention, it is preferable that the energy supply unit is a mainspring that stores mechanical energy and supplies the auxiliary unit with the mechanical energy.
According to the present invention, since the energy supply means is constituted by a mainspring, the energy supply means as a drive source can be constituted with a simple structure. Further, mechanical energy can be easily generated by human power, and the generated mechanical energy can be easily accumulated.
[0010]
In the fuel cell system of the present invention, it is preferable that the fuel cell system further includes a rotary weight configured to be rotatable by external energy, and the rotary weight is configured to be able to wind up the mainspring by rotating.
According to the present invention, for example, when a fuel cell system is mounted on an electronic device (notebook personal computer, mobile phone, digital camera, video camera, PDA (Personal Digital Assistant)) which is reduced in size and has portability, If the rotary weight is configured to rotate by kinetic energy corresponding to the movement of the electronic device as external energy, the mainspring is automatically wound up by the movement of a person carrying the electronic device, and the energy supply means is provided by a machine. Energy can always be stored.
[0011]
In the fuel cell system according to the present invention, it is preferable that the energy supply means accumulates potential energy obtained by a change in the position of the object, and converts the accumulated potential energy into mechanical energy.
According to the present invention, the energy supply means can easily store energy by using the change in the position of the object. Further, since the energy supply means converts potential energy into mechanical energy, energy can be stored and supplied with a simple structure, and the structure of the fuel cell system can be simplified and downsized.
[0012]
In the fuel cell system of the present invention, it is preferable that the energy supply means accumulates heat energy obtained by a change in ambient temperature and converts the accumulated heat energy into mechanical energy.
According to the present invention, the energy supply means can easily store energy by using a change in ambient temperature. Further, since the energy supply means converts heat energy into mechanical energy, energy can be stored and supplied with a simple structure, and the structure of the fuel cell system can be simplified and downsized.
[0013]
In the fuel cell system according to the aspect of the invention, it is preferable that the energy supply unit accumulates external energy given from outside and supplies the accumulated energy to the auxiliary unit as the start-up energy.
Here, as the external energy given from outside, an operation performed by the user on the fuel cell system or the like can be adopted. For example, when the fuel storage unit is configured as a cartridge that is detachable from a housing constituting the fuel cell system, a pressing force when the cartridge is installed in the housing can be employed as external energy.
In the present invention, the energy supply means stores, for example, external energy such as a user's operation on the fuel cell system, and supplies the stored energy to the auxiliary means as starting energy. Thus, the fuel cell system can be started by external energy such as operation of the fuel cell system by the user, so that the external energy can be used efficiently.
[0014]
In the fuel cell system according to the aspect of the invention, it is preferable that, after activating the fuel cell system, the auxiliary unit operate the fuel cell system with a part of the electric energy generated by the fuel cell.
According to the present invention, the auxiliary means receives energy supply from the energy supply means when the fuel cell system is started. The auxiliary means receives a part of the power generated by the fuel cell after the activation. As a result, it is possible to selectively use the energy to be used when the fuel cell system is started and when the fuel cell system is operated, and to efficiently generate electric energy in the fuel cell system. Further, since the auxiliary means operates the fuel cell system by supplying a part of the power generated by the fuel cell, the fuel cell system can be operated at all times until the fuel supplied to the fuel cell becomes insufficient.
[0015]
On the other hand, a device according to the present invention includes the above-described fuel cell system.
According to the present invention, for example, if the above-described fuel cell system is mounted on a notebook computer, a mobile phone, a digital camera, a video camera, a PDA, or the like as a device, the function and effect of the fuel cell system described above can be enjoyed, and the device can be enjoyed. Since the size of the fuel cell system serving as a driving source for the device is reduced, the size of the device itself can be reduced.
[0016]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
[First Embodiment]
Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings.
[Configuration of fuel cell system]
FIG. 1 is a diagram schematically illustrating a
The
[0017]
The
This
[0018]
The
The
The
[0019]
The
Each of the
[0020]
The
[0021]
The
[0022]
The
Details of the
[0023]
The
The
[0024]
The
The
[0025]
The
The
[0026]
The
The control means controls the
[0027]
Since the
[0028]
[Configuration of Fuel Supply Unit and Energy Supply Means]
Next, the configuration of the
FIG. 2 is a diagram illustrating a schematic configuration of the
FIG. 3 is a cross-sectional view of the
The
[0029]
As shown in FIG. 2 or 3, the
[0030]
As shown in FIG. 3, the
The
In this
[0031]
FIG. 4 is a diagram illustrating the arrangement of the
The fuel flows through the
[0032]
FIG. 5 is a plan view of the
FIG. 6 is a cross-sectional view of the
The
[0033]
The energy supply means 4 includes a
The
The
In addition, a
[0034]
The driving
As shown in FIG. 3 or FIG. 4, the
[0035]
As shown in FIG. 6, the
[0036]
The
[0037]
As shown in FIG. 3, the
The
[0038]
The
Then, as shown in FIG. 5 or FIG. 6, the rotation of the
[0039]
The
The stator 325I forms a magnetic circuit that links the magnetic flux of the permanent magnet 325H2 by the rotation of the governing
[0040]
The stator member 325I1 is arranged substantially in parallel, and the permanent magnet 325H2 of the governing
The coil 325I2 converts a magnetic flux change in the stator material 325I1 caused by the rotation of the permanent magnet 325H2 into electric power. The AC output from the stator 325I is rectified through a rectification circuit including step-up rectification, full-wave rectification, half-wave rectification, transistor rectification, and the like, and charged and supplied to a power supply circuit including a capacitor and the like. Then, the electric power charged in the power supply circuit is supplied to each component (including the control means) of the
That is, the generator according to the present invention corresponds to the governing
[0041]
Here, the control means constituting the
The speed control unit includes a crystal oscillator, an oscillation circuit that divides the frequency from the crystal oscillator and outputs a reference signal, a detection circuit that detects the frequency of the generated AC current, A control circuit that compares the frequency with the reference frequency and outputs an output value according to the difference. The oscillation circuit outputs a reference signal using a signal from the crystal resonator. The control circuit compares the reference signal with the rotation detection signal from the detection circuit, brakes the
Here, the number of turns, the size, the material, and the like of the mainspring 41 are set so that a time for operating the
[0042]
[Operation of fuel cell system]
Next, the operation of the
When the
[0043]
The speed control unit of the control means brakes the
When the speed of the second wheel &
When the
[0044]
Here, the rotation speed of the
After the
[0045]
[Effects of First Embodiment]
The above embodiment has the following effects.
(1) The
[0046]
(2) Since the
(3) Since the
[0047]
(4) Since the energy supply means 4 is constituted by the
(5) The
(6) Since the energy supply means 4 is provided in the
(7) If the
[0048]
[Second embodiment]
Next, a second embodiment of the present invention will be described.
In the following description, the same structures and the same members as those of the first embodiment are denoted by the same reference numerals, and detailed description thereof will be omitted or simplified.
In the first embodiment, the
On the other hand, in the
[0049]
FIG. 7 is a diagram illustrating a schematic configuration of the
As shown in FIG. 7, the outer periphery of the
The
The
[0050]
FIG. 8 is a view of the
The energy supply means 4 stores the potential energy of the object and converts the potential energy obtained by the change in the position of the object into mechanical energy. As shown in FIG. 7, the energy supply means 4 includes a
In such an energy supply means 4, when the
[0051]
As shown in FIG. 8, a
The
[0052]
The
The
The
The
As shown in FIG. 8, the
[0053]
The
In addition, the
Further, the
[0054]
As shown in FIG. 7, if the length L from the fulcrum 325O2 of the rod 325O to the center of gravity 325K1 of the
Theoretically, the natural oscillation period To (s) is represented by the following
[0055]
(Equation 1)
[0056]
Here, the length of the rod 325O can be changed appropriately, that is, the natural oscillation period To of the
The
As shown in FIG. 8, a plurality of permanent magnets 325Q are arranged on the back side of the
Further, each of the permanent magnets 325Q1, 325Q2, 325Q3, 325Q4 is attached such that the S pole or the N pole faces the thickness direction of the
[0057]
As shown in FIG. 8, the
As shown in FIG. 8, the magnetic core 325R1 has a pair of opposed portions X and Y facing the poles of the permanent magnets 325Q1, 325Q2, 325Q3 and 325Q4, and the distance between the opposed portions X and Y is It is the same as the interval between the magnets 325Q1, 325Q2, 325Q3, and 325Q4.
In such a
[0058]
Here, the control unit is electrically connected to the
Specifically, the control circuit includes a first switch (not shown) connected to a first AC input terminal to which an AC signal (AC current) generated by the
As a result, the
[0059]
Next, the operation of the
When the
The rotation of the
[0060]
The speed control unit of the control means controls the speed so that the vibration period Ta of the
By controlling the speed of the
After the
[0061]
[Effect of Second Embodiment]
According to the above-described second embodiment, the following effects are obtained in addition to the effects substantially similar to the above (1) to (3) and (5) to (7).
(8) The energy supply means 4 includes the
[0062]
(9) The length of the rod 325O of the
(10) The
[0063]
[Third embodiment]
Next, a third embodiment of the present invention will be described.
In the following description, the same structures and the same members as those of the first embodiment are denoted by the same reference numerals, and detailed description thereof will be omitted or simplified.
In the first embodiment, the
On the other hand, in the
[0064]
FIG. 9 is a diagram illustrating a schematic configuration of the
The energy supply means 4 stores heat energy and converts heat energy obtained by a change in ambient temperature into mechanical energy. As shown in FIG. 9, the energy supply means 4 includes a heat conversion element storage section 47 for storing a
Here, as the
[0065]
The heat conversion body housing part 47 is fitted with a bottomed cylindrical container 47B, a flexible lid member 47C for closing the opening of the container 47B, and an open end of the container 47B. And a cylindrical cover member 47D sandwiched between the opening-side end of the container 47B.
Here, as the lid member 47C, a tough film having excellent sealing properties and formed of, for example, silicone rubber or Teflon (registered trademark) rubber is used.
The advance /
[0066]
The
A flange 48B1 that protrudes radially outward is provided at an edge of the sliding
[0067]
The
In the
The
[0068]
FIG. 10 is a diagram illustrating a meshing state between the
When the
When the
That is, with the forward / backward movement of the forward /
The
[0069]
Next, the operation of the
When the advancing / retracting
Then, similarly to the first embodiment, the speed control controller of the control means brakes the
After the
[0070]
[Effects of Third Embodiment]
According to the above-described third embodiment, the following effects are obtained in addition to the effects substantially similar to the above (1) to (3) and (5) to (7).
(11) The energy supply means 4 includes a heat conversion element storage section 47 for storing the
(12) Since the driving force of the
[0071]
[Fourth embodiment]
Next, a fourth embodiment of the present invention will be described.
In the following description, the same structures and the same members as those of the first embodiment are denoted by the same reference numerals, and detailed description thereof will be omitted or simplified.
In the first embodiment, the
On the other hand, in the fourth embodiment, the
[0072]
FIG. 11 is a diagram illustrating a schematic configuration of a
As shown in FIG. 11, the
[0073]
FIG. 12 is a cross-sectional view of the
In the
The fuel take-out
The engaging
[0074]
The
The holder
[0075]
The
[0076]
FIG. 13 is a diagram showing an arrangement relationship between the
As shown in FIG. 13, an external
The external
[0077]
Among them, the
Here, the
[0078]
Next, the operation of the
The user opens the
When the
[0079]
When the
At the same time, the
Then, the
Note that the start-up operation and the operation of the
[0080]
According to the above-described fourth embodiment, the following effects are obtained in addition to the effects substantially similar to the above (1) to (7).
(13) The
[0081]
[Modification of Embodiment]
The present invention is not limited to the above embodiment, but includes the following modifications.
In each of the above embodiments, the
[0082]
FIG. 14 is a diagram schematically showing a
The
The
[0083]
Here, the fuel stored in the
The configuration of the
[0084]
The
[0085]
The
That is, the
[0086]
In the
[0087]
In each of the above embodiments, the
FIG. 15 is a diagram in which the configuration of the
In the
In such a configuration, the
[0088]
In each of the above embodiments, the
For example, when configured as a syringe pump, the
Similarly, for example, when configured as a diaphragm pump, the
[0089]
In each of the above embodiments, the energy supply means 4 stores any one of mechanical energy, potential energy, and heat energy. However, the present invention is not limited to this, and two of mechanical energy, potential energy, and heat energy are stored. Alternatively, it may be configured to accumulate all. Further, a plurality of energy supply means 4 may be provided. In such a configuration, the amount of energy for starting the
[0090]
In the first embodiment, a rotary weight configured to be rotatable by external energy may be provided, the
In such a configuration, when a portable electronic device is provided with a fuel cell system, if the rotating weight is rotated by kinetic energy according to the movement of the electronic device as external energy, the electronic device can be configured as follows. The
[0091]
In the first embodiment, the
For example, in the first embodiment, an energy supply unit for storing the potential energy described in the second embodiment is further provided. Then, the energy supply means and the
Further, for example, in the first embodiment, an energy supply unit for accumulating heat energy described in the third embodiment is further provided. Then, the energy supply means and the winding
[0092]
In the second embodiment, the potential energy may be stored using the mechanical energy or the heat energy in the first embodiment or the third embodiment.
For example, in the second embodiment, an energy supply unit for storing heat energy described in the third embodiment is further provided. Then, in a state where the
Further, for example, in the second embodiment, an energy supply unit including the mainspring 41 described in the first embodiment is provided on the shaft of the
[0093]
In the first embodiment, the energy supply means 4 is constituted by the
[0094]
In the second embodiment, the configuration in which the permanent magnet 325Q is disposed on the front side of the
For example, the permanent magnet 325Q may be arranged to penetrate the front and back of the
[0095]
In the second embodiment, the S pole and the N pole of the permanent magnet 325Q are arranged so as to face in the thickness direction of the
In the third embodiment, the configuration using paraffin wax as the
[0096]
The configuration of the external
For example, in the second embodiment, when the external
[0097]
In the fourth embodiment, the configuration in which the external
In the fourth embodiment, the
In the fourth embodiment, the configuration in which the external energy given from the outside is the pressing force when the
【The invention's effect】
As described above, according to the fuel cell system of the present invention, the structure can be simplified and the size can be reduced, and the convenience can be improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram schematically showing a fuel cell system according to each embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a diagram showing a schematic configuration of a fuel supply unit according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a sectional view of a fuel supply unit in the embodiment.
FIG. 4 is a view for explaining the arrangement of tubes in the embodiment.
FIG. 5 is a plan view of the driving mechanism in the embodiment as viewed from above in FIG. 3;
FIG. 6 is a sectional view of the drive mechanism in the embodiment.
FIG. 7 is a diagram illustrating a schematic configuration of a fuel supply unit according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 8 is a view of the driving mechanism in the embodiment as viewed from the front side.
FIG. 9 is a diagram illustrating a schematic configuration of a fuel supply unit according to a third embodiment of the present invention.
FIG. 10 is a view for explaining a meshing state of a rack, a square wheel and a gear in the embodiment.
FIG. 11 is a diagram showing a schematic configuration of a methanol tank according to a fourth embodiment of the present invention.
FIG. 12 is a sectional view of a methanol tank and a cartridge holder in the embodiment.
FIG. 13 is a diagram showing an arrangement relationship between a methanol tank, a cartridge holder, and energy supply means in the embodiment.
FIG. 14 is a diagram showing a modification of the present invention.
FIG. 15 is a diagram showing a modification of the present invention.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (10)
前記燃料電池における電気化学反応を補助する補助手段と、
当該燃料電池システムの起動時に前記補助手段に対して起動エネルギを供給するエネルギ供給手段とを具備し、
前記エネルギ供給手段は、機械エネルギ、位置エネルギおよび熱エネルギのうちの少なくともいずれか一つを前記起動エネルギとして蓄積し、この蓄積した起動エネルギを前記補助手段に供給することを特徴とする燃料電池システム。A fuel cell system including a fuel cell that outputs electric energy by an electrochemical reaction,
Auxiliary means for assisting an electrochemical reaction in the fuel cell;
Energy supply means for supplying start-up energy to the auxiliary means when the fuel cell system is started,
A fuel cell system, wherein the energy supply means stores at least one of mechanical energy, potential energy, and heat energy as the start-up energy, and supplies the stored start-up energy to the auxiliary means. .
前記補助手段は、前記燃料電池にて用いられる燃料を貯蔵する燃料貯蔵部と、前記燃料貯蔵部に貯蔵された燃料を前記燃料電池に供給する燃料供給部とを備え、
前記エネルギ供給手段は、前記燃料供給部に前記起動エネルギを供給して前記燃料を前記燃料電池に供給させることを特徴とする燃料電池システム。The fuel cell system according to claim 1,
The auxiliary means includes a fuel storage unit that stores fuel used in the fuel cell, and a fuel supply unit that supplies the fuel cell with the fuel stored in the fuel storage unit.
The fuel cell system according to claim 1, wherein the energy supply unit supplies the fuel to the fuel cell by supplying the starting energy to the fuel supply unit.
前記補助手段は、前記エネルギ供給手段からの起動エネルギを電気エネルギに変換する発電機を備え、前記発電機にて発電された電気エネルギを当該燃料電池システムを稼動するエネルギとすることを特徴とする燃料電池システム。The fuel cell system according to claim 1 or 2,
The auxiliary means includes a generator for converting the starting energy from the energy supply means into electric energy, and uses the electric energy generated by the generator as energy for operating the fuel cell system. Fuel cell system.
前記エネルギ供給手段は、機械エネルギを蓄積するとともに前記補助手段に前記機械エネルギを供給するぜんまいであることを特徴とする燃料電池システム。The fuel cell system according to any one of claims 1 to 3,
The fuel cell system according to claim 1, wherein the energy supply unit is a mainspring that stores mechanical energy and supplies the auxiliary unit with the mechanical energy.
外部エネルギにより回転自在に構成される回転錘を備え、
前記回転錘は、回転することにより前記ぜんまいを巻き上げ可能に構成されていることを特徴とする燃料電池システム。The fuel cell system according to claim 4,
Equipped with a rotary weight that is rotatable by external energy,
The fuel cell system, wherein the rotary weight is configured to be able to wind up the mainspring by rotating.
前記エネルギ供給手段は、物体の位置の変化により得られる位置エネルギを蓄積するとともに、蓄積した位置エネルギを機械エネルギに変換することを特徴とする燃料電池システム。The fuel cell system according to any one of claims 1 to 3,
The fuel cell system according to claim 1, wherein the energy supply means stores potential energy obtained by a change in the position of the object, and converts the stored potential energy into mechanical energy.
前記エネルギ供給手段は、周囲の温度変化により得られる熱エネルギを蓄積するとともに、蓄積した熱エネルギを機械エネルギに変換することを特徴とする燃料電池システム。The fuel cell system according to any one of claims 1 to 3,
The fuel cell system according to claim 1, wherein the energy supply means stores heat energy obtained by a change in ambient temperature and converts the stored heat energy into mechanical energy.
前記エネルギ供給手段は、外部から与えられる外部エネルギを蓄積し、この蓄積したエネルギを前記起動エネルギとして前記補助手段に供給することを特徴とする燃料電池システム。The fuel cell system according to any one of claims 1 to 7,
The fuel cell system according to claim 1, wherein said energy supply means accumulates external energy given from outside and supplies the stored energy to said auxiliary means as said starting energy.
前記補助手段は、当該燃料電池システムを起動した後、前記燃料電池にて発電された電気エネルギの一部により当該燃料電池システムを稼動することを特徴とする燃料電池システム。The fuel cell system according to any one of claims 1 to 8,
The fuel cell system according to claim 1, wherein the auxiliary means operates the fuel cell system by using a part of the electric energy generated by the fuel cell after starting the fuel cell system.
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