JP2004157203A - 光変調装置 - Google Patents

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Satoshi Kodama
聡 児玉
Hiroshi Ito
弘 伊藤
Shunei Yoshimatsu
俊英 吉松
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】高速、かつ低駆動電圧で高消光比な光変調装置を提供する。
【解決手段】光入力信号aを2つに分岐して出力する光2分波器11と、光2分波器11の出力側の一方に接続され、光信号の光強度を変調するLN−MZM1と、光2分波器11の出力側の他方に接続された光導波路12と、LN−MZM1の出力側と光導波路12の出力側とが接続され、2つの光信号c1、c2を合波して出力する光合波器15とを有し、光合波器15に入力される2つの光信号c1、c2の位相差を半波長にする光位相調整手段として、光信号の位相を調整する電極13を光導波路12に設けた光変調装置。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光信号の光強度を変調する光変調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信システムでは、基本部品の光ゲート素子として、小型で安定な電気−光(EO:Electro−Optic)素子であるニオブ酸リチウム(LiNbO)を材料とし、これを用いた光位相変調器とマッハツェンダー干渉計とを組み合わせた光強度変調器(LN−MZM:Lithium Niobate Machzhender Interferometer Modulator)などが用いられている。将来の超高速光通信システムの実現には、この光強度変調器の高速化とともに、低駆動電圧化、高消光比化が求められている。
【0003】
従来の光変調装置の一例として、LN−MZMの構成を図6に示す(非特許文献1参照)。
【0004】
LN−MZM1は、光信号を2つに分岐して出力する3dB光2分波部3と、2つに分岐された光信号を1つに合波して出力する光合波部9と、光2分波部3と光合波部9との間に並列に接続される2本の光導波路4、5とを有している。一方の光導波路5の近傍には、光導波路5を伝搬する光信号の位相を変調させる進行波電極6が設けられており、光導波路5及び進行波電極6により光位相変調部7を構成する。進行波電極6には、各々電気入力用、電気出力用となる2つの引き出し電極8a、8bが接続されており、電気出力用となる引き出し電極8bの外部には終端抵抗が接続されている。これらは、全てニオブ酸リチウム(LiNbO)基板2上に形成されている。
【0005】
光導波路4、5の長さは、同じ長さに設定されており、全体としてマッハツェンダー干渉計となる。つまり、LN−MZM1は、光位相変調部7とマッハツェンダー干渉計とを組み合わせることで光強度変調器として機能することとなる。
【0006】
次に、従来の光変調装置の一例であるLN−MZM1の動作について、図6を用いて説明する。
【0007】
光入力信号aは、光2分波部3によって2分岐され、同位相で光導波路4、光位相変調部7にそれぞれ入力される。進行波電極6に電圧が印可されない場合、光位相変調部7からの出力光b1(光合波部9への一方の入力光)の位相と、光導波路4からの出力光b2(光合波部9への他方の入力光)の位相とは同位相であるため、光合波部9で出力光b1と出力光b2が合波されると、干渉により強め合って光出力信号eが出力され、オン状態となる。一方、出力光b1と出力光b2との位相差が半波長となるように、進行波電極6に印加される電圧(電気制御信号f)を設定すると、光合波部9を通過する際に出力光b1と出力光b2が干渉により打ち消しあい、出力信号光eは完全に消光され、オフ状態となる。上記オン状態、オフ状態を制御することにより、LN−MZM1を光ゲート素子として用いている。
【0008】
【非特許文献1】
齋藤 富士郎著「超高速光デバイス」共立出版株式会社、1998年6月15日、p.122−128
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の光変調装置であるLN−MZMは、位相変調に用いている電気−光学効果が小さく、高い消光比を得るためには、駆動電圧が高くなるという問題があった。又、高い消光比を維持したまま低駆動電圧化を図るためには、位相変調部を長くしなければならず、素子(装置)サイズが大きくなるとともに、進行波電極も長くなるため、高周波電気信号の損失が大きくなり、高速化が困難になるという問題もあった。
【0010】
つまり、従来の光変調装置では、消光比と駆動電圧及び消光比と高速性がトレードオフの関係にあり、高速性と低駆動電圧と高消光比とを同時に達成することは困難であった。
【0011】
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、高速、かつ低駆動電圧で高消光比な光変調装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の請求項1に係る光変調装置は、光信号を2つに分岐して出力する光分波器と、前記光分波器の出力側の一方に接続され、光信号の光強度を変調する光強度変調器と、前記光分波器の出力側の他方に接続された光導波路と、前記光強度変調器の出力側と前記光導波路の出力側とが接続され、2つの光信号を合波して出力する光合波器と、前記光合波器に入力される2つの光信号の位相差を半波長にする光位相調整手段とを有することを特徴とする。
【0013】
上記課題を解決する本発明の請求項2に係る光変調装置は、前記光位相調整手段として、前記光合波器に入力される2つの光信号の位相差を半波長にするように、前記光導波路の長さを設定したことを特徴とする。
【0014】
上記課題を解決する本発明の請求項3に係る光変調装置は、前記光位相調整手段として、光信号の位相を調整する電極を前記光導波路に設けたことを特徴とする。
【0015】
上記課題を解決する本発明の請求項4に係る光変調装置は、前記光位相調整手段として、光信号の位相を調整する電極を有する光導波路を、前記光分波器と前記光強度変調器との間、又は前記光強度変調器と前記光合波器との間に設けたことを特徴とする
【0016】
上記課題を解決する本発明の請求項5に係る光変調装置は、前記光合波器に入力される2つの光信号の位相差が半波長となるように、前記電極に印可される電圧を設定したことを特徴とする。
【0017】
上記課題を解決する本発明の請求項6に係る光変調装置は、前記光合波器に入力される2つの光信号の光強度が同じになるように、前記光強度変調器を設定することで、当該光変調装置をオフ状態とし、前記光合波器に入力される2つの光信号の内、前記光強度変調器からの光信号が十分小さくなるように、前記光強度変調器を設定することで、当該光変調装置をオン状態としたことを特徴とする。
【0018】
上記課題を解決する本発明の請求項7に係る光変調装置は、前記光強度変調器が、マッハツェンダー型光強度変調器又は半導体を用いた電界吸収型光変調器であることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明に係る光変調装置は、従来の光強度変調器に、光信号の位相を調整する光位相調整手段を設けて、低駆動電圧で高速性及び高消光比を両立させるものである。これを実現する本発明に係る実施形態の具体例を以下に示し、図面を用いて詳細に説明する。なお、図面において、同等の機能を有するものには、同一の符号を付す。
【0020】
(実施例1)
図1は、本発明に係る実施形態の一例を示す実施例1の光変調装置の構成図である。
【0021】
本実施例の光変調装置は、光信号を2つに分岐して出力する光2分波器11と、2つの光信号を1つに合波して出力する光合波器15と、光2分波器11の出力側と光合波器15の入力側との間の一方側を接続する光強度変調器であるLN−MZM1と、他方側を接続する光導波路12とを有している。つまり、光2分波器11と光合波器15との間に、LN−MZM1と光導波路12が並列に接続されている構成である。光導波路12の近傍には、光導波路12を伝搬する光信号の位相を調整する電極13が設けられており、電極13には外部への引き出し電極14が接続されている。つまり、光位相調整手段となる光導波路12及び電極13は、電極13に電圧を印可することによって、光導波路12内を伝搬する光信号の位相を変化させることができる。なお、図1では、電極13と対となる電極は省略した。
【0022】
LN−MZM1は光信号の光強度を変調する光強度変調器として機能し、その構成は、図6に示した従来の光変調装置と同等である。即ち、LN−MZM1は、光信号を2つに分岐して出力する光2分波部3と、2つの光信号を1つに合波して出力する光合波部9と、光2分波部3と光合波部9との間に並列に接続される2本の光導波路4、5とを有しており、一方の光導波路5の近傍に、光導波路5を伝搬する光信号の位相を変調させる進行波電極6を設けることで、光導波路5及び進行波電極6による光位相変調部7を構成し、進行波電極6に電気入力用、電気出力用となる2つの引き出し電極8a、8bが接続されているものである。このLN−MZM1の入力側が光2分波器11の出力側の一つに接続され、LN−MZM1の出力側が光合波器15入力側の一つに接続されて、光変調装置を構成している。
【0023】
つまり、本実施例の光変調装置は、従来の光変調装置であるLN−MZM1に、光信号の位相を調整する光導波路12、電極13を並列に設け、それらに入出力する光信号を、光2分波器11と光合波器15により、各々分波、合波するようにした構成と言える。
【0024】
本実施例の光変調装置を構成するものは、全てニオブ酸リチウム(LiNbO)基板2上にモノリシック集積されており、LN−MZM1の他、光2分波器11、光導波路13、光合波器15もニオブ酸リチウムを材料として形成されている。これは、後述する実施例2の光変調装置でも同様である。
【0025】
次に、本実施例の光変調装置の動作について、図1を用いて説明する。
光入力信号aは光2分波器11によって2分岐され、同位相でLN−MZM1、光導波路12にそれぞれ入力される。LN−MZM1からの出力光c1(光合波器15への一方の入力光)と、光導波路12からの出力光c2(光合波器15への他方の入力光)とが光合波器15で合波する際に、出力光c1、出力光c2の位相差が半波長となるように、電極13に電圧を印可しておき、LN−MZM1からの出力光c1の光強度が、光導波路12からの出力光c2の光強度と同じになるように、電気制御信号fの電圧を設定すると、光合波器15を通過する際に出力光c1と出力光c2が干渉により打ち消しあい、出力信号光eは完全に消光され、本光変調装置はオフ状態となる。
【0026】
一方、LN−MZM1からの出力光c1の光強度が、光導波路12からの出力光c2の光強度よりも十分小さくなるように、電気制御信号fの電圧を設定すると、光合波器15を通過する際に光導波路12からの出力光c2の光強度が半分になるものの、光出力信号eとして外部に出力され、本光変調装置はオン状態となる。つまり、出力光c1と出力光c2は、位相差が半波長あるため、光合波器15を通過する際に干渉により打ち消しあおうとするが、出力光c1の光強度が十分に小さいため、出力光c2の光強度が半分になって出力信号光eとして出力される。なお、出力信号光eが小さくなる場合には、光増幅器にて増幅すればよい。
【0027】
ここで、光入力信号aの光強度をPin、印可する電圧によって変化するLN−MZM1の可変透過損をLOSSとすると、光出力信号eの光強度Poutは、以下の数式で表される。
out=(1−LOSS)/4×Pin ・・・ (1)
なお、上記数式(1)を簡単にするため、光2分波器11、光合波器15の分岐比をそれぞれ1:1とし、光2分波器11、光導波路12、光合波器15のそれぞれの透過損と、電気制御信号fの電圧をLN−MZM1の最大透過状態に設定した際のLN−MZM1の透過損は無視している。
【0028】
図2は、数式(1)から計算された本光変調装置の透過損とLN−MZM1の可変透過損との関係を示すグラフである。
【0029】
図2に示すように、本実施例の光変調装置は、透過状態で原理的に6dBの透過損を有する。しかしながら、消光状態(光強度変調器LN−MZM1の可変透過損が0dBの場合)では、光変調装置全体の透過損は無限大となる。又、例えば、LN−MZM1の消光比(透過損)が小さく5dB程度である場合、光変調装置全体の原理的透過損は9dB程度と大きくなるものの、この場合でも消光状態での消光比(透過損)は無限大である。つまり、本実施例の光変調装置を構成する光強度変調器として、高速ではあるが消光比の低いLN−MZMを用いた場合でも、光変調装置全体としては、高速性を維持したまま高い消光比を実現できることとなる。又、駆動電圧を低くして消光比が低い状態でLN−MZM1を用いた場合でも、光変調装置全体としては、高い消光比を実現できることとなる。したがって、上記構成とすることで、高速性、低駆動電圧、高消光比を同時に達成する光変調装置を実現できることとなる。
【0030】
実際の素子(光変調装置)では、光導波路12の透過損と、印可される電圧を最大透過状態に設定した際のLN−MZM1の透過損は有限の値を持っているため、LN−MZM1に印可される電圧をLN−MZM1の最大透過状態に設定した際、LN−MZM1からの出力光c1と光導波路12からの出力光c2の光強度が同じになるように、光2分波器11の分岐比を設定するか、もしくは、光合波器15で合波される際に出力光c1及び出力光c2が同じ強度となるように、光合波器15の分岐比を設定するのが望ましい。
【0031】
なお、LN−MZM1からの出力光c1と光導波路12からの出力光c2が光合波器15で合波される際に、その位相差が半波長となるように、光導波路12の長さを設定することで、電極13、引き出し電極14を省略することができる。つまり、出力光c1と出力光c2との位相差が半波長となるような長さを有する光導波路12自体が、光位相調整手段となる。
【0032】
但し、実際の作製において、作製誤差により、位相差が半波長となるように光導波路12の長さを設定できない場合には、電極13、引き出し電極14を省略することはできない。しかし、電極13に与える電圧は、作製誤差を吸収するために必要な電圧でよいため、光導波路12の長さを位相差が半波長となるように設定していない場合と比較して、電極13に与える電圧を低い電圧にすることができる。
【0033】
(実施例2)
図3は、本発明に係る実施形態の一例を示す実施例2の光変調装置の構成図である。
【0034】
本実施例の光変調装置も、従来の光強度変調器に、光信号の位相を調整する光位相制御手段を設けた構成であり、図1において示した実施例1の光変調装置と同等のものから構成されている。相違点としては、図1における光導波路12での電極13、引き出し電極14を無くし、光強度変調器であるLN−MZM1と光2分波器11との間に、光位相制御手段となる光導波路16、電極17及び引き出し電極18を設けたことである。つまり、実施例1では、光信号の位相調整を出力光c2に対して行なっていたが、本実施例では、LN−MZM1と位相調整部(光導波路16、電極17)とを直列に接続することで、光信号の位相調整を出力光c1に対して行うようにしたものである。なお、LN−MZM1と位相調整部(光導波路16、電極17)との接続順を逆にしてもよい。
【0035】
次に、本実施例の光変調装置の動作について、図3を用いて説明する。
光入力信号aは光2分波器11によって2分岐され、同位相で光導波路16、光導波路12にそれぞれ入力される。出力光c1と出力光c2とが光合波器15で合波する際に、位相差が半波長となるように、電極17に電圧を印可しておき、出力光c1の光強度が、出力光c2の光強度と同じになるように、電気制御信号fの電圧を設定すると、光合波器15を通過する際に出力光c1と出力光c2が干渉により打ち消しあい、出力信号光eは完全に消光され、本光変調装置はオフ状態となる。
【0036】
一方、出力光c1の光強度が、出力光c2の光強度よりも十分小さくなるように、電気制御信号fの電圧を設定すると、光合波器15を通過する際に出力光c2の光強度が半分になるものの、光出力信号eとして外部に出力され、本光変調装置はオン状態となる。なお、出力信号光eが小さくなる場合には、光増幅器にて増幅すればよい。
【0037】
このような構成とすることで、高速性、低駆動電圧、高消光比を同時に達成する光変調装置を実現できるとともに、全ての引き出し電極8a、8b、18を、素子(光変調装置)の片側に集めることができ、モジュール化する際に電気実装を容易にすることができる。
【0038】
なお、実施例1と同様に、LN−MZM1からの出力光c1と光導波路12からの出力光c2が光合波器15で合波する際に、その位相差が半波長となるように、光導波路12の長さを設定することで、電極17、引き出し電極18を省略することができる。つまり、出力光c1と出力光c2との位相差が半波長となるような長さを有する光導波路12自体が、光位相調整手段となる。
【0039】
但し、実際の作製において、作製誤差により、位相差が半波長となるように光導波路12の長さを設定できない場合には、電極17、引き出し電極18を省略することはできない。しかし、電極17に与える電圧は、作製誤差を吸収するために必要な電圧でよいため、光導波路12の長さを位相差が半波長となるように設定していない場合と比較して、電極17に与える電圧を低い電圧にすることができる。
【0040】
上記実施例1及び実施例2の光変調装置では、従来のLN−MZMの作製プロセスと同じプロセスを用いることができ、マスクレイアウトの変更のみで容易に実現することができる。
【0041】
又、上記実施例1及び実施例2の光変調装置では、光強度変調器としてLN−MZMを用いたが、その他の公知のMZM(マッハツェンダー)型光強度変調器を用いてもよい。その場合、平面基板としては、用いる光強度変調器が形成できる基板とすることが望ましく、光2分波器、光導波路、光合波器としては、その基板上に形成できるものを用いることが望ましい。
【0042】
(実施例3)
図4は、本発明に係る実施形態の一例を示す実施例3の光変調装置の構成図である。
【0043】
本実施例の光変調装置も、従来の光強度変調器に、光信号の位相を調整する光位相制御手段を設けた構成である。但し、光強度変調器として、実施例1、実施例2で用いたLN−MZMではなく、半導体の電界吸収型光変調器(EAM:Electroabsorption Modulator)を用いた。したがって、光回路としての構成は、光強度変調器の部分を除いて、実施例2に示した光変調装置と同等の構成ではあるが、基板20を含め、その上に形成される光2分波器21、光導波路、22、26、29、31、光合波器25等が半導体で形成されている。
【0044】
具体的には、図4に示すように、本実施例の光変調装置は、光信号を2つに分岐して出力する光2分波器21と、2つの光信号を1つに合波して出力する光合波器25と、光2分波器21の出力側と光合波器25の入力側との間の一方側を接続するEAM30及び位相調整部(光導波路26及び電極27)と、他方側を接続する光導波路22とを有している。光2分波器21と光合波器25との間に、直列に接続されたEAM30及び光位相制御手段となる位相調整部(光導波路26及び電極27)と、光導波路22とが並列に接続されている構成である。なお、EAM30と位相調整部(光導波路26、電極27)との接続順を逆にしてもよい。
【0045】
光2分波器21側に、可変光位相調整用の光導波路26、電極27及び引き出し電極28が設けられており、光導波路29を介して、光強度変調器であるEAM30を構成する光導波路31、電極32及び引き出し電極33が設けられている。このような配置とすることで、本実施例では、EAM30からの出力光d1に対して、光信号の位相調整を行うようにした。電極27、32は、各々光導波路26、31の近傍に設けられ、各々光導波路26、31を伝搬する光信号の位相を変調させるものである。又、電極27、32には外部への引き出し電極28、33が接続されており、電極27、32に電圧を印可できるようになっている。なお、図4では、EAM30に必要な電源回路や電極27、32と対となる電極は省略した。
【0046】
光導波路26、31は、InAlGaAs/InAlAs多重量子井戸吸収層をコアとしInPをクラッドとした光導波路である。又、光2分波器21、光導波路22、29、光合波器25は、各々再成長にて形成したInPをクラッドとし、InGaAsPをコアとした光導波路を用いて形成されている。本実施例の光変調装置を構成するこれらのものは、全てInP基板20上にモノリシック集積されている。
【0047】
次に、本実施例の光変調装置の動作について、図4を用いて説明する。
光入力信号aは光2分波器21によって2分岐され、同位相で光導波路22、26にそれぞれ入力される。位相調整用の光導波路26、光導波路29及びEAM30を構成する光導波路31を通過した出力光d1(光合波器25への一方の入力光)と、光導波路22からの出力光d2(光合波器25への他方の入力光)とを、光合波器25で合波する際に、その位相差が半波長となるように、電極27に電圧を印可しておき、EAM30を構成する光導波路31からの出力光d1の光強度と、光導波路22からの出力光d2の光強度とを同じにするように、電気制御信号fの電圧を設定すると、出力信号光eは完全に消光され、光変調装置装置はオフ状態となる。なお、光導波路22の長さは、電極27、32に電圧が印可されていない場合の出力光d1と、出力光d2とを、光合波器25で合波する際に、その位相差が半波長となるように設定してある。
【0048】
一方、EAM30を構成する光導波路31からの出力光d1の光強度が、光導波路22からの出力光d2の光強度よりも十分小さくなるように、電気制御信号fの電圧を設定すると、光合波器25を通過する際に光導波路22からの出力光d2の光強度が半分になるものの、光出力信号eとして外部に出力され、本光変調装置はオン状態となる。なお、出力信号光eが小さくなる場合には、光増幅器にて増幅すればよい。
【0049】
ここで、光入力信号aの光強度をPin、印可する電圧によって変化するEAM30を構成する光導波路31の可変透過損をLOSSとすると、光出力信号eの光強度Poutは、前述の数式(1)と同様に表される。なお、数式(1)を簡単にするため、光2分波器21、光合波器25の分岐比をそれぞれ1:1とし、光2分波器21、光導波路22、29、光合波器25のそれぞれの透過損と、電気制御信号fの電圧を、EAM30を構成する光導波路31の最大透過状態に設定した際の光導波路31の透過損は無視している。
【0050】
数式(1)から計算された本光変調装置の透過損と、光導波路31の可変透過損との関係は、実施例1の場合と同様に図2のグラフの関係となる。本光変調装置も透過状態で原理的に6dBの透過損を有しているが、消光状態では透過損は無限大となる。又、例えば、光導波路31、電極32、引き出し電極33で構成されるEAM30の消光比が小さく5dB程度である場合、光変調装置全体の原理的透過損は9db程度と大きくなるものの、消光状態での消光比は無限大である。
【0051】
EAM単体も、前述のLN−MZMと同様に、消光比と駆動電圧及び消光比と高速性がトレードオフの関係にあり、高速性と低駆動電圧と高消光比とを同時に達成することは困難であった。しかしながら、上記構成とすることで、本実施例の光変調装置を構成する光強度変調器として、高速ではあるが消光比の低いEAMを用いた場合でも、光変調装置全体としては、高速性を維持したまま高い消光比を実現できることとなる。又、駆動電圧を低くして消光比が低い状態でEAMを用いた場合でも、光変調装置全体としては、高い消光比を実現できることとなる。
【0052】
実際の素子(光変調装置)では、光導波路22の透過損、印可される電圧を最大透過状態に設定した際のEAM30を構成する光導波路31の透過損及び光導波路29の透過損は有限の値を持っているため、光導波路31に印可される電圧を光導波路31の最大透過状態に設定した際、光導波路31の出力光d1と、光導波路22の出力光d2の光強度が同じになるように、光2分波器21の分岐比を設定するか、もしくは、光合波器25で合波される際に、出力光d1及びd2が同じ強度となるように光合波器15の分岐比を設定するのが望ましい。
【0053】
このような構成とすることで、高速性、低駆動電圧、高消光比を同時に達成する光変調装置を実現できるとともに、実施例2の光変調装置と比較して、素子サイズを小さくすることができる。
【0054】
本実施例では、光変調装置内の光強度変調器としてEAM30を用いているため、出力信号光eがオン状態となる(EAM30がオフ状態となる)バイアス条件では、同時にEAM30内で位相変化が発生し、出力光d1の位相を変化させてしまう。しかし、この位相変化は出力光d1と出力光d2との位相差を少なくするように働くため、出力光d1と出力光d2が光合波器25で合波する際に、その一部が有効に合波されることとなり、バイアス条件下でEAM30内に位相変化がない場合の損失の理論限界3dBよりも、光合波器25における損失が小さくなる。その結果、オン状態における光変調装置全体の透過損失が低減されることとなる。
【0055】
(実施例4)
図5は、本発明に係る実施形態の一例を示す実施例4の光変調装置の構成図である。
【0056】
本実施例の光変調装置も、従来の光強度変調器(EAM30)に、光信号の位相を調整する光位相制御手段を設けた構成であり、図4において示した実施例3の光変調装置の光導波路26、29、31を、1つの光導波路34としたことを除いて、実施例3の光変調装置と同等の構成である。
【0057】
本実施例の光変調装置は、光信号を2つに分岐して出力する光2分波器21と、2つの光信号を1つに合波して出力する光合波器25と、光2分波器21の出力側と光合波器25の入力側との間に並列に接続された光導波路22と光導波路34とを有しており、光2分波器21と光合波器25との間の一方側の光導波路34に、位相調整部を構成する電極27とEAM30とを直列に設けた構成である。なお、EAM30と位相調整部を構成する電極27との接続位置を逆にしてもよい。この様な構成することで、実施例3の光変調装置の光導波路26、29、31間に必要であったバットジョイントを排することができ、損失を小さくすることができる。
【0058】
上記実施例3及び実施例4では、吸収層にInAlGaAs/InAlAs多重量子井戸層を用いた半導体のEAMを用いているが、InGaAs/InAlAs、InGaAs/InGaAsP、InGaAsP/InGaAsP等の多重量子井戸吸収層を有するEAMや、InGaAsP/InPバルク吸収層を有する半導体のEAMであっても良い。その場合、平面基板としては、用いるEAMが形成できる基板とすることが望ましく、光2分波器、光導波路、光合波器としては、その基板上に形成できるものを用いることが望ましい。
【0059】
又、上記全ての実施例において、光2分波器及び光合波器として、Y字分岐型光2分波器及びY字合波型光合波器を用いたが、方向性結合器型や多モード干渉(MMI:Multi−Mode Interferometer)型の分波/合波器などのその他の公知の光2分波器及び光合波器であっても良い。
【0060】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明に係る光変調装置によれば、従来の光変調器の問題を解決し、高速性、低駆動電圧、高消光比を同時に達成する光変調装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態の一例を示す実施例1の光変調装置の構成図である。
【図2】本発明に係る光変調装置の透過損と内蔵する光強度変調器の可変透過損との関係を示すグラフである。
【図3】本発明に係る実施形態の一例を示す実施例2の光変調装置の構成図である。
【図4】本発明に係る実施形態の一例を示す実施例3の光変調装置の構成図である。
【図5】本発明に係る実施形態の一例を示す実施例4の光変調装置の構成図である。
【図6】従来の光変調装置の構成図である。
【符号の説明】
1 LN−MZM
2 LiNbO基板
3 光2分波部
4、5 光導波路
6 進行波電極
7 光位相変調部
8a、8b 引き出し電極
9 光合波部
11 光2分波器
12 光導波路
13 電極
14 引き出し電極
15 光合波器
16 光導波路
17 電極
18 引き出し電極
20 InP基板
21 光2分波器
22 光導波路
25 光合波器
26 光導波路
27 電極
28 引き出し電極
29 光導波路
30 EAM
31 光導波路
32 電極
33 引きだし電極
34 光導波路
a 光入力信号
b1 光導波路5の出力光(光合波部9の一方の入力光)
b2 光導波路4の出力光(光合波部9の他方の入力光)
c1 LN−MZM1からの出力光(光合波器15の一方の入力光)
c2 光導波路12の出力光(光合波器15の他方の入力光)
d1 EAM30からの出力光(光合波器25の一方の入力光)
d2 光導波路22の出力光(光合波器25の他方の入力)
e 光出力信号
f 電気制御信号

Claims (7)

  1. 光信号を2つに分岐して出力する光分波器と、前記光分波器の出力側の一方に接続され、光信号の光強度を変調する光強度変調器と、前記光分波器の出力側の他方に接続された光導波路と、前記光強度変調器の出力側と前記光導波路の出力側とが接続され、2つの光信号を合波して出力する光合波器と、前記光合波器に入力される2つの光信号の位相差を半波長にする光位相調整手段とを有することを特徴とする光変調装置。
  2. 請求項1記載の光変調装置において、
    前記光位相調整手段として、前記光合波器に入力される2つの光信号の位相差を半波長にするように、前記光導波路の長さを設定したことを特徴とする光変調装置。
  3. 請求項1記載の光変調装置において、
    前記光位相調整手段として、光信号の位相を調整する電極を前記光導波路に設けたことを特徴とする光変調装置。
  4. 請求項1記載の光変調装置において、
    前記光位相調整手段として、光信号の位相を調整する電極を有する光導波路を、前記光分波器と前記光強度変調器との間、又は前記光強度変調器と前記光合波器との間に設けたことを特徴とする光変調装置。
  5. 請求項3又は請求項4記載の光変調装置において、
    前記光合波器に入力される2つの光信号の位相差が半波長となるように、前記電極に印可される電圧を設定したことを特徴とする光変調装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の光変調装置において、
    前記光合波器に入力される2つの光信号の光強度が同じになるように、前記光強度変調器を設定することで、当該光変調装置をオフ状態とし、前記光合波器に入力される2つの光信号の内、前記光強度変調器からの光信号が十分小さくなるように、前記光強度変調器を設定することで、当該光変調装置をオン状態としたことを特徴とする光変調装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の光変調装置において、
    前記光強度変調器が、マッハツェンダー型光強度変調器又は半導体を用いた電界吸収型光変調器であることを特徴とする光変調装置。
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