JP2004154475A - 超音波診断装置、超音波断層像の解析装置、及び超音波断層像の解析方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】超音波診断装置は解析手段(25,30,24,14,13)を備える。この解析手段は、断層像を成す信号を取得して記録し、断層像上に関心領域を設定し、断層像上に参照信号値を得る領域を設定し、更に、この指定領域の参照値を、記録されている信号から得る。また、解析手段は、関心領域内の各画素の信号値と参照値との比を、記録されている信号を用いて演算し、演算された関心領域の各画素での比に応じた輝度及び色相のうちの少なくとも一方を反映した新たなデータを画素毎に生成して表示する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波診断装置、超音波断層像の解析装置、及び超音波断層像の解析方法に係り、とくに、超音波造影剤を用いる造影エコー法の施行時に診断情報の精度を向上させる画像処理機能を発揮させることができる超音波断層像の解析装置、及び超音波断層像の解析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、超音波診断装置による超音波診断は、超音波プローブを体表から当てるだけの簡単な操作で心臓の拍動や胎児の動きの様子がリアルタイム表示で得られ、かつ安全性が高いため繰り返して検査が行うことができる。また超音波診断装置は、システムの規模がX線、X線CT、MRIなど他の診断機器に比べて小さいため、装置をベッドサイドへ移動させて行って、検査を容易に行うことができる。超音波診断装置の大きさは、それが具備する機能の種類によって異なるが、小型な装置では片手で持ち運べる程度のものも開発されている。超音波診断はX線装置などのようにX線被曝の影響がないので、比較的安心して使用できるという利点がある。
【0003】
このような状況下にあって、近年、静脈投与型の超音波造影剤が製品化され、これにより造影エコー法が普及しつつある。例えば、心臓および腹部臓器などの検査において、静脈から超音波造影剤を注入して血流からエコー信号を増強させ、血流動態の評価を行うことができる。この造影エコー法は、従来の超音波ドプラ法を用いた場合でも検出不可能な微小血流(組織潅流)の情報を映像化できる。造影剤の多くは微小気泡(マイクロバブル)を主成分とし、この微小気泡が反射源となり、上述のエコー信号が増強される。造影剤の注入量・濃度が高いほど、造影効果は大きくなる。しかし、気泡というデリケートな基材の性質上、超音波照射によって気泡は簡単に壊れることから、造影効果時間が短縮するという問題もあることが近年、解っている。
【0004】
ところで、生体内に照射される超音波パルスの送信音圧に着目すると、この強度は超音波診断の断層面内で常に均一とは限らない。例えば、超音波パルスのフォーカス付近の送信音圧は、その周囲よりも高い。またフォーカス点より深部では、超音波は生体減衰の影響を受け、深部になるに従い音圧は低下する。超音波パルスがその伝搬経路の上側(すなわち浅部側)において大きな減衰定数を持つ生体組織に遭遇した場合、その下側(すなわち深部側)での送信音圧は著しく低下する、などの現象が起こる。
【0005】
通常、超音波診断システムは受信信号を補正する機能を有しており、上述の送信音圧の不均一性を受信信号を補正することによって補完し、映像化することが可能になっている。
【0006】
しかしながら、造影エコー法施行時には、このような受信信号の補正だけでは良好な診断情報が得られない場合が起こり得る。すなわち、上述のように微小気泡は送信音圧によってその振る舞いが複雑に変化するため、受信信号の補正では対応できないことが多い。
【0007】
造影エコーは、造影剤を投与して行うという性質上、一過性の診断であり、関心領域への造影剤の流入から流出に従って信号強度がダイナミックに変化するという特徴がある。このような診断情報から、正常値と異常値を鑑別するための定量化が試みられている。例えば、造影輝度がピークに至るまでの時間、ピーク時の信号強度、正常組織と疾患部位の信号強度の比などが報告されている。
【0008】
上述のように超音波診断法は送信音場が不均一であり、それによって造影輝度が変化することは、上記の定量手法を施行する上で本質的な問題となる。染影輝度の不均一は、正常部位を虚血部位と誤診(あるいはその逆)してしまう危険性がある。これを回避するためのいくつかの手法が提案されている。例えば、非特許文献1によれば、肝臓腫瘍から悪性の肝癌と良性の腫瘍とを鑑別する方法として、肝腫瘍内に流入する造影剤信号の、最大流入速度を定量することで可能となる、と報告されている。この文献記載の手法の場合、同一深度の正常領域の造影剤最大流入速度を併せて求め、正規化することで補正を行っている。
【0009】
また、非特許文献2によれば、心筋組織の虚血もしくは梗塞部位を正常値から見分けるために、心筋内造影輝度の定量化を試みており、心筋の関心領域の輝度を、この関心領域から最も近い心腔内部の輝度で規格化することにより、補正を行っている。
【0010】
この非特許文献2に記載の補正の方式を、図14を参照して詳述する。少し詳しく説明する。図14は、造影剤投与後に見られる心腔および心筋部の染影画像の模式図である。前述のように、不均一送信音場に起因する染影の不均一が起こり、例えばフォーカス点と同一深度の部位a2では輝度が高く、それ以外では輝度低下が見られる。ここで仮に部位1a,2a,及び3aの心筋部染影輝度を10dB,20dB,及び8dBとすると、これだけの情報では、正確な診断が出来ないばかりか、部位a3が虚血という偽診断の危険性も生じてくる。一方、心腔内には疾病に寄らず、撹拌された造影剤が均一に充満していると考えられるので、部位1a,2a,及び3aとそれぞれ同一深度に存在する心腔部の部位1b,2b,及び3bの染影輝度は例えば25dB,35dB,及び23dBとなる。そこで、心筋と心腔部の輝度の比(デシベル量で表現した場合は両者の差)を演算すると、1a/1b,2a/2b,3a/3bの全てについて、−15dBとなり、輝度の均一化が図られる。
【0011】
【非特許文献1】
野村康晴、松田康雄 等 “造影エコー法による肝細胞癌の造影効果の定量的評価”, 日本超音波医学会論文誌, Vol.23, No.7, 505−512 (1996)
【0012】
【非特許文献2】
伊藤浩“Has myocardial opacification of Levovist changed diagnosisof cardiology?”, 第3回国際造影超音波シンポジウム 予稿集, (2001)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述した非特許文献2に記載の染影輝度信号の補正法によれば、その具体的な演算法は簡単であり、画像の輝度平均を演算する汎用の画像処理ソフトウェアを用いれば実現可能ではある。
【0014】
しかしながら、格別に超音波診断に特化していない汎用の画像処理ソフトウェアを用いた場合、診断結果の取得から解析に至るまでの所要時間と煩雑さにより診断効率が著しく低下する。また、超音波診断の場合、処理結果が単なる数値で提示されるよりも、診断画像の情報を有効に活用して検査結果、カルテ、レポートに添付できることが望ましいが、汎用の画像処理ソフトではそのような要望に応えることもできない。
【0015】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、超音波断層スキャンで取得された画像から、心筋組織の虚血もしくは梗塞部位を正常値から見分けるための心筋内造影輝度の定量化など、関心領域の造影輝度を確実に定量化できる一方で、この定量化を診断効率良く実施でき、かつ診断情報を有効に活用した処理結果の提示を行うことができる、超音波診断装置、超音波断層像の解析装置、及び超音波断層像の解析方法を提供することを、本発明の目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る超音波診断装置は、その基本的な構成として、被検体に超音波パルスを照射することにより当該被検体の断層像を得る超音波診断装置であり、前記断層像の関心領域内の各画素の信号値に、参照値に基づいた演算を施して新たな信号値に関する情報を求める解析手段と、この解析手段により求められた信号値に関する情報を提供する提供手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】
例えば、前記解析手段は、前記参照値に基づいて前記関心領域の画素毎の信号値を、新たな輝度及び新たな色相のうちの少なくとも一方の性質を有する信号値に変換する手段を有する。さらに、例えば、この前記解析手段は、前記断層像内であって前記関心領域とは別の領域の信号値を前記参照値として用いて、前記関心領域の画素毎の信号値と当該参照値との比を演算する手段を有する。
【0018】
また、好適には、前記提供手段は、前記解析手段により求められた信号値に関する情報を前記断層像の前記関心領域の各画素に重畳して提示する手段である。
【0019】
また、本発明の一態様によれば、上述した基本的な超音波診断装置において、前記解析手段は、前記断層像を成す信号を取得して記録する記録手段と、前記断層像上に関心領域を設定する関心領域設定手段と、前記断層像上に参照信号値を得る領域を設定する参照領域設定手段と、この参照領域設定手段により指定された領域の前記参照値を、前記記録手段に記録されている信号から得る参照値取得手段と、前記関心領域内の各画素の信号値と前記参照値との比を、前記記録手段に記録されている信号を用いて演算する演算手段と、この演算手段より演算された前記関心領域の各画素での比に応じた輝度及び色相のうちの少なくとも一方を反映した新たなデータを画素毎に生成する生成手段と有することができる。
【0020】
また、別の態様によれば、前記解析手段は、複数の被検体から過去に得られた複数の診断画像を用いて演算された、解剖学的に同一断層の信号値の平均値、分散値、及び標準偏差を含む統計情報を記憶する統計情報記憶手段と、前記断層像上に関心領域を設定する関心領域設定手段と、前記統計情報記憶手段から前記関心領域に応じた前記統計情報を前記参照値として読み出す参照値取得手段と、前記関心領域内の各画素の信号値と前記参照値との比を、前記記録手段に記録されている信号を用いて演算する演算手段と、この演算手段より演算された前記関心領域の各画素での比に応じた輝度及び色相のうちの少なくとも一方を反映した新たなデータを画素毎に生成する生成手段と有することもできる。
【0021】
また、本発明によれば、超音波診断装置によって、被検体に超音波パルスを照射して得られた当該被検体の断層像を解析する超音波断層像の解析装置が提供され、この装置は、前記断層像の関心領域内の各画素の信号値に、参照値に基づいた演算を施して新たな信号値に関する情報を求める解析手段と、この解析手段により求められた信号値に関する情報を提供する提供手段とを備えたことを特徴とする。
【0022】
さらに、本発明によれば、超音波診断装置によって、被検体に超音波パルスを照射して得られた当該被検体の断層像を解析する超音波断層像の解析方法が提供され、この方法は、前記断層像の関心領域内の各画素の信号値に、参照値に基づいた演算を施して新たな信号値に関する情報を求めるステップと、この解析手段により求められた信号値に関する情報を提供するステップとを含むことを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。なお、本発明に係る超音波画像の解析の手法は、肝臓、膵臓、心筋などのあらゆる診断部位に造影剤を用いた造影(コントラスト)エコー法を実施して、それにより得られる断層像に応用可能である。以下に説明する実施形態では、主に心筋部に適用した場合について説明する。
【0024】
(第1の実施の形態)
図1〜6及び図10〜12を参照して、本発明に係る超音波診断装置の第1の実施形態を説明する。
【0025】
この超音波診断装置は、図1に示すように、被験者との間で超音波信号の送受信を担う超音波プローブ12と、この超音波プローブを駆動しかつ超音波プローブの受信信号を処理する装置本体11と、この装置本体に接続されかつオペレータからの指示情報を装置本体に入力可能な入力装置13、モニタ14とを具備する。
【0026】
入力装置13には、診断装置の制御や様々な画質条件設定を行うことが可能な、ボタン、キーボード、トラックボールなどが含まれる。
【0027】
装置本体11は、超音波送受信ユニット21,Bモード処理ユニット22,ドプラ処理ユニット23,画像生成回路24,制御プロセッサ(CPU)25,記憶媒体31,その他のインターフェース31,を具備する。記憶媒体30は、診断画像データを記憶する画像メモリ26、あるいは本発明の解析プログラムを保存するソフトウェア格納部27などの機能を司る。これらは集積回路などのハードウェアで構成されることもあるが、ソフトウェア的にモジュール化されたソフトウェアプログラムである場合もある。
【0028】
超音波送受信ユニット21は、図示しないが、遅延回路およびパルサ回路といった送信回路、および、A/D変換器、加算器といった受信回路からなり、パルス状の超音波を生成してプローブ12の振動素子に送り、被検体内の組織で散乱したエコー信号を再びプローブ12で受信することで受信信号を得る。
【0029】
超音波送受信ユニット21からの出力は、Bモード処理ユニット22に送られる。ここでエコー信号対数増幅、包絡線検波処理などが施され、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータとなる。ドプラ処理ユニット23は、エコー信号から速度情報を周波数解析し、解析結果を画像生成回路24に送る。
【0030】
画像生成回路24では、超音波スキャンの走査線信号列から、テレビなどに代表される一般的なビデオフォーマットの走査線信号列に変換される、また種々の設定パラメータの文字情報や目盛などと共に合成され、ビデオ信号としてモニター14に出力する。かくして被検体組織形状を表す断層像が表示される。
【0031】
また画像生成回路24の入力前あるいは入力後に、診断画像は記憶メモ26に送られる。この画像メモリは、例えば診断の後に操作者が呼び出すことが可能となっている。
【0032】
制御プロセッサ27は、情報処理装置(計算機)としての機能を持ち、本超音波診断装置本体の動作を制御する制御手段である。また本発明の信号解析に対しても、必要なプログラムやデータを記憶媒体30から転送指令を送る。
【0033】
検査のワークフローを図2に例示する。同図から分かるように、検査のワークフローには、造影検査の開始(ステップW1)、診断画像の記録(ステップスW2)、造影検査の終了(ステップW3)、解析プログラムの起動(ステップW4)、診断画像の呼出(ステップW5)、解析処理(後処理;ステップW6)、解析結果の記憶部への保存及びレポート(ステップW7)、及び解析終了(ステップW8)が含まれる。このうち、ステップW2,W4〜W7は本発明に該当する作業を示し、後述するように、制御プロセッサ25,記憶部30,入力装置13、及びインターフェース28により、オペレータとインターラクティブに情報をやり取りしながら、自動的に実行される。
【0034】
「造影検査開始」(ステップW1)は、従来の造影検査を開始するプロセスである。検査者は造影エコー用のモードに切り替えたり、造影剤の用意や被験者への投与などが含まれる。
【0035】
「診断画像の記録」(ステップW2)は、主に従来通りの画像記憶手段である。操作者がボタンを押すことなどで、現在の診断画像がデジタル形式で超音波診断装置の記憶部30に記録される。あるいは、検査の全部あるいは一部が、記憶部30の画像メモリ28に自動的に保存される。
【0036】
この診断画像の本発明に係わる機能は以下の通りである。これを図10と共に示すと、診断画像を記録するか否かが判断される(ステップS11)。そして、画像生成回路24の後方の信号(ビデオフォーマット後)を保存する場合、デシベル表示されている情報から逆対数変換を行うための情報、例えば対数変換時の数式係数、ゲイン、ダイナミックレンジ、輝度スケール情報、画像処理パラメータなどが、画像データと同時に画像メモリ26に記録される(ステップS12,S13)。このビデオフォーマット後の画像データは、診断画像そのものであり、データ容量などの面からも扱い易いという長所がある。一方、画像生成回路24の前方の信号(raw data)を画像メモリ26に記録することもできる(ステップS12,S13)。なお、解析した画像をモニタ14に表示する際は、画像生成回路24を経由して画像データがモニタ14に送られる。このため、再度、画像生成回路24による診断画像生成の処理が付与されるので、制御プロセッサ25は、解析結果の描出能を左右する種々の画像処理の条件を記憶しておく必要がない。
【0037】
「検査終了」(ステップW3)は、従来の造影検査を終了するプロセスであり、患者への超音波スキャンはここで終了する。
【0038】
「解析プログラムの起動」(ステップW4)は、本発明に係る解析処理ソフトウェアを起動するプロセスであり、操作者が超音波診断装置のコンソールの所定ボタンを押すなどの操作に応答して、かかる解析処理ソフトウェアが起動される。
【0039】
「診断画像呼び出し」(ステップW5)は、検査中に記録された画像を呼び出すプロセスであり、画像メモリ26、もしくは図示しないハードディスクに記録された画像を操作者が選択する。なお、「解析プログラムの起動」と「診断画像呼び出し」のステップの順番が逆でも良い。
【0040】
「解析」(ステップW6)は、上述のように呼び出した画像に対して、本発明に係る解析演算を施し、新たな画像を得るプロセスである。この解析演算のプロトコルと機能の詳細は後述する。
【0041】
さらに、「結果の保存、レポート」(ステップW7)では、上述の解析により得られた結果が記憶媒体に保存されるとともに、例えばモニタ14を介して操作者にレポートされる。具体的には、解析結果は、超音波診断装置の画像メモリ26に保存してもよいし、インターフェース28を介してネットワークに接続されている外部装置に保存してもよい。また、プリンタなどに出力する、電子カルテに添付する、などの処理で保存及びレポートしてもよい。
【0042】
(解析演算のプロトコル)
上述のステップW6で実行される解析演算の手法を図3及び図11を参照して説明する。
【0043】
まず、選択された画像が表示されている状態で、心筋部と心腔部を分割する境界線(組織学的には心臓内膜に相当)を描画される(図13(a),(b)及び図11、ステップS21)。これは、簡単には操作者がトラックボールあるいはマウスなどのポインティングデバイスを利用して描画可能となっている。また、心臓内膜を自動的にトレースする機能を用いてもよい。
【0044】
次に、描出された境界線に対して心筋部位が関心部位として設定されるとともに、心腔内の所望領域がインターラクティブに指定される(ステップS22)。次いで、この指定された関心部位内の各画素の輝度値及び心腔内の所望領域の各画素の輝度値が画像メモリ26から読み出される(ステップS23)。
【0045】
そこで、境界線外側に位置する心筋部の各画素の輝度値を、境界線内側の心腔部の所望領域の輝度値(代表値)で除算(デシベル値の場合、減算に相当)することで、新たな値(補正値)を得る演算が実行される(ステップS24)。
【0046】
上述のように、境界線外側の心筋部については画素単位で上述の演算が実行される。この結果、診断画像のテクスチャは保持され、自然な描画性が得られる。これに対して、内側の心腔部はある程度の大きさの領域(ROI)が指定されるので、そのROI内の平均輝度値(代表値)が上述した演算に用いられる。この結果、心腔部における輝度値の補正演算に与える微小な変動が軽減される。
【0047】
次いで、カラースケールバーのデフォルト情報を読出し(ステップS25)、このカラースケールバーに基づいて又はその変更したカラースケールバーに基づいて、上述のように演算された新たな輝度値(信号値)をマッピングする(ステップS26〜S28)。このカラーバーの色相、ダイナミックレンジおよび表示ゲインは、操作者による変更が可能となっている。
【0048】
特に、このマッピングにおいて、表示ゲインに関しては、従来のように値の増加度を数値で表現するのではなく、中央値として具体的な値が設定される。このように、正常値と異常値を識別する臨界値が臨床的に明らかになっている場合、その値を基準に用いて直接に表示することが有効である。これにより、例えばカラースケールがその中央値を境に大きく変化するので、より直接的な診断が可能となる。
【0049】
(補正演算の詳細)
上述したステップS24で実行される補正値演算のプロセスを図4及び図5を用いて詳述する。
【0050】
図4(a)は、境界線の外側の各画素(ピクセル)値を表している。内側の輝度値で補正を行う場合、同一深度のピクセル群は同じ参照値を用いても良い。図4(b)は心腔内の参照値の領域を表している。心腔内の参照値については、このようにある程度広い領域の平均値を用いることが望ましい。
【0051】
ところで、超音波診断装置における同一深度とは、厳密には図4(c)の如く、扇形同心形状である。よって、図示のように、参照する補正値は、同心円上の同一深度に存在するROIを用いるようにしてもよい。実際にはこの深度の差異は小さいので、画像平面上での同一深度で代用する方が演算処理速度の面で効率がよい。
【0052】
図5は、心筋部と心腔内の領域を設定するためのマン・マシンインターフェースの例である。このインターフェースは制御プロセッサ25,入力装置13,インターフェース(回路)28,画像メモリ28、画像生成回路24,及モニタ14から成り、モニタ14上に図5に示す如く表示されるウィンドウを提示する。
【0053】
このインターフェースによれば、ウィンドウのボタンB1を介して、関心領域としての心筋外膜の厚さを指定できるようになっている。本実施形態では内膜は操作者によって指定されるが、心筋外膜についてはここで簡単に指定できる。つまり、一般に心筋外膜の目視によるトレースは難しいので、多少正確さを欠いても、大きめに設定してやれば診断目的は達成でき、その方が効率的である。
【0054】
また、このインターフェースのウィンドウには、トレースした内膜が模式的に表示される(符号B2参照)。この表示により、操作者がパラメータを設定する際の直感的な操作が補助される。
【0055】
さらに、このインターフェースによれば、ウィンドウのボタンB3を介して、操作者は境界線の内側(心腔部)のROIの開始位置を指定できるようになっている。内側のROIを、トレースした心筋内膜境界に隣接して設定すると、トレース時の微小なズレによって、例えば外側心筋部輝度が内側ROI内に混入してしまう危険性がある。このように開始位置を指定できるので、解析精度を低下させないで解析の簡便性を向上させることができる。また、2つのボタンB4を介して、この内側のROIの大きさは任意に設定できるようになっている。
【0056】
(解析結果の保存及びレポート機能)
上述の心筋部の輝度値を定量化する補正演算に基づく解析によって、図2のステップW7において、その解析結果が保存されるともに、操作者にレポートされる。このうち、図6には、レポート機能の一つとして、心筋部に対する実際の解析結果の例を模式的に示す。
【0057】
このレポート機能を図12と共に説明する。かかる補正演算に基づく解析の結果得られた関心領域(ここでは心筋部)の画素毎の新しい輝度値(信号値)は、専用のカラースケールバーを元にマッピングされ、モニタ14により、Bモード断層像上に重畳して図6に示す如く表示されている。この表示状態から、制御プロセッサ25を演算処理の中枢とするインターフェースによって、以下のような処理が可能になっている。
【0058】
まず、操作者が図6の表示画面上で所定のボタンを押すことで、上述の解析結果のイメージを非表示にし、元のBモード画像のみを表示することができるようになっている(図12、ステップS31、S32)。
【0059】
また、図6に示す表示画面上で、画像上の任意の点にポインタを当てると、その位置の輝度値が画像メモリ26から読み出され、その輝度の数値が表示される(図12、ステップS33,S34)。この表示の際、指定したポインタ位置が解析対象の部分(カラー部分)に在る場合、解析結果の新しい輝度値が数値として表示される一方で、その位置が解析の非対象部分に在る場合は、Bモードの輝度値が表示される。
【0060】
この輝度の数値は、その提示の一例として、そのまま画像上に配置される。このとき、好適には、関心点上に数値が表示されると、関心点の画像が隠れてしまうので、ドラッグすることでコネクタ線(図6参照)を用いて心筋部を外れた位置に表示される。
【0061】
さらに、操作者が所望する場合、カラースケールバーのマップは、予め用意されている数種類のパターンから操作者が任意に選択したり、操作者がカラーマップを編集することができる(ステップS35,S36)。
【0062】
(第2の実施の形態)
続いて図7〜9及び図13を参照して、本発明に係る超音波診断装置の第2の実施の形態を説明する。なお、本実施形態においては、前述した第1の実施形態の構成要素と同一又は同等のものには同一符号を用いて、その説明を省略又は簡略化する。
【0063】
前述した第1の実施形態では、参照部位の輝度値を参照値として、音場の不均一性を補正する解析手法について説明したが、この第2の実施形態にあっては、参照部位の輝度値を用いた場合でも補正しきれない場合の補正に関する。具体的には、統計データを用いる補正による解析法が提供される。
【0064】
図7には、かかる解析を行うことが可能な超音波診断装置の概要を示す。同図に示す構成のうち、統計情報データベース31が新たに追加されている。
【0065】
この統計情報データベースには、過去に施行された造影エコー法の画像群を元に解析された、心筋各部位の染影輝度の平均値、あるいは分散値などといった統計情報が登録されている(図13、ステップS41,S42)。これらの統計情報は、研究成果を元に作成され、予め診断装置に保存されていることが望ましいが、使用者の医療機関などで新たに蓄積したデータを元に、これらの統計情報を更新することも可能となっている(図13、ステップS43,S44)。
【0066】
統計情報の例を図8に示す。この例によれば、図8(a)に示すごとく、心筋の主要な領域毎に染影輝度の平均値が図8(b)のごとく、設定条件毎にデータベース化されている。
【0067】
操作者は造影エコーを行う際、予め推奨の条件に設定を行うが、これは簡単に設定条件A,B,及びCといったボタンが用意されているのが望ましい(ステップS46〜S48)。
【0068】
図9は上記統計情報による補正の具体例である。この例は、図8(b)に示す設定条件Aの元で取得された、図8(a)に示す領域1内にある画素の数値をいくつか表示してある(補正前)。この条件に対する補正値は、図8(b)の表によれば15dBとなっている。よって、この値で除算(デシベル量では減算)したものが、「補正後」に示した値である。別の領域の画素に対しては、同様に補正表から参照し、最終的には統計情報を基にした補正画像が得られる。
【0069】
上記のようにして得られた心筋の新しい輝度値(信号値)の画像は、前述と同様に、図6に示すように表示される。このため、図6に示したユーザインターフェースを用いて、解析結果がレポートされる。このレポート機能の一つとして、前述のように画面上にポインタを当てた場合の数値表示は、解析結果の輝度値の他、統計情報から得られる分散値が、例えば15±1dBのように表示される。
【0070】
なお、上述した実施形態にあっては、本願発明に係る関心領域の輝度値定量化のための解析を超音波診断装置により実行するように構成したが、本発明を実施する態様は必ずしも、それに限定されるものではなく、例えば、超音波診断装置により取得された画像データをオンライン又はオフラインで受信し、前述した解析処理を行う専用の解析装置として実施することもできる。この場合の解析装置は例えばコンピュータ装置で構成され、前述した各種の造影エコー法に特化した解析処理のソフトウェアをインストールすることで、前述したと同等の作用効果を得ることができる。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る超音波診断装置、超音波断層像の解析装置、及び超音波断層像の解析方法によれば、超音波断層スキャンで取得された画像から、造影剤染影輝度を補正して新たな輝度値を演算するという解析を行うことができ、その解析結果を診断画像と類似の形態で表示することができる。これにより、従来知られていた解析処理を超音波診断、とくに造影エコー法に特化した形態で提示でき、診断効率及び診断精度の向上に貢献できる。また、解析の結果、疾患部があった場合、それを客観的かつ簡単に識別できるため、患者自身への説明および他の医師への情報伝達にも役立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波診断装置の第1の実施形態を説明する概略ブロック図。
【図2】第1の実施形態で実行される、操作者の操作を伴うワークと制御プロセッサで自動的に実行される処理とを含むワークフロー。
【図3】本発明に係る補正演算の方法を説明する説明図。
【図4】本発明に係る補正演算の方法を説明する説明図。
【図5】補正演算に用いる領域などの設定に用いるユーザインターフェースのウィンドウを例示する図。
【図6】補正演算に基づく解析結果を例示する画面の模式図。
【図7】本発明に係る超音波診断装置の第2の実施形態を説明する概略ブロック図。
【図8】第2の実施形態で用いる統計情報のデータベースの概念図。
【図9】第2の実施形態で実行される補正前と補正後の信号値を対比して示す説明図。
【図10】第1の実施形態において実行される、ユーザインターフェースを用いた処理の一部を示す概略フローチャート。
【図11】第1の実施形態において実行される、ユーザインターフェースを用いた処理の別の一部を示す概略フローチャート。
【図12】第1の実施形態において実行される、ユーザインターフェースを用いた処理の別の一部を示す概略フローチャート。
【図13】第2の実施形態において実行される、ユーザインターフェースを用いた処理の一部を示す概略フローチャート。
【図14】従来の心筋輝度補正法の一例を示す説明図。
【符号の説明】
11 装置本体
12 超音波プローブ
13 入力装置
14 モニタ
24 画像生成回路
25 制御プロセッサ
26 画像メモリ
27 ソフトウェア格納部
28 インターフェース
30 記憶部
31 統計情報データベース
Claims (29)
- 被検体に超音波パルスを照射することにより当該被検体の断層像を得る超音波診断装置において、
前記断層像の関心領域内の各画素の信号値に、参照値に基づいた演算を施して新たな信号値に関する情報を求める解析手段と、
この解析手段により求められた信号値に関する情報を提供する提供手段とを備えたことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1に記載の超音波診断装置において、
前記解析手段は、前記参照値に基づいて前記関心領域の画素毎の信号値を、新たな輝度及び新たな色相のうちの少なくとも一方の性質を有する信号値に変換する手段を有することを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項2に記載の超音波診断装置において、
前記解析手段は、前記断層像内であって前記関心領域とは別の領域の信号値を前記参照値として用いて、前記関心領域の画素毎の信号値と当該参照値との比を演算する手段を有することを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項3に記載の超音波診断装置において、
前記提供手段は、前記解析手段により求められた信号値に関する情報を前記断層像の前記関心領域の各画素に重畳して提示する手段であることを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1に記載の超音波診断装置において、
前記解析手段は、
前記断層像を成す信号を取得して記録する記録手段と、
前記断層像上に関心領域を設定する関心領域設定手段と、
前記断層像上に参照信号値を得る領域を設定する参照領域設定手段と、
この参照領域設定手段により指定された領域の前記参照値を、前記記録手段に記録されている信号から得る参照値取得手段と、
前記関心領域内の各画素の信号値と前記参照値との比を、前記記録手段に記録されている信号を用いて演算する演算手段と、
この演算手段より演算された前記関心領域の各画素での比に応じた輝度及び色相のうちの少なくとも一方を反映した新たなデータを画素毎に生成する生成手段と有することを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項5に記載の超音波診断装置において、
前記解析手段により求められた信号値に関する情報を記録媒体に保存する保存手段を更に備えたことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項5又は6に記載の超音波診断装置において、
前記記録手段は、前記超音波パルスの照射に応じて受信された受信信号をビデオフォーマットに変換する前又は後の何れか一方の形態に基づく信号を記録する手段である超音波診断装置。 - 請求項5〜7の何れか一項に記載の超音波診断装置において、
前記関心領域設定手段は、前記断層像上で手動操作に応じて又は所定のアルゴリズムに基づいて自動的に前記関心領域に関わる境界線を設定する手段を有することを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項8に記載の超音波診断装置において、
前記関心領域設定手段は、前記断層像上で心臓の前記関心領域としての心筋部を心腔部から分割する境界線を手動操作に応じて又は所定のアルゴリズムに基づいて自動的に設定する手段を有し、
前記参照領域設定手段は、前記境界線により分割された心腔部に領域を設定する手段であることを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項9に記載の超音波診断装置において、
前記関心領域設定手段は、前記心筋部の心筋外膜の厚さを数値で指定可能な手段を有することを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項9に記載の超音波診断装置において、
前記参照領域設定手段は、前記心腔部に一定の大きさの領域を設定する手段であり、当該領域を描画設定するときの開始位置を指定可能に構成されていることを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項9〜11の何れか一項に記載の超音波診断装置において、
前記演算手段は、前記記録手段に記録されている信号を用いて、前記境界線の外側に位置する前記心筋部の各画素の前記信号値としての輝度値を、前記心腔部に設定された領域の前記信号値としての輝度値で割り算を行って前記新たな信号値を得る手段であることを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項12に記載の超音波診断装置において、
前記参照値取得手段は、前記心腔部に設定された領域の代表値を前記参照値として、前記記録手段に記録されている信号から得る手段であることを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項5〜13の何れか一項に記載の超音波診断装置において、
前記生成手段により生成された前記関心領域の各画素の新たなデータを、与えられた表示条件に応じて前記関心領域に画素毎にマッピングすることにより前記断層像に重畳してカラースケールバーと共に表示する表示手段を更に備えたことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項14に記載の超音波診断装置において、
前記表示手段は、オペレータからの指示により変更可能な、前記カラースケールバーの色相、表示のダイナミックレンジ、及び表示ゲインを含む前記表示条件を設定する手段を含むことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項15に記載の超音波診断装置において、
前記表示条件を設定する条件は、前記表示ゲインとして、その中央値を設定するように構成されていることを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項14に記載の超音波診断装置において、
前記表示手段は、前記関心領域にマッピングした前記新たなデータの前記断層像に対する重畳表示を指令に応じて中止可能に構成したことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項14〜17の何れか一項に記載の超音波診断装置において、
前記表示手段は、前記断層像上の位置の指定を受け付ける手段と、この指定された位置の輝度を求める手段と、この求めた輝度を数値として表示する手段とを有することを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項15に記載の超音波診断装置において、
前記表示手段は、前記カラースケールバーのマップを予め用意されている複数種類のパターンの中から選択又は所望のマップに編集可能に構成したことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1に記載の超音波診断装置において、
前記解析手段は、
複数の被検体から過去に得られた複数の診断画像を用いて演算された、解剖学的に同一断層の信号値の平均値、分散値、及び標準偏差を含む統計情報を記憶する統計情報記憶手段と、
前記断層像上に関心領域を設定する関心領域設定手段と、
前記統計情報記憶手段から前記関心領域に応じた前記統計情報を前記参照値として読み出す参照値取得手段と、
前記関心領域内の各画素の信号値と前記参照値との比を、前記記録手段に記録されている信号を用いて演算する演算手段と、
この演算手段より演算された前記関心領域の各画素での比に応じた輝度及び色相のうちの少なくとも一方を反映した新たなデータを画素毎に生成する生成手段と有することを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項20に記載の超音波診断装置において、
前記提供手段は、前記解析手段により求められた信号値に関する情報を前記断層像の前記関心領域の各画素に重畳して提示する手段であることを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項20又は21に記載の超音波診断装置において、
前記統計情報記憶手段は、前記統計情報を更新可能に構成したことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項20〜22の何れか一項に記載の超音波診断装置において、
前記生成手段により生成された前記関心領域の各画素の新たなデータを、与えられた表示条件に応じて前記関心領域に画素毎にマッピングすることにより前記断層像に重畳してカラースケールバーと共に表示する表示手段を更に備えたことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項23に記載の超音波診断装置において、
前記表示手段は、前記断層像上の位置の指定を受け付ける手段と、この指定された位置の輝度及び前記統計情報を求める手段と、この求めた輝度及び統計情報を数値として表示する手段とを有することを特徴とする超音波診断装置。 - 超音波診断装置によって、被検体に超音波パルスを照射して得られた当該被検体の断層像を解析する超音波断層像の解析装置において、
前記断層像の関心領域内の各画素の信号値に、参照値に基づいた演算を施して新たな信号値に関する情報を求める解析手段と、
この解析手段により求められた信号値に関する情報を提供する提供手段とを備えたことを特徴とする超音波断層像の解析装置。 - 請求項25に記載の超音波断層像の解析装置において、
前記解析手段は、
前記断層像を成す信号を取得して記録する記録手段と、
前記断層像上に関心領域を設定する関心領域設定手段と、
前記断層像上に参照信号値を得る領域を設定する参照領域設定手段と、
この参照領域設定手段により指定された領域の前記参照値を、前記記録手段に記録されている信号から得る参照値取得手段と、
前記関心領域内の各画素の信号値と前記参照値との比を、前記記録手段に記録されている信号を用いて演算する演算手段と、
この演算手段より演算された前記関心領域の各画素での比に応じた輝度及び色相のうちの少なくとも一方を反映した新たなデータを画素毎に生成する生成手段と有することを特徴とする超音波断層像の解析装置。 - 請求項26に記載の超音波断層像の解析装置において、
前記解析手段は、
複数の被検体から過去に得られた複数の診断画像を用いて演算された、解剖学的に同一断層の信号値の平均値、分散値、及び標準偏差を含む統計情報を記憶する統計情報記憶手段と、
前記断層像上に関心領域を設定する関心領域設定手段と、
前記統計情報記憶手段から前記関心領域に応じた前記統計情報を前記参照値として読み出す参照値取得手段と、
前記関心領域内の各画素の信号値と前記参照値との比を、前記記録手段に記録されている信号を用いて演算する演算手段と、
この演算手段より演算された前記関心領域の各画素での比に応じた輝度及び色相のうちの少なくとも一方を反映した新たなデータを画素毎に生成する生成手段と有することを特徴とする超音波断層像の解析装置。 - 超音波診断装置によって、被検体に超音波パルスを照射して得られた当該被検体の断層像を解析する超音波断層像の解析方法において、
前記断層像の関心領域内の各画素の信号値に、参照値に基づいた演算を施して新たな信号値に関する情報を求めるステップと、
この解析手段により求められた信号値に関する情報を提供するステップとを含むことを特徴とする超音波断層像の解析方法。 - コンピュータによって読込み可能なプログラムであって、請求項1〜28の何れか一項に記載の手段又はステップを機能的に実現する手順を記載したプログラム。
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