【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はカール特性に優れた樹脂被覆写真印画紙用支持体に関する。更に詳しくは、原紙のカール軸、およびカール方向を規定した樹脂被覆面に乳剤層を設けて写真印画紙とすることにより、現像処理した際のねじれカールの発生を低減することのできる樹脂被覆写真印画紙用支持体に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
写真印画紙用の現像プロセッサーの処理速度の高速化に対応し、写真印画紙用支持体としては、支持体の原紙を抄紙機にて抄造し、原紙の両面に熱可塑性樹脂、通常ポリオレフィン樹脂をホットメルトコーティングしてなる樹脂被覆写真印画紙用支持体が用いられ、その１面上にゼラチンを含有する写真乳剤層を形成して写真印画紙が製造される。
【０００３】
上記写真印画紙を露光、現像、乾燥して得られる写真プリントは、これを平面上に静置した場合、写真プリントの中央部が凹型に湾曲して写真プリントの周縁部が挙上する現象、所謂カールが発生することが知られている。
【０００４】
上記カールの発生を防止するため、原紙の両面に設けられる熱可塑性樹脂被覆層の厚さ、密度などを互いに異なる構成にして、樹脂被覆写真印画紙用支持体に予め逆方向のカールを付与しておき、写真プリントに発生するカールを相殺する技術が開示されている。しかし本技術によって製造された写真印画紙では写真プリントに発生するカールの程度を低減することは可能であるが、カール軸（原紙や支持体がカールすることにより、湾曲した際、溝状の凹部に沿って現れる軸をカール軸と言う）を考慮した表裏カールの相殺に関する技術については記述が無く、ねじれカールの改良効果は不充分であり、高速現像プロセッサーにおいて写真プリント詰まりなどのトラブルが発生する（例えば、特許文献１、および２参照）。
【０００５】
即ち、カールは少ない方が好ましいこと無論であるが、特に重要であるのはカールの軸の方向である。（以降、原紙を抄造する際の抄紙機の流れ方向はＭＤ、抄紙機の流れに直行する方向はＣＤと称されるので、ＭＤ方向をカール軸としたカールをＭＤ軸カール、ＣＤ方向をカール軸としたカールをＣＤ軸カールと称すことにする。）
【０００６】
カールの軸がＭＤ軸カールと一致せず、ＣＤ軸カールとの間にある場合はねじれカールと呼ばれ、この場合は、現像プロセッサー処理の際、写真プリント詰まり、現像プロセッサーより出てきた写真プリントの紙揃い不良などのトラブルが特に多発するほか、見た目も悪く、商品価値が甚だしく低下する。
現像プロセッサーの処理速度がより高速になるに伴い、ねじれカールに対する品質要求は極めて高度になりつつある。
【０００７】
ねじれカールの発生を防止する技術として、樹脂被覆写真印画紙用支持体に用いられる原紙において、原紙を厚さ方向に２分割して、その表裏のＭＤ軸、ならびにＣＤ軸方向の弾性率を規定する技術が開示されているが、ＭＤ軸カール、ならびにＣＤ軸カールについて規定し、且つ写真乳剤層を設ける面の側との関係について規定する技術については述べられていない。その結果、ねじれカールの改良効果は不充分であり、高速現像プロセッサーにおける写真プリント詰まりなどのトラブル発生に対する改良効果は不充分である（例えば、特許文献３、および４参照）。
【０００８】
【特許文献１】
英国特許第１２６９８０２号明細書
【特許文献２】
特公昭４８−９９６３号公報
【特許文献３】
特開平２−４８号公報（第１頁〜第４頁）
【特許文献４】
特開平３−２９３３４９号公報（第１頁〜第４頁）
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、原紙の両面を樹脂被覆してなる樹脂被覆写真印画紙用支持体において、現像処理方向におけるＣＤ軸カール、ならびにねじれカールの発生が認められない、現像プロセッサーの処理速度がより高速になった場合にも現像プロセッサー中における搬送性に悪影響を及ぼすことが無く、写真プリントの揃いに関しても良好な写真用印画紙を得ることが可能となる樹脂被覆写真印画紙用支持体及び写真印画紙を提供することである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明の樹脂被覆写真印画紙用支持体および写真印画紙を発明するに到った。
即ち、本発明の第１の発明は、原紙の両面を樹脂被覆してなる写真印画紙用支持体において、該原紙が木材繊維を主成分とするパルプスラリーを用いて抄造した原紙であって、ヒート処理後、調湿した際に、ＭＤ軸カールを有し、且つ、カール方向がプラスカールとなる原紙の面の側か、またはＣＤ軸カールを有し、且つ、カール方向がマイナスカールとなる原紙の面の側に写真乳剤層が設けられることを特徴とする樹脂被覆写真印画紙用支持体の発明である。
【００１１】
本発明の第２の発明は、第１の発明における、該原紙がヒート処理後、調湿した際に、ＭＤ軸カールを有し、且つ、カール方向がプラスカールとなる原紙の面の側か、またはＣＤ軸カールを有し、且つ、カール方向がマイナスカールとなる原紙の面の側に写真乳剤層が設けられる樹脂被覆写真印画紙用支持体において、写真乳剤層が設けられる側を内巻きにしたときの貼りカール値Ｌｉと、写真乳剤層が設けられる側を外巻きにしたときの貼りカール値Ｌｕの差δＬ（Ｌｉ−Ｌｕ）が＋２ｃｍ以上であることを特徴とする樹脂被覆写真印画紙用支持体の発明である。
更に、本発明の第３の発明は、第１の発明の樹脂被覆写真印画紙用支持体に乳剤層が設けられた写真印画紙において、写真乳剤層側を外巻きにして巻き取りとなして保管することを特徴とする写真印画紙の発明である。
【００１２】
【発明の実施の形態】
本発明における樹脂被覆写真印画紙用支持体は、原紙の両面を樹脂被覆してなる写真印画紙用支持体において、該原紙が木材繊維を主成分とするパルプスラリーを用いて抄造した原紙であって、本発明における原紙のカール特性を顕在化するために、ヒート処理後、調湿した際に、ＭＤ軸カールを有し、且つ、カール方向がプラスカールとなる原紙の面の側か、またはＣＤ軸カールを有し、且つ、カール方向がマイナスカールとなる原紙の面の側に写真乳剤層を設けることにより、現像プロセッサー処理において、乾燥後の写真プリントのカールが確実にＭＤ軸カールを有し、且つ、カール方向がプラスカールとなるので、写真プリント詰まりなどの搬送性不良、ならびに現像プロセッサーより出てきた写真プリントの紙揃い不良などのトラブルの発生を著しく低減することが可能になった。
【００１３】
上述のヒート処理、ならびに調湿処理する処理条件について説明する。
本発明においては、原紙のどちらの面がＭＤ軸カール有し、且つ、そのカール方向がプラスカール（以降、ＭＤ軸カールを有し、且つ、カール方向がプラスカールとなるカールをＭＤ軸（＋）カールと称し、またＭＤ軸カールを有し、且つ、カール方向がマイナスカールとなるカールをＭＤ軸（−）カールと称することがある。原紙の一方の面を表面（おもて面）と特定した際、表面（おもて面）の側にカールするものをプラスカール、原紙の裏面の側にカールするものをマイナスカールと称する。）となるか、またはＣＤ軸カールを有し、且つ、そのカール方向がマイナスカール（以降、ＣＤ軸カールを有し、且つ、カール方向がプラスカールとなるカールをＣＤ軸（＋）カールと称し、またＣＤ軸カールを有し、且つ、カール方向がマイナスカールとなるカールをＣＤ軸（−）カールと称することがある。原紙の一方の面を（おもて面）と特定した際、表面（おもて面）の側にカールするものをプラスカール、原紙の裏面の側にカールするものをマイナスカールと称する。）となるかを確認しなければならないが、原紙を１０５℃で５分間ヒート処理し、続いて、２３℃、５０％ＲＨ、５分間調湿することにより軸カールの確認をすることができる。原紙を１０５℃で５分間ヒート処理し、続いて、２３℃、５０％ＲＨ、５分間調湿する技術的理由は、原紙のカール軸、ならびにカール方向を確実に知ることができる条件として設定したにすぎず、特に臨界的意義はない。
即ち、本発明においては、カール軸を確実に判断するために、一度絶乾状態に近づけるためのヒート処理をしてから調湿（吸湿）することにより、カールを大きく発現させてカール軸、ならびにカール方向を明確にさせている。また、調湿条件についても単にＩＳＯの規格の引用であり、時間はこれまでの経験から５分間ほどおけば必ず軸が明瞭に発現するので、これを具体的に条件としたのみである。こうした処理を行うことにより、カール軸、ならびにカール方向の確認を行うことができる。
【００１４】
原紙の両面を樹脂被覆してなる樹脂被覆写真印画紙用支持体において、原紙をヒート処理後、調湿した時のカールがＭＤ軸（＋）カールか、またはＣＤ軸（−）カールとなる原紙の面の側に乳剤層を設けることにより、現像プロセッサー処理において、乾燥後の写真プリントのカールが確実にＭＤ軸（＋）カールとなる真の理由は必ずしも明らかではないが、下記の如く考えられる。
【００１５】
上記写真印画紙のカールは、写真印画紙に形成されている、接着剤としても機能しているゼラチンを含有する写真乳剤層が、乾燥により、樹脂被覆された原紙からなる写真印画紙用支持体との間で収縮に差を生ずるからであると考えられる。
即ち、現像、水洗後の乾燥処理、あるいは湿度が低い環境におかれた時、写真印画紙表面のゼラチンを含有する写真乳剤層が相対的に急速に乾燥し、その体積が収縮、減少する。
【００１６】
しかして、現像処理後の写真印画紙のカール特性は、前述のことから写真乳剤層側がプラスカールとなることは明らかであり、この際写真印画紙が現像処理方向と同じカール軸を持つことは、搬送性に好ましい方向にあり、現像プロセッサーのロールに絡まったり、搬送方向から偏りを生ずることなく、現像処理時のジャミングなどのトラブルは生じない。
【００１７】
更に、本発明者らは、カール方向が逆転するとき（即ち、プラスカールがマイナスカールに、あるいはマイナスカールがプラスカールに変化するとき）には、カール軸も変わる（即ち、ＭＤ軸カールのものはＣＤ軸カールに、ＣＤ軸カールのものはＭＤ軸カールに変わる。）知見を得ていることから、原紙のＭＤ軸（＋）カールとなる面の側に乳剤層を設ければ、最終的に現像時のカール方向は乳剤層が収縮する力が非常に大きいために必ずプラスカールにしかならないことと相俟って、原紙のカール軸は逆転せずにＭＤ軸（＋）カールのままであることから、写真プリントのカール軸、ならびにカール方向はＭＤ軸（＋）カールとなること、また原紙のＣＤ軸（−）カールとなる面の側に乳剤層を設ければ、最終的に現像時のカール方向は乳剤層が収縮する力が非常に大きいために必ずプラスカールにしかならないことと相俟って、原紙のカール軸は逆転しＭＤ軸（＋）カールとなることから、写真プリントのカール軸、ならびにカール方向はＭＤ軸（＋）カールとなることに着想が及んだ。
従って、原紙に起因する最終のカール軸がＭＤ軸カールを有し、そのＭＤカール軸と現像処理方向が一致することが重要である。
即ち、本発明では、原紙のヒート処理後、調湿処理した際のＭＤ軸（＋）カールか、またはＣＤ軸（−）カールとなる面の側の樹脂被覆層に乳剤層を設ければ、その両方を満足させる事ができ、ねじれカールが発生することはなく、現像処理時のトラブルをなくすことができる。
また、ねじれが無くても現像処理から乾燥時にかけてＣＤ軸カールを発現するような写真印画紙あるいは写真プリント、即ち、ＭＤ軸（−）カールまたはＣＤ軸（＋）カールを有する原紙の面の側に写真乳剤層が設けられる樹脂被覆写真印画紙用支持体あるいは写真印画紙は、その写真プリントは現像処理中に処理機の搬送ロール間で搬送が円滑に行かず、トラブルが多発するので不可である。
【００１８】
本発明の写真印画紙用支持体において、原紙のＭＤ軸（＋）カールとなる面の側に乳剤層を設ければ、その両方を満足させる事ができる理由を図で説明する。図１に、原紙がＭＤ軸（＋）カールとなる面の側に乳剤層を設けた場合の、原紙（１）から現像の際もしくは現像後の写真プリント（４）になるまでのカールの変遷を示す。（２）は該原紙の両面に樹脂被覆した樹脂被覆写真印画紙用支持体のカールの特性を示し、（３）はその上に乳剤層を設け、乳剤層を外側にして巻き取りとなした後の写真印画紙を示す。点線矢印は生産ラインの方向、即ち、ＭＤ方向を示す。
現像時の写真プリントのカールはプラスカールになるため、原紙（１）がプラスカールになる時に発現するカール軸にしかならない。即ち、原紙（１）がＭＤ軸（＋）カールになっていれば、樹脂被覆写真印画紙用支持体の両層の樹脂被覆層は、乳剤層の収縮を相殺するべく、全体としてマイナス方向にカールするように両層の樹脂層のカールバランスを調節してマイナスカールを付与するので、原紙はカール軸が逆転してＣＤ軸（−）カールとなり、一方で、被覆樹脂はＭＤ軸に配向するため、原紙のＣＤ軸と被覆樹脂のＭＤ軸の二つのカール軸が混在して、樹脂被覆写真印画紙用支持体（２）はＣＤ軸（−）ねじれカールが発生することになる。乳剤塗布後のロールの写真印画紙（３）は、樹脂被覆写真印画紙用支持体（２）のＣＤ軸（−）ねじれカールに、巻き癖によるＣＤ軸（−）カールが加わってねじれが若干弱まったＣＤ軸（−）ねじれカールとなる。写真印画紙（３）の巻き癖カールのカール方向及びカール軸は樹脂被覆写真印画紙用支持体（２）のカール方向及びカール軸と一致しているので、ねじれは減少はするが増加はしない。写真プリント（４）は、現像の際の乳剤層の収縮により、プラスカールになるため、再度、原紙のカール軸が逆転し、ＭＤ軸（＋）カールとなる。この場合、原紙によるＭＤ軸（＋）カールが再現されることにより、また、被覆樹脂層はＭＤ軸方向に配向した軸性を有するので、写真印画紙（３）に残存したＣＤ軸（−）ねじれカールは極めて小さなものになり、従って、現像後の写真プリント（４）はＭＤ軸（＋）カールとしかならない。ＭＤ軸（＋）カールを有する写真プリントは、カールによって形成された凹状の溝が搬送方向と一致し、写真プリントの両翼のカールの高さも等しいので、搬送ロール間でスムースに受け渡しされ、ジャミングすることがなく、また、写真プリントを重ねてもきれいにそろえることができる。
【００１９】
これに対し、図２に原紙がＣＤ軸（＋）カールとなる面の側に乳剤層を設けた場合の、原紙（１）から現像の際もしくは現像後の写真プリント（４）になるまでのカールの変遷を示す。現像時の写真プリントのカールはプラスカールになるため、原紙（１）がプラスカールになる時に発現するカール軸にしかならない。即ち、原紙（１）がＣＤ軸（＋）カールになっていれば、樹脂被覆写真印画紙用支持体の両層の樹脂被覆層は、乳剤層の収縮を相殺するべく、全体としてマイナス方向にカールするように両層の樹脂層のカールバランスを調節してマイナスカールを付与するので、原紙はカール軸が逆転してＭＤ軸（−）カールとなる。被覆樹脂はＭＤ軸に配向し、原紙もＭＤ軸（−）カールになるため、樹脂被覆写真印画紙用支持体（２）はＭＤ軸（−）カールにしかならない。乳剤塗布後のロールの写真印画紙（３）は、樹脂被覆写真印画紙用支持体（２）のＭＤ軸（−）カールに、巻き癖によるＣＤ軸（−）カールの二軸が混在して軸にねじれが発生し、ＣＤ軸（−）ねじれカールとなる。この場合、ＭＤ軸（−）ねじれカールとなる可能性もあるが、巻き癖によるＣＤ軸カールの方が樹脂層によるＭＤ軸カールに勝ってＣＤ軸（−）ねじれカールとなる。巻き癖ＣＤ軸カール自体は、原紙のＣＤ軸カールと方向が異なるのでやや弱い巻き癖カールとなる。写真プリント（４）は、現像の際の乳剤層の収縮により、プラスカールになるため、ＣＤ軸（＋）ねじれカールとなる。この場合、再度原紙のカール軸が逆転して、ＭＤ軸（＋）ねじれカールになるように考えられるが、巻き癖カールは、写真印画紙を構成する材料に起因する歪みによるものではなく、外部から印加された応力による変形であるので、現像処理時の熱処理履歴などで、減衰し、原紙によるＣＤ軸（＋）カール及び樹脂被覆写真印画紙用支持体（２）のＭＤ軸（−）カール、原紙のＣＤ軸と被覆樹脂のＭＤ軸の二つのカール軸が支配的となり、この二軸が混在して、被覆樹脂はＭＤ軸に配向していることを加え、現像後の写真プリント（４）はＣＤ軸（＋）ねじれカールとなるものと推定される。このように、ＣＤ軸カール及びＭＤ軸カールに強く支配されている時は、内在しているそれ以外の軸性を持つカールは現れてこないが、ＣＤ軸カールとＭＤ軸カールの相殺または混在により両軸間に両軸以外の異方性の軸を発生し、ねじれカールとなる。ねじれカールおよびＣＤ軸カールの場合、現像プロセッサー適性が不良であることは先に述べた。
【００２０】
上記の他に、原紙をヒート処理後、調湿した時のカールの態様としては、この他にＣＤ軸（−）カール、ならびにＭＤ軸（−）カールが存在する。
【００２１】
第１の発明における別の態様の樹脂被覆写真印画紙用支持体を説明する。図３に、原紙がＣＤ軸（−）カールとなる面の側に乳剤層を設けた場合の、原紙（１）から現像の際もしくは現像後の写真プリント（４）になるまでのカールの変遷を示す。現像時の写真プリントのカールはプラスカールになるため、原紙（１）がプラスカールになる時に発現するカール軸にしかならない。即ち、原紙（１）がＣＤ軸（−）カールになっていれば、樹脂被覆写真印画紙用支持体の両層の樹脂被覆層は、乳剤層の収縮を相殺するべく、全体としてマイナス方向にカールするように両層の樹脂層のカールバランスを調節してマイナスカールを付与するので、原紙はカール軸が逆転せずにＣＤ軸（−）カールのままとなる。従ってカール方向、カール軸とも一致するので、ねじれは発生しない。一方で、被覆樹脂はＭＤ軸に配向し、被覆樹脂のＭＤ軸カール軸が混在するが、前記ＣＤ軸カールが支配的となり樹脂被覆写真印画紙用支持体（２）は極めて弱いねじれを持つにすぎないＣＤ軸（−）ねじれカールになる。乳剤塗布後のロールの写真印画紙（３）は、樹脂被覆写真印画紙用支持体（２）のＣＤ軸（−）ねじれカールに、同じ軸性を持つ巻き癖によるＣＤ軸（−）カールが加わるので、写真印画紙は、更にねじれが弱くなったＣＤ軸（−）ねじれカールとなる。現像の際の乳剤層の収縮により、写真プリント（４）はプラスカールになるため、原紙のカール軸は逆転し、ＭＤ軸（＋）カールとなる。原紙によるＭＤ軸（＋）カールが、樹脂被覆写真印画紙用支持体（２）のＣＤ軸（−）ねじれカールに勝り、さらに被覆樹脂はＭＤ軸に配向しているので、ねじれが顕在化せず、現像後の写真プリント（４）はＭＤ軸（＋）カールとしかならない。
【００２２】
これに対し、図４に原紙がＭＤ軸（−）カールとなる面の側に乳剤層を設けた場合の、原紙（１）から現像の際もしくは現像後の写真プリント（４）になるまでのカールの変遷を示す。現像時の写真プリントのカールはプラスカールになるため、原紙（１）がプラスカールになる時に発現するカール軸にしかならない。即ち、原紙（１）がＭＤ軸（−）カールになっていれば、樹脂被覆写真印画紙用支持体の両層の樹脂被覆層は、乳剤層の収縮を相殺するべく、全体としてマイナス方向にカールするように両層の樹脂層のカールバランスを調節してマイナスカールを付与するので、原紙はカール軸が逆転せずにＭＤ軸（−）カールとなる。被覆樹脂はＭＤ軸に配向し、原紙もＭＤ軸（−）カールになろうとするため、樹脂被覆写真印画紙用支持体（２）はＭＤ軸（−）カールにしかならない。乳剤塗布後のロールの写真印画紙（３）は、樹脂被覆写真印画紙用支持体（２）のＭＤ軸（−）カールに、巻き癖によるＣＤ軸（−）カールが混在して、ねじれが発生し、ＣＤ軸（−）ねじれカールとなる。写真プリント（４）は、現像の際の乳剤層の収縮により、プラスカールになるため、ＣＤ軸（＋）カールとなる。写真プリントがＭＤ軸（＋）カールとならずに、ＣＤ軸（＋）カールとなる理由は、図２で説明したように巻き癖カールは構成材料に起因せず、外力によるカールであるので熱履歴などによりその影響がなくなり、材料の持つ歪みである、主には原紙に由来する歪みが支配的となり、原紙及び樹脂被覆写真印画紙用支持体のＭＤ軸（−）カールに対する写真プリント（４）のプラスカールにより、カール軸が逆転してＣＤ軸（−）カールとなるものと推定する。ねじれを考慮すると原紙によるＭＤ軸（−）カールが、写真印画紙（３）のＣＤ（−）ねじれカールに勝り、さらに被覆樹脂はＭＤ軸に配向しているので、原紙のＭＤ軸と被覆樹脂のＭＤ軸の二つのカール軸が一致して、現像後の写真プリント（４）はねじれがほとんどないＣＤ軸（＋）ねじれカールとなる。ＣＤ軸カールの場合、現像プロセッサー適正が不良であることは先に述べた。
【００２３】
原紙のヒート処理後、調湿した時のカールの態様が何れの態様であっても、これに写真乳剤層塗工後、未露光写真印画紙は現像プロセッサーの搬送性上、プラスカールが好ましいことから、写真乳剤層を外巻きに巻き取られる（即ち、写真乳剤層側が巻き取りのコアの側を向かないように巻き取られる）。次いで写真乳剤層に含有されるゼラチンの耐水性を適度に増加させる目的で行われる熟成工程は通常加熱を伴う。これら諸要因の影響の結果、未露光写真印画紙ロールには巻き癖がつくので、未露光写真印画紙ロールのカールはＣＤ軸（−）カールを付与されることになる。
【００２４】
上記未露光写真印画紙は現像プロセッサーにおける現像、水洗後の乾燥処理の過程で、上記の如くゼラチンを含有する写真乳剤層と樹脂被覆写真印画紙用支持体との間の収縮、ならびに体積減少率の差に起因し、（−）カールが反転して（＋）カールとなる。この時、経験的にＣＤ軸（−）カールである巻き癖カールの軸も反転してＭＤ軸（＋）カールになる傾向がある。
【００２５】
また、本発明における、該原紙がヒート後、調湿した時のカール軸、およびカール方向が、ＭＤ軸（＋）カールか、ＣＤ軸（−）カールとなる面の側に乳剤層が設けられるようにすることを特徴とする樹脂被覆写真印画紙用支持体において、該樹脂被覆写真印画紙用支持体の後述する本発明で定義する測定条件で測定した貼りカール特性が、写真乳剤層が設けられる側を内巻きにした場合（表内巻きとも言う）の内巻き貼りカール値Ｌｉと、写真乳剤層が設けられる側を外巻きした場合（表外巻きとも言う）の外巻き貼りカール値Ｌｕの差δＬ（Ｌｉ−Ｌｕ）が＋２ｃｍ以上になるようにすることにより、該貼りカール値の差δＬが＋２ｃｍ未満の場合と比較して、現像プロセッサー処理において、乾燥後の写真プリントのカールが更に確実にＭＤ軸（＋）カールとなり、搬送性に問題が生ずることなく、写真プリント詰まりや現像プロセッサーより出てきた写真プリントの紙揃い不良などのトラブルの発生がなくなる。
【００２６】
その機構も必ずしも明らかではないが、以下のように考えられる。
先述の写真乳剤層に含有されるゼラチンの耐水性を適度に増加させる目的で行われる通常加熱を伴う熟成工程において、樹脂被覆写真印画紙には写真乳剤層が設けられる側を外巻きの巻き癖カール、即ち、ＣＤ軸（−）カールが付与される。本巻き癖カールは、巻き芯付近では大きくなるが、外周付近の巻き部分では円周が大きくなる結果、巻き芯付近と比較して小さくなる。即ち、樹脂被覆写真印画紙の状態ではＣＤ軸（−）カールである巻き癖カールがしっかりついている場合のみ現像プロセッサー処理における乾燥により写真乳剤層に含まれるゼラチンの収縮によって（−）カールが（＋）カールに反転すると同時に、カール軸もまたＣＤ軸よりＭＤ軸に反転してＭＤ軸（＋）カールが発生し、搬送性が良化する。
【００２７】
また、検討の結果、樹脂被覆写真印画紙における上述のＣＤ軸（−）カールである巻き癖カールは、樹脂被覆写真印画紙用支持体の巻き癖カール特性に支配されることが判明した。従って樹脂被覆写真印画紙用支持体は表外巻きの巻き癖カールがつき易いことが好ましく、その巻き癖カール特性は本発明で定義する貼りカール値の差が＋２ｃｍ以上であることが好ましい。
＋２ｃｍ未満の場合は、その程度に伴って現像プロセッサー処理における乾燥後の写真プリントのカールにおいて、ＣＤ軸（＋）カール成分を含むねじれカール傾向が増加するので好ましくない。
本発明で定義する貼りカールの測定条件は《評価方法》の項で述べる。
【００２８】
本発明においては、原紙のカール軸及びカール方向を確認してから乳剤層を設ける面を特定する管理が必須の技術管理であり、かかる管理を行う方法としては、例えば、原紙のカール特性がＭＤ軸（＋）カールまたはＣＤ軸（−）カールの場合は、そのまま溶融樹脂押出機に架け、かかるカール特性を有する面に写真乳剤層を設けるべき樹脂被覆組成物層を設け、原紙のカール特性がＭＤ軸（−）カールまたはＣＤ軸（＋）カールの場合は、リワインダーにて原紙を表裏逆にして（即ち、逆出しとし）溶融樹脂押出機に架け、写真乳剤層を設けるべき樹脂被覆組成物層を設けるようにすることが考えられる。
また、カール高さを調整するためには、上下ドライヤー温度の調整、パルプ原料濾水度の調整、プレスやカレンダーの加圧調整等によって行う。具体的な管理としては、原紙のカールを管理する規格を設け、前の工程にフィードバックしたり、その後の製造工程で調節する目安とすることが好ましく、ＭＤ軸（−）カールの場合は、ＣＤ度（ＭＤ軸に並行な２辺のカール高さＡとＢの平均値（Ａ＋Ｂ）／２＝−３〜−２０ｍｍで規定、ＣＤ軸（＋）カールの場合は、ＭＤ度（ＣＤ軸に並行な２辺のカール高さＣとＤの平均値（Ｃ＋Ｄ）／２＝３〜２０ｍｍで規定すると本願発明の効果を得るために有効である。
このように、基本的に、カール軸を確認し、その情報を基に印画紙を製造することが本願発明の達成手段であるが、強いて積極的な手段により、カール軸を変える手段としては、ジェットワイヤー比の調節、ワイヤー上のスラリーの脱水の調節、ワイヤーのシェーキングの調節、プレスドロー、ドライヤードローの調節などにより適宜組み合わせて調節することが必要である。
【００２９】
樹脂被覆写真印画紙用支持体では裏層の樹脂量の変更にても巻き癖の調節をすることができる。樹脂被覆写真印画紙用支持体の表外巻きロールにした際の巻き癖が強い場合は、裏層の樹脂量を減らし、逆に弱すぎる場合は裏層の樹脂量を増やすことによって巻き癖操作をすることができる。
【００３０】
本発明の原紙の両面を樹脂被覆する写真印画紙用支持体の原紙は木材パルプを主原料として製造される。木材パルプとしては通常工業的に最も多用される針葉樹漂白クラフトパルプ、広葉樹漂白クラフトパルプ、針葉樹漂白サルファイトパルプなどの漂白ケミカルパルプが１種、または２種以上混合して用いられる。
【００３１】
パルプは抄紙適性、ならびに、強度、平滑性、地合の均一性などの紙の諸特性を向上させるため、ダブルディスクリファイナーなどの叩解機により叩解される。叩解の程度は、カナディアン スタンダ−ド フリ−ネス（以下ＣＳＦと記す）で２５０ｍｌ〜４００ｍｌの範囲で叩解することが好ましい。
４００ｍｌＣＳＦを超えると、スラリー中の長繊維の割合が過多になり、ワイヤーパート上での脱水が過度に速くなり、地合の不良、サイズ性の低下を招くので品質上好ましくない。２５０ｍｌＣＳＦ未満の場合には、スラリー中の長繊維の割合が過少になり、ワイヤーパート上で形成される湿紙の強度が低下するばかりでなく、得られる紙の引張強さ、引裂強さ、こわさなどの諸特性も低下するので、操業上、ならびに品質上好ましくない。本発明の樹脂被覆写真印画紙用支持体に用いられる原紙は天然パルプを主成分とするものであるが、必要に応じて天然パルプ以外の合成パルプ、合成繊維を混合して用いてもよい。
【００３２】
叩解されたパルプスラリーは、長網抄紙機、丸網抄紙機、またはツィンワイヤー抄紙機などの抄紙機により抄紙される。この際、本発明では、通常抄紙に際して用いられるパルプスラリーの分散助剤、乾紙力増強剤、湿紙力増強剤、填料、サイズ剤、定着剤、防黴剤などの諸添加物は全て必要に応じて添加することが可能である。更に、必要であればｐＨ調節剤、染料、有色顔料、および蛍光増白剤なども添加することが可能である。
【００３３】
分散助剤としては例えばポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、とろろあおいなどが、紙力増強剤としては例えば植物性ガム、澱粉、カルボキシ変性ポリビニルアルコールなどのアニオン性紙力増強剤、カチオン化澱粉、カチオン性ポリアクリルアミド、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂などのカチオン性紙力増強剤が、填料としては例えばクレー、カオリン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどが、サイズ剤としては例えば高級脂肪酸塩、ロジン、マレイン化ロジンなどのロジン誘導体、ジアルキルケテンダイマー乳化物、アルケニル或いはアルキルコハク酸塩、エポキシ化脂肪酸アミド、多糖類エステルなどが、定着剤としては例えば硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムなどの多価金属塩、カチオン化澱粉、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂などのカチオン性ポリマーなどが、ｐＨ調節剤としては例えば硫酸、塩酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどが用いられる。
【００３４】
また、本発明に用いられる原紙は、水溶性高分子添加剤をはじめとする各種の添加剤を含有する液で表面処理することによって、被覆樹脂層との接着性、ならびにサイズ性などの表面特性を改善することも可能である。
【００３５】
上記水溶性高分子添加剤としては、例えば完全鹸化または部分鹸化のポリビニルアルコール、カチオン変性、カルボキシ変性、シラノール変性などのポリビニルアルコールの変性物、澱粉および酸化澱粉、カルボキシメチルセルローズ、ヒドロキシメチルセルローズ、ヒドロキシエチルセルローズ、セルロースサルフェートなどのセルロース変性物、ゼラチン、カゼイン、プルラン、アラビアゴム、カラヤゴム、アルブミンなどの天然高分子またはこれらの誘導体、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムなどの合成高分子が用いられ、さらに、サイズ剤として石油樹脂エマルション、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルキルエステルのアンモニウム塩、アルキルケテンダイマー乳化物、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデンなどのディスパ−ションなどが挙げられる。その他の添加剤としては、帯電防止剤として、無機電解質である塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウムなどが、吸湿性物質としてグリセリン、ポリエチレングリコ−ルなどが、顔料としてクレ−、カオリン、タルク、硫酸バリウム、酸化チタンなどが、ｐＨ調節剤として硫酸、塩酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどが用いられ、その他染料、蛍光増白剤などの添加剤を組み合わせて使用することも可能である。
【００３６】
上記のバインダー、および表面サイズ剤などを塗工する装置としては、コンベンショナルサイズプレス、ゲートロールサイズプレス、あるいはフィルムトランスファー方式のサイズプレス、ロッドコーター、ビルブレード、ショートドウェルコーターなどを用いることができる。これら塗工装置の中では紙層内部へも上記の表面処理液を含浸させるような方式のものが望ましい。
【００３７】
本発明の樹脂被覆写真印画紙用支持体に用いられる原紙の坪量範囲は６０〜３００ｇ／ｍ２であるが、１２０〜２５０ｇ／ｍ２が更に好ましい。坪量が３０ｇ／ｍ２未満の場合は、樹脂被覆写真印画紙用支持体としてのこわさ、ならびに平滑性が得られない。また、３００ｇ／ｍ２を超える坪量の場合は、これに伴う抄紙速度の低下によりコストが著しく増加するなどして実用性に問題が生ずる。
【００３８】
また、本発明の樹脂被覆写真印画紙用支持体に用いる原紙は、抄造中または抄造後、カレンダーなどにて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ましく、ＪＩＳ−Ｐ−８１１９で測定したベックの平滑度が６０ｇ／ｍ２の原紙の場合６０秒以上、１７０ｇ／ｍ２の原紙の場合２００秒以上のものが特に好ましい。
【００３９】
本発明の樹脂被覆写真印画紙用支持体に用いる原紙の白色度は、ＪＩＳ−Ｐ−８１２３で測定したハンター白色度が８５％以上であると白色度が高く、高級感のある被記録材が得られるが、目的により求める白色度は異なり、天然パルプとして未晒しパルプを用いた茶褐色の原紙を用いてもよい。また、染料などの着色剤を用いて着色した原紙を用いてもよい。
【００４０】
本発明の樹脂被覆写真印画紙用支持体に用いられる被覆用樹脂は、ポリエチレンが最も一般的であるが、その他の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂など耐水性があり、写真乳剤に障害を及ぼさないものは何であっても使用できる。
【００４１】
本発明において、原紙を樹脂被覆する方法としては、溶融樹脂を押し出しコーティングする樹脂溶融押し出しコーター、溶剤コーターなど、使用する被覆用樹脂に適した任意のコーターが使用可能である。被覆用樹脂として電子線硬化性樹脂を採用した場合は、塗工の後電子線により硬化処理を行う。また、樹脂は予めフィルムにしてからドライラミネーションやウエットラミネーション法で原紙に貼り合わせてもよい。
【００４２】
本発明の樹脂被覆写真印画紙用支持体の表面（写真乳剤層が塗布される面）は、その用途に応じて、光沢面、マット面などに仕上げるが、特に光沢面が好ましく用いられる。
本発明の樹脂被覆写真印画紙用支持体の表面をマット面、微粒面、絹目面などに仕上げる型付加工は、塗層、または貼り合わされた樹脂層を型付加工されたロール表面に圧着して行う。溶融樹脂を押し出しコーティングする場合は、通常クーリングロールに型付ロールを用いて、塗工と同時に型付けする。電子線硬化樹脂を用いる場合は樹脂層を型付ロールに圧着しつつ、電子線を照射して硬化させる方法を採用する。
【００４３】
本発明の樹脂被覆写真印画紙用支持体における被覆樹脂としては、加熱溶融押し出しコーティング用ポリオレフィン樹脂が好ましく、特にポリエチレン樹脂が好ましい。また、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンまたはこれらの混合物が使用できる。ここで言う低密度ポリエチレンとは、密度が０．９１５〜０．９３０ｇ／ｃｍ３のものであり、通常高圧法で製造されるものである。一方、高密度ポリエチレンとは、密度が０．９５０ｇ／ｃｍ３以上のものであり、通常低圧法、或は中圧法で製造されるものである。これらのポリエチレン樹脂は、各種の密度、およびメルトフローレートを有するものを単独にまたはそれらの二種類以上を混合して用いることができる。
また、樹脂と原紙との接着性を向上させるために、樹脂を原紙に被覆する前に、原紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。
さらに、樹脂被覆写真印画紙用支持体の表面、或は必要に応じて表裏両面にも、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことができる。
【００４４】
一方、樹脂被覆紙の樹脂層は、膜形成能のあるラテックスをコーテイングすることによって形成することができる。例えば、最低成膜温度（ＭＦＴ）の低いラテックスを、樹脂被覆紙用の原紙にコーテイングした後、最低成膜温度以上の温度に加熱することによっても形成することができる。
【００４５】
上記被覆樹脂中には、二酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて添加することができる。
【００４６】
本発明の樹脂被覆写真印画紙用支持体における被覆樹脂層の構成は、単層、二層以上の多層のいずれであってもよい。この場合にも、上記のポリオレフィン樹脂を単独にまたは二種類以上を混合して用いることができる。また、多層の各層を互いに異なる組成とすることも同一の組成とすることもできる。多層からなる樹脂層を形成する方法としては、共押出しコーティング法と逐次コーティング法のいずれを採用してもよいし、これらを組み合わせてもよい。逐次に押し出し塗工する方法を採ると、塗工ごとに原紙の凹凸に起因する地合の影響が緩和され、写真乳剤層塗布面としての平滑性が高まるので好ましい。
本発明では、樹脂被覆した後、原紙に起因する凹凸の影響を最小にする目的から逐次押し出し塗工による重層塗工が好ましく、共押し出し塗工の上に逐次に押し出し塗工する重層塗工が更に好ましい。
【００４７】
本発明における樹脂被覆写真印画紙用支持体には、写真乳剤層と支持体との接着性向上などの目的でアンカー層を設けてもよい。アンカー層にはゼラチンなどの親水性バインダー、ブチラールなどの溶剤可溶性バインダー、ラテックス、硬化剤、顔料、界面活性剤などを適宜組み合わせて添加せしめることができる。
【００４８】
本発明における樹脂被覆写真印画紙用支持体には、帯電防止性、搬送性、カール防止性、筆記性、糊付け性などのために、各種のバックコート層を塗設することができる。バックコート層には、無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤、染料、顔料、滑剤、界面活性剤などを適宜組み合わせて添加せしめることができる。
【００４９】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。ただし、これらに限定されるものではない。なお以下に示す部、ならびに％はいずれも重量基準であり、塗工量は絶乾塗工量である。
【００５０】
実施例１
広葉樹漂白クラフトパルプ１００％よりなるパルプスラリーを、ダブルディスクリファイナーを用いて、濾水度がＣＳＦ３００ｍｌになるように叩解後、パルプ１００部に対して、アニオン化ポリアクリルアミド０．６部、アルキルケテンダイマー乳化物（ケテンダイマー分として）０．３部、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂０．２部、および適当量の蛍光増白剤、青色染料、赤色染料を添加して紙料スラリーを調製した。
【００５１】
３００ｍ／ｍｉｎで走行している長網抄紙機を用いて、シェーキングの振動数３００回／ｍｉｎ、振幅１３ｍｍ（シェーキング強度４７）で紙匹を形成し、ウェットパートで１５〜１００ｋｇ／ｃｍの範囲で線圧が調節された３段のウェットプレスを行った後、スムージングロールで処理し、引き続く乾燥パートで３０〜７０ｋｇ／ｃｍの範囲で線圧が調節された２段の緊度プレスを行った後、乾燥した。
さらに、乾燥の途中で、変性ポリビニルアルコール４部、蛍光増白剤０．０５部、青色染料０．００２部、塩化ナトリウム４部、および水９２部からなるサイズプレス液をサイズプレスし、最終的に得られる原紙水分が絶乾水分で８．５％、坪量１７０ｇ／ｍ２ 、密度１．０２ｇ／ｃｍ３になるように乾燥条件、およびカレンダー条件を調節し、樹脂被覆写真印画紙用支持体の原紙を製造した。
【００５２】
該原紙のヒート処理後、調湿した時のカール軸、ならびにカール方向を測定し、ＭＤ軸（＋）カールとなった面の側を写真乳剤を塗工するサイドの面の側に選定した。
【００５３】
得られた原紙において、写真乳剤塗工面と反対側の面にコロナ放電処理した後、樹脂溶融押し出しコーターを用いて、樹脂層として、高密度ポリエチレン（密度０．９６ｇ／ｃｍ３ 、ＭＦＲ＝７ｇ／１０ｍｉｎ）１００％を３２０℃で溶融し、２１μｍの厚さに、走行速度２００ｍ／ｍｉｎでコーテイングした。該樹脂層の面質はマット面に加工した。以下本面を裏面と記す。
【００５４】
次にその反対側の面、即ち、上述の写真乳剤を塗工するサイドとして選定した原紙面にコロナ放電処理した後、樹脂溶融押し出しコーターを用いて、アナターゼ型酸化チタン１３％含有する低密度ポリエチレン（アナターゼ型酸化チタンを含まない低密度ポリエチレンの密度は０．９２ｇ／ｃｍ３、ＭＦＲ＝２ｇ／１０ｍｉｎ）コンパウンド樹脂を樹脂温度３２０℃で厚さが２８μｍとなるように走行速度２００ｍ／ｍｉｎで押出コーテイングし、連続してコロナ放電処理した後、ゼラチンを主成分とするアンカー層を固形分で０．２ｇ／ｍ２塗工、乾燥して、表外巻き３，０００ｍ樹脂被覆写真印画紙用支持体を製造した。該樹脂層の面質は鏡面に加工した。以下本面を表面と記す。
【００５５】
樹脂被覆した写真印画紙用支持体の表面にコロナ放電処理した後、下よりイエロー発色層、中間層、マゼンタ発色層、中間層、シアン発色層、保護層よりなる写真乳剤層を、スライドホッパーコーターヘッドを有するコーターにより、各層を構成する全層を同時に塗布し、表外巻き３，０００ｍ写真印画紙マスターロールを製造した。
更に、キャビネ判プリントのＣＤ方向の長さ１２７ｍｍをスリット幅とする約１２ｍ長さの、表を外巻きとする写真印画紙のカセットを作成した。
【００５６】
実施例２
樹脂被覆写真印画紙用支持体の裏層樹脂厚を１９．５μｍとした以外は、実施例１と同様にして樹脂被覆写真印画紙用支持体、写真印画紙、ならびに写真印画紙のカセットを製造した。
【００５７】
実施例３
樹脂被覆写真印画紙用支持体の裏層樹脂厚を１８．５μｍとした以外は、実施例１と同様にして樹脂被覆写真印画紙用支持体、写真印画紙、ならびに写真印画紙のカセットを製造した。
【００５８】
実施例４
樹脂被覆写真印画紙用支持体の裏層樹脂厚を１５μｍとした以外は、実施例１と同様にして樹脂被覆写真印画紙用支持体、写真印画紙、ならびに写真印画紙のカセットを製造した。
【００５９】
実施例５
原紙のヒート処理後、調湿した時のカール軸、およびカール方向を測定し、ＣＤ軸（−）カールとなった面の側を写真乳剤を塗工するサイドの面に選定した以外は実施例１と同様にして、樹脂被覆写真印画紙用支持体、写真印画紙、ならびに写真印画紙のカセットを製造した。原紙のカール軸、およびカール方向の調整は、実施例１の原紙製造条件に対し、ジェットワイヤー比を大きくし、プレスドローを緩め、上下ドライヤー温度を調節して行った。
【００６０】
実施例６
樹脂被覆写真印画紙用支持体の裏層樹脂厚を１９．５μｍとした以外は、実施例５と同様にして樹脂被覆写真印画紙用支持体、写真印画紙、ならびに写真印画紙のカセットを製造した。
【００６１】
実施例７
樹脂被覆写真印画紙用支持体の裏層樹脂厚を１８．５μｍとした以外は、実施例５と同様にして樹脂被覆写真印画紙用支持体、写真印画紙、ならびに写真印画紙のカセットを製造した。
【００６２】
実施例８
樹脂被覆写真印画紙用支持体の裏層樹脂厚を１５μｍとした以外は、実施例５と同様にして樹脂被覆写真印画紙用支持体、写真印画紙、ならびに写真印画紙のカセットを製造した。
【００６３】
比較例１
原紙のヒート処理後、調湿した時のカール軸、およびカール方向を測定し、ＭＤ軸（−）カールとなった面の側を写真乳剤を塗工するサイドの面の側に選定した以外は実施例１と同様にして、樹脂被覆写真印画紙用支持体、写真印画紙、ならびに写真印画紙のカセットを製造した。原紙のカール軸、およびカール方向の調整は、実施例１の原紙製造条件に対し、ジェットワイヤー比を小さくし、プレスドローを張り、上下ドライヤー温度を調節して行った。
【００６４】
比較例２
樹脂被覆写真印画紙用支持体の裏層樹脂厚を１９．５μｍとした以外は、比較例１と同様にして樹脂被覆写真印画紙用支持体、写真印画紙、ならびに写真印画紙のカセットを製造した。
【００６５】
比較例３
樹脂被覆写真印画紙用支持体の裏層樹脂厚を１５μｍとした以外は、比較例１と同様にして樹脂被覆写真印画紙用支持体、写真印画紙、ならびに写真印画紙のカセットを製造した。
【００６６】
比較例４
原紙のヒート処理後、調湿した時のカール軸、およびカール方向を測定し、ＣＤ軸（＋）カールとなった面の側を写真乳剤を塗工するサイドの面の側に選定した以外は実施例１と同様にして、樹脂被覆写真印画紙用支持体、写真印画紙、ならびに写真印画紙のカセットを製造した。原紙のカール軸、およびカール方向の調整は、実施例１の原紙製造条件に対し、ジェットワイヤー比を大きく、プレスドローを緩め、上下ドライヤー温度を調節して行った。
【００６７】
比較例５
樹脂被覆写真印画紙用支持体の裏層樹脂厚を１９．５μｍとした以外は、比較例４と同様にして樹脂被覆写真印画紙用支持体、写真印画紙、ならびに写真印画紙のカセットを製造した。
【００６８】
比較例６
樹脂被覆写真印画紙用支持体の裏層樹脂厚を１５μｍとした以外は、比較例４と同様にして樹脂被覆写真印画紙用支持体、写真印画紙、ならびに写真印画紙のカセットを製造した。
【００６９】
以上のようにして得られた実施例１〜８、ならびに比較例１〜６の樹脂被覆写真印画紙用支持体につき、貼りカールを測定した。また、写真印画紙につき、プロセッサー現像機処理後のねじれカールを測定した。予め測定した樹脂被覆写真印画紙用支持体の原紙のヒート処理後、調湿した時のカール軸、およびカール方向と共に測定結果を表１に示す。
【００７０】
《評価方法》
［ヒート処理（１０５℃、５分間）後、調湿（２３℃、５０％ＲＨ、５分間）した時のカール軸（ＭＤ軸またはＣＤ軸）、およびカール方向（表面方向へのカールをプラスカール（＋）、裏面方向へのカールをマイナスカール（−））測定法］
樹脂被覆写真印画紙用支持体の原紙より、２辺がＭＤ軸に平行になるように、１０ｃｍ×１０ｃｍのサンプルを用意する。表面、裏面およびＭＤ軸を記録する。サンプルはＣＤ軸に平行な一辺に近い中央に事務用パンチャーで穴をあけ、１０５℃の恒温器中に吊して５分間処理した後、直ちに２３℃、５０％の恒温恒湿器内の水平な平面上に表面を上にして置いて５分間処理した後、カール軸（ＭＤ軸またはＣＤ軸。ねじれが加わった場合はいずれか傾向が強いカール軸をそのサンプルのカール軸とする。）、およびカール方向（表面方向へのカールをプラスカール（＋）、裏面方向へのカールをマイナスカール（−）とする。）を測定する。
【００７１】
［貼りカール測定法］
樹脂被覆写真印画紙用支持体より、ＭＤ方向１５０ｍｍ、ＣＤ方向２４０ｍｍのサンプルを２枚用意し、１枚を表内巻き、もう１枚を表外巻きで、直径７９ｍｍである円筒（紙管を用いた）に、ＭＤ方向に巻き付け、強制加温加湿処理（５０℃、相対湿度８０％（以下８０％ＲＨと記す）、４８ｈｒ）する。４８ｈｒ処理後にサンプルを取り出し直後、２３℃、５０％ＲＨの恒温、恒湿室中で、サンプルより高い壁を有する台の垂直面に、鉛直線に添って垂下するように上部１ｃｍ長さを固定して、上端と下端の間隔をｍｍ単位まで測定して貼りカール値とする。測定終了したサンプルは、２３℃、５０％ＲＨの恒温、恒湿室中に保存し、直後測定から２４ｈｒ後、４８時間後、７２ｈｒ後に測定を実施する。処理、および測定は表内巻き、表外巻きを同時に実施し、δＬ＝Ｌｉ−Ｌｕ（表内巻き貼りカール値Ｌｉ−表外巻き貼りカール値Ｌｕ）をｃｍ単位でｍｍまで求めて、貼りカール値差δＬとして表す。貼りカール値の差δＬが大きいほど、処理による巻き癖がつきやすいことを意味する。処理終了直後、２４ｈｒ後、４８ｈｒ後、７２ｈｒ後いずれかの貼りカール値の差δＬが＋２ｃｍ以上である場合を本発明の範囲とする。（図５、および図６参照。）
【００７２】
［ねじれカール測定法］
ミニラボプロセッサーで現像処理直後の印画紙を、直ちに乳剤面を上にして水平な平面上に置き、上部より見下ろした場合、ミニラボプロセッサーにおける進行方向の１辺の左角をＡ、右角をＢ、後尾の１辺の右角をＣ、左角をＤとして、Ａ点、Ｂ点、Ｃ点、Ｄ点より平面上に垂線を下ろした時、０．１ｍｍまで測定した各角の平面までの距離をａ、ｂ、ｃ、ｄとする。これら測定値よりより求めた（ａ＋ｃ−ｂ−ｄ）／２の絶対値をねじれカール度とする。評価は、◎：ねじれカールが非常に良好。○：ねじれカールが良好。△：ねじれカールがやや不良であるが、通紙性、ならびに写真プリントとしての商品価値上クレームが発生しない使用可限界内。×：ねじれカールが不良で使用不可である。印画紙サイズはＬ版（ＣＤ方向１２７ｍｍ、ＭＤ方向８９ｍｍ）とした。
◎： ねじれカール度 １ｍｍ未満
○： ねじれカール度 １ｍｍ以上３ｍｍ未満
△： ねじれカール度 ３ｍｍ以上５ｍｍ未満
×： ねじれカール度 ５ｍｍ以上
【００７３】
【表１】
【００７４】
表より明らかなごとく、原紙の両面を樹脂被覆してなる樹脂被覆写真印画紙用支持体において、該原紙が該原紙が木材繊維を主成分とするパルプスラリーを用いて抄造した原紙であって、ヒート処理後、調湿した時のカール軸、およびカール方向が、ＭＤ軸（＋）カールか、またはＣＤ軸（−）カールとなる面の側に乳剤層が設けられた実施例１、２、３、４および実施例５，６、７、８の、ミニラボプロセッサーで現像処理後のねじれカールは何れも使用可である限界内であることがわかる。
また、貼りカール値差δＬがサンプルの中では最大である実施例１、５のねじれカールは最も良好であり、実施例１、２と実施例３、４および実施例５、６と実施例７、８を比較することにより、貼りカール値差δＬが＋２ｃｍ以上である場合は、現像処理後のねじれカールは良好であるが、貼りカール値差δＬが＋２ｃｍ未満である場合は、ねじれカールが使用可限界まで悪化することがあることがわかる。
【００７５】
【発明の効果】
原紙の両面を樹脂被覆してなる樹脂被覆写真印画紙用支持体において、該原紙が木材繊維を主成分とするパルプスラリーを用いて抄造した原紙であって、ヒート処理後、調湿した時のカール軸、およびカール方向が、ＭＤ軸（＋）カールとなる面の側、またはＣＤ軸（−）カールとなる面の側に乳剤層を設けることにより、現像プロセッサー処理において、乾燥後の写真プリントのカールが確実にＭＤ軸（＋）カールとなり、搬送性に問題が生じたり、写真プリント詰まり、現像プロセッサーより出てきた写真プリントの紙揃い不良などのトラブルの発生を著しく低減することが可能となる。
また、本発明における、該原紙がヒート処理後、調湿した時のカール軸、およびカール方向が、ＭＤ軸（＋）カールとなる面の側か、またはＣＤ軸（−）カールとなる面の側に乳剤層が設けられるようにすることを特徴とする樹脂被覆写真印画紙用支持体において、該樹脂被覆写真印画紙用支持体の本発明で定義する測定方法で測定した貼りカール特性が、乳剤層が設けられる表面を内巻きした場合の内巻き貼りカール値と、表面を外巻きした場合の外巻き貼りカール値の差δＬ（表内巻き−表外巻き）を＋２ｃｍ以上にすることにより、該貼りカール値の差δＬが＋２ｃｍ未満の場合と比較して、現像プロセッサー処理において、乾燥後の写真プリントのカールが更に確実にＭＤ軸（＋）カールとなり、ＣＤ軸（＋）カール、乃至ねじれ（＋）カールとなって搬送性に問題が生ずることによる写真プリント詰まり、現像プロセッサーより出てきた写真プリントの紙揃い不良などのトラブルの発生がさらに低減される。
【図面の簡単な説明】
【図１】原紙をヒート処理後、調湿した時のカール軸、およびカール方向が、ＭＤ軸（＋）カールとなる面の側に乳剤層を設けた場合の、原紙〜現像、乾燥後の写真プリントに至るカールの態様変化を示す概念図。
（１）原紙をヒート処理後、調湿した時のＭＤ軸（＋）カールとなる場合のカールの概念図。
（２）該原紙に樹脂被覆加工した時の樹脂被覆写真印画紙用支持体のＣＤ軸（−）カールの概念図。
（３）該樹脂被覆写真印画紙用支持体に写真乳剤を塗工し、表外巻きの巻き取りにした時の写真印画紙のＣＤ軸（−）カールの概念図。
（４）該写真印画紙を現像、乾燥処理後の写真プリントのＭＤ軸（＋）カールの概念図。
【図２】原紙をヒート処理後、調湿した時のカール軸、およびカール方向が、ＣＤ軸（＋）カールとなる面の側に乳剤層を設けた場合の、原紙〜現像、乾燥後の写真プリントに至るカールの態様変化を示す概念図。
（１）原紙をヒート処理後、調湿した時のＣＤ軸（＋）カールとなる場合カールの概念図。
（２）該原紙に樹脂被覆加工した時の樹脂被覆写真印画紙用支持体のＭＤ軸（−）カールの概念図。
（３）該樹脂被覆写真印画紙用支持体に写真乳剤を塗工し、表外巻きの巻き取りにした時の写真印画紙のＣＤ軸（−）カールの概念図。
（４）該写真印画紙を現像、乾燥処理後の写真プリントのＣＤ軸（＋）カールの概念図。
【図３】原紙をヒート処理後、調湿した時のカール軸、およびカール方向が、ＣＤ軸（−）カールとなる面の側に乳剤層を設けた場合の、原紙〜現像、乾燥後の写真プリントに至るカールの態様変化を示す概念図。
（１）原紙をヒート処理後、調湿した時のＣＤ軸（−）カールとなる場合のカールの概念図。
（２）該原紙に樹脂被覆加工した、樹脂被覆写真印画紙用支持体のＣＤ軸（−）カールの概念図。
（３）該樹脂被覆写真印画紙用支持体に写真乳剤を塗工し、表外巻きの巻き取りにした時の写真印画紙のＣＤ軸（−）カールの概念図。
（４）該写真印画紙を現像、乾燥処理後の写真プリントのＭＤ軸（＋）カールの概念図。
【図４】原紙をヒート処理後、調湿した時のカール軸、およびカール方向が、ＭＤ軸（−）カールとなる面の側に乳剤層を設けた場合の、原紙〜現像、乾燥後の写真プリントに至るカールの態様変化を示す概念図。
（１）原紙をヒート処理後、調湿した時のＭＤ軸（−）カールとなる場合のカールの概念図。
（２）該原紙に樹脂被覆加工した、樹脂被覆写真印画紙用支持体のＭＤ軸（−）カールの概念図。
（３）該樹脂被覆写真印画紙用支持体に写真乳剤を塗工し、表外巻きの巻き取りにした時の写真印画紙のＣＤ軸（−）カールの概念図。
（４）該写真印画紙を現像、乾燥処理後の写真プリントのＣＤ軸（＋）カールの概念図。
【図５】貼りカール測定において、樹脂被覆写真印画紙用支持体を強制加温加湿処理（５０℃、相対湿度８０％、４８ｈｒ）する際、直径７９ｍｍ紙管に樹脂被覆写真印画紙用支持体を表外巻きで巻き付けた状況を示す概念図。
【図６】貼りカール測定において、貼りカールを測定する際の、サンプルセットの状況を示す概念図。
【符号の説明】
１ 原紙
２ 樹脂被覆写真印画紙用支持体
３ 巻取りから採取した印画紙
４ 現像処理後あるいは処理時の写真プリント
５ 貼りカールサンプル
６ 紙管
７ 台[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a resin-coated photographic paper support having excellent curl characteristics. More specifically, a resin-coated photograph capable of reducing the occurrence of torsional curl during development processing by providing an emulsion layer on the resin-coated surface defining the curl axis and curl direction of the base paper to form a photographic printing paper The present invention relates to a photographic paper support.
[0002]
[Prior art]
In response to the increase in processing speed of the development processor for photographic paper, as a photographic paper support, a base paper of the support is formed by a paper machine, and a thermoplastic resin, usually a polyolefin resin, is coated on both sides of the base paper. A hot-melt coated resin-coated photographic printing paper support is used, and a photographic emulsion layer containing gelatin is formed on one side of the support to manufacture a photographic printing paper.
[0003]
The photographic print obtained by exposing, developing, and drying the photographic printing paper is a phenomenon in which, when the photographic print is allowed to stand on a flat surface, the central portion of the photographic print is curved in a concave shape and the peripheral portion of the photographic print is raised, It is known that so-called curl occurs.
[0004]
In order to prevent the above-mentioned curl, the thickness and density of the thermoplastic resin coating layers provided on both sides of the base paper are made different from each other, and the curl in the opposite direction is previously applied to the resin-coated photographic printing paper support. In addition, a technique for canceling the curl generated in a photographic print has been disclosed. However, although it is possible to reduce the degree of curl generated in photographic prints in the photographic printing paper manufactured according to the present technology, the curl axis (when the base paper or the support is curled, when the curl shaft is curved, a groove-shaped concave portion is formed) There is no description about the technology for canceling the front and back curls in consideration of the curl axis, which takes into account the axis that appears along the line, and the effect of improving the twist curl is insufficient, causing troubles such as clogging of photographic prints in a high-speed developing processor. (See, for example, Patent Documents 1 and 2).
[0005]
That is, it is a matter of course that the curl is preferably smaller, but what is particularly important is the direction of the curl axis. (Hereinafter, the direction of flow of the paper machine when making the base paper is called MD, and the direction perpendicular to the flow of the paper machine is called CD. Therefore, the curl with the MD direction as the curl axis is the MD axis curl, and the CD direction is the curl. The curl that is used as the axis is called the CD axis curl.)
[0006]
When the curl axis does not coincide with the MD axis curl and is between the CD axis curl, it is called a twist curl. In this case, the photographic print is jammed during processing of the developing processor, and the photographic print coming out of the developing processor In particular, troubles such as poor paper alignment often occur, and the appearance is poor, and the commercial value is significantly reduced.
As the processing speed of the developer processor becomes higher, the quality requirements for torsional curl are becoming extremely high.
[0007]
As a technique for preventing the occurrence of torsional curl, in a base paper used for a resin-coated photographic printing paper support, the base paper is divided into two parts in the thickness direction, and the elastic modulus in the MD axis and the CD axis direction on the front and back sides is defined. However, there is no description of a technique that defines the MD axis curl and the CD axis curl and also defines the relationship with the side on which the photographic emulsion layer is provided. As a result, the effect of improving the twisting curl is insufficient, and the effect of improving the occurrence of troubles such as clogging of photographic prints in a high-speed developing processor is insufficient (for example, see Patent Documents 3 and 4).
[0008]
[Patent Document 1]
UK Patent 1,269,802
[Patent Document 2]
JP-B-48-9963
[Patent Document 3]
JP-A-2-48 (pages 1 to 4)
[Patent Document 4]
JP-A-3-293349 (pages 1 to 4)
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a resin-coated photographic printing paper support obtained by coating both sides of a base paper with a resin, in which no CD-axis curl and twist curl occur in the developing processing direction, and the processing speed of the developing processor is higher. A resin-coated photographic printing paper support and a photographic printing paper capable of obtaining a good photographic printing paper even with the uniformity of photographic prints without adversely affecting transportability in a developing processor even at high speeds Providing photographic paper.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies to solve the above problems, and as a result, have come to invent the resin-coated photographic printing paper support and the photographic printing paper of the present invention.
That is, the first invention of the present invention is a photographic printing paper support obtained by coating both sides of a base paper with a resin, wherein the base paper is formed by using a pulp slurry containing wood fibers as a main component, After the heat treatment, when the humidity is adjusted, the sheet has the MD axis curl and the curl direction is the side of the base paper surface where the curl direction is plus curl, or has the CD axis curl and the curl direction is minus curl. A support for resin-coated photographic printing paper, characterized in that a photographic emulsion layer is provided on the side of the base paper.
[0011]
A second invention of the present invention is the first invention, wherein the base paper has an MD axis curl and a curl direction is plus curl when the base paper is subjected to humidity control after heat treatment. Or a resin-coated photographic printing paper support in which a photographic emulsion layer is provided on the side of a base paper having a CD axis curl and a curl direction of which is a negative curl, and the side on which the photographic emulsion layer is provided is internally wound. Wherein the difference δL (Li−Lu) between the adhesive curl value Li when the film is provided and the adhesive curl value Lu when the side on which the photographic emulsion layer is provided is wound outside is +2 cm or more. It is an invention of a paper support.
Further, the third invention of the present invention relates to a photographic printing paper in which an emulsion layer is provided on the resin-coated photographic printing paper support of the first invention, wherein the photographic emulsion layer side is wound outside and wound up. It is an invention of photographic printing paper characterized by storing.
[0012]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The resin-coated photographic printing paper support of the present invention is a photographic printing paper support obtained by coating both sides of a base paper with a resin, wherein the base paper is formed by using a pulp slurry containing wood fibers as a main component. Then, in order to make the curl characteristics of the base paper in the present invention obvious, after the heat treatment, when the humidity is adjusted, the base paper has the MD axis curl, and the curl direction is the side of the base paper where the curl direction is plus curl, or By providing a photographic emulsion layer on the side of the base paper that has a CD axis curl and the curl direction is a minus curl, the photographic print after drying surely has an MD axis curl in the development processor processing. In addition, since the curl direction is plus curl, transportability defects such as jamming of photographic prints and misalignment of photographic prints coming out of the developing processor such as paper misalignment occur. It has become possible to significantly reduce the occurrence of Le.
[0013]
Processing conditions for the above-described heat treatment and humidity control will be described.
In the present invention, either side of the base paper has the MD axis curl and the curl direction is plus curl (hereinafter, the curl having the MD axis curl and the curl direction is plus curl is referred to as the MD axis (+ One side of the base paper is referred to as a "curl", a curl having an MD axis curl, and having a curl direction of minus curl. When specified, a curl on the front side (front side) is referred to as plus curl, and a curl on the back side of the base paper is referred to as minus curl.) The curl direction is minus curl (hereinafter, a curl having a CD axis curl and a plus curl direction is referred to as a CD axis (+) curl, and has a CD axis curl and a curl direction of My A curl that becomes a scurl is sometimes referred to as a CD axis (-) curl.When one side of the base paper is specified as a (front side), a curl toward the front side (front side) is plus curled. , The curl on the back side of the base paper is referred to as minus curl). However, the base paper is heat-treated at 105 ° C for 5 minutes, followed by 23 ° C, 50% RH, 5% RH. By controlling the humidity for one minute, the axis curl can be confirmed. The technical reason for heating the base paper at 105 ° C. for 5 minutes and then controlling the humidity at 23 ° C. and 50% RH for 5 minutes was set as a condition under which the curl axis and the curl direction of the base paper could be known with certainty. It has no critical significance.
That is, in the present invention, in order to reliably determine the curl axis, a heat treatment is performed once to make the curl axis close to the absolutely dry state, and then the humidity is adjusted (moisture absorption), so that the curl axis is largely expressed, and The curl direction is clarified. In addition, the humidity control condition is simply a quotation of the ISO standard, and the time is about 5 minutes from the experience so far, so that the axis always appears clearly, so this is only a specific condition. By performing such processing, the curl axis and the curl direction can be confirmed.
[0014]
In a resin-coated photographic printing paper support in which both sides of the base paper are coated with resin, after the base paper is heat-treated, the curl when the humidity is adjusted becomes the MD axis (+) curl or the CD axis (-) curl. By providing an emulsion layer on the side of the surface, the true reason why the curl of the dried photographic print is definitely the MD axis (+) curl in the processing of the developing processor is not necessarily clear, but is considered as follows. .
[0015]
The curl of the photographic paper is such that the photographic emulsion layer containing gelatin, which also functions as an adhesive, formed on the photographic paper, is dried to form a resin-coated base paper. It is considered that this causes a difference in shrinkage between.
That is, when developed, dried after washing with water, or placed in an environment with low humidity, the photographic emulsion layer containing gelatin on the surface of the photographic printing paper dries relatively rapidly, and its volume shrinks or decreases.
[0016]
From the above, it is clear that the curl characteristics of the photographic printing paper after the development processing have a positive curl on the photographic emulsion layer side. At this time, it is difficult for the photographic printing paper to have the same curl axis as the development processing direction. This is in a direction favorable for the transportability, and does not cause entanglement with the rolls of the developing processor or deviation from the transport direction, and does not cause trouble such as jamming during the development processing.
[0017]
Furthermore, when the curl direction is reversed (that is, when the plus curl changes to minus curl or the minus curl changes to plus curl), the curl axis also changes (that is, when the curl direction changes to the MD axis curl). Is changed to a CD axis curl and a CD axis curl is changed to an MD axis curl.) Since knowledge has been obtained, if an emulsion layer is provided on the side of the base paper which is to be the MD axis (+) curl, the final In addition, the curl direction at the time of development is very large because the force of contraction of the emulsion layer is so large that the curl axis of the base paper does not reverse and remains the MD axis (+) curl. Therefore, the curl axis and the curl direction of the photographic print are MD axis (+) curl, and if an emulsion layer is provided on the side of the base paper on which the CD axis (-) curl occurs, the final development will be achieved. The curl direction at the time The curl axis of the base paper is reversed and becomes MD axis (+) curl in combination with the fact that the contracting force of the agent layer is so large that the curl axis always reverses to the plus curl. The idea was that the curl direction would be MD axis (+) curl.
Therefore, it is important that the final curl axis resulting from the base paper has the MD axis curl, and that the MD curl axis coincides with the development processing direction.
That is, in the present invention, if an emulsion layer is provided on the resin coating layer on the side where the MD axis (+) curl or the CD axis (-) curl occurs after the heat treatment of the base paper and the humidity control treatment, Both of them can be satisfied, and no twisting curl occurs, and trouble during development processing can be eliminated.
Also, a photographic printing paper or a photographic print which develops a CD axis curl from development processing to drying even if there is no twist, that is, the side of the side of the base paper having an MD axis (-) curl or a CD axis (+) curl A photographic printing paper support or a photographic printing paper provided with a photographic emulsion layer on the photographic printing paper cannot be transported smoothly between the transport rolls of the processing machine during the development process, and trouble occurs frequently. is there.
[0018]
The reason why both of these conditions can be satisfied by providing an emulsion layer on the side of the base paper on which the MD axis (+) curl occurs in the photographic printing paper support of the present invention will be described. FIG. 1 shows the transition of the curl from the base paper (1) to the photographic print (4) at the time of development or after development when an emulsion layer is provided on the side of the base paper on which the MD axis (+) curl occurs. Is shown. (2) shows the curl characteristics of a resin-coated photographic printing paper support in which both sides of the base paper were coated with a resin, and (3) provided an emulsion layer thereon, and wound up with the emulsion layer on the outside. The photographic paper after is shown. The dotted arrow indicates the direction of the production line, that is, the MD direction.
Since the curl of the photographic print at the time of development becomes a plus curl, it is only a curl axis that appears when the base paper (1) becomes a plus curl. That is, if the base paper (1) is curled in the MD axis (+), the resin coating layers of both layers of the resin-coated photographic printing paper support are generally oriented in the negative direction in order to offset the shrinkage of the emulsion layer. Since the curl balance of the two resin layers is adjusted so as to curl and impart a minus curl, the curl axis of the base paper is reversed to form a CD axis (-) curl, while the coating resin is oriented to the MD axis. Therefore, the two curl axes, ie, the CD axis of the base paper and the MD axis of the coating resin, are mixed, and the resin-coated photographic printing paper support (2) undergoes a CD axis (-) twist curl. The roll of photographic paper (3) after emulsion coating has a slight twist due to the CD axis (-) curl due to the curl added to the CD axis (-) twist curl of the resin-coated photographic paper support (2). A weak CD axis (-) twist curl results. Since the curl direction and curl axis of the curl of the photographic printing paper (3) match the curl direction and curl axis of the resin-coated photographic paper support (2), the twist decreases but does not increase. . The photographic print (4) has a positive curl due to shrinkage of the emulsion layer at the time of development, so that the curl axis of the base paper is reversed again, resulting in a MD axis (+) curl. In this case, since the MD axis (+) curl by the base paper is reproduced, and since the coating resin layer has an axial property oriented in the MD axis direction, the CD axis (−) remaining on the photographic printing paper (3) is obtained. The torsional curl becomes extremely small, so that the developed photographic print (4) has only MD axis (+) curl. The photo print having the MD axis (+) curl is smoothly transferred between the transport rolls and jammed because the concave groove formed by the curl matches the transport direction and the curl height of both wings of the photo print is also equal. There is no problem, and even if photo prints are stacked, they can be aligned neatly.
[0019]
On the other hand, in FIG. 2, when the emulsion layer is provided on the side of the side where the base paper has a CD axis (+) curl, from the base paper (1) to the photographic print (4) at the time of development or after development. Shows the evolution of curl. Since the curl of the photographic print at the time of development becomes a plus curl, it is only a curl axis that appears when the base paper (1) becomes a plus curl. That is, if the base paper (1) is curled in the CD axis (+) direction, the resin coating layers of both layers of the resin-coated photographic printing paper support in the negative direction as a whole to offset the shrinkage of the emulsion layer. Since the curl balance of the two resin layers is adjusted so as to curl, a minus curl is imparted. Therefore, the curl axis of the base paper is reversed, and the MD paper has a negative (−) curl. Since the coating resin is oriented along the MD axis and the base paper also has the MD axis (-) curl, the resin-coated photographic printing paper support (2) has only the MD axis (-) curl. The roll photographic paper (3) after the emulsion coating has a mixture of the MD axis (-) curl of the resin-coated photographic paper support (2) and the CD axis (-) curl due to curl. The shaft is twisted, resulting in a CD axis (-) twisted curl. In this case, there is a possibility of MD axis (-) twist curl, but the CD axis curl due to the curl beats the MD axis curl due to the resin layer and becomes the CD axis (-) twist curl. Since the curl CD axis curl itself has a different direction from the CD axis curl of the base paper, the curl has a slightly weak curl curl. Photographic print (4) has a positive curl due to shrinkage of the emulsion layer during development, and thus has a CD axis (+) twist curl. In this case, it is considered that the curl axis of the base paper is reversed again, resulting in an MD axis (+) twist curl. The curl curl is not due to the distortion caused by the material constituting the photographic printing paper, but to the outside. Since the deformation is caused by the stress applied from the substrate, it is attenuated due to the heat treatment history during the development process, etc., and the CD axis (+) curl of the base paper and the MD axis (-) curl of the resin-coated photographic printing paper support (2). The two curl axes, the CD axis of the base paper and the MD axis of the coating resin, become dominant. These two axes are mixed, and the coating resin is oriented to the MD axis. ) Is presumed to be a CD axis (+) twist curl. In this way, when strongly controlled by the CD-axis curl and the MD-axis curl, no intrinsic curl having other axial properties appears, but the CD-axis curl and the MD-axis curl cancel or mix. An anisotropic axis other than the two axes is generated between the two axes, resulting in a twisted curl. It has been mentioned above that in the case of the twist curl and the CD axis curl, the suitability for the developing processor is poor.
[0020]
In addition to the above, curling when the base paper is heat-treated and then humidified includes a CD axis (-) curl and an MD axis (-) curl.
[0021]
A resin-coated photographic printing paper support according to another aspect of the first invention will be described. FIG. 3 shows the change of the curl from the base paper (1) to the photographic print (4) during or after development when the base paper is provided with an emulsion layer on the side where the CD axis (-) curl occurs. Is shown. Since the curl of the photographic print at the time of development becomes a plus curl, it is only a curl axis that appears when the base paper (1) becomes a plus curl. That is, if the base paper (1) has a CD axis (-) curl, the resin coating layers of both layers of the resin-coated photographic printing paper support have a negative direction as a whole in order to offset the shrinkage of the emulsion layer. Since the curl balance of the two resin layers is adjusted so as to curl, and a minus curl is given, the base paper remains in the CD axis (-) curl without the curl axis being reversed. Therefore, since the curl direction and the curl axis also match, no twisting occurs. On the other hand, the coating resin is oriented in the MD axis, and the MD axis curl axis of the coating resin is mixed, but the CD axis curl becomes dominant and the resin-coated photographic paper support (2) has an extremely weak twist. Only a CD axis (-) twist curl results. The photographic paper (3) of the roll after the emulsion coating has a CD axis (-) curl due to a winding habit having the same axial property to the CD axis (-) twist curl of the resin-coated photographic paper support (2). As a result, the photographic printing paper has a CD axis (-) twist curl in which the twist is further reduced. Since the photographic print (4) curls positively due to shrinkage of the emulsion layer during development, the curl axis of the base paper is reversed, and the MD axis curls (+). The MD axis (+) curl of the base paper is superior to the CD axis (-) twist curl of the resin-coated photographic printing paper support (2). Further, since the coating resin is oriented in the MD axis, the twist becomes apparent. In other words, the photo print (4) after development has only an MD axis (+) curl.
[0022]
On the other hand, in FIG. 4, when the emulsion layer is provided on the side of the surface on which the MD is curled in the MD axis (-), from the base paper (1) to the photographic print (4) during development or after development. Shows the evolution of curl. Since the curl of the photographic print at the time of development becomes a plus curl, it is only a curl axis that appears when the base paper (1) becomes a plus curl. That is, when the base paper (1) is curled in the MD axis (-), the resin coating layers of both layers of the resin-coated photographic printing paper support have a negative direction as a whole in order to offset shrinkage of the emulsion layer. Since the curl balance of the two resin layers is adjusted so as to cause curl, a minus curl is imparted, so that the base paper has an MD axis (-) curl without the curl axis being reversed. Since the coating resin is oriented in the MD axis and the base paper also tends to curl in the MD axis (-), the resin-coated photographic printing paper support (2) has only the MD axis (-) curl. The roll photographic paper (3) after the emulsion coating has a twist in which the MD axis (-) curl of the resin-coated photographic paper support (2) is mixed with the CD axis (-) curl due to curl. Occurs, resulting in a CD axis (−) twist curl. Photographic print (4) has a positive curl due to shrinkage of the emulsion layer during development, and therefore has a CD axis (+) curl. The reason why the photographic print is not the MD axis (+) curl but the CD axis (+) curl is that the curl curl is not caused by the constituent material but is a curl caused by an external force as described in FIG. The influence is lost due to the history, etc., and the distortion of the material, mainly the distortion derived from the base paper, becomes dominant, and the photographic print on the MD (-) curl of the base paper and the resin-coated photographic printing paper support (4) It is presumed that the curl axis is reversed due to the plus curl in ()) to form a CD-axis (-) curl. Considering the twist, the MD axis (-) curl of the base paper is superior to the CD (-) twist curl of the photographic printing paper (3), and the coating resin is oriented in the MD axis. The MD print (4) has the same curl axis, and the developed photographic print (4) has a CD-axis (+) twist curl with almost no twist. As described above, in the case of the CD-axis curl, the suitability of the developing processor is poor.
[0023]
After the heat treatment of the base paper, regardless of the curl aspect when the humidity is adjusted, after coating the photographic emulsion layer, the unexposed photographic printing paper is preferably plus curled due to the transportability of the developing processor. From the above, the photographic emulsion layer is wound into an outer winding (that is, wound so that the photographic emulsion layer side does not face the core of the winding). Next, the ripening step performed for the purpose of appropriately increasing the water resistance of the gelatin contained in the photographic emulsion layer usually involves heating. As a result of the influence of these factors, the unexposed photographic paper roll has a curl, so that the curl of the unexposed photographic paper roll is given a CD-axis (-) curl.
[0024]
The unexposed photographic paper is subjected to shrinkage between the gelatin-containing photographic emulsion layer and the resin-coated photographic paper support as described above in the course of drying after development in a developing processor and washing with water, and a volume reduction rate. , The (−) curl is inverted and becomes a (+) curl. At this time, empirically, the axis of the curl curl, which is the CD axis (-) curl, is also inverted and tends to be the MD axis (+) curl.
[0025]
Further, in the present invention, an emulsion layer is provided on the side of the surface where the curl axis and the curl direction when the base paper is heated and then subjected to humidity control are such that the MD axis (+) curl or the CD axis (-) curl. In the support for a resin-coated photographic printing paper, characterized in that the curl characteristics of the resin-coated photographic printing paper support measured under the measurement conditions defined in the present invention described below, the photographic emulsion layer is provided. The inner curl value Li when the side on which the photographic emulsion layer is provided is internally wound (also referred to as an inner winding), and the outer curl value Lu when the side on which the photographic emulsion layer is provided is outer winding (also referred to as an outer winding). (Li-Lu) is more than +2 cm, the curl of the dried photographic print is further increased in the development processor processing as compared with the case where the difference δL of the applied curl value is less than +2 cm. certainly The MD axis (+) curl causes no problem in transportability, and eliminates problems such as jamming of photographic prints and poor alignment of photographic prints coming out of the developing processor.
[0026]
Although the mechanism is not necessarily clear, it is considered as follows.
In the above-mentioned ripening step with ordinary heating performed for the purpose of appropriately increasing the water resistance of the gelatin contained in the photographic emulsion layer, the side of the resin-coated photographic paper on which the photographic emulsion layer is provided has an outer curl. A curl, that is, a CD axis (-) curl is applied. The curl of this winding habit becomes large near the winding core, but as a result, the circumference becomes large at the winding part near the outer periphery, and as a result, the curling becomes small as compared with the vicinity of the winding core. That is, in the state of the resin-coated photographic paper, only when the curl curl, which is the CD axis (-) curl, is firmly attached, the (-) curl is (+) due to the shrinkage of the gelatin contained in the photographic emulsion layer by drying in the processor processing. At the same time, the curl axis is also reversed from the CD axis to the MD axis, and the MD axis (+) curl occurs, thereby improving the transportability.
[0027]
Further, as a result of the study, it was found that the curl curl as the CD axis (-) curl in the resin-coated photographic printing paper is governed by the curl curl characteristics of the resin-coated photographic printing paper support. Accordingly, the resin-coated photographic printing paper support preferably has a curl of curl of the outer surface roll, and the curl characteristic thereof is preferably such that the difference of the curl value defined by the present invention is +2 cm or more.
If it is less than +2 cm, the tendency of the curl of the photographic print after drying in the processor processing increases the tendency of twisting curl including the CD axis (+) curl component.
The measurement conditions of the pasted curl defined in the present invention will be described in the section of << Evaluation Method >>.
[0028]
In the present invention, management for specifying the surface on which the emulsion layer is to be formed after confirming the curl axis and the curl direction of the base paper is essential technical management. In the case of the axis (+) curl or CD axis (-) curl, the curl characteristic of the base paper is adjusted by setting the resin coating composition layer on which a photographic emulsion layer is to be provided on the surface having such curl characteristics. In the case of MD axis (-) curl or CD axis (+) curl, a resin coating composition in which a photographic emulsion layer is to be provided by turning a base paper upside down with a rewinder (that is, reversing the base paper) and laying it over a molten resin extruder It is conceivable to provide a layer.
In order to adjust the curl height, adjustment of the upper and lower dryer temperatures, adjustment of the pulp raw material freeness, and adjustment of the press and calender pressure are performed. As a specific management, it is preferable to set a standard for managing the curl of the base paper, to provide feedback to the previous process or to use it as a guide for adjustment in the subsequent manufacturing process. Degree (defined as the average value of curl heights A and B on two sides parallel to the MD axis (A + B) / 2 = -3 to -20 mm. For a CD axis (+) curl, the MD degree (parallel to the CD axis) It is effective to obtain the effect of the present invention if the average value of the curl heights C and D on two sides (C + D) / 2 = 3 to 20 mm.
As described above, basically, the achievement means of the present invention is to confirm the curl axis and manufacture photographic paper based on the information, but as a means for changing the curl axis by strong and aggressive means, It is necessary to adjust the jet wire ratio, adjust the dewatering of the slurry on the wire, adjust the shaking of the wire, adjust the press draw, adjust the dryer draw, etc., as appropriate.
[0029]
In a resin-coated photographic paper support, the curl can be adjusted by changing the amount of resin in the back layer. When the curl of the resin-coated photographic printing paper support is formed into an outer winding roll, if the curl is strong, the amount of resin in the back layer is reduced, and if the curl is too weak, the curl operation is performed by increasing the amount of resin in the back layer. Can be.
[0030]
The base paper of the support for photographic printing paper which covers both sides of the base paper of the present invention with resin is produced using wood pulp as a main raw material. As the wood pulp, bleached chemical pulp, such as softwood bleached kraft pulp, hardwood bleached kraft pulp, or softwood bleached sulphite pulp, which is usually used most industrially, is used alone or in combination of two or more.
[0031]
Pulp is beaten with a beater such as a double disc refiner in order to improve paper properties and various paper properties such as strength, smoothness, and uniformity of formation. The degree of beating is preferably in the range of 250 ml to 400 ml using Canadian Standard Freeness (hereinafter referred to as CSF).
If it exceeds 400 ml CSF, the ratio of long fibers in the slurry becomes excessive, dehydration on the wire part becomes excessively fast, and poor formation and poor size are caused. If the CSF is less than 250 ml CSF, the ratio of long fibers in the slurry becomes too small, and not only the strength of the wet paper formed on the wire part decreases, but also the tensile strength, tear strength and stiffness of the obtained paper. And other properties are deteriorated, which is not preferable in terms of operation and quality. The base paper used for the resin-coated photographic printing paper support of the present invention is mainly composed of natural pulp. However, if necessary, a synthetic pulp other than natural pulp or a synthetic fiber may be mixed and used.
[0032]
The beaten pulp slurry is made by a paper machine such as a fourdrinier paper machine, a round net paper machine, or a twin wire paper machine. At this time, in the present invention, various additives such as a pulp slurry dispersing agent, a dry paper strength enhancer, a wet paper strength enhancer, a filler, a sizing agent, a fixing agent, and a fungicide which are usually used in papermaking are all necessary. It is possible to add according to. Further, if necessary, a pH adjuster, a dye, a colored pigment, a fluorescent whitening agent and the like can be added.
[0033]
Dispersing aids include, for example, polyethylene oxide, polyacrylamide, smelt, and the like. Paper strength enhancers include, for example, vegetable gums, starch, anionic paper strength enhancers such as carboxy-modified polyvinyl alcohol, cationized starch, and cationic polymer. Acrylamide, polyamide polyamine epichlorohydrin resin and other cationic paper-strengthening agents, fillers such as clay, kaolin, calcium carbonate, barium sulfate, titanium oxide, aluminum hydroxide, magnesium hydroxide, etc., and sizing agents such as higher fatty acids Salts, rosins, rosin derivatives such as maleated rosin, dialkyl ketene dimer emulsions, alkenyl or alkyl succinates, epoxidized fatty acid amides, polysaccharide esters, etc. Polyvalent metal salts such as aluminum, cationic starch, and cationic polymers such as a polyamide polyamine epichlorohydrin resin, sulfuric acid for example, as a pH adjusting agent, hydrochloric acid, sodium hydroxide, sodium carbonate and the like are used.
[0034]
The base paper used in the present invention is subjected to a surface treatment with a liquid containing various additives including a water-soluble polymer additive, so that the base paper has an adhesive property with a coating resin layer and surface properties such as size. Can also be improved.
[0035]
Examples of the water-soluble polymer additive include fully saponified or partially saponified polyvinyl alcohol, modified products of polyvinyl alcohol such as cation-modified, carboxy-modified, and silanol-modified, starch and oxidized starch, carboxymethyl cellulose, hydroxymethyl cellulose, and hydroxy. Ethyl cellulose, modified cellulose such as cellulose sulfate, gelatin, casein, pullulan, acacia, karaya gum, natural polymers such as albumin or derivatives thereof, polyacrylamide, polyvinylpyrrolidone, polypropylene glycol, polyethylene glycol, sodium polyacrylate, Synthetic polymers such as styrene-maleic anhydride copolymer sodium salt and sodium polystyrenesulfonate are used. Resin emulsions, ammonium salts of alkyl esters of styrene-maleic anhydride copolymers, alkyl ketene dimer emulsions, styrene-butadiene copolymers, ethylene-vinyl acetate copolymers, dispersions of polyethylene, polyvinylidene chloride, etc. No. Other additives include sodium chloride, calcium chloride and sodium sulfate as inorganic electrolytes as antistatic agents, glycerin and polyethylene glycol as hygroscopic substances, and clay, kaolin, talc and sulfuric acid as pigments. Barium, titanium oxide and the like are used as pH adjusters such as sulfuric acid, hydrochloric acid, sodium hydroxide and sodium carbonate, and other additives such as dyes and optical brighteners can be used in combination.
[0036]
As a device for applying the binder, the surface sizing agent, and the like, a conventional size press, a gate roll size press, a film transfer type size press, a rod coater, a bill blade, a short dwell coater, or the like can be used. Among these coating apparatuses, it is desirable to use a system that impregnates the inside of the paper layer with the above surface treatment liquid.
[0037]
The basis weight of the base paper used for the resin-coated photographic printing paper support of the present invention is from 60 to 300 g / m. 2 But 120 to 250 g / m 2 Is more preferred. Basis weight 30g / m 2 If it is less than 1, the stiffness as a support for resin-coated photographic printing paper and the smoothness cannot be obtained. In addition, 300 g / m 2 When the basis weight exceeds the above range, the papermaking speed is reduced and the cost is remarkably increased.
[0038]
The base paper used for the resin-coated photographic printing paper support of the present invention is preferably one having good surface smoothness such as compression by applying a pressure by a calendar or the like during or after papermaking, and JIS-P- Beck's smoothness measured by 8119 is 60 g / m 2 For more than 60 seconds, 170g / m 2 In the case of the base paper, a paper having a length of 200 seconds or more is particularly preferable.
[0039]
The whiteness of the base paper used for the resin-coated photographic printing paper support of the present invention is high when the hunter whiteness measured by JIS-P-8123 is 85% or more, and a high-quality recording material is obtained. Although it is obtained, the required whiteness varies depending on the purpose, and a brown base paper using unbleached pulp as a natural pulp may be used. Further, base paper colored with a coloring agent such as a dye may be used.
[0040]
The coating resin used for the resin-coated photographic printing paper support of the present invention is most commonly polyethylene, but other thermoplastic resins, thermosetting resins, and water-resistant resins such as an electron beam-curable resin, Anything that does not interfere with the photographic emulsion can be used.
[0041]
In the present invention, as a method of coating the base paper with a resin, any coater suitable for the coating resin to be used, such as a resin melt extrusion coater for extruding and coating a molten resin, a solvent coater, or the like can be used. When an electron beam-curable resin is used as the coating resin, the coating is cured by an electron beam. Alternatively, the resin may be formed into a film in advance and then bonded to the base paper by a dry lamination or wet lamination method.
[0042]
The surface of the resin-coated photographic printing paper support of the present invention (the surface to which the photographic emulsion layer is applied) is finished to a glossy surface, a matte surface, or the like according to the intended use, and a glossy surface is particularly preferably used.
The molding process for finishing the surface of the resin-coated photographic printing paper support of the present invention into a matte surface, a fine grain surface, a silk surface, etc. is performed by pressing a coated layer or a bonded resin layer onto the surface of the molded roll. Do it. In the case of extrusion coating of a molten resin, usually, a mold roll is used as a cooling roll, and the mold is formed at the same time as coating. When an electron beam-curable resin is used, a method of irradiating an electron beam and curing the resin layer while pressing the resin layer on a mold roll is employed.
[0043]
As the coating resin in the resin-coated photographic printing paper support of the present invention, a polyolefin resin for hot melt extrusion coating is preferable, and a polyethylene resin is particularly preferable. Further, low density polyethylene, medium density polyethylene, high density polyethylene or a mixture thereof can be used. The low-density polyethylene referred to here has a density of 0.915 to 0.930 g / cm. 3 And usually manufactured by a high-pressure method. On the other hand, high-density polyethylene has a density of 0.950 g / cm 3 These are usually manufactured by the low-pressure method or the medium-pressure method. These polyethylene resins having various densities and melt flow rates can be used alone or in combination of two or more.
Further, in order to improve the adhesiveness between the resin and the base paper, it is preferable to perform an activation treatment such as a corona discharge treatment or a flame treatment on the base paper before coating the resin on the base paper.
Further, an activation treatment such as a corona discharge treatment or a flame treatment can be applied to the surface of the resin-coated photographic printing paper support or, if necessary, to both the front and back surfaces.
[0044]
On the other hand, the resin layer of the resin-coated paper can be formed by coating a latex having a film forming ability. For example, it can also be formed by coating a latex having a low minimum film formation temperature (MFT) on a base paper for resin-coated paper and then heating it to a temperature equal to or higher than the minimum film formation temperature.
[0045]
In the above coating resin, white pigments such as titanium dioxide, zinc oxide, talc, calcium carbonate, fatty acid amides such as stearamide, arachidic amide, zinc stearate, calcium stearate, aluminum stearate, magnesium stearate, etc. Fatty acid metal salts, antioxidants, blue pigments and dyes such as cobalt blue, ultramarine, cecilian blue, and phthalocyanine blue; magenta pigments and dyes such as cobalt violet, fast violet, and manganese purple; fluorescent brighteners; and ultraviolet absorbers Such various additives as described above can be appropriately combined and added.
[0046]
The configuration of the coating resin layer in the resin-coated photographic printing paper support of the present invention may be either a single layer or a multilayer of two or more layers. Also in this case, the above polyolefin resins can be used alone or in combination of two or more. Further, the respective layers of the multilayer may have different compositions or the same composition. As a method of forming a multilayer resin layer, any of a co-extrusion coating method and a sequential coating method may be adopted, or a combination thereof. It is preferable to adopt a method of successively extruding the coating, because the influence of formation due to the irregularities of the base paper is reduced for each coating, and the smoothness of the photographic emulsion layer coating surface is enhanced.
In the present invention, after the resin coating, multi-layer coating by sequential extrusion coating is preferred for the purpose of minimizing the influence of irregularities caused by the base paper, and multi-layer coating by sequential extrusion coating on co-extrusion coating is preferred. More preferred.
[0047]
The resin-coated photographic printing paper support of the present invention may be provided with an anchor layer for the purpose of improving the adhesion between the photographic emulsion layer and the support. A hydrophilic binder such as gelatin, a solvent-soluble binder such as butyral, a latex, a curing agent, a pigment, a surfactant and the like can be appropriately added to the anchor layer.
[0048]
Various types of back coat layers can be applied to the resin-coated photographic printing paper support of the present invention for antistatic properties, transport properties, curling prevention properties, writing properties, gluing properties, and the like. In the back coat layer, an inorganic antistatic agent, an organic antistatic agent, a hydrophilic binder, a latex, a curing agent, a dye, a pigment, a lubricant, a surfactant and the like can be appropriately combined and added.
[0049]
【Example】
Next, the present invention will be described in more detail with reference to examples. However, it is not limited to these. The parts and percentages shown below are based on weight, and the coating amounts are absolutely dry coating amounts.
[0050]
Example 1
A pulp slurry consisting of 100% hardwood bleached kraft pulp is beaten using a double disc refiner so that the freeness becomes 300 ml of CSF, and 0.6 parts of anionized polyacrylamide and alkyl ketene dimer are used for 100 parts of pulp. A stock slurry was prepared by adding 0.3 part of the emulsion (as a ketene dimer component), 0.2 part of a polyamide polyamine epichlorohydrin resin, and appropriate amounts of an optical brightener, a blue dye and a red dye.
[0051]
Using a fourdrinier machine running at 300 m / min, a web is formed with a shaking frequency of 300 times / min and an amplitude of 13 mm (shaking strength of 47), and a wet part of 15 to 100 kg / cm. After performing a three-stage wet press in which the linear pressure has been adjusted in a range, a treatment with a smoothing roll is performed, and in a subsequent drying part, a two-stage tension press in which a linear pressure is adjusted in a range of 30 to 70 kg / cm is performed. And then dried.
Further, in the course of drying, a size press solution composed of 4 parts of modified polyvinyl alcohol, 0.05 parts of a fluorescent whitening agent, 0.002 parts of a blue dye, 4 parts of sodium chloride, and 92 parts of water was subjected to size press. Base paper moisture is 8.5% in absolute dry moisture, basis weight 170g / m 2 , Density 1.02g / cm 3 The drying conditions and the calendering conditions were adjusted so as to obtain a base paper for a resin-coated photographic printing paper support.
[0052]
After the heat treatment of the base paper, the curl axis and the curl direction when the humidity was adjusted were measured, and the side having the MD axis (+) curl was selected as the side of the side coated with the photographic emulsion.
[0053]
In the obtained base paper, the surface opposite to the photographic emulsion coated surface was subjected to corona discharge treatment, and then a high-density polyethylene (density 0.96 g / cm) was formed as a resin layer using a resin melt extrusion coater. 3 , MFR = 7 g / 10 min) at 320 ° C. and coated at a thickness of 21 μm at a running speed of 200 m / min. The surface quality of the resin layer was processed into a mat surface. Hereinafter, the main surface is referred to as a back surface.
[0054]
Next, the opposite side, that is, the base paper surface selected as the side on which the above-mentioned photographic emulsion is coated, is subjected to corona discharge treatment, and then, using a resin melt extrusion coater, a low density polyethylene containing 13% of anatase type titanium oxide. (The density of low-density polyethylene not containing anatase-type titanium oxide is 0.92 g / cm 3 , MFR = 2 g / 10 min) Extrusion coating of the compound resin at a resin temperature of 320 ° C. at a running speed of 200 m / min to a thickness of 28 μm, continuous corona discharge treatment, and then an anchor layer containing gelatin as a main component Was coated at a solid content of 0.2 g / m 2 and dried to produce a resin-coated photographic paper support having a surface winding of 3,000 m. The surface quality of the resin layer was mirror-finished. Hereinafter, this surface is referred to as a surface.
[0055]
After the surface of the resin-coated photographic printing paper support is subjected to corona discharge treatment, a photographic emulsion layer comprising a yellow coloring layer, an intermediate layer, a magenta coloring layer, an intermediate layer, a cyan coloring layer and a protective layer is coated from below with a slide hopper coater. Using a coater having a head, all the layers constituting each layer were simultaneously applied to produce a 3,000 m photographic paper master roll having an outer winding.
Furthermore, a cassette of photographic printing paper having a length of about 12 m with a slit width of 127 mm in length in the CD direction of the cabinet print was formed with the front side wound outside.
[0056]
Example 2
A resin-coated photographic paper support, a photographic paper, and a photographic paper cassette were produced in the same manner as in Example 1 except that the resin thickness of the back layer of the resin-coated photographic paper support was 19.5 μm. did.
[0057]
Example 3
Manufacture of a resin-coated photographic paper support, a photographic paper, and a photographic paper cassette in the same manner as in Example 1 except that the resin thickness of the back layer of the resin-coated photographic paper support was 18.5 μm. did.
[0058]
Example 4
A resin-coated photographic paper support, photographic paper, and a cassette of photographic paper were produced in the same manner as in Example 1, except that the resin thickness of the back layer of the resin-coated photographic paper support was 15 μm.
[0059]
Example 5
After the heat treatment of the base paper, the curl axis and the curl direction when the humidity was adjusted were measured, and the CD axis (-) curl side was selected as the side on which the photographic emulsion was coated. In the same manner as in Example 1, a resin-coated photographic printing paper support, photographic printing paper, and a photographic printing paper cassette were produced. The curl axis and curl direction of the base paper were adjusted by increasing the jet wire ratio, loosening the press draw, and adjusting the upper and lower dryer temperatures with respect to the base paper manufacturing conditions of Example 1.
[0060]
Example 6
A resin-coated photographic paper support, a photographic paper, and a photographic paper cassette were produced in the same manner as in Example 5 except that the resin thickness of the back layer of the resin-coated photographic paper support was 19.5 μm. did.
[0061]
Example 7
Manufacture of a resin-coated photographic paper support, a photographic paper, and a photographic paper cassette in the same manner as in Example 5 except that the resin thickness of the back layer of the resin-coated photographic paper support was 18.5 μm. did.
[0062]
Example 8
A resin-coated photographic paper support, a photographic paper, and a photographic paper cassette were produced in the same manner as in Example 5, except that the resin thickness of the back layer of the resin-coated photographic paper support was 15 μm.
[0063]
Comparative Example 1
After the heat treatment of the base paper, the curl axis and the curl direction when the humidity was adjusted were measured, and the side with the MD axis (-) curl was selected as the side of the side coated with the photographic emulsion. In the same manner as in Example 1, a resin-coated photographic printing paper support, photographic printing paper, and a photographic printing paper cassette were produced. The adjustment of the curl axis and the curl direction of the base paper were performed by reducing the jet wire ratio, stretching the press draw, and adjusting the upper and lower dryer temperatures with respect to the base paper manufacturing conditions of Example 1.
[0064]
Comparative Example 2
A resin-coated photographic paper support, a photographic paper, and a photographic paper cassette were manufactured in the same manner as in Comparative Example 1 except that the resin thickness of the back layer of the resin-coated photographic paper support was 19.5 μm. did.
[0065]
Comparative Example 3
A resin-coated photographic paper support, a photographic paper, and a photographic paper cassette were produced in the same manner as in Comparative Example 1 except that the resin thickness of the back layer of the resin-coated photographic paper support was 15 μm.
[0066]
Comparative Example 4
After the heat treatment of the base paper, the curl axis and the curl direction when humidity was adjusted were measured, and the CD axis (+) curled side was selected as the side on which the photographic emulsion was coated. In the same manner as in Example 1, a resin-coated photographic printing paper support, photographic printing paper, and a photographic printing paper cassette were produced. Adjustment of the curl axis and the curl direction of the base paper were performed by increasing the jet wire ratio, loosening the press draw, and adjusting the upper and lower dryer temperatures with respect to the base paper manufacturing conditions of Example 1.
[0067]
Comparative Example 5
A resin-coated photographic paper support, a photographic paper, and a photographic paper cassette were produced in the same manner as in Comparative Example 4 except that the resin thickness of the back layer of the resin-coated photographic paper support was 19.5 μm. did.
[0068]
Comparative Example 6
A resin-coated photographic paper support, a photographic paper, and a photographic paper cassette were produced in the same manner as in Comparative Example 4 except that the resin thickness of the back layer of the resin-coated photographic paper support was 15 μm.
[0069]
With respect to the resin-coated photographic printing paper supports of Examples 1 to 8 and Comparative Examples 1 to 6 obtained as described above, the adhesion curl was measured. Further, the twist curl of the photographic printing paper after the processor processing was measured. Table 1 shows the measurement results together with the curl axis and the curl direction when the humidity was adjusted after the heat treatment of the base paper of the resin-coated photographic printing paper support which was measured in advance.
[0070]
"Evaluation method"
[Heat treatment (105 ° C., 5 minutes), curling axis (MD axis or CD axis) and humidity direction (curling in the surface direction plus curling) at the time of humidity control (23 ° C., 50% RH, 5 minutes) (+), The curl toward the back side is minus curl (-)) measuring method]
A 10 cm × 10 cm sample is prepared from the base paper of the resin-coated photographic printing paper support so that two sides are parallel to the MD axis. Record the front, back and MD axes. The sample was pierced with an office puncher at the center near one side parallel to the CD axis, suspended in a thermostat at 105 ° C, processed for 5 minutes, and immediately placed in a horizontal thermostat at 23 ° C and 50%. After treating for 5 minutes with the surface facing up on a flat surface, the curl axis (MD axis or CD axis; in the case of torsion, the curl axis which has a strong tendency is the curl axis of the sample). And the curl direction (curl toward the front surface is plus curl (+), curl toward the back surface is minus curl (-)).
[0071]
[Paste curl measurement method]
Two samples of 150 mm in the MD direction and 240 mm in the CD direction were prepared from the resin-coated photographic printing paper support, and one of the samples was wound inside the table and the other was wound outside the table. ), And subjected to forced heating and humidifying treatment (50 ° C., relative humidity 80% (hereinafter referred to as 80% RH), 48 hours). Immediately after taking out the sample after the 48 hr treatment, in the constant temperature and humidity chamber of 23 ° C. and 50% RH, the upper 1 cm length is fixed to a vertical surface of a table having a wall higher than the sample so as to hang down along a vertical line. Then, the distance between the upper end and the lower end is measured up to the unit of mm, and the resultant value is defined as the adhesion curl value. The sample after the measurement is stored in a constant temperature and humidity room at 23 ° C. and 50% RH, and the measurement is performed 24 hours, 48 hours, and 72 hours after the measurement. The treatment and the measurement were carried out simultaneously with the inner winding and the outer winding, and δL = Li-Lu (inner winding curl value Li-outer winding curling value Lu) was calculated to the millimeter in cm units, and the Expressed as the value difference δL. The larger the difference δL between the sticking curl values, the more easily the curl due to the processing is formed. The scope of the present invention includes a case where the difference δL between the applied curl values is +2 cm or more immediately after the end of the processing, after 24 hours, after 48 hours, or after 72 hours. (See FIGS. 5 and 6.)
[0072]
[Torsion curl measurement method]
Immediately after the photographic paper developed by the minilab processor is placed on a horizontal plane with the emulsion side up and looking down from above, the left corner of one side of the minilab processor in the traveling direction is A, the right corner is B, and the tail is When the right angle of one side is C and the left angle is D, and a perpendicular line is dropped on the plane from the points A, B, C, and D, the distance to the plane of each angle measured to 0.1 mm is a , B, c, d. The absolute value of (a + c−b−d) / 2 obtained from these measured values is defined as the degree of twist curl. Evaluation: ：: Twist curl is very good. ：: good twist curl. Δ: Twisted curl is slightly poor, but within the usable limit where no complaint occurs in terms of paper passing properties and commercial value as a photographic print. ×: Unusable due to poor twist curl. The photographic paper size was an L plate (127 mm in the CD direction, 89 mm in the MD direction).
：: Twist curl degree less than 1 mm
：: Twist curl degree 1 mm or more and less than 3 mm
Δ: Twist curl degree 3 mm or more and less than 5 mm
×: Twist curl degree 5 mm or more
[0073]
[Table 1]
[0074]
As is clear from the table, in a resin-coated photographic printing paper support in which both sides of the base paper are coated with a resin, the base paper is a base paper formed by using a pulp slurry containing wood fibers as a main component, After heat treatment, Examples 1 and 2, wherein the curl axis and the curl direction when the humidity was adjusted were such that the emulsion layer was provided on the side of the surface where the MD axis (+) curl or the CD axis (-) curl was formed. It can be seen that the torsional curls of Examples 3 and 4 and Examples 5, 6, 7, and 8 after development processing by the minilab processor are all within the limits of being usable.
Further, the twist curls of Examples 1 and 5 in which the sticking curl value difference δL is the largest among the samples are the best, and Examples 1 and 2 and Examples 3 and 4 and Examples 5 and 6 and Example 7 , 8, the twist curl after the development processing is good when the sticking curl value difference δL is +2 cm or more, but the twisting curl is used when the sticking curl value difference δL is less than +2 cm. It turns out that it may be deteriorated to the limit.
[0075]
【The invention's effect】
In a resin-coated photographic printing paper support in which both sides of the base paper are resin-coated, the base paper is a base paper made by using a pulp slurry containing wood fibers as a main component, and after heat treatment, when the humidity is adjusted. By providing the emulsion layer on the side of the surface where the curl axis and the curl direction are the MD axis (+) curl or on the side of the CD axis (−) curl, the photographic print after drying in the development processor processing The curl in the MD axis becomes positive (+) curl, and it is possible to significantly reduce problems such as problems in transportability, clogging of photographic prints, and misalignment of photographic prints coming out of the developing processor. Become.
Further, in the present invention, the curl axis and the curl direction when the base paper is subjected to the humidity control after the heat treatment are the MD axis (+) curl side or the CD axis (-) curl side. In the resin-coated photographic paper support, characterized in that an emulsion layer is provided on the side, the adhesive curl characteristics of the resin-coated photographic paper support measured by the measurement method defined in the present invention, By adjusting the difference δL (inner winding-outer winding) between the inner winding curl value when the surface on which the emulsion layer is provided and the outer winding curl value when the surface is outer winding to +2 cm or more. Compared with the case where the difference δL of the pasted curl value is less than +2 cm, the curl of the dried photographic print is more reliably MD axis (+) curl, CD axis (+) curl, or Twist (+ 2.) The occurrence of troubles such as clogging of photographic prints due to curling and a problem in transportability, and misalignment of photographic prints coming out of the developing processor, etc. are further reduced.
[Brief description of the drawings]
BRIEF DESCRIPTION OF THE DRAWINGS FIG. 1 shows a base paper-after development and drying when an emulsion layer is provided on the side of the surface where the curl axis and the curl direction when the base paper is heat-conditioned and the humidity is adjusted are the MD axis (+) curl. FIG. 4 is a conceptual diagram showing a change in the form of curl leading to a photo print.
(1) A conceptual diagram of curling when the base paper is heat-treated and then humidity-controlled when it becomes MD axis (+) curl.
(2) Conceptual view of CD-axis (-) curl of a resin-coated photographic printing paper support when the base paper is resin-coated.
(3) A conceptual diagram of the CD axis (-) curl of a photographic printing paper when a photographic emulsion is applied to the resin-coated photographic printing paper support and wound outside the surface.
(4) Conceptual diagram of MD axis (+) curl of a photographic print after developing and drying the photographic printing paper.
FIG. 2 shows a base paper, after development and drying, in which an emulsion layer is provided on the side of the surface where the curl axis and curl direction when the base paper is heat-treated and the humidity is adjusted and the curl direction is the CD axis (+) curl. FIG. 4 is a conceptual diagram showing a change in the form of curl leading to a photo print.
(1) CD axis (+) curl when humidity is adjusted after heat treatment of base paper.
(2) A conceptual diagram of the MD axis (-) curl of a resin-coated photographic printing paper support when the base paper is coated with a resin.
(3) A conceptual diagram of the CD axis (-) curl of a photographic printing paper when a photographic emulsion is applied to the resin-coated photographic printing paper support and wound outside the surface.
(4) Conceptual diagram of CD axis (+) curl of a photographic print after developing and drying the photographic printing paper.
FIG. 3 shows a base paper, after development and drying, in the case where an emulsion layer is provided on the side of the surface on which the curl axis and the curl direction when the base paper is heat-treated and the humidity is adjusted and the curl direction is the CD axis (−) curl. FIG. 4 is a conceptual diagram showing a change in the form of curl leading to a photo print.
(1) A conceptual diagram of curling when a CD axis (-) curl occurs when humidity is adjusted after heat treatment of a base paper.
(2) Conceptual view of CD-axis (-) curl of a resin-coated photographic printing paper support obtained by coating the base paper with a resin.
(3) A conceptual diagram of the CD axis (-) curl of a photographic printing paper when a photographic emulsion is applied to the resin-coated photographic printing paper support and wound outside the surface.
(4) Conceptual diagram of MD axis (+) curl of a photographic print after developing and drying the photographic printing paper.
FIG. 4 shows a base paper, after development and drying, when an emulsion layer is provided on the side of the surface where the curl axis and the curl direction when the base paper is subjected to humidity control after the heat treatment and the curl direction are the MD axis (−) curl. FIG. 4 is a conceptual diagram showing a change in the form of curl leading to a photo print.
(1) A conceptual diagram of curling when the base paper is heat-treated and then humidity-controlled, resulting in a (-) MD axis curl.
(2) Conceptual view of MD axis (-) curl of a resin-coated photographic printing paper support obtained by subjecting the base paper to resin coating.
(3) A conceptual diagram of the CD axis (-) curl of a photographic printing paper when a photographic emulsion is applied to the resin-coated photographic printing paper support and wound outside the surface.
(4) Conceptual diagram of CD axis (+) curl of a photographic print after developing and drying the photographic printing paper.
FIG. 5 shows a resin-coated photographic printing paper support on a 79 mm diameter paper tube when the resin-coated photographic printing paper support is subjected to forced heating and humidification treatment (50 ° C., relative humidity 80%, 48 hr) in the measurement of a sticking curl. The conceptual diagram which shows the situation which was wound by the outside winding.
FIG. 6 is a conceptual diagram showing a state of a sample set when measuring a pasted curl in the pasted curl measurement.
[Explanation of symbols]
1 Base paper
2 Support for resin-coated photographic paper
Photographic paper collected from 3 rolls
4 Photographic prints after or during development processing
5 Paste curl sample
6 paper tubes
7 units
