JP2004145551A - センサシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】計測用センサまたは電気ケーブルまたはアンプの周囲温度によって影響を受けたセンサ出力を補正し、計測結果の誤差を防止することができるセンサシステムを実現する。
【解決手段】温度センサ11により計測される温度情報を無線送信する無線タグ5を、変位センサ1(計測用センサ)とアンプ2と電気ケーブル3の各々に少なくとも一つ実装し、アンプ2は、温度センサ11により計測された温度に基づいて変位センサ1の出力信号を補正するための校正データを保持し、無線タグ5から温度情報を受信し、この温度情報に基づいて該当する校正データを取得し、変位センサ1の出力信号を補正する。
【選択図】 図1
【解決手段】温度センサ11により計測される温度情報を無線送信する無線タグ5を、変位センサ1(計測用センサ)とアンプ2と電気ケーブル3の各々に少なくとも一つ実装し、アンプ2は、温度センサ11により計測された温度に基づいて変位センサ1の出力信号を補正するための校正データを保持し、無線タグ5から温度情報を受信し、この温度情報に基づいて該当する校正データを取得し、変位センサ1の出力信号を補正する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、変位センサ、圧力センサ等の計測用センサを用いたセンサシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
変位センサ、圧力センサ等の計測用センサは、使用環境(媒体や周囲温度)によって測定精度(検知感度やドリフト)が異なる。このため、一般的に、使用環境に応じて、例えば計測時の周囲温度に該当する温度特性の校正データに基づいて計測データの補正が行われる。この補正を自動的に行うために、例えば従来の変位センサとして、センサ内に温度センサを備え、その検知温度に基づいて演算係数を補正するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−258452号公報(第6頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、計測用センサを用いて所望の計測項目の測定を行うセンサシステムは、一般的に、計測用センサ及びこのセンサ出力を増幅するアンプと、それら計測用センサとアンプを接続する電気ケーブル等から構成されている。しかし、従来のセンサシステムでは以下に示すような問題があり、測定上使い勝手が悪く、その改善が要望されている。
【0005】
従来のセンサシステムでは、電気ケーブルまたはアンプの周囲温度によってセンサ出力が影響を受けることがある。したがって、上述した従来の計測用センサ(例えば変位センサ)を用い、センサの周囲温度を検知して検知データを補正しても、センサシステムの計測結果としては誤差が生じるという問題がある。
【0006】
さらに、従来のセンサシステムはセンサ出力を増幅して出力するが、この出力電圧を所望の計測値(例えば変位センサの場合、被測定物との距離)に変換する計測器が必要となる。このため設備コストの負担が大きいという問題もある。
【0007】
また、変位センサの場合、被測定物の測定対象部位または被測定物とは異なる物体が所定距離の範囲内にあると、検知結果に誤差が生じる。しかし、従来のセンサシステムでは、測定上の障害物によって測定が影響を受けることを考慮していないので、誤差を含む計測データが正常な計測結果として出力される。この結果、測定者が誤った計測データを正しいものとして使用する虞がある。
【0008】
また、シャフト等の回転物に計測用センサを取り付けて計測するシステムでは、回転物からセンサ出力を取り出すために、スリップリングやテレメータ等を使用する。しかしながら、スリップリングやテレメータを用いると、その構造が複雑且つ大きなものとなる。このため、システムの簡略化が要望されている。
【0009】
また、計測用センサには検知範囲や検知精度などの仕様が異なる複数種類がある。そして、センサシステムは、各計測用センサ毎に各々専用のアンプを具備し、計測用センサの仕様に合った校正データに基づいてセンサ出力を補正している。このため、設備コストの負担が大きく、アンプを統合したいという要望がある。
【0010】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、計測用センサまたは電気ケーブルまたはアンプの周囲温度によって影響を受けたセンサ出力を補正し、計測結果の誤差を防止することができるセンサシステムを提供することにある。
【0011】
また、本発明は、センサ出力を所望の計測値に変換して出力することができるセンサシステムを提供することも目的とする。
【0012】
また、本発明は、変位センサを用いるセンサシステムにおいて、測定上の障害物によって測定が影響を受けることを考慮し、測定者が誤った計測データを正しいものとして使用することを防止することができるセンサシステムを提供することも目的とする。
【0013】
また、本発明は、シャフト等の回転物に計測用センサを取り付けて計測するセンサシステムにおいて、回転物からセンサ出力を取り出す構造を簡略化することができるセンサシステムを提供することも目的とする。
【0014】
また、本発明は、検知範囲や検知精度などの仕様が異なる複数種類の計測用センサに対して、アンプを統合することができるセンサシステムを提供することも目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載のセンサシステムは、計測用センサ及び前記計測用センサの出力信号を増幅するアンプと、前記計測用センサと前記アンプを接続する電気ケーブルとを具備するセンサシステムであって、温度センサが接続され、この温度センサにより計測される温度情報を無線送信する無線タグを、前記計測用センサと前記アンプと前記電気ケーブルの各々に少なくとも一つ実装し、前記無線タグから温度情報を受信する受信手段と、前記温度センサにより計測された温度に基づいて前記計測用センサの出力信号を補正するための校正データを保持する校正データ記憶手段と、前記受信手段により受信された温度情報に基づいて前記校正データ記憶手段の該当する校正データを取得し、前記計測用センサの出力信号を補正する補正手段とを備えたことを特徴としている。
【0016】
請求項2に記載のセンサシステムは、変位センサ及び前記変位センサの出力信号を増幅するアンプと、前記変位センサと前記アンプを接続する電気ケーブルとを具備するセンサシステムであって、前記変位センサの検知面とは異なる面に実装され、対向する方向に在る障害物との距離を検出する障害物センサと、前記障害物センサに接続され、前記検出された距離情報を無線送信する無線タグと、前記無線タグから距離情報を受信する受信手段と、障害物との距離に基づいて前記変位センサの出力信号を補正するための校正データを保持する校正データ記憶手段と、前記受信手段により受信された距離情報に基づいて前記校正データ記憶手段の該当する校正データを取得し、前記変位センサの出力信号を補正する補正手段とを備えたことを特徴としている。
【0017】
請求項3に記載のセンサシステムにおいては、前記受信手段により受信された距離情報に基づいて警報情報を出力する報知手段を備えたことを特徴とする。
【0018】
請求項4に記載のセンサシステムは、複数種類の計測用センサ及び前記各計測用センサの出力信号を増幅するアンプと、前記各計測用センサと前記アンプを接続する複数の電気ケーブルとを具備するセンサシステムであって、前記計測用センサに実装され、この計測用センサの仕様情報を保持する記憶手段を有し、該仕様情報を無線送信する無線タグと、前記無線タグから仕様情報を受信する受信手段と、前記計測用センサの出力信号を補正するための校正データを、該当する仕様情報に対応づけて保持する校正データ記憶手段と、前記受信手段により受信された仕様情報に基づいて前記校正データ記憶手段の該当する校正データを取得し、当該計測用センサの出力信号を補正する補正手段とを備えたことを特徴としている。
【0019】
請求項5に記載のセンサシステムにおいては、前記計測用センサの出力信号値を特定計測単位の計測値に変換するための変換データを保持する変換データ記憶手段と、前記補正後の出力信号を前記変換データに基づいて変換する変換手段とを備えたことを特徴とする。
【0020】
請求項6に記載のセンサシステムは、計測用センサ及び前記計測用センサの出力信号を増幅するアンプと前記アンプに接続され、前記増幅後のセンサ出力信号を無線送信する無線タグとを回転物に実装し、前記無線タグからセンサ出力信号を受信する受信手段を備えたことを特徴としている。
【0021】
請求項7に記載のセンサシステムにおいては、前記無線タグは、前記センサ出力信号の値を特定計測単位の計測値に変換するための変換データを保持する変換データ記憶手段と、前記変換データに基づいて前記センサ出力信号を変換する変換手段とを具備することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について順次説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態によるセンサシステムの構成を示すブロック図である。この図1に示すセンサシステムは、変位センサ(計測用センサ)により被測定物までの距離を計測するものである。
図1において、センサヘッド1aを有する変位センサ1は、該センサ1の出力信号による計測データ8を出力するアンプ2と電気ケーブル3により接続されている。アンプ2には電源4が接続されており、電源が供給される。変位センサ1とアンプ2と電気ケーブル3には、温度センサ11が接続される無線タグ5が、各々に少なくとも一つ実装されている。電気ケーブル3については、そのケーブル長を考慮して、周囲温度の差分を検出するために複数の無線タグ5が実装される。温度センサ11は、無線タグ5に実装されるものであってもよく、あるいは、変位センサ1,アンプ2,電気ケーブル3に実装されてもよい。
【0023】
無線タグ5は、自己と接続されている温度センサ11により計測された温度情報を無線送信する。この温度情報は、アンプ2に接続されている受信アンテナ7で受信され、アンプ2に出力される。アンプ2及び電気ケーブル3に実装されている無線タグ5から送信された温度情報は、中継アンテナ6を経由して受信アンテナ7で受信される。
【0024】
図2は、図1に示す無線タグ5の構成を示すブロック図である。図2に示すように、無線タグ5は、A/D(Analog/Digital)変換器21、メモリ22、無線送受信回路23、CPU24のそれぞれが、バス25に共通接続され、構成されている。
A/D変換器21は、接続される温度センサ11により計測された温度情報をデジタル化して無線送受信回路23へ出力する。
メモリ22には温度センサ11のそれぞれにユニークに付される識別子情報(センサID)が記録されている。
無線送受信回路23は、デジタル化された温度情報とともにメモリ22のセンサIDを無線送信する。このセンサIDにより、アンプ2が当該温度センサ11の実装位置を特定する。
【0025】
なお、CPU24は、アンプ2から再計測等に関するコマンドを受信してそのコマンドを実行するために用いられるが、本発明を実現するううえで必須構成となるものではない。
【0026】
なお、上記無線タグとしては、非接触ICカード等に使用されている非接触ICチップが利用可能である。
【0027】
図3は、図1に示すアンプ2の構成を示すブロック図である。図3において、アンプ2は、増幅部31と補正部32と変換部33と校正データ記憶部34と変換データ記憶部35を具備する。
増幅部31は、電気ケーブル3を介して入力される変位センサ1の出力信号を増幅する。
校正データ記憶部34には、温度センサ11により計測された温度に基づいて変位センサ1の出力信号を補正するための校正データが、予め設定され、保持されている。この校正データは、変位センサ1の使用環境(媒体や温度)に合致するものとして予め求められたものである。媒体としては、例えば空気、水、油などがあり、今回の使用環境の媒体用の校正データが設定される。そして、校正データには、各温度センサ11の温度の組み合わせ毎に、変位センサ1の増幅後の出力信号の電圧と、その補正値との関係を一義的に特定する情報が含まれている。
補正部32には、受信アンテナ7により受信された温度情報が入力される。補正部32は、入力された温度情報に基づいて校正データ記憶部34の該当する校正データを取得し、増幅後のセンサ出力信号を補正する。
【0028】
変換データ記憶部35には、変位センサ1の増幅後の出力信号値を距離についての計測単位(例えばミリメートル)の計測値に変換するための変換データが、予め設定され、保持されている。この変換データは、変位センサ1の増幅後の出力信号の電圧と、変位センサ1と被測定物の間の距離との関係を一義的に特定する情報が含まれている。
変換部33は、補正部32により補正済みのセンサ出力信号を、変換データ記憶部35の変換データに基づいて変換し、計測データ8(例えばミリメートル単位の距離のデータ)を出力する。
【0029】
上述した第1の実施形態によれば、変位センサ及び電気ケーブル及びアンプの各々の周囲温度を取得し、その温度に基づいて変位センサの出力信号を補正する。これにより、変位センサまたは電気ケーブルまたはアンプの周囲温度によって影響を受けたセンサ出力を補正し、計測結果の誤差を防止することができる。
【0030】
さらに、センサ出力信号を所定の変換データに基づいて変換して出力するので、変位センサの出力を所望の計測値(例えばミリメートル単位の距離のデータ)に変換して出力することができる。
【0031】
なお、上述した第1の実施形態では、変位センサを計測用センサの一例に挙げて説明したが、他のセンサ、例えば圧力センサにも同様に適用することができる。
【0032】
次に、第2の実施形態を説明する。図4は、本発明の第2の実施形態によるセンサシステムの構成を示すブロック図である。この図4に示すセンサシステムは、上記図1のシステムと同様に、変位センサにより被測定物までの距離を計測するものである。以下の説明において、図1〜図3の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
【0033】
図4に示すシステムでは、変位センサ1のセンサヘッド1aの検知面とは異なる面(この例では側面)に、障害物センサ41が実装されている。この障害物センサ41は無線タグ5に接続されている。障害物センサ41は、自己と対向する方向に在る障害物との距離を検出する。無線タグ5は、この障害物センサ41により検出された距離情報を無線送信する。この距離情報は、中継アンテナ6を介して受信アンテナ7により受信され、アンプ2へ出力される。
【0034】
アンプ2において、校正データ記憶部34には、障害物との距離に基づいて変位センサ1の出力信号を補正するための校正データが、予め設定され、保持されている。変位センサ1は、被測定物の測定対象部位または被測定物とは異なる物体が所定距離の範囲内にあると、該障害物の影響を受けて検知結果に誤差を生じる。校正データ記憶部34に設定される校正データには、障害物との距離と検知結果の誤差との関係を一義的に特定する情報が含まれている。
補正部32には、受信アンテナ7により受信された距離情報が入力される。補正部32は、入力された距離情報に基づいて校正データ記憶部34の該当する校正データを取得し、増幅後のセンサ出力信号を補正する。
【0035】
なお、アンプ2に音声または警報ランプ等の表示により警報を出力する報知部を設けるようにしてもよい。この報知部は、受信アンテナ7により受信された距離情報に基づく距離が、変位センサ1の検知結果が障害物の影響を受けて誤差を生じる所定の範囲内であった場合に、警報を出力する。
【0036】
上述した第2の実施形態によれば、障害物との距離に基づいて変位センサの出力信号を補正するので、障害物の影響を受けた計測データを測定者がそのまま使用してしまうことを防止できる。
【0037】
さらに、障害物との距離に基づいて警報を発するようにすれば、障害物による誤差が発生することを通知して測定者に注意を促すことができる。
【0038】
次に、第3の実施形態を説明する。図5は、本発明の第3の実施形態によるセンサシステムの構成を示すブロック図である。この図5に示すセンサシステムは、回転物(シャフト等)に変位センサ(計測用センサ)を取り付けて、被測定物までの距離を計測するものである。以下の説明において、図1〜図3の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
【0039】
図4に示すシステムでは、回転物50に変位センサ51と無線タグ52と電源4が実装されている。変位センサ51と無線タグ52は、それぞれに電源4から電源供給を受ける。変位センサ51はアンプを内蔵しており、増幅済みのセンサ出力信号を無線タグ52へ出力する。無線タグ52は、図2に示すものと同様の構成であるが、温度センサ11の代わりに変位センサ51が接続されている。
【0040】
無線タグ52は、メモリ22に、図3の変換データ記憶部35と同様の変換データを保持している。そして、CPU24は、その変換データに基づいて、変位センサ51のセンサ出力信号を距離についての計測単位(例えばミリメートル)の計測データに変換する。無線タグ52は、入力されるセンサ出力信号をA/D変換器21によりデジタル化し、変換データ記憶部35の変換データに基づいて計測データに変換後、無線送信する。送信されたセンサ出力信号は、中継アンテナ6を経由して受信アンテナにより受信され、受信システム53へ出力される。
【0041】
なお、受信システム53に、センサ出力信号を距離についての計測単位の計測データに変換する機能を設けるようにしてもよいが、上記実施形態のように無線タグ52に設けることによって受信システムの構成を簡略化できる。
【0042】
上述した第3の実施形態によれば、無線送信によって回転物からセンサ出力を取り出すので、スリップリングやテレメータを備える必要がなく、システムの構造を簡略化することができる。
【0043】
さらに、無線タグによりセンサ出力信号を特定計測単位の計測データ(例えばミリメートル単位の距離のデータ)に変換するので、受信システムの構成を簡略化することができる。
【0044】
なお、上述した第3の実施形態では、変位センサを計測用センサの一例に挙げて説明したが、他のセンサ、例えば圧力センサにも同様に適用することができる。
【0045】
次に、第4の実施形態を説明する。図6は、本発明の第4の実施形態によるセンサシステムの構成を示すブロック図である。この図6に示すセンサシステムは、検知範囲や検知精度などの仕様が異なる複数種類の変位センサ(計測用センサ)を備えるものである。以下の説明において、図1〜図3の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
【0046】
図6に示すシステムでは、仕様が異なる3種類の変位センサ1−1〜1−3を備えている。変位センサ1−1〜1−3は、各々の仕様のセンサヘッド1a−1〜1a−3を有する。変位センサ1−1〜1−3は、それぞれ電気ケーブル3によりアンプ62と接続されている。
【0047】
各変位センサ1−1〜1−3には、無線タグ61−1〜61−3がそれぞれ実装されている。無線タグ61−1〜61−3は、図2に示すものと同様の構成であるが、温度センサ11は接続されておらず、A/D変換器21を具備していない。無線タグ61−1〜61−3のメモリ22には、当該変位センサ1−1〜1−3のセンサIDと仕様情報が予め設定されている。この仕様情報は、センサの種類、検知範囲、検知精度、校正データなどの情報から構成されている。
【0048】
無線タグ61−1〜61−3は、それぞれにメモリ22のセンサIDと仕様情報を無線送信する。このセンサIDと仕様情報は、受信アンテナ7により受信され、アンプ62へ出力される。アンプ62は、図3に示すものと同様の構成であるが、校正データ記憶部34を具備していない。アンプ62の補正部32は、受信アンテナ7を介して受信したセンサIDと仕様情報に基づいて、該当する変位センサ1−1〜1−3のセンサ出力信号を補正する。
【0049】
上述した第4の実施形態によれば、変位センサに当該仕様情報を有する無線タグを実装して該仕様情報をアンプへ無線送信し、アンプは受信した仕様情報に基づいて該当するセンサ出力信号を補正するので、仕様が異なる複数種類の変位センサに対してアンプを統合することができる。これにより、センサの仕様毎に専用のアンプを備える必要がなく、設備コストを削減することが可能となる。
【0050】
なお、上述した第4の実施形態では、変位センサを計測用センサの一例に挙げて説明したが、他のセンサ、例えば圧力センサにも同様に適用することができる。
【0051】
以上、本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、変位センサや圧力センサ等の計測用センサを用いて所望の計測項目の測定を行うセンサシステムの使い勝手を向上させることができる。
【0053】
請求項1に記載の発明によれば、計測用センサ及び電気ケーブル及びアンプの各々の周囲温度を取得し、その温度に基づいて計測用センサの出力信号を補正するので、計測用センサまたは電気ケーブルまたはアンプの周囲温度によって影響を受けたセンサ出力を補正し、計測結果の誤差を防止することができる。
【0054】
請求項2に記載の発明によれば、障害物との距離に基づいて変位センサの出力信号を補正するので、障害物の影響を受けた計測データを測定者がそのまま使用してしまうことを防止できる。
【0055】
請求項3に記載の発明によれば、障害物との距離に基づいて警報を発するので、障害物による誤差が発生することを通知して測定者に注意を促すことができる。
【0056】
請求項4に記載の発明によれば、計測用センサに当該仕様情報を有する無線タグを実装して該仕様情報を無線送信し、受信した仕様情報に基づいて該当するセンサ出力信号を補正するので、仕様が異なる複数種類の計測用センサに対してアンプを統合することができる。これにより、計測用センサの仕様毎に専用のアンプを備える必要がなく、設備コストを削減することが可能となる。
【0057】
請求項6に記載の発明によれば、無線送信によって回転物からセンサ出力を取り出すので、スリップリングやテレメータを備える必要がなく、システムの構造を簡略化することができる。
【0058】
請求項5,7に記載の発明によれば、センサ出力信号を所定の変換データに基づいて変換して出力するので、計測用センサ(例えば変位センサ)の出力を所望の計測値(例えばミリメートル単位の距離のデータ)に変換して出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態によるセンサシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】無線タグ5の構成を示すブロック図である。
【図3】アンプ2の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施形態によるセンサシステムの構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第3の実施形態によるセンサシステムの構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第4の実施形態によるセンサシステムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,51…変位センサ、1a…センサヘッド、2,62…アンプ、3…電気ケーブル、4…電源、5,52,61…無線タグ、6…中継アンテナ、7…受信アンテナ、11…温度センサ、41…障害物センサ、50…回転物、53…受信システム
【発明の属する技術分野】
本発明は、変位センサ、圧力センサ等の計測用センサを用いたセンサシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
変位センサ、圧力センサ等の計測用センサは、使用環境(媒体や周囲温度)によって測定精度(検知感度やドリフト)が異なる。このため、一般的に、使用環境に応じて、例えば計測時の周囲温度に該当する温度特性の校正データに基づいて計測データの補正が行われる。この補正を自動的に行うために、例えば従来の変位センサとして、センサ内に温度センサを備え、その検知温度に基づいて演算係数を補正するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−258452号公報(第6頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、計測用センサを用いて所望の計測項目の測定を行うセンサシステムは、一般的に、計測用センサ及びこのセンサ出力を増幅するアンプと、それら計測用センサとアンプを接続する電気ケーブル等から構成されている。しかし、従来のセンサシステムでは以下に示すような問題があり、測定上使い勝手が悪く、その改善が要望されている。
【0005】
従来のセンサシステムでは、電気ケーブルまたはアンプの周囲温度によってセンサ出力が影響を受けることがある。したがって、上述した従来の計測用センサ(例えば変位センサ)を用い、センサの周囲温度を検知して検知データを補正しても、センサシステムの計測結果としては誤差が生じるという問題がある。
【0006】
さらに、従来のセンサシステムはセンサ出力を増幅して出力するが、この出力電圧を所望の計測値(例えば変位センサの場合、被測定物との距離)に変換する計測器が必要となる。このため設備コストの負担が大きいという問題もある。
【0007】
また、変位センサの場合、被測定物の測定対象部位または被測定物とは異なる物体が所定距離の範囲内にあると、検知結果に誤差が生じる。しかし、従来のセンサシステムでは、測定上の障害物によって測定が影響を受けることを考慮していないので、誤差を含む計測データが正常な計測結果として出力される。この結果、測定者が誤った計測データを正しいものとして使用する虞がある。
【0008】
また、シャフト等の回転物に計測用センサを取り付けて計測するシステムでは、回転物からセンサ出力を取り出すために、スリップリングやテレメータ等を使用する。しかしながら、スリップリングやテレメータを用いると、その構造が複雑且つ大きなものとなる。このため、システムの簡略化が要望されている。
【0009】
また、計測用センサには検知範囲や検知精度などの仕様が異なる複数種類がある。そして、センサシステムは、各計測用センサ毎に各々専用のアンプを具備し、計測用センサの仕様に合った校正データに基づいてセンサ出力を補正している。このため、設備コストの負担が大きく、アンプを統合したいという要望がある。
【0010】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、計測用センサまたは電気ケーブルまたはアンプの周囲温度によって影響を受けたセンサ出力を補正し、計測結果の誤差を防止することができるセンサシステムを提供することにある。
【0011】
また、本発明は、センサ出力を所望の計測値に変換して出力することができるセンサシステムを提供することも目的とする。
【0012】
また、本発明は、変位センサを用いるセンサシステムにおいて、測定上の障害物によって測定が影響を受けることを考慮し、測定者が誤った計測データを正しいものとして使用することを防止することができるセンサシステムを提供することも目的とする。
【0013】
また、本発明は、シャフト等の回転物に計測用センサを取り付けて計測するセンサシステムにおいて、回転物からセンサ出力を取り出す構造を簡略化することができるセンサシステムを提供することも目的とする。
【0014】
また、本発明は、検知範囲や検知精度などの仕様が異なる複数種類の計測用センサに対して、アンプを統合することができるセンサシステムを提供することも目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載のセンサシステムは、計測用センサ及び前記計測用センサの出力信号を増幅するアンプと、前記計測用センサと前記アンプを接続する電気ケーブルとを具備するセンサシステムであって、温度センサが接続され、この温度センサにより計測される温度情報を無線送信する無線タグを、前記計測用センサと前記アンプと前記電気ケーブルの各々に少なくとも一つ実装し、前記無線タグから温度情報を受信する受信手段と、前記温度センサにより計測された温度に基づいて前記計測用センサの出力信号を補正するための校正データを保持する校正データ記憶手段と、前記受信手段により受信された温度情報に基づいて前記校正データ記憶手段の該当する校正データを取得し、前記計測用センサの出力信号を補正する補正手段とを備えたことを特徴としている。
【0016】
請求項2に記載のセンサシステムは、変位センサ及び前記変位センサの出力信号を増幅するアンプと、前記変位センサと前記アンプを接続する電気ケーブルとを具備するセンサシステムであって、前記変位センサの検知面とは異なる面に実装され、対向する方向に在る障害物との距離を検出する障害物センサと、前記障害物センサに接続され、前記検出された距離情報を無線送信する無線タグと、前記無線タグから距離情報を受信する受信手段と、障害物との距離に基づいて前記変位センサの出力信号を補正するための校正データを保持する校正データ記憶手段と、前記受信手段により受信された距離情報に基づいて前記校正データ記憶手段の該当する校正データを取得し、前記変位センサの出力信号を補正する補正手段とを備えたことを特徴としている。
【0017】
請求項3に記載のセンサシステムにおいては、前記受信手段により受信された距離情報に基づいて警報情報を出力する報知手段を備えたことを特徴とする。
【0018】
請求項4に記載のセンサシステムは、複数種類の計測用センサ及び前記各計測用センサの出力信号を増幅するアンプと、前記各計測用センサと前記アンプを接続する複数の電気ケーブルとを具備するセンサシステムであって、前記計測用センサに実装され、この計測用センサの仕様情報を保持する記憶手段を有し、該仕様情報を無線送信する無線タグと、前記無線タグから仕様情報を受信する受信手段と、前記計測用センサの出力信号を補正するための校正データを、該当する仕様情報に対応づけて保持する校正データ記憶手段と、前記受信手段により受信された仕様情報に基づいて前記校正データ記憶手段の該当する校正データを取得し、当該計測用センサの出力信号を補正する補正手段とを備えたことを特徴としている。
【0019】
請求項5に記載のセンサシステムにおいては、前記計測用センサの出力信号値を特定計測単位の計測値に変換するための変換データを保持する変換データ記憶手段と、前記補正後の出力信号を前記変換データに基づいて変換する変換手段とを備えたことを特徴とする。
【0020】
請求項6に記載のセンサシステムは、計測用センサ及び前記計測用センサの出力信号を増幅するアンプと前記アンプに接続され、前記増幅後のセンサ出力信号を無線送信する無線タグとを回転物に実装し、前記無線タグからセンサ出力信号を受信する受信手段を備えたことを特徴としている。
【0021】
請求項7に記載のセンサシステムにおいては、前記無線タグは、前記センサ出力信号の値を特定計測単位の計測値に変換するための変換データを保持する変換データ記憶手段と、前記変換データに基づいて前記センサ出力信号を変換する変換手段とを具備することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について順次説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態によるセンサシステムの構成を示すブロック図である。この図1に示すセンサシステムは、変位センサ(計測用センサ)により被測定物までの距離を計測するものである。
図1において、センサヘッド1aを有する変位センサ1は、該センサ1の出力信号による計測データ8を出力するアンプ2と電気ケーブル3により接続されている。アンプ2には電源4が接続されており、電源が供給される。変位センサ1とアンプ2と電気ケーブル3には、温度センサ11が接続される無線タグ5が、各々に少なくとも一つ実装されている。電気ケーブル3については、そのケーブル長を考慮して、周囲温度の差分を検出するために複数の無線タグ5が実装される。温度センサ11は、無線タグ5に実装されるものであってもよく、あるいは、変位センサ1,アンプ2,電気ケーブル3に実装されてもよい。
【0023】
無線タグ5は、自己と接続されている温度センサ11により計測された温度情報を無線送信する。この温度情報は、アンプ2に接続されている受信アンテナ7で受信され、アンプ2に出力される。アンプ2及び電気ケーブル3に実装されている無線タグ5から送信された温度情報は、中継アンテナ6を経由して受信アンテナ7で受信される。
【0024】
図2は、図1に示す無線タグ5の構成を示すブロック図である。図2に示すように、無線タグ5は、A/D(Analog/Digital)変換器21、メモリ22、無線送受信回路23、CPU24のそれぞれが、バス25に共通接続され、構成されている。
A/D変換器21は、接続される温度センサ11により計測された温度情報をデジタル化して無線送受信回路23へ出力する。
メモリ22には温度センサ11のそれぞれにユニークに付される識別子情報(センサID)が記録されている。
無線送受信回路23は、デジタル化された温度情報とともにメモリ22のセンサIDを無線送信する。このセンサIDにより、アンプ2が当該温度センサ11の実装位置を特定する。
【0025】
なお、CPU24は、アンプ2から再計測等に関するコマンドを受信してそのコマンドを実行するために用いられるが、本発明を実現するううえで必須構成となるものではない。
【0026】
なお、上記無線タグとしては、非接触ICカード等に使用されている非接触ICチップが利用可能である。
【0027】
図3は、図1に示すアンプ2の構成を示すブロック図である。図3において、アンプ2は、増幅部31と補正部32と変換部33と校正データ記憶部34と変換データ記憶部35を具備する。
増幅部31は、電気ケーブル3を介して入力される変位センサ1の出力信号を増幅する。
校正データ記憶部34には、温度センサ11により計測された温度に基づいて変位センサ1の出力信号を補正するための校正データが、予め設定され、保持されている。この校正データは、変位センサ1の使用環境(媒体や温度)に合致するものとして予め求められたものである。媒体としては、例えば空気、水、油などがあり、今回の使用環境の媒体用の校正データが設定される。そして、校正データには、各温度センサ11の温度の組み合わせ毎に、変位センサ1の増幅後の出力信号の電圧と、その補正値との関係を一義的に特定する情報が含まれている。
補正部32には、受信アンテナ7により受信された温度情報が入力される。補正部32は、入力された温度情報に基づいて校正データ記憶部34の該当する校正データを取得し、増幅後のセンサ出力信号を補正する。
【0028】
変換データ記憶部35には、変位センサ1の増幅後の出力信号値を距離についての計測単位(例えばミリメートル)の計測値に変換するための変換データが、予め設定され、保持されている。この変換データは、変位センサ1の増幅後の出力信号の電圧と、変位センサ1と被測定物の間の距離との関係を一義的に特定する情報が含まれている。
変換部33は、補正部32により補正済みのセンサ出力信号を、変換データ記憶部35の変換データに基づいて変換し、計測データ8(例えばミリメートル単位の距離のデータ)を出力する。
【0029】
上述した第1の実施形態によれば、変位センサ及び電気ケーブル及びアンプの各々の周囲温度を取得し、その温度に基づいて変位センサの出力信号を補正する。これにより、変位センサまたは電気ケーブルまたはアンプの周囲温度によって影響を受けたセンサ出力を補正し、計測結果の誤差を防止することができる。
【0030】
さらに、センサ出力信号を所定の変換データに基づいて変換して出力するので、変位センサの出力を所望の計測値(例えばミリメートル単位の距離のデータ)に変換して出力することができる。
【0031】
なお、上述した第1の実施形態では、変位センサを計測用センサの一例に挙げて説明したが、他のセンサ、例えば圧力センサにも同様に適用することができる。
【0032】
次に、第2の実施形態を説明する。図4は、本発明の第2の実施形態によるセンサシステムの構成を示すブロック図である。この図4に示すセンサシステムは、上記図1のシステムと同様に、変位センサにより被測定物までの距離を計測するものである。以下の説明において、図1〜図3の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
【0033】
図4に示すシステムでは、変位センサ1のセンサヘッド1aの検知面とは異なる面(この例では側面)に、障害物センサ41が実装されている。この障害物センサ41は無線タグ5に接続されている。障害物センサ41は、自己と対向する方向に在る障害物との距離を検出する。無線タグ5は、この障害物センサ41により検出された距離情報を無線送信する。この距離情報は、中継アンテナ6を介して受信アンテナ7により受信され、アンプ2へ出力される。
【0034】
アンプ2において、校正データ記憶部34には、障害物との距離に基づいて変位センサ1の出力信号を補正するための校正データが、予め設定され、保持されている。変位センサ1は、被測定物の測定対象部位または被測定物とは異なる物体が所定距離の範囲内にあると、該障害物の影響を受けて検知結果に誤差を生じる。校正データ記憶部34に設定される校正データには、障害物との距離と検知結果の誤差との関係を一義的に特定する情報が含まれている。
補正部32には、受信アンテナ7により受信された距離情報が入力される。補正部32は、入力された距離情報に基づいて校正データ記憶部34の該当する校正データを取得し、増幅後のセンサ出力信号を補正する。
【0035】
なお、アンプ2に音声または警報ランプ等の表示により警報を出力する報知部を設けるようにしてもよい。この報知部は、受信アンテナ7により受信された距離情報に基づく距離が、変位センサ1の検知結果が障害物の影響を受けて誤差を生じる所定の範囲内であった場合に、警報を出力する。
【0036】
上述した第2の実施形態によれば、障害物との距離に基づいて変位センサの出力信号を補正するので、障害物の影響を受けた計測データを測定者がそのまま使用してしまうことを防止できる。
【0037】
さらに、障害物との距離に基づいて警報を発するようにすれば、障害物による誤差が発生することを通知して測定者に注意を促すことができる。
【0038】
次に、第3の実施形態を説明する。図5は、本発明の第3の実施形態によるセンサシステムの構成を示すブロック図である。この図5に示すセンサシステムは、回転物(シャフト等)に変位センサ(計測用センサ)を取り付けて、被測定物までの距離を計測するものである。以下の説明において、図1〜図3の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
【0039】
図4に示すシステムでは、回転物50に変位センサ51と無線タグ52と電源4が実装されている。変位センサ51と無線タグ52は、それぞれに電源4から電源供給を受ける。変位センサ51はアンプを内蔵しており、増幅済みのセンサ出力信号を無線タグ52へ出力する。無線タグ52は、図2に示すものと同様の構成であるが、温度センサ11の代わりに変位センサ51が接続されている。
【0040】
無線タグ52は、メモリ22に、図3の変換データ記憶部35と同様の変換データを保持している。そして、CPU24は、その変換データに基づいて、変位センサ51のセンサ出力信号を距離についての計測単位(例えばミリメートル)の計測データに変換する。無線タグ52は、入力されるセンサ出力信号をA/D変換器21によりデジタル化し、変換データ記憶部35の変換データに基づいて計測データに変換後、無線送信する。送信されたセンサ出力信号は、中継アンテナ6を経由して受信アンテナにより受信され、受信システム53へ出力される。
【0041】
なお、受信システム53に、センサ出力信号を距離についての計測単位の計測データに変換する機能を設けるようにしてもよいが、上記実施形態のように無線タグ52に設けることによって受信システムの構成を簡略化できる。
【0042】
上述した第3の実施形態によれば、無線送信によって回転物からセンサ出力を取り出すので、スリップリングやテレメータを備える必要がなく、システムの構造を簡略化することができる。
【0043】
さらに、無線タグによりセンサ出力信号を特定計測単位の計測データ(例えばミリメートル単位の距離のデータ)に変換するので、受信システムの構成を簡略化することができる。
【0044】
なお、上述した第3の実施形態では、変位センサを計測用センサの一例に挙げて説明したが、他のセンサ、例えば圧力センサにも同様に適用することができる。
【0045】
次に、第4の実施形態を説明する。図6は、本発明の第4の実施形態によるセンサシステムの構成を示すブロック図である。この図6に示すセンサシステムは、検知範囲や検知精度などの仕様が異なる複数種類の変位センサ(計測用センサ)を備えるものである。以下の説明において、図1〜図3の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
【0046】
図6に示すシステムでは、仕様が異なる3種類の変位センサ1−1〜1−3を備えている。変位センサ1−1〜1−3は、各々の仕様のセンサヘッド1a−1〜1a−3を有する。変位センサ1−1〜1−3は、それぞれ電気ケーブル3によりアンプ62と接続されている。
【0047】
各変位センサ1−1〜1−3には、無線タグ61−1〜61−3がそれぞれ実装されている。無線タグ61−1〜61−3は、図2に示すものと同様の構成であるが、温度センサ11は接続されておらず、A/D変換器21を具備していない。無線タグ61−1〜61−3のメモリ22には、当該変位センサ1−1〜1−3のセンサIDと仕様情報が予め設定されている。この仕様情報は、センサの種類、検知範囲、検知精度、校正データなどの情報から構成されている。
【0048】
無線タグ61−1〜61−3は、それぞれにメモリ22のセンサIDと仕様情報を無線送信する。このセンサIDと仕様情報は、受信アンテナ7により受信され、アンプ62へ出力される。アンプ62は、図3に示すものと同様の構成であるが、校正データ記憶部34を具備していない。アンプ62の補正部32は、受信アンテナ7を介して受信したセンサIDと仕様情報に基づいて、該当する変位センサ1−1〜1−3のセンサ出力信号を補正する。
【0049】
上述した第4の実施形態によれば、変位センサに当該仕様情報を有する無線タグを実装して該仕様情報をアンプへ無線送信し、アンプは受信した仕様情報に基づいて該当するセンサ出力信号を補正するので、仕様が異なる複数種類の変位センサに対してアンプを統合することができる。これにより、センサの仕様毎に専用のアンプを備える必要がなく、設備コストを削減することが可能となる。
【0050】
なお、上述した第4の実施形態では、変位センサを計測用センサの一例に挙げて説明したが、他のセンサ、例えば圧力センサにも同様に適用することができる。
【0051】
以上、本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、変位センサや圧力センサ等の計測用センサを用いて所望の計測項目の測定を行うセンサシステムの使い勝手を向上させることができる。
【0053】
請求項1に記載の発明によれば、計測用センサ及び電気ケーブル及びアンプの各々の周囲温度を取得し、その温度に基づいて計測用センサの出力信号を補正するので、計測用センサまたは電気ケーブルまたはアンプの周囲温度によって影響を受けたセンサ出力を補正し、計測結果の誤差を防止することができる。
【0054】
請求項2に記載の発明によれば、障害物との距離に基づいて変位センサの出力信号を補正するので、障害物の影響を受けた計測データを測定者がそのまま使用してしまうことを防止できる。
【0055】
請求項3に記載の発明によれば、障害物との距離に基づいて警報を発するので、障害物による誤差が発生することを通知して測定者に注意を促すことができる。
【0056】
請求項4に記載の発明によれば、計測用センサに当該仕様情報を有する無線タグを実装して該仕様情報を無線送信し、受信した仕様情報に基づいて該当するセンサ出力信号を補正するので、仕様が異なる複数種類の計測用センサに対してアンプを統合することができる。これにより、計測用センサの仕様毎に専用のアンプを備える必要がなく、設備コストを削減することが可能となる。
【0057】
請求項6に記載の発明によれば、無線送信によって回転物からセンサ出力を取り出すので、スリップリングやテレメータを備える必要がなく、システムの構造を簡略化することができる。
【0058】
請求項5,7に記載の発明によれば、センサ出力信号を所定の変換データに基づいて変換して出力するので、計測用センサ(例えば変位センサ)の出力を所望の計測値(例えばミリメートル単位の距離のデータ)に変換して出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態によるセンサシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】無線タグ5の構成を示すブロック図である。
【図3】アンプ2の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施形態によるセンサシステムの構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第3の実施形態によるセンサシステムの構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第4の実施形態によるセンサシステムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,51…変位センサ、1a…センサヘッド、2,62…アンプ、3…電気ケーブル、4…電源、5,52,61…無線タグ、6…中継アンテナ、7…受信アンテナ、11…温度センサ、41…障害物センサ、50…回転物、53…受信システム
Claims (7)
- 計測用センサ及び前記計測用センサの出力信号を増幅するアンプと、前記計測用センサと前記アンプを接続する電気ケーブルとを具備するセンサシステムであって、
温度センサが接続され、この温度センサにより計測される温度情報を無線送信する無線タグを、前記計測用センサと前記アンプと前記電気ケーブルの各々に少なくとも一つ実装し、
前記無線タグから温度情報を受信する受信手段と、
前記温度センサにより計測された温度に基づいて前記計測用センサの出力信号を補正するための校正データを保持する校正データ記憶手段と、
前記受信手段により受信された温度情報に基づいて前記校正データ記憶手段の該当する校正データを取得し、前記計測用センサの出力信号を補正する補正手段と、
を備えたことを特徴とするセンサシステム。 - 変位センサ及び前記変位センサの出力信号を増幅するアンプと、前記変位センサと前記アンプを接続する電気ケーブルとを具備するセンサシステムであって、
前記変位センサの検知面とは異なる面に実装され、対向する方向に在る障害物との距離を検出する障害物センサと、
前記障害物センサに接続され、前記検出された距離情報を無線送信する無線タグと、
前記無線タグから距離情報を受信する受信手段と、
障害物との距離に基づいて前記変位センサの出力信号を補正するための校正データを保持する校正データ記憶手段と、
前記受信手段により受信された距離情報に基づいて前記校正データ記憶手段の該当する校正データを取得し、前記変位センサの出力信号を補正する補正手段と、
を備えたことを特徴とするセンサシステム。 - 前記受信手段により受信された距離情報に基づいて警報情報を出力する報知手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載のセンサシステム。
- 複数種類の計測用センサ及び前記各計測用センサの出力信号を増幅するアンプと、前記各計測用センサと前記アンプを接続する複数の電気ケーブルとを具備するセンサシステムであって、
前記計測用センサに実装され、この計測用センサの仕様情報を保持する記憶手段を有し、該仕様情報を無線送信する無線タグと、
前記無線タグから仕様情報を受信する受信手段と、
前記計測用センサの出力信号を補正するための校正データを、該当する仕様情報に対応づけて保持する校正データ記憶手段と、
前記受信手段により受信された仕様情報に基づいて前記校正データ記憶手段の該当する校正データを取得し、当該計測用センサの出力信号を補正する補正手段と、
を備えたことを特徴とするセンサシステム。 - 前記計測用センサの出力信号値を特定計測単位の計測値に変換するための変換データを保持する変換データ記憶手段と、
前記補正後の出力信号を前記変換データに基づいて変換する変換手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかの項に記載のセンサシステム。 - 計測用センサ及び前記計測用センサの出力信号を増幅するアンプと前記アンプに接続され、前記増幅後のセンサ出力信号を無線送信する無線タグとを回転物に実装し、
前記無線タグからセンサ出力信号を受信する受信手段を備えたことを特徴とするセンサシステム。 - 前記無線タグは、
前記センサ出力信号の値を特定計測単位の計測値に変換するための変換データを保持する変換データ記憶手段と、
前記変換データに基づいて前記センサ出力信号を変換する変換手段と、
を具備することを特徴とする請求項6に記載のセンサシステム。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113758609A (zh) * | 2020-09-17 | 2021-12-07 | 珠海黑石电气自动化科技有限公司 | 一种高效的开关柜测温系统及其实施方法 |
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