【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車等の車両の懸架装置に装着される油圧緩衝器およびそのシート弁の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車の懸架装置に装着される従来の油圧緩衝器は、一般的に、油液が封入されたシリンダ内に、ピストンロッドが連結されたピストンを摺動可能に嵌装してシリンダ内を2室に画成し、これらの2室間を連通させる伸び側油路および縮み側油路をピストンに形成し、ピストンの両端部に伸び側油路及び縮み側油路をそれぞれ開閉する円板状のディスクバルブを取付けた構造となっている。この構造により、ピストンの摺動によって伸び側および縮み側油路に生じる油液の流れをディスクバルブによって制御することにより、ピストンロッドの伸縮に対して減衰力を作用させる。
【0003】
また、図16に示すように、ピストン1に設けられた伸び側油路2及び縮み側油路3をピストン2の軸方向と平行に配置することにより、伸び側油路2及び縮み側油路3を機械加工によらず、ピストン成形時に同時に形成することが可能となり、生産性を高めることができる。なお、図16中、符号3はピストンロッド、4は伸び側のディスクバルブ、5は縮み側のディスクバルブを示す。このように、伸び側及び縮み側油路をピストンの軸方向と平行に配置した油圧緩衝器の例が特許文献1に記載されている。
【0004】
【特許文献1】
実開昭56−45644号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図16に示すものでは、次のような問題がある。円板状のディスクバルブ4,5を使用しているため、伸び側及び縮み側油路2,3の入口側の開口にディスクバルブ4,5が重なり、油液の流路が折曲されることになる。このため、油液の流れに乱れが生じて、騒音発生の原因となる。また、流通抵抗が不安定になりやすいため、減衰力特性の設定が困難になるという問題を生じる。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、容易に製造することができ、かつ、安定した減衰力を得ることができる油圧緩衝器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、油液が封入されたシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に嵌装されたピストンと、一端が前記ピストンに連結され、他端が前記シリンダの外部に延出するピストンロッドと、前記ピストンの摺動によって生じる油液の流れを制御して減衰力を発生させる減衰力発生機構とを備えた油圧緩衝器において、
前記減衰力発生機構は、バルブボディにその軸方向に平行に配置された伸び側油路および縮み側油路と、前記バルブボディの一端部に設けられて前記伸び側油路を開閉する伸び側シート弁と、前記バルブボディの他端部に設けられて前記縮み側油路を開閉する縮み側シート弁とを含み、前記伸び側シート弁および前記縮み側シート弁は、それぞれ前記縮み側油路および前記伸び側油路の開口とほぼ重ならないように設けられていることを特徴とする。
このように構成したことにより、伸び側油路および縮み側油路に流入する油液の流路が伸び側及び縮み側シート弁によって折曲されないので、油液の流れを円滑にすることができる。
請求項2の発明に係る油圧緩衝器は、上記請求項1の構成において、前記バルブボディ、前記伸び側シート弁および前記縮み側シート弁の相互の位置決めを行う位置決め手段を設けたことを特徴とする。
このように構成したことにより、バルブボディ、伸び側シート弁及び縮み側シート弁を容易に組付けることができる。
また、請求項3に係る発明は、円板の両側を平行な直線に沿って切取った形状のシート弁の製造方法であって、前記シート弁の平行な直線部が互いに隣接するように矩形の板材から複数の前記シート弁を切離すことを特徴とする。
このように構成したことにより、板材から複数のシート弁を切離した後の廃材の量が少なくなる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の第1実施形態について、図1乃至図6を参照して説明する。図1乃至図5に示すように、本実施形態の油圧緩衝器6は、油液が封入されたシリンダ7内に、ピストン8(バルブボディ)が摺動可能に嵌装されており、このピストン8によってシリンダ7内がシリンダ上室7Aとシリンダ下室7Bとの2室に画成されている。ピストン8には、ピストンロッド9の一端が挿通されてナット10によって連結されており、ピストンロッド9の他端側は、シリンダ7の端部に装着されたロッドガイド(図示せず)およびオイルシール(図示せず)に挿通されて外部へ延出されている。シリンダ7には、ピストンロッド9のストロークに伴うシリンダ内の容積変化を補償するリザーバ(図示せず)またはフリーピストンによって画成されたガス室(図示せず)が設けられている。
【0009】
ピストン8(バルブボディ)には、シリンダ上下室7A,7B間を連通させる縮み側油路11および伸び側油路12が設けられている。縮み側油路11は、ピストン8の軸方向と平行に8個設けられており、ピストンロッド9を挟んでピストン8の両側に、ピストン8とほぼ同心円上に4個ずつ、所定の中心角を有する領域A内に配置されている。伸び側油路12は、ピストン8の軸方向と平行に10個設けられており、ピストンロッド9を挟んでピストン8の両側に、ピストン8と同心円上およびその内側に5個ずつ、縮み側油路11の領域Aと重ならないように所定の中心角を有する領域B内に配置されている。
【0010】
ピストン8のシリンダ上室7A側の端面には、縮み側油路11の各開口部の周囲に環状の弁座13が突出されている。弁座13には、複数積層された板状の縮み側シート弁14が着座されている。縮み側シート弁14は、ピストン8とピストンロッド9の肩部15との間でスペーサ16を介してクランプされている。また、縮み側シート弁14は、円板の両側部を平行な直線に沿って切取った形状で、全ての弁座13に着座すると共に、伸び側油路12のシリンダ上室7A側の開口とできるだけ重ならないように設けられている。
【0011】
ピストン8のシリンダ下室7B側の端面には、伸び側油路12の各開口部の周囲に環状の弁座17が突出されている。弁座17には、複数積層された板状の伸び側シート弁18が着座されている。伸び側シート弁18は、ピストン8とナット10との間でスペーサ19を介してクランプされている。また、伸び側シート弁18は、円板の両側部を平行に切取った形状で、全ての弁座17に着座すると共に、縮み側油路11のシリンダ下室7B側の開口とできるだけ重ならないように設けられている。
【0012】
ピストンロッド9の先端の小径部9Aおよび、この小径部9Aが挿通されるピストン8、縮み側シート弁14および伸び側シート弁18の開口は、二面取り形状とされて位置決め手段となっており、これらの組付時に相互の位置決めが容易に行われるようになっている。なお、二面取り形状の代りにD字形に形成しても、同様に位置決めすることができる。また、ピストン8の両端面には、それぞれ縮み側シート弁14および伸び側シート弁18を位置決めするための位置決め突起20,21(位置決め手段)が設けられている。
【0013】
以上のように構成した本実施形態の作用について、次に説明する。
図6に示すように、ピストンロッド9の縮み行程時には、シリンダ7内のピストン8の摺動によって、シリンダ下室7B側の油液が縮み側油路11を通り、縮み側シート弁14を開いてシリンダ上室7A側へ流れ、縮み側シート弁14の開度に応じて減衰力が発生する。また、伸び行程時には、シリンダ上室7A側の油液が伸び側油路12を通り、伸び側シート弁18を開いてシリンダ下室7B側へ流れ、伸び側シート弁18の開度に応じて減衰力が発生する。
【0014】
このとき、縮み側油路11の入口側、すなわち、シリンダ下室7B側の開口に伸び側シート弁18が重ならないように、また、伸び側油路12の入口側、すなわち、シリンダ上室7A側の開口に縮み側シート弁14が重ならないように、縮み側及び伸び側油路11,12および縮み側および伸び側シート弁14,18が配置されているので、縮み側および伸び側油路11,12へ流入する油液の流路が屈曲することなく、流れを円滑にすることができ、安定した減衰力を発生させるとともに、流れの乱れによる騒音の発生を抑制することができる。
【0015】
縮み側および伸び側シート弁14,18は、ピストンロッド9を挟んでピストン8の両側に配置された縮み側及び伸び側油路11,12によって、それぞれ開弁されることにより、開弁時には片持ち梁として撓むので、円板状のディスクバルブの周囲が撓む場合に対して、縮み側および伸び側シート弁14,18の強度を低下させることなく、開弁圧力を適宜小さく設定することができ、また、片持ち梁としてモデリングすることにより、開弁(撓み)特性の解析を容易に行うことが可能となる。
【0016】
次に、縮み側および伸び側シート弁14,18の製造方法について図7を参照して説明する。
伸び側および縮み側シート弁14,18は、例えば図7(a)に示すように、矩形の板材Wから、円板の両側部を平行な直線に沿って切取った形状の複数のブランクBをその両側の平行な直線部Lが互いに隣接するように複数並べた状態で、打抜き加工等によって切離し、これらのブランクBに必要な仕上げ加工および処理を施すことによって製造することができる。
【0017】
この場合、例えば図7(b)に示すように、一般的な円板状のシート弁のブランクB1を矩形の板材Wから打抜く場合に比して、打抜き後の廃材(図7(a)(b)における斜線部参照)の量を大幅に削減することができ、製造コストを低減すると共に、省資源化および環境性を向上させることができる。
【0018】
次に、上記第1実施形態の変形例について、図8乃至図10を参照して説明する。なお、以下の説明において、上記第1実施形態のものに対して、同様の部分には同一の符号を付して、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
【0019】
図8乃至図10に示すように、本変形例に係る油圧緩衝器30では、ピストンロッド9の小径部9Aおよび小径部9Aが挿通されるピストン8の開口の断面形状が円形であり、ピストン8の上端面に、縮み側シート弁14の二面取り形状の開口31に嵌合する二面取り形状の位置決め凸部32(位置決め手段)が形成され、また、ピストン8の下端面に、伸び側シート弁18の二面取り形状の開口33に嵌合する二面取り形状の位置決め凸部34(位置決め手段)が形成されており、位置決め突起20,21は省略されている。なお、縮み側油路11の数は6個であり、伸び側油路12の数は8個で同心円上に配置されている。
【0020】
このように構成したことにより、二面取り形状の開口31,33と位置決め凸部32,34との嵌合によって、縮み側および伸び側シート弁14,18の組付時の位置決めを容易に行うことができる。ピストンロッド9の小径部9Aの断面形状を円形としたことにより、小径部9Aの二面取り加工が不要となり、汎用のピストンロッドが使用可能となるので、製造コストを低減することができる。ピストンロッド9には、比較的高硬度の材料(例えばS45C(炭素鋼))が使用されるため、加工コストが高価であり、ピストンロッド9の汎用性を高めることにより、大幅なコスト削減効果が期待できる。
【0021】
次に、本発明の第2実施形態について、図11乃至図15を参照して説明する。なお、以下の説明において、上記第1実施形態のものに対して、同様の部分には同一の符号を付して、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
【0022】
図11乃至図15に示すように、第2実施形態に係る油圧緩衝器22では、縮み側油路11及び伸び側油路12は、ピストン8と同心円上に、円周方向に沿って交互に配置されており、縮み側油路11は、90°間隔の4つの領域A内に1つずつ配置され、伸び側油路12は、領域Aと重ならないように、90°間隔の4つの領域B内に1つずつ配置されている。
【0023】
ピストン8のシリンダ上室7A側の端面には、縮み側油路11の各開口の周囲に略扇形の弁座13が突出されている。弁座13には、伸び側油路12の開口と重ならないように4つの切欠を設けて十字形に形成された縮み側シート弁14が着座されている。シリンダ下室7B側の端面には、伸び側油路12の各開口の周囲に略扇形の弁座17が突出されている。弁座17には、縮み側油路11の開口と重ならないように4つの切欠を設けて十字形に形成された伸び側シート弁18が着座されている。
【0024】
ピストンロッド9の小径部9Aの外周部には、軸方向に沿って溝部23が形成され、小径部9Aを挿通させるピストン8、縮み側シート弁14および伸び側シート弁18の開口には、溝部23に係合する凸部24が形成されており、溝部23と凸部24とを係合させることにより、これらの組付時の相互の位置決めが容易に行われるようになっている。また、ピストン8の両端面には、それぞれ縮み側シート弁14および伸び側シート弁18を位置決めするための位置決め突起20,21が設けられている。
【0025】
このように構成したことにより、上記第1実施形態と同様、縮み側油路11および伸び側油路12の入口側の開口と、縮み側シート弁14及び伸び側シート弁18とが重ならないようにしたので、縮み側および伸び側油路11,12へ流入する油液の流れを円滑にすることができ、安定した減衰力を発生させるとともに、流れの乱れによる騒音の発生を抑制することができる。また、縮み側および伸び側シート弁14,18は、開弁時には片持ち梁として撓むので、円板状のディスクバルブの周囲が撓む場合に対して、縮み側および伸び側シート弁14,18の強度を低下させることなく、開弁圧力を適宜小さく設定することができ、また、片持ち梁としてモデリングすることにより、開弁(撓み)特性の解析を容易に行うことが可能となる。
【0026】
なお、上記第1及び第2実施形態では、本発明をピストンに設けられた減衰力発生機構に適用した場合について説明しているが、本発明は、これに限らず、シリンダ室とリザーバとの間に設けられるベースバルブ等の他の部分の減衰力発生機構にも同様に適用することができる。
【0027】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の発明に係る油圧緩衝器によれば、伸び側油路および縮み側油路に流入する油液の流路が伸び側及び縮み側シート弁によって折曲されないので、油液の流れを円滑にすることができ、乱流による騒音の発生を防止するとともに、安定した減衰力を得ることができる。
請求項2の発明に係る油圧緩衝器によれば、位置決め手段によってバルブボディ、伸び側シート弁及び縮み側シート弁を容易に組付けることができる。
また、請求項3の発明に係るシート弁の製造方法によれば、板材から複数のシート弁を切離した後の廃材の量を大幅に削減することができ、製造コストを低減すると共に、省資源化および環境性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る油圧緩衝器の要部の縮み側油路を通る一部縦断面図である。
【図2】図1に示すピストンの上面図において、右半分に縮み側シートバルブを装着した状態を示す図である。
【図3】図1に示すピストンの下面図において、右半分に伸び側シートバルブを装着した状態を示す図である。
【図4】図1に示す油圧緩衝器の要部の伸び側油路を通る一部縦断面図である。
【図5】図1に示すピストンロッドの下面図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る油圧緩衝器の特徴を示す説明図である。
【図7】図1の油圧緩衝器のシート弁および従来の円形のシート弁を矩形の板材から打抜く際のブランクおよび廃材のレイアウトを示す説明図である。
【図8】本発明の第1実施形態の変形例に係る油圧緩衝器の要部を示す伸び側油路を通る一部縦断面図である。
【図9】図8に示すピストンの下面図において、右半分に伸び側シートバルブを装着した状態を示す図である。
【図10】図8に示すピストンの上面図において、右半分に縮み側シートバルブを装着した状態を示す図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る油圧緩衝器の要部の縮み側油路を通る一部縦断面図である。
【図12】図11に示すピストンの上面図において、右半分に縮み側シートバルブを装着した状態を示す図である。
【図13】図11に示すピストンの下面図において、右半分に伸び側シートバルブを装着した状態を示す図である。
【図14】図11に示すピストンロッドの先端部を示す図である。
【図15】図14に示すピストンロッドの下面図である。
【図16】従来の油圧緩衝器の縦断面図である。
【符号の説明】
6 油圧緩衝器
7 シリンダ
8 ピストン(バルブボディ)
9 ピストンロッド
9A 小径部(位置決め手段)
11 縮み側油路
12 伸び側油路
14 縮み側シート弁
18 伸び側シート弁
20,21 位置決め突起(位置決め手段)
32,34 位置決め凸部(位置決め手段)[0001]
[Industrial applications]
The present invention relates to a hydraulic shock absorber mounted on a suspension system of a vehicle such as an automobile and a method of manufacturing a seat valve thereof.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art A conventional hydraulic shock absorber mounted on a suspension system of an automobile generally has a two-chamber cylinder in which a piston connected to a piston rod is slidably fitted in a cylinder filled with an oil liquid. The piston is formed with an extension-side oil passage and a contraction-side oil passage that communicates between these two chambers, and a disc-shaped opening and closing the extension-side oil passage and the contraction-side oil passage at both ends of the piston. It has a structure with a disk valve attached. With this structure, the damping force is applied to the expansion and contraction of the piston rod by controlling the flow of the oil liquid generated in the extension-side and contraction-side oil passages by the sliding of the piston by the disc valve.
[0003]
As shown in FIG. 16, by disposing the extension-side oil passage 2 and the contraction-side oil passage 3 provided in the piston 1 in parallel with the axial direction of the piston 2, the extension-side oil passage 2 and the contraction-side oil passage are arranged. 3 can be formed at the same time as the piston is formed without using machining, and the productivity can be improved. In FIG. 16, reference numeral 3 denotes a piston rod, 4 denotes an extended disk valve, and 5 denotes a contracted disk valve. As described above, Patent Literature 1 describes an example of a hydraulic shock absorber in which the extension side and the contraction side oil passages are arranged in parallel with the axial direction of the piston.
[0004]
[Patent Document 1]
JP-A-56-45644 [0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, the one shown in FIG. 16 has the following problem. Since the disk-shaped disk valves 4 and 5 are used, the disk valves 4 and 5 overlap the openings on the inlet side of the expansion-side and contraction-side oil passages 2 and 3, and the flow path of the oil liquid is bent. Will be. For this reason, the flow of the oil liquid is disturbed, which causes noise. Further, since the flow resistance is likely to be unstable, there is a problem that it is difficult to set the damping force characteristic.
[0006]
The present invention has been made in view of the above points, and has as its object to provide a hydraulic shock absorber that can be easily manufactured and that can obtain a stable damping force.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, the invention according to claim 1 includes a cylinder filled with an oil liquid, a piston slidably fitted in the cylinder, and one end connected to the piston. In a hydraulic shock absorber comprising: a piston rod having an end extending outside the cylinder; and a damping force generating mechanism that generates a damping force by controlling a flow of an oil liquid generated by sliding of the piston.
The damping force generating mechanism includes an extension-side oil passage and a contraction-side oil passage that are disposed in the valve body in parallel with the axial direction, and an extension side that is provided at one end of the valve body and opens and closes the extension-side oil passage. A seat valve provided on the other end of the valve body to open and close the contraction-side oil passage, wherein the expansion-side seat valve and the contraction-side seat valve are each provided with the contraction-side oil passage; And it is provided so that it may not substantially overlap with the opening of the extension side oil passage.
With this configuration, the flow path of the oil liquid flowing into the expansion-side oil passage and the contraction-side oil passage is not bent by the expansion-side and contraction-side seat valves, so that the flow of the oil liquid can be made smooth. .
A hydraulic shock absorber according to a second aspect of the present invention is the hydraulic shock absorber according to the first aspect, further comprising positioning means for mutually positioning the valve body, the extension-side seat valve, and the compression-side seat valve. I do.
With this configuration, the valve body, the extension side seat valve, and the contraction side seat valve can be easily assembled.
The invention according to claim 3 is a method for manufacturing a seat valve having a shape in which both sides of a disk are cut along a parallel straight line, wherein the rectangular shape is such that parallel straight portions of the seat valve are adjacent to each other. A plurality of the seat valves are separated from the plate member.
With this configuration, the amount of waste material after separating the plurality of seat valves from the plate material is reduced.
[0008]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
A first embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. As shown in FIGS. 1 to 5, the hydraulic shock absorber 6 of the present embodiment has a piston 8 (valve body) slidably fitted in a cylinder 7 in which an oil liquid is sealed. 8 defines the inside of the cylinder 7 as two chambers, an upper cylinder chamber 7A and a lower cylinder chamber 7B. One end of a piston rod 9 is inserted into the piston 8 and connected by a nut 10. The other end of the piston rod 9 is connected to a rod guide (not shown) mounted on an end of the cylinder 7 and an oil seal. (Not shown) and extends to the outside. The cylinder 7 is provided with a reservoir (not shown) for compensating for a volume change in the cylinder due to a stroke of the piston rod 9 or a gas chamber (not shown) defined by a free piston.
[0009]
The piston 8 (valve body) is provided with a contraction-side oil passage 11 and an extension-side oil passage 12 that communicate between the cylinder upper and lower chambers 7A and 7B. Eight contraction-side oil passages 11 are provided in parallel with the axial direction of the piston 8, and each of the four contraction-side oil passages 11 is provided on both sides of the piston 8 with a predetermined central angle substantially concentric with the piston 8 on both sides of the piston 8. Are arranged in the region A. Ten expansion-side oil passages 12 are provided in parallel with the axial direction of the piston 8. It is arranged in a region B having a predetermined central angle so as not to overlap with the region A of the road 11.
[0010]
An annular valve seat 13 protrudes from the end surface of the piston 8 on the cylinder upper chamber 7A side around each opening of the contraction-side oil passage 11. A plurality of laminated plate-shaped contraction-side seat valves 14 are seated on the valve seat 13. The contraction side seat valve 14 is clamped via a spacer 16 between the piston 8 and the shoulder 15 of the piston rod 9. The contraction-side seat valve 14 has a shape obtained by cutting both sides of the disk along a parallel straight line, and is seated on all the valve seats 13 while opening the extension-side oil passage 12 on the cylinder upper chamber 7A side. And are provided so as not to overlap as much as possible.
[0011]
An annular valve seat 17 protrudes from the end surface of the piston 8 on the cylinder lower chamber 7B side around each opening of the extension-side oil passage 12. On the valve seat 17, a plurality of laminated sheet-like extension-side seat valves 18 are seated. The extension side seat valve 18 is clamped between the piston 8 and the nut 10 via a spacer 19. The extension-side seat valve 18 has a shape obtained by cutting both sides of the disk in parallel, and is seated on all the valve seats 17 and does not overlap as much as possible with the opening of the compression-side oil passage 11 on the side of the cylinder lower chamber 7B. It is provided as follows.
[0012]
The small-diameter portion 9A at the tip of the piston rod 9 and the openings of the piston 8, the contraction-side seat valve 14 and the extension-side seat valve 18, into which the small-diameter portion 9A is inserted, are formed as two chamfered shapes and serve as positioning means. When these are assembled, mutual positioning is easily performed. In addition, even if it forms in D-shape instead of a two chamfering shape, it can position similarly. In addition, positioning projections 20 and 21 (positioning means) for positioning the contraction-side seat valve 14 and the extension-side seat valve 18 are provided on both end surfaces of the piston 8, respectively.
[0013]
The operation of the present embodiment configured as described above will be described below.
As shown in FIG. 6, during the compression stroke of the piston rod 9, the hydraulic fluid in the cylinder lower chamber 7B passes through the compression-side oil passage 11 and opens the compression-side seat valve 14 due to the sliding of the piston 8 in the cylinder 7. As a result, a damping force is generated in accordance with the opening of the contraction-side seat valve 14. In the extension stroke, the oil liquid in the cylinder upper chamber 7A flows through the extension oil passage 12, opens the extension seat valve 18 and flows to the cylinder lower chamber 7B side, and according to the opening degree of the extension seat valve 18. A damping force is generated.
[0014]
At this time, the extension-side seat valve 18 does not overlap with the inlet side of the contraction-side oil passage 11, that is, the opening on the cylinder lower chamber 7B side, and the inlet side of the extension-side oil passage 12, that is, the cylinder upper chamber 7A. The contraction-side and extension-side oil passages 11 and 12 and the contraction-side and extension-side seat valves 14 and 18 are arranged so that the contraction-side seat valve 14 does not overlap the opening of the contraction-side and extension-side oil passages. The flow of the oil liquid flowing into the fluids 11 and 12 can be made smooth without bending, and a stable damping force can be generated, and the generation of noise due to the turbulence of the flow can be suppressed.
[0015]
The contraction-side and extension-side seat valves 14 and 18 are respectively opened by contraction-side and extension-side oil passages 11 and 12 arranged on both sides of the piston 8 with the piston rod 9 interposed therebetween. Since the bending of the disk valve takes place as a result of bending as a cantilever, the valve-opening pressure should be set appropriately without lowering the strength of the contraction-side and expansion-side seat valves 14 and 18 when the periphery of the disk-shaped disk valve bends. By modeling as a cantilever, it is possible to easily analyze the valve opening (deflection) characteristics.
[0016]
Next, a method of manufacturing the contraction side and extension side seat valves 14 and 18 will be described with reference to FIG.
As shown in FIG. 7A, for example, as shown in FIG. 7A, a plurality of blanks B having a shape obtained by cutting both sides of a circular plate from a rectangular plate material W along parallel straight lines. Can be manufactured by cutting a blank by punching or the like in a state where a plurality of parallel straight portions L on both sides thereof are adjacent to each other and performing necessary finishing and processing on these blanks B.
[0017]
In this case, as shown in FIG. 7B, for example, as compared with a case where a blank B1 of a general disc-shaped seat valve is punched from a rectangular plate material W, the waste material after punching (FIG. 7A) (See the shaded portion in (b)) can be greatly reduced, and the manufacturing cost can be reduced, and resource saving and environmental friendliness can be improved.
[0018]
Next, a modification of the first embodiment will be described with reference to FIGS. In the following description, the same parts as those of the first embodiment are denoted by the same reference numerals, and only different parts will be described in detail.
[0019]
As shown in FIGS. 8 to 10, in the hydraulic shock absorber 30 according to this modification, the small-diameter portion 9A of the piston rod 9 and the cross-sectional shape of the opening of the piston 8 through which the small-diameter portion 9A is inserted are circular, and the piston 8 On the upper end face of the piston, a positioning protrusion 32 (positioning means) having a two-chamfered shape that fits into the two-chamfered opening 31 of the contraction-side seat valve 14 is formed. A positioning protrusion 34 (positioning means) having a two-chamfered shape to be fitted into the opening 33 having a two-chamfered shape 18 is formed, and the positioning projections 20 and 21 are omitted. The number of contraction-side oil passages 11 is six, and the number of extension-side oil passages 12 is eight, which are arranged concentrically.
[0020]
With such a configuration, the positioning of the contraction-side and extension-side seat valves 14 and 18 can be easily performed by fitting the two-chamfered openings 31 and 33 and the positioning projections 32 and 34. Can be. By making the cross-sectional shape of the small-diameter portion 9A of the piston rod 9 circular, the chamfering of the small-diameter portion 9A becomes unnecessary, and a general-purpose piston rod can be used, so that the manufacturing cost can be reduced. Since a relatively high-hardness material (for example, S45C (carbon steel)) is used for the piston rod 9, the processing cost is high, and by increasing the versatility of the piston rod 9, a significant cost reduction effect can be achieved. Can be expected.
[0021]
Next, a second embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. In the following description, the same parts as those of the first embodiment are denoted by the same reference numerals, and only different parts will be described in detail.
[0022]
As shown in FIGS. 11 to 15, in the hydraulic shock absorber 22 according to the second embodiment, the contraction-side oil passage 11 and the extension-side oil passage 12 are arranged concentrically with the piston 8 alternately along the circumferential direction. The contraction side oil passages 11 are arranged one by one in four regions A at 90 ° intervals, and the extension side oil passages 12 are arranged in four regions at 90 ° intervals so as not to overlap with the region A. B are arranged one by one.
[0023]
A substantially fan-shaped valve seat 13 protrudes from the end surface of the piston 8 on the cylinder upper chamber 7A side around each opening of the contraction-side oil passage 11. The valve seat 13 is seated with a contraction-side seat valve 14 formed in a cross shape with four notches provided so as not to overlap with the opening of the extension-side oil passage 12. A substantially fan-shaped valve seat 17 protrudes around the opening of the extension-side oil passage 12 from the end face on the cylinder lower chamber 7B side. The valve seat 17 is seated with an expansion-side seat valve 18 formed in a cross shape with four notches provided so as not to overlap with the opening of the compression-side oil passage 11.
[0024]
A groove 23 is formed in the outer periphery of the small-diameter portion 9A of the piston rod 9 along the axial direction. A protrusion 24 is formed to engage with the groove 23, and the groove 23 and the protrusion 24 are engaged with each other so that they can be easily positioned at the time of assembly. Positioning projections 20 and 21 for positioning the contraction-side seat valve 14 and the extension-side seat valve 18 are provided on both end surfaces of the piston 8, respectively.
[0025]
With this configuration, similarly to the first embodiment, the opening on the inlet side of the contraction-side oil passage 11 and the extension-side oil passage 12 does not overlap with the contraction-side seat valve 14 and the extension-side seat valve 18. As a result, the flow of the oil liquid flowing into the contraction-side and extension-side oil passages 11 and 12 can be made smooth, and a stable damping force can be generated, and generation of noise due to turbulence in the flow can be suppressed. it can. Further, the contraction-side and extension-side seat valves 14, 18 bend as cantilever beams when the valve is opened. The valve opening pressure can be set appropriately small without lowering the strength of 18, and by modeling as a cantilever, it is possible to easily analyze the valve opening (flexure) characteristics.
[0026]
In the first and second embodiments, the case where the present invention is applied to the damping force generating mechanism provided in the piston has been described. However, the present invention is not limited to this, and the present invention is not limited to this. The present invention can be similarly applied to a damping force generating mechanism of another portion such as a base valve provided therebetween.
[0027]
【The invention's effect】
As described in detail above, according to the hydraulic shock absorber according to the first aspect of the present invention, the flow path of the oil liquid flowing into the expansion-side oil passage and the contraction-side oil passage is not bent by the expansion-side and contraction-side seat valves. Therefore, the flow of the oil liquid can be made smooth, the generation of noise due to the turbulence can be prevented, and a stable damping force can be obtained.
According to the hydraulic shock absorber according to the second aspect of the present invention, the valve body, the extension-side seat valve, and the contraction-side seat valve can be easily assembled by the positioning means.
Further, according to the method of manufacturing a seat valve according to the third aspect of the invention, the amount of waste material after separating a plurality of seat valves from a plate material can be significantly reduced, thereby reducing manufacturing costs and saving resources. And environmental friendliness can be improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partial longitudinal sectional view passing through a contraction-side oil passage of a main part of a hydraulic shock absorber according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a view showing a state in which a contraction side seat valve is mounted on a right half in the top view of the piston shown in FIG. 1;
FIG. 3 is a diagram showing a state in which an extension-side seat valve is mounted on a right half in the bottom view of the piston shown in FIG. 1;
FIG. 4 is a partial vertical cross-sectional view passing through an extension-side oil passage of a main part of the hydraulic shock absorber shown in FIG.
FIG. 5 is a bottom view of the piston rod shown in FIG. 1;
FIG. 6 is an explanatory diagram showing features of the hydraulic shock absorber according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 7 is an explanatory diagram showing a layout of blanks and waste materials when the seat valve of the hydraulic shock absorber of FIG. 1 and a conventional circular seat valve are punched from a rectangular plate.
FIG. 8 is a partial vertical cross-sectional view passing through an extension-side oil passage showing a main part of a hydraulic shock absorber according to a modification of the first embodiment of the present invention.
9 is a diagram showing a state in which an extension-side seat valve is mounted on the right half in the bottom view of the piston shown in FIG. 8;
10 is a diagram showing a state in which a contraction-side seat valve is mounted on the right half in the top view of the piston shown in FIG. 8;
FIG. 11 is a partial vertical cross-sectional view passing through a contraction-side oil passage of a main part of a hydraulic shock absorber according to a second embodiment of the present invention.
12 is a view showing a state in which a contraction-side seat valve is mounted on the right half in the top view of the piston shown in FIG. 11;
13 is a view showing a state in which an extension-side seat valve is mounted on the right half in the bottom view of the piston shown in FIG. 11;
FIG. 14 is a view showing a distal end portion of the piston rod shown in FIG. 11;
FIG. 15 is a bottom view of the piston rod shown in FIG. 14;
FIG. 16 is a longitudinal sectional view of a conventional hydraulic shock absorber.
[Explanation of symbols]
6 Hydraulic shock absorber 7 Cylinder 8 Piston (valve body)
9 Piston rod 9A small diameter part (positioning means)
11 contraction side oil passage 12 extension side oil passage 14 contraction side seat valve 18 extension side seat valve 20, 21 positioning protrusion (positioning means)
32, 34 positioning projection (positioning means)