JP2004143304A

JP2004143304A - Compound oxide black pigment and method for producing the same

Info

Publication number: JP2004143304A
Application number: JP2002310414A
Authority: JP
Inventors: Toru Kawakami; 川上　徹; Hiromi Terada; 寺田　裕美
Original assignee: Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd; Ukima Chemicals and Color Mfg Co Ltd
Current assignee: Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd; Ukima Chemicals and Color Mfg Co Ltd
Priority date: 2002-10-25
Filing date: 2002-10-25
Publication date: 2004-05-20
Anticipated expiration: 2022-10-25
Also published as: JP4223784B2

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide an environmentally friendly compound oxide black pigment comprising an alkaline earth metal element and iron element, usable in an aqueous system and having chemical resistance such as acid resistance. <P>SOLUTION: The granular compound oxide black pigment comprises the alkaline earth metal element and iron element and is characterized by that the surface thereof is treated with an inorganic oxide and/or inorganic hydroxide. A method for producing the black pigment is also provided. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、構成元素がアルカリ土類金属および鉄である、環境に優しい複合酸化物黒色顔料およびその製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
無機系の黒色顔料は、有彩色顔料に比べ使用量が多く、塗料、プラスチック、セラミック、インキ、電子材料などの様々な分野に使用されており、着色剤としては大変重要な顔料である。
黒色顔料は種々の化合物による顔料が上市されており、その中でも最も代表的な顔料はカーボンブラックであり、タイヤ等のゴム製品の補強剤や各種用途の着色剤として使用されている。それ以外の黒色顔料には、Ｃｕ−Ｃｒ系、Ｃｕ−Ｃｒ−Ｍｎ系、Ｃｏ−Ｆｅ−Ｃｒ系、Ｃｕ−Ｆｅ−Ｍｎ系、Ｍｎ含有鉄黒などの酸化物系の顔料があり、これらはいずれも堅牢度が高いことから耐熱性、耐候性などを重視する分野で使用されている。
【０００３】
従来からある黒色顔料は、例えばカーボンブラックは製造工程よって生ずる有害成分のため、人が直接手を触れる部分への使用がしにくくなりつつあり、又、酸化物系顔料は重金属としてＣｕ、Ｃｒ、Ｍｎ等を含有する場合が少なくない。さらに、最近の趨勢として、こうした重金属を使用した顔料を使用することを控える傾向が強くなっている。特にＣｒを含有する顔料は環境問題への対応から、Ｃｒを使用しない顔料によるアプリケーションへと関心が移って来ていると言える。
【０００４】
特許文献１には、ストロンチウムと鉄を構成元素とする複合酸化物黒色顔料およびその製造方法が開示されている。しかし、この方法で調製した粉末は仮に顔料として使用したとしても、ストロンチウムの水に対する溶解性のため、高い電導度（１０００μｓ／ｃｍ以上）と高いｐＨ値（ｐＨ１２以上）を示すことから、特に水系で使用することは実質的に不可能である。そのうえ、耐薬品性が充分でなく、特に塩酸に比較的溶解し易く、このことからも使用範囲が限定されてしまう場合が多いと考えられる。
【０００５】
【特許文献１】
特開２０００−２６４６３９号公報
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、環境に優しい、上記の問題点が解消された水系での使用が可能で、耐酸性等の耐薬品性を有するアルカリ土類金属元素と鉄元素の複合酸化物系黒色顔料を提供することにある。
本発明者らは上記課題を達成すべく検討を重ね、上記構成元素の複合酸化物粒子の表面を特定物質で処理することで耐水性、耐酸性等の諸適性を有し、従来の黒色顔料と比肩し得る一般的物性を有する黒色顔料が得られることを見いだし、本発明を完成させた。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、構成元素がアルカリ土類金属及び鉄である粒状複合酸化物であって、その表面が無機酸化物及び／又は無機水酸化物で処理されていることを特徴とする複合酸化物黒色顔料及びその製造方法が提供される。
【０００８】
本発明の黒色顔料は、従来の塗料、インキなどの用途の他にガラス用着色剤、複写用のトナー、インクジェット用インキ、ＣＲＴやフラットパネルディスプレー、例えば液晶（ＬＣＤ）、フィールドエミッションディスプレー（ＦＥＤ）、有機ＥＬ（エレクトロルミネッセンス）ディスプレー等用のニュートラルグレー、ブラックマトリクス用等の着色剤として使用可能である。
【０００９】
【発明の実施の形態】
次に本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の複合酸化物黒色顔料を構成する元素は、アルカリ土類金属及び鉄である。アルカリ土類金属元素としては、ベリリウム、マグネシウムは充分な黒度は得られないが、カルシウム、ストロンチウム、バリウムはいずれも必要な黒度が得られ使用可能である。しかし、バリウムは前述の環境問題の観点から使用が難しく、カルシウムは黒度の点で劣るためストロンチウムが最も好適である。本発明では２番目の構成元素として鉄を用いるが、これも他の重金属、例えば、マンガン、コバルト、ニッケルなどで置き換えることが可能であるが、前述の理由から鉄が一番適している。
【００１０】
本発明の複合酸化物黒色顔料を製造する際には、上記の構成元素の無機塩又は無機化合物が原材料として用いられるが、製造方法の違いにより、即ち乾式法と湿式法により、異なった原材料が選択される。以下にまず乾式法で製造する場合について述べる。
【００１１】
乾式法は、原材料そのものを混合して焼成する方法である。この方法で使用する原材料としては、アルカリ土類金属及び鉄の各元素の無機塩又は無機化合物として、当該元素の酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩等が使用できる。各元素の原材料は、所定の割合で混合されるが、混合割合はモル比で鉄１００に対してアルカリ土類金属元素は１００〜２００が適当である。
【００１２】
各原材料の混合は、通常、乾式、例えば乳鉢などで充分にすり潰し、各原材料が均一に混ざるように調整をする。又、ボールミルなどの粉砕機を使用する場合には、所定割合の各原材料粉を乾式または湿式で混合粉砕することもできる。
このようにして得られた混合物は、乾式で混合した場合はそのまま焼成に供し、湿式で粉砕混合した場合は、乾燥機で水分を除去したのち、通常５００℃〜９００℃で１時間から２時間焼成を行い、各成分元素の酸化物を固溶し、結晶化させることにより黒色の発色を生じさせる。
【００１３】
以上のようにして得られた黒色顔料は、粗粒となっているため湿式で解膠し、粉砕、水洗を充分に行う。副生物が多い場合は、濾過液の電導度が３００マイクロシーメンス（μｓ／ｃｍ）程度となるまで洗い、ヌッチェやフィルタープレスにて水分をしぼり、残存する水分を除去するため通常１２０℃で１２時間程度乾燥させ、次いで粉砕、解膠することにより黒色顔料が得られるが、これを無機酸化物及び／又は無機水酸化物で表面処理することで目的の複合酸化物黒色顔料とすることができる。
【００１４】
黒色顔料の無機酸化物及び／又は無機水酸化物による表面処理は、例えば、３号ケイ酸などのシリカ成分（シリコン）を含有する物質やアルミニウム、ジルコニウム、チタン又は亜鉛などの水酸化物及び／又は酸化物等の塩を水に溶解させ、この溶液を粉砕解膠後の顔料スラリー中に適宜加え、攪拌しながら、場合によっては無機酸または苛性ソーダなどのアルカリでｐＨを中性付近に調整することで行うことができる。この処理により顔料のｐＨを通常の顔料グレード、即ちｐＨを５〜１０の範囲に収めることができ、電導度も１００μｓ／ｃｍ以下にすることができる。無機酸化物及び／又は無機水酸化物は、酸化物換算で、黒色顔料１００重量部に対して、通常、１〜１０重量部の割合で使用される。
【００１５】
次に湿式法で複合酸化物黒色顔料を製造する場合について説明する。
湿式法においては、構成する各元素の無機塩の水溶液とアルカリ水溶液を用いて、各元素の水酸化物を析出、共沈澱させることにより行われる。
使用する原材料としては、各元素の水可溶性塩がいずれも使用できる。アルカリ土類金属元素の場合は、例えば、硝酸塩、塩化物等が使用可能である。鉄は硝酸塩、硫酸塩、塩化物とも使用可能であるが、硫酸塩はアルカリと反応し不溶性の沈澱を析出させるため、使用に当たっては注意が必要である。
これらの各元素の塩は、乾式法における場合と同じモル比となるように水に溶解させる。混合塩水溶液の濃度は、通常、５〜５０重量％程度である。
【００１６】
沈澱剤として使用するアルカリは、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、重曹などの通常使用するアルカリが使用可能である。いずれの場合も使用する各元素の塩を沈澱として析出させることができれば問題ない。これらのアルカリは、通常、濃度が５〜３０重量％程度となるように水に溶解して使用される。
【００１７】
このようにして調製された各構成成分の元素の塩の混合水溶液とアルカリの水溶液は、沈澱ｐＨ８〜１４の間で攪拌しながら同時に沈澱浴に添加され、混合した各元素の水酸化物の沈澱を析出させる。この際のｐＨは後述する過酸化水素を用いる場合は高いｐＨを選択する方が効率よく沈澱ができる。又、高いｐＨ領域では沈澱粒子が小さくなり、着色力がアップする傾向にあるため、最低でもｐＨ８以上が好ましく、ｐＨ１０以上で行うことが更に好ましい。沈澱温度は室温付近で特に問題はなく、１５℃〜４０℃が適当である。
【００１８】
原材料として用いた鉄の塩が、２価の鉄を用いた塩である場合には、例えば、過酸化水素や次亜塩素酸ソーダなどの酸化剤を用いて鉄を３価にすると発色が良好になる。酸化剤の添加は、各元素の水酸化物の沈澱時に混合塩水溶液や沈澱浴に添加しても、又、沈澱終了後に沈澱浴に後添加してもよい。また原材料として用いたアルカリ土類金属元素の塩が水酸化物として沈澱した場合、水に対する溶解度が大きいため、一部流出する恐れがあるが、炭酸ガスを吹き込むことにより溶解度の小さい炭酸塩にすると溶解を抑えることができる。この操作により組成のずれのない顔料が得られるようになる。炭酸ガスの吹き込みは、沈澱工程中に行ってもよいし、沈澱終了後に行ってもよい。
【００１９】
以上のようにして得られた沈澱スラリーは、次に、沈澱を確実なものとするために熟成を行う。通常、熟成は、３価の鉄塩を用いた場合は室温で行い、２価の鉄塩を用いた場合は６０℃〜９０℃程度に加熱しながら行うとより好ましい結果が得られる。熟成は、通常、上記の温度で約１時間程度行えば充分である。
このようにして得られた沈澱生成物は、副生する残塩を除去するために水洗を充分に行い、濾過液の電導度が３００マイクロシーメンス（μｓ／ｃｍ）程度になるまで洗い、１２０℃で１２時間程度乾燥させたのち、６００℃〜１０００℃で１時間から２時間焼成を行い、各成分酸化物を固溶し、結晶化させることにより黒色の発色を生じさせる。
【００２０】
以上のようにして得られた黒色顔料は、結晶化により生成する残塩を除去するために解膠して水洗を充分に行い、濾過液の電導度が３００マクロシーメンス（μｓ／ｃｍ）程度になるまで洗い、ヌッチェやフィルタープレスにて水分をしぼり、残存する水分を除去するため１２０℃で１２時間程度乾燥させることで、平均粒径が０．０５〜３μｍ、ＢＥＴ比表面積が１０ｍ^２／ｇ以上の黒色顔料が得られ、乾式法の場合と同様にして無機酸化物及び／又は無機水酸化物で表面処理することで目的の複合酸化物黒色顔料を得ることができる。湿式法で得られる黒色顔料は、乾式法のものより微細な粒子径となり、従って着色力、黒度に優れ、分散性も向上する。
【００２１】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。以下の文中の「部」及び「％」は特に断りのない限り重量基準である。
【００２２】
実施例１
炭酸ストロンチウム４４．３部及び酸化鉄２４部を乳鉢で均一に粉砕混合した後、この一部をコーディエライト製ルツボに入れ、これを電気炉に静置し、昇温時間４時間で７００℃まで上げ、その温度で９０分間混合物を焼成した。焼成後、そのまま電気炉の中で自然放冷し、ルツボの中身を乳鉢でザラツキがなくなるまで粉砕した。粉砕した黒色粉末をビーカーに入れ、その容積の約半分程度まで水を加え、ホモミキサーにて１時間解膠を行った。解膠終了後デカンテーションを行い、濾過液の電導度が３００マイクロシーメンス（μｓ／ｃｍ）以下となるまで水洗を行った。水洗後、ヌッチェにて濾別を行い、顔料ケーキを得た。
【００２３】
固形分が２０部となる量の上記の顔料ケーキを水２００部中に投入し、ホモミキサーで約１時間解膠した後、３号ケイ酸（ＳｉＯ_２濃度２９％）３．３部を水に溶解して投入し、しばらく放置後、硫酸ジルコニウム溶液（ＺｒＯ_２濃度１５％）を２部加えて攪拌放置し、３０分後このスラリーを濾別し、デカンテーションで水洗を行い、残塩を洗い流した後、１２０℃で１２間乾燥し、目的とする表面処理された複合酸化物黒色顔料を得た。このものはやや硬めではあるが、充分に分散可能であり、以下の試験に供した。
【００２４】
（１）黒色顔料の色相及び着色力
メラミン・アルキッド樹脂に、原色は５ＰＨＲ（樹脂１００部に対し顔料５部の割合。以下同様）、淡色（酸化チタン：顔料＝９：１（重量比））は３０ＰＨＲで顔料を分散させ、それぞれを白色アート紙に６ミルアプリケータにて１０μｍの厚みで展色をし、着色力を目視で観察した。又、同時に分光光度計（大日精化工業社製、カラコムＣ）にて測色を行った。以上の結果を他の実施例、比較例及び参考例としての既存黒色顔料との比較で表１に示す。
（２）ｐＨ
３００ｍｌの三角フラスコに顔料５ｇを秤り取り、精製水または純水（電導度２μｓ／ｃｍ以下）を１００ｍｌ加え、加熱し、液が沸騰したら５分間保持する。冷却後、蒸発水分を補給して全体を１００ｍｌとし、顔料分を濾過し、濾液のｐＨをｐＨメーター（ＨＯＲＩＢＡ社製）で測定する。
（３）電導度
（２）における濾液の電導度を電導計（横河電機社製）で測定する。
以上の結果を他の実施例、比較例及び参考例としての既存黒色顔料との比較で表１に示す。
（４）耐薬品性
５％塩酸水溶液、５％硫酸水溶液、及び５％ＮａＯＨ水溶液を調製し、それぞれの水溶液に、アクリル・ウレタン樹脂に顔料を３０ＰＨＲで分散させた塗料を６ミルアプリケーターにてＰＥＴフィルムに塗布したものを、２５℃で１週間浸漬し、浸漬前後の色差を測色して、耐薬品性データーとした。
（５）耐熱性
上記の塗布物を電気炉で加熱し、色の変化が起こらないと思われる上限の温度を目視で確認した。
以上の結果を他の実施例、比較例及び参考例の既存黒色顔料との比較で表２に示す。
【００２５】
比較例１
表面処理をしないこと以外は実施例１と同様にして複合酸化物黒色顔料を得、評価した。
【００２６】
実施例２
塩化ストロンチウム９８．６部と塩化第一鉄９２．６を水５００部を加えて溶解し、塩の混合水溶液を調製した。一方、苛性ソーダ９０部を水５００部に溶解し、これに３５％の過酸化水素水３０部を加えて沈澱用アルカリ水溶液を作製した。
次いで、塩の混合水溶液とアルカリ水溶液を、沈澱浴としての水１２００部を入れたビーカー（２５℃）に、沈澱浴のｐＨを１２に保って同時添加し、各成分元素の水酸化物の沈澱を析出させた。この操作を約２５分で行い、沈澱終了後、沈澱スラリーの温度を８０℃まで加温し、同時に炭酸ガスのバブリングを行い、ｐＨが９になるまで継続した。引き続き熟成を８０℃で１時間行い、終了後沈澱スラリー中の副成した塩を除去するため、デカンテーションを行い、濾過液の電導度が２００マイクロシーメンス（μｓ／ｃｍ）以下になるまで水洗を行った。
次に沈澱スラリーをヌッチェにて濾別し、得られた顔料ケーキを１２０℃で１２時間乾燥し、黒色顔料前駆体（クルード）を得た。
この様にして得られた顔料前駆体は、実施例１と同様の操作にて７００℃で焼成を行い、黒色顔料を得た。この黒色顔料２０部を実施例１と同様にして表面処理し、残塩除去及び１２０℃で１２時間乾燥して目的の表面処理された複合酸化物黒色顔料を得、評価した。得られた黒色顔料は分散性も良く、顔料として十分に使用可能であった。
【００２７】
比較例２
表面処理をしないこと以外は実施例２と同様にして複合酸化物黒色顔料を得、評価した。
【００２８】

【００２９】

【００３０】
以上の結果から、本発明による顔料は既存顔料（参考例１、２）と比較して、性能的に既存品に充分比肩しうるものであり、新しい顔料として、また現状の環境問題への関心の高まりを考慮すれば、他と代替ができない顔料として、充分使用可能であることが分かる。
【００３１】
【発明の効果】
以上の本発明によれば従来からある黒色顔料の発色に必要なＣｕ、ＣｒやＭｎ等を含まない、希土類、アルカリ土類金属及び鉄を構成元素とする従来品に比肩しうる色相、着色力を具備する品質の複合酸化物黒色顔料が提供される。
本発明の顔料は、環境問題により使用が制限されつつあるＣｕ、Ｃｒ、Ｍｎ、Ｃｏ、Ｎｉを含んでおらず、環境にやさしい顔料として、環境に配慮した各種用途の着色材として使用可能である。又、一般的な用途の塗料やインキへの使用が可能な他、ガラス用着色剤、電子複写機のトナー、ＣＲＴやフラットパネルディスプレー、例えば液晶（ＬＣＤ）、フィールドエミッションディスプレー（ＦＥＤ）、有機ＥＬ（エレクトロるミネッセンス）ディスプレー等のニュートラルグレー、ブラックマトリクス用黒色顔料として使用可能である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an environmentally friendly composite oxide black pigment whose constituent elements are alkaline earth metal and iron and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
Inorganic black pigments are used in various fields such as paints, plastics, ceramics, inks, electronic materials and the like, and are very important pigments as colorants.
As black pigments, pigments of various compounds are marketed. Among them, the most representative pigment is carbon black, which is used as a reinforcing agent for rubber products such as tires and a colorant for various uses. Other black pigments include oxide-based pigments such as Cu-Cr, Cu-Cr-Mn, Co-Fe-Cr, Cu-Fe-Mn, and Mn-containing iron black. All of them are used in fields that emphasize heat resistance and weather resistance because of their high fastness.
[0003]
Conventional black pigments, for example, carbon black is a harmful component produced by the manufacturing process, so it is becoming difficult to use it in parts that are directly touched by humans, and oxide pigments are Cu, Cr, In many cases, Mn is contained. Further, as a recent trend, there is a strong tendency to refrain from using pigments using such heavy metals. In particular, it can be said that pigments containing Cr have shifted their interest from applications for environmental problems to applications using pigments that do not use Cr.
[0004]
Patent Document 1 discloses a composite oxide black pigment containing strontium and iron as constituent elements and a method for producing the same. However, even if the powder prepared by this method is used as a pigment, it exhibits a high conductivity (1000 μs / cm or more) and a high pH value (pH 12 or more) because of the solubility of strontium in water. It is virtually impossible to use with. In addition, the chemical resistance is not sufficient, and it is relatively easy to dissolve in hydrochloric acid in particular. From this, it is considered that the range of use is often limited.
[0005]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 2000-264639
[Problems to be solved by the invention]
Accordingly, the object of the present invention is to be an environment-friendly, aqueous solution in which the above-mentioned problems are eliminated, and a complex oxide system of an alkaline earth metal element and an iron element having chemical resistance such as acid resistance. It is to provide a black pigment.
The present inventors have repeatedly studied to achieve the above-mentioned problems, and have various suitability such as water resistance and acid resistance by treating the surface of the composite oxide particles of the above constituent elements with a specific substance. The present inventors have found that a black pigment having general physical properties comparable to those of the above can be obtained, and the present invention has been completed.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The above object is achieved by the present invention described below. That is, the present invention is a composite oxide characterized in that the constituent elements are an alkaline earth metal and iron, and the surface thereof is treated with an inorganic oxide and / or an inorganic hydroxide. A black pigment and a method for producing the same are provided.
[0008]
The black pigment of the present invention is used for conventional paints and inks, as well as glass colorants, copying toners, ink jet inks, CRTs and flat panel displays such as liquid crystal (LCD), field emission display (FED). It can be used as a colorant for neutral gray for organic EL (electroluminescence) displays, black matrix, and the like.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, the present invention will be described in more detail.
Elements constituting the composite oxide black pigment of the present invention are alkaline earth metals and iron. As alkaline earth metal elements, beryllium and magnesium cannot obtain sufficient blackness, but calcium, strontium, and barium can all be used because necessary blackness is obtained. However, barium is difficult to use from the viewpoint of the environmental problems described above, and calcium is inferior in terms of blackness, so strontium is most preferable. Although iron is used as the second constituent element in the present invention, it can be replaced with other heavy metals such as manganese, cobalt, nickel, etc., but iron is most suitable for the reasons described above.
[0010]
When producing the composite oxide black pigment of the present invention, inorganic salts or inorganic compounds of the above constituent elements are used as raw materials. However, different raw materials are produced depending on the production method, that is, the dry method and the wet method. Selected. First, the case of producing by a dry method will be described first.
[0011]
The dry method is a method in which raw materials are mixed and fired. As raw materials used in this method, oxides, carbonates, oxalates and the like of the elements can be used as inorganic salts or inorganic compounds of each element of alkaline earth metal and iron. The raw materials for each element are mixed at a predetermined ratio, and the mixing ratio is suitably 100 to 200 for the alkaline earth metal element with respect to iron 100 in terms of molar ratio.
[0012]
Mixing of each raw material is usually adjusted by a dry method, for example, sufficiently ground in a mortar or the like so that the raw materials are uniformly mixed. When a pulverizer such as a ball mill is used, a predetermined proportion of each raw material powder can be mixed and pulverized dry or wet.
When the mixture thus obtained is dry mixed, it is subjected to calcination as it is, and when wet pulverized and mixed, after removing moisture with a dryer, it is usually 500 ° C. to 900 ° C. for 1 to 2 hours. Baking is performed, and the oxides of the respective component elements are dissolved and crystallized to produce black color.
[0013]
Since the black pigment obtained as described above is coarse, it is peptized wet, pulverized and washed thoroughly. If there are many by-products, wash until the conductivity of the filtrate reaches about 300 microsiemens (μs / cm), squeeze the water with a Nutsche or filter press, and usually remove the remaining water at 120 ° C for 12 hours. The black pigment is obtained by drying to the extent that it is then pulverized and peptized. By subjecting this to a surface treatment with an inorganic oxide and / or an inorganic hydroxide, the desired composite oxide black pigment can be obtained.
[0014]
The surface treatment of the black pigment with an inorganic oxide and / or inorganic hydroxide includes, for example, a substance containing a silica component (silicon) such as No. 3 silicic acid, a hydroxide such as aluminum, zirconium, titanium or zinc and / or Alternatively, a salt such as an oxide is dissolved in water, and this solution is appropriately added to the pulverized and pulverized pigment slurry, and the pH is adjusted to near neutral with an alkali such as an inorganic acid or caustic soda while stirring. Can be done. By this treatment, the pH of the pigment can be kept in the normal pigment grade, that is, the pH is in the range of 5 to 10, and the electric conductivity can be made 100 μs / cm or less. An inorganic oxide and / or an inorganic hydroxide are normally used in the ratio of 1-10 weight part with respect to 100 weight part of black pigments in conversion of an oxide.
[0015]
Next, the case where a complex oxide black pigment is produced by a wet method will be described.
The wet method is carried out by precipitating and co-precipitating hydroxides of each element using an aqueous solution of an inorganic salt of each element and an alkaline aqueous solution.
As a raw material to be used, any water-soluble salt of each element can be used. In the case of an alkaline earth metal element, for example, nitrates and chlorides can be used. Iron can be used in the form of nitrate, sulfate, and chloride. However, since sulfate reacts with alkali to precipitate an insoluble precipitate, it must be used with care.
The salt of each of these elements is dissolved in water so as to have the same molar ratio as in the dry method. The concentration of the mixed salt aqueous solution is usually about 5 to 50% by weight.
[0016]
As the alkali used as the precipitating agent, commonly used alkalis such as caustic soda, sodium carbonate and sodium bicarbonate can be used. In either case, there is no problem as long as the salt of each element used can be deposited as a precipitate. These alkalis are usually used by dissolving in water so that the concentration is about 5 to 30% by weight.
[0017]
The mixed aqueous solution of elemental salt and alkaline aqueous solution thus prepared were simultaneously added to the precipitation bath while stirring at a precipitation pH of 8 to 14, and precipitation of the mixed hydroxide of each element was performed. To precipitate. In this case, when hydrogen peroxide described later is used, precipitation is more efficiently performed by selecting a higher pH. In addition, since the precipitated particles tend to be small and the coloring power tends to increase in a high pH region, the pH is preferably at least 8 and more preferably at a pH of 10 or more. There is no particular problem with the precipitation temperature near room temperature, and 15 to 40 ° C is suitable.
[0018]
When the iron salt used as a raw material is a salt using divalent iron, for example, if the iron is made trivalent using an oxidizing agent such as hydrogen peroxide or sodium hypochlorite, color development is good. become. The oxidizing agent may be added to the mixed salt aqueous solution or the precipitation bath at the time of precipitation of the hydroxide of each element, or may be added after the precipitation to the precipitation bath. In addition, when the alkaline earth metal element salt used as a raw material is precipitated as a hydroxide, it has a high solubility in water, so there is a risk that it will partly flow out, but if carbon dioxide is blown into a carbonate with low solubility, Dissolution can be suppressed. By this operation, a pigment having no composition deviation can be obtained. The blowing of carbon dioxide gas may be performed during the precipitation step or after the precipitation is completed.
[0019]
Next, the precipitation slurry obtained as described above is subjected to aging in order to ensure precipitation. Usually, ripening is performed at room temperature when a trivalent iron salt is used, and more preferable results are obtained when heating is performed at about 60 ° C. to 90 ° C. when a divalent iron salt is used. Aging is usually sufficient for about 1 hour at the above temperature.
The precipitated product thus obtained is sufficiently washed with water to remove by-product residual salts, washed until the electric conductivity of the filtrate reaches about 300 microsiemens (μs / cm), and 120 ° C. After being dried for about 12 hours, firing is performed at 600 ° C. to 1000 ° C. for 1 to 2 hours to solid-dissolve and crystallize each component oxide, thereby producing a black color.
[0020]
The black pigment obtained as described above is peptized and washed thoroughly with water to remove residual salts produced by crystallization, and the electric conductivity of the filtrate is about 300 macrosiemens (μs / cm). washed until Nutsche squeeze water at or filter press, drying for about 12 hours at 120 ° C. to remove residual moisture, average particle size of 0.05 to 3 [mu] m, BET specific surface area of ^{10 m} 2 / g The above black pigment is obtained, and the target composite oxide black pigment can be obtained by surface treatment with an inorganic oxide and / or an inorganic hydroxide in the same manner as in the dry method. The black pigment obtained by the wet method has a finer particle diameter than that of the dry method, and thus has excellent coloring power and blackness, and improves dispersibility.
[0021]
【Example】
The present invention will be specifically described below with reference to examples and comparative examples. “Parts” and “%” in the following text are based on weight unless otherwise specified.
[0022]
Example 1
After 44.3 parts of strontium carbonate and 24 parts of iron oxide were uniformly pulverized and mixed in a mortar, a part of this was placed in a cordierite crucible and left in an electric furnace, and the temperature was raised to 700 ° C. for 4 hours. And the mixture was baked at that temperature for 90 minutes. After firing, it was allowed to cool naturally in an electric furnace, and the contents of the crucible were crushed with a mortar until there was no roughness. The pulverized black powder was put into a beaker, water was added to about half of its volume, and peptization was performed for 1 hour with a homomixer. After peptization, decantation was performed, and the filtrate was washed with water until the electric conductivity of the filtrate became 300 microsiemens (μs / cm) or less. After washing with water, it was filtered with Nutsche to obtain a pigment cake.
[0023]
The above pigment cake in an amount of 20 parts in solids is put into 200 parts of water, peptized with a homomixer for about 1 hour, and then 3.3 parts of No. 3 silicic acid (SiO ₂ concentration 29%) is added to water. After dissolving for a while and leaving to stand for a while, 2 parts of zirconium sulfate solution (ZrO ₂ concentration 15%) was added and left stirring, and after 30 minutes, the slurry was filtered, washed with water by decantation, and residual salt was removed. After washing off, drying was performed at 120 ° C. for 12 hours to obtain a target surface-treated composite oxide black pigment. Although this product was slightly hard, it was sufficiently dispersible and was subjected to the following test.
[0024]
(1) Hue and coloring power of black pigment The primary color is 5 PHR (a ratio of 5 parts of pigment to 100 parts of resin. The same applies hereinafter), light color (titanium oxide: pigment = 9: 1 (weight ratio)) The pigment was dispersed at 30 PHR, each was developed on white art paper with a thickness of 10 μm with a 6 mil applicator, and the coloring power was visually observed. At the same time, colorimetry was performed with a spectrophotometer (Dainipei Seika Kogyo Co., Ltd., Caracom C). The above results are shown in Table 1 in comparison with other examples, comparative examples, and existing black pigments as reference examples.
(2) pH
Weigh 5 g of pigment in a 300 ml Erlenmeyer flask, add 100 ml of purified water or pure water (conductivity 2 μs / cm or less), heat, and hold for 5 minutes when the liquid boils. After cooling, the evaporated water is replenished to make the whole 100 ml, the pigment content is filtered, and the pH of the filtrate is measured with a pH meter (manufactured by HORIBA).
(3) The conductivity of the filtrate in conductivity (2) is measured with a conductivity meter (manufactured by Yokogawa Electric Corporation).
The above results are shown in Table 1 in comparison with other examples, comparative examples, and existing black pigments as reference examples.
(4) Chemical resistance 5% hydrochloric acid aqueous solution, 5% sulfuric acid aqueous solution, and 5% NaOH aqueous solution were prepared, and in each aqueous solution, a paint in which a pigment was dispersed in acrylic / urethane resin at 30 PHR was PET with a 6 mil applicator. The film coated on the film was immersed at 25 ° C. for 1 week, and the color difference before and after immersion was measured to obtain chemical resistance data.
(5) Heat resistance The above-mentioned coated product was heated in an electric furnace, and the upper limit temperature at which no change in color was thought to occur was visually confirmed.
The above results are shown in Table 2 in comparison with the existing black pigments of other examples, comparative examples and reference examples.
[0025]
Comparative Example 1
A complex oxide black pigment was obtained and evaluated in the same manner as in Example 1 except that the surface treatment was not performed.
[0026]
Example 2
98.6 parts of strontium chloride and 92.6 parts of ferrous chloride were added and dissolved in 500 parts of water to prepare a mixed aqueous solution of salts. On the other hand, 90 parts of caustic soda was dissolved in 500 parts of water, and 30 parts of 35% hydrogen peroxide solution was added thereto to prepare an alkaline aqueous solution for precipitation.
Next, a mixed aqueous salt solution and an alkaline aqueous solution were simultaneously added to a beaker (25 ° C.) containing 1200 parts of water as a precipitation bath while maintaining the pH of the precipitation bath at 12 to precipitate hydroxides of the respective component elements. Was precipitated. This operation was carried out in about 25 minutes. After the precipitation was completed, the temperature of the precipitation slurry was heated to 80 ° C., and at the same time, bubbling of carbon dioxide gas was carried out until the pH reached 9. Subsequently, ripening is carried out at 80 ° C. for 1 hour, and after completion, decantation is performed to remove by-product salts in the precipitated slurry, and water washing is performed until the electric conductivity of the filtrate becomes 200 micro-Siemens (μs / cm) or less. went.
Next, the precipitated slurry was filtered with Nutsche, and the resulting pigment cake was dried at 120 ° C. for 12 hours to obtain a black pigment precursor (crude).
The pigment precursor thus obtained was fired at 700 ° C. in the same manner as in Example 1 to obtain a black pigment. 20 parts of this black pigment was surface-treated in the same manner as in Example 1, removed from residual salts, and dried at 120 ° C. for 12 hours to obtain a target surface-treated complex oxide black pigment, which was evaluated. The obtained black pigment had good dispersibility and could be used sufficiently as a pigment.
[0027]
Comparative Example 2
A complex oxide black pigment was obtained and evaluated in the same manner as in Example 2 except that the surface treatment was not performed.
[0028]

[0029]

[0030]
From the above results, the pigment according to the present invention is sufficiently comparable to existing products in terms of performance as compared with existing pigments (Reference Examples 1 and 2), and as a new pigment and interested in current environmental problems. In view of this increase, it can be seen that the pigment can be sufficiently used as a pigment that cannot be replaced by others.
[0031]
【The invention's effect】
According to the present invention as described above, hue and coloring power comparable to those of conventional products containing rare earth elements, alkaline earth metals and iron, which do not contain Cu, Cr, Mn, etc., necessary for color development of conventional black pigments. A composite oxide black pigment of the quality comprising:
The pigment of the present invention does not contain Cu, Cr, Mn, Co, and Ni, whose use is being restricted due to environmental problems, and can be used as an environmentally friendly pigment as a colorant for various uses in consideration of the environment. . In addition, it can be used for paints and inks for general purposes, as well as glass colorants, toner for electronic copiers, CRTs and flat panel displays such as liquid crystal (LCD), field emission display (FED), and organic EL. It can be used as a black pigment for neutral gray or black matrix such as (Electrominus) display.

Claims

A composite oxide black pigment, characterized in that the constituent elements are granular composite oxides of alkaline earth metal and iron, and the surface thereof is treated with an inorganic oxide and / or an inorganic hydroxide.

The complex oxide black pigment according to claim 1, wherein the alkaline earth metal element is calcium, strontium, or barium.

The composite oxide black pigment according to claim 1, wherein the inorganic oxide or inorganic hydroxide is an oxide or hydroxide of at least one element selected from silicon, aluminum, zirconium, titanium and zinc.

A composite oxide black pigment characterized by firing and pulverizing a mixture of an inorganic compound of an alkaline earth metal element and an inorganic compound of an iron element and treating the pulverized fired product with an inorganic oxide and / or an inorganic hydroxide. Manufacturing method.

A mixed aqueous solution of at least one inorganic salt of an alkaline earth metal element and an inorganic salt of iron and an aqueous alkaline solution are added to a precipitation bath to form a coprecipitate, and the formed coprecipitate is fired. A method for producing a composite oxide black pigment, wherein the produced composite oxide is treated with an inorganic oxide and / or an inorganic hydroxide.

The method for producing a composite oxide black pigment according to claim 5, wherein carbon dioxide gas is blown into the precipitation bath when the coprecipitate is produced or after the coprecipitate is produced.

6. The method for producing a complex oxide black pigment according to claim 4, wherein the alkaline earth metal element is calcium, strontium, or barium.

The composite oxide black pigment according to claim 4 or 5, wherein the inorganic oxide or inorganic hydroxide is an oxide or hydroxide of at least one element selected from silicon, aluminum, zirconium, titanium and zinc. Manufacturing method.