【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パネル部品の接合成形方法に関し、特に自動車の車体パネルに代表されるようなパネル部品について部分的に二枚重ね構造として補強するにあたり、ブランク材同士の接合と所定のパネル部品形状への成形とを同時に行えるようにしたパネル部品の接合成形方法とその接合成形用プレス型の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の技術として、例えば特許文献1に記載されているように、コイル材からそれぞれに切り出された基本シートおよび補強シートのうちいずれか一方に硬質はんだを塗布するとともに、双方のシートを重ね合わせた状態でスポット溶接を施し、その状態で加熱炉に入れて構造変形温度(850℃〜930℃)まで加熱した後、成形プレスにて所定形状にプレス成形するようにしたものが知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−178069号公報 (図1および図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の技術では、プレス成形に先立ってスポット溶接による仮止めを施す必要があり、工程数の増加が余儀なくされる。また、基本シートと補強シートとからなるブランク材が予めスポット溶接により仮止めされているため、プレス成形により所定の三次元形状を付与される際に、仮止めされていない場合と比べて材料の流入状態が大きく変化し、プレス成形後の部品精度に悪影響を及ぼすことがある。そのため、部品形状に応じたスポット溶接位置の設定が非常に難しく、実用性の上でなおも改善の余地を残している。その上、プレス成形後の部品にスポット溶接による圧痕が残るため、例えば自動車の外板パネルとして採用しようとする場合に適用できる部位が著しく制約されるという不具合がある。
【0005】
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、特に従来の技術では必須とされたスポット溶接を廃止しつつも所期の目的を達成できるようにしたパネル部品の接合成形方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、アルミニウムめっき鋼板からなるブランク材同士の間に、固相線温度が1050℃以下で且つ液相線温度が700℃以上のろう材を挟み込み、これを鋼板の焼入れ可能下限温度以上で且つ鋼板自体の結晶粒粗大化温度以下の温度で熱した後、ろう材の液相線温度以下で且つ急冷開始温度以上の温度に保持してプレス成形を施すことにより、成形と同時にブランク材同士の接合を完了させることを特徴とする。
【0007】
この場合、鋼板の焼入れ可能下限温度以上で且つ鋼板の結晶粒粗大化温度以下とする加熱条件は、請求項2に記載のように900℃〜1050℃の温度範囲とする。すなわち、鋼板を焼き入れ可能にするためには、鋼板自体の組織をオーステナイト化する必要があるが、そのためには鋼板を900℃以上に加熱する必要がある。その一方、1050℃以上まで鋼板を加熱すると鋼板自体の結晶粒の粗大化が顕著となり、遅れ破壊の問題が生じる。よって、加熱条件は900℃〜1050℃の温度範囲とする。
【0008】
また、ろう材としては、例えばAg−Cu(銀−銅)系もしくはCu−Sn系(銅−すず)のものを用いる。
【0009】
したがって、この請求項1に記載の発明では、ブランク材をプレス型に投入する際にそのブランク材同士の間に介在しているろう材が完全な液体と化しておらず、ブランク材同士はろう付け効果によって固定された状態ままでずれることはない。これにより、プレス成形前に予めスポット溶接を施してなくとも、ブランク材同士を重ね合わせたままで所定の三次元形状にプレス成形することが可能となる。
【0010】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、ろう材を介在させたブランク材同士に予めスポット溶接を施す必要がないため、工程数を削減してコストの低減を図ることができるほか、スポット溶接には不可避とされる圧痕の発生もないため、成形後のパネル部品を自動車の車体パネルのような外板パネルに採用することが可能であり、例えばアウタパネルの内側に直接レインフォースを接合することが可能となり、その適用範囲が飛躍的に広がる効果がある。その上、予めスポット溶接を施した場合と異なりプレス成形の際の材料の流入状態が変化することもなく、成形された部品精度の向上にも寄与できるようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施に供される設備構成を示し、1は加熱炉を、2は例えば能力が200t程度のプレス機をそれぞれ示し、加熱炉1では接合しようとするブランク材B1,B2同士を加熱する。プレス機2はプレス型3を備えており、加熱後のブランク材B1,B2を所定の三次元形状にプレス成形する役目をする。なお、大型のパネル部品を成形する場合には、必要に応じてプレス機2に冷却装置を付帯させても良い。
【0012】
最初に、所定のサイズに裁断した二枚のブランク材B1,B2を用意し、それらのブランク材B1,B2同士の間にろう材Fを挟み込んだ上で加熱炉1に投入し、例えば窒素ガス雰囲気下で所定の温度になるまで加熱し、所定の温度に達したならばそのまま1分間保持する。なお、ここで使用するブランク材B1,B2は自動車用の溶融アルミニウムめっき鋼板とする。また、ろう材Fとしてはその固相線温度が1050℃以下で且つ液相線温度が700℃以上のものが好ましく、例えばAg−Cu系(固相線温度:770℃、液相線温度:790℃)もしくはCu−Sn系(固相線温度:900℃、液相線温度:1050℃)のろう材Fを使用する。
【0013】
ブランク材B1,B2を焼入れ可能とするためには鋼板の組織をオーステナイト化する必要があり、そのためにブランク材B1,B2を900℃以上まで加熱する必要がある。その一方、ブランク材B1,B2を1050℃以上まで加熱すると鋼板自体の結晶粒の粗大化が著しくなり、遅れ破壊を招きやすくなる。したがって、ブランク材B1,B2の加熱条件としては900℃〜1050℃の温度範囲とする。
【0014】
続いて、ろう材Fを挟み込んだ加熱処理後のブランク材B1,B2を加熱炉1から取り出してプレス型3に投入し、プレス機2によりプレス形成を行う。すなわち、図2〜4に示すようにブランク材B1,B2同士の間のほぼ全面にろう材Fを挟み込み、各ブランク材B1,B2の一般部だけでなく両者の重合部分を効率良く加圧できるように成形面に彫り込み4とともに加圧フラット部5を形成した上下型6,7にてブランク材B1,B2を加圧拘束しつつ、所定形状にプレス成形する。
【0015】
ただし、ブランク材B1,B2同士の間に介在しているろう材Fが完全なる液体と化していると、プレス形成時に二枚のブランク材B1,B2同士の相対位置関係がずれてしまって成形しようとするパネル部品の形状精度を維持できなくなるので、ブランク材B1,B2のプレス型投入時の温度としてろう材Fの液相線温度以下で且つ急冷開始温度(700℃)以上の温度に保たれていることが重要である。
【0016】
以上により、ろう材Fを予め挟み込んだ二枚のブランク材B1,B2をもって所定形状のパネル部品が成形され、同時にそのパネル部品を形成しているブランク材B1,B2同士がろう材Fをもってすなわちろう付けにて強固に接合されることになる。
【0017】
ここで、本発明者は、接合実験としてブランク材B1,B2同士の間に介在することになるろう材Fの材質を変えるとともに、炉内加熱温度とプレス型投入時の温度を段階的に変化させながら数種類のパネル部品をプレス成形し、各パネル部品の接合状況を評価してみた。その実験結果を表1に示す。なお、接合結果は目視判定とした。
【0018】
【表1】
【0019】
表1から明らかなように、比較例1に含まれるものは全てろう材FとしてAl−Si系もしくはAl系のものを用いた場合であるが、これらの比較例1のものは液相線温度が相対的に低いために、炉内加熱時およびプレス型投入時共にろう材Fが完全なる液体と化してしまうことになる。その結果、プレス成型時にブランク材B1,B2同士の相対位置関係がずれてしまい、接合結果が「×」と判定された。
【0020】
その一方、比較例2に含まれるものは全てろう材FとしてCu系のものを用いた場合であるが、これらの比較例2のものは固相線温度と液相線温度が相対的に高すぎるために、炉内加熱時およびプレス型投入時共にろう材Fが固体のままとなってしまうことになる。その結果、ろう付けによる相対位置決め効果が発揮されることがなく、プレス成型時にブランク材B1,B2同士の相対位置関係がずれてしまい、接合結果が「×」と判定された。
【0021】
これに対して、本発明の実施例に含まれるものは全てろう材FとしてAg−Cu系もしくはCu−Sn系のものを用いた場合であるが、これらの実施例のものはいずれもろう材Fの固相線温度が1050℃以下であって且つ液相線温度が700℃以上という条件を満たしているために、炉内加熱時においてはろう材Fが液体もしくは液体と固体の中間の半固体の状態となる一方で、プレス型投入時にはろう材Fが固体もしくは半固体の状態となり、ろう付けによるブランク材B1,B2同士の相対位置決め効果が発揮されることになる。その結果、プレス成形時にブランク材B1,B2同士の相対位置関係がずれることがなく、接合結果が「○」と判定された。
【0022】
このように本実施の形態によれば、二枚のブランク材B1,B2同士の間にろう材Fを挟んだ上で所定の加熱状態でプレス成形することを前提としながらも、予めスポット溶接を施すことなしに所期の目的を達成できるようになる。
【0023】
ここで、図2〜4に示したように二枚のブランク材B1,B2同士の間にろう材Fを介在させた状態で接合成形を行った場合、各ブランク材B1,B2の表面に酸化皮膜が形成されていると接合後の強度が低くなる可能性がある。そして、この酸化皮膜による接合強度への影響に着目した場合、前処理工程として例えばワイヤブラシ洗浄等により予め酸化皮膜を除去する工程を追加したり、あるいはフラックスを塗布することが有効であるが、工数増加によるコストアップが余儀なくされるばかりでなく、フラックスは加熱炉1の内壁を痛める原因となるとともに成形後にそのフラックスの除去が必要となる。また、酸化皮膜の存在を容認したままでより一層の強度を確保するためには接合面積を大きくする必要があり、その結果として多量のろう材Fが必要となって同様にコストアップを招くことになる。
【0024】
その対策として図5,6に示すように、プレス機による接合成形に際してプレス型3のうちその下型8の加圧フラット部5Aに上方に向かって凸形状となるような比較的滑らかな曲率の凸状成形面9を形成し、ブランク材B1,B2同士の接合部が凸状成形面9によって局部的に強く加圧拘束されるように設定する。なお、上型6は図3,4に示したものと同様である。こうすることにより、凸状成形面9で加圧された接合界面での酸化皮膜が破壊されて新生面が露出し、予め酸化皮膜を除去することなしにろう材Fによるブランク材B1,B2同士の接合強度が向上することになる。
【0025】
本発明者が実験を行った結果では、表2に示すように、図3,4に示したいわゆるフラットな型構造の場合にはその単位面積当たりの引張せん断強度が7.5N/mm2程度であったのに対して、図5,6のように凸状成形面9とした場合には単位面積当たりの引張せん断強度が23.1N/mm2程度と飛躍的に向上することが判明した。
【0026】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパネル部品の成形接合方法の実施に供される設備の概略説明図。
【図2】図1におけるプレス成形時に説明図。
【図3】プレス成形を司るプレス型の要部拡大図。
【図4】(A)は図3における上型もしくは下型単独での平面図、(B)は同じくその正面図。
【図5】図3に示したプレス型の変形例を示す説明図。
【図6】(A)は図5における下型単独での平面図、(B)は同じくその正面図。
【符号の説明】
1…加熱炉
2…プレス機
3…プレス型
5,5A…加圧フラット部
6…上型
7…下型
8…下型
9…凸状成形面
B1…ブランク材
B2…ブランク材
F…ろう材[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for joining and forming panel parts, and more particularly, to partially reinforcing a panel part typified by an automobile body panel as a two-layer structure, joining blanks to each other and forming the same into a predetermined panel part shape. And a structure of a press die for bonding and forming the panel parts, which is capable of simultaneously performing the above steps.
[0002]
[Prior art]
As this type of technology, for example, as described in Patent Literature 1, a hard solder is applied to one of a basic sheet and a reinforcing sheet cut out from a coil material, and both sheets are overlapped. It is known that spot welding is carried out in a heated state, and then heated in a heating furnace to a structural deformation temperature (850 ° C. to 930 ° C.) and then formed into a predetermined shape by a forming press. .
[0003]
[Patent Document 1]
JP 2002-178069 A (FIGS. 1 and 2)
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
In such a conventional technique, it is necessary to perform temporary fixing by spot welding prior to press forming, so that the number of steps must be increased. Further, since the blank material composed of the base sheet and the reinforcing sheet is temporarily fixed by spot welding in advance, when a predetermined three-dimensional shape is given by press molding, compared with the case where the blank is not temporarily fixed, The inflow state changes greatly, which may adversely affect the precision of the parts after press forming. Therefore, it is very difficult to set the spot welding position according to the part shape, and there is still room for improvement in practicality. In addition, since indentations due to spot welding remain on the parts after press molding, there is a problem that the parts applicable when, for example, an outer panel of an automobile is to be adopted are significantly restricted.
[0005]
The present invention has been made in view of such a problem, and in particular, a method of joining and forming panel parts which can achieve the intended purpose while eliminating spot welding which has been indispensable in the prior art. To provide.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
According to the first aspect of the present invention, a brazing material having a solidus temperature of 1050 ° C. or less and a liquidus temperature of 700 ° C. or more is sandwiched between blanks made of aluminum-plated steel sheets, and this is quenched. After heating at a temperature equal to or higher than the lowest possible temperature and equal to or lower than the crystal grain coarsening temperature of the steel sheet itself, press forming is performed at a temperature equal to or lower than the liquidus temperature of the brazing material and equal to or higher than the quenching start temperature. At the same time, the joining of the blanks is completed.
[0007]
In this case, the heating condition that is equal to or higher than the lower limit temperature of quenching of the steel sheet and equal to or lower than the crystal grain coarsening temperature of the steel sheet is in a temperature range of 900 ° C. to 1050 ° C. That is, in order to make the steel sheet quenchable, it is necessary to austenitize the structure of the steel sheet itself. To that end, it is necessary to heat the steel sheet to 900 ° C. or more. On the other hand, when the steel sheet is heated to 1050 ° C. or higher, the crystal grains of the steel sheet themselves become remarkably coarse, which causes a problem of delayed fracture. Therefore, the heating condition is in a temperature range of 900 ° C. to 1050 ° C.
[0008]
As the brazing material, for example, an Ag-Cu (silver-copper) -based or Cu-Sn-based (copper-tin) material is used.
[0009]
Therefore, according to the first aspect of the present invention, when the blanks are put into the press die, the brazing material interposed between the blanks is not completely converted into a liquid, and the blanks are connected to each other. It does not shift while being fixed by the attachment effect. Thereby, even if spot welding is not performed before press forming, it is possible to press-form the blank into a predetermined three-dimensional shape while the blanks are overlapped.
[0010]
【The invention's effect】
According to the first aspect of the present invention, since it is not necessary to perform spot welding in advance between blanks with brazing material interposed therebetween, it is possible to reduce the number of processes and cost, and also to use spot welding. Since there is no unavoidable indentation, it is possible to use the molded panel parts for the outer panel such as the car body panel.For example, it is possible to join the reinforcement directly to the inside of the outer panel. This has the effect of dramatically expanding the applicable range. In addition, unlike the case where spot welding is performed in advance, the inflow state of the material at the time of press forming does not change, and it is possible to contribute to the improvement of the precision of the formed part.
[0011]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
FIG. 1 shows the equipment configuration used for carrying out the present invention, 1 indicates a heating furnace, 2 indicates a press machine having a capacity of, for example, about 200 tons, and in the heating furnace 1, blanks B1 and B2 to be joined to each other. Heat. The press machine 2 includes a press die 3 and serves to press-form the heated blanks B1 and B2 into a predetermined three-dimensional shape. When a large panel component is formed, a cooling device may be attached to the press machine 2 as necessary.
[0012]
First, two blanks B1 and B2 cut to a predetermined size are prepared, a brazing material F is sandwiched between the blanks B1 and B2, and the blanks B and B2 are charged into the heating furnace 1 and, for example, nitrogen gas is used. Heat to a predetermined temperature in an atmosphere, and when the temperature reaches the predetermined temperature, hold it for 1 minute. The blanks B1 and B2 used here are hot-dip aluminum-coated steel sheets for automobiles. Further, the brazing material F preferably has a solidus temperature of 1050 ° C. or lower and a liquidus temperature of 700 ° C. or higher. For example, an Ag—Cu-based (solidus temperature: 770 ° C., liquidus temperature: 790 ° C.) or a Cu—Sn-based (solidus temperature: 900 ° C., liquidus temperature: 1050 ° C.) brazing material F is used.
[0013]
In order to make the blanks B1 and B2 quenchable, the structure of the steel sheet needs to be austenitized, and for that purpose, the blanks B1 and B2 need to be heated to 900 ° C. or higher. On the other hand, when the blanks B1 and B2 are heated to 1050 ° C. or higher, the crystal grains of the steel sheet itself become extremely coarse, and delayed fracture is likely to occur. Therefore, the heating condition of the blank materials B1 and B2 is set to a temperature range of 900 ° C. to 1050 ° C.
[0014]
Subsequently, the blanks B1 and B2 after the heat treatment with the brazing material F interposed therebetween are taken out of the heating furnace 1 and put into the press mold 3, and press forming is performed by the press machine 2. That is, as shown in FIGS. 2 to 4, the brazing material F is sandwiched almost entirely between the blank materials B1 and B2, so that not only the general portions of the blank materials B1 and B2 but also the overlapped portions of both can be efficiently pressed. The blanks B1 and B2 are press-formed into a predetermined shape by the upper and lower dies 6 and 7 having the pressing flat portion 5 formed with the engraving 4 on the forming surface as described above.
[0015]
However, if the brazing material F interposed between the blanks B1 and B2 is completely converted into a liquid, the relative positional relationship between the two blanks B1 and B2 is deviated during press forming, and the molding is performed. Since the shape accuracy of the panel component to be obtained cannot be maintained, the blank material B1, B2 is maintained at a temperature lower than the liquidus temperature of the brazing material F and higher than the quenching start temperature (700 ° C.) at the time of press-molding. It is important that you are leaning.
[0016]
As described above, a panel component having a predetermined shape is formed with the two blanks B1 and B2 sandwiching the brazing material F in advance, and at the same time, the blanks B1 and B2 forming the panel component are brazed with the brazing material F. It will be joined firmly by attaching.
[0017]
Here, as a joining experiment, the present inventor changed the material of the brazing material F to be interposed between the blank materials B1 and B2, and changed the heating temperature in the furnace and the temperature at the time of pressing the press mold stepwise. While pressing, several types of panel parts were press-formed, and the bonding status of each panel part was evaluated. Table 1 shows the experimental results. In addition, the joining result was visually determined.
[0018]
[Table 1]
[0019]
As is clear from Table 1, all of those included in Comparative Example 1 are cases in which an Al-Si-based or Al-based brazing material F was used. Is relatively low, the brazing material F becomes a complete liquid both during heating in the furnace and during injection into the press die. As a result, the relative positional relationship between the blanks B1 and B2 was deviated during press molding, and the joining result was determined to be “×”.
[0020]
On the other hand, all of those included in Comparative Example 2 are cases in which a Cu-based material was used as the brazing material F. However, those of Comparative Example 2 had relatively high solidus temperatures and liquidus temperatures. For this reason, the brazing material F remains solid at the time of heating in the furnace and at the time of charging the press die. As a result, the relative positioning effect by brazing was not exhibited, and the relative positional relationship between the blank materials B1 and B2 was shifted during press molding, and the joining result was determined to be "x".
[0021]
On the other hand, all of the materials included in the examples of the present invention are cases where Ag-Cu-based or Cu-Sn-based materials are used as the brazing material F. Since the solidus temperature of F is not higher than 1050 ° C. and the liquidus temperature is not lower than 700 ° C., the brazing material F is liquid or halfway between liquid and solid during heating in the furnace. While being in a solid state, the brazing material F is in a solid or semi-solid state at the time of injection into the press die, and the effect of relative positioning between the blank materials B1 and B2 by brazing is exerted. As a result, the relative positional relationship between the blanks B1 and B2 did not shift during press molding, and the joining result was determined to be “○”.
[0022]
As described above, according to the present embodiment, spot welding is performed in advance while presupposing that the brazing material F is sandwiched between the two blank materials B1 and B2 and press-formed in a predetermined heating state. You will be able to achieve the intended purpose without doing it.
[0023]
Here, as shown in FIGS. 2 to 4, when the joining forming is performed in a state where the brazing material F is interposed between the two blank materials B1 and B2, the surface of each blank material B1 and B2 is oxidized. If the film is formed, the strength after joining may be reduced. When attention is paid to the effect of the oxide film on the bonding strength, it is effective to add a step of removing the oxide film in advance by, for example, wire brush cleaning or the like as a pretreatment step, or to apply a flux. Not only is the cost increased due to an increase in the number of steps, but also the flux causes damage to the inner wall of the heating furnace 1, and the flux needs to be removed after molding. Further, in order to secure further strength while allowing the presence of the oxide film, it is necessary to increase the bonding area, and as a result, a large amount of brazing material F is required, which also leads to an increase in cost. become.
[0024]
As a countermeasure, as shown in FIGS. 5 and 6, as shown in FIGS. 5 and 6, when joining by a press machine, a relatively smooth curvature such that the pressing flat portion 5 </ b> A of the lower die 8 of the pressing die 3 has an upwardly convex shape. The convex molding surface 9 is formed, and the joint between the blank materials B1 and B2 is set so as to be locally strongly pressed and restrained by the convex molding surface 9. The upper die 6 is the same as that shown in FIGS. By doing so, the oxide film at the bonding interface pressurized by the convex molding surface 9 is broken to expose a new surface, and the blank material B1 and B2 made of the brazing material F without removing the oxide film in advance. The joining strength will be improved.
[0025]
According to the results of the experiment conducted by the inventor, as shown in Table 2, in the case of the so-called flat mold structure shown in FIGS. 3 and 4, the tensile shear strength per unit area is about 7.5 N / mm 2. In contrast, when the convex molding surface 9 was used as shown in FIGS. 5 and 6, it was found that the tensile shear strength per unit area was dramatically improved to about 23.1 N / mm 2 . .
[0026]
[Table 2]
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic explanatory view of equipment provided for performing a method of forming and joining panel parts according to the present invention.
FIG. 2 is an explanatory view at the time of press molding in FIG.
FIG. 3 is an enlarged view of a main part of a press die that controls press molding.
4A is a plan view of the upper mold or the lower mold alone in FIG. 3, and FIG. 4B is a front view thereof.
FIG. 5 is an explanatory view showing a modified example of the press die shown in FIG. 3;
6 (A) is a plan view of the lower mold alone in FIG. 5, and FIG. 6 (B) is a front view thereof.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... Heating furnace 2 ... Press machine 3 ... Press mold 5, 5A ... Press flat part 6 ... Upper mold 7 ... Lower mold 8 ... Lower mold 9 ... Convex molding surface B1 ... Blank material B2 ... Blank material F ... Brazing material