【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成樹脂製のブラシ用毛材およびその用途に関し、さらに詳しくは、従来のポリエステル系樹脂製の毛材に比べて適度な柔軟性を有し、しかも耐久性を向上させたブラシ用毛材、およびこの毛材の用途、具体的にはこのブラシ用毛材を用いた歯ブラシ、化粧ブラシ、ボデイブラシなどのトイレタリー用ブラシおよび画筆や毛筆などの筆具などに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
合成樹脂モノフィラメントからなるカットブリッスルは、トイレタリーブラシや筆などのいわゆる獣毛調毛材の代替用毛材として、従来から広く用いられている。
【０００３】
具体的には、柔軟性が適度であることから、ポリアミド、特にポリアミド６・１０やポリアミド６・１２を材質とするブラシ用毛材（例えば、特許文献１参照）が一般的に用いられているが、このポリアミド製ブラシ用毛材は、吸湿による弾性変化が大きく毛腰が変化しやすいばかりか、耐久性がやや低く、特に歯ブラシにおいては、繰り返しの使用によって比較的早期に毛が開きを使用できなくなるという欠点があった。
【０００４】
上記の欠点を補うものとして、ポリエステル系樹脂、特にポリブチレンテレフタレートを材質とするブラシ用毛材（例えば、特許文献２参照）が提案されており、このブラシ用毛材によれば、吸湿率が小さいため吸水による弾性率変化はほとんどなく、また耐久性も向上するばかりか、先端をアルカリにより溶解させてテーパー形状に先鋭化し、歯ブラシにおける歯間挿入性を向上させたり、筆具において獣毛に近い筆先のまとまりを与えたりすることが可能であるという利点が得られる反面、ポリアミド製のブラシ用毛材に比べてやや毛腰が強くなるため、特に歯ブラシに使用した場合の使用感が劣るという問題点を包含していた。
【０００５】
また、上記と同じポリエステル系樹脂であるポリプロピレンテレフタレートを素材とするブラシ用毛材（例えば、特許文献３参照）も提案されおり、このブラシ用毛材によれば、優れた耐久性を示すことが示されているが、反面毛腰が弱く、歯ブラシに使用した場合の清掃性、特に歯間挿入性が劣るばかりか、使用者の清掃感が不十分であるという問題点を包含していた。
【０００６】
【特許文献１】
特開平１０−２０１５３８号公報（第２頁）
【特許文献２】
特開平６−１４１９２３号公報（第５頁）
【特許文献３】
特開平８−１７３２４４号公報（第１〜３頁）
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来技術におけるの問題点の解決を目的として検討した結果、達成されたものである。
【０００８】
したがって、本発明の目的は、ポリエステル系樹脂の吸水時の弾性変化が小さい点や、耐久性が優れるという特性を維持しつつ、しかも適度な柔軟性を備えたブラシ用材、およびこの毛材を用いた歯ブラシ、化粧ブラシ、ボデイブラシなどのトイレタリー用ブラシおよび画筆や毛筆などの筆具などを提供することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のブラシ用毛材は、ポリプロピレンテレフタレート５〜４５重量％およびポリプロピレンテレフタレート以外のポリエステル系樹脂９５〜５５重量％を混合して溶融紡糸したモノフィラメントブリッスルから成ることを特徴とする。
【００１０】
本発明のブラシ用毛材においては、ポリプロピレンテレフタレート以外のポリエステル系樹脂がポリブチレンテレフタレートである場合に、特に優れた性能を発揮する。
【００１１】
また、本発明のブラシ用毛材は、少なくとも片端をテーパー形状とすることでブラシの性能をさらに向上させることが可能である。
【００１２】
そして、本発明のブラシ用毛材は、歯ブラシ、化粧ブラシ、ボデイブラシなどのトイレタリー用ブラシおよび画筆や毛筆などの筆具などの用途に適用した場合に最良の効果を発揮する。
【００１３】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のブラシ用毛材およびその用途についてさらに詳細に説明する。
【００１４】
本発明のブラシ用毛材を構成する一成分であるポリプロピレンテレフタレートとは、実質的にテレフタル酸と１，３プロパンジオールを縮重合して得られるポリマであるが、テレフタル酸および１，３プロパンジオールの一部を、当業界で良く知られる２，６−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、１，４−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、スルホン酸金属塩置換イソフタル酸などのジカルボン酸成分、およびエチレングリコール、１，４−ブタンジオール、ジエチレングリコール、１，４−シクロヘキサンジメタノール、１，４−シクロヘキサンジオール、ポリアルキレングリコールなどグリコール成分で置き換えた共重合ポリエステルであってもよい。
【００１５】
また、本発明のブラシ用毛材を構成する他の一成分であるポリプロピレンテレフタレート以外のポリエステル系樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレートなどの芳香族ポリエステル、およびポリ乳酸、ポリブチレンサクシネートなどの脂肪族ポリエステルなどが挙げられるが、なかでもポリブチレンテレフタレートが好ましく使用される。
【００１６】
本発明のブラシ用毛材は、ポリプロピレンテレフタレートとポリプロピレンテレフタレート以外のポリエステル系樹脂とを、後述の比率で混合した上、通常の方法で溶融紡糸し、得られたモノフィラメントを集束させ、この糸束を所望長さにカットしてモノフィラメントブリッスルとすることにより作成される。
【００１７】
また、本発明のブラシ用毛材には、本来の目的を阻害しない範囲であれば、耐熱剤、耐候剤、可塑剤および着色剤などの慣用の添加剤を含有させることができる。
ここで、樹脂の混合比率は、ポリプロピレンテレフタレート５〜４５重量％、特に１０〜３０重量％に対し、ポリプロピレンテレフタレート以外のポリエステル系樹脂９５〜５５％、特に９０〜７０重量％の割合とすることが重要であり、この範囲内で用途に適した比率を選定する必要がある。ポリプロピレンテレフタレートの比率が上記の範囲未満の場合は、毛腰の改良効果が得られず、また上記の範囲を越えると、柔軟になり過ぎるばかりか、歯ブラシにおいては歯の表面清掃性や歯間挿入性が不足するとともに使用者の清掃感が低下することになるため好ましくない。
【００１８】
本発明のブラシ用毛材の断面形状は、丸断面に限ったものではなく、その用途によっては、楕円形、多角形、多葉形および中空などから適宜選定することにより、清掃性の向上や、保水性の向上などの付加的な効果を与えることが可能である。
【００１９】
また、本発明のブラシ用毛材の単糸は、一般には直線状であるが、これをクリンプ加工することで波状としたり、表面凹凸を与えたりすることによって、保水性の向上や、清掃性の向上をはかることも可能である。
【００２０】
そして、本発明のブラシ用毛材は、素材がポリエステル系樹脂であることから、公知の方法を用いて毛材の先端をアルカリで溶解させることによって、尖鋭なテーパー形状を形成することが可能である。毛材先端を尖鋭なテーパー形状にすることにより、毛筆用途に使用できるとともに、歯ブラシ用途においては歯間挿入性が飛躍的に向上し、化粧ブラシやボディブラシ用途においても、皮膚へのソフトな感触が得られることになる。
【００２１】
上記したように、本発明のブラシ用毛材は、吸水による弾性変化や、耐久性がポリアミドより優れるという特性を維持しつつ、しかも適度な柔軟性を備えるという優れた特性を有していることから、歯ブラシに代表されるトイレタリー用ブラシや、画筆、毛筆などの筆具毛材、およびフェイスブラシ、チークブラシ、マニキュアブラシ、アイライナーなどの化粧用ブラシ、さらにはボディブラシに適用した場合に最良の効果を発現する。
【００２２】
なお、本発明のブラシ用毛材は、上記の用途以外にも、食品洗浄ブラシ、食器洗浄ブラシ、車両洗浄ブラシなどのクリーニングブラシ用途、ペイントブラシ用途、複写機の除電ブラシ用途および清掃ブラシ用途などのブラシ分野へ広く適用することが可能である。
【００２３】
【実施例】
次に、実施例により本発明を具体的に説明する。
［実施例１］
十分に予備乾燥したポリブチレンテレフタレート（東レ（株）製 東レＰＢＴ１２００Ｓ）を７５重量％、ポリプロピレンテレフタレート（Ｓｈｅｌｌ Ｃｈｅｍｉｃａｌｓ製“ＣＯＲＴＥＲＲＡ ＣＰ５１３０００”）を２５重量％の割合で混合し、均一に分散するまで撹拌した後、押出し機に投入し、２７０℃に加熱溶融させた樹脂を口径０．８ｍｍの円形状のノズルから押し出し、直ちに４０℃の温水中で冷却、続いて６０℃の温水、さらには１３０℃乾熱下で合計４．５倍に延伸しした。次いで、この延伸糸を１８０℃の乾熱下で０．９５倍に熱セットすることによって、直径０．１８ｍｍのモノフィラメントを得た。
【００２４】
上記のモノフィラメントを集束し、周囲に紙テープをまいて直径５０ｍｍの毛束とし、さらに３０ｍｍの長さに切断してブラシ用毛材とした。
［実施例２］
実施例１で作成したモノフィラメント毛材束を水酸化ナトリウム溶液に浸漬して、束の両端を減量加工し、水洗、乾燥することにより、両端が尖鋭なテーパー形状であるブラシ用毛材を得た。
［比較例１］
ポリアミド６・１０（東レ（株）製 Ｍ２００１）を用い、以下実施例１と同一の方法によりブラシ用毛材を得た。
［比較例２］
実施例１と同じ原料を用い、混合比を、ポリプロピレンテレフタレート５０重量％、ポリブチレンテレフタレート５０重量％とし、以下実施例１と同一の方法によりブラシ用毛材を得た。
［比較例３］
原料をポリブチレンテレフタレートのみとし、以下実施例１と同一の方法によりブラシ用毛材を得た。
【００２５】
上記の各毛材を同一形状である３４穴の歯ブラシハンドルに毛丈１１ｍｍになるように植毛して歯ブラシを作成し、各歯ブラシの性能について、次の方法により評価した。
［耐久性評価］
歯ブラシに対し、歯ブラシ摺動面裏側から垂直に５００ｇの荷重をかけ、３７℃の温水を滴下させた状態で、ステンレス製の波板に対して歯ブラシの長手方向に２００００回摺動運動をさせ、ブラシ部の毛開き率（Ｋ）を測定した。毛開き率の算出方法は、初期状態におけるブラシ部摺動面の横幅をＡｍｍ、摺動後の横幅をＢｍｍとしたとき、Ｋ＝（Ｂ−Ａ）／Ａ×１００（％）とした。
［清掃性評価］
歯ブラシに対し、歯ブラシ摺動面裏側から垂直に１５０ｇの荷重をかけて、仮想汚れを塗布したステンレス製凹凸板に対して、振幅１０ｍｍ、スピード１８０ｒｐｍで５０００回摺動させ、仮想汚れの除去率を測定した。汚れ除去率は、凸部表面と、２つの凸部の隙間にあたる凹部の２種について算出した。
［使用感調査］
歯ブラシを、成人２０名に１種類あたり５日間使用してもらい、使用感、特に歯茎への刺激について回答を得た。評価基準は次の通りである。
◎：「非常に良い」
○：「良い」
△：「普通」
×：「悪い」
以上の評価結果を表１に示す。
【００２６】
【表１】
【００２７】
表１の結果から明らかなように、本発明のブラシ用毛材を植毛した歯ブラシ（実施例１）は、ポリアミド６・１０の場合（比較例１）に比べて、清掃性や使用感は同等であり、しかも耐久性が向上していることがわかる。さらに、ポリブチレンテレフタレートのみの場合（比較例３）と比較すると、その毛腰の硬さによって損なわれていた使用感が改善されている。逆に、ポリプロピレンテレフタレートを５０重量％とした場合（比較例２）は、毛腰が過度に柔軟となるため、清掃性、特に凹部への挿入性が不十分になるとともに、十分な使用感が与えられないものとなる。
【００２８】
また、実施例２は、実施例１の毛材の端を尖鋭なテーパー形状としたものであるが、これによって、清掃性、特に凹部への挿入性がさらに向上するとともに、毛先の柔軟性が出るため使用感も非常に良いものとなった。
【００２９】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のブラシ用毛材は、従来のポリアミド製ブラシ毛材と同等の柔軟性を持ち、しかも耐久性が優れるという特性を有することから、歯ブラシをはじめとするトイレタリー用ブラシ毛材、筆具毛材、化粧ブラシ、ボディブラシとして適用した場合に、最良の効果を発揮する。
【００３０】
特に歯ブラシに適用した場合には、清掃性や使用感を損なわずに耐久性を著しく向上させることができる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a bristle material for a brush made of a synthetic resin and its use, and more particularly, to a brush material having moderate flexibility and improved durability compared to a bristle material made of a conventional polyester resin. The present invention relates to a bristle material and uses of the bristle material, and more specifically, to a brush for toiletries such as a toothbrush, a cosmetic brush, and a body brush using the bristle material for the brush, and a brush tool such as a paint brush and a brush.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Cut bristle made of synthetic resin monofilament has been widely used as a substitute hair material for so-called animal hair-like hair materials such as a toilet brush and a brush.
[0003]
Specifically, a bristle material made of polyamide, particularly polyamide 6.6 or polyamide 612, is generally used because of its moderate flexibility (for example, see Patent Document 1). However, this polyamide brush bristle material has a large change in elasticity due to moisture absorption, not only the bristle is easily changed, but also a somewhat low durability.Especially in the case of toothbrushes, bristles open relatively early by repeated use. There was a drawback that it would not be possible.
[0004]
To compensate for the above-mentioned drawbacks, bristle materials for brushes made of a polyester resin, particularly polybutylene terephthalate (see, for example, Patent Document 2) have been proposed. Due to its small size, there is almost no change in elastic modulus due to water absorption, and it not only improves durability, but also dissolves the tip with an alkali and sharpens it into a tapered shape, improving interdental insertion in a toothbrush, and improving animal hair with a brush. While it has the advantage of being able to give a close brush tip, it has a slightly stronger stiffness than a brush material made of polyamide, which makes it inferior especially when used for a toothbrush. It contained problems.
[0005]
Further, a bristle material for a brush made of polypropylene terephthalate, which is the same polyester resin as described above, has also been proposed (for example, see Patent Document 3). According to this brush bristle material, excellent durability can be exhibited. On the other hand, it has a problem that the bristle is weak and the cleaning property when used for a toothbrush, especially the interdental insertion property is inferior, and the user has an insufficient cleaning feeling.
[0006]
[Patent Document 1]
JP-A-10-201538 (page 2)
[Patent Document 2]
JP-A-6-141923 (page 5)
[Patent Document 3]
JP-A-8-173244 (pages 1 to 3)
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been achieved as a result of study for the purpose of solving the problems in the above-described conventional technology.
[0008]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a brush material having a moderate elasticity while maintaining the characteristic that the polyester resin has a small change in elasticity when absorbing water, and a property of excellent durability, and a method of using this bristle material. An object of the present invention is to provide toilet brushes such as toothbrushes, makeup brushes and body brushes, and brushes such as paint brushes and brushes.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the bristle material for a brush of the present invention is composed of a monofilament bristle obtained by mixing and melt-spinning 5 to 45% by weight of polypropylene terephthalate and 95 to 55% by weight of a polyester resin other than polypropylene terephthalate. Features.
[0010]
The brush bristles of the present invention exhibit particularly excellent performance when the polyester resin other than polypropylene terephthalate is polybutylene terephthalate.
[0011]
In addition, the bristle material for a brush of the present invention can further improve the performance of the brush by forming at least one end in a tapered shape.
[0012]
The bristle material of the present invention exerts the best effect when applied to applications such as toilet brushes such as toothbrushes, makeup brushes and body brushes and brushes such as paint brushes and brushes.
[0013]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the bristle material for a brush of the present invention and its use will be described in more detail.
[0014]
The polypropylene terephthalate, which is one component of the bristle material of the present invention, is a polymer obtained by substantially polycondensing terephthalic acid and 1,3 propanediol, and includes terephthalic acid and 1,3 propanediol. Is partially converted to dicarboxylic acids such as 2,6-naphthalenedicarboxylic acid, isophthalic acid, 1,4-cyclohexanedicarboxylic acid, adipic acid, sebacic acid, dimer acid and sulfonic acid metal salt-substituted isophthalic acid which are well known in the art. It may be a copolymerized polyester in which components are replaced by glycol components such as ethylene glycol, 1,4-butanediol, diethylene glycol, 1,4-cyclohexanedimethanol, 1,4-cyclohexanediol, and polyalkylene glycol.
[0015]
Further, specific examples of the polyester resin other than polypropylene terephthalate, which is another component constituting the brush bristle material of the present invention, include aromatic polyesters such as polyethylene terephthalate, polybutylene terephthalate, and polynaphthalene terephthalate, and polylactic acid. And aliphatic polyesters such as polybutylene succinate. Of these, polybutylene terephthalate is preferably used.
[0016]
The brush bristle material of the present invention is obtained by mixing polypropylene terephthalate and a polyester resin other than polypropylene terephthalate at a ratio described below, and then melt-spinning in a usual manner to bundle the obtained monofilaments. It is made by cutting to a desired length to form a monofilament bristle.
[0017]
The brush bristle material of the present invention may contain conventional additives such as a heat-resistant agent, a weather-resistant agent, a plasticizer and a coloring agent as long as the intended purpose is not impaired.
Here, the mixing ratio of the resin may be a ratio of 95 to 55%, particularly 90 to 70% by weight of a polyester resin other than polypropylene terephthalate to 5 to 45% by weight, particularly 10 to 30% by weight of polypropylene terephthalate. It is important, and it is necessary to select a ratio suitable for the application within this range. When the proportion of polypropylene terephthalate is less than the above range, the effect of improving hair stiffness cannot be obtained, and when the ratio exceeds the above range, not only becomes too soft, but also in the case of a toothbrush, the surface cleaning properties and interdental insertion of teeth. This is not preferable because the cleaning performance is insufficient and the user's feeling of cleaning is reduced.
[0018]
The cross-sectional shape of the bristle material for the brush of the present invention is not limited to a round cross-section, and depending on the application, an oval shape, a polygonal shape, a multi-leaf shape, a hollow shape, or the like can be appropriately selected to improve the cleaning property and the like. It is possible to provide additional effects such as improvement in water retention.
[0019]
Further, the single yarn of the brush bristle material of the present invention is generally straight, but is formed into a wavy shape by crimping, or by imparting surface irregularities to improve water retention and cleanability. Can be improved.
[0020]
Since the bristle material for the brush of the present invention is made of a polyester-based resin, it is possible to form a sharp tapered shape by dissolving the tip of the bristle material with an alkali using a known method. is there. The bristle material has a sharp tapered tip that can be used for writing brushes, dramatically improves interdental insertion for toothbrushes, and has a soft feel to the skin for makeup and body brushes. Is obtained.
[0021]
As described above, the bristle material for a brush of the present invention has an excellent property of maintaining elasticity change due to water absorption and a property that durability is superior to that of polyamide, and having a moderate flexibility. The best when applied to toilet brushes such as toothbrushes, brush materials such as paint brushes and brushes, and makeup brushes such as face brushes, cheek brushes, nail polish brushes, eyeliners, and even body brushes The effect of is expressed.
[0022]
The brush bristle material of the present invention may be used for cleaning brushes such as food cleaning brushes, dish cleaning brushes, vehicle cleaning brushes, paint brushes, static elimination brushes for copiers, cleaning brushes, etc. It can be widely applied to brush fields.
[0023]
【Example】
Next, the present invention will be specifically described with reference to examples.
[Example 1]
75% by weight of sufficiently pre-dried polybutylene terephthalate (Toray PBT1200S manufactured by Toray Industries, Inc.) and 25% by weight of polypropylene terephthalate (“COTERRA CP513000” manufactured by Shell Chemicals) were mixed at a ratio of 25% by weight and stirred until uniformly dispersed. Thereafter, the resin was put into an extruder, and the resin heated and melted at 270 ° C. was extruded from a circular nozzle having a diameter of 0.8 mm, immediately cooled in hot water at 40 ° C., subsequently dried in hot water at 60 ° C., and further dried at 130 ° C. The film was stretched 4.5 times in total under heat. Next, the drawn yarn was heat-set to 0.95 times under dry heat of 180 ° C. to obtain a monofilament having a diameter of 0.18 mm.
[0024]
The above monofilament was bundled, and a paper tape was wrapped around the bundle to form a hair bundle having a diameter of 50 mm, and further cut into a length of 30 mm to obtain a brush hair material.
[Example 2]
The monofilament bristle bundle prepared in Example 1 was immersed in a sodium hydroxide solution, the both ends of the bundle were reduced in weight, washed with water, and dried to obtain a bristle material for a brush having sharp tapered ends. .
[Comparative Example 1]
Using polyamide 6.10 (M2001, manufactured by Toray Industries, Inc.), a bristle material for a brush was obtained in the same manner as in Example 1 below.
[Comparative Example 2]
Using the same raw materials as in Example 1, the mixing ratio was set to 50% by weight of polypropylene terephthalate and 50% by weight of polybutylene terephthalate, and a bristle material for a brush was obtained in the same manner as in Example 1 below.
[Comparative Example 3]
Using only polybutylene terephthalate as a raw material, a bristle material for a brush was obtained in the same manner as in Example 1 below.
[0025]
Each of the above-mentioned bristle materials was planted in a toothbrush handle having the same shape with 34 holes so as to have a bristle length of 11 mm to prepare a toothbrush, and the performance of each toothbrush was evaluated by the following method.
[Durability evaluation]
To the toothbrush, a load of 500 g was vertically applied from the back side of the toothbrush sliding surface, and in a state where hot water of 37 ° C. was dropped, the toothbrush was slid 20,000 times in the longitudinal direction of the toothbrush against the stainless steel corrugated plate, The hair opening ratio (K) of the brush portion was measured. The method for calculating the hair opening ratio was K = (BA) / A × 100 (%), where the width of the sliding surface of the brush portion in the initial state was A mm, and the width after sliding was B mm.
[Cleaning evaluation]
A load of 150 g was vertically applied to the toothbrush from the back side of the sliding surface of the toothbrush, and the toothbrush was slid 5,000 times at an amplitude of 10 mm and a speed of 180 rpm 5,000 times on the stainless steel uneven plate coated with the virtual dirt, thereby reducing the virtual dirt removal rate. It was measured. The dirt removal rate was calculated for two types, the surface of the convex portion and the concave portion corresponding to the gap between the two convex portions.
[Usability Survey]
Twenty adults used the toothbrush for 5 days for each type, and received a response on the feeling of use, especially on the gums. The evaluation criteria are as follows.
◎: "Very good"
○: "Good"
△: "Normal"
×: “Bad”
Table 1 shows the above evaluation results.
[0026]
[Table 1]
As is clear from the results of Table 1, the toothbrush (Example 1) in which the brush bristle material of the present invention was implanted had the same cleanability and feeling of use as compared with the case of polyamide 610 (Comparative Example 1). It can be seen that the durability was improved. Further, as compared with the case of using only polybutylene terephthalate (Comparative Example 3), the feeling of use, which is impaired by the hardness of the hair, is improved. Conversely, when the content of polypropylene terephthalate is 50% by weight (Comparative Example 2), the hair becomes excessively soft, so that the cleaning property, especially the insertion property into the concave portion becomes insufficient, and the sufficient feeling of use is obtained. Will not be given.
[0028]
In the second embodiment, the end of the bristle material of the first embodiment is formed into a sharp tapered shape. By this, the cleaning property, especially the insertion property into the concave portion is further improved, and the bristle tip is flexible. Because of the appearance, the usability was also very good.
[0029]
【The invention's effect】
As described above, the brush bristles of the present invention have the same flexibility as conventional polyamide brush bristles, and have the property of being excellent in durability. Best effect when applied as hair material, brush hair material, makeup brush, body brush.
[0030]
In particular, when applied to a toothbrush, the durability can be significantly improved without impairing the cleanability and the feeling of use.