【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、拭き取り用クロス、詳しくは、油汚れなどの頑固な汚れを拭き取るための拭き取り用クロスに関する。
【０００２】
【従来の技術】
家庭用台所や業務用厨房などにおいて、オーブンレンジや換気扇などに付着した油汚れ、とりわけ、こびりついて炭化したような油汚れは、その清掃が困難であり、従来より、そのような油汚れを落とすために、洗浄剤や研磨剤を含有する種々のウエットクロスが提案されている。
【０００３】
例えば、特開２００２−２６３０４３号公報には、表層部が、ポリエステル系芯鞘型複合繊維などの熱可塑性繊維層から形成され、裏層部が、レーヨン繊維などの親水性繊維層から形成されるワイピング用不織布が提案されている。
【０００４】
【特許文献１】
特開２００２−２６３０４３号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開２００２−２６３０４３号公報に記載されるワイピング用不織布では、表層部が、ポリエステル系芯鞘型複合繊維などの熱可塑性繊維層から形成されるが、油とのなじみが不十分であり、また、油汚れを掻き取るための強度も十分でないため、実用的には、油汚れを、より簡単かつ十分に払拭できるものの開発が望まれている。
【０００５】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、頑固な油汚れなどであっても、簡単かつ十分に払拭することのできる拭き取り用クロスを提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の拭き取り用クロスは、拭き取り面に接触する拭き取り層と、洗浄剤を保持するための保持層とを備え、前記拭き取り層が、ポリオレフィン系親油性繊維を５０重量％以上含有し、前記保持層が、親水性繊維を５０重量％以上含有することを特徴としている。
【０００７】
また、本発明では、前記拭き取り層が、芯鞘構造からなる複合繊維を含有することが好ましく、前記芯鞘構造の芯成分がポリプロピレンであり、鞘成分がポリブテンであることが好ましい。
【０００８】
また、本発明では、前記保持層の親水性繊維が、レーヨン系繊維であることが好ましい。
【０００９】
また、本発明では、前記洗浄剤が、アルコール類、有機酸塩類および水を含有することが好ましい。
【００１０】
【発明の実施の形態】
本発明の拭き取り用クロスは、拭き取り面に接触する拭き取り層と、洗浄剤を保持するための保持層とを備えている。
【００１１】
本発明において、拭き取り層は、ポリオレフィン系親油性繊維を、５０重量％以上含有している。ポリオレフィン系親油性繊維を５０重量％以上含有することで、油とのなじみをよくして、かつ、拭き取り面に対する機械的強度を保持して、良好な掻き取り性能を発現することができる。
【００１２】
ポリオレフィン系親油性繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなど、あるいは、これらの共重合体などの繊維が挙げられる。これらポリオレフィン系親油性繊維は、単独で用いてもよく、また、２種以上併用してもよい。好ましくは、ポリプロピレンおよびポリブテンの繊維が用いられる。
【００１３】
また、拭き取り層は、このようなポリオレフィン系親油性繊維を、拭き取り層中、５０重量％以上、好ましくは、８０〜１００重量％、さらに好ましくは、１００重量％含有している。ポリオレフィン系親油性繊維の含有量が、これより少ないと、掻き取り性能が低下する。
【００１４】
また、拭き取り層には、ポリオレフィン系親油性繊維が、上記した割合で含有されていれば、それ以外の繊維を含有していてもよい。そのような繊維としては、その目的および用途によって、ポリオレフィン系親油性繊維以外の親油性繊維および／または親水性繊維から適宜選択される。
【００１５】
ポリオレフィン系親油性繊維以外の親油性繊維としては、公定水分率が８未満、好ましくは、０〜７．５の繊維であって、より具体的には、例えば、アセテート系繊維、プロミックス系繊維、ビニロン系繊維、ナイロン系繊維、トリアセテート系繊維、ポリクラール系繊維、アクリル系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリエチレンテレフタレート系繊維、ポリエステル系繊維、フッ素系繊維、ビニリデン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維などが挙げられる。これら親油性繊維は、単独で用いてもよく、また、２種以上併用してもよい。好ましくは、アクリル系繊維、ポリエチレンテレフタレート系繊維が用いられる。
【００１６】
また、親水性繊維としては、公定水分率が８以上、好ましくは、８．５〜１５の繊維であって、より具体的には、例えば、綿、絹、麻、レーヨン系繊維、ポリノジック系繊維、キュプラ系繊維、ウール系繊維などが挙げられる。これら親水性繊維は、単独で用いてもよく、また、２種以上併用してもよい。好ましくは、綿、レーヨン系繊維が用いられる。
【００１７】
また、本発明において、拭き取り層は、芯鞘構造からなる複合繊維を含有していることが好ましい。拭き取り層に、芯鞘構造からなる複合繊維を含有させることで、より一層、掻き取り性能を向上させることができる。
【００１８】
芯鞘構造からなる複合繊維としては、上記した各種の繊維の芯鞘構造からなる複合繊維が挙げられ、より具体的には、例えば、ポリエチレン／ポリプロピレン、ポリエチレン／ポリブテン、ポリプロピレン／ポリブテンなどのポリオレフィン系親油性繊維のみから形成される芯鞘構造からなる複合繊維や、ポリオレフィン系親油性繊維／ポリオレフィン系親油性繊維以外の親油性繊維から形成される芯鞘構造からなる複合繊維、さらには、ポリオレフィン系親油性繊維／親水性繊維から形成される芯鞘構造からなる複合繊維などが挙げられる。このような芯鞘構造からなる複合繊維は、単独で用いてもよく、また、２種以上併用してもよい。好ましくは、ポリオレフィン系親油性繊維のみから形成される芯鞘構造からなる複合繊維、さらに好ましくは、芯成分がポリプロピレンであり、鞘成分がポリブテンである芯鞘構造からなる複合繊維が用いられる。芯成分がポリプロピレンであり、鞘成分がポリブテンである芯鞘構造からなる複合繊維を用いれば、各々がもつ繊維の強度を高めることが可能であり、顕著な掻き取り性能を発現することができる。
【００１９】
拭き取り層において、このような芯鞘構造からなる複合繊維が含有される割合は、拭き取り層においてポリオレフィン系親油性繊維が５０重量％以上含有されていれば、特に制限されないが、例えば、５０重量％以上、さらには、９０〜１００重量％、とりわけ、１００重量％含有されていることが好ましい。
【００２０】
すなわち、本発明では、拭き取り層において、ポリオレフィン系親油性繊維が５０重量％以上含有されていれば、そのポリオレフィン系親油性繊維は、芯鞘構造からなる複合繊維として含有されていてもよく、また、芯鞘構造でない通常の繊維として含有されていてもよい。また、これとは逆に、ポリオレフィン系親油性繊維が５０重量％以上含有されていれば、ポリオレフィン系親油性繊維以外の親油性繊維や親水性繊維は、ポリオレフィン系親油性繊維とともに、芯鞘構造からなる複合繊維として含有されていてもよく、また、芯鞘構造でない通常の繊維として含有されていてもよい。
【００２１】
なお、ポリオレフィン系親油性繊維が５０重量％以上含有されていれば、ポリオレフィン系親油性繊維以外の親油性繊維／親水性繊維から形成される芯鞘構造からなる複合繊維、ポリオレフィン系親油性繊維以外の親油性繊維のみから形成される芯鞘構造からなる複合繊維、あるいは、親水性繊維のみから形成される芯鞘構造からなる複合繊維を含有させてもよいが、芯鞘構造からなる複合繊維としては、好ましくは、少なくともポリオレフィン系親油性繊維が含有されている芯鞘構造からなる複合繊維が用いられる。
【００２２】
なお、このような芯鞘構造からなる複合繊維は、公知の方法により、例えば、同心芯鞘型、偏心芯鞘型などとして形成されるが、本発明においては、同心芯鞘型が好ましく用いられる。
【００２３】
また、本発明において、保持層は、親水性繊維を５０重量％以上含有している。親水性繊維を５０重量％以上含有することで、洗浄剤を良好に保持することができる。
【００２４】
親水性繊維としては、上記した親水性繊維と同様に、公定水分率が８以上、好ましくは、８．５〜１５の繊維であって、より具体的には、例えば、綿、絹、麻、レーヨン系繊維、ポリノジック系繊維、キュプラ系繊維、ウール系繊維などが挙げられる。これら親水性繊維は、単独で用いてもよく、また、２種以上併用してもよい。好ましくは、綿、レーヨン系繊維、さらに好ましくは、レーヨン系繊維が用いられる。レーヨン系繊維を用いれば、保持層において洗浄剤を良好に保持することができる。
【００２５】
また、保持層は、このような親水性繊維を、保持層中、５０重量％以上、好ましくは、８０〜１００重量％、さらに好ましくは、１００重量％含有している。
親水性繊維の含有量が、これより少ないと、洗浄剤の保持性能が低下する。
【００２６】
また、保持層には、親水性繊維が、上記した割合で含有されていれば、それ以外の繊維を含有していてもよい。そのような繊維としては、その目的および用途によって、親油性繊維から適宜選択される。
【００２７】
親油性繊維としては、ポリオレフィン系親油性繊維を含み、上記した親油性繊維と同様に、公定水分率が８未満、好ましくは、０〜７．５の繊維であって、より具体的には、例えば、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリブテン繊維、アセテート系繊維、プロミックス系繊維、ビニロン系繊維、ナイロン系繊維、トリアセテート系繊維、ポリクラール系繊維、アクリル系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリエチレンテレフタレート系繊維、ポリエステル系繊維、フッ素系繊維、ビニリデン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維などが挙げられる。これら親油性繊維は、単独で用いてもよく、また、２種以上併用してもよい。好ましくは、アクリル系繊維、ポリエチレンテレフタレート系繊維が用いられる。
【００２８】
また、本発明において、保持層に保持される洗浄剤としては、特に制限されないが、アルコール類、有機酸塩類および水を含有していることが好ましい。アルコール類、有機酸塩類および水を含有する洗浄剤であれば、保持層において良好に保持され、かつ、無機塩やアミンなどが含まれないため、手肌に対する安全性を確保でき、また、富栄養化に対する影響を低減することができる。
【００２９】
アルコール類としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。これらアルコール類は、単独で用いてもよく、また、２種以上併用してもよい。好ましくは、安全性および拭き取り後の揮発性の観点から、エチルアルコールが用いられる。
【００３０】
有機酸塩類としては、例えば、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、コハク酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウムなどが挙げられる。これら有機酸塩類は、単独で用いてもよく、また、２種以上併用してもよい。有機酸塩類を用いれば、安全性の向上を図ることができる。好ましくは、クエン酸ナトリウムが用いられる。
【００３１】
そして、洗浄剤は、例えば、アルコール類が洗浄剤中に５〜２０重量％、好ましくは、８〜１５重量％となるように、また、有機酸塩類が洗浄剤中に０．１〜３．０重量％、好ましくは、０．２〜２．０重量％となるように、そして、水がそれらの残量となるようにして、アルコール類、有機酸塩類および水を配合することにより、調製することができる。なお、このような洗浄剤には、防腐剤などの公知の添加剤を適宜配合してもよい。
【００３２】
このような洗浄剤であれば、そのｐＨがほぼ７付近であり、拭き取り面および手肌に対する影響を顕著に低減することができる。
【００３３】
そして、本発明の拭き取り用クロスは、特に制限されないが、例えば、拭き取り層および保持層を形成するとともに、保持層に洗浄剤を含浸させることによって、得ることができる。
【００３４】
例えば、拭き取り層や保持層は、乾式法、湿式法（抄紙方式）、水流交絡法（ウォータージェット法）などの公知の方法によって不織布として形成し、それらを、接着剤または熱融着によって接着することにより、２層構造のクロスとして形成することができる。
【００３５】
より具体的には、例えば、まず、保持層を、乾式法や湿式法（抄紙方式）などの公知の方法によって不織布として形成し、次いで、その保持層の上に、溶融状態にある拭き取り層を形成する繊維を均一に落下させて、これらを保持層に熱融着させることにより、２層構造のクロスとして形成することができる。
【００３６】
なお、拭き取り層および保持層を積層する割合は、特に制限されないが、例えば、拭き取り層１００容量部に対して、保持層が、４０〜８０容量部、好ましくは、５０〜７０容量部であり、より具体的には、拭き取り層が、ほぼ均一な厚み（３×１０６Ｎ／ｍ２の加圧下における厚み、以下同じ）として、０．２〜０．８ｍｍ、好ましくは、０．３〜０．７ｍｍとして形成され、保持層が、ほぼ均一な厚みとして、０．１〜０．５ｍｍ、好ましくは、０．２〜０．４ｍｍとして形成されることが好ましい。このような割合とすることにより、保持層により十分量の洗浄剤を保持しつつ、拭き取り層において良好な掻き取り性能を発現させることができる。
【００３７】
また、保持層に洗浄剤を含浸させるには、特に制限されないが、例えば、ディップロールコーター法、グラビアロールコーター法、スプレーコート法、リバースロールコーター法、ダイレクトロールコーター法、キスロールコーター法、インバースナイフコーター法、エアナイフコーター法、オポジットナイフコーター法、ハケ塗り法などの公知の方法を用いて含浸させればよい。なお、保持層の上からシャワー状に洗浄剤をかけるシャワー法によって含浸することもできる。洗浄剤を含浸させる割合は、例えば、保持層の重量に対して、３〜７倍、好ましくは、４〜６倍程度であることが好ましい。
【００３８】
このようにして得られる本発明の拭き取り用クロスは、拭き取り面に接触する拭き取り層が、ポリオレフィン系親油性繊維を５０重量％以上含有しているため、油とのなじみがよく、かつ、拭き取り面に対する機械的強度が保持されるので、良好な掻き取り性能が発現され、しかも、保持層において保持される洗浄剤が、拭き取り層の表面から滲み出すため、たとえ頑固な油汚れなどであっても、簡単かつ十分に払拭することができる。
【００３９】
また、本発明の拭き取り用クロスは、一度の払拭で、汚れの掻き取りおよび洗浄を実施できるので、例えば、研磨剤を用いる場合のように、研磨剤による研磨およびその研磨剤の拭き取りのような二度拭きを必要とせず、清掃作業の効率化を図ることができる。
【００４０】
そのため、本発明の拭き取り用クロスは、特に制限されないが、家庭用台所や業務用厨房などにおいて、オーブンレンジや換気扇などに付着した油汚れ、とりわけ、こびりついて炭化したような油汚れを清掃するためのウエットクロスとして、好適に用いることができる。
【００４１】
【実施例】
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これら実施例および比較例に何ら限定されるものではない。
【００４２】
１）実施例および比較例の調製
表１に示す組成および割合で、実施例１〜７および比較例１〜６の拭き取り用クロスを調製した。
【００４３】
より具体的には、表１に示す組成および割合（各層における重量％）において、まず、保持層をウォータージェット法により、厚さ０．３ｍｍの不織布として調製した。次いで、この保持層の上に、溶融した拭き取り層を形成する繊維を、均一に落下させて、拭き取り層を、厚さ０．５ｍｍの不織布として保持層の上に熱融着させた。その後、表１に示す組成および割合において配合されている洗浄剤８ｇ（保持層に対して重量で約５倍）を、保持層に、シャワー法により含浸することによって、拭き取り用クロスを調製した。
【００４４】
２）評価
得られた各実施例および各比較例の拭き取り用クロスを用いて、５×５ｃｍ２の面積の油汚れを５往復払拭したときの掻き取り性能、洗浄性能を下記のランクにより評価するとともに、洗浄剤の含浸前後の重量変化から洗浄剤の保持性能を、下記のランクにより評価した。その結果を表１に示す。
【００４５】
なお、掻き取り性能の評価は、洗浄剤の含浸前のものについて実施し、洗浄性能は、洗浄剤の含浸後のものについて実施した。
【００４６】
（掻き取り性能）
掻き取り性能を次の通り評価した。
【００４７】
◎：面積の３／４以上払拭できた
○：面積の２／４以上３／４未満払拭できた
△：面積の１／４以上２／４未満払拭できた
×：面積の１／４未満しか払拭できなかった
（洗浄性能）
洗浄性能を次の通り評価した。
【００４８】
◎：面積の４／５以上払拭できた
○：面積の３／５以上４／５未満払拭できた
△：面積の２／５以上３／５未満払拭できた
×：面積の２／５未満しか払拭できなかった
（洗浄剤の保持性能）
洗浄剤の保持性能を次の通り評価した。
【００４９】
◎：含浸された洗浄液の全てを保持できた
○：含浸された洗浄液の３／４以上を保持できた
△：含浸された洗浄液の２／４以上３／４未満を保持できた
×：含浸された洗浄液の２／４未満しか保持できなかった
【００５０】
【表１】
【発明の効果】
本発明の拭き取り用クロスによれば、たとえ頑固な油汚れなどであっても、簡単かつ十分に払拭することができる。そのため、本発明の拭き取り用クロスは、家庭用台所や業務用厨房などにおいて、オーブンレンジや換気扇などに付着した油汚れ、とりわけ、こびりついて炭化したような油汚れを清掃するためのウエットクロスとして、好適に用いることができる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a wiping cloth, and more particularly to a wiping cloth for wiping stubborn dirt such as oily dirt.
[0002]
[Prior art]
In household kitchens and commercial kitchens, oil stains attached to microwave ovens, ventilation fans, etc., especially oily stains that are sticky and carbonized, are difficult to clean and conventionally remove such oil stains. Therefore, various wet cloths containing a cleaning agent or an abrasive have been proposed.
[0003]
For example, in JP-A-2002-263443, the surface layer portion is formed from a thermoplastic fiber layer such as a polyester core-sheath type conjugate fiber, and the back layer portion is formed from a hydrophilic fiber layer such as rayon fiber. Nonwoven fabrics for wiping have been proposed.
[0004]
[Patent Document 1]
[Patent Document 1] Japanese Patent Application Laid-Open No. 2002-263443 [Problems to be Solved by the Invention]
However, in the nonwoven fabric for wiping described in JP-A-2002-263443, the surface layer portion is formed from a thermoplastic fiber layer such as a polyester-based core-in-sheath type conjugate fiber, but the affinity with oil is insufficient. Further, since the strength for scraping off oil stains is not sufficient, there is a demand for a practically simple and sufficient one to wipe off oil stains.
[0005]
The present invention has been made in view of such circumstances, and an object of the present invention is to provide a wiping cloth that can easily and sufficiently wipe even stubborn oil stains. .
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the wiping cloth of the present invention includes a wiping layer in contact with a wiping surface and a holding layer for holding a cleaning agent, wherein the wiping layer is made of a polyolefin-based lipophilic fiber. % By weight, and wherein the holding layer contains 50% by weight or more of hydrophilic fibers.
[0007]
Further, in the present invention, the wiping layer preferably contains a composite fiber having a core-sheath structure, and the core component of the core-sheath structure is preferably polypropylene, and the sheath component is preferably polybutene.
[0008]
In the present invention, it is preferable that the hydrophilic fibers of the holding layer are rayon-based fibers.
[0009]
In the present invention, it is preferable that the cleaning agent contains alcohols, organic acid salts, and water.
[0010]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The wiping cloth of the present invention includes a wiping layer that comes into contact with a wiping surface and a holding layer that holds a cleaning agent.
[0011]
In the present invention, the wiping layer contains the polyolefin-based lipophilic fiber in an amount of 50% by weight or more. By containing the polyolefin-based lipophilic fiber in an amount of 50% by weight or more, it is possible to improve the affinity with the oil, maintain the mechanical strength on the wiping surface, and exhibit good scraping performance.
[0012]
Examples of the polyolefin-based lipophilic fiber include fibers such as polyethylene, polypropylene, polybutene, and copolymers thereof. These polyolefin-based lipophilic fibers may be used alone or in combination of two or more. Preferably, fibers of polypropylene and polybutene are used.
[0013]
Further, the wiping layer contains such a polyolefin-based lipophilic fiber in the wiping layer in an amount of 50% by weight or more, preferably 80 to 100% by weight, and more preferably 100% by weight. When the content of the polyolefin-based lipophilic fiber is less than this, the scraping performance is reduced.
[0014]
The wiping layer may contain other fibers as long as the polyolefin-based lipophilic fibers are contained in the above-described ratio. Such fibers are appropriately selected from lipophilic fibers and / or hydrophilic fibers other than polyolefin-based lipophilic fibers depending on the purpose and use.
[0015]
The lipophilic fiber other than the polyolefin-based lipophilic fiber is a fiber having an official moisture regain of less than 8, preferably from 0 to 7.5, and more specifically, for example, an acetate-based fiber, a promix-based fiber , Vinylon fiber, nylon fiber, triacetate fiber, polychloral fiber, acrylic fiber, polyurethane fiber, polyethylene terephthalate fiber, polyester fiber, fluorine fiber, vinylidene fiber, polyvinyl chloride fiber, etc. Can be These lipophilic fibers may be used alone or in combination of two or more. Preferably, acrylic fibers and polyethylene terephthalate fibers are used.
[0016]
The hydrophilic fiber is a fiber having an official moisture regain of 8 or more, preferably 8.5 to 15, and more specifically, for example, cotton, silk, hemp, rayon-based fiber, polynosic-based fiber , Cupra-based fibers, wool-based fibers and the like. These hydrophilic fibers may be used alone or in combination of two or more. Preferably, cotton or rayon-based fibers are used.
[0017]
In the present invention, the wiping layer preferably contains a composite fiber having a core-sheath structure. By including a composite fiber having a core-sheath structure in the wiping layer, the scraping performance can be further improved.
[0018]
Examples of the composite fiber having a core-in-sheath structure include composite fibers having a core-in-sheath structure of the above-described various fibers. More specifically, for example, polyolefin-based materials such as polyethylene / polypropylene, polyethylene / polybutene, and polypropylene / polybutene Composite fibers having a core-in-sheath structure formed only from lipophilic fibers, composite fibers having a core-in-sheath structure formed from lipophilic fibers other than polyolefin-based lipophilic fibers / polyolefin-based lipophilic fibers, and polyolefin-based fibers. Composite fibers having a core-in-sheath structure formed of lipophilic fibers / hydrophilic fibers are exemplified. The composite fiber having such a core-sheath structure may be used alone or in combination of two or more. Preferably, a composite fiber having a core-in-sheath structure formed only of polyolefin-based lipophilic fibers, and more preferably, a composite fiber having a core-in-sheath structure in which the core component is polypropylene and the sheath component is polybutene is used. If a composite fiber having a core-sheath structure in which the core component is polypropylene and the sheath component is polybutene is used, the strength of each fiber can be increased, and remarkable scraping performance can be exhibited.
[0019]
The proportion of the conjugate fiber having such a core-sheath structure in the wiping layer is not particularly limited as long as the wiping layer contains 50% by weight or more of the polyolefin-based lipophilic fiber. As described above, the content is more preferably 90 to 100% by weight, particularly preferably 100% by weight.
[0020]
That is, in the present invention, if the wiping layer contains 50% by weight or more of the polyolefin-based lipophilic fiber, the polyolefin-based lipophilic fiber may be included as a composite fiber having a core-sheath structure, May be contained as ordinary fibers having no core-sheath structure. Conversely, if the polyolefin-based lipophilic fiber is contained in an amount of 50% by weight or more, the lipophilic fiber and the hydrophilic fiber other than the polyolefin-based lipophilic fiber have a core-sheath structure together with the polyolefin-based lipophilic fiber. May be contained as a conjugate fiber composed of, or may be contained as a normal fiber having no core-sheath structure.
[0021]
If the polyolefin-based lipophilic fiber is contained in an amount of 50% by weight or more, a composite fiber having a core-in-sheath structure formed of a lipophilic fiber other than the polyolefin-based lipophilic fiber / hydrophilic fiber, and other than the polyolefin-based lipophilic fiber A conjugate fiber having a core-in-sheath structure formed only of lipophilic fibers, or a composite fiber having a core-in-sheath structure formed only of hydrophilic fibers may be contained. Preferably, a conjugate fiber having a core-sheath structure containing at least a polyolefin-based lipophilic fiber is used.
[0022]
The conjugate fiber having such a core-sheath structure is formed by a known method, for example, as a concentric core-sheath type, an eccentric core-sheath type, and the like. In the present invention, the concentric core-sheath type is preferably used. .
[0023]
Further, in the present invention, the holding layer contains 50% by weight or more of the hydrophilic fiber. By containing 50% by weight or more of the hydrophilic fiber, the detergent can be favorably held.
[0024]
As the hydrophilic fiber, similarly to the above-mentioned hydrophilic fiber, the official moisture regain is 8 or more, preferably 8.5 to 15, and more specifically, for example, cotton, silk, hemp, Rayon-based fibers, polynosic-based fibers, cupra-based fibers, wool-based fibers, and the like. These hydrophilic fibers may be used alone or in combination of two or more. Preferably, cotton and rayon-based fibers are used, and more preferably, rayon-based fibers are used. If rayon-based fibers are used, the detergent can be favorably retained in the retaining layer.
[0025]
Further, the holding layer contains such hydrophilic fibers in the holding layer in an amount of 50% by weight or more, preferably 80 to 100% by weight, and more preferably 100% by weight.
When the content of the hydrophilic fiber is less than this, the holding performance of the cleaning agent is reduced.
[0026]
In addition, the holding layer may contain other fibers as long as the hydrophilic fibers are contained in the above ratio. Such fibers are appropriately selected from lipophilic fibers depending on the purpose and use.
[0027]
As the lipophilic fiber, a polyolefin-based lipophilic fiber is contained, and like the above-mentioned lipophilic fiber, the official moisture regain is less than 8, preferably 0 to 7.5, and more specifically, For example, polyethylene fiber, polypropylene fiber, polybutene fiber, acetate fiber, promix fiber, vinylon fiber, nylon fiber, triacetate fiber, polyclar fiber, acrylic fiber, polyurethane fiber, polyethylene terephthalate fiber, polyester Fiber, fluorine fiber, vinylidene fiber, polyvinyl chloride fiber and the like. These lipophilic fibers may be used alone or in combination of two or more. Preferably, acrylic fibers and polyethylene terephthalate fibers are used.
[0028]
In the present invention, the cleaning agent held by the holding layer is not particularly limited, but preferably contains alcohols, organic acid salts, and water. A cleaning agent containing alcohols, organic acid salts, and water is well retained in the retaining layer and does not contain inorganic salts or amines. The effect on nutrition can be reduced.
[0029]
Examples of the alcohols include methyl alcohol, ethyl alcohol, propyl alcohol, and isopropyl alcohol. These alcohols may be used alone or in combination of two or more. Preferably, ethyl alcohol is used from the viewpoint of safety and volatility after wiping.
[0030]
Examples of the organic acid salts include sodium citrate, potassium citrate, calcium citrate, sodium succinate, sodium tartrate, potassium tartrate and the like. These organic acid salts may be used alone or in combination of two or more. Use of organic acid salts can improve safety. Preferably, sodium citrate is used.
[0031]
The cleaning agent is, for example, so that alcohols are 5 to 20% by weight, preferably 8 to 15% by weight in the cleaning agent, and organic acid salts are 0.1 to 3% by weight in the cleaning agent. 0% by weight, preferably 0.2-2.0% by weight, and water to their balance, prepared by blending alcohols, organic acid salts and water. can do. In addition, you may mix well-known additives, such as a preservative, with such a cleaning agent suitably.
[0032]
With such a cleaning agent, its pH is around 7, and the effect on the wiping surface and hand skin can be significantly reduced.
[0033]
The wiping cloth of the present invention is not particularly limited, but can be obtained, for example, by forming a wiping layer and a holding layer and impregnating the holding layer with a cleaning agent.
[0034]
For example, the wiping layer and the holding layer are formed as a nonwoven fabric by a known method such as a dry method, a wet method (papermaking method), and a hydroentanglement method (water jet method), and they are bonded by an adhesive or heat fusion. Thereby, it can be formed as a cloth having a two-layer structure.
[0035]
More specifically, for example, first, the holding layer is formed as a nonwoven fabric by a known method such as a dry method or a wet method (papermaking method), and then a wiping layer in a molten state is formed on the holding layer. By dropping the fibers to be formed uniformly and heat-sealing them to the holding layer, a cloth having a two-layer structure can be formed.
[0036]
The ratio of laminating the wiping layer and the holding layer is not particularly limited. For example, with respect to 100 volume parts of the wiping layer, the holding layer is 40 to 80 volume parts, preferably 50 to 70 volume parts, More specifically, the wiping layer has a substantially uniform thickness (thickness under pressure of 3 × 10 6 N / m 2 , the same applies hereinafter) of 0.2 to 0.8 mm, preferably 0.3 to 0 mm. It is preferable that the holding layer is formed to have a substantially uniform thickness of 0.1 to 0.5 mm, preferably 0.2 to 0.4 mm. With such a ratio, it is possible to exhibit good scraping performance in the wiping layer while holding a sufficient amount of the detergent by the holding layer.
[0037]
The impregnation of the cleaning agent into the holding layer is not particularly limited. For example, dip roll coater method, gravure roll coater method, spray coat method, reverse roll coater method, direct roll coater method, kiss roll coater method, inverse roll coater method What is necessary is just to impregnate using well-known methods, such as a knife coater method, an air knife coater method, an opposite knife coater method, and a brush coating method. Note that impregnation can also be performed by a shower method in which a cleaning agent is applied over the holding layer in a shower shape. The rate of impregnation with the detergent is, for example, about 3 to 7 times, preferably about 4 to 6 times the weight of the holding layer.
[0038]
The wiping cloth of the present invention thus obtained has a good affinity with oil and a good wiping surface because the wiping layer in contact with the wiping surface contains 50% by weight or more of polyolefin-based lipophilic fiber. Since the mechanical strength is maintained, good scraping performance is exhibited, and the cleaning agent held in the holding layer oozes out from the surface of the wiping layer, even if it is a stubborn oil stain or the like. Can be wiped off easily and sufficiently.
[0039]
Further, since the wiping cloth of the present invention can wipe off and wash dirt with a single wiping, for example, as in the case of using an abrasive, such as polishing with an abrasive and wiping of the abrasive The cleaning work can be made more efficient without the need for wiping twice.
[0040]
Therefore, the wiping cloth of the present invention is not particularly limited, but is used for cleaning oil stains attached to a microwave oven, a ventilation fan, and the like, particularly, oil stains which are stuck and carbonized in a home kitchen or a commercial kitchen. Can be suitably used as a wet cloth.
[0041]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to Examples and Comparative Examples, but the present invention is not limited to these Examples and Comparative Examples.
[0042]
1) Preparation of Examples and Comparative Examples The wiping cloths of Examples 1 to 7 and Comparative Examples 1 to 6 were prepared with the compositions and ratios shown in Table 1.
[0043]
More specifically, with the composition and ratio (% by weight in each layer) shown in Table 1, first, the holding layer was prepared as a nonwoven fabric having a thickness of 0.3 mm by a water jet method. Next, the fibers forming the molten wiping layer were uniformly dropped on the holding layer, and the wiping layer was heat-sealed as a 0.5 mm-thick nonwoven fabric on the holding layer. Thereafter, the holding layer was impregnated with 8 g (about 5 times the weight of the holding layer by weight) of a cleaning agent having the composition and ratio shown in Table 1 by a shower method to prepare a wiping cloth.
[0044]
2) Evaluation Using the wiping cloths of the respective Examples and Comparative Examples, the scraping performance and the cleaning performance when wiping oil dirt having an area of 5 × 5 cm 2 five times were evaluated according to the following ranks. At the same time, the retention performance of the detergent was evaluated from the change in weight before and after the impregnation with the detergent according to the following rank. Table 1 shows the results.
[0045]
The evaluation of the scraping performance was carried out before the impregnation with the detergent, and the cleaning performance was carried out with the one after the impregnation with the detergent.
[0046]
(Scraping performance)
The scraping performance was evaluated as follows.
[0047]
A: 3/4 or more of the area could be wiped. O: 2/4 to less than 3/4 of the area could be wiped. Δ: 1/4 to less than 2/4 of the area could be wiped. X: Only less than 1/4 of the area. Could not be wiped (cleaning performance)
The cleaning performance was evaluated as follows.
[0048]
◎: 4/5 or more of the area could be wiped ○: 3/5 to less than 4/5 of the area could be wiped △: 2/5 to less than 3/5 of the area could be wiped x: less than 2/5 of the area Could not be wiped (cleaning agent retention performance)
The cleaning agent retention performance was evaluated as follows.
[0049]
◎: All of the impregnated cleaning liquids could be retained. ：: ３ or more of the impregnated cleaning liquids could be retained. Δ: 以上 to ３ of the impregnated cleaning liquids could be retained. X: Impregnated. Less than two-fourths of the washing liquid that was retained.
[Table 1]
【The invention's effect】
According to the wiping cloth of the present invention, even stubborn oil stains can be easily and sufficiently wiped. Therefore, the wiping cloth of the present invention is used as a wet cloth for cleaning oil stains attached to a microwave oven, a ventilation fan, etc., particularly, oily stains which are stuck and carbonized in a home kitchen or a commercial kitchen. It can be suitably used.
