【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた熱安定性を有する有機変性層状珪酸塩及びその組成物に関する。より詳しくは、本発明は、前記有機変性層状珪酸塩及びその組成物を含有させることにより性能を発揮し得る食品・医薬品等の包装材、建築、電気機器、自動車などの部材として利用される難燃性材料、粘度調節剤、化粧品、医薬品、染料等への添加剤、コーティング剤、繊維などポリマーコンポジットの材料分野に関する。
【0002】
【従来の技術】
ベンナイトやモンモリロナイトのような層状珪酸塩の層間に存在する無機カチオンを有機カチオンに置換することにより得られる、いわゆる「有機粘土(有機化層状珪酸塩)」に関する研究は、1945年以降、数多く報告されている。例えば、1947年に提出された米国特許第2,531,369号明細書には、有機粘土を添加することによりポリマーの構造を強化できることが報告されている。また、米国特許第2,531,440号明細書には、有機粘土を有機溶媒中に分散することによりグリースを作成できることが報告されている。
【0003】
層状珪酸塩に含まれるイオン交換可能な親水性無機カチオンをイオン交換反応により有機カチオンへ置換すると、層状珪酸塩は親有機性(親油性)を帯びるようになる(以下、これを「親有機化」という)。このため、この性質を利用して親油性の重合体中に親有機化した層状珪酸塩(以下、これを「有機変性層状珪酸塩」ともいう)を容易に分散することができる。
近年、上記性質を利用して製造された有機変性層状珪酸塩とポリマーとのコンポジット材料に関する数多くの研究が報告されている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。
【0004】
一方、直鎖アルキル基を含む4級アンモニウム塩を含有する有機変性層状珪酸塩は、有機溶媒又は高分子中での分散性に限界があり、充分な分散性が得られないという欠点があった。そこで、近年、この分散性を改善する目的で構造の異なる新たな親有機化剤が開発されている。例えば、分岐アルキル基を有する4級アンモニウム塩やポリアルキレンオキシド基を有する4級アンモニウム塩を含有する有機変性層状珪酸塩は、直鎖アルキル基を有するものと比較して、有機溶媒及び熱可塑性樹脂中における分散性が改善されたことが報告されている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の分岐アルキル基を有する4級アンモニウム塩を含有する有機変性層状珪酸塩は、熱安定性に乏しいという欠点があった。このため、前記4級アンモニウム塩を含有する有機変性層状珪酸塩は、高い融点を有する熱可塑性樹脂中で溶融混練を行った場合、混練中に4級アンモニウム塩の熱分解が進行するという問題が指摘されていた。また、この4級アンモニウム塩を含有する有機変性層状珪酸塩をグリースとして有機溶媒中に分散させた場合、高温状態(例えば、モーターの軸受けなどの発熱部位)での使用が制限されるという問題も指摘されていた。さらに、ポリアルキレンオキシド基はアルキル基と比較して熱安定性に劣るため、ポリアルキレンオキシド基を有する4級アンモニウム塩を親有機化剤として含有する有機変性層状珪酸塩は、アルキル基を有する4級アンモニウム塩を含有する場合と比較して、さらに熱安定性が劣るという問題があった。
【0006】
一方、テトラアルキルアンモニウム塩以外の構造を有するキノリニウム骨格を有するシアニン色素を親有機化剤として用い、その会合挙動を検討した例も報告されている(例えば、非特許文献2)。しかし、この層状珪酸塩へのシアニン色素のインターカレート量はわずか5%未満であり、層状珪酸塩は依然として親水性が強く、親有機化は不十分であるという問題があった。
【0007】
したがって、予てから4級アンモニウム塩以外の構造を有する親有機化剤により、4級アンモニウム塩と同等以上に親有機化された層状珪酸塩の開発が望まれていた。
【0008】
かくして、本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、従来の親有機化剤で親有機化された層状珪酸塩と同等以上の熱安定性及び分散性が得られる有機変性層状珪酸塩を提供することにある。また、本発明のもう一つの目的は、前記有機変性層状珪酸塩を含む組成物を提供することにある。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−26655号公報(第2頁の請求項1、第5頁[0023]〜第10頁[0074])
【特許文献2】
特開平9−309720号公報(第2頁の特許請求の範囲、第3頁[0006]〜第6頁[0032])
【特許文献3】
特公昭61−11273号公報(第1頁の特許請求の範囲、第5頁第10欄第37行目〜第6頁第11欄第37行目)
【非特許文献1】
T. J. Pinnavaiaら, Polymer−Clay Nanocomposite, John Wiley & Sons Ltd社,(2000年発行)p97〜189
【非特許文献2】
M. Ogawaら, J. Phys. Chem.,100(1996年発刊),16218頁
【0010】
【課題を解決するための手段】
4級アンモニウム塩は、ホフマン脱離と呼ばれる化学反応により熱分解され、3級アミンとオレフィンが生成するということが一般的に知られている。新有機化剤である4級アンモニウム塩は、融点が高い熱可塑性樹脂中において、このホフマン脱離に起因した熱分解が起こり、熱安定性が損なわれているものと推測される。
本発明者らは、この熱分解反応が窒素原子周辺の化学構造に依存すると考え、種々の含窒素化合物の4級塩について熱安定性を検討した。その結果、本発明者らは、含窒素複素環式化合物の4級塩を含有する有機変性層状珪酸塩が、4級アンモニウム塩を含有する有機変性層状珪酸塩と比較して耐熱性に優れることを見出した。すなわち、本発明者らは、キヌクリジン、N−メチルイミダゾール等の含窒素複素環式化合物の4級塩を含む有機変性層状珪酸塩が、4級アンモニウム塩を含む有機変性層状珪酸塩と比較して、分解開始温度が10〜70℃程度上昇し、含窒素複素環式化合物の4級塩を含む有機変性層状珪酸塩が耐熱性に優れることを見出した。
【0011】
本発明者らは、有機変性層状珪酸塩に関する系統的な研究を行った結果、長鎖ジアルキルジメチルアンモニウム塩及び長鎖トリアルキルメチルアンモニウム塩を含有する有機変性層状珪酸塩が、有機溶媒中で劈開性に優れるという事実を確認した。親有機化剤の分子形状と親疎水性バランスの観点からは、2本のアルキル基は1本の分岐アルキル基に置換可能であることが推察され、事実、分岐アルキル基を有する4級アンモニウム塩を含有する有機変性層状珪酸塩は、直鎖アルキル基を有する4級アンモニウム塩を含有する有機変性層状珪酸塩よりも有機溶媒及び熱可塑性樹脂中での分散性に優れていることは、前述の特許文献2及び3において述べた通りである。
【0012】
本発明者は、上記の2つの検討事実から、「有機溶媒中又は熱可塑性樹脂中で耐熱性に優れる含窒素複素環式化合物の4級塩の親有機化剤を含む有機変性層状珪酸塩は、有機溶媒中又は熱可塑性樹脂中で耐熱性を持つ」、さらに、「有機溶媒中又は熱可塑性樹脂中で耐熱性に優れる含窒素複素環式化合物の4級塩と分散性に優れる分岐アルキル基とを併せ持つ親有機化剤を含む有機変性層状珪酸塩は、有機溶媒中又は熱可塑性樹脂中で分散性及び耐熱性を併せ持つ」という仮説に基づき、様々な含窒素複素環式化合物の系統的な分子設計により、新たな親有機化剤を合成し、鋭意検討を行った結果、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明の目的は、以下の有機変性層状珪酸塩により達成される。
(1)層状珪酸塩の層間に含窒素複素環式化合物の4級塩を含有することを特徴とする有機変性層状珪酸塩。
(2)分解開始温度が200〜350℃である(1)に記載の有機変性層状珪酸塩。
(3)層状珪酸塩に含まれる無機イオンの1モル当量に対して、0.05〜3モル当量の前記含窒素複素環式化合物の4級塩を含有する(1)又は(2)に記載の有機変性層状珪酸塩。
(4)前記含窒素複素環式化合物が、総炭素数9〜100の分岐アルキル鎖を、少なくとも1つ有する含窒素複素環式化合物である(1)〜(3)のいずれかに記載の有機変性層状珪酸塩。
(5)前記分岐アルキル鎖が2位で分岐している(1)〜(4)のいずれかに記載の有機変性層状珪酸塩。
(6)前記分岐アルキル鎖を1つ有する(1)〜(5)のいずれかに記載の有機変性層状珪酸塩。
(7)前記含窒素複素環式化合物が含窒素6員環芳香族化合物である(1)〜(6)のいずれかに記載の有機変性層状珪酸塩。
(8)前記含窒素6員環芳香族化合物の1位以外の位置に置換基を有する(7)に記載の有機変性層状珪酸塩。
(9)前記含窒素複素環式化合物が含窒素5員環芳香族化合物である(1)〜(6)のいずれかに有機変性層状珪酸塩。
(10)前記含窒素5員環芳香族化合物がイミダゾール誘導体である(9)に記載の有機変性層状珪酸塩。
(11)前記イミダゾール誘導体がN−メチルイミダゾール又は1,2,4,5−テトラメチルイミダゾールである(10)に記載の有機変性層状珪酸塩。
(12)前記含窒素複素環式化合物が含窒素飽和環状化合物である(1)〜(6)のいずれかに記載の有機変性層状珪酸塩。
(13)前記含窒素飽和環状化合物がキヌクリジンである(12)に記載の有機変性層状珪酸塩。
(14)前記分岐アルキル鎖が総炭素数12〜50の分岐アルキル鎖である(1)〜(13)のいずれかに記載の有機変性層状珪酸塩。
(14)前記分岐アルキル鎖が総炭素数16〜36の分岐アルキル鎖である(1)〜(13)のいずれかに記載の有機変性層状珪酸塩。
(15)前記分岐アルキル鎖が2−ヘキサデシルイコシル基である(1)〜(13)に記載の有機変性層状珪酸塩。
【0014】
本発明の有機変性層状珪酸塩は、親有機化剤として含窒素複素環式化合物の4級塩を含有する。このため、本発明の有機変性層状珪酸塩は、親有機化剤として従来の4級アンモニウム塩を含有する有機変性層状珪酸塩と同等以上の効果、すなわち、良好な分散性と分解開始温度が200℃以上であるという優れた耐熱性とを有する。
【0015】
また、本発明の別の目的は、上記有機変性層状珪酸塩と有機溶媒とからなる組成物又は上記有機変性層状珪酸塩と熱可塑性樹脂とからなる組成物によって達成される。
【0016】
本発明の有機変性層状珪酸塩は、有機溶媒中又は熱可塑性樹脂中に良好に分散し混合することができる。これにより本発明の組成物は、優れた熱安定性を有するコンポジット材料としての利用が可能である。
【0017】
【発明の実施の態様】
以下において、本発明の有機変性層状珪酸塩及びその組成物についてさらに詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味として使用される。
【0018】
[本発明の有機変性層状珪酸塩]
本発明の有機変性層状珪酸塩は、層状珪酸塩の層間に親有機化剤である含窒素複素環式化合物の4級塩を含有する。
【0019】
<親有機化剤>
本発明の親有機化剤として使用される含窒素複素環式化合物の4級塩は、特に限定されないが、好ましくは複素環を構成する窒素原子を4級化して得られる化合物である。複素環を構成する元素数は特に限定されないが、好ましくは4〜10員環であり、さらに好ましくは5〜8員環である。また、複素環は、飽和でも不飽和であってもよく、また縮合したものであってもよく、さらに芳香族性を有していてもよい。また、複素環には窒素原子、炭素原子の他に酸素原子や硫黄原子が含まれていてもよい。
【0020】
本発明で使用できる含窒素6員環芳香族化合物としては、例えば、ピリジン、2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピコリン、2,3−ルチジン、2,4−ルチジン、2,5−ルチジン、2,6−ルチジン、3,5−ルチジン、2,4,6−コリジンなどを挙げることができ、1位以外の位置に置換基を有する含窒素6員環芳香族化合物であることが好ましい。
【0021】
本発明で使用できる含窒素5員環芳香族化合物又は含窒素縮合複素環としては、例えば、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、チアゾール、インドール、イソインドール、インダゾール、1H−インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンズイソオキサゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、キノリン、イソキノリン、フェナンスリジン、アクリジン、1,8−ナフタリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、プリン、フェノキサジン、フェノチアジン、フェナジン等や、これらの誘導体を挙げることができる。
【0022】
本発明で使用できる含窒素非芳香族系化合物としては、例えば、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、デカヒドロキノリン、デカヒドロイソキノリン、インドリン、イソインドリン、ピロリジジン、キノリジジン、キヌクリジン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンなどを挙げることができる。
【0023】
本発明の有機変性層状珪酸塩が良好な熱安定性を示すようにするためには、前記含窒素複素環式化合物の置換基として、少なくとも1以上のアルキル鎖、好ましくは総炭素数が9以上の分岐アルキル鎖を有する。より好ましくは分岐アルキル鎖を窒素複素環式化合物の4級塩の窒素原子上に有する場合である。前記アルキル鎖は、総炭素数9〜100の分岐アルキル鎖であることが好ましく、総炭素数12〜50の分岐アルキル鎖であることがより好ましく、総炭素数16〜36の分岐アルキル鎖であることがさらに好ましい。
【0024】
本発明に含有される含窒素複素環式化合物の4級塩は、4級塩を形成する窒素原子及びそれ以外の原子の置換基については特に制限はなく、いかなる置換基を有していてもよいし、また置換基を有していなくてもよい。
【0025】
このような置換基としては、例えば、水素原子(無置換)、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基などが挙げられる。
【0026】
さらに詳しくは、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子);アルキル基(好ましくは総炭素数1〜30のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基);シクロアルキル基(好ましくは総炭素数3〜30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基);ビシクロアルキル基(好ましくは総炭素数5〜30の置換又は無置換のビシクロアルキル基(すなわち、総炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個除去した一価の基)であり、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イルなどが挙げられ、さらに環構造が多いトリシクロ構造なども包含する。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えば、アルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。);
【0027】
アルケニル基(好ましくは総炭素数2〜30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基);シクロアルケニル基(好ましくは、総炭素数3〜30の置換又は無置換のシクロアルケニル基(すなわち、総炭素数3〜30のシクロアルケンから水素原子を一個除去した一価の基)であり、例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イルなどが挙げられる。);ビシクロアルケニル基(置換又は無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、総炭素数5〜30の置換又は無置換のビシクロアルケニル基(すなわち、二重結合を一個持つビシクロアルケンから水素原子を一個除去した一価の基)であり、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イルなどである。);アルキニル基(好ましくは、総炭素数2〜30の置換又は無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基などである)、アリール基(好ましくは総炭素数6〜30の置換又は無置換のアリール基であり、例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基などである。);
【0028】
ヘテロ環基(好ましくは5員若しくは6員の置換若しくは無置換を有する芳香族性又は非芳香族性のヘテロ環化合物から一個の水素原子を除去した一価の基)、さらに好ましくは、総炭素数3〜30の5員又は6員の芳香族性のヘテロ環基であり、例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基などである。);シアノ基;ヒドロキシル基;ニトロ基;カルボキシル基;アルコキシ基(好ましくは、総炭素数1〜30の置換又は無置換のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基などである。);アリールオキシ基(好ましくは総炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールオキシ基であり、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシなどである);シリルオキシ基(好ましくは総炭素数3〜20のシリルオキシ基であり、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシである。);ヘテロ環オキシ基(好ましくは、総炭素数2〜30の置換又は無置換のヘテロ環オキシ基であり、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基などである);
【0029】
アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、総炭素数2〜30の置換又は無置換のアルキルカルボニルオキシ基、総炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基などである);カルバモイルオキシ基(好ましくは総炭素数1〜30の置換又は無置換のカルバモイルオキシ基であり、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基などである。);アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは総炭素数2〜30の置換又は無置換アルコキシカルボニルオキシ基であり、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基である。);アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、総炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基であり、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基などである);
【0030】
アミノ基(好ましくは総炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルアミノ基、総炭素数6〜30の置換又は無置換のアニリノ基であり、例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基などである。);アシルアミノ基(好ましくはホルミルアミノ基、総炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルカルボニルアミノ基、総炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールカルボニルアミノ基であり、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基);アミノカルボニルアミノ基(好ましくは総炭素数1〜30の置換又は無置換のアミノカルボニルアミノ基であり、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基などである);
【0031】
アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは総炭素数2〜30の置換又は無置換アルコキシカルボニルアミノ基であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基である。);アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは総炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基であり、例えばフェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基などである。);スルファモイルアミノ基(好ましくは総炭素数0〜30の置換又は無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基などである。)、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(好ましくは総炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルスルホニルアミノ基、総炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールスルホニルアミノ基であり、例えばメチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基などである);
【0032】
メルカプト基;アルキルチオ基(好ましくは総炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルチオ基であり、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基などが該当する。)、アリールチオ基(好ましくは総炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールチオ基であり、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基などである。);ヘテロ環チオ基(好ましくは総炭素数2〜30の置換又は無置換のヘテロ環チオ基であり、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基などである。);スルファモイル基(好ましくは総炭素数0〜30の置換又は無置換のスルファモイル基であり、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル基などである。);スルホ基;アルキル及びアリールスルフィニル基(好ましくは総炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換又は無置換のアリールスルフィニル基であり、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基などである。);
【0033】
アルキル及びアリールスルホニル基(好ましくは総炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルスルホニル基、総炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールスルホニル基であり、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基などである。);アシル基(好ましくはホルミル基、総炭素数2〜30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、総炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールカルボニル基であって、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基などである。);アリールオキシカルボニル基(好ましくは総炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールオキシカルボニル基であり、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基などである。);アルコキシカルボニル基(好ましくは総炭素数2〜30の置換又は無置換アルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基などである。);
【0034】
カルバモイル基(好ましくは総炭素数1〜30の置換又は無置換のカルバモイル基であり、例えばカルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基などである。)、アリール及びヘテロ環アゾ基(好ましくは総炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールアゾ基、総炭素数3〜30の置換又は無置換のヘテロ環アゾ基であり、例えば、フェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ基などである。);イミド基(好ましくはN−スクシンイミド基、N−フタルイミド基などである。)、ホスフィノ基(好ましくは総炭素数2〜30の置換又は無置換のホスフィノ基であり、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基などである。);ホスフィニル基(好ましくは総炭素数2〜30の置換又は無置換のホスフィニル基であり、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基などである。);
【0035】
ホスフィニルオキシ基(好ましくは総炭素数2〜30の置換又は無置換のホスフィニルオキシ基であり、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基などである。);ホスフィニルアミノ基(好ましくは総炭素数2〜30の置換又は無置換のホスフィニルアミノ基であり、例えばジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基などである。);シリル基(好ましくは総炭素数3〜30の置換又は無置換のシリル基であり、例えばトリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基である。)を挙げることができる。
【0036】
上記の置換基の中で、水素原子を有するものは、これを除去して、上記の基で置換されていてもよい。そのような置換基の例としては、例えば、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基などが挙げられる。具体的には、メチルスルホニルアミノカルボニル基、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル基、アセチルアミノスルホニル基、ベンゾイルアミノスルホニル基などが挙げられる。
【0037】
上記の基のうち、好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アリールチオ基、アリールスルホニル基、シアノ基、カルバモイル基、スルファモイル基であり、さらに好ましくは、アルキル基及びアリール基である。
【0038】
上記含窒素複素環式化合物の4級塩の置換基として好ましい総炭素数9以上の分岐アルキル鎖は、例えば、2−ブチルオクチル基、2−ヘキシルデシル基、2−オクチルドデシル基、2−デシルテトラデシル基、2−ドデシルヘキサデシル基、2−テトラデシルオクタデシル基、2−ヘキサデシルイコシル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル基などを用いることができ、好ましくは2−ブチルオクチル基、2−ヘキシルデシル基、2−オクチルドデシル基、2−デシルテトラデシル基、2−ドデシルヘキサデシル基、2−テトラデシルオクタデシル基、2−ヘキサデシルイコシル基など2位で分岐したアルキル鎖であり、さらに好ましくは2−ヘキサデシルイコシル基を用いることができる。
また、上記分岐アルキル鎖は、アルキル基の一部に不飽和結合(二重結合や三重結合)、エステル基、アミド基、エーテル基、フェニレン基などを含むこともできる。上記総炭素数が9以上の分岐アルキル鎖を有する含窒素複素環式化合物の4級塩は、単独で使用することができ、また複数を組み合わせて使用することもできる。
さらに、分岐アルキル鎖の数は特に限定されないが、1つであることが好ましい。
【0039】
上記含窒素複素環式化合物の4級塩は、4級塩を形成する窒素原子(N+)とアニオン(X−)とからなる。この4級塩を構成するアニオンは特に限定されず、例えば、ハロゲン原子、p−トルエンスルホン酸、BF4、ClO4、PF6、NO3などのアニオンを挙げることができる。
【0040】
本発明で用いられる含窒素複素環式化合物の4級塩は、含窒素複素環式化合物の窒素原子にハロゲン化アルキルを反応させることにより得られる。前記含窒素複素環式化合物の4級塩の原料となる含窒素複素環式化合物は、市販の化合物を用いることができる。
【0041】
本発明で使用できる含窒素複素環式化合物の4級塩の具体的例を以下に示す。但し、本発明で使用可能な含窒素複素環式化合物の4級塩はこれらの化合物に限定されるわけではない。
【0042】
【化1】
【0043】
【化2】
【0044】
長鎖アルキル基を有するジアルキルアンモニウム塩は、水中で熱力学的に安定なラメラ液晶を形成することが報告されている(国枝博信、日本化学会誌、1977、151)。さらに、ジアルキルアンモニウム塩は、水中で生体膜類似の二分子膜構造(合成二分子膜)を形成することも報告されている(国武ら J.Am.Chem.Soc.、99、3860 (1977))。
上記総炭素数9以上の分岐アルキル鎖を有する含窒素複素環式化合物の4級塩は、分子形状と親疎水性バランスの観点から長鎖ジアルキルアンモニウム塩と同様、ラメラ液晶や合成二分子膜を形成するための材料としても良好に用いることができる。このため、総炭素数9以上の分岐アルキル鎖を有する含窒素複素環式化合物の4級塩は、水中又は有機溶媒中で顔料等の分散剤、相間移動触媒、水/油系における超低界面張力発現のための界面活性剤等の用途としても用いることができる。
【0045】
<層状珪酸塩>
本発明で使用できる層状珪酸塩は、特に限定されるものではないが、膨潤性及び/又は劈開性を有する粘土鉱物やハイドロタルサイト類化合物及びその類似化合物が好ましい。これら粘土鉱物としては、例えば、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィライト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ソーコナイト、スチブンサイト、ヘクトライト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライト、白雲母、マーガライト、タルク、バーミキュライト、金雲母、ザンソフィライト、緑泥石などを挙げることができる。前記層状珪酸塩は、天然物であっても合成物であってもよい。また、これらの層状珪酸塩は、単独で用いることができ、また複数を併用することもできる。
【0046】
上記層状珪酸塩の形状は、特に限定されるものではないが、層状珪酸塩が多層に重なっていると有機化した後に劈開することが困難になることから、親有機化されていない層状珪酸塩の厚さは、可能な限り1層における厚み(約1nm)であることが好ましい。また、平均長さは0.01〜50μm、好ましくは0.05〜10μm、アスペクト比は20〜500、好ましくは50〜200であるものを好適に用いることができる。
【0047】
上記層状珪酸塩は、その層間にイオン交換可能な無機カチオンを有する。イオン交換可能な無機カチオンとは、層状珪酸塩の結晶表面上に存在するナトリウム、カリウム、リチウムなどの金属イオンのことである。これらのイオンは、親有機化剤とのイオン交換性を有し、イオン交換反応によりカチオン性を有する種々の物質を上記層状珪酸塩の層間に挿入(インターカレート)できるものが好ましい。
なお、上述した親有機化剤は、有機変性層状珪酸塩の表面及び層間に存在すると考えられ、特に層間に存在することは親有機化された層状珪酸塩の層間隔の拡張をX線を用いて解析することにより容易に確認することができる。
【0048】
上記層状珪酸塩のカチオン交換容量(CEC)は、特に限定されるものではないが、例えば10〜200meq/100gであることが好ましく、50〜150meq/100gであることがより好ましく、90〜130meq/100gであることがさらに好ましい。層状珪酸塩のカチオン交換容量が10meq/100g未満であると、イオン交換により層状珪酸塩の層間に挿入(インターカレート)される含窒素複素環式化合物の4級塩の量が少なくなるために、層間が十分に親有機化されないことがある。一方、カチオン交換容量が200meq/100gを超えると、層状珪酸塩の層間の結合力が強固になりすぎて、結晶薄片が剥離しにくくなり、分散性が悪くなることがある。
【0049】
上記条件を満たす層状珪酸塩の具体例としては、例えば、クニミネ工業のスメクトンSA、クニミネ工業のクニピアF、コープケミカル社のソマシフME−100、コープケミカル社のルーセンタイトSWNなどの商品を挙げることができる。
【0050】
上記層状珪酸塩の層間に含窒素複素環式化合物の4級塩を含有させる方法は、特に限定されないが、合成操作が容易であるという観点からイオン交換反応で無機カチオンを含窒素複素環式化合物の4級塩に交換することにより含有させる方法が好ましい。上記層状珪酸塩のイオン交換可能な無機カチオンを窒素含有複素環式化合物の4級塩とイオン交換する手法は、特に限定されるものではなく、既知の方法を用いることができる。具体的には、水中におけるイオン交換、アルコール中におけるイオン交換、水/アルコール混合溶媒中におけるイオン交換等の手法を用いることができる。例えば、水中におけるイオン交換は、含窒素複素環式化合物の4級塩を水に加えて均一に溶解した水溶液に層状珪酸塩を加えてイオン交換を行う操作を示す。
【0051】
水中におけるイオン交換における含窒素複素環式化合物の4級塩と水との混合比は特に限定されるものではないが、1:1〜1:10000の範囲であることが好ましく、1:10〜1:1000の範囲であることがより好ましく、1:20〜1:200の範囲であることがさらに好ましい。
イオン交換は、0〜100℃の温度で行うことが好ましく、10〜90℃の温度範囲で行うことがより好ましく、20〜80℃の温度範囲で行うことがさらに好ましい。さらに、反応終了後に溶媒、未反応の原料、副成される無機塩をろ過して取り除くことにより、イオン交換された層状珪酸塩を単離することができる。
【0052】
上記イオン交換の進行状況は、既知の方法で確認することができる。例えば、濾液のICP発光分析法により交換された無機イオンを確認する方法、X線解析により層状珪酸塩の層間隔が拡張したことを確認する方法、熱天秤により昇温過程の質量減少から親有機化剤の存在を確認する方法等により、層状珪酸塩のイオン交換可能な無機イオンが含窒素複素環式化合物と置換されたことを確認することができる。イオン交換は、層状珪酸塩のイオン交換可能な無機イオン1当量に対し、0.05当量(5%)〜3当量(300%)の範囲であることが好ましく、0.1当量(10%)〜2.5当量(250%)の範囲であることがより好ましく、0.5当量(50%)〜2当量(200%)の範囲であることがさらに好ましい。
【0053】
本発明の有機変性層状珪酸塩は、4級アンモニウム塩で親有機化された層状珪酸塩と同等以上の分解開始温度を有する。この分解開始温度は、180〜400℃の範囲であり、200〜350℃であることが好ましく、220〜300℃であることがさらに好ましい。
なお、本明細書において分解開始温度とは、アルゴン雰囲気下における10℃/minの昇温過程において親有機化剤の質量が有機変性層状珪酸塩の全質量に対して1%減少する温度をいう。
【0054】
[本発明の組成物]
次に本発明の組成物について説明する。本発明の組成物は、有機変性層状珪酸塩と有機溶媒とからなる組成物である。
本発明の組成物に含まれる有機溶媒は、本発明の有機変性層状珪酸塩との親和性があるものであれば特に限定されるものではない。そのような有機溶媒として、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素;エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジグライム、メチルセロソルブのようなエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンのようなケトン類;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、シクロヘキサン、スクワランのような脂肪族炭化水素;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールのようなアルコール類;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、パークロロエチレン、クロロベンゼンのようなハロゲン系炭化水素;酢酸エチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチルのようなエステル類;ジメチルホルムアミドのようなアミド類;ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類などを挙げることができる。
【0055】
本発明の組成物における有機変性層状珪酸塩と有機溶媒の含有量は、特に限定されるものではないが、有機溶媒中における有機変性層状珪酸塩の割合が0.01〜30質量/容積%であることが好ましく、0.1〜10質量/容積%であることがさらに好ましい。
【0056】
本発明の組成物は、さらに有機変性層状珪酸塩と熱可塑性樹脂とからなる組成物であることができる。本発明の組成物に含まれる熱可塑性樹脂は、有機変性層状珪酸塩の熱分解温度と同等以下のものであれば特に制限されず、公知の熱可塑性樹脂を用いることができる。具体的には、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、シクロオレフィンポリマー、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS)、スチレン/無水マレイン酸共重合体・ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ナイロン6、ナイロン66、酢酸セルロース(TAC)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)などを挙げることができる。
【0057】
有機変性層状珪酸塩を熱可塑性樹脂中へ分散する方法は、特に限定されないが、好ましくは次の2つの方法である。すなわち、第一の方法は、熱可塑性樹脂の融点以上の温度で熱可塑性樹脂と有機変性層状珪酸塩とを混練する方法である。第二の方法は、熱可塑性樹脂を有機溶媒中に均一溶解した後、この溶媒中に有機溶媒に分散した有機変性層状珪酸塩を加え、十分に混合・攪拌した後、有機溶媒を留去することで、熱可塑性樹脂中に有機変性層状珪酸塩を分散する方法である。
【0058】
本発明の有機変性層状珪酸塩及びその組成物は、様々な分野で利用することができる。例えば、本発明の有機変性層状珪酸塩と有機溶媒からなる組成物は、有機溶媒のレオロジー特性を改良することが可能である。したがって、本発明の組成物は、化粧品、医薬品、染料、顔料、紫外線吸収剤等の分散媒として、好ましく用いることができる。また、本発明の組成物を塗布・乾燥することにより、薄膜状の形態として使用することもできる。
さらに、本発明の有機変性層状珪酸塩と熱可塑性樹脂とからなる組成物は、力学特性、帯電性、ガスバリアー性、抗菌性等に優れたコンポジット材料として利用可能である。特に耐熱性の高いプラスチック基板として好ましく用いることができる。
【0059】
本発明の組成物で作製されたフィルム(以下「本フィルム」という)は、本発明の組成物のほかに、他の成分(例えば、帯電防止剤などの添加剤)を添加することができる。本フィルムは、本発明の組成物を通常の溶融押出法、カレンダー法、溶液流延法などを用いてフィルム状にすることにより得られる。また、本フィルムは、さらに一軸延伸又は二軸延伸したものであってもよい。本フィルムは、さらに塗布層との密着を向上させるために、コロナ処理、グロー処理、UV処理、プラズマ処理などにより表面処理されているものであってもよい。
【0060】
本フィルムの厚みは、用途に応じて適宜決定することができるが、好ましくは10〜300μmの範囲であり、さらに好ましくは50〜250μmの範囲である。10μmより薄くなると強度不足や取扱いが困難になり、300μmより厚くなると、透明性の低下や可撓性が損なわれる傾向がある。
【0061】
本フィルムを含む基板は、例えばディスプレイ用基板や電子回路用基板として用いることができる。本フィルムを含む基板をディスプレイ用基板として用いる場合、フィルム上に、電極、誘電体層、保護層、隔壁、蛍光体などを形成してディスプレイ用部材を得ることができ、さらにこれを用いてPDP、PALC、FED、VFD等のディスプレイを作製することができる。また、本フィルムを含む基板を電子回路用基板として用いる場合、フィルム上に回路を形成し、各種の電子機器、半導体素子に用いられる電子回路を作製することができる。その他、本フィルムを含む基板は 太陽電池、電子ペーパー、その他、各種の携帯を目的とした商品などの基板として用いることができる。
【0062】
本フィルムを含む画像表示素子は、液晶素子及び有機EL素子などが挙げられ、有機EL素子は、例えば、特開平11−335661号公報、特開平11−335368号公報、特開2001−192651号公報、特開2001−192652号公報、特開2001−192653号公報、特開2001−335776号公報、特開2001−247859号公報、特開2001−181616号公報、特開2001−181617号公報、特願2001−58834号明細書、特願2001−58835号明細書、特願2001−89663号明細書、特願2001−334858号明細書に記載された態様で用いることが好ましい。
すなわち、本フィルムを含む有機EL素子は、本フィルムを基材フィルム及び/又は保護フィルムとして用いることができる。
【0063】
【実施例】
以下に本発明の実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下の実施例に示される材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
【0064】
(実施例1〜14)
1.含窒素複素環式化合物の4級塩の調製
含窒素複素環式化合物の4級塩の具体例で示した下記の化合物1〜14を調製した。
【0065】
【化3】
【0066】
化合物1は、東京化成社製のものをそのまま使用した。化合物2〜14は、対応する含窒素複素環式化合物にセチルブロマイド(東京化成社製)を反応させて調製したものを用いた。
【0067】
2.有機変性層状珪酸塩の調製
上記化合物1、2、4〜6、10、11及び13の各々0.5gに脱イオン水48.5gを添加して室温で攪拌して化合物1、2、4〜6、10、11及び13を脱イオン水に溶解し、該溶液にソマシフME−100(コープケミカル社製)の1.0gを添加し、室温で1晩静置した後、濾取し、得られた化合物を洗浄して、白色〜淡褐色粉末を得た。
また、化合物3、化合物7〜9、化合物12及び化合物14は、水/イソプロパノール混合溶媒(24.25g/24.25g)に添加して室温で攪拌して溶解した後、この溶液にソマシフME−100(コープケミカル社製)の1.0gを添加し、室温で1晩静置した後、濾取し、得られた化合物を洗浄して、白色〜単褐色粉末を得た。
【0068】
3.有機変性層状珪酸塩の層間隔及び分解開始温度の測定
化合物1〜14により有機化された有機変性層状珪酸塩について、リガク株式会社製RINT−2500を用いて、CuKα線を線源としてθ−2θ法により、2θ=2〜30°の範囲のX線回折を室温で測定することにより層間隔を決定した。さらに、アルゴン雰囲気下、10℃/minの速度で昇温した場合における化合物1〜14の分解開始温度をリガク株式会社製Thermo Plusシステムを用いて測定した。得られた結果を表1に示す。
【0069】
(比較例1)
含窒素複素環式化合物を使用していないソマシフME−100(コープケミカル社製)の層間隔を実施例1と同様の方法により測定した。結果を表1に示す。
【0070】
(比較例2)
実施例1の含窒素複素環式化合物を下記のテトラアルキルアンモニウム塩(下記の化合物31)に変更した以外は実施例1と同様の方法により層間隔及び分解開始温度を測定した。
なお、ここでの分解開始温度とは、この測定方法において親有機化剤の質量が有機変性層状系珪酸塩の全質量に対して1%減少する温度をいう。結果を表1に示す。
【0071】
【化4】
【0072】
【表1】
【0073】
表1より実施例1〜14の有機変性層状珪酸塩は、比較例1の親有機化されていない層状珪酸塩と比較すると、層間隔が1.05〜1.31nmの範囲で拡張した。また、実施例1〜14の有機変性層状珪酸塩の熱分解温度は、比較例2のテトラアルキルアンモニウム塩で親有機化された層状珪酸塩よりも10〜50℃程高かった。これより、本発明の有機変性層状珪酸塩は、テトラアルキルアンモニウム塩と同程度に層間に含窒素複素環式化合物がインターカレート(挿入)でき、かつ熱安定性は比較例2のテトラアルキルアンモニウム塩で親有機化された層状珪酸塩よりも優れていることが分かる。
【0074】
(実施例15〜20及び比較例3及び4)
本実施例では、総炭素数が9以上の分岐アルキル鎖を有する含窒素複素環式化合物の4級塩(化合物A〜D)、総炭素数が9より小さい分岐アルキル鎖を有する含窒素複素環式化合物の4級塩(化合物E)、分岐アルキル基を有しない含窒素複素環式化合物の4級塩(化合物F)、及び分岐アルキル鎖を有するテトラアルキルアンモニウム塩(化合物G)を用いて、有機変性層状珪酸塩における分散性と耐熱性について比較した。
【0075】
1.含窒素複素環式化合物の4級塩の調製
下記の化合物A〜C及びGは、エヌジェコールC32−36(新日本理化製)の水酸基を、四臭化炭素とトリフェニルホスフィンを用いて臭素化することにより合成した分岐ハロゲン化アルキル基(収率76%)を、N−メチルイミダゾール(和光純薬製)、キナクリジン(東京化成製)、1,2,4,5−テトラメチルイミダゾール(東京化成製)又はトリメチルアミン(東京化成製)と反応させてそれぞれ合成した。また、下記の化合物Dは、ファインオキソコール1800(日産化学)の水酸基を三臭化リンを用いて臭素化することにより合成した分岐ハロゲン化アルキル基(収率98%)を、N−メチルイミダゾール(和光純薬製)と反応させて合成した。また、下記の化合物Eは、1−ブロモ−2エチルヘキサン(東京化成製)を、N−メチルイミダゾール(和光純薬製)と反応させて合成した。下記の化合物Fは、セチルブロマイド(東京化成製)をN−メチルイミダゾール(和光純薬製)と反応させて合成した。
【0076】
【化5】
【0077】
2.有機変性層状珪酸塩の調製
前記化合物A〜G(各2.5g)を、水/イソプロピルアルコール混合溶媒(250g:親有機化剤の溶解性により、水の割合を20〜80質量%まで変化させる)に室温で完全に溶解させた後、膨潤性合成雲母(ME−100:コープケミカル社製)又は天然モンモリロナイト(Kunipia F:クニミネ工業社製)(2.5g)を添加し、80℃で1時間攪拌した。反応終了後、溶媒、未反応の原料、副成する無機塩をろ過して取り除き、さらに、反応溶媒と同一組成の水/イソプロピルアルコール混合溶媒で充分に洗浄することで、有機変性層状珪酸塩を単離した。
【0078】
3.有機変性層状珪酸塩の層間隔及び分散性の測定
得られた7種類の有機変性層状珪酸塩の層間隔は、リガク株式会社製RINT−2500を用いて、CuKα線を線源としてθ−2θ法により、2θ=1.2〜30°の範囲のX線回折を室温で測定することにより決定した。クロロホルム及びシクロヘキサン中の分散性に関しては、得られた7種類の層状珪酸塩(各0.25g)を細かく砕いた後、クロロホルム(20.0g)又はシクロヘキサン(10.0g)とともにガラス製サンプル瓶に入れ、10分間超音波照射した後、1晩静置し、分散性を目視で評価した。得られた結果を表2に示す。
【0079】
【表2】
【0080】
表2より、親有機化されていない層状珪酸塩(比較例3)と比較すると、化合物A〜Gで親有機化された層状珪酸塩(実施例15〜20及び比較例4)は、層間隔の拡張が認められており、親有機化剤が層状珪酸塩の層間にインターカレートしたことは明らかである。
【0081】
実施例15〜20の層状珪酸塩と、親有機化されていない層状珪酸塩(比較例3)の有機溶媒中における分散性を比較すると、実施例15〜20の層状珪酸塩は、比較例3の層状珪酸塩よりも良好な分散性が得られた。分散性の効果は、特に総炭素数9以上の分岐アルキル鎖を有する化合物A〜Dにより親有機化された層状珪酸塩(実施例15〜20)において特に顕著であった。
【0082】
さらに、実施例15〜20の層状珪酸塩と比較例4の層状珪酸塩の熱安定性を比較すると、本発明の有機変性層状珪酸塩(実施例15〜20)の方が4級アンモニウム塩を有する化合物Gで親有機化された層状珪酸塩(比較例4)よりも熱安定性に優れていることが分かる。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の有機変性層状珪酸塩は、層間に含窒素複素環式化合物の4級塩を含み、従来の親有機化剤で親有機化された層状珪酸塩と同等にインターカレートでき、かつ従来の親有機化剤以上の分散性及び熱安定性を有する。また、本発明の組成物は、上記有機変性層状珪酸塩を含む組成物であるため、レオロジー特性を改良し、力学特性、帯電性、ガスバリアー性、抗菌性に優れたコンポジット材料として応用可能である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an organically modified layered silicate having excellent thermal stability and a composition thereof. More specifically, the present invention is difficult to be used as a member for packaging materials such as foods and pharmaceuticals, architecture, electrical equipment, automobiles, etc. that can exhibit performance by containing the organically modified layered silicate and the composition thereof. The present invention relates to the field of materials for polymer composites such as flammable materials, viscosity modifiers, cosmetics, pharmaceuticals, additives to dyes, coating agents and fibers.
[0002]
[Prior art]
Many studies on so-called “organoclay (organized layered silicate)” obtained by substituting organic cations with inorganic cations present in layered silicates such as bennite and montmorillonite have been reported since 1945. ing. For example, US Pat. No. 2,531,369 filed in 1947 reports that the structure of a polymer can be strengthened by adding organoclay. Also, US Pat. No. 2,531,440 reports that grease can be prepared by dispersing organoclay in an organic solvent.
[0003]
When the ion-exchangeable hydrophilic inorganic cation contained in the layered silicate is replaced by an organic cation by an ion exchange reaction, the layered silicate becomes oleophilic (lipophilic) (hereinafter referred to as “organophilicity”). "). For this reason, it is possible to easily disperse an organophilic layered silicate (hereinafter also referred to as “organically modified layered silicate”) in an oleophilic polymer using this property.
In recent years, many studies on composite materials of organically modified layered silicates and polymers produced using the above properties have been reported (for example, see Patent Document 1 and Non-Patent Document 1).
[0004]
On the other hand, the organically modified layered silicate containing a quaternary ammonium salt containing a linear alkyl group has a drawback in that sufficient dispersibility cannot be obtained due to limitations in dispersibility in organic solvents or polymers. . In recent years, therefore, new organophilic agents having different structures have been developed for the purpose of improving the dispersibility. For example, the organically modified layered silicate containing a quaternary ammonium salt having a branched alkyl group or a quaternary ammonium salt having a polyalkylene oxide group has a higher organic solvent and thermoplastic resin than those having a linear alkyl group. It has been reported that the dispersibility in the medium has been improved (for example, see Patent Document 2 and Patent Document 3).
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, the above-mentioned organically modified layered silicate containing a quaternary ammonium salt having a branched alkyl group has a drawback of poor thermal stability. For this reason, the organically modified layered silicate containing the quaternary ammonium salt has a problem that the thermal decomposition of the quaternary ammonium salt proceeds during the kneading when it is melt-kneaded in a thermoplastic resin having a high melting point. It was pointed out. In addition, when the organically modified layered silicate containing a quaternary ammonium salt is dispersed as a grease in an organic solvent, there is a problem that use in a high temperature state (for example, a heat generating part such as a motor bearing) is restricted. It was pointed out. Furthermore, since the polyalkylene oxide group is inferior in thermal stability as compared with the alkyl group, the organically modified layered silicate containing a quaternary ammonium salt having a polyalkylene oxide group as an organophilic agent has an alkyl group. There was a problem that the thermal stability was further inferior compared with the case of containing a quaternary ammonium salt.
[0006]
On the other hand, an example in which a cyanine dye having a quinolinium skeleton having a structure other than a tetraalkylammonium salt is used as an organophilic agent and its association behavior has been studied has been reported (for example, Non-Patent Document 2). However, the amount of cyanine dye intercalated in the layered silicate is only less than 5%, and the layered silicate still has a strong hydrophilicity and insufficient organophilicity.
[0007]
Accordingly, it has been desired to develop a layered silicate that has been made organophilic more than or equal to the quaternary ammonium salt by using an organophilic agent having a structure other than the quaternary ammonium salt.
[0008]
Thus, the present invention has been made in view of the above problems, and an object of the present invention is to obtain thermal stability and dispersibility equivalent to or higher than that of a layered silicate that has been made organophilic with a conventional organophilic agent. The object is to provide an organically modified layered silicate. Another object of the present invention is to provide a composition containing the organically modified layered silicate.
[0009]
[Patent Document 1]
JP 2000-26655 A (claim 1 on page 2, page 5 [0023] to page 10 [0074])
[Patent Document 2]
JP-A-9-309720 (claims on page 2, claims 3 [0006] to 6 [0032])
[Patent Document 3]
Japanese Patent Publication No. 61-11273 (claims on the first page, page 5, column 10, line 37 to page 6, column 11, line 37)
[Non-Patent Document 1]
T.A. J. Pinnavaia et al., Polymer-Clay Nanocomposite, John Wiley & Sons Ltd, (issued in 2000) p97-189
[Non-Patent Document 2]
M.M. Ogawa et al., J. MoI. Phys. Chem. , 100 (published in 1996), page 16218
[0010]
[Means for Solving the Problems]
It is generally known that quaternary ammonium salts are thermally decomposed by a chemical reaction called Hoffman elimination to produce tertiary amines and olefins. It is estimated that the quaternary ammonium salt, which is a new organic agent, undergoes thermal decomposition due to this Hoffman detachment in a thermoplastic resin having a high melting point, thereby impairing thermal stability.
The present inventors considered that this thermal decomposition reaction depends on the chemical structure around the nitrogen atom, and examined the thermal stability of various quaternary salts of nitrogen-containing compounds. As a result, the present inventors show that the organically modified layered silicate containing a quaternary salt of a nitrogen-containing heterocyclic compound is superior in heat resistance compared to the organically modified layered silicate containing a quaternary ammonium salt. I found. That is, the present inventors compared organically modified layered silicates containing quaternary salts of nitrogen-containing heterocyclic compounds such as quinuclidine and N-methylimidazole with organically modified layered silicates containing quaternary ammonium salts. It has been found that the decomposition start temperature rises by about 10 to 70 ° C. and the organically modified layered silicate containing a quaternary salt of a nitrogen-containing heterocyclic compound is excellent in heat resistance.
[0011]
As a result of systematic research on the organically modified layered silicate, the present inventors have found that an organically modified layered silicate containing a long-chain dialkyldimethylammonium salt and a long-chain trialkylmethylammonium salt is cleaved in an organic solvent. The fact that it is excellent in the nature was confirmed. From the viewpoint of the molecular shape and hydrophilicity / hydrophobicity balance of the organophilic agent, it is presumed that two alkyl groups can be substituted with one branched alkyl group. In fact, a quaternary ammonium salt having a branched alkyl group is used. The organic modified layered silicate contained is superior in dispersibility in organic solvents and thermoplastic resins than the organic modified layered silicate containing a quaternary ammonium salt having a linear alkyl group. As described in Documents 2 and 3.
[0012]
From the above two examination facts, the present inventor has shown that “an organic modified layered silicate containing a quaternary salt organophilic agent of a nitrogen-containing heterocyclic compound excellent in heat resistance in an organic solvent or a thermoplastic resin is , Having a heat resistance in an organic solvent or a thermoplastic resin, and further, “a quaternary salt of a nitrogen-containing heterocyclic compound having an excellent heat resistance in an organic solvent or a thermoplastic resin and a branched alkyl group having an excellent dispersibility. Based on the hypothesis that organically modified layered silicates containing organophilic agents that combine with both organic solvent and thermoplastic resin have both dispersibility and heat resistance, a systematic approach to various nitrogen-containing heterocyclic compounds. As a result of synthesizing a new organophilic agent by molecular design and conducting intensive studies, the present invention has been completed.
[0013]
That is, the object of the present invention is achieved by the following organically modified layered silicate.
(1) An organically modified layered silicate comprising a quaternary salt of a nitrogen-containing heterocyclic compound between layers of a layered silicate.
(2) The organically modified layered silicate according to (1) having a decomposition start temperature of 200 to 350 ° C.
(3) The quaternary salt of the nitrogen-containing heterocyclic compound is contained in an amount of 0.05 to 3 molar equivalents relative to 1 molar equivalent of inorganic ions contained in the layered silicate. Organically modified layered silicate.
(4) The organic according to any one of (1) to (3), wherein the nitrogen-containing heterocyclic compound is a nitrogen-containing heterocyclic compound having at least one branched alkyl chain having 9 to 100 carbon atoms in total. Modified layered silicate.
(5) The organically modified layered silicate according to any one of (1) to (4), wherein the branched alkyl chain is branched at the 2-position.
(6) The organically modified layered silicate according to any one of (1) to (5), which has one branched alkyl chain.
(7) The organically modified layered silicate according to any one of (1) to (6), wherein the nitrogen-containing heterocyclic compound is a nitrogen-containing 6-membered aromatic compound.
(8) The organically modified layered silicate according to (7), which has a substituent at a position other than the 1-position of the nitrogen-containing 6-membered aromatic compound.
(9) The organically modified layered silicate according to any one of (1) to (6), wherein the nitrogen-containing heterocyclic compound is a nitrogen-containing 5-membered aromatic compound.
(10) The organically modified layered silicate according to (9), wherein the nitrogen-containing 5-membered ring aromatic compound is an imidazole derivative.
(11) The organically modified layered silicate according to (10), wherein the imidazole derivative is N-methylimidazole or 1,2,4,5-tetramethylimidazole.
(12) The organically modified layered silicate according to any one of (1) to (6), wherein the nitrogen-containing heterocyclic compound is a nitrogen-containing saturated cyclic compound.
(13) The organically modified layered silicate according to (12), wherein the nitrogen-containing saturated cyclic compound is quinuclidine.
(14) The organically modified layered silicate according to any one of (1) to (13), wherein the branched alkyl chain is a branched alkyl chain having a total carbon number of 12 to 50.
(14) The organically modified layered silicate according to any one of (1) to (13), wherein the branched alkyl chain is a branched alkyl chain having a total carbon number of 16 to 36.
(15) The organically modified layered silicate according to any one of (1) to (13), wherein the branched alkyl chain is a 2-hexadecylicosyl group.
[0014]
The organically modified layered silicate of the present invention contains a quaternary salt of a nitrogen-containing heterocyclic compound as an organophilic agent. For this reason, the organically modified layered silicate of the present invention has an effect equal to or better than that of the organically modified layered silicate containing a quaternary ammonium salt as an organophilic agent, that is, good dispersibility and decomposition start temperature are 200. It has excellent heat resistance that is not lower than ° C.
[0015]
Another object of the present invention is achieved by a composition comprising the organically modified layered silicate and an organic solvent or a composition comprising the organically modified layered silicate and a thermoplastic resin.
[0016]
The organically modified layered silicate of the present invention can be well dispersed and mixed in an organic solvent or a thermoplastic resin. As a result, the composition of the present invention can be used as a composite material having excellent thermal stability.
[0017]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the organically modified layered silicate and the composition thereof of the present invention will be described in more detail. In the present specification, “to” is used as a meaning including numerical values described before and after the lower limit value and the upper limit value.
[0018]
[Organic Modified Layered Silicate of the Present Invention]
The organically modified layered silicate of the present invention contains a quaternary salt of a nitrogen-containing heterocyclic compound which is an organophilic agent between the layers of the layered silicate.
[0019]
<Organic agent>
Although the quaternary salt of the nitrogen-containing heterocyclic compound used as the organophilic agent of the present invention is not particularly limited, it is preferably a compound obtained by quaternizing the nitrogen atom constituting the heterocyclic ring. The number of elements constituting the heterocyclic ring is not particularly limited, but is preferably a 4- to 10-membered ring, more preferably a 5- to 8-membered ring. The heterocyclic ring may be saturated or unsaturated, may be condensed, and may have aromaticity. Further, the heterocycle may contain an oxygen atom or a sulfur atom in addition to a nitrogen atom and a carbon atom.
[0020]
Examples of the nitrogen-containing 6-membered aromatic compound that can be used in the present invention include pyridine, 2-picoline, 3-picoline, 4-picoline, 2,3-lutidine, 2,4-lutidine, 2,5-lutidine, 2,6-lutidine, 3,5-lutidine, 2,4,6-collidine and the like can be mentioned, and a nitrogen-containing 6-membered aromatic compound having a substituent at a position other than the 1-position is preferable.
[0021]
Examples of the nitrogen-containing 5-membered ring aromatic compound or nitrogen-containing condensed heterocyclic ring that can be used in the present invention include pyrrole, pyrazole, imidazole, triazole, tetrazole, isoxazole, oxazole, thiazole, indole, isoindole, indazole, 1H- Indazole, benzimidazole, benzotriazole, benzisoxazole, benzoxazole, benzothiazole, carbazole, quinoline, isoquinoline, phenanthridine, acridine, 1,8-naphthalidine, quinoxaline, quinazoline, cinnoline, phthalazine, purine, phenoxazine, phenothiazine , Phenazine and the like and derivatives thereof.
[0022]
Examples of the nitrogen-containing non-aromatic compound that can be used in the present invention include pyrrolidine, piperidine, piperazine, morpholine, decahydroquinoline, decahydroisoquinoline, indoline, isoindoline, pyrrolizidine, quinolizidine, quinuclidine, 1,4-diazabicyclo [ 2,2,2] octane and the like.
[0023]
In order for the organically modified layered silicate of the present invention to exhibit good thermal stability, as a substituent of the nitrogen-containing heterocyclic compound, at least one alkyl chain, preferably a total carbon number of 9 or more. Having branched alkyl chains. More preferably, it has a branched alkyl chain on the nitrogen atom of the quaternary salt of the nitrogen heterocyclic compound. The alkyl chain is preferably a branched alkyl chain having a total carbon number of 9 to 100, more preferably a branched alkyl chain having a total carbon number of 12 to 50, and a branched alkyl chain having a total carbon number of 16 to 36. More preferably.
[0024]
The quaternary salt of the nitrogen-containing heterocyclic compound contained in the present invention is not particularly limited as to the substituent of the nitrogen atom and other atoms forming the quaternary salt, and may have any substituent. It does not have to be substituted.
[0025]
Examples of such a substituent include a hydrogen atom (unsubstituted), a halogen atom, an alkyl group (including a cycloalkyl group and a bicycloalkyl group), an alkenyl group (including a cycloalkenyl group and a bicycloalkenyl group), and an alkynyl group. , Aryl group, heterocyclic group, cyano group, hydroxyl group, nitro group, carboxyl group, alkoxy group, aryloxy group, silyloxy group, heterocyclic oxy group, acyloxy group, carbamoyloxy group, alkoxycarbonyloxy group, aryloxycarbonyl Oxy, amino group (including anilino group), acylamino group, aminocarbonylamino group, alkoxycarbonylamino group, aryloxycarbonylamino group, sulfamoylamino group, alkyl and arylsulfonylamino group, mercapto group, alkyl Thio group, arylthio group, heterocyclic thio group, sulfamoyl group, sulfo group, alkyl and arylsulfinyl group, alkyl and arylsulfonyl group, acyl group, aryloxycarbonyl group, alkoxycarbonyl group, carbamoyl group, aryl and heterocyclic azo group Imide group, phosphino group, phosphinyl group, phosphinyloxy group, phosphinylamino group, silyl group and the like.
[0026]
More specifically, a halogen atom (for example, a fluorine atom, a chlorine atom, a bromine atom, an iodine atom); an alkyl group (preferably an alkyl group having 1 to 30 carbon atoms in total, for example, a methyl group, an ethyl group, an n-propyl group, an isopropyl group) Group, t-butyl group, n-octyl group, eicosyl group, 2-chloroethyl group, 2-cyanoethyl group, 2-ethylhexyl group); cycloalkyl group (preferably substituted or unsubstituted cyclohexane having 3 to 30 carbon atoms in total) An alkyl group, for example, a cyclohexyl group, a cyclopentyl group, a 4-n-dodecylcyclohexyl group; a bicycloalkyl group (preferably a substituted or unsubstituted bicycloalkyl group having 5 to 30 carbon atoms (ie, 5 to 30 carbon atoms). A monovalent group in which one hydrogen atom has been removed from the bicycloalkane, for example, bicyclo [1,2,2] he Tan-2-yl, bicyclo [2,2,2] octane-3-yl, etc., and also includes a tricyclo structure having many ring structures, etc. An alkyl group (for example, An alkyl group of an alkylthio group also represents an alkyl group of such a concept);
[0027]
An alkenyl group (preferably a substituted or unsubstituted alkenyl group having 2 to 30 carbon atoms, for example, a vinyl group, an allyl group, a prenyl group, a geranyl group, an oleyl group); a cycloalkenyl group (preferably having 3 to 3 carbon atoms in total) 30 substituted or unsubstituted cycloalkenyl groups (that is, monovalent groups in which one hydrogen atom is removed from a cycloalkene having 3 to 30 carbon atoms in total), for example, 2-cyclopenten-1-yl, 2-cyclohexene -1-yl, etc.); a bicycloalkenyl group (substituted or unsubstituted bicycloalkenyl group, preferably a substituted or unsubstituted bicycloalkenyl group having 5 to 30 carbon atoms in total (that is, one double bond) A monovalent group obtained by removing one hydrogen atom from the bicycloalkene possessed, for example, bicyclo [2,2,1] hept-2-ene-1- Alkynyl group (preferably a substituted or unsubstituted alkynyl group having 2 to 30 carbon atoms, for example, an ethynyl group), bicyclo [2,2,2] oct-2-en-4-yl, etc. , Propargyl group, trimethylsilylethynyl group, etc.), aryl group (preferably a substituted or unsubstituted aryl group having 6 to 30 carbon atoms in total, for example, phenyl group, p-tolyl group, naphthyl group, m-chlorophenyl Group, o-hexadecanoylaminophenyl group, etc.);
[0028]
A heterocyclic group (preferably a monovalent group obtained by removing one hydrogen atom from an aromatic or non-aromatic heterocyclic compound having 5-membered or 6-membered substitution or non-substitution), more preferably total carbon A 3 to 30 5-membered or 6-membered aromatic heterocyclic group, such as a 2-furyl group, a 2-thienyl group, a 2-pyrimidinyl group, and a 2-benzothiazolyl group. A cyano group; a hydroxyl group; a nitro group; a carboxyl group; an alkoxy group (preferably a substituted or unsubstituted alkoxy group having 1 to 30 carbon atoms, for example, a methoxy group, an ethoxy group, an isopropoxy group, t -Butoxy group, n-octyloxy group, 2-methoxyethoxy group, etc.); aryloxy group (preferably a substituted or unsubstituted aryloxy group having 6 to 30 carbon atoms in total, such as phenoxy, 2 -Methylphenoxy, 4-t-butylphenoxy, 3-nitrophenoxy, 2-tetradecanoylaminophenoxy and the like; a silyloxy group (preferably a silyloxy group having 3 to 20 carbon atoms in total, for example, trimethylsilyloxy, t-butyldimethylsilyloxy); heterocyclic oxy group (preferably, total carbon number) 30 is a substituted or unsubstituted heterocyclic oxy group, for example, 1-phenyl-5-oxy group, and a 2-tetrahydropyranyloxy group);
[0029]
Acyloxy group (preferably formyloxy group, substituted or unsubstituted alkylcarbonyloxy group having 2 to 30 carbon atoms, substituted or unsubstituted arylcarbonyloxy group having 6 to 30 carbon atoms, such as formyloxy group, acetyl An oxy group, a pivaloyloxy group, a stearoyloxy group, a benzoyloxy group, a p-methoxyphenylcarbonyloxy group, etc.); a carbamoyloxy group (preferably a substituted or unsubstituted carbamoyloxy group having 1 to 30 carbon atoms in total; For example, N, N-dimethylcarbamoyloxy group, N, N-diethylcarbamoyloxy group, morpholinocarbonyloxy group, N, N-di-n-octylaminocarbonyloxy group, Nn-octylcarbamoyloxy group and the like. .); Alkoxycarbonyloxy group ( Preferably, it is a substituted or unsubstituted alkoxycarbonyloxy group having 2 to 30 carbon atoms, and examples thereof include a methoxycarbonyloxy group, an ethoxycarbonyloxy group, a t-butoxycarbonyloxy group, and an n-octylcarbonyloxy group. An aryloxycarbonyloxy group (preferably a substituted or unsubstituted aryloxycarbonyloxy group having a total carbon number of 7 to 30, for example, phenoxycarbonyloxy group, p-methoxyphenoxycarbonyloxy group, pn-hexa Decyloxyphenoxycarbonyloxy group, etc.);
[0030]
An amino group (preferably a substituted or unsubstituted alkylamino group having 1 to 30 carbon atoms, a substituted or unsubstituted anilino group having 6 to 30 carbon atoms, such as a methylamino group, a dimethylamino group, or an anilino group; N-methyl-anilino group, diphenylamino group, etc.); acylamino group (preferably formylamino group, substituted or unsubstituted alkylcarbonylamino group having 1 to 30 carbon atoms, 6 to 30 carbon atoms in total) Substituted or unsubstituted arylcarbonylamino group, for example, formylamino group, acetylamino group, pivaloylamino group, lauroylamino group, benzoylamino group, 3,4,5-tri-n-octyloxyphenylcarbonylamino group) Aminocarbonylamino group (preferably substituted or unsubstituted aminocarbonyl having 1 to 30 carbon atoms in total) An amino group, for example, carbamoylamino group, N, N-dimethylaminocarbonyl amino group, N, N-diethylamino carbonyl amino group, and the like morpholinocarbonylamino group);
[0031]
Alkoxycarbonylamino group (preferably a substituted or unsubstituted alkoxycarbonylamino group having 2 to 30 carbon atoms, for example, methoxycarbonylamino group, ethoxycarbonylamino group, t-butoxycarbonylamino group, n-octadecyloxycarbonylamino An aryloxycarbonylamino group (preferably a substituted or unsubstituted aryloxycarbonylamino group having a total carbon number of 7 to 30, such as a phenoxycarbonylamino group, p. A chlorophenoxycarbonylamino group, an mn-octyloxyphenoxycarbonylamino group, etc.); a sulfamoylamino group (preferably a substituted or unsubstituted sulfamoylamino group having 0 to 30 carbon atoms in total, for example, , N, N-di Tilaminosulfonylamino group, Nn-octylaminosulfonylamino group, etc.), alkyl and arylsulfonylamino groups (preferably substituted or unsubstituted alkylsulfonylamino group having 1 to 30 carbon atoms, total carbon number) 6-30 substituted or unsubstituted arylsulfonylamino groups such as methylsulfonylamino group, butylsulfonylamino group, phenylsulfonylamino group, 2,3,5-trichlorophenylsulfonylamino group, p-methylphenylsulfonylamino Group);
[0032]
Mercapto group; alkylthio group (preferably a substituted or unsubstituted alkylthio group having 1 to 30 carbon atoms, for example, methylthio group, ethylthio group, n-hexadecylthio group, etc.), arylthio group (preferably total A substituted or unsubstituted arylthio group having 6 to 30 carbon atoms, for example, a phenylthio group, a p-chlorophenylthio group, an m-methoxyphenylthio group, etc .; a heterocyclic thio group (preferably having a total carbon number of 2 A substituted or unsubstituted heterocyclic thio group of -30, such as 2-benzothiazolylthio group, 1-phenyltetrazol-5-ylthio group, etc.); a sulfamoyl group (preferably having a total carbon number of 0 30 substituted or unsubstituted sulfamoyl groups such as N-ethylsulfamoyl group, N- (3-dodecyloxy group). Propyl) sulfamoyl group, N, N-dimethylsulfamoyl group, N-acetylsulfamoyl group, N-benzoylsulfamoyl group, N- (N′-phenylcarbamoyl) sulfamoyl group, etc.); sulfo group Alkyl and arylsulfinyl groups (preferably a substituted or unsubstituted alkylsulfinyl group having 1 to 30 carbon atoms, a substituted or unsubstituted arylsulfinyl group having 6 to 30 carbon atoms, such as a methylsulfinyl group, an ethylsulfinyl group, Phenylsulfinyl group, p-methylphenylsulfinyl group, etc.);
[0033]
Alkyl and arylsulfonyl groups (preferably substituted or unsubstituted alkylsulfonyl groups having 1 to 30 carbon atoms, substituted or unsubstituted arylsulfonyl groups having 6 to 30 carbon atoms, such as methylsulfonyl group, ethylsulfonyl group) Group, phenylsulfonyl group, p-methylphenylsulfonyl group, etc.); acyl group (preferably formyl group, substituted or unsubstituted alkylcarbonyl group having 2 to 30 carbon atoms, substitution having 7 to 30 carbon atoms) Or an unsubstituted arylcarbonyl group, for example, an acetyl group, a pivaloyl group, a 2-chloroacetyl group, a stearoyl group, a benzoyl group, a pn-octyloxyphenylcarbonyl group, etc.); an aryloxycarbonyl group (Preferably a substituted or unsubstituted aryloxycarbo having 7 to 30 carbon atoms in total. Group, for example, phenoxycarbonyl group, o-chlorophenoxycarbonyl group, m-nitrophenoxycarbonyl group, pt-butylphenoxycarbonyl group, etc.); alkoxycarbonyl group (preferably having 2 to 2 carbon atoms in total) 30 substituted or unsubstituted alkoxycarbonyl groups such as a methoxycarbonyl group, an ethoxycarbonyl group, a t-butoxycarbonyl group, an n-octadecyloxycarbonyl group, etc.);
[0034]
A carbamoyl group (preferably a substituted or unsubstituted carbamoyl group having 1 to 30 carbon atoms, such as a carbamoyl group, an N-methylcarbamoyl group, an N, N-dimethylcarbamoyl group, an N, N-di-n-octylcarbamoyl group) Group, N- (methylsulfonyl) carbamoyl group, etc.), aryl and heterocyclic azo group (preferably substituted or unsubstituted arylazo group having 6 to 30 carbon atoms, substituted or unsubstituted having 3 to 30 carbon atoms) Substituted heterocyclic azo groups, such as phenylazo group, p-chlorophenylazo group, 5-ethylthio-1,3,4-thiadiazol-2-ylazo group); imide group (preferably N-succinimide) Groups, N-phthalimide groups, etc.), phosphino groups (preferably substituted or unsubstituted phosphines having 2 to 30 carbon atoms in total) A dimethylphosphino group, a diphenylphosphino group, a methylphenoxyphosphino group, etc.); a phosphinyl group (preferably a substituted or unsubstituted phosphinyl group having 2 to 30 carbon atoms in total, for example, Phosphinyl group, dioctyloxyphosphinyl group, diethoxyphosphinyl group, etc.);
[0035]
A phosphinyloxy group (preferably a substituted or unsubstituted phosphinyloxy group having 2 to 30 carbon atoms, such as a diphenoxyphosphinyloxy group, a dioctyloxyphosphinyloxy group, etc.) A phosphinylamino group (preferably a substituted or unsubstituted phosphinylamino group having 2 to 30 carbon atoms, such as a dimethoxyphosphinylamino group, a dimethylaminophosphinylamino group); Examples thereof include a silyl group (preferably a substituted or unsubstituted silyl group having 3 to 30 carbon atoms, such as a trimethylsilyl group, a t-butyldimethylsilyl group, and a phenyldimethylsilyl group).
[0036]
Among the above substituents, those having a hydrogen atom may be substituted with the above groups by removing this. Examples of such a substituent include an alkylcarbonylaminosulfonyl group, an arylcarbonylaminosulfonyl group, an alkylsulfonylaminocarbonyl group, an arylsulfonylaminocarbonyl group, and the like. Specific examples include a methylsulfonylaminocarbonyl group, a p-methylphenylsulfonylaminocarbonyl group, an acetylaminosulfonyl group, and a benzoylaminosulfonyl group.
[0037]
Of the above groups, a halogen atom, an alkyl group, an aryl group, an alkylthio group, an alkylsulfonyl group, an arylthio group, an arylsulfonyl group, a cyano group, a carbamoyl group, and a sulfamoyl group are preferable, and an alkyl group and an aryl group are more preferable. It is a group.
[0038]
The branched alkyl chain having a total carbon number of 9 or more which is preferable as a substituent for the quaternary salt of the nitrogen-containing heterocyclic compound is, for example, a 2-butyloctyl group, 2-hexyldecyl group, 2-octyldodecyl group, 2-decyl. Tetradecyl group, 2-dodecylhexadecyl group, 2-tetradecyloctadecyl group, 2-hexadecylicosyl group, 3,5,5-trimethylhexyl group, 3,7-dimethyloctyl group, 3,7,11, 15-tetramethylhexadecyl group and the like can be used, and preferably 2-butyloctyl group, 2-hexyldecyl group, 2-octyldodecyl group, 2-decyltetradecyl group, 2-dodecylhexadecyl group, 2- An alkyl chain branched at the 2-position such as a tetradecyloctadecyl group or 2-hexadecylicosyl group, more preferably 2-hexadecyl It can be used icosyl group.
The branched alkyl chain may also contain an unsaturated bond (double bond or triple bond), an ester group, an amide group, an ether group, a phenylene group or the like as part of the alkyl group. The above-mentioned quaternary salt of a nitrogen-containing heterocyclic compound having a branched alkyl chain having 9 or more total carbon atoms can be used alone or in combination.
Further, the number of branched alkyl chains is not particularly limited, but is preferably one.
[0039]
The quaternary salt of the nitrogen-containing heterocyclic compound is a nitrogen atom (N+) And anions (X−). The anion constituting this quaternary salt is not particularly limited. For example, a halogen atom, p-toluenesulfonic acid, BF4, ClO4, PF6, NO3And the like.
[0040]
The quaternary salt of the nitrogen-containing heterocyclic compound used in the present invention can be obtained by reacting an alkyl halide with the nitrogen atom of the nitrogen-containing heterocyclic compound. A commercially available compound can be used for the nitrogen-containing heterocyclic compound used as the raw material of the quaternary salt of the nitrogen-containing heterocyclic compound.
[0041]
Specific examples of the quaternary salt of the nitrogen-containing heterocyclic compound that can be used in the present invention are shown below. However, the quaternary salts of nitrogen-containing heterocyclic compounds that can be used in the present invention are not limited to these compounds.
[0042]
[Chemical 1]
[0043]
[Chemical 2]
[0044]
Dialkylammonium salts having long-chain alkyl groups have been reported to form thermodynamically stable lamellar liquid crystals in water (Hironobu Kunieda, Journal of Chemical Society of Japan, 1977, 151). Furthermore, dialkylammonium salts have also been reported to form a bilayer structure (synthetic bilayer membrane) similar to biological membranes in water (Kunitake et al. J. Am. Chem. Soc., 99, 3860 (1977). ).
The quaternary salt of a nitrogen-containing heterocyclic compound having a branched alkyl chain having a total carbon number of 9 or more forms a lamellar liquid crystal or a synthetic bilayer film like a long-chain dialkylammonium salt from the viewpoint of molecular shape and hydrophilicity / hydrophobicity balance. It can also be used favorably as a material for this purpose. Therefore, a quaternary salt of a nitrogen-containing heterocyclic compound having a branched alkyl chain having a total carbon number of 9 or more is a dispersant such as a pigment, a phase transfer catalyst, or an ultra-low interface in a water / oil system in water or an organic solvent. It can also be used for applications such as surfactants for developing tension.
[0045]
<Layered silicate>
The layered silicate that can be used in the present invention is not particularly limited, but clay minerals, hydrotalcite compounds, and similar compounds having swelling and / or cleavage properties are preferable. Examples of these clay minerals include kaolinite, dickite, nacrite, halloysite, antigolite, chrysotile, pyrophyllite, montmorillonite, beidellite, nontronite, saponite, sauconite, stevensite, hectorite, tetrasilic mica, sodium. Examples include teniolite, muscovite, margarite, talc, vermiculite, phlogopite, xanthophyllite, chlorite. The layered silicate may be a natural product or a synthetic product. In addition, these layered silicates can be used alone or in combination.
[0046]
The shape of the layered silicate is not particularly limited, but it is difficult to cleave after layering if the layered silicate is overlaid in multiple layers. The thickness of is preferably the thickness in one layer (about 1 nm) as much as possible. Further, those having an average length of 0.01 to 50 μm, preferably 0.05 to 10 μm, and an aspect ratio of 20 to 500, preferably 50 to 200 can be suitably used.
[0047]
The layered silicate has an inorganic cation capable of ion exchange between the layers. The ion-exchangeable inorganic cation is a metal ion such as sodium, potassium, or lithium existing on the surface of the layered silicate crystal. These ions preferably have an ion exchange property with the organophilic agent and can insert (intercalate) various substances having a cationic property between the layers of the layered silicate by an ion exchange reaction.
The above-described organophilic agent is considered to exist between the surface and the layer of the organically modified layered silicate, and in particular, the presence of the layer between the layers uses an X-ray to extend the layer spacing of the organophilic layered silicate. This can be easily confirmed by analysis.
[0048]
The cation exchange capacity (CEC) of the layered silicate is not particularly limited, but is preferably 10 to 200 meq / 100 g, more preferably 50 to 150 meq / 100 g, and 90 to 130 meq / More preferably, it is 100 g. When the cation exchange capacity of the layered silicate is less than 10 meq / 100 g, the amount of the quaternary salt of the nitrogen-containing heterocyclic compound inserted (intercalated) between the layers of the layered silicate by ion exchange decreases. In some cases, the interlayer is not sufficiently organophilic. On the other hand, when the cation exchange capacity exceeds 200 meq / 100 g, the bonding force between the layers of the layered silicate becomes too strong, the crystal flakes are difficult to peel off, and the dispersibility may be deteriorated.
[0049]
Specific examples of the layered silicate satisfying the above conditions include, for example, products such as Kunimine Industries 'Smecton SA, Kunimine Industries' Kunipia F, Co-op Chemical's Somasif ME-100, and Co-op Chemical's Lucentite SWN. it can.
[0050]
The method for containing the quaternary salt of the nitrogen-containing heterocyclic compound between the layers of the layered silicate is not particularly limited, but the nitrogen-containing heterocyclic compound contains an inorganic cation by an ion exchange reaction from the viewpoint of easy synthesis operation. The method of containing it by exchanging with the quaternary salt is preferred. The method for ion-exchange of the ion-exchangeable inorganic cation of the layered silicate with a quaternary salt of a nitrogen-containing heterocyclic compound is not particularly limited, and a known method can be used. Specifically, techniques such as ion exchange in water, ion exchange in alcohol, and ion exchange in a water / alcohol mixed solvent can be used. For example, ion exchange in water refers to an operation of performing ion exchange by adding a layered silicate to an aqueous solution in which a quaternary salt of a nitrogen-containing heterocyclic compound is added and uniformly dissolved in water.
[0051]
The mixing ratio of the quaternary salt of the nitrogen-containing heterocyclic compound and water in ion exchange in water is not particularly limited, but is preferably in the range of 1: 1 to 1: 10000, and 1:10 A range of 1: 1000 is more preferable, and a range of 1:20 to 1: 200 is even more preferable.
The ion exchange is preferably performed at a temperature of 0 to 100 ° C, more preferably at a temperature range of 10 to 90 ° C, and further preferably at a temperature range of 20 to 80 ° C. Furthermore, the ion-exchanged layered silicate can be isolated by filtering and removing the solvent, unreacted raw materials, and by-product inorganic salts after completion of the reaction.
[0052]
The progress of the ion exchange can be confirmed by a known method. For example, a method for confirming the exchanged inorganic ions by ICP emission analysis of the filtrate, a method for confirming that the layer spacing of the layered silicate has been expanded by X-ray analysis, and a thermobalance to reduce the mass It can be confirmed that the ion-exchangeable inorganic ion of the layered silicate is replaced with the nitrogen-containing heterocyclic compound by a method for confirming the presence of the agent. The ion exchange is preferably in the range of 0.05 equivalent (5%) to 3 equivalent (300%), and 0.1 equivalent (10%) with respect to 1 equivalent of the ion-exchangeable inorganic ion of the layered silicate. It is more preferably in the range of -2.5 equivalents (250%), and further preferably in the range of 0.5 equivalents (50%) to 2 equivalents (200%).
[0053]
The organically modified layered silicate of the present invention has a decomposition start temperature equal to or higher than that of the layered silicate modified with a quaternary ammonium salt. The decomposition start temperature is in the range of 180 to 400 ° C, preferably 200 to 350 ° C, and more preferably 220 to 300 ° C.
In this specification, the decomposition start temperature refers to a temperature at which the mass of the organophilic agent is reduced by 1% with respect to the total mass of the organically modified layered silicate in the temperature rising process at 10 ° C./min in an argon atmosphere. .
[0054]
[Composition of the present invention]
Next, the composition of the present invention will be described. The composition of the present invention is a composition comprising an organically modified layered silicate and an organic solvent.
The organic solvent contained in the composition of the present invention is not particularly limited as long as it has an affinity for the organically modified layered silicate of the present invention. Examples of such organic solvents include aromatic hydrocarbons such as benzene, toluene and xylene; ethers such as ethyl ether, tetrahydrofuran, diglyme and methyl cellosolve; ketones such as acetone, methyl ethyl ketone, methyl isobutyl ketone and cyclohexanone. Aliphatic hydrocarbons such as n-pentane, n-hexane, n-octane, cyclohexane and squalane; alcohols such as methanol, ethanol, propanol and isopropanol; carbon tetrachloride, chloroform, dichloromethane, 1,2- Halogenated hydrocarbons such as dichloroethane, perchloroethylene and chlorobenzene; esters such as ethyl acetate, dibutyl phthalate and dioctyl phthalate; amides such as dimethylformamide; dimethyl And the like sulfoxides such as sulfoxide.
[0055]
The content of the organically modified layered silicate and the organic solvent in the composition of the present invention is not particularly limited, but the ratio of the organically modified layered silicate in the organic solvent is 0.01 to 30% by mass / volume. It is preferable that it is 0.1 to 10% by mass / volume.
[0056]
The composition of the present invention can be a composition further comprising an organically modified layered silicate and a thermoplastic resin. The thermoplastic resin contained in the composition of the present invention is not particularly limited as long as it is equal to or lower than the thermal decomposition temperature of the organically modified layered silicate, and a known thermoplastic resin can be used. Specifically, polyethylene (PE), polypropylene (PP), polybutadiene, polymethylpentene, cycloolefin polymer, polystyrene (PS), acrylonitrile / butadiene / styrene copolymer (ABS), styrene / maleic anhydride copolymer -Polyvinyl chloride (PVC), polyethylene terephthalate (PET), polyethylene naphthalate (PEN), polymethyl methacrylate (PMMA), nylon 6, nylon 66, cellulose acetate (TAC), polycarbonate (PC), modified polyphenylene ether ( m-PPE), polyphenylene sulfide (PPS), polyetherketone (PEK), polyetheretherketone (PEEK), polysulfone (PSF), polyethersulfone (PES), polyphenyle Sulfide (PPS), and the like a liquid crystal polymer (LCP).
[0057]
The method for dispersing the organically modified layered silicate into the thermoplastic resin is not particularly limited, but the following two methods are preferred. That is, the first method is a method of kneading the thermoplastic resin and the organically modified layered silicate at a temperature equal to or higher than the melting point of the thermoplastic resin. In the second method, after the thermoplastic resin is uniformly dissolved in an organic solvent, an organically modified layered silicate dispersed in the organic solvent is added to the solvent, and after sufficiently mixing and stirring, the organic solvent is distilled off. Thus, this is a method of dispersing an organically modified layered silicate in a thermoplastic resin.
[0058]
The organically modified layered silicate and the composition thereof of the present invention can be used in various fields. For example, the composition comprising the organically modified layered silicate and the organic solvent of the present invention can improve the rheological properties of the organic solvent. Therefore, the composition of the present invention can be preferably used as a dispersion medium for cosmetics, pharmaceuticals, dyes, pigments, ultraviolet absorbers and the like. Moreover, it can also be used as a thin film form by apply | coating and drying the composition of this invention.
Furthermore, the composition comprising the organically modified layered silicate of the present invention and a thermoplastic resin can be used as a composite material having excellent mechanical properties, charging properties, gas barrier properties, antibacterial properties, and the like. In particular, it can be preferably used as a plastic substrate having high heat resistance.
[0059]
In addition to the composition of the present invention, other components (for example, additives such as an antistatic agent) can be added to the film produced from the composition of the present invention (hereinafter referred to as “the present film”). The present film can be obtained by forming the composition of the present invention into a film using a usual melt extrusion method, calendar method, solution casting method, or the like. The film may be further uniaxially or biaxially stretched. The film may be surface-treated by corona treatment, glow treatment, UV treatment, plasma treatment or the like in order to further improve the adhesion with the coating layer.
[0060]
Although the thickness of this film can be suitably determined according to a use, Preferably it is the range of 10-300 micrometers, More preferably, it is the range of 50-250 micrometers. If the thickness is less than 10 μm, the strength is insufficient and handling becomes difficult, and if the thickness is more than 300 μm, transparency tends to be lowered and flexibility tends to be impaired.
[0061]
The board | substrate containing this film can be used as a display board | substrate or an electronic circuit board | substrate, for example. When a substrate containing this film is used as a display substrate, an electrode, a dielectric layer, a protective layer, a partition wall, a phosphor, etc. can be formed on the film to obtain a display member. , PALC, FED, VFD, and other displays can be manufactured. Moreover, when using the board | substrate containing this film as a board | substrate for electronic circuits, a circuit can be formed on a film and the electronic circuit used for various electronic devices and a semiconductor element can be produced. In addition, the substrate including this film can be used as a substrate for solar cells, electronic paper, and other products intended for portable use.
[0062]
Examples of the image display element including the film include a liquid crystal element and an organic EL element. Examples of the organic EL element include Japanese Patent Laid-Open Nos. 11-335661, 11-335368, and 2001-192651. JP-A-2001-192652, JP-A-2001-192653, JP-A-2001-335776, JP-A-2001-247859, JP-A-2001-181616, JP-A-2001-181617, It is preferably used in the form described in Japanese Patent Application No. 2001-58834, Japanese Patent Application No. 2001-58835, Japanese Patent Application No. 2001-89663, and Japanese Patent Application No. 2001-334858.
That is, the organic EL element containing this film can use this film as a base film and / or a protective film.
[0063]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples of the present invention. In addition, the material, usage-amount, ratio, processing content, processing procedure, etc. which are shown in the following Examples can be changed suitably unless it deviates from the meaning of this invention. Therefore, the scope of the present invention should not be construed as being limited by the specific examples shown below.
[0064]
(Examples 1-14)
1.Preparation of quaternary salt of nitrogen-containing heterocyclic compound
The following compounds 1 to 14 shown in the specific examples of the quaternary salt of the nitrogen-containing heterocyclic compound were prepared.
[0065]
[Chemical 3]
[0066]
Compound 1 was used as it was from Tokyo Chemical Industry. Compounds 2 to 14 were prepared by reacting the corresponding nitrogen-containing heterocyclic compound with cetyl bromide (manufactured by Tokyo Chemical Industry Co., Ltd.).
[0067]
2.Preparation of organically modified layered silicate
40.5 g of deionized water was added to 0.5 g of each of the compounds 1, 2, 4 to 6, 10, 11 and 13, and the mixture was stirred at room temperature to give compounds 1, 2, 4 to 6, 10, 11 and 13 Is dissolved in deionized water, 1.0 g of Somasifu ME-100 (manufactured by Co-op Chemical) is added to the solution, and the mixture is allowed to stand at room temperature overnight, and then collected by filtration to wash the resulting compound. A white to light brown powder was obtained.
Compound 3, Compound 7-9, Compound 12 and Compound 14 were added to a water / isopropanol mixed solvent (24.25 g / 24.25 g) and dissolved by stirring at room temperature. 100 g (manufactured by Co-op Chemical Co., Ltd.) was added and allowed to stand at room temperature overnight, then collected by filtration, and the resulting compound was washed to obtain a white to single brown powder.
[0068]
3. Measurement of layer spacing and decomposition initiation temperature of organically modified layered silicates
X-ray in the range of 2θ = 2 to 30 ° by using the RINT-2500 manufactured by Rigaku Corporation and the CuKα ray as a radiation source with the θ-2θ method for the organically modified layered silicate that has been organicized with the compounds 1-14 The layer spacing was determined by measuring diffraction at room temperature. Furthermore, the decomposition start temperature of compounds 1 to 14 when the temperature was increased at a rate of 10 ° C./min in an argon atmosphere was measured using a Thermo Plus system manufactured by Rigaku Corporation. The obtained results are shown in Table 1.
[0069]
(Comparative Example 1)
The layer spacing of Somasif ME-100 (manufactured by Coop Chemical Co., Ltd.) not using a nitrogen-containing heterocyclic compound was measured by the same method as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0070]
(Comparative Example 2)
The layer spacing and decomposition start temperature were measured in the same manner as in Example 1 except that the nitrogen-containing heterocyclic compound of Example 1 was changed to the following tetraalkylammonium salt (Compound 31 below).
The decomposition start temperature here means a temperature at which the mass of the organophilic agent is reduced by 1% with respect to the total mass of the organically modified layered silicate in this measurement method. The results are shown in Table 1.
[0071]
[Formula 4]
[0072]
[Table 1]
[0073]
From Table 1, the organically modified layered silicates of Examples 1 to 14 were expanded in the range of 1.05 to 1.31 nm as compared with the layered silicate of Comparative Example 1 which was not organophilic. Moreover, the thermal decomposition temperature of the organic modified layered silicates of Examples 1 to 14 was about 10 to 50 ° C. higher than the layered silicate modified with the tetraalkylammonium salt of Comparative Example 2 to be organophilic. Accordingly, the organically modified layered silicate of the present invention can intercalate (insert) a nitrogen-containing heterocyclic compound between layers as much as the tetraalkylammonium salt, and the thermal stability of the tetraalkylammonium of Comparative Example 2 It can be seen that it is superior to the layered silicate that has been made organophilic with salt.
[0074]
(Examples 15 to 20 and Comparative Examples 3 and 4)
In this example, a quaternary salt of a nitrogen-containing heterocyclic compound having a branched alkyl chain having a total carbon number of 9 or more (compounds A to D), a nitrogen-containing heterocyclic ring having a branched alkyl chain having a total carbon number of less than 9 Using a quaternary salt of the formula compound (compound E), a quaternary salt of the nitrogen-containing heterocyclic compound having no branched alkyl group (compound F), and a tetraalkylammonium salt having a branched alkyl chain (compound G), The dispersibility and heat resistance of organically modified layered silicates were compared.
[0075]
1.Preparation of quaternary salt of nitrogen-containing heterocyclic compound
The following compounds A to C and G are branched halogenated alkyl groups synthesized by brominating the hydroxyl group of Engecol C32-36 (manufactured by Shin Nippon Rika) using carbon tetrabromide and triphenylphosphine (yield) 76%) is reacted with N-methylimidazole (manufactured by Wako Pure Chemical Industries), quinacridine (manufactured by Tokyo Chemical Industry), 1,2,4,5-tetramethylimidazole (manufactured by Tokyo Chemical Industry) or trimethylamine (manufactured by Tokyo Chemical Industry). Each was synthesized. In addition, the following compound D was obtained by converting a branched halogenated alkyl group (yield 98%) synthesized by brominating a hydroxyl group of fine oxocol 1800 (Nissan Chemical) with phosphorus tribromide to N-methylimidazole. It was synthesized by reacting with (Wako Pure Chemicals). The following compound E was synthesized by reacting 1-bromo-2ethylhexane (manufactured by Tokyo Chemical Industry) with N-methylimidazole (manufactured by Wako Pure Chemical Industries). The following compound F was synthesized by reacting cetyl bromide (manufactured by Tokyo Chemical Industry) with N-methylimidazole (manufactured by Wako Pure Chemical Industries).
[0076]
[Chemical formula 5]
[0077]
2.Preparation of organically modified layered silicate
The compounds A to G (2.5 g each) are completely dissolved in a water / isopropyl alcohol mixed solvent (250 g: the proportion of water is changed from 20 to 80% by mass depending on the solubility of the organophilic agent) at room temperature. Then, swellable synthetic mica (ME-100: manufactured by Coop Chemical Co.) or natural montmorillonite (Kunipia F: manufactured by Kunimine Kogyo Co., Ltd.) (2.5 g) was added and stirred at 80 ° C. for 1 hour. After completion of the reaction, the solvent, unreacted raw materials and by-product inorganic salts are removed by filtration, and further washed thoroughly with a water / isopropyl alcohol mixed solvent having the same composition as the reaction solvent, to thereby remove the organically modified layered silicate. Isolated.
[0078]
3. Measurement of layer spacing and dispersibility of organically modified layered silicates
The layer spacing of the seven types of organically modified layered silicates obtained was as follows: RINT-2500 manufactured by Rigaku Corporation, using CuKα rays as a radiation source, and the range of 2θ = 1.2 to 30 ° by the θ-2θ method. X-ray diffraction was determined by measuring at room temperature. Regarding dispersibility in chloroform and cyclohexane, after seven fine layered silicates (0.25 g each) obtained were finely crushed, they were placed in a glass sample bottle together with chloroform (20.0 g) or cyclohexane (10.0 g). Then, after ultrasonic irradiation for 10 minutes, the mixture was allowed to stand overnight, and the dispersibility was visually evaluated. The obtained results are shown in Table 2.
[0079]
[Table 2]
[0080]
Table 2 shows that the layered silicates (Examples 15 to 20 and Comparative Example 4) that were made organophilic with the compounds A to G compared with the layered silicate that was not organophilic (Comparative Example 3). It is clear that the organophilic agent intercalated between the layered silicate layers.
[0081]
When the dispersibility in the organic solvent of the layered silicate of Examples 15-20 and the non-organophilic layered silicate (Comparative Example 3) is compared, the layered silicate of Examples 15-20 is Comparative Example 3. Dispersibility better than that of the layered silicate was obtained. The effect of dispersibility was particularly remarkable in the layered silicates (Examples 15 to 20) that were made organophilic by the compounds A to D having a branched alkyl chain having a total carbon number of 9 or more.
[0082]
Furthermore, when comparing the thermal stability of the layered silicates of Examples 15 to 20 and the layered silicate of Comparative Example 4, the organically modified layered silicates (Examples 15 to 20) of the present invention are quaternary ammonium salts. It can be seen that the thermal stability is superior to that of the layered silicate (Comparative Example 4) that has been made organophilic with Compound G.
[0083]
【The invention's effect】
As described above, the organically modified layered silicate of the present invention contains a quaternary salt of a nitrogen-containing heterocyclic compound between layers, and is equivalent to the layered silicate that has been made organophilic with a conventional organophilic agent. It can be calated and has dispersibility and thermal stability higher than those of conventional organophilic agents. Further, since the composition of the present invention is a composition containing the above-mentioned organically modified layered silicate, it can be applied as a composite material with improved rheological properties and excellent mechanical properties, charging properties, gas barrier properties, and antibacterial properties. is there.