JP2004129847A - Microwave surgical device - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば生体組織にマイクロ波を照射して、凝固、止血、切除等の手術を行うマイクロ波手術装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から電気手術装置(電気メス)やレーザ手術装置(レーザーメス)などと共にマイクロ波手術装置が知られている。
マイクロ波手術装置は、マイクロ波を生体組織内に照射することで、組織内に発生した誘電熱を利用して、凝固、止血、切除等を行う手術装置であり、例えば含有血液の多い肝臓などの実質臓器の手術に好適なものとされる。
【0003】
ところで、上記したようなマイクロ波手術装置により生体組織の手術や治療を行う際には、手術・治療部位の様子を観測しながら行うことが望ましい。
マイクロ波手術装置により手術・治療を行いながら、手術・治療部位の観測を行うには、マイクロ波手術装置と核磁気共鳴画像(MRI:Magnetic ResonanceImaging)装置を組み合わせることが考えられる。
【0004】
しかしながら、核磁気共鳴画像装置(以下、「MRI装置」という)は、人体を静磁場中に置いた状態で高周波磁場(RF磁場)を与えて、人体内のスピンを持つ核を励起し、この励起した核が元に戻る間に生じた所定周波数のMR信号を検出して人体の断層像を表示する装置である。
このため、一般にはマグネットから発せられる強力な静磁場を所定領域から外部に出すことなく、しかも人体から発せられる極めて微量なRF信号を効率良く受信するために電磁シールドが施されたシールドルーム内部に設置するなどして、微量なMR信号がノイズなどの影響を受けないように構成する必要がある。
【0005】
そこで、従来のマイクロ波手術装置においては、MR検査室の外部にマイクロ波発振器を設け、このマイクロ波発振器とMR検査室内で使用するマイクロ波アプリケーションとをマイクロ波中継ケーブルにより接続する。そのうえで、マイクロ波発振器とマイクロ波アプリケーションとを連結するマイクロ波中継ケーブルの途中に同軸型フィルタを介設することで、マグネトロンから出力されるマイクロ波がMR検査室内のMRI観察空間に入る前にノイズをカットする方法なども提案されている(特許文献1)。
【0006】
【特許文献1】特開平11−267133号公報(第12頁−第13頁、第31図−第37図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば、上記したような特許文献1に記載されているマイクロ波手術装置により手術を行う場合は、通常、他の治療機器、或いは生体監視装置などが併用されるため、マイクロ波手術装置を含む何れかの装置のアース回路に、何らかの原因によって異常が発生した場合には、術者や患者が漏れ電流よる電気ショック(感電、電撃)を起こし危険な状態になるおそれがあった。
【0008】
また、マイクロ波手術装置では、マイクロ波手術用電極を用いて腫瘍などの患部にマイクロ波を照射して病変部の凝固、止血、切除などの手術を行うようにされるが、このとき、その状態をMR画像(断層画像)で確認しながら行うことが望ましいとされる。
【0009】
しかしながら、マイクロ波手術装置と、MRI装置とを同時に使用する場合には、マイクロ波手術装置の手術用器具として、磁場に影響を与える器具を使用すると、手術用器具により作られる局所磁場の歪みが問題となる。
このため、手術用電極などは非磁性体で構成したものを用いるようにしているが、MR撮像下の手術では、リアルタイムで、より鮮明な画像を確認できることが必要不可欠であることから、より高磁場のMRI装置の使用が望まれている。
この結果、MRI対応の手術用器具を用いただけでは、依然としてMRI装置により得られるMR画像の乱れが問題となっていた。
【0010】
またMRI装置の種類によっては、漏洩磁場の関係で狭い手術室内でも磁場の影響を受けない領域を確保できるものがあり、その場合は通常の手術用器具を使用することが可能とされる。しかし、その場合はMRI装置のガントリーの外に正対したベット上で手術を行い、撮影はベットをガントリー内に素早く移動さるという迅速な作業を可能にする設備と体制が前提となり、かつ、リアルタイムでMR画像を確認することが困難であった。
【0011】
そこで、本発明は上記したような点を鑑みてなされたものであり、MRI装置と同時に使用した場合でもMR画像に影響を及ぼすことなく、高解像度の画像をリアルタイムで表示可能であり、しかも他の装置を併用した場合でも安全なマイクロ波手術装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のマイクロ波手術装置は、核磁気共鳴画像装置により断層画像の撮像が行われている状態のもとで使用できるものとされる。
そして、マグネトロンによって構成され、所定の周波数のマイクロ波信号を発振出力する出力回路に直流を遮断する電気絶縁体が設けられているマイクロ波発振手段と、マイクロ波信号を病変組織部位に対して照射可能に構成された手術用電極と、マイクロ波発振手段と手術用電極との間に設けられ、マイクロ波発振手段から出力されるマイクロ波信号に含まれる連続性ノイズから断層画像の撮像用周波数と共振するノイズ成分のみを外部アースに導いて除去するノイズフィルタ手段とを備えている。
【0013】
またノイズフィルタ手段は、核磁気共鳴画像装置により撮影される断層画像に影響を与えるノイズ成分を除去することで、核磁気共鳴画像装置において病変組織部位の温度分布をリアルタイムで表示可能とした。
またノイズフィルタ手段で除去するノイズ成分は、核磁気共鳴画像装置の磁場強度により決定するようにした。
【0014】
さらにノイズフィルタ手段は、マイクロ波発振手段から手術用電極にマイクロ波信号を伝送する一対の伝送路に対してそれぞれ挿入され、少なくとも所定の周波数のマイクロ波信号を通過可能に形成される第1の帯域通過回路と、伝送路と外部アースとの間に挿入され、マグネトロンで発生する連続性ノイズのうち、断層画像の撮像用周波数と共振する周波数のノイズ成分のみを通過可能に形成される第2の帯域通過回路とからなる。
また、第1の帯域通過回路をコンデンサにより形成し、第2の帯域通過回路をコンデンサとインダクタを直列接続した同調回路により形成するようにした。
【0015】
本発明によれば、マイクロ波発振手段と手術用電極との間にノイズフィルタ手段を設け、マイクロ波発振手段から出力されるマイクロ波信号に含まれる連続性ノイズから断層画像の撮像用周波数と共振するノイズ成分のみを外部アースに導いて除去するようにしている。
これにより、マイクロ波手術装置をMRI装置と同時に使用した場合でも、高解像度の画像を得ることができるので、病変組織部位の温度分布をリアルタイムで表示することが可能になる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本実施の形態としてのマイクロ波手術装置について説明する。
本実施の形態の説明は次の順序で行う。
1.本実施の形態のマイクロ波手術装置を利用した手術システム
2.マイクロ波手術装置の構成
2−1 マイクロ波手術装置の外観構成
2−2 マイクロ波手術装置の内部構成
2−3 マイクロ波手術用電極の構造
3.本発明に至った背景
4.ノイズフィルタの構成
4−1 ノイズフィルタの構造
4−2 フィルタの特性
【0017】
1.本実施の形態のマイクロ波手術装置を利用した手術システム
先ず、図1を用いて本発明の実施の形態としてのマイクロ波手術装置を利用した手術システムの概要について簡単に説明しておく。
この図1に示す手術システムは、本実施の形態としてのマイクロ波手術装置1とMRI装置6とにより構成される。
本実施の形態のマイクロ波手術装置1は、手術装置本体2内において発生させた2450MHzのマイクロ波信号をマイクロ波手術用電極5から被験者7の患部に収束照射することで、生体組織内に発生した誘電熱を利用して、例えば含有血液の多い肝臓などの実質臓器に対して凝固、止血、切除等を手術するのに好適なものとされる。
この場合、手術装置本体2はノイズフィルタ3を介して高周波同軸ケーブル4と接続され、この高周波同軸ケーブル4にマイクロ波手術用電極5が接続されている。
【0018】
MRI装置6は、MRI装置本体6aとマグネット部6b,6bとからなる、いわゆる解放型のMRI装置であり、主たる制御を行うMRI装置本体6aと、被験者(患者)7に静磁場を与えるためのマグネット部6b,6bとが信号線6cにより接続されている。また、被験者7の断層画像(MR画像)を表示するモニター6dを備えて構成される。
MRI装置6の長所としては、X線被爆がなく、被験者の身体を動かさなくとも人体の断層像が任意の角度から得られるため、病変部の広がり、大きさ、周囲組織との関係、温度画像などをモニター6dに表示することができる点になどが挙げられる。
加えて、この図1に示すような開放型のMRI装置6は、閉鎖型(トンネル型)のMRI装置とは異なり、MRI装置の静磁場を形成するマグネット部6b,6bの間から、術者が静磁場内の被験者7にアクセスすることが可能である。即ち、図示していない術者が被験者7にアクセスするスペースが上下方向に設けられているため、術者は、該スペースの手前方向に位置することにより、モニター6dにより表示される病変部の様子をMR画像をリアルタイムで視認しながら、手術などの様々な処置を簡単に、しかも正確、且つ、安全に行うことができるようになる。
【0019】
なお、本実施の形態においては、MRI装置6を図1に示したような開放型のMRI装置で、しかもマグネット部6b,6bが垂直に配置され、術者が静磁場内の被験者にアクセスするスペースが上下方向に設けられている垂直型(ダブルドーナツ型)の装置を例に挙げているが、これはあくまでも一例である。
例えば、MRI装置6としては、マグネット部6b,6bが水平に配置され、術者が被験者にアクセスするスペースが横方向に設けられている水平型(ハンバーグ型)の装置であっても良い。また、閉鎖型(トンネル型)のMRI装置でも良い。
【0020】
そして、図1に示した手術システムを構成している本実施の形態のマイクロ波手術装置1は、MRI装置6と同時に使用した場合でもMR画像に影響を及ぼさないように構成した。これにより、例えば、マイクロ波手術用電極を用いて腫瘍などの患部にマイクロ波信号を照射して病変部の凝固、止血、切除などの手術をMR画像でリアルタイムに確認しながら行うことができるようにしたものである。
さらに他の装置を併用した場合でも、術者や患者が漏れ電流よる電気ショックを与えないように安全な構成としたものである。
【0021】
2.マイクロ波手術装置の構成
2−1 マイクロ波手術装置の外観構成
以下、図2〜図4を参照しながら本実施の形態のマイクロ波手術装置の構成について説明する。
先ず、図2、図3を用いて本実施の形態のマイクロ波手術装置の外観構成について説明する。
図2は本実施の形態のマイクロ波手術装置の外観構成を示した図であり、図3(a)は手術装置本体の正面図、図3(b)はその背面図をそれぞれ示した図である。
この図2に示すように、マイクロ波手術装置1の手術装置本体2は、小型で架台10上に配置可能とされる。また手術装置本体2とフットスイッチ9(9a,9b)とをフットケーブル8により接続することで足によるオン/オフ操作が可能とされる。
【0022】
手術装置本体2の正面には、図3(a)に示すように、上段側に主操作パネル部11が設けられ、下段側に副操作パネル部12が設けられている。
主操作パネル部11は、アラーム領域13、モード領域14、凝固領域15、解離領域16、メモリー領域17に区分されている。
アラーム領域13には、当該マイクロ波手術装置1の状態を報知するための各種アラームランプ21が設けられている。
【0023】
モード領域14は、当該マイクロ波手術装置1の動作モードを切り換えるための領域であり、上記図2に示したフットスイッチ9による操作モードをノーマル(踏みっぱなし)モードと、オートリピート(ポンと一度踏むだけ)モードに切り換えるためのモード切替スイッチ22や、リピート回数を表示するリピート回数表示部23が設けられている。
【0024】
凝固領域15は、マイクロ波手術用電極5より被験者7に対して手術(凝固)を行う際に照射するマイクロ波の各種設定を行うための領域とされる。このため、マイクロ波の出力設定や、出力設定をリセットするためのマイクロ波出力設定スイッチ24,25や、凝固時間のリセット、或いはマイクロ波出力を出力設定値まで段階的に徐々に上げながらマイクロ波を照射するスロー凝固モードに切り換えるための切替スイッチ26,27が設けられている。
また表示部として凝固確認ランプ28や、マイクロ波の出力値を表示する出力表示器29、凝固時間を表示する凝固時間表示器30、凝固時間の単位(秒/分)を表示する凝固時間単位確認ランプ31が設けられている。
【0025】
解離領域16は、マイクロ波手術用電極5を被験者7の生体から引き抜く際にマイクロ波手術用電極5に生体組織が付着するのを防止するための各種設定を行う領域であり、解離確認ランプ32や解離時間表示器33、解離時間設定スイッチ34、解離電流表示器35、解離電流設定スイッチ36が設けられている。
【0026】
メモリー領域17には、凝固条件(ワット数、凝固時間、解離時間など)の設定を記憶するメモリースイッチ37が設けられている。
【0027】
一方、副操作パネル部12には、マイクロ波を出力可能な2つの出力コネクタ40,41と、これらの出力コネクタ40,41を同時に通電する同時通電スイッチ38、マイクロ波手術用電極5に対して負荷が加わったときに出力コネクタ40,41を通電状態にするURSスイッチ39、フットスイッチ接続コネクタ42、主電源スイッチ43が設けられている。
【0028】
この場合、出力コネクタ40,41には、それぞれ高周波同軸ケーブル4,4を介してマイクロ波手術用電極5,5が接続される。そして、このマイクロ波手術用電極5,5からマイクロ波が出力される。
そして、本実施の形態では、この出力コネクタ40(または41)と高周波同軸ケーブル4との間にノイズフィルタ3を設けるようにしている。
なお、フットスイッチ接続コネクタ42には、上述したフットケーブル8を介してフットスイッチ9が接続されることになる。
【0029】
手術装置本体2の背面側には、図3(b)に示すように音量調整ツマミ45、ヒューズホルダー46、通風孔47、等電位化端子48が設けられている。また手術装置本体2の両側にはそれぞれ把手44,44が設けられている。
【0030】
2−2 マイクロ波手術装置の内部構成
次に、本実施の形態のマイクロ波手術装置の内部構成を図4に示すブロック図を用いて説明する。なお、図3と同一部位には同一番号を付して説明は省略する。
この図4に示すように、商用交流電源からの商用交流電圧(定格電圧)は、ヒューズ51、主電源スイッチ43、漏電ブレーカー52を介して設定出力安定装置53に供給される。なお、漏電ブレーカー52には漏電を報知するための接地警報灯21aが取り付けられている。接地警報灯21aは、上記図3(a)に示したアラーム領域13にアラームランプ21として設けられるものである。
【0031】
設定出力安定装置53は、出力設定器54の設定に応じて高圧電源56に供給する電圧レベルを設定する。設定出力安定装置53の出力タイミングは出力制御装置55により制御されている。出力表示器29は出力設定器54の設定値を表示する表示器である。
【0032】
高圧電源56は、高圧トランスなどにより構成され、設定出力安定装置53からの電圧を昇圧してマイクロ波発振器57に出力する。
マイクロ波発振器57は、マグネトロンにより構成され、高圧電源56からの昇圧電圧を利用して、例えば2450MHzのマイクロ波を発生する。そして、その出力回路には直流を遮断するように電気絶縁体が設けられている。
【0033】
マイクロ波発振器57で発生したマイクロ波は、破線で囲ったマイクロ波伝送部58のノイズフィルタ3と同軸リレー59、及び高周波同軸ケーブル4を介してマイクロ波手術用電極5に供給され、マイクロ波手術用電極5から被験者7に照射するようにされる。
【0034】
コンタクトチェッカー61は、マイクロ波手術用電極5から誤ってマイクロ波が出力されるのを防止するために、マイクロ波手術用電極5が被験者7と接触状態にあるか否かを検出して、その検出結果を出力制御装置55に出力するようにされる。
【0035】
出力制御装置55は、フットスイッチ9aが操作された時に、出力時間設定器63により設定された時間だけ、設定出力安定装置53から所定レベルの電圧が高圧電源56に入力されるように制御している。また、出力制御装置55は、上記したコンタクトチェッカー61の検出結果に基づいて出力制御を行うようにされる。なお、出力制御装置55の動作電圧は低圧電源回路62から供給されている。
【0036】
マグネトロン強制冷却装置64は、マイクロ波発振器57のマグネトロンを強制的に冷却するようにされる。このマグネトロン強制冷却装置64には、冷却ファンの状態を監視し、冷却ファンに異常が発生した時に報知するため冷却ファン監視灯21bが取り付けられている。
【0037】
低圧電源回路62は、漏電ブレーカー52を介して入力される商用電圧を所定の低圧レベルに変換して出力する。その出力電圧は出力制御装置55やフットスイッチ9a、音声出力装置65などに駆動電源として供給される。
【0038】
音声出力装置65は、出力制御装置55においてマイクロ波を出力する際に異常を検出した時、或いはアース検出回路67や組織解離装置69において異常を検出した時にスピーカ66から警報音を出力する。
また、音声出力装置65は、アース検出回路67において漏洩電流を検出したときにスピーカ66から警報音を出力するようにされる。
【0039】
また、本実施の形態のマイクロ波手術装置1においては、手術のためにマイクロ波手術用電極5を組織に刺入して手術を行った後、マイクロ波手術用電極5を組織より引き抜く際に、マイクロ波手術用電極5に組織が付着するのを防止するために組織解離装置69が備えられている。
【0040】
組織解離装置69は、手術終了後に同軸リレー59を介してマイクロ波手術用電極5に対して、数mA程度の陰極直流電流を通電することで、組織とマイクロ波手術用電極5との間の細胞膜を境として電気滲透現象によりマイナス側になる後記中心電極の周辺に凝集する水分により、マイクロ波手術用電極5への組織の付着を防止するようにしている。
組織解離装置69の通電時間は、通電時間設定器70により設定可能とされ、その通電時間は通常短時間(例えば60秒程度)に設定される。
また、この組織解離装置69のオン/オフは、例えばフットスイッチ9bを操作し、直流電源68をオン/オフして行うようにしている。
【0041】
2−3 マイクロ波手術用電極の構造
ここで、図5を用いてマイクロ波手術用電極の構造例を示しておく。
図5(a)は手術用電極の全体の構造図、図5(b)は手術用電極の先端部分の拡大図である。
図5(a)(b)に示すマイクロ波手術用電極5は、例えばMRI対応の非磁性体などにより構成される手術用電極とされる。
このようなマイクロ波手術用電極5は、コネクタ本体71に、略円筒状の外部電極72が取り付けられている。そして、この外部電極72の先端に絶縁体73を介して中心電極74が取り付けられている。
中心電極74は、絶縁体73内に形成されている中心導体75、及び外部電極72内の中心導体(図示しない)を介してコネクタ本体71内の図示しない中心電極に接続されている。また、外部電極72はコネクタ本体71の外部電極と接続されている。なお、外部電極72と中心電極とは絶縁されている。
【0042】
3.本発明に至った背景
ところで、先においても説明したように、マイクロ波手術装置1とMRI装置6によるMR画像の表示を同時に行いながらマイクロ波手術装置1により手術を行った場合は、上記したようなMRI対応の手術用器具を用いるだけでは依然としてMRI装置により得られるMR画像の乱れが問題となる。
【0043】
そこで、本願発明者らは、この問題の原因について追求した結果、以下のことが明らかになった。
MRI装置6は生体内のプロトンの共鳴周波数と同じ周波数(例えば、静磁場の磁場強度が0.5T(テスラ:Tesla)のMRI装置の場合は、21.28MHz)の微弱な電磁波(RF)を撮像用周波数としてプロトンに送り込むための送信装置(図示しない)と、送信を中止したときにプロトンから再放射される同じ周波数の電磁波を受けとるための受信装置(図示しない)を備えている。
【0044】
一方、マイクロ波手術装置1においてマイクロ波を発生させるマグネトロンは高効率で大出力が得られ、動作が安定していることから電子レンジ等にも多用されているが、マグネトロンの発振波形には低レベルではあるが特有の雑音波形が重畳されて連続性ノイズが発生する。
このため、MRI装置6とマイクロ波手術装置1を併用した場合は、上述したマグネトロンの発振波形に重畳している連続性ノイズの中から、プロトンの共鳴周波数と同じ周波数の電磁波がMRI装置6の受信装置に共鳴して入り込み、プロトンから再放射された受信信号と混合してこれを妨害するため、正しいMR画像が得られなくなっていることが分かった。
【0045】
従って、マグネトロンの連続性ノイズの中に生体プロトンの共鳴周波数と同じ電磁波(MR撮像用周波数と共振するノイズ成分)が出現したときは、ノイズフィルタ3によって、そのノイズ成分を外部アースに導いて除去すれば、MR画像に影響を与えない、すなわちマイクロ波手術装置1からマイクロ波が照射されている病変組織部位の高解像度の画像や温度分布画像をMRI装置6によりリアルタイムで表示することが可能になることが判明した。
【0046】
一般に、MRI装置6では、MRI装置本体6aにおいてMR信号の処理を行い、モニター6d上に被験者7のMR画像を表示する場合、MRI装置6の撮像周波数fと静磁場の磁場強度Tとの間には次のような関係がある。
1.0T=42.56MHz
0.5T=21.28MHz
0.3T=12.768MHz
0.2T= 8.512MHz
【0047】
これは、例えばMRI装置6の磁場強度Tが1.0Tのときは、マイクロ波手術装置1のマイクロ波発振器57において発生する42.56MHz付近の帯域の連続性ノイズが、マイクロ波手術用電極5から出力されることによってMRI装置のMR画像に乱れが発生することを意味している。
【0048】
そこで、本実施の形態のマイクロ波手術装置1においては、マイクロ波発振器57とマイクロ波手術用電極5との間にノイズフィルタ3を設け、マグネトロンで発生するMR画像に影響を与える所要帯域の連続性ノイズを除去するようにしている。
【0049】
また、先においても説明したように、特許文献1に開示されている装置では、他の治療機器或いは生体監視装置などを併用した場合には、もし何れかの装置のアース回路に、何らかの原因によって異常が生じた場合、術者や患者が漏れ電流よる電気ショックを与えるおそれがある。
このため、本実施の形態のマイクロ波手術装置1では、患者、術者に漏れ電流による電気ショックを防止するため、図示しないがマイクロ波発振器57の出力回路に直流を遮断するシリコンゴムからなる電気絶縁体を設けるようにしている。これにより、マイクロ波発振器57をマイクロ波手術装置1のアースからフローティングするようにしている。
【0050】
即ち、前記特許文献1に記載されているような同軸フィルタを含む一般的なノイズフィルタでは、良好なアースを有し、同軸構造の内部導体を利用して伝送するマイクロ波信号成分から不要な信号成分を除去するようにしているのに対して、本実施の形態のマイクロ波手術装置1は、前記のとおり、高周波同軸ケーブル4の外皮部分、すなわち外部導体部分をアースに対して直流的に接続しないようにしている。但し、その場合は高周波同軸ケーブル4の外部導体を介してマイクロ波手術用電極5の外部電極72に伝送される不要な高周波信号を除去することはできない。
【0051】
そこで、本実施の形態では、アースからフローティングさせるように形成したうえで、マグネトロンで発生しMR画像に影響を与えるノイズ成分を除去するために、ノイズフィルタ3を以下のように構成することとした。
【0052】
4.ノイズフィルタの構成
4−1 ノイズフィルタの構造
以下、本実施の形態のマイクロ波手術装置に設けられているノイズフィルタの構造について説明する。
なお、本実施の形態では手術装置本体2に対して外付け可能なノイズフィルタ3を例に挙げて説明するが、ノイズフィルタは手術装置本体2の内部に設けることも勿論可能である。また、ノイズフィルタ3を高周波同軸ケーブル4とマイクロ波手術用電極5との間に設けることも可能である。
本実施の形態において説明するノイズフィルタ3は、手術装置本体2に対して外付け可能とされるため、図6に示すように、その外観はシールドケース81に覆われている。また、シールドケース81とコネクタ82との間は例えばガラスエポキシ樹脂などの絶縁部材によって絶縁されている。
【0053】
また、ノイズフィルタ3の回路構成としては、手術装置本体2の出力コネクタ40,41と接続される側のコネクタ82と、マイクロ波手術用電極5のコネクタ本体71と接続される側のコネクタ83との間で、内部導体に相当する内部伝送路84と外部導体に相当する外部伝送路85がそれぞれ形成されている。
そして、各々の伝送路84,85には、マイクロ波信号を通過可能に形成される第1の帯域通過回路として、図示するように、それぞれコンデンサC1,C2が接続されている。
コネクタ82−コンデンサC1間の内部伝送路84とシールドケース81との間には、第2の帯域通過回路として、コイルL1とコンデンサC3とを直列に接続して形成した同調回路が設けられている。
また、コネクタ82−コンデンサC2間の外部伝送路85とシールドケース81との間にも、第2の帯域通過回路として、コイルL2とコンデンサC4とを直列に接続して形成した同調回路が設けられている。
さらに、外部伝送路85とシールドケース81との間には、当該ノイズフィルタ3を構成するにあたり、ノイズフィルタ3の機構上発生する容量などを補正するための補正用コンデンサC5,C6を接続するようにしている。
【0054】
従って、このようなノイズフィルタ3を、マイクロ波手術装置1の手術装置本体2とマイクロ波手術用電極5との間に設けるようにすれば、手術装置本体2からコネクタ82を介して供給される高周波信号の内、手術に必要なマイクロ波信号は周波数が高いため、コンデンサC1,C2を通過してコネクタ83からマイクロ波手術用電極5に対して供給することができる。
【0055】
これに対して、MRI画像に障害を与える高周波信号(以下、「ノイズ成分信号」という)は周波数が低いため、コンデンサC1,C2を通過することができず、コイルL1−コンデンサC3の直列回路、及びコイルL2−コンデンサC4の直列回路を介してシールドケース81のネジ端子86からアースへ導かれることになる。これにより、マイクロ波手術用電極5へ供給されるMR撮像用周波数と同等とされるノイズ成分信号の割合を著しく低下させることができる。
【0056】
このように、本実施の形態のマイクロ波手術装置1においては、マグネトロンで発生する連続性ノイズからMR撮像用周波数と共振するノイズ成分のみを外部アースに導いて除去するノイズフィルタ3を設けるようにしているため、マイクロ波手術装置1とMRI装置6とを組み合わせて手術を行った場合でも、MRI装置6のMR画像に与える障害を除去及び軽減することが可能になる。
【0057】
4−2 フィルタの特性
上記したノイズフィルタのフィルタ特性の一例を図8〜図10に示す。
なお、ここでは本実施の形態のマイクロ波手術装置1を磁場強度が0.5TのMRI装置6と同時に使用可能にするためのノイズフィルタのフィルタ特性を例に挙げる。
図8は、ノイズフィルタ3の全帯域におけるフィルタ特性を示した図である。
本実施の形態のノイズフィルタ3の全帯域(0〜3000MHz)における挿入損失特性は、図8(a)のように示される。また、ノイズフィルタ3の全帯域におけるリターンロスは図8(b)のように示される。
また、ノイズフィルタ3の阻止帯域(21.28MHz±100kHz)における挿入損失特性は、図9(a)のように示され、リターンロスは図9(b)のように示される。
さらにノイズフィルタ3の通過帯域(2200MHz〜2500MHz)における挿入損失特性は、図10(a)のように示され、リターンロスは図10(b)のように示される。
【0058】
これら図8〜図10に示す特性データから、ノイズフィルタ3は、磁場強度が0.5TのMRI装置6においてMRI画像に障害を与える21.28MHz付近の周波数成分が50dB以上減衰されていることが分かる。またマイクロ波手術装置において必要な2300MHz〜2500MHzの周波数成分は、0.4dB程度の僅かな損失で伝送されていることが分かる。
【0059】
即ち、ノイズフィルタ3によれば、手術に必要な2300MHz〜2500MHzの周波数成分については殆ど減衰させることなく、MRI画像に障害を与える21.28MHz付近の周波数成分だけを十分減衰することができるノイズフィルタを形成することができる。
【0060】
図11は、本実施の形態のマイクロ波手術装置1とMRI装置を同時に動作させたときのMR画像の様子を示した図である。
本実施の形態のマイクロ波手術装置1とMRI装置を同時に動作させたときのMR画像は、図11(a)のように示される。また、従来のマイクロ波手術装置とMRI装置を同時に動作させたときのMR画像、すなわちノイズフィルタを備えていないマイクロ波手術装置とMRI装置を同時に動作させたときのMR画像は図11(b)のように示される。従って、これら図11(a)(b)を比較すれば分かるように、本実施の形態のマイクロ波手術装置1のようにノイズフィルタ3を設けるようにすれば、MR画像のノイズを防止できることが実証された。
【0061】
この結果、核磁気共鳴画像装置より高解像度のリアルタイム画像を表示しながらマイクロ手術を行うことが可能になる。したがって、マイクロ波照射中の病変組織部位の温度分布を見ながら、生体組織の凝固変化や凝固範囲等の治療効果を確認することができる。
【0062】
なお、本実施の形態では、MRI装置6の撮像周波数fが21.28MHz、すなわち静磁場強度が0.5Tとされるときのノイズフィルタ3を例に挙げて説明したが、これはあくまでも一例であり、例えばMRI装置6の撮像周波数fが42.56MHz、12.768MHz、8.512MHzなどの場合でも、手術に必要な2300MHz〜2500MHzの周波数成分については殆ど減衰させることなく、MRI画像の撮像周波数f付近の周波数成分だけを十分減衰することができるノイズフィルタ3を形成すれば、マイクロ波手術装置1とMRI装置を同時に利用しても、MR画像のノイズを防止することができるのはいうまでもない。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のマイクロ波手術装置によれば、マイクロ波発振手段と手術用電極との間にノイズフィルタ手段を設け、マイクロ波発振手段から出力されるマイクロ波信号に含まれる連続性ノイズから断層画像の撮像用周波数と共振するノイズ成分のみを外部アースに導いて除去するようにしているため、高磁場のMRI装置を使用した場合でもMR画像に影響を与えることのないマイクロ波手術装置を実現することができる。
これにより、MRI装置により病変組織部位の高解像度の画像や温度分布の画像をリアルタイムで表示することが可能になるため、生体組織の凝固変化や凝固範囲などの治療効果を容易に確認することができる。
【0064】
また、マイクロ波発振手段の出力回路に直流を遮断する電気絶縁体を設けると共に、ノイズフィルタ手段の伝送路と外部アースとの間にコンデンサとインダクタとにより同調回路を形成し、ノイズフィルタ手段を直流的にはフローティング状態にすることで、マイクロ波手術装置と他の治療機器、或いは生体監視装置などを併用したときに、これらの何れかの装置のアース回路に、何らかの原因によって異常が発生した場合でも、術者や患者が漏れ電流より電気ショックを受けないように構成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のマイクロ波手術装置を利用した手術システムの構成を示した図である。
【図2】本実施の形態のマイクロ波手術装置の外観構成を示した図である。
【図3】本実施の形態のマイクロ波手術装置の外観構成を示した図である。
【図4】本実施の形態のマイクロ波手術装置の内部構成を示したブロック図である。
【図5】マイクロ波手術用電極の構造例を示した図である。
【図6】ノイズフィルタの外観構造を示した図である。
【図7】ノイズフィルタの回路構成を示した図である。
【図8】ノイズフィルタの特性を示した図である。
【図9】ノイズフィルタの特性を示した図である。
【図10】ノイズフィルタの特性を示した図である。
【図11】MR画像の様子を示した図である
【符号の説明】
1 マイクロ波手術装置、2 手術装置本体、3 ノイズフィルタ、4 高周波同軸ケーブル、5 マイクロ波手術用電極、6 MRI装置、7 患者、8 フットケーブル、9 フットスイッチ、10 架台、11 主操作パネル部、12 副操作パネル部、13 アラーム領域、14 モード領域、15 凝固領域、16 解離領域、17 メモリー領域、21 ランプ、22 モード切替スイッチ、23 リピート回数表示部、24 25 マイクロ波出力設定スイッチ、26 27 切替スイッチ、28 凝固確認ランプ、29 出力表示器、30 凝固時間表示器、31 凝固時間単位確認ランプ、32 解離確認ランプ、33解離時間表示器、34 解離時間設定スイッチ、35 解離電流表示器、36解離電流設定スイッチ、37 メモリースイッチ、38 同時通電スイッチ、39 スイッチ、40 41 出力コネクタ、42 フットスイッチ接続コネクタ、43 主電源スイッチ、44 把手、45 音量調整ツマミ、46 ヒューズホルダー、47 通風孔、48 等電位化端子、51 ヒューズ、52 漏電ブレーカー、53 設定出力安定装置、54 出力設定器、55 出力制御装置、56 高圧電源、57 マイクロ波発振器、58 マイクロ波伝送部、59 同軸リレー、61 コンタクトチェッカー、62 低圧電源回路、63 出力時間設定器、64 マグネトロン強制冷却装置、65 音声出力装置、66 スピーカ、67 アース検出回路、69 組織解離装置、71 コネクタ本体、72外部電極、73 絶縁体、74 中心電極、75 中心導体、81 シールドケース、82 83 コネクタ、84 内部伝送路、85 外部伝送路、86 ネジ端子[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a microwave surgical apparatus for performing operations such as coagulation, hemostasis, and resection by irradiating a living tissue with microwaves.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, a microwave surgical apparatus has been known together with an electric surgical apparatus (electric scalpel), a laser surgical apparatus (laser scalpel), and the like.
A microwave surgical device is a surgical device that performs coagulation, hemostasis, excision, and the like by irradiating microwaves into a living tissue and using dielectric heat generated in the tissue, such as a liver containing a large amount of blood. It is considered to be suitable for the operation of the parenchymal organ.
[0003]
By the way, when performing an operation or treatment of a living tissue using the above-described microwave operation apparatus, it is desirable to perform the operation or observation while observing the state of the operation / treatment site.
In order to observe an operation / treatment site while performing an operation / treatment using a microwave operation apparatus, it is conceivable to combine a microwave operation apparatus with a nuclear magnetic resonance imaging (MRI: Magnetic Resonance Imaging) apparatus.
[0004]
However, a nuclear magnetic resonance imaging apparatus (hereinafter, referred to as an “MRI apparatus”) applies a high-frequency magnetic field (RF magnetic field) in a state where a human body is placed in a static magnetic field to excite spin nuclei in the human body. This device detects an MR signal of a predetermined frequency generated while the excited nucleus returns to its original state, and displays a tomographic image of a human body.
For this reason, in general, a strong static magnetic field generated from a magnet does not go out of a predetermined area to the outside, and in order to efficiently receive an extremely small amount of RF signal emitted from the human body, it is placed inside a shield room where an electromagnetic shield is applied. It is necessary to provide a structure such that a small amount of MR signal is not affected by noise or the like by installation.
[0005]
Therefore, in the conventional microwave surgical apparatus, a microwave oscillator is provided outside the MR examination room, and the microwave oscillator is connected to a microwave application used in the MR examination room by a microwave relay cable. In addition, by installing a coaxial filter in the middle of the microwave relay cable connecting the microwave oscillator and the microwave application, the noise output from the magnetron is reduced before entering the MRI observation space in the MR examination room. There is also proposed a method of cutting the image (Patent Document 1).
[0006]
[Patent Document 1] Japanese Patent Application Laid-Open No. H11-267133 (
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, for example, when performing an operation using the microwave operation apparatus described in Patent Document 1 as described above, usually, other treatment equipment or a living body monitoring apparatus is used in combination. If an abnormality occurs in the ground circuit of any device including any one of the devices for some reason, an operator or a patient may cause an electric shock (an electric shock or an electric shock) due to a leakage current, and may be in a dangerous state.
[0008]
In addition, in a microwave surgical apparatus, an affected area such as a tumor is irradiated with microwaves using a microwave surgical electrode to perform an operation such as coagulation of a lesion, hemostasis, and excision. It is desirable to perform the state while confirming the state with an MR image (tomographic image).
[0009]
However, when using a microwave surgical apparatus and an MRI apparatus at the same time, if an instrument that affects the magnetic field is used as the surgical instrument of the microwave surgical apparatus, the distortion of the local magnetic field generated by the surgical instrument may be reduced. It becomes a problem.
For this reason, surgical electrodes and the like are made of a non-magnetic material. However, in surgery under MR imaging, it is essential to be able to confirm a clearer image in real time. The use of magnetic field MRI devices is desired.
As a result, with the use of an MRI-compatible surgical instrument, the disturbance of the MR image obtained by the MRI apparatus still poses a problem.
[0010]
In addition, depending on the type of the MRI apparatus, there is an MRI apparatus that can secure a region that is not affected by a magnetic field even in a narrow operating room due to a leakage magnetic field. In this case, it is possible to use a normal surgical instrument. However, in that case, the operation is performed on a bed directly facing the outside of the gantry of the MRI apparatus, and the photographing is based on equipment and a system that enables quick work of quickly moving the bed into the gantry, and real time. It was difficult to confirm the MR image.
[0011]
In view of the above, the present invention has been made in view of the above points, and can display a high-resolution image in real time without affecting an MR image even when used simultaneously with an MRI apparatus. It is an object of the present invention to provide a safe microwave operation apparatus even when the apparatus is used in combination.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the microwave surgical apparatus according to the present invention can be used in a state where a tomographic image is being captured by a nuclear magnetic resonance imaging apparatus.
A microwave oscillating means, which is constituted by a magnetron, is provided with an electrical insulator that cuts off direct current in an output circuit that oscillates and outputs a microwave signal of a predetermined frequency, and irradiates the microwave signal to a lesion tissue site A surgical electrode configured to be capable of being provided between the microwave oscillating means and the surgical electrode, and a continuity noise included in a microwave signal output from the microwave oscillating means and a tomographic imaging frequency. Noise filter means for guiding only the resonating noise component to the external ground for removal.
[0013]
In addition, the noise filter means removes a noise component that affects a tomographic image captured by the nuclear magnetic resonance imaging apparatus, thereby enabling real-time display of a temperature distribution of a lesion tissue site in the nuclear magnetic resonance imaging apparatus.
The noise component to be removed by the noise filter is determined by the magnetic field strength of the nuclear magnetic resonance imaging apparatus.
[0014]
Further, the noise filter means is inserted into each of a pair of transmission paths for transmitting the microwave signal from the microwave oscillation means to the surgical electrode, and is formed so as to be able to pass at least a microwave signal of a predetermined frequency. A second band-pass circuit is inserted between the transmission path and the external ground, and is formed so as to be able to pass only a noise component having a frequency that resonates with the imaging frequency of the tomographic image, out of continuity noise generated by the magnetron. Band pass circuit.
Further, the first band-pass circuit is formed by a capacitor, and the second band-pass circuit is formed by a tuning circuit in which a capacitor and an inductor are connected in series.
[0015]
According to the present invention, a noise filter is provided between the microwave oscillating means and the surgical electrode, and the continuity noise included in the microwave signal output from the microwave oscillating means is used to resonate with the imaging frequency of the tomographic image. Only the noise component generated is guided to the external ground and removed.
Thus, even when the microwave surgical apparatus is used simultaneously with the MRI apparatus, a high-resolution image can be obtained, and thus the temperature distribution of the lesion tissue site can be displayed in real time.
[0016]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, a microwave surgical apparatus according to the present embodiment will be described.
The description of the present embodiment will be made in the following order.
1. Surgery system using the microwave surgery apparatus of the present embodiment
2. Configuration of microwave surgery device
2-1 External configuration of microwave surgical device
2-2 Internal configuration of microwave surgery device
2-3 Structure of Microwave Surgery Electrode
3. Background of the Invention
4. Configuration of noise filter
4-1 Structure of noise filter
4-2 Filter characteristics
[0017]
1. Surgery system using the microwave surgery apparatus of the present embodiment
First, an outline of a surgical system using a microwave surgical apparatus according to an embodiment of the present invention will be briefly described with reference to FIG.
The operation system shown in FIG. 1 includes a microwave operation apparatus 1 and an
The microwave surgical apparatus 1 according to the present embodiment is generated in living tissue by converging and irradiating a 2450 MHz microwave signal generated in the surgical apparatus
In this case, the surgical apparatus
[0018]
The
The advantages of the
In addition, the open
[0019]
In the present embodiment, the
For example, the
[0020]
The microwave surgical apparatus 1 of the present embodiment constituting the surgical system shown in FIG. 1 is configured so as not to affect the MR image even when used simultaneously with the
Furthermore, even when another device is used in combination, a safe configuration is provided so that the surgeon or the patient does not receive an electric shock due to the leakage current.
[0021]
2. Configuration of microwave surgery device
2-1 External configuration of microwave surgical device
Hereinafter, the configuration of the microwave surgical apparatus according to the present embodiment will be described with reference to FIGS.
First, the external configuration of the microwave surgical apparatus according to the present embodiment will be described with reference to FIGS.
FIG. 2 is a diagram showing an external configuration of the microwave surgical apparatus according to the present embodiment. FIG. 3 (a) is a front view of a surgical apparatus main body, and FIG. 3 (b) is a rear view thereof. is there.
As shown in FIG. 2, the surgical device
[0022]
As shown in FIG. 3A, a main
The main
The alarm area 13 is provided with
[0023]
The mode area 14 is an area for switching the operation mode of the microwave surgical apparatus 1. The operation mode using the
[0024]
The
A
[0025]
The dissociation area 16 is an area for performing various settings for preventing biological tissue from adhering to the
[0026]
The memory area 17 is provided with a
[0027]
On the other hand, the
[0028]
In this case,
In the present embodiment, the
The
[0029]
As shown in FIG. 3B, a
[0030]
2-2 Internal configuration of microwave surgery device
Next, the internal configuration of the microwave operation apparatus according to the present embodiment will be described with reference to the block diagram shown in FIG. The same parts as those in FIG. 3 are denoted by the same reference numerals, and description thereof will be omitted.
As shown in FIG. 4, the commercial AC voltage (rated voltage) from the commercial AC power supply is supplied to the set
[0031]
The
[0032]
The high-
The
[0033]
The microwave generated by the
[0034]
The
[0035]
The
[0036]
The magnetron forced
[0037]
The low-voltage
[0038]
The
The
[0039]
Further, in the microwave surgical apparatus 1 of the present embodiment, after the microwave
[0040]
The
The energization time of the
The
[0041]
2-3 Structure of Microwave Surgery Electrode
Here, an example of the structure of the electrode for microwave operation will be described with reference to FIG.
FIG. 5A is an overall structural view of the surgical electrode, and FIG. 5B is an enlarged view of a distal end portion of the surgical electrode.
The microwave
In such a microwave
The center electrode 74 is connected to a center electrode (not shown) in the connector body 71 via a center conductor 75 formed in the
[0042]
3. Background of the Invention
By the way, as described above, when the operation is performed by the microwave operation apparatus 1 while simultaneously displaying the MR images by the microwave operation apparatus 1 and the
[0043]
The present inventors have pursued the cause of this problem, and as a result, have clarified the following.
The
[0044]
On the other hand, the magnetron that generates microwaves in the microwave surgical apparatus 1 is widely used in microwave ovens and the like because of its high efficiency and large output and stable operation, but the oscillation waveform of the magnetron is low. Continuity noise is generated by superimposing a specific noise waveform at a level.
For this reason, when the
[0045]
Therefore, when an electromagnetic wave (a noise component that resonates with the frequency for MR imaging) that is the same as the resonance frequency of the biological proton appears in the continuity noise of the magnetron, the noise component is guided to the external ground by the
[0046]
In general, in the
1.0T = 42.56MHz
0.5T = 21.28MHz
0.3T = 12.768 MHz
0.2T = 8.512MHz
[0047]
This is because, for example, when the magnetic field strength T of the
[0048]
Therefore, in the microwave operating apparatus 1 of the present embodiment, the
[0049]
In addition, as described above, in the device disclosed in Patent Document 1, if another treatment device or a living body monitoring device is used in combination, the ground circuit of any device may be When an abnormality occurs, the surgeon or the patient may give an electric shock due to a leakage current.
For this reason, in the microwave surgical apparatus 1 of the present embodiment, in order to prevent electric shock due to leakage current to the patient and the operator, although not shown, the output circuit of the
[0050]
That is, in a general noise filter including a coaxial filter as described in Patent Document 1, an unnecessary signal is obtained from a microwave signal component having a good ground and transmitted using an inner conductor having a coaxial structure. While the components are removed, the microwave surgical apparatus 1 according to the present embodiment, as described above, connects the outer skin portion of the high-frequency
[0051]
Therefore, in the present embodiment, the
[0052]
4. Configuration of noise filter
4-1 Structure of noise filter
Hereinafter, the structure of the noise filter provided in the microwave operating apparatus according to the present embodiment will be described.
In the present embodiment, the
The
[0053]
The circuit configuration of the
As illustrated, capacitors C1 and C2 are connected to the
Between the
A tuning circuit formed by connecting a coil L2 and a capacitor C4 in series is also provided as a second band-pass circuit between the external transmission path 85 between the connector 82 and the capacitor C2 and the shield case 81. ing.
Further, between the external transmission line 85 and the shield case 81, correction capacitors C5 and C6 for correcting the mechanically generated capacitance and the like of the
[0054]
Therefore, if such a
[0055]
On the other hand, a high-frequency signal (hereinafter, referred to as a “noise component signal”) that interferes with an MRI image cannot pass through the capacitors C1 and C2 because of a low frequency, and a series circuit of a coil L1 and a capacitor C3. Then, the current is led from the screw terminal 86 of the shield case 81 to the ground via a series circuit of the coil L2 and the capacitor C4. Thereby, the ratio of the noise component signal equivalent to the frequency for MR imaging supplied to the microwave
[0056]
As described above, in the microwave surgical apparatus 1 according to the present embodiment, the
[0057]
4-2 Filter characteristics
8 to 10 show examples of the filter characteristics of the above-described noise filter.
Here, a filter characteristic of a noise filter for enabling the microwave surgical apparatus 1 of the present embodiment to be used simultaneously with the
FIG. 8 is a diagram illustrating filter characteristics in the entire band of the
FIG. 8A shows the insertion loss characteristics of the
Also, the insertion loss characteristics of the
Further, the insertion loss characteristic in the pass band (2200 MHz to 2500 MHz) of the
[0058]
From these characteristic data shown in FIGS. 8 to 10, the
[0059]
That is, the
[0060]
FIG. 11 is a diagram showing a state of an MR image when the microwave operation apparatus 1 and the MRI apparatus according to the present embodiment are operated at the same time.
An MR image when the microwave operation apparatus 1 and the MRI apparatus of the present embodiment are operated at the same time is shown as in FIG. FIG. 11B shows an MR image obtained when the conventional microwave operation apparatus and the MRI apparatus are simultaneously operated, that is, an MR image obtained when the microwave operation apparatus having no noise filter and the MRI apparatus are simultaneously operated. Is shown as Therefore, as can be seen by comparing FIGS. 11A and 11B, if the
[0061]
As a result, microsurgery can be performed while displaying a higher-resolution real-time image than a nuclear magnetic resonance imaging apparatus. Therefore, while observing the temperature distribution at the lesion tissue site during the microwave irradiation, it is possible to confirm the therapeutic effect such as the coagulation change and the coagulation range of the living tissue.
[0062]
In the present embodiment, the
[0063]
【The invention's effect】
As described above, according to the microwave surgical apparatus of the present invention, the noise filter means is provided between the microwave oscillating means and the surgical electrode, and the continuous wave included in the microwave signal output from the microwave oscillating means is provided. Since only the noise component that resonates with the imaging frequency of the tomographic image is guided to the external ground and removed from the directional noise, microwaves that do not affect the MR image even when a high magnetic field MRI apparatus is used A surgical device can be realized.
This makes it possible to display a high-resolution image or a temperature distribution image of a diseased tissue site in real time by an MRI apparatus, so that it is possible to easily confirm a therapeutic effect such as a coagulation change or a coagulation range of a living tissue. it can.
[0064]
In addition, an electric insulator that blocks direct current is provided in the output circuit of the microwave oscillating means, and a tuning circuit is formed by a capacitor and an inductor between the transmission line of the noise filter means and the external ground, so that the noise filter means In general, if the microwave operation device is used in combination with another treatment device or a living body monitoring device, the grounding circuit of any of these devices may become abnormal due to some cause when floating. However, it is possible to configure so that the surgeon and the patient do not receive the electric shock due to the leakage current.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a configuration of a surgery system using a microwave surgery apparatus according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a diagram showing an external configuration of a microwave surgical apparatus according to the present embodiment.
FIG. 3 is a diagram showing an external configuration of a microwave operation apparatus according to the present embodiment.
FIG. 4 is a block diagram showing an internal configuration of the microwave operation apparatus according to the present embodiment.
FIG. 5 is a diagram showing a structural example of a microwave surgical electrode.
FIG. 6 is a diagram showing an external structure of a noise filter.
FIG. 7 is a diagram showing a circuit configuration of a noise filter.
FIG. 8 is a diagram illustrating characteristics of a noise filter.
FIG. 9 is a diagram showing characteristics of a noise filter.
FIG. 10 is a diagram illustrating characteristics of a noise filter.
FIG. 11 is a diagram showing a state of an MR image.
[Explanation of symbols]
Reference Signs List 1 microwave surgical device, 2 surgical device main body, 3 noise filter, 4 high-frequency coaxial cable, 5 microwave surgical electrode, 6 MRI device, 7 patient, 8 foot cable, 9 foot switch, 10 stand, 11 main operation panel , 12 sub-operation panel section, 13 alarm area, 14 mode area, 15 coagulation area, 16 dissociation area, 17 memory area, 21 lamps, 22 mode changeover switch, 23 repeat number display section, 24 25 microwave output setting switch, 26 27 changeover switch, 28 coagulation confirmation lamp, 29 output display, 30 coagulation time display, 31 coagulation time unit confirmation lamp, 32 dissociation confirmation lamp, 33 dissociation time display, 34 dissociation time setting switch, 35 dissociation current display, 36 Dissociation current setting switch, 37 Memory switch, 38 Simultaneous energizing switch , 39 switch, 40 41 output connector, 42 foot switch connection connector, 43 main power switch, 44 handle, 45 volume control knob, 46 fuse holder, 47 ventilation hole, 48 equipotential terminal, 51 fuse, 52 earth leakage breaker, 53 Setting output stabilizer, 54 output setting device, 55 output control device, 56 high voltage power supply, 57 microwave oscillator, 58 microwave transmission section, 59 coaxial relay, 61 contact checker, 62 low voltage power supply circuit, 63 output time setting device, 64 Magnetron forced cooling device, 65 sound output device, 66 speaker, 67 ground detection circuit, 69 tissue dissociation device, 71 connector body, 72 external electrode, 73 insulator, 74 center electrode, 75 center conductor, 81 shield case, 82 83 connector , 84 internal transmission line, 85 external transmission line 86 screw terminals
Claims (5)
マグネトロンによって構成され、所定の周波数のマイクロ波信号を発振出力する出力回路に直流を遮断する電気絶縁体が設けられているマイクロ波発振手段と、
上記マイクロ波信号を病変組織部位に対して照射可能に構成された手術用電極と、
上記マイクロ波発振手段と上記手術用電極との間に設けられ、上記マイクロ波発振手段から出力される上記マイクロ波信号に含まれる連続性ノイズから上記断層画像の撮像用周波数と共振するノイズ成分のみを外部アースに導いて除去するノイズフィルタ手段と、
を備えていることを特徴とするマイクロ波手術装置。A microwave surgical apparatus that can be used under a state where imaging of a tomographic image is performed by a nuclear magnetic resonance imaging apparatus,
A microwave oscillating means, which is configured by a magnetron, and provided with an electrical insulator that blocks direct current in an output circuit that oscillates and outputs a microwave signal of a predetermined frequency;
A surgical electrode configured to be able to irradiate the microwave signal to a diseased tissue site,
A noise component that is provided between the microwave oscillating means and the surgical electrode and resonates with the imaging frequency of the tomographic image from continuity noise included in the microwave signal output from the microwave oscillating means Noise filter means for guiding the noise to an external ground for removal,
A microwave surgical device comprising:
上記核磁気共鳴画像装置により撮影される上記断層画像に影響を与えるノイズ成分を除去することで、上記核磁気共鳴画像装置において上記病変組織部位の温度分布をリアルタイムで表示可能としたことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波手術装置。The noise filter means includes:
By removing a noise component affecting the tomographic image taken by the nuclear magnetic resonance imaging apparatus, the nuclear magnetic resonance imaging apparatus can display the temperature distribution of the lesion tissue site in real time. The microwave surgical device according to claim 1, wherein
上記マイクロ波発振手段から上記手術用電極に上記マイクロ波信号を伝送する一対の伝送路に対してそれぞれ挿入され、少なくとも所定の周波数のマイクロ波信号を通過可能に形成される第1の帯域通過回路と、
上記伝送路と上記外部アースとの間に挿入され、上記マグネトロンで発生する連続性ノイズのうち、上記断層画像の撮像用周波数と共振する周波数のノイズ成分のみを通過可能に形成される第2の帯域通過回路と、
からなることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波手術装置。The noise filter means includes:
A first band-pass circuit which is inserted into each of a pair of transmission paths for transmitting the microwave signal from the microwave oscillation means to the surgical electrode, and is formed so as to pass at least a microwave signal of a predetermined frequency; When,
A second component that is inserted between the transmission line and the external ground and that is formed so as to be able to pass only a noise component having a frequency that resonates with the imaging frequency of the tomographic image, out of continuity noise generated in the magnetron; A bandpass circuit;
The microwave surgical device according to claim 1, comprising:
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