JP2004128889A - 電力制御回路及び携帯通信端末 - Google Patents
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Abstract
【課題】低消費電力化を安価に実現可能な電力制御回路を提供する。
【解決手段】局部発振波を増幅する固定利得ローカルアンプ2と、増幅された局部発振波を利用して変調波を所定送信周波数に変換するアップコンバータ1と、周波数変換された変調波を増幅する可変利得ドライバアンプ3と、可変利得ドライバアンプ3により増幅された変調波を増幅し、増幅した変調波を送信波として出力する線形増幅器4と、固定利得ローカルアンプ2、アップコンバータ1、及び線形増幅器4に電力を供給する電源回路8とを備え、電源回路8を制御して固定利得ローカルアンプ2、アップコンバータ1、及び線形増幅器4への電力供給量を調整することにより、送信電力を制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】局部発振波を増幅する固定利得ローカルアンプ2と、増幅された局部発振波を利用して変調波を所定送信周波数に変換するアップコンバータ1と、周波数変換された変調波を増幅する可変利得ドライバアンプ3と、可変利得ドライバアンプ3により増幅された変調波を増幅し、増幅した変調波を送信波として出力する線形増幅器4と、固定利得ローカルアンプ2、アップコンバータ1、及び線形増幅器4に電力を供給する電源回路8とを備え、電源回路8を制御して固定利得ローカルアンプ2、アップコンバータ1、及び線形増幅器4への電力供給量を調整することにより、送信電力を制御する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯通信端末等の無線通信機器に適用して好適な電力制御回路に関し、特に、低消費電力化を安価に実現するための技術に係わる。
【0002】
【従来の技術】
携帯通信端末に代表される無線通信機器では、低消費電力化や他の通信機器に対する通信妨害防止のために、例えば図5に示すように、変調波を所定の送信周波数に変換するアップコンバータ50に可変利得ローカルアンプ51を接続し、この可変利得ローカルアンプ51の利得を調整することにより、通信先との距離が短い際に送信電力を下げる制御が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般に、線形増幅器は、信号が入力されていない場合でも最大電力の60%程度の電力を消費してしまうために、上述の図5に示すように回路を構成し、可変利得ローカルアンプ51の利得を制御することにより送信電力を下げたとしても、回路内に線形増幅器53があるために消費電力を大幅に低減することができない。
【0004】
また、上述の図5に示す回路は、アップコンバータ50の出力側に可変利得ドライバアンプ52を接続し、この可変利得ドライバアンプ52によって温度変化等の動作環境変化に伴う送信電力の変化を相殺する構成になっているために、比較的高価な可変利得型アンプ(可変利得ローカルアンプ51と可変利得ドライバアンプ52)を回路内に少なくとも二つ設ける必要があり、回路のコストを削減することが難しい。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、低消費電力化を安価に実現することが可能な、電力制御回路及び携帯通信端末を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電力制御回路及び携帯通信端末の特徴は、局部発振波を増幅する固定利得型ローカルアンプと、増幅された局部発振波を利用して変調波を所定送信周波数に変換するアップコンバータと、周波数変換された変調波を増幅する可変利得型ドライバアンプと、可変利得型ドライバアンプにより増幅された変調波を増幅し、増幅した変調波を送信波として出力する線形増幅器と、固定利得型ローカルアンプ、アップコンバータ、及び線形増幅器に電力を供給する電源回路と、電源回路を制御して固定利得型ローカルアンプ、アップコンバータ、及び線形増幅器への電力供給量を調整することにより、送信電力を制御する制御部を備えることにある。
【0007】
すなわち、本発明に係る電力制御回路及び携帯通信端末では、可変利得型ローカルアンプを固定利得型ローカルアンプに置き換え、線形増幅器、アップコンバータ、及び固定利得型ローカルアンプの内の少なくとも一つへの電力供給量を調整することにより送信電力を制御するので、従来までの方法と比較して、消費電力を大幅に低減し、電力制御回路及び携帯通信端末の製造コストを削減することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について詳しく説明する。
【0009】
[電力制御回路の構成]
本発明の一実施形態となる電力制御回路は、図1に示すように、主な構成要素として、アップコンバータ1、固定利得ローカルアンプ2、可変利得ドライバアンプ3、線形増幅器4、方向性結合器5、検波ダイオード6、及び差動増幅器7を備え、制御部(図示せず)から入力される電源制御信号によって、電源回路8からアップコンバータ1、固定利得ローカルアンプ2、及び線形増幅器3への電力供給量が制御される構成となっている。
【0010】
[電力制御回路の基本動作]
上記構成を有する電力制御回路は以下に示すように動作して送信波を生成、出力する。
【0011】
始めに、上記電力制御回路では、変調波が入力されるに応じて、アップコンバータ1が、固定利得ローカルアンプ2から入力されるローカル波(局部発振波)を利用して、変調波の周波数を所定の送信周波数に変換し、周波数変換した変調波を可変利得ドライバアンプ3に出力する。ここで、固定利得ローカルアンプ2は、制御部から入力されるステップレベル制御信号に従ってアップコンバータ1が必要とする入力電圧までローカル波を増幅した後、ローカル波をアップコンバータ1に入力する。なお、制御部から入力されるステップレベル制御信号は、送信周波数に対応する値に設定されており、電力制御回路を携帯通信端末に適用した場合、ステップレベル制御信号の値は基地局から指定される。
【0012】
次に、アップコンバータ1によって周波数変換された変調波が入力されると、可変利得ドライバアンプ3は、差動増幅器7から入力される利得制御信号(詳しくは後述する)に従って変調波を増幅し、線形増幅器4に出力する。そして、線形増幅器4は、増幅された変調波をパワー増幅し、パワー増幅した変調波を方向性結合器5を介して送信波として出力する。なお、このとき、方向性結合器5は、入力された変調波の一部を検波ダイオード6に出力し、検波ダイオード6は、入力された変調波を直流電圧(以下、検波電圧と表記する)に変換して差動増幅器7の一方の入力端子に入力する。そして、差動増幅器7は、他方の入力端子に入力された基準電圧(バリアブルレベル制御信号)と検波電圧とを比較し、検波電圧と基準電圧の差分を利得制御信号として可変利得ドライバアンプ3に入力する。この一連の制御は、負帰還制御と呼ばれ、この負帰還制御によって動作環境に依らずに送信波の電力を一定に維持することができる。
【0013】
[送信電力制御]
上記のようにして送信波を出力する際、電力制御回路は、以下に示すようにして送信電力量を制御することにより、低消費電力化や他の通信機器に対する通信妨害防止を実現する。以下、制御する送信電力量(以下、送信電力制御量と表記する)が小さい場合と、大きい場合とに分けて、送信電力量を制御する際の上記電力制御回路の動作について詳しく説明する。
【0014】
〔送信電力制御量が小さい場合〕
送信電力制御量が例えば20dB以下と比較的小さい場合には、可変利得ドライバアンプ3の利得を調整することによって所望の送信電力制御量を実現できるので、この電力制御回路では、送信電力制御量に応じたバリアブルレベル制御信号を差動増幅器7に入力することにより、可変利得ドライバアンプ3の利得を送信電力制御量に応じた値に下げる(図2参照)。これにより、送信電力量は送信電力制御量に応じた値に制御される。
【0015】
〔送信電力制御量が大きい場合〕
一方、送信電力制御量が例えば20dB以上と比較的大きい場合には、可変利得ドライバアンプ3の利得を調整するだけでは所望の送信電力制御量を実現することができない。そこで、この電力制御回路では、電源回路8に電源制御信号を入力し、線形増幅器4、アップコンバータ1、及び固定利得ローカルアンプ2への電源供給を中止する(図2参照)。これにより、送信電力量は送信電力制御量に応じた値に制御される。
【0016】
但し、線形増幅器4,アップコンバータ1、及び固定利得ローカルアンプ2への電源供給を中止することによる送信波の電力変化量が送信電力制御量よりも小さい場合には、送信電力量と電力変化量の差分に応じたバリアブルレベル制御信号を差動増幅器7に入力することにより、可変利得ドライバアンプ3の利得を差分値に応じた値に下げ、送信電力制御量に応じた値に送信電力量を下げる。また逆に、線形増幅器4,アップコンバータ1、及び固定利得ローカルアンプ2への電源供給を中止したことによる送信波の電力変化量が送信電力制御量よりも大きい場合には、電力変化量と送信電力量の差分に応じた可変レベル制御信号を差動増幅器7に入力することにより、可変利得ドライバアンプ3の利得を差分値に応じた値に上げ、送信電力制御量に応じた値に送信電力量を上げる。
【0017】
なお、上記の説明では、線形増幅器4,アップコンバータ1、及び固定利得ローカルアンプ2への電源供給を中止し、可変利得ドライバアンプ3の利得を制御することにより送信電力量と送信電力制御量の差は調整したが、例えば図3に示すように、送信電力制御量に応じて線形増幅器4,アップコンバータ1、及び固定利得ローカルアンプ2の中で電源供給を中止するものを適宜選択ことにより送信電力を制御してもよい。このような構成によれば、可変利得ドライバアンプ3の利得制御が容易となり、所望の送信電力量を速やかに実現することができる。なお、図3に示す例は、固定利得ローカルアンプ2、アップコンバータ1、及び線形増幅器4の順で消費電力量が大きくなるとして、低消費電力効果が小さい順に並べられた制御パターンを示す。
【0018】
[携帯通信端末の構成]
最後に、上記電力制御回路は例えば図4に示すような構成の携帯通信端末の送信電力制御に適用することができる。
【0019】
図4に示す携帯通信端末では、表示部11は、LCD(Liquid Crystal Display)やEL(ElectroLuminescence)パネル等の表示装置により構成され、制御部12の制御に従って、文字、数字、記号、アイコン、カーソル、画像、動画像等を可視表示する。操作入力部13は、例えば「0」から「9」までの数字の入力、仮名文字の入力、アルファベット文字の入力、記号の入力、発信や受信の指示入力、電源のオン/オフの指示入力等の操作に使用される、複数のキーボタンを有する。また、この操作入力部13は、表示部11上に表示されたカーソルの移動操作や画面のスクロール操作等の操作に使用するダイアル(ジョグダイアル)を有する。この操作入力部13を操作することにより、ユーザは、例えば、電話番号の入力やその登録等、種々の情報の入力及び登録操作を行うことができる。
【0020】
シンセサイザ14は、固定利得アンプ2と受信部15にローカル波を出力する。マイクロフォン16は、携帯通信端末のユーザの通話音声等をアナログ音声信号に変換し制御部12に出力する。制御部12は、アナログ音声信号をアナログ/デジタル変換した後、デジタル音声信号を変調器17に出力する。変調器17は、デジタル音声信号を変調し、変調波をアップコンバータ1に入力する。また、制御部12は、送信電力制御時に電源回路8に電源制御信号を出力することにより送信電力制御時の電源回路8の動作を制御すると共に、差動増幅器7に基準電圧(バリアブルレベル制御信号)を入力する。なお、電力制御回路部分における信号の流れは上述の通りであるのでその説明は省略する。
【0021】
アイソレータ18は、送信電力が制御された送信信号からアンテナ系から入力される妨害信号を除去する。高周波スイッチ19は、アンテナ共用器である。すなわち、高周波スイッチ19は、送信信号と受信信号とで1本のアンテナ20を共用し、アイソレータ18からの送信信号をアンテナへ送出し、且つ、アンテナ20からの受信信号を受信部に送る機能を備えた回路により構成される。
【0022】
受信部15は、高周波スイッチ19から出力された受信信号をシンセサイザ14から入力されるローカル波とミキシングし、受信中間周波信号にダウンコンバートする。復調器21は、受信部から出力された受信中間周波信号をデジタル復調し、制御部12に出力する。制御部12は、デジタル復調された受信中間周波信号を受信タイムスロット毎に分離し、分離した受信中間周波信号を音声データとその他の通信データに弁別する。
【0023】
受信中間周波信号が音声データである場合、制御部12は、受信中間周波信号をD/A変換し、図示しない増幅器により増幅した後、スピーカ22に出力する。スピーカ22は、増幅されたアナログ音声信号により駆動され、通話相手先の端末からの通話音声を放音する。一方、受信中間周波信号が通信データである場合には、制御部12は、通信データのデータ形式を解析し、解析結果に応じた処理を行う。例えば、通信データがテキストデータである場合、制御部12は、表示部11上にテキストデータを表示制御する。また、通信データが圧縮された画像データである場合には、制御部12は、圧縮画像データを伸張した後、表示部11上に画像データを表示制御する。また、通信データが圧縮された音声データである場合には、制御部12は、圧縮音声データを伸張し、スピーカに音声データを出力する。
【0024】
[実施の形態の効果]
以上のように、本発明の一実施形態となる電力制御回路では、可変利得型のローカルアンプを固定利得型のローカルアンプに置き換え、送信電力が低く設定された場合には、線形増幅器4、アップコンバータ1、及び固定利得ローカルアンプ2の少なくとも一つへの電源供給を中止することにより送信電力を下げるので、消費電力を大幅に低減することができる。また、回路内の可変利得アンプ数を減らし、電力制御回路の製造コストを削減することができる。
【0025】
[その他の実施形態]
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態の構成及び動作について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、上記実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることを付け加えておく。
【0026】
【発明の効果】
本発明に係る電力制御回路によれば低消費電力化を安価に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態となる電力制御回路の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態となる送信電力制御量に応じたドライバアンプの利得制御及び素子の電源制御を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態となる送信電力制御量に応じた制御パターンを示す図である。
【図4】本発明の一実施形態となる携帯通信端末の内部構成を示すブロック図である。
【図5】従来までの電力制御回路の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…アップコンバータ、2…固定利得ローカルアンプ、3…可変利得ドライバアンプ、4…線形増幅器、5…方向性結合器、6…検波ダイオード、7…差動増幅器、8…電源回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯通信端末等の無線通信機器に適用して好適な電力制御回路に関し、特に、低消費電力化を安価に実現するための技術に係わる。
【0002】
【従来の技術】
携帯通信端末に代表される無線通信機器では、低消費電力化や他の通信機器に対する通信妨害防止のために、例えば図5に示すように、変調波を所定の送信周波数に変換するアップコンバータ50に可変利得ローカルアンプ51を接続し、この可変利得ローカルアンプ51の利得を調整することにより、通信先との距離が短い際に送信電力を下げる制御が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般に、線形増幅器は、信号が入力されていない場合でも最大電力の60%程度の電力を消費してしまうために、上述の図5に示すように回路を構成し、可変利得ローカルアンプ51の利得を制御することにより送信電力を下げたとしても、回路内に線形増幅器53があるために消費電力を大幅に低減することができない。
【0004】
また、上述の図5に示す回路は、アップコンバータ50の出力側に可変利得ドライバアンプ52を接続し、この可変利得ドライバアンプ52によって温度変化等の動作環境変化に伴う送信電力の変化を相殺する構成になっているために、比較的高価な可変利得型アンプ(可変利得ローカルアンプ51と可変利得ドライバアンプ52)を回路内に少なくとも二つ設ける必要があり、回路のコストを削減することが難しい。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、低消費電力化を安価に実現することが可能な、電力制御回路及び携帯通信端末を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電力制御回路及び携帯通信端末の特徴は、局部発振波を増幅する固定利得型ローカルアンプと、増幅された局部発振波を利用して変調波を所定送信周波数に変換するアップコンバータと、周波数変換された変調波を増幅する可変利得型ドライバアンプと、可変利得型ドライバアンプにより増幅された変調波を増幅し、増幅した変調波を送信波として出力する線形増幅器と、固定利得型ローカルアンプ、アップコンバータ、及び線形増幅器に電力を供給する電源回路と、電源回路を制御して固定利得型ローカルアンプ、アップコンバータ、及び線形増幅器への電力供給量を調整することにより、送信電力を制御する制御部を備えることにある。
【0007】
すなわち、本発明に係る電力制御回路及び携帯通信端末では、可変利得型ローカルアンプを固定利得型ローカルアンプに置き換え、線形増幅器、アップコンバータ、及び固定利得型ローカルアンプの内の少なくとも一つへの電力供給量を調整することにより送信電力を制御するので、従来までの方法と比較して、消費電力を大幅に低減し、電力制御回路及び携帯通信端末の製造コストを削減することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について詳しく説明する。
【0009】
[電力制御回路の構成]
本発明の一実施形態となる電力制御回路は、図1に示すように、主な構成要素として、アップコンバータ1、固定利得ローカルアンプ2、可変利得ドライバアンプ3、線形増幅器4、方向性結合器5、検波ダイオード6、及び差動増幅器7を備え、制御部(図示せず)から入力される電源制御信号によって、電源回路8からアップコンバータ1、固定利得ローカルアンプ2、及び線形増幅器3への電力供給量が制御される構成となっている。
【0010】
[電力制御回路の基本動作]
上記構成を有する電力制御回路は以下に示すように動作して送信波を生成、出力する。
【0011】
始めに、上記電力制御回路では、変調波が入力されるに応じて、アップコンバータ1が、固定利得ローカルアンプ2から入力されるローカル波(局部発振波)を利用して、変調波の周波数を所定の送信周波数に変換し、周波数変換した変調波を可変利得ドライバアンプ3に出力する。ここで、固定利得ローカルアンプ2は、制御部から入力されるステップレベル制御信号に従ってアップコンバータ1が必要とする入力電圧までローカル波を増幅した後、ローカル波をアップコンバータ1に入力する。なお、制御部から入力されるステップレベル制御信号は、送信周波数に対応する値に設定されており、電力制御回路を携帯通信端末に適用した場合、ステップレベル制御信号の値は基地局から指定される。
【0012】
次に、アップコンバータ1によって周波数変換された変調波が入力されると、可変利得ドライバアンプ3は、差動増幅器7から入力される利得制御信号(詳しくは後述する)に従って変調波を増幅し、線形増幅器4に出力する。そして、線形増幅器4は、増幅された変調波をパワー増幅し、パワー増幅した変調波を方向性結合器5を介して送信波として出力する。なお、このとき、方向性結合器5は、入力された変調波の一部を検波ダイオード6に出力し、検波ダイオード6は、入力された変調波を直流電圧(以下、検波電圧と表記する)に変換して差動増幅器7の一方の入力端子に入力する。そして、差動増幅器7は、他方の入力端子に入力された基準電圧(バリアブルレベル制御信号)と検波電圧とを比較し、検波電圧と基準電圧の差分を利得制御信号として可変利得ドライバアンプ3に入力する。この一連の制御は、負帰還制御と呼ばれ、この負帰還制御によって動作環境に依らずに送信波の電力を一定に維持することができる。
【0013】
[送信電力制御]
上記のようにして送信波を出力する際、電力制御回路は、以下に示すようにして送信電力量を制御することにより、低消費電力化や他の通信機器に対する通信妨害防止を実現する。以下、制御する送信電力量(以下、送信電力制御量と表記する)が小さい場合と、大きい場合とに分けて、送信電力量を制御する際の上記電力制御回路の動作について詳しく説明する。
【0014】
〔送信電力制御量が小さい場合〕
送信電力制御量が例えば20dB以下と比較的小さい場合には、可変利得ドライバアンプ3の利得を調整することによって所望の送信電力制御量を実現できるので、この電力制御回路では、送信電力制御量に応じたバリアブルレベル制御信号を差動増幅器7に入力することにより、可変利得ドライバアンプ3の利得を送信電力制御量に応じた値に下げる(図2参照)。これにより、送信電力量は送信電力制御量に応じた値に制御される。
【0015】
〔送信電力制御量が大きい場合〕
一方、送信電力制御量が例えば20dB以上と比較的大きい場合には、可変利得ドライバアンプ3の利得を調整するだけでは所望の送信電力制御量を実現することができない。そこで、この電力制御回路では、電源回路8に電源制御信号を入力し、線形増幅器4、アップコンバータ1、及び固定利得ローカルアンプ2への電源供給を中止する(図2参照)。これにより、送信電力量は送信電力制御量に応じた値に制御される。
【0016】
但し、線形増幅器4,アップコンバータ1、及び固定利得ローカルアンプ2への電源供給を中止することによる送信波の電力変化量が送信電力制御量よりも小さい場合には、送信電力量と電力変化量の差分に応じたバリアブルレベル制御信号を差動増幅器7に入力することにより、可変利得ドライバアンプ3の利得を差分値に応じた値に下げ、送信電力制御量に応じた値に送信電力量を下げる。また逆に、線形増幅器4,アップコンバータ1、及び固定利得ローカルアンプ2への電源供給を中止したことによる送信波の電力変化量が送信電力制御量よりも大きい場合には、電力変化量と送信電力量の差分に応じた可変レベル制御信号を差動増幅器7に入力することにより、可変利得ドライバアンプ3の利得を差分値に応じた値に上げ、送信電力制御量に応じた値に送信電力量を上げる。
【0017】
なお、上記の説明では、線形増幅器4,アップコンバータ1、及び固定利得ローカルアンプ2への電源供給を中止し、可変利得ドライバアンプ3の利得を制御することにより送信電力量と送信電力制御量の差は調整したが、例えば図3に示すように、送信電力制御量に応じて線形増幅器4,アップコンバータ1、及び固定利得ローカルアンプ2の中で電源供給を中止するものを適宜選択ことにより送信電力を制御してもよい。このような構成によれば、可変利得ドライバアンプ3の利得制御が容易となり、所望の送信電力量を速やかに実現することができる。なお、図3に示す例は、固定利得ローカルアンプ2、アップコンバータ1、及び線形増幅器4の順で消費電力量が大きくなるとして、低消費電力効果が小さい順に並べられた制御パターンを示す。
【0018】
[携帯通信端末の構成]
最後に、上記電力制御回路は例えば図4に示すような構成の携帯通信端末の送信電力制御に適用することができる。
【0019】
図4に示す携帯通信端末では、表示部11は、LCD(Liquid Crystal Display)やEL(ElectroLuminescence)パネル等の表示装置により構成され、制御部12の制御に従って、文字、数字、記号、アイコン、カーソル、画像、動画像等を可視表示する。操作入力部13は、例えば「0」から「9」までの数字の入力、仮名文字の入力、アルファベット文字の入力、記号の入力、発信や受信の指示入力、電源のオン/オフの指示入力等の操作に使用される、複数のキーボタンを有する。また、この操作入力部13は、表示部11上に表示されたカーソルの移動操作や画面のスクロール操作等の操作に使用するダイアル(ジョグダイアル)を有する。この操作入力部13を操作することにより、ユーザは、例えば、電話番号の入力やその登録等、種々の情報の入力及び登録操作を行うことができる。
【0020】
シンセサイザ14は、固定利得アンプ2と受信部15にローカル波を出力する。マイクロフォン16は、携帯通信端末のユーザの通話音声等をアナログ音声信号に変換し制御部12に出力する。制御部12は、アナログ音声信号をアナログ/デジタル変換した後、デジタル音声信号を変調器17に出力する。変調器17は、デジタル音声信号を変調し、変調波をアップコンバータ1に入力する。また、制御部12は、送信電力制御時に電源回路8に電源制御信号を出力することにより送信電力制御時の電源回路8の動作を制御すると共に、差動増幅器7に基準電圧(バリアブルレベル制御信号)を入力する。なお、電力制御回路部分における信号の流れは上述の通りであるのでその説明は省略する。
【0021】
アイソレータ18は、送信電力が制御された送信信号からアンテナ系から入力される妨害信号を除去する。高周波スイッチ19は、アンテナ共用器である。すなわち、高周波スイッチ19は、送信信号と受信信号とで1本のアンテナ20を共用し、アイソレータ18からの送信信号をアンテナへ送出し、且つ、アンテナ20からの受信信号を受信部に送る機能を備えた回路により構成される。
【0022】
受信部15は、高周波スイッチ19から出力された受信信号をシンセサイザ14から入力されるローカル波とミキシングし、受信中間周波信号にダウンコンバートする。復調器21は、受信部から出力された受信中間周波信号をデジタル復調し、制御部12に出力する。制御部12は、デジタル復調された受信中間周波信号を受信タイムスロット毎に分離し、分離した受信中間周波信号を音声データとその他の通信データに弁別する。
【0023】
受信中間周波信号が音声データである場合、制御部12は、受信中間周波信号をD/A変換し、図示しない増幅器により増幅した後、スピーカ22に出力する。スピーカ22は、増幅されたアナログ音声信号により駆動され、通話相手先の端末からの通話音声を放音する。一方、受信中間周波信号が通信データである場合には、制御部12は、通信データのデータ形式を解析し、解析結果に応じた処理を行う。例えば、通信データがテキストデータである場合、制御部12は、表示部11上にテキストデータを表示制御する。また、通信データが圧縮された画像データである場合には、制御部12は、圧縮画像データを伸張した後、表示部11上に画像データを表示制御する。また、通信データが圧縮された音声データである場合には、制御部12は、圧縮音声データを伸張し、スピーカに音声データを出力する。
【0024】
[実施の形態の効果]
以上のように、本発明の一実施形態となる電力制御回路では、可変利得型のローカルアンプを固定利得型のローカルアンプに置き換え、送信電力が低く設定された場合には、線形増幅器4、アップコンバータ1、及び固定利得ローカルアンプ2の少なくとも一つへの電源供給を中止することにより送信電力を下げるので、消費電力を大幅に低減することができる。また、回路内の可変利得アンプ数を減らし、電力制御回路の製造コストを削減することができる。
【0025】
[その他の実施形態]
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態の構成及び動作について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、上記実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることを付け加えておく。
【0026】
【発明の効果】
本発明に係る電力制御回路によれば低消費電力化を安価に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態となる電力制御回路の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態となる送信電力制御量に応じたドライバアンプの利得制御及び素子の電源制御を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態となる送信電力制御量に応じた制御パターンを示す図である。
【図4】本発明の一実施形態となる携帯通信端末の内部構成を示すブロック図である。
【図5】従来までの電力制御回路の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…アップコンバータ、2…固定利得ローカルアンプ、3…可変利得ドライバアンプ、4…線形増幅器、5…方向性結合器、6…検波ダイオード、7…差動増幅器、8…電源回路
Claims (8)
- 局部発振波を増幅する固定利得型ローカルアンプと、
増幅された局部発振波を利用して変調波を所定送信周波数に変換するアップコンバータと、
周波数変換された変調波を増幅する可変利得型ドライバアンプと、
上記可変利得型ドライバアンプにより増幅された変調波を増幅し、増幅した変調波を送信波として出力する線形増幅器と、
上記固定利得型ローカルアンプ、上記アップコンバータ、及び上記線形増幅器に電力を供給する電源回路と、
上記電源回路を制御して上記固定利得型ローカルアンプ、上記アップコンバータ、及び上記線形増幅器への電力供給量を調整することにより、送信電力を制御する制御部と
を備える電力制御回路。 - 請求項1に記載の電力制御回路であって、
上記制御部は、上記電源回路を制御して上記固定利得型ローカルアンプ、上記アップコンバータ、及び上記線形増幅器のうち少なくとも一つへの電力供給を中止することにより、上記送信電力を制御すること
を特徴とする電力制御回路。 - 請求項1に記載の電力制御回路であって、
上記制御部は、上記可変利得型ドライバアンプの利得を制御することにより、上記送信電力を制御すること
を特徴とする電力制御回路。 - 請求項1に記載の電力制御回路であって、
上記線形増幅器から出力される変調波の一部を抽出する方向性結合器と、
抽出された変調波を直流電圧に変換し、直流電圧を検波電圧として出力する検波ダイオードと、
検波電圧と基準電圧を比較し、検波電圧と基準電圧の差分を利得制御信号として上記可変利得型ドライバアンプに出力する差動増幅器と
を備えることを特徴とする電力制御回路。 - 局部発振波を増幅する固定利得型ローカルアンプと、
増幅された局部発振波を利用して変調波を所定送信周波数に変換するアップコンバータと、
周波数変換された変調波を増幅する可変利得型ドライバアンプと、
上記可変利得型ドライバアンプにより増幅された変調波を増幅し、増幅した変調波を送信波として出力する線形増幅器と、
上記固定利得型ローカルアンプ、上記アップコンバータ、及び上記線形増幅器に電源を供給する電源回路と、
上記電源回路を制御して上記固定利得型ローカルアンプ、上記アップコンバータ、及び上記線形増幅器への電力供給量を調整することにより、送信電力を制御する制御部と
を備える携帯通信端末。 - 請求項5に記載の携帯通信端末であって、
上記制御部は、上記電源回路を制御して上記固定利得型ローカルアンプ、上記アップコンバータ、及び上記線形増幅器のうち少なくとも一つへの電力供給を中止することにより、上記送信電力を制御すること
を特徴とする携帯通信端末。 - 請求項5に記載の携帯通信端末であって、
上記制御部は、上記可変利得型ドライバアンプの利得を制御することにより、上記送信電力を制御すること
を特徴とする携帯通信端末。 - 請求項5に記載の携帯通信端末であって、
上記制御部は、基地局から送信されるステップレベル制御信号を固定利得型ローカルアンプに入力し、
上記固定利得型ローカルアンプは、入力されたステップレベル制御信号に従って上記局部発振波を増幅すること
を特徴とする携帯通信端末。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002290355A JP2004128889A (ja) | 2002-10-02 | 2002-10-02 | 電力制御回路及び携帯通信端末 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002290355A JP2004128889A (ja) | 2002-10-02 | 2002-10-02 | 電力制御回路及び携帯通信端末 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004128889A true JP2004128889A (ja) | 2004-04-22 |
Family
ID=32282266
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002290355A Withdrawn JP2004128889A (ja) | 2002-10-02 | 2002-10-02 | 電力制御回路及び携帯通信端末 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004128889A (ja) |
-
2002
- 2002-10-02 JP JP2002290355A patent/JP2004128889A/ja not_active Withdrawn
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