JP2004124953A - Ball bearing - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種の工作機械などに用いられる玉軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種の工作機械は、その生産性を向上させるために、マシニングセンタを中心として、主軸の回転や周辺機器の送りにおいて高速化が進んでいる。これに伴い、前述した主軸や周辺機器の回転軸等を支持する軸受として用いられる玉軸受も高速化を余儀なくされているため、高速化に伴う様々な要求、例えば発熱量の低減、温度上昇の抑制、焼付きの防止、高剛性の確保などが玉軸受に求められている。
【0003】
従来、この種の玉軸受は、リング状に形成された内輪と、この内輪の外周に同心円状に配置された外輪と、この外輪と内輪との間に転動自在に組み込まれた複数の玉とを備えており、内輪の外周面には内側軌道溝が形成されている。この内側軌道溝は外輪の内周面に形成された外側軌道溝と対向しており、これらの軌道溝は幅方向断面が円弧状に形成されている。
【0004】
このような玉軸受は、内輪または外輪の回転に伴って玉が軌道溝上を転動すると摩擦熱が玉と軌道溝との間に発生する。このような玉軸受の回転に伴う発熱量は、内輪及び外輪それぞれの軌道溝と玉との接触面における接触圧力と前述した溝と玉の接触面における滑り速度の積が小さいほど低い値を示すことが明らかとなっている。
【0005】
前述した従来の玉軸受は、玉の直径をDaとすると内側軌道溝および外側軌道溝の幅方向断面の曲率半径が0.52Da程度に設定されているとともに、軸受断面高さ(外輪の外径から内輪の内径を差し引いた値の1/2)をHとすると玉の直径がDa=0.57H程度に設定されている。
さらに、玉に作用する遠心力を軽減するために、玉の直径をDa=0.40H〜0.50Hに設定した玉軸受や、あるいはジャイロモーメントを軽減するために、内側軌道溝および外側軌道溝に対する玉の接触角度を15°とした玉軸受などが商品化され使用されている。
【0006】
工作機械主軸の支持用玉軸受は、微量油潤滑下において、高速回転で用いられることが多い。このため、油膜破断が生じ易く、軸受の温度上昇や遠心力の影響により玉と軌道溝との接触面圧が増大することがある。
一方、前述した高速化によって、玉軸受には焼付きがより生じ易くなる。この焼付きを防止するために、従来、玉軸受の潤滑は、グリース潤滑などの微量油潤滑から潤滑油を霧状にして軸受に吹付けるオイルミスト潤滑、微量の潤滑油を定量ピストンで間欠的に吐出し、ミキシングバルブによって圧縮空気中に潤滑油を引き出し、連続的な流れとして軸受に供給するオイルエア潤滑へと変化してきた。
【0007】
さらに、一つまたは複数のノズルから潤滑油を軸受内部に一定の圧力で噴射するジェット潤滑や、内側軌道溝に設けたノズルから潤滑油を軸受内部に供給するアンダーレース潤滑などの大流量潤滑へと潤滑方法が変わってきた。前述したように、潤滑方法を微量油潤滑から大流量潤滑へと変更することによって、軸受内に十分な潤滑油を供給し、軸受の焼付きを抑制して長寿命化を図ってきた。
【0008】
また、玉軸受などの転がり軸受は、互いに同軸上に並設されて用いられることがある。このとき、各軸受の軸方向の相対位置が使用中でも変化しないように、従来から間座などを用いた定位置予圧によって、各軸受間に隙間が生じないようにしていた。
しかし、軸受の高速回転に伴う遠心力や温度上昇で定位置予圧による予圧荷重が過大になることによって玉と軌道溝との接触面圧が増大し、焼付きが生じ易くなる。そこで、温度変化を伴っても、バネや空圧、油圧を用いて軸受間の荷重を略一定に保つ定圧予圧を用いて、軸受の焼付きを抑制して長寿命化を図ってきた。
【0009】
さらに、玉軸受の剛性を確保し、高速回転に伴う遠心力や温度上昇(内輪と外輪の温度差による影響)による予圧の増加を軽減するために、予圧切替スピンドルも使用されている。
また、軸受の仕様面では、例えば、
▲1▼PV値(P;接触面圧、V;滑り速度)や発熱を抑えるために、内側軌道溝の幅方向断面の曲率半径を外側軌道溝の幅方向断面の曲率半径よりも大きく設定したもの(特許文献1参照)、
▲2▼上記の内容に加え、内輪および外輪のうち少なくとも一方が重量比でCを0.2〜1.2%、Siを0.7〜1.5%、Moを0.5〜1.5%、Crを0.5〜2.0%、残部Fe及び不可避的不純物元素を含有する鉄鋼材料からなり、かつ浸炭窒化処理した後に焼入れ焼戻し処理することにより、表面炭素濃度を0.8〜1.3%とし、かつ表面窒素濃度を0.2〜0.8%とした低摩擦材料を使用してさらなる低発熱化を図ったもの(特許文献2参照)、
▲3▼PV値と発熱を抑えるために、内側軌道溝の幅方向断面の曲率半径を外側軌道溝の幅方向断面の曲率半径よりも大きく設定し、さらに玉径と玉数の関係より剛性、発熱、PV値の最適なパラメータを導き出すようにしたもの(特許文献3参照)、
▲4▼内輪の放熱性を良くして外輪との温度差を軽減するために、内輪の幅を外輪の幅より大きく設定し、さらに玉のピッチ円径PCD((内輪内径+外輪外径)/2)を従来の軸受より小さく設定することにより玉の自転及び公転速度を下げ、軸受の発熱を低減させたもの(特許文献4参照)、
▲5▼温度上昇を低減させるために、内輪及び外輪のうち少なくとも一方を硬度がHRC65以上の粉末高速度鋼で形成し、その粉末高速度鋼で形成した場合の軌道溝の曲率半径を軸受鋼で形成した場合の1.0〜1.12倍にし、ヘルツ弾性接触面の中に生じるスピン滑り、ジャイロ滑りを減少させ、軸受の温度上昇を低減させるとともに、軌道溝の曲率半径が大きくなったことによる接触面圧の増大による寿命低下を改善したもの(特許文献5参照)、
▲6▼低速時には剛性を確保し、高速時にはトルク発熱を低減して高速および高剛性の両方を満足する仕様とするために、内輪の外周面と外輪の内周面に形成された軌道溝の曲率半径を連続的に変化させたもの(特許文献6参照)、
▲7▼玉に作用する遠心力とジャイロモーメントを軽減して発熱の抑制と高速化を図るために、玉の直径を軸受断面高さ(外輪の外径から内輪の内径を差し引いた値の1/2)に対して32〜35%に設定したもの(特許文献7参照)、
▲8▼内部予圧の軽減を図ると共に高速化を達成するために、外輪の溝底肉厚を薄くし、dmn値(dm;玉のピッチ円径、n;回転数)が200万を超える領域で軸受の内部予圧が増加した際に外輪が膨張変形するようにしたもの(特許文献8参照)などが提案されている。
【0010】
【特許文献1】
特開平11−270564号公報
【特許文献2】
再公表特許第WO00/37813号公報
【特許文献3】
特開2000−145794号公報
【特許文献4】
特開平10−26132号公報
【特許文献5】
実用新案登録第2526579号公報
【特許文献6】
特開平9−177795号公報
【特許文献7】
特開平10−274244号公報
【特許文献8】
特開平11−82499号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、工作機械主軸などで使用される玉軸受は、高速低発熱の要求に加え、近年、難削材の切削加工も増えてきており、高速高剛性の要求も強くなってきている。また、低コスト化の要求もますます強くなってきている。このため、玉軸受の潤滑に関しては、大型の潤滑剤給排装置を必要とするジェット潤滑やアンダーレース潤滑よりもオイルエア潤滑やオイルミスト潤滑、更にはグリース潤滑が低コスト化の観点から望ましい。
【0012】
また、複数の軸受を軸線に沿って並設する際の予圧方法に関しては、定圧予圧よりも予圧機構の簡略化が可能な定位置予圧が剛性および低コスト化の観点から望ましい。
玉軸受の高速高剛性化のため、軸受自体が高剛性でかつ焼付きに強く、回転による発熱量が低ければ、前述した低コストな潤滑方法や予圧方法を用いても、更なる軸受の高速化を図ることができる。
【0013】
前述した特許文献1や特許文献2に記載されているように、軸受の発熱を下げ、内輪のPV値を低減させるためには、内側軌道溝の幅方向断面の曲率半径を大きくすればよいが、工作機械の主軸支持用として実際に使用する場合、玉軸受に要求される性能としては、発熱の抑制や高速化のみではなく、剛性や耐久寿命も当然のことながら挙げられ、さらには工具を主軸から外す際にアンクランプ力として軸受に作用する過大な静的アキシアル荷重に対する負荷容量も要求され、このため、内側軌道溝の幅方向断面の曲率半径を玉の直径に対して52.5〜60%以下という広い範囲の中で実際に設定するに当たり、曲率半径の上限についても上記使用条件を考慮する必要が生じる。
【0014】
特許文献3に開示された玉軸受の場合も同様である。玉軸受の静的な許容アキシアル荷重の考え方としては、玉軸受にアキシアル荷重を負荷した際に玉が内側軌道溝または外側軌道溝のいずれかの肩部に乗り上げる乗り上げ荷重と接触面圧が基本静定格荷重相当となる面圧限界との2種類があり、通常は値の低いほうを限界アキシアル荷重として設定している。ただし、乗り上げ荷重の場合は、軸受の製作誤差や公差範囲のバラ付きや安全率を考慮し、限界アキシアル荷重の70%を許容アキシアル荷重としている。
【0015】
面圧限界に関しては、一般的な目安として、次式に示す静許容荷重係数fsが用いられている。
fs=Co/Po
Co;基本静定格荷重(N)
Po;静等価荷重(N)
ここで、玉軸受を工作機械主軸支持用として使用する場合には、静許容荷重係数fsを1.5以上で設定することが望ましく、最大応力を受けている接触部において、転動体の永久変形量と軌道の永久変形量との和が、転動体の直径のほぼ0.0001倍となる最大応力4200MPa(基本静定格荷重:静的許容アキシアル荷重なのでCoa)の85%、3570MPaとすることによりfsを1.7〜1.8程度に設定することができるので、最大応力3570MPaを静許容面圧としている。
【0016】
図14に、玉軸受の仕様を内輪内径;Di=70mm、外輪外径;Do=110mm、玉径;Da=8.731mm、玉数;25個、外側軌道溝の幅方向断面の曲率半径;Ro=0.52Da、内側軌道溝および外側軌道溝に対する玉の接触角;15°、内外輪材質;SUJ2、玉材質;Si3N4とした場合における内側軌道溝の幅方向断面の曲率半径Riと静的許容アキシアル荷重との関係を示す。
【0017】
高速用途向けにセラミックからなる玉を使用することは、現在では常識の範囲になってきているが、荷重を受ける場合はセラミックの縦弾性係数が軸受鋼に比べて大きいため、同じ荷重を受けても玉と軌道溝との接触応力が大きくなり、静的許容アキシアル荷重も低下してしまう。
静的許容アキシアル荷重は、乗り上げ荷重の前に許容応力により制限されてしまう。図14に示すように、内側軌道溝の幅方向断面の曲率半径RiをRi=0.52Daに設定した従来の玉軸受と比較した場合、内側軌道溝の幅方向断面の曲率半径を大きくすると静的許容アキシアル荷重が大幅に低下してしまうことがわかる。
【0018】
内側軌道溝の幅方向断面の曲率半径Riを0.58Daに設定すると、静的許容アキシアル荷重が従来の玉軸受に対して65%のダウンとなり、工作機械主軸としては、容量不足になるという問題が生じる。
内側軌道溝および外側軌道溝の幅方向断面の曲率半径を大きくすると、軌道溝に接触する玉の接触部(以下「接触楕円」という。)が軸受回転時に小さくなる。これにより、玉の滑りを抑えることが可能となり、PV値や発熱を低減できるが、当然のことながら接触楕円が小さくなる。このため、接触部の応力が従来の玉軸受に比較して大きくなってしまうため、転がり疲れ寿命も当然低下してしまう。
【0019】
また、発熱、高速性、剛性に重要なパラメータとして、▲1▼軌道溝の幅断面の幅方向断面の曲率半径、▲2▼玉径、▲3▼接触角が挙げられる、従来例であげた内容は全てにおいて接触角のパラメータを考慮していないものである。
また、工作機械主軸の最近の傾向は、高速化のみでなく変種変量生産に対応するため、様々な回転域での加工が多く、工具変換の頻度が増加している。このような加工条件下で高効率加工を実現するためには、高速回転が可能であることと、主軸の発停時間(急加減速時間)の短縮が不可欠となっている。この急激な回転変動過渡期には、周囲環境変化(モータの発熱、外筒冷却等)が著しく、主軸用軸受は過酷な熱負荷条件下に晒される。簡単に言えば、内外輪温度差がつき軸受の内部予圧が急激に増加し焼付きを起こしてしまうことがある。そのような条件下でも安定した性能を維持する必要があり、軸受のPV値に関して鈍感な設計をする必要がある。
【0020】
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高速回転に伴う発熱量を抑制しかつ高剛性で焼付きを防止し、転がり疲労寿命を長くすることができると共に工作機械主軸用軸受として用いる場合の静的アキシアル負荷容量を確保し、低コスト化を図ることのできる玉軸受を提供しようとするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち請求項1の発明は、外周面に内側軌道溝を有する内輪と、前記内側軌道溝に対向する外側軌道溝を内周面に有する外輪と、前記内側軌道溝と前記外側軌道溝との間に配設された複数の玉とを備えてなり、前記内側軌道溝および前記外側軌道溝の幅方向断面を円弧状に形成した玉軸受であって、前記内側軌道溝の幅方向断面の曲率半径をRi、前記外側軌道溝の幅方向断面の曲率半径をRo、前記玉の直径をDa、前記外輪の外径から前記内輪の内径を差し引いた値の1/2を軸受断面高さHとしたとき、前記内側軌道溝の幅方向断面の曲率半径をRi=0.535Da〜0.545Daに設定するとともに、前記外側軌道溝の幅方向断面の曲率半径をRo=0.515Da〜0.545Daに設定し、かつ前記内側軌道溝および前記外側軌道溝に対する前記玉の接触角度を17°〜26°に設定するとともに、前記玉の直径をDa=0.4H〜0.56Hに設定したことを特徴とする。
【0022】
本発明のうち請求項2の発明は、請求項1記載の玉軸受において、前記玉をセラミックで形成したことを特徴としている。
本発明のうち請求項3の発明は、請求項2記載の玉軸受において、前記内輪および前記外輪のうち少なくとも一方が、重量比Cを0.2〜1.2%、Siを0.4〜1.5%、Moを0.5〜1.5%、Crを0.5〜2.0%、残部Fe及び不可避的不純物元素を含有する鉄鋼材料からなり、かつ浸炭窒化処理を施すことにより、表面炭素濃度が0.8〜1.3%の範囲に設定されていると共に、表面窒素濃度が0.2〜0.8%の範囲に設定されていることを特徴としている。
【0023】
本発明のうち請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の玉軸受において、予圧荷重が負荷されて使用されることを特徴としている。
本発明のうち請求項5の発明は、請求項4記載の玉軸受において、dmn100万以上で使用されることを特徴としている。
本発明のうち請求項6の発明は、請求項4又は5記載の玉軸受において、工作機械主軸用スピンドルに使用されることを特徴としている。
【0024】
ここで、上述した各成分元素の有効範囲について説明する。
(1)Si;0.4〜1.5重量%
Siは焼戻し軟化抵抗性に効果のある元素であり、高温強度を向上させると共に高温環境下において圧痕起点型剥離の防止に有効な残留オーステナイトの分解を遅滞させる効果がある。Si含有量が0.4重量%を下回ると高温強度が不足すると共に圧痕起点型剥離が生じるようになるので、その下限値を0.4重量%とした。一方、Si含有量が1.5重量%を超えると機械的強度が低下すると共に浸炭を阻害するようになるので、その上限値を1.5重量%とした。
(2)Mo;0.5〜1.5重量%
MoはSiと同様に焼戻し軟化抵抗性に効果のある元素であり、高温強度を向上させる効果がある。また、Moは浸炭窒化された表面に微小な炭化物を形成する炭化物形成元素として作用する。Mo含有量が0.5重量%を下回ると高温強度が不足すると共に、表面に析出する炭化物が不足するようになるので、その下限値を0.5重量%とした。一方、Mo含有量が1.5重量%を超えると素材の段階で巨大炭化物が生成され、炭化物の脱落を招来して軸受の転がり疲労寿命を低下させるので、その上限値を1.5重量%とした。
(3)Cr;0.5〜2.0重量%
CrはMoと同様の作用効果を奏する添加元素である。Cr含有量が0.5重量%を下回ると高温強度が不足すると共に、表面に析出する炭化物の量が不足するようになるので、その下限値を0.5重量%とした。一方、Cr含有量が2.0重量%を超えると素材の段階で巨大炭化物が生成され、炭化物の脱落を招来して軸受の転がり疲労寿命を低下させるので、その上限値を2.0重量%とした。
(4)C;0.2〜1.2重量%
上述のように、残留オーステナイト量が多すぎると残留オーステナイトが分解して形状の経時変化が発生し、軸受の寸法安定性が損なわれる。一方、内輪表面および外輪表面における残留オーステナイトの存在は圧痕起点型剥離の防止に有効である。したがって、表面に残留オーステナイトを存在させた状態で、軸受全体に占める残留オーステナイトの量を抑制する必要がある。このような観点から表面および芯部を含めて平均残留オーステナイトの鋼中に占める量を5体積%以下とするのが好ましく、そのためには残留オーステナイトが依存する炭素濃度を1.2重量%以下にする必要があるので、その上限値を1.2重量%とした。一方、炭素濃度が0.2重量%を下回ると浸炭窒化処理で所望の浸炭深さを得るのに長時間を要し、全体的なコスト上昇を招来するようになるので、その下限値を0.2重量%とした。
(5)表面炭素濃度;0.8〜1.3重量%
浸炭窒化処理により表面に炭素を付加すると、マトリックスとなるマルテンサイト組織を固溶強化できると共に、極表層部において圧痕起点型剥離の防止に有効な多量の残留オーステナイトを形成することができる。表面炭素濃度が0.8重量%を下回ると表面硬さが不足して転がり疲労寿命や耐摩耗性が低下するので、その下限値を0.8重量%とした。一方、表面炭素濃度が1.3重量%を超えると浸炭窒化処理時に巨大炭化物が析出し、転がり疲労寿命を低下させることになるので、その上限値を1.3重量%とした。
(6)表面窒素濃度;0.2〜0.8重量%
浸炭窒化処理により表面に窒素を付加すると焼戻し抵抗が向上して高温強度が増大し、耐摩耗性が向上すると共に極表層部において圧痕起点型剥離の防止に有効な多量の残留オーステナイトを存在させることができる。表面窒素濃度が0.2重量%を下回ると高温強度が低下して耐摩耗性が向上するので、その下限値を0.2重量%とした。一方、表面窒素濃度が0.8重量%を超えると軸受製造時における研削仕上げが困難になり、難研削のために軸受の生産性が低下するので、その上限値を0.8重量%とした。
(7)その他の成分元素
その他の成分元素として微量のTiを添加することが好ましい。Tiを添加すると微細なチタン炭化物(TiC)や炭化窒化物(Ti(C+N))がマトリックス中に析出分散し、耐摩耗性および耐焼付き性を向上させるからである。この場合にTi含有量は0.1〜0.3重量%とすることが望ましい。Ti含有量が0.1重量%を下回ると炭化物の析出効果が得られなくなるので、その下限値を0.1重量%とする。一方、Ti含有量が0.3重量%を超えると巨大な析出物が形成されやすくなり、これが欠陥となって転がり疲労寿命を逆に低下させることがあるので、その上限値を0.3重量%とする。因みに、チタン析出物(TiC,Ti(C+N))の大きさが0.1μm以下であると、耐摩耗性や耐焼付き性の向上に寄与する。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明するが、本発明の実施の形態を説明する前に本発明に係る玉軸受を発明するに至った経緯について説明する。
工作機械の主軸支持用として最適な玉軸受の仕様を見出すために、本発明者らは、内輪内径を70mm、外輪外径を110mm、玉径を8.731mm、玉数を25個、接触角を18°、内外輪材質をSUJ2、玉材質をSi3N4とし、内側軌道溝および外側軌道溝の幅方向断面の曲率半径Ri,Roを玉径Daに対して表1に示すような組合せとした場合のアキシアル剛性、内輪PV値、外輪PV値、発熱量、転がり疲労寿命、静的許容アキシアル荷重について計算した。なお、ここでの計算は、回転数;25000min−1、背面組合せ(間座幅20mm)、軸嵌め合い;T21(しまり嵌め、嵌め合いタイト量;21μm)、ハウジング嵌め合い;L8(すきま嵌め、嵌め合いルーズ量;8μm)、潤滑;オイルエア潤滑、組込み時予圧荷重;アキシアルばね定数100N/μmになる予圧荷重(この組込み時のアキシアルばね定数100N/μmは切削加工可能な剛性目安として使用)、温度条件;外輪温度上昇24℃、内外輪温度差16℃の条件で計算した。
【0026】
【表1】
【0027】
表1に番号1〜25で示される各玉軸受の回転時(25000min−1)のアキシアルばね定数を図1に示す。同図に示すように、番号1〜25の中で回転時のアキシアルばね定数が最も高い玉軸受は番号1の玉軸受であり、逆に回転時のアキシアルばね定数が最も低い玉軸受は番号25の玉軸受である。
番号1の玉軸受と番号25の玉軸受とを比較すると、番号1の玉軸受は玉の直径をDaとすると内側軌道溝および外側軌道溝の幅方向断面の曲率半径Ri,Roが0.52Daであるのに対し、番号25の玉軸受は内側軌道溝および外側軌道溝の幅方向断面の曲率半径Ri,Roが0.60Daであることから、内側軌道溝および外側軌道溝の幅方向断面の曲率半径Ri,Roが大きいほど回転時のアキシアルばね定数が低下し、回転時のアキシアル剛性が低くなることがわかる。
【0028】
表1に番号1〜25で示される各玉軸受の回転時(25000min−1)の内輪PV値を図2に示す。同図に示すように、番号1〜25の中で回転時の内輪PV値が最も高い玉軸受は番号1の玉軸受であり、逆に回転時の内輪PV値が最も低い玉軸受は番号20及び25の玉軸受であり、番号5、10及び15の玉軸受も同様である。
【0029】
番号5、10、15、20及び25の玉軸受は玉の直径をDaとすると内側軌道溝の幅方向断面の曲率半径Riが0.60Daであり、このことから、外側軌道溝の幅方向断面の曲率半径Roが変わっても内側軌道溝の幅方向断面の曲率半径Riが同じ値であれば内輪PV値は変化しないことがわかり、さらに内側軌道溝の幅方向断面の曲率半径Riが大きいほど内輪PV値を低く抑えられることがわかる。
【0030】
表1の番号1〜25で示される各玉軸受の内輪を25000min−1で回転させた時の内輪PV値と外輪PV値を図3に示す。同図に示すように、玉軸受の内輪を25000min−1の高速で回転させた場合には、外輪PV値よりも内輪PV値のほうが大きくなる。これは、高速回転になると外輪コントロール(外輪と玉とが純転がりに近い状態)になり、玉の自転軸が外輪側の接触角を基準になるため、内輪側の滑りが大きくなり、PV値が増大するからである。したがって、焼付きを判断するための指標としては、内輪PV値を採用することが望ましい。
【0031】
表1の番号1〜25で示される各玉軸受の回転時(25000min−1)の発熱量を図4に示す。同図に示すように、番号1〜25の中で発熱量が最も高い玉軸受は番号1の玉軸受であり、逆に発熱量が最も低い玉軸受は番号10,15,20,25の玉軸受である。番号10,15,20,25の玉軸受は内側軌道溝の幅方向断面の曲率半径RiがRi=0.60Daであり、このことから、内側軌道溝の幅方向断面の曲率半径Riが大きいほど高速回転時の発熱量が低下し、焼付きを抑制できることがわかる。
【0032】
表1に番号1〜25で示される各玉軸受の回転時(25000min−1)の転がり疲労寿命を図5に示す。同図に示すように、番号1〜25の中で転がり疲労寿命が最も長い玉軸受は番号6の玉軸受であり、逆に転がり疲労寿命が最も短い玉軸受は番号25の玉軸受である。
番号6の玉軸受と番号25の玉軸受とを比較すると、番号6の玉軸受は内側軌道溝の幅方向断面の曲率半径RiがRi=0.52Da、外側軌道溝の幅方向断面の曲率半径RoがRo=0.54Daであるのに対し、番号25の玉軸受は内側軌道溝の幅方向断面の曲率半径RiがRi=0.60Da、外側軌道溝の幅方向断面の曲率半径RoがRo=0.60Daであることから、内側軌道溝および外側軌道溝の幅方向断面の曲率半径Ri,Roが大きいほど転がり疲労寿命が低下することがわかる。
【0033】
表1に番号1〜25で示される各玉軸受の回転時(25000min−1)の静的許容アキシアル荷重を図6に示す。同図に示すように、番号1〜25の中で静的許容アキシアル荷重が最も高い玉軸受は番号1の玉軸受であり、逆に静的許容アキシアル荷重が最も低い玉軸受は番号5,10,15,20,25の玉軸受である。
【0034】
番号5,10,15,20,25の玉軸受は内側軌道溝の幅方向断面の曲率半径RiがRi=0.60Daであり、このことから、内側軌道溝の幅方向断面の曲率半径Riが大きいほど静的許容アキシアル荷重が低下してしまうことがわかる。
したがって、玉軸受の発熱量やPV値を低減するためには、内側軌道溝および外側軌道溝の幅方向断面の曲率半径を大きくすれば良いが、内側軌道溝および外側軌道溝の幅方向断面の曲率半径を大きくすると軸受の剛性や寿命が低下すると共に静的許容アキシアル荷重が低下してしまう。これと反対に、内側軌道溝および外側軌道溝の幅方向断面の曲率半径を小さくすると発熱量やPV値が上昇してしまう。
【0035】
工作機械主軸支持用としては、焼付き指標、発熱量、アキシアル剛性、転がり疲労寿命、静的許容アキシアル荷重の全てにおいてバランスの良好な軸受が求められており、このような観点から、本発明者らは、番号1〜25で示される各玉軸受のアキシアルばね定数、内輪PV値、発熱量、転がり疲労寿命、静的許容アキシアル荷重の計算結果を絶対値評価で比較した。ここでの絶対値評価は、各条件において最も優れる値を100、最も劣る値を0とし、その差分を指数化して絶対値評価を行った。また、高速条件下で最も重要となる焼付き指標−内輪PV値は重要度を上げ、ランクを2倍として計算した。
【0036】
上記の絶対値評価で使用した計算式を下記に示す。
(1)剛性(Ka)
KaRank=100−(KaMax−Ka)/((KaMax−KaMin)/100)
KaMax;図1の中で最大値を示すアキシアルばね定数
KaMin;図1の中で最小値を示すアキシアルばね定数
(2)内輪PV値(Pv)
PvRank=(PvMax−Pv)/((PvMax−PvMin)/100)
PvMax;図2の中で最大値を示す内輪PV値
PvMin;図2の中で最小値を示す内輪PV値
(3)発熱量(W)
WRank=(WMax−W)/((WMax−WMin)/100)
WMax;図4の中で最大値を示す発熱量
WMin;図4の中で最小値を示す発熱量
(4)転がり疲れ寿命(L)
LRank=100−(LMax−L)/((LMax−LMin)/100)
LMax;図5の中で最大値を示す転がり疲れ寿命
LMin;図5の中で最小値を示す転がり疲れ寿命
(5)静的許容アキシアル荷重(Fa)
FaRank=100−(FaMax−Fa)/((FaMax−FaMin)/100)
FaMax;図6の中で最大値を示す静的許容アキシアル荷重
FaMin;図6の中で最小値を示す静的許容アキシアル荷重
(6)TOTAL−Rank
KaRank+(PvRank×2)+WRank+LRank+FaRank
上述したKaRank、PvRank、WRank、LRank、FaRank、TOTAL−Rankの計算結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】
TOTAL−Rankの評価点は、番号2及び7の玉軸受が最も優れており、最適な仕様と言える。番号2及び7のTOTAL−Rankは、ほぼ同じ値である。
表2のRank係数からいずれかの指標が100点を取るような軸受仕様は、いずれかの値が0もしくは0に近い値になり、両極端となる。このため、工作機械主軸用としては、あまり良い仕様とは言えない。
【0039】
表2に示される計算結果から、工作機械主軸支持用として最も適している玉軸受は玉の直径をDaとすると内側軌道溝の幅方向断面の曲率半径RiがRi=0.54Daであり、また外側軌道溝の幅方向断面の曲率半径RoがRo=0.52Daもしくは0.54Daであることがわかる。しかし、軸受を実際に製作する際には製作誤差も含まれるため、内側軌道溝の幅方向断面の曲率半径RiをRi=0.535Da〜0.545Da、外側軌道溝の幅方向断面の曲率半径RoをRo=0.515Da〜0.545Daの範囲とするのが望ましい。
【0040】
次に、本発明者らは、玉の接触角の影響を確認するために、内輪内径を70mm、外輪外径を110mm、玉径をDa=8.731mm、玉数を25個、内側軌道溝および外側軌道溝の幅方向断面の曲率半径をRi=Ro=0.54Da、内外輪材質をSUJ2、玉材質をSi3N4とし、玉の接触角をα=12°、15°、18°、20°、22°、25°、30°とした場合の内輪PV値、外輪PV値、発熱量について計算した。なお、ここでの計算は、回転数;25000min−1、DB組合せ(間座幅20mm)、軸嵌め合い;T21(しまり嵌め、嵌め合いタイト量;21μm)、ハウジング嵌め合い;L8(すきま嵌め、嵌め合いルーズ量;8μm)、潤滑;オイルエア潤滑、組込み時予圧荷重;アキシアルばね定数100N/μmになる予圧荷重(この組込み時のアキシアルばね定数100N/μmは切削加工可能な剛性目安として使用)、温度条件;外輪温度上昇24℃、内外輪温度差16℃の条件で計算した。その計算結果を図7乃至図9に示す。
【0041】
図7に示すように、内側軌道溝および外側軌道溝に対する玉の接触角がα=30°の場合には、ジャイロモーメントの影響により玉の滑りが大きくなるため、内輪PV値が急激に上昇する。したがって、内輪PV値を低く抑えるためには、内側軌道溝および外側軌道溝に対する玉の接触角を30°より小さい角度にする必要があるが、内側軌道溝および外側軌道溝に対する玉の接触角を例えば12°にするとアキシアル剛性が小さくなり、組込み時のアキシアルばね定数を100Nに設定しようとした場合に過大な予圧荷重をかけなくてはならず、回転時の予圧も大きくなる。このため、図7に示すように、内側軌道溝および外側軌道溝に対する玉の接触角を15°とした玉軸受よりも内輪PV値が増大するため、内側軌道溝および外側軌道溝の幅方向断面の曲率半径を表1に示す番号7のようにRi,Ro=0.54Daと設定した場合には、内側軌道溝および外側軌道溝に対する玉の接触角を15°〜25°とすることが望ましい。
【0042】
また、図8に示すように、内側軌道溝および外側軌道溝に対する玉の接触角がα=30°の場合には、ジャイロモーメントの影響により玉の滑りが大きくなるため、発熱量が急激に上昇する。したがって、発熱量を低く抑えるためには、内側軌道溝および外側軌道溝に対する玉の接触角を30°より小さい角度にする必要があるが、内側軌道溝および外側軌道溝に対する玉の接触角が15°の場合には、内側軌道溝および外側軌道溝に対する玉の接触角が18°の場合よりも発熱量が増大する。このため、内側軌道溝および外側軌道溝の幅方向断面の曲率半径を表1に示す番号7のようにRi,Ro=0.54Daと設定した場合には、内側軌道溝および外側軌道溝に対する玉の接触角を18°〜25°とすることが望ましい。
【0043】
さらに、図9に示すように、内側軌道溝および外側軌道溝に対する玉の接触角がα=15°以下の場合には、上記と同様の理由により、外輪PV値が増大する。したがって、外輪PV値を低く抑えるためには、内側軌道溝および外側軌道溝に対する玉の接触角を15°より大きい角度にする必要があるが、内側軌道溝および外側軌道溝に対する玉の接触角が30°の場合には、ジャイロモーメントの影響により玉の滑りが大きくなり、内側軌道溝および外側軌道溝に対する玉の接触角が25°の場合よりも外輪PV値が上昇する。このため、内側軌道溝および外側軌道溝の幅方向断面の曲率半径を表1に示す番号7のようにRi,Ro=0.54aと設定した場合には、内側軌道溝および外側軌道溝に対する玉の接触角を18°〜25°とすることが望ましい。
【0044】
以上、図7乃至図9の結果より内側軌道溝及び外側軌道溝に対する玉の接触角は18°〜25°とすることが望ましいと言えるが、軸受を実際に製作する際には製作誤差も含まれるため、内側軌道溝及び外側軌道溝に対する玉の接触角は17°〜26°とすることが望ましい。
次に、本発明者らは、玉径の確認するために、内輪内径を70mm、外輪外径を110mm、内側軌道溝および外側軌道溝の幅方向断面の曲率半径をRi=Ro=0.54Da、内側軌道溝および外側軌道溝に対する玉の接触角を18°、内外輪材質をSUJ2、玉材質をSi3N4とし、玉径、玉数および断面比(=玉径/(外輪外径−内輪内径)/2)×100)を表3に示す組合せとした場合の内輪PV値を計算した。なお、ここでの計算は、回転数;25000min−1、DB組合せ(間座幅20mm)、軸嵌め合い;T21(しまり嵌め、嵌め合いタイト量;21μm)、ハウジング嵌め合い;L8(すきま嵌め、嵌め合いルーズ量;8μm)、潤滑;オイルエア潤滑、組込み時予圧荷重;アキシアルばね定数100N/μmになる予圧荷重(この組込み時のアキシアルばね定数100N/μmは切削加工可能な剛性目安として使用)、温度条件;外輪温度上昇24℃の条件で計算した。その計算結果を図10に示す。
【0045】
【表3】
【0046】
図10から明らかなように、玉の直径を7.144mm、7.938mmとした場合には、内輪と外輪との温度差が大きくなると内輪PV値が急激に上昇し、内輪と外輪との温度差が30°付近では内輪PV値が1900〜2100MPa・m/s程度となる。また、玉の直径を11.906mm、12.7mmとした場合は、内輪PV値の変化は緩やかであるが、元々のPV値自体が高く、内輪と外輪の温度差が30°付近は、前述の7.144mm、7.938mmと同じく内輪PV値が1900〜2100MPa・m/s程度となる。これに対し、玉の直径を8.731mm、9.525mm、10.319mm、11.112mmとした場合には、内輪と外輪との温度差が大きくなると内輪PV値も上昇するが、内輪と外輪との温度差が30°付近では内輪PV値が1800MPa・m/s程度となる。したがって、軸受断面高さ(外輪の外径から内輪の内径を差し引いた値の1/2)をHとすると玉の直径DaがDa=0.437H〜0.556Hである場合には、内輪と外輪との温度差に対する内輪PV値の変化率がほぼ同等となるので、玉の直径DaをDa=0.437H〜0.556Hに設定することにより、内輪と外輪との間に温度差があってもPV値を低くすることができる。
【0047】
図11は、本発明の一実施形態に係る玉軸受の部分断面図である。同図に示すように、本発明の一実施形態に係る玉軸受10は、リング状に形成された内輪11と、この内輪11の外周に同心円状に配置された外輪12とを備えており、内輪11及び外輪12のうち少なくとも一方は、重量比でCを0.2〜1.2%、Siを0.4〜1.5%、Moを0.5〜1.5%、Crを0.5〜2.0%、残部Fe及び不可避的不純物元素を含有する鉄鋼材料からなり、表面炭素濃度が0.3〜1.3%、表面窒素濃度が0.2〜0.8%となるように、浸炭窒化処理が施されている。また、玉軸受10は内輪11と外輪12との間に転動自在に組み込まれた複数の玉13と、これらの玉13を保持する保持器14とを備えており、内輪11の外周面には内側軌道溝15が形成されている。この内側軌道溝15は外輪12の内周面に形成された外側軌道溝16と対向しており、これらの軌道溝15,16は幅方向断面が円弧状に形成されている。また図12は、本発明の一実施形態に係る玉軸受の玉と軌道溝との関係を示す図である。図に示すように、内輪11の外径面には、その円周方向に沿って所定曲率半径の内側軌道溝15が形成され、外輪12の内径面には、その円周方向に沿い且つ上記内側軌道溝15と径方向で対向した所定曲率半径の外側軌道溝16が形成され、その内側軌道溝15と外側軌道溝16とによって形成される空間内に、複数の玉13が円周方向に並んで介挿されている。そして、各玉13は、上記軌道溝15,16にそれぞれ転がり接触する。そして、本実施の形態では、上記玉13の直径をDaとし、上記外側軌道溝16の曲率半径をRo、上記内側軌道溝15の曲率半径をRiとした場合に、Ri=0.535Da〜0.545Da、Ro=0.515Da〜0.545Daを満足するように、転動体である玉13の直径Daや各軌道溝15,16の曲率半径Ri,Roを決定したものである。
【0048】
(実施例)
図11に示した構成に基づく本発明の実施例と比較例を表4に示す。また、表4の比較例A、Bおよび実施例A、Bの内輪を下記の評価条件で5000min−1〜31000min−1の速度で回転させたときの外輪の温度変化を図13に示す。
【0049】
【表4】
【0050】
[評価条件]
組合せ 2列背面組合せ(背面組合せ定位置予圧)
潤滑 オイルエア 給油量 0.03cc/4min/1Brg
組込時アキシアルぱね定数 100N/μm
(予圧の影響を受けないように同じばね定数に設定)
駆動方法 ベルト
冷却方法 外筒冷却 冷却油温室温+3℃(室温22℃)、6NL/min
評価方法 温度上昇、焼き付き限界
図13に示すように、玉径を7.938mm、玉数を26個、内側軌道溝および外側軌道溝の幅方向断面の曲率半径をRi,Ro=0.54Da、内側軌道溝および外側軌道溝に対する玉の接触角を15°、内外輪材質をSUJ2、玉材質をセラミックとした玉軸受(比較例A)の場合には、内輪の回転速度が24000min−1を超えると外輪温度が急激に上昇し、内輪の回転速度が27000min−1に達すると焼付きを起こすことがわかる。これに対し、玉径を8.731mm、玉数を25個、内側軌道溝の幅方向断面の曲率半径をRi=0.58Da、外側軌道溝の幅方向断面の曲率半径をRo=0.54Da、内側軌道溝および外側軌道溝に対する玉の接触角を18°、内外輪材質をSHX(日本精工株式会社商品名、C;0.2〜1.2重量%、Si;0.7〜1.5重量%、Mo;0.5〜1.5重量%、Cr;0.5〜2.0重量%、残部Fe及び不可避的不純物元素を含有する鉄鋼材料、表面炭素濃度:0.8〜1.3%、表面窒素濃度:0.2〜0.8%)、玉材質をセラミックとした玉軸受(比較例B)の場合には、内輪の回転速度が31000min−1に達しても焼付きを起さないことがわかる。
【0051】
また、玉径を8.731mm、玉数を25個、内側軌道溝および外側軌道溝の幅方向断面の曲率半径をRi,Ro=0.54Da、内側軌道溝および外側軌道溝に対する玉の接触角を18°、内外輪材質をSUJ2、玉材質をセラミックとした玉軸受(実施例A)の場合や、玉径を8.731mm、玉数を25個、内側軌道溝および外側軌道溝の幅方向断面の曲率半径をRi,Ro=0.54Da、内側軌道溝および外側軌道溝に対する玉の接触角を18°、内外輪材質をSHX、玉材質をセラミックとした玉軸受(実施例B)の場合も比較例Bと同様に、内輪の回転速度が31000min−1に達しても焼付きを起さないことがわかる。
【0052】
以上のことから、内側軌道溝の幅方向断面の曲率半径をRi=0.535Da〜0.545Da、外側軌道溝の幅方向断面の曲率半径をRo=0.515Da〜0.545Da、内側軌道溝および外側軌道溝に対する玉の接触角を17°〜26°、玉の直径を軸受断面高さH(外輪の外径から内輪の内径を差し引いた値の1/2)に対して0.4H〜0.56Hに設定することにより、高速回転に伴う発熱量を抑制して焼付きを防止できると共に転がり疲労寿命を長くすることができ、かつ低コスト化を図ることができる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、低コストで高速回転での低温度上昇、高剛性、耐荷重性、耐焼き付き性、耐摩耗性に優れた玉軸受を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】玉軸受の回転時のアキシアルばね定数を示す図である。
【図2】玉軸受の回転時の内輪PV値を示す図である。
【図3】玉軸受の回転時の内輪PV値と外輪PV値を示す図である。
【図4】玉軸受の発熱量を示す図である。
【図5】玉軸受の転がり疲労寿命を示す図である。
【図6】玉軸受の静的許容アキシアル荷重を示す図である。
【図7】玉軸受の内輪PV値と接触角との関係を示す図である。
【図8】玉軸受の発熱量と接触角との関係を示す図である。
【図9】玉軸受の外輪PV値と接触角との関係を示す図である。
【図10】玉軸受の内輪PV値と内外輪温度差との関係を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る玉軸受の部分断面図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る玉軸受の玉と軌道溝との関係を示す図である。
【図13】玉軸受の外輪温度と内輪回転数との関係を示す図である。
【図14】玉軸受の静的許容アキシアル荷重と内側軌道溝曲率半径との関係を示す図である。
【符号の説明】
11 内輪
12 外輪
13 玉
14 保持器
15 内側軌道溝
16 外側軌道溝[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a ball bearing used for various machine tools and the like.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art In recent years, various types of machine tools have been accelerated in rotation of a spindle and feed of peripheral devices centering on a machining center in order to improve productivity. Along with this, the ball bearings used as bearings for supporting the main shaft and the rotating shaft of peripheral devices described above are also required to be operated at higher speeds. Suppression, seizure prevention, and high rigidity are required for ball bearings.
[0003]
Conventionally, this type of ball bearing includes an inner ring formed in a ring shape, an outer ring concentrically arranged on the outer periphery of the inner ring, and a plurality of balls rotatably incorporated between the outer ring and the inner ring. And an inner raceway groove is formed on the outer peripheral surface of the inner race. The inner raceway groove is opposed to the outer raceway groove formed on the inner peripheral surface of the outer race, and these raceway grooves have an arc-shaped cross section in the width direction.
[0004]
In such a ball bearing, when the ball rolls on the raceway groove with the rotation of the inner ring or the outer ring, frictional heat is generated between the ball and the raceway groove. The calorific value due to the rotation of such a ball bearing shows a lower value as the product of the contact pressure at the contact surface between the ball and the raceway groove of the inner ring and the outer ring and the sliding speed at the aforementioned contact surface between the ball and the ball are smaller. It is clear that
[0005]
In the above-described conventional ball bearing, the radius of curvature of the cross-section in the width direction of the inner raceway groove and the outer raceway groove is set to about 0.52 Da when the diameter of the ball is Da, and the bearing cross-section height (the outer diameter of the outer race) If H is 1 / of the value obtained by subtracting the inner diameter of the inner ring from), the diameter of the ball is set to about Da = 0.57H.
Further, in order to reduce the centrifugal force acting on the ball, a ball bearing whose diameter is set to Da = 0.40H to 0.50H or an inner raceway groove and an outer raceway groove to reduce the gyro moment. A ball bearing having a contact angle of the ball with respect to the angle of 15 ° is commercialized and used.
[0006]
Ball bearings for supporting machine tool spindles are often used at high speeds under a slight amount of oil lubrication. For this reason, oil film rupture is likely to occur, and the contact surface pressure between the ball and the raceway groove may increase due to the effect of the temperature rise of the bearing and the centrifugal force.
On the other hand, due to the above-mentioned high speed, seizure is more likely to occur in the ball bearing. Conventionally, to prevent this seizure, ball bearings have been lubricated with a small amount of oil such as grease lubrication, oil mist lubrication that sprays the lubricating oil onto the bearing, and a small amount of lubricating oil intermittently measured with a fixed amount piston. The lubricating oil is drawn out into the compressed air by the mixing valve, and is changed to oil-air lubrication to be supplied to the bearing as a continuous flow.
[0007]
In addition, high-flow lubrication such as jet lubrication, in which lubricating oil is injected from one or more nozzles into the bearing at a constant pressure, and under-race lubrication, in which lubricating oil is supplied into the bearing from nozzles provided in the inner raceway grooves And the lubrication method has changed. As described above, by changing the lubrication method from a small amount of oil lubrication to a large flow rate lubrication, a sufficient amount of lubricating oil has been supplied into the bearing, and seizing of the bearing has been suppressed to extend the life.
[0008]
In addition, rolling bearings such as ball bearings are sometimes used coaxially side by side. At this time, in order to prevent the relative position in the axial direction of each bearing from changing even during use, a gap between the bearings is conventionally prevented by a fixed position preload using a spacer or the like.
However, when the preload due to the fixed-position preload becomes excessive due to the centrifugal force and the temperature rise due to the high-speed rotation of the bearing, the contact surface pressure between the ball and the raceway groove increases, and seizure easily occurs. Therefore, even if the temperature changes, a constant pressure preload that keeps the load between the bearings substantially constant by using a spring, pneumatic pressure, or hydraulic pressure has been used to suppress the seizure of the bearing and extend the life.
[0009]
Further, a preload switching spindle is also used to secure the rigidity of the ball bearings and to reduce an increase in preload due to a centrifugal force and a temperature rise (effect of a temperature difference between the inner ring and the outer ring) due to high-speed rotation.
In terms of bearing specifications, for example,
{Circle around (1)} In order to suppress the PV value (P; contact surface pressure, V; sliding speed) and heat generation, the radius of curvature of the width direction cross section of the inner raceway groove is set larger than the radius of curvature of the width direction cross section of the outer raceway groove. (See Patent Document 1),
{Circle around (2)} In addition to the above, at least one of the inner ring and the outer ring has a weight ratio of C of 0.2 to 1.2%, Si of 0.7 to 1.5%, and Mo of 0.5 to 1. 5%, 0.5 to 2.0% of Cr, the balance being Fe and steel materials containing unavoidable impurity elements, and a carbonitriding treatment followed by a quenching and tempering treatment to reduce the surface carbon concentration to 0.8 to 2.0%. 1.3% and a low nitrogen material having a surface nitrogen concentration of 0.2 to 0.8% to further reduce heat generation (see Patent Document 2).
(3) In order to suppress the PV value and heat generation, the radius of curvature of the cross section of the inner raceway groove in the width direction is set to be larger than the radius of curvature of the cross section of the outer raceway groove in the width direction. The one that derives optimal parameters of heat generation and PV value (see Patent Document 3),
(4) In order to improve the heat dissipation of the inner ring and reduce the temperature difference from the outer ring, the width of the inner ring is set larger than the width of the outer ring, and the pitch diameter PCD of the ball ((inner ring inner diameter + outer ring outer diameter) / 2) is set smaller than that of a conventional bearing to reduce the rotation and revolving speed of the ball and reduce heat generation of the bearing (see Patent Document 4).
(5) In order to reduce the temperature rise, at least one of the inner ring and the outer ring is formed of powdered high-speed steel having a hardness of HRC65 or more, and the radius of curvature of the raceway groove when formed of the powdered high-speed steel is used as the bearing steel. 1.0 to 1.12 times that of the case formed by the above, the spin slip and gyro slip generated in the Hertz elastic contact surface are reduced, the temperature rise of the bearing is reduced, and the radius of curvature of the raceway groove is increased. (See Patent Document 5)
(6) In order to secure rigidity at low speeds and reduce torque heat generation at high speeds to satisfy both high speed and high rigidity, raceway grooves formed on the outer peripheral surface of the inner ring and the inner peripheral surface of the outer ring One in which the radius of curvature is continuously changed (see Patent Document 6),
(7) In order to reduce the centrifugal force and gyro moment acting on the ball to suppress heat generation and increase the speed, the diameter of the ball is equal to the bearing cross-section height (the value obtained by subtracting the inner diameter of the inner ring from the outer diameter of the outer ring is 1). / 2) set to 32-35% (see Patent Document 7),
(8) In order to reduce the internal preload and achieve high speed, the outer ring groove bottom thickness is reduced, and the dmn value (dm: ball pitch circle diameter, n: rotation speed) exceeds 2,000,000. In such a case, an outer ring expands and deforms when the internal preload of the bearing increases (see Patent Document 8).
[0010]
[Patent Document 1]
JP-A-11-270564
[Patent Document 2]
Re-published patent WO00 / 37813
[Patent Document 3]
JP 2000-145794 A
[Patent Document 4]
JP-A-10-26132
[Patent Document 5]
Japanese Utility Model Registration No. 2526579
[Patent Document 6]
JP-A-9-177795
[Patent Document 7]
JP-A-10-274244
[Patent Document 8]
JP-A-11-82499
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
However, for ball bearings used in machine tool spindles and the like, in addition to demands for high speed and low heat generation, cutting of difficult-to-cut materials has been increasing in recent years, and demands for high speed and high rigidity have been increasing. In addition, the demand for cost reduction is becoming stronger. For this reason, regarding lubrication of ball bearings, oil-air lubrication, oil mist lubrication, and grease lubrication are more desirable than jet lubrication and underrace lubrication, which require a large lubricant supply / discharge device, from the viewpoint of cost reduction.
[0012]
As for the preloading method when a plurality of bearings are juxtaposed along the axis, a fixed position preload that can simplify the preload mechanism is more desirable than a constant pressure preload from the viewpoint of rigidity and cost reduction.
In order to increase the speed and rigidity of ball bearings, if the bearings themselves are highly rigid and resistant to seizure and the amount of heat generated by rotation is low, even if the above-mentioned low-cost lubrication method or preloading method is used, further high-speed Can be achieved.
[0013]
As described in
[0014]
The same applies to the case of the ball bearing disclosed in
[0015]
As for the surface pressure limit, a static allowable load coefficient fs expressed by the following equation is used as a general guide.
fs = Co / Po
Co; Basic static load rating (N)
Po; static equivalent load (N)
Here, when the ball bearing is used for supporting the main shaft of the machine tool, it is desirable to set the static allowable load coefficient fs to 1.5 or more. The sum of the amount and the permanent deformation amount of the raceway is 85% of the maximum stress 4200 MPa (Basic static rated load: Coa because it is a static allowable axial load) that is approximately 0.0001 times the diameter of the rolling element, or 3570 MPa. Since fs can be set to about 1.7 to 1.8, the maximum stress 3570 MPa is set as the static allowable surface pressure.
[0016]
FIG. 14 shows the specifications of the ball bearings as inner ring inner diameter; Di = 70 mm, outer ring outer diameter; Do = 110 mm, ball diameter; Da = 8.731 mm, number of balls; 25, radius of curvature of the outer raceway groove in the width direction; Ro = 0.52 Da, contact angle of the ball with the inner raceway groove and the outer raceway groove; 15 °, inner and outer race material; SUJ2, ball material; Si 3 N 4 The relationship between the radius of curvature Ri of the cross section in the width direction of the inner raceway groove and the permissible static axial load in the case of is shown.
[0017]
The use of ceramic balls for high-speed applications is now within the common sense.However, when a load is applied, the modulus of longitudinal elasticity of the ceramic is larger than that of bearing steel. Also, the contact stress between the ball and the raceway groove increases, and the static allowable axial load also decreases.
Static permissible axial loads are limited by permissible stresses prior to riding loads. As shown in FIG. 14, when the radius of curvature of the cross section in the width direction of the inner raceway groove is compared with the conventional ball bearing in which Ri = 0.52 Da is set, when the radius of curvature of the widthwise cross section of the inner raceway groove is increased, the static It can be seen that the ultimate allowable axial load is greatly reduced.
[0018]
When the radius of curvature Ri of the cross section in the width direction of the inner raceway groove is set to 0.58 Da, the static allowable axial load is reduced by 65% as compared with the conventional ball bearing, and the capacity of the machine tool spindle becomes insufficient. Occurs.
When the radius of curvature of the cross-section in the width direction of the inner raceway groove and the outer raceway groove is increased, the contact portion of the ball (hereinafter referred to as “contact ellipse”) contacting the raceway groove is reduced during rotation of the bearing. This makes it possible to suppress the sliding of the ball and to reduce the PV value and the heat generation, but naturally the contact ellipse is reduced. For this reason, since the stress of the contact portion becomes larger than that of the conventional ball bearing, the rolling fatigue life naturally decreases.
[0019]
In addition, as important parameters for heat generation, high speed, and rigidity, (1) the radius of curvature of the cross section in the width direction of the width cross section of the raceway groove, (2) the ball diameter, and (3) the contact angle are mentioned. The content does not take the contact angle parameter into consideration in all cases.
In addition, the recent trend of machine tool spindles is that not only high speed but also variation / variable production is performed, so that machining is performed in various rotation ranges, and the frequency of tool conversion is increasing. In order to realize high-efficiency machining under such machining conditions, it is indispensable to be able to rotate at high speed and to shorten the start / stop time (sudden acceleration / deceleration time) of the spindle. During this transition period of rapid rotation fluctuation, changes in the surrounding environment (heat generation of the motor, cooling of the outer cylinder, etc.) are remarkable, and the bearing for the main shaft is exposed to severe thermal load conditions. To put it simply, a temperature difference between the inner and outer rings may occur, and the internal preload of the bearing may increase rapidly to cause seizure. It is necessary to maintain stable performance even under such conditions, and it is necessary to design the bearing insensitively with respect to the PV value.
[0020]
The present invention has been made in view of the above-described problems, and it is an object of the present invention to suppress the amount of heat generated by high-speed rotation, prevent seizure with high rigidity, and increase the rolling fatigue life. It is an object of the present invention to provide a ball bearing capable of securing static axial load capacity when used as a bearing for a machine tool main shaft and reducing cost.
[0021]
[Means for Solving the Problems]
The invention according to
[0022]
According to a second aspect of the present invention, in the ball bearing according to the first aspect, the ball is formed of ceramic.
According to a third aspect of the present invention, in the ball bearing according to the second aspect, at least one of the inner ring and the outer ring has a weight ratio C of 0.2 to 1.2% and Si of 0.4 to 0.4. It is made of a steel material containing 1.5%, Mo 0.5 to 1.5%, Cr 0.5 to 2.0%, balance Fe and unavoidable impurity elements, and is subjected to carbonitriding. The surface carbon concentration is set in the range of 0.8 to 1.3%, and the surface nitrogen concentration is set in the range of 0.2 to 0.8%.
[0023]
According to a fourth aspect of the present invention, in the ball bearing according to any one of the first to third aspects, a preload is applied to the ball bearing.
According to a fifth aspect of the present invention, in the ball bearing according to the fourth aspect, the ball bearing is used at dmn of 1,000,000 or more.
According to a sixth aspect of the present invention, in the ball bearing according to the fourth or fifth aspect, the ball bearing is used for a spindle for a machine tool main shaft.
[0024]
Here, the effective range of each of the above-described component elements will be described.
(1) Si: 0.4 to 1.5% by weight
Si is an element having an effect on temper softening resistance, and has an effect of improving high-temperature strength and delaying decomposition of retained austenite, which is effective in preventing indentation-type delamination in a high-temperature environment. If the Si content is less than 0.4% by weight, the high-temperature strength becomes insufficient and the indentation origin type peeling occurs. Therefore, the lower limit is set to 0.4% by weight. On the other hand, if the Si content exceeds 1.5% by weight, the mechanical strength is reduced and carburization is impeded. Therefore, the upper limit is set to 1.5% by weight.
(2) Mo; 0.5 to 1.5% by weight
Mo is an element having an effect on temper softening resistance like Si, and has an effect of improving high-temperature strength. Mo acts as a carbide forming element for forming fine carbides on the carbonitrided surface. If the Mo content is less than 0.5% by weight, the high-temperature strength becomes insufficient and the amount of carbide deposited on the surface becomes insufficient. Therefore, the lower limit is set to 0.5% by weight. On the other hand, if the Mo content exceeds 1.5% by weight, giant carbides are generated at the stage of the material, leading to the loss of carbides and shortening the rolling fatigue life of the bearing. And
(3) Cr: 0.5 to 2.0% by weight
Cr is an additive element having the same function and effect as Mo. If the Cr content is less than 0.5% by weight, the high-temperature strength becomes insufficient and the amount of carbide precipitated on the surface becomes insufficient. Therefore, the lower limit is set to 0.5% by weight. On the other hand, if the Cr content exceeds 2.0% by weight, giant carbides are generated at the stage of the raw material, causing the carbides to fall off and reducing the rolling fatigue life of the bearing. Therefore, the upper limit is set to 2.0% by weight. And
(4) C: 0.2 to 1.2% by weight
As described above, if the amount of retained austenite is too large, the retained austenite is decomposed and the shape changes with time, and the dimensional stability of the bearing is impaired. On the other hand, the presence of retained austenite on the inner ring surface and the outer ring surface is effective in preventing indentation origin type peeling. Therefore, it is necessary to suppress the amount of retained austenite in the entire bearing in a state where the retained austenite is present on the surface. From such a viewpoint, it is preferable that the amount of the average retained austenite in the steel including the surface and the core is 5% by volume or less, and for that purpose, the carbon concentration on which the retained austenite depends is reduced to 1.2% by weight or less. Therefore, the upper limit was set to 1.2% by weight. On the other hand, if the carbon concentration is less than 0.2% by weight, it takes a long time to obtain a desired carburizing depth by the carbonitriding treatment, which causes an increase in the overall cost. 0.2% by weight.
(5) Surface carbon concentration: 0.8 to 1.3% by weight
When carbon is added to the surface by carbonitriding, the martensitic structure serving as the matrix can be solid-solution strengthened, and a large amount of retained austenite effective in preventing indentation origin type exfoliation can be formed in the very surface layer. If the surface carbon concentration is less than 0.8% by weight, the surface hardness becomes insufficient and the rolling fatigue life and wear resistance are reduced. Therefore, the lower limit is set to 0.8% by weight. On the other hand, if the surface carbon concentration exceeds 1.3% by weight, giant carbides precipitate during carbonitriding treatment and the rolling fatigue life is reduced. Therefore, the upper limit was set to 1.3% by weight.
(6) Surface nitrogen concentration: 0.2 to 0.8% by weight
When nitrogen is added to the surface by carbonitriding, the tempering resistance is improved, the high-temperature strength is increased, the wear resistance is improved, and a large amount of retained austenite is present in the very surface layer, which is effective in preventing indentation type delamination. Can be. If the surface nitrogen concentration is less than 0.2% by weight, the high-temperature strength is reduced and the wear resistance is improved, so the lower limit was set to 0.2% by weight. On the other hand, if the surface nitrogen concentration exceeds 0.8% by weight, it becomes difficult to finish the grinding during the production of the bearing, and the productivity of the bearing is reduced due to difficult grinding. .
(7) Other component elements
It is preferable to add a small amount of Ti as another component element. This is because, when Ti is added, fine titanium carbide (TiC) or carbonitride (Ti (C + N)) precipitates and disperses in the matrix and improves wear resistance and seizure resistance. In this case, the Ti content is desirably 0.1 to 0.3% by weight. If the Ti content is less than 0.1% by weight, the effect of carbide precipitation cannot be obtained, so the lower limit is set to 0.1% by weight. On the other hand, if the Ti content exceeds 0.3% by weight, a huge precipitate is likely to be formed, and this may become a defect to reduce the rolling fatigue life, so that the upper limit is set to 0.3% by weight. %. Incidentally, when the size of the titanium precipitate (TiC, Ti (C + N)) is 0.1 μm or less, it contributes to improvement of wear resistance and seizure resistance.
[0025]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. Before describing the embodiments of the present invention, the circumstances that led to the invention of the ball bearing according to the present invention will be described.
In order to find the specifications of the most suitable ball bearing for supporting the main shaft of a machine tool, the present inventors set the inner ring inner diameter to 70 mm, the outer ring outer diameter to 110 mm, the ball diameter to 8.731 mm, the number of balls to 25, and the contact angle to 25. 18 °, inner and outer ring material is SUJ2, ball material is Si 3 N 4 Axial rigidity, inner ring PV value, outer ring PV value, heat value when the radius of curvature Ri, Ro of the width direction cross section of the inner raceway groove and the outer raceway groove are combined with the ball diameter Da as shown in Table 1. , Rolling fatigue life and static allowable axial load were calculated. Note that the calculation here is performed at a rotation speed of 25000 min. -1 , Back combination (spacing
[0026]
[Table 1]
[0027]
At the time of rotation of each ball bearing indicated by
Comparing the ball bearing of No. 1 with the ball bearing of No. 25, the ball bearing of No. 1 has a radius of curvature Ri, Ro of 0.52 Da in the width direction cross section of the inner raceway groove and the outer raceway groove when the diameter of the ball is Da. On the other hand, in the ball bearing of No. 25, since the curvature radii Ri and Ro of the width direction cross sections of the inner raceway groove and the outer raceway groove are 0.60 Da, the widthwise cross-sections of the inner raceway groove and the outer raceway groove are 0.65 Da. It can be seen that the larger the radii of curvature Ri and Ro, the lower the axial spring constant during rotation and the lower the axial rigidity during rotation.
[0028]
At the time of rotation of each ball bearing indicated by
[0029]
In the ball bearings of Nos. 5, 10, 15, 20, and 25, the radius of curvature Ri of the cross section in the width direction of the inner raceway groove is 0.60 Da, assuming that the diameter of the ball is Da. It can be seen that the inner ring PV value does not change if the radius of curvature Ri of the width direction cross section of the inner raceway groove is the same value even if the radius of curvature Ro of the inner raceway changes. It can be seen that the inner ring PV value can be kept low.
[0030]
The inner ring of each ball bearing indicated by the
[0031]
When each of the ball bearings indicated by
[0032]
At the time of rotation of each ball bearing indicated by
Comparing the ball bearing No. 6 with the ball bearing No. 25, the ball bearing No. 6 has a radius of curvature Ri = 0.52 Da in the width direction cross section of the inner raceway groove, and a radius of curvature in the width direction cross section of the outer raceway groove. While Ro is Ro = 0.54 Da, the ball bearing of No. 25 has a radius of curvature Ri = 0.60 Da in the width direction cross section of the inner raceway groove, and the radius of curvature Ro of the width direction cross section of the outer raceway groove is Ro. = 0.60 Da, it can be seen that the larger the radius of curvature Ri, Ro of the cross section in the width direction of the inner raceway groove and the outer raceway groove, the lower the rolling fatigue life.
[0033]
At the time of rotation of each ball bearing indicated by
[0034]
In the ball bearings of Nos. 5, 10, 15, 20, and 25, the radius of curvature Ri of the cross section in the width direction of the inner raceway groove is Ri = 0.60 Da. Therefore, the radius of curvature Ri of the cross section in the widthwise direction of the inner raceway groove is smaller. It is understood that the larger the value, the lower the allowable static axial load.
Therefore, in order to reduce the calorific value and the PV value of the ball bearing, the radius of curvature of the widthwise cross section of the inner raceway groove and the outer raceway groove may be increased, but the widthwise cross section of the inner raceway groove and the outer raceway groove may be reduced. When the radius of curvature is increased, the rigidity and life of the bearing are reduced, and the allowable static load is reduced. Conversely, if the radius of curvature of the cross-section in the width direction of the inner raceway groove and the outer raceway groove is reduced, the calorific value and the PV value increase.
[0035]
For machine tool spindle support, a well-balanced bearing is required for all of the seizure index, calorific value, axial rigidity, rolling fatigue life, and static allowable axial load. Compared the calculation results of the axial spring constant, the inner ring PV value, the calorific value, the rolling fatigue life, and the static allowable axial load of each ball bearing indicated by
[0036]
The calculation formula used in the above absolute value evaluation is shown below.
(1) Rigidity (Ka)
KaRank = 100− (Ka Max −Ka) / ((Ka Max -Ka Min ) / 100)
Ka Max The axial spring constant showing the maximum value in FIG.
Ka Min The axial spring constant showing the minimum value in FIG.
(2) Inner ring PV value (Pv)
PvRank = (Pv Max −Pv) / ((Pv Max -Pv Min ) / 100)
Pv Max The inner ring PV value showing the maximum value in FIG.
Pv Min The PV of the inner ring showing the minimum value in FIG.
(3) Calorific value (W)
WRank = (W Max −W) / ((W Max -W Min ) / 100)
W Max The calorific value showing the maximum value in FIG.
W Min The calorific value showing the minimum value in FIG.
(4) Rolling fatigue life (L)
LRank = 100− (L Max −L) / ((L Max -L Min ) / 100)
L Max A rolling fatigue life showing the maximum value in FIG.
L Min Rolling fatigue life showing the minimum value in FIG.
(5) Allowable static load (Fa)
FaRank = 100− (Fa Max −Fa) / ((Fa Max -Fa Min ) / 100)
Fa Max A static allowable axial load showing the maximum value in FIG.
Fa Min A static allowable axial load showing the minimum value in FIG.
(6) TOTAL-Rank
KaRank + (PvRank × 2) + WRank + LRank + FaRank
Table 2 shows the calculation results of the above-described KaRank, PvRank, WRank, LRank, FaRank, and TOTAL-Rank.
[0037]
[Table 2]
[0038]
Regarding the evaluation points of the TOTAL-Rank, the ball bearings of Nos. 2 and 7 are the most excellent, and can be said to be the optimum specifications. The TOTAL-Rank of the
In the bearing specification in which any index takes 100 points from the Rank coefficient in Table 2, any value is 0 or a value close to 0, which is the extreme. For this reason, it cannot be said that it is a very good specification for a machine tool spindle.
[0039]
From the calculation results shown in Table 2, the ball bearing most suitable for supporting the main shaft of the machine tool has a radius of curvature Ri of the widthwise cross section of the inner raceway groove of Ri = 0.54 Da, where Da is the diameter of the ball, and It can be seen that the radius of curvature Ro of the cross section in the width direction of the outer raceway groove is Ro = 0.52 Da or 0.54 Da. However, when the bearing is actually manufactured, a manufacturing error is also included. Therefore, the radius of curvature Ri of the cross section in the width direction of the inner raceway groove is Ri = 0.535 Da to 0.545 Da, and the radius of curvature of the cross section in the width direction of the outer raceway groove is Ri. It is desirable to set Ro to be in a range of Ro = 0.515 Da to 0.545 Da.
[0040]
Next, to confirm the influence of the contact angle of the balls, the present inventors set the inner ring inner diameter to 70 mm, the outer ring outer diameter to 110 mm, the ball diameter to Da = 8.731 mm, the number of balls to 25, the inner raceway groove. The curvature radius of the cross section of the outer raceway groove in the width direction is Ri = Ro = 0.54 Da, the inner and outer race materials are SUJ2, and the ball material is Si. 3 N 4 And the inner ring PV value, the outer ring PV value, and the calorific value were calculated when the contact angles of the balls were α = 12 °, 15 °, 18 °, 20 °, 22 °, 25 °, and 30 °. Note that the calculation here is performed at a rotation speed of 25000 min. -1 , DB combination (spacing
[0041]
As shown in FIG. 7, when the contact angle of the ball with respect to the inner raceway groove and the outer raceway groove is α = 30 °, the slip of the ball increases due to the effect of the gyro moment, and the inner ring PV value sharply increases. . Therefore, in order to keep the inner ring PV value low, the contact angle of the ball with respect to the inner raceway groove and the outer raceway groove needs to be smaller than 30 °. For example, when the angle is set to 12 °, the axial rigidity decreases, and when the axial spring constant at the time of installation is set to 100 N, an excessive preload must be applied, and the preload during rotation increases. For this reason, as shown in FIG. 7, since the inner ring PV value is larger than that of a ball bearing in which the contact angle of the ball with the inner raceway groove and the outer raceway groove is 15 °, the widthwise cross section of the inner raceway groove and the outer raceway groove is increased. Is set to Ri, Ro = 0.54 Da as shown in Table 1, the contact angle of the ball to the inner raceway groove and the outer raceway groove is preferably set to 15 ° to 25 °. .
[0042]
Further, as shown in FIG. 8, when the contact angle of the ball with the inner raceway groove and the outer raceway groove is α = 30 °, the ball slides more due to the effect of the gyro moment, and the heat generation amount rises sharply. I do. Therefore, in order to keep the calorific value low, the contact angle of the ball with the inner raceway groove and the outer raceway groove must be smaller than 30 °, but the contact angle of the ball with the inner raceway groove and the outer raceway groove is 15 °. In the case of °, the calorific value increases more than when the contact angle of the ball with the inner raceway groove and the outer raceway groove is 18 °. For this reason, when the radius of curvature of the cross-section in the width direction of the inner raceway groove and the outer raceway groove is set as Ri, Ro = 0.54 Da as shown in Table 1, the ball for the inner raceway groove and the outer raceway groove is Is desirably 18 ° to 25 °.
[0043]
Further, as shown in FIG. 9, when the contact angle of the ball with the inner raceway groove and the outer raceway groove is α = 15 ° or less, the outer ring PV value increases for the same reason as described above. Therefore, in order to keep the outer ring PV value low, the contact angle of the ball with respect to the inner raceway groove and the outer raceway groove needs to be larger than 15 °. In the case of 30 °, the sliding of the ball becomes large due to the influence of the gyro moment, and the outer ring PV value increases as compared with the case where the contact angle of the ball with the inner raceway groove and the outer raceway groove is 25 °. For this reason, when the radius of curvature of the cross-section in the width direction of the inner raceway groove and the outer raceway groove is set to Ri, Ro = 0.54a as shown in Table 7, the ball for the inner raceway groove and the outer raceway groove is Is desirably 18 ° to 25 °.
[0044]
As described above, from the results of FIGS. 7 to 9, it can be said that the contact angle of the ball with respect to the inner raceway groove and the outer raceway groove is desirably set to 18 ° to 25 °. However, when the bearing is actually manufactured, a manufacturing error is included. Therefore, it is desirable that the contact angle of the ball with respect to the inner raceway groove and the outer raceway groove is 17 ° to 26 °.
Next, in order to confirm the ball diameter, the present inventors set the inner ring inner diameter to 70 mm, the outer ring outer diameter to 110 mm, and set the curvature radius of the inner raceway groove and the outer raceway groove in the width direction cross section to Ri = Ro = 0.54 Da. The contact angle of the ball with the inner raceway groove and the outer raceway groove is 18 °, the material of the inner and outer rings is SUJ2, and the material of the ball is Si. 3 N 4 And the ball diameter, the number of balls, and the cross-sectional ratio (= ball diameter / (outer ring outer diameter−inner ring inner diameter) / 2) × 100) were calculated as the combinations shown in Table 3 to calculate the inner ring PV value. Note that the calculation here is performed at a rotation speed of 25000 min. -1 , DB combination (spacing
[0045]
[Table 3]
[0046]
As is clear from FIG. 10, when the diameter of the ball is 7.144 mm and 7.938 mm, when the temperature difference between the inner ring and the outer ring increases, the inner ring PV value sharply increases, and the temperature between the inner ring and the outer ring increases. When the difference is around 30 °, the inner ring PV value is about 1900 to 2100 MPa · m / s. When the diameters of the balls are 11.906 mm and 12.7 mm, the change in the inner ring PV value is gradual, but the original PV value itself is high, and the temperature difference between the inner ring and the outer ring is about 30 °. The inner ring PV value is about 1900 to 2100 MPa · m / s as in 7.144 mm and 7.938 mm. On the other hand, when the diameter of the ball is 8.731 mm, 9.525 mm, 10.319 mm, and 11.112 mm, the inner ring PV value increases as the temperature difference between the inner ring and the outer ring increases. When the temperature difference with the inner ring is around 30 °, the inner ring PV value is about 1800 MPa · m / s. Therefore, if the bearing cross-section height (1/2 of the value obtained by subtracting the inner diameter of the inner ring from the outer diameter of the outer ring) is H, if the diameter Da of the ball is from 0.437H to 0.556H, the inner ring is Since the rate of change of the inner ring PV value with respect to the temperature difference between the outer ring and the outer ring is substantially the same, the temperature difference between the inner ring and the outer ring can be reduced by setting the diameter Da of the ball to 0.437H to 0.556H. However, the PV value can be reduced.
[0047]
FIG. 11 is a partial sectional view of a ball bearing according to one embodiment of the present invention. As shown in FIG. 1, a
[0048]
(Example)
Table 4 shows examples of the present invention and comparative examples based on the configuration shown in FIG. The inner rings of Comparative Examples A and B and Examples A and B in Table 4 were subjected to the following evaluation conditions for 5000 minutes. -1 ~ 31000min -1 FIG. 13 shows the temperature change of the outer ring when the rotor is rotated at the speed shown in FIG.
[0049]
[Table 4]
[0050]
[Evaluation conditions]
Combination 2-row back-to-back combination (back-to-back combination fixed position preload)
Lubrication Oil air Oil supply amount 0.03cc / 4min / 1Brg
Axial screw constant at assembly 100N / μm
(The same spring constant is set so as not to be affected by preload.)
Drive method Belt
Cooling method Outer cylinder cooling Cooling oil temperature room temperature + 3 ° C (
Evaluation method Temperature rise, burn-in limit
As shown in FIG. 13, the ball diameter is 7.938 mm, the number of balls is 26, the radius of curvature of the cross-section in the width direction of the inner raceway groove and the outer raceway groove is Ri, Ro = 0.54 Da, the inner raceway groove and the outer raceway groove. In the case of a ball bearing (comparative example A) in which the contact angle of the ball with respect to the ball is 15 °, the material of the inner and outer rings is SUJ2, and the material of the ball is ceramic (Comparative Example A), the rotation speed of the inner ring is 24000 min. -1 , The outer ring temperature rises sharply, and the rotation speed of the inner ring becomes 27000 min. -1 It can be seen that seizure occurs when the temperature reaches. On the other hand, the ball diameter is 8.731 mm, the number of balls is 25, the curvature radius of the inner raceway groove in the width direction cross section is Ri = 0.58 Da, and the curvature radius of the outer raceway groove in the width direction cross section is Ro = 0.54 Da. The contact angle of the ball with the inner raceway groove and the outer raceway groove is 18 °, and the material of the inner and outer races is SHX (trade name of Nippon Seiko Co., Ltd., C: 0.2 to 1.2% by weight, Si; 0.7 to 1. 5% by weight, Mo: 0.5 to 1.5% by weight, Cr: 0.5 to 2.0% by weight, steel material containing balance Fe and inevitable impurity elements, surface carbon concentration: 0.8 to 1 0.3%, surface nitrogen concentration: 0.2 to 0.8%), and in the case of a ball bearing using ceramic as a ball material (Comparative Example B), the rotation speed of the inner ring was 31,000 min. -1 It can be seen that no seizure occurs even when the temperature reaches.
[0051]
Further, the ball diameter is 8.731 mm, the number of balls is 25, the radius of curvature of the width direction cross section of the inner raceway groove and the outer raceway groove is Ri, Ro = 0.54 Da, and the contact angle of the ball with the inner raceway groove and the outer raceway groove. 18 °, ball bearings made of SUJ2 inner and outer ring materials and ceramic ball material (Example A), or a ball diameter of 8.731 mm, 25 balls, width direction of inner raceway groove and outer raceway groove In the case of a ball bearing in which the radius of curvature of the cross section is Ri, Ro = 0.54 Da, the contact angle of the ball with the inner raceway groove and the outer raceway groove is 18 °, the material of the inner and outer rings is SHX, and the material of the ball is ceramic (Example B). In the same manner as in Comparative Example B, the rotation speed of the inner ring was 31,000 min. -1 It can be seen that no seizure occurs even when the temperature reaches.
[0052]
From the above, the curvature radius of the cross section in the width direction of the inner raceway groove is Ri = 0.535 Da to 0.545 Da, the curvature radius of the cross section in the width direction of the outer raceway groove is Ro = 0.515 Da to 0.545 Da, and the inner raceway groove is The contact angle of the ball with the outer raceway groove is 17 ° to 26 °, and the diameter of the ball is 0.4H or more with respect to the bearing cross-sectional height H (1/2 of the value obtained by subtracting the inner diameter of the inner ring from the outer diameter of the outer ring). By setting it to 0.56H, the amount of heat generated due to high-speed rotation can be suppressed, seizure can be prevented, the rolling fatigue life can be prolonged, and the cost can be reduced.
[0053]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, it is possible to provide a ball bearing excellent in low cost, low temperature rise at high speed rotation, high rigidity, load resistance, seizure resistance, and wear resistance at low cost.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a view showing an axial spring constant when a ball bearing rotates.
FIG. 2 is a diagram showing an inner ring PV value during rotation of a ball bearing.
FIG. 3 is a diagram showing an inner ring PV value and an outer ring PV value during rotation of a ball bearing.
FIG. 4 is a diagram showing a calorific value of a ball bearing.
FIG. 5 is a view showing a rolling fatigue life of a ball bearing.
FIG. 6 is a diagram showing a static allowable axial load of a ball bearing.
FIG. 7 is a diagram showing a relationship between an inner ring PV value of a ball bearing and a contact angle.
FIG. 8 is a diagram showing a relationship between a calorific value of a ball bearing and a contact angle.
FIG. 9 is a diagram showing a relationship between an outer ring PV value of a ball bearing and a contact angle.
FIG. 10 is a view showing a relationship between an inner ring PV value of a ball bearing and an inner and outer ring temperature difference.
FIG. 11 is a partial sectional view of a ball bearing according to one embodiment of the present invention.
FIG. 12 is a view showing a relationship between a ball and a raceway groove of a ball bearing according to one embodiment of the present invention.
FIG. 13 is a diagram showing the relationship between the temperature of the outer race of the ball bearing and the rotation speed of the inner race.
FIG. 14 is a view showing a relationship between a static allowable axial load of a ball bearing and a radius of curvature of an inner raceway groove.
[Explanation of symbols]
11 Inner ring
12 Outer ring
13 balls
14 Cage
15 inner raceway groove
16 Outer raceway groove
Claims (6)
前記内側軌道溝の幅方向断面の曲率半径をRi、前記外側軌道溝の幅方向断面の曲率半径をRo、前記玉の直径をDa、前記外輪の外径から前記内輪の内径を差し引いた値の1/2を軸受断面高さHとしたとき、前記内側軌道溝の幅方向断面の曲率半径をRi=0.535Da〜0.545Daに設定するとともに、前記外側軌道溝の幅方向断面の曲率半径をRo=0.515Da〜0.545Daに設定し、かつ前記内側軌道溝および前記外側軌道溝に対する前記玉の接触角度を17°〜26°に設定するとともに、前記玉の直径をDa=0.4H〜0.56Hに設定したことを特徴とする玉軸受。An inner ring having an inner raceway groove on an outer peripheral surface, an outer race having an outer raceway groove facing the inner raceway groove on an inner peripheral surface, and a plurality of balls disposed between the inner raceway groove and the outer raceway groove; A ball bearing in which a cross section in the width direction of the inner raceway groove and the outer raceway groove is formed in an arc shape,
The radius of curvature of the cross section of the inner raceway in the width direction is Ri, the radius of curvature of the cross section of the outer raceway in the width direction is Ro, the diameter of the ball is Da, and the value obtained by subtracting the inner diameter of the inner race from the outer diameter of the outer race. When 1/2 is the bearing section height H, the radius of curvature of the width section of the inner raceway groove is set to Ri = 0.535 Da to 0.545 Da, and the radius of curvature of the width section of the outer raceway groove is Ri. Is set to 0.515 Da to 0.545 Da, the contact angle of the ball with the inner raceway groove and the outer raceway groove is set to 17 ° to 26 °, and the diameter of the ball is set to Da = 0. A ball bearing characterized by being set to 4H to 0.56H.
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