【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドアガラスを昇降可能に支持する保持装置のうち、特にキャリアプレートとして好適なドアガラス用保持装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
自動車等の昇降式ウインドガラスは、ドアガラスをホルダー等を介して支持する保持装置（キャリアプレート）と、ドア本体に付設されて保持装置を昇降する昇降装置（ウインドレギュレータ）とにより上下方向へ開閉される。昇降装置は、駆動タイプから分類すると、Ｘアーム式、平行アーム式、ワイヤー式、テープ式に大別される。図８と図９のドアガラス用保持装置は下記文献１，２に開示されているもので、ワイヤー式昇降装置に好適とされる例である。
【０００３】
図８（文献１）の保持装置５０は、可動体（昇降部材）５１と、可動体５１の両上側にボルト５３ａ及びナット５３ｂ（固定部材）を介し装着されるリテーナ５２とからなる。可動体５１は金属プレス品であり、ドア側に付設されて上下方向に延びるガイドレールに沿って昇降される。リテーナ５２は樹脂成形品であり、上開口した隙間を形成している保持部５４及び下側の取付部５５を形成している。保持部５４は、上開口した略Ｕ形状の両挟持片５４ａと、下に突出した突起部５６とを有している。取付部５５は、肉厚内に埋設されたナット５３ｂを有し、突起部５６と対向している。そして、この構造では、リテーナ５２がドアガラスＷＧの下側に接着剤等を介し装着され、取付部５５が可動体５１に対しボルト５３ａを介し固定された状態でドアガラスＷＧを昇降可能に支持する。
図９（文献２）の保持装置６０は、金属製の可動体（キャリアプレート）６１と、可動体６１の両上側に装着される保持具６２とからなる。可動体６１は、嵌合部６３ａを形成しているガイド部６３を有し、該ガイド部６３を介しドア本体６６に設けられて上下方向に延びるガイドレール６４に沿って昇降される。保持具６２は、可動体６１の両側に取り付けられると共に、部材（ボルト等のねじ止め部材）６４がドアガラスＷＧに設けられた取付孔に挿通されて抜け止めした状態で、ドアガラスＷＧを可動体６１に固定支持する。
【０００４】
【特許文献１】
実開平５−６７５１６号公報（第１頁〜第２頁、図１〜図５）
【特許文献２】
特開平７−２０８０２０号公報（第２頁〜第５頁、図１〜図３）
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
上記したドアガラス用保持装置は、ドアガラスＷＧが可動体５１又は６１の上下動を伴って繰り返し昇降されるため、ドアガラスＧＷを可動体５１，６１に対して所定の強さで結合しなければならない。この結合力は、文献２の部材６４等をドアガラスＷＧの取付孔に挿通する構造の方が文献１の挟持構造より優れているが、ドアガラスＷＧの下側に取付孔を設け、部材６４等をその取付孔に挿通して抜け止めする場合には次のようなことが問題となる。即ち、保持装置としては、図８のごとくドアガラスの下端側をＵ形保持部内に挿入して受け止める構成と、図９のごとくねじ止め部材を保持部側の装着孔から、ドアガラスの取付孔に挿通する構成を採用すると、ガラス側取付孔と保持部側装着孔との位置合わせがし難くなり、位置合わせ不完全であると、ねじ止め部材を挿通したときにドアガラスを破損したり傷付け易くなる。これは、Ｕ形保持部内でドアガラス側取付孔を目視不能な状態で位置出ししなければならないためであり、取付孔がドアガラスの下側にあって左右中間部付近に設けられている態様だと顕著となる。固定部材であるねじ止め構造は、ドアガラスの交換性に優れているが、ねじ止め部材の螺合状態が繰り返し受ける車体振動により緩み易くなる。なお、装置構造としては、簡易化を図る上で可動体及びガラス保持部を樹脂材で一体に成形することも考えられるが、その場合に前記保持部を可動体にどの様に設けるかが問題となる。
【０００６】
本発明は上記したような課題を解消するものである。その目的は、ドアガラス側に取付孔を設け、固定部材を保持部側の装着孔から前記取付孔に挿通してドアガラスを抜け止めする場合、及び、ドアガラスの左右中間付近を保持する場合にも、ドアガラス側取付孔と保持部側装着孔との位置出しを簡単かつ確実に行うことができ、又、固定部材としてねじ止め構造を採用しても車体振動等によってねじの緩みを阻止できるようにすることにある。他の目的は、以下に説明する内容の中で順次明らかにして行く。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、図１〜図６の例で特定すると、ドア本体１側に設けられたガイドレール２に沿って昇降される可動体１０と、前記可動体１０に設けられてドアガラスＷＧを受け止めて支持可能な保持部２０と、前記保持部２０に受け止められた前記ドアガラスＷＧの下端側を抜け止めする固定部材４５とを備えたドアガラス用保持装置において、前記保持部２０は、前記可動体１０の対応面との間に前記ドアガラスＷＧの下端側を挿入する上開口した隙間Ｓを形成している支持片２１，２２と、前記支持片２２に設けられて前記隙間Ｓ内へ出没される揺動部材３０と、前記可動体１０に設けられて前記揺動部材３０と対向していると共に前記固定部材４５を係止可能な装着孔１１ａとを有しており、前記ドアガラスＷＧが前記固定部材４５の先端側を通す取付孔ｈを有しており、前記揺動部材３０が前記ドアガラスＷＧの前記隙間Ｓへの差し込み過程で当該隙間から退避するよう動かされ、かつ、前記取付孔ｈと前記揺動部材の先端とが一致したときに当該取付孔ｈへ突出して前記ドアガラスを位置決め可能にすることを特徴としている。
【０００８】
以上の装置構造では、保持部２０が可動体１０との間に上開口した隙間Ｓを形成している支持片２１，２２を有しており、ドアガラスＷＧの下端側が該隙間Ｓに入れられて受け止められる。その際、ドアガラスＷＧは、隙間Ｓに挿入される過程において、隙間Ｓ内に突出している揺動部材３０の先端と当たり、該揺動部材３０を揺動変位しながら隙間Ｓ内から逃がす。揺動部材３０は、取付孔ｈが揺動部材３０の先端と一致しない限り隙間内に再び突出できず、取付孔ｈが揺動部材３０の先端と一致したときに元の位置に復帰し取付孔ｈに突出してドアガラスＷＧを位置決め可能にする。従って、この保持装置では、ドアガラスを保持部の隙間Ｓに挿入して受け止める構成、固定部材４５を板部１１の装着孔１１ａから、ドアガラスＷＧの取付孔ｈに挿通する抜け止め構成とを採用しても、可動体１０に対するドアガラスＷＧの位置決めを確実かつ簡単に行うことができる。また、揺動部材３０を弾性力に抗して揺動変位させると、作業者は揺動部材３０の先端が取付孔ｈに落ち込むときの音により位置決め完了を感知できる。
【０００９】
以上の発明は請求項２〜５のように具体化することがより好ましい。即ち、
（請求項２）前記固定部材４５は、前記ドアガラスＷＧが前記位置決めされた状態で、前記装着孔１１ａから、前記ドアガラスの取付孔ｈを通って前記揺動部材３０の先端に圧接される構成である。これは、ドアガラスＷＧを固定部材４５により抜け止めする場合、固定部材４５が装着孔１１ａに単に螺合等により係止されていると、車体振動等に起因して緩む虞があるため、固定部材４５を揺動部材３０の先端に圧接して不用意な回転を阻止可能にする。
（請求項３）前記揺動部材３０が前記可動体１０に設けられた付勢板部４３及び該付勢板部４３に付設された突起部３２を有し、前記突起部３２の先端と前記固定部材４５の先端とが互いに係合可能な凸部３４及び凹部４８の一方を形成している構成である。これは、係合構造を採用することにより、前記した固定部材４５の緩みをより確実に阻止可能にする。
（請求項４）前記可動体１０、又は、前記可動体１０及び前記支持片２２が、前記隙間Ｓの上方に行くに従って次第に幅広になるようガイド部（１６や２３）を形成している構成である。これは、ガイド部の案内作用によりドアガラスの挿入操作性を向上したり、自動挿入も容易にする。
（請求項５）前記可動体１０が前記支持片２１，２２と前記ガイドレール２に摺動可能に嵌合される嵌合部１２とを対向する表裏面に樹脂により一体に形成している構成である。これは、本発明の保持装置が樹脂成形品として好適なものであることを特定したものである。
【００１０】
【発明の実施の形態】
本発明の形態例を添付図面に基づいて説明する。図１は保持装置を一部分解して示す模式構成図、図２はドアガラスを固定支持した状態で示す模式構成図である。図３（ａ），（ｂ）はドアガラスを保持装置に位置決め配置するときの状態を示す模式縦断面図、図４はドアガラスを固定支持した状態で示す模式縦断面図である。図５と図６は前記保持装置の用途例を示す模式構成図である。図７は保持装置の変形例である。以下の説明では、保持装置の用途を概説し、装置構造及びドアガラスの取付作動を述べた後、変形例に言及する。
【００１１】
（概要）形態例のドアガラス用保持装置は、主部材が可動体１０から構成されて、図５と図６に例示したごとく昇降装置であるウインドレギュレータ１によりドアガラスＷＧを可動体１０を介し上下に昇降するような態様に使用される。同図のウインドレギュレータ１は、ワイヤー式であり、自動車のドア本体（インナーパネル）５に固着されて上下方向に延びているガイドレール２と、該ガイドレール２の上下端側に付設されてワイヤー３をレギュレータ側に導くプーリユニット４ａ，４ｂと、ガイドレール２に摺動可能に嵌合された可動体１０とを備え、可動体１０がワイヤー３の引き方向へ昇降移動されることにより、可動体１０に固定支持されたドアガラスＷＧを開閉する。符号２ａはガイドレール２に設けられた縦リブであり、後述する可動体１０の縦溝１４と嵌合される。従って、発明対象の保持装置は、キャリアプレート、昇降部材、可動部材や可動体と称されることもある。また、ウインドレギュレータ１としては、前記したワイヤー式に限られず、平行アーム式等の他の方式であっても差し支えない。
【００１２】
（装置構造）前記保持装置は、図１と図２に示されるごとく概略矩形立体の可動体１０と、比較的小さなクリップ３０と、細長い板ばね４０と、ねじ式の固定部材４５とから構成されている。このうち、可動体１０及びクリップ３０は樹脂成形品であり、板ばね４０と固定部材４５は金属又は合金製であるが、樹脂で形成してもよい。
【００１３】
可動体１０は、メイン板部（以下、板部と略称）１１の表裏面に保持部２０と嵌合部１２とを一体に形成し、又、板ばね用取付部として係止片１８及び掛止め片１９ａ，１９ｂを一体に形成している。嵌合部１２は、板部１１の裏面側に位置し、対向して上下方向に延びている。そして、嵌合部１２は、板部１１との間に空間１２ａを形成し、該空間１２ａに上記したガイドレール２を摺動可能に嵌合する。この嵌合部１２は、対象のガイドレール２の形状に応じて適宜に変更される。板部１１の裏面側にあって、空間１２ａ内には上下方向に延びる２本の縦溝１４，１５が設けられている。縦溝１４は、上記したキャリアプレート２の縦リブ２ａと嵌合する箇所である。縦溝１５は、上記したワイヤー３の対応部を受け入れて案内する箇所である。符号１７は板部１１の略中央部に設けられた開口部である。該開口部１７は縦溝１５に通じており、ここにはワイヤー３の対応部が係止具により係止されることにより、可動体１０がワイヤー３の引き方向へ連動して摺動可能にする。また、板部１１には、図３と図４に表れるごとく表裏面を貫通している装着孔１１ａが設けられている。該装着孔１１ａは、ドアガラスＷＧの下側にあって、略左右中間付近に貫通形成された２つの取付孔ｈに対応して対に設けられ、又、孔内に雌ねじを形成している。この雌ねじは、隙間Ｓに達する少し手前まで形成されている。即ち、固定部材４５は軸部４６及び雄ねじ部４７からなる。軸部４６は、ドアガラスＷＧの取付孔ｈとほぼ同径であり、取付孔ｈに隙間なく挿入される。軸部４６の端面には、凹部４８が設けられている。該凹部４８は、略十字形に形成されている。雄ねじ部４７は、前記装着孔１１ａの雌ねじと螺合して、固定部材４５を図４の最終ねじ込み位置まで螺入可能となっている。なお、雄ねじ部４７の端面にはドライバー等で操作可能な溝部４７ａが刻印されている。また、以上の雌ねじ構造としては、例えば、図８のごとくナットを可動体１０にインサート成形により埋設するようにしても差し支えない。
【００１４】
保持部２０は、板部１１の表面側に位置し、板部１１との間にドアガラスＷＧの板厚に相当する隙間Ｓを保って上向きに突設された支持片２１，２２を有している。支持片２１は、両側の支持片２２よりも一段低く形成されており、前記開口部１７を露出している。両支持片２２の先端は、隙間Ｓの上方に行くに従って次第に幅広、つまり外側へ傾斜したガイド部２３を形成している。ガイド部２３は、板部１１の表面上側に傾斜面として形成されているガイド部１６と共に、ドアガラスＷＧを隙間Ｓ内に挿入し易くする。両支持片２２の略中央部には貫通孔２４が設けられている。各貫通孔２４は、前記した対応する装着孔１１ａと同軸線上に位置し、内側の孔２４ａが外側の孔２４ｂよりも径小となっている。また、上記係止片１８及び掛止め片１９ａ，１９ｂは板部１１のうち支持片２２の真下に設けられている。係止片１８は、板部１１の対応部を略コ形のスリット１８ａで区画形成した状態で揺動可能に設けられ、又、下側の揺動端に爪部を有している。掛止め片１９ａ，１９ｂは、係止片１８の両側と下側とに突設されている。
【００１５】
以上の可動体１０には、クリップ３０を装着した板ばね４０が組み付けられると共に、固定部材４５も図３の状態に仮組み付けされた状態で車体組立ラインへ供給される。クリップ３０は、フランジ部３１及びフランジ部３１の中央部に突設された軸部３２とからなる。フランジ部３１は、前記貫通孔２４の外側の孔２４ｂに嵌合される大きさであり、外面に設けられた円形取付部３３を有している。該取付部３３は、周囲部にあって、フランジ部３１との間に小さな隙間を保っている対の突起３３ａを形成している。軸部３２は、前記貫通孔２４の内側の孔２４ａに嵌合される大きさであり、先端に設けられた凸部３４を有している。凸部３４は、軸部端面に略十形状に突出され、かつ、全体が椀状に丸みがつけられている。これは、固定部材４５の凹部４８と係合し易くしたり、ドアガラスＷＧの下端面が当たったときに板ばね４０を介し揺動変位し易くするためである。
【００１６】
板ばね４０は、掛止め片１９ａ，１９ｂ等に組み付けられる取付板部４１、板部１１と支持片２０との間の段差に配置される屈曲板部４２、クリップ３０を取り付ける装着板部４３を一体に形成している。取付板部４１には中央部に係止孔４１ａが設けられている。装着板部４３には、円形孔４４が開口されている。該円形孔４４には、上下箇所に逃げ用孔部４４ａと、左右箇所に対の係止爪４４ｂとが設けられている。そして、この板ばね４０にはクリップ３０が組み付けられる。この場合、クリップ３０は、取付部３３を円形孔４４に差し込んだ状態から、略９０度回転することにより、各突起３３ａが対応する係止爪４４ｂに圧着状態で係止されて板ばね４０に取り付けられる。その後、板ばね４０は、取付板部４１が掛止め片１９ａ，１９ｂに挿入され、かつ、前記した係止片１８の先端爪部が係止孔４１ａに係合されることにより、可動体１０に組み付けられる。
【００１７】
（取付作動）次に、以上の保持装置にドアガラスを固定支持する操作要領と取付作動について説明する。図３（ａ）は前記可動体１０にクリップ３０や固定部材４５を組み付けた保持装置の組立状態であり、ドアガラスＷＧが保持部２０の隙間Ｓに上から挿入される状態を示している。保持装置は、組立状態において、クリップ３０の凸部３４が隙間Ｓ内に突出した状態となっている。このため、ドアガラスＷＧは、図３（ｂ）のごとくガイド部１６，２３から隙間Ｓに挿入される途中で、クリップ３０の凸部３４に当接される。クリップ３０は、その当接状態からドアガラスＷＧの荷重により板ばね４０の揺動変位を伴って外側へ動かされ、凸部３４が隙間Ｓから退避したときに、ドアガラスＷＧの更なる挿入を許容する。また、クリップ３０は、ドアガラスＷＧの取付孔ｈが凸部３４（及び装着孔１１ａ）と一致しない限りガラス面に規制されて隙間Ｓに突出されないが、取付孔ｈが凸部３４と一致して位置出しされると、板ばね４０の復帰力により元の位置に戻されて、先端凸部３４が取付孔ｈ内に挿入される。この位置決め時には、先端凸部３４が板ばね４０の復帰力により取付孔ｈに急激に入るため、クリック感又はクリック音を発生する。作業者は、そのクリック音によりドアガラスＷＧが正しく位置出しされたことを感知できる。なお、ドアガラスＷＧをロボットにより挿入するときには、クリップ３０の移動位置や板ばね４０の揺動変位をセンサーで検出して、位置出しが完了したか否か判断されることになる。
【００１８】
そして、この構造では、ドアガラスＷＧが位置出しされた後、固定部材４５がドライバー等により締め付け方向へ回転操作される。該回転により、固定部材４５は、雄ねじ部４７と装着孔１１ａの雌ねじとの螺合を介し図４（ａ）の最終ねじ込み位置まで螺入される。この過程では、固定部材４５の先端面が取付孔ｈに入った後、取付孔ｈに突出していたクリップ３０の先端凸部３４と当たり、クリップ３０が板ばね４０の弾性揺動を伴って外側へ動かされる。固定部材４５は、軸部４６が取付孔ｈを完全に貫通した状態において、凹部４８が図４（ｂ）のごとく凸部３４に係合し、かつ、板ばね４０の復帰力を受けてクリップ３０に圧接されている。このため、この構造では、固定部材４５が装着孔１１ａに対し螺合により係止されるようにしても、板ばね４０から受ける応力Ｆで一方向へ付勢され、又、凹部４８と凸部３４との係合状態により、車体振動等に起因したねじの緩みの虞を確実に解消できる。なお、固定部材４５をロボットで回転操作する場合には、クリップ３０の位置や板ばね４０の揺動変位をセンサーで検出し、固定部材４５の最終ねじ込み時を判断することになる。
【００１９】
（変形例）図７の変形例は、前記クリップ及び板ばねを省略して簡略化した一例である。図７（ａ）は図１に相当し、図７（ｂ）は図７（ａ）のＡ−Ａ線縦断面に対応し又は図４（ａ）に相当して示している。この変形例では、上記形態と同じ部位に同一符号を付して、変更点だけを詳述する。即ち、この保持装置では、上記形態に対し、板部１１との間に隙間Ｓを保って上向きに突設された支持片２１，２２のうち、両側の支持片２２を変更した構成となっている。各支持片２２は、内側の支持片２５ａと、中間の支持片２６と、外側の支持片２５ｂとで構成されている。支持片２６は、スリット２７を介して支持片２５ａ，２５ｂと区画形成され、又、支持片２５ａ，２５ｂの板厚よりも薄く形成されて揺動変位可能となっている。支持片２６の内面側には突起部３５が突設されている。該突起部３５の先端には凸部３５ａが設けられている。凸部２５ａは装着孔１１ａに対向し、かつ、隙間Ｓ内に突出している。要は、前記クリップ３０の先端凸部３４に相当する凸部３５ａである。但し、該凸部３５ａの形状は、成形上の制約から凸部３４と異なり略円錐形に形成されている。これに対応して、固定部材４５の軸部先端には、凸部３５ａと係合される凹部４９が形成されている。
【００２０】
従って、この保持装置では、上記形態と比べて可動体１０に固定部材４５だけを組み付ければよい。そして、ドアガラスＷＧは、ガイド部１６から隙間Ｓに挿入される途中で凸部３５ａに当接される。すると、支持片２６は、その当接状態からドアガラスＷＧの荷重により弾性揺動変位を伴って外側へ動かされ、凸部３５ａが隙間Ｓから退避したときに、ドアガラスＷＧの更なる挿入を許容する。また、支持片２６は、ドアガラスＷＧの取付孔ｈが凸部３５ａ（及び装着孔１１ａ）と一致しない限りガラス面に規制されて隙間Ｓに突出されないが、取付孔ｈが凸部３５ａと一致して位置出しされると、弾性復帰力により元の位置に戻されて、凸部３５ａが取付孔ｈ内に挿入される。この位置決め時にも、凸部３５ａが支持片２６の弾性復帰力により取付孔ｈに急激に入るため、クリック感又はクリック音を発生する。また、ドアガラスＷＧが位置出しされた後、固定部材４５がドライバーや専用治具により締め付け方向へ回転操作される。この回転操作により、固定部材４５は、雄ねじ部４７と装着孔１１ａの雌ねじとの噛み合いを介して図７（ｂ）の最終ねじ込み位置まで螺入される。この過程でも、固定部材４５の先端面が取付孔ｈに入った後、取付孔ｈに突出していた凸部３５ａと当たり、該凸部３５ａが支持片２６の弾性揺動を伴って隙間Ｓから退避される。固定部材４５は、軸部４６が取付孔ｈを完全に貫通した状態において、先端凹部４９が凸部３５ａに係合し、かつ、支持片２６の復帰力を受けて圧接されている。このため、この構造でも、固定部材４５が装着孔１１ａに対し雄・雌ねじの螺合により係止されるようにしても、支持片２６から受ける付勢力で一方向へ押される結果、車体振動等に起因したねじの緩みの虞を解消できる。
【００２１】
以上のように、本発明のドアガラス用保持装置は、請求項に特定した要件を除き種々変更することが可能である。また、以上の形態では本発明の保持装置を自動車のドアガラスＷＧを支持する例で説明したが、用途的にはドアガラスが昇降されて開閉する態様であればこれ以外であってもよい。
【００２２】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明のドアガラス用保持装置は、従来に挙げたドアガラスの下端側を保持部の隙間内に挿入して受け止める構成と、固定部材を可動体の装着孔から、ドアガラスの取付孔に挿通する抜け止め構成とを同時に採用しながら、可動体に対するドアガラスの位置決めを簡単かつ容易に行うことができ、自動位置決めも可能にする。また、揺動部材を弾性力に抗して揺動変位させるだけで、作業者は揺動部材の先端が取付孔に落ち込むときの音により位置決め完了を感知できる。これにより、本発明品は、例えば、ドアガラスの左右中間付近を保持するような態様でも、ドアガラス側取付孔と保持部側装着孔との位置出し、更に固定部材による抜け止めをドアガラスを損傷する虞れなく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】発明形態の保持装置を一部分解した状態で示す模式構成図である。
【図２】上記装置をドアガラス支持状態で示す模式構成図である。
【図３】上記装置にドアガラスを支持する操作を示す模式断面図である。
【図４】図３と同じくドアガラスを支持する操作を示す模式断面図である。
【図５】上記装置のドア側への配置を模式的に示す説明図である。
【図６】上記装置の昇降駆動を示す説明図である。
【図７】上記形態の一変形例を示す模式構成図である。
【図８】従来保持装置の要部及び縦断面図である。
【図９】従来保持装置の他の例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
２…ガイドレール（２ａは縦リブ）
１０…可動体（保持装置、１１はメイン板部）
１２…嵌合部
２０…保持部（Ｓは隙間）
２１，２２…支持片
２５ａ，２５ｂ…支持片
２６…支持片（揺動部材又は付勢板部）
３０…クリップ（揺動部材、３３は取付部）
３２…軸部（突起部、３４は凸部）
３５…突起部（３５ａは凸部）
４０…板ばね（付勢板部）
４５…固定部材（４６は軸部、４７は雄ねじ、４８と４９は凹部）
ＷＧ…ドアガラス（ｈは取付孔）[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
BACKGROUND OF THE INVENTION 1. Field of the Invention The present invention relates to a holding device for a door glass, which is particularly suitable as a carrier plate, among holding devices for supporting a door glass in a vertically movable manner.
[0002]
[Prior art]
Elevating window glass for automobiles is opened and closed vertically by a holding device (carrier plate) that supports the door glass via a holder, etc., and an elevating device (window regulator) that is attached to the door body and moves the holding device up and down. Is done. Elevating devices are roughly classified into X-arm type, parallel-arm type, wire type, and tape type when classified according to the drive type. The holding device for door glass shown in FIGS. 8 and 9 is disclosed in the following documents 1 and 2, and is an example suitable for a wire type lifting device.
[0003]
8 (Literature 1) includes a movable body (elevating member) 51 and a retainer 52 mounted on both upper sides of the movable body 51 via bolts 53a and nuts 53b (fixed member). The movable body 51 is a metal press product, and is moved up and down along a guide rail attached to the door side and extending in the vertical direction. The retainer 52 is a resin molded product, and has a holding portion 54 forming a gap opened upward and a lower mounting portion 55. The holding portion 54 has two substantially U-shaped holding pieces 54a that are open at the top, and a projection 56 that projects downward. The mounting portion 55 has a nut 53b embedded in the wall thickness and faces the protrusion 56. In this structure, the retainer 52 is attached to the lower side of the door glass WG via an adhesive or the like, and the mounting portion 55 is fixed to the movable body 51 via the bolt 53a so that the door glass WG can be raised and lowered. I do.
The holding device 60 shown in FIG. 9 (Reference 2) includes a metal movable body (carrier plate) 61 and holders 62 mounted on both upper sides of the movable body 61. The movable body 61 has a guide portion 63 forming a fitting portion 63a, and is moved up and down along a guide rail 64 provided on the door body 66 via the guide portion 63 and extending in the vertical direction. The holder 62 is attached to both sides of the movable body 61, and moves the door glass WG in a state where a member (a screwing member such as a bolt) 64 is inserted into an attachment hole provided in the door glass WG to prevent it from falling out. It is fixedly supported on the body 61.
[0004]
[Patent Document 1]
Japanese Utility Model Laid-Open No. 5-67516 (Pages 1 and 2; FIGS. 1 to 5)
[Patent Document 2]
JP-A-7-208020 (pages 2 to 5, FIGS. 1 to 3)
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
In the above-described door glass holding device, the door glass WG is repeatedly moved up and down with the vertical movement of the movable body 51 or 61. Therefore, the door glass GW must be coupled to the movable bodies 51 and 61 with a predetermined strength. Must. This coupling force is better in the structure in which the member 64 or the like of Document 2 is inserted into the mounting hole of the door glass WG than in the holding structure of Document 1, but the mounting hole is provided below the door glass WG and the member 64 is provided. The following problem arises when a member such as the one described above is inserted into the mounting hole to prevent it from falling off. That is, as the holding device, a configuration in which the lower end side of the door glass is inserted into the U-shaped holding portion as shown in FIG. 8 and received, and as shown in FIG. Adopting a configuration that makes it difficult to align the mounting hole on the glass side with the mounting hole on the holding part, if the alignment is incomplete, the door glass may be damaged or damaged when the screwing member is inserted. It will be easier. This is because the door glass side mounting hole must be located in the U-shaped holding portion in an invisible state, and the mounting hole is provided at the lower side of the door glass and near the left and right middle part. It becomes remarkable. The screwing structure, which is a fixing member, is excellent in the exchangeability of the door glass, but is easily loosened due to vehicle body vibration that is repeatedly applied to the screwed state of the screwing member. As for the device structure, it is conceivable to integrally mold the movable body and the glass holding portion with a resin material for the purpose of simplification, but in that case, how to provide the holding portion on the movable body is a problem. It becomes.
[0006]
The present invention solves the above-mentioned problems. The purpose is to provide a mounting hole on the door glass side, to insert the fixing member from the mounting hole on the holding part side into the mounting hole to prevent the door glass from coming off, and to hold the door glass near the left and right middle. In addition, positioning of the mounting hole on the door glass side and the mounting hole on the holding part side can be performed easily and reliably, and even if a screwing structure is used as a fixing member, loosening of screws due to body vibration etc. is prevented. To be able to do it. Other objects will be clarified in the following description.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present invention, when specified in the examples of FIGS. 1 to 6, includes a movable body 10 that moves up and down along a guide rail 2 provided on a door main body 1 side, and a movable body 10 provided on the movable body 10. A holding unit 20 for receiving and supporting the door glass WG through the holding unit 20; and a fixing member 45 for holding the lower end of the door glass WG received by the holding unit 20. The portion 20 is provided on the support pieces 22, 22 which form upper open gaps S for inserting the lower end side of the door glass WG between the corresponding pieces of the movable body 10 and the support pieces 22. A swinging member 30 that protrudes and retracts into the gap S, and a mounting hole 11a provided in the movable body 10 and facing the swinging member 30 and capable of locking the fixed member 45. And the door glass WG is The swinging member 30 has a mounting hole h through which the distal end side of the fixing member 45 passes. The swinging member 30 is moved so as to retreat from the gap in the process of inserting the door glass WG into the gap S, and When the hole h coincides with the tip of the swinging member, the hole protrudes into the mounting hole h so that the door glass can be positioned.
[0008]
In the above-described device structure, the holding portion 20 has the support pieces 21 and 22 forming the gap S that is opened upward between the movable body 10 and the lower end side of the door glass WG is inserted into the gap S. Can be accepted. At this time, in the process of being inserted into the gap S, the door glass WG hits the tip of the swing member 30 protruding into the gap S, and escapes from the gap S while swingingly displacing the swing member 30. The swing member 30 cannot project again into the gap unless the mounting hole h coincides with the tip of the swing member 30. When the mounting hole h matches the tip of the swing member 30, the swing member 30 returns to the original position and is mounted. The door glass WG protrudes into the hole h so that the door glass WG can be positioned. Therefore, this holding device has a configuration in which the door glass is inserted into the gap S of the holding portion to receive the same, and a fixing structure in which the fixing member 45 is inserted from the mounting hole 11a of the plate portion 11 into the mounting hole h of the door glass WG. Even if it is adopted, the positioning of the door glass WG with respect to the movable body 10 can be performed reliably and easily. In addition, when the swing member 30 is swing-displaced against the elastic force, the operator can sense the completion of positioning by a sound when the tip of the swing member 30 falls into the mounting hole h.
[0009]
The above invention is more preferably embodied as in claims 2 to 5. That is,
(Claim 2) The fixing member 45 is pressed against the tip of the swing member 30 from the mounting hole 11a through the mounting hole h of the door glass in a state where the door glass WG is positioned. Configuration. This is because, when the door glass WG is prevented from coming off by the fixing member 45, if the fixing member 45 is simply screwed into the mounting hole 11a, the door glass WG may be loosened due to body vibration or the like. The member 45 is pressed against the tip of the swinging member 30 to prevent accidental rotation.
(Claim 3) The swinging member 30 has an urging plate 43 provided on the movable body 10 and a projection 32 attached to the urging plate 43, and the tip of the projection 32 and This is a configuration in which the tip of the fixing member 45 forms one of the convex portion 34 and the concave portion 48 that can engage with each other. This makes it possible to more reliably prevent the fixing member 45 from being loosened by employing the engagement structure.
(Claim 4) The movable body 10, or the guides (16 and 23) are formed so that the movable body 10 and the support piece 22 become gradually wider as they go above the gap S. is there. This improves the operability of inserting the door glass by the guide action of the guide portion, and also facilitates automatic insertion.
(Claim 5) A structure in which the movable body 10 integrally forms the support pieces 21 and 22 and the fitting portion 12 slidably fitted to the guide rail 2 on the front and rear surfaces facing each other with resin. It is. This specifies that the holding device of the present invention is suitable as a resin molded product.
[0010]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
An embodiment of the present invention will be described with reference to the accompanying drawings. FIG. 1 is a schematic configuration diagram showing a holding device partially exploded, and FIG. 2 is a schematic configuration diagram showing a state where a door glass is fixedly supported. FIGS. 3A and 3B are schematic longitudinal sectional views showing a state where the door glass is positioned and arranged on the holding device, and FIG. 4 is a schematic longitudinal sectional view showing a state where the door glass is fixedly supported. FIG. 5 and FIG. 6 are schematic structural views showing application examples of the holding device. FIG. 7 shows a modification of the holding device. The following description outlines the use of the holding device, describes the device structure and the operation of attaching the door glass, and then refers to a modification.
[0011]
(Summary) In the door glass holding device of the embodiment, the main member is constituted by a movable body 10, and as shown in FIGS. 5 and 6, the door glass WG is moved through the movable body 10 by a window regulator 1 which is an elevating device. It is used in a mode that moves up and down. The window regulator 1 shown in FIG. 1 is of a wire type, and is fixed to a door body (inner panel) 5 of an automobile and extends vertically, and a wire is provided at the upper and lower ends of the guide rail 2. Pulley units 4a and 4b for guiding the wire 3 toward the regulator, and a movable body 10 slidably fitted to the guide rail 2. The movable body 10 is moved up and down in the pulling direction of the wire 3 to be movable. The door glass WG fixed and supported by the body 10 is opened and closed. Reference numeral 2a denotes a vertical rib provided on the guide rail 2, and is fitted to a vertical groove 14 of the movable body 10 described later. Therefore, the holding device according to the invention may be referred to as a carrier plate, a lifting member, a movable member, or a movable body. Further, the window regulator 1 is not limited to the wire type described above, but may be another type such as a parallel arm type.
[0012]
(Apparatus Structure) As shown in FIGS. 1 and 2, the holding apparatus includes a movable body 10 having a substantially rectangular shape, a relatively small clip 30, an elongated leaf spring 40, and a screw-type fixing member 45. ing. Of these, the movable body 10 and the clip 30 are resin molded products, and the leaf spring 40 and the fixing member 45 are made of metal or alloy, but may be made of resin.
[0013]
The movable body 10 has a holding portion 20 and a fitting portion 12 integrally formed on the front and back surfaces of a main plate portion (hereinafter, abbreviated as a plate portion) 11, and has a locking piece 18 and a hook as a leaf spring mounting portion. Stop pieces 19a and 19b are formed integrally. The fitting portion 12 is located on the back surface side of the plate portion 11 and extends vertically in opposition. The fitting portion 12 forms a space 12a between the fitting portion 12 and the plate portion 11, and the guide rail 2 described above is slidably fitted into the space 12a. The fitting portion 12 is appropriately changed according to the shape of the target guide rail 2. Two vertical grooves 14 and 15 extending in the vertical direction are provided in the space 12a on the back side of the plate portion 11. The vertical groove 14 is a portion where the vertical rib 2a of the carrier plate 2 is fitted. The vertical groove 15 is a place for receiving and guiding the corresponding portion of the wire 3 described above. Reference numeral 17 denotes an opening provided substantially at the center of the plate portion 11. The opening 17 communicates with the vertical groove 15, where the corresponding portion of the wire 3 is locked by a locking member so that the movable body 10 can slide in conjunction with the pulling direction of the wire 3. I do. The plate portion 11 is provided with a mounting hole 11a penetrating the front and back surfaces as shown in FIGS. The mounting holes 11a are provided on the lower side of the door glass WG so as to correspond to two mounting holes h formed substantially in the vicinity of the left and right intermediate portions, and form female threads in the holes. . The female screw is formed slightly before reaching the gap S. That is, the fixing member 45 includes the shaft portion 46 and the male screw portion 47. The shaft 46 has substantially the same diameter as the mounting hole h of the door glass WG, and is inserted into the mounting hole h without any gap. A concave portion 48 is provided on an end surface of the shaft portion 46. The recess 48 is formed in a substantially cross shape. The male screw portion 47 is screwed with the female screw of the mounting hole 11a so that the fixing member 45 can be screwed into the final screwing position in FIG. A groove 47a operable by a driver or the like is engraved on an end surface of the male screw portion 47. Further, as the above female screw structure, for example, as shown in FIG. 8, a nut may be embedded in the movable body 10 by insert molding.
[0014]
The holding portion 20 has support pieces 21 and 22 that are located on the front surface side of the plate portion 11 and project upward from the plate portion 11 while maintaining a gap S corresponding to the plate thickness of the door glass WG. ing. The support piece 21 is formed one step lower than the support pieces 22 on both sides, and exposes the opening 17. The tips of the two support pieces 22 form a guide portion 23 that is gradually widened toward the upper part of the gap S, that is, inclined outward. The guide portion 23, together with the guide portion 16 formed as an inclined surface on the upper surface of the plate portion 11, facilitates insertion of the door glass WG into the gap S. A through hole 24 is provided at a substantially central portion of both support pieces 22. Each through hole 24 is located coaxially with the corresponding mounting hole 11a, and the inner hole 24a is smaller in diameter than the outer hole 24b. The locking piece 18 and the hook pieces 19a, 19b are provided directly below the support piece 22 in the plate portion 11. The locking piece 18 is swingably provided in a state where a corresponding portion of the plate portion 11 is defined by a substantially U-shaped slit 18a, and has a claw portion at a lower swinging end. The latching pieces 19a and 19b protrude from both sides and the lower side of the locking piece 18.
[0015]
A leaf spring 40 to which the clip 30 is attached is attached to the movable body 10 described above, and the fixing member 45 is also supplied to the vehicle body assembly line in a state temporarily attached to the state shown in FIG. The clip 30 includes a flange portion 31 and a shaft portion 32 protruding from a central portion of the flange portion 31. The flange portion 31 is sized to fit into the hole 24b outside the through hole 24, and has a circular mounting portion 33 provided on the outer surface. The mounting portion 33 forms a pair of projections 33a at the periphery thereof, which keep a small gap between the mounting portion 33 and the flange portion 31. The shaft portion 32 is sized to fit into the hole 24a inside the through hole 24, and has a convex portion 34 provided at the tip. The convex portion 34 is protruded in an approximately ten shape from the end face of the shaft portion, and is entirely rounded in a bowl shape. This is for facilitating engagement with the concave portion 48 of the fixing member 45 and for facilitating swing displacement via the leaf spring 40 when the lower end surface of the door glass WG hits.
[0016]
The leaf spring 40 includes a mounting plate portion 41 that is assembled to the hook pieces 19a, 19b and the like, a bent plate portion 42 disposed at a step between the plate portion 11 and the support piece 20, and a mounting plate portion 43 to which the clip 30 is mounted. It is formed integrally. The mounting plate 41 has a locking hole 41a at the center. A circular hole 44 is formed in the mounting plate 43. The circular hole 44 is provided with escape holes 44a at upper and lower locations and a pair of locking claws 44b at left and right locations. The clip 30 is attached to the leaf spring 40. In this case, the clip 30 is rotated by approximately 90 degrees from a state in which the mounting portion 33 is inserted into the circular hole 44, so that each projection 33 a is locked in a pressed state to the corresponding locking claw 44 b, and It is attached. Thereafter, the leaf spring 40 is moved to the movable body 10 by inserting the mounting plate portion 41 into the latching pieces 19a and 19b and engaging the tip claw portion of the locking piece 18 with the locking hole 41a. Assembled in.
[0017]
(Mounting Operation) Next, an operation procedure for fixing and supporting the door glass on the holding device and the mounting operation will be described. FIG. 3A shows an assembled state of the holding device in which the clip 30 and the fixing member 45 are assembled to the movable body 10, and shows a state where the door glass WG is inserted into the gap S of the holding unit 20 from above. In the holding device, the convex portion 34 of the clip 30 projects into the gap S in the assembled state. For this reason, as shown in FIG. 3B, the door glass WG comes into contact with the convex portion 34 of the clip 30 while being inserted into the gap S from the guide portions 16 and 23. The clip 30 is moved outward from the contact state with the load of the door glass WG with the swing displacement of the leaf spring 40, and when the projection 34 is retracted from the gap S, the further insertion of the door glass WG is performed. Tolerate. The clip 30 is restricted by the glass surface and does not protrude into the gap S unless the mounting hole h of the door glass WG coincides with the convex portion 34 (and the mounting hole 11a), but the mounting hole h coincides with the convex portion 34. When it is positioned, it is returned to the original position by the restoring force of the leaf spring 40, and the tip projection 34 is inserted into the mounting hole h. At the time of this positioning, the tip convex portion 34 suddenly enters the mounting hole h by the restoring force of the leaf spring 40, so that a click feeling or a click sound is generated. The operator can sense that the door glass WG has been correctly positioned by the click sound. When the door glass WG is inserted by a robot, the movement position of the clip 30 and the swing displacement of the leaf spring 40 are detected by a sensor, and it is determined whether or not the positioning is completed.
[0018]
In this structure, after the door glass WG is positioned, the fixing member 45 is rotated in the tightening direction by a driver or the like. By this rotation, the fixing member 45 is screwed into the final screwing position in FIG. 4A via the screwing of the male screw portion 47 and the female screw of the mounting hole 11a. In this process, after the distal end surface of the fixing member 45 enters the mounting hole h, it comes into contact with the distal convex portion 34 of the clip 30 projecting into the mounting hole h, and the clip 30 is moved outward with the elastic swing of the leaf spring 40. Moved to When the shaft portion 46 has completely penetrated the mounting hole h, the fixing member 45 engages the concave portion 48 with the convex portion 34 as shown in FIG. 30. Therefore, in this structure, even when the fixing member 45 is screwed into the mounting hole 11a, the fixing member 45 is urged in one direction by the stress F received from the leaf spring 40, and the concave portion 48 and the convex portion By the engagement state with 34, the possibility of loosening of the screw caused by vibration of the vehicle body or the like can be surely eliminated. When the fixing member 45 is rotated by a robot, the position of the clip 30 and the swing displacement of the leaf spring 40 are detected by a sensor, and the final screwing of the fixing member 45 is determined.
[0019]
(Modification) The modification of FIG. 7 is an example simplified by omitting the clip and the leaf spring. FIG. 7A corresponds to FIG. 1, and FIG. 7B corresponds to a vertical section taken along the line AA of FIG. 7A or corresponds to FIG. 4A. In this modification, the same parts as those in the above embodiment are denoted by the same reference numerals, and only the changed points will be described in detail. That is, the holding device has a configuration in which the support pieces 22 on both sides of the support pieces 21 and 22 projecting upward while maintaining the gap S with the plate portion 11 are changed from the above-described embodiment. I have. Each support piece 22 includes an inner support piece 25a, an intermediate support piece 26, and an outer support piece 25b. The support piece 26 is formed separately from the support pieces 25a and 25b through a slit 27, and is formed to be thinner than the plate thickness of the support pieces 25a and 25b so as to be swingable. On the inner surface side of the support piece 26, a projection 35 is provided so as to protrude. A projection 35a is provided at the tip of the projection 35. The protrusion 25a faces the mounting hole 11a and protrudes into the gap S. The point is a projection 35a corresponding to the tip projection 34 of the clip 30. However, the shape of the convex portion 35a is substantially conical unlike the convex portion 34 due to restrictions on molding. Correspondingly, a concave portion 49 that is engaged with the convex portion 35a is formed at the tip of the shaft portion of the fixing member 45.
[0020]
Therefore, in this holding device, only the fixed member 45 needs to be assembled to the movable body 10 as compared with the above embodiment. Then, the door glass WG comes into contact with the convex portion 35a while being inserted from the guide portion 16 into the gap S. Then, the support piece 26 is moved outward with an elastic swing displacement by the load of the door glass WG from the contact state, and when the convex portion 35a is retracted from the gap S, the further insertion of the door glass WG is performed. Tolerate. The support piece 26 is restricted by the glass surface and does not protrude into the gap S unless the mounting hole h of the door glass WG matches the convex portion 35a (and the mounting hole 11a). When the position is determined, it is returned to the original position by the elastic return force, and the projection 35a is inserted into the mounting hole h. Also at the time of this positioning, the convex portion 35a suddenly enters the mounting hole h by the elastic restoring force of the support piece 26, so that a click feeling or a click sound is generated. After the door glass WG is positioned, the fixing member 45 is rotated in the tightening direction by a driver or a dedicated jig. By this rotation operation, the fixing member 45 is screwed into the final screwing position in FIG. 7B through the engagement between the male screw portion 47 and the female screw of the mounting hole 11a. Also in this process, after the distal end surface of the fixing member 45 enters the mounting hole h, it comes into contact with the convex portion 35a protruding from the mounting hole h, and the convex portion 35a moves from the gap S with the elastic swing of the support piece 26. Will be evacuated. In a state where the shaft portion 46 has completely penetrated the mounting hole h, the fixing member 45 is in pressure contact with the distal concave portion 49 engaging with the convex portion 35a and receiving the return force of the support piece 26. For this reason, even in this structure, even if the fixing member 45 is locked to the mounting hole 11a by the screwing of the male and female screws, the fixing member 45 is pushed in one direction by the urging force received from the support piece 26, resulting in vehicle vibration and the like. The risk of loosening of the screw caused by the above can be eliminated.
[0021]
As described above, the door glass holding device of the present invention can be variously modified except for the requirements specified in the claims. Further, in the above embodiment, the holding device of the present invention has been described as an example of supporting the door glass WG of an automobile. However, other applications may be used as long as the door glass is raised and lowered and opened and closed.
[0022]
【The invention's effect】
As described above, the door glass holding device of the present invention has a configuration in which the lower end side of the door glass is inserted into the gap of the holding portion and received, and the fixing member is moved from the mounting hole of the movable body to the door glass. The position of the door glass with respect to the movable body can be easily and easily determined while simultaneously adopting the retaining structure to be inserted into the mounting hole, and the automatic positioning is also possible. Further, only by causing the swing member to swing and displace against the elastic force, the operator can sense the completion of the positioning by the sound when the tip of the swing member falls into the mounting hole. Thereby, the product of the present invention, for example, even in a mode of holding the vicinity of the left and right middle of the door glass, position the door glass side mounting hole and the holding portion side mounting hole, and further prevent the door glass from falling off by the fixing member. It can be performed without fear of damage.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic configuration diagram illustrating a holding device according to an embodiment of the present invention in a partially exploded state.
FIG. 2 is a schematic configuration diagram showing the device in a state where a door glass is supported.
FIG. 3 is a schematic sectional view showing an operation of supporting a door glass on the device.
FIG. 4 is a schematic cross-sectional view showing the operation of supporting the door glass as in FIG.
FIG. 5 is an explanatory view schematically showing the arrangement of the device on the door side.
FIG. 6 is an explanatory diagram showing a lifting drive of the device.
FIG. 7 is a schematic configuration diagram showing a modification of the above embodiment.
FIG. 8 is a main part and a longitudinal sectional view of a conventional holding device.
FIG. 9 is a sectional view of a main part showing another example of a conventional holding device.
[Explanation of symbols]
2. Guide rail (2a is a vertical rib)
10 movable body (holding device, 11 is main plate part)
12 ... fitting part 20 ... holding part (S is a gap)
21, 22 ... support pieces 25a, 25b ... support pieces 26 ... support pieces (swing member or biasing plate portion)
30 clip (oscillating member, 33 is a mounting part)
32: Shaft (projection, 34 is a projection)
35: Projecting portion (35a is a convex portion)
40 ... leaf spring (biasing plate part)
45: fixing member (46 is a shaft portion, 47 is a male screw, 48 and 49 are concave portions)
WG: Door glass (h is a mounting hole)
