【書類名】 明細書
【発明の名称】 金属超微粒子とその製造方法、微小体の製造方法、および微小体
【特許請求の範囲】
【請求項1】 金属酸化物を還元することにより得られた金属粒子であり、かつ前記金属粒子の表面は窒化ほう素若しくは炭素で被覆されており、平均粒径が1μm以下であることを特徴とする金属超微粒子。
【請求項2】 前記金属酸化物は、遷移金属を含む酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の金属超微粒子。
【請求項3】 前記金属粒子の表面は、主としてh−BNの結晶構造を有する窒化ほう素若しくは主としてグラファイトで構成されている炭素で構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の金属超微粒子。
【請求項4】 前記窒化ほう素若しくは炭素は、膜厚100nm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の金属超微粒子。
【請求項5】 前記窒化ほう素若しくは炭素は、結晶の格子面もしくは積層面が2層以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の金属超微粒子。
【請求項6】 前記金属超粒子は粒子を構成する主成分が磁性金属元素であり、前記金属超微粒子の飽和磁化は、前記磁性金属元素の飽和磁化の10%以上且つ100%未満であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の金属超微粒子。
【請求項7】 熱処理前の含有酸素質量(mass%)に対して、湿度100%、温度120℃、1気圧、24時間の条件で熱処理した後の酸素質量増分が50%以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の金属超微粒子。
【請求項8】 金属の酸化物を含有する粉末とほう素を含有する粉末を混合した粉末を、窒素を含む雰囲気中で熱処理することにより、窒化ほう素で被覆された金属粒子を作製することを特徴とする金属超微粒子の製造方法。
【請求項9】 前記熱処理は800〜1700℃の温度で行われることを特徴とする請求項8に記載の金属超微粒子の製造方法。
【請求項10】 金属の酸化物を含有する粉末と炭素を含有する粉末を混合した粉末を、窒素を含む雰囲気中で熱処理することにより、炭素で被覆された金属粒子を作製することを特徴とする金属超微粒子の製造方法。
【請求項11】 前記熱処理は600〜1600℃の温度で行われることを特徴とする請求項10に記載の金属超微粒子の製造方法。
【請求項12】 金属の酸化物を含有する粉末とほう素を含有する粉末を混合した粉末を、窒素を含む雰囲気中で熱処理することにより、窒化ほう素の微小体を作製することを特徴とする微小体の製造方法。
【請求項13】 前記熱処理は800〜1700℃の温度で行われることを特徴とする請求項12に記載の微小体の製造方法。
【請求項14】 金属酸化物を不活性ガス雰囲気中で還元することにより生成し、主として窒化ほう素で構成されており、ワイヤ状若しくは円筒状であることを特徴とする微小体。
【請求項15】 金属酸化物を不活性ガス雰囲気中で還元することにより生成し、窒化ほう素を主として構成されており、円筒状であって内部に節もしくは架橋を有することを特徴とする微小体。
【請求項16】 金属酸化物を不活性ガス雰囲気中で還元することにより生成し、金属粒子と、前記金属粒子を被覆する窒化ほう素被膜と、ワイヤ状若しくは円筒状の窒化ほう素を備えることを特徴とする微小体。
【請求項17】 金属の酸化物を含有する粉末と炭素を含有する粉末を混合した粉末を、不活性の雰囲気中で熱処理することにより、炭素の微小体を作製することを特徴とする微小体の製造方法。
【請求項18】 前記熱処理は600〜1600℃の温度で行われることを特徴とする請求項17に記載の微小体の製造方法。
【請求項19】 金属酸化物を不活性ガス雰囲気中で還元することにより生成し、グラファイト相の炭素で構成されており、ワイヤ状若しくは円筒状であることを特徴とする微小体。
【請求項20】 金属酸化物を不活性ガス雰囲気中で還元することにより生成し、グラファイト相の炭素を主として構成されており、円筒状であって内部に節もしくは架橋を有することを特徴とする微小体。
【請求項21】 金属酸化物を不活性ガス雰囲気中で還元することにより生成し、金属粒子と、前記金属粒子を被覆する炭素被膜と、ワイヤ状若しくは円筒状の炭素を備えることを特徴とする微小体。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
磁気テープ、磁気記録ディスク等の磁気記録媒体や、電波吸収体、インダクタ、プリント基板等の電子デバイス(ヨークなどの軟磁性形状体)の原材料に用いる金属粒子およびその製造方法に関する。さらに、金属粒子を形成する際の副生成物である微小体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の小型軽量化に伴い、電子デバイスを構成する原材料自体もナノサイズ化が要求されている。同時にデバイスの高性能化も実現しなければならない。例えば磁気記録密度の向上を目的として、磁気テープに塗布する磁性粒子のナノサイズ化と磁化の向上が同時に要求される。
【0003】
従来、磁気記録媒体用として主にフェライト粉が用いられてきたが、磁化が小さく信号強度が低いという問題があった。十分な出力特性を得るためにはFe、Coで代表される金属磁性粒子が適しているが、例えば高記録密度化のために粒子径を1μm以下に微細化すると、金属粒子は酸化に対して活性であるため大気中で酸化反応が激しく進行し、金属の一部または全部が酸化物に変質して磁化が低下してしまう。微細な金属粒子の取り扱いを改善するために、Fe、Coを含む磁性粒子表面をフェライト層で被覆する方法(例えば、特許文献1)、Fe粉表面をグラファイトで被覆する方法(例えば、特許文献2)等が提案されている。
【0004】
上述の例のように粒径が1μm以下の金属粒子において、金属としての機能を損なわせないためには、粒子を直接大気(酸素)に触れさせないようにするため、粒子表面に被膜を付与することが不可欠である。しかし、特許文献1のように金属酸化物で表面を被覆する方法は、少なからず金属を酸化劣化させている。
また、特許文献2のように金属粒子をグラファイトでコーティングする場合は、コーティングするためには、金属が炭素を溶融する状態を作るために、1600℃〜2800℃という極めて高い温度で熱処理しなければならない。金属の炭化やグラファイトのCO2化が懸念される。これら諸問題を打開する被覆方法として、窒化ほう素(BN)による金属粒子の被覆が挙げられる(例えば、非特許文献1)。BNは「るつぼ」に用いられる材料であり、融点が3000℃と高く熱的安定性に優れているとともに、金属との反応性が低い。また絶縁性を有する特徴がある。金属粒子にBN被膜を付与する製法は、(1)金属とBの混合粉末を窒素雰囲気中でアーク放電によって加熱する、あるいは(2)金属とBの混合粉末を水素とアンモニアの混合雰囲気中で加熱する、あるいは(3)硝酸金属塩と尿素とホウ酸の混合物を水素雰囲気中で熱処理する、といった方法がある。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−30920号公報(第9〜11頁、図2)
【特許文献2】
特開平9−143502号公報(第3〜4頁、図5)
【非特許文献1】
「インターナショナル ジャーナル オブ インオーガニック マテリアルズ 3 2001(International Journal of Inorganic Materials 3 2001)」,2001年,p.597
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記BN被膜の製法において、製法(1)及び(2)は金属粒子を原料としているため、特に粒径1μm以下の超微粒子を取り扱う際、急激な酸化反応による発火などの危険がある。また製法(3)では硝酸金属塩を加熱分解するため、有毒ガス(NOx)が発生する。また製法(1)のアーク放電を利用する手法は処理量が少なく生産性が低いだけでなく、反応温度が2000℃付近の高温であるため工業的利用には適していない。また製法(2)及び(3)で使用する水素ガスは爆発の危険があるため、工業的に利用するのは好ましくない。また、従来の技術で得られる被覆された金属粒子は、金属粒子の一部を改質することによって飽和磁化の劣化が生じるなどの問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
発明者等は、上記課題を解決すべく、安全且つ簡便な方法で工業的利用に適した被膜が金属粒子表面に被覆された金属超微粒子およびその製造方法を鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
【0008】
[1] 本発明の金属超微粒子は、金属酸化物を還元することにより得られた金属粒子であり、かつ前記金属粒子の表面は窒化ほう素で被覆されており、平均粒径が1μm以下であることを特徴とする。望ましくは平均粒径を0.001〜1μmの範囲内とする。より望ましくは平均粒径が0.01μm〜0.1μmである。粒径0.1μm以下では、表面を窒化ほう素で被覆することによる酸化防止の効果が特に際立っている。また、例えば、平均粒径0.2〜0.5μmである耐酸化性に優れた金属超微粒子を得ることもできる。
【0009】
試料を電子顕微鏡で観察して平均粒径を測定する。例えば、試料の電子顕微鏡写真を取る。写真内で任意の面積内にある金属超微粒子の粒径を測定して平均値を求めたり、あるいは写真内で任意の長さの線分を引いて、線分の粒子を横断する部分の長さの和Lと線分が横断した粒子の数Nとから、平均粒径=L/Nとして求める。ただし、少なくとも50個以上の粒子の平均値を得るものとする。また、熱処理後のFeの粒子径はリガク製解析ソフト「Jade5」を用いてX線回折測定のFeの(110)ピークから計算することができる。
【0010】
本発明では、微粒子のすべてが窒化ほう素(もしくは炭素)で被覆されていることが望ましいが、必ずしも全ての粒子が被覆されていなくてもよい。また、超微粒子の表面は窒化ほう素(もしくは炭素)で被覆されていることが望ましいが、表面が完全に窒化ほう素(もしくは炭素)で被覆されている粒子のみで構成される必要はない。なお、本願明細書および特許請求の範囲における数値範囲の記載は、例えば、「粒径が0.001〜1μmである」と記載したものは「粒径は、0.001μm以上且つ1μm以下の範囲にある」という表現と等価なものとして用いている。
【0011】
[2] 上記[1]において、前記金属酸化物は、遷移金属を含む酸化物であることを特徴とする。前記金属粒子は、Fe、Ni、Co、それらの少なくとも1種を含む合金から選ばれることが望ましい。例えば、窒化ほう素で被覆されたFe粒子、窒化ほう素で被覆されたNi粒、窒化ほう素で被覆されたFeNiCo粒子、窒化ほう素で被覆されたNiFe粒子等が挙げられる。
【0012】
[3] 上記[1]または[2]の金属超微粒子において、前記窒化ほう素は、主としてh−BNの結晶構造を有することを特徴とする。
【0013】
[4] 上記[1]乃至[3]のいずれかの金属超微粒子において、前記窒化ほう素は、厚さ100nm以下の膜であることを特徴とする。ここで、膜厚とは、被覆される粒子の表面と被覆する薄膜の表面間の距離に相当する。より好ましくは膜厚20nm以下にすることができる。
【0014】
[5] 上記[1]乃至[4]のいずれかの金属超微粒子において、前記窒化ほう素は、結晶の格子面もしくは積層面が2層以上であることを特徴とする。より望ましくは結晶の格子面もしくは積層面が4層以上の膜とする。ここで、窒化ほう素は六方晶を主体とし、前記結晶の格子面もしくは積層面は六方晶のc面(すなわち、(002)面)であることが望ましい。前記結晶の格子面もしくは積層面は、金属粒子の面に沿って形成されていることが望ましい。
[6] 上記[5]において、前記粒子または窒化ほう素の中に中間相を備えてもよい。
【0015】
[7] 上記[1]乃至[6]のいずれかにおいて、前記金属超粒子は粒子を構成する主成分が磁性金属元素であり、前記金属超微粒子の飽和磁化は、前記磁性金属元素の飽和磁化の10%以上且つ100%未満であることを特徴とする。
上記[7]に関して、金属超微粒子の核を磁性粒子で構成する際に、被覆している窒化ほう素膜は30nm以下と極めて薄くすることができる。そのため、金属超微粒子において、磁性粒子の占める体積率を高くすることもでき、従来技術に比べて金属超微粒子の飽和磁化の低下を抑制することができる。遷移金属または遷移金属を含む合金で構成される粒子において、粒子の磁性を担う主成分の材質固有の飽和磁化を基準(すなわち、100%)としたときに、その粒子に窒化ほう素膜を被覆した金属超微粒子の飽和磁化は前記基準に対して10%以上の大きさを有するものとすることができる。
【0016】
[8] 上記[1]乃至[7]のいずれかにおいて、熱処理前の含有酸素質量(mass%)に対して、湿度100%、温度120℃、1気圧、24時間の条件で熱処理した後の酸素質量増分が50%以下であることを特徴とする。金属超微粒子の表面は完全に窒化ほう素膜で被覆されていなくとも、すなわち局部的に被覆が薄くなっていたとしても、使用することができる。しかしながら、長期間保管する場合に酸化の進行を防止することが難しいため、超微粒子の表面を完全に窒化ほう素膜で被覆することが望ましい。
【0017】
なお、本願明細書および特許請求の範囲において、mass%、すなわち質量百分率(質量%)は物質の質量で組成比を表している。すなわち、金属超微粒子の単位質量に対して各元素成分がどれくらいの質量で含有されているかを表す。
組成毎の質量%を測定する方法は、例えば、試料粉末を2000〜3000℃へ急速加熱することにより試料中の酸素等を熱分解し、ガスクロマトグラフと熱伝導度検出器により、発生した酸素ガスもしくは酸素を含有するガスを検出することによって酸素の含有量を分析する方法である。本発明に係る金属超微粒子は、特に耐酸化性に優れているため、前述の加湿・加温処理を施しても、処理前の含有酸素量に対して処理後の酸素質量増加が抑制される。
【0018】
磁気特性を極端に劣化させない程度に、原材料の混合時に含まれる不純物や不可避的不純物(もとから原料に含まれる元素)を磁性粒子に含有していてもよい。
また、金属または合金で構成される粒子は、そのX線回折パターンにおいて、強度(Intensity(cps))が最も高いピークと2番目に高いピークの少なくとも一方が金属粒子を構成する元素(被覆を除く)のピークに相当することを特徴とする。より好ましくは粒子を構成する元素(BNを除く)の酸化物のピークが、3番目に高いピークより十分小さいこと若しくは全く検出されないことを特徴とする。
【0019】
[9] 本発明の金属超微粒子の製造方法は、金属の酸化物を含有する粉末とほう素を含有する粉末を混合した粉末を、窒素を含む雰囲気中で熱処理することにより、窒化ほう素で被覆された金属粒子を作製することを特徴とする。金属の酸化物は、遷移金属を含有していることが望ましい(より望ましくは遷移金属の酸化物で構成する)。生成された窒化ほう素で被覆された金属粒子は平均粒径が1μm以下とすることが望ましい。“窒素を含む雰囲気”とは、窒素ガス、アルゴン等の不活性ガスと窒素ガスの混合ガスから選ばれる雰囲気に相当する。
【0020】
上記[9]の製造方法について、より望ましくは、酸化鉄を含む粒子とボロンを含む粒子を混合した粉末を、窒素を含む雰囲気中で熱処理して、酸化鉄を鉄と鉄ボロン化合物の少なくとも1種に還元し、ボロン酸化物を生成することにより、最終的には鉄もしくは鉄窒化物の少なくとも1種の粒子であって、表面が窒化ほう素に被覆されている粒子を製造することを特徴とする。
【0021】
上記[9]に係る金属超微粒子の製造方法は、金属酸化物粒子を還元する工程と、金属粒子の表面を窒化ほう素膜で被覆する工程を一つの熱処理工程で行なうことを特徴とする。本発明の製造方法は、追って説明する比較例の製造方法に比べて、酸素をほとんど含有しないという点で優れている。比較例の製造方法とは、金属の超微粒子を作製した後、自然発火や燃焼(酸化すること)を避けるために、酸素を低濃度で含む不活性雰囲気を徐々に金属の超微粒子に供給することで、表面に薄い酸化膜を形成する超微粒子の製造方法である。
【0022】
[10] 上記[9]において、前記熱処理は、800〜1700℃の温度で行われることを特徴とする。
【0023】
[11] 本発明の他の金属超微粒子は、金属酸化物を還元することにより得られた金属粒子であり、かつ前記金属粒子の表面は炭素で被覆されており、平均粒径が1μm以下であることを特徴とする。望ましくは平均粒径を0.001〜1μmの範囲内とする。より望ましくは平均粒径が0.01μm〜0.1μmである。粒径0.1μm以下では、表面を炭素で被覆することによる酸化防止の効果が特に際立っている。また、例えば、平均粒径0.2〜0.5μmというような耐酸化性に優れた金属超微粒子を得ることもできる。
【0024】
[12] 上記[11]において、前記金属酸化物は、遷移金属を含む酸化物であることを特徴とする。前記金属粒子は、Fe、Ni、Co、それらの少なくとも1種を含む合金から選ばれることが望ましい。例えば、炭素で被覆されたFe粒子、炭素で被覆されたNi粒子、炭素で被覆されたFeNiCo粒子、炭素で被覆されたNiFe粒子等が挙げられる。
[13] 上記[11]または[12]の金属超微粒子において、前記炭素は、主としてグラファイトで構成されていることを特徴とする。さらに、前記炭素が、グラファイトとアモルファスの結晶組織を有し、主としてグラファイトで構成されていてもよい。
【0025】
[14] 上記[11]乃至[13]のいずれかの金属超微粒子において、前記炭素は膜厚100nm以下であることを特徴とする。より好ましくは膜厚20nm以下にすることができる。
【0026】
[15] 上記[11]乃至[14]のいずれかの金属超微粒子において、前記炭素は、結晶の格子面または積層面が2層以上であることを特徴とする。より望ましくは結晶の格子面もしくは積層面が4層以上の膜とする。ここで、炭素はグラファイトを主体とし、前記結晶の格子面もしくは積層面は、グラファイトの積層面であることが望ましい。前記結晶の格子面もしくは積層面は、金属粒子の面に沿って形成されていることが望ましい。
[16] 上記[15]において、前記粒子または炭素の中に中間相を備えてもよい。
【0027】
被覆を構成する炭素は主に格子面が層状に配列しているグラファイトであるため、6員環が連なった層状格子の面を複数備える。すなわち、複数の結晶格子面を備える。層状格子の格子面は、前記粒子の表面に対して積層構造となることがある。前記粒子と被膜の界面には中間層または遷移金属と炭素が混在する領域若しくは両者の結晶整合領域を有するため、層状格子の面を少なくとも2層以上に形成することが、前記粒子の酸化を抑制する上で望ましい。層状格子の面(格子面)は、例えば4層〜20層の範囲内で形成することができる。中間相とは、金属粒子の結晶構造と被覆の結晶構造の中間的な構造の部分或いは境界領域を指す。中間相の厚さは、グラファイトの格子面間隔もしくはグラファイト層で1層〜5層程度となる。中間相が薄い場合、前記粒子と炭素膜間の結晶格子不整合が短い距離で緩和・解消され、前記粒子全面を均一に炭素膜で被覆できると考えられる。
【0028】
[17] 上記[11]乃至[16]のいずれかにおいて、前記金属超微粒子は粒子を構成する主成分が磁性金属元素であり、前記金属超微粒子の飽和磁化は、前記磁性金属元素の飽和磁化の10%以上且つ100%未満であることを特徴とする。上記[17]に関して、金属超微粒子の核を磁性粒子で構成する際に、被覆している炭素膜は膜厚30nm以下と極めて薄くすることができる。そのため、金属超微粒子において、磁性粒子の占める体積率を高くすることもできる。従来技術に比べて金属超微粒子の飽和磁化の低下を抑制することができる。遷移金属または遷移金属を含む合金で構成される粒子において、磁性を担う主成分の材質固有の飽和磁化を基準(すなわち、100%)としたときに、その粒子に炭素膜を被覆した金属超微粒子の飽和磁化は前記基準に対して10%以上の大きさを有するものとすることができる。
【0029】
[18] 上記[11]乃至[17]のいずれかにおいて、熱処理前の含有酸素質量(mass%)に対して、湿度100%、温度120℃、1気圧、24時間の条件で熱処理した後の酸素質量増分が50%以下であることを特徴とする。金属超微粒子の表面は完全に炭素膜で被覆されていなくとも、すなわち局部的に被覆が薄くなっていたとしても、使用することができる。しかしながら、長期間保管する場合に酸化の進行を防止することが難しいため、超微粒子の表面を完全に炭素膜で被覆することが望ましい。
【0030】
磁気特性を極端に劣化させない程度に、原材料の混合時に含まれる不純物や不可避的不純物(元から原料に含まれる元素)を磁性粒子に含有していてもよい。
また、金属または合金で構成される粒子は、そのX線回折パターンにおいて、1番目ないし2番目に強度(Intensity(cps))の高いピークが、粒子の主要元素ないしグラファイトのピークに相当するピークであることが望ましい。より好ましくは粒子を構成する元素(炭素を除く)の酸化物のピークが、前記X線回折パターンにおいて現れる強度が3番目に高いピークより十分小さいこと、若しくは全く検出されないことを特徴とする。
【0031】
[19] 本発明の金属超微粒子の製造方法は、金属の酸化物を含有する粉末と炭素を含有する粉末を混合した粉末を、不活性雰囲気中で熱処理することにより、表面を炭素で被覆した金属粒子を作製することを特徴とする。金属の酸化物は、遷移金属を含有していることが望ましい(より望ましくは遷移金属の酸化物で構成する)。生成された炭素で被覆された金属粒子は平均粒径が1μm以下とすることが望ましい。
【0032】
上記[19]の製造方法について、より望ましくは酸化鉄を含む粒子と炭素を含む粒子を混合した粉末を、不活性雰囲気中で熱処理して、酸化鉄を鉄もしくは炭化鉄の少なくとも1種に還元し、炭素の酸化物を生成することにより、鉄もしくは炭化鉄の少なくとも1種の粒子であって、表面が炭素に被覆されている粒子を製造することを特徴とする。
【0033】
上記[19]に係る金属超微粒子の製造方法は、金属酸化物粒子を還元する工程と、金属粒子の表面を炭素膜で被覆する工程を一つの熱処理工程で行なうことを特徴とする。本発明の製造方法は、追って説明する比較例の製造方法に比べて、酸素をほとんど含有しないという点で優れている。比較例の製造方法とは、金属の超微粒子を作製した後、自然発火や燃焼(酸化すること)を避けるために、酸素を低濃度で含む不活性雰囲気中で徐々に金属の超微粒子に酸素を供給し、表面に薄い酸化膜を形成する超微粒子の製造方法である。
【0034】
[20] 上記[19]において、前記熱処理は、600〜1600℃の温度で行われることを特徴とする。
【0035】
[21] 本発明の微小体の製造方法は、金属の酸化物を含有する粉末とほう素を含有する粉末を混合した粉末を、窒素を含む雰囲気中で熱処理することにより、窒化ほう素の微小体を作製することを特徴とする。ここで、微小体は、上記[1]乃至[10]のいずれかに係る金属超微粒子を作製する際に、副生成物として得られる微小体に相当する。
【0036】
[22] 本発明の他の微小体の製造方法は、ほう素を含む粒子と金属の酸化物粒子を含有する粉末を、窒素を含む雰囲気中で熱処理することにより、金属粒子もしくは窒化ほう素の微小体の少なくとも1つを有する生成物を得ることを特徴とする。前記金属粒子は窒化ほう素で被覆されていてもよい。前記窒素を含む雰囲気は、例えば、窒素ガス、窒素ガスにアルゴンガスなどの希ガスを混ぜた混合ガス等を用いることができる。
【0037】
[23] 上記[21]又は[22]において、前記熱処理は800〜1700℃の温度で行われることを特徴とする。
【0038】
上記[21]乃至[23]のいずれかに係る製造方法は、非常に量産性に優れている。必要な熱エネルギーは従来の製造方法に比べて小さい。また、高真空を必要としている訳ではなく、雰囲気の精密な圧力制御が不要である。不活性なガスを用いている為、熱処理炉の損傷がなく、損傷により微小体に不純物が混入するというような問題もない。さらに爆発性や有毒性の危険もない。原料として用いる酸化物の粉末は、nmサイズの粒子であっても作製および取り扱いが容易である。原料の発火や燃焼が発生し難く、発火等による原料ロスや形状が設計外となる問題や工程中断の問題等が起こり難いということもメリットとして挙げられる。
【0039】
[24] 上記[21]乃至[23]のいずれかに記載の微小体の製造方法によって窒化ほう素の微小体と金属粒子を有する粉末を作製し、前記粉末から前記金属粒子の少なくとも一部を除去することを特徴とする。金属粒子を全て除去して、窒化ほう素の微小体のみの粉末にすることが望ましい。すなわち、熱処理後に金属粒子もしくは金属粒子を含む微小体を除去するというプロセスを経る。例えば、熱処理を行っている際に還元された金属粒子が、さらに粒成長して粗大な金属粒子になった場合、除去することが望ましい。
このプロセスは、微小体の粉末における窒化ほう素の割合・純度を高める工程である。例えば、この微小体を媒体(液体)に分散させ、金属系粒子と窒化ほう素微小体の比重差(あるいは、金属を含む微小体と金属を含まない微小体の比重差)を利用して、攪拌後の自然沈降や遠心分離等の手法により、金属粒子等を分離・低減する方法を用いることができる(分離法1)。また、金属粒子に磁界を印加して吸引し、吸引されない窒化ほう素のみの微小体と分離する方法(湿式もしくは乾式)を用いることができる(分離法2)。また、金属粒子を酸などの溶液で化学的に溶解して除去することにより、金属粒子の量を低減する方法を用いることができる(分離法3)。分離法3は溶け残りの残渣や不純物の混入の可能性があるが、金属粒子の低減には効果がある。金属粒子の表面が全て被覆されていて酸などの溶液が浸透しない場合、粉末状の微小体の純度を高めるには、分離法1又は分離法2を行なうことが望ましい。なお、微小体の粉末に金属の粉末が含まれていても、必ずしも問題という訳ではない。微小体は寸法が小さく、粉末のハンドリングが容易ではない。例えば、遷移金属の微粒子の粉末をキャリヤーとして含む粉体であれば、微小体のみからなる粉末に比べてハンドリングし易くなるという利点がある。
【0040】
[25] 本発明の他の微小体は、金属酸化物を窒素を含む不活性ガス雰囲気中で還元することにより生成し、主として窒化ほう素で構成されており、ワイヤ状若しくは円筒状であることを特徴とする。窒化ほう素は菱面体相であることが望ましい。この微小体は、上記[1]乃至[10]に係る金属超微粒子を作製する際に、副生成物として得られる。
本発明の他の微小体は、金属酸化物を窒素を含む不活性ガス雰囲気中で還元することにより窒素とほう素を結合させた微小体であって、主として窒化ほう素で構成されており、ワイヤ状若しくは円筒状であることを特徴とする。金属酸化物を媒介もしくは促進剤として、窒素を含む不活性の雰囲気中で熱処理を行うことにより、ほう素と窒素を結合させて窒化ほう素の微小体を生成する。金属酸化物は、例えば、金属もしくは合金の酸化物を用いることができる。特に、遷移金属または遷移金属の少なくとも1種を含む合金を用いることが望ましい。さらに好ましくは、磁性金属の酸化物を用いる。例えば、前記金属もしくは合金は、Fe、Ni、Co、それらの少なくとも1種を含む合金から選ぶことができる。
【0041】
“微小体”とは、例えば、ナノチューブ、ナノワイヤー、立体的原子構造体、ナノ粒子、ナノメートル(nm)オーダーの寸法的特徴を有する構造体、それらの少なくとも一つを含む集合体または粉末(若しくは粉体)のように、微小な物を指す用語として用いる。円筒状の形状を有する微小体は、特にナノチューブであることがより好ましい。“ワイヤ状若しくは円筒状”とは、例えば、線状、棒状、チューブ状、管状、それらのいずれかで中空または中実であるもの、それらのいずれかを連ねて接続したもの、小片(板状片、鱗状もしくはブロック状の片)を継ぎ足して構成した長尺の形状等を含む用語として用いる。
【0042】
[26] 上記[25]において、前記微小体は、平均直径が0.5μm以下であることを特徴とする。望ましくは平均直径0.01〜0.5μm、さらに望ましくは平均直径0.05〜0.5μmとする。より詳細には、例えば、直径0.1〜0.3μmとすることができる。
なお、原料の金属酸化物として、平均粒径が0.001〜1μmの範囲内にある微細な粉を用いれば、直径0.001〜1μmの範囲内の微小体を得ることことができる。より好ましくは平均粒径0.001〜0.05μmの範囲内の金属酸化物を用いて、直径0.001〜0.05μmの微小体を得る。平均粒径が小さく且つ粒径分布のシャープな原料を用いることにより、平均直径の小さい微小体を得ることができる。
【0043】
直径とは、例えば、1個の微小体について、ワイヤ状もしくは円筒状の部分の断面(長手方向に直交する向きでの断面)を見たときの外径に相当する。断面が円形でない場合には最大値を直径と見なす。微小体が、長手方向に沿ってゆるやかに変化している直径を有する場合には、長手方向で見たときの最大径と最小径の中間値を微小体の直径として表せばよい。ワイヤ状若しくは円筒状の形状から大きく外れる箇所がある場合には、その箇所を無視し、ワイヤ状若しくは円筒状の部分のみで直径を評価する。
【0044】
平均直径とは、例えば、ワイヤ状若しくは円筒状の微小体を有する粉末を試料として、電子顕微鏡写真を撮影する。写真内で任意の面積内にある微小体について各々の直径を測定して平均値を求める。すなわち、N個の微小体について(N≧50個)、前記直径を測定し、平均直径=(測定した直径の総和)/Nとして表わす。写真に代えて、イメージを取得し、パソコンと画像処理ソフトを利用して直径を測定してもよい。
【0045】
[27] 本発明の他の微小体は、金属酸化物を不活性ガス雰囲気中で還元することにより生成し、外径Roと内径Riの比が、(Ri/Ro)≦0.8となる部位を備える円筒状の窒化ほう素微小体であることを特徴とする。Ri/Roの比が1に近いと、壁の厚みが小さくなるので微小体の重量が少なくなり、結果として比表面積が大きくなる。本発明に係る窒化ほう素微小体は、(Ri/Ro)の比が1に近い箇所を有するが、内径が小さくなっている箇所もある。例えば、円筒形状の終端や円筒形状が屈曲している箇所において、内径が小さくなることもあるが、実用的には差し支えない。
この窒化ほう素微小体は、チューブの壁を構成する窒化ほう素の原子層を多層に形成することができ、節や架橋を増やすように生成することもできる。従って、ワイヤ状若しくは円筒状の微小体の壁の厚さを厚くして、(Ri/Ro)が小さい微小体を製造することも可能である。なお、Riはチューブを長手方向にほぼ垂直な断面でみたときの内径(空洞の径に相当)であり、節の断面などは含まない。Roはチューブを長手方向にほぼ垂直な断面でみたときの外径に相当する。
【0046】
[28] 本発明の他の微小体は、菱面体相の窒化ほう素微小体と六方晶相の窒化ほう素微小体の混合物であることを特徴とする。
結晶構造について、菱面体相の窒化ほう素(Rhombohedral Boron Nitride)はr−BNとも表される。六方晶相の窒化ほう素(Hexagonal Boron Nitride)は、h−BNとも表される。
[29] 本発明の他の微小体は、菱面体相と六方晶相を有する窒化ほう素であることを特徴とする。
【0047】
[30] 本発明の他の微小体は、金属酸化物を不活性ガス雰囲気中で還元することにより生成し、窒化ほう素を主として構成されており、円筒状であって内部に節もしくは架橋を有することを特徴とする。
ここで、“節”とは筒状(あるいは管状)の微小体の内部を複数の空洞に分離したり、複数の区画に分割することができる部材に相当する。“架橋”とは、筒状の微小体の内壁の任意の部分同士を接続する部材に相当する。架橋がより集まって節を構成することも可能と考えられる。節の面は、管の壁や円筒の壁に対して、平行な配置ではなくむしろ直交するような配置に近い関係にある。節が複数個ある場合、節同士の間隔は例えば0.5d以上とする。ここで、dは節と節の中間における円筒状の部分の直径dに相当する。また、この微小体は、複数個の節を備えていても外径や壁面厚さが一方的に漸減するとは限らず、むしろ増加させることも可能であり、長尺の微小体を得ることができる。
【0048】
[31] 本発明の他の微小体は、金属酸化物を不活性ガス雰囲気中で還元することにより生成し、金属粒子と、前記金属粒子を被覆する窒化ほう素被膜と、ワイヤ状もしくは円筒状の窒化ほう素を備えることを特徴とする。
ワイヤ状もしくは円筒状の部分は、成長方向が一つとは限らず、複数の成長方向を有するものであってもよい。また、ワイヤ状もしくは円筒状の窒化ほう素は、窒化ほう素被膜から直接成長させてもよいし、金属酸化物を還元した金属粒子から直接成長させてもよい。金属粒子は、窒化ほう素微小体の先端部もしくは中央部のいずれに配置されていてもよい。配置の状態としては、1個の金属粒子に1個の窒化ほう素微小体に設けた構造(あるいは接合、接続、結合、連結、連接した構造)、あるいは1個の金属粒子に複数の窒化ほう素微小体を設けた構造が挙げられる。他の配置状態としては、金属粒子が炭素微小体に内包された構造(あるいは被覆、嵌合、埋設、包含、巻回、抱持、担持などの構造)がある。製造方法で原料や熱処理等の条件を変えることで、金属粒子の配置状態は変わりうる。
前記金属粒子は、遷移金属または遷移金属の少なくとも1種を含む合金で構成されることが望ましい。さらに望ましくは、前記金属粒子を磁性金属で構成する。例えば、前記金属粒子は、Fe、Ni、Co、それらの少なくとも1種を含む合金から選ばれる組成を有するものとする。
【0049】
[32] 本発明の他の微小体の製造方法は、金属の酸化物を含有する粉末と炭素を含有する粉末を混合した粉末を、不活性の雰囲気中で熱処理することにより、炭素の微小体を作製することを特徴とする。より望ましくは、遷移金属の酸化物で構成される粉末と炭素粉末とを混合した粉末を、不活性の雰囲気中で熱処理することにより炭素の微小体を作製する。この微小体の製造方法は、上記[11]乃至[20]に係る金属超微粒子を作製する際に、副生成物として得ることができる微小体とその製造方法に関わる。
【0050】
[33] 本発明の他の微小体の製造方法は、炭素を含む粒子と金属の酸化物粒子を含有する粉末を、不活性の雰囲気中で熱処理することにより、金属粒子もしくは炭素の微小体の少なくとも1つを有する生成物を得ることを特徴とする。前記金属粒子は炭素で被覆されていてもよい。
【0051】
[34] 上記[32]又は[33]において、前記熱処理は600〜1600℃の温度で行われることを特徴とする。
【0052】
上記[32]乃至[34]のいずれかに係る製造方法は、非常に量産性に優れている。必要な熱エネルギーは従来の製造方法に比べて小さい。また、高真空を必要としている訳ではなく、雰囲気の圧力制御等も量産性の制約にはなりにくい。不活性なガスを用いている為に熱処理炉の損傷がなく、損傷により微小体に不純物が混入するというような問題もない。原料として用いる酸化物の粉末は、nmサイズの粒子であっても作製および取り扱いが容易である。原料の発火や燃焼が発生し難く、発火等による原料ロスや形状が設計外となる問題や工程中断の問題等が起こり難いということもメリットとして挙げられる。
【0053】
[35] 上記[32]乃至[34]のいずれかに記載の微小体の製造方法によって炭素の微小体と金属粒子を有する粉末を作製し、前記粉末から前記金属粒子の少なくとも一部を除去することを特徴とする。金属粒子を全て除去して、炭素の微小体のみの粉末にすることが望ましい。すなわち、熱処理後に金属粒子もしくは金属粒子を含む微小体を除去するというプロセスを経る。例えば、熱処理を行っている際に還元された金属粒子が、さらに粒成長して粗大な金属粒子になった場合、除去することが望ましい。この除去プロセスとしては、上記[24]と同様のプロセスを用いることができる。
【0054】
[36] 本発明の他の微小体は、金属酸化物を不活性ガス雰囲気中で還元することにより生成し、グラファイト相の炭素で構成されており、ワイヤ状若しくは円筒状であることを特徴とする。金属酸化物を媒介もしくは促進剤として、不活性の雰囲気中で熱処理を行うことにより、炭素の分解・再構築を行わせて炭素の微小体を得る。この微小体は、上記[11]乃至[20]に係る金属超微粒子を作製する際に、副生成物として得ることができる。
本発明の微小体は、金属酸化物を不活性ガス雰囲気中で還元することにより炭素粒子の形状を再構築した微小体であって、主として炭素で構成されており、ワイヤ状若しくは円筒状の形状を有することを特徴とする。より詳細には、金属酸化物から酸素を奪う還元反応と不活性ガスを利用し、粒子状の炭素を分解・再構築して、炭素の微小体を生成する。金属酸化物は、例えば、金属もしくは合金の酸化物を用いることができる。特に、遷移金属または遷移金属の少なくとも1種を含む合金を用いることが望ましい。さらに好ましくは、磁性金属の酸化物を用いる。例えば、前記金属もしくは合金は、Fe、Ni、Co、それらの少なくとも1種を含む合金から選ぶことができる。
【0055】
[37] 上記[36]において、前記微小体は平均直径が0.5μm以下であることを特徴とする。望ましくは平均直径0.01〜0.5μm、さらに望ましくは平均直径0.05〜0.5μmとする。より詳細には、例えば、直径0.1〜0.3μmとすることができる。なお、原料の金属酸化物として、平均粒径が0.001〜1μmの範囲内にある微細な粉を用いれば、平均直径0.001〜1μmの範囲内の微小体を得ることことができる。より好ましくは平均粒径0.001〜0.05μmの範囲内の金属酸化物を用いて、平均直径0.001〜0.05μmの微小体を得る。平均粒径が小さく且つ粒径分布のシャープな原料を用いることにより、平均直径の小さい微小体を得ることができる。
【0056】
[38] 本発明の他の微小体は、金属酸化物を不活性ガス雰囲気中で還元することにより生成し、円筒状の炭素微小体であって、外径Roと内径Riの比が、(Ri/Ro)≦0.8となる部位を備えることを特徴とする。
(Ri/Ro)の比が1に近いと、壁の厚みが小さくなるので微小体の重量が少なくなり、結果として比表面積が大きくなる。本発明に係る炭素微小体は、(Ri/Ro)の比が1に近い箇所を有するが、内径が小さくなっている箇所もある。例えば、円筒形状の終端や円筒形状が屈曲している箇所において、内径が小さくなる場合があるが、実用的には差し支えない。
この炭素微小体は、チューブの壁を構成するグラファイトの原子層を多層に形成することができ、節や架橋を増やすように生成することもできる。従って、ワイヤ状若しくは円筒状の炭素微小体の壁の厚さを厚くして、(Ri/Ro)が小さい炭素微小体を製造することも可能である。なお、Riはチューブを長手方向にほぼ垂直な断面でみたときの内径(空洞の径に相当)であり、節の断面などは含まない。Roはチューブを長手方向にほぼ垂直な断面でみたときの外径に相当する。
【0057】
[39] 本発明の他の微小体は、金属酸化物を不活性ガス雰囲気中で還元することにより生成し、グラファイト相の炭素を主として構成されており、円筒状であって内部に節もしくは架橋を有することを特徴とする。
ここで、“節”の定義は上記[30]の説明と同様である。
【0058】
[40] 本発明の他の微小体は、金属酸化物を不活性ガス雰囲気中で還元することにより生成し、金属粒子と、前記金属粒子を被覆する炭素被膜と、ワイヤ状若しくは円筒状の炭素を備えることを特徴とする。
前記金属粒子は、遷移金属または遷移金属の少なくとも1種を含む合金で構成されることが望ましい。さらに望ましくは、前記金属粒子を磁性金属で構成する。例えば、前記金属粒子は、Fe、Ni、Co、それらの少なくとも1種を含む合金から選ばれる組成を有するものとする。
【0059】
【発明の実施の形態】
上記[1]乃至[10]のいずれかに係る本発明の実施の形態について、説明する。上記の[1]乃至[10]に係る本発明は、遷移金属の金属粉末原料、なかでもFe、Co、Niなどが窒化ほう素(BN)形成の触媒の役割を果たし、窒素雰囲気中で前記金属粉末とほう素(B)を2000℃付近で加熱すると、金属粒子を核として窒化ほう素が形成することに着目した。さらには出発原料を金属ではなくFe、Co、Niで代表される遷移金属の酸化物にしたところ、800℃〜1700℃で酸化物が還元されると同時に窒化ほう素が形成し、金属粒子が窒化ほう素被膜(BN被膜)に内包された新規な金属超微粒子が生成することを見出したものである。
【0060】
上記[1]〜[10]に係る本発明の出発原料である金属酸化物、ほう素の原料の考え方、および数値限定理由などについて述べる。本発明に係る酸化物を構成する金属(以下、Mとして表わす)としては遷移金属またはそれら合金(特に磁性材料)が好ましい。より好ましくはFe、Co、Ni、Cr、Mn、Mo、Pd、Irまたはそれらを含む合金が適している。Fe、Co、Ni、Cr、Mn、Mo、Pd、Irは、M−B結合(Bはほう素)の標準生成エンタルピーをHM−B、M−N結合(Nは窒素)の標準生成エンタルピーをHM−N、と表した場合、HM−B<HM−N
という関係が成立し、窒化物よりもほう化物が形成しやすい。その結果、熱処理の初期段階においてほう素を含んだ金属粉末が形成され、窒素がガス状で上記金属粉末の周囲に均一に存在する場合には最終的に上記金属粉末に含まれるほう素と窒素とが結合して金属粒子の表面を均一に窒化ほう素で被覆することが容易である。金属酸化物(MaOb)としては従来より状態図で示されているものでよく、例えばFeの場合はFe2O3、Fe3O4、FeOが挙げられる。
【0061】
また、ほう素供給源となる原料の粉末としてはほう素が適しているが、ほう素を含有する金属であってもよい。ほう素を含有する金属(M)としては、M−B結合の標準生成エンタルピーをHM−B、M−N結合の標準生成エンタルピーをHM−N、と表した場合、
HM−B>HM−N
という関係が成立するものが好ましく、Sc、Ti、V、Y、Zr、Nb、La、Hf、Taが挙げられる。
【0062】
(反応過程について)
Fe2O3とBが反応することにより、BN被覆Fe粒子、BNチューブ若しくはBNワイヤが生成する反応過程を説明する。図3は反応過程を模式的に示したものである。図3(1.)は原料の状態を表している。図3(2.)は反応の初期段階の様子を示している。すなわちBがFe2O3中の酸素と結合してB2O3が生成し、還元されたFe粒子がBの側近に存在している。B2O3は液相または気相状態となっている。さらに反応が進行した様子を図3(3.)に示す。この段階ではBがFeと反応することにより、Fe−B化合物が生成する。粉体の組織は図示したように、完全なFe−B化合物の粒、FeへのB拡散が不完全な粒、あるいはFeを芯部として表面付近をFe−B化合物とする粒などが存在する。さらに反応が進行すると図3(4.)に示したように、Fe−B化合物中のBが雰囲気中のN原子と反応しBNの核が粒子表面の至る所に生成する。これらBN核が成長する際、Bが粒子内部から表面へと拡散してくる。その結果、粒子内部はFeのみが残存し、BN被覆されたFe粒子が生成する。またBが過剰に存在する場合は、BNがFeを被覆するに留まらず、チューブ状もしくはワイヤ状となって伸びていく。図3(5.)はBN被覆Fe粒子およびBNチューブの模式図である。
【0063】
金属酸化物の粉末(a粉末)の平均粒径は0.001〜1μmが好ましい。平均粒径0.001μm未満の粉末は作製困難であり実用的でない。平均粒径が1μmを越えると粒の中心部まで酸素を十分に還元することができず、均一な金属粒子を得ることは容易ではない。ほう素粉末(b粉末)の平均粒径は0.01〜100μmが好ましく、さらに1〜50μmが好ましい。0.01μm未満の平均粒径のほう素粉末は高価であり実用的でない。また、平均粒径が100μmを越えると混合粉末中でのb粉末の分散に偏りが生じ、最終的に金属粒子を均一に被覆することが難しくなる。a粉末とb粉末との混合比は、b粉末が質量比で25〜95%の範囲となることが好ましい。b粉末の質量比が25%未満であると、ほう素が不足することにより金属酸化物の還元が不十分となる。ほう素粉末の配合比が95%を越えると還元される金属の体積率が極端に小さくなり実用的ではない。
【0064】
a粉末とb粉末の混合にはV型混合機や、粉砕機(例えば、ライカイ機のように粉砕と混合を兼ねる装置)や、乳鉢などを使用する。混合粉末はアルミナ、窒化ほう素等の耐熱るつぼに所定量を充填して所定の条件で加熱処理される。熱処理時の雰囲気は窒素ガス雰囲気またはアンモニアガス雰囲気またはそれらを含む混合ガス雰囲気中が好ましい。混合ガスはアルゴン、ヘリウム等の不活性ガスとの混合でもかまわない。空気などの酸素を含むガスは還元反応の妨げとなるため適していない。熱処理温度は800℃〜1700℃が好ましく、さらに好ましくは1000℃〜1400℃の範囲が好ましい。1000℃未満では反応が完了するまでの所要時間が長くなる。800℃未満では反応自体が進行しない。非酸素雰囲気中で1400℃を越えると、炉部材として使用している酸化物セラミックスの分解により酸素が放出されることが懸念されると同時に例えばアルミナ製ルツボが短期間で破損する場合がある。1700℃を越えるとルツボだけでなく、設備自体に耐熱部材の使用が不可欠になり、製造コスト高となり工業化に適していない。
【0065】
つぎに、上記[11]乃至[20]のいずれかに係る本発明の実施の形態について、説明する。上記の[11]乃至[20]が関係する本発明は、遷移金属の金属粉末の原料として、Fe、Co、Niで代表される遷移金属の酸化物を選び、加熱したところ、600℃〜1600℃で酸化物が還元されると共にグラファイトを主体とする炭素が金属粒子の表面に形成されることを見いだした。また、金属粒子が炭素被膜に内包される構成も見出したものである。出発原料の構成元素である遷移金属、なかでもFe、Co、Niは、グラファイト層形成の触媒の役割を果たしていると考えられる。
【0066】
炭素供給源となる原料の粉末としては、グラファイトやカーボンブラック、天然黒鉛等の炭素粉が適しているが、炭素を含む化合物であってもよい。すなわち石炭や活性炭、コークスや脂肪酸、ポリビニルアルコールなどの高分子、B−C化合物、金属を含む炭化物であってもよい。従って、特許請求の範囲や課題を解決するための手段において、“炭素粉末”は、炭素粉や、炭素を含む化合物のいずれも包含する用語として用いている。ただし、被膜の炭素純度を高くするためには、炭素粉を用いるとよい。
【0067】
金属酸化物の粉末(a粉末)の平均粒径は0.001〜1μmが好ましい。平均粒径0.001μm未満の粉末は作製困難であり実用的でない。平均粒径が1μmを越えると粒の中心部まで酸素を十分に還元することができず、均一な金属粒子が得ることは容易ではない。また炭素粉末(b粉末)の平均粒径は0.01〜100μmが好ましく、さらには0.1〜と50μmが好ましい。0.1μm未満の平均粒径の炭素粉末は高価であり実用的でない。また、平均粒径が100μmを越えると混合粉末中でのb粉末の分散に偏りが生じ、最終的に金属粒子を均一に被覆することができなくなる。a粉末とb粉末との混合比は、b粉末が重量比で25〜95%の範囲となることが好ましい。b粉末の重量比が25%未満であると炭素が不足することにより還元反応が十分に進行しない。また粉末bの配合比が95%を越えると還元される金属の体積率が極端に小さくなり実用的ではない。平均粒径を0.001〜1μm、より望ましくは0.01μm〜0.1μmの範囲内とすることは、磁気記録媒体、磁気シールド、電子デバイス等に本発明の金属超微粒子を適用する上で望ましい。
【0068】
a粉末とb粉末の混合にはV型混合機や、粉砕機(例えば、ライカイ機のように粉砕と混合を兼ねる装置)や、乳鉢などを使用する。混合粉末はアルミナ、窒化ほう素、黒鉛等の耐熱ルツボに遷移金属酸化物および炭素化合物の所定量を充填して所定の条件で加熱処理される。熱処理時の雰囲気は不活性ガスであれば限定しないが、窒素ガスや、窒素を主要成分として含んだアルゴンガス等の不活性ガスとの混合雰囲気などを用いることができる。熱処理温度は600℃〜1600℃が好ましく、さらに好ましくは900℃〜1400℃の範囲が好ましい。900℃未満では反応が完了するまでの所要時間が長くなる。また600℃未満では反応自体が進行しない。また非酸素雰囲気中で1400℃を越えると炉部材として使用している酸化物セラミックスの分解により酸素が放出されることが懸念されると同時に例えばアルミナ製ルツボが短期間で破損する場合がある。1600℃を越えるとルツボのみならず設備自体に耐熱部材の使用が不可欠になり、製造コスト高となり工業化に適しない。
【0069】
次いで、上記[21]乃至[31]に関する発明の実施の形態を説明する。
上記[21]乃至[31]に係る本発明によると、遷移金属の酸化物(a粉末)とほう素粉末(b粉末)を窒素雰囲気中で800〜1700℃の温度で加熱すると、上記金属酸化物が窒化ほう素微小体形成の触媒の役割を果たし、平均直径0.5μm以下のワイヤ形状の窒化ほう素微小体粉末を製造できる。従来の技術に比べて窒化ほう素微小体を低温で製造することができる。
【0070】
a粉末の酸化物を構成する金属としては遷移金属またはそれら合金(特に磁性材料)が好ましく、より好ましくはFe、Co、Ni、Cr、Mn、Mo、Pd、Irまたはそれらを含む合金が適している。金属酸化物(MaOb)としては従来より状態図で示されているものでよく、例えばMがFeの場合はFe2O3、Fe3O4、FeOが挙げられる。上記金属酸化物は窒化ほう素形成の過程で還元され、最終的には金属粒子となる。
【0071】
また、b粉末はほう素粉末の他に、ほう素を含有する金属粉末であってもよい。ほう素を含有する金属(M)としては、M−B結合(Bはほう素)の標準生成エンタルピーをHM−B、M−N結合(Nは窒素)の標準生成エンタルピーをHM−N、と表した場合、
HM−B>HM−N
という関係が成立するものが好ましい。具体的には、Sc、Ti、V、Y、Zr、Nb、La、Hf、Taが挙げられる。
【0072】
金属酸化物の粉末(a粉末)の平均粒径は0.001〜1μmが好ましい。平均粒径0.001μm未満の粉末は作製困難であり実用的でない。また平均粒径が1μmを越えると粒の中心部まで酸素を十分に還元することができず、触媒として十分機能しない。またほう素粉末(b粉末)の平均粒径は0.01〜100μmが好ましい。0.01μm未満の平均粒径のほう素粉末は高価であり実用的でない。また平均粒径が100μmを越えると混合粉末中でのb粉末の分散に偏りが生じ、最終的に金属粒子を均一に被覆することが難しくなる。a粉末とb粉末との混合比は、b粉末が重量比で25〜95%の範囲となることが好ましい。b粉末の重量比が25%未満であるとほう素が不足して窒化ほう素の生成が不十分となる。また粉末bの配合比が95%を越えると粉末aが少なくなって触媒機能が低下し、窒化ほう素の形成が不十分となる。
【0073】
上記a粉末とb粉末の混合にはV型混合機や乳鉢などを使用する。混合粉末はアルミナ、窒化ほう素等の耐熱ルツボに所定量を充填して所定の条件で熱処理される。熱処理時の雰囲気は窒素ガス雰囲気または窒素ガスを含む混合ガス雰囲気中が好ましい。混合ガスにおいてはAr、He等の不活性ガスとの混合でもかまわない。空気などの酸素を含むガスは適していない。熱処理温度は800℃〜1700℃が好ましく、更に好ましくは1000℃〜1400℃の範囲が好ましい。1000℃未満では反応が完了するまでの所要時間が長くなる。800℃未満では反応自体が進行しない。不活性ガス雰囲気中で1400℃を越えると、炉部材として使用している酸化物セラミックスの分解により酸素が放出されることが懸念されると同時に例えばアルミナ製ルツボが短期間で破損する場合がある。1700℃を越えるとルツボのみならず設備自体に耐熱部材の使用が不可欠になり、製造コスト高となり工業化に適していない。
【0074】
上記方法によって得られた窒化ほう素粉末は、X線回折測定により結晶構造を同定すると図18のように六方晶の窒化ほう素(h−BN)と菱面体の窒化ほう素(r−BN)の二つのピークを検出できる。なお、図18は後述の実施例7で得た粉末を測定したものである。更にTEM観察により粉体組織を観察すると、図19のようにワイヤ状の窒化ほう素が形成していることが確認でき、格子像の観察からh−BNであることを同定した。
【0075】
次いで、上記[32]乃至[40]に関する発明の実施の形態について説明する。上記[32]乃至[40]に係る本発明によると、遷移金属の酸化物(a粉末)と炭素粉末(b粉末)を不活性ガス雰囲気中で600〜1600℃の温度で加熱すると、上記金属酸化物が炭素微小体形成の触媒の役割を果たし、平均直径0.5μm以下のワイヤ形状の炭素微小体粉末を製造できる。
【0076】
a粉末の酸化物を構成する金属としては遷移金属またはそれら合金(特に磁性材料)が好ましい。金属酸化物(MaOb)としては従来より状態図で示されているものでよく、例えばMがFeの場合はFe2O3、Fe3O4、FeOが挙げられる。上記金属酸化物は炭素形成の過程で還元され、最終的には金属粒子となる。
【0077】
またb粉末としてはグラファイトやカーボンブラック、天然黒鉛等の炭素粉が適しているが、炭素を含む化合物であってもよい。すなわち石炭や活性炭、コークスや脂肪酸、ポリビニルアルコールなどの高分子、B−C化合物、金属炭化物であってもよい。
【0078】
金属酸化物の粉末(a粉末)の平均粒径は0.001〜1μmが好ましい。平均粒径0.001μm未満の粉末は作製困難であり実用的でない。また平均粒径が1μmを越えると粒の中心部まで酸素を十分に還元することができず、触媒として十分機能しない。また炭素粉末(b粉末)の平均粒径は0.01〜100μmが好ましい。0.01μm未満の平均粒径の炭素粉末は高価であり実用的でない。a粉末とb粉末との混合比は、b粉末が重量比で25〜95%の範囲となることが好ましい。b粉末の重量比が25%未満であると炭素が不足する。またb粉末の配合比が95%を越えるとa粉末が少なくなって触媒機能が低下する。
【0079】
上記a粉末とb粉末の混合にはV型混合機や乳鉢などを使用する。混合粉末はアルミナ、窒化ほう素等の耐熱ルツボに所定量を充填して所定の条件で熱処理される。熱処理時の雰囲気は不活性ガス雰囲気中が好ましい。空気などの酸素を含むガスは適していない。熱処理温度は600℃〜1600℃が好ましく、更に好ましくは900℃〜1400℃の範囲が好ましい。900℃未満では反応が完了するまでの所要時間が長くなる。600℃未満では反応自体が進行しない。不活性ガス雰囲気下で1400℃を越えると、炉部材として使用している酸化物セラミックスの分解により酸素が放出されることが懸念されると同時に例えばアルミナ製ルツボが短期間で破損する場合がある。1600℃を越えるとルツボのみならず設備自体に耐熱部材の使用が不可欠になり、製造コスト高となり工業化に適していない。
【0080】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。ただし、これら実施例により本発明が必ずしも限定されるものではない。
(実施例1)
平均粒径0.6μmのα−Fe2O3粉(a粉末)5gと平均粒径30μmのほう素粉(b粉末)5gとを各々秤量し、b粉末の配合比が質量比で50%になるよう各粉末をV型混合機に投入して10分間混合した。この混合粉末をアルミナ製ボートに適量充填し、炉の中に配置し、流量が2(l/min)の窒素ガス気流中で、室温から3℃/minの速度で昇温した後、1100℃で2時間保持して室温まで炉冷した。熱処理前の混合粉末は赤黒色であったが、熱処理後の粉末は灰白色に変色していた。熱処理前後の各粉末についてX線回折測定(Cu,Kα線)を行なったところ、図1(熱処理前)および図2(熱処理後)に示すような回折パターンが得られた。上記熱処理を施した粉末からは主に六方晶の窒化ほう素(h−BN)の(002)ピークとα−Feの(110)ピークを検出した。リガク製解析ソフト「Jade5」を用いてFeの(110)ピークから計算したFeの粒子径は89nmであった。また、表1にX線回折パターンより検出した各相およびFeの粒子径をまとめた。さらに、この灰白色粉の磁気特性をVSMにて測定した結果を表2に示す。飽和磁化は後述する比較例2の値の20倍以上であり、X線回折測定の結果と合わせてFe2O3がFeに還元されていることがわかる。さらに、この灰白色粉から永久磁石で吸い上げた粉末だけをPCT試験機にて湿度100%、120℃で24時間耐食試験を行なった後、灰化法によって酸素分析を行なった。得られた結果を表3に示した。
【0081】
(実施例2)
Fe2O3粉代わりにFe3O4粉(平均粒径0.5μm)を用いた以外は実施例1と同様にして灰白色粉末を作製し、X線回折、VSM測定およびPCT試験を行なった。
【0082】
(参考例1)
ほう素粉末(b粉末)の配合比を質量比で20%とした以外は実施例1と同様にして混合粉末を熱処理してX線回折、VSM測定を行なった。
(比較例1)
熱処理温度を500℃とした以外は実施例1と同様にして混合粉末を熱処理してX線回折、VSM測定を行なった。
(比較例2)
平均粒径20nmのFe粉(真空冶金株式会社製超微粒子)について、実施例1と同条件で耐食試験を行なった。結果を表3に示す。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】
【表3】
【0086】
(実施例3)
Niを含有するFeの酸化物の粉末5gと、ほう素粉5gをV型混合機に投入して混合した。この混合粉末をアルミナ製ボートに適量充填し、炉の中に配置し、流量が2(l/min)の窒素ガス気流中で、室温から3℃/minの速度で昇温した後、1100℃で2時間保持して室温まで炉冷した。熱処理後の粉末について観察したところ、窒化ほう素で表面を被覆した金属粒子を得た。組成分析したところ、金属粒子はNiを含有するFeであることがわかった。
【0087】
(実施例4)
金属粒子とBNまたはC分離操作について説明する。図4は、BN被覆金属粒子およびBN微小体の製造工程図を示すものである。被覆金属粒子を製造する場合、製造工程は図4のS1→S2→S3→S4となる。S2では原料の粉末を入れた窒化ほう素製ルツボ42を管状炉43中で熱処理した。S2で得られた熱処理粉末は被覆金属粒子と微小体の混合粉末41であるため、被覆金属粒子はS3、S4の分離精製の工程を経て回収された。S3工程では、熱処理粉末をアセトンやエタノールなどの有機溶媒で代表される媒体45中に分散させたものを洗浄槽44で攪拌させ、被覆金属粒子を自然沈降させた。攪拌の手段として洗浄槽44に超音波を印加すべく超音波洗浄装置46を用いた。なお、超音波印加に代えて、ガラス棒による手動攪拌やペンシルミキサーなどの攪拌機を攪拌の手段として使用したところ、十分に攪拌することができた。
【0088】
S4工程では、上澄み液47を取り除いて沈殿物を乾燥させることにより被覆金属粒子48が回収された。同時に上澄み液を乾燥させるとBN微小体が回収された。上記工程ではBN被覆金属粒子とBN微小体を同時に得ることが出来た。特にBN微小体のみを製造する場合、製造工程は図4のS1→S2→S5→S6としてもよい。S5工程は、塩酸や硫酸などの酸性溶液によって熱処理粉末中の金属粒子を溶解させる工程である。酸性溶液中に熱処理粉末を浸漬させた後、沈殿物を回収した。S6工程は、沈殿物を水洗した後、乾燥させる工程である。S5で得られた沈殿物に純水を適量注ぎ、ガラス棒などで攪拌した後、再び沈殿させて上澄み液を除去後、乾燥させることによりBN微小体が得られた。酸性溶液の完全除去のために、S6工程は数回繰り返すことが好ましい。なお上記製造工程は炭素で被覆された金属粒子および炭素微小体を製造する工程にも適用することができた。
【0089】
図5は、電子顕微鏡(TEM)で観察した本発明に係る粒子構造の顕微鏡写真であり、BN被覆したFe粒子を示している。図6は、図5の構造を模式的に説明するための概略図である。図6に示すように、Fe粒子1は周囲をBN膜2で被覆されている。BN被膜の様子をさらに拡大した写真を図7に示す。
【0090】
図7は、電子顕微鏡で観察した本発明に係る粒子構造の顕微鏡写真であり、BN被覆したFe粒子を示している。図8は、図7の構造を模式的に説明するための概略図である。図7に示すように、Fe粒子1の表面に被覆されたBN膜には、積層された結晶格子の縞模様が認められる。格子面3の部分は、格子面がFe粒子1の表面に沿って、複数の格子面がほぼ並行に積層されている。格子面4や格子面5の部分は、格子面同士が平行でない箇所を有するが、Fe粒子1の表面を十分に被覆していることがわかる。
【0091】
(実施例5)
平均粒径0.03μmのα−Fe2O3粉(a粉末)5gと平均粒径20μmの炭素粉(b粉末)5gとをV型混合機に投入して10分間混合した。この混合粉末51を窒化ほう素製ルツボ52に適量充填し、管状炉53内に前記ルツボ52を設置して流量2l/minの窒素ガス気流中で、室温から3℃/minの速度で昇温した後、1000℃で2時間保持して室温まで3℃/minの速度で炉冷した。管状炉の構造は図17の概略図に示す。熱処理前後の各粉末についてX線回折測定(Cu,Kα線)を行なったところ、図9(熱処理前)および図10(熱処理後)に示すような回折パターンが得られた。上記熱処理を施した粉末からは主にグラファイトの(002)ピークとα−Feの(110)ピークを検出した。さらに上記熱処理後の粉末の磁気特性をVSM(試料振動型磁力計)にて測定した結果を表4に示す。飽和磁化は比較例4の値の100倍程度であり、X線回折測定の結果と合わせてFe2O3がFeに還元されていることがわかる。上記熱処理後の粉末をPCT試験機(プレッシャークッカーテスト試験機)にて湿度100%、120℃、1気圧で24時間曝した後、粉末の含有酸素量を金属中酸素・窒素・水素分析装置(堀場製EMGA−1300)にて分析した。酸素量の分析結果を表5に示した。PCT試験後も酸素量の増分がなく、Fe粉表面がグラファイト膜で被覆されていることを裏付ける。なお、上記金属中酸素・窒素・水素の分析は、黒鉛ルツボに試料粉末0.5gを充填し、ルツボを2000〜3000℃へ急速加熱することにより試料中のO,N,Hを熱分解し、ガスクロマトグラフと熱伝導度検出器により、発生したCO2,N2,H2Oガスを検出することによってO,N,Hの含有量を分析する方法である。
【0092】
(比較例3)
熱処理温度を500℃とした以外は実施例5と同様にして混合粉末を熱処理してX線回折、VSM測定、PCT試験を行なった。X線回折パターンは熱処理前後で変化がみられず、反応が進行していない。飽和磁化の値も殆ど変化していない。
【0093】
(比較例4)
平均粒径0.02μmのFe粉(真空冶金株式会社製超微粒子)を実施例5と同条件で耐食試験を行なった。飽和磁化は純鉄の値(約260×10−6wb・m/kg)の30%程度まで低下している。
【0094】
【表4】
【0095】
【表5】
【0096】
図11は、TEM(透過型電子顕微鏡)で観察した実施例5に係る金属超微粒子の構造の顕微鏡写真である。TEM観察するにあたり、必要とされる試料調整以外、粒子への損傷や変異などを与える加工は一切施していない。図12は、図11の構造を模式的に説明する概略図であり、若干拡大している。金属超微粒子11は、α−Feの粒子12の表面が全て所定の厚さのグラファイト薄膜20で被覆された粒子である。この被覆はα−Feの粒子12の表面を保護しており、効果的に酸化防止している。グラファイト薄膜20の外側に散在する凸部21,21bは、グラファイトの異層が成長したものか、異物が付着したもののいずれかと推定される。α−Feの粒子11自体の明暗のパターン13a,13b,13cは、α−Feの粒子11の形状(略球形)に起因する干渉パターン(2点鎖線で表示)である。α−Feの粒子の両端では、グラファイト薄膜の境界14が若干不明瞭に撮影されているため、点線で表示した。これは略球形の形状により全てに焦点を合わせることが難しいためであり、実際の形状が不明瞭になっている訳ではない。1点鎖線で輪郭を表示した領域は、金属超微粒子11をTEM観察のサンプルホルダーに固定させるためのコロジオン膜15である。符号16の線と符号は、その3本線の長さが20nmに相当するスケールである。図11を撮影した際のスケールをコピーして図12に付け加えた。
【0097】
図13は、TEM(透過型電子顕微鏡)で観察した本発明に係る粒子構造の顕微鏡写真であり、図11の左下半分近傍を拡大してグラファイト薄膜20の様子を説明するものである。図13の構造を図14の概略図で模式的に説明する。グラファイト薄膜20は、グラファイトの結晶構造を主として構成されている。例えば、格子縞20a,20b,20cは、グラファイトの層状格子面を表しており、格子縞の間隔がほぼ等間隔であり、α−Feの粒子12の表面に対してほぼ平行に配列している。
【0098】
ただし、α−Feの粒子は球状であって、その表面には多少の凹凸があることから、グラファイト薄膜の一部には、格子縞20fのようにα−Feの粒子12の表面に対して傾斜している箇所もある。格子縞20fは他の格子縞20eを派生し、さらに、格子縞20dとなっている。線の図示を省略したが、格子縞20dはα−Feの粒子12の表面に対してほぼ平行に配列している。このように、グラファイト薄膜には、層状格子面の配列の向きが変化したり、配列の状態が不鮮明になる箇所(梨地模様に見える箇所)が存在するが、隣接する結晶構造同士で整合を取ったり、α−Feの粒子12の表面に対して結晶構造の面が平行になるように成長するために、ほぼ均一なグラファイト薄膜の被覆が構成されている。
【0099】
図14のグラファイト薄膜20において、格子縞の一部を実線や点線で模式的に図示している。図示を省略しているが、空白の部分にも結晶構造は存在する。また、α−Feの粒子12の表面とグラファイト薄膜20の間には、中間層25があると推定されるが、その詳細は図15及び図16にて説明する。
【0100】
図15は、TEM(透過型電子顕微鏡)で観察した本発明に係る粒子の構造の顕微鏡写真であり、図13のグラファイト薄膜20近傍をさらに拡大した写真である。図16は、図15の構造を模式的に説明する概略図であり、若干拡大している。α−Feの粒子12では、矢印aの向きに沿って格子縞24が見られ、α−Feの特有の結晶面を示している。Fe原子の並びが数珠つなぎになっている様子を克明に模写することは難しいので、点線で表示した。α−Feの粒子12の表面近傍では、前記の矢印aに沿った格子縞が崩れているが、その配列の端が平坦な面を構成しており、グラファイトの結晶が徐々に成長していく起点(グラファイトの成長層)となっている。以下、これらの領域を中間層25と称する。中間層25を経てグラファイト薄膜20は成長し、形成される。
【0101】
図16に示すように、α−Feの粒子12の表面が比較的滑らかな球面(平坦面)であれば、グラファイトの層状格子面22は矢印dに沿った面となり、規則的に平行に配列しながら成長するため、緻密で非常に薄い被覆を構成する。ここで、緻密とは規則的な格子面が積層している部分を有することを指す。矢印dに垂直な方向に、層状格子の面が、15〜17層積層して非常に薄く被膜を構成していた。中間層25の厚さは、グラファイトの層状格子面22の間隔で言うと、1〜2層に見える。成長し始めたグラファイトの結晶面も中間層に含めると、中間層15の厚さは、グラファイトの層状格子面22の間隔でいうと、2〜4層程度である。
【0102】
転位した箇所23は、結晶成長にズレが生じ、結晶構造が不連続化した部分と推定される。層状格子が成長して積層構造となるときに、格子の欠陥に起因して、ある部分の成長が1層分遅れたとする。ある部分の成長が再開されたとき、ある部分のn−1層目の格子面と隣接する部分のn層目の格子面が結合して1つの面(転位した面)を構成することがある。転位した面の発生率は高くなく、被膜全体でみると均一で緻密な薄膜といえる。なお、グラファイト薄膜20の表面には凸部21bが存在するが、図15の写真では鮮明には撮影されなかったため、その箇所を点線で表示した。
【0103】
(実施例6)
平均粒径0.03μmのヘマタイト(Fe2O3)粉末3gと平均粒径26μmのほう素粉末7gをV型混合機に投入して10分間混合した。この混合粉末121を窒化ほう素製の坩堝122に充填して管状電気炉123に設置し、流量2(l/min)の窒素ガス気流中で、室温から3(℃/min)の速度で昇温した後、1100℃で2時間保持して室温まで炉冷した。熱処理前の混合粉末は赤黒色であったが、熱処理後の粉末は灰白色に変色していた。熱処理後の粉末についてX線回折測定(Cu,Kα線)を行なったところ、図17に示すような回折パターンが得られ、上記熱処理を施した粉末からは六方晶の窒化ほう素(h−BN)と菱面体の窒化ほう素(r−BN)、およびα−Feの回折ピークを検出した。窒化ほう素とFeを分離するため、アセトン500cc(0.5×10−3m3)の中に上記粉末5gを投入して5分間超音波洗浄を施し、上澄み液と沈殿物を分離した。上澄み液127をドラフト内で更に24時間放置してアセトンを乾燥させ、窒化ほう素粉末128(重量6g)を回収した。
【0104】
この窒化ほう素粉末を透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察したところ、図19の写真に示すようなワイヤ状の組織が観察された。格子像を解析すると、この窒化ほう素ワイヤは菱面体構造であった。流量の単位は(l/min)≒約16.7×10−6(m3/s)に相当する。実施例6の製造工程は、粉末混合工程(S11)、雰囲気中熱処理工程(S12)、粉末を分散させた媒体への超音波印加工程(S13)、窒化ほう素微小体の分離・乾燥工程(S14)を有し、図22の工程フローと概略図に対応する。同図中、符号124は洗浄槽、符号126は超音洗浄機、符号125は熱処理後の粉末を分散させた溶媒(アセトン)に相当する。なお、生成した粒子を分散させるべく超音波を印加できるのであれば、洗浄機に限らず使用することができる。
【0105】
図20は、図19の写真の構造を模写した概略図であり、ワイヤ状の窒化ほう素微小体を示す。この窒化ほう素微小体101は、内部に空洞102を有するチューブ103が多数個連結して、長い屈曲したチューブ状を構成している。一方の端はチューブ103の構造で終端されている。他方の端は、チューブ103であるr−BN組織と、h−BN的な部位112bが混在した組織を経て、h−BN組織112で終端されている。図20中、点線で表示した曲線は、電子顕微鏡のサンプルホルダーに窒化ほう素微小体101を固定するためのコロジオン膜の外延を表している。図20の方形の囲いの右外の線と文字は、線の長さが200nmの寸法に対応することを示す。
【0106】
図21は、図20中の窒化ほう素チューブのみを抜粋・拡大した概略図である。チューブの先端近傍111は、チューブの途中の部分と重なって見えており、明瞭ではない為に先端が閉鎖されているかは定かでない。この先端近傍から、空洞102とそれを囲うチューブ103の構造が続いており、途中、チューブ間の節104と考えられる部位や、チューブの厚さが厚いか斜めに観察する為に厚く見える箇所と考えられるコブ105が存在する。連続するチューブの向きは、例えば屈曲部110で大きく屈曲しているように見える。チューブの厚さは必ずしも一様に見えておらず、コブ105や節だけでなく、複雑な線や脈理に見える構造を伴いながら空洞102を形づくっている。チューブ構造は先端近傍111から節104bまで明瞭に観察され、チューブの直径は0.12〜0.20μm(120〜200nm)である。この辺りは結晶組織が複雑であるため、r−BNとh−BNが混在しているか、混相となっていると推測される。異相の混在は、チューブの屈曲と関係すると考えられる。明瞭にパイプ状に見えるチューブ103の結晶構造を拡大観察すると、原子の並びが3層周期を繰り返すr−BNとなっており、その周期の繰り返し方向は、チューブの直径方向を向いている。
【0107】
(実施例7)
平均粒径0.03μmのα−Fe2O3粉(a粉末)5gと平均粒径20μmの炭素粉(b粉末)5gとをV型混合機に投入して10分間混合した。この混合粉末251を窒化ほう素製ルツボ252に適量充填し、管状炉253にて流量2l/minの窒素ガス気流中で、室温から3℃/minの速度で昇温した後、1000℃で2時間保持して室温まで3℃/minの速度で炉冷した。流量の単位は(l/min)≒約16.7×10−6(m3/s)に相当する。
【0108】
熱処理前後の各粉末についてX線回折測定(Cu,Kα線)を行なったところ、図23(熱処理前)および図24(熱処理後)に示すような回折パターンが得られた。上記熱処理を施した粉末からは主にグラファイトの(002)ピークとα−Feの(110)ピークを検出した。図24にて、○印はグラファイトの結晶構造に対応するピークであり、■印はα−Feの結晶構造に対応するピークであり、横軸は回折角度の2θ(°)、縦軸は回折X線の強度(cps)である。グラファイトの最大強度のピークは半値幅が約0.2°となっており、熱処理後の粉末の結晶性はよい。さらに、図23と図24に対応した熱処理前後の粉末について磁気特性をVSM(試料振動型磁力計)にて測定した所、飽和磁化は前者で1.30×10−6Wb・m/kg、後者で131×10−6Wb・m/kgであった。以上より、Fe2O3がFeに還元されていることがわかる。
【0109】
上記熱処理後の粉末をTEM(透過型電子顕微鏡)観察した所、図25に示すようなチューブ状の微小体が確認された。図25は電子顕微鏡で観察した本発明に係る粒子構造の顕微鏡写真である。EDX(エネルギー分散型X線検出器)による組成分析の結果、微小体の先端の黒色粒子はFeであり、チューブはC(炭素)であることが判明した。
【0110】
図26は、図25の写真の構造に対応する概略図である。炭素微小体201は、Fe粒子202をベースにして炭素のチューブ203が曲線状に成長した構造である。チューブ203の内部には複数の節204が存在し、対向する節とチューブの壁203bに囲われた領域は空洞205を構成する。チューブ203の他端は閉じられており、先端部206となっている。この炭素微小体201において、チューブの成長方向が曲がっていることは、チューブの壁の厚さや節の間隔が均一ではないことと関係すると考えられる。特に、チューブの壁203c,203eの箇所はチューブの厚さが薄い。
【0111】
もう一つの炭素微小体207は、Fe粒子208をベースにして炭素のチューブ209が曲線状に成長するとともに、先端に他のFe粒子213を包含する構造である。チューブ209の内部には複数の節210が存在し、対向する節とチューブの壁に囲われた領域は空洞211を構成する。Fe粒子213の近傍にあるFe粒子220はチューブの壁220等により隔てられているように見える。この炭素微小体207にて、Fe粒子213はチューブの成長当初から付いていたものか、チューブが成長した過程で取り込んだものかは定かでない。なお、Fe粒子208やチューブの壁212は、炭素微小体201と重複して見えているだけで、接続はされていない。さらに、他のFe粒子214は単独で存在している。同図中、直線若しくは屈曲した一点鎖線は原料の炭素215,216の輪郭を表している。曲線状の一点鎖線は炭素微小体等を電子顕微鏡のサンプルホルダーに固定するためのコロジオン膜217,218の輪郭を表している。符号219は、図26の寸法を判りやすくするために記入したスケール表示であり、元の図25にそのような構造がある訳ではない。スケール表示の3本線の長さは100nmに相当する。
【0112】
図25の写真に基づいて、各々の炭素微小体の外径Roと内径Riの比を測定した。任意の箇所について測定し、(Ri/Ro)=0.67、0.75、0.40、0.69、0.57、0.63、0.75、0.44というようなデータを得た。実施例7の条件を変えて炭素微小体を製造すると、平均外径や平均内径も変えることができた。これらの条件変更を考慮すると、(Ri/Ro)の上限を0.8とすることができる。
【0113】
図27は、電子顕微鏡で観察した本発明に係る粒子構造の顕微鏡写真である。図25において、Fe粒子202とチューブ203の接合箇所の近傍を拡大したものである。図28は、図27の写真の構造に対応する概略図である。なお、図28は、説明し易くするために、図27の結晶組織の主要な部分のみを実線や点線に代えて表現した。従って、点線でハッチングした領域の周囲が空白であったとしても、その部分は記載を省略しているだけである。
【0114】
図28によると、Fe粒子202では、ほとんどの領域で特定の結晶面に沿った表面を有するように見える組織となった。以下、Fe主相220,221と称する。Fe主相220の左側には、配列の面の向きが異なる相225や、梨地模様に見える異相226などが観察された。なお、平行に配置した点線でFe主相220等を表現したが、点間隔や線間隔は必ずしも図27と一致するものではない。線の配列の向き等を判り易く説明するために描いたものである。
【0115】
図28中の炭素のチューブについて説明する。仮想的な境界線227およびFe主相221から先にはチューブ203が生成されている。筒状のチューブの壁の中が節236、239で仕切られた構造であることが判る。節236とFe粒子202とチューブの壁で囲われた領域、または節236,239とチューブの壁で囲われた領域は空洞となった。
【0116】
チューブの壁は、結晶の配列がグラファイト構造的な相を主として構成されている。以下、グラファイトとそれに類似の組織を併せてグラファイト相と称する。グラファイト相は、結晶の配列が特定の面に沿って積層したように見えるという点で、Feよりも明瞭である。チューブの壁の成長方向に対してグラファイト相230,231,232,233,237,238,240の面は、平行若しくは略平行と言える。これらに対して、節236,239ではグラファイト層の面は、チューブの壁の成長方向に対して直交若しくは略直交と言える。節236の左側の付け根では、グラファイト層の向きが下向きの層234と上向きの層235にY字状に分かれており、樹木の幹と枝の如き組織を呈している。節239の付け根はチューブの壁にほぼ直交しており、節の組織は少なくとも2通りあると考えられる。グラファイト相242は架橋もしくは節と考えているが、他の構造体のグラファイト相242が紛れこんでいるため、断定はできない。
なお、グラファイト層の原子配列の積層の様子は、グラファイト層235,238や節236,239に表現したように間隔が狭い。全ての層を同様に図示すると複雑になるため、他の部分では層の数を減らして図示した。また、一層一層が明瞭に判る場合には線で図示したが、途切れ途切れで続いているように見える場合には、点線で表示した。
【0117】
上記熱処理後の粉末5gをアセトン500ccの中に投入して5分間超音波洗浄を施し、上澄み液と沈殿物を分離した。上澄み液257をドラフト内で更に24時間放置してアセトンを乾燥させ、炭素微小体の粉末258を得た。粉末258は粗大遷移金属粒子等を除くことにより、炭素微小体の割合を向上させたものである。
【0118】
実施例7の製造工程は、粉末混合工程、雰囲気中熱処理工程、粉末を投入した媒体への超音波印加(分散工程)、粗大遷移金属粒子などの分離および乾燥工程を有し、図29の工程フローと概略図に対応する。同図中、符号254は洗浄槽であり、符号255は熱処理後の粉末を分散させた溶媒(アセトン)であり、符号256は超音波洗浄装置に相当する。なお、生成した各粒子を溶媒中に分散させるべく超音波を印加できるものであれば、洗浄装置に限らず使用することができる。
【0119】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の金属超微粒子およびその製造方法を用いることにより、安全且つ簡便で工業的利用に適した被膜を金属粒子表面に付与した金属超微粒子を得ることができる。さらに、金属超微粒子を製造する際に副生成物に係る微小体とその製造方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
熱処理前の混合粉末のX線回折パターンを示すグラフである。
【図2】
熱処理後の混合粉末のX線回折パターンを示すグラフである。
【図3】
Fe2O3とBが反応することにより、窒化ほう素被覆Fe粒子等が生成する反応過程を説明する概略図である。
【図4】
窒化ほう素被覆金属粒子および窒化ほう素微小体の製造工程図である。
【図5】
電子顕微鏡で観察した本発明に係る粒子構造の顕微鏡写真である。
【図6】
図5の構造を模式的に説明するための概略図である。
【図7】
電子顕微鏡で観察した本発明に係る粒子構造の顕微鏡写真である。
【図8】
図7の構造を模式的に説明するための概略図である。
【図9】
熱処理前の混合粉末のX線回折パターンを示すグラフである。
【図10】
熱処理後の混合粉末のX線回折パターンを示すグラフである。
【図11】
電子顕微鏡で観察した本発明に係る粒子構造の顕微鏡写真である。
【図12】
図3の構造を模式的に説明するための概略図である。
【図13】
電子顕微鏡で観察した本発明に係る粒子構造の顕微鏡写真である。
【図14】
図5の構造を模式的に説明するための概略図である。
【図15】
電子顕微鏡で観察した本発明に係る粒子構造の顕微鏡写真である。
【図16】
図7の構造を模式的に説明するための概略図である。
【図17】
実施例1の製造工程で用いる管状炉の概略図である。
【図18】
本発明の粉末のX線回折パターンを示すグラフである。
【図19】
電子顕微鏡で観察した本発明に係る粒子構造の写真である。
【図20】
図19の写真の構造に対応する概略図である。
【図21】
図20の一部を拡大した概略図である。
【図22】
実施例6の製造工程を説明するフロー及び概略図である。
【図23】
熱処理前の混合粉末のX線回折パターンを示すグラフである。
【図24】
熱処理後の混合粉末のX線回折パターンを示すグラフである。
【図25】
電子顕微鏡で観察した本発明に係る粒子構造の顕微鏡写真である。
【図26】
図25の写真の構造に対応する概略図である。
【図27】
電子顕微鏡で観察した本発明に係る粒子構造の顕微鏡写真である。
【図28】
図27の写真の構造に対応する概略図である。
【図29】
実施例7の製造工程を説明する工程フロー及び概略図である。
【符号の説明】
1 Fe粒子、 2 BN被膜、 3 格子面、 4 格子面、
5 格子面、
11 金属超微粒子、 12 α−Feの粒子、
13a 13b 13c パターン、
14 グラファイト薄膜の境界、 15 コロジオン膜、
16 スケール、 20 グラファイト薄膜、
20a 20b 20c 格子縞、
20e 格子縞、 20d 格子縞、 20f 格子縞、
21 21b 凸部、
22 層状格子面、
23 転位した箇所、 24 格子縞、
25 中間層、 27 グラファイトの成長層、
41 混合粉末、 42 窒化ほう素製ルツボ、 43 管状炉、
44 洗浄槽、 45 媒体、 46 超音波洗浄装置、
47 上澄み液、 48 被覆金属粒子、
51 混合粉末、 52 窒化ほう素製ルツボ、 53 管状炉、
101 窒化ほう素微小体、 102 空洞、 103 チューブ、
104 104b 節、
105 コブ、 110 屈曲部、 111 先端近傍、
112 h−BN組織、 112b h−BN的な部位、
113 コロジオン膜、 121 混合粉末、 122 坩堝、
123 管状電気炉、 127 上澄み液、 128 窒化ほう素粉末、
201 炭素微小体、 202 Fe粒子、 203 チューブ、
203b チューブの壁、
203c 203e チューブの壁、
204 節、 205 空洞、 206 先端部、
207 炭素微小体、 208 Fe粒子、 209 チューブ、 210 節、
211 空洞、 212 チューブの壁、 213 Fe粒子、
214 Fe粒子、
215 216 原料の炭素、
217 218 コロジオン膜、
219 スケール表示、 220 Fe粒子、
220 221 Fe主相、
224 227 仮想的な境界線、
225 配列の面の向きが異なる相、 226 梨地模様に見える異相、
230 231 232 233 237 238 240 グラファイト相、
234 235 グラファイト相、
236 239 節、
241 グラファイト相、 242 他の構造体のグラファイト相、
251 混合粉末、 252 窒化ホウ素製ルツボ、 253 管状炉、
254 洗浄槽、 255 熱処理後の粉末を分散させた溶媒、
256 超音波洗浄装置、 257 上澄み液、 258 炭素微小体の粉末
[Document name] statement
Patent application title: Ultrafine metal particles, method for producing the same, method for producing fine particles, and fine particles
[Claim of claim]
1. Metal particles obtained by reducing metal oxidesYes andThe surface of the metal particle is coated with boron nitride or carbon, and the average particle diameter is 1 μm or less.
2. The metal ultrafine particles according to claim 1, wherein the metal oxide is an oxide containing a transition metal.
3. The metal particle according to claim 1, wherein the surface of the metal particle is composed of boron nitride having a crystal structure of h-BN or carbon mainly composed of graphite. Metal ultrafine particles.
4. The metal ultrafine particles according to any one of claims 1 to 3, wherein said boron nitride or carbon has a film thickness of 100 nm or less.
5. The metal ultrafine particles according to any one of claims 1 to 4, wherein the boron nitride or carbon has two or more lattice planes or lamination planes of crystals.
[6] In the metal superparticles, the main component of the particles is a magnetic metal element, and the saturation magnetization of the metal ultrafine particles is 10% or more and less than 100% of the saturation magnetization of the magnetic metal element. The metal ultrafine particle according to any one of Items 1 to 5.
[7] The oxygen mass increment after heat treatment under the conditions of humidity 100%, temperature 120 ° C., 1 atm, 24 hours with respect to oxygen mass (mass%) before heat treatment is 50% or less. Metal ultrafine particles according to any one of 1 to 6.
[Claim 8] A metal comprising a metal particle coated with boron nitride by heat treating a powder obtained by mixing a powder containing a metal oxide and a powder containing boron in a nitrogen-containing atmosphere. Method of producing ultrafine particles.
[9] The method of claim 8, wherein the heat treatment is performed at a temperature of 800 to 1700C.
10. A metal ultra-fine particle characterized by producing a carbon-coated metal particle by heat treating a powder obtained by mixing a powder containing a metal oxide and a powder containing carbon in an atmosphere containing nitrogen. Production method.
11. The method of claim 10, wherein the heat treatment is performed at a temperature of 600 to 1,600 ° C.
[12] A powder is prepared by mixing a powder containing a metal oxide and a powder containing boron, in a nitrogen-containing atmosphere, to produce a boron nitride microbody. Method.
[13] The method according to claim 12, wherein the heat treatment is performed at a temperature of 800 to 1700C.
14. A minute body which is formed by reducing metal oxide in an inert gas atmosphere, is mainly composed of boron nitride, and is wire-like or cylindrical.
[15] A microbody which is produced by reducing metal oxide in an inert gas atmosphere, is mainly composed of boron nitride, is cylindrical, and has nodes or crosslinks inside.
[16] A minute structure characterized by comprising metal particles, a boron nitride film formed by reducing metal oxides in an inert gas atmosphere, and coating the metal particles, and wire-like or cylindrical boron nitride. body.
[17] What is claimed is: 1. A method for producing a microbody, comprising producing a carbon microbody by heat treating a powder containing a metal oxide and a powder containing carbon in an inert atmosphere.
[18] The method according to claim 17, wherein the heat treatment is performed at a temperature of 600 to 1600C.
[19] A minute body which is produced by reducing metal oxide in an inert gas atmosphere, is composed of carbon in a graphite phase, and is wire-like or cylindrical.
[20] A microbody which is produced by reducing a metal oxide in an inert gas atmosphere, is mainly composed of carbon in a graphite phase, is cylindrical, and has nodes or crosslinks inside.
21. A minute body comprising metal particles, a carbon film coating the metal particles, and a carbon film formed in a wire shape or a cylindrical shape by reducing metal oxides in an inert gas atmosphere.
Detailed Description of the Invention
[0001]
Field of the Invention
The present invention relates to a metal particle used as a raw material of a magnetic recording medium such as a magnetic tape and a magnetic recording disk, an electronic device such as a radio wave absorber, an inductor, and a printed circuit board (soft magnetic material such as a yoke). Further, the present invention relates to a microparticle which is a by-product in forming metal particles and a method for producing the same.
[0002]
[Prior Art]
With the reduction in size and weight of electronic devices, there is a demand for nano-size of the raw materials themselves that constitute electronic devices. At the same time, high performance of the device must be realized. For example, for the purpose of improving the magnetic recording density, it is simultaneously required to improve the size and magnetization of magnetic particles applied to a magnetic tape.
[0003]
Conventionally, ferrite powder has been mainly used for magnetic recording media, but there has been a problem that the magnetization is small and the signal strength is low. Although metallic magnetic particles represented by Fe and Co are suitable for obtaining sufficient output characteristics, for example, when the particle diameter is reduced to 1 μm or less for high recording density, the metal particles are resistant to oxidation. As it is active, the oxidation reaction proceeds violently in the air, and some or all of the metal is transformed into an oxide to lower the magnetization. In order to improve the handling of fine metal particles, a method of coating the surface of magnetic particles containing Fe and Co with a ferrite layer (for example, Patent Document 1), a method of coating an Fe powder surface with graphite (for example, Patent Document 2) Etc. have been proposed.
[0004]
In the case of metal particles with a particle size of 1 μm or less as in the above-mentioned example, in order to prevent the particles from being exposed directly to the atmosphere (oxygen), a film is applied to the particle surface in order not to impair the function as a metal. Is essential. However, the method of covering the surface with a metal oxide as in Patent Document 1 causes the metal to be oxidized and degraded to some extent.
Further, when metal particles are coated with graphite as in Patent Document 2, heat treatment must be performed at an extremely high temperature of 1600 ° C. to 2800 ° C. in order to make the metal melt carbon in order to coat it. It does not. Carbonized metal and graphite CO2Is a concern. As a coating method that overcomes these problems, coating of metal particles with boron nitride (BN) is mentioned (for example, Non-Patent Document 1). BN is a material used for a "crucible" and has a high melting point of 3000 ° C. and excellent thermal stability, as well as low reactivity with metals. Moreover, it has the characteristic which has insulation. The method of applying the BN film to the metal particles is (1) heating the mixed powder of metal and B by arc discharge in a nitrogen atmosphere, or (2) mixing the mixed powder of metal and B in a mixed atmosphere of hydrogen and ammonia There is a method of heating, or (3) heat treating a mixture of metal nitrate, urea and boric acid in a hydrogen atmosphere.
[0005]
[Patent Document 1]
JP 2000-30920 A (pages 9 to 11, FIG. 2)
[Patent Document 2]
JP-A-9-143502 (pages 3-4, FIG. 5)
[Non-patent document 1]
"International Journal of Inorganic Materials 3 2001", 2001, p. 597
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
In the method of producing the BN film, since the production methods (1) and (2) use metal particles as a raw material, there is a danger such as ignition due to a rapid oxidation reaction particularly when handling ultrafine particles with a particle diameter of 1 μm or less. In addition, in the production method (3), since the metal nitrate is thermally decomposed, toxic gas (NOx) Occurs. In addition, the method utilizing the arc discharge of the production method (1) is not only suitable for industrial use because it has a low treatment amount and low productivity, but also has a high reaction temperature of about 2000 ° C. In addition, hydrogen gas used in the production methods (2) and (3) has a risk of explosion, so it is not preferable to use it industrially. Also, the coated metal particles obtained by the prior art have problems such as deterioration of saturation magnetization caused by modifying a part of the metal particles.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
MEANS TO SOLVE THE PROBLEM The inventors completed the present invention as a result of earnestly examining a metal ultrafine particle in which a film suitable for industrial use is coated on the surface of metal particles by a safe and simple method in order to solve the above-mentioned problems. It came to
[0008]
[1] The metal ultrafine particles of the present invention are metal particles obtained by reducing metal oxidesYes andThe surface of the metal particles is coated with boron nitride, and has an average particle diameter of 1 μm or less. Desirably, the average particle size is in the range of 0.001 to 1 μm. More desirably, the average particle diameter is 0.01 μm to 0.1 μm. When the particle size is 0.1 μm or less, the effect of preventing oxidation by coating the surface with boron nitride is particularly remarkable.In addition, for example, metal ultrafine particles having an average particle diameter of 0.2 to 0.5 μm and excellent in oxidation resistance can also be obtained.
[0009]
The sample is observed with an electron microscope to determine the average particle size. For example, take an electron micrograph of the sample. Measure the particle size of the metal ultrafine particles in any area in the photo and calculate the average value, or draw a line segment of any length in the picture, and the length of the segment crossing the particle From the sum of length L and the number N of particles traversed by the line segment, the average particle diameter is determined as L / N. However, an average value of at least 50 or more particles shall be obtained.In addition, the particle size of Fe after the heat treatment can be calculated from the (110) peak of Fe in X-ray diffraction measurement using Rigaku analysis software “Jade 5”.
[0010]
In the present invention, it is desirable that all of the fine particles are coated with boron nitride (or carbon), but not all the particles need to be coated. In addition, although it is desirable that the surface of the ultrafine particles be coated with boron nitride (or carbon), it is not necessary that the surface be completely composed of particles coated with boron nitride (or carbon). In the specification and claims of this application, for example, those described as “particle diameter is 0.001 to 1 μm” are “particle diameter is in the range of 0.001 μm or more and 1 μm or less Is used as an equivalent to the expression
[0011]
[2] In the above-mentioned [1], the metal oxide is an oxide containing a transition metal. The metal particles are desirably selected from Fe, Ni, Co, and an alloy containing at least one of them. For example, Fe particles coated with boron nitride, Ni particles coated with boron nitride, FeNiCo particles coated with boron nitride, NiFe particles coated with boron nitride and the like can be mentioned.
[0012]
[3] The metal ultrafine particles according to the above [1] or [2], wherein the boron nitride mainly has a crystal structure of h-BN.
[0013]
[4] The metal ultrafine particles according to any one of the above [1] to [3], wherein the boron nitride is a film having a thickness of 100 nm or less. Here, the film thickness corresponds to the distance between the surface of the particle to be coated and the surface of the thin film to be coated. More preferably, the film thickness can be 20 nm or less.
[0014]
[5] The metal ultrafine particles according to any one of the above [1] to [4], wherein the boron nitride has two or more layers of crystal lattice planes or lamination planes. More preferably, the film has four or more layers of crystal lattice planes or lamination planes. Here, it is preferable that boron nitride is mainly composed of hexagonal crystals, and the lattice plane or lamination plane of the crystals is a hexagonal c-plane (ie, (002) plane). It is desirable that the lattice plane or lamination plane of the crystal is formed along the plane of the metal particles.
[6] In the above-mentioned [5], an intermediate phase may be provided in the particles or boron nitride.
[0015]
[7] In any one of the above [1] to [6], the main component of the metal superparticle is a magnetic metal element, and the saturation magnetization of the metal ultrafine particle is the saturation magnetization of the magnetic metal element. 10% or more and less than 100% of
In regard to the above [7], when the core of the metal ultrafine particles is formed of magnetic particles, the covering boron nitride film can be made extremely thin at 30 nm or less. Therefore, in the metal ultrafine particles, the volume ratio occupied by the magnetic particles can also be increased, and the decrease in the saturation magnetization of the metal ultrafine particles can be suppressed as compared to the prior art. In a particle composed of a transition metal or an alloy containing a transition metal, the particle is coated with a boron nitride film when the saturation magnetization specific to the material of the main component responsible for the magnetism of the particle is used as a reference (ie 100%). The saturation magnetization of the ultrafine metal particles can have a size of 10% or more with respect to the reference.
[0016]
[8] In any of the above [1] to [7],After heat treatment under the conditions of humidity 100%, temperature 120 ° C., 1 atm, for 24 hours with respect to the contained oxygen mass (mass%) before heat treatmentThe oxygen mass increment is 50% or less. The surface of the metal ultrafine particles can be used even if it is not completely covered with the boron nitride film, that is, even if the coating is locally thin. However, since it is difficult to prevent the progress of oxidation when stored for a long time, it is desirable to completely coat the surface of the ultrafine particles with a boron nitride film.
[0017]
In the present specification and claims, mass%, that is, mass percentage (mass%) represents the composition ratio by mass of a substance. That is, it indicates how much mass each element component is contained with respect to the unit mass of the metal ultrafine particles.
As a method of measuring the mass% for each composition, for example, oxygen in the sample is thermally decomposed by rapidly heating the sample powder to 2000 to 3000 ° C., and oxygen gas generated by a gas chromatograph and a thermal conductivity detector Alternatively, it is a method of analyzing the content of oxygen by detecting an oxygen-containing gas. Since the metal ultrafine particles according to the present invention are particularly excellent in oxidation resistance, the increase in oxygen mass after treatment is suppressed with respect to the oxygen content before treatment even if the above-mentioned humidification and heating treatment is performed. .
[0018]
The magnetic particles may contain impurities or unavoidable impurities (elements originally contained in the raw material) contained in the mixing of the raw materials to an extent that the magnetic properties are not extremely degraded.
In addition, in the particle composed of a metal or an alloy, at least one of the peak with the highest intensity and the second highest peak in the X-ray diffraction pattern of the particle (a coating is excluded) It corresponds to the peak of. More preferably, the peak of the oxide of the element (excluding BN) constituting the particle is sufficiently smaller than the third highest peak or not detected at all.
[0019]
[9] A method of producing metal ultrafine particles according to the present invention comprises treating a powder obtained by mixing a powder containing a metal oxide and a powder containing boron with heat treatment in a nitrogen-containing atmosphere to obtain boron nitride. Coated metal particlesTo makeIt is characterized by The metal oxide preferably contains a transition metal (more preferably, it comprises an oxide of a transition metal). It is desirable that the generated boron nitride-coated metal particles have an average particle size of 1 μm or less. The “nitrogen-containing atmosphere” corresponds to an atmosphere selected from nitrogen gas and a mixed gas of an inert gas such as argon and nitrogen gas.
[0020]
More preferably, in the production method of the above [9], a powder obtained by mixing particles containing iron oxide and particles containing boron is heat-treated in an atmosphere containing nitrogen to make iron oxide at least one of iron and iron boron compound. It is characterized by producing particles of at least one kind of iron or iron nitride and finally coated with boron nitride by reducing the species to form boron oxide. I assume.
[0021]
The method of producing metal ultrafine particles according to the above [9] is characterized in that the step of reducing metal oxide particles and the step of covering the surface of the metal particles with a boron nitride film are performed in one heat treatment step. The manufacturing method of the present invention is superior to the manufacturing method of the comparative example described later in that it contains almost no oxygen. According to the manufacturing method of the comparative example, after preparing the metal ultrafine particles, an inert atmosphere containing a low concentration of oxygen is gradually supplied to the metal ultrafine particles in order to avoid spontaneous combustion and combustion (oxidizing). This is a method of producing ultrafine particles in which a thin oxide film is formed on the surface.
[0022]
[10] In the above-mentioned [9], the heat treatment is800-1700 ° CIt is characterized in that it is carried out at a temperature of
[0023]
[11] Another metal ultrafine particle of the present invention is a metal particle obtained by reducing a metal oxideYes andThe surface of the metal particles is coated with carbon, and the average particle diameter is 1 μm or less. Desirably, the average particle size is in the range of 0.001 to 1 μm. More desirably, the average particle diameter is 0.01 μm to 0.1 μm. When the particle size is 0.1 μm or less, the effect of preventing oxidation by coating the surface with carbon is particularly remarkable.In addition, for example, metal ultrafine particles having an average particle diameter of 0.2 to 0.5 μm and excellent in oxidation resistance can also be obtained.
[0024]
[12] In the above-mentioned [11], the metal oxide is an oxide containing a transition metal. The metal particles are desirably selected from Fe, Ni, Co, and an alloy containing at least one of them. For example, carbon-coated Fe particles, carbon-coated Ni particlesChildAnd carbon-coated FeNiCo particles, carbon-coated NiFe particles, and the like.
[13] The metal ultrafine particles according to the above [11] or [12], wherein the carbon is mainly composed of graphite. Furthermore, the carbon may have a crystalline structure of graphite and amorphous, and may be mainly composed of graphite.
[0025]
[14] The metal ultrafine particles according to any one of the above [11] to [13], wherein the carbon has a film thickness of 100 nm or less. More preferably, the film thickness can be 20 nm or less.
[0026]
[15] The metal ultrafine particles according to any one of the above [11] to [14], wherein the carbon has two or more layers of crystal lattice planes or lamination planes. More preferably, the film has four or more layers of crystal lattice planes or lamination planes. Here, it is preferable that carbon is mainly made of graphite, and the lattice plane or lamination plane of the crystal is a lamination plane of graphite. It is desirable that the lattice plane or lamination plane of the crystal is formed along the plane of the metal particles.
[16] In the above-mentioned [15], an intermediate phase may be provided in the particles or carbon.
[0027]
Since carbon constituting the coating is mainly graphite in which lattice planes are arranged in layers, a plurality of planes of a layered lattice in which six-membered rings are connected are provided. That is, a plurality of crystal lattice planes are provided. The lattice planes of the layered lattice may be laminated to the surface of the particles. Since the interface between the particles and the film has an intermediate layer, a region in which transition metal and carbon are mixed, or a crystal matching region of both, forming at least two layers of planes of the layered lattice suppresses the oxidation of the particles. It is desirable to do. The plane of the layered lattice (lattice plane) can be formed, for example, in the range of 4 to 20 layers. A mesophase refers to a part or boundary region of the intermediate structure between the crystal structure of the metal particle and the crystal structure of the coating. The thickness of the mesophase is about 1 to 5 in the lattice spacing of the graphite or the graphite layer. When the mesophase is thin, it is thought that the crystal lattice mismatch between the particle and the carbon film can be relaxed and eliminated at a short distance, and the entire surface of the particle can be uniformly coated with the carbon film.
[0028]
[17] In any one of the above [11] to [16], the metalFineThe particles are characterized in that the main component of the particles is a magnetic metal element, and the saturation magnetization of the metal ultrafine particles is 10% or more and less than 100% of the saturation magnetization of the magnetic metal element. In regard to the above [17], when the core of the metal ultrafine particles is formed of magnetic particles, the covering carbon film can be made extremely thin with a film thickness of 30 nm or less. Therefore, in the metal ultrafine particles, the volume ratio occupied by the magnetic particles can also be increased. Compared to the prior art, it is possible to suppress the decrease in the saturation magnetization of the metal ultrafine particles. In a particle composed of a transition metal or an alloy containing a transition metal, metal ultrafine particles obtained by coating a carbon film on the particle when the saturation magnetization unique to the material of the main component responsible for magnetism is used as a reference (ie 100%) The saturation magnetization of may have a magnitude of 10% or more with respect to the reference.
[0029]
[18] In any of the above [11] to [17],After heat treatment under the conditions of humidity 100%, temperature 120 ° C., 1 atm, for 24 hours with respect to the contained oxygen mass (mass%) before heat treatmentThe oxygen mass increment is 50% or less. The surface of the metal ultrafine particles can be used even if it is not completely covered with a carbon film, that is, even if the coating is locally thin. However, since it is difficult to prevent the progress of oxidation when stored for a long time, it is desirable to completely coat the surface of the ultrafine particles with a carbon film.
[0030]
The magnetic particles may contain impurities or unavoidable impurities (elements originally contained in the raw material) contained in the mixing of the raw materials to an extent that the magnetic properties are not extremely degraded.
Also, in the particle composed of metal or alloy, the first to second highest intensity (Intensity (cps)) peak in the X-ray diffraction pattern is a peak corresponding to the main element of the particle or the peak of graphite. It is desirable to have. More preferably, the peak of the oxide of the element (excluding carbon) constituting the particle is characterized in that the intensity appearing in the X-ray diffraction pattern is sufficiently smaller than the third highest peak or not detected at all.
[0031]
[19] The method for producing metal ultrafine particles according to the present invention covers the surface with carbon by heat treating a powder obtained by mixing a powder containing metal oxide and a powder containing carbon in an inert atmosphere. Metal particlesTo makeIt is characterized by The metal oxide preferably contains a transition metal (more preferably, it comprises an oxide of a transition metal). It is desirable that the produced carbon-coated metal particles have an average particle size of 1 μm or less.
[0032]
More preferably, in the production method of the above [19], a powder obtained by mixing particles containing iron oxide and particles containing carbon is heat-treated in an inert atmosphere to reduce iron oxide to at least one of iron and iron carbide. And producing an oxide of carbon, thereby producing at least one particle of iron or iron carbide, wherein the surface is coated with carbon.
[0033]
The method for producing metal ultrafine particles according to the above [19] is characterized in that the step of reducing metal oxide particles and the step of covering the surface of metal particles with a carbon film are performed in one heat treatment step. The manufacturing method of the present invention is superior to the manufacturing method of the comparative example described later in that it contains almost no oxygen. In the manufacturing method of the comparative example, after preparing ultrafine particles of metal, oxygen is gradually added to the ultrafine particles of metal in an inert atmosphere containing a low concentration of oxygen in order to avoid spontaneous ignition and combustion (oxidizing). And to form a thin oxide film on the surface.
[0034]
[20] In the above [19], the heat treatment is600 to 1600 ° CIt is characterized in that it is carried out at a temperature of
[0035]
[21] The method for producing a microbody of the present invention is a method for producing fine particles of boron nitride by heat treating a powder obtained by mixing a powder containing metal oxide and a powder containing boron in an atmosphere containing nitrogen. It is characterized by producing a body. Here, the microbody corresponds to a microbody obtained as a by-product when producing the metal ultrafine particles according to any one of the above [1] to [10].
[0036]
[22] Another method for producing microparticles according to the present invention is a method for producing metal particles or boron nitride particles by heat treating a powder containing particles containing boron and particles containing metal oxides in an atmosphere containing nitrogen. It is characterized in that a product having at least one of the microbodies is obtained. The metal particles may be coated with boron nitride. The nitrogen-containing atmosphere may be, for example, nitrogen gas or a mixed gas of nitrogen gas mixed with a rare gas such as argon gas.
[0037]
[23] In the above [21] or [22], the heat treatment is800-1700 ° CIt is characterized in that it is carried out at a temperature of
[0038]
The manufacturing method according to any one of the above [21] to [23] is very excellent in mass productivity. The required thermal energy is small compared to conventional manufacturing methods. In addition, high vacuum is not required, and precise pressure control of the atmosphere is unnecessary. Since an inert gas is used, there is no damage to the heat treatment furnace, and there is no problem such as the contamination of impurities into the particles due to the damage. Furthermore there is no danger of explosion or toxicity. The powder of the oxide used as a raw material is easy to prepare and handle even nm-sized particles. It is also merited that ignition and combustion of the raw material are unlikely to occur, and problems such as loss of the raw material due to ignition and the shape becoming out of design and problems of process interruption and the like are unlikely to occur.
[0039]
[24] A powder having boron nitride microbodies and metal particles is produced by the method for producing microparticles according to any one of the above [21] to [23], and at least a part of the metal particles is prepared from the powder. It is characterized by removing. It is desirable to remove all the metal particles to make only boron nitride minute powder. That is, after the heat treatment, a process of removing metal particles or microparticles containing metal particles is performed. For example, it is desirable to remove metal particles that have been reduced during heat treatment when they are further grown into coarse metal particles.
This process is a step of increasing the proportion and purity of boron nitride in the fine powder. For example, this microbody is dispersed in a medium (liquid), and the specific gravity difference between the metal-based particle and the boron nitride microbody (or the specific gravity difference between the microbody containing metal and the microbody without metal) is used. A method of separating and reducing metal particles and the like can be used by a method such as natural sedimentation or centrifugation after stirring (Separating method 1). Alternatively, a method (wet method or dry method) can be used in which a magnetic field is applied to metal particles to be attracted and separated from minute particles of boron nitride alone that are not attracted (wet method or dry method). In addition, a method of reducing the amount of metal particles can be used by chemically dissolving and removing the metal particles in a solution such as acid (Separating method 3). Although the separation method 3 has the possibility of mixing of undissolved residue and impurities, it is effective in reducing metal particles. When the surfaces of the metal particles are all coated and a solution such as acid does not penetrate, it is desirable to carry out separation method 1 or separation method 2 in order to increase the purity of the powdery particles. In addition, even if metal powder is contained in fine powder, it does not necessarily mean that there is a problem. The particles are small in size and the powder is not easy to handle. For example, a powder containing a powder of transition metal fine particles as a carrier has an advantage of being easier to handle than a powder consisting only of microparticles.
[0040]
[25] Another microparticle of the present invention is produced by reducing metal oxide in an inert gas atmosphere containing nitrogen, is mainly composed of boron nitride, and is wire or cylindrical It is characterized by The boron nitride is preferably in the rhombohedral phase. This minute body is obtained as a by-product when producing the metal ultrafine particles according to the above [1] to [10].
Another microparticle of the present invention is a microparticle obtained by combining nitrogen and boron by reducing metal oxides in an atmosphere of inert gas containing nitrogen, and is mainly composed of boron nitride, It is characterized in that it is in the form of a wire or a cylinder. Heat treatment is performed using a metal oxide as a mediator or promoter in an inert atmosphere containing nitrogen to combine boron and nitrogen to form boron nitride microparticles. As the metal oxide, for example, an oxide of a metal or an alloy can be used. In particular, it is desirable to use a transition metal or an alloy containing at least one transition metal. More preferably, oxides of magnetic metals are used. For example, the metal or alloy can be selected from Fe, Ni, Co, and an alloy containing at least one of them.
[0041]
The “microbody” is, for example, a nanotube, a nanowire, a steric atomic structure, a nanoparticle, a structure having dimensional characteristics in the nanometer (nm) order, an aggregate or powder containing at least one of them ( Or powder), it is used as a term to refer to a minute thing. The microparticles having a cylindrical shape are more preferably nanotubes. “Wire-like or cylindrical-like” means, for example, linear, rod-like, tube-like, tubular, either hollow or solid thereof, any of them connected in series, small pieces (plate-like It is used as a term including a long shape formed by adding a piece, a bowl-like or block-like piece) and the like.
[0042]
[26] In the above-mentioned [25], the micro-particles are characterized by having an average diameter of 0.5 μm or less. Preferably, the average diameter is 0.01 to 0.5 μm, and more preferably, the average diameter is 0.05 to 0.5 μm. More specifically, for example, the diameter can be 0.1 to 0.3 μm.
In addition, if the fine powder which has an average particle diameter in the range of 0.001-1 micrometer is used as a metal oxide of a raw material, the microparticle in the range of 0.001-1 micrometer of diameters can be obtained. More preferably, a metal oxide having an average particle diameter in the range of 0.001 to 0.05 μm is used to obtain microparticles of a diameter of 0.001 to 0.05 μm. By using a raw material having a small average particle size and a sharp particle size distribution, it is possible to obtain microparticles having a small average diameter.
[0043]
The diameter corresponds to, for example, an outer diameter when a cross section (a cross section in a direction orthogonal to the longitudinal direction) of a wire-like or cylindrical portion is observed for one microbody. When the cross section is not circular, the maximum value is regarded as the diameter. If the microbody has a diameter that changes gradually along the longitudinal direction, an intermediate value between the maximum diameter and the minimum diameter when viewed in the longitudinal direction may be expressed as the diameter of the microbody. If there is a place where the wire-like or cylindrical shape is largely deviated, the place is ignored and the diameter is evaluated only with the wire-like or cylindrical part.
[0044]
With the average diameter, for example, a powder having a wire-like or cylindrical fine body is used as a sample to take an electron micrograph. The diameter of each of the particles within an arbitrary area in the photograph is measured to obtain an average value. That is, for N number of microbodies (N ≧ 50), the diameter is measured and expressed as an average diameter = (sum of measured diameters) / N. Instead of a picture, an image may be acquired and the diameter may be measured using a personal computer and image processing software.
[0045]
[27] Another microbody of the present invention isIt is formed by reducing metal oxides in an inert gas atmosphere,It has a portion where the ratio of the outer diameter Ro to the inner diameter Ri is (Ri / Ro) ≦ 0.8Cylindrical boron nitride microbodyIt is characterized by When the ratio of Ri / Ro is close to 1, the thickness of the wall is reduced, so that the weight of the minute body is decreased, and as a result, the specific surface area is increased. The boron nitride microbody according to the present invention has a portion where the ratio (Ri / Ro) is close to 1, but there is also a portion where the inner diameter is small. For example, the inner diameter may be small at the end of the cylindrical shape or at the point where the cylindrical shape is bent, but this is not a problem in practical use.
The boron nitride particles can be formed in multiple layers of atomic layers of boron nitride that make up the wall of the tube, and can also be generated to increase nodes and bridges. Therefore, it is also possible to increase the thickness of the wire-like or cylindrical fine-body wall and produce a small body with a small (Ri / Ro). Note that Ri is an inner diameter (corresponding to the diameter of a cavity) when the tube is viewed in a cross section substantially perpendicular to the longitudinal direction, and does not include the cross section of a node or the like. Ro corresponds to the outer diameter of the tube in a cross section substantially perpendicular to the longitudinal direction.
[0046]
[28] Another microparticle of the present invention is characterized in that it is a mixture of a rhombohedral boron nitride microparticle and a hexagonal phase boron nitride microparticle.
For the crystal structure, rhombohedral Boron Nitride is also referred to as r-BN. The hexagonal phase boron nitride (Hexagonal Boron Nitride) is also referred to as h-BN.
[29] Another microparticle of the present invention is characterized by being boron nitride having a rhombohedral phase and a hexagonal phase.
[0047]
[30] Another microbody of the present invention isIt is formed by reducing metal oxides in an inert gas atmosphere,It is mainly composed of boron nitride and is cylindrical and characterized by having nodes or crosslinks inside.
Here, the “node” corresponds to a member capable of dividing the inside of a tubular (or tubular) minute body into a plurality of cavities or dividing it into a plurality of sections. "Cross-linking" corresponds to a member that connects arbitrary portions of the inner wall of a cylindrical microbody. It is also considered possible that the bridges are more concentrated to form nodes. The faces of the nodes are in a close relationship with the wall of the tube or the wall of the cylinder, rather than parallel but rather orthogonal. When there are a plurality of clauses, the interval between the clauses is, for example, 0.5 d or more. Here, d corresponds to the diameter d of the cylindrical portion between the nodes and the nodes. In addition, even if the minute body is provided with a plurality of nodes, the outer diameter and the wall thickness do not necessarily decrease gradually on one side, but it is possible to increase rather, and it is possible to obtain a long minute body. it can.
[0048]
[31] Another microbody of the present invention isIt is formed by reducing metal oxides in an inert gas atmosphere,It is characterized by comprising metal particles, a boron nitride film covering the metal particles, and wire-like or cylindrical boron nitride.
The wire-like or cylindrical part may have a plurality of growth directions without being limited to one growth direction. In addition, wire-like or cylindrical boron nitride may be grown directly from a boron nitride film, or may be grown directly from metal particles obtained by reduction of metal oxides. The metal particles may be disposed at either the tip or center of the boron nitride microbody. The state of arrangement is a structure (or junction, connection, connection, connection, connection structure) provided on one boron particle in one metal particle, or a plurality of nitride films in one metal particle. There is a structure provided with elementary microbodies. Another arrangement state is a structure in which metal particles are enclosed in carbon microparticles (or a structure such as covering, fitting, embedding, including, winding, holding, carrying, etc.). The arrangement state of the metal particles can be changed by changing the conditions such as the raw material and the heat treatment according to the manufacturing method.
It is desirable that the metal particles be composed of a transition metal or an alloy containing at least one of transition metals. More preferably, the metal particles are made of magnetic metal. For example, the metal particles have a composition selected from Fe, Ni, Co, and an alloy containing at least one of them.
[0049]
[32] Another method for producing microparticles according to the present invention is a method for producing microparticles of carbon by heat treating a powder obtained by mixing a powder containing a metal oxide and a powder containing carbon in an inert atmosphere. To produce. More desirably, fine particles of carbon are produced by heat treating a powder obtained by mixing a powder composed of a transition metal oxide and a carbon powder in an inert atmosphere. The method of producing the minute body relates to the minute body which can be obtained as a by-product when producing the metal ultrafine particles according to the above [11] to [20], and a method of producing the same.
[0050]
[33] Another method of producing microparticles according to the present invention is a method of heat treating a powder containing carbon-containing particles and metal oxide particles in an inert atmosphere to obtain metal particles or carbon microparticles. It is characterized by obtaining a product having at least one. The metal particles may be coated with carbon.
[0051]
[34] In the above [32] or [33], the heat treatment is600 to 1600 ° CIt is characterized in that it is carried out at a temperature of
[0052]
The manufacturing method according to any one of the above [32] to [34] is very excellent in mass productivity. The required thermal energy is small compared to conventional manufacturing methods. In addition, high vacuum is not required, and pressure control of the atmosphere is unlikely to be a restriction on mass productivity. Since the inert gas is used, there is no damage to the heat treatment furnace, and there is no problem that the impurities get mixed in the minute bodies due to the damage. The powder of the oxide used as a raw material is easy to prepare and handle even nm-sized particles. It is also merited that ignition and combustion of the raw material are unlikely to occur, and problems such as loss of the raw material due to ignition and the shape becoming out of design and problems of process interruption and the like are unlikely to occur.
[0053]
[35] A powder having fine carbon particles and metal particles is produced by the method of producing fine particles according to any one of the above [32] to [34], and at least a part of the metal particles is removed from the powder. It is characterized by It is desirable to remove all the metal particles and make a powder of only carbon particles. That is, after the heat treatment, a process of removing metal particles or microparticles containing metal particles is performed. For example, it is desirable to remove metal particles that have been reduced during heat treatment when they are further grown into coarse metal particles. As this removal process, the same process as the above [24] can be used.
[0054]
[36] Another microbody of the present invention is characterized in that it is produced by reducing metal oxide in an inert gas atmosphere, is composed of carbon in a graphite phase, and is wire-like or cylindrical. Do. By performing heat treatment in an inert atmosphere using a metal oxide as a mediator or promoter, decomposition / reconstruction of carbon is carried out to obtain carbon microparticles. This microbody can be obtained as a by-product when producing the metal ultrafine particles according to the above [11] to [20].
The microbody of the present invention is a microbody in which the shape of carbon particles is reconstructed by reducing a metal oxide in an inert gas atmosphere, which is mainly made of carbon, and has a wire-like or cylindrical shape. It is characterized by having. More specifically, particulate carbon is decomposed and restructured to generate carbon microbes by using a reduction reaction for removing oxygen from metal oxides and an inert gas. As the metal oxide, for example, an oxide of a metal or an alloy can be used. In particular, it is desirable to use a transition metal or an alloy containing at least one transition metal. More preferably, oxides of magnetic metals are used. For example, the metal or alloy can be selected from Fe, Ni, Co, and an alloy containing at least one of them.
[0055]
[37] In the above-mentioned [36], the microbodies are characterized in that the average diameter is 0.5 μm or less. Preferably, the average diameter is 0.01 to 0.5 μm, and more preferably, the average diameter is 0.05 to 0.5 μm. More specifically, for example, the diameter can be 0.1 to 0.3 μm. In addition, if the fine powder which has an average particle diameter in the range of 0.001-1 micrometer is used as a metal oxide of a raw material, the microparticle in the range of 0.001-1 micrometer of average diameters can be obtained. More preferably, metal oxides having an average particle diameter in the range of 0.001 to 0.05 μm are used to obtain microparticles with an average diameter of 0.001 to 0.05 μm. By using a raw material having a small average particle size and a sharp particle size distribution, it is possible to obtain microparticles having a small average diameter.
[0056]
[38] Another microbody of the present invention isIt is formed by reducing metal oxides in an inert gas atmosphere,A cylindrical carbon micro body, wherein the ratio of the outer diameter Ro to the inner diameter Ri is such that (Ri / Ro) ≦ 0.8 is characterized.
When the ratio (Ri / Ro) is close to 1, the thickness of the wall is reduced, so that the weight of the minute body is reduced, and as a result, the specific surface area is increased. The carbon microbody according to the present invention has a portion where the ratio (Ri / Ro) is close to 1, but there are also portions where the inner diameter is small. For example, the inner diameter may be small at the end of the cylindrical shape or at the portion where the cylindrical shape is bent, but there is no problem in practical use.
These carbon microparticles can form atomic layers of graphite constituting the wall of the tube in multiple layers, and can also be generated to increase nodes and crosslinking. Therefore, it is also possible to increase the thickness of the wire-like or cylindrical carbon micro-body wall to produce a carbon micro-body having a small (Ri / Ro). Note that Ri is an inner diameter (corresponding to the diameter of a cavity) when the tube is viewed in a cross section substantially perpendicular to the longitudinal direction, and does not include the cross section of a node or the like. Ro corresponds to the outer diameter of the tube in a cross section substantially perpendicular to the longitudinal direction.
[0057]
[39] Another microbody of the present invention isIt is formed by reducing metal oxides in an inert gas atmosphere,It is mainly composed of carbon in the graphite phase, and is cylindrical and characterized by having nodes or crosslinks inside.
Here, the definition of “section” is the same as the description of the above [30].
[0058]
[40] Another microbody of the present invention isIt is formed by reducing metal oxides in an inert gas atmosphere,It is characterized by comprising metal particles, a carbon coating coating the metal particles, and wire-like or cylindrical carbon.
It is desirable that the metal particles be composed of a transition metal or an alloy containing at least one of transition metals. More preferably, the metal particles are made of magnetic metal. For example, the metal particles have a composition selected from Fe, Ni, Co, and an alloy containing at least one of them.
[0059]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The embodiment of the present invention according to any one of the above [1] to [10] will be described. The present invention according to the above [1] to [10] functions as a catalyst for forming boron nitride (BN) among transition metal powder raw materials, especially Fe, Co, Ni, etc. When the metal powder and the boron (B) were heated at around 2000 ° C., attention was focused on the formation of boron nitride with the metal particles as the core. Furthermore, when the starting material is not a metal but is an oxide of a transition metal represented by Fe, Co, Ni, the oxide is reduced at 800 ° C. to 1700 ° C. and at the same time boron nitride is formed, and metal particles are formed. It has been found that a novel metal ultrafine particle contained in a boron nitride film (BN film) is formed.
[0060]
The concept of the raw material of the metal oxide and boron which are the starting materials of the present invention according to the above [1] to [10] and the reason for the numerical limitation will be described. As a metal (hereinafter, referred to as M) constituting the oxide according to the present invention, a transition metal or an alloy thereof (particularly, a magnetic material) is preferable. More preferably, Fe, Co, Ni, Cr, Mn, Mo, Pd, Ir or an alloy containing them is suitable. Fe, Co, Ni, Cr, Mn, Mo, Pd, Ir have a standard formation enthalpy of formation of the MB bond (B is boron) HM-B, Standard formation enthalpy of M-N bond (N is nitrogen) HM-NH, when expressed as HM-B<HM-N
The following relationship holds, and borides are more likely to form than nitrides. As a result, a metal powder containing boron is formed in the initial stage of the heat treatment, and when nitrogen is gaseous and uniformly present around the metal powder, the boron and the nitrogen finally contained in the metal powder. Is easy to bond to uniformly coat the surface of the metal particles with boron nitride. Metal oxide (MaOb) May be those conventionally shown in a phase diagram, for example, in the case of Fe, Fe2O3, Fe3O4And FeO.
[0061]
Further, although boron is suitable as a powder of a raw material to be a boron supply source, it may be a metal containing boron. As the metal containing boron (M), the standard formation enthalpy of formation of the MB bond is HM-B, H, standard formation enthalpy of the M-N bondM-NWhen expressed as,
HM-B> HM-N
It is preferable that the relationship is satisfied, and examples include Sc, Ti, V, Y, Zr, Nb, La, Hf, and Ta.
[0062]
(Reaction process)
Fe2O3And B react to explain the reaction process in which BN-coated Fe particles, BN tubes or BN wires are produced. FIG. 3 schematically shows the reaction process. FIG. 3 (1.) shows the state of the raw material. FIG. 3 (2.) shows the initial stage of the reaction. That is, B is Fe2O3Combined with oxygen in B2O3Is formed, and reduced Fe particles are present in the vicinity of B. B2O3Is in the liquid or gas phase. Further appearance of the reaction is shown in FIG. 3 (3.). At this stage, B reacts with Fe to form an Fe-B compound. As shown in the structure of the powder, there are particles of complete Fe-B compound, particles of incomplete B diffusion to Fe, or particles of Fe as core and Fe-B compound near the surface. . When the reaction further proceeds, as shown in FIG. 3 (4.), B in the Fe--B compound reacts with N atoms in the atmosphere, and BN nuclei are generated all over the particle surface. When these BN nuclei grow, B diffuses from inside the particle to the surface. As a result, only Fe remains inside the particles, and BN-coated Fe particles are formed. In addition, when B is present in excess, BN does not stay on coating of Fe but extends in a tube or wire form. FIG. 3 (5.) is a schematic view of BN-coated Fe particles and BN tubes.
[0063]
The average particle diameter of the metal oxide powder (a powder) is preferably 0.001 to 1 μm. Powders having an average particle size of less than 0.001 μm are difficult to produce and are not practical. If the average particle size exceeds 1 μm, oxygen can not be sufficiently reduced to the center of the particle, and it is not easy to obtain uniform metal particles. The average particle diameter of the boron powder (b powder) is preferably 0.01 to 100 μm, and more preferably 1 to 50 μm. Boron powder having an average particle size of less than 0.01 μm is expensive and not practical. In addition, when the average particle size exceeds 100 μm, the dispersion of the b powder in the mixed powder is biased, and it becomes difficult to coat the metal particles uniformly in the end. The mixing ratio of the a powder to the b powder is preferably in the range of 25 to 95% by mass ratio of the b powder. If the mass ratio of the b powder is less than 25%, the reduction of metal oxides becomes insufficient due to the shortage of boron. If the compounding ratio of boron powder exceeds 95%, the volume ratio of the metal to be reduced becomes extremely small and it is not practical.
[0064]
For mixing a powder and b powder, a V-type mixer, a crusher (for example, an apparatus which combines grinding and mixing like a lai-kray machine), a mortar or the like is used. The mixed powder is heat-treated under predetermined conditions by filling a predetermined amount in a heat-resistant crucible such as alumina or boron nitride. The atmosphere during the heat treatment is preferably a nitrogen gas atmosphere, an ammonia gas atmosphere or a mixed gas atmosphere containing them. The mixed gas may be mixed with an inert gas such as argon or helium. Gases containing oxygen, such as air, are not suitable because they interfere with the reduction reaction. The heat treatment temperature is preferably 800 ° C. to 1700 ° C., and more preferably in the range of 1000 ° C. to 1400 ° C. If it is less than 1000 ° C., the time required for the reaction to complete becomes longer. Below 800 ° C., the reaction itself does not proceed. If the temperature exceeds 1400 ° C. in a non-oxygen atmosphere, there is a concern that oxygen may be released due to decomposition of the oxide ceramic used as the furnace member, and at the same time, for example, an alumina crucible may be damaged in a short time. If the temperature exceeds 1700 ° C., the use of a heat-resistant member becomes indispensable not only for the crucible but also for the equipment itself, which increases the production cost and is not suitable for industrialization.
[0065]
Below, embodiment of this invention which concerns on either of said [11] thru | or [20] is described. The present invention to which the above [11] to [20] are related selects oxides of transition metals represented by Fe, Co, and Ni as raw materials of metal powders of transition metals, and when heated, it is 600 ° C. to 1600 ° C. It has been found that, at 属 C, oxides are reduced and at the same time, graphite-based carbon is formed on the surface of metal particles. In addition, a configuration in which metal particles are included in a carbon film has also been found. It is considered that transition metals which are constituent elements of the starting material, in particular, Fe, Co and Ni play a role of a catalyst for forming a graphite layer.
[0066]
As powder of a raw material used as a carbon supply source, carbon powder such as graphite, carbon black and natural graphite is suitable, but a compound containing carbon may be used. That is, coal, activated carbon, coke, a fatty acid, a polymer such as polyvinyl alcohol, a B-C compound, or a carbide containing a metal may be used. Therefore, in the claims and the means for solving the problems, "carbon powder" is used as a term including both carbon powder and a compound containing carbon. However, in order to increase the carbon purity of the film, it is preferable to use carbon powder.
[0067]
The average particle diameter of the metal oxide powder (a powder) is preferably 0.001 to 1 μm. Powders having an average particle size of less than 0.001 μm are difficult to produce and are not practical. If the average particle size exceeds 1 μm, oxygen can not be sufficiently reduced to the center of the particle, and it is not easy to obtain uniform metal particles. The average particle diameter of the carbon powder (powder b) is preferably 0.01 to 100 μm, and more preferably 0.1 to 50 μm. Carbon powder having an average particle size of less than 0.1 μm is expensive and not practical. In addition, when the average particle size exceeds 100 μm, the dispersion of the b powder in the mixed powder is biased, and finally, the metal particles can not be uniformly coated. The mixing ratio of a powder to b powder is preferably in the range of 25 to 95% by weight of b powder. If the weight ratio of b powder is less than 25%, the reduction reaction does not proceed sufficiently due to the lack of carbon. Further, if the compounding ratio of the powder b exceeds 95%, the volume ratio of the metal to be reduced becomes extremely small, which is not practical. When the average particle diameter is in the range of 0.001 to 1 μm, more preferably 0.01 μm to 0.1 μm, when applying the metal ultrafine particles of the present invention to a magnetic recording medium, a magnetic shield, an electronic device, etc. desirable.
[0068]
For mixing a powder and b powder, a V-type mixer, a crusher (for example, an apparatus which combines grinding and mixing like a lai-kray machine), a mortar or the like is used. The mixed powder is heat-treated under predetermined conditions by filling predetermined amounts of a transition metal oxide and a carbon compound in a heat-resistant crucible such as alumina, boron nitride, or graphite. The atmosphere during the heat treatment is not limited as long as it is an inert gas, but a mixed atmosphere with an inert gas such as nitrogen gas or argon gas containing nitrogen as a main component can be used. The heat treatment temperature is preferably 600 ° C. to 1600 ° C., more preferably 900 ° C. to 1400 ° C. If it is less than 900 ° C., the time required for the reaction to complete becomes longer. If the temperature is less than 600 ° C, the reaction itself does not proceed. If the temperature exceeds 1400 ° C. in a non-oxygen atmosphere, there is concern that oxygen may be released due to the decomposition of the oxide ceramic used as the furnace member, and at the same time, for example, an alumina crucible may be damaged in a short time. If the temperature exceeds 1600 ° C., the use of a heat-resistant member becomes indispensable not only for the crucible but also for the equipment itself, which increases the production cost and is not suitable for industrialization.
[0069]
Next, embodiments of the invention relating to the above [21] to [31] will be described.
According to the present invention according to the above [21] to [31], when the oxide of transition metal (a powder) and boron powder (b powder) are heated at a temperature of 800 to 1700 ° C. in a nitrogen atmosphere, the metal oxide is oxidized. The substance plays a role of a catalyst for forming boron nitride microparticles, and wire-shaped boron nitride microparticles can be produced with an average diameter of 0.5 μm or less. Boron nitride microspheres can be produced at lower temperatures compared to the prior art.
[0070]
The metal constituting the oxide of the powder a is preferably a transition metal or an alloy thereof (particularly a magnetic material), more preferably Fe, Co, Ni, Cr, Mn, Mo, Pd, Ir or an alloy containing them. There is. Metal oxide (MaOb) May be those conventionally shown in the state diagram, for example, when M is Fe, Fe2O3, Fe3O4And FeO. The metal oxide is reduced in the process of boron nitride formation to finally become metal particles.
[0071]
In addition to boron powder, b powder may be a metal powder containing boron. As the metal containing boron (M), the standard formation enthalpy of formation of the MB bond (B is boron) HM-B, Standard formation enthalpy of M-N bond (N is nitrogen) HM-NWhen expressed as,
HM-B> HM-N
It is preferable that the relationship is satisfied. Specifically, Sc, Ti, V, Y, Zr, Nb, La, Hf, Ta can be mentioned.
[0072]
The average particle diameter of the metal oxide powder (a powder) is preferably 0.001 to 1 μm. Powders having an average particle size of less than 0.001 μm are difficult to produce and are not practical. If the average particle size exceeds 1 μm, oxygen can not be sufficiently reduced to the center of the particle, and the catalyst does not function sufficiently. The average particle diameter of the boron powder (b powder) is preferably 0.01 to 100 μm. Boron powder having an average particle size of less than 0.01 μm is expensive and not practical. When the average particle size exceeds 100 μm, the dispersion of the b powder in the mixed powder is biased, and it becomes difficult to coat the metal particles uniformly in the end. The mixing ratio of a powder to b powder is preferably in the range of 25 to 95% by weight of b powder. If the weight ratio of the b powder is less than 25%, the boron is insufficient and the formation of boron nitride becomes insufficient. Further, when the compounding ratio of the powder b exceeds 95%, the powder a is reduced, the catalytic function is lowered, and the formation of boron nitride becomes insufficient.
[0073]
A V-type mixer, a mortar, etc. are used for mixing of said a powder and b powder. The mixed powder is heat-treated under predetermined conditions by filling a predetermined amount in a heat-resistant crucible such as alumina or boron nitride. The atmosphere for the heat treatment is preferably a nitrogen gas atmosphere or a mixed gas atmosphere containing nitrogen gas. The mixed gas may be mixed with an inert gas such as Ar or He. Gases containing oxygen, such as air, are not suitable. The heat treatment temperature is preferably 800 ° C. to 1700 ° C., and more preferably in the range of 1000 ° C. to 1400 ° C. If it is less than 1000 ° C., the time required for the reaction to complete becomes longer. Below 800 ° C., the reaction itself does not proceed. If the temperature exceeds 1400 ° C. in an inert gas atmosphere, there is a concern that oxygen may be released due to decomposition of the oxide ceramic used as a furnace member, and at the same time, for example, an alumina crucible may be damaged in a short period of time . If the temperature exceeds 1700 ° C., the use of a heat-resistant member becomes indispensable not only for the crucible but also for the equipment itself, which increases the manufacturing cost and is not suitable for industrialization.
[0074]
The boron nitride powder obtained by the above method has a crystal structure identified by X-ray diffraction measurement, and as shown in FIG. 18, hexagonal boron nitride (h-BN) and rhombohedral boron nitride (r-BN) Can detect two peaks. In addition, FIG. 18 measures the powder obtained in Example 7 to be described later. Further, when the powder structure was observed by TEM observation, it was confirmed that wire-like boron nitride was formed as shown in FIG. 19, and it was identified as h-BN from the observation of the lattice image.
[0075]
Next, embodiments of the invention relating to the above [32] to [40] will be described. According to the present invention according to the above [32] to [40], when the oxide of transition metal (a powder) and carbon powder (b powder) are heated at a temperature of 600 to 1600 ° C. in an inert gas atmosphere, The oxide plays a role of a catalyst of carbon microparticle formation, and wire micro carbon powder having an average diameter of 0.5 μm or less can be produced.
[0076]
As a metal which comprises the oxide of a powder, a transition metal or those alloys (especially magnetic material) are preferable. Metal oxide (MaOb) May be those conventionally shown in the state diagram, for example, when M is Fe, Fe2O3, Fe3O4And FeO. The metal oxide is reduced in the process of carbon formation and eventually becomes metal particles.
[0077]
As the b powder, carbon powder such as graphite, carbon black and natural graphite is suitable, but a compound containing carbon may be used. That is, coal, activated carbon, coke, a fatty acid, a polymer such as polyvinyl alcohol, a B-C compound, or metal carbide may be used.
[0078]
The average particle diameter of the metal oxide powder (a powder) is preferably 0.001 to 1 μm. Powders having an average particle size of less than 0.001 μm are difficult to produce and are not practical. If the average particle size exceeds 1 μm, oxygen can not be sufficiently reduced to the center of the particle, and the catalyst does not function sufficiently. Moreover, as for the average particle diameter of carbon powder (b powder), 0.01-100 micrometers is preferable. Carbon powder having an average particle size of less than 0.01 μm is expensive and not practical. The mixing ratio of a powder to b powder is preferably in the range of 25 to 95% by weight of b powder. If the weight ratio of b powder is less than 25%, carbon will be short. When the blending ratio of the b powder exceeds 95%, the a powder decreases and the catalytic function decreases.
[0079]
A V-type mixer, a mortar, etc. are used for mixing of said a powder and b powder. The mixed powder is heat-treated under predetermined conditions by filling a predetermined amount in a heat-resistant crucible such as alumina or boron nitride. The atmosphere at the time of heat treatment is preferably in an inert gas atmosphere. Gases containing oxygen, such as air, are not suitable. The heat treatment temperature is preferably 600 ° C. to 1600 ° C., more preferably 900 ° C. to 1400 ° C. If it is less than 900 ° C., the time required for the reaction to complete becomes longer. Below 600 ° C., the reaction itself does not proceed. If the temperature exceeds 1400 ° C. in an inert gas atmosphere, there is a concern that oxygen may be released due to decomposition of the oxide ceramic used as a furnace member, and at the same time, for example, an alumina crucible may be damaged in a short period of time . If the temperature exceeds 1600 ° C., the use of a heat-resistant member becomes indispensable not only for the crucible but also for the equipment itself, which increases the production cost and is not suitable for industrialization.
[0080]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described by way of examples. However, the present invention is not necessarily limited by these examples.
Example 1
Α-Fe with an average particle size of 0.6 μm2O3Weigh 5 g of powder (a powder) and 5 g of boron powder (b powder) with an average particle diameter of 30 μm, and put each powder in a V-type mixer so that the blending ratio of b powder becomes 50% by mass. Mix for 10 minutes. An appropriate amount of the mixed powder is packed in an alumina boat, placed in a furnace, and heated at a rate of 3 ° C./min from room temperature in a nitrogen gas flow rate of 2 (l / min); And furnace cooled to room temperature. The mixed powder before the heat treatment was red-black, but the powder after the heat treatment was discolored to grayish white. Each powder before and after heat treatment was subjected to X-ray diffraction measurement (Cu, Kα rays), and diffraction patterns as shown in FIG. 1 (before heat treatment) and FIG. 2 (after heat treatment) were obtained. From the heat-treated powder, the (002) peak of hexagonal boron nitride (h-BN) and the (110) peak of α-Fe were mainly detected. The particle size of Fe calculated from the (110) peak of Fe using Rigaku analysis software “Jade 5” was 89 nm. Further, Table 1 summarizes the particle sizes of each phase and Fe detected from the X-ray diffraction pattern. Furthermore, the results of measuring the magnetic properties of this off-white powder with VSM are shown in Table 2. The saturation magnetization is at least 20 times the value of Comparative Example 2 described later, and the Fe is combined with the result of the X-ray diffraction measurement.2O3Is reduced to Fe. Further, only the powder sucked from the grayish white powder with a permanent magnet was subjected to a corrosion resistance test at a humidity of 100% and 120 ° C. for 24 hours by a PCT tester, and oxygen analysis was performed by an ashing method. The obtained results are shown in Table 3.
[0081]
(Example 2)
Fe2O3Powder instead of Fe3O4An off-white powder was produced in the same manner as in Example 1 except that powder (average particle diameter 0.5 μm) was used, and X-ray diffraction, VSM measurement and PCT test were conducted.
[0082]
(referenceExample 1)
The mixed powder was heat-treated and X-ray diffraction and VSM measurements were performed in the same manner as in Example 1 except that the compounding ratio of the boron powder (b powder) was changed to 20% by mass ratio.
(Comparative example1)
The mixed powder was heat treated in the same manner as in Example 1 except that the heat treatment temperature was 500 ° C., and X-ray diffraction and VSM measurement were performed.
(Comparative example2)
The corrosion resistance test was conducted under the same conditions as in Example 1 with respect to Fe powder (ultrafine particles manufactured by Vacuum Metallurgy Co., Ltd.) having an average particle diameter of 20 nm. The results are shown in Table 3.
[0083]
[Table 1]
[0084]
【Table 2】
[0085]
[Table 3]
[0086]
(Example 3)
5 g of Fe oxide powder containing Ni and 5 g of boron powder were charged into a V-type mixer and mixed. An appropriate amount of the mixed powder is packed in an alumina boat, placed in a furnace, and heated at a rate of 3 ° C./min from room temperature in a nitrogen gas flow rate of 2 (l / min); And furnace cooled to room temperature. As a result of observation on the powder after heat treatment, metal particles coated on the surface with boron nitride were obtained. Composition analysis revealed that the metal particles were Ni-containing Fe.
[0087]
(Example 4)
The metal particles and the BN or C separation operation will be described. FIG. 4 shows a manufacturing process diagram of BN-coated metal particles and BN microparticles. In the case of producing coated metal particles, the production process is S1 → S2 → S3 → S4 in FIG. In S2, the boron nitride crucible 42 containing the powder of the raw material was heat-treated in the tube furnace 43. Since the heat-treated powder obtained in S2 is a mixed powder 41 of coated metal particles and minute bodies, the coated metal particles were recovered through the steps of separation and purification of S3 and S4. In the step S3, the heat treatment powder dispersed in a medium 45 represented by an organic solvent such as acetone or ethanol is stirred in the washing tank 44 to naturally precipitate the coated metal particles. An ultrasonic cleaning device 46 was used to apply ultrasonic waves to the cleaning tank 44 as a means of agitation. In addition, when it replaced with the ultrasonic wave application and used stirrers, such as a manual stirring by a glass rod, and a pencil mixer, as a means of stirring, it was able to fully stir.
[0088]
In step S4, the coated metal particles 48 were recovered by removing the supernatant liquid 47 and drying the precipitate. At the same time, the supernatant was dried to recover BN microparticles. In the above process, BN-coated metal particles and BN fine particles can be simultaneously obtained. In particular, when only BN microbodies are manufactured, the manufacturing process may be S1 → S2 → S5 → S6 in FIG. The step S5 is a step of dissolving the metal particles in the heat-treated powder with an acidic solution such as hydrochloric acid or sulfuric acid. After immersing the heat-treated powder in the acidic solution, the precipitate was recovered. The step S6 is a step of washing the precipitate and then drying it. An appropriate amount of pure water was poured into the precipitate obtained in S5, and the mixture was stirred with a glass rod or the like, precipitated again, and after removing the supernatant liquid, it was dried to obtain BN microparticles. For complete removal of the acidic solution, it is preferable to repeat the S6 step several times. The above production process can be applied to the process for producing carbon-coated metal particles and carbon microparticles.
[0089]
FIG. 5 is a photomicrograph of the particle structure according to the invention as observed by electron microscopy (TEM), showing BN coated Fe particles. FIG. 6 is a schematic view for schematically explaining the structure of FIG. As shown in FIG. 6, the Fe particles 1 are coated with the BN film 2 around the periphery. A further enlarged photograph of the BN coating is shown in FIG.
[0090]
FIG. 7 is a photomicrograph of the particle structure according to the invention observed with an electron microscope, showing BN coated Fe particles. FIG. 8 is a schematic view for schematically explaining the structure of FIG. As shown in FIG. 7, in the BN film coated on the surface of the Fe particles 1, a stripe pattern of the laminated crystal lattice is observed. In the portion of the lattice plane 3, a plurality of lattice planes are stacked almost in parallel along the surface of the Fe particle 1. Although the lattice plane 4 and the lattice plane 5 have portions where lattice planes are not parallel to each other, it can be seen that the surface of the Fe particles 1 is sufficiently covered.
[0091]
(Example 5)
Α-Fe with an average particle size of 0.03 μm2O35 g of powder (a powder) and 5 g of carbon powder (b powder) having an average particle diameter of 20 μm were charged into a V-type mixer and mixed for 10 minutes. An appropriate amount of the mixed powder 51 is filled in a boron nitride crucible 52, the crucible 52 is placed in a tubular furnace 53, and the temperature is raised at a rate of 3 ° C./min from room temperature in a nitrogen gas flow of 2 l / min. Then, it was maintained at 1000 ° C. for 2 hours and furnace cooled to room temperature at a rate of 3 ° C./min. The structure of the tubular furnace is shown in the schematic of FIG. Each powder before and after heat treatment was subjected to X-ray diffraction measurement (Cu, Kα rays), and diffraction patterns as shown in FIG. 9 (before heat treatment) and FIG. 10 (after heat treatment) were obtained. From the heat-treated powder, the (002) peak of graphite and the (110) peak of α-Fe were mainly detected. Furthermore, the results of measuring the magnetic properties of the heat-treated powder with a VSM (sample vibration type magnetometer) are shown in Table 4. The saturation magnetization is about 100 times the value of Comparative Example 4, and it is Fe together with the result of the X-ray diffraction measurement.2O3Is reduced to Fe. After exposing the powder after the above heat treatment to a PCT tester (pressure cooker test tester) at a humidity of 100% and 120 ° C. and 1 atm for 24 hours, the oxygen content of the powder is analyzed by an oxygen / nitrogen / hydrogen analyzer for metal It analyzed by Horiba EMGA-1300). The analysis results of the oxygen content are shown in Table 5. There is no increment of oxygen content even after the PCT test, which confirms that the Fe powder surface is covered with a graphite film. In the above analysis of oxygen, nitrogen and hydrogen in metal, 0.5 g of sample powder is filled in a graphite crucible and the crucible is rapidly heated to 2000 to 3000 ° C to pyrolyze O, N and H in the sample. CO generated by gas chromatograph and thermal conductivity detector2, N2, H2This is a method of analyzing the contents of O, N and H by detecting O gas.
[0092]
(Comparative example3)
The mixed powder was heat-treated in the same manner as in Example 5 except that the heat treatment temperature was 500 ° C., and X-ray diffraction, VSM measurement, and PCT tests were performed. The X-ray diffraction pattern did not change before and after heat treatment, and the reaction did not proceed. The value of saturation magnetization also hardly changes.
[0093]
(Comparative example4)
A corrosion resistance test was conducted under the same conditions as in Example 5 with an Fe powder (ultrafine particles manufactured by Vacuum Metallurgical Co., Ltd.) having an average particle diameter of 0.02 μm. The saturation magnetization is the value of pure iron (approximately-6It has fallen to about 30% of wb · m / kg).
[0094]
[Table 4]
[0095]
[Table 5]
[0096]
FIG. 11 is a micrograph of the structure of the metal ultrafine particle according to Example 5 observed by TEM (transmission electron microscope). At the time of TEM observation, no processing giving damage or mutation to particles is performed except for sample preparation required. FIG. 12 is a schematic view schematically illustrating the structure of FIG. 11 and is slightly enlarged. The metal ultrafine particles 11 are particles in which the surfaces of the particles 12 of α-Fe are all coated with a graphite thin film 20 having a predetermined thickness. This coating protects the surface of the particles 12 of α-Fe and effectively prevents oxidation. The projections 21 and 21b scattered on the outside of the graphite thin film 20 are presumed to be either a growth of a different layer of graphite or a adhesion of foreign matter. The light-dark patterns 13a, 13b, 13c of the α-Fe particles 11 themselves are interference patterns (indicated by a two-dot chain line) due to the shape (substantially spherical shape) of the α-Fe particles 11. At both ends of the particles of α-Fe, the boundary 14 of the graphite thin film is photographed somewhat indistinctly, so it is indicated by dotted lines. This is because it is difficult to focus on all due to the substantially spherical shape, and the actual shape is not unclear. A region outlined by a one-dot chain line is a collodion film 15 for fixing the metal ultrafine particles 11 to a sample holder for TEM observation. The line 16 and the code have a scale in which the length of the three lines corresponds to 20 nm. The scale at the time of photographing FIG. 11 was copied and added to FIG.
[0097]
FIG. 13 is a photomicrograph of the particle structure according to the present invention observed by a TEM (transmission electron microscope), illustrating the state of the graphite thin film 20 by enlarging the vicinity of the lower left half of FIG. The structure of FIG. 13 will be schematically described with a schematic view of FIG. The graphite thin film 20 mainly has a crystal structure of graphite. For example, the lattices 20a, 20b, and 20c represent layered lattice planes of graphite, and the lattice spacings are approximately equal, and arranged substantially parallel to the surface of the particles 12 of α-Fe.
[0098]
However, since the particles of α-Fe are spherical and there are some irregularities on the surface, some of the graphite thin film is inclined relative to the surface of the particles 12 of α-Fe as in the lattice 20f. There are places where you The plaid 20f is derived from another plaid 20e, and is further a plaid 20d. Although illustration of the line is omitted, the lattice 20d is arranged substantially parallel to the surface of the particle 12 of α-Fe. As described above, in the graphite thin film, there are places where the orientation of the arrangement of the layered lattice planes changes or where the state of the arrangement becomes unclear (places that look like a satin pattern). In order to grow so that the plane of the crystal structure is parallel to the surface of the particles 12 of α-Fe, a substantially uniform graphite thin film coating is formed.
[0099]
In the graphite thin film 20 of FIG. 14, a part of the checkered pattern is schematically illustrated by a solid line or a dotted line. Although illustration is omitted, the crystal structure also exists in the blank part. The intermediate layer 25 is presumed to be present between the surface of the particles 12 of α-Fe and the graphite thin film 20, the details of which will be described with reference to FIGS.
[0100]
FIG. 15 is a photomicrograph of the structure of the particles according to the present invention observed by TEM (transmission electron microscope), and is a photograph further enlarging the vicinity of the graphite thin film 20 of FIG. FIG. 16 is a schematic view for schematically explaining the structure of FIG. 15 and is somewhat enlarged. In the particle 12 of α-Fe, a lattice 24 is seen along the direction of the arrow a, and indicates a characteristic crystal plane of α-Fe. Since it is difficult to clearly map the arrangement of Fe atoms in a beaded connection, they are shown by dotted lines. In the vicinity of the surface of the particle 12 of α-Fe, the checkered pattern along the arrow a is broken, but the end of the array constitutes a flat surface, and the starting point from which the graphite crystal grows gradually (Growth layer of graphite). Hereinafter, these regions are referred to as an intermediate layer 25. The graphite thin film 20 is grown and formed through the intermediate layer 25.
[0101]
As shown in FIG. 16, if the surface of the particle 12 of α-Fe is a relatively smooth spherical surface (flat surface), the layered lattice surface 22 of graphite is a surface along the arrow d and regularly arranged in parallel While growing, to form a dense and very thin coating. Here, "fine" refers to having a portion in which regular lattice planes are stacked. In the direction perpendicular to the arrow d, 15 to 17 layers of the surface of the layered lattice were laminated to form a very thin film. The thickness of the intermediate layer 25 appears as one or two layers in terms of the spacing of the layered lattice planes 22 of graphite. When the crystal plane of graphite which has started to grow is also included in the intermediate layer, the thickness of the intermediate layer 15 is about 2 to 4 layers in terms of the distance between the layered lattice planes 22 of graphite.
[0102]
Dislocations 23 occur in the crystal growth, and are presumed to be portions where the crystal structure is discontinuous. When a layered lattice is grown to form a laminated structure, it is assumed that the growth of a part is delayed by one layer due to lattice defects. When growth of a part is resumed, the lattice plane of the n-1st layer of a part and the lattice plane of the nth layer adjacent to each other may combine to form one face (dislocated face) . The rate of occurrence of dislocation planes is not high, and it can be said that the film as a whole is a uniform and dense thin film as a whole. In addition, although the convex part 21b exists in the surface of the graphite thin film 20,15Was not taken clearly inofThe points are indicated by dotted lines.
[0103]
(Example 6)
Hematite with an average particle size of 0.03 μm (Fe2O33) Powder and 7 g of boron powder with an average particle diameter of 26 μm were charged into a V-type mixer and mixed for 10 minutes. The mixed powder 121 is filled in a crucible 122 made of boron nitride and placed in a tubular electric furnace 123, and the temperature is raised from room temperature at a rate of 3 (° C./min) in a nitrogen gas flow of 2 (l / min). After warming, it was held at 1100 ° C. for 2 hours and furnace cooled to room temperature. The mixed powder before the heat treatment was red-black, but the powder after the heat treatment was discolored to grayish white. The powder after heat treatment was subjected to X-ray diffraction measurement (Cu, K α rays), and a diffraction pattern as shown in FIG. 17 was obtained. From the powder subjected to the above heat treatment, hexagonal boron nitride (h-BN) was obtained. Diffraction peaks of () and rhombohedral boron nitride (r-BN) and α-Fe were detected. In order to separate boron nitride and Fe, acetone 500cc (0.5 × 10-3m35 g of the above-mentioned powder was charged into the solution and subjected to ultrasonic cleaning for 5 minutes to separate the supernatant and the precipitate. Supernatant 127 was left in a draft for a further 24 hours to dry acetone, and boron nitride powder 128 (weight: 6 g) was recovered.
[0104]
When this boron nitride powder was observed by a transmission electron microscope (TEM), a wire-like structure as shown in the photograph of FIG. 19 was observed. When the lattice image was analyzed, this boron nitride wire had a rhombohedral structure. The unit of flow rate is (l / min) 約 about 16.7 × 10-6(M3Corresponds to / s). The manufacturing process of Example 6 includes a powder mixing process (S11), an atmosphere heat treatment process (S12), an ultrasonic wave application process (S13) to a medium in which the powder is dispersed, and a boron nitride microparticle separation and drying process 22 corresponds to the process flow and schematic diagram of FIG. In the figure, reference numeral 124 represents a cleaning tank, reference numeral 126 represents an ultrasonic cleaner, and reference numeral 125 represents a solvent (acetone) in which the powder after heat treatment was dispersed. In addition, if an ultrasonic wave can be applied to disperse the produced particles, it can be used without being limited to the washing machine.
[0105]
FIG. 20 is a schematic view copying the structure of the photograph of FIG. 19 and showing wire-like boron nitride microparticles. In this boron nitride microbody 101, a large number of tubes 103 each having a cavity 102 therein are connected to form a long bent tube shape. One end is terminated by the structure of the tube 103. The other end is terminated at the h-BN tissue 112 via the r-BN tissue which is the tube 103 and the tissue in which the h-BN-like site 112 b is mixed. In FIG. 20, a curve indicated by a dotted line represents an extension of a collodion film for fixing boron nitride microparticles 101 to a sample holder of an electron microscope. The lines and letters on the right outside of the rectangular enclosure in FIG. 20 indicate that the line length corresponds to a dimension of 200 nm.
[0106]
FIG. 21 is a schematic view extracting and enlarging only the boron nitride tube in FIG. The vicinity of the tip 111 of the tube is seen overlapping with the middle part of the tube, and it is not clear that the tip is closed because it is not clear. From the vicinity of the tip, the structure of the cavity 102 and the tube 103 surrounding it continues, and on the way, a portion considered as a node 104 between the tubes and a portion that looks thick for observing the thickness of the tube thick or diagonally There is a possible bump 105. The orientation of the continuous tube, for example, appears to be significantly bent at the bend 110. The thickness of the tube is not always uniform, and it forms the cavity 102 with not only the bumps 105 and nodes but also a complex line and striae-like structure. The tube structure is clearly observed from near the tip 111 to the nodes 104b, and the diameter of the tube is 0.12 to 0.20 μm (120 to 200 nm). Since the crystal structure is complicated in this area, it is presumed that r-BN and h-BN are mixed or in a mixed phase. The mixing of different phases is considered to be related to the bending of the tube. When the crystal structure of the tube 103 which clearly looks like a pipe is enlarged and observed, the arrangement of atoms is r-BN which repeats a three-layer cycle, and the repetition direction of the cycle is directed to the diameter direction of the tube.
[0107]
(Example 7)
Α-Fe with an average particle size of 0.03 μm2O35 g of powder (a powder) and 5 g of carbon powder (b powder) having an average particle diameter of 20 μm were charged into a V-type mixer and mixed for 10 minutes. The mixed powder 251 is charged in an appropriate amount in a boron nitride crucible 252 and heated from room temperature at a rate of 3 ° C./min in a nitrogen gas stream with a flow rate of 2 l / min in a tubular furnace 253 and then 2 at 1000 ° C. The furnace was cooled to room temperature at a rate of 3 ° C./min. The unit of flow rate is (l / min) 約 about 16.7 × 10-6(M3Corresponds to / s).
[0108]
Each powder before and after heat treatment was subjected to X-ray diffraction measurement (Cu, Kα rays), and diffraction patterns as shown in FIG. 23 (before heat treatment) and FIG. 24 (after heat treatment) were obtained. From the heat-treated powder, the (002) peak of graphite and the (110) peak of α-Fe were mainly detected. In FIG. 24, ○ represents a peak corresponding to the crystal structure of graphite, ▪ represents a peak corresponding to the crystal structure of α-Fe, the horizontal axis represents the diffraction angle 2θ (°), and the vertical axis represents the diffraction X-ray intensity (cps). The peak of maximum strength of graphite has a half width of about 0.2 °, and the crystallinity of the powder after heat treatment is good. Furthermore, when the magnetic properties of the powder before and after heat treatment corresponding to FIGS. 23 and 24 were measured by VSM (sample vibration type magnetometer), the saturation magnetization was 1.30 × 10 at the former.-6Wb · m / kg, the latter 131 × 10-6It was Wb · m / kg. From the above, Fe2O3Is reduced to Fe.
[0109]
When the powder after the heat treatment was observed with a TEM (transmission electron microscope), a tube-like microbody as shown in FIG. 25 was confirmed. FIG. 25 is a photomicrograph of the particle structure of the present invention observed by an electron microscope. As a result of compositional analysis by EDX (energy dispersive X-ray detector), it was found that the black particles at the tip of the microbody are Fe and the tube is C (carbon).
[0110]
FIG. 26 is a schematic diagram corresponding to the structure of the picture of FIG. 25. The carbon microbody 201 has a structure in which a carbon tube 203 grows in a curved shape based on the Fe particle 202. A plurality of nodes 204 exist inside the tube 203, and the area surrounded by the opposite nodes and the tube wall 203b constitutes a cavity 205. The other end of the tube 203 is closed and forms a tip portion 206. In this carbon micro-body 201, the fact that the growth direction of the tube is curved is considered to be related to the fact that the wall thickness of the tube and the distance between the nodes are not uniform. In particular, the portions of the tube walls 203c and 203e are thin.
[0111]
Another carbon microbody 207 is a structure in which a carbon tube 209 grows curvilinearly based on the Fe particles 208 and includes other Fe particles 213 at the tip. Inside the tube 209 there are a plurality of nodes 210, the area enclosed by the opposite nodes and the wall of the tube constituting a cavity 211. The Fe particles 220 in the vicinity of the Fe particles 213 appear to be separated by the tube wall 220 or the like. It is not clear whether the Fe particles 213 are attached from the beginning of the growth of the tube or those taken in during the growth of the tube. The Fe particles 208 and the wall 212 of the tube are only seen overlapping with the carbon minute body 201, and are not connected. Furthermore, other Fe particles 214 are present alone. In the figure, a straight or bent dashed-dotted line represents the outline of carbon 215, 216 of the raw material. The curved dashed-dotted lines indicate the contours of the collodion films 217 and 218 for fixing carbon microparticles and the like to the sample holder of the electron microscope. The reference numeral 219 is a scale display written in order to make the dimensions of FIG. 26 easy to understand, and there is no such structure in the original FIG. The length of the three lines in the scale display corresponds to 100 nm.
[0112]
Based on the photograph in FIG. 25, the ratio of the outer diameter Ro to the inner diameter Ri of each carbon microbody was measured. Measure for any location and obtain data such as (Ri / Ro) = 0.67, 0.75, 0.40, 0.69, 0.57, 0.63, 0.75, 0.44 The Example7The mean outer diameter and mean inner diameter could also be changed by producing carbon microparticles by changing the conditions of In consideration of these condition changes, the upper limit of (Ri / Ro) can be set to 0.8.
[0113]
FIG. 27 is a photomicrograph of the particle structure of the present invention observed by an electron microscope. In FIG. 25, the vicinity of the junction between the Fe particles 202 and the tube 203 is enlarged. FIG. 28 is a schematic diagram corresponding to the structure of the picture of FIG. Note that FIG. 28 is expressed by replacing only the main part of the crystal structure of FIG. 27 with a solid line or a dotted line for easy explanation. Therefore, even if the periphery of the area hatched with dotted lines is blank, the description is omitted.
[0114]
According to FIG. 28, in the Fe particles 202, in most regions, the texture appears to have a surface along a specific crystal plane. Hereinafter, the Fe main phases 220 and 221 are referred to. On the left side of the Fe main phase 220, a phase 225 in which the orientation of the face of the array is different, and a heterophase 226 which appears to be a textured pattern are observed. In addition, although the Fe main phase 220 etc. were expressed by the dotted line arrange | positioned in parallel, point space | interval and line space | interval do not necessarily correspond with FIG. It is drawn in order to explain the direction etc of the arrangement of the line intelligibly.
[0115]
The carbon tube in FIG. 28 will be described. The tube 203 is generated ahead of the virtual boundary line 227 and the Fe main phase 221. It can be seen that the inside of the wall of the tubular tube is divided by nodes 236, 239. The area surrounded by the nodes 236 and the Fe particles 202 and the wall of the tube or the area surrounded by the nodes 236 and 239 and the wall of the tube became hollow.
[0116]
In the tube wall, the arrangement of crystals is mainly composed of the graphite structural phase. Hereinafter, graphite and a similar structure are collectively referred to as a graphite phase. The graphite phase is clearer than Fe in that the crystallographic arrangement appears to be stacked along a particular plane. The planes of the graphite phases 230, 231, 232, 233, 237, 238 and 240 can be said to be parallel or substantially parallel to the growth direction of the wall of the tube. On the other hand, at the nodes 236 and 239, it can be said that the plane of the graphite layer is orthogonal or nearly orthogonal to the growth direction of the wall of the tube. At the base of the left side of the node 236, the graphite layer is divided in a Y-shape into a downward layer 234 and an upward layer 235, presenting a structure such as a tree trunk and a branch. The root of the node 239 is approximately orthogonal to the wall of the tube, and it is considered that there are at least two types of node tissue. The graphite phase 242 is considered to be a bridge or node, but can not be determined because the graphite phase 242 of the other structure is mixed.
The state of lamination of the atomic arrangement of the graphite layers is narrow as expressed in the graphite layers 235 and 238 and the nodes 236 and 239. The same illustration of all layers is complicated, and the other parts are illustrated with a reduced number of layers. Also, when one layer is clearly seen, it is shown by a line, but when it seems that it is discontinuous and continuous, it is displayed by a dotted line.
[0117]
5 g of the powder after the heat treatment was put into 500 cc of acetone and subjected to ultrasonic cleaning for 5 minutes to separate the supernatant and the precipitate. Supernatant 257 was allowed to stand in a draft for an additional 24 hours to dry the acetone and obtain carbon fine powder 258. The powder 258 improves the proportion of carbon microparticles by removing coarse transition metal particles and the like.
[0118]
The manufacturing process of Example 7 includes a powder mixing process, a heat treatment process in an atmosphere, ultrasonic wave application (dispersion process) to the medium into which the powder is charged, and separation and drying processes of coarse transition metal particles and the like, and the process of FIG. Corresponds to the flow and schematic. In the figure, reference numeral 254 denotes a cleaning tank, reference numeral 255 denotes a solvent (acetone) in which powder after heat treatment is dispersed, and reference numeral 256 corresponds to an ultrasonic cleaning apparatus. In addition, as long as ultrasonic waves can be applied to disperse the generated particles in a solvent, it can be used without being limited to the washing apparatus.
[0119]
【Effect of the invention】
As described above, by using the metal ultrafine particles of the present invention and the method for producing the same, metal ultrafine particles can be obtained in which a coating that is safe, simple and suitable for industrial use is applied to the surface of metal particles. Furthermore, when manufacturing metal ultrafine particles, it is possible to obtain the minute body related to the by-product and the manufacturing method thereof.
Brief Description of the Drawings
[Fig. 1]
It is a graph which shows the X-ray-diffraction pattern of the mixed powder before heat processing.
[Fig. 2]
It is a graph which shows the X-ray-diffraction pattern of the mixed powder after heat processing.
[Fig. 3]
Fe2O3It is the schematic explaining the reaction process which boron nitride covering Fe particle etc. produce | generate by reacting and B. FIG.
[Fig. 4]
It is a manufacturing-process figure of a boron nitride coating metal particle and a boron nitride microbody.
[Fig. 5]
It is a microscope picture of the particle structure which concerns on this invention observed by the electron microscope.
[Fig. 6]
It is the schematic for demonstrating the structure of FIG. 5 typically.
[Fig. 7]
It is a microscope picture of the particle structure which concerns on this invention observed by the electron microscope.
[Fig. 8]
It is the schematic for demonstrating the structure of FIG. 7 typically.
[Fig. 9]
It is a graph which shows the X-ray-diffraction pattern of the mixed powder before heat processing.
[Fig. 10]
It is a graph which shows the X-ray-diffraction pattern of the mixed powder after heat processing.
[Fig. 11]
It is a microscope picture of the particle structure which concerns on this invention observed by the electron microscope.
[Fig. 12]
It is the schematic for demonstrating the structure of FIG. 3 typically.
[Fig. 13]
It is a microscope picture of the particle structure which concerns on this invention observed by the electron microscope.
[Fig. 14]
It is the schematic for demonstrating the structure of FIG. 5 typically.
[Fig. 15]
It is a microscope picture of the particle structure which concerns on this invention observed by the electron microscope.
[Fig. 16]
It is the schematic for demonstrating the structure of FIG. 7 typically.
[Fig. 17]
FIG. 2 is a schematic view of a tubular furnace used in the manufacturing process of Example 1;
[Fig. 18]
It is a graph which shows the X-ray-diffraction pattern of the powder of this invention.
[Fig. 19]
It is a photograph of the particle structure which concerns on this invention observed by the electron microscope.
[Fig. 20]
It is the schematic corresponding to the structure of the photograph of FIG.
[Fig. 21]
It is the schematic which expanded a part of FIG.
[Fig. 22]
FIG. 16 is a flow and schematic diagram illustrating a manufacturing process of Example 6.
[Fig. 23]
It is a graph which shows the X-ray-diffraction pattern of the mixed powder before heat processing.
[Fig. 24]
It is a graph which shows the X-ray-diffraction pattern of the mixed powder after heat processing.
[Fig. 25]
It is a microscope picture of the particle structure which concerns on this invention observed by the electron microscope.
[FIG. 26]
It is the schematic corresponding to the structure of the photograph of FIG.
[Fig. 27]
It is a microscope picture of the particle structure which concerns on this invention observed by the electron microscope.
[Fig. 28]
It is the schematic corresponding to the structure of the photograph of FIG.
[Fig. 29]
FIG. 24 is a process flow and schematic view illustrating a manufacturing process of Example 7;
[Description of the code]
1 Fe particle, 2 BN film, 3 lattice plane, 4 lattice plane,
5 lattice planes,
11 metal ultrafine particles, particles of 12 α-Fe,
13a 13b 13c pattern,
14 Graphite thin film boundaries, 15 collodion films,
16 scale, 20 graphite thin films,
20a 20b 20c plaid,
20e plaid, 20d plaid, 20f plaid,
21 21b convex part,
22 layered lattice planes,
23 shifted points, 24 plaid,
25 interlayer, 27 graphite growth layer,
41 mixed powder, 42 boron nitride crucible, 43 tube furnace,
44 washing tanks, 45 media, 46 ultrasonic cleaning devices,
47 supernatant, 48 coated metal particles,
51 mixed powder, 52 boron crucible, 53 tube furnace,
101 Boron Nitride Microbodies, 102 Cavities, 103 Tubes,
Sections 104 and 104b,
105 bumps, 110 bends, 111 near the tip,
112 h-BN tissue, 112 b h-BN site,
113 collodion film, 121 mixed powder, 122 坩 堝,
123 tubular electric furnace, 127 supernatant, 128 boron nitride powder,
201 carbon particles, 202 Fe particles, 203 tubes,
203b tube wall,
203c 203e tube wall,
Section 204, 205 cavity, 206 tip,
207 carbon microparticles, 208 Fe particles, 209 tubes, Section 210,
211 cavities, 212 tube walls, 213 Fe particles,
214 Fe particles,
215 216 Raw material carbon,
217 218 Collodion membrane,
219 scale display, 220 Fe particles,
220 221 Fe main phase,
224 227 virtual boundaries,
Phases with different orientations of the faces of the 225 arrays, Heteromorphic phases that look like 226 textured,
230 231 232 233 237 238 240 Graphite phase,
234 235 graphite phase,
236, 239,
241 Graphite phase, 242 Graphite phase of other structures,
251 mixed powder, 252 boron nitride crucible, 253 tube furnace,
254 washing tank, 255 solvent that dispersed powder after heat treatment,
256 ultrasonic cleaners, 257 supernatant, 258 carbon powder