JP2004120819A - 自家用電源設備の始動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電流抑制対象となる複数の負荷を電力変換装置で始動するのに始動電流を抑制する。
【解決手段】電力貯蔵電池設備3の出力電力を交直変換装置4で交流電力に変換し、電動機7およびその補機変圧器9の自立運転を行う際、交直変換装置は、最初に補機変圧器をソフトスタート制御で始動し、該補機変圧器をシステムの定格電圧V2より低く、補機設備の正常運転を維持できかつ電動機の始動電流を抑えた始動ができる電圧V1に維持し、電動機の始動には電圧V1から定格電圧V2まで上昇させる。
【選択図】 図1
【解決手段】電力貯蔵電池設備3の出力電力を交直変換装置4で交流電力に変換し、電動機7およびその補機変圧器9の自立運転を行う際、交直変換装置は、最初に補機変圧器をソフトスタート制御で始動し、該補機変圧器をシステムの定格電圧V2より低く、補機設備の正常運転を維持できかつ電動機の始動電流を抑えた始動ができる電圧V1に維持し、電動機の始動には電圧V1から定格電圧V2まで上昇させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力貯蔵電池設備などの自家用電源設備を有する需要家電源システムに係り、特に直流または交流出力になる自家用電源と、この電源の出力電力を周波数と電圧を一定にした交流電力に変換して負荷に供給する電力変換装置とからなる自家用電源設備を自立運転するための始動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
需要家電源システムの自家用電源設備としては、夜間電力を利用した電力貯蔵電池設備、太陽光エネルギーを利用した太陽光発電設備、風力エネルギーを利用した風力発電設備、燃料電池設備、エンジン発電設備などがある。
【0003】
これら自家用電源設備のうち、電力貯蔵電池など、出力が直流になる電源設備は、蓄えられた電力または発電電力を直流から交流に変換する電力変換装置(インバータ)を介して負荷へ電力供給を行うという設備構成になる。また、交流出力になる風力発電設備やエンジン発電設備においても、その周波数や電圧が不安定なため、発電電力を一旦直流電力に変換し、電力系統の周波数と電圧に合わせた交流出力を得る電力変換装置を介挿した設備構成にするものが多い。なお、電力変換装置は、電力貯蔵電池設備などその充電機能も必要とする場合には直流と交流の双方向電力変換装置に構成される。
【0004】
ここで、需要家システムの負荷になる変圧器や電動機などは、その始動電流が定格電流より大きな電流になり、自家用電源設備で運転するには始動電流抑制対策が必要となる。電動機の始動方法には、直入始動方式の他に、二次抵抗始動方式、Y−Δ始動方式、コンドルファ始動方式などがあり、直入始動方式を除いては一般的に始動電流を抑える効果があるため、始動電流の機器過負荷耐量に対する考慮はさほど必要は無いが、励磁電流に於いては抑制効果があるとはいえないため電力変換装置などにおいては過電流対策を取る必要がある。
【0005】
前記の電力貯蔵電池設備を自家発電設備として自立運転する場合、電池から電力変換装置を介して負荷に電源を供給することとなる。このとき、電力変換装置の短時間過負荷耐量は、一般的に発電機から直接に負荷に給電する自家発電設備の発電機の短時間過負荷耐量に比べて小さいため、始動電流による装置定格が問題となる。よって、電力変換装置は、過電流対策として定常運転時に必要な設備容量よりも、数倍の定格容量が必要となる。この問題を解消する方法としては、電力変換装置をソフトスタート制御により定格電圧まで徐々に上昇させることにより、始動電流を抑える方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−116676号公報(段落番号0003、図5)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、変圧器や電動機等の始動時の電流対策として、電力変換装置をソフトスタート制御する方法があるが、電流抑制の対象となる負荷が複数あり同時に始動できないシステム構成の場合は、それぞれの負荷に対してソフトスタート制御を行う必要がある。
【0008】
例えば、負荷が補機を必要とする設備であった場合、具体的には、送風機設備では送風機(主機)の他に、送風機設備に関わる制御弁(補機)がある場合、主機と補機の両方に電源供給する必要があるが、主機を運転するには、補機電源が正常でなければならない。従って、負荷を運転する順序として補機を運転した後、主機を運転することになる。
【0009】
この時、補機・主機が共にソフトスタート制御で運転しなければならない負荷であった場合、最初に補機をソフトスタート制御で運転した後、主機をソフトスタート制御で運転しなければならないことになる。この方法では、最初に補機をソフトスタート制御で運転するため次の点で問題となる。
【0010】
・最初に補機をソフトスタート制御で運転するため、主機の始動にはソフトスタート制御が使えなくなる。
【0011】
・補機をソフトスタート制御で立ち上げた後に、主機をソフトスタート制御で運転しようとした場合、一旦電源電圧を下げなければならなく、これにより補機への電源供給が絶たれてしまうため、結果として主機も運転出来なくなる。
【0012】
・主機にソフトスタート制御が使えなくなった場合、定格電圧で主機を始動させることになり始動電流が大きくなる。結果的に電力変換装置の過電流耐量を大きくする必要がある。
【0013】
・負荷設備を改造して電流を抑制しようとすると、新たな機器の増設等、大掛かりな改造が必要となる。
【0014】
本発明の目的は、電力変換装置と自家用電源とを組み合わせた自家用電源設備の自立運転に、始動電流を抑制しながら複数の負荷を始動できる始動方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の課題を解決するため、電力変換装置の出力電圧制御をソフトスタート制御で段階的に行い、運転開始にはソフトスタート制御により所定電圧まで上昇させ、この電圧は最初に始動する負荷を正常運転状態に維持でき、かつその後に始動する負荷の始動電流を抑えて正常運転状態にできる低い値としたもので、以下の方法を特徴とする。
【0016】
(1)直流または交流出力になる自家用電源と、この電源の出力電力を周波数と電圧を一定にした交流電力に変換して負荷に供給する電力変換装置とからなる自家用電源設備の自立運転による始動方法であって、
前記電力変換装置は、ソフトスタート制御を段階的に行い、最初のソフトスタート制御で出力する電圧は最初に始動する負荷を正常運転状態に維持でき、かつその後に始動する負荷の始動電流を抑えて正常運転状態にできる低い値としたことを特徴とする。
【0017】
(2)前記負荷は、始動電流抑制手段を持つ電動機と、この電動機の補機設備に電源を供給する補機変圧器とからなる需要家電源システムにおいて、
前記電力変換装置は、最初に前記補機変圧器をソフトスタート制御で始動し、該補機変圧器をシステムの定格電圧V2より低く、前記補機設備の正常運転を維持できかつ前記電動機の始動電流を抑えた始動ができる電圧V1に維持し、前記電動機の始動には電圧V1で始動した後に前記定格電圧V2まで上昇させることを特徴とする。
【0018】
(3)前記負荷は、始動電流抑制手段を持つ電動機と、この電動機の補機設備に電源を供給する補機変圧器とからなる需要家電源システムにおいて、
前記電力変換装置は、最初に前記補機変圧器をソフトスタート制御で始動し、該補機変圧器をシステムの定格電圧V2より低く、前記補機設備の正常運転を維持できかつ前記電動機の始動電流を抑えた始動ができる電圧V1に維持し、前記電動機の始動には電圧V1からソフトスタート制御で前記定格電圧V2まで上昇させることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、電力貯蔵電池と交直変換装置とからなる電力貯蔵電池設備を電力系統と連系可能にし、電動機を主機とし、この電動機の制御電源を確保するための変圧器を補機とする需要家電源システム構成を示す。
【0020】
電力系統からはしゃ断器1を介して受電母線2に受電する。電力貯蔵電池3と双方向電力変換機能をもつ交直変換装置4とからなる電力貯蔵電池設備は、電源変圧器5およびしゃ断器6を介して受電母線2に接続可能にされ、夜間電力を利用して交直変換装置4を交流→直流電力変換動作させることで電力貯蔵電池3を充電しておき、昼間に交直変換装置4を直流→交流電力変換動作させることで電池3の貯蔵電力を負荷に供給可能にする。
【0021】
負荷のうち、主機は電動機7として受電母線2からしゃ断器8を介して給電され、補機は補機変圧器9としゃ断器10を介して給電される。
【0022】
以上の需要家電源システム構成において、本実施形態は、しゃ断器1を解離し、電力貯蔵電池設備(3、4)を自家発電設備として自立運転し、始動電流を伴う主機と補機を始動および運転する始動方法を提供するもので、運転順序としては、補機変圧器9を最初に運転状態にしておき、その後、電動機7を始動運転するもので、以下のステップS1〜S3とする。なお、電動機7は、例えば始動電流をある程度抑えることができる二次抵抗始動方式とする。
【0023】
(S1)図2に示すように、しゃ断器1および8を「切」状態、しゃ断器6、10を「入」状態とし、交直変換装置4をソフトスタート制御で立ち上げ、定格電圧よりも低い電圧で補機変圧器9を始動する。
【0024】
(S2)図3に示すように、補機変圧器9が運転状態になり、その負荷になる弁などの補機設備が正常動作した後、しゃ断器8を「入」状態とし、電動機7を始動する。
【0025】
(S3)電動機7が始動状態から運転状態になった後、交直変換装置4の出力電圧を定格電圧まで上昇させる。
【0026】
以上の始動方法における電圧制御手順は、図4に示すように、まず、交直変換装置4をソフトスタート制御で電圧V1まで上昇させ、この電圧V1で補機変圧器9の負荷となる制御電源を確立した後に電動機7をまず電圧V1で始動させ、次に電圧V2まで上昇させ、電動機7の正常運転を開始する。
【0027】
このように、補機変圧器9を運転状態にした後に電動機7を運転するが、ここでは電動機7をソフトスタート制御による運転が行えないため電動機の励磁電流を抑える対策が必要となる。そこで、始動時の運転電圧を下げておく(始動時には、電動機の運転電圧V1を低くしておき始動電流を抑える)。つまり、補機変圧器9をソフトスタート運転する際、電圧をシステムの定格電圧まで上昇させるのではなく、定格電圧より低い電圧V1に抑える。この電圧V1は、補機設備の正常運転を維持でき、かつ電動機7の始動電流を抑えながらその始動ができる電圧に維持する。
【0028】
なお、電圧V1は、電動機7を投入したときの励磁電流により交直変換装置4の短時間定格保護機能が動作しない程度の運転電圧を実設備を使用した実験またはシミュレーションにより求めることができる。
【0029】
以上の始動方法になる本実施形態では、自家用電源設備には、電力貯蔵電池設備3と交直変換装置4を組み合わせたものを示すが、他の自家用電源と電力変換器(インバータ)とを組み合わせたシステムに適用して同等の作用効果を得ることができる。また、負荷として、電動機7と補機変圧器9を組み合わせたものを示すが、他の組み合わせ構成の負荷、例えば2つ以上の変圧器を組み合わせた負荷、複数の電動機を組み合わせた負荷など、複数の負荷がそれぞれ始動電流を伴うシステムに適用して同等の作用効果を得ることができる。
【0030】
なお、電力変換装置の出力電圧V1から電圧V2までの電圧制御は、ソフトスタート制御で徐々に上昇させることでもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、電力変換装置のソフトスタート制御を段階的に行い、最初のソフトスタート制御で出力する電圧は最初に始動する負荷を正常運転状態に維持でき、かつその後に始動する負荷の始動電流を抑えて正常運転状態にできる低い値としたため、以下の効果がある。
【0032】
(1)例えば、負荷としての補機変圧器及び電動機の始動時の電流を抑制できるので電力変換装置の定格電流容量を小さくすることができる。
【0033】
(2)装置定格を小さくできるため、装置体格もコンパクトにでき、設置スペースの検討にも優位である。また、コストを抑えることができる。
【0034】
(3)特殊な始動装置やシステムを必要とせず、既存設備の少しの改良で始動が可能となる。
【0035】
(4)設備運転員の運転制御に関する特別なノウハウを必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す需要家電源システムの構成図。
【図2】実施形態における制御手順(その1)。
【図3】実施形態における制御手順(その2)。
【図4】実施形態における電圧制御手順。
【符号の説明】
1、6、8、10…しゃ断器
2…受電母線
3…電力貯蔵電池
4…交直変換装置
5…電源トランス
7…電動機
9…補機変圧器
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力貯蔵電池設備などの自家用電源設備を有する需要家電源システムに係り、特に直流または交流出力になる自家用電源と、この電源の出力電力を周波数と電圧を一定にした交流電力に変換して負荷に供給する電力変換装置とからなる自家用電源設備を自立運転するための始動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
需要家電源システムの自家用電源設備としては、夜間電力を利用した電力貯蔵電池設備、太陽光エネルギーを利用した太陽光発電設備、風力エネルギーを利用した風力発電設備、燃料電池設備、エンジン発電設備などがある。
【0003】
これら自家用電源設備のうち、電力貯蔵電池など、出力が直流になる電源設備は、蓄えられた電力または発電電力を直流から交流に変換する電力変換装置(インバータ)を介して負荷へ電力供給を行うという設備構成になる。また、交流出力になる風力発電設備やエンジン発電設備においても、その周波数や電圧が不安定なため、発電電力を一旦直流電力に変換し、電力系統の周波数と電圧に合わせた交流出力を得る電力変換装置を介挿した設備構成にするものが多い。なお、電力変換装置は、電力貯蔵電池設備などその充電機能も必要とする場合には直流と交流の双方向電力変換装置に構成される。
【0004】
ここで、需要家システムの負荷になる変圧器や電動機などは、その始動電流が定格電流より大きな電流になり、自家用電源設備で運転するには始動電流抑制対策が必要となる。電動機の始動方法には、直入始動方式の他に、二次抵抗始動方式、Y−Δ始動方式、コンドルファ始動方式などがあり、直入始動方式を除いては一般的に始動電流を抑える効果があるため、始動電流の機器過負荷耐量に対する考慮はさほど必要は無いが、励磁電流に於いては抑制効果があるとはいえないため電力変換装置などにおいては過電流対策を取る必要がある。
【0005】
前記の電力貯蔵電池設備を自家発電設備として自立運転する場合、電池から電力変換装置を介して負荷に電源を供給することとなる。このとき、電力変換装置の短時間過負荷耐量は、一般的に発電機から直接に負荷に給電する自家発電設備の発電機の短時間過負荷耐量に比べて小さいため、始動電流による装置定格が問題となる。よって、電力変換装置は、過電流対策として定常運転時に必要な設備容量よりも、数倍の定格容量が必要となる。この問題を解消する方法としては、電力変換装置をソフトスタート制御により定格電圧まで徐々に上昇させることにより、始動電流を抑える方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−116676号公報(段落番号0003、図5)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、変圧器や電動機等の始動時の電流対策として、電力変換装置をソフトスタート制御する方法があるが、電流抑制の対象となる負荷が複数あり同時に始動できないシステム構成の場合は、それぞれの負荷に対してソフトスタート制御を行う必要がある。
【0008】
例えば、負荷が補機を必要とする設備であった場合、具体的には、送風機設備では送風機(主機)の他に、送風機設備に関わる制御弁(補機)がある場合、主機と補機の両方に電源供給する必要があるが、主機を運転するには、補機電源が正常でなければならない。従って、負荷を運転する順序として補機を運転した後、主機を運転することになる。
【0009】
この時、補機・主機が共にソフトスタート制御で運転しなければならない負荷であった場合、最初に補機をソフトスタート制御で運転した後、主機をソフトスタート制御で運転しなければならないことになる。この方法では、最初に補機をソフトスタート制御で運転するため次の点で問題となる。
【0010】
・最初に補機をソフトスタート制御で運転するため、主機の始動にはソフトスタート制御が使えなくなる。
【0011】
・補機をソフトスタート制御で立ち上げた後に、主機をソフトスタート制御で運転しようとした場合、一旦電源電圧を下げなければならなく、これにより補機への電源供給が絶たれてしまうため、結果として主機も運転出来なくなる。
【0012】
・主機にソフトスタート制御が使えなくなった場合、定格電圧で主機を始動させることになり始動電流が大きくなる。結果的に電力変換装置の過電流耐量を大きくする必要がある。
【0013】
・負荷設備を改造して電流を抑制しようとすると、新たな機器の増設等、大掛かりな改造が必要となる。
【0014】
本発明の目的は、電力変換装置と自家用電源とを組み合わせた自家用電源設備の自立運転に、始動電流を抑制しながら複数の負荷を始動できる始動方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の課題を解決するため、電力変換装置の出力電圧制御をソフトスタート制御で段階的に行い、運転開始にはソフトスタート制御により所定電圧まで上昇させ、この電圧は最初に始動する負荷を正常運転状態に維持でき、かつその後に始動する負荷の始動電流を抑えて正常運転状態にできる低い値としたもので、以下の方法を特徴とする。
【0016】
(1)直流または交流出力になる自家用電源と、この電源の出力電力を周波数と電圧を一定にした交流電力に変換して負荷に供給する電力変換装置とからなる自家用電源設備の自立運転による始動方法であって、
前記電力変換装置は、ソフトスタート制御を段階的に行い、最初のソフトスタート制御で出力する電圧は最初に始動する負荷を正常運転状態に維持でき、かつその後に始動する負荷の始動電流を抑えて正常運転状態にできる低い値としたことを特徴とする。
【0017】
(2)前記負荷は、始動電流抑制手段を持つ電動機と、この電動機の補機設備に電源を供給する補機変圧器とからなる需要家電源システムにおいて、
前記電力変換装置は、最初に前記補機変圧器をソフトスタート制御で始動し、該補機変圧器をシステムの定格電圧V2より低く、前記補機設備の正常運転を維持できかつ前記電動機の始動電流を抑えた始動ができる電圧V1に維持し、前記電動機の始動には電圧V1で始動した後に前記定格電圧V2まで上昇させることを特徴とする。
【0018】
(3)前記負荷は、始動電流抑制手段を持つ電動機と、この電動機の補機設備に電源を供給する補機変圧器とからなる需要家電源システムにおいて、
前記電力変換装置は、最初に前記補機変圧器をソフトスタート制御で始動し、該補機変圧器をシステムの定格電圧V2より低く、前記補機設備の正常運転を維持できかつ前記電動機の始動電流を抑えた始動ができる電圧V1に維持し、前記電動機の始動には電圧V1からソフトスタート制御で前記定格電圧V2まで上昇させることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、電力貯蔵電池と交直変換装置とからなる電力貯蔵電池設備を電力系統と連系可能にし、電動機を主機とし、この電動機の制御電源を確保するための変圧器を補機とする需要家電源システム構成を示す。
【0020】
電力系統からはしゃ断器1を介して受電母線2に受電する。電力貯蔵電池3と双方向電力変換機能をもつ交直変換装置4とからなる電力貯蔵電池設備は、電源変圧器5およびしゃ断器6を介して受電母線2に接続可能にされ、夜間電力を利用して交直変換装置4を交流→直流電力変換動作させることで電力貯蔵電池3を充電しておき、昼間に交直変換装置4を直流→交流電力変換動作させることで電池3の貯蔵電力を負荷に供給可能にする。
【0021】
負荷のうち、主機は電動機7として受電母線2からしゃ断器8を介して給電され、補機は補機変圧器9としゃ断器10を介して給電される。
【0022】
以上の需要家電源システム構成において、本実施形態は、しゃ断器1を解離し、電力貯蔵電池設備(3、4)を自家発電設備として自立運転し、始動電流を伴う主機と補機を始動および運転する始動方法を提供するもので、運転順序としては、補機変圧器9を最初に運転状態にしておき、その後、電動機7を始動運転するもので、以下のステップS1〜S3とする。なお、電動機7は、例えば始動電流をある程度抑えることができる二次抵抗始動方式とする。
【0023】
(S1)図2に示すように、しゃ断器1および8を「切」状態、しゃ断器6、10を「入」状態とし、交直変換装置4をソフトスタート制御で立ち上げ、定格電圧よりも低い電圧で補機変圧器9を始動する。
【0024】
(S2)図3に示すように、補機変圧器9が運転状態になり、その負荷になる弁などの補機設備が正常動作した後、しゃ断器8を「入」状態とし、電動機7を始動する。
【0025】
(S3)電動機7が始動状態から運転状態になった後、交直変換装置4の出力電圧を定格電圧まで上昇させる。
【0026】
以上の始動方法における電圧制御手順は、図4に示すように、まず、交直変換装置4をソフトスタート制御で電圧V1まで上昇させ、この電圧V1で補機変圧器9の負荷となる制御電源を確立した後に電動機7をまず電圧V1で始動させ、次に電圧V2まで上昇させ、電動機7の正常運転を開始する。
【0027】
このように、補機変圧器9を運転状態にした後に電動機7を運転するが、ここでは電動機7をソフトスタート制御による運転が行えないため電動機の励磁電流を抑える対策が必要となる。そこで、始動時の運転電圧を下げておく(始動時には、電動機の運転電圧V1を低くしておき始動電流を抑える)。つまり、補機変圧器9をソフトスタート運転する際、電圧をシステムの定格電圧まで上昇させるのではなく、定格電圧より低い電圧V1に抑える。この電圧V1は、補機設備の正常運転を維持でき、かつ電動機7の始動電流を抑えながらその始動ができる電圧に維持する。
【0028】
なお、電圧V1は、電動機7を投入したときの励磁電流により交直変換装置4の短時間定格保護機能が動作しない程度の運転電圧を実設備を使用した実験またはシミュレーションにより求めることができる。
【0029】
以上の始動方法になる本実施形態では、自家用電源設備には、電力貯蔵電池設備3と交直変換装置4を組み合わせたものを示すが、他の自家用電源と電力変換器(インバータ)とを組み合わせたシステムに適用して同等の作用効果を得ることができる。また、負荷として、電動機7と補機変圧器9を組み合わせたものを示すが、他の組み合わせ構成の負荷、例えば2つ以上の変圧器を組み合わせた負荷、複数の電動機を組み合わせた負荷など、複数の負荷がそれぞれ始動電流を伴うシステムに適用して同等の作用効果を得ることができる。
【0030】
なお、電力変換装置の出力電圧V1から電圧V2までの電圧制御は、ソフトスタート制御で徐々に上昇させることでもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、電力変換装置のソフトスタート制御を段階的に行い、最初のソフトスタート制御で出力する電圧は最初に始動する負荷を正常運転状態に維持でき、かつその後に始動する負荷の始動電流を抑えて正常運転状態にできる低い値としたため、以下の効果がある。
【0032】
(1)例えば、負荷としての補機変圧器及び電動機の始動時の電流を抑制できるので電力変換装置の定格電流容量を小さくすることができる。
【0033】
(2)装置定格を小さくできるため、装置体格もコンパクトにでき、設置スペースの検討にも優位である。また、コストを抑えることができる。
【0034】
(3)特殊な始動装置やシステムを必要とせず、既存設備の少しの改良で始動が可能となる。
【0035】
(4)設備運転員の運転制御に関する特別なノウハウを必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す需要家電源システムの構成図。
【図2】実施形態における制御手順(その1)。
【図3】実施形態における制御手順(その2)。
【図4】実施形態における電圧制御手順。
【符号の説明】
1、6、8、10…しゃ断器
2…受電母線
3…電力貯蔵電池
4…交直変換装置
5…電源トランス
7…電動機
9…補機変圧器
Claims (3)
- 直流または交流出力になる自家用電源と、この電源の出力電力を周波数と電圧を一定にした交流電力に変換して負荷に供給する電力変換装置とからなる自家用電源設備の自立運転による始動方法であって、
前記電力変換装置は、ソフトスタート制御を段階的に行い、最初のソフトスタート制御で出力する電圧は最初に始動する負荷を正常運転状態に維持でき、かつその後に始動する負荷の始動電流を抑えて正常運転状態にできる低い値としたことを特徴とする自家用電源設備の始動方法。 - 前記負荷は、始動電流抑制手段を持つ電動機と、この電動機の補機設備に電源を供給する補機変圧器とからなる需要家電源システムにおいて、
前記電力変換装置は、最初に前記補機変圧器をソフトスタート制御で始動し、該補機変圧器をシステムの定格電圧V2より低く、前記補機設備の正常運転を維持できかつ前記電動機の始動電流を抑えた始動ができる電圧V1に維持し、前記電動機の始動には電圧V1で始動した後に前記定格電圧V2まで上昇させることを特徴とする請求項1に記載の自家用電源設備の始動方法。 - 前記負荷は、始動電流抑制手段を持つ電動機と、この電動機の補機設備に電源を供給する補機変圧器とからなる需要家電源システムにおいて、
前記電力変換装置は、最初に前記補機変圧器をソフトスタート制御で始動し、該補機変圧器をシステムの定格電圧V2より低く、前記補機設備の正常運転を維持できかつ前記電動機の始動電流を抑えた始動ができる電圧V1に維持し、前記電動機の始動には電圧V1からソフトスタート制御で前記定格電圧V2まで上昇させることを特徴とする請求項1に記載の自家用電源設備の始動方法。
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