JP2004117017A - センサバイアス誤差推定用の目標位置決定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】各目標の配置可能な三次元領域を可能配置領域として指定する配置領域設定ステップS1と、可能配置領域をグリッド化して得られる三次元位置ベクトルの集合を可能配置領域集合として算出する配置領域グリッド化ステップS2と、可能配置領域集合から目標毎に1ベクトルずつ選出して組合せを生成し、全ての組合せを生成する目標位置組合せステップS3と、全ての組合せについて推定誤差指標値を算出する誤差指標値算出ステップS11と、推定誤差指標値が最小値を示す目標位置の組合せを各目標の最適な配置位置の組合せとして決定する目標位置選出ステップS13とを備えた。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数のセンサ(レーダなど)を用いた目標の検知(捜索および追尾などを含む)に際し、各センサの距離、仰角および方位角のアライメント誤差(設置誤差)による目標検知性能の劣化を回避するために、事前に各センサの設置誤差をバイアス誤差として推定する方法に関し、特に、目標の位置(移動経路)によって推定精度が劣化する問題点に鑑み、目標位置(および目標移動経路)を決定可能にして推定精度を向上させたセンサバイアス誤差推定用の目標位置決定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、複数のセンサ(レーダなど)を用いて目標の探知(追尾など)を行う場合、各センサに設置誤差が生じると検知性能の劣化につながる可能性があるので、各センサの設置誤差(アライメント誤差)をバイアス誤差としてあらかじめ推定し、各センサの観測データをバイアス誤差に基づいて補正演算する必要がある。なお、各センサの設置誤差は、短時間の間では一定値と見なされるので、補正演算用のバイアス誤差と称されている。
また、このようなバイアス誤差推定アルゴリズムを実行するためには、複数の目標を空中に配置し、これらの目標を観測して得られる観測データを用いて、各センサの設置誤差を推定する必要がある。
たとえば、図5および図6は従来のセンサの設置誤差補正処理およびバイアス誤差推定方法を示す説明図である(たとえば、非特許文献1参照)。
【0003】
【非特許文献1】
小菅義夫、岡田隆光による、「三次元レーダのデータ融合におけるレーダバイアス誤差推定」、計測自動制御学会論文集、Vol.35、No.7、第823〜831頁、Fig.1
【0004】
図5においては、2つのセンサ(レーダ1、2)の表示画面(観測値)B1、B2を重ね合わせて統合し、目標C1〜C3(○印、□印、△印参照)の三次元位置を認識する際に、両センサが真の北方向を誤認識して設置された場合の誤認識を補正する方法を示している。
図5において、レーダ1、2(センサ)は、二次元位置検出器(PPI:Plan Position Indicator)からなり、それぞれ、複数の目標C1〜C3を検知する。
各レーダ1、2の表示例において、破線は、上方向が「北」、右方向が「東」とする正しい直交座標系であり、実線はバイアス誤差の影響を受けた直交座標系である。ここでは、各レーダ1、2は、方位角に対してバイアス誤差を有しており、真北を誤認識した状態で設置されているものとする。
【0005】
この場合、2つのレーダ1、2からの観測値データB1、B2を重ね合わせて統合すると、実際には各1つの目標C1〜C3が、それぞれ複数の目標として誤認識されてしまう。しかし、各レーダ1、2の設置誤差(バイアス誤差)の推定値を用いて、各観測値B1、B2を補正して統合すると、補正後のデータのように、単一の目標位置を正確に検知することができる。
したがって、上記のような各目標C1〜C3の誤認識を回避するためには、事前に各レーダ1、2の設置誤差を推定しておくことが重要となる。各レーダ1、2の設置誤差を推定するアルゴリズムは、上記文献に記載されており、図6のように表すことができる。
【0006】
図6において、各レーダ1、2は、同一の複数(たとえば、2個)の目標C1、C2(この場合、飛行機)を同期観測して、観測値B1、B2を取得する。
続いて、推定アルゴリズム(拡張カルマン)10は、カルマンフィルタを用いて、各観測値B1、B2を照合して両者のずれ量を検出し、各レーダ1、2のバイアス誤差推定値10aを演算する。
ただし、バイアス誤差推定値10aの推定精度は、各目標C1、C2と各レーダ1、2との相対位置によっては、大きく劣化する可能性がある。
【0007】
すなわち、バイアス誤差推定値10aを算出するための推定アルゴリズム10を実行するためには、複数の目標(たとえば、C1、C2)を空間に配置することが必要となるが、目標の配置に関して、以下の2つの問題が生じる。
(1)各目標と各レーダ1、2との相対配置によってはバイアス誤差推定値10aが発散するおそれがあるが、通常、相対配置を事前に知ることは困難である。
(2)上記相対配置とバイアス誤差推定値10aの推定精度との関係についても、未知である。
【0008】
上記問題(1)、(2)に鑑みて、バイアス誤差推定値が発散せずに、且つ、推定精度の高い目標配置を事前に決定する方法が要求されている。
そこで、たとえば問題(1)の解決策として、バイアス誤差推定値10aの発散可能性が高い目標配置を事前に検出して回避することのできる新規なアルゴリズムが考えられる。
図7は上記新規なアルゴリズムによるバイアス誤差推定処理用の目標位置決定方法を示すフローチャートであり、バイアス誤差推定値の発散が生じる可能性の高い目標配置を事前に回避するための処理ルーチンを示している。
【0009】
図7において、まず、各目標の配置が可能な三次元領域(可能配置領域)を設定し(ステップS1)、三次元ベクトルの集合を算出するために、可能配置領域をグリッド化(マトリクス化)する(ステップS2)。
次に、グリッド化された各目標の配置可能領域の集合から、1ベクトルずつ選出して組合せを生成するとともに、これを繰り返し実行して、全ての目標位置の組合せを生成する(ステップS3)。
また、全ての目標位置の組合せについて、観測行列およびその最小特異値を算出し(ステップS4)、全ての最小特異値の集合から、「0」または「0付近の値」を示す目標位置の組合せを選出し(ステップS5)、図7の処理ルーチンを終了する。
【0010】
以下、図7に示した目標位置決定方法について、数式を参照しながら、さらに具体的に説明する。
図7の処理ルーチンは、全ての目標が任意の静止位置に配置可能であることを前提条件として、各目標の配置位置範囲が与えられた場合に、バイアス誤差推定値の発散可能性が高い配置位置を事前に決定する場合を示している。
まず、ステップS1において、L個の目標l(l=1、2、…、L)に対し、各目標lを配置することのできる三次元位置の空間Ql(l=1、2、…、L)を設定する。たとえば、三次元空間の各軸(x1、y1、z1)の最小値xlmin、ylmin、zlminおよび最大値xlmax、ylmax、zlmaxを、それぞれ以下の式(1)のように与える。
【0011】
【数1】
【0012】
次に、ステップS2において、各目標を配置可能な三次元位置の空間Ql(l=1、2、…、L)をグリッド化し、三次元の位置ベクトルの集合Dl(l=1、2、…、L)を生成する。
たとえば、三次元位置の空間Ql(l=1、2、…、L)に対して、グリッドの間隔Δxl、Δyl、Δzl(l=1、2、…、L)を設定し、三次元空間の各軸(x、y、z)を、以下の式(2)のように分割する。
【0013】
【数2】
【0014】
そして、上記のように分割された各軸x、y、zの一次元の点の集合から1点ずつ選出し、三次元のベクトルを構成するような全ての組合せを生成する。この組合せを、上記の三次元位置ベクトル集合Dl(l=1、…、L)と称する。
次に、ステップS3において、三次元位置ベクトル集合Dl(l=1、2、…、L)から、1つずつ三次元ベクトルを選出し、全ての組合せを生成する。すなわち、1つの組合せは、L個の三次元ベクトルから構成される。ここで、一組の組合せをeと呼び、また、この組合せの集合をEallと呼ぶ。
続いて、ステップS4において、組合せ集合Eallの全ての組合せに対し、まず、観測行列Hを算出する。このとき、観測行列Hの算出式は、各レーダi(i=1、2)から見た目標l(l=1、…、L)の真位置を、以下の式(3)のように、
【数3】
と置くと、以下の式(4)〜(7)のように表される。
【0015】
【数4】
【数5】
【数6】
【数7】
【0016】
そして、組合せ集合Eall内の全ての要素に対して、観測行列Hの最小特異値
【数8】
を算出する。ここで、算出された最小特異値の集合をΛallと呼ぶ。
最後に、ステップS5において、最小特異値集合Λallの中で、集合Λallが「0」の(または、「0」に近い)目標配置が、発散の可能性の高い目標配置であることを示すので、「0」(または、「0に近い」)目標配置を除いた組合せから、目標配置を選択する。これにより、発散の可能性の高い目標配置の組合せを回避することができる。
また、発散の可能性の最も少ない配置を選択するためには、最小特異値が最大値を示す目標位置の組合せを選出する。
すなわち、以下の式(8)を満たすように、組合せemaxを選出する。
【0017】
【数9】
【0018】
この組合せemaxが、最も発散の可能性の少ない目標配置である。
上記のように、図7の目標位置決定方法は、目標を自由に静止配置できる場合には、バイアス誤差推定値の発散が起こる可能性の高い(または、低い)目標配置を事前に調べることにより、最小特異値が最大になる(すなわち、発散の最も起こりにくい)目標配置パターンを事前に生成し、目標位置を事前に決定することができる。
しかしながら、推定精度については依然として不明であり、発散の生じにくい目標配置が、必ずしも推定精度の優れた目標配置と一致するとは限らないので、仮に、発散しない目標配置を選出したとしても、十分な推定精度が得られるとは限らない。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
従来のセンサバイアス誤差推定用の目標位置決定方法は以上のように、新規なアルゴリズムを用いて、センサ設置のバイアス誤差推定値が発散するような目標配置を事前に検出し、発散の生じない目標位置を事前に決定するとともに、飛行中の目標に対してリアルタイムで飛行経路を決定しているが、バイアス誤差推定値の推定精度については未知であることから、推定精度の優れた目標配置(または、目標移動経路)を決定することができないという問題点があった。
【0020】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、バイアス誤差推定値の推定誤差指標値を事前に計算して、推定精度の高い(すなわち、推定誤差が小さい)目標配置を決定することのできるセンサバイアス誤差推定用の目標位置決定方法を得ることを目的とする。
【0021】
また、この発明は、バイアス誤差推定値の推定誤差指標値をリアルタイムに計算して、推定精度の高い(すなわち、推定誤差が小さい)目標配置を決定することにより、飛行中の目標に対しても推定精度の高い移動経路をリアルタイムに決定することのできるセンサバイアス誤差推定用の目標位置決定方法を得ることを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るセンサバイアス誤差推定用の目標位置決定方法は、三次元領域内の目標を検知する複数のセンサの設置誤差をバイアス誤差として推定するために、複数の目標の配置位置を決定する方法であって、複数の目標が配置され得る三次元領域を可能配置領域として指定する配置領域設定ステップと、可能配置領域をグリッド化して得られる三次元位置ベクトルの集合を可能配置領域集合として算出する配置領域グリッド化ステップと、可能配置領域集合から目標毎に1ベクトルずつ選出して組合せを生成するとともに、組合せを繰り返して、全ての組合せを生成する目標位置組合せステップと、全ての組合せについて推定誤差指標値を算出する誤差指標値算出ステップと、推定誤差指標値が最適値を示す目標位置の組合せを、各目標の最適な配置位置の組合せとして決定する目標位置選出ステップとを備え、各目標が配置される前に各目標の配置位置を決定するものである。
【0023】
また、この発明に係るセンサバイアス誤差推定用の目標位置決定方法は、三次元領域内の目標を検知する複数のセンサの設置誤差をバイアス誤差として推定するために、複数の目標の配置位置を決定する方法であって、各目標の現時刻における運動諸元を取り込む運動諸元入力ステップと、運動諸元に基づいて各目標が次の時刻に到達可能な位置領域を可能配置領域として算出する可能配置領域算出ステップと、可能配置領域をグリッド化して得られる三次元位置ベクトルの集合を可能配置領域集合として算出する配置領域グリッド化ステップと、可能配置領域集合から目標毎に1ベクトルずつ選出して組合せを生成するとともに、組合せを繰り返して、全ての組合せを生成する目標位置組合せステップと、全ての組合せについて推定誤差指標値を算出する誤差指標値算出ステップと、推定誤差指標値が最適値を示す目標位置の組合せを、各目標の最適な配置位置の組合せとして決定する目標位置選出ステップと、処理終了条件を満たすか否かを判定する終了判定ステップと、処理終了条件が満たされない場合に、現時刻から次の時刻に更新するとともに、決定された目標位置に目標を移動飛行させる時刻更新および目標移動ステップとを備え、各目標の移動経路を現時刻毎にリアルタイムに決定するものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
図1はこの発明の実施の形態1による処理手順を示すフローチャートであり、センサ設置誤差推定における目標位置決定方法の処理ルーチンを示している。
図1において、ステップS1〜S3は、前述(図7参照)と同様の処理を示している。
【0025】
まず、前述と同様に、各目標の可能配置領域(三次元位置の空間Ql)の設定(ステップS1)、可能配置領域のグリッド化(ステップS2)および目標位置の組合せ(ステップS3)を実行する。
続いて、各バイアス誤差推定値に対する推定誤差指標値を算出し(ステップS11)、各バイアス誤差推定値に対する推定誤差指標値を重み付け統合し(ステップS12)、各推定値に対する推定誤差指標値に対して、最適な推定精度を得るような目標位置の組合せを選出し(ステップS13)、図1の処理ルーチンを終了する。
【0026】
以下、図1に示したこの発明の実施の形態1について、数式を参照しながら、さらに具体的に説明する。
図1に示した目標位置決定方法の場合、全ての目標を自由に静止位置に配置することができ、目標の配置位置範囲が与えられた場合に、事前に静止配置位置を決定することができる。
【0027】
まず、前述と同様に、ステップS1〜S3において、各目標(L個)の配置可能な三次元位置の空間Ql(l=1、2、…、L)をグリッド化し、これらの三次元位置ベクトル集合Dl(l=1、…、L)の組合せ集合Eallを得る。
【0028】
次に、ステップS11において、推定誤差指標値を算出する。すなわち、まず、組合せ集合Eall内の全ての要素に対して観測行列Hおよび行列Rを評価し、M=(HTR‐1H)‐1を計算するとともに、この行列Mの対角要素を算出する。このとき、観測行列Hは、前述の式(3)〜(7)により算出され、行列Rは、式(3)〜(7)に定義された変数を用いて、以下の式(9)〜(12)により算出される。
【0029】
【数10】
【数11】
【数12】
【0030】
上記式(9)〜(12)において、σilR、σilE、σilAzは、2つのセンサi(i=1、2)を用いてL個の目標l(l=1、…、L)を観測する際の、それぞれ、距離、仰角、方位角の観測誤差の分散値である。
式(9)〜(12)を用いて、組合せ集合Eall内の全ての要素に対して行列Mを評価し、この行列Mの対角要素の平方根(σ1、σ2、…、σ5、σ6)を推定誤差指標値とする。
この推定誤差指標値の集合をΣallと称する。すなわち、1つの目標配置の組合せ
【数13】
から、6つの推定誤差指標値(σ1、σ2、…、σ5、σ6)が算出され、これを全ての組合せeについて算出し、推定誤差指標値の集合Σallを作成する。
なお、行列Mの対角要素を用いる代わりに、行列Mの種々のノルムを指標値として用いることもできる。
【0031】
ここで、もし、各センサの観測雑音の分散値が変動する可能性がある場合は、たとえば、各観測諸元の分散値の変動範囲(上限および下限)を設定し、この範囲をある数で段階的に区切り、段階毎の分散値の組合せを用いて推定誤差指標値を算出し、その算出結果を平均した値の集合を推定誤差指標値の集合Σallとすることもできる。
たとえば、レーダが2台の場合、1つの行列Mから、各センサ1、2の距離、仰角、方位角に対し、上記6個(レーダ数が3であれば、9個)の推定誤差指標値が得られる。ここでは、便宜的に、推定誤差指標値が最小値を示す目標位置を最適な配置位置とする場合について説明しているが、実際には、これらの指標値を用いる場合、6つの変数のどれに重きをおくかなどを考慮しながら、「最適」な配置が決定されることになる。
たとえば、6つの推定誤差指標値の中から、たとえばレーダ1の距離について推定誤差指標値が最小な配置を選出しても、他の5つの変数の推定精度が優れているか否か(すなわち、誤差指標値が小さいか否か)は別の問題となる。すなわち、他の5つの推定誤差指標値を確認しながら最終的に配置を決定するので、必ずしも、レーダ1の距離の誤差指標値が最小な配置が選択されるとは限らず、6つの誤差指標値のトレードオフを行いながら、最適な目標配置が決定される。
たとえば、6つの推定誤差指標値のトレードオフを行う方法としては、6つの誤差指標値を重み付け統合する方法があり、この方法によれば、設計者は、6つの図を見ながら配置を行う必要がなく、統合後の1つの図で配置を決定することが可能となり、設計の効率化につながる。
【0032】
図1内のステップS11に続いて、ステップS12のように、各変数の推定誤差指標値を重み付け統合し、重み付け統合された値が最適(たとえば、最小)な目標配置の組合せを決定する。
この場合、重み付け統合後の推定誤差指標値は、たとえば、以下の式(13)、(14)のように算出される。
【0033】
【数14】
【0034】
以下、重み付け統合後の推定誤差指標値の集合Σall_weightedを形成し、この集合の中から、以下の式(15)を満たすような組合せeopt(最適な目標配置)を選出する。
【0035】
【数15】
【0036】
最後に、ステップS13において、推定誤差指標値の集合Σallの中で、推定誤差指標値が最小値を示す目標位置の組合せを選出する。このとき、各変数毎に推定誤差指標値が存在するので、目的に応じてその重要度をユーザが決定し、最適な目標配置eoptを決定する。
【0037】
このように、目標を自由に静止配置できる場合には、事前に推定誤差指標値が最適(たとえば、最小)になる目標配置を高精度に選出することができる。
なお、重み付け統合処理ステップS12は、各目標の配置の組合せに対して複数の推定誤差指標値が得られる場合に、設計の効率化を目的として実行されるが、各目標の配置の組合せに対する推定誤差指標値が単一の場合、または、設計の効率化が要求されない場合には省略してもよい。
【0038】
すなわち、バイアス誤差推定アルゴリズムに必要な目標位置決定方法として、各目標の配置可能領域を設定するステップS1と、各目標の配置可能な三次元領域をグリッド化して三次元位置ベクトル集合Dlを算出するステップS2と、グリッド化された配置領域集合から組合せを生成するステップS3と、全ての組合せについて推定誤差指標値を算出するステップS11と、推定誤差指標値を用いて最適な各目標配置の組合せを決定するステップS13とを設けることにより、ステップS12を実行しなくても、複数の目標配置を事前に決定することができる。
ステップS12を実行しない場合には、ステップS13において、推定誤差指標値の集合Σallを用いて、最適な目標配置が選出される。
【0039】
一方、推定誤差指標値の集合Σallを用いて最適な目標配置の組合せを選択することが難しい場合には、最適な各目標配置の組合せを容易に決定するために、上記各ステップに加えて、各推定誤差指標値を統合するステップとして重み付け統合ステップS12を実行し、複数の目標の配置を事前に決定する。
重み付け統合ステップ12を実行する場合には、ステップS13において、推定誤差指標値の集合Σallからではなく、重み付け統合後の推定誤差指標値の集合Σall_weightの中から、最適な目標位置の組み合わせが求められる。
同様に、推定誤差指標値と最小特異値や地理的情報とを統合する場合(後述する)においても、統合後の値を用いて、最適な目標配置位置が決定される。
【0040】
また、センサの各観測諸元の観測精度が可変である場合には、推定誤差指標値の算出ステップS11において各観測諸元の観測精度の上限および下限を与え、その間を段階的に区切って段階毎の分散値の組合せを用いて推定誤差指標値を算出し、その平均値の集合を推定誤差指標値の集合Σallとして、複数の目標配置を事前に決定する。
さらに、推定誤差指標値として、行列M(=(HTR‐1H)‐1)の対角要素の平方根(σ1、・・・、σ6)を用いたが、他の指標値を用いることもできる。
また、レーダの台数や目標位置決定対象となる目標数は、2個に限らず、必要に応じて任意数だけ設定可能なことは言うまでもない。
【0041】
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1では、推定誤差が最小となる目標位置決定方法を示したが、推定誤差が最小の優れた目標配置であっても、その目標配置がたまたま推定値の発散する配置に近い場合には、推定値が発散したり、推定誤差が劣化してしまう可能性がある。
したがって、このような推定値の発散を回避するために、推定誤差指標値マップと最小特異値マップとを併用することにより、発散を防ぎつつ、推定精度の優れた目標配置を決定してもよい。
【0042】
また、目標が飛行物体(飛行機、ヘリコプタ、気球など)の場合には、地理的制約などによって飛行禁止領域となる場合や、目標どうしの衝突危険領域となる場合、または、その他の条件で目標配置に制約がある場合に、これらの地理的情報を反映させることが望ましい。
そこで、上記地理的情報を推定誤差指標値と統合することにより、さらに安全な位置に目標を配置してもよい。
以下、上記条件に鑑みて、最小特異値マップおよび地理的情報を併用したこの発明の実施の形態2について説明する。
【0043】
図2はこの発明の実施の形態2による処理手順を示すフローチャートであり、ステップS1〜S3およびS11〜S13は、前述(図1参照)と同様の処理を示している。
この場合、前述の重み付け統合処理(ステップS12)に続いて、最小特異値との統合処理(ステップS14)と、地理的情報との統合処理(ステップS15)とが実行される。
【0044】
まず、前述と同様に、ステップS1〜S3、S11において、推定誤差指標値を算出し、必要に応じて、ステップS12において重み付け統合推定誤差指標値を算出する。
【0045】
次に、ステップS14において、最小特異値集合Λallとの統合を行う。
ステップS14における統合処理としては、たとえば第1の方法として、最小特異値が或る値以下の(発散の起こり易い)目標配置の場合を、推定誤差指標値の集合Σallから取り除いてしまう方法が考えられる。または、第2の方法として、最小特異値と推定誤差指標値との重み付け統合を行うことが考えられる。これらの統合方法により、最小特異値が小さい(発散の起こり易い)目標配置が、後述の目標配置選択処理(ステップ13)で選出されないようにする。
【0046】
次に、ステップS15において、地理的情報との統合を行う。
ステップS15における統合処理としては、たとえば第1の方法として、地理的情報により目標配置不可の領域を、推定誤差指標値の集合Σallから取り除いてしまう方法が考えられる。または、第2の方法として、地理的情報と推定誤差指標値との重み付け統合を行うことが考えられる。これらの方法により、たとえば、地理的制約の所定レベルよりも大きい目標配置が、以下の目標配置選択処理(ステップ13)で選出されないようにする。
すなわち、地理的情報に基づく制約が統合され、たとえば地理的制約が大きい目標配置位置を除いた組合せの中から、最適な配置位置の組合せが決定されることになる。
【0047】
最後に、ステップS13において、上記ステップS14およびS15による統合処理後の推定誤差指標値が最適となるような目標配置を選出する。
このように、事前に推定誤差が最適となるような目標配置を選出するときに、推定精度の優れた配置が発散可能性の高い配置の近傍に位置する可能性がある場合でも、最小特異値および推定誤差指標値を統合する(ステップS14)ことにより、発散する配置を除外した上で最適な目標配置を選出する(ステップS13)ことができる。
また、地理的条件(または、運用条件)の情報を統合して(ステップS15)、地理的条件(または、運用条件)などによる目標の配置が望ましくない位置を除外することにより、上記制約を考慮した目標配置の決定が可能となる。
【0048】
すなわち、最適な目標配置を決定する際に、地理的情報(地理的制約による飛行禁止領域、目標どうしの衝突危険領域、その他の目標配置の制約など)がある場合には、これらの地理的情報を反映するために、ステップS15において地理的情報と推定誤差指標値とを統合することにより、安全な位置に複数の目標配置を事前に決定することができる。
【0049】
なお、最小特異値および地理的情報の統合処理を併用したが、いずれか一方のみの統合処理を実行してもよい。
たとえば、最適な目標配置を決定する際に、推定精度が優れている目標配置であっても、その配置が、たまたま推定値の発散する配置に近い場合には、推定値が発散(または、推定誤差が劣化)してしまう可能性があるため、最小特異値との統合ステップ14を実行して、最小特異値マップと推定誤差指標値マップとを併用することにより、発散を防ぎつつ、推定精度の優れた複数の目標配置を事前に決定することができる。
【0050】
実施の形態3.
なお、上記実施の形態2、3では、最適な目標の配置を事前に決定したが、既に目標が飛行している場合には、その飛行経路に基づく目標位置をリアルタイムに決定してもよい。
以下、目標位置をリアルタイムに決定したこの発明の実施の形態3について説明する。
図3はこの発明の実施の形態3による処理動作を示す説明図であり、図4はこの発明の実施の形態3による処理手順を示すフローチャートである。
【0051】
図3においては、2つのレーダ1、2で2つの目標C1、C2を検知する場合を示しており、目標C1、C2の位置する領域は、各時刻tk、tk+1、tk+2において刻々と移動する。
図3において、各目標C1、C2は、直接に、または、各レーダ1、2を介して、相互に情報交換を行い、推定誤差指標値を用いて逐次的に飛行航路を決定する。
また、目標C1、C2毎に、各時刻tk、tk+1、tk+2における到達可能領域の推定誤差指標値マップを形成し、各時刻における推定誤差指標値が最適となる各目標C1、C2の位置が選択されて決定される。
【0052】
図4において、ステップS11〜S15は、前述(図2参照)と同様の処理であり、ステップS22およびS23は、それぞれ、各ステップS2およびS3に対応している。
この場合、前述のステップS1に代えて、各目標の現時刻における運動諸元の入力処理(ステップS16)と、各目標が次時刻に到達可能な位置領域(可能配置領域)の算出処理(ステップS17)とが実行される。
また、目標位置選出ステップS13に続いて、図4の処理終了条件を満たすか否かの判定処理(ステップS18)が実行され、終了条件を満たさない場合には、現時刻tkから次の時刻tk+1への更新処理ならびに決定された目標位置への目標の移動飛行処理(ステップS19)が実行された後に、運動諸元入力ステップS16に戻る。
【0053】
まず、ステップS16において、各目標の現時刻tkにおける位置、速度および加速度などの運動諸元を取得する。
続いて、ステップS17において、各目標の運動能力を考慮して、各目標が次の時刻tk+1に到達でき得る位置領域(可能配置領域)を算出する。
たとえば、運動能力情報として、各目標の各軸(xyz)方向に対する最小加速度axlmin、aylmin、azlminおよび最大加速度axlmax、aylmax、azlmaxが与えられたとすると、これらを各軸についてグリッド間隔Δaxl、Δayl、Δazl、(l=1、…、L)を設定し、以下の式(16)のように分割する。
【0054】
【数16】
【0055】
また、分割された各軸の点の集合から1点ずつ選出することにより、全ての組合せを作成し、三次元加速度ベクトルの集合を生成する。この三次元加速度ベクトルの集合をAGl(l=1、…、L)と称する。
以下、三次元加速度ベクトル集合AGl内の各加速度ベクトルalを用いて、目標lの次の時刻tk+1にとり得る位置の集合を算出することができる。
たとえば、目標lが次の時刻tk+1にとり得る位置は、三次元加速度ベクトル集合AGlの各加速度ベクトルalに対する運動方程式を用いて、以下の式(17)のように表される。
【0056】
【数17】
【0057】
ただし、式(17)において、dl,k+1、dl,kは、それぞれ、時刻tk+1およびtkにおける目標lの位置ベクトルであり、vl,kは、時刻tkにおける目標lの速度ベクトルである。
式(17)により求められる運動諸元(目標位置)を、全ての三次元加速度ベクトル集合AGl内の要素について算出し、次の時刻tk+1にとり得る三次元位置ベクトルの集合Dl(l=1、…、L)を算出する。ここで、三次元位置ベクトル集合Dl(l=1、…、L)は、「三次元位置の空間」とも称される。
【0058】
次に、前述と同様に、ステップS22およびS23において、三次元位置ベクトル集合Dl(l=1、…、L)を用いて、位置ベクトルの組合せ集合Eallを定義するとともに、ステップS11、S12、S14、S15およびS13において、統合された推定誤差指標値が最小となるような各目標の位置を選出する。
【0059】
最後に、ステップS18において、図4の処理ルーチンの終了条件を満たすか否かを、たとえば、与えられた時刻Tendと元の時刻tkとを比較して、tk>Tend(時刻tkが時刻Tendを経過)の関係を満たすか否かにより、判定する。
ステップS18において、tk>Tend(すなわち、yes)と判定されれば、図4の処理ルーチンを終了し、tk≦Tend(すなわち、no)と判定されれば、ステップS19において、時刻が更新されるとともに、得られた位置への目標の移動が行われ、再びステップS16に戻り、同様の処理を繰り返す。
【0060】
なお、上記方法は、たとえば、多数の目標のうちの数個のみの移動経路を決定する場合も有効である。また、上記方法によれば、目標の移動経路を各時刻tkの運動諸元に基づいて決定し、次の時刻tk+1での目標の飛行経路を決定することができるうえ、各目標の位置や速度などの初期運動諸元のみを与えることにより、飛行計画を立てることができる。
このように、目標が自由に移動できる場合、推定誤差指標値が最適(たとえば、最小)となるような移動経路をリアルタイムに生成することができる。
【0061】
すなわち、上記各ステップS22、S23、S11〜S15に加え、各目標の現時刻における運動諸元の入力ステップS16と、各目標が次時刻に到達可能な位置領域の算出ステップS17と、処理を終了するか否かを判定するステップS18と、時刻の更新および目標位置への目標移動飛行ステップS19とを設けることにより、複数の目標移動経路(飛行経路)をリアルタイムに決定することができる。
なお、上記実施の形態3においても、重み付け統合ステップS12、最小特異値統合ステップS14、または、地理的情報統合ステップS15は、それぞれ、必要に応じて実行されるが、省略することもできる。
【0062】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、三次元領域内の目標を検知する複数のセンサの設置誤差をバイアス誤差として推定するために、複数の目標の配置位置を決定する方法であって、複数の目標が配置され得る三次元領域を可能配置領域として指定する配置領域設定ステップと、可能配置領域をグリッド化して得られる三次元位置ベクトルの集合を可能配置領域集合として算出する配置領域グリッド化ステップと、可能配置領域集合から目標毎に1ベクトルずつ選出して組合せを生成するとともに、組合せを繰り返して、全ての組合せを生成する目標位置組合せステップと、全ての組合せについて推定誤差指標値を算出する誤差指標値算出ステップと、推定誤差指標値が最適値を示す目標位置の組合せを、各目標の最適な配置位置の組合せとして決定する目標位置選出ステップとを備え、各目標が配置される前に各目標の配置位置を決定するようにしたので、推定精度の高い目標配置を事前に決定することのできるセンサバイアス誤差推定用の目標位置決定方法が得られる効果がある。
【0063】
また、この発明によれば、三次元領域内の目標を検知する複数のセンサの設置誤差をバイアス誤差として推定するために、複数の目標の配置位置を決定する方法であって、各目標の現時刻における運動諸元を取り込む運動諸元入力ステップと、運動諸元に基づいて各目標が次の時刻に到達可能な位置領域を可能配置領域として算出する可能配置領域算出ステップと、可能配置領域をグリッド化して得られる三次元位置ベクトルの集合を可能配置領域集合として算出する配置領域グリッド化ステップと、可能配置領域集合から目標毎に1ベクトルずつ選出して組合せを生成するとともに、組合せを繰り返して、全ての組合せを生成する目標位置組合せステップと、全ての組合せについて推定誤差指標値を算出する誤差指標値算出ステップと、推定誤差指標値が最適値を示す目標位置の組合せを、各目標の最適な配置位置の組合せとして決定する目標位置選出ステップと、処理終了条件を満たすか否かを判定する終了判定ステップと、処理終了条件が満たされない場合に、現時刻から次の時刻に更新するとともに、決定された目標位置に目標を移動飛行させる時刻更新および目標移動ステップとを備え、各目標の移動経路を現時刻毎にリアルタイムに決定するようにしたので、推定精度の高い目標配置を決定して、飛行中の目標に対しても推定精度が高くなる移動経路をリアルタイムに決定することのできるセンサバイアス誤差推定用の目標位置決定方法が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1を示すフローチャートである。
【図2】この発明の実施の形態2を示すフローチャートである。
【図3】この発明の実施の形態3における時刻毎の目標位置を示す説明図である。
【図4】この発明の実施の形態3を示すフローチャートである。
【図5】従来のセンサバイアス誤差推定用の目標位置決定方法に基づくセンサ設置誤差補正処理を示す説明図である。
【図6】従来のセンサバイアス誤差推定アルゴリズムを示す説明図である。
【図7】従来のセンサバイアス誤差推定用の目標位置決定方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1、2 レーダ(センサ)、C1、C2 目標、S1 配置領域設定ステップ、S2、S22 配置領域グリッド化ステップ、S3、S23 目標位置組合せステップ、S11 誤差指標値算出ステップ、S12 重み付け統合ステップ、S13 目標位置選出ステップ、S14 最小特異値統合ステップ、S15 地理的情報統合ステップ、S16 運動諸元入力ステップと、S17 可能配置領域算出ステップ、S18 終了判定ステップ、S19 時刻更新および目標移動ステップ。
Claims (9)
- 三次元領域内の目標を検知する複数のセンサの設置誤差をバイアス誤差として推定するために、複数の目標の配置位置を決定する方法であって、
前記複数の目標が配置され得る三次元領域を可能配置領域として指定する配置領域設定ステップと、
前記可能配置領域をグリッド化して得られる三次元位置ベクトルの集合を可能配置領域集合として算出する配置領域グリッド化ステップと、
前記可能配置領域集合から前記目標毎に1ベクトルずつ選出して組合せを生成するとともに、前記組合せを繰り返して、全ての組合せを生成する目標位置組合せステップと、
前記全ての組合せについて推定誤差指標値を算出する誤差指標値算出ステップと、
前記推定誤差指標値が最適値を示す目標位置の組合せを、前記各目標の最適な配置位置の組合せとして決定する目標位置選出ステップとを備え、
前記各目標が配置される前に前記各目標の配置位置を決定することを特徴とするセンサバイアス誤差推定用の目標位置決定方法。 - 三次元領域内の目標を検知する複数のセンサの設置誤差をバイアス誤差として推定するために、複数の目標の配置位置を決定する方法であって、
前記各目標の現時刻における運動諸元を取り込む運動諸元入力ステップと、
前記運動諸元に基づいて前記各目標が次の時刻に到達可能な位置領域を可能配置領域として算出する可能配置領域算出ステップと、
前記可能配置領域をグリッド化して得られる三次元位置ベクトルの集合を可能配置領域集合として算出する配置領域グリッド化ステップと、
前記可能配置領域集合から前記目標毎に1ベクトルずつ選出して組合せを生成するとともに、前記組合せを繰り返して、全ての組合せを生成する目標位置組合せステップと、
前記全ての組合せについて推定誤差指標値を算出する誤差指標値算出ステップと、
前記推定誤差指標値が最適値を示す目標位置の組合せを、前記各目標の最適な配置位置の組合せとして決定する目標位置選出ステップと、
処理終了条件を満たすか否かを判定する終了判定ステップと、
前記処理終了条件が満たされない場合に、前記現時刻から次の時刻に更新するとともに、決定された目標位置に目標を移動飛行させる時刻更新および目標移動ステップとを備え、
前記各目標の移動経路を前記現時刻毎にリアルタイムに決定することを特徴とするセンサバイアス誤差推定用の目標位置決定方法。 - 前記誤差指標値算出ステップは、
前記可能配置領域集合から選出された全ての組合せ要素に対して、観測行列Hおよび行列Rを評価して、以下の式、
M=(HTR‐1H)‐1
により行列Mを計算するとともに前記行列Mの対角要素を算出し、前記行列Mの対角要素の平方根を前記推定誤差指標値として算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のセンサバイアス誤差推定用の目標位置決定方法。 - 前記各目標の配置位置の組合せに対する推定誤差指標値として複数の値が得られた場合に、前記各推定誤差指標値を重み付け統合する重み付け統合ステップを備え、
前記目標位置選出ステップは、重み付け統合処理後の推定誤差指標値に基づいて、前記最適な配置位置の組合せを決定することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のセンサバイアス誤差推定用の目標位置決定方法。 - 推定誤差指標値算出ステップは、平均値算出ステップを含み、
前記平均値算出ステップは、
前記センサによる前記目標の各観測諸元の観測精度が可変である場合に、前記各観測諸元の観測精度の分散値変動範囲を与えて、前記分散値変動範囲を段階的に区切り、
段階毎の分散値の組合せを用いて推定誤差指標値を算出するとともに、前記段階毎の推定誤差指標値の平均値の集合を前記推定誤差指標値の集合として算出することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のセンサバイアス誤差推定用の目標位置決定方法。 - 前記可能配置領域集合から選出された全ての組合せ要素に対して、観測行列Hおよび前記観測行列Hの最小特異値を算出するとともに、前記最小特異値の集合マップと推定誤差指標値の集合マップとを統合する最小特異値統合ステップを備え、
前記目標位置選出ステップは、前記最小特異値が0に近い目標配置位置を除いた組合せの中から、前記各目標の最適な配置位置の組合せを決定することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のセンサバイアス誤差推定用の目標位置決定方法。 - 前記目標の配置位置に対して地理的制約を含む地理的情報が存在する場合に、前記地理的情報と前記推定誤差指標値と統合して、前記地理的情報を前記推定誤差指標値に反映させるための地理的情報統合ステップを備え、
前記目標位置選出ステップは、前記地理的制約を統合した組合せの中から、前記最適な配置位置の組合せを決定することを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のセンサバイアス誤差推定用の目標位置決定方法。 - 前記目標位置選出ステップは、前記地理的制約が所定レベルよりも大きい目標配置位置を除いた組合せの中から、前記最適な配置位置の組合せを決定することを特徴とする請求項7に記載のセンサバイアス誤差推定用の目標位置決定方法。
- 前記目標位置選出ステップは、前記推定誤差指標値が最小値を示す目標位置の組合せを、前記各目標の最適な配置位置の組合せとして決定することを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のセンサバイアス誤差推定用の目標位置決定方法。
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