JP2004110480A - コンテンツの輸出管理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】ネットワークを介したコンテンツの輸出行為を適切に管理し、外為法等に基づく輸出規制を実現することが可能なシステムを提供する。
【解決手段】利用者端末110からコンテンツ提供サーバ120に対してダウンロード要求がされた場合に、利用者の国籍及び利用者端末の所在国に応じてダウンロードの可否を判定し、コンテンツ提供サーバ120に対しダウンロード可否情報を送信する輸出管理サーバ130を備えている。輸出管理サーバ130は、利用者端末110を使用する利用者の国籍情報を管理する認証局サーバ140と、IPアドレスに関する登録情報を管理するIPアドレス管理サーバ150とに対し、ネットワークを介して接続されている。
【選択図】 図1
【解決手段】利用者端末110からコンテンツ提供サーバ120に対してダウンロード要求がされた場合に、利用者の国籍及び利用者端末の所在国に応じてダウンロードの可否を判定し、コンテンツ提供サーバ120に対しダウンロード可否情報を送信する輸出管理サーバ130を備えている。輸出管理サーバ130は、利用者端末110を使用する利用者の国籍情報を管理する認証局サーバ140と、IPアドレスに関する登録情報を管理するIPアドレス管理サーバ150とに対し、ネットワークを介して接続されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インターネット等のネットワークを介したコンテンツのダウンロードを管理するシステムであって、特に、不正輸出に相当する行為を防止するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、輸出行為の規制に関しては、国際協定「ワッセナー・アレンジメント」に準拠する「外国為替および外国貿易管理法」及びこれに関連する政令,省令,通達(以下、「外為法等」とする。)が存在し、これらに定められた輸出規制対象にはソフトウェア、技術情報などのコンテンツも含まれる。
この場合、コンテンツについては、インターネット等のネットワークを介したダウンロードによる輸出行為が可能であるため、輸出行為として行われるコンテンツのダウンロードを管理するシステムが必要となる。
【003】
従来、コンテンツの輸出管理システムとして、コンテンツのダウンロードを行う端末のIPアドレス又はURLから輸入者の所在国を識別し、当該識別結果に基づきコンテンツのダウンロード行為の可否判定を行う電子税関を備えたものが公知となっている(例えば、特許文献1参照。)。
【004】
特開平11−328257号公報(第4―5頁、図1−6)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記特許文献1のシステムは、ネットワークを介したコンテンツの輸出を正当な手続により行う手段を設けることを目的とするものであり、コンテンツの不正輸出を確実に規制することはできなかった。
例えば、日本においてIPアドレスを取得した携帯端末を輸出禁止国に持出し、当該輸出禁止国で前記携帯端末を用いてコンテンツのダウンロードを行う場合、端末のIPアドレス等から識別される所在国は日本であるためダウンロードが可能となってしまうという問題があった。また、外為法等では日本国内において輸出規制国の国籍を有する者に対しコンテンツを提供する行為も問題となるが、前記特許文献1のシステムでは端末の所在国によりダウンロードの可否を決定するため、前記のような日本国内におけるダウンロードは規制することができなかった。
【0006】
本発明は前記課題を解決するためのものであり、ネットワークを介したコンテンツの輸出行為を適切に管理し、外為法等に基づく輸出規制を実現することが可能なシステムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため本発明は、ネットワークを介して接続された利用者端末からのダウンロード要求に応じて、輸出規制対象となるコンテンツについてのダウンロード管理を行う輸出管理サーバを備えたコンテンツの輸出管理システムであって、前記輸出管理サーバは、予め前記コンテンツの識別情報及び各コンテンツについての輸出禁止国の国名を格納した輸出禁止国情報格納手段と、利用者端末を操作する利用者に関する国籍証明情報を取得して当該国籍証明情報に基づき利用者の国籍を特定する国籍特定手段と、前記利用者端末への経路探索により経由サーバのアドレス情報を取得し、当該アドレス情報から特定される経由サーバの所在国を前記利用者端末の所在国として特定する所在国特定手段と、前記利用者端末によりダウンロードを要求されているコンテンツについての輸出禁止国の国名を前記輸出禁止国情報格納手段から取得して、前記各特定手段により特定された利用者の国籍及び利用者端末の所在国のいずれかが、前記利用者端末によりダウンロードを要求されているコンテンツについての輸出禁止国に該当するか否かを判定し、当該判定結果に応じて前記コンテンツのダウンロードの可否を決定するダウンロード可否判定手段とを備えることを特徴とする。
また、予め登録された各利用者の識別情報と、各利用者について認定された国籍とを含む国籍情報を格納した国籍情報格納手段を有し、前記利用者端末から送信された国籍証明情報送信要求を受信して、当該国籍証明情報送信要求に含まれる識別情報に基づき利用者認証処理を行い、当該認証処理の結果に応じて前記国籍情報格納手段に格納された国籍情報に基づき国籍証明情報を生成する国籍情報管理手段をさらに備えることを特徴とする。
また、前記輸出管理サーバが取得した前記経由サーバのアドレス情報に基づき、各国で公開されているアドレス情報に対応する登録情報から前記経由サーバの所在国を特定するアドレス情報管理手段をさらに備えることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づき説明する。
図1は、本実施の形態に係るコンテンツの輸出管理システムの概略構成を示すブロック図である。
この図に示すように、本実施の形態に係る輸出管理システムは、利用者端末110からコンテンツ提供サーバ120に対してダウンロード要求がされた場合に、コンテンツ提供サーバ120からのダウンロード可否判定要求に応じてダウンロードの可否を判定し、コンテンツ提供サーバ120に対しダウンロード可否情報を送信する輸出管理サーバ130を備えている。
輸出管理サーバ130は、ダウンロード可否の判定に際し、利用者端末110に対し国籍証明取得要求を送信するとともに、トレースルートをかけて経由サーバのIPアドレスを取得する。
輸出管理サーバ130は、利用者端末110を使用する利用者の国籍情報を管理する認証局サーバ140と、IPアドレスに関する登録情報を管理する複数のIPアドレス管理サーバ150とに対し、ネットワークを介して接続されており、各サーバから取得した利用者の国籍証明情報及び利用者端末の所在国情報に基づきダウンロードの可否を判定する。
輸出管理サーバ130は、輸出規制対象となるソフトウエア,技術情報等の各コンテンツ毎に輸出禁止国の国名を格納した輸出禁止国リスト131を備えている。
認証局サーバ140は、各利用者端末110による申請に基づき国籍の審査等を行い、当該審査結果に基づき国籍等の情報を管理する認証局に備えられ、前記国籍を含む国籍情報を格納する国籍情報データベース141を備えている。
IPアドレス管理サーバ150は、各国のNIC(Network Information Center)毎に設けられており、各国のNICが公開するIPアドレスの登録情報を管理する。
【0009】
図2は、輸出管理サーバ130の概略構成を示すブロック図である。
輸出管理サーバ130は、輸出禁止情報登録処理部210と国籍判定処理部220と所在国判定処理部230との各処理部を備えている。
輸出禁止情報登録処理部210は、コンテンツ提供者から申請された輸出規制対象としてのコンテンツを一意に識別するコンテンツIDを生成するとともに、前記コンテンツの輸出を禁止する国名をコンテンツIDに対応付けて輸出禁止国リスト131に登録する。輸出禁止情報登録処理部210による登録は、予めコンテンツ提供サーバ120から輸出管理を行うコンテンツの名前と当該コンテンツの輸出禁止国,その他輸出管理に関する情報を含む登録申請情報を受信することにより行う。なお、コンテンツ提供者から所定の申請書の提出を受け付け、輸出管理サーバ130の管理者が各情報を入力することにより行うこととしてもよい。
国籍判定処理部220は、認証局サーバ140から国籍証明書を受信し、当該国籍証明書に示される国名と輸出禁止国リスト131の国名とを照合して、利用者の国籍に基づくダウンロードの可否判定処理を行う。
所在国判定処理部230は、利用者端末110に対しトレースルートをかけ、トレースルートの結果から利用者端末110が最初に経由する経由サーバのIPアドレスを含む経由サーバ情報を取得する。取得したIPアドレスに基づきIPアドレス管理サーバ150から所在国情報を受信し、当該所在国情報に示される国名と輸出禁止国リスト131の国名とを照合して、経由サーバの所在国に基づくダウンロードの可否判定処理を行う。この場合、経由サーバの所在国を利用者端末の所在国と同視して、ダウンロードの可否判定処理を行う。
【0010】
図3は、輸出管理サーバ130に備えられた輸出禁止国リスト131のデータ構造の一例を示す図である。輸出禁止国リスト131はダウンロードサービスの利用者の国籍や現在の所在国が、各コンテンツの輸出禁止国に該当しないかを照合するためのテーブルである。
輸出禁止国リスト131は、輸出禁止情報登録処理部210が生成したコンテンツID301と、各コンテンツについての輸出禁止国を示す輸出禁止国名302との情報を有している。輸出管理サーバ130の各判定処理部220及び230は、国籍情報又は所在国情報に含まれる国名が輸出禁止国名302に示された国名に該当するか否かにより、各コンテンツのダウンロード可否判定を行う。
【0011】
図4は、認証局サーバ140の概略構成を示すブロック図である。
認証局サーバ140は、国籍情報登録処理部410と国籍証明書発行処理部430とを備えている。
国籍情報登録処理部410は、本システムを利用する各利用者からの国籍情報登録申請に基づき、予め国籍情報データベース141に国籍情報の登録を行うとともに、利用者認証処理に用いる利用者認証情報として公開鍵等の生成,発行を行う。認証局では、国籍情報登録申請において各利用者により示された国から、各国の法律を参照して対象国における連結点を探し、見つかった連結点に応じて各利用者の国籍の認定がされ、国籍情報登録処理部410は当該認定に基づく国籍情報の登録を行う。日本人の場合には、利用者により提示されたパスポート,免許証,住民票等の国籍が明示された、官公庁から本人証明を明示する証拠書類を提出させることにより国籍を認定し、国籍情報の登録を行う。
また、国籍情報登録処理部410は、利用者端末110からの国籍証明書送信要求を受信した場合に利用者認証処理を行い、当該認証処理の結果に応じて国籍情報DB141の登録内容に基づき国籍証明情報を生成する。
国籍証明書発行処理部420は、国籍情報登録処理部410の生成した国籍証明情報に対し、電子署名した国籍証明書を生成し、輸出管理サーバ130に送信する。
【0012】
図5は、認証局サーバ140に備えられた国籍情報データベース141のデータ構造の一例を示す図である。
国籍情報データベース141は、各利用者を一意に識別するための利用者ID501と、利用者に対して認証局が認定した国籍を示す証明国名502とを含む種々の情報が格納されている。また、図示は省略しているが、利用者認証処理に用いられる秘密鍵等の利用者認証情報が格納されている。
認証局サーバ140の国籍証明情報登録処理部410は、利用者端末110からの国籍証明書送信要求に応じて、証明国名502を含む国籍証明情報を生成する。
【0013】
以上の構成により、コンテンツの輸出管理を行う方法について説明する。
まず、コンテンツ提供サーバ120にアクセスした利用者端末110にダウンロード画面を表示する。
図6は、利用者端末110に表示するダウンロード画面の一例を示す図である。
ダウンロード画面600には、コンテンツ提供サーバ120の提供するコンテンツ名が表示されている。ダウンロード画面600上のコンテンツ名を示すHTML文610には、「Http://xxxxxx.co.jp/aaa.cgi」と、各コンテンツに対応するコンテンツIDを示す「ContentsID=C0002」が記述されている。ここで、「Http://xxxxxx.co.jp/aaa.cgi」は、輸出管理サーバ130が管理するCGI(Common Gateway Interface)を示しており、利用者によりコンテンツが選択された場合には、輸出管理サーバ130のCGIにコンテンツIDが渡され、輸出管理サーバ130はダウンロード可否判定処理を行う。
【0014】
図7は、輸出管理サーバ130のCGIを構成する国籍判定処理部220及び所在国判定処理部230が行うダウンロード可否判定処理の概略を示すフローチャートである。
輸出管理サーバ130は、利用者により選択されたコンテンツのコンテンツIDをコンテンツ提供サーバ120から受信すると(ステップ701)、国籍判定処理部220は後述する国籍判定処理を行う(ステップ702)。
国籍判定処理の結果、ダウンロード許可と判定された場合(ステップ703)、輸出管理サーバ130の所在国判定処理部230は後述する所在国判定処理を行う(ステップ704)。
所在国判定処理の結果、ダウンロード許可と判定された場合(ステップ705)、ダウンロード可否情報として許可情報をコンテンツ提供サーバ120に送信する(ステップ706)。
一方、国籍確認処理(ステップ702)又は所在国確認処理(ステップ704)によりダウンロード不可と判定された場合(ステップ703,705)、ダウンロード可否情報として不可情報をコンテンツ提供サーバ120に送信する(ステップ707)。
コンテンツ提供サーバ120は、輸出管理サーバ130から受信したダウンロード可否情報の内容に応じて利用者端末110に対するコンテンツのダウンロード又はダウンロード不可メッセージの送信を行う。
【0015】
図8は、図7のステップ702で輸出管理サーバ130の国籍判定処理部220が行う国籍確認処理の詳細を示すフローチャートである。
輸出管理サーバ130は利用者端末110に対し国籍証明取得要求を送信する(ステップ801)。国籍証明取得要求を受信した利用者端末110は、認証局サーバ140に対し国籍証明送信要求を送信する(ステップ802)。
国籍証明送信要求を受信した認証局サーバ140の国籍証明情報登録処理部410は、公開鍵方式による利用者認証処理を行い(ステップ803)、認証された場合には(ステップ804)当該利用者についての国籍証明情報を生成する(ステップ805)。国籍証明書発行処理部420は、国籍証明情報に対し電子署名をして国籍証明書を生成し(ステップ806)、輸出管理サーバ130に対して送信する。一方、利用者認証処理において認証されなかった場合には(ステップ804)、エラーメッセージを生成して(ステップ807)送信する。ここで、公開鍵方式による利用者認証処理には、RSA認証等の公知の方法を用いる。
輸出管理サーバ130は、国籍証明書を受信した場合(ステップ808)、国籍証明書の内容を確認して利用者の国籍を特定するとともに(ステップ809)、コンテンツIDに基づき輸出禁止国リストから輸出禁止国名を抽出し、当該輸出禁止国名との照合処理を行う(ステップ810)。
一方、認証局サーバ140からエラーメッセージを受信した場合には(ステップ808)、国籍照合が不可能であるため、そのまま国籍確認処理を終了する。
輸出管理サーバ130は、国籍照合の結果、利用者の国籍が輸出禁止国のものでない場合には所在国確認処理を行う(図7のステップ704〜705参照)。一方、利用者の国籍が輸出禁止国のものである場合、又は、エラーメッセージを受信したため国籍照合処理が行えなかった場合には、不可情報を生成してコンテンツ提供サーバ120に送信する(図7のステップ702,703,707参照)。
【0016】
図9は、輸出管理サーバ130の国籍判定処理部220が行う国籍照合の例を示す図である。
図9(a)に示すように、利用者がダウンロードを希望するコンテンツのコンテンツID901が「C0002」,国籍証明情報に示された利用者の国籍902が「J国」の場合、輸出禁止国リストに131該当するレコードが無いため、ダウンロード適格有りと判定して、以降の処理を行う(図7のステップ703参照)。
図9(b)に示すように、コンテンツID903が「C0002」,利用者の国籍904が「A国」の場合、輸出禁止国リスト131に該当するレコードが有るため、ダウンロード適格無しと判定して、不可情報を生成する(図7のステップ703,707参照。)。
図9(c)に示すように、認証局サーバ140からエラーメッセージを受信したためコンテンツID905に対し利用者の国籍906が「不明」の場合には、照合処理が不可能であるため、ダウンロード適格無しと判定して不可情報を生成する(図7のステップ703,707参照。)。
【0017】
図10は、図7のステップ704で輸出管理サーバ120の所在国判定処理部230が行う所在国確認処理の詳細を示すフローチャートである。
輸出管理サーバ130は利用者端末110に対してトレースルートをかけ、トレースルートの結果から利用者端末110が最初に経由する経由サーバの情報としてIPアドレスを取得する(ステップ1001)。
取得したIPアドレスに基づきIPアドレス管理サーバ150に対し前記経由サーバの所在国情報確認要求を送信する(ステップ1002)。
各国のIPアドレス管理サーバ150は、輸出管理サーバ130から受信したIPアドレスに関してNICにより公開されている情報を確認し(ステップ1003)、公開されているIPアドレスと一致する場合には経由サーバの所在国を示す所在国情報を生成して輸出管理サーバ130に送信する(ステップ1005)。一方、公開情報と一致しない場合には、経由サーバの所在国が不明である旨のメッセージを生成して輸出管理サーバ130に送信する(ステップ1006)。ここで、公開情報と一致しない場合とは、IPアドレス管理サーバ130が備えられたNICに登録されていないIPアドレス(即ち、他の国のNICに登録されているIPアドレス)であるか、又は、IPアドレスに関する情報が公開されていないかのいずれかの場合である。
輸出管理サーバ130は、いずれかのIPアドレス管理サーバ150から所在国情報を受信した場合(ステップ1007)、所在国情報に含まれる経由サーバの所在国と、コンテンツIDに基づき輸出禁止国リストから抽出した輸出禁止国名との照合処理を行う(ステップ1008)。
一方、全てのIPアドレス管理サーバ150から不明メッセージを受信した場合(ステップ1007)、所在国との照合が不可能であるため、そのまま処理を終了する。
【0018】
所在国の照合についても図9の例と同様に、輸出禁止国リスト131に該当するレコードが無い場合はダウンロード適格有り、該当するレコードがあるか、所在国が不明の場合にはダウンロード適格無しと判定する。
各照合処理においてダウンロード適格有りと判定した場合には、許可情報をコンテンツ提供サーバ120に送信し、いずれかの照合処理においてダウンロード適格無しと判定した場合には、不可情報を送信する。
【0019】
コンテンツ提供サーバ120は許可情報を受信した場合、利用者端末110に対してコンテンツのダウンロードを行い、ダウンロード不可情報を受信した場合、利用者端末110に対して「本コンテンツのダウンロードは輸出管理関連法規により禁止されています。」等のダウンロード不可メッセージを表示する。
【0020】
以上のように、本実施の形態に係るコンテンツの輸出管理システムでは、コンテンツのダウンロードを要求する利用者の国籍及び利用者端末の所在国に基づきダウンロードの可否判定を行う輸出管理サーバを備えたので、外為法等により輸出規制対象となるコンテンツについて、不正輸出に相当するダウンロード行為を確実に防止することができる。
また、利用者の国籍情報を管理する認証局サーバを備え、公開鍵方式等による利用者認証処理の結果に応じて国籍証明書を生成することとしたので、国籍情報の偽装等を防止することができる。
また、トレースルートの結果取得した経由サーバのIPアドレスに基づく当該経由サーバの所在国を利用者端末の所在国として認定し、ダウンロード可否の判定を行うこととしたので、日本等で登録した携帯端末を利用して輸出禁止国でダウンロードを行う場合にも、不正輸出に相当するダウンロード行為を防止することができる。
また、IPアドレス管理サーバは各国のNICにより公開されたIPアドレスに関する登録情報に利用するため、経由サーバの所在国を正確に特定することができる。
【0021】
なお、前記実施の形態では、コンテンツ提供サーバ120,輸出管理サーバ130,認証局サーバ140,IPアドレス管理サーバ150のそれぞれを分けて構成しているが、これに限られるものではなく複数のサーバの機能を備えたサーバにより構成することとしてもよい。
また、輸出管理サーバ130において、国籍又は所在国の特定を行う処理部とダウンロード可否の判定を行う処理部とを分けて構成してもよい。
また、国籍確認処理に基づくダウンロード可否の判定処理と所在国確認処理に基づくダウンロード可否の判定処理の順序は逆としてもよい。
また、国籍証明情報生成の際に行う認証処理方法については、公開鍵方式以外の方法を用いてもよい。
【0022】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、コンテンツのダウンロードを要求する利用者の国籍及び利用者端末の所在国に基づきダウンロードの可否判定を行う輸出管理サーバを備えたので、外為法等により輸出規制対象となるコンテンツについて、不正輸出に相当するダウンロード行為を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る輸出管理システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】輸出管理システムを構成する輸出管理サーバの概略構成を示すブロック図である。
【図3】輸出禁止国リストのデータ構造の一例を示す図である。
【図4】輸出管理システムを構成する認証局サーバの概略構成を示すブロック図である。
【図5】国籍情報データベースのデータ構造の一例を示す図である。
【図6】ダウンロード画面の一例を示す図である。
【図7】輸出管理方法の概要を示すフローチャートである。
【図8】輸出管理方法における国籍確認処理を示すフローチャートである。
【図9】ダウンロード適格の判定処理を説明する図である。
【図10】輸出管理方法における所在国確認処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
110 利用者端末、120 コンテンツ提供サーバ、130 輸出管理サーバ、131 輸出禁止国リスト、140 認証局サーバ、141 国籍情報データベース、150 IPアドレス管理サーバ、210 輸出禁止情報登録処理部、220 国籍判定処理部、230 所在国判定処理部、301 コンテンツID、302 輸出禁止国名、410 国籍証明情報登録処理部、420 国籍証明書発行処理部。501 利用者ID、502 証明国名、600 ダウンロード要求画面、 610 HTML文、901,903,905 コンテンツID、902,904,906 国籍。
【発明の属する技術分野】
本発明は、インターネット等のネットワークを介したコンテンツのダウンロードを管理するシステムであって、特に、不正輸出に相当する行為を防止するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、輸出行為の規制に関しては、国際協定「ワッセナー・アレンジメント」に準拠する「外国為替および外国貿易管理法」及びこれに関連する政令,省令,通達(以下、「外為法等」とする。)が存在し、これらに定められた輸出規制対象にはソフトウェア、技術情報などのコンテンツも含まれる。
この場合、コンテンツについては、インターネット等のネットワークを介したダウンロードによる輸出行為が可能であるため、輸出行為として行われるコンテンツのダウンロードを管理するシステムが必要となる。
【003】
従来、コンテンツの輸出管理システムとして、コンテンツのダウンロードを行う端末のIPアドレス又はURLから輸入者の所在国を識別し、当該識別結果に基づきコンテンツのダウンロード行為の可否判定を行う電子税関を備えたものが公知となっている(例えば、特許文献1参照。)。
【004】
特開平11−328257号公報(第4―5頁、図1−6)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記特許文献1のシステムは、ネットワークを介したコンテンツの輸出を正当な手続により行う手段を設けることを目的とするものであり、コンテンツの不正輸出を確実に規制することはできなかった。
例えば、日本においてIPアドレスを取得した携帯端末を輸出禁止国に持出し、当該輸出禁止国で前記携帯端末を用いてコンテンツのダウンロードを行う場合、端末のIPアドレス等から識別される所在国は日本であるためダウンロードが可能となってしまうという問題があった。また、外為法等では日本国内において輸出規制国の国籍を有する者に対しコンテンツを提供する行為も問題となるが、前記特許文献1のシステムでは端末の所在国によりダウンロードの可否を決定するため、前記のような日本国内におけるダウンロードは規制することができなかった。
【0006】
本発明は前記課題を解決するためのものであり、ネットワークを介したコンテンツの輸出行為を適切に管理し、外為法等に基づく輸出規制を実現することが可能なシステムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため本発明は、ネットワークを介して接続された利用者端末からのダウンロード要求に応じて、輸出規制対象となるコンテンツについてのダウンロード管理を行う輸出管理サーバを備えたコンテンツの輸出管理システムであって、前記輸出管理サーバは、予め前記コンテンツの識別情報及び各コンテンツについての輸出禁止国の国名を格納した輸出禁止国情報格納手段と、利用者端末を操作する利用者に関する国籍証明情報を取得して当該国籍証明情報に基づき利用者の国籍を特定する国籍特定手段と、前記利用者端末への経路探索により経由サーバのアドレス情報を取得し、当該アドレス情報から特定される経由サーバの所在国を前記利用者端末の所在国として特定する所在国特定手段と、前記利用者端末によりダウンロードを要求されているコンテンツについての輸出禁止国の国名を前記輸出禁止国情報格納手段から取得して、前記各特定手段により特定された利用者の国籍及び利用者端末の所在国のいずれかが、前記利用者端末によりダウンロードを要求されているコンテンツについての輸出禁止国に該当するか否かを判定し、当該判定結果に応じて前記コンテンツのダウンロードの可否を決定するダウンロード可否判定手段とを備えることを特徴とする。
また、予め登録された各利用者の識別情報と、各利用者について認定された国籍とを含む国籍情報を格納した国籍情報格納手段を有し、前記利用者端末から送信された国籍証明情報送信要求を受信して、当該国籍証明情報送信要求に含まれる識別情報に基づき利用者認証処理を行い、当該認証処理の結果に応じて前記国籍情報格納手段に格納された国籍情報に基づき国籍証明情報を生成する国籍情報管理手段をさらに備えることを特徴とする。
また、前記輸出管理サーバが取得した前記経由サーバのアドレス情報に基づき、各国で公開されているアドレス情報に対応する登録情報から前記経由サーバの所在国を特定するアドレス情報管理手段をさらに備えることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づき説明する。
図1は、本実施の形態に係るコンテンツの輸出管理システムの概略構成を示すブロック図である。
この図に示すように、本実施の形態に係る輸出管理システムは、利用者端末110からコンテンツ提供サーバ120に対してダウンロード要求がされた場合に、コンテンツ提供サーバ120からのダウンロード可否判定要求に応じてダウンロードの可否を判定し、コンテンツ提供サーバ120に対しダウンロード可否情報を送信する輸出管理サーバ130を備えている。
輸出管理サーバ130は、ダウンロード可否の判定に際し、利用者端末110に対し国籍証明取得要求を送信するとともに、トレースルートをかけて経由サーバのIPアドレスを取得する。
輸出管理サーバ130は、利用者端末110を使用する利用者の国籍情報を管理する認証局サーバ140と、IPアドレスに関する登録情報を管理する複数のIPアドレス管理サーバ150とに対し、ネットワークを介して接続されており、各サーバから取得した利用者の国籍証明情報及び利用者端末の所在国情報に基づきダウンロードの可否を判定する。
輸出管理サーバ130は、輸出規制対象となるソフトウエア,技術情報等の各コンテンツ毎に輸出禁止国の国名を格納した輸出禁止国リスト131を備えている。
認証局サーバ140は、各利用者端末110による申請に基づき国籍の審査等を行い、当該審査結果に基づき国籍等の情報を管理する認証局に備えられ、前記国籍を含む国籍情報を格納する国籍情報データベース141を備えている。
IPアドレス管理サーバ150は、各国のNIC(Network Information Center)毎に設けられており、各国のNICが公開するIPアドレスの登録情報を管理する。
【0009】
図2は、輸出管理サーバ130の概略構成を示すブロック図である。
輸出管理サーバ130は、輸出禁止情報登録処理部210と国籍判定処理部220と所在国判定処理部230との各処理部を備えている。
輸出禁止情報登録処理部210は、コンテンツ提供者から申請された輸出規制対象としてのコンテンツを一意に識別するコンテンツIDを生成するとともに、前記コンテンツの輸出を禁止する国名をコンテンツIDに対応付けて輸出禁止国リスト131に登録する。輸出禁止情報登録処理部210による登録は、予めコンテンツ提供サーバ120から輸出管理を行うコンテンツの名前と当該コンテンツの輸出禁止国,その他輸出管理に関する情報を含む登録申請情報を受信することにより行う。なお、コンテンツ提供者から所定の申請書の提出を受け付け、輸出管理サーバ130の管理者が各情報を入力することにより行うこととしてもよい。
国籍判定処理部220は、認証局サーバ140から国籍証明書を受信し、当該国籍証明書に示される国名と輸出禁止国リスト131の国名とを照合して、利用者の国籍に基づくダウンロードの可否判定処理を行う。
所在国判定処理部230は、利用者端末110に対しトレースルートをかけ、トレースルートの結果から利用者端末110が最初に経由する経由サーバのIPアドレスを含む経由サーバ情報を取得する。取得したIPアドレスに基づきIPアドレス管理サーバ150から所在国情報を受信し、当該所在国情報に示される国名と輸出禁止国リスト131の国名とを照合して、経由サーバの所在国に基づくダウンロードの可否判定処理を行う。この場合、経由サーバの所在国を利用者端末の所在国と同視して、ダウンロードの可否判定処理を行う。
【0010】
図3は、輸出管理サーバ130に備えられた輸出禁止国リスト131のデータ構造の一例を示す図である。輸出禁止国リスト131はダウンロードサービスの利用者の国籍や現在の所在国が、各コンテンツの輸出禁止国に該当しないかを照合するためのテーブルである。
輸出禁止国リスト131は、輸出禁止情報登録処理部210が生成したコンテンツID301と、各コンテンツについての輸出禁止国を示す輸出禁止国名302との情報を有している。輸出管理サーバ130の各判定処理部220及び230は、国籍情報又は所在国情報に含まれる国名が輸出禁止国名302に示された国名に該当するか否かにより、各コンテンツのダウンロード可否判定を行う。
【0011】
図4は、認証局サーバ140の概略構成を示すブロック図である。
認証局サーバ140は、国籍情報登録処理部410と国籍証明書発行処理部430とを備えている。
国籍情報登録処理部410は、本システムを利用する各利用者からの国籍情報登録申請に基づき、予め国籍情報データベース141に国籍情報の登録を行うとともに、利用者認証処理に用いる利用者認証情報として公開鍵等の生成,発行を行う。認証局では、国籍情報登録申請において各利用者により示された国から、各国の法律を参照して対象国における連結点を探し、見つかった連結点に応じて各利用者の国籍の認定がされ、国籍情報登録処理部410は当該認定に基づく国籍情報の登録を行う。日本人の場合には、利用者により提示されたパスポート,免許証,住民票等の国籍が明示された、官公庁から本人証明を明示する証拠書類を提出させることにより国籍を認定し、国籍情報の登録を行う。
また、国籍情報登録処理部410は、利用者端末110からの国籍証明書送信要求を受信した場合に利用者認証処理を行い、当該認証処理の結果に応じて国籍情報DB141の登録内容に基づき国籍証明情報を生成する。
国籍証明書発行処理部420は、国籍情報登録処理部410の生成した国籍証明情報に対し、電子署名した国籍証明書を生成し、輸出管理サーバ130に送信する。
【0012】
図5は、認証局サーバ140に備えられた国籍情報データベース141のデータ構造の一例を示す図である。
国籍情報データベース141は、各利用者を一意に識別するための利用者ID501と、利用者に対して認証局が認定した国籍を示す証明国名502とを含む種々の情報が格納されている。また、図示は省略しているが、利用者認証処理に用いられる秘密鍵等の利用者認証情報が格納されている。
認証局サーバ140の国籍証明情報登録処理部410は、利用者端末110からの国籍証明書送信要求に応じて、証明国名502を含む国籍証明情報を生成する。
【0013】
以上の構成により、コンテンツの輸出管理を行う方法について説明する。
まず、コンテンツ提供サーバ120にアクセスした利用者端末110にダウンロード画面を表示する。
図6は、利用者端末110に表示するダウンロード画面の一例を示す図である。
ダウンロード画面600には、コンテンツ提供サーバ120の提供するコンテンツ名が表示されている。ダウンロード画面600上のコンテンツ名を示すHTML文610には、「Http://xxxxxx.co.jp/aaa.cgi」と、各コンテンツに対応するコンテンツIDを示す「ContentsID=C0002」が記述されている。ここで、「Http://xxxxxx.co.jp/aaa.cgi」は、輸出管理サーバ130が管理するCGI(Common Gateway Interface)を示しており、利用者によりコンテンツが選択された場合には、輸出管理サーバ130のCGIにコンテンツIDが渡され、輸出管理サーバ130はダウンロード可否判定処理を行う。
【0014】
図7は、輸出管理サーバ130のCGIを構成する国籍判定処理部220及び所在国判定処理部230が行うダウンロード可否判定処理の概略を示すフローチャートである。
輸出管理サーバ130は、利用者により選択されたコンテンツのコンテンツIDをコンテンツ提供サーバ120から受信すると(ステップ701)、国籍判定処理部220は後述する国籍判定処理を行う(ステップ702)。
国籍判定処理の結果、ダウンロード許可と判定された場合(ステップ703)、輸出管理サーバ130の所在国判定処理部230は後述する所在国判定処理を行う(ステップ704)。
所在国判定処理の結果、ダウンロード許可と判定された場合(ステップ705)、ダウンロード可否情報として許可情報をコンテンツ提供サーバ120に送信する(ステップ706)。
一方、国籍確認処理(ステップ702)又は所在国確認処理(ステップ704)によりダウンロード不可と判定された場合(ステップ703,705)、ダウンロード可否情報として不可情報をコンテンツ提供サーバ120に送信する(ステップ707)。
コンテンツ提供サーバ120は、輸出管理サーバ130から受信したダウンロード可否情報の内容に応じて利用者端末110に対するコンテンツのダウンロード又はダウンロード不可メッセージの送信を行う。
【0015】
図8は、図7のステップ702で輸出管理サーバ130の国籍判定処理部220が行う国籍確認処理の詳細を示すフローチャートである。
輸出管理サーバ130は利用者端末110に対し国籍証明取得要求を送信する(ステップ801)。国籍証明取得要求を受信した利用者端末110は、認証局サーバ140に対し国籍証明送信要求を送信する(ステップ802)。
国籍証明送信要求を受信した認証局サーバ140の国籍証明情報登録処理部410は、公開鍵方式による利用者認証処理を行い(ステップ803)、認証された場合には(ステップ804)当該利用者についての国籍証明情報を生成する(ステップ805)。国籍証明書発行処理部420は、国籍証明情報に対し電子署名をして国籍証明書を生成し(ステップ806)、輸出管理サーバ130に対して送信する。一方、利用者認証処理において認証されなかった場合には(ステップ804)、エラーメッセージを生成して(ステップ807)送信する。ここで、公開鍵方式による利用者認証処理には、RSA認証等の公知の方法を用いる。
輸出管理サーバ130は、国籍証明書を受信した場合(ステップ808)、国籍証明書の内容を確認して利用者の国籍を特定するとともに(ステップ809)、コンテンツIDに基づき輸出禁止国リストから輸出禁止国名を抽出し、当該輸出禁止国名との照合処理を行う(ステップ810)。
一方、認証局サーバ140からエラーメッセージを受信した場合には(ステップ808)、国籍照合が不可能であるため、そのまま国籍確認処理を終了する。
輸出管理サーバ130は、国籍照合の結果、利用者の国籍が輸出禁止国のものでない場合には所在国確認処理を行う(図7のステップ704〜705参照)。一方、利用者の国籍が輸出禁止国のものである場合、又は、エラーメッセージを受信したため国籍照合処理が行えなかった場合には、不可情報を生成してコンテンツ提供サーバ120に送信する(図7のステップ702,703,707参照)。
【0016】
図9は、輸出管理サーバ130の国籍判定処理部220が行う国籍照合の例を示す図である。
図9(a)に示すように、利用者がダウンロードを希望するコンテンツのコンテンツID901が「C0002」,国籍証明情報に示された利用者の国籍902が「J国」の場合、輸出禁止国リストに131該当するレコードが無いため、ダウンロード適格有りと判定して、以降の処理を行う(図7のステップ703参照)。
図9(b)に示すように、コンテンツID903が「C0002」,利用者の国籍904が「A国」の場合、輸出禁止国リスト131に該当するレコードが有るため、ダウンロード適格無しと判定して、不可情報を生成する(図7のステップ703,707参照。)。
図9(c)に示すように、認証局サーバ140からエラーメッセージを受信したためコンテンツID905に対し利用者の国籍906が「不明」の場合には、照合処理が不可能であるため、ダウンロード適格無しと判定して不可情報を生成する(図7のステップ703,707参照。)。
【0017】
図10は、図7のステップ704で輸出管理サーバ120の所在国判定処理部230が行う所在国確認処理の詳細を示すフローチャートである。
輸出管理サーバ130は利用者端末110に対してトレースルートをかけ、トレースルートの結果から利用者端末110が最初に経由する経由サーバの情報としてIPアドレスを取得する(ステップ1001)。
取得したIPアドレスに基づきIPアドレス管理サーバ150に対し前記経由サーバの所在国情報確認要求を送信する(ステップ1002)。
各国のIPアドレス管理サーバ150は、輸出管理サーバ130から受信したIPアドレスに関してNICにより公開されている情報を確認し(ステップ1003)、公開されているIPアドレスと一致する場合には経由サーバの所在国を示す所在国情報を生成して輸出管理サーバ130に送信する(ステップ1005)。一方、公開情報と一致しない場合には、経由サーバの所在国が不明である旨のメッセージを生成して輸出管理サーバ130に送信する(ステップ1006)。ここで、公開情報と一致しない場合とは、IPアドレス管理サーバ130が備えられたNICに登録されていないIPアドレス(即ち、他の国のNICに登録されているIPアドレス)であるか、又は、IPアドレスに関する情報が公開されていないかのいずれかの場合である。
輸出管理サーバ130は、いずれかのIPアドレス管理サーバ150から所在国情報を受信した場合(ステップ1007)、所在国情報に含まれる経由サーバの所在国と、コンテンツIDに基づき輸出禁止国リストから抽出した輸出禁止国名との照合処理を行う(ステップ1008)。
一方、全てのIPアドレス管理サーバ150から不明メッセージを受信した場合(ステップ1007)、所在国との照合が不可能であるため、そのまま処理を終了する。
【0018】
所在国の照合についても図9の例と同様に、輸出禁止国リスト131に該当するレコードが無い場合はダウンロード適格有り、該当するレコードがあるか、所在国が不明の場合にはダウンロード適格無しと判定する。
各照合処理においてダウンロード適格有りと判定した場合には、許可情報をコンテンツ提供サーバ120に送信し、いずれかの照合処理においてダウンロード適格無しと判定した場合には、不可情報を送信する。
【0019】
コンテンツ提供サーバ120は許可情報を受信した場合、利用者端末110に対してコンテンツのダウンロードを行い、ダウンロード不可情報を受信した場合、利用者端末110に対して「本コンテンツのダウンロードは輸出管理関連法規により禁止されています。」等のダウンロード不可メッセージを表示する。
【0020】
以上のように、本実施の形態に係るコンテンツの輸出管理システムでは、コンテンツのダウンロードを要求する利用者の国籍及び利用者端末の所在国に基づきダウンロードの可否判定を行う輸出管理サーバを備えたので、外為法等により輸出規制対象となるコンテンツについて、不正輸出に相当するダウンロード行為を確実に防止することができる。
また、利用者の国籍情報を管理する認証局サーバを備え、公開鍵方式等による利用者認証処理の結果に応じて国籍証明書を生成することとしたので、国籍情報の偽装等を防止することができる。
また、トレースルートの結果取得した経由サーバのIPアドレスに基づく当該経由サーバの所在国を利用者端末の所在国として認定し、ダウンロード可否の判定を行うこととしたので、日本等で登録した携帯端末を利用して輸出禁止国でダウンロードを行う場合にも、不正輸出に相当するダウンロード行為を防止することができる。
また、IPアドレス管理サーバは各国のNICにより公開されたIPアドレスに関する登録情報に利用するため、経由サーバの所在国を正確に特定することができる。
【0021】
なお、前記実施の形態では、コンテンツ提供サーバ120,輸出管理サーバ130,認証局サーバ140,IPアドレス管理サーバ150のそれぞれを分けて構成しているが、これに限られるものではなく複数のサーバの機能を備えたサーバにより構成することとしてもよい。
また、輸出管理サーバ130において、国籍又は所在国の特定を行う処理部とダウンロード可否の判定を行う処理部とを分けて構成してもよい。
また、国籍確認処理に基づくダウンロード可否の判定処理と所在国確認処理に基づくダウンロード可否の判定処理の順序は逆としてもよい。
また、国籍証明情報生成の際に行う認証処理方法については、公開鍵方式以外の方法を用いてもよい。
【0022】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、コンテンツのダウンロードを要求する利用者の国籍及び利用者端末の所在国に基づきダウンロードの可否判定を行う輸出管理サーバを備えたので、外為法等により輸出規制対象となるコンテンツについて、不正輸出に相当するダウンロード行為を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る輸出管理システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】輸出管理システムを構成する輸出管理サーバの概略構成を示すブロック図である。
【図3】輸出禁止国リストのデータ構造の一例を示す図である。
【図4】輸出管理システムを構成する認証局サーバの概略構成を示すブロック図である。
【図5】国籍情報データベースのデータ構造の一例を示す図である。
【図6】ダウンロード画面の一例を示す図である。
【図7】輸出管理方法の概要を示すフローチャートである。
【図8】輸出管理方法における国籍確認処理を示すフローチャートである。
【図9】ダウンロード適格の判定処理を説明する図である。
【図10】輸出管理方法における所在国確認処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
110 利用者端末、120 コンテンツ提供サーバ、130 輸出管理サーバ、131 輸出禁止国リスト、140 認証局サーバ、141 国籍情報データベース、150 IPアドレス管理サーバ、210 輸出禁止情報登録処理部、220 国籍判定処理部、230 所在国判定処理部、301 コンテンツID、302 輸出禁止国名、410 国籍証明情報登録処理部、420 国籍証明書発行処理部。501 利用者ID、502 証明国名、600 ダウンロード要求画面、 610 HTML文、901,903,905 コンテンツID、902,904,906 国籍。
Claims (3)
- ネットワークを介して接続された利用者端末からのダウンロード要求に応じて、輸出規制対象となるコンテンツについてのダウンロード管理を行う輸出管理サーバを備えたコンテンツの輸出管理システムであって、
前記輸出管理サーバは、
予め前記コンテンツの識別情報及び各コンテンツについての輸出禁止国の国名を格納した輸出禁止国情報格納手段と、
利用者端末を操作する利用者に関する国籍証明情報を取得して当該国籍証明情報に基づき利用者の国籍を特定する国籍特定手段と、
前記利用者端末への経路探索により経由サーバのアドレス情報を取得し、当該アドレス情報から特定される経由サーバの所在国を前記利用者端末の所在国として特定する所在国特定手段と、
前記利用者端末によりダウンロードを要求されているコンテンツについての輸出禁止国の国名を前記輸出禁止国情報格納手段から取得して、前記各特定手段により特定された利用者の国籍及び利用者端末の所在国のいずれかが、前記利用者端末によりダウンロードを要求されているコンテンツについての輸出禁止国に該当するか否かを判定し、当該判定結果に応じて前記コンテンツのダウンロードの可否を決定するダウンロード可否判定手段と
を備えることを特徴とするコンテンツの輸出管理システム。 - 予め登録された各利用者の利用者認証情報と、各利用者について認定された国籍とを含む国籍情報を格納した国籍情報格納手段を有し、前記利用者端末から送信された国籍証明情報送信要求を受信して、当該国籍証明情報送信要求に含まれる利用者認証情報に基づき利用者認証処理を行い、当該認証処理の結果に応じて前記国籍情報格納手段に格納された国籍情報に基づき国籍証明情報を生成する国籍情報管理手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツの輸出管理システム。
- 前記輸出管理サーバが取得した前記経由サーバのアドレス情報に基づき、各国で公開されているアドレス情報に対応する登録情報から前記経由サーバの所在国を特定するアドレス情報管理手段をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンテンツの輸出管理システム。
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