【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成用トナー、現像方法、現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
乾式現像方式で用いられている定着方式としては、そのエネルギー効率の良さから、加熱ヒートローラ方式が広く一般に用いられている。近年はトナーの低温定着化による省エネルギーを図るため、定着時にトナーに与えられる熱エネルギーは小さくなる傾向にある。1999年度の国際エネルギー機関(IEA)のDSM(Demand−side Management)プログラム中には、次世代複写機の技術調達プロジェクトが存在し、その要求仕様が公表され、30cpm以上の複写機については、前記待機時間が10秒以内、待機時の消費電力が10〜30ワット以下(複写速度で異なる)とするよう、従来の複写機に比べて飛躍的な省エネ化の達成が要求されている。
【0003】
この要求を達成するための方法の一つとして、加熱ヒートローラー等の定着部材を低熱容量化させて、トナーの温度応答性を向上させる方法が考えられるが、充分満足できるものではない。
前記要求を達成し待機時間を極小にするためには、トナー自体の定着温度を下げ、使用可能時のトナー定着温度を低下させることが必須の技術的達成事項であると考えられる。
こうした低温定着化に対応すべく、従来多用されてきたスチレン−アクリル系樹脂に代えて、低温定着性に優れ耐熱保存性も比較的良いポリエステル樹脂の使用が試みられている。
【0004】
しかし、更なる低温定着化のためには、樹脂そのものの熱特性をコントロールすることが必要となるが、ガラス転移温度(Tg)を下げすぎると耐熱保存性を悪化させたり、分子量を小さくして樹脂をF1/2温度を下げすぎるとホットオフセット発生温度を低下させるなどの問題がある。このため、低温定着性に優れるポリエステル樹脂でも、樹脂そのものの熱特性をコントロールすることにより低温定着性に優れ、かつホットオフセット発生温度の高いトナーを得るには至っていない。
【0005】
この問題を解決するために、バインダー中にガラス転移温度でシャープメルト性を有する特定の非オレフィン系結晶性重合体を添加する試み(特許文献1参照)がある。しかし、シャープメルト性を有するものを含有するだけでは、低温定着性を達成するには不充分である。また、同じくシャープメルト性を有する結晶性ポリエステルを用いる試み(特許文献2、3参照)がある。特許文献2では、結晶性ポリエステルの物性と、これと組み合わせるスチレン−アクリル共重合体の物性について述べているが、物性だけでは更なる低温定着化には不充分である。また、特許文献3では結晶性ポリエステルの成分や、これと組み合わせるポリエステル樹脂の一部の成分について述べているが、やはり、更なる低温定着化には不充分である。
従って、DSMの要求仕様を満たすような、更なる低温定着化トナーには、従来の技術領域よりさらに進んだ低温定着技術の確立が必要である。
【0006】
【特許文献1】
特開昭62−63940号公報(第1頁左下欄第5行目〜第9行目
請求項1)
【特許文献2】
特許第2931899号公報(第1頁第1〜第2欄、請求項1〜3)
【特許文献3】
特開2001−222138号公報(第2頁第1欄第1行目〜第28
行目)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、上記従来技術に鑑みて、従来以上の低温定着性と耐オフセット性を併せ持ち、さらに耐熱保存性も問題ないトナーを得ることであり、また、解像度が良く、地肌汚れのない高品質の画像を得ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
結晶性ポリエステルを含有するトナーにおいてさまざまな検討を行なった結果、結晶性ポリエステルが部分的に変化することで、充分な低温定着化を達成できることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、上記課題の(1)「少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤を含有するトナーにおいて、結晶性を有するポリエステル樹脂(A)と、これ以外の非晶性樹脂(B)が互いに非相溶で相分離構造を形成しており、トナーのIRスペクトル解析において979±3cm−1の範囲と1609±2cm−1の範囲に吸収ピークが存在し、979±3cm−1に存在する吸収ピークの強度▲1▼が、1609±2cm−1に存在する吸収ピークの強度▲2▼に対して0.65〜1.50倍であることを特徴とするトナー」、(2)「結着樹脂として結晶性を有するポリエステル樹脂(A)以外の非晶性樹脂(B)として、芳香族化合物を成分として有する樹脂を含有することを特徴とする前記第(1)項に記載のトナー」、(3)「トナーのIRスペクトル解析において、1609±2cm−1の範囲に吸収ピークが存在し、このピーク強度▲2▼に対して、979±3cm−1に存在する吸収ピークの強度▲1▼が0.70〜1.40倍であることを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載のトナー」、(4)「結晶性を有するポリエステル樹脂(A)の含有量が結着樹脂の50重量%以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項の何れかに記載のトナー」、(5)「結晶性を有するポリエステル樹脂(A)が、下記一般式(1)で表わされる脂肪族系ポリエステル樹脂であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項の何れかに記載のトナー:
【0009】
【化2】
[−O−CO−CR1=CR2−CO−(CH2)n−]m・・・一般式(1)
(n、mは繰返し単位を示す正数、R1、R2は炭化水素基)
」、(6)「結着樹脂として、結晶性を有するポリエステル樹脂(A)以外の樹脂(B)として、ポリエステル樹脂を含有することを特徴とする前記第(2)項に記載のトナー」、(7)「トナーの粉末X線回折によるX線回折パターンに、結晶性ポリエステル由来の回折ピークが存在することを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項の何れかに記載のトナー」、(8)「IRスペクトル解析において、970±3cm−1に吸収ピークが存在し、1609±2cm−1に吸収ピークが存在しないポリエステル樹脂を含有することを特徴とする前記第(1)項に記載のトナー」、(9)「樹脂の粉末X線回折によるX線回折パターンに、結晶性ポリエステル由来の回折ピークが存在するポリエステル樹脂を含有することを特徴とする前記第(7)項に記載のトナー」、(10)「結晶性を有するポリエステル樹脂(A)のDSC曲線の最大吸熱ピーク温度が90〜130℃であり、F1/2温度が80〜130℃であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(9)項の何れかに記載のトナー」、(11)「樹脂(B)のガラス転移温度が40〜70℃であり、F1/2温度が120〜160℃であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(10)項の何れかに記載のトナー」、(12)「離型剤の融点が70〜90℃であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(11)項の何れかに記載のトナー」、(13)「トナーの体積平均粒径が4〜7μmであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(12)項の何れかに記載のトナー」により達成される。
【0010】
また、上記課題は、本発明の(14)「前記第(1)項乃至第(13)項の何れかに記載の画像形成用トナーが充填されたトナー容器」により達成される。
【0011】
また、上記課題は、本発明の(15)「像担持体上に形成した静電潜像を現像する画像形成方法において、トナーが前記第(1)項乃至第(13)項の何れかに記載の画像形成用トナーであることを特徴とする画像形成方法」により達成される。
【0012】
また、上記課題は、本発明の(16)「前記第(1)項乃至第(13)項の何れかに記載の画像形成用トナーを収納するトナー容器」により達成される。
【0013】
また、上記課題は、本発明の(17)「像担持体上に形成した静電潜像を現像する画像形成装置において、前記第(16)項に記載のトナー容器を搭載したことを特徴とする画像形成装置」により達成される。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のトナーは結晶性ポリエステル樹脂(A)を含有し、トナーのIRスペクトルの979±3cm−1(トナー中の構成材料の何らかの成分との相互作用により結晶性ポリエステルが変化した結果、存在するようになるピーク)の範囲にピークが存在することを特徴とする。このようなピークが存在するトナーを得るためには、970±3cm−1(不飽和炭化水素のC−H面外変角振動)の範囲にIRスペクトルのピークが存在する結晶性ポリエステル樹脂を使用する。この樹脂(A)は、融点(DSC曲線の最大吸熱ピーク温度)において結晶転移を起こすと同時に、固体状態から急激に溶融粘度が低下し、定着機能を発現する。
【0015】
本発明のトナーにおける結晶性ポリエステル樹脂(A)は、その一部あるいは全体が、トナー中の他の成分との相互作用により変化し、結晶性ポリエステル樹脂以外の樹脂(B)の定着性も高めていると考えられる。従って、本発明のトナーは、結晶性ポリエステル樹脂に存在する970±3cm−1の範囲のピークではなく、979±3cm−1の範囲にピークが存在することが好ましい。
【0016】
結晶性ポリエステル樹脂(A)とこれ以外の樹脂(B)は、互いに非相溶で相分離構造をとることが好ましい。この樹脂(B)は、従来より公知のトナー用結着樹脂が用いられる。相分離構造をとることにより、弾性のある樹脂(B)の機能と結晶性ポリエステル樹脂(A)の機能のそれぞれが発現される。その結果、従来のような低温定着性のトナーにすることによる、耐オフセット性の低下や保存性の悪化を抑制しやすい。
【0017】
従来より公知のトナー用結着樹脂としては、芳香環を有するスチレンおよびスチレンとアクリル単量体との重合体や、ポリエステル樹脂などがあるが、特にポリエステル樹脂が、低温定着性と耐オフセット性の両立しやすさ、保存性の点から好ましい。
【0018】
このような樹脂(B)を含有する本発明のトナーは、1609±2cm−1(ベンゼン環骨格振動)の範囲にもIRスペクトルのピークが存在するが、この範囲のIRスペクトルのピーク強度▲2▼に対して、979±3cm−1の範囲のIRスペクトルのピーク強度▲1▼が0.65倍以上の場合には、結晶性ポリエステル含有による低温定着化への効果を発現しやすい。より好ましくは、ピーク強度▲2▼に対してピーク強度▲1▼が0.70倍以上である。
【0019】
ピーク強度▲1▼は、結晶性ポリエステル樹脂の含有量で大きく変化するが、それだけではなく、トナー中の結晶性ポリエステル以外の何らかの成分量にもよる。例えば、結晶性ポリエステルの含有量が同じであっても、ピーク強度▲1▼は異なり、定着性が変わる。従って、結晶性ポリエステル樹脂の含有量を規定するだけで充分な低温定着性を得られるわけではない。
【0020】
一方、ピーク強度▲1▼がピーク強度▲2▼に対してあまりにも大きい場合には、非晶性樹脂(B)の特性が損なわれやすく、低温定着性は達成できても、耐ホットオフセット性や保存性を損なう場合がある。従って、ピーク強度▲1▼がピーク強度▲2▼と対して1.50倍以下であることが好ましい。より好ましくは、1.40倍以下である。
【0021】
本発明のトナーや樹脂のIRスペクトルは、パーキンエルマー製 FT−IRを使用し、KBr錠剤法(透過法)での透過スペクトルを測定したものである。また、IRスペクトルのピーク強度は、OMNIC Softwareを使用し、吸収量を吸光度に変換して求めた。
【0022】
図1に979±3cm−1付近のIRスペクトルとピーク強度を、図2に1609±2cm−1付近のIRスペクトルとピーク強度を示した。なお、図3には979±3cm−1にピークが存在しない場合の例を示した。
【0023】
本発明のトナーは、定着性への効果発現性を、979±3cm−1の範囲のIRスペクトルのピーク強度で述べているが、樹脂(A)と樹脂(B)とが相分離構造をとる場合には、これらの分散状態に影響する結晶性ポリエステル樹脂(B)の含有量も重要となる。従って、結着樹脂に対する結晶性ポリエステル樹脂(B)の含有量は、1〜50重量部であることが好ましい。50重量部より多いと、結晶性ポリエステルの分散性が悪くなる。樹脂中に分散させて使用する顔料のような着色剤の場合、着色剤は非晶性樹脂(B)にのみ存在することから、結晶性ポリエステル樹脂(A)の分散性が悪い場合には、着色剤分散性も悪くなり、着色度が低下する。1重量部より少ない場合には、相分離構造をとっていても、分散状態が良すぎてそれぞれの樹脂の異なる機能を発現できない場合がある。
【0024】
トナー中への結晶性ポリエステル樹脂(A)の含有と、樹脂(B)との相分離構造の形成の有無は、次の方法で確認できる。
【0025】
▲1▼トナー断面の透過型電子顕微鏡(TEM)によるトナー断面の観察により相分離構造の形成の有無を確認できる。この方法は、顔料のように樹脂中に分散させて使用する着色剤に限られる。着色剤は結晶性ポリエステル樹脂(A)に分散せず、樹脂(B)中に選択的に分散するため、TEMにより着色剤の存在しない個所が島状に存在することを観察することにより相分離構造を確認できる。
トナー断面の観察は日立透過型電子顕微鏡H−9000を用い、加速電圧300kVの条件でトナー粒子を約100μmに超薄切片化し、四酸化ルテニウムにより染色した後、透過型電子顕微鏡(TEM)により約10000倍で観察を行ない、写真撮影をした。
【0026】
▲2▼トナーの粉末X線回折装置によるX線回折パターン測定により、相分離構造の形成の有無を確認できる。これは、結晶性を有するポリエステル(A)が結晶性を保持した状態で非晶質のポリエステル(B)と相分離した状態で存在するため、結晶性ポリエステル樹脂(A)に帰属される回折ピーク(2θ=19〜20°、21〜22°、23〜25°、29〜31°)が存在する。相分離構造が形成されていない場合はポリエステル(A)の結晶構造が維持されずに、非晶質のポリエステル(B)と相溶するためにポリエステル(A)に帰属される回折ピークが現れない。
トナーの粉末X線回折装置によるX線回折パターンに結晶性ポリエステル由来の回折ピークが存在するためには、粉末X線回折装置によるX線回折パターンに回折ピークが存在する樹脂を使用する。
好ましくは、2θ=20〜25°に回折ピークが存在することである。
粉末X線回折測定は理学電機RINT1100を用い、管球をCu、管電圧−電流を50kV−30mAの条件で広角ゴニオメーターを用いて測定した。
【0027】
本発明のトナーにおいて、結晶性ポリエステル樹脂(A)は、融点において結晶転移を起こすと同時に、固体状態から急激に溶融粘度が低下し、紙への定着機能を発現する。
【0028】
従って、ポリエステル(A)の融点およびF1/2温度を制御することにより、定着下限温度を制御することが可能となり、耐熱保存性が悪化しない範囲で低いことが好ましく、それぞれ90〜130℃の範囲、80〜130℃の範囲にあることが好ましい。ここで、結晶性ポリエステル(A)の融点とは、DSC測定での2回目の昇温時における最大吸熱ピーク温度を指す。
融点およびF1/2温度が上記範囲以下で、上記要件を満たす結晶性ポリエステルは合成が困難であり、130℃以上の場合には定着下限温度が高くなるため低温定着性が得られなくなる。
【0029】
また、非晶性樹脂(B)のガラス転移温度(Tg)およびF1/2温度については、ガラス転移温度(Tg)が40〜70℃、F1/2温度が120〜160℃であることが好ましい。F1/2温度が120℃以下の場合はホットオフセット性が悪化し、160℃以上の場合は高弾性となりやすく、トナー構成材料を分散させるときのシェアが高くなり、分散しにくいという不具合が生じる。ガラス転移温度(Tg)が40℃以下の場合は、トナーの耐熱保存性が著しく悪化し、ブロッキングを生じる。 ガラス転移温度(Tg)が70℃以上の場合はトナーの低温定着性が悪化する。 ここで、樹脂(B)のガラス転移温度(Tg)とは、DSC測定での2回目の昇温時における接線法より求めたガラス転移温度(Tg)を指す。
【0030】
本発明のトナーに使用する離型剤の融点は70〜90℃が好ましい。70℃以下ではトナーの耐熱保存性が悪化し、90℃以上では低温での離型性が発現されず、耐コールドオフセット性の悪化、定着機への紙の巻付きなどが発生する。ここで、離型剤の融点とは、DSC測定での2回目の昇温時における吸熱ピーク温度を指す。
【0031】
本発明のガラス転移温度(Tg)や融点の測定には、島津製作所製 熱分析装置DSC−60を使用し、温度範囲20℃〜150℃、昇温速度10℃/minで測定したものである。また、2回目の昇温を行なう際には、1回目の昇温後、保持時間なしで、降温速度10℃/minで測定開始温度まで下げた。
【0032】
本発明のF1/2温度は、島津製作所製 高架式フローテスターCF−500を使用し、ダイス径1mm、加圧10kgf/cm2、昇温速度3℃/minの条件下で1cm2の試料を溶融流出させたときのストロークが、流出開始点から流出終了点までのストローク変化量の1/2になるときの温度である。
【0033】
本発明のトナーに用いられる材料について説明する。
結晶性ポリエステル樹脂(A)は炭素数2〜20のジオール化合物、およびこれらの誘導体を含有するアルコール成分と、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸など多価カルボン酸化合物、およびこれらの誘導体を含有する酸成分とを用いて合成される脂肪族系ポリエステルである。特に、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の炭素数2〜6の直鎖のアルキレングリコールおよびこれらの誘導体を含有するアルコール成分と、マレイン酸、フマル酸、コハク酸などの脂肪族ジカルボン酸、およびこれらの誘導体を含有する酸成分とを用いて合成される、下記一般式(1)で表わされる脂肪族系ポリエステル樹脂が好ましい。
【0034】
【化3】
[−O−CO−CR1=CR2−CO−(CH2)n−]m・・・一般式(1)
(n、mは繰返し単位の数、R1、R2は炭化水素機)
【0035】
また、ポリエステルの結晶性および軟化点の観点から、非線状のポリエステル樹脂を合成するために、アルコール成分にグリセリンなどの3価以上の多価アルコールを追加したり、酸成分に無水トリメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸などを追加して縮重合を行なってもよい。
【0036】
非晶性樹脂(B)は従来公知の樹脂がすべて使用可能であり、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変成マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、石油系樹脂、水素添加された石油系樹脂などがある。これら中でも芳香族化合物を成分として含有するスチレン系樹脂やポリエステル樹脂が好ましい。特に好ましいものはポリエステル樹脂である。
【0037】
ポリエステル樹脂は多価アルコールと多価カルボン酸から合成される。多価アルコールや多価カルボン酸は、結晶性ポリエステル樹脂(A)に使われる成分が使用可能であり、これ以外にもビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、イソフタル酸、テレフタル酸およびそれらの誘導体などがある。
これらの樹脂は単独使用に限らず、2種以上併用することも可能である。
【0038】
本発明のトナーに用いる離型剤としてのワックスは、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等の低分子量ポリオレフィンワックスやフィッシャートロプシュワックスなどの合成炭化水素系ワックス、蜜ろう、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、モンタンワックスなどの天然ワックス類、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油ワックス類、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸などの高級脂肪酸、および高級脂肪酸の金属塩、高級脂肪酸アミドなど、およびこれらの各種変成ワックスがあり、これらは1種あるいは2種以上を併用することも可能である。
これら離型剤の使用量は、トナー樹脂成分に対し1〜20重量部、好ましくは3〜10重量部である。
【0039】
本発明のトナーに用いる着色剤としては、例えばカーボンブラック、ランプブラック、鉄黒、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6Cレーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料等の染顔料など、従来公知のいかなる染顔料をも単独あるいは混合して使用し得、ブラックトナーとしてもフルカラートナーとしても使用できる。これらの着色剤の使用量はトナー樹脂成分に対して、通常1〜30重量%、好ましくは3〜20重量%である。
【0040】
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤、流動性改良剤などを配合することも可能である。
帯電制御剤としては、ニグロシン染料、金属錯塩型染料、第四級アンモニウム塩等の従来公知のいかなる極性制御剤も、単独あるいは混合して使用できる。これらの極性制御剤の使用量は、トナー樹脂成分に対し、0.1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部である。
流動性改良剤としては、疎水性シリカ、酸化チタン、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム等、従来公知のいかなる流動性改良剤をも単独あるいは混合して使用できるが、特に疎水性シリカ又は酸化チタンが流動性向上、帯電安定化及び画質安定化の点で優れている。より好ましくは疎水性シリカと酸化チタンを組み合わせて用いると流動性と帯電性の安定した良好なトナーを得ることができる。これらの流動性改良剤の使用量は、トナー重量に対し、0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量部である。
【0041】
更に、本発明のトナーは磁性体を含有した磁性トナーとして用いることができ、トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物などが挙げられる。特にマグネタイトが磁気特性の点で好ましい。
これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度のものが望ましく、トナー中に含有させる量としては樹脂成100重量部に対し約15〜200重量部、特に好ましくは樹脂成分100重量部に対し20〜100重量部である。
【0042】
本発明のトナー製造は、溶融混練後、粉砕分級して得られるものが、従来の方法として一般的であるが、この方法に限らず、重合法なども含めてさまざまな方法が可能である。
本発明のトナーは細線再現性などに優れた高画質を得るために、体積平均粒径が4〜10μmが好ましい。この範囲より大きい粒径では、細線再現性が劣りやすく、小さい場合には、クリーニング不良を生じ易い。また、小粒径化により、定着温度を低下させることができるため、より好ましくは、4〜7μmである。これは粒径を小さくすることにより、定着部材と接するトナーの個数が多くなり、熱応答性が高まるからと考えられる。
【0043】
本発明のトナーは、一成分現像剤としても、キャリアと組み合わせてなる二成分現像剤としても用いることができる。
【0044】
本発明のトナーを、一成分現像剤あるいは二成分現像剤何れで用いる場合においても、トナーは容器に充填され、トナーが充填された容器は、画像形成装置とは別途に流通され、ユーザーが画像形成装置に装着して画像形成するのが、一般的である。
前記容器として用いられるものは限定的でなく、従来のボトル型あるいはカートリッジ型に限らず用いられる。
また、画像形成装置とは電子写真法によって画像を形成するための装置であれば限定されず、例えば複写機とかプリンターが包含される。
【0045】
【発明の実施の形態】
本発明における画像形成方法及び装置の実施の形態を説明する。ここで、図4は、本発明に係る画像形成方法及び装置の一例を示す概略構成図である。
【0046】
図4において、像担持体である感光体(1)は図中の矢印方向(反時計回り)に回転され、帯電ローラ(2)により一様に帯電される。その後、図示しない露光部からの原稿像の露光あるいは図示しない光書き込み装置からのレーザ光による光書き込み等により像露光(r)され、感光体(1)上には静電潜像が形成される。現像装置(3)内には、現像剤(4)が入っている。この現像剤(4)には、キャリアとトナーの混合体である二成分現像剤が用いられる。現像剤(4)を撹拌すると、摩擦帯電によりトナーが帯電する。現像装置(3)の感光体(1)との対向位置には、内部に複数の磁石あるいは複数の磁極を有するマグネットローラが配設された現像スリーブ(5)が配置されており、現像剤(4)は磁力により現像スリーブ(5)上に担持されて感光体(1)との対向位置に搬送され、感光体(1)上の静電潜像をトナーで現像する。
【0047】
感光体(1)の回転方向で現像装置(3)の下流側には転写ベルト(6)が配設されており、この転写ベルト(6)は駆動ローラと従動ローラに張架されて図中の矢印方向に回動される。また、転写ベルト(6)は図示しない接離機構により感光体(1)に対して接離可能に設けられており、転写時には感光体(1)に接触してニップ部を形成し転写紙(S)を搬送する。また、転写ベルト(6)の裏面側にはバイアスローラ(6a)を介して図示しない電源によりトナーと逆極性の電圧(転写出力)が印加されている。
【0048】
図示しない給紙部から搬送された転写紙(S)は、感光体(1)への作像タイミングに合わせてレジストローラ(18)により感光体(1)と転写ベルト(6)のニップ部に給紙され、感光体(1)上に現像されたトナー像は、上記転写ベルト(6)と感光体(1)間の電界により、感光体(1)と転写ベルト(6)の間に挾まれた転写紙(S)上に転写される。トナー像が転写された転写紙(S)は、その後、転写ベルト(6)により搬送され、図示しない定着装置を通り抜け、この際、トナー像は転写紙上に熱溶着される。そして定着後の転写紙(S)は図示しない排紙部に排紙される。一方、転写しきれずに感光体上に残ったトナーは、クリーニングブレード(7)により堰き止められ、回収ばね(8)により回収コイル(9)の上に入れられる。そして回収コイル(9)によりトナーはリサイクルトナーとして、現像装置(3)に戻される。またクリーニング後の感光体(1)は除電ランプ(20)で除電される。
【0049】
【実施例】
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の各実施例で作成したトナーの特性評価は以下の方法で行なった。
1)定着性評価
定着ローラーとしてポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂ローラーを使用した(株)リコー製複写機 MF−2200定着部を改造した装置を用いて、これにリコー製のタイプ6200紙をセットし複写テストを行なった。このときの結果を表3に示した。
定着温度を変化させてコールドオフセット温度(定着下限温度)とホットオフセット温度(耐ホットオフセット温度)を求めた。従来の低温定着トナーの定着下限温度は140〜150℃程度である。なお、低温定着の評価条件は、紙送りの線速度を120〜150mm/sec、面圧1.2Kgf/cm2、ニップ幅3mm、高温オフセットの評価条件は紙送りの線速度を50mm/sec、面圧2.0Kgf/cm2、ニップ幅4.5mmと設定した。
各特性評価の基準は以下のとおりである。
▲1▼低温定着性(5段階評価)
◎;130℃未満、○;130〜140℃、□;140〜150℃、
△;150〜160℃、×;160℃以上
▲2▼ホットオフセット性(5段階評価)
◎;201℃以上、○;200〜191℃、□:190〜181℃、
△;180〜171℃、×;170℃以下
【0050】
2)熱保存性の評価
ガラス容器にトナーを充填し、50℃の恒温槽にて24時間放置する。このトナーを24℃に冷却し、針入度試験(JIS K2235−1991)にて針入度を測定する。この値が大きいトナー程、熱に対する保存性が優れている。この値が15mm以下の場合は、使用上問題が発生する可能性が高い。
針入度に基づく熱保存性の判定基準は次の通りである。
◎貫通、○25mm以上、□20〜25mm、△15〜20mm、
×15mm未満
【0051】
3)解像度評価
(株)リコー製MF−2200に現像剤をセットし、常温/常湿の環境下において、主走査、副走査方向ともに,600dot/inch、150line/inchの1ドット独立、網点画像を出力し、ドット抜け、画像濃度ムラを4段階で目視評価した。
◎:非常に良好、○:良好、△:実用上は問題ないレベル、
×:実用上問題があるレベル
【0052】
4)地汚れ評価
(株)リコー製MF−2200に現像剤をセットし、常温/常湿の環境下において100,000枚の連続複写を行ない、非画像部における地汚れの発生の程度を目視にて評価した。
◎:非常に良好なレベル、○:良好なレベル、
△:実用上は問題のないレベル、×:実用上問題があるレベル
【0053】
(実施例1)
樹脂1(表1) 25重量部
樹脂7(表2) 75重量部
ポリエチレンワックス(融点:90℃) 5重量部
カーボンブラック(三菱化学 #44) 10重量部
サリチル酸ジルコニウム塩 1重量部
上記のトナー構成材料をヘンシェルミキサー中で充分撹拌混合した後、2軸押出し機にて混練し、冷却後、体積平均粒径が9.0±0.5μmになるように粉砕、分級し、母体トナーを得た。混錬条件については、混練物を低温(混練物が溶融状態になる範囲での最低温度)の状態で混錬を行なうべく、混錬機の温度設定を行なった結果、混練機出口での混錬品の温度が120℃となるよう混錬機の温度設定を行なった。得られたトナー母体に疎水性シリカ0.5wt%と酸化チタン0.3wt%を添加混合し、最終的なトナーとした。このトナー2.5重量部と、シリコーンコートフェライトキャリア(芯材粒径45μm)97.5部をターブラーミキサーで混合し現像剤を得た。
トナーの評価結果を表3に示す。
【0054】
(実施例2)
樹脂1(表1) 25重量部
樹脂9(表2) 75重量部
脱遊離脂肪酸カルナウバワックス(融点:83℃) 5重量部
カーボンブラック(三菱化学 #44) 10重量部
サリチル酸ジルコニウム塩 1重量部
上記のトナー構成材料を実施例1と同様の方法でトナーと現像剤を得た。非晶性樹脂(B)をポリエステル樹脂にしたことにより、実施例1より低温定着性と耐ホットオフセット性のバランスが向上した。また、結晶性を有する樹脂の分散性が向上したため、顔料の分散性もよくなり、帯電異常となり難く、地汚れの程度が向上した。
トナーの評価結果を表3に示す。
【0055】
(比較例1)
樹脂8(表2) 25重量部
樹脂9(表2) 75重量部
脱遊離脂肪酸カルナウバワックス(融点:83℃) 5重量部
カーボンブラック(三菱化学 #44) 10重量部
サリチル酸ジルコニウム塩 1重量部
上記のトナー構成材料を実施例1と同様の方法でトナーと現像剤を得た。F1/2温度の低い樹脂と相分離構造を形成しているが、結晶性を有する樹脂のような低温定着性は得られなかった。
トナーの評価結果を表3に示す。
【0056】
(実施例3)
樹脂1(表1) 50重量部
樹脂9(表2) 50重量部
脱遊離脂肪酸カルナウバワックス(融点:83℃) 5重量部
カーボンブラック(三菱化学 #44) 10重量部
サリチル酸ジルコニウム塩 1重量部
上記のトナー構成材料を実施例1と同様の方法でトナーと現像剤を得た。実施例2より低温定着性となるが、結晶性を有する樹脂の分散性が悪く、地肌汚れが実施例2より悪くなった。この結果から、結晶性を有する樹脂の量がこれより多くなると、地肌汚れが問題となる可能性があるといえる。
トナーの評価結果を表3に示す。
【0057】
(実施例4)
樹脂1(表1) 25重量部
樹脂10(表2) 75重量部
脱遊離脂肪酸カルナウバワックス(融点:83℃) 5重量部
カーボンブラック(三菱化学 #44) 10重量部
サリチル酸ジルコニウム塩 1重量部
上記のトナー構成材料を実施例1と同様の方法でトナーと現像剤を得た。実施例2と結晶性を有する樹脂の含有量は同じであるが、低温定着性が異なり、ピーク強度▲2▼に対するピーク強度▲1▼の値が、影響していることが確認された。
トナーの評価結果を表3に示す。
【0058】
(実施例5)
樹脂1(表1) 40重量部
樹脂10(表2) 60重量部
脱遊離脂肪酸カルナウバワックス(融点:83℃) 5重量部
カーボンブラック(三菱化学 #44) 10重量部
サリチル酸ジルコニウム塩 1重量部
上記のトナー構成材料を実施例1と同様の方法でトナーと現像剤を得た。実施例4よりも結晶性を有するポリエステル樹脂を多くした結果、ピーク強度▲1▼/▲2▼の値が実施例4の場合より大きくなり、低温定着性が向上したが、耐オフセット性と保存性が悪化した。したがってピーク強度▲1▼/▲2▼の値が1.4を超えないほうが、このような悪化が発生しにくく低温定着性を得ることが確認される。
トナーの評価結果を表3に示す。
【0059】
(実施例6)
樹脂2(表1) 20重量部
樹脂10(表2) 80重量部
脱遊離脂肪酸カルナウバワックス(融点:83℃) 5重量部
カーボンブラック(三菱化学 #44) 10重量部
サリチル酸ジルコニウム塩 1重量部
上記のトナー構成材料を実施例1と同様の方法でトナーと現像剤を得た。結晶性を有する樹脂の融点を低いほうが、低温定着性を得やすいことが確認される。
トナーの評価結果を表3に示す。
【0060】
(比較例2)
樹脂11(表2) 20重量部
樹脂10(表2) 80重量部
脱遊離脂肪酸カルナウバワックス(融点:83℃) 5重量部
カーボンブラック(三菱化学 #44) 10重量部
サリチル酸ジルコニウム塩 1重量部
上記のトナー構成材料を実施例1と同様の方法でトナーと現像剤を得た。F1/2温度の高い非晶性樹脂では、ポリエステル樹脂であっても、結晶性を有する樹脂のような低温定着性は得にくいことが確認される。
トナーの評価結果を表3に示す。
【0061】
(実施例7)
実施例6のトナー構成材料を、体積平均粒径が6.8±0.5μmになるように粉砕・分級する以外は、実施例6と同様の方法でトナーと現像剤を得た。小粒径化により低温定着性が向上した。
トナーの評価結果を表3に示す。
【0062】
(実施例8)
樹脂3(表1) 30重量部
樹脂12(表2) 70重量部
脱遊離脂肪酸カルナウバワックス(融点:83℃) 5重量部
カーボンブラック(三菱化学 #44) 10重量部
サリチル酸ジルコニウム塩 1重量部
上記のトナー構成材料を実施例1と同様の方法でトナーと現像剤を得た。F1/2温度が170℃の非晶性ポリエステル樹脂を使用したトナーは、結晶性ポリエステル樹脂の含有量やピーク強度比▲1▼/▲2▼の値の割には、低温定着性が他の実施例よりも劣る。この結果より、結晶性を有する樹脂のF1/2温度は170℃を超えないほうが好ましいことが確認される。
トナーの評価結果を表3に示す。
【0063】
(実施例9)
樹脂3(表1) 15重量部
樹脂10(表2) 85重量部
脱遊離脂肪酸カルナウバワックス(融点:83℃) 5重量部
カーボンブラック(三菱化学 #44) 10重量部
サリチル酸ジルコニウム塩 1重量部
上記のトナー構成材料を実施例1と同様の方法でトナーと現像剤を得た。結晶性を有する樹脂の融点が低いので、少ない含有量で低温定着性が得られ、分散性の良いトナーとなった。そのため、カーボンブラックの分散不良に起因する帯電不良がなく、地肌汚れの程度の良い画像が得られた。
トナーの評価結果を表3に示す。
【0064】
(実施例10)
樹脂3(表1) 15重量部
樹脂10(表2) 85重量部
ポリエチレンワックス(融点:100℃) 5重量部
カーボンブラック(三菱化学 #44) 10重量部
サリチル酸ジルコニウム塩 1重量部
上記のトナー構成材料を実施例1と同様の方法でトナーと現像剤を得た。離型剤の融点が高くなったことにより、実施例9のトナーほど低温定着性とならなかった。この結果より、離型剤の融点が高くなると、低温定着性を阻害しやすいことが確認される。
トナーの評価結果を表3に示す。
【0065】
(実施例11)
樹脂4(表1) 30重量部
樹脂13(表2) 70重量部
脱遊離脂肪酸カルナウバワックス(融点:83℃) 5重量部
カーボンブラック(三菱化学 #44) 10重量部
サリチル酸ジルコニウム塩 1重量部
上記のトナー構成材料を実施例1と同様の方法でトナーと現像剤を得た。Tgが70℃の非晶性ポリエステル樹脂を使用したトナーは、結晶性ポリエステル樹脂の含有量やピーク強度比▲1▼/▲2▼の値の割には、低温定着性が他の実施例よりも劣る。この結果より、非晶性樹脂のTgは70℃を超えないほうが好ましいことが確認される。
トナーの評価結果を表3に示す。
【0066】
(実施例12)
樹脂4(表1) 10重量部
樹脂10(表2) 90重量部
脱遊離脂肪酸カルナウバワックス(融点:83℃) 5重量部
カーボンブラック(三菱化学 #44) 10重量部
サリチル酸ジルコニウム塩 1重量部
上記のトナー構成材料を実施例1と同様の方法でトナーと現像剤を得た。低温混練により結晶性を有する樹脂の分散性が非常によく、相分離構造が確認なかった本実施例のトナーは、低温定着性が他の実施例よりも劣った。この結果より、結晶性を有する樹脂と非晶性樹脂とが相分離構造を形成するほうが好ましいことが確認される。
トナーの評価結果を表3に示す。
【0067】
(実施例13)
樹脂5(表1) 20重量部
樹脂14(表2) 80重量部
脱遊離脂肪酸カルナウバワックス(融点:83℃) 5重量部
カーボンブラック(三菱化学 #44) 10重量部
サリチル酸ジルコニウム塩 1重量部
上記のトナー構成材料を、実施例1と同様の方法を用いることによりトナーと現像剤を得た。非晶性樹脂のTgが低いことにより、非常に良いレベルの低温定着性のトナーとなるが、この実施例ほど低いと、耐ホットオフセット性や保存性が他の実施例のトナーよりも劣るようになる。したがって、これよりも非晶性樹脂のTgが低くなると、耐ホットホットオフセット性や保存性に問題が生じるやすいことが確認される。
トナーの評価結果を表3に示す。
【0068】
(実施例14)
樹脂6(表1) 20重量部
樹脂9(表2) 80重量部
脱遊離脂肪酸カルナウバワックス(融点:83℃) 5重量部
カーボンブラック(三菱化学 #44) 10重量部
サリチル酸ジルコニウム塩 1重量部
上記のトナー構成材料を実施例1と同様の方法でトナーと現像剤を得た。結晶性を有する樹脂の融点が、これまでの実施例よりも低いものであるが、高いレベルの低温定着性とはならなかった。樹脂6の結晶化度が低くなってしまったと考えられる。したがって、結晶性を維持し低温定着化への効果を発現しやすいものとするためには、結晶性を有する樹脂の融点が90℃以上であるほうが好ましいことが確認される。
トナーの評価結果を表3に示す。
【0069】
(比較例3)
樹脂4(表1) 5重量部
樹脂13(表2) 95重量部
脱遊離脂肪酸カルナウバワックス(融点:83℃) 5重量部
カーボンブラック(三菱化学 #44) 10重量部
サリチル酸ジルコニウム塩 1重量部
上記のトナー構成材料を実施例1と同様の方法でトナーと現像剤を得た。結晶性を有する樹脂を含有しているが、979±3cm−1の範囲にIRスペクトルのピークが存在しないこのトナーは、低温定着性が得られなかった。
トナーの評価結果を表3に示す。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明により、従来以上の低温定着性と耐オフセット性を併せ持ち、さらに耐熱保存性も問題ないトナーを得られ、また、解像度が良く、地肌汚れのない高品質の画像を得られるという極めて優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】979±3cm−1付近のIRスペクトルとピーク強度の例を示した図である。
【図2】1609±2cm−1付近のIRスペクトルとピーク強度の例を示した図である。
【図3】979±3cm−1付近にIRスペクトルのピークが存在するトナーと存在しないトナーの比較を示した図である。
【図4】本発明に係る画像形成方法及び装置の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 感光体(像担持体)
2 帯電ローラ
3 現像装置
4 現像剤
5 現像スリーブ(現像剤担持体)
6 転写ベルト(転写手段)
6a バイアスローラ
7 クリーニングブレード
8 回収ばね
9 回収コイル
10 感光体及びクリーニングユニット(PCU)
13 搬送スクリュー
14 パドル(撹拌機構)
16 反射濃度検知センサー(Pセンサー)
17 トナー濃度センサー
18 レジストローラ
20 除電ランプ
r 像露光
S 転写紙[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an image forming toner, a developing method, and a developing device.
[0002]
[Prior art]
As a fixing method used in the dry developing method, a heating heat roller method is widely and generally used because of its high energy efficiency. In recent years, in order to save energy by lowering the temperature of the toner, heat energy given to the toner during fixing tends to be smaller. In the DSM (Demand-side Management) program of the International Energy Agency (IEA) in 1999, there is a technology procurement project for next-generation copiers, and the required specifications are announced. For copiers of 30 cpm or more, It is required to achieve dramatic energy savings compared to conventional copiers so that the standby time is within 10 seconds and the power consumption during standby is 10 to 30 watts or less (depending on the copying speed).
[0003]
As a method for achieving this requirement, a method of improving the temperature responsiveness of the toner by reducing the heat capacity of a fixing member such as a heating heat roller can be considered, but it is not sufficiently satisfactory.
In order to achieve the above-mentioned requirement and minimize the standby time, it is considered that it is an essential technical achievement to lower the fixing temperature of the toner itself and lower the toner fixing temperature when the toner can be used.
In order to cope with such low-temperature fixing, attempts have been made to use a polyester resin having excellent low-temperature fixability and relatively good heat-resistant storage stability, instead of a styrene-acrylic resin which has been frequently used in the past.
[0004]
However, for further low-temperature fixing, it is necessary to control the thermal characteristics of the resin itself. However, if the glass transition temperature (Tg) is too low, the heat-resistant storage stability is deteriorated or the molecular weight is reduced. Resin to F 1/2 If the temperature is too low, there is a problem that the hot offset occurrence temperature is lowered. For this reason, even with a polyester resin having excellent low-temperature fixability, a toner having excellent low-temperature fixability and a high hot offset occurrence temperature has not yet been obtained by controlling the thermal characteristics of the resin itself.
[0005]
In order to solve this problem, there is an attempt to add a specific non-olefinic crystalline polymer having a sharp melt property at a glass transition temperature to a binder (see Patent Document 1). However, the inclusion of a material having a sharp melt property is insufficient for achieving low-temperature fixability. There is also an attempt to use crystalline polyester having the same sharp melt property (see Patent Documents 2 and 3). Patent Document 2 describes the physical properties of a crystalline polyester and the physical properties of a styrene-acrylic copolymer combined therewith, but the physical properties alone are insufficient for further low-temperature fixing. Further, Patent Document 3 describes the components of the crystalline polyester and some components of the polyester resin combined therewith, but it is still insufficient for further low-temperature fixing.
Therefore, it is necessary to establish a low-temperature fixing technology that is more advanced than the conventional technology area for a toner with a further low-temperature fixing that satisfies the required specifications of DSM.
[0006]
[Patent Document 1]
JP-A-62-63940 (page 5, lower left column, lines 5 to 9)
Claim 1)
[Patent Document 2]
Japanese Patent No. 2931899 (page 1, column 1 and column 2, claims 1 to 3)
[Patent Document 3]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-222138 (page 1, column 1, line 1 to 28)
Line)
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, an object of the present invention is to obtain a toner having both low-temperature fixing property and anti-offset property more than conventional ones and also having no problem with heat-resistant storage stability in view of the above-mentioned prior art. The goal is to obtain high quality images without blemishes.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
As a result of conducting various studies on a toner containing a crystalline polyester, it was found that a partial change in the crystalline polyester could achieve a sufficient low-temperature fixing, and the present invention was achieved.
That is, the present invention relates to (1) a toner containing at least a binder resin, a colorant, and a release agent, which is composed of a polyester resin having crystallinity (A) and a non-crystalline resin (B). ) Are incompatible with each other to form a phase-separated structure. -1 Range and 1609 ± 2cm -1 Absorption peak exists in the range of 979 ± 3 cm -1 The intensity of the absorption peak {circle around (1)} existing at 1609 ± 2 cm -1 And (2) "other than the polyester resin (A) having crystallinity as a binder resin." The toner according to item (1), wherein the amorphous resin (B) includes a resin having an aromatic compound as a component. 2cm -1 Absorption peak exists in the range of 979 ± 3 cm -1 Wherein the intensity (1) of the absorption peak existing in the toner (1) is 0.70 to 1.40 times, the toner (1) or (2), The toner according to any one of the above items (1) to (3), wherein the content of the polyester resin (A) having the following is 50% by weight or less of the binder resin ”, (5) "The polyester resin having crystallinity (A) is an aliphatic polyester resin represented by the following general formula (1), wherein the polyester resin (A) is any one of the above items (1) to (4). The toner:
[0009]
Embedded image
[-O-CO-CR 1 = CR 2 -CO- (CH2) n −] m ... General formula (1)
(N and m are positive numbers indicating a repeating unit, R 1 , R 2 Is a hydrocarbon group)
(6) The toner according to (2), wherein the binder resin contains a polyester resin as the resin (B) other than the crystalline polyester resin (A). (7) The method according to any one of the above items (1) to (6), wherein a diffraction peak derived from crystalline polyester is present in an X-ray diffraction pattern of the toner by powder X-ray diffraction. (8) “In the IR spectrum analysis, 970 ± 3 cm -1 Has an absorption peak at 1609 ± 2 cm -1 The toner according to the above item (1), wherein the toner contains a polyester resin having no absorption peak. (10) The polyester resin (A) having crystallinity has a maximum endothermic peak temperature of 90, which contains a polyester resin having a diffraction peak. ~ 130 ° C, F 1/2 The toner according to any one of the above items (1) to (9), wherein the temperature is 80 to 130 ° C. ”, (11)“ the resin (B) has a glass transition temperature of 40 to 70 ”. ° C and F 1/2 (12) The toner according to any one of the above items (1) to (10), wherein the melting point of the release agent is 70 to 90 ° C. (13) The toner according to any one of (1) to (11), wherein the toner has a volume average particle diameter of 4 to 7 μm. The toner according to any one of Items 1) to (12) ".
[0010]
Further, the above object is achieved by (14) a "toner container filled with the image forming toner according to any one of the above items (1) to (13)" of the present invention.
[0011]
Further, according to the present invention, in the image forming method for developing an electrostatic latent image formed on an image carrier, the toner may be any one of the above items (1) to (13). The image forming method according to any one of the preceding claims, wherein the toner is an image forming toner.
[0012]
Further, the above object is achieved by (16) a "toner container for storing the image forming toner according to any one of the above items (1) to (13)" of the present invention.
[0013]
According to another aspect of the present invention, there is provided (17) an image forming apparatus for developing an electrostatic latent image formed on an image carrier, wherein the toner container according to the above (16) is mounted. Image forming apparatus ".
[0014]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The toner of the present invention contains the crystalline polyester resin (A) and has an IR spectrum of 979 ± 3 cm of the toner. -1 It is characterized in that a peak exists in the range of (a peak that is present as a result of a change in the crystalline polyester due to interaction with any component of the constituent material in the toner). In order to obtain a toner having such a peak, 970 ± 3 cm -1 A crystalline polyester resin having an IR spectrum peak in the range of (C-H out-of-plane bending vibration of unsaturated hydrocarbon) is used. This resin (A) undergoes crystal transition at the melting point (the maximum endothermic peak temperature of the DSC curve), and at the same time, its melt viscosity is rapidly lowered from a solid state, thereby exhibiting a fixing function.
[0015]
A part or the whole of the crystalline polyester resin (A) in the toner of the present invention changes due to interaction with other components in the toner, and the fixing property of the resin (B) other than the crystalline polyester resin is also improved. It is thought that it is. Therefore, the toner of the present invention has a thickness of 970 ± 3 cm -1 979 ± 3cm instead of the peak in the range -1 It is preferable that a peak exists in the range.
[0016]
The crystalline polyester resin (A) and the other resin (B) are preferably incompatible with each other and have a phase-separated structure. As the resin (B), a conventionally known binder resin for toner is used. By taking the phase separation structure, each of the function of the elastic resin (B) and the function of the crystalline polyester resin (A) is exhibited. As a result, it is easy to suppress a decrease in offset resistance and a deterioration in storability due to a conventional low-temperature fixing toner.
[0017]
Conventionally known binder resins for toner include styrene having an aromatic ring, a polymer of styrene and an acrylic monomer, and a polyester resin. Particularly, the polyester resin has a low-temperature fixing property and an anti-offset property. It is preferable in terms of compatibility and storage stability.
[0018]
The toner of the present invention containing such a resin (B) is 1609 ± 2 cm -1 The peak of the IR spectrum is also present in the range of (benzene ring skeleton vibration). -1 When the peak intensity (1) of the IR spectrum in the range of (1) is 0.65 times or more, the effect on low-temperature fixing by the inclusion of the crystalline polyester is easily exhibited. More preferably, the peak intensity (1) is 0.70 times or more the peak intensity (2).
[0019]
The peak intensity {circle around (1)} greatly varies depending on the content of the crystalline polyester resin, but also depends on the amount of some component other than the crystalline polyester in the toner. For example, even if the content of the crystalline polyester is the same, the peak intensity {circle around (1)} is different and the fixability is changed. Accordingly, it is not possible to obtain sufficient low-temperature fixability only by specifying the content of the crystalline polyester resin.
[0020]
On the other hand, if the peak intensity (1) is too high with respect to the peak intensity (2), the properties of the amorphous resin (B) are liable to be impaired, and even if the low-temperature fixability can be achieved, the hot offset resistance And the storage stability may be impaired. Therefore, the peak intensity (1) is preferably 1.50 times or less the peak intensity (2). More preferably, it is 1.40 times or less.
[0021]
The IR spectrum of the toner and the resin of the present invention is obtained by measuring a transmission spectrum by a KBr tablet method (transmission method) using FT-IR manufactured by Perkin Elmer. Further, the peak intensity of the IR spectrum was determined by using OMNIC Software and converting the amount of absorption into absorbance.
[0022]
Figure 997 ± 3cm -1 The near IR spectrum and peak intensity are shown in FIG. -1 The near IR spectrum and peak intensity were shown. FIG. 3 shows 979 ± 3 cm. -1 An example in which no peak is present was shown.
[0023]
The toner of the present invention has an effect on fixing property of 979 ± 3 cm. -1 In the case where the resin (A) and the resin (B) have a phase-separated structure, the content of the crystalline polyester resin (B) affecting the dispersion state of the resin (A) and the resin (B) is described. The quantity is also important. Therefore, the content of the crystalline polyester resin (B) with respect to the binder resin is preferably 1 to 50 parts by weight. If the amount is more than 50 parts by weight, the dispersibility of the crystalline polyester becomes poor. In the case of a colorant such as a pigment used by being dispersed in a resin, since the colorant exists only in the amorphous resin (B), when the dispersibility of the crystalline polyester resin (A) is poor, The dispersibility of the colorant also deteriorates, and the degree of coloring decreases. When the amount is less than 1 part by weight, even if a phase-separated structure is employed, the dispersed state is too good, and different functions of the respective resins may not be exhibited.
[0024]
The presence of the crystalline polyester resin (A) in the toner and the formation of a phase separation structure with the resin (B) can be confirmed by the following method.
[0025]
{Circle around (1)} The presence or absence of the formation of the phase separation structure can be confirmed by observing the cross section of the toner with a transmission electron microscope (TEM). This method is limited to a colorant used by being dispersed in a resin, such as a pigment. Since the colorant does not disperse in the crystalline polyester resin (A) but selectively disperses in the resin (B), phase separation can be performed by observing the absence of the colorant in the form of islands by TEM. You can check the structure.
Observation of the toner cross section was performed by using a Hitachi transmission electron microscope H-9000, ultra-thin sections of the toner particles to about 100 μm under the condition of an acceleration voltage of 300 kV, staining with ruthenium tetroxide, and then using a transmission electron microscope (TEM). Observation was performed at a magnification of 10,000 times and a photograph was taken.
[0026]
(2) The presence or absence of the formation of a phase separation structure can be confirmed by measuring the X-ray diffraction pattern of the toner with a powder X-ray diffractometer. This is because the crystalline polyester (A) exists in a state where the crystalline polyester (A) retains the crystallinity and is separated from the amorphous polyester (B), so that the diffraction peak attributed to the crystalline polyester resin (A) is present. (2θ = 19-20 °, 21-22 °, 23-25 °, 29-31 °). When the phase-separated structure is not formed, the crystal structure of the polyester (A) is not maintained, and the diffraction peak attributed to the polyester (A) does not appear because the polyester (A) is compatible with the amorphous polyester (B). .
In order for a diffraction peak derived from crystalline polyester to be present in the X-ray diffraction pattern of the toner by the powder X-ray diffractometer, a resin having a diffraction peak in the X-ray diffraction pattern by the powder X-ray diffractometer is used.
Preferably, a diffraction peak exists at 2θ = 20 to 25 °.
The powder X-ray diffraction measurement was performed using a Rigaku RINT1100, using a wide-angle goniometer with a tube of Cu and a tube voltage-current of 50 kV-30 mA.
[0027]
In the toner of the present invention, the crystalline polyester resin (A) undergoes crystal transition at the melting point, and at the same time, its melt viscosity sharply decreases from a solid state, thereby exhibiting a fixing function to paper.
[0028]
Accordingly, the melting point of the polyester (A) and F 1/2 By controlling the temperature, it is possible to control the fixing lower limit temperature, and it is preferable that the temperature is low as long as the heat-resistant storage stability is not deteriorated, and it is preferable that the temperature is in the range of 90 to 130 ° C. and 80 to 130 ° C., respectively. . Here, the melting point of the crystalline polyester (A) refers to the maximum endothermic peak temperature at the time of the second temperature rise in DSC measurement.
Melting point and F 1/2 When the temperature is lower than the above range, it is difficult to synthesize a crystalline polyester satisfying the above requirements. When the temperature is 130 ° C. or higher, the fixing lower limit temperature becomes high, so that low-temperature fixing property cannot be obtained.
[0029]
Further, the glass transition temperature (Tg) of the amorphous resin (B) and F 1/2 As for the temperature, the glass transition temperature (Tg) is 40 to 70 ° C. 1/2 Preferably, the temperature is between 120 and 160C. F 1/2 When the temperature is 120 ° C. or lower, the hot offset property deteriorates, and when the temperature is 160 ° C. or higher, the elasticity tends to be high, and the share when dispersing the toner constituent materials increases, which causes a problem that it is difficult to disperse. When the glass transition temperature (Tg) is 40 ° C. or lower, the heat resistance storage stability of the toner is significantly deteriorated, and blocking occurs. When the glass transition temperature (Tg) is 70 ° C. or higher, the low-temperature fixability of the toner deteriorates. Here, the glass transition temperature (Tg) of the resin (B) refers to the glass transition temperature (Tg) determined by the tangent method at the time of the second temperature rise in DSC measurement.
[0030]
The melting point of the release agent used in the toner of the present invention is preferably from 70 to 90C. If the temperature is lower than 70 ° C., the heat-resistant storage stability of the toner is deteriorated, and if the temperature is higher than 90 ° C., the releasability at low temperatures is not exhibited, and the cold offset resistance is deteriorated and the paper is wound around a fixing machine. Here, the melting point of the release agent refers to an endothermic peak temperature at the time of the second temperature rise in DSC measurement.
[0031]
The glass transition temperature (Tg) and the melting point of the present invention are measured by using a thermal analyzer DSC-60 manufactured by Shimadzu Corporation at a temperature range of 20 ° C. to 150 ° C. and a heating rate of 10 ° C./min. . When the second heating was performed, the temperature was lowered to the measurement start temperature at a cooling rate of 10 ° C./min without a holding time after the first heating.
[0032]
F of the present invention 1/2 The temperature was measured using an elevated flow tester CF-500 manufactured by Shimadzu Corporation, with a die diameter of 1 mm and a pressure of 10 kgf / cm. 2 1 cm under the condition of a heating rate of 3 ° C./min. 2 Is the temperature at which the stroke when the sample is melted and discharged becomes 1 / of the stroke change amount from the flow start point to the flow end point.
[0033]
The materials used for the toner of the present invention will be described.
The crystalline polyester resin (A) is a diol compound having 2 to 20 carbon atoms, an alcohol component containing these derivatives, a polycarboxylic acid compound such as an aliphatic dicarboxylic acid, an aromatic dicarboxylic acid, or an alicyclic dicarboxylic acid; And an aliphatic polyester synthesized using an acid component containing these derivatives. Particularly, an alcohol component containing a linear alkylene glycol having 2 to 6 carbon atoms such as ethylene glycol, 1,4-butanediol, and 1,6-hexanediol and a derivative thereof, maleic acid, fumaric acid, and succinic acid. An aliphatic polyester resin represented by the following general formula (1), which is synthesized using an aliphatic dicarboxylic acid such as the above and an acid component containing a derivative thereof, is preferable.
[0034]
Embedded image
[-O-CO-CR 1 = CR 2 -CO- (CH2) n −] m ... General formula (1)
(N and m are the number of repeating units, R 1 , R 2 Is a hydrocarbon machine)
[0035]
In addition, from the viewpoint of the crystallinity and softening point of the polyester, in order to synthesize a non-linear polyester resin, a trihydric or higher polyhydric alcohol such as glycerin is added to the alcohol component, or trimellitic anhydride is added to the acid component. The polycondensation may be carried out by adding a trivalent or more polyvalent carboxylic acid.
[0036]
As the amorphous resin (B), all conventionally known resins can be used. For example, styrene, α-methylstyrene, chlorostyrene, styrene-propylene copolymer, styrene-butadiene copolymer, styrene-vinyl chloride copolymer can be used. Styrene such as polymer, styrene-vinyl acetate copolymer, styrene-maleic acid copolymer, styrene-acrylic acid ester copolymer, styrene-methacrylic acid ester copolymer, styrene-acrylonitrile-acrylic acid ester copolymer Resin, polyester resin, vinyl chloride resin, rosin-modified maleic resin, phenol resin, epoxy resin, polyethylene resin, polypropylene resin, ionomer resin, polyurethane resin, silicone resin, ketone resin, xylene resin, petroleum resin, hydrogenated Such as petroleum resin Of these, styrene resins and polyester resins containing an aromatic compound as a component are preferred. Particularly preferred are polyester resins.
[0037]
The polyester resin is synthesized from a polyhydric alcohol and a polycarboxylic acid. As the polyhydric alcohol or polycarboxylic acid, the components used in the crystalline polyester resin (A) can be used. In addition, alkylene oxide adducts of bisphenol A, isophthalic acid, terephthalic acid and derivatives thereof are also available. is there.
These resins are not limited to being used alone, and may be used in combination of two or more kinds.
[0038]
Examples of the wax as a release agent used in the toner of the present invention include low molecular weight polyolefin waxes such as low molecular weight polyethylene and low molecular weight polypropylene, synthetic hydrocarbon waxes such as Fischer-Tropsch wax, beeswax, carnauba wax, and candelilla. Natural waxes such as wax, rice wax, montan wax, petroleum waxes such as paraffin wax and microcrystalline wax, higher fatty acids such as stearic acid, palmitic acid, myristic acid, and metal salts of higher fatty acids, higher fatty acid amides, etc. And various modified waxes, and these can be used alone or in combination of two or more.
The amount of the release agent used is 1 to 20 parts by weight, preferably 3 to 10 parts by weight, based on the toner resin component.
[0039]
Examples of the colorant used in the toner of the present invention include carbon black, lamp black, iron black, aniline blue, phthalocyanine blue, phthalocyanine green, Hansa Yellow G, rhodamine 6C lake, calco oil blue, chrome yellow, quinacridone, and benzidine yellow. Any conventionally known dyes and pigments such as dyes such as rose bengal and triallylmethane dyes can be used alone or in combination, and can be used as a black toner or a full color toner. The amount of these colorants used is generally 1 to 30% by weight, preferably 3 to 20% by weight, based on the toner resin component.
[0040]
The toner of the present invention can contain a charge control agent, a fluidity improver, and the like, if necessary.
As the charge control agent, any conventionally known polarity control agent such as a nigrosine dye, a metal complex type dye, and a quaternary ammonium salt can be used alone or in combination. The amount of the polarity control agent is 0.1 to 10 parts by weight, preferably 1 to 5 parts by weight, based on the toner resin component.
As the fluidity improver, any conventionally known fluidity improvers such as hydrophobic silica, titanium oxide, silicon carbide, aluminum oxide, barium titanate and the like can be used alone or in combination. Titanium is excellent in improving fluidity, stabilizing charging and stabilizing image quality. More preferably, when hydrophobic silica and titanium oxide are used in combination, a good toner having stable fluidity and chargeability can be obtained. The amount of these fluidity improvers to be used is 0.1 to 5 parts by weight, preferably 0.5 to 2 parts by weight, based on the weight of the toner.
[0041]
Further, the toner of the present invention can be used as a magnetic toner containing a magnetic substance, and as a magnetic material contained in the toner, magnetite, hematite, iron oxide such as ferrite, iron, cobalt, metal such as nickel or the like. Examples of these metals include alloys of metals such as aluminum, cobalt, copper, lead, magnesium, tin, zinc, antimony, beryllium, bismuth, cadmium, calcium, manganese, selenium, titanium, tungsten, and vanadium, and mixtures thereof. In particular, magnetite is preferred in terms of magnetic properties.
These ferromagnetic materials preferably have an average particle size of about 0.1 to 2 μm, and are contained in the toner in an amount of about 15 to 200 parts by weight, particularly preferably 100 parts by weight, per 100 parts by weight of the resin component. 20 to 100 parts by weight per part.
[0042]
In the production of the toner of the present invention, a method obtained by pulverizing and classifying after melt-kneading is generally used as a conventional method. However, the present invention is not limited to this method, and various methods including a polymerization method can be used.
The toner of the present invention preferably has a volume average particle diameter of 4 to 10 μm in order to obtain high image quality excellent in fine line reproducibility. When the particle size is larger than this range, fine line reproducibility tends to be inferior, and when the particle size is smaller, cleaning failure tends to occur. Further, since the fixing temperature can be lowered by reducing the particle size, it is more preferably 4 to 7 μm. This is presumably because the number of toners in contact with the fixing member increases by reducing the particle diameter, and the thermal responsiveness increases.
[0043]
The toner of the present invention can be used both as a one-component developer and as a two-component developer in combination with a carrier.
[0044]
Regardless of whether the toner of the present invention is used as a one-component developer or a two-component developer, the toner is filled in a container, and the container filled with the toner is distributed separately from the image forming apparatus, and the user In general, an image is formed by being mounted on a forming apparatus.
The container used as the container is not limited, and is not limited to a conventional bottle type or cartridge type.
The image forming apparatus is not limited as long as it is an apparatus for forming an image by electrophotography, and includes, for example, a copying machine and a printer.
[0045]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
An embodiment of an image forming method and apparatus according to the present invention will be described. Here, FIG. 4 is a schematic configuration diagram showing an example of the image forming method and apparatus according to the present invention.
[0046]
In FIG. 4, a photoconductor (1) as an image carrier is rotated in a direction indicated by an arrow (counterclockwise) in the figure, and is uniformly charged by a charging roller (2). Thereafter, image exposure (r) is performed by exposing a document image from an exposure unit (not shown) or optical writing with laser light from an optical writing device (not shown), and an electrostatic latent image is formed on the photoconductor (1). . A developer (4) is contained in the developing device (3). As the developer (4), a two-component developer which is a mixture of a carrier and a toner is used. When the developer (4) is stirred, the toner is charged by frictional charging. At a position facing the photoconductor (1) of the developing device (3), a developing sleeve (5) in which a plurality of magnets or a magnet roller having a plurality of magnetic poles is disposed is disposed. 4) is carried on a developing sleeve (5) by a magnetic force, is conveyed to a position facing the photoconductor (1), and develops an electrostatic latent image on the photoconductor (1) with toner.
[0047]
A transfer belt (6) is disposed downstream of the developing device (3) in the rotation direction of the photoreceptor (1). The transfer belt (6) is stretched over a driving roller and a driven roller, and is Is turned in the direction of the arrow. Further, the transfer belt (6) is provided so as to be capable of coming into contact with and separating from the photoconductor (1) by a contact / separation mechanism (not shown). S). A voltage (transfer output) having a polarity opposite to that of the toner is applied to the back surface of the transfer belt (6) by a power supply (not shown) via a bias roller (6a).
[0048]
The transfer paper (S) conveyed from a paper supply unit (not shown) is transferred to the nip portion between the photoconductor (1) and the transfer belt (6) by a registration roller (18) in accordance with the image forming timing on the photoconductor (1). The toner image fed and developed on the photoconductor (1) is sandwiched between the photoconductor (1) and the transfer belt (6) by an electric field between the transfer belt (6) and the photoconductor (1). The image is transferred onto the transferred transfer paper (S). The transfer paper (S) to which the toner image has been transferred is then conveyed by a transfer belt (6) and passes through a fixing device (not shown). At this time, the toner image is thermally fused onto the transfer paper. Then, the transfer paper (S) after fixing is discharged to a discharge unit (not shown). On the other hand, the toner remaining on the photoreceptor that has not been completely transferred is blocked by the cleaning blade (7) and put on the collecting coil (9) by the collecting spring (8). Then, the toner is returned to the developing device (3) as recycled toner by the collection coil (9). After the cleaning, the photosensitive member (1) is discharged by a discharge lamp (20).
[0049]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to Examples, but the present invention is not limited thereto.
The characteristics of the toners prepared in the respective examples of the present invention were evaluated by the following methods.
1) Evaluation of fixability
A copying machine manufactured by Ricoh Co., Ltd. using a polytetrafluoroethylene-based fluororesin roller as a fixing roller. Using an apparatus in which the fixing section of the MF-2200 was modified, a Ricoh type 6200 paper was set in this and a copying test was performed. . Table 3 shows the results.
The cold offset temperature (fixing lower limit temperature) and the hot offset temperature (anti-hot offset temperature) were determined by changing the fixing temperature. The minimum fixing temperature of the conventional low-temperature fixing toner is about 140 to 150 ° C. The evaluation conditions for the low-temperature fixing are as follows: the linear velocity of paper feeding is 120 to 150 mm / sec, and the surface pressure is 1.2 kgf / cm. 2 , Nip width 3 mm, high-temperature offset evaluation conditions: paper feed linear velocity 50 mm / sec, surface pressure 2.0 kgf / cm 2 And the nip width was set to 4.5 mm.
The criteria for each characteristic evaluation are as follows.
(1) Low-temperature fixability (5-level evaluation)
◎; less than 130 ° C .; ○; 130 to 140 ° C .; □; 140 to 150 ° C.
Δ: 150 to 160 ° C, ×: 160 ° C or more
(2) Hot offset properties (5-level evaluation)
◎: 201 ° C or higher, ○: 200 to 191 ° C, □: 190 to 181 ° C,
Δ: 180 to 171 ° C, ×: 170 ° C or less
[0050]
2) Evaluation of heat preservation
The glass container is filled with the toner and left in a constant temperature bath at 50 ° C. for 24 hours. The toner is cooled to 24 ° C., and the penetration is measured by a penetration test (JIS K2235-1991). The larger the value of this toner, the more excellent the storage stability against heat. If this value is 15 mm or less, there is a high possibility that a problem will occur in use.
The criteria for judging the heat preservability based on the penetration are as follows.
◎ Penetration, ○ 25mm or more, □ 20-25mm, △ 15-20mm,
× less than 15mm
[0051]
3) Resolution evaluation
A developer is set in MF-2200 manufactured by Ricoh Co., Ltd., and in a normal temperature / normal humidity environment, a dot image of 600 dots / inch and 150 lines / inch is output independently and in halftone images in both main scanning and sub scanning directions. , Dot missing, and image density unevenness were visually evaluated in four stages.
◎: very good, :: good, Δ: practically acceptable level,
×: Level with practical problems
[0052]
4) Ground stain evaluation
The developer was set in MF-2200 manufactured by Ricoh Co., Ltd., and 100,000 sheets were continuously copied in an environment of normal temperature and normal humidity, and the degree of background stain in the non-image area was visually evaluated.
◎: very good level, :: good level,
Δ: Practically no problem, X: Practical problem
[0053]
(Example 1)
Resin 1 (Table 1) 25 parts by weight
Resin 7 (Table 2) 75 parts by weight
5 parts by weight of polyethylene wax (melting point: 90 ° C)
Carbon black (Mitsubishi Chemical # 44) 10 parts by weight
Zirconium salicylate 1 part by weight
The above-mentioned toner constituent materials are sufficiently stirred and mixed in a Henschel mixer, kneaded with a twin-screw extruder, cooled, pulverized and classified so that the volume average particle size becomes 9.0 ± 0.5 μm. A toner was obtained. As for the kneading conditions, the temperature of the kneader was set so that the kneaded material was kneaded at a low temperature (the lowest temperature in a range where the kneaded material was in a molten state). The temperature of the kneader was set so that the temperature of the kneaded product became 120 ° C. 0.5 wt% of hydrophobic silica and 0.3 wt% of titanium oxide were added to the obtained toner base and mixed to obtain a final toner. 2.5 parts by weight of this toner and 97.5 parts of a silicone-coated ferrite carrier (core particle diameter: 45 μm) were mixed with a turbuler mixer to obtain a developer.
Table 3 shows the evaluation results of the toner.
[0054]
(Example 2)
Resin 1 (Table 1) 25 parts by weight
Resin 9 (Table 2) 75 parts by weight
5 parts by weight of free fatty acid carnauba wax (melting point: 83 ° C)
Carbon black (Mitsubishi Chemical # 44) 10 parts by weight
Zirconium salicylate 1 part by weight
A toner and a developer were obtained from the above toner constituent materials in the same manner as in Example 1. By using the amorphous resin (B) as the polyester resin, the balance between the low-temperature fixing property and the hot offset resistance was improved as compared with Example 1. In addition, since the dispersibility of the resin having crystallinity was improved, the dispersibility of the pigment was also improved, abnormal charging was unlikely to occur, and the degree of background fouling was improved.
Table 3 shows the evaluation results of the toner.
[0055]
(Comparative Example 1)
Resin 8 (Table 2) 25 parts by weight
Resin 9 (Table 2) 75 parts by weight
5 parts by weight of free fatty acid carnauba wax (melting point: 83 ° C)
Carbon black (Mitsubishi Chemical # 44) 10 parts by weight
Zirconium salicylate 1 part by weight
A toner and a developer were obtained from the above toner constituent materials in the same manner as in Example 1. F 1/2 Although a phase-separated structure was formed with a resin having a low temperature, low-temperature fixability such as that of a resin having crystallinity could not be obtained.
Table 3 shows the evaluation results of the toner.
[0056]
(Example 3)
Resin 1 (Table 1) 50 parts by weight
Resin 9 (Table 2) 50 parts by weight
5 parts by weight of free fatty acid carnauba wax (melting point: 83 ° C)
Carbon black (Mitsubishi Chemical # 44) 10 parts by weight
Zirconium salicylate 1 part by weight
A toner and a developer were obtained from the above toner constituent materials in the same manner as in Example 1. Although the low-temperature fixability was higher than that of Example 2, the dispersibility of the resin having crystallinity was poor, and the background stain was worse than that of Example 2. From these results, it can be said that if the amount of the resin having crystallinity is larger than this, background contamination may become a problem.
Table 3 shows the evaluation results of the toner.
[0057]
(Example 4)
Resin 1 (Table 1) 25 parts by weight
Resin 10 (Table 2) 75 parts by weight
5 parts by weight of free fatty acid carnauba wax (melting point: 83 ° C)
Carbon black (Mitsubishi Chemical # 44) 10 parts by weight
Zirconium salicylate 1 part by weight
A toner and a developer were obtained from the above toner constituent materials in the same manner as in Example 1. Although the content of the resin having crystallinity was the same as in Example 2, the low-temperature fixability was different, and it was confirmed that the value of the peak intensity (1) with respect to the peak intensity (2) had an effect.
Table 3 shows the evaluation results of the toner.
[0058]
(Example 5)
Resin 1 (Table 1) 40 parts by weight
Resin 10 (Table 2) 60 parts by weight
5 parts by weight of free fatty acid carnauba wax (melting point: 83 ° C)
Carbon black (Mitsubishi Chemical # 44) 10 parts by weight
Zirconium salicylate 1 part by weight
A toner and a developer were obtained from the above toner constituent materials in the same manner as in Example 1. As a result of increasing the amount of the polyester resin having crystallinity as compared with Example 4, the values of the peak intensities (1) / (2) became larger than those of Example 4, and the low-temperature fixability was improved. Sex deteriorated. Therefore, it is confirmed that when the value of the peak intensity (1) / (2) does not exceed 1.4, such deterioration hardly occurs and the low-temperature fixability is obtained.
Table 3 shows the evaluation results of the toner.
[0059]
(Example 6)
Resin 2 (Table 1) 20 parts by weight
Resin 10 (Table 2) 80 parts by weight
5 parts by weight of free fatty acid carnauba wax (melting point: 83 ° C)
Carbon black (Mitsubishi Chemical # 44) 10 parts by weight
Zirconium salicylate 1 part by weight
A toner and a developer were obtained from the above toner constituent materials in the same manner as in Example 1. It is confirmed that the lower the melting point of the crystalline resin, the easier it is to obtain low-temperature fixability.
Table 3 shows the evaluation results of the toner.
[0060]
(Comparative Example 2)
Resin 11 (Table 2) 20 parts by weight
Resin 10 (Table 2) 80 parts by weight
5 parts by weight of free fatty acid carnauba wax (melting point: 83 ° C)
Carbon black (Mitsubishi Chemical # 44) 10 parts by weight
Zirconium salicylate 1 part by weight
A toner and a developer were obtained from the above toner constituent materials in the same manner as in Example 1. F 1/2 It is confirmed that it is difficult to obtain a low-temperature fixing property of a non-crystalline resin having a high temperature even with a polyester resin, such as a crystalline resin.
Table 3 shows the evaluation results of the toner.
[0061]
(Example 7)
A toner and a developer were obtained in the same manner as in Example 6, except that the toner constituent material of Example 6 was pulverized and classified so that the volume average particle size became 6.8 ± 0.5 μm. Low-temperature fixability was improved by reducing the particle size.
Table 3 shows the evaluation results of the toner.
[0062]
(Example 8)
Resin 3 (Table 1) 30 parts by weight
Resin 12 (Table 2) 70 parts by weight
5 parts by weight of free fatty acid carnauba wax (melting point: 83 ° C)
Carbon black (Mitsubishi Chemical # 44) 10 parts by weight
Zirconium salicylate 1 part by weight
A toner and a developer were obtained from the above toner constituent materials in the same manner as in Example 1. F 1/2 The toner using an amorphous polyester resin having a temperature of 170 ° C. has a lower low-temperature fixability than the other examples in spite of the content of the crystalline polyester resin and the value of the peak intensity ratio (1) / (2). Is also inferior. From this result, the F of the crystalline resin 1/2 It is confirmed that the temperature should preferably not exceed 170 ° C.
Table 3 shows the evaluation results of the toner.
[0063]
(Example 9)
Resin 3 (Table 1) 15 parts by weight
Resin 10 (Table 2) 85 parts by weight
5 parts by weight of free fatty acid carnauba wax (melting point: 83 ° C)
Carbon black (Mitsubishi Chemical # 44) 10 parts by weight
Zirconium salicylate 1 part by weight
A toner and a developer were obtained from the above toner constituent materials in the same manner as in Example 1. Since the melting point of the crystalline resin is low, low-temperature fixability can be obtained with a small content, and a toner having good dispersibility can be obtained. Therefore, there was no charging failure due to poor dispersion of carbon black, and an image with a good degree of background contamination was obtained.
Table 3 shows the evaluation results of the toner.
[0064]
(Example 10)
Resin 3 (Table 1) 15 parts by weight
Resin 10 (Table 2) 85 parts by weight
5 parts by weight of polyethylene wax (melting point: 100 ° C)
Carbon black (Mitsubishi Chemical # 44) 10 parts by weight
Zirconium salicylate 1 part by weight
A toner and a developer were obtained from the above toner constituent materials in the same manner as in Example 1. Due to the increased melting point of the release agent, the toner of Example 9 did not have low-temperature fixability. From these results, it is confirmed that when the melting point of the release agent is increased, the low-temperature fixability is easily hindered.
Table 3 shows the evaluation results of the toner.
[0065]
(Example 11)
Resin 4 (Table 1) 30 parts by weight
Resin 13 (Table 2) 70 parts by weight
5 parts by weight of free fatty acid carnauba wax (melting point: 83 ° C)
Carbon black (Mitsubishi Chemical # 44) 10 parts by weight
Zirconium salicylate 1 part by weight
A toner and a developer were obtained from the above toner constituent materials in the same manner as in Example 1. The toner using an amorphous polyester resin having a Tg of 70 ° C. has a lower low-temperature fixability than the other examples in spite of the content of the crystalline polyester resin and the value of the peak intensity ratio (1) / (2). Is also inferior. From this result, it is confirmed that the Tg of the amorphous resin preferably does not exceed 70 ° C.
Table 3 shows the evaluation results of the toner.
[0066]
(Example 12)
Resin 4 (Table 1) 10 parts by weight
Resin 10 (Table 2) 90 parts by weight
5 parts by weight of free fatty acid carnauba wax (melting point: 83 ° C)
Carbon black (Mitsubishi Chemical # 44) 10 parts by weight
Zirconium salicylate 1 part by weight
A toner and a developer were obtained from the above toner constituent materials in the same manner as in Example 1. The toner of this example, in which the resin having the crystallinity was very well dispersed by the low-temperature kneading and the phase separation structure was not confirmed, was inferior in the low-temperature fixability to other examples. From this result, it is confirmed that it is preferable that the crystalline resin and the amorphous resin form a phase separation structure.
Table 3 shows the evaluation results of the toner.
[0067]
(Example 13)
Resin 5 (Table 1) 20 parts by weight
Resin 14 (Table 2) 80 parts by weight
5 parts by weight of free fatty acid carnauba wax (melting point: 83 ° C)
Carbon black (Mitsubishi Chemical # 44) 10 parts by weight
Zirconium salicylate 1 part by weight
A toner and a developer were obtained by using the above toner constituent materials in the same manner as in Example 1. Although the amorphous resin has a low Tg, the toner has a very good level of low-temperature fixability. However, if the amorphous resin is as low as this embodiment, the hot offset resistance and the storage stability are inferior to those of the other embodiments. become. Therefore, it is confirmed that when the Tg of the amorphous resin is lower than this, problems tend to occur in hot-hot offset resistance and storage stability.
Table 3 shows the evaluation results of the toner.
[0068]
(Example 14)
Resin 6 (Table 1) 20 parts by weight
Resin 9 (Table 2) 80 parts by weight
5 parts by weight of free fatty acid carnauba wax (melting point: 83 ° C)
Carbon black (Mitsubishi Chemical # 44) 10 parts by weight
Zirconium salicylate 1 part by weight
A toner and a developer were obtained from the above toner constituent materials in the same manner as in Example 1. Although the melting point of the resin having crystallinity was lower than that of the examples described above, the resin did not have a high level of low-temperature fixability. It is considered that the crystallinity of the resin 6 was lowered. Therefore, it is confirmed that the melting point of the crystalline resin is preferably 90 ° C. or higher in order to maintain the crystallinity and easily exert the effect of fixing at low temperature.
Table 3 shows the evaluation results of the toner.
[0069]
(Comparative Example 3)
Resin 4 (Table 1) 5 parts by weight
Resin 13 (Table 2) 95 parts by weight
5 parts by weight of free fatty acid carnauba wax (melting point: 83 ° C)
Carbon black (Mitsubishi Chemical # 44) 10 parts by weight
Zirconium salicylate 1 part by weight
A toner and a developer were obtained from the above toner constituent materials in the same manner as in Example 1. Contains resin with crystallinity, but 979 ± 3cm -1 This toner, in which no IR spectrum peak exists in the range, could not obtain low-temperature fixability.
Table 3 shows the evaluation results of the toner.
[0070]
[Table 1]
[0071]
[Table 2]
[0072]
[Table 3]
[0073]
【The invention's effect】
As is clear from the detailed and specific description above, according to the present invention, it is possible to obtain a toner having both low-temperature fixability and offset resistance more than conventional ones, and further, having no problem with heat-resistant storage stability. This is an extremely excellent effect that a high-quality image free of stains can be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 979 ± 3 cm -1 It is the figure which showed the example of the IR spectrum and the peak intensity of the vicinity.
FIG. 2 1609 ± 2 cm -1 It is the figure which showed the example of the IR spectrum and the peak intensity of the vicinity.
FIG. 3 is 979 ± 3 cm -1 FIG. 7 is a diagram showing a comparison between a toner having an IR spectrum peak near and a toner not having the peak.
FIG. 4 is a schematic configuration diagram illustrating an example of an image forming method and apparatus according to the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Photoconductor (image carrier)
2 Charging roller
3 Developing device
4 Developer
5 Developing sleeve (developer carrier)
6. Transfer belt (transfer means)
6a bias roller
7 Cleaning blade
8 Collection spring
9 Collection coil
10 Photoconductor and cleaning unit (PCU)
13 transport screw
14 paddle (stirring mechanism)
16 Reflection density detection sensor (P sensor)
17 Toner density sensor
18 Registration roller
20 Static elimination lamp
r image exposure
S transfer paper