【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、模倣品と真正品との識別をするための刻印を有する金属部を備えた部品又は製品とその製造方法に関するものであり、特に上記部品又は製品の種類としては、ターボチャージャのタービン、またはエンジンピストン、またはエンジン放熱フィン、その他ボルト穴を有する機械部品などを対象としている。
【０００２】
【従来の技術】
現在、模倣品被害が深刻である。一見して真贋の区別のできない精巧な模倣品が流布しており、メーカ関係者は、模倣品と疑われる部品又は製品を工場等に持ち帰り、真贋鑑定を行わなければならない。よって、真贋判定のための識別情報を、部品又は製品に付与しておくことで、容易、確実な真贋鑑定が行うことができる。
【０００３】
部品又は製品の識別情報付与方法として、「特許文献１」のようにレーザ加工機を用いて、部品又は製品にバーコード等の識別情報を直接凹部加工（盲穴加工）する方法がある。この方法であれば、識別情報を微細な加工によって直接形成することができる。
【０００４】
【特許文献１】特開平５―３１３５８５号公報
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、レーザ加工は、レーザが入射可能な部分にしか加工ができないので、識別情報は部品又は製品の外表面に加工されることとなり、そのような識別情報は加工技術の未発達な国でも慣用の加工法、具体的には切削、ポンチによる打刻（鍛造）で簡単に偽造できてしまう。また、レーザ加工は高価な設備が必要であり、加工形状によっては非効率、制御が困難という欠点を持つ。
【０００６】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、▲１▼偽造困難であり、▲２▼簡便に付与されることを特徴とする真贋識別情報を有する金属部を備えた部品又は製品を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明は金属部からなる凹部若しくは穴部の内面の少なくとも一箇所に刻印を有し、前記金属部は部品又は製品の少なくとも一部であり、前記刻印は部品又は製品を識別する微細な刻印であることを特徴とする金属部を備えた部品又は製品である。
【０００８】
本発明は、金属部からなる凹部若しくは穴部の内面の少なくとも一箇所に刻印を形成する工程を備え、前記金属部は部品又は製品の少なくとも一部であり、前記刻印は前記部品又は製品を識別する微細な刻印であることを特徴とする、金属部を備えた部品又は製品の製造方法である。
【０００９】
本発明の金属部を備えた部品又は製品、及びその製造方法によれば、識別刻印形成箇所を凹部内面若しくは穴部内面とし、また刻印を微細なものとしたため、加工技術の未発達な国での慣用な加工法、具体的には切削、鍛造では、刻印を精度良く偽造することが困難である。ここで、精度が良いとは、目標とする形状から誤差０．４ｍｍ以内で加工できることをいい、微細とは、浮き彫りの線を形成した場合に、形成される線の太さ、高さが０．５ｍｍ以下であることをいう。また金属部とは樹脂、木材を除くものである。
【００１０】
本発明は、前記刻印が複数で、定められた箇所にあることを特徴とする金属部を備えた部品又は製品である。
【００１１】
本発明によれば、刻印は複数箇所に形成され、またそれぞれの刻印は定められた箇所に形成される。あらかじめ複数の刻印を形成する位置を、それぞれ正確に定めておくことで、刻印自体の精度だけでなく、刻印の位置精度をも真贋判定の判定材料にする。
【００１２】
本発明は、前記金属部が導電部であり、かつ前記刻印が放電加工によって形成されることを特徴とする金属部を備えた部品又は製品である。
【００１３】
本発明によれば、刻印形成を放電加工によって行うので、刻印の加工の深さを連続的に変えて立体的な刻印の形成をすることができる。また識別刻印形成箇所を凹部内面若しくは穴部内面としたため、切削、鍛造では、刻印を精度良く偽造することが困難である。
【００１４】
本発明は、前記刻印が幅０．１ｍｍ以上０．５ｍｍ以下の浮き彫りの線を含むことを特徴とする金属部を備えた部品又は製品である。
【００１５】
本発明によれば、識別刻印は凹部若しくは穴部の内面に形成され、太さ０．１ｍｍ以上０．５ｍｍ以下の微細な浮き彫りの線を含むので、切削、鍛造では、刻印を精度良く偽造することが困難である。
【００１６】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる実施の形態について、図を参照しながら詳細に説明する。本発明の第１実施形態を図１に示す。ターボチャージャ部品の一つであるタービン１０の穴部内面、具体的にはタービン入口部内面１０ａに微細な識別刻印１１を形成する。刻印の形成方法としては、フォトエッチング又は放電加工を用いる。
【００１７】
フォトエッチングで刻印を形成する場合について説明する（図示せず）。加工の前処理として、タービン１０表面の洗浄及び化学的処理を施し、タービン入口部内面１０ａに感光剤（レジスト）をコーティングする。紫外線を発する小型の露光源の周囲を、識別刻印１１のパターンを写した写真原版で囲み、タービン入口部に挿入し露光させることによって、タービン入口部内面１０ａの光の当たった部分の感光剤（レジスト）を除去する。感光剤が除去され、露出された金属部分を薬品にて化学切削し、微細な識別刻印１１を形成する。この際、薬品をスプレー噴射することにより、非加工部分の感光剤によるマスキングを最小限にすることができ、また薬品の使用量も減らすことができる。その後タービン１０に残った感光剤（レジスト）を除去する。フォトエッチングは高価な金型が不要であり、また加工は化学切削であるので、ほとんどの金属に簡便に刻印を付与できる。
【００１８】
放電加工で識別刻印１１を形成する場合について、図２を用いて説明する。放電加工においては、金属部とは導電体からなる導電部である。放電加工は国内では従来から広く用いられているため、加工原理等の詳細な説明は省略する。放電加工装置２０における容器２２は、導電性の材質によって形成され、加工対象物載置台２２ａ上に導電体である加工対象物Ｂ、本例ではタービン１０を載置するとともに、内部に灯油等の絶縁性のある加工液Ｏが満たされている。送り機構２１は、先端部に取り付けられた加工電極Ｄが、任意の方向に移動できるように構成されている。容器２２および送り機構２１には、それぞれ電源２３から電力が供給され、タービン１０に加工電極Ｄを近接させることにより、タービン１０と加工電極Ｄとの間で断続的に放電させ、加工電極Ｄの形状を反転させた形状をタービン１０に形成する。放電加工では、加工電極Ｄの入るわずかな空間さえあれば加工が可能であるので、タービン入口部内面１０ａに幅０．１ｍｍ以上０．５ｍｍ以下の浮き彫りの線を含む微細な刻印を形成することができる。また一定の深さの刻印しかできないフォトエッチングとは異なり、放電加工であれば、電極形状によって加工の深さを精度良く設定でき、かつ連続的に変えることができるので、より偽造の困難な立体的な刻印が可能となる。
【００１９】
放電加工において、加工電極Ｄは銅、黄銅、黒鉛等の加工容易な材料でよいので、形成する刻印が複雑な形状であっても加工電極Ｄの作成は容易である。また加工は放電によって行われるので、切削加工では耐熱合金のような切削、打刻の困難な硬い材料に対しても精度良く簡便に刻印を付与でき、大量生産できる。
【００２０】
刻印の真贋判定は、模倣品と疑われる製品の刻印と、真正の刻印を形成したサンプルとを目視により対比・検証することで真贋を判定してもよいし、ＣＣＤカメラによって識別刻印１１を撮影し、計算機によって画像処理することで真贋を鑑定してもよい。また、加工が放電加工によるものであれば、加工深さの制御が可能である。一定ではない加工深さを持つ立体的な刻印を形成することで、単純に加工電極Ｄ若しくはその複製品を識別刻印１１に押し当てて、識別刻印１１と加工電極Ｄの凹凸が完全一致するか確かめることで調べることもできる。
【００２１】
本発明の刻印は、このようにターボチャージャのタービン入口部内面１０ａに加えて、エンジンピストンのスカート裏側、エンジン放熱フィンのフィンの隙間及びフィン面上、その他機械部品のボルト穴に適用できるが、適用範囲はこれに限られるものではない。
【００２２】
放電加工及びフォトエッチングは、日本においては慣用な加工法である。しかし加工技術の未発達な国では、放電加工は一般的に普及していない。同様に、微細な加工が可能なフォトエッチングに関しても、エッチングを均一に行うためにはノウハウや、マスク材料の組成に高度な技術を必要し、一般に普及はしていない。したがって、加工技術の未発達な国において穴部若しくは凹部の内面に刻印を偽造するには、それらの国で慣用の加工法、具体的には切削、鍛造で加工する必要があるが、識別刻印を精度良く偽造するには以下のように多大なコスト、手間がかかり困難である。
【００２３】
具体的には、タービン１０は通常鋳造によって製作される。鋳造では微細な刻印の形成は不可能であるので、偽造されたとしても、容易に偽造であることがわかる。さらに、一般的な金型の分割では、タービン入口部内面１０ａに刻印を付与することはできない。また砂型による鋳造であれば、刻印付与は可能であるが、大量生産には向かないので、模倣品製作には用いられない。
【００２４】
またタービン入口部内面１０ａには、一般的な加工工具によるフライス盤等切削加工機による加工、ポンチによる打刻は、加工工具とタービン１０のクリアランスがとれないために行えない。入手困難な微細加工用先端工具を用いれば、切削加工による刻印偽造も不可能ではないが、タービンは切削困難な耐熱合金からなるので、加工時間も長くかかり、コスト的にもこの方法による偽造は困難である。打刻による場合も同様に、タービン１０に刻印するために、タービン１０以上の硬さを持つ工具材料を精度良く加工しなくてはならず、加工は困難である。
人間が手で支持する小型工具による加工で刻印を偽造することは可能であるが、この場合には、真正の刻印と見分けが付かない程度の精度良い偽造はできない。
【００２５】
図３、図４は、識別刻印１１の形状を示す。会社略称を小さく、かつ多数、かつ規則的に並べて紋様６０としたものに、それぞれマーク６１として会社マーク、文字７０として会社名を組み合わせた形状とした。このように規則的な紋様を刻印として形成しておけば、刻印が偽造で加工精度が低ければ、紋様が歪むなどするので、単に目視によってもその真贋を見極めることもできる。また浮き彫りのように、被加工部分が大きければ、切削加工では、加工量に比例して加工時間が増えるので、また打刻による加工では、加工精度が落ちるので、より偽造されにくい。
【００２６】
以上のように、微細な識別刻印１１を穴部若しくは凹部の内面に形成したので、識別刻印１１を精度良く偽造するのは困難である。したがって模倣者が識別刻印の偽造をあきらめれば識別刻印１１の有無によって、又あきらめずに識別刻印を偽造したとしても、識別刻印１１の加工精度から部品の真贋が判別できる。
【００２７】
本発明の第２実施形態では、金属部の凹部若しくは穴部の内面のあらかじめ定められた複数箇所に識別刻印を形成する。放電加工によって識別刻印を形成する場合を図５に示す。複数回加工することで複数箇所に刻印するのではなく、加工工数を減らし偽造を困難にするために、３つの加工電極５２を治具５０によって連結して加工を行う。このような電極により、軸穴と軸穴キー溝を基準に、底面からの高さ、キー溝からの角度を定められた３箇所に同時に刻印を形成する。３つの加工電極５２は、各々タービン５４の半径方向に動けるように設置されるが、スプリング５３で冶具５０の中心方向に引き寄せられている。非導電体からなる中心部の押棒５１はタービン１０の軸穴に通ることで刻印の位置決めを行い、同時に上下動によりテーパー部で加工電極５２を押し出し、加工電極５２を入口部内面に近接させて放電させ、識別刻印を形成する。
【００２８】
このように円周内面の複数箇所に刻印を形成すれば、▲１▼フォトエッチング、放電加工では、刻印が複数であっても加工工数は増えないが、切削等による偽造では、刻印の数だけ加工工数が増加する。▲２▼複数の刻印を各々定められた箇所に形成することで、刻印自体の精度だけでなく、刻印又は刻印間の位置精度をも鑑定対象とすることができる。したがって、刻印の正確な偽造はより困難となる。また、複数箇所に刻印する場合、刻印は平面よりも曲面に形成する方が、偽造するのに位置精度を高めることが難しくなるので好ましい。
【００２９】
フォトエッチングによる複数箇所の刻印形成は、写真原板の露光部分を増やせば良いだけなので、より簡単である。また写真原板を複製しない限り、偽造しても位置精度が悪くなるのでフォトエッチングによる偽造も難しい。またこの場合も、曲面に刻印を形成する方が、偽造の際には位置精度が悪くなるので好ましい。
【００３０】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は金属部からなる凹部若しくは穴部の内面の少なくとも一箇所に刻印を有し、前記金属部は部品又は製品の少なくとも一部であり、該刻印は前記金属部を備えた部品又は製品を識別する微細な刻印であることを特徴とするので、容易に識別刻印の偽造を困難にすることが可能となる。
【００３１】
請求項１記載の金属部を備えた部品又は製品において、前記刻印は複数で、定められた箇所にあることを特徴とする金属部を備えた部品又は製品であれば、刻印自体の精度だけでなく刻印の位置関係を含めて、識別刻印の正確な偽造を困難にすることが可能となる。
【００３２】
導電部からなる凹部若しくは穴部の内面の少なくとも一箇所に刻印を有し、前記金属部は部品又は製品の少なくとも一部であり、前記刻印は放電加工によって形成され、部品又は製品を識別する刻印であることを特徴とする導電部を備えた部品又は製品であれば、加工電極形状によって加工の深さを精度良く設定でき、
かつ連続的に変えることができるので、立体的な刻印を形成することができ、識別刻印の正確な偽造を困難にすることが可能となる。加工電極Ｄは銅、黄銅、黒鉛等の加工容易な材料でよいので、形成する刻印が複雑な形状であっても加工電極Ｄの作成は容易である。また加工は放電によって行われるので、耐熱合金のような切削、打刻の困難な硬い材料に対しても精度良く簡便に刻印を付与でき、大量生産できる。
【００３３】
金属部からなる凹部若しくは穴部の内面の少なくとも一箇所に刻印を有し、前記金属部は部品又は製品の少なくとも一部であり、前記刻印は太さ０．１ｍｍ以上０．５ｍｍ以下の浮き彫りの線を含み、部品又は製品を識別する刻印であることを特徴とする金属部を備えた部品又は製品であれば、加工箇所が位置的に困難なのに加え、微細な加工が必要となり、偽造を困難とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明にかかる模倣品識別のための刻印を施した部品の一例であるターボチャージャのタービンの斜視図である。
【図２】刻印の形成方法に用いられる放電加工機の概念図である。
【図３】放電加工によるマークと紋様からなる刻印の一例を示す平面図である。
【図４】放電加工による文字と紋様からなる刻印の一例を示す平面図である。
【図５】放電加工により、タービンに複数箇所同時に刻印を形成する概念図である。
【符号の説明】
１０…タービン
１０ａ…入口部内面
１１…識別刻印
１２…シュラウド
１３…識別加工
２０…放電加工機
６０…紋様
６１…マーク
７０…文字[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a component or a product having a metal part having a stamp for distinguishing a counterfeit product from a genuine product and a method of manufacturing the same. In particular, the type of the component or the product includes a turbocharger turbine. Or engine pistons, engine radiating fins, and other mechanical parts having bolt holes.
[0002]
[Prior art]
At present, counterfeit goods are seriously damaged. Elaborate counterfeit products that cannot be distinguished at first glance are circulating, and manufacturers must take parts or products suspected of counterfeit products back to factories or the like and conduct authenticity evaluation. Therefore, by providing identification information for authenticity determination to a part or a product, it is possible to easily and reliably perform authenticity evaluation.
[0003]
As a method of providing identification information of a part or a product, there is a method in which a laser processing machine is used to directly apply identification information such as a bar code to a part or a product by using a laser processing machine, as described in Japanese Patent Application Laid-Open No. H10-15095. According to this method, the identification information can be directly formed by fine processing.
[0004]
[Patent Document 1] JP-A-5-313585
[Problems to be solved by the invention]
However, since laser processing can only be performed on the part where the laser can enter, the identification information is processed on the outer surface of the part or product, and such identification information is commonly used even in countries where processing technology is not developed. For example, it is easy to forge by a processing method, specifically, cutting and stamping (forging) with a punch. In addition, laser processing requires expensive equipment, and has disadvantages of inefficiency and difficult control depending on the processing shape.
[0006]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and provides a component or a product having a metal part having authenticity identification information, which is characterized by (1) being difficult to forge and (2) being easily provided. The purpose is to:
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present invention has a stamp on at least one portion of an inner surface of a concave portion or a hole portion made of a metal portion, wherein the metal portion is at least a part of a part or a product, and the stamp is a fine stamp for identifying the component or the product. A part or product provided with a metal part characterized by the following.
[0008]
The present invention comprises a step of forming a stamp at least at one position on an inner surface of a concave portion or a hole portion formed of a metal portion, wherein the metal portion is at least a part of a component or a product, and the stamp identifies the component or the product. A method for producing a part or product having a metal part, characterized in that it is a fine stamp.
[0009]
According to the component or product provided with the metal part of the present invention, and the method of manufacturing the same, the identification mark formation part is the inner surface of the concave part or the hole part, and the mark is fine, so in a country where processing technology is not developed. It is difficult to forge a stamp with high accuracy by the conventional processing method, specifically, cutting and forging. Here, “high accuracy” means that processing can be performed within an error of 0.4 mm from a target shape, and “fine” means that when a relief line is formed, the thickness and height of the formed line are zero. 0.5 mm or less. The metal part excludes resin and wood.
[0010]
The present invention is a component or product provided with a metal part, wherein a plurality of the inscriptions are provided at predetermined positions.
[0011]
According to the present invention, the inscription is formed at a plurality of locations, and each inscription is formed at a predetermined location. By accurately determining the positions where a plurality of marks are to be formed in advance, not only the accuracy of the marks themselves but also the position accuracy of the marks can be used as a determination material for authenticity.
[0012]
The present invention is a component or product having a metal part, wherein the metal part is a conductive part, and the mark is formed by electric discharge machining.
[0013]
According to the present invention, since the engraving is formed by electric discharge machining, a three-dimensional engraving can be formed by continuously changing the processing depth of the engraving. In addition, since the place where the identification mark is formed is the inner surface of the concave portion or the inner surface of the hole, it is difficult to accurately forge the mark in cutting and forging.
[0014]
According to the present invention, there is provided a part or product provided with a metal part, wherein the inscription includes a relief line having a width of 0.1 mm or more and 0.5 mm or less.
[0015]
According to the present invention, the identification stamp is formed on the inner surface of the concave portion or the hole portion and includes a fine embossed line having a thickness of 0.1 mm or more and 0.5 mm or less. It is difficult.
[0016]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings. FIG. 1 shows a first embodiment of the present invention. A fine identification mark 11 is formed on the inner surface of the hole of the turbine 10 which is one of the turbocharger components, specifically, on the inner surface 10a of the turbine inlet. As a method of forming the engraving, photo etching or electric discharge machining is used.
[0017]
A description will be given of a case where a mark is formed by photoetching (not shown). As a pre-processing, the surface of the turbine 10 is cleaned and chemically treated, and the inner surface 10a of the turbine inlet is coated with a photosensitive agent (resist). A small exposure source that emits ultraviolet light is surrounded by a photographic original on which the pattern of the identification mark 11 is copied, and is inserted into the turbine inlet to expose the photosensitive agent to the light-exposed portion of the inner surface 10a of the turbine inlet. (Resist). The photosensitive agent is removed, and the exposed metal portion is chemically cut with a chemical to form a fine identification mark 11. At this time, by spraying the chemical, the masking of the non-processed portion by the photosensitive agent can be minimized, and the amount of the chemical used can be reduced. Thereafter, the photosensitive agent (resist) remaining in the turbine 10 is removed. Photoetching does not require expensive molds, and processing is chemical cutting, so that most metals can be easily engraved.
[0018]
A case where the identification mark 11 is formed by electric discharge machining will be described with reference to FIG. In the electric discharge machining, the metal part is a conductive part made of a conductor. Since electric discharge machining has been widely used in Japan, detailed description of the machining principle and the like will be omitted. The container 22 in the electric discharge machining device 20 is formed of a conductive material, and mounts the processing object B, which is a conductor, in this example, the turbine 10 on the processing object mounting table 22a, and has kerosene or the like inside. The working fluid O having an insulating property is filled. The feed mechanism 21 is configured such that the processing electrode D attached to the tip can move in an arbitrary direction. Electric power is supplied from a power source 23 to the container 22 and the feed mechanism 21, and the processing electrode D is brought close to the turbine 10, so that the discharge is intermittently performed between the turbine 10 and the processing electrode D. The inverted shape is formed on the turbine 10. In electric discharge machining, machining is possible if there is only a small space in which the machining electrode D can enter. Therefore, it is necessary to form a fine inscription including a relief line having a width of 0.1 mm or more and 0.5 mm or less on the turbine inlet inner surface 10a. Can be. Also, unlike photo etching, which can only mark at a certain depth, in the case of electric discharge machining, the depth of machining can be set accurately with the shape of the electrode and can be changed continuously, making it more difficult to forge forgeries. Engraving is possible.
[0019]
In the electric discharge machining, the machining electrode D may be made of a material that can be easily machined, such as copper, brass, graphite, or the like. In addition, since the machining is performed by electric discharge, engraving can be easily and accurately applied to hard materials, such as heat-resistant alloys, which are difficult to cut and emboss, and mass production is possible.
[0020]
The authenticity of the engraving may be determined by visually comparing and verifying the engraving of the product suspected to be a counterfeit product and the sample on which the authentic engraving has been formed, or photographing the identification engraving 11 with a CCD camera. Alternatively, authenticity may be determined by image processing using a computer. If the machining is performed by electric discharge machining, the machining depth can be controlled. By forming a three-dimensional engraved mark having a non-constant processing depth, the processed electrode D or a duplicate thereof is simply pressed against the identification engraved mark 11, and whether the irregularities of the identification engraved mark 11 and the irregularities of the processed electrode D completely match each other is determined. You can also check by checking.
[0021]
The engraving of the present invention can be applied to the inner surface 10a of the turbine inlet portion of the turbocharger, the backside of the skirt of the engine piston, the clearance between the fins of the engine radiating fins and the fin surface, and the bolt holes of other mechanical parts as described above. The scope of application is not limited to this.
[0022]
Electric discharge machining and photoetching are common machining methods in Japan. However, in countries where machining technology is not well developed, electric discharge machining is not widely used. Similarly, with respect to photo-etching capable of fine processing, know-how and advanced techniques are required for the composition of the mask material in order to perform the etching uniformly, and are not widely used. Therefore, in order to forge a stamp on the inner surface of a hole or a recess in a country where processing technology is not developed, it is necessary to use a processing method that is customary in those countries, specifically, cutting and forging. It is difficult and difficult to forge with high accuracy as described below.
[0023]
Specifically, the turbine 10 is usually manufactured by casting. Since it is impossible to form a fine mark by casting, it is easily found that even if forged, it is forged. Furthermore, it is not possible to give a stamp on the inner surface 10a of the turbine inlet portion by general mold division. In the case of casting with a sand mold, engraving can be applied, but it is not suitable for mass production, so it is not used for producing imitation products.
[0024]
In addition, the inner surface 10a of the turbine inlet cannot be machined by a cutting machine such as a milling machine using a general machining tool or stamped by a punch because the clearance between the machining tool and the turbine 10 cannot be obtained. It is not impossible to forge stamping by cutting, if it is difficult to obtain a cutting tool for micromachining, but the turbine is made of a heat-resistant alloy that is difficult to cut, so it takes a long processing time, and forgery by this method is costly. Have difficulty. Similarly, in the case of stamping, in order to stamp on the turbine 10, a tool material having a hardness equal to or higher than the turbine 10 must be precisely machined, and machining is difficult.
It is possible to forge the stamp by processing with a small tool that is supported by a human hand, but in this case, it is not possible to forge with high accuracy such that it cannot be distinguished from a genuine stamp.
[0025]
3 and 4 show the shape of the identification mark 11. The company abbreviations are small, many, and regularly arranged to form a pattern 60, and the mark 61 is a combination of a company mark and the character 70 is a combination of company names. If a regular pattern is formed as an engraved mark in this way, if the engraved mark is forged and the processing accuracy is low, the pattern will be distorted and the like, and the authenticity can be ascertained simply by visual inspection. In addition, if the portion to be processed is large, as in the case of embossing, the processing time increases in proportion to the processing amount in cutting, and the processing accuracy decreases in processing by stamping, so that counterfeiting is more difficult.
[0026]
As described above, since the fine identification stamp 11 is formed on the inner surface of the hole or the concave portion, it is difficult to forge the identification stamp 11 with high accuracy. Therefore, if the imitator gives up the forgery of the identification stamp, the authenticity of the part can be determined from the processing accuracy of the identification stamp 11 depending on the presence or absence of the identification stamp 11 and even if the identification stamp is forged without giving up.
[0027]
In the second embodiment of the present invention, identification stamps are formed at a plurality of predetermined places on the inner surface of the concave portion or the hole portion of the metal portion. FIG. 5 shows a case where the identification mark is formed by electric discharge machining. In order to reduce the number of processing steps and make forgery difficult, instead of performing stamping at a plurality of locations by performing processing a plurality of times, three processing electrodes 52 are connected by a jig 50 to perform processing. With such an electrode, markings are simultaneously formed at three places where the height from the bottom surface and the angle from the key groove are determined based on the shaft hole and the key hole key groove. The three processing electrodes 52 are installed so as to be able to move in the radial direction of the turbine 54, respectively, and are drawn toward the center of the jig 50 by the spring 53. The center push rod 51 made of a non-conductive material passes through the shaft hole of the turbine 10 to perform positioning of the mark, and simultaneously pushes up the working electrode 52 at the tapered portion by vertical movement, thereby bringing the working electrode 52 close to the inner surface of the inlet portion. Discharge to form an identification stamp.
[0028]
If stamps are formed at a plurality of locations on the inner surface of the circumference in this manner, (1) the number of processing steps does not increase even if there are multiple stamps in photoetching and electric discharge machining, but in the case of forgery by cutting or the like, only the number of stamps is used. Processing man-hours increase. {Circle around (2)} By forming a plurality of stamps at predetermined positions, not only the accuracy of the stamps themselves but also the accuracy of the positions of the stamps or the positions between the stamps can be evaluated. Thus, accurate counterfeiting of the inscription is more difficult. In the case of engraving at a plurality of locations, it is preferable to form the engraving on a curved surface rather than a flat surface, because it becomes difficult to enhance the positional accuracy for forgery.
[0029]
The formation of a plurality of marks by photoetching is simpler because it is only necessary to increase the number of exposed portions of the photographic original plate. In addition, unless the original photographic plate is duplicated, forgery by photo-etching is difficult because the positional accuracy is deteriorated even if forged. Also in this case, it is preferable to form an inscription on a curved surface because the position accuracy is deteriorated in forgery.
[0030]
【The invention's effect】
As described above, the present invention has a stamp on at least one portion of the inner surface of a concave portion or a hole portion made of a metal portion, and the metal portion is at least a part of a part or a product, and the stamp shows the metal portion. Since it is characterized by a fine inscription for identifying a component or a product provided, it is possible to easily make forgery of the identification inscription difficult.
[0031]
A part or product having a metal part according to claim 1, wherein the mark is plural, and if the part or product is provided with a metal part characterized in that it is located at a predetermined position, only the accuracy of the mark itself is used. However, it is possible to make it difficult to accurately forge the identification mark, including the positional relationship of the mark.
[0032]
The metal part is at least one part of a part or a product, and the metal part is at least one part of a part or a product, and the mark is formed by electric discharge machining to identify the part or the product. If it is a part or product with a conductive part characterized by the fact that the processing depth can be accurately set by the processing electrode shape,
And since it can be changed continuously, a three-dimensional engraving can be formed, and it is possible to make it difficult to accurately forge the identification engraving. Since the processed electrode D may be made of a material that can be easily processed, such as copper, brass, and graphite, it is easy to form the processed electrode D even if the mark to be formed has a complicated shape. In addition, since machining is performed by electric discharge, a hard material such as a heat-resistant alloy, which is difficult to cut and emboss, can be easily and accurately imprinted with a mark and mass-produced.
[0033]
At least one portion of the inner surface of the concave portion or the hole portion made of a metal portion has a stamp, the metal portion is at least a part of a part or a product, and the stamp is a relief having a thickness of 0.1 mm or more and 0.5 mm or less. A part or product with a metal part, including a line and being a stamp that identifies the part or product, requires not only a difficult processing location but also a fine processing, making forgery difficult. It can be.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view of a turbine of a turbocharger, which is an example of an imprinted part for identifying a counterfeit product according to the present invention.
FIG. 2 is a conceptual diagram of an electric discharge machine used for a method of forming a stamp.
FIG. 3 is a plan view showing an example of a mark formed by a mark and a pattern by electric discharge machining.
FIG. 4 is a plan view showing an example of an engraved mark composed of a character and a pattern by electric discharge machining.
FIG. 5 is a conceptual diagram of forming an engraved mark on a turbine at a plurality of locations simultaneously by electric discharge machining.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 10 ... Turbine 10a ... Inlet inner surface 11 ... Identification stamp 12 ... Shroud 13 ... Identification machining 20 ... EDM 60 ... Pattern 61 ... Mark 70 ... Character
