【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶接、溶断、肉盛、焼入れ等を行うレーザ加工に用いるレーザ光学系の設計方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザ加工に用いるレーザ光学系を設計するには、一般に図5に示すように、先ず、ステップS1にて、過去の加工データ等に基づいて、レーザビームのエネルギ密度分布(断面強度分布)や照射パターンの大きさを基本設計し、次に、ステップS2にて、前記基本設計に基づいてレンズ、鏡筒等の光学系部品を製作し、その後、ステップS3にて、実際にワークを対象に加工テストを行い、満足する結果が得られるまで、前記ステップS1〜S3(基本設計、部品製作および加工テスト)を繰返す作業を行っていた。
【0003】
ところで、レーザ光学系は、一般にレーザ発振源から光ファイバを介して送られたレーザビームを平行ビームに変更する第1集束レンズと、この第1集束レンズから出射された平行ビームを集束する第2集束レンズとを備えた構造となっている。このようなレーザ光学系において、前記第2集束レンズとしてノーマル形状の凸レンズを用いた場合は、第2集束レンズから出射されたレーザビームのエネルギ密度分布は指数関数的な形状となり、これに伴って、ワークの表層部における溶込み深さ、焼入れ深さ等がビーム照射の幅方向で均等にならない。
そこで、従来は、レーザビームのエネルギ密度分布を平均化するため、上記第2集束レンズの凸面側中央部に平面部を形成したり(例えば、特許文献1参照)、あるいは異形ミラーで反射させた2つのレーザビームをワーク面上で重合照射させること(例えば、特許文献2参照)が行われていた。
【0004】
なお、電子ビーム光学系の場合は、電磁気的なレンズを用いるため、例えば、電子ビームを高速偏向させることにより、複数箇所にスポット的にビームを照射して、同時に複数箇所を加工することなども可能で(例えば、特許文献3、特許文献4等参照)、その最適化設計にそれほどの困難さを要しない。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−76085号公報
【特許文献2】
特公昭60−54838号公報
【特許文献3】
特開昭61−42845号公報
【特許文献4】
特開昭63−119991号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のレーザ光学系の設計方法によれば、満足する結果が得られるまで、高価なレンズを含めて光学系部品を何回も製作し直す必要があるため、設計完了までに高コストと長期間とを要し、上記したエネルギ密度分布を平均化するための特殊レンズや異形ミラーを必要とする場合は、さらなるコスト増大と期間延長とを招くこととなっていた。また、亜鉛めっき鋼板やアルミニウムめっき鋼板などのめっき鋼板をレーザ重ね溶接する場合は、めっき成分の蒸発、飛散に伴うスパッタ発生やブローホール発生など、予測不能な現象が起こるため、レーザ光学系の最適化設計はより一層困難となっていた。
【0007】
そこで、本発明者は、上記特許文献3、4等に記載される電子ビームの高速偏向に着目し、この電子ビームを規則的に高速偏向させることにより、所望のエネルギ密度分布および大きさを有するビームパターンをワーク面上に疑似的に形成できることを見い出した。
本発明は、上記した知見に基づいてなされたもので、その課題とするところは、電子ビームの高速偏向を利用して加工に最適な光学系を把握し、もって低コストでかつ短時間で最適化設計を終えることができるレーザ光学系の設計方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、電子ビームを高速偏向させて所望のエネルギ密度分布および大きさを有するビームパターンをワーク面上に疑似的に形成して加工テストを行い、しかる後、前記加工テストの結果に基づいてレーザ光学系を設計することを特徴とする。
このように行うレーザ光学系の設計方法においては、電子ビームの高速偏向により形成した疑似的なビームパターンにより実際に加工テストを行うので、電子ビーム加工装置の制御装置内の加工プログラムの変更だけで、最適なエネルギ密度分布および大きさを有するビームパターンを把握することができ、したがって、レーザ光学系の設計、製作を一回の作業で済ませることができる。
本発明において、所望のエネルギ密度分布を得るには、例えば、高速偏向された電子ビームの照射スポットの集積度を場所により変える方法を用いることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るレーザ光学系の設計に用いる電子ビーム加工装置を示したものである。同図において、1は、電子ビームBを発生させる電子銃、2は電子銃1から出射された電子ビームBを集束する集束装置、3は、集束装置2により集束された電子ビームBを高速偏向する偏向装置である。偏向装置3は、電子ビームBのビーム通路(光路)4内に磁界を発生させる二対の偏向コイル5、6を備えており、各対の偏向コイル対5、6には電流制御回路7から電流が供給されるようになっている。電流制御回路7は、本電子ビーム加工装置の全体を制御する制御装置8に予め記憶された加工プログラムに従って各対の偏向コイル対5、6に供給する電流を変化させ、これにより光路4内の磁界が変化して、電子ビームBが所定の偏向プログラムに従って高速偏向される。
【0010】
本実施の形態において、上記電子ビーム加工装置は、二枚のめっき鋼板(亜鉛めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板等)W1,W2の重ね溶接を行うもので、その上側のめっき鋼板W1の面上には、前記レーザビームBの高速偏向により、所定のエネルギ密度分布および大きさを有する、後に詳述するビームパターンPが疑似的に形成される。溶接に際しては、電子銃1と二枚重ねのワークW1,W2とを相対移動させることで、ビームパターンPが溶接方向Aへ走査され、この走査線上の材料が溶融してワークW1,W2は相互に重ね溶接される。
【0011】
しかして、本実施の形態においては、上記偏向装置3により電子ビームBを高速偏向させることにより、図2に示すように、同心円上に等価的に多数の照射スポットFを配列し、これら照射スポットFの集合により一つのビームパターンPを疑似的に形成するようにしている。この場合、各同心円上に配列される照射スポットの集積度(数)に差を付けることにより、例えば、同図に示すように、比較的低いビーム強度S1を有しかつ比較的大きな直径Dを有する平均パターンP1の中心部に、比較的高いビーム強度S2を有しかつ比較的小さい直径dを有する極大パターンP2が配された二重強度分布のビームパターンPを形成することができる。なお、このような二重強度分布のビームパターンPは、前記照射スポットFを螺旋状に配列することによっても形成することができる。また、偏心円上に照射スポットFを配列した場合は、前記極大パターンP2を平均パターンP1の偏心部位に位置させることもできる。
【0012】
以下、上記電子ビーム加工装置を利用して行うレーザ光学系の設計方法を図3も参照して説明する。
レーザ光学系の設計に際しては、先ず、ステップS11において設計者が、めっき鋼板W1,W2の重ね溶接に適していると考えるエネルギ密度分布および大きさを有するビームパターンを決定(考案)すると共に、ビーム走査条件を決定する。次に、ステップS12において加工プログラムを作成し、これを前記電子ビーム加工装置の制御装置8に記憶させる。この場合、前記加工プログラムは、偏向装置3内の偏向コイル5、6により電子ビームBを高速偏向させる偏向プログラムを含んでいる。次に、ステップS13において、電子銃1から二枚重ねのめっき鋼板W1,W2に向けて電子ビームBを出射させ、これと同時に二枚重ねのめっき鋼板W1,W2を一定速度で移動させる。すると、上側のめっき鋼板W1の面上には、偏向コイル5、6による高速偏向で、例えば、前記図2に示したような平均パターンP1の中心部に極大パターンP2が配された二重強度分布のビームパターンPが疑似的に形成され、このビームパターンPが溶接方向Aへ走査される。これによりビーム走査線上の材料が溶融して、いわゆる溶接ビードが形成され、該溶接ビードを介して二枚のめっき鋼板W1,W2が相互に重ね溶接される。そして、所定の長さにわたって重ね溶接が進行すると、加工プログラムに従って電子銃1からの電子ビームBの出射が停止され、これと同時にめっき鋼板W1,W2の移動が停止され、加工テスト(溶接テスト)は終了する。
【0013】
上記のように加工テストが終了したら、めっき成分の蒸発、飛散に伴うスパッタ発生状態やブローホール発生状態を含む溶接品質を、目視、重量測定、切断面の顕微鏡検査等により確認し、満足する結果が得られない場合は、ステップS11に戻って、ビームパターンのエネルギ密度分布や大きさあるいはビーム走査条件(走査速度)を修正し、加工プログラムの作成(ステップS12)、加工テスト(ステップ13)を繰返し、最適なエネルギ密度分布や大きさあるいはビーム走査条件が把握されるまで、前記ステップS11〜S13を繰返す。
【0014】
その後は、ステップS14において、上記した電子ビーム加工装置による加工テストを経て把握した最適なエネルギ密度分布および大きさが得られるようにレーザ光学系を設計し、続いて、ステップS15において前記設計に基づいてレーザ光学系部品(レンズ、鏡筒等)を製作し、最終のステップS16で上記めっき鋼板W1,W2を対象に確認テスト(レーザ重ね溶接)を行い、これにてレーザ光学系の設計、製作は終了する。しかして、ビームパターンの最適なエネルギ密度分布および大きさの把握は、上記したように電子ビームによる加工テストまでのステップ(S11〜S13)で実質的に終了しているので、従来のようにレーザ光学系部品を再製作する(図5のステップS2)必要はなくなり、結果として、レーザ光学系の設計および製作を低コストでかつ短期間で終えることができる。
【0015】
【実施例】
ワークとして、板厚0.8mm、幅50mm、長さ150mmの亜鉛めっき鋼板(JIS SCGA270)と普通鋼板(JIS SPC270)とを選定し、図1に示した電子ビーム加工装置を用いて、その偏向装置3により電子ビームBを高速偏向させることにより、図4に示すように、直径D=4mmの平均パターンP1に対して、走査方向の後側の内接位置と、中心位置と走査方向前側の内接位置との3箇所に直径d=1mmの極大パターンP2を配置した3つのビームパターンPA、PB、PCをワーク面上に形成し、4m/分の速度で電子ビームを走査して各鋼板を120mmの長さだけ重ね溶接した。そして、溶接後、表面に付着するスパッタを除去して溶接鋼板の重量を測定し、初期重量からの重量減少量すなわちスパッタ発生量を測定した。
【0016】
図4は、各ビームパターンPA、PB、PCごとの重量減少量(スパッタ発生量)を示したもので、普通鋼板を対象とした場合は、各ビームパターンPA、PB、PCによる重量減少量にほとんど差が認められない。これに対し、亜鉛めっき鋼板を対象とした場合は、平均パターンP1に対して、走査方向後側の内接位置に極大パターンP2を配置したビームパターンPAにより溶接したものが最もスパッタ発生量が少なく、平均パターンP1に対して、走査方向前側の内接位置に極大パターンP2を配置したビームパターンPCにより溶接したものが最もスパッタ発生量が多くなっている。ビームパターンPAにより溶接したものが最もスパッタ発生量が少なくなっている理由は、比較的ビーム強度の低い平均パターンP1が走査方向前側に位置することで溶接予定部位が予熱され、この予熱効果により前側のめっき成分の蒸発が促進され、キーホールから抜け易くなったため、と推定される。
【0017】
すなわち、上記した電子ビームによる加工テストの結果によれば、めっき鋼板をレーザ重ね溶接するには、平均パターンP1に対して、走査方向後側の内接位置に極大パターンP2を配置したビームパターンPAを選択するのが最適であると判断することができる。したがって、このようなビームパターンPAが得られるようにレーザ光学系を設計することで、その最適化設計は終了し、レーザ光学系部品の製作も一回で済むことになる。特に、めっき鋼板の重ね溶接においては、めっき成分の蒸発、飛散に伴ってスパッタやブローホールが多く発生するなど、予測不能な現象が起こるが、本発明の方法によれば、前記した電子ビームによる加工テストで事前に溶接品質を確認できるので、レーザ光学系の設計に対する信頼性は著しく高いものとなる。
【0018】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明に係るレーザ光学系の設計方法によれば、電子ビームの高速偏向を利用して加工に最適な光学系を把握し、これをレーザ光学系の設計に反映させるので、レーザ光学系の設計および製作を繰返す必要がなくなり、低コストでかつ短時間でレーザ光学系の最適化設計を終えることができ、その利用価値は大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るレーザ光学系の設計に用いる電子ビーム加工装置の構造を示す模式図である。
【図2】電子ビームの高速偏向による疑似的なビームパターンの形成方法の一例を示す説明図である。
【図3】本発明に係るレーザ光学系の設計および製作手順を示すフローチャートである。
【図4】電子ビームの高速偏向により形成される種々のビームパターンにより実際に溶接を行った際のスパッタ発生量を示すグラフである。
【図5】従来のレーザ光学系の設計および製作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 電子銃
2 集束装置
3 偏向装置
5、6 偏向コイル
7 電流制御回路
8 電子ビーム加工装置の制御装置
B 電子ビーム
P ビームパターン
W1、W2 めっき鋼板(ワーク)[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a design method of a laser optical system used for laser processing for welding, fusing, overlaying, quenching, and the like.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, in order to design a laser optical system used for laser processing, generally as shown in FIG. 5, first, in step S1, the energy density distribution (cross-sectional intensity distribution) of the laser beam based on past processing data and the like. In step S2, optical system parts such as lenses and lens barrels are manufactured based on the basic design, and then in step S3, the workpiece is actually targeted. A machining test was performed, and the above steps S1 to S3 (basic design, component production, and machining test) were repeated until a satisfactory result was obtained.
[0003]
By the way, the laser optical system generally has a first focusing lens for changing a laser beam sent from a laser oscillation source through an optical fiber into a parallel beam, and a second focusing beam for the parallel beam emitted from the first focusing lens. It has a structure with a focusing lens. In such a laser optical system, when a convex lens having a normal shape is used as the second focusing lens, the energy density distribution of the laser beam emitted from the second focusing lens has an exponential shape. The penetration depth, quenching depth, and the like in the surface layer of the workpiece are not uniform in the beam irradiation width direction.
Therefore, conventionally, in order to average the energy density distribution of the laser beam, a flat portion is formed in the central portion on the convex surface side of the second focusing lens (see, for example, Patent Document 1) or reflected by a deformed mirror. Two laser beams have been irradiated on the workpiece surface by polymerization (for example, see Patent Document 2).
[0004]
In the case of an electron beam optical system, an electromagnetic lens is used. For example, by deflecting an electron beam at a high speed, a plurality of spots can be irradiated with a beam and processed at the same time. It is possible (see, for example, Patent Document 3 and Patent Document 4), and the optimization design does not require much difficulty.
[0005]
[Patent Document 1]
JP-A-9-76085 [Patent Document 2]
Japanese Patent Publication No. 60-54838 [Patent Document 3]
JP 61-42845 A [Patent Document 4]
JP-A-63-119991 [0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, according to the conventional laser optical system design method described above, it is necessary to remanufacture optical parts including expensive lenses many times until satisfactory results are obtained. When cost and a long period of time are required and a special lens or a deformed mirror for averaging the above-described energy density distribution is required, the cost is further increased and the period is extended. Also, when laser lap welding of galvanized steel sheets such as galvanized steel sheets and aluminum plated steel sheets, unpredictable phenomena such as spattering and blowholes due to evaporation and scattering of plating components occur. Design has become even more difficult.
[0007]
Therefore, the present inventor pays attention to the high-speed deflection of the electron beam described in Patent Documents 3, 4 and the like, and has a desired energy density distribution and size by regularly deflecting the electron beam at a high speed. It was found that a beam pattern can be artificially formed on the work surface.
The present invention has been made on the basis of the above-described knowledge, and the problem is that the optimum optical system for processing is grasped by utilizing the high-speed deflection of the electron beam, so that it is optimal at a low cost and in a short time. It is an object of the present invention to provide a laser optical system design method capable of finishing the design.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the present invention performs a machining test by artificially forming a beam pattern having a desired energy density distribution and size on a work surface by deflecting an electron beam at a high speed, The laser optical system is designed based on the result of the processing test.
In the laser optical system design method performed in this way, a processing test is actually performed with a pseudo beam pattern formed by high-speed deflection of the electron beam, so only the processing program in the control device of the electron beam processing device is changed. Therefore, the beam pattern having the optimum energy density distribution and size can be grasped, so that the design and manufacture of the laser optical system can be completed in one operation.
In the present invention, in order to obtain a desired energy density distribution, for example, a method of changing the degree of integration of irradiation spots of electron beams deflected at high speed depending on the location can be used.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the accompanying drawings.
FIG. 1 shows an electron beam processing apparatus used for designing a laser optical system according to the present invention. In the figure, 1 is an electron gun that generates an electron beam B, 2 is a focusing device that focuses the electron beam B emitted from the electron gun 1, and 3 is a high-speed deflecting electron beam B focused by the focusing device 2. This is a deflection device. The deflection device 3 includes two pairs of deflection coils 5 and 6 for generating a magnetic field in the beam path (optical path) 4 of the electron beam B. Each of the deflection coil pairs 5 and 6 includes a current control circuit 7. A current is supplied. The current control circuit 7 changes the current supplied to each pair of deflection coils 5 and 6 in accordance with a processing program stored in advance in a control device 8 that controls the entire electron beam processing apparatus. The magnetic field changes and the electron beam B is deflected at high speed according to a predetermined deflection program.
[0010]
In the present embodiment, the electron beam machining apparatus performs lap welding of two plated steel plates (galvanized steel plate, aluminum plated steel plate, etc.) W1 and W2, and on the upper surface of the plated steel plate W1. By the high-speed deflection of the laser beam B, a beam pattern P, which will be described in detail later, having a predetermined energy density distribution and size is formed in a pseudo manner. During welding, the electron gun 1 and the two stacked workpieces W1 and W2 are moved relative to each other so that the beam pattern P is scanned in the welding direction A, and the material on the scanning line is melted so that the workpieces W1 and W2 overlap each other. Welded.
[0011]
Therefore, in the present embodiment, the electron beam B is deflected at high speed by the deflecting device 3 so that a large number of irradiation spots F are equivalently arranged on a concentric circle as shown in FIG. One beam pattern P is formed in a pseudo manner by a set of F. In this case, by making a difference in the degree of integration (number) of irradiation spots arranged on each concentric circle, for example, as shown in FIG. It is possible to form a beam pattern P having a double intensity distribution in which a maximum pattern P2 having a relatively high beam intensity S2 and a relatively small diameter d is arranged at the center of the average pattern P1. Such a beam pattern P having a double intensity distribution can also be formed by arranging the irradiation spots F in a spiral shape. When the irradiation spot F is arranged on the eccentric circle, the maximum pattern P2 can be positioned at the eccentric portion of the average pattern P1.
[0012]
Hereinafter, a laser optical system design method using the electron beam machining apparatus will be described with reference to FIG.
In designing the laser optical system, first, in step S11, the designer determines (devises) a beam pattern having an energy density distribution and a size considered to be suitable for lap welding of the plated steel plates W1 and W2, and the beam. Scan conditions are determined. Next, in step S12, a machining program is created and stored in the control device 8 of the electron beam machining apparatus. In this case, the machining program includes a deflection program for deflecting the electron beam B at high speed by the deflection coils 5 and 6 in the deflection apparatus 3. Next, in step S13, the electron beam B is emitted from the electron gun 1 toward the two-layered plated steel sheets W1, W2, and at the same time, the two-layered plated steel sheets W1, W2 are moved at a constant speed. Then, on the surface of the upper plated steel sheet W1, the double strength in which the maximum pattern P2 is arranged at the center of the average pattern P1 as shown in FIG. A distributed beam pattern P is formed in a pseudo manner, and this beam pattern P is scanned in the welding direction A. As a result, the material on the beam scanning line is melted to form a so-called weld bead, and the two plated steel plates W1 and W2 are lap welded to each other via the weld bead. When lap welding proceeds over a predetermined length, the emission of the electron beam B from the electron gun 1 is stopped according to the processing program, and at the same time, the movement of the plated steel plates W1, W2 is stopped, and a processing test (welding test). Ends.
[0013]
When the processing test is completed as described above, the welding quality including the spatter generation state and the blow hole generation state due to evaporation and scattering of the plating components is confirmed by visual inspection, weight measurement, microscopic inspection of the cut surface, and the like, and satisfactory results Is not obtained, the process returns to step S11 to correct the energy density distribution and size of the beam pattern or the beam scanning condition (scanning speed), and create a machining program (step S12) and a machining test (step 13). The steps S11 to S13 are repeated until the optimum energy density distribution and size or beam scanning conditions are ascertained.
[0014]
Thereafter, in step S14, the laser optical system is designed so as to obtain the optimum energy density distribution and size obtained through the processing test by the electron beam processing apparatus described above. Subsequently, in step S15, based on the design. Laser optical system parts (lens, lens barrel, etc.) are manufactured, and in the final step S16, a confirmation test (laser lap welding) is performed on the plated steel plates W1 and W2, and the laser optical system is designed and manufactured. Ends. Thus, the grasp of the optimum energy density distribution and size of the beam pattern is substantially completed in the steps (S11 to S13) up to the machining test using the electron beam as described above. There is no need to remanufacture optical system parts (step S2 in FIG. 5), and as a result, the design and manufacture of the laser optical system can be completed at a low cost and in a short period of time.
[0015]
【Example】
As a workpiece, a galvanized steel sheet (JIS SCGA270) and a normal steel sheet (JIS SPC270) having a thickness of 0.8 mm, a width of 50 mm, and a length of 150 mm are selected and deflected using the electron beam machining apparatus shown in FIG. By deflecting the electron beam B at high speed by the apparatus 3, as shown in FIG. 4, with respect to the average pattern P1 having a diameter D = 4 mm, the inscribed position on the rear side in the scanning direction, the center position, and the front side in the scanning direction. three beam pattern P a of arranging the diameter d = 1 mm maximum pattern P2 to three of the inscribed position, P B, to form a P C to the workpiece surface, scanning the electron beam at 4m / min Each steel plate was lap welded for a length of 120 mm. And after welding, the sputter | spatter adhering to the surface was removed, the weight of the welded steel plate was measured, and the weight reduction amount from an initial weight, ie, the spatter generation amount, was measured.
[0016]
4, each beam pattern P A, P B, an illustration weight loss per P C (the spatter generation rate), if intended for ordinary steel plate, each beam pattern P A, P B, P There is almost no difference in the weight loss due to C. In contrast, when the galvanized steel sheet interest, with respect to the average pattern P1, the most amount of occurrence of spatter those welded by the beam pattern P A of arranging the maximum pattern P2 to the inscribed position in the scanning direction rear side less, with respect to the average pattern P1, the most amount of occurrence of spatter those welded by the beam pattern P C placing the maximum pattern P2 to the inscribed position in the scanning direction front it is increased. Why those welded by the beam pattern P A has the largest amount of occurrence of spatter is small, the welding planned portion is preheated by relatively beam intensity low average pattern P1 is positioned in the scanning direction front side, by the preheating effect It is presumed that evaporation of the front plating component was promoted and it was easy to escape from the keyhole.
[0017]
That is, according to the result of the processing test using the electron beam described above, in order to perform laser lap welding of the plated steel plate, the beam pattern P in which the maximum pattern P2 is arranged at the inscribed position on the rear side in the scanning direction with respect to the average pattern P1. It can be determined that it is optimal to select A. Therefore, by designing the laser optical system as such beam pattern P A is obtained, the optimized design is terminated, also the fabrication of the laser optical system components so that requires only once. In particular, in lap welding of plated steel sheets, unpredictable phenomena occur such as the occurrence of many spatters and blowholes accompanying evaporation and scattering of plating components. According to the method of the present invention, Since the welding quality can be confirmed in advance by the processing test, the reliability of the laser optical system design is remarkably high.
[0018]
【The invention's effect】
As described above, according to the laser optical system design method of the present invention, the optimum optical system for processing is grasped using high-speed deflection of the electron beam, and this is reflected in the design of the laser optical system. Therefore, it is not necessary to repeat the design and manufacture of the laser optical system, the optimization design of the laser optical system can be completed at a low cost and in a short time, and its utility value is great.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram showing the structure of an electron beam processing apparatus used for designing a laser optical system according to the present invention.
FIG. 2 is an explanatory diagram showing an example of a method of forming a pseudo beam pattern by high-speed deflection of an electron beam.
FIG. 3 is a flowchart showing a design and manufacturing procedure of a laser optical system according to the present invention.
FIG. 4 is a graph showing the amount of spatter generated when welding is actually performed with various beam patterns formed by high-speed deflection of an electron beam.
FIG. 5 is a flowchart showing a design and manufacturing procedure of a conventional laser optical system.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Electron gun 2 Focusing device 3 Deflection device 5, 6 Deflection coil 7 Current control circuit 8 Control device B of electron beam processing device Electron beam P Beam pattern W1, W2 Plated steel sheet (work)