JP2004101058A - 空気齢分布性状解析システム及び空気余命分布性状解析システム - Google Patents

空気齢分布性状解析システム及び空気余命分布性状解析システム Download PDF

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Abstract

【課題】部屋の所定の測定点における空気齢および空気余命に対する、複数の吹き出し口および吸い込み口による寄与を明確にし、換気効率を向上させる換気システムの設計を可能とする空気齢分布性状解析システムを提供する。
【解決手段】流体の連続式、流体の質量保存則と運動量保存則を満たすNavier−Stokes方程式、フーリエの法則によるエネルギー保存則から乱流をモデル化した平均流の乱流モデルで、解析空間の流れ場と温度場との解析・演算を行い、演算結果のデータを、記憶部へ格納する解析空間演算部1と、流れ場と温度場とを固定させ、測定点への空気の流入の吹出口毎の割合の吹出寄与率を求める吹出寄与率演算部2と、吹出寄与率毎の濃度場を、室内空間一様にトレーサーを発生させ、拡散方程式を解き演算する濃度場演算部3と、濃度場を、対応する吹出寄与率で除算し、各吹き出し口から流入した空気の空気齢を演算する空気齢演算部4とを有する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、居室の空気環境の設計を行うとき、空気の吹き出し口及び吸い込み口の室内の換気に対する寄与の評価を行う空気齢及び空気余命の分布性状解析システムに係わるものである。
【0002】
【従来の技術】
居室内空気環境の設計は、一般に室内が完全混合の状態、すなわち、室内が均一な状態にあると仮定して行われることが多い。
必要換気量は、室内CO2濃度が許容濃度(1000ppm)を下回るように、以下に示すザイデル式によって算出される。
Q≧M/(C−C0) :ザイデル式
ここで、Qは換気に必要な空気量を示し、Mは人間の吐き出すCO2量を示し、Cは室内のCO2の許容濃度を示し、C0は換気のため導入する外気のCO2濃度を示している。
【0003】
このとき、室内におけるCO2などの汚染質の濃度分布は考慮されずに、室内空気は完全混合(空気とCO2とが一様に完全に混合)の状態にあることが前提とされている。
この前提は、空調により室内空気が良く混合し、汚染源が平均的に分布する事務所などを対象とする場合に、妥当であり、上述したザイデル式が有効に使用可能である。
【0004】
しかしながら、室内の汚染源が偏在する場合や、局所的に換気が不良な領域が生じる恐れのある場合、室内を均一な完全混合の状態と考えることはできない。室内の環境が均一と考えられない場合、室内の汚染分布・換気効率分布を考慮し、必要となる局所領域内の汚染質濃度を許容濃度以下にするよう換気制御する方式など、対象とする室全体でなく局所領域に対応する換気方式が採用されることが望ましい。
【0005】
このとき、室内空気環境の局所制御を有効に行うためには、その最も有効な制御要因である吹き出し口(あるいは吹き出し気流)及び吸い込み口(あるいは吸い込み気流)が、制御対象とされる領域にどの程度の影響力を有するかを具体的に評価することが有効となる。
室内の換気効率を評価する指標に、吹き出し口から室内のある点を通過して排出される空気の時間的経過に対応する、空気齢(Age of air),空気余命(Residual life time of air),滞在時間(Residence time of air)がある。
【0006】
そして、従来、上記各指標の解析において、一つの吹き出し口から吹き出された空気の年齢は、吹き出し空気にパルス上もしくはステップ関数的に混入されたトレーサーガスの室内各点での濃度の時間的変化を観察することにより算出することができる。
これは室内に複数の吹き出し口が設けられている場合も同様である。複数の吹き出し空気それぞれに関して、同様の操作を行うことにより、それぞれの吹き出し空気の年齢を室内各点で個別に求めることができる。
空気余命に関しても、任意の室内位置でトレーサガス(例えば、CO2やSF6など)をパルス状もしくはステップ関数的に注入し、各吸い込み口での濃度変化を観察することにより算出することができる(例えば、非特許文献1,2)。
【非特許文献1】
S. Kato et al: New Ventilation Efficiency Scales Based on Spatial Distribution of Contaminant Concentration Aided by Numerical Simulation, ASHRAE Trans. Vol.94(2), 309−330, 1988.
【非特許文献2】
小林ら:不完全混合室内における換気効率・温熱環境形成効率評価指標に関する研究 第1報 CFDに基づく局所領域の換気効率評価指標の開発, 空気調和衛生工学会論文集, No68, 29〜36, 1998.1.
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したような原理に沿った空気齢,空気余命の解析を実際に行い、室内での各吹き出し口,各吸い込み口に対応する空気齢及び空気余命の空間分布を求めることは、すなわち、各吹き出し口,各吸い込み口における吹き出されるまたは吸い出される空気の対応関係を求めることは容易ではない。
室内における空気齢及び空気余命の分布性状の解析に関して、「村上周三,加藤信介,田中幸彦,永野紳一郎,池鯉鮒悟:天井面吸排気による局所流量バランス方式クリーンルームに関する研究(第1報)、空気調和・衛生工学会論文集.NO.42(1990−2)」、及び「村上周三,加藤信介,永野紳一郎,田中幸彦:天井面吸排気による局所流量バランス方式クリーンルームに関する研究(第2報)、空気調和・衛生工学会論文集.NO.43(1990−6)」において、空気齢,空気余命に対応(一致)する換気効率指標(SVE3,SVE6)及び室内でトレーサーを一様発生させる拡散場解析により容易に求められることを示している。
【0008】
ここで、図13に示すように、SVE3とは室内一様トレーサー発生時の各点濃度を瞬時一様拡散濃度で基準化した無次元濃度分布(各測定点に対する吹き出し空気の平均到達時間:空気齢分布)であり、空気齢の分布に対応する。SVE6とはビデオの逆転による映像再生の様に、仮想的に逆転する流れ場において、室内一様トレーサー発生時の各点濃度を、瞬時一様拡散濃度で基準化した無次元濃度分布であり、各点でのその数値は、その点を通過した空気が排出されるまでの平均時間(空気余命)を示す。ここで、各点とは数値解析の計算上構成された室内を3次元軸状に置き、所定の一定間隔で計算する計算点として設けた格子点を示している。
【0009】
しかしながら、上述したSVE3,SVE6を用いた拡散場解析では、各々の吹き出し口から吹き出された空気,また各々の吸込口に吸込まれる空気を区別しないため、それぞれの吹出口や吸込口に対応する個別の空気齢や空気余命の空間分布を求めることはできない。
このため、従来の解析方法においては、アンビエント域を全般換気・空調し、タスク域に個別にタスク換気・空調を行うパーソナル空調における解析で、各吹出口毎の空気齢や各吸込口毎の空気余命の解析が必要となるが、十分な解析結果を得ることができないという欠点がある。
【0010】
本発明はこのような背景の下になされたもので、部屋の所定の測定点における空気齢および空気余命に対する、複数の吹き出し口および吸い込み口による寄与を明確にし、換気効率を向上させる換気システムの設計を可能とする空気齢分布性状解析システム及び空気余命分布性状解析システムを提供する事にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の空気齢分布性状解析システムは、流体の連続式、流体の質量保存則と運動量保存則を満たすNavier−Stokes方程式、フーリエの法則に基づくエネルギー保存則から乱流をモデル化した平均流の乱流モデルにより、解析空間において流れ場と温度場との解析・演算を行い、演算結果の流れ場と温度場とのデータを、記憶部へ格納する解析空間演算部と、前記流れ場と温度場とを固定させて、測定点への空気の流入の各吹出口毎の割合を示す吹出寄与率の空間分布(SVE4)を求める吹出寄与率演算部と、前記各吹出寄与率をその場の有効体積とする各吹き出し口に対応する有効体積分布毎に、室内空間で一様にトレーサーを発生させ、拡散方程式を解いて演算する濃度場演算部と、前記濃度場を、各々対応する吹出寄与率で除算することにより、各吹き出し口から流入した空気の空気齢の空間分布を演算する空気齢演算部とを有することを特徴とする。
【0012】
本発明の空気余命分布性状解析システムは、流体の連続式、流体の質量保存則と運動量保存則を満たすNavier−Stokes方程式、フーリエの法則に基づくエネルギー保存則から乱流をモデル化した平均流の乱流モデルにより、解析空間において流れ場と温度場との解析・演算を行い、演算結果の流れ場のベクトル方向を逆として逆転流れ場を生成し、得たれた逆転流れ場と温度場とのデータを、記憶部へ格納する解析空間演算部と、前記逆転流れ場と温度場とを固定させて、測定点からの空気の流出の各吸い込み口毎の割合を示す吸込寄与率の空間分布(SVE5)を求める吸込寄与率演算部と、前記各吸込寄与率をその場の有効体積とする各吸い込み口に対応する有効体積分布毎に、室内空間で一様にトレーサーを発生させ、拡散方程式を解いて演算する濃度場演算部と、前記濃度場を、各々対応する吸込寄与率で除算することにより、各吸い込み口へ流出する空気の空気余命を演算する空気余命演算部とを有することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<空気齢分布性状解析システム>
図1は本発明の一実施形態による空気齢分布性状解析システムの構成例を示すブロック図である。
この図において、解析空間演算部1は、流体の連続式、流体の質量保存則と運動量保存則を満たすNavier−Stokes方程式、フーリエの法則に基づくエネルギー保存則から乱流をモデル化した平均流の乱流モデルにより、解析空間において流れ場と温度場との解析・演算を行い、演算結果の流れ場と温度場とのデータを、記憶部5へ格納する(書き込んで記憶させる)。
【0014】
吹出寄与率演算部2は、記憶部5から読み出す流れ場と温度場とを、固定させた上で各吹出口の勢力範囲、即ち吹出寄与率の空間分布を求める。吹き出し口の勢力範囲及び寄与率は同じ意味で用いられ、SVE4として表記される。
この吹出寄与率は、各吹出口から慣性を持たない(重力沈降を無視できる)粒子(新鮮空気を示すトレーサー)が平均流にのって、その点にどれだけ到達しているかを示す、すなわち、所定の測定点(空間座標)への空気の流入量全体において、各吹き出し口から流入する空気の割合を示す数値である。
吹出寄与率演算部2は、物理量の輸送方程式に基づく、以下に示す拡散方程式である(1)式により、上記吹出寄与率の解析結果(演算結果)として、粒子濃度の空間分布を求める。
【数1】
Figure 2004101058
ここで、Cはトレーサー濃度[kg/立方m]であり、D/Dtは全微分演算を表し、ujは各風速成分であり、∂/∂Xjは空間偏微分を表し、νtは渦拡散係数であり、Scはシュミット数であり、q0はトレーサー発生量[kg/s立方m]である。なお、トレーサー発生量は、吹出寄与率の演算時に、着目する吹出口のみで有限の値qを有し、この吹出口以外の他の部分では「0」となる。
【0015】
そして、吹出寄与率演算部2は、解析された濃度の空間分布を、以下に示す(2)式により無次元化し、対象吹出口の勢力範囲、すなわち吹出寄与率rn(i)の空間分布として求める(この吹出寄与率rn(i)は吹き出し口nからきた空気の有効体積率に対応する)。
【数2】
Figure 2004101058
ここで、SVE4(x)は、所定の空間座標x(x,y,z)における吹き出し口n(n:自然数)の吹出寄与率riを示している。
そして、吹出寄与率演算部2は、各計算点における吹出寄与率riを記憶部5へ書き込み、記憶させる。
例えば、このとき、図3に示すように2つの吹出口(Inlet1,2)と2つの吸い込み口(Outlet1,2)がある場合において説明する。
【0016】
濃度場演算部3は、求められた吹出口(Inlet)1及び2の吹出寄与率の空間分布を、以下に示す(3)式及び(4)式にそれぞれに基づいて、室内空間で一様にトレーサー(汚染質)を発生させ、拡散方程式を解く。
【数3】
Figure 2004101058
【数4】
Figure 2004101058
ここで、νtは渦動粘性係数(m2/s)であり、Scはシュミット数であり、D/Dtは全微分演算を表し、q0はトレーサーの発生量(kg/s立方m)である。
【0017】
ここで、濃度場演算部3は、(3)式及び(4)式により、それぞれ、C1r1及びC2r2を求める。
ここで、求められるC1r1及びC2r2の和は、それぞれの吹出口(Inlet1,2)で分離せずに解析した場合において、拡散方程式である(1)式を解いた解と同値である。
C1は吹き出し口1の吹出寄与率で重み付けられた濃度であり吹き出し口1の空気齢に対応する。C2は吹き出し口2の吹出寄与率で重み付けられた濃度であり吹き出し口2の空気齢に対応する気流密度である。
【0018】
空気齢演算部4は、図3のように複数の吹出口(吹き出し口1,2)がある場合、室内の空気齢に対応するトレーサー濃度を(3),(4)式の拡散方程式に基づいて演算する。
(3),(4)式は、それぞれ空間の有効体積率分布がr1,r2においてトレーサー発生量q0がある場合の室内濃度C1,C2を求める拡散方程式となっている。
ここで、C1及びC2の分布は空気齢の分布に対応している。
すでに述べたように、吹出寄与率演算部2は、吹き出し口及び吸い込み口が各々2つづつ有る場合を想定し、測定点(空間座標における演算点、すなわち空間座標(x,y,z)である)iにおける吹出口1(Inlet1)と吹出口2(Inle2)との吹出寄与率riの演算を行う。
【0019】
吹出口1(Inlet1)と吹出口2(Inle2)との吹出寄与率を、各々r1(i),r2(i)とすると、測定点iの空気齢に対応する濃度C(i)は、以下に示す(5)式により表される。
【数5】
Figure 2004101058
この(5)式は、測定点iの空気齢に対応する濃度C(i)が、吹き出し口1から流入した空気の空気齢に対応する濃度C1(i)と、吹き出し口2から流入した空気の空気齢に対応する濃度C2(i)との、吹出寄与率r1(i)およびr2(i)による重み平均であることを示す。
【0020】
(5)式において、重みとして用いられた吹き出し口1および2の吹出寄与率r1(i),r2(i)の和は、その場の空気はそれぞれ吹き出し口1及び2から来たもののみであるので原理的に以下に示す(6)式を満たす。
【数6】
Figure 2004101058
以上の原理に従い、空気齢演算部4は、C1r1及びC2r2を未知数として、(3)式および(4)式を解いて、求められたにより求められた濃度場C1r1及びC2r2を各々吹出寄与率r1(i),r2(i)で除算することにより、各吹き出し口1または2から流入した空気の空気齢に対応する濃度C1(i),C2(i)を演算することができる。
ここで、空気齢演算部4は、上記空気齢に対応する濃度C1(i),C2(i)を、(2)式による名目換気時間(換気回数の逆数)で無次元化し、名目換気時間を単位とする空気齢(時間)とする。
【0021】
次に、図1、図3および図4を参照し、一実施形態による空気齢分布性状解析システムの動作例を説明する。
ステップS1において、解析空間演算部1は、解析空間を所定の割合で分割して測定点の空間座標を設定して、この解析空間の設定した空間座標毎に、流れ場と温度場との解析・演算を行い、演算結果の流れ場と温度場とのデータを、記憶部5へ一時的に記憶させる。
【0022】
次に、ステップS2において、吹出寄与率演算部2は、記憶部5から流れ場と温度場とのデータを読み出し、各空間座標、すなわち測定点において、流れ場と温度場とを固定させた上で各吹出口の勢力範囲、即ち吹出寄与率の演算を行う。そして、吹出寄与率演算部2は、物理量の輸送方程式に基づく(1)式により、吹出寄与率として、粒子濃度の空間分布の演算を行う。
ただし、(1)式において、トレーサー発生量q0は空間において「0」として、各吹き出し口の吹出寄与率を算出する演算毎に、当該吹き出し口でトレーサー発生量qを与える。
【0023】
これにより、吹出寄与率演算部2は、解析された濃度の空間分布を、(2)式により、対象吹出口の勢力範囲、すなわち吹出寄与率rn(i)の演算を行う。
そして、吹出寄与率演算部2は、演算された各測定点毎の吹出寄与率rn(i)を記憶部5へ書き込み、記憶させる。
例えば、このとき、図3に示すように2つの吹出口(Inlet1,2)と2つの吸い込み口(Outlet1,2)がある場合において説明する。
【0024】
次に、ステップS3において、濃度場演算部3は、ステップS2で求められた吹き出し口1及び2の吹出寄与率の空間分布を用い、以下に示す(3)式及び(4)式にそれぞれに基づいて、室内空間で一様にq0のトレーサーを発生させて、C1r1及びC2r2を未知数として拡散方程式を解き、それぞれ、空間座標xjにおける吹き出し口の吹出寄与率で重み付けられた濃度場C1r1及びC2r2を求める。
(3),(4)式においては、空間の有効体積率がr1,r2であるので、実質的なトレーサー発生量は、それぞれr1q0,r2q0となっている。
ここで、求められる濃度場C1r1及びC2r2の和は、それぞれの吹出口(Inlet1,2)で分離せずに解析した場合において、拡散方程式である(1)式を解いた解と同値である。
【0025】
そして、ステップS4において、空気齢演算部4は、図3のように複数の吹出口(吹き出し口1,2)がある場合、それぞれの吹き出し口に対応する空気齢を演算する。
すなわち、空気齢演算部4は、(3)式および(4)式により求められた吹出寄与率に重み付けられた濃度場C1r1及びC2r2を各々吹出寄与率r1(i),r2(i)で除算することにより、各吹き出し口1または2から流入した空気の空気齢に対応する濃度C1(i),C2(i)を演算することができる。
次に、ステップS5において、空気齢演算部4は、上記空気齢に対応する濃度C1(i),C2(i)を、(2)式による名目換気時間(換気回数の逆数)で無次元化する。これにより、名目換気時間を単位の時間とする各吹き出し口に対応する空気齢の空間分布が求まる。
そして、ステップS6において、空気齢演算部4は、得られた各空間座標における、各々の吹き出し口に対応した空気齢を、この空間座標に対応して、記憶部5において記憶させる。
【0026】
<空気余命分布性状解析システム>
図1は本発明の一実施形態による空気余命分布性状解析システムの構成例を示すブロック図である。
この図において、解析空間演算部11は、複数吸込口を備えた室において、検討対象とする吸込口を通して排出される空気の室内各点での分布状態を示す空気用命を解析するために、時間進行を逆転させた流れ場を作成する。
【0027】
このため、解析空間演算部11は、解析空間演算部1と同様に、流体の連続式、流体の質量保存則と運動量保存則を満たすNavier−Stokes方程式、フーリエの法則に基づくエネルギー保存則から乱流をモデル化した平均流の乱流モデルにより、解析空間において流れ場と温度場との解析・演算を行う。
そして、解析空間演算部11は、演算結果の流れ場の時間進行を逆転させて(流れ場のベクトルの方向を逆転させて、気流が時間進行とともに逆方向に流れる様にする)、得られた逆転流れ場と温度場とのデータを、記憶部15へ格納する(書き込んで記憶させる)。
このような流れ場では濃度の輸送について移流のみを逆転とし、逆向きの拡散(負拡散)は考慮されていないが、通常の室内では移流が拡散に卓越しているため、便宜的に正の拡散項がそのまま付加された状態で大概的に問題ないと考えて使用している。
【0028】
吸込寄与率演算部12は、記憶部15から読み出す逆転流れ場と温度場とを、固定させた上で各吸込口(吸い込み口)の勢力範囲、即ち吸込寄与率を求める。吸い込み口の勢力範囲、すなわち吸込寄与率は同じ意味で用いられてSVE5とも表記される。
この吸込寄与率は、各吸い込み口に対して慣性を持たない(重力沈降を無視できる)粒子(新鮮空気を示すトレーサー)が平均流にのって、各吸い込み口に対して、その測定点からどれだけ到達しているかを示す割合、すなわち、ある空間座標から流出する空気の全体量に対して、各吸い込み口へ到達する空気の量の割合を示す数値である。
また、吸込寄与率演算部12は、物理量の輸送方程式に基づく、拡散方程式である(1)式により、上記吸込寄与率の解析として、粒子濃度の空間分布を求める。
【0029】
そして、吸込寄与率演算部12は、解析された濃度の空間分布を、(2’)式により無次元化し、対象吸込口の勢力範囲、すなわち吸込寄与率rn(i)として求める(この吸込寄与率rn(i)は測定点iから吸い込み口nへ到達する空気の有効体積率に対応する)。
ここで、SVE5(x)は、所定の空間座標x(x,y,z)における吸い込み口n(n:自然数)の吸込寄与率riを示している。
そして、吸込寄与率演算部12は、各測定点における吸込寄与率riを記憶部5へ書き込み、記憶させる。
例えば、このとき、図3に示すように2つの吹き出し(Inlet1,2)と2つの吸い込み口(Outlet1,2)がある場合において説明する。
【0030】
濃度場演算部13は、求められた吸い込み口(Outlet)1及び2の吸込寄与率の空間分布を、(3)式及び(4)式にそれぞれに基づいて、室内空間で一様にトレーサー(汚染質)を発生させ、拡散方程式を解く。
ここで、濃度場演算部13は、(3)式及び(4)式により、それぞれ、C1r1及びC2r2を求める。
ここで、求められるC1r1及びC2r2の和は、それぞれの吸い込み口(Outlet1,2)で分離せずに解析した場合において、拡散方程式である(1)式を解いた解と同値である。
C1は吸い込み口1の吸込寄与率で重み付けられた濃度であり、吸い込み口1の空気余命に対応する。C2は吸い込み口2の吸込寄与率で重み付けられた濃度であり、吸い込み口2の空気余命に対応する。
【0031】
空気余命演算部14は、図3のように複数の吸い込み口(吸い込み口1,2)がある場合、室内の空気余命に対応する濃度を(3),(4)式の拡散方程式に基づいて演算する。
ここで、C1及びC2の分布は空気余命の分布に対応している。
すでに述べたように、吸込寄与率演算部12は、吹き出し口及び吸い込み口が各々2つづつ有る場合を想定し、測定点(空間座標における演算点、すなわち空間座標(x,y,z)である)iにおける吸込口1(Outlet1)と吸込口2(Outle2)との吸込寄与率riの演算を行う。
【0032】
吸い込み口1(Outlet1)と吸い込み口2(Outle2)との吸込寄与率を、各々r1(i),r2(i)とすると、測定点iの空気余命に対応する濃度C(i)は、(5)式により表される。
この(5)式は、測定点iの空気余命に対応する濃度C(i)が、吸い込み口1から流出する空気の空気余命に対応する濃度C1(i)と、吸い込み口2から流出する空気の空気余命に対応する濃度C2(i)との、吸込寄与率r1(i)およびr2(i)による重み平均であることを示す。
【0033】
(5)式において、重みとして用いられた吸い込み口1および2の吸込寄与率r1(i)及びr2(i)の和は、その場の空気は最終的にそれぞれ吸い込み口1及び2からのみ排出されるので、原理的に(6)式を満たす。
以上の原理に従い、空気余命演算部14は、(3)式および(4)式により求められた濃度場C1r1及びC2r2を各々吸込寄与率r1(i),r2(i)で除算することにより、各吸い込み口1または2から流出する空気の空気余命に対応する濃度C1(i),C2(i)を演算することができる。
ここで、空気余命演算部4は、上記空気余命に対応する濃度C1(i),C2(i)を、名目換気時間(換気回数の逆数)で無次元化し、名目換算時間を単位とする空気余命(時間)となる。
【0034】
次に、図1、図3および図5を参照し、一実施形態による空気余命分布性状解析システムの動作例を説明する。
ステップS11において、解析空間演算部11は、解析空間を所定の割合で分割して測定点の空間座標を設定して、この解析空間の設定した空間座標毎に、流れ場と温度場との解析・演算を行い、流れ場および温度場のデータを得る。
そして、ステップS12において、解析空間演算部11は、流れ場の時間方向(ベクトル方向)を逆転させ、逆転流れ場を生成し、演算結果の逆転流れ場と温度場とのデータを、記憶部15へ一時的に記憶させる。
【0035】
次に、ステップS13において、吸込寄与率演算部12は、記憶部15から逆転流れ場と温度場とのデータを読み出し、各空間座標、すなわち測定点において、逆転流れ場と温度場とを固定させた上で各吸込口の勢力範囲、即ち吸込寄与率の演算を行う。
そして、吸込寄与率演算部12は、物理量の輸送方程式に基づく(1)式により、吸込寄与率として、粒子濃度の空間分布の演算を行う。
【0036】
これにより、吸込寄与率演算部12は、解析された濃度の空間分布を、(2’)式により、対象吸込口の勢力範囲、すなわち吸込寄与率rn(i)の演算を行う。そして、吸込寄与率演算部12は、演算された各測定点毎の吸込寄与率rn(i)を記憶部15へ書き込み、記憶させる。
例えば、このとき、図3に示すように2つの吹出口(Inlet1,2)と2つの吸い込み口(Outlet1,2)がある場合において説明する。
ただし、(1)式において、トレーサー発生発生量q0は空間で「0」として、各吸い込み口の吸込寄与率を算出する演算毎に当該吸い込み口でトレーサー発生量qを与える。
【0037】
次に、ステップS14において、濃度場演算部13は、ステップS12で求められた吸い込み口1及び2の吸込寄与率の空間分布を用い、以下に示す(3)式及び(4)式にそれぞれに基づいて、室内空間で一様にトレーサーを発生させて、拡散方程式を解き、それぞれ、空間座標xjにおける吸い込み口の吸込寄与率で重み付けられた濃度場C1r1及びC2r2を求める。
ここで、求められる濃度場C1r1及びC2r2の和は、それぞれの吸込口(Outlet1,2)で分離せずに解析した場合において、拡散方程式である(1)式を解いた解と同値である。
【0038】
そして、ステップS15において、空気余命演算部4は、図3のように複数の吸込口(吸い込み口1,2)がある場合のそれぞれの吸い込み口に対応する空気余命を演算する。
すなわち、空気余命演算部14は、(3)式および(4)式により求められた吸込寄与率に重み付けられた濃度場C1r1及びC2r2を各々吸込寄与率r1(i),r2(i)で除算することにより、各吸い込み口1または2から流入した空気の空気余命に対応する濃度C1(i),C2(i)を演算することができる。
次に、ステップS16において、空気余命演算部14は、上記空気余命に対応する濃度C1(i),C2(i)を、名目換気時間(換気回数の逆数)で無次元化する。これにより、名目換気時間を単位の時間とする各吸い込み口に対応する空気余命の空間分布が求まる。
そして、ステップS17において、空気余命演算部14は、得られた各空間座標における、各々の吸い込み口に対応した空気余命を、記憶部15においてこの空間座標に対応して記憶させる。
【0039】
次に、本発明の空気齢分布性状解析システム及び空気余命分布性状解析システムを用いた、空気齢および空気余命のシミュレーションについて説明する。
応用例の解析としては、図5に示す解析対象空間において、パーソナル空調システムを使用した場合を対象とする。
ここで、パーソナル空調とは、図6に示すように、個人を対象とした空調システムで、所定の温度で、一定の風速でフィルタを通して清浄化された空気を各個人の対象となる範囲に供給する。
図7のテーブル1に示すように、2つのCaseを検討する。各ケースにおける吹出口から人体までの距離は前者が吹出口有効直径の約3倍、後者が約10倍としている。
【0040】
解析に用いたCFDモデル及び境界条件は、図8のテーブル2に示されている。
ここで、人体モデルは、発熱体(総対流熱伝達量:38/人)としており、吸気は鼻から行うものとする。この場合の定常吸入量は、14.4(リットル/分)とする。
・呼吸空気質の評価指標
換気効率指標SVEsのうち吹出・吸込勢力範囲(SVE4,5)及び各々の吹出口に対応する空気齢及び各々の吸込口の空気余命を評価する。
【0041】
・CASE1:大開口吹出(図9,10)
(1)アンビエント空調の効果
人体の呼吸領域において、アンビエント空調の吹出口の勢力範囲(吹出寄与率)は約0.3〜0.1程度以下と演算されている。
この部分は吹き出し口の空気齢を求める際、除算の分母となる吸い込み口の吸込寄与率が小さいため、同領域における吹出口の空気齢の推定精度は悪くなる。呼吸領域の空気齢は約0.9である。人体の呼吸域における吸込口の勢力範囲は約0.6程度であると、対応する空気余命は概ね0.6である。
【0042】
(2)パーソナル空調の効果
CASE1において、パーソナル空調吹出口の人体の呼吸領域での勢力範囲(吹出寄与率)は約0.8以上となっている。
パーソナル空調吹出口からの空気齢は人体呼吸領域でも約0.3以下となっている。
アンビエント空調吹出口の空気齢とパーソナル空調吹出口において空気齢をその勢力範囲(寄与率)の重みを付して平均した値は前報で同様のケースにおける呼吸領域の空気齢(約0.4)と同じである。
呼吸領域においてパーソナル空調の吸込口の勢力範囲は約0.3であり、空気余命は約0.8である。これとアンビエント空調の吸込口の空気余命時間を各吸込口の勢力範囲(寄与率)を重みとして平均した余命は前報での結果(約0.6)とほぼ同値である。
【0043】
・CASE2:小開口吹出(図11,12)
(1)アンビエント空調の効果
CASE2のアンビエント空調方式はパーソナル空調の特性の違いにより、CASE1の場合とは吹出・吸込口の勢力範囲やその空気齢及び空気余命の分布が多少異なる結果となっている。
人体の呼吸領域において、アンビエント空調の吹出口の勢力範囲は約0.5であり、アンビエント空調の影響がCASE1に比べ大きい。
また、その空気齢は約0.9となっている。吸込口の勢力範囲は約0.6、空気余命は約0.7となっている。
【0044】
(2)パーソナル空調の効果
CASE2において、呼吸領域でパーソナル空調の吹出口の勢力範囲は約0.5でCASE1に比べて小さい。
また、空気齢は0.8となり、CASE1に比べ約2倍の値となっている。
この値とアンビエント空調の吹出口の空気齢を勢力範囲を考慮して重み平均した結果(約0.8)、吹き出し口で分離せずに(1)式を解いた結果と一致する。
吸込口において、人体の呼吸領域での吸込口の勢力範囲は約0.4であり、空気余命は約0.8である。この値とアンビエント空調の吸込口の空気余命を重み平均した結果(約0.7)は吸い込み口で分離せずに(1)式を解いた結果と一致する。
【0045】
上述したように、本発明による空気齢分布性状解析システムは、複数の吹出口が存在する場合に、所定の空間座標における各吹き出し口毎の空気齢を求めることができ、部屋のいずれの位置に吹き出し口を設けることにより、効率的な換気が行えるかの解析が行える。
同様に、本発明による空気余命分布性状解析システムは、複数の吸込口が存在する場合に、所定の空間座標における各吸い込み口毎の空気余命を求めることができ、部屋のいずれの位置に吸い込み口を設けることにより、効率的な換気が行えるかの解析が行える。
【0046】
そして、本発明による空気齢分布性状解析システムおよび空気余命分布性状解析システムを用いることにより、複数の吹出・吸込口が存在している室内において、各々の吹出口と吸込口との、それぞれの空気の流入と流出との寄与率に対応して、各吹出口,吸込口に対応する空気齢及び空気余命を評価することができ、効率的な換気システムの設計が可能となる。
すなわち、本発明による空気齢分布性状解析システム及び空気余命分布性状解析システムは、それぞれの吹出口や吸込口に対応する空気齢及び空気余命を勢力範囲(吹出寄与率,吸込寄与率)に対応して求めることができる。
【0047】
また、本発明による空気齢分布性状解析システムおよび空気余命分布性状解析システムにおいて、それぞれの吹出口や吸込口に対応する空気齢及び空気余命を勢力範囲(寄与率)で重み平均した結果は室内全体に対する空気齢及び空気余命と同値となることを確認した。
さらに、本発明によれば、パーソナル空調の吹出,吸込口が人体の呼吸空気質に及ぼす影響を容易により詳細に評価することが可能となった。
【0048】
なお、上記した本発明の実施形態においては、空気齢分布性状解析システムおよび空気余命分布性状解析システムにおいて実行される手順をコンピュータ読取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより本発明の製造誤差評価システムが実現されるものとする。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺機器等のハードウアを含むものである。
【0049】
更に、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のシステムやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0050】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0051】
以上、本発明の一実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0052】
【発明の効果】
本発明の空気齢分布性状解析システムおよび空気余命分布性状解析システムによれば、複数の吹出・吸込口が存在している室内において、各々の吹出口と吸込口との、それぞれの空気の流入と流出との寄与率に対応して、各吹出口,吸込口に対応する空気齢及び空気余命を評価することができ、効率的な換気システムの設計が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による空気齢分布性状解析システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による空気余命分布性状解析システムの構成例を示すブロック図である。
【図3】空気齢分布性状解析システムおよび空気余命分布性状解析システムの動作例を説明する概念図である。
【図4】図1の空気齢分布性状解析システムの動作例を説明するフローチャートである。
【図5】図2の空気余命分布性状解析システムの動作例を説明するフローチャートである。
【図6】解析対象空間である部屋の構成を示す概念図である。
【図7】応用例のシミュレーションにおけるとしての解析のケースを示すテーブル1である。
【図8】応用例のシミュレーションにおける解析に用いる境界条件を示すテーブル2である。
【図9】CASE1のシミュレーション結果における(アンビニエント空調に対応)、空気齢および空気余命の分布を示す概念図である。
【図10】CASE1のシミュレーション結果における(パーソナル空調に対応)、空気齢および空気余命の分布を示す概念図である。
【図11】CASE2のシミュレーション結果における(アンビニエント空調に対応)、空気齢および空気余命の分布を示す概念図である。
【図12】CASE2のシミュレーション結果における(パーソナル空調に対応)、空気齢および空気余命の分布を示す概念図である。
【図13】空気齢および空気余命を説明する概念図である。
【符号の説明】
1,11 解析空間演算部
2 吹出寄与率演算部
3,13 濃度場演算部
4 空気齢演算部
5,15 記憶部
12 吸込寄与率演算部
14 空気余命演算部

Claims (2)

  1. 流体の連続式、流体の質量保存則と運動量保存則を満たすNavier−Stokes方程式、フーリエの法則に基づくエネルギー保存則から乱流をモデル化した平均流の乱流モデルにより、解析空間において流れ場と温度場との解析・演算を行い、演算結果の流れ場と温度場とのデータを、記憶部へ格納する解析空間演算部と、
    前記流れ場と温度場とを固定させて、測定点への空気の流入の各吹出口毎の割合を示す吹出寄与率の空間分布を求める吹出寄与率演算部と、
    前記各吹出寄与率をその場の有効体積とする各吹き出し口に対応する有効体積分布毎に、室内空間で一様にトレーサーを発生させ、拡散方程式を解いて演算する濃度場演算部と、
    前記濃度場を、各々対応する吹出寄与率で除算することにより、各吹き出し口から流入した空気の空気齢の空間分布を演算する空気齢演算部と
    を有することを特徴とする空気齢分布性状解析システム。
  2. 流体の連続式、流体の質量保存則と運動量保存則を満たすNavier−Stokes方程式、フーリエの法則に基づくエネルギー保存則から乱流をモデル化した平均流の乱流モデルにより、解析空間において流れ場と温度場との解析・演算を行い、演算結果の流れ場のベクトル方向を逆として逆転流れ場を生成し、得たれた逆転流れ場と温度場とのデータを、記憶部へ格納する解析空間演算部と、
    前記逆転流れ場と温度場とを固定させて、測定点からの空気の流出の各吸い込み口毎の割合を示す吸込寄与率の空間分布を求める吸込寄与率演算部と、
    前記各吸込寄与率をその場の有効体積とする各吸い込み口に対応する有効体積分布毎に、室内空間で一様にトレーサーを発生させ、拡散方程式を解いて演算する濃度場演算部と、
    前記濃度場を、各々対応する吸込寄与率で除算することにより、各吸い込み口へ流出する空気の空気余命を演算する空気余命演算部と
    を有することを特徴とする空気余命分布性状解析システム。
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