JP2004100518A - 振り子式波力発電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】間欠的な波力を平均化して利用することにより発電効率を高めることができると共に、従来技術の防波堤型の波力発電装置と比較して施工費用を節減することができる。また、風車を併設することにより自然エネルギーである風力と波力を併用して発電できる。
【解決手段】海底Bに形成した基礎マウンド1上に複数枚の隔壁3を周方向に離間して立設し、後方に閉塞壁となる基体4を立設することにより前方を開放口2Aとする複数の水室2、2、・・・が周方向に画成してある。各水室2に揺動可能に軸支する振り子板11は隔壁3上に設置した揺動型ベーンポンプ等の油圧ポンプ13に連結して支持してある。基体4の機械室4Cに設置した油圧モータ14を油圧ポンプ13からの作動油により回転させて発電機16を駆動する。
【選択図】 図3
【解決手段】海底Bに形成した基礎マウンド1上に複数枚の隔壁3を周方向に離間して立設し、後方に閉塞壁となる基体4を立設することにより前方を開放口2Aとする複数の水室2、2、・・・が周方向に画成してある。各水室2に揺動可能に軸支する振り子板11は隔壁3上に設置した揺動型ベーンポンプ等の油圧ポンプ13に連結して支持してある。基体4の機械室4Cに設置した油圧モータ14を油圧ポンプ13からの作動油により回転させて発電機16を駆動する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、波力により発電する波力発電装置に関し、殊に波力を求心方向に作用させることにより高い発電効率が得られる振り子式波力発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
無尽蔵な自然エネルギーを有効に利用することができることや、環境汚染にも無縁なことから、波力を利用して発電する波力発電装置が研究されている。波力発電装置には種々の発電方式があるが、波力によって振り子板を揺動させ、この揺動を回転力に変換して発電機を駆動する振り子式波力発電方式が発電効率が高いことから注目されている。例えば、特開昭56−124680号公報には防波施設に付設し、エネルギー吸収効率を大にして低コストのエネルギーを得ることができる波力エネルギー吸収装置が開示されており、また特許第2908718号公報には消波構造体に付設することにより設備費等のコストダウンが図れる振り子式波浪発電装置が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の振り子式波力発電装置は波を導入して振り子板を作動させるための複数の水室を形成するケーソンを防波堤のように横一列に列設した構成からなっており、一方向からのみ波力を受けるために防波堤と同様の強度性が必要で設置費が嵩むという問題がある。そこで、防波堤や護岸施設と一体化して設置することも考えられるが、設置目的が異なることから法律上の問題があるとされている。
【0004】
本発明は従来技術の未解決の問題点に鑑み本発明者等が鋭意研究した結果なされたもので、間欠的な波力を平均化して利用することにより発電効率を高めることができると共に、従来技術の防波堤型のものと比較して設置費用を節減することができる振り子式波力発電装置、及び風車を併設することにより自然エネルギーである風力を波力と併用して発電に利用することができるようにした振り子式波力発電装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために構成した本発明の手段は、海底に形成した基礎マウンド上に複数枚の隔壁を周方向に離間して立設し、後方に閉塞壁を立設することにより前方を開放口とする複数の水室を周方向に画成し、前記隔壁を介して該各水室内に振り子板を揺動可能に配置し、駆動機構を介して該振り子板の揺動運動により発電機を駆動するようにしたものからなる。
【0006】
そして、前記駆動機構は、前記振り子板の揺動運動により作動する油圧ポンプと、該油圧ポンプの吐出油により駆動され、前記発電機を回転駆動する油圧モータとから構成するとよい。
【0007】
また、前記複数の水室を形成する各閉塞壁は筒状の基体により一体に形成し、該基体の天面部上に前記発電機を駆動する風車を設置する構成にするとよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳述する。図1乃至図5は第1の実施の形態を示す。図において、1は鉄筋コンクリートにより略円盤状に成形した基礎マウンドで、該基礎マウンド1は海岸Aの近傍の海底Bを掘削して下部側を埋設することにより、台風等の荒天時の波力に対する強度性を持たせてある。
【0009】
2、2、・・・は前記基礎マウンド1上に周方向に離間して画成した複数の水室を示す。該各水室2は鉄筋コンクリート製の平板からなる8枚の隔壁3、3、・・・を基礎マウンド1上に周方向に離間して立設し、基礎マウンド1の略中央に各水室2の閉塞壁となる基体4を一体に立設することにより、前方が開放口3Aとなった扇形に形成してある。
【0010】
ここで、基体4は円筒状の胴部4Aと、該胴部4Aの上端を閉塞する天面部4Bを鉄筋コンクリートにより成形したもので、内部は機械室4Cとしてあり(図3参照)、天面部4Bには機械室4Cに出入りするための密閉型出入り用ハッチ4Dが設けてある。
【0011】
そして、該各水室2は基礎マウンド1、各隔壁3及び基体4を鉄筋コンクリートで一体に成形することにより、波力に対して高い強度性を持たせてある。
【0012】
11、11、・・・は各水室2の開放口2A近傍に位置して配置され、波力を受承する受圧板としての振り子板を示す。該各振り子板11は軽量で強度性のある材料、例えば繊維強化プラスチック等により、開放口2Aより縦横の寸法を若干短く設定して成形した縦長の板本体11Aと、該板本体11Aの上端に横向きに設けた揺動軸11Bとから構成してある。
【0013】
12は前記各振り子板11の揺動運動を伝達して後述する発電機16を駆動するための駆動機構を示す。13、13、・・は駆動機構12を構成し、振り子板11の揺動運動を駆動力にして作動油を吐出する4基の油圧ポンプで、該油圧ポンプ13には例えば第2573905号特許に係る揺動型ベーンポンプ等を用いることができる。該各油圧ポンプ13は1枚ずつ隔てた4枚の隔壁3の上面3Aに搭載してあり、隔壁3を介して隣接する水室2、2に位置する振り子板11、11の各揺動軸11Bは油圧ポンプ13の駆動軸に連結してある。そして、一対の振り子板11、11の各々が矢示イ、ロ方向に揺動することにより揺動軸11Bを介して油圧ポンプ13が駆動され、作動油を吐出するものである。
【0014】
次に、14は基体4の機械室4Cに設置した油圧モータを示す。該油圧モータ14は吐出管部と戻り管部を一組とする配管15、15、・・を介して各油圧ポンプ13と接続しており、凪のように波力が全く作用しない場合を除いて、油圧モータ14にはいずれかの油圧ポンプ13から作動油が常時供給されることにより運転するようになっている。
【0015】
16は油圧ポンプ13、油圧モータ14からなる駆動機構12を介して振り子板11により駆動される発電機で、該発電機16は油圧モータ14と同様に機械室4Cに設置され、回転軸が油圧モータ14の出力軸と連結されている。
【0016】
更に、21は基体4の天面部4B上に搭載した発電用風車で、該発電用風車21は天面部4Bに固設した下部塔体22Aに対して上部塔体22Bを横方向に回動可能に構成することにより、後述する翼24を風に対面できるようにした中空の鉄塔22と、該鉄塔22の上部塔体22Bに回転可能に設けた翼支持軸23と、該翼支持軸23に設けた4枚の翼24、24、・・と、鉄塔22内に配置され、翼支持軸23と発電機16の回転軸を連結する図示しない連動軸とから構成してある。
【0017】
本実施の形態に係る振り子式波力発電装置は上述の構成からなるもので、次にその作用について説明する。本実施の形態において、水室2内の入射波が閉塞壁である基体4に当たって反射波となり、これが後続の入射波と重なって生じる定常波における水平方向成分である水平振動流、即ち水平波力により振り子板11を揺動させ、この揺動運動を回転運動に変換して最終的に発電機を駆動することにより発電する方法は従来の振り子式波力発電装置と基本的に異なるところはない。
【0018】
しかし、本実施の形態における振り子式波力発電装置においては、8区分の水室2、2、・・・を360度方向の円環状に配設し、該各水室2に振り子板11を設置する構成にしたことにより、波力は以下のように作用する。図4(イ)はポンプ軸に作用するモーメントの分布を示す。同図(ロ)はモーメントの位相差を示し、破線より内側が0度地点より遅れて出現している。これら各分布図から明らかなように、環状に列設した水室2、2、・・・の外周から求心方向に波力が掛る、即ち波力が360度の方向から一点に集中するように求心方向に働くことにより、平均的に波力を利用することができることから効率の良い発電をすることができる。また、外周側でエネルギーが位相差をもって吸収されることから全体として取得されるエネルギーが平滑化されるので、効率の良い発電をすることができる。
【0019】
図5は発電装置の波力に対する安定性を従来技術と比較したもので、図(イ)は本実施の形態に作用する波力を示し、水平波力は外周から中心に向かって働くことにより、水平波力が打消し合うので安定性に優れていることを示している。図(ロ)は前方と上方が開放したケーソン51内に振り子板52を軸支した構造の従来技術に係る振り子式波力発電装置の概略で、図(ハ)に示すように、水平波力の打消しがないため、同時に揚圧力が働くことから安定性に劣っていることが理解される。
【0020】
また、本実施の形態によれば、波力は360度の方向から作用して水平波力が打消し合うので、防波堤型の波力発電装置に要求される程の強度性は必要ないから設置費を節減することができる。
【0021】
図6は本発明の第2の実施の形態を示し、振り子式波力発電装置と人工島を一体に構成したものである。なお、前述した第1の実施の形態の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付して援用し、その説明を省略する。図において、31は海岸Aの近傍に位置して海底Bに埋め立てや埋設等の方法により設置した基礎マウンドで、基礎マウンド31は少なくとも上部側の周囲31Aは鉄筋コンクリートにより成形し、内側は土砂の埋め立て地31Bとする略円盤状に形成したものからなり、海岸Aに対向する位置には切り欠き状に岸壁31Cを形成することにより、船舶C、Cが停泊できる港32を設けてある。
【0022】
33、33、・・・は前記基礎マウンド31上に円弧状に配設した多数の水室を示す。該各水室33は基礎マウンド31上に隔壁34、34、・・・を所定の間隔で周方向に配設し、後方に閉塞壁となる円形壁35を一体に成形することにより前方が開放口33Aとなった略扇形に形成してある。そして、各水室33には第1の実施の形態と同様に振り子板11が配設してあり、1枚おきの隔壁34上に一対の振り子板11、11が連結する駆動機構12の揺動型の油圧ポンプ13、13、・・・が搭載してある。そして、該油圧ポンプ13により駆動される複数の油圧モータ14及び発電機16は図示は省略してあるが基礎マウンド31上の適宜の場所に設置してある。
【0023】
36は基礎マウンド31に四方から寄せる波の波力を利用して発電した電気を利用すべく基礎マウンド31に設置した工場或は遊園地等の施設である。
【0024】
上述の構成からなる本実施の形態によれば、振り子式波力発電装置を人工島と一体に構成して波力による自家発電を可能にしたから、環境汚染のない人工島にすることができる。また、人工島は発電用の燃料が不要であるから稼働費は殆ど掛からないし、燃料補給の必要もないから設置場所の自由度がある。
【0025】
【発明の効果】
本発明は以上詳述した如く構成したから、下記の諸効果を奏する。
(1)複数の水室を環状に配設することにより、波力を外周から求心方向に作用させて平均的に波力を利用するようにしたから、効率の良い発電をすることができる。
(2)装置全体には外周から求心方向に水平波力が作用することにより、装置全体に働く波力が打消し合うから、発電装置の安定性に優れているし、設置費も従来技術と比較して節減することができる。
(3)波力発電の課題となっている設置コストを大幅に削減できるので、防波堤と併設しなくても設置可能である。
(4)放射状に配設する複数枚の隔壁の中心に基体を設け、該基体上に発電機を駆動する発電用風車を設置することにより、波力と風力を併用した効率のよい発電施設とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1乃至図5は本発明の第1の実施の形態に係り、図1は振り子式波力発電装置の正面図である。
【図2】振り子式波力発電装置の平面図である。
【図3】図2中のIII−III矢示方向断面図である。
【図4】振り子式波力発電装置における圧力分布を示し、(イ)はポンプ軸に作用するモーメントの分布図、(ロ)はポンプ軸に作用するモーメントの位相差を示す分布図である。
【図5】発電装置の波力に対する安定性を従来技術と比較して示し、(イ)は本実施の形態の発電装置に作用する波力分布図、(ロ)従来技術に係る振り子式発電装置の概略構成図、(ハ)従来技術の発電装置に作用する波力分布図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係り、振り子式波力発電装置を人工島として一体に構成した概念図である。
【符号の説明】
1、31 基礎マウンド
2、33 水室
3、34 隔壁
4 基体(閉塞壁)
11 振り子板
12 駆動機構
13 油圧ポンプ
14 油圧モータ
16 発電機
21 発電用風車
35 円形壁(閉塞壁)
【産業上の利用分野】
本発明は、波力により発電する波力発電装置に関し、殊に波力を求心方向に作用させることにより高い発電効率が得られる振り子式波力発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
無尽蔵な自然エネルギーを有効に利用することができることや、環境汚染にも無縁なことから、波力を利用して発電する波力発電装置が研究されている。波力発電装置には種々の発電方式があるが、波力によって振り子板を揺動させ、この揺動を回転力に変換して発電機を駆動する振り子式波力発電方式が発電効率が高いことから注目されている。例えば、特開昭56−124680号公報には防波施設に付設し、エネルギー吸収効率を大にして低コストのエネルギーを得ることができる波力エネルギー吸収装置が開示されており、また特許第2908718号公報には消波構造体に付設することにより設備費等のコストダウンが図れる振り子式波浪発電装置が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の振り子式波力発電装置は波を導入して振り子板を作動させるための複数の水室を形成するケーソンを防波堤のように横一列に列設した構成からなっており、一方向からのみ波力を受けるために防波堤と同様の強度性が必要で設置費が嵩むという問題がある。そこで、防波堤や護岸施設と一体化して設置することも考えられるが、設置目的が異なることから法律上の問題があるとされている。
【0004】
本発明は従来技術の未解決の問題点に鑑み本発明者等が鋭意研究した結果なされたもので、間欠的な波力を平均化して利用することにより発電効率を高めることができると共に、従来技術の防波堤型のものと比較して設置費用を節減することができる振り子式波力発電装置、及び風車を併設することにより自然エネルギーである風力を波力と併用して発電に利用することができるようにした振り子式波力発電装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために構成した本発明の手段は、海底に形成した基礎マウンド上に複数枚の隔壁を周方向に離間して立設し、後方に閉塞壁を立設することにより前方を開放口とする複数の水室を周方向に画成し、前記隔壁を介して該各水室内に振り子板を揺動可能に配置し、駆動機構を介して該振り子板の揺動運動により発電機を駆動するようにしたものからなる。
【0006】
そして、前記駆動機構は、前記振り子板の揺動運動により作動する油圧ポンプと、該油圧ポンプの吐出油により駆動され、前記発電機を回転駆動する油圧モータとから構成するとよい。
【0007】
また、前記複数の水室を形成する各閉塞壁は筒状の基体により一体に形成し、該基体の天面部上に前記発電機を駆動する風車を設置する構成にするとよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳述する。図1乃至図5は第1の実施の形態を示す。図において、1は鉄筋コンクリートにより略円盤状に成形した基礎マウンドで、該基礎マウンド1は海岸Aの近傍の海底Bを掘削して下部側を埋設することにより、台風等の荒天時の波力に対する強度性を持たせてある。
【0009】
2、2、・・・は前記基礎マウンド1上に周方向に離間して画成した複数の水室を示す。該各水室2は鉄筋コンクリート製の平板からなる8枚の隔壁3、3、・・・を基礎マウンド1上に周方向に離間して立設し、基礎マウンド1の略中央に各水室2の閉塞壁となる基体4を一体に立設することにより、前方が開放口3Aとなった扇形に形成してある。
【0010】
ここで、基体4は円筒状の胴部4Aと、該胴部4Aの上端を閉塞する天面部4Bを鉄筋コンクリートにより成形したもので、内部は機械室4Cとしてあり(図3参照)、天面部4Bには機械室4Cに出入りするための密閉型出入り用ハッチ4Dが設けてある。
【0011】
そして、該各水室2は基礎マウンド1、各隔壁3及び基体4を鉄筋コンクリートで一体に成形することにより、波力に対して高い強度性を持たせてある。
【0012】
11、11、・・・は各水室2の開放口2A近傍に位置して配置され、波力を受承する受圧板としての振り子板を示す。該各振り子板11は軽量で強度性のある材料、例えば繊維強化プラスチック等により、開放口2Aより縦横の寸法を若干短く設定して成形した縦長の板本体11Aと、該板本体11Aの上端に横向きに設けた揺動軸11Bとから構成してある。
【0013】
12は前記各振り子板11の揺動運動を伝達して後述する発電機16を駆動するための駆動機構を示す。13、13、・・は駆動機構12を構成し、振り子板11の揺動運動を駆動力にして作動油を吐出する4基の油圧ポンプで、該油圧ポンプ13には例えば第2573905号特許に係る揺動型ベーンポンプ等を用いることができる。該各油圧ポンプ13は1枚ずつ隔てた4枚の隔壁3の上面3Aに搭載してあり、隔壁3を介して隣接する水室2、2に位置する振り子板11、11の各揺動軸11Bは油圧ポンプ13の駆動軸に連結してある。そして、一対の振り子板11、11の各々が矢示イ、ロ方向に揺動することにより揺動軸11Bを介して油圧ポンプ13が駆動され、作動油を吐出するものである。
【0014】
次に、14は基体4の機械室4Cに設置した油圧モータを示す。該油圧モータ14は吐出管部と戻り管部を一組とする配管15、15、・・を介して各油圧ポンプ13と接続しており、凪のように波力が全く作用しない場合を除いて、油圧モータ14にはいずれかの油圧ポンプ13から作動油が常時供給されることにより運転するようになっている。
【0015】
16は油圧ポンプ13、油圧モータ14からなる駆動機構12を介して振り子板11により駆動される発電機で、該発電機16は油圧モータ14と同様に機械室4Cに設置され、回転軸が油圧モータ14の出力軸と連結されている。
【0016】
更に、21は基体4の天面部4B上に搭載した発電用風車で、該発電用風車21は天面部4Bに固設した下部塔体22Aに対して上部塔体22Bを横方向に回動可能に構成することにより、後述する翼24を風に対面できるようにした中空の鉄塔22と、該鉄塔22の上部塔体22Bに回転可能に設けた翼支持軸23と、該翼支持軸23に設けた4枚の翼24、24、・・と、鉄塔22内に配置され、翼支持軸23と発電機16の回転軸を連結する図示しない連動軸とから構成してある。
【0017】
本実施の形態に係る振り子式波力発電装置は上述の構成からなるもので、次にその作用について説明する。本実施の形態において、水室2内の入射波が閉塞壁である基体4に当たって反射波となり、これが後続の入射波と重なって生じる定常波における水平方向成分である水平振動流、即ち水平波力により振り子板11を揺動させ、この揺動運動を回転運動に変換して最終的に発電機を駆動することにより発電する方法は従来の振り子式波力発電装置と基本的に異なるところはない。
【0018】
しかし、本実施の形態における振り子式波力発電装置においては、8区分の水室2、2、・・・を360度方向の円環状に配設し、該各水室2に振り子板11を設置する構成にしたことにより、波力は以下のように作用する。図4(イ)はポンプ軸に作用するモーメントの分布を示す。同図(ロ)はモーメントの位相差を示し、破線より内側が0度地点より遅れて出現している。これら各分布図から明らかなように、環状に列設した水室2、2、・・・の外周から求心方向に波力が掛る、即ち波力が360度の方向から一点に集中するように求心方向に働くことにより、平均的に波力を利用することができることから効率の良い発電をすることができる。また、外周側でエネルギーが位相差をもって吸収されることから全体として取得されるエネルギーが平滑化されるので、効率の良い発電をすることができる。
【0019】
図5は発電装置の波力に対する安定性を従来技術と比較したもので、図(イ)は本実施の形態に作用する波力を示し、水平波力は外周から中心に向かって働くことにより、水平波力が打消し合うので安定性に優れていることを示している。図(ロ)は前方と上方が開放したケーソン51内に振り子板52を軸支した構造の従来技術に係る振り子式波力発電装置の概略で、図(ハ)に示すように、水平波力の打消しがないため、同時に揚圧力が働くことから安定性に劣っていることが理解される。
【0020】
また、本実施の形態によれば、波力は360度の方向から作用して水平波力が打消し合うので、防波堤型の波力発電装置に要求される程の強度性は必要ないから設置費を節減することができる。
【0021】
図6は本発明の第2の実施の形態を示し、振り子式波力発電装置と人工島を一体に構成したものである。なお、前述した第1の実施の形態の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付して援用し、その説明を省略する。図において、31は海岸Aの近傍に位置して海底Bに埋め立てや埋設等の方法により設置した基礎マウンドで、基礎マウンド31は少なくとも上部側の周囲31Aは鉄筋コンクリートにより成形し、内側は土砂の埋め立て地31Bとする略円盤状に形成したものからなり、海岸Aに対向する位置には切り欠き状に岸壁31Cを形成することにより、船舶C、Cが停泊できる港32を設けてある。
【0022】
33、33、・・・は前記基礎マウンド31上に円弧状に配設した多数の水室を示す。該各水室33は基礎マウンド31上に隔壁34、34、・・・を所定の間隔で周方向に配設し、後方に閉塞壁となる円形壁35を一体に成形することにより前方が開放口33Aとなった略扇形に形成してある。そして、各水室33には第1の実施の形態と同様に振り子板11が配設してあり、1枚おきの隔壁34上に一対の振り子板11、11が連結する駆動機構12の揺動型の油圧ポンプ13、13、・・・が搭載してある。そして、該油圧ポンプ13により駆動される複数の油圧モータ14及び発電機16は図示は省略してあるが基礎マウンド31上の適宜の場所に設置してある。
【0023】
36は基礎マウンド31に四方から寄せる波の波力を利用して発電した電気を利用すべく基礎マウンド31に設置した工場或は遊園地等の施設である。
【0024】
上述の構成からなる本実施の形態によれば、振り子式波力発電装置を人工島と一体に構成して波力による自家発電を可能にしたから、環境汚染のない人工島にすることができる。また、人工島は発電用の燃料が不要であるから稼働費は殆ど掛からないし、燃料補給の必要もないから設置場所の自由度がある。
【0025】
【発明の効果】
本発明は以上詳述した如く構成したから、下記の諸効果を奏する。
(1)複数の水室を環状に配設することにより、波力を外周から求心方向に作用させて平均的に波力を利用するようにしたから、効率の良い発電をすることができる。
(2)装置全体には外周から求心方向に水平波力が作用することにより、装置全体に働く波力が打消し合うから、発電装置の安定性に優れているし、設置費も従来技術と比較して節減することができる。
(3)波力発電の課題となっている設置コストを大幅に削減できるので、防波堤と併設しなくても設置可能である。
(4)放射状に配設する複数枚の隔壁の中心に基体を設け、該基体上に発電機を駆動する発電用風車を設置することにより、波力と風力を併用した効率のよい発電施設とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1乃至図5は本発明の第1の実施の形態に係り、図1は振り子式波力発電装置の正面図である。
【図2】振り子式波力発電装置の平面図である。
【図3】図2中のIII−III矢示方向断面図である。
【図4】振り子式波力発電装置における圧力分布を示し、(イ)はポンプ軸に作用するモーメントの分布図、(ロ)はポンプ軸に作用するモーメントの位相差を示す分布図である。
【図5】発電装置の波力に対する安定性を従来技術と比較して示し、(イ)は本実施の形態の発電装置に作用する波力分布図、(ロ)従来技術に係る振り子式発電装置の概略構成図、(ハ)従来技術の発電装置に作用する波力分布図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係り、振り子式波力発電装置を人工島として一体に構成した概念図である。
【符号の説明】
1、31 基礎マウンド
2、33 水室
3、34 隔壁
4 基体(閉塞壁)
11 振り子板
12 駆動機構
13 油圧ポンプ
14 油圧モータ
16 発電機
21 発電用風車
35 円形壁(閉塞壁)
Claims (3)
- 海底に形成した基礎マウンド上に複数枚の隔壁を周方向に離間して立設し、後方に閉塞壁を立設することにより前方を開放口とする複数の水室を周方向に画成し、前記隔壁を介して該各水室内に振り子板を揺動可能に配置し、駆動機構を介して該振り子板の揺動運動により発電機を駆動するように構成してなる振り子式波力発電装置。
- 前記駆動機構は、前記振り子板の揺動運動により作動する油圧ポンプと、該油圧ポンプの吐出油により駆動され、前記発電機を回転駆動する油圧モータとから構成してあることを特徴とする請求項1記載の振り子式波力発電装置。
- 前記複数の水室を形成する各閉塞壁は筒状の基体により一体に形成し、該基体の天面部上に前記発電機を駆動する風車を設置したことを特徴とする請求項1記載の振り子式波力発電装置。
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