JP2004100051A - Method for producing leathery sheetlike material - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮革様シート状物の製造方法に関する。さらに詳しくは、耐ピリング性に優れた皮革様シート状物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
良好な立毛を有し優れた柔軟性と品位を持つ、天然皮革に劣らない人工皮革として、極細繊維を用いたものが知られている。その製造方法としては、例えば次の通りである。まず、1成分に極細繊維形成成分を用い他成分に有機溶媒等で溶解可能な成分を用いた繊維でフェルトを作成する。次いで、このフェルトにジメチルホルムアミド等の有機溶媒で希釈したポリウレタン樹脂を付与してシートとした後に複合繊維の1成分を有機溶剤で溶解除去し極細繊維を発現させるか、または繊維基体から極細繊維を発現させた後、ポリウレタン樹脂を付与することにより人工皮革が得られる。
【0003】
しかし、上記のような人工皮革は、繊維を拘束する力が低下することによるピリングの発生が問題となっていた。
【0004】
ピリングの発生の要因の一つとして光劣化が考えられることから、これを改善すべく、溶液型ポリウレタン樹脂や水分散型ポリウレタン樹脂にヒンダードアミン系などの紫外線吸収剤を共重合させる技術が開示されてきた(特許文献1〜4参照。)。しかし、充分な改善の効果が得られるものではなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開昭56−43478号公報
【0006】
【特許文献2】
特公平63−31490号公報
【0007】
【特許文献3】
特開平4−258642号公報
【0008】
【特許文献4】
特開2000−265052号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、耐ピリング性に優れた皮革様シート状物を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、主として極細繊維を有する繊維基体とポウレタン樹脂とからなる皮革様シート状物を製造するにあたり、以下の4工程を含む皮革様シート状物の製造方法である。
(1)極細繊維を発現する極細繊維発現型複合繊維を用いて繊維基体を製造する工程。
(2)極細繊維を発現させる工程。
(3)ポリウレタン樹脂を繊維基体に付与する工程。
(4)上記(3)の工程の後に、高分子の紫外線吸収剤を付与する工程。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき詳細に説明する。本発明においては、ポリウレタン樹脂を付与する前の段階の布帛や、構成要素の重量比率を表すにあたりシートからポリウレタン樹脂等を除いた布帛を、主に「繊維基体」と呼び、ポリウレタン樹脂を付与した状態を主に「シート」と呼ぶ。
【0012】
本発明で言う極細繊維発現型複合繊維は、極細繊維を構成する成分と他の成分とからなり、該他の成分が有機溶剤やアルカリ溶液により溶解し、残った成分が極細繊維を形成する。係る極細繊維発現型複合繊維の形態としては例えば、海部に有機溶剤やアルカリ溶液に対し溶解性を有する成分と島部に極細繊維を構成する成分を配置した海島型や、星雲型、多層型、多島中空型などを基本とし、これらを組み合わせたもの、あるいは変形発展させたものなどであり、1成分を除去することで好ましくは0.3dtex以下の極細繊維が得られるものなどから適宜選択可能である。
【0013】
極細繊維を形成する成分としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン−6、ナイロン−6,6等のポリアミド等を用いることができる。
【0014】
有機溶剤溶解性成分としては、ポリエチレン、ポリスチレンなどのポリオレフィン等がある。
【0015】
また、アルカリ溶解性成分には、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどと、5−ソディウムスルホイソフタル酸、ポリエチレングリコール、ドデヂルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ビスフェノールA化合物、イソフタル酸、アジピン酸、ドデカジオン酸、シクロヘキシルカルボン酸等を5〜20モル%共重合した共重合ポリエステルが好ましい。これらの内、特に5−ソディウムスルホイソフタル酸を5〜20モル%共重合した共重合ポリエチレンテレフタレートを用いることが好ましい。またこれら共重合体は二元のみならず三元以上の多元共重合体であってもよい。
【0016】
(1)本発明では、この極細繊維発現型複合繊維を用いて繊維基体を製造する。繊維基体の形態としては、不織布、織物、編物等を採用することができるが、風合いの点で不織布が好ましい。不織布形成のための手段としては例えば、クロスラッパーにより繊維を積層させ不織布化する方法や、スパンボンド法、メルトブロー法、フラッシュ紡糸法など紡糸直結で直接不織布化する方法などを用いることができる。
【0017】
不織布等の布帛とした後は、必要に応じ、ニードルパンチ、ウォータージェットパンチなどの繊維絡合処理を行い、フェルトを形成しても良い。
【0018】
また、下記する極細繊維の発現処理に先立ち、ポリウレタン樹脂と繊維との結合コントロールを行う目的で繊維基体にあらかじめ高鹸化度ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースなどの熱水溶解性ポリマーを付与しておくことも好ましい。
【0019】
(2)本発明では、かくして得た繊維基体を有機溶剤やアルカリ性水溶液等で処理し、極細繊維を発現させる。有機溶剤としては例えば、トルエン、トリクロロエチレンなどがある。またアルカリ性水溶液としては例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、アンモニア塩水溶液などがある。
【0020】
(3)本発明では、極細繊維を発現した繊維基体に、ポリウレタン樹脂を付与する。
【0021】
本発明に使用するポリウレタン樹脂の化学組成としては、基本的にはいずれのものも使用可能だが、ポリオール成分とジイソシアネートと鎖伸長剤の各成分を適宜組み合わせて反応させて得られるポリウレタン樹脂を用いることが好ましい。
【0022】
ポリオール成分としては、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオールなどを採用することができる。なかでも、ポリエーテルジオールをポリオール成分とする、エーテル系のポリウレタン樹脂は、耐加水分解性には優れているものの耐光性に難点があるため、本発明により特に優れた耐ピリング性の改善効果を得ることができる。
【0023】
これらポリオール成分について、それぞれを単独に用いても良いし、組み合わせた共重合体を用いても良い。
【0024】
ポリエーテルジオールとしては例えば、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコールなどが挙げられる。
【0025】
ポリエステルジオールとしては例えば、ポリネオペンチルアジペード、ポリカプロラクトンなどが挙げられる。
【0026】
ポリカーボネ−トジオールとしては例えば、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール等のグリコールと、ジメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、ホスゲンとの反応により得られる化合物が挙げられる。
【0027】
ジイソシアネート成分としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、3,3−ジメトキシ−4,4−フェニレンイソシアネートなどが挙げられる。
【0028】
鎖伸長剤としては例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−へキサンジオール、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4‘−ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられる。これらを単独で使用してもよいし、二種類以上を併用してもよい。
【0029】
本発明で用いるポリウレタン樹脂は、繊維基体に付与するに際し、溶液タイプのものを用いても良いが、環境への配慮や回収工程を簡略化するために有機溶媒の使用を最小限に抑えるという点からは、エマルジョンタイプのものを用いるのがより好ましい。
【0030】
エマルジョンとしては強制乳化型と自己乳化型のいずれでも良いが、強制乳化型の場合には、下記に示すノニオン性界面活性剤を、ポリウレタン樹脂100重量部に対し1〜10重量部の割合で含有するのが好ましい。ノニオン性界面活性剤を1重量部以上とすることで、エマルジョンを長期に保存した場合にも、乳液からの相分離によるクリーム状の沈殿物や再分散不能な凝固物の発生もなく、保存安定性が向上する。またノニオン系界面活性剤を10重量部以下とすることで、感熱ゲル化の感度が向上し、加熱によるゲル化に要する時間を短縮することができる。
【0031】
エマルジョン型ポリウレタン樹脂に使用するノニオン系界面活性剤としては、親水基として水中でイオン解離しない水酸基やポリエーテル単位などを有している界面活性剤で、ポリエチレングリコール型ノニオン系界面活性剤が挙げられる。ポリエチレングリコール型ノニオン系界面活性剤としては、
ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルなどの高級アルコールエチレンオキサイド付加物、
脂肪酸ポリエチレンオキサイドエステル、
多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物
等が挙げられる。
【0032】
エマルジョン型ポリウレタン樹脂には、感熱ゲル化性、保存安定性を保つ範囲内で他の樹脂を併用しても良い。併用可能な樹脂としては例えば、天然ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン等が挙げられる。これらの樹脂は一つを選んでエマルジョン型ポリウレタン樹脂と併用しても、複数を選んでエマルジョン型ポリウレタン樹脂と併用しても良い。
【0033】
さらに必要に応じて、具体例を後述する従来の紫外線吸収剤や、酸化防止剤、着色剤、架橋剤等を添加しても良い。
【0034】
また、後述する樹脂の凝固の際にシート内部の樹脂の分布むらが生じるのを抑えるために、無機塩や増粘剤等を添加しても良い。
【0035】
エマルジョン型ポリウレタン樹脂を繊維基体に付与するに当たっては、繊維基体に希釈したエマルジョンを含浸し、凝固させる。凝固させる方法としては、乾熱凝固させる方法、湿熱凝固させてから加熱乾燥する方法、無機塩を溶解させた浴中または熱水浴中へ浸漬し凝固させる方法、またこれらの方法を組み合わせた方法等がある。また、耐水性、耐染色加工性をさらに向上させるために、凝固後の熱処理としてシートを90〜200℃で、好ましくは1〜60分、より好ましくは120〜150℃で2〜20分程度熱処理すると良い。
【0036】
溶液タイプのポリウレタン樹脂を繊維基体に付与するに当たっては、繊維基体にポリウレタン樹脂の溶液を含浸した後、湿式凝固してから乾燥すると良い。
【0037】
ポリウレタン樹脂の付与量は、繊維基体100重量部に対して5〜150重量部とするのが好ましく、より好ましくは10〜100重量部である。付与量を5重量部以上、より好ましくは10重量部以上とすることで、シート状物の充実感が得られ、皮革様の風合いが良くなる。一方、付与量を150重量重量部以下、より好ましくは100重量部以下とすることで、シート状物が柔軟になり、皮革様の風合いが良くなる。
【0038】
(4)本発明では、上記(3)の工程の後に、高分子の紫外線吸収剤を付与することが重要である。
【0039】
そうすることで、シート状物の耐ピリング性を向上させることができる。そのメカニズムは未だ確認していないが、従来の紫外線吸収剤の付与手段では、粉末での添加は紫外線吸収剤が脱落したり、ポリウレタン樹脂への共重合は分子レベルではポリウレタン樹脂をカバーしきれないのに対し、本発明ではポリウレタン樹脂の層の形成後にその表面に紫外線吸収剤の層が形成され、ポリウレタン樹脂の層を全面的に保護できるためではないかと推察する。
【0040】
高分子の紫外線吸収剤の分子量としては、10,000〜500,000が好ましい。
【0041】
本発明で使用する高分子の紫外線吸収剤としては例えば、2−ヒドロキシベンゾフェノン誘導体および2−ヒドロキシベンゾトリアゾール誘導体から選ばれる少なくとも一種類を高分子の構成要素として含むものが好ましい。
【0042】
2−ヒドロキシベンゾフェノン誘導体としては例えば、2−ヒドロキシ−4−アクリロイルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メタクリロイルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシ)エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(メタクリロイルオキシ)エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−メチル−2−アクリロイルオキシ)エトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
【0043】
2−ヒドロキシベンゾトリアゾール誘導体としては例えば、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシ)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(アクリロイルオキシ)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−(アクリロイルオキシ)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−(メタクリロイルオキシ)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−メチル−5’−(アクリロイルオキシ)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−メチル−5’−(メタクリロイルオキシプロピル)フェニル]−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(アクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−(アクリクロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−メチル−5’−(メタクリロイルオキシプロピル)フェニル]−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(アクリロイルオキシブチル)フェニル]−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−(アクリロイルオキシエトキシカルビニルエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0044】
上記の化合物と共重合可能な他の化合物としては、アクリロニトリル、アクリロニトリル酸アルキルエステル等のビニル化合物、トリアリルアミン、イメタクリル酸エチル等のラジカル架橋性モノマー、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等の自己縮合官能基含有モノマー、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等のヒドロキシ基含有モノマー、アクリル酸、メタクリル酸などのカルボン酸モノマーなどの架橋性化合物などが挙げられる。
【0045】
本発明において、高分子の紫外線吸収剤の付与量は、繊維基体100重量部に対し0.01〜30重量部とするのが好ましく、より好ましくは0.1〜10重量部である。0.01部以上、より好ましくは0.1部以上とすることで、ポリウレタン樹脂の光劣化によるピリングを良好に防ぐことが可能になる。また、30重量部以下、より好ましくは10重量部以下とすることで、シートの柔軟性を損なわず、さらには製造コストも抑えられる。
【0046】
上記の高分子の紫外線吸収剤と、従来の紫外線吸収剤を併用しても良い。従来の紫外線吸収剤としては例えば、オキサベンゾン、ジオキサベンゾン、スリソベンゾン、メンチルアントラニレート、パラ−アミノ安息香酸、オクチルパラ−ジメチルアミノベンゾエート、エチル4−ビス(ヒドロキシプロピル)パラ−アミノベンゾエート、ポリエチレングリコール(パラ−アミノベンゾエート)、エチル4−ビス(ヒドロキシルプロピル)アミノベンゾエート、ジエチノールアミン、パラ−メトキシシンナメート、2−エトキシエチルパラ−メトキシシンナメート、エチルヘキシルパラ−メトキシシンナメート、オクチルパラメトキシシンナメート、2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3ージフェニル−アクリレート、2−エチルヘキシルサリツレート、ホモメンチルサリチレート、グリセリルアミノベンゾエート、トリエタノールアミンサリチレート、ジガロイルトリオレエート、ジヒドロキシアセトンのラウソン、2−フェニルベンゾイミソーダル−5−スルホン酸、二酸化チタン、酸化亜鉛などが挙げられる。これら従来の紫外線吸収剤を単独または複数選択し、前記高分子の紫外線吸収剤と併用しても良い。
【0047】
ここで更に、架橋剤を付与することも好ましい。その技術的な意味としては次のようなことを挙げることができる。
(イ)ポリウレタン樹脂としてエマルジョン型のものを用いた場合、染色加工を施すとシートが破れ易くなる傾向にあるため、ポリウレタン樹脂を架橋により強化することで耐染色加工性を向上させる。
(ロ)高分子の紫外線吸収剤の架橋度を向上させる。
(ハ)複合繊維発現型複合繊維として海成分がアルカリ可溶型で島成分がポリエステル系のものを用いた場合、アルカリ性水溶液で極細繊維化処理をした際、極細繊維が親水化し、強度等の物性が低下する傾向にあるので、その改善を図る。
【0048】
架橋剤としては、ポリイソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、エポキシ架橋剤等が挙げられるが、添加をしても風合いを損ないにくいという点で、ポリイソシアネート化合物やブロックイソシアネート化合物が特に好ましい。
【0049】
かくして得られるシートについて、用途に応じ、スライス機による半裁、バッフィングによる起毛、染色加工等を施し、皮革様シート状物を得ることができる。
【0050】
【実施例】
本発明を実施例に基づき、更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例中に示した評価項目については、以下の方法に従って測定した。
【0051】
(1)光照射後の耐ピリング性
6.5cm×10cmのサンプルに、キセノンランプ照射装置(スガ試験機社製)にて144時間の光照射を行った。
光照射による強制劣化の後、前記サンプルから直径3cmの円形試料を切り取り、マーチンデール摩耗試験機を用い、JIS L1096中のマーチンデール法により評価した。エンドポイントまでの摩擦回数を計り、摩擦回数の設定上限の20000回に達したものを合格とした。
【0052】
(実施例1)
5−ソディウムスルホイソフタル酸を8モル%共重合したポリエチレンテレフタレートを海成分として30重量部、ポリエチレンテレフタレートを島成分として70重量部からなる割合で、1フィラメント中に島成分が36島の海島型に複合し、単繊維の平均繊度が3.8dtex、繊維長が6cmのステープルとした。
【0053】
(1)これを用いてカード、クロスラッパーを通してウェブを作成した後、ニードルパンチを施し、不織布を作成した。
【0054】
この不織布の繊維基体に90℃の熱水で鹸化度95のポリビニルアルコールを溶解させた12重量%の水溶液を、繊維基体の島成分100重量部に対しポリビニルアルコール固形分30重量部が含まれるように含浸し、乾燥処理した後、180℃の熱処理を施した。
【0055】
(2)繊維基体を、40℃の10重量%水酸化ナトリウム水溶液に30分浸漬し海成分を除去して極細繊維を発現させた後、水洗、乾燥した。
【0056】
(3)次に、エーテル系ポリウレタン樹脂(第一工業製薬、F−8638)を水で希釈し、12重量%のエマルジョンを調製した。これを浴に注ぎ、繊維基体を浴中に浸漬させ、マングルで絞り、繊維基体100重量部あたりエマルジョン400重量部を含ませた。これから水、乳化剤などを取り除くと、ポリウレタン樹脂固形分は繊維基体100重量部に対して48重量部付与されることになる。エマルジョンを含んだシートをスチーム処理で湿熱凝固した後、100℃で乾燥し、130℃で5分間の熱処理を施した。
【0057】
次に、シート内部のポリビニルアルコールを98℃の熱水で除去した。
【0058】
次に、シートを水で希釈し得た水分散型ポリイソシアネート液(日華化学社製、X−9003)に含浸し、乾燥した。ポリイソシアネートの目標付与量は、シート100重量部に対し6重量部とした。
【0059】
(4)次に、高分子の紫外線吸収剤として、USL−700(一方社油脂工業(株)製)を水で希釈して5重量%の水溶液を作成し、高分子の紫外線吸収剤がシート100重量部に対し1重量部含まれるよう、シートに含浸した後、100℃で乾燥し、130℃で熱処理した。
【0060】
次に、このシートをスライス機で半裁し、バッフィングをし、分散染料を用い液流染色機で淡ブラウンに染色し、皮革様シート状物を得た。
【0061】
光照射後の耐ピリング性は設定上限の20000回に達し、合格レベルであった。また、シートの風合い、反発性は、従来の製法で得られたものと同程度で、充分実用に供しうるレベルであった。
【0062】
(実施例2)
ポリスチレンを海成分として30重量部、ポリエチレンテレフタレートを島成分として70重量部からなる割合で、1フィラメント中に島成分が36島の海島型に複合し、単繊維の平均繊度が3.6dtex、繊維長が6cmの海島型のステープルとした。
【0063】
(1)これを用いてカード、クロスラッパーを通してウェブを作成した後、ニードルパンチを施し、不織布を形成した。
【0064】
この不織布の繊維基体に90℃の熱水で鹸化度95のポリビニルアルコールを溶解させた12重量%の水溶液を、繊維基体の島成分100重量部に対し、ポリビニルアルコール固形分30重量部が含まれるように含浸し、乾燥処理した後、180℃の熱処理を施した。
【0065】
(2)繊維基体を、トリクロロエチレンに30分浸漬し海成分を除去して極細繊維を発現させた後、水洗、乾燥した。
【0066】
以降は実施例1を繰り返して、皮革様シート状物を得た。
【0067】
光照射後の耐ピリング性は設定上限の20000回に達し、合格レベルであった。また、シートの風合い、反発性は、従来の製法で得られたものと同程度で、充分実用に供しうるレベルであった。
【0068】
(実施例3)
基本的には実施例2を繰り返し、皮革様シート状物を得た。
【0069】
ただし、(3)のポリウレタン樹脂を繊維基体に付与する工程においては、ポリウレタン樹脂として有機溶剤型でソフトセグメントがポリテトラメチレングリコールであるエーテル系ポリウレタン樹脂を用い、これを付与する手段として、有機溶媒ジメチルホルムアミドで希釈した12重量%のポリウレタン樹脂液を繊維基体に含浸、湿式凝固させ乾燥処理した。
【0070】
光照射後の耐ピリング性は設定上限の20000回に達し、合格レベルであった。また、シートの風合い、反発性は、従来の製法で得られるものと同程度で、充分実用に供しうるレベルであった。
【0071】
(比較例1)
(4)の高分子の紫外線吸収剤を付与する工程を省いた以外は実施例1と同様の方法で、皮革様シート状物を得た。
【0072】
光照射後の耐ピリング性は5000回であり、不合格であった。
【0073】
(比較例2)
(4)の高分子の紫外線吸収剤を付与する工程を省いた以外は実施例2と同様の方法で、皮革様シート状物を得た。
【0074】
光照射後の耐ピリング性は10000回であり、不合格であった。
【0075】
(比較例3)
(4)の高分子の紫外線吸収剤を付与する工程を省いた以外は実施例3と同様の方法で、皮革様シート状物を得た。
【0076】
光照射後の耐ピリング性は15000回であり、不合格であった。
【0077】
【発明の効果】
本発明によれば、耐ピリング性に優れた皮革様シート状物を提供できる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a leather-like sheet. More specifically, the present invention relates to a method for producing a leather-like sheet having excellent pilling resistance.
[0002]
[Prior art]
As artificial leathers having good nap and excellent flexibility and quality, which are not inferior to natural leathers, those using ultrafine fibers are known. The manufacturing method is as follows, for example. First, a felt is formed from fibers using a microfiber forming component as one component and a component soluble in an organic solvent or the like as another component. Next, a polyurethane resin diluted with an organic solvent such as dimethylformamide is applied to the felt to form a sheet. After that, one component of the conjugate fiber is dissolved and removed with an organic solvent to express ultrafine fibers, or the ultrafine fibers are removed from the fiber substrate. After expression, artificial leather is obtained by applying a polyurethane resin.
[0003]
However, in the artificial leather as described above, the occurrence of pilling due to a decrease in the force for binding the fiber has been a problem.
[0004]
Since light deterioration is considered as one of the causes of pilling, a technique of copolymerizing a solution-type polyurethane resin or a water-dispersion-type polyurethane resin with a hindered amine-based ultraviolet absorber has been disclosed to improve this. (See Patent Documents 1 to 4). However, a sufficient improvement effect was not obtained.
[0005]
[Patent Document 1]
JP-A-56-43478 [0006]
[Patent Document 2]
Japanese Patent Publication No. 63-31490
[Patent Document 3]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 4-258642
[Patent Document 4]
JP 2000-265052 A
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a leather-like sheet having excellent pilling resistance.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
That is, the present invention is a method for producing a leather-like sheet material comprising the following four steps in producing a leather-like sheet material mainly comprising a fiber base having ultrafine fibers and a polyurethane resin.
(1) A step of producing a fiber substrate using an ultrafine fiber-expressing conjugate fiber that expresses an ultrafine fiber.
(2) A step of developing ultrafine fibers.
(3) A step of applying a polyurethane resin to the fiber substrate.
(4) A step of applying a high-molecular ultraviolet absorber after the step (3).
[0011]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail. In the present invention, the fabric at the stage before the polyurethane resin is applied, or the fabric obtained by removing the polyurethane resin or the like from the sheet when expressing the weight ratio of the constituent elements, is mainly referred to as a "fiber substrate", and the polyurethane resin is applied. The state is mainly called a “sheet”.
[0012]
The ultrafine fiber-expressing conjugate fiber referred to in the present invention is composed of a component constituting the ultrafine fiber and another component. The other component is dissolved by an organic solvent or an alkaline solution, and the remaining component forms the ultrafine fiber. Examples of the form of the ultrafine fiber-expressing composite fiber include, for example, a sea-island type in which a component having solubility in an organic solvent or an alkaline solution in the sea portion and a component constituting the ultrafine fiber in the island portion, a nebula type, a multilayer type, It is based on a hollow island type, etc., and is a combination of these, or a deformed one, and can be appropriately selected from those from which ultrafine fibers of preferably 0.3 dtex or less can be obtained by removing one component. It is.
[0013]
As the components forming the ultrafine fibers, polyesters such as polyethylene terephthalate, polypropylene terephthalate and polybutylene terephthalate, polyamides such as nylon-6, nylon-6,6 and the like can be used.
[0014]
Examples of the organic solvent-soluble component include polyolefins such as polyethylene and polystyrene.
[0015]
Examples of the alkali-soluble component include, for example, polyethylene terephthalate and polybutylene terephthalate, 5-sodium sulfoisophthalic acid, polyethylene glycol, sodium dodenylbenzenesulfonate, bisphenol A compounds, isophthalic acid, adipic acid, and dodecadionic acid. And a copolymerized polyester obtained by copolymerizing cyclohexylcarboxylic acid and the like in an amount of 5 to 20 mol%. Among these, it is particularly preferable to use copolymerized polyethylene terephthalate obtained by copolymerizing 5-sodium sulfoisophthalic acid at 5 to 20 mol%. These copolymers may be not only binary but also multi-component copolymers of three or more.
[0016]
(1) In the present invention, a fiber substrate is manufactured using the ultrafine fiber-expressing conjugate fiber. As a form of the fiber substrate, a nonwoven fabric, a woven fabric, a knitted fabric, or the like can be adopted, but a nonwoven fabric is preferable in terms of a feeling. As a means for forming the nonwoven fabric, for example, a method of laminating fibers by a cross wrapper to form a nonwoven fabric, a method of directly forming a nonwoven fabric by direct spinning such as a spun bond method, a melt blow method, and a flash spinning method can be used.
[0017]
After forming the fabric such as a non-woven fabric, a felt may be formed by performing a fiber entanglement process such as a needle punch and a water jet punch as necessary.
[0018]
In addition, prior to the expression treatment of the ultrafine fibers described below, a high-saponification degree polyvinyl alcohol, a hot water-soluble polymer such as carboxymethyl cellulose may be previously applied to the fiber substrate for the purpose of controlling the bond between the polyurethane resin and the fibers. preferable.
[0019]
(2) In the present invention, the fiber substrate thus obtained is treated with an organic solvent, an alkaline aqueous solution, or the like, so that ultrafine fibers are developed. Examples of the organic solvent include toluene and trichloroethylene. Examples of the alkaline aqueous solution include a sodium hydroxide aqueous solution, a potassium hydroxide aqueous solution, and an ammonium salt aqueous solution.
[0020]
(3) In the present invention, a polyurethane resin is applied to a fiber substrate expressing ultrafine fibers.
[0021]
As the chemical composition of the polyurethane resin used in the present invention, basically any one can be used, but a polyurethane resin obtained by reacting a polyol component, a diisocyanate and a chain extender by appropriately combining each component is used. Is preferred.
[0022]
As the polyol component, polyether diol, polyester diol, polycarbonate diol and the like can be employed. Among them, an ether-based polyurethane resin containing a polyether diol as a polyol component is excellent in hydrolysis resistance but has a problem in light resistance. Obtainable.
[0023]
These polyol components may be used alone or in combination as a copolymer.
[0024]
Examples of the polyether diol include polytetramethylene glycol, polypropylene glycol, polyethylene propylene glycol, polyoxytetramethylene glycol, polyoxypropylene glycol, polyoxyethylene glycol, and the like.
[0025]
Examples of the polyester diol include polyneopentyl adipate, polycaprolactone, and the like.
[0026]
Examples of the polycarbonate diol include compounds obtained by reacting glycols such as 1,4-butanediol, 1,5-pentanediol, 1,6-hexanediol, and diethylene glycol with dimethyl carbonate, diphenyl carbonate, and phosgene. Can be
[0027]
Examples of the diisocyanate component include 4,4'-diphenylmethane diisocyanate, 2,4-tolylene diisocyanate, 2,6-tolylene diisocyanate, and 3,3-dimethoxy-4,4-phenylene isocyanate.
[0028]
Examples of the chain extender include ethylene glycol, propylene glycol, 1,4-butanediol, 1,6-hexanediol, ethylenediamine, hexamethylenediamine, 4,4′-diaminodiphenylmethane and the like. These may be used alone or in combination of two or more.
[0029]
The polyurethane resin used in the present invention may be of a solution type when applied to the fiber substrate, but the use of an organic solvent is minimized in order to consider the environment and simplify the recovery process. From this, it is more preferable to use an emulsion type.
[0030]
The emulsion may be either a forced emulsification type or a self-emulsification type. In the case of the forced emulsification type, the nonionic surfactant shown below is contained in a proportion of 1 to 10 parts by weight based on 100 parts by weight of the polyurethane resin. Is preferred. When the nonionic surfactant is 1 part by weight or more, even when the emulsion is stored for a long period of time, there is no generation of creamy precipitates or non-redispersible coagulates due to phase separation from the emulsion and storage stability. The performance is improved. When the amount of the nonionic surfactant is 10 parts by weight or less, the sensitivity of heat-sensitive gelation is improved, and the time required for gelation by heating can be shortened.
[0031]
The nonionic surfactant used in the emulsion type polyurethane resin is a surfactant having a hydroxyl group or a polyether unit which is not ionically dissociated in water as a hydrophilic group, and includes a polyethylene glycol type nonionic surfactant. . As a polyethylene glycol type nonionic surfactant,
Higher alcohol ethylene oxide adducts such as polyoxyethylene lauryl ether, polyoxyethylene acetyl ether, and polyoxyethylene stearyl ether;
Fatty acid polyethylene oxide ester,
Examples include polyhydric alcohol fatty acid ester ethylene oxide adducts.
[0032]
Other resins may be used in combination with the emulsion type polyurethane resin as long as the thermosensitive gelling property and the storage stability are maintained. Examples of resins that can be used in combination include natural rubber, acrylonitrile-butadiene copolymer, and polybutadiene. One of these resins may be selected and used in combination with the emulsion polyurethane resin, or a plurality of these resins may be used in combination with the emulsion polyurethane resin.
[0033]
If necessary, a conventional ultraviolet absorber, an antioxidant, a coloring agent, a cross-linking agent, etc., of which specific examples will be described later, may be added.
[0034]
In addition, an inorganic salt, a thickener, or the like may be added in order to suppress the occurrence of uneven distribution of the resin inside the sheet during the solidification of the resin described below.
[0035]
In applying the emulsion type polyurethane resin to the fiber base, the fiber base is impregnated with the diluted emulsion and solidified. Coagulation methods include dry heat coagulation, wet heat coagulation, and heat drying, immersion in a bath in which an inorganic salt is dissolved or hot water bath, and coagulation of these methods. Etc. Further, in order to further improve water resistance and dyeing resistance, the sheet is heat-treated at 90 to 200 ° C., preferably 1 to 60 minutes, more preferably 120 to 150 ° C. for about 2 to 20 minutes as a heat treatment after solidification. Good.
[0036]
In applying the solution type polyurethane resin to the fiber substrate, it is preferable that the fiber substrate is impregnated with a solution of the polyurethane resin, then wet coagulated, and then dried.
[0037]
The amount of the polyurethane resin to be applied is preferably 5 to 150 parts by weight, more preferably 10 to 100 parts by weight, based on 100 parts by weight of the fiber base. By setting the applied amount to 5 parts by weight or more, more preferably 10 parts by weight or more, the sheet-like material is provided with a sense of fulfillment and the leather-like texture is improved. On the other hand, when the applied amount is 150 parts by weight or less, more preferably 100 parts by weight or less, the sheet-like material becomes flexible, and the leather-like texture is improved.
[0038]
(4) In the present invention, after the step (3), it is important to add a polymer ultraviolet absorber.
[0039]
By doing so, the pilling resistance of the sheet material can be improved. The mechanism has not yet been confirmed, but with the conventional means of applying an ultraviolet absorber, addition with a powder causes the ultraviolet absorber to fall off, and copolymerization with the polyurethane resin cannot cover the polyurethane resin at the molecular level. On the other hand, in the present invention, it is presumed that the ultraviolet absorbent layer is formed on the surface of the polyurethane resin layer after the polyurethane resin layer is formed, so that the polyurethane resin layer can be entirely protected.
[0040]
The molecular weight of the high-molecular ultraviolet absorber is preferably 10,000 to 500,000.
[0041]
As the polymeric ultraviolet absorber used in the present invention, for example, those containing at least one selected from a 2-hydroxybenzophenone derivative and a 2-hydroxybenzotriazole derivative as a component of the polymer are preferable.
[0042]
Examples of the 2-hydroxybenzophenone derivative include 2-hydroxy-4-acryloyloxybenzophenone, 2-hydroxy-4-methacryloyloxybenzophenone, 2-hydroxy-4- (2-acryloyloxy) ethoxybenzophenone, and 2-hydroxy-4- (Methacryloyloxy) ethoxybenzophenone, 2-hydroxy-4- (2-methyl-2-acryloyloxy) ethoxybenzophenone, and the like.
[0043]
Examples of the 2-hydroxybenzotriazole derivative include 2- [2′-hydroxy-5 ′-(methacryloyloxy) phenyl] benzotriazole, 2- [2′-hydroxy-5 ′-(acryloyloxy) phenyl] benzotriazole, 2- [2'-hydroxy-3'-t-butyl-5 '-(acryloyloxy) phenyl] benzotriazole, 2- [2'-hydroxy-3'-t-butyl-5'-(methacryloyloxy) phenyl ] Benzotriazole, 2- [2'-hydroxy-3'-methyl-5 '-(acryloyloxy) phenyl] benzotriazole, 2- [2'-hydroxy-3'-methyl-5'-(methacryloyloxypropyl) Phenyl] -5-chlorobenzotriazole, 2- [2′-hydroxy-5 ′-(methacryloyloxy L) phenyl] benzotriazole, 2- [2'-hydroxy-5 '-(acryloyloxyethyl) phenyl] benzotriazole, 2- [2'-hydroxy-3'-t-butyl-5'-(methacryloyloxyethyl) ) Phenyl] benzotriazole, 2- [2′-hydroxy-3′-t-butyl-5 ′-(acryloyloxyethyl) phenyl] benzotriazole, 2- [2′-hydroxy-3′-methyl-5 '-(Methacryloyloxypropyl) phenyl] -5-chlorobenzotriazole, 2- [2'-hydroxy-5'-(acryloyloxybutyl) phenyl] -5-chlorobenzotriazole, 2- [2'-hydroxy-3 -T-butyl-5- (acryloyloxyethoxycarbinylethyl) phenyl] benzotriazole and the like. It is.
[0044]
Other compounds copolymerizable with the above compounds include acrylonitrile, vinyl compounds such as acrylonitrile alkyl ester, triallylamine, radical crosslinkable monomers such as ethyl methacrylate, glycidyl acrylate, and self-condensing functional groups such as glycidyl methacrylate. Examples thereof include a monomer containing, a hydroxy group-containing monomer such as hydroxyethyl acrylate and hydroxyethyl methacrylate, and a crosslinkable compound such as a carboxylic acid monomer such as acrylic acid and methacrylic acid.
[0045]
In the present invention, the amount of the polymer ultraviolet absorber to be applied is preferably 0.01 to 30 parts by weight, more preferably 0.1 to 10 parts by weight, based on 100 parts by weight of the fiber substrate. When the content is 0.01 part or more, more preferably 0.1 part or more, pilling due to light deterioration of the polyurethane resin can be favorably prevented. By setting the content to 30 parts by weight or less, more preferably 10 parts by weight or less, the flexibility of the sheet is not impaired, and the production cost can be suppressed.
[0046]
You may use together the said polymeric ultraviolet absorber and the conventional ultraviolet absorber. Conventional UV absorbers include, for example, oxabenzone, dioxabenzone, slisobenzone, menthyl anthranilate, para-aminobenzoic acid, octyl para-dimethylaminobenzoate, ethyl 4-bis (hydroxypropyl) para-aminobenzoate, polyethylene glycol (para- Aminobenzoate), ethyl 4-bis (hydroxylpropyl) aminobenzoate, diethinolamine, para-methoxycinnamate, 2-ethoxyethylpara-methoxycinnamate, ethylhexylpara-methoxycinnamate, octylparamethoxycinnamate, 2- Ethylhexyl 2-cyano-3,3-diphenyl-acrylate, 2-ethylhexyl salicylate, homomenthyl salicylate, glycerylaminobenzoate Triethanolamine salicylate, di galloylated trioleate, dihydroxyacetone Rauson, 2-phenyl-benzo Imi soda-5-sulfonic acid, titanium dioxide, and zinc oxide. One or a plurality of these conventional ultraviolet absorbers may be selected and used in combination with the above-mentioned polymer ultraviolet absorber.
[0047]
Here, it is also preferable to add a crosslinking agent. The technical meaning is as follows.
(A) When an emulsion-type polyurethane resin is used, the sheet tends to be easily broken when subjected to dyeing. Therefore, the polyurethane resin is reinforced by crosslinking to improve the dyeing resistance.
(B) Improve the degree of crosslinking of the polymeric UV absorber.
(C) When the sea component is an alkali-soluble type and the island component is a polyester type as a conjugate fiber-expressing conjugate fiber, when the ultrafine fiber is treated with an alkaline aqueous solution, the ultrafine fiber becomes hydrophilic, and the strength and the like are reduced. Since the physical properties tend to decrease, we will try to improve it.
[0048]
Examples of the cross-linking agent include a polyisocyanate compound, a blocked isocyanate compound, and an epoxy cross-linking agent. However, a polyisocyanate compound and a blocked isocyanate compound are particularly preferable because they do not easily impair the feeling even when added.
[0049]
The thus obtained sheet is subjected to half cutting by a slicing machine, raising by buffing, dyeing, and the like, depending on the use, to obtain a leather-like sheet.
[0050]
【Example】
The present invention will be described in more detail based on examples, but the present invention is not limited thereto. About the evaluation item shown in the Example, it measured according to the following method.
[0051]
(1) Pilling resistance after light irradiation A sample of 6.5 cm × 10 cm was irradiated with light for 144 hours using a xenon lamp irradiation device (manufactured by Suga Test Instruments Co., Ltd.).
After forced deterioration by light irradiation, a circular sample having a diameter of 3 cm was cut out from the sample, and evaluated by a Martindale method in JIS L1096 using a Martindale abrasion tester. The number of frictions up to the end point was measured, and the one that reached the set upper limit of 20,000 times of the number of frictions was determined to be acceptable.
[0052]
(Example 1)
30 parts by weight of polyethylene terephthalate obtained by copolymerizing 8 mol% of 5-sodium sulfoisophthalic acid as a sea component and 70 parts by weight of polyethylene terephthalate as an island component are formed into a sea-island type having 36 islands in one filament. The staples were composited and had an average fineness of 3.8 dtex and a fiber length of 6 cm.
[0053]
(1) Using this, a web was produced through a card and a cross wrapper, and then needle punched to produce a nonwoven fabric.
[0054]
A 12% by weight aqueous solution in which polyvinyl alcohol having a saponification degree of 95 is dissolved in hot water at 90 ° C. is added to the fiber base of the nonwoven fabric so that the solid content of polyvinyl alcohol is 30 parts by weight per 100 parts by weight of the island component of the fiber base. , And a heat treatment at 180 ° C. was performed.
[0055]
(2) The fiber substrate was immersed in a 10% by weight aqueous solution of sodium hydroxide at 40 ° C. for 30 minutes to remove sea components to develop ultrafine fibers, and then washed with water and dried.
[0056]
(3) Next, an ether-based polyurethane resin (Daiichi Kogyo Seiyaku, F-8638) was diluted with water to prepare a 12% by weight emulsion. This was poured into a bath, the fiber base was immersed in the bath, squeezed with a mangle, and 400 parts by weight of the emulsion was contained per 100 parts by weight of the fiber base. When water, an emulsifier, and the like are removed therefrom, 48 parts by weight of the polyurethane resin solid content is added to 100 parts by weight of the fiber substrate. The sheet containing the emulsion was subjected to wet heat coagulation by steam treatment, dried at 100 ° C., and subjected to a heat treatment at 130 ° C. for 5 minutes.
[0057]
Next, the polyvinyl alcohol inside the sheet was removed with hot water at 98 ° C.
[0058]
Next, the sheet was impregnated with a water-dispersed polyisocyanate solution (X-9003, manufactured by Nikka Chemical Co., Ltd.) obtained by diluting with water, and dried. The target application amount of the polyisocyanate was 6 parts by weight based on 100 parts by weight of the sheet.
[0059]
(4) Next, USL-700 (manufactured by YAS & Co., Ltd.) was diluted with water to prepare a 5% by weight aqueous solution as a high-molecular ultraviolet absorber. The sheet was impregnated so as to contain 1 part by weight with respect to 100 parts by weight, dried at 100 ° C., and heat-treated at 130 ° C.
[0060]
Next, this sheet was cut in half by a slicing machine, buffed, and dyed light brown with a jet dyeing machine using a disperse dye to obtain a leather-like sheet.
[0061]
The pilling resistance after light irradiation reached the set upper limit of 20,000 times, which was a pass level. Further, the texture and resilience of the sheet were comparable to those obtained by the conventional production method, and were at a level that could be sufficiently used.
[0062]
(Example 2)
At a ratio of 30 parts by weight of polystyrene as the sea component and 70 parts by weight of polyethylene terephthalate as the island component, the island component is compounded into a sea-island shape having 36 islands in one filament, and the average fineness of a single fiber is 3.6 dtex. Sea-island staples with a length of 6 cm were used.
[0063]
(1) Using this, a web was made through a card and a cross wrapper, and then needle punched to form a nonwoven fabric.
[0064]
A 12% by weight aqueous solution in which polyvinyl alcohol having a saponification degree of 95 is dissolved in hot water at 90 ° C. is contained in the nonwoven fabric base at a solid content of 30% by weight based on 100 parts by weight of the island component of the fiber base. After impregnation and drying treatment, heat treatment at 180 ° C. was performed.
[0065]
(2) The fiber substrate was immersed in trichlorethylene for 30 minutes to remove sea components to express ultrafine fibers, and then washed with water and dried.
[0066]
Thereafter, Example 1 was repeated to obtain a leather-like sheet.
[0067]
The pilling resistance after light irradiation reached the set upper limit of 20,000 times, which was a pass level. Further, the texture and resilience of the sheet were comparable to those obtained by the conventional production method, and were at a level that could be sufficiently used.
[0068]
(Example 3)
Basically, Example 2 was repeated to obtain a leather-like sheet.
[0069]
However, in the step (3) of applying the polyurethane resin to the fiber substrate, an organic solvent-type ether polyurethane resin having a soft segment of polytetramethylene glycol is used as the polyurethane resin, and an organic solvent is used as a means for applying the polyurethane resin. A fiber substrate was impregnated with a 12% by weight polyurethane resin solution diluted with dimethylformamide, wet coagulated, and dried.
[0070]
The pilling resistance after light irradiation reached the set upper limit of 20,000 times, which was a pass level. Further, the feel and resilience of the sheet were comparable to those obtained by the conventional production method, and were at a level that could be sufficiently used.
[0071]
(Comparative Example 1)
A leather-like sheet material was obtained in the same manner as in Example 1 except that the step of (4) for applying the polymer ultraviolet absorber was omitted.
[0072]
The pilling resistance after light irradiation was 5000 times, which was a failure.
[0073]
(Comparative Example 2)
A leather-like sheet was obtained in the same manner as in Example 2 except that the step (4) of applying the polymer ultraviolet absorber was omitted.
[0074]
The pilling resistance after light irradiation was 10,000 times, which was a failure.
[0075]
(Comparative Example 3)
A leather-like sheet was obtained in the same manner as in Example 3, except that the step of (4) for applying the high-molecular ultraviolet absorber was omitted.
[0076]
The pilling resistance after light irradiation was 15,000 times, which was a failure.
[0077]
【The invention's effect】
According to the present invention, a leather-like sheet having excellent pilling resistance can be provided.
Claims (3)
(1)極細繊維を発現する極細繊維発現型複合繊維を用いて繊維基体を製造する工程。
(2)極細繊維を発現させる工程。
(3)ポリウレタン樹脂を繊維基体に付与する工程。
(4)上記(3)の工程の後に、高分子の紫外線吸収剤を付与する工程。A method for producing a leather-like sheet, comprising the following four steps in producing a leather-like sheet mainly comprising a fiber base having ultrafine fibers and a polyurethane resin.
(1) A step of producing a fiber substrate using an ultrafine fiber-expressing conjugate fiber that expresses an ultrafine fiber.
(2) A step of developing ultrafine fibers.
(3) A step of applying a polyurethane resin to the fiber substrate.
(4) A step of applying a high-molecular ultraviolet absorber after the step (3).
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- 2002-09-05 JP JP2002260070A patent/JP2004100051A/en active Pending
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