JP2004099385A - Metallic thin wire-including thin film and method of manufacturing the same - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属細線包接薄膜及びその製造方法に関し、より詳しくは、量子素子、触媒等に好適な金属細線包接薄膜及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
FSM−16、MCM−41、HMM−1などのメソ細孔を有する粉末担体内に金属細線及び金属粒子を鋳型合成する研究は、近年盛んに行われている(例えば、非特許文献1参照)。このような金属細線においては、より細く長い金属細線を得ることが社会的に要請されている。このような金属細線及び金属粒子は、物性・化学反応性において特異な挙動を示すと考えられ、規則的に配列した金属細線及び金属粒子を合成することでナノデバイスなどの磁性材料や記憶媒体への応用が期待されている。また、金属が微粒子化しているため、粒子の表面に存在する原子の割合の増加に伴って表面の特異性がマクロな物性として発現し、バルクの金属とは異なる特性を示すことから触媒などへの応用も期待されている。
【0003】
一方、このような金属細線に関しては、例えば、特開2002−102698号公報(特許文献1)においては、中心細孔直径が1〜50nmである細孔を有する粉末状の多孔体の細孔内に、平均直径が1〜50nmであり且つ平均アスペクト比が3以上である金属細線が形成されることが開示されている。
【0004】
しかしながら、上記公報記載のように粉末状の多孔体を用いて金属細線を作製しても、デバイスへの応用のための加工が粉末では困難であり、また十分なアスペクト比を有し、配列が均一な金属細線を作製することは困難であった。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−102698号公報
【非特許文献1】
A. Fukuoka, Y. Sakamoto, M. Ichikawa et al., J. Am. Chem. Soc, 14, 3373(2001)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、十分なアスペクト比を有し、配列が均一な金属細線を備える金属細線包接薄膜及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、金属イオンを担持せしめる担体としてメソポーラスシリカ薄膜を用い、かつ特定の方法により該薄膜中に金属を担持せしめることにより、驚くべきことに十分なアスペクト比を有し、配列が均一な金属細線を備える金属細線包接薄膜が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明の金属細線包接薄膜は、膜厚が1μm以下であり、かつ中心細孔直径が1〜50nmであるメソポーラスシリカ薄膜と、
前記メソポーラスシリカ薄膜の細孔内に形成されている平均直径が1〜50nmであり、かつ平均アスペクト比が5以上である金属細線と、
を備えることを特徴とするものである。
【0009】
上記本発明の金属細線包接薄膜においては、前記メソポーラスシリカ薄膜の細孔が、2d−ヘキサゴナル構造、3d−ヘキサゴナル構造又はキュービック構造であることを特徴とするものであることが好ましい。
【0010】
また、上記本発明の金属細線包接薄膜においては、前記細孔内における金属細線の形状が、棒状、球状部が長手方向に連結している数珠状又は棒状部の長手方向に所定間隔をもって離隔して形成された球状部を有するネックレス状、或いは前記棒状、数珠状又はネックレス状の金属細線が二次元的又は三次元的に結合してなる網状であることを特徴とするものであることが好ましい。
【0011】
さらに、上記本発明の金属細線包接薄膜においては、前記金属細線を構成する金属が、8族の金属、9族の金属、10族の金属、11族の金属、クロム及びマンガンからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属であることを特徴とするものであることが好ましい。
【0012】
また、本発明の金属細線包接薄膜の第一の製造方法は、膜厚が1μm以下であり、かつ中心細孔直径が1〜50nmであるメソポーラスシリカ薄膜と所定の金属のイオンを含有する溶液とを接触せしめ、前記メソポーラスシリカ薄膜の細孔内及び細孔外に前記金属イオンを担持せしめる金属イオン担持工程と、
前記金属イオン担持工程から得られたメソポーラスシリカ薄膜の細孔外に担持された前記金属イオンを除去することなく残存せしめた状態で還元剤の蒸気に接触せしめ、前記メソポーラスシリカ薄膜の細孔内に前記還元剤蒸気を導入する還元剤導入工程と、
前記還元剤導入工程から得られたメソポーラスシリカ薄膜に光を照射して前記金属イオンを還元せしめ、前記メソポーラスシリカ薄膜の細孔内に前記金属からなる金属細線を形成せしめる光還元工程と、
を含むことを特徴とする方法である。
【0013】
上記本発明の金属細線包接薄膜の第一の製造方法においては、(i)前記還元剤導入工程の前に、前記メソポーラスシリカ薄膜の細孔内の水分を真空排気する真空排気工程、(ii)前記還元剤導入工程の前に、前記メソポーラスシリカ薄膜の細孔内に水蒸気を導入する水蒸気導入工程、(iii)前記金属イオン担持工程の前に、前記メソポーラスシリカ薄膜の表面に前記細孔内と外部とを結ぶ新たな貫通孔を設ける孔形成工程、のうちの少なくとも一つの工程を更に含むことが好ましい。
【0014】
また、本発明の金属細線包接薄膜の第二の製造方法は、膜厚が1μm以下であり、かつ中心細孔直径が1〜50nmであるメソポーラスシリカ薄膜と所定の金属のイオンを含有する溶液とを接触せしめ、前記メソポーラスシリカ薄膜の細孔内及び細孔外に前記金属イオンを担持せしめる金属イオン担持工程と、
前記金属イオン担持工程から得られたメソポーラスシリカ薄膜の細孔外に担持された前記金属イオンを除去することなく残存せしめた状態で還元剤の蒸気に接触せしめ、前記メソポーラスシリカ薄膜の細孔内に前記還元剤蒸気を導入する還元剤導入工程と、
前記還元剤導入工程から得られたメソポーラスシリカ薄膜に熱を加えて前記金属イオンを還元せしめ、前記メソポーラスシリカ薄膜の細孔内に前記金属からなる金属細線を形成せしめる熱還元工程と、
を含むことを特徴とする方法である。
【0015】
上記本発明の金属細線包接薄膜の第二の製造方法においては、(i)前記還元剤導入工程の前に、前記メソポーラスシリカ薄膜の細孔内の水分を真空排気する真空排気工程、(ii)前記還元剤導入工程の前に、前記メソポーラスシリカ薄膜の細孔内に水蒸気を導入する水蒸気導入工程、(iii)前記金属イオン担持工程の前に、前記メソポーラスシリカ薄膜の表面に前記細孔内と外部とを結ぶ新たな貫通孔を設ける孔形成工程、のうちの少なくとも一つの工程を更に含むことが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
【0017】
(メソポーラスシリカ薄膜)
本発明に係るメソポーラスシリカ薄膜は、膜厚が1μm以下であり、かつ中心細孔直径が1〜50nmであるものである。前記メソポーラスシリカ薄膜とは、メソ孔を有するシリカ多孔体であり、薄膜という場合はその厚さが1μm以下であり、0.1〜0.5μmであることがより好ましく、表面積に対して厚さが無視できるような存在状態をいい、塊上の結晶・固体などの3次元的な広がりを持ちかさばった状態の物質とは異なる意味で用いられる。このようなメソポーラスシリカ薄膜の膜厚が1μmを超える場合、メソポーラスシリカ薄膜の細孔配列の均一性が悪くなり、また焼成時において膜収縮のひずみによりワレが発生しやすくなる傾向にある。しかしながら、1μm以下の膜厚のメソポーラスシリカ薄膜を作製し、再度その上にメソポーラスシリカ薄膜を作製することにより、細孔配列の均一性の高いメソポーラスシリカ薄膜を積層し、そのような積層を繰り返すことにより、積層した薄膜の膜厚が1μm以上であるものを作製することができる。
【0018】
前記中心細孔直径とは、細孔容積(V)を細孔直径(D)で微分した値(dV/dD)を細孔直径(D)に対してプロットした曲線(細孔径分布曲線)の最大ピークにおける細孔直径である。なお、細孔径分布曲線は、次に述べる方法により求めることができる。すなわち、メソポーラスシリカ薄膜を液体窒素温度(−196℃)に冷却して窒素ガスを導入し、定容量法あるいは重量法によりその吸着量を求め、次いで、導入する窒素ガスの圧力を徐々に増加させ、各平衡圧に対する窒素ガスの吸着量をプロットし、吸着等温線を得る。この吸着等温線を用い、Cranston−Inklay法、Pollimore−Heal法、BJH法等の計算法により細孔径分布曲線を求めることができる。本発明に係るメソポーラスシリカ薄膜において、中心細孔直径が1nm未満の場合は金属イオン含有溶液が細孔内に導入されにくくなり、金属イオンの担持が困難となり、他方、中心細孔直径が50nmを超える場合は薄膜の空隙率が過剰に大きくなり、薄膜の強度が不十分となる。
【0019】
このようなメソポーラスシリカ薄膜は界面活性剤を鋳型とし、シリコンアルコキシドなどをシリカ源として作製されるものであり、このようなシリカ源としては−Si−O−結合を形成し得る化合物であれば特に限定されない。かかる薄膜は、例えばケイ素酸化物からなり、ケイ素原子が酸素原子を介して結合した骨格−Si−O−を基本とし、高度に架橋した網目構造を有している。このようなケイ素酸化物においては、ケイ素原子の少なくとも一部が有機基の2箇所以上で炭素−ケイ素結合を形成しているものでもよい。このような有機基としては、例えば、アルカン、アルケン、アルキン、ベンゼン、シクロアルカン等の炭化水素から2以上の水素がとれて生じる2価以上の有機基が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、有機基は、アミド基、アミノ基、イミノ基、メルカプト基、スルフォン基、カルボキシル基、エーテル基、アシル基、ビニル基等を有するものであってもよい。また、このようなメソポーラスシリカ薄膜においては、その骨格中に、アルミニウム、チタン、マグネシウム、ジルコニウム、タンタル、ニオブ、モリブデン、コバルト、ニッケル、ガリウム、ベリリウム、イットリウム、ランタン、ハフニウム、スズ、鉛、バナジウム、ホウ素等の無機系成分を含んでいてもよい。
【0020】
また、本発明に係るメソポーラスシリカ薄膜は、X線回折測定において1nm以上のd値に相当する回折角度に1本以上のピークを有することが好ましい。このようなX線回折のピークは、そのピーク角度に相当するd値の周期構造が試料中にあることを意味する。したがって、1nm以上のd値に相当する回折角度に1本以上のピークがあることは、細孔が1nm以上の間隔で規則的に配列していることを意味する。
【0021】
また、本発明に係るメソポーラスシリカ薄膜が有する細孔は、薄膜の表面のみならず内部にも形成される。かかる薄膜における細孔の配列状態(細孔配列構造又は構造)は特に制限されないが、2d−ヘキサゴナル構造、3d−ヘキサゴナル構造又はキュービック構造であることが好ましい。また、このような細孔配列構造は、ディスオーダの細孔配列構造を有するものであってもよい。
【0022】
ここで、薄膜がヘキサゴナルの細孔配列構造を有するとは、薄膜の細孔の配置が六方構造であることを意味する(S. Inagaki, et al., J. Chem. Soc., Chem.Commun., 680, 1993; S. Inagaki, et al., Bull. Chem. Soc. Jpn., 69, 1449; 1996、Q. Huo et al., Science, 268, 1324, 1995 参照)。また、薄膜がキュービックの細孔配列構造を有するとは、薄膜中の細孔の配置が立方構造であることを意味する(J. C. Vartuli et al., Chem. Mater., 6, 2317, 1994; Q. Huo et al., Nature, 368, 317, 1994 参照)。また、薄膜がディスオーダの細孔配列構造を有するとは、細孔の配置が不規則であることを意味する(P. T. Tanev et al., Science, 267, 865, 1995; S. A. Bagshaw et al., Science, 269, 1242, 1995; R. Ryoo et al., J. Phys. Chem., 100, 17718, 1996 参照)。また、前記キュービック構造は、Pm−3n、Im−3m又はFm−3m対称性であることが好ましい。なお、前記対称性とは、空間群の表記法に基づいて決定されるものである。
【0023】
なお、薄膜がヘキサゴナルやキュービック等の規則的細孔配列構造を有する場合は、細孔の全てがこれらの規則的細孔配列構造である必要はない。すなわち、薄膜は、ヘキサゴナルやキュービック等の規則的細孔配列構造とディスオーダの不規則的細孔配列構造の両方を有していてもよい。しかしながら、全ての細孔のうち80%以上がヘキサゴナルやキュービック等の規則的細孔配列構造となっていることが好ましい。
【0024】
また、本発明に係るメソポーラスシリカ薄膜には、X線回折測定における(100)面を示すピークの強度が50000cps以上であり、かつ前記ピークの半値幅が0.21°以下であるものを用いることが好ましい。また、前記ピークの強度はより好ましくは56000cps以上であり、前記ピークの半値幅はより好ましくは0.20°以下である。このようなメソポーラスシリカ薄膜は、結晶性、細孔の表面の平滑性及び細孔の配向性に特に優れたものであり、金属細線包接薄膜の作製に好適である。このようなX線回折測定は、メソポーラスシリカ薄膜の(100)面を示すピーク(ブラッグ角0.17°〜3.54°に存在)の強度及び半値幅を装置にRAD−B(リガク社製)を用い、線源CuKα、X線管電圧30kV、X線管電流20mAという条件で行うことが可能である。また、このような測定をする際には、入射スリットと受光スリットをDS:0.5、SS:0.5、RS:0.3とすることが好ましい。
【0025】
また、本発明に係るメソポーラスシリカ薄膜には、X線回折測定における(100)面を示すピークの初期強度(I1)と、メソポーラスシリカ薄膜を酸性溶液(15wt%塩化白金酸(H2PtCl6)水溶液と水とエタノールを体積比1:2:2で混合したpH0.6である酸性溶液)に24時間含浸させる耐酸性試験後の前記ピークの強度(I2)とが以下の関係式(1):
(1−(I2/I1))×100≦90 (1)
を満たすものを用いることが好ましい。このようなメソポーラスシリカ薄膜は、十分な耐酸性を有し、細孔の表面の平滑性及び細孔の配向性に優れたものであり、金属細線包接薄膜の作製に好適である。ここで、(1−(I2/I1))×100(%)は、耐酸性試験後の減少率(%)を示す。このような耐酸性試験の前後におけるI1とI2との関係を比較することにより、メソポーラスシリカ薄膜の耐酸性を評価することが可能となる。このような減少率としては、70%以下であることがより好ましく、40%以下であることが更に好ましい。
【0026】
なお、前記耐酸性試験とは、メソポーラスシリカ薄膜を十分に乾燥させた後に前記酸性溶液中に24時間含浸させる試験である。このような耐酸性試験の前後におけるメソポーラスシリカ薄膜のX線回折測定は、X線回折装置にRINT−2000(リガク社製)を用い、X線管電圧を40kV、X線管電流を30mAとしたこと以外は前記X線回折測定と同様の条件で行うことが可能である。
【0027】
(メソポーラスシリカ薄膜の製造方法)
本発明に係るメソポーラスシリカ薄膜は、前述したシリコンアルコキシドなどのシリカ源を酸性溶媒中で反応せしめシリコンアルコキシド部分重合体を含む液体を得る部分重合工程と、前記シリコンアルコキシド部分重合体と界面活性剤溶液とを接触せしめ、前記シリコンアルコキシド部分重合体と前記界面活性剤とからなる複合体を形成せしめる複合体形成工程と、前記複合体を含む液体を薄膜化し乾燥することによりメソポーラスシリカ薄膜を形成せしめる薄膜形成工程と、を含む製造方法により作製されることが好ましい。以下、シリカ源としてシリコンアルコキシドを例とし、メソポーラスシリカ薄膜の製造方法について詳述する。
【0028】
前記部分重合工程においては、シリコンアルコキシドを酸性溶媒中で反応せしめることにより、シリコンアルコキシド部分重合体を含む液体が得られる。ここで、シリコンアルコキシドとは下記一般式(2)で表されるものである。
A(4−a)−Si−(O−R)a (2)
[式(2)中、Rは炭化水素基を表し、Aは水素原子、ハロゲン原子、水酸基又は炭化水素基を表し、aは1〜4の整数を表す。]
【0029】
上記一般式(2)中、Rで表される炭化水素基としては、例えば、鎖式、環式、脂環式の炭化水素基を挙げることができる。このような炭化水素基としては、好ましくは炭素数1〜5の鎖式アルキル基であり、より好ましくはメチル基またはエチル基である。また、Aが炭化水素基である場合、その炭化水素基としては、例えば、炭素数が1〜10のアルキル基、炭素数が2〜10のアルケニル基、フェニル基、置換フェニル基を挙げることができる。上記一般式(2)で表されるシリコンアルコキシドは1種のみ用いてもよいが、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0030】
上記一般式(2)で表されるシリコンアルコキシドとしては、結晶性の良好なメソポーラスシリカ薄膜を得ることができることから、Si(OCH3)4で表されるテトラメトキシシラン(TMOS)、及びSi(OC2H5)4で表されるテトラエトキシシラン(TEOS)を用いることが好ましい。
【0031】
上記シリコンアルコキシドが有するアルコキシル基(−O−R)は酸性条件下で加水分解を受け水酸基(−OH)となり、その水酸基部分が縮合して高分子量化する。なお、シリコンアルコキシドがアルコキシル基以外に水酸基やハロゲン原子を有している場合はこれらの官能基が加水分解反応に寄与する場合もありうる。したがって、シリコンアルコキシド部分重合体とは、加水分解反応および縮合反応によって得られる重合体であって、アルコキシル基(−O−R)及び/又は水酸基(−OH)の一部が未反応のまま残存している重合体を意味する。
【0032】
前記シリコンアルコキシド部分重合体は、シリコンアルコキシドを酸性溶媒(塩酸、硝酸等の水溶液又はアルコール溶液等)中で攪拌することにより得ることができる。なお、前記酸性溶媒に含まれる酸としては、上記の酸の他にホウ酸、臭素酸、フッ素酸、硫酸、リン酸が挙げられ、これらのうちの2種以上を混合して用いることもできる。シリコンアルコキシドのアルコキシル基の加水分解反応はpHが低い領域で起こりやすいことから、系のpHを低くすることにより部分重合を促進することが可能である。なお、部分重合工程における反応温度は、例えば、15〜25℃とすることができ、反応時間は30〜90分とすることができる。
【0033】
次に、複合体形成工程においては、前記部分重合工程により得られたシリコンアルコキシド部分重合体と界面活性剤とを接触せしめ、前記シリコンアルコキシド部分重合体と前記界面活性剤とからなる複合体を形成せしめる。
【0034】
このような界面活性剤としては、陽イオン性、陰イオン性、非イオン性のうちのいずれであってもよく、具体的には、アルキルトリメチルアンモニウム、アルキルアンモニウム、ジアルキルジメチルアンモニウム、ベンジルアンモニウム等の塩化物、臭化物、ヨウ化物あるいは水酸化物;脂肪酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリエチレンオキサイド系非イオン性界面活性剤、一級アルキルアミン等が挙げられる。
【0035】
上記の界面活性剤のうち、ポリエチレンオキサイド系非イオン性界面活性剤としては、疎水性成分として炭化水素基、親水性部分としてポリエチレンオキサイドをそれぞれ有するポリエチレンオキサイド系非イオン性界面活性剤等が挙げられる。このような界面活性剤としては、例えば、一般式CnH2n+1(OCH2CH2)mOHで表され、nが10〜30、mが1〜30であるものが好適に使用できる。
【0036】
また、このような界面活性剤としては、オレイン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸とソルビタンとのエステル、あるいはこれらのエステルにポリエチレンオキサイドが付加した化合物を用いることもできる。
【0037】
さらに、このような界面活性剤としては、トリブロックコポリマー型のポリアルキレンオキサイドを用いることもできる。このような界面活性剤としては、ポリエチレンオキサイド(EO)とポリプロピレンオキサイド(PO)からなり、一般式(EO)x(PO)y(EO)xで表されるものが挙げられる。x、yはそれぞれEO、POの繰り返し数を表すが、xは5〜110、yは15〜70であることが好ましく、xは13〜106、yは29〜70であることがより好ましい。
【0038】
上記のトリブロックコポリマーとしては、(EO)19(PO)29(EO)19、(EO)13(PO)70(EO)13、(EO)5(PO)70(EO)5、(EO)13(PO)30(EO)13、(EO)20(PO)30(EO)20、(EO)26(PO)39(EO)26、(EO)17(PO)56(EO)17、(EO)17(PO)58(EO)17、(EO)20(PO)70(EO)20、(EO)80(PO)30(EO)80、(EO)106(PO)70(EO)106、(EO)100(PO)39(EO)100、(EO)19(PO)33(EO)19、(EO)26(PO)36(EO)26が挙げられる。これらのトリブロックコポリマーはBASF社、アルドリッチ社等から入手可能であり、また、小規模製造レベルで所望のx値とy値を有するトリブロックコポリマーを得ることができる。上記のトリブロックコポリマーは1種あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0039】
また、エチレンジアミンの2個の窒素原子にそれぞれ2本のポリエチレンオキサイド(EO)鎖−ポリプロピレンオキサイド(PO)鎖が結合したスターダイブロックコポリマーも使用することができる。このようなスターダイブロックコポリマーとしては、一般式((EO)x(PO)y)2NCH2CH2N((PO)y(EO)x)2で表されるものが挙げられる。ここでx、yはそれぞれEO、POの繰り返し数を表すが、xは5〜110、yは15〜70であることが好ましく、xは13〜106、yは29〜70であることがより好ましい。
【0040】
このような界面活性剤の中では、結晶性の高いメソポーラスシリカ薄膜を得ることができることから、アルキルトリメチルアンモニウム[CpH2p+1N(CH3)3]の塩(好ましくはハロゲン化物塩)を用いることが好ましい。また、その場合は、アルキルトリメチルアンモニム中のアルキル基の炭素数は8〜18であることがより好ましい。このようなものとしては、塩化オクタデシルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化テトラデシルトリメチルアンモニウム、臭化ドデシルトリメチルアンモニウム、臭化デシルトリメチルアンモニウム、臭化オクチルトリメチルアンモニウムが挙げられる。
【0041】
前記シリコンアルコキシド部分重合体と上記界面活性剤とを接触せしめる場合には、前記シリコンアルコキシド部分重合体を含む液体に界面活性剤をそのまま添加してもよく、また、水、有機溶媒、水と有機溶媒との混合物等に溶かして界面活性剤溶液とした後に添加してもよい。さらに、前記界面活性剤溶液には酸を加えて、好ましい酸性雰囲気としてもよい。このような酸は、上記酸性溶媒に用いられる酸と同様のものを用いることが可能である。
【0042】
前記部分重合工程により得られた液体に前記界面活性剤または界面活性剤溶液を添加すると、溶液中で界面活性剤はミセルを形成する。このミセルが超分子鋳型となり、シリコンアルコキシド部分重合体と界面活性剤ミセルとの複合体が形成される。このような界面活性剤ミセルの内部にはシリコンアルコキシド部分重合体が入り込まないため、ミセルの内部は最終生成物であるメソポーラスシリカ薄膜における細孔部分となる。したがって、界面活性剤の分子鎖長を変化させることにより、メソポーラスシリカ薄膜の細孔径を制御することができる。
【0043】
前記シリコンアルコキシド部分重合体と界面活性剤のモル比は、結晶性の高いメソポーラスシリカ薄膜が得られることから、シリコンアルコキシド0.1molに対して界面活性剤は0.005〜0.02molであることが好ましい。また、前記複合体形成工程は、例えば、10〜30℃において30〜90分攪拌することにより行うことができる。また、このときの溶媒の量は、シリコンアルコキシド0.1molに対して0.2〜10molの割合で混合することが好ましく、溶媒中に水が最低0.2molあることがより好ましい。このような溶媒の量が、前記下限値未満であるとシリコンアルコキシドが鎖状に縮合することが困難となる傾向にあり、前記上限値を超えると前記複合体を含む液体中のシリコンアルコキシド濃度および溶液の粘度が低下し、前記複合体を含む液体を基板に付着せしめる際にハジキが見られ均一な薄膜が形成しにくくなる傾向にある。
【0044】
前記複合体形成工程における前記複合体を含む液体は、酸の濃度が0.00057〜0.0086eq/lであり、かつ前記複合体を含む液体の酸の含有量がシリコンアルコキシド0.1molに対して2.3×10−4〜3.8×10−4molであることが好ましい。以下、特に断らない限り、酸の濃度とは前記複合体を含む液体中の酸の濃度であり、酸の含有量とは前記複合体を含む液体中のシリコンアルコキシド0.1molに対する酸の物質量とする。前記酸の濃度は0.00059〜0.0080eq/lであることがより好ましく、また前記酸の含有量は2.4×10−4〜3.5×10−4molであることがより好ましい。このような条件において作製されたメソポーラスシリカ薄膜は、結晶性、細孔の表面の平滑性、耐酸性及び細孔の配向性に特に優れたものであり、金属細線包接薄膜の作製に好適である。このような酸の含有量が前記下限値未満であると、加水分解速度、重縮合速度が遅くなり、メソポーラスシリカ薄膜の作製が困難となる傾向があり、また、前記上限値を超えると、得られるメソポーラスシリカ薄膜における結晶性、細孔の表面の平滑性、耐酸性及び細孔の配向性が不十分となる傾向がある。
【0045】
また、前記複合体の組成により、得られるメソポーラスシリカ薄膜の結晶構造を制御することができる。例えば、シリコンアルコキシドとしてテトラメトキシシランを用い、界面活性剤として塩化アルキルトリメチルアンモニウムを用いた場合においては、テトラメトキシシランの物質量を1molとしたときに、塩化アルキルトリメチルアンモニウムの物質量を0.04〜0.15molとすることにより結晶構造をヘキサゴナルとすることが可能となる。一方で、テトラメトキシシランの物質量を1molとしたときに、塩化アルキルトリメチルアンモニウムの物質量を0.15〜0.19molとすることにより結晶構造をキュービックとすることが可能となる。
【0046】
次に、薄膜形成工程を説明する。薄膜形成工程においては、前記複合体を含む液体を薄膜化し乾燥することによりメソポーラスシリカ薄膜を形成せしめる。薄膜化の方法は特に制限はなく、例えば、前記複合体を含む液体を基板上に付着又は塗布せしめることによって厚さの均一な膜の形成が可能となる。このような基板としては、前記複合体を含む液体が付着又は塗布可能なものであれば、形状や材質は特に制限はなく、例えば、金属、樹脂等からなる板状成型物やフィルム等が挙げられる。基板の表面には、ある一定の周期性をもって溝や突起物などが形成されていてもよく、平坦であってもよい。
【0047】
複合体を含む液体を基板に塗布する場合は、その方法は特に制限されず、各種のコーティング方法が採用可能である。例えば、バーコーター、ロールコーター、グラビアコーター等を用いて塗布することができる。また、ディップコーティング、スピンコーティング、スプレーコーティング等も可能である。
【0048】
前記薄膜形成工程において、前記複合体を含む液体を薄膜化する際の相対湿度は特に制限はないが、50%以上であると結晶性がより向上し好ましい。
【0049】
前記複合体を含む液体を基板等に塗布する場合、その塗布厚は、その濃度により適宜選択可能である。熱収縮時のひずみによるワレを防止するために、また塗布後の加熱乾燥を効率的に行うために塗布厚は薄い方が好ましく、例えば、未乾燥状態(複合体を含む液体の状態)で10μm以下であることが好ましい。
【0050】
また、薄膜形成工程の前に複合体を含む液体に溶媒を添加する溶媒添加工程を更に含むことが好ましい。溶媒を添加することにより、複合体を含む液体の粘度や固形分が低下するため、薄膜化したときに得られる膜厚を薄くすることができる。また、薄膜化途中に液体の粘度変化を少なくすることができ、得られるメソポーラスシリカ薄膜の細孔配列の均一性を向上させることができる。溶媒添加工程において複合体を含む液体に添加する溶媒としては特に制限はないが、例えば、水やアルコールが挙げられる。アルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等を用いることができる。溶媒添加工程において複合体を含む液体に添加する溶媒の量は特に制限されないが、添加後の液体の粘度が10Pa・s以下になるような量であることが好ましく、5Pa・s以下となるような量であることが更に好ましい。
【0051】
基板に塗布する等の方法により薄膜化した後、得られた薄膜を風乾及び/又は加熱乾燥して複合体を反応させることにより、界面活性剤を含有したメソポーラスシリカ薄膜を形成させる。加熱乾燥時には、例えば、70〜150℃、より好ましくは100〜120℃の加熱を行い、シリコンアルコキシド部分重合体の縮合反応を進めて三次元的な架橋構造を形成させる。この結果、界面活性剤を含有したメソポーラスシリカ薄膜が得られる。加熱乾燥の時間は、界面活性剤を含有したメソポーラスシリカ薄膜の結晶性を高めるための時間と経済的問題を鑑みて、例えば20〜80分とすることができる。
【0052】
薄膜形成工程において得られる界面活性剤を含有したメソポーラスシリカ薄膜の膜厚は、1μm以下であることが好ましく、0.1〜0.5μmであることがより好ましい。膜厚が1μmを超える場合はメソポーラスシリカ薄膜の細孔配列の均一性が悪くなる傾向にある。しかしながら、1μm以下の膜厚のメソポーラスシリカ薄膜を作製した後に、再度複合体を含む液体の塗布を行い加熱乾燥することにより、細孔配列の均一性の高いメソポーラスシリカ薄膜を積層し合計で膜厚を1μm以上とすることができる。
【0053】
界面活性剤を含有したメソポーラスシリカ薄膜の中心細孔直径は、高い結晶性及び適度な比表面積を有した薄膜が得られることから、1〜50nmであり、1〜30nmであることがより好ましく、1〜10nmであることが更に好ましい。
【0054】
また、薄膜形成工程の後に、界面活性剤を含有したメソポーラスシリカ薄膜から界面活性剤を除去しメソポーラスシリカ薄膜を得る界面活性剤除去工程を更に含むことが好ましい。界面活性剤を除去する方法としては特に制限はないが、例えば、焼成による方法や水やアルコール等の溶媒で処理する方法を用いることができる。焼成による方法においては、界面活性剤を含有したメソポーラスシリカ薄膜を300〜1000℃、好ましくは300〜600℃で焼成する。加熱時間は30分程度でもよいが、完全に界面活性剤成分を除去するには1時間以上加熱することが好ましい。上記焼成は空気中で行うことが可能であり、窒素等の不活性ガスを導入して行ってもよい。また、上記焼成は酸素濃度0.1%〜25%の酸素含有雰囲気で、かつ、300℃〜600℃で焼成することが好ましい。
【0055】
溶媒を用いて界面活性剤を含有したメソポーラスシリカ薄膜から界面活性剤を除去する場合は、例えば、界面活性剤の溶解性の高い溶媒中に界面活性剤を含有したメソポーラスシリカ薄膜を浸漬する。溶媒としては、水、エタノール、メタノール、アセトン等を使用することができる。
【0056】
陽イオン性の界面活性剤を用いる場合は、少量の塩酸を添加したエタノール又は水中に界面活性剤を含有したメソポーラスシリカ薄膜を浸漬し、50〜70℃で加熱する方法を用いることができる。この方法により、陽イオン界面活性剤を抽出することができる。陰イオン性の界面活性剤を用いる場合は、陰イオンを添加した溶媒中で界面活性剤を抽出することができる。また、非イオン性の界面活性剤を用いた場合は、溶媒のみで抽出することが可能である。なお、抽出時に超音波を印加することも可能である。
【0057】
以上説明したように、界面活性剤が除去されたメソポーラスシリカ薄膜は、後述する金属細線包接薄膜における金属細線形成の鋳型(ホスト材料)として好適である。
【0058】
(金属細線包接薄膜)
本発明の金属細線包接薄膜は、前記メソポーラスシリカ薄膜と、前記メソポーラスシリカ薄膜の細孔内に形成されている平均直径が1〜50nmであり、かつ平均アスペクト比が5以上である金属細線と、を備えることを特徴とするものである。前記平均直径は、1〜30nmであることがより好ましく、1〜15nmであることが更に好ましい。また、前記平均アスペクト比は、10以上であることがより好ましく、30〜10000であることが更に好ましい。さらに、このような金属細線の長さとしては、100nm以上であることが好ましく、300nm以上であることがより好ましい。さらにまた、このような金属細線は、薄膜の細孔内において、密につまった状態で細孔内全体に連続的に形成していることがより好ましい。
【0059】
このような金属細線の平均直径が1nm未満である場合には、量子素子(量子細線)及び触媒として用いた場合に耐久性及び耐熱性が不十分となる。他方、金属細線の平均直径が50nmを超える場合には、金属細線における表面原子の割合が減少して金属細線表面の特異性がマクロな物性として発現しにくくなる。また、金属細線の平均アスペクト比が5未満である場合には、選択的な結晶面があらわれにくくなるために触媒活性向上効果が不十分となり、量子素子等へ応用するためには長さが不十分となる。さらに、金属細線の長さが前記下限値未満の場合には、量子素子等へ応用するためにはその長さが不十分なものとなる傾向にある。
【0060】
なお、本発明に係る金属細線の平均直径及び平均アスペクト比とは、それぞれ透過型電子顕微鏡写真において無作為に抽出される20個の金属細線の直径及びアスペクト比(長さ/直径)の平均値をいう。
【0061】
また、前記細孔内における金属細線の形状は、図1に示すような棒状(a)、球状部が長手方向に連結している数珠状(b)又は棒状部の長手方向に所定間隔をもって離隔して形成された球状部を有するネックレス状(c)、或いは前記棒状、数珠状又はネックレス状の金属細線が二次元的又は三次元的に結合してなる網状(d)(e)であることが好ましい。また、このような棒状(a)、数珠状(b)及びネックレス状(c)の金属細線が隣り合う細孔中の金属細線と接することが無く平行に並んでいることがより好ましい。
【0062】
金属細線の形状が棒状(a)、数珠状(b)及びネックレス状(c)であり、かつこのような金属細線が平行に並んでいるものは、金属細線と金属細線との間にはメソポーラスシリカ薄膜の細孔壁が存在することから電気的に絶縁されていると本発明者らは推察する。また、このように平行に並んだ金属細線を磁性材料として用いた場合は、一本一本の細線が単一磁区となり、かつ、隣接する磁区どうしの干渉による磁区反転がおさえられるので、非常に高い記録密度の磁気記録材となる可能性がある。
【0063】
また、棒状、数珠状又はネックレス状の金属細線が二次元的又は三次元的に結合してなる網状(d)(e)である金属細線は、従来にない物性・化学的挙動を示す量子素子としての可能性があり、触媒に用いた場合には反応選択性を有する等の特徴的な触媒活性と十分に高い耐熱性とを有すると、本発明者らは推察する。
【0064】
前記金属細線を構成する原子としては、金属原子であれば特に制限されないが、8族の金属、9族の金属、10族の金属、11族の金属、クロム(Cr)及びマンガン(Mn)からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属であることがより好ましく、貴金属原子であることが更に好ましい。
【0065】
本発明において、金属細線を形成させる際に用いる原料化合物は特に制限されないが、例えば、上記の金属の金属細線を形成する場合には上記の金属の塩又は錯塩を用いることができる。より具体的には、白金の金属細線の原料化合物として、H2PtCl6、Pt(NO2)2(NH3)2、[Pt(NH3)6]Cl4、H2Pt(OH)6、PtCl2(NH3)2、Pt(NH3)4Cl2、Pt(NH3)4(OH)2、Pt(NH3)4(OH)4、K2PtCl4、PtCl4、PtCl2等が挙げられる。
【0066】
このように本発明の金属細線包接薄膜においては、十分なアスペクト比を有し、配列が均一な金属細線を得ることでき、量子素子、触媒等に好適である。このような金属細線包接薄膜は、以下に述べる製造方法により作製することができる。
【0067】
(金属細線包接薄膜の製造方法)
本発明の金属細線包接薄膜の第一の製造方法は、膜厚が1μm以下であり、かつ中心細孔直径が1〜50nmであるメソポーラスシリカ薄膜と所定の金属のイオンを含有する溶液とを接触せしめ、前記メソポーラスシリカ薄膜の細孔内及び細孔外に前記金属イオンを担持せしめる金属イオン担持工程と、前記金属イオン担持工程から得られたメソポーラスシリカ薄膜の細孔外に担持された前記金属イオンを除去することなく残存せしめた状態で還元剤の蒸気に接触せしめ、前記メソポーラスシリカ薄膜の細孔内に前記還元剤蒸気を導入する還元剤導入工程と、前記還元剤導入工程から得られたメソポーラスシリカ薄膜に光を照射して前記金属イオンを還元せしめ、前記メソポーラスシリカ薄膜の細孔内に前記金属からなる金属細線を形成せしめる光還元工程と、を含むことを特徴とする方法である。
【0068】
先ず、金属イオン担持工程について説明する。メソポーラスシリカ薄膜を担体として用い、このような薄膜の細孔内及び細孔外に金属イオンを担持させる方法としては、上記の金属細線の原料化合物をメタノール、エタノール等のアルコール、水、ベンゼン等又はこれらの混合物に溶かし、その溶液(以下、担持液又は金属イオン含有溶液という)にメソポーラスシリカ薄膜を含浸させるなどして、その溶液と薄膜とを接触させることにより、メソポーラスシリカ薄膜の細孔内及び細孔外に所定の金属のイオンを担持させることができる。
【0069】
前記金属イオン含有溶液は、その溶液中における前記原料化合物の濃度が0.1〜50wt%であるものが好ましく、1〜20wt%であるものがより好ましい。このような金属イオン含有溶液の濃度が前記下限値未満である場合は、後述する金属イオン担持工程における金属イオンの担持量が不十分となる傾向があり、他方、前記上限値を超えると、金属イオン含有溶液が更に酸性となりメソポーラスシリカ薄膜の−Si−O−骨格が崩壊することにより、金属細線の形成が困難となる傾向がある。このような金属イオン含有溶液へのメソポーラスシリカ薄膜の含浸時間は、6時間以上であることが好ましく、15〜48時間であることがより好ましい。このような含浸時間が前記下限値未満の場合は、金属イオンの担持が不十分となり、金属細線の形成が困難となる傾向がある。
【0070】
ここで金属イオンとは、原料化合物である金属の塩又は錯塩等が溶液中で解離したものであり、通常、電荷をもつ原子または原子の集団をいい、錯塩が解離すると錯イオンが生じる。また、通常、水溶液において金属イオンは、アクア錯体として存在する。また、担持液が薄膜に接触することにより薄膜の細孔内及び細孔外に付着し溶媒が蒸発又は揮発すると、金属イオンは原料化合物である金属の塩又は錯塩などの安定な状態で存在すると推察される。しかしながら、本発明の製造方法においては、それぞれの製造工程においてそれらの存在状態を明確に判断することが困難であるため、前記金属のイオン、錯イオン、塩及び錯塩などを総称して、金属イオンということとする。
【0071】
また、金属イオン担持工程においては、上記金属イオンの細孔内への担持を促進させるために、薄膜を含浸させている溶液に超音波を印加することも可能である。また、このような方法の他に、固体状の金属細線の原料化合物とメソポーラスシリカ薄膜とを固相で混合し、密閉容器中で加熱した後、過剰の原料化合物を洗浄等により除去する方法、金属アルコキシド等の蒸気を発生するものや昇華しやすいものを原料に用い、それらの蒸気をメソポーラスシリカ薄膜と接触させることにより、その原料化合物をメソポーラスシリカ薄膜の細孔内に導入する方法も可能である。
【0072】
また、前記金属イオン担持工程の前に、前記メソポーラスシリカ薄膜の表面に前記細孔内と外部とを結ぶ新たな貫通孔を設ける孔形成工程、を更に含んでいてもよい。ここで貫通孔とは、細孔内と外部とを結ぶ穴又は切れ目等であればよく、その形状は特に制限されない。新たな貫通孔(開口部)を設ける方法としては特に制限はないが、例えば、メソポーラスシリカ薄膜の表面をカミソリ等で1mm又は0.5mm程度切れ目を入れるなどの方法が可能である。従来、金属イオンを担持するメソポーラスシリカ(シリカ多孔体)は粉末状のものであり、その粒の表面が外部の空間に接する面積が大きく、シリカ多孔体の細孔が外部の空間に接する面積も広かった。しかし、本発明の金属細線包接薄膜の製造方法に用いるメソポーラスシリカ薄膜は、その薄膜の一部が基板に接している。そのため、細孔がその外部の空間に接する面積が小さい。よって、金属イオンを担持させる際に、前記金属イオンが細孔内に入りにくいことから、このように新たな貫通孔を設けることにより、多量の金属イオンを細孔内に担持させることが可能となる。
【0073】
更に、金属イオン担持工程の少なくとも前工程として、真空排気工程を設けることが好ましい。メソポーラスシリカ薄膜は、空気中に放置すると簡単に水を吸着する。特にヘキサゴナル構造のメソポーラスシリカ薄膜は極めて細長い孔を有しているので、一度水を物理吸着すると、細孔の奥にある水は簡単には外へ出られない。従って、薄膜の細孔内に水が吸着されている場合、金属イオン含有溶液が細孔内に入るのが困難となり、金属イオンが細孔内に担持されにくくなる傾向がある。
【0074】
次に、還元剤導入工程について説明する。還元剤導入工程においては、前記金属イオン担持工程から得られたメソポーラスシリカ薄膜の細孔外に担持された前記金属イオンを除去することなく残存せしめた状態で還元剤の蒸気に接触せしめ、前記メソポーラスシリカ薄膜の細孔内に前記還元剤蒸気を導入する。このように金属細線包接薄膜を製造する場合、メソポーラスシリカ薄膜の細孔外(薄膜表面)に担持液を残存させた状態で還元を行うと薄膜表面に金属が析出し、量子素子等に用いるには好ましくないと推察される。従って、薄膜を担持液に含浸後、その薄膜表面に付着した金属イオン含有溶液を脱脂綿等で拭き取り、その後薄膜の細孔内に還元剤蒸気を導入し、金属イオンの還元を行うことがよいと本発明者らは推察した。
【0075】
しかしながら、上記のような推察から本発明者らが金属イオン含有溶液を薄膜表面に残存しない状態で光を照射するなどして金属イオンの還元を行うと、細孔内に担持された金属イオンのみが還元され、細孔内に密に金属を析出させることが困難であった。そこで、本発明者らは、細孔外に担持された前記金属イオンを除去することなく残存せしめた状態で光還元工程を行うことにより、薄膜表面にも金属が析出するが、薄膜の細孔内に金属細線が形成する本発明の金属細線包接薄膜を見出すと共に、本発明の金属細線包接薄膜の製造方法を見出した。なお、薄膜表面に析出した金属は、例えばアルコールをしみこませたコットンで軽くふきとることによって簡単に除去できる。
【0076】
本発明の金属細線包接薄膜の製造方法において、細孔外に担持された前記金属イオンを除去することなく残存せしめた状態で光還元工程を行うことにより、細孔内に金属が密に詰まった金属細線を得ることができた理由は定かではないが、細孔外に担持されている金属イオン含有溶液の溶媒が蒸発するのに伴って、金属イオンの濃度が上昇するが、細孔内及び細孔外はこの溶液で満たされている(つながっている)ので、細孔内の金属イオン濃度も上昇する。つまり、細孔外に担持されていた金属が細孔内に移動する。このことにより、細孔内に金属が密に詰まった金属細線を得ることができたと、本発明者らは推察する。
【0077】
このような前記金属イオンを除去することなく残存せしめた状態とは、具体的には、薄膜表面に金属イオン含有溶液が1cm2当たり、0.1〜700μl付着していることが好ましく、1〜500μl付着していることがより好ましい。このような金属イオン含有溶液の付着量が前記下限値未満の場合は、薄膜表面に金属イオン含有溶液が均一に付着せず、金属イオンを還元せしめる際の薄膜の細孔内への金属イオンの供給量が不連続となり、金属細線の形成が困難となる傾向がある。他方、前記上限値を超えると、薄膜表面に金属イオン含有溶液が留まることができずに薄膜表面からこぼれる傾向がある。なお、前記金属イオン含有溶液の付着量は、マイクロピペットにより測定することが可能である。
【0078】
また、薄膜の細孔内及び細孔外(薄膜全体)に担持された金属イオンの量(μg)は、薄膜全体において1cm2当たり、0.001μg以上担持されていることが好ましく、0.01μg以上担持されていることがより好ましい。このような薄膜全体における金属イオンの担持量が前記下限値未満の場合は、細孔外に担持された金属イオンの細孔内への移動量が不十分となり、金属が細孔内に密に詰まった金属細線が作製できず、金属粒子となる傾向がある。
【0079】
前記還元剤の導入量は、その還元剤の飽和蒸気圧の1/20〜1/3とすることが好ましく、1/15〜1/5とすることがより好ましく、1/12〜1/8とすることが更に好ましい。このような還元剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコールが挙げられ、この中では還元力が強いことからメタノールが好ましい。
【0080】
また、前記還元剤導入工程の前に、前記メソポーラスシリカ薄膜の細孔内に水蒸気を導入する水蒸気導入工程、を更に含むことが好ましい。このような水蒸気導入工程を設けることにより、細孔外に存在する金属イオンが水蒸気と共に細孔内に導入されることにより、細孔内により多くの金属が析出することとなると本発明者らは推察する。このような水蒸気の導入量は、飽和蒸気圧まで導入すると細孔内部に導入された水蒸気が液体状になり金属イオンを細孔外へ押し出すと考えられるため好ましくなく、飽和蒸気圧より低いことが好ましく、半分程度とすることがより好ましい。
【0081】
更に、還元剤導入工程の少なくとも前工程として、真空排気工程を設けることが好ましい。メソポーラスシリカ薄膜は、空気中に放置すると簡単に水を吸着する。特にヘキサゴナル構造のメソポーラスシリカ薄膜は極めて細長い孔を有しているので、一度水を物理吸着すると、細孔の奥にある水は簡単には外へ出られない。このように細孔内に水が吸着され細孔内が濡れた状態になると、還元剤の導入量が減少し、後述の光還元工程において還元が不十分となる傾向がある。そこで、真空装置にメソポーラスシリカ薄膜を入れ真空排気することで、金属イオンの還元を確実に行うことが可能となる。
【0082】
上記還元剤および水の蒸気をメソポーラスシリカ薄膜の細孔内に導入する方法としては、まず、真空装置内にメソポーラスシリカ薄膜を入れ真空状態にする。そこに上記蒸気圧を有する還元剤および水の蒸気を液ため容器のニードルバルブで圧力をコントロールしながら導入することができる。このような真空装置としては、温度をコントロールできる装置がより好ましい。
【0083】
次に、光還元工程を説明する。光還元工程は、前記還元剤導入工程から得られたメソポーラスシリカ薄膜に光を照射して金属イオンを還元せしめ、前記メソポーラスシリカ薄膜の細孔内に前記金属からなる金属細線を形成せしめる工程である。光照射に用いる光は、特に限定されないが、紫外線であることが好ましい。このような光照射には、高圧水銀ランプ等を用いることができ、照射時間は金属イオンが還元されればよく、特に限定されない。
【0084】
以下、金属細線形成の機構について説明する。例えば、原料化合物として塩化白金酸を用いた場合、塩化白金酸の化学式はH2PtCl6であり、水溶液中ではH+と(PtCl6)2−のイオンに分かれている。この溶液にメソポーラスシリカ薄膜を含浸させ、金属イオンを細孔内に担持せしめる。その後、薄膜の細孔内にメタノールやイソプロピルアルコールなどのアルコールを導入すると、カルボニル基が配位した中間体である金属カルボニル[Pt3(CO)6]n 2−となり、更に光照射によりカルボニル基がとれて、白金金属Pt0に還元される。そして、先ず結晶の核が発生し、続いて離散的な粒状の金属細線が形成され、経時的に結晶が集合化して金属細線の形状となる。このような還元のスピード及び集合化のスピードをコントロールすることにより、金属細線又は金属粒子に形状を制御することも可能である。
【0085】
このように金属細線包接薄膜を製造する際に、メソポーラスシリカ薄膜の細孔外の金属イオンを除去することなく残存せしめた状態で還元せしめる本発明の第一の製造方法により得られる金属細線包接薄膜は、十分なアスペクト比を有し、配列が均一な金属細線を備えるものである。
【0086】
本発明の金属細線包接薄膜の第二の製造方法は、膜厚が1μm以下であり、かつ中心細孔直径が1〜50nmであるメソポーラスシリカ薄膜と所定の金属のイオンを含有する溶液とを接触せしめ、前記メソポーラスシリカ薄膜の細孔内及び細孔外に前記金属イオンを担持せしめる金属イオン担持工程と、前記金属イオン担持工程から得られたメソポーラスシリカ薄膜の細孔外に担持された前記金属イオンを除去することなく残存せしめた状態で還元剤の蒸気に接触せしめ、前記メソポーラスシリカ薄膜の細孔内に前記還元剤蒸気を導入する還元剤導入工程と、前記還元剤導入工程から得られたメソポーラスシリカ薄膜に熱を加えて前記金属イオンを還元せしめ、前記メソポーラスシリカ薄膜の細孔内に前記金属からなる金属細線を形成せしめる熱還元工程と、を含むことを特徴とする方法である。
【0087】
本発明の金属細線包接薄膜の第二の製造方法における金属イオン担持工程及び還元剤導入工程は、前記第一の製造方法における金属イオン担持工程及び還元剤導入工程と同様の方法を用いることができる。
【0088】
なお、本発明の第二製造方法の還元剤導入工程における還元剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール;ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどのアルデヒド;ヒドラジン、ヒドロキシルアミン;ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ金属又はアンモニウムなどのクエン酸塩、次亜りん酸塩、蟻酸塩、酢酸塩、蓚酸塩、スルファニル酸塩;水素化硼素ナトリウム、水素化硼素カリウムなどのアルカリ金属硼化水素などから選ばれる少なくとも1種類以上の化合物が挙げられる。このような還元剤においては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコールが好ましく、メタノールであることがより好ましい。
【0089】
このような還元剤において固体であるものは、メタノール、エタノール等のアルコール、水、ベンゼン等の有機溶媒又はこれらの混合物を溶媒として用いることにより溶液として用いることが可能であり、また、液体であるものはそのまま用いることも上記溶媒と混合して用いることも可能であり、このような還元剤の溶液の蒸気を還元剤蒸気として用いるものである。
【0090】
また、前記還元剤導入工程の少なくとも前工程として、更に前記メソポーラスシリカ薄膜の細孔内の水分を真空排気する真空排気工程を更に設けることが好ましい。このような真空排気工程を設ける趣旨は、前記第一の製造方法における真空排気工程と同様の趣旨である。
【0091】
また、前記還元剤導入工程の前には、前記メソポーラスシリカ薄膜の細孔内に水蒸気を導入する水蒸気導入工程を更に設けることが好ましい。このような水蒸気の導入量は、水蒸気の飽和蒸気圧であってもよく、また、第一の製造方法と同様の導入量であることが好ましい。このような還元剤および水の蒸気をメソポーラスシリカ薄膜の細孔内に導入する方法としては、前記第一の製造方法と同様に、真空装置内で行うことが可能である。
【0092】
さらに、前記還元剤導入工程の前には、金属イオン担持工程から得られたメソポーラスシリカ薄膜を大気中において300〜700℃で焼成を行うことも可能である。このように大気中で焼成を行うことによって、金属の酸化物の細線が薄膜の細孔内に形成する。この後に還元剤を薄膜の細孔内に導入し、後述する熱還元工程を行うことによって、0価の金属に還元することも可能である。また、このような金属酸化物の細線が形成している場合には、還元性気体(例えば、水素、一酸化炭素など)又は還元性気体及びN2などの不活性ガスの混合気体を接触又は流通させた条件において300〜700℃で熱を加えて金属酸化物を0価の金属に還元することも可能である。
【0093】
次に、熱還元工程を説明する。メソポーラスシリカ薄膜に熱を加える際の温度は、150〜800℃であることが好ましく、200〜600℃であることがより好ましい。このような温度が、前記下限値未満の場合は還元が不十分となる傾向があり、他方、前記上限値を超える場合は細孔が崩壊してきたり、いったん細孔内で形成された金属が細孔の外にでてきてしまう傾向がある。また、このような温度にするためには、還元剤導入工程で用いた真空装置をヒータ等により加熱することにより行うことができる。さらに、この熱還元工程においては、還元剤の導入を続けながら行うこともできる。このような場合は、温度の上昇に伴い飽和蒸気圧も上昇するので、前記真空ポンプで圧力をコントロールすることが好ましい。
【0094】
このように金属細線包接薄膜を製造する際に、メソポーラスシリカ薄膜の細孔外の金属イオンを除去することなく残存せしめた状態で還元せしめる本発明の第二の製造方法により得られる金属細線包接薄膜は、十分なアスペクト比を有し、配列が均一な金属細線を備えるものである。
【0095】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0096】
実施例1
(メソポーラスシリカ薄膜の作製)
テトラメトキシシラン(Si(OCH3)4、以下「TMOS」という)15.22g(0.10mol)にHCl水溶液(a)4.1mlを静かに添加し、マグネチック・スターラ(回転速度200rpm/min)を用いて1時間攪拌することによりTMOS部分重合体を含む溶液を得た。次に、界面活性剤であるトリブロックコポリマー(EO)20(PO)70(EO)20(アルドリッチ社製、製品名P123)7.2g、H2O10ml及びEtOH10mlを混合し、マグネチック・スターラで攪拌しながら50℃に加温し、界面活性剤を溶解させた。その後、室温まで自然に冷まし、HCl水溶液(b)100μlを更に加え、混合することにより界面活性剤溶液を得た。
【0097】
上記TMOS部分重合体を含む溶液に界面活性剤溶液を加えて20分間攪拌した。その後、H2O/EtOH=20ml/20ml混合溶媒を加え、マグネチック・スターラの回転速度を300rpm/minに上昇させて20分間攪拌することにより、テトラメトキシシランと界面活性剤とからなる複合体を含む溶液(以下「TMOS複合体溶液」という)を調整した。なお、HCl水溶液(a)はH2O30mlに対して2規定のHCl水溶液を100μl加えることにより調製し、HCl水溶液(b)は2規定のHCl水溶液を用いた。
【0098】
次に、基板引き上げ装置(SIGMA社製;SG SP 26−100)をビニールBOX内に設置し、ディップコーティング法で薄膜形成工程を行った。前記装置を用いて基板をTMOS複合体溶液中へ20mm/minの速度で浸漬し、溶液内で30秒静置した後20mm/minの速度で引き上げた。基板には、希フッ酸(HF:H2O=1:50)で表面処理を行ったシリコンウェハ(2cm×5cm)を用いた。なお、この薄膜形成工程の相対湿度は30%に固定して行った。次に、TMOS複合体溶液が付着した基板を室温で24時間風乾し、100℃で1時間乾燥した。その後、400℃、1リットル/min大気流通下で4時間焼成することにより、膜厚が0.4μmの2d−ヘキサゴナル構造のメソポーラスシリカ薄膜を得た。
【0099】
(金属細線包接薄膜の作製)
得られたメソポーラスシリカ薄膜に安全カミソリを用いて、配向面に対し斜めに0.5mm間隔程度の新たな貫通孔を設けた。そのメソポーラスシリカ薄膜を温度制御できる真空ポンプ(真空機工製;GVD−050A)を備えた真空装置に入れ、24時間真空排気した。金属イオン含有溶液として1wt%H2PtCl6溶液を15wt%H2PtCl65cc、水10cc、エタノール10ccを混合することにより調製し、この溶液に真空排気したメソポーラスシリカ薄膜を入れ、超音波洗浄機(エスエヌディ製;US−1)中で超音波分散を10分間行い、そのまま24時間含浸させた。メソポーラスシリカ薄膜を引き上げ、薄膜表面に付着した担持液を除去することなく残存せしめた状態で再度真空装置に薄膜を入れ、24時間真空排気した。その後、温度を25℃に設定し、真空装置内に蒸気圧10Torrの水蒸気を導入することにより、蒸気圧10Torrの水蒸気に薄膜を10分間曝し、同様にして蒸気圧10Torrのメタノール(還元剤)の蒸気に薄膜を10分間曝すことにより、還元剤蒸気をメソポーラスシリカ薄膜の細孔内に導入した。
【0100】
なお、本実施例における担持液を除去することなく残存せしめた状態とは、薄膜表面に担持液が約70μl/cm2付着している状態であり、薄膜全体に担持された金属イオンの量は約0.7μg/cm2であることが算出された。前記薄膜全体に担持された金属イオンの量は、0.4μm厚の薄膜1cm2あたりの担持量で表した。
【0101】
(光還元による金属細線の形成)
還元剤が導入された薄膜に超高圧水銀ランプ(ウシオ電機製、品番UXM−500SX)を用いて、紫外線(波長365nm、光強度13mW/cm2)を72時間照射しPt4+をPt0の金属に還元した。なお、サンプル位置での光の強度は7mW/cm2であった。その後、残留ガスを除去するために室温で6時間真空乾燥した。
【0102】
以上の結果、図2の透過型電子顕微鏡(TEM)写真(日本電子製、JEM2000EX)に示すように、メソポーラスシリカ薄膜の周期構造(8nm)の細孔内に白金金属が棒状の金属細線を形成していることが確認された。この金属細線は、平均直径が6nmであり、平均アスペクト比が30であり、長さが100〜200nmであることが確認された。また、図2から細孔内の金属細線は、隣り合う金属細線と交わることなく平行に並んでいることも確認された。
【0103】
比較例1
実施例1と同様の方法によりメソポーラスシリカ薄膜を作製した。次に、実施例1における金属細線包接薄膜の作製において、メソポーラスシリカ薄膜を担持液から引き上げ、薄膜表面(細孔外)に付着した担持液を拭き取った後に再度真空装置に薄膜を入れ24時間真空排気するようにしたこと以外は、実施例1と同様の方法により金属細線包接薄膜を得た。なお、本比較例における薄膜全体に担持された金属イオンの量は、1.7×10−4μg/cm2であることが算出された。前記薄膜全体に担持された金属イオンの量は、0.4μm厚の薄膜1cm2あたりの担持量で表した。
【0104】
以上の結果、図3のTEM写真に示すようにメソポーラスシリカ薄膜の細孔内には金属細線は形成されず、薄膜の細孔内にまばらに金属粒子が析出していることが確認された。
【0105】
実施例2
実施例1におけるメソポーラスシリカ薄膜の作製において、HCl水溶液(a)4.1mlを水30mlに2規定のHCl水溶液200μlを加えることにより調製した。また、界面活性剤として塩化オクタデシルアンモニウム(以下、「C18TMACl」という)3.41g(0.010mol)を用いてH2O10mlと混合し、マグネチック・スターラで攪拌しながら50℃に加温し、界面活性剤を溶解させたこと以外は、実施例1と同様の方法により界面活性剤溶液を得た。上記HCl水溶液(a)と界面活性剤溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法によりメソポーラスシリカ薄膜を得た。なお、この薄膜は膜厚が0.4μmであり、3d−ヘキサゴナル構造であった。
【0106】
また、得られた3d−ヘキサゴナル構造のメソポーラスシリカ薄膜を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により金属細線包接薄膜を得た。なお、本実施例における担持液を除去することなく残存せしめた状態とは、薄膜表面に担持液が約70μl/cm2付着している状態であり、薄膜全体に担持された金属イオンの量は約0.7μg/cm2であることが算出された。前記薄膜全体に担持された金属イオンの量は、0.4μm厚の薄膜1cm2あたりの担持量で表した。
【0107】
以上の結果、図4のTEM写真に示すように、メソポーラスシリカ薄膜の周期構造(4nm)の細孔内に白金金属がネックレス状の金属細線を形成していることが確認された。この金属細線は、平均直径が1.5nmであり、平均アスペクト比が100であり、長さ100〜200nmであることが確認された。また、図4から細孔内の金属細線は、隣り合う金属細線と交わることなく平行に並んでいることが確認された。
【0108】
実施例3
実施例2と同様の方法によりメソポーラスシリカ薄膜を得た。なお、この薄膜は膜厚が0.4μmであり、3d−ヘキサゴナル構造であった。また、得られた3d−ヘキサゴナル構造のメソポーラスシリカ薄膜を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により金属細線包接薄膜を得た。なお、本実施例における担持液を除去することなく残存せしめた状態とは、薄膜表面に担持液が約70μl/cm2付着している状態であり、薄膜全体に担持された金属イオンの量は約0.7μg/cm2であることが算出された。前記薄膜全体に担持された金属イオンの量は、0.4μm厚の薄膜1cm2あたりの担持量で表した。
【0109】
以上の結果、図5のTEM写真に示すように、メソポーラスシリカ薄膜の周期構造(4nm)の細孔内に白金金属が網状の金属細線を形成していることが確認された。この金属細線は、平均直径が1.5nmであることが確認された。
【0110】
上記実施例2及び3においては、同じ3d−ヘキサゴナル構造のメソポーラスシリカ薄膜を用いているにもかかわらず、数珠状及び網状という異なった形状の金属細線が得られた。これは、通常の3d−ヘキサゴナル構造のメソポーラスシリカ薄膜においては、ある細孔とそれに隣接する細孔とが3次元的に結合しているため、実施例3に示した網状の金属細線が形成されると、本発明者らは推察する。しかしながら、実施例2のメソポーラスシリカ薄膜は、一軸圧縮応力を受けて薄膜の細孔が潰れ、特定の一軸方向の細孔のみが有効となったために、隣り合う金属細線と交わることなく平行に並んでいる数珠状の金属細線が得られたと、本発明者らは推察する。
【0111】
実施例4
実施例1におけるメソポーラスシリカ薄膜の作製において、HCl水溶液(a)4.1mlを水30mlに2規定のHCl水溶液200μlを加えることにより調製した。また、界面活性剤としてC18TMAClを5.67g(0.017mol)用いてH2O10mlと混合し、マグネチック・スターラで攪拌しながら50℃に加温し、界面活性剤を溶解させたこと以外は、実施例1と同様の方法により界面活性剤溶液を得た。上記HCl水溶液(a)と界面活性剤溶液を用い、薄膜形成工程の相対湿度を70%としたこと以外は、実施例1と同様の方法によりメソポーラスシリカ薄膜を得た。なお、この薄膜は膜厚が0.4μmであり、キュービック構造であることが確認された。
【0112】
また、得られたキュービック構造のメソポーラスシリカ薄膜を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により金属細線包接薄膜を得た。なお、本実施例における担持液を除去することなく残存せしめた状態とは、薄膜表面に担持液が約70μl/cm2付着している状態であり、薄膜全体に担持された金属イオンの量は約0.7μg/cm2であることが算出された。前記薄膜全体に担持された金属イオンの量は、0.4μm厚の薄膜1cm2あたりの担持量で表した。
【0113】
以上の結果、図6のTEM写真に示すように、メソポーラスシリカ薄膜の周期構造(11nm)の細孔内に白金金属が網状の金属細線を形成していることが確認された。この金属細線は、球状部の平均直径が4nmであることが確認された。
【0114】
実施例5〜8
(メソポーラスシリカ薄膜の作製)
実施例2と同様の方法によりメソポーラスシリカ薄膜を得た。なお、この薄膜は膜厚が0.4μmであり、3d−ヘキサゴナル構造であった。
【0115】
(第二の製造方法を用いた金属細線包接薄膜の作製)
得られたメソポーラスシリカ薄膜に安全カミソリを用いて配向面に対し斜めに1mm間隔程度で新たな貫通孔を設けた。その後温度を制御できる真空装置(実施例1と同様の装置)にメソポーラスシリカ薄膜を入れ、24時間真空排気した。担持液は、表1に示す原料化合物及び溶媒を重量比(wt%)又は体積比(Vol比)で混合することにより調製し、この溶液に真空排気したメソポーラスシリカ薄膜を入れ、実施例1と同様に超音波分散を10分間行い、そのまま24時間含浸させた。メソポーラスシリカ薄膜を引き上げ、薄膜表面に付着した担持液を除去することなく残存せしめた状態で再度真空装置に薄膜を入れ、24時間真空排気した。その後、温度を25℃に設定し、真空装置内に蒸気圧10Torrの水蒸気を導入することにより、蒸気圧10Torrの水蒸気に薄膜を10分間曝し、同様にして表1に示す蒸気圧のメタノール(還元剤)の蒸気に薄膜を10分間曝すことにより、還元剤蒸気を薄膜の細孔内に導入した。
【0116】
還元剤蒸気が導入されたメソポーラスシリカ薄膜が入っている真空装置を、PIDコントローラを用いてヒータを制御し表1に示す温度になるように2時間で昇温し、その温度で表1に示す時間だけ熱を加えることにより金属イオンを還元し、25℃まで2時間かけて真空装置を冷ました。このような方法により、実施例5〜8の金属細線包接薄膜を得た。
【0117】
なお、実施例5〜8における担持液を除去することなく残存せしめた状態とは、薄膜表面に担持液が約70μl/cm2付着している状態であり、薄膜全体に担持された金属イオンの量は約0.7μg/cm2であることが算出された。前記薄膜全体に担持された金属イオンの量は、0.4μm厚の薄膜1cm2あたりの担持量で表した。
【0118】
【表1】
【0119】
得られた実施例5〜8の金属細線包接薄膜のTEM写真を図7〜10に示した。図7は、実施例5で得られた金で構成された棒状の金属細線を有する金属細線包接薄膜のTEM写真である。この金属細線は、平均直径が6.8nmであり、アスペクト比が5以上であり、長さ200nmを超えるものもあることが確認された。
【0120】
図8は、実施例6で得られた銀で構成された棒状の金属細線を有する金属細線包接薄膜のTEM写真である。この金属細線は、平均直径が6.9nmであり、平均アスペクト比が約10であり、長さ150nm以上のものもあることが確認された。
【0121】
図9は、実施例7で得られたニッケルで構成された棒状の金属細線を有する金属細線包接薄膜のTEM写真である。この金属細線は、平均直径が7.0nmであり、平均アスペクト比が約10であり、長さ150nm以上のものであることが確認された。
【0122】
図10は、実施例8で得られた銅で構成された棒状の金属細線を有する金属細線包接薄膜のTEM写真である。この金属細線は、平均直径が6.5nmであり、アスペクト比が5以上であり、長さ100nm以上のものであることが確認された。
【0123】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば十分なアスペクト比を有し、配列が均一な金属細線を備える金属細線包接薄膜を得られる。この結果、金属細線の両端に電極をつけることで使用する量子素子又は触媒等への応用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】メソポーラスシリカ薄膜の細孔内に形成された金属細線のそれぞれの形状を示す模式図である。
【図2】実施例1で得られた金属細線包接薄膜の走査型電子顕微鏡写真(倍率20万倍)を示す図である。
【図3】比較例1で得られた金属細線包接薄膜の走査型電子顕微鏡写真(倍率10万倍)を示す図である。
【図4】実施例2で得られた金属細線包接薄膜の走査型電子顕微鏡写真(倍率25万倍)を示す図である。
【図5】実施例3で得られた金属細線包接薄膜の走査型電子顕微鏡写真(倍率10万倍)を示す図である。
【図6】実施例4で得られた金属細線包接薄膜の走査型電子顕微鏡写真(倍率10万倍)を示す図である。
【図7】実施例5で得られた金属細線包接薄膜の走査型電子顕微鏡写真(倍率10万倍)を示す図である。
【図8】実施例6で得られた金属細線包接薄膜の走査型電子顕微鏡写真(倍率15万倍)を示す図である。
【図9】実施例7で得られた金属細線包接薄膜の走査型電子顕微鏡写真(倍率7万3千倍)を示す図である。
【図10】実施例8で得られた金属細線包接薄膜の走査型電子顕微鏡写真(倍率7万3千倍)を示す図である。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a thin metal wire inclusion film and a method of manufacturing the same, and more particularly, to a thin metal wire inclusion film suitable for a quantum device, a catalyst, and the like, and a method of manufacturing the same.
[0002]
[Prior art]
Research on template synthesis of metal fine wires and metal particles in powder carriers having mesopores such as FSM-16, MCM-41, and HMM-1 has been actively conducted in recent years (for example, see Non-Patent Document 1). . In such a metal thin wire, there is a social demand for obtaining a thinner and longer metal thin wire. Such fine metal wires and metal particles are considered to exhibit unique behavior in physical properties and chemical reactivity, and are synthesized into magnetic materials such as nanodevices and storage media by synthesizing regularly arranged fine metal wires and metal particles. The application of is expected. In addition, since the metal is finely divided, the specificity of the surface is expressed as macro physical properties with an increase in the proportion of atoms present on the surface of the particle, and it shows characteristics different from those of bulk metal, so it can be used as a catalyst. The application of is also expected.
[0003]
On the other hand, with respect to such a fine metal wire, for example, in Japanese Patent Application Laid-Open No. 2002-102698 (Patent Document 1), the pores of a powdery porous body having pores having a center pore diameter of 1 to 50 nm are disclosed. Discloses that a fine metal wire having an average diameter of 1 to 50 nm and an average aspect ratio of 3 or more is formed.
[0004]
However, even if a fine metal wire is produced using a powdery porous body as described in the above-mentioned publication, processing for application to a device is difficult with a powder, and it has a sufficient aspect ratio and an arrangement of It has been difficult to produce uniform fine metal wires.
[0005]
[Patent Document 1]
JP 2002-102698 A
[Non-patent document 1]
A. Fukuoka, Y. Sakamoto, M. {Ichikawa} et al. , @J. {Am. {Chem. $ Soc, $ 14, $ 3373 (2001)
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above-mentioned problems of the related art, and has an object to provide a thin metal wire cladding thin film having a sufficient aspect ratio and having a uniform array of thin metal wires, and a method of manufacturing the same. And
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies to achieve the above object, and as a result, it has been surprising that a mesoporous silica thin film is used as a carrier for supporting metal ions, and a metal is supported in the thin film by a specific method. In particular, they have found that a thin metal wire inclusion thin film having a sufficient aspect ratio and having a uniform array of thin metal wires can be obtained, thereby completing the present invention.
[0008]
That is, the metal thin wire inclusion thin film of the present invention has a thickness of 1 μm or less, and a mesoporous silica thin film having a center pore diameter of 1 to 50 nm,
A fine metal wire having an average diameter of 1 to 50 nm formed in the pores of the mesoporous silica thin film and an average aspect ratio of 5 or more;
It is characterized by having.
[0009]
In the metal thin wire inclusion thin film of the present invention, the mesoporous silica thin film preferably has a pore having a 2d-hexagonal structure, a 3d-hexagonal structure, or a cubic structure.
[0010]
Further, in the thin metal wire cladding thin film of the present invention, the shape of the thin metal wire in the pore is a rod shape, a bead shape in which the spherical portions are connected in the longitudinal direction, or a predetermined distance in the longitudinal direction of the rod shape portion. A necklace shape having a spherical portion formed by the above, or a rod-shaped, rosary-shaped or necklace-shaped metal wire is two-dimensionally or three-dimensionally combined with a net-like shape. preferable.
[0011]
Further, in the thin metal wire cladding thin film of the present invention, the metal constituting the thin metal wire is selected from the group consisting of a group 8 metal, a group 9 metal, a group 10 metal, a group 11 metal, chromium and manganese. Preferably, the material is at least one selected metal.
[0012]
In addition, the first method for producing a thin metal wire clathrate thin film of the present invention comprises a solution containing a mesoporous silica thin film having a thickness of 1 μm or less and having a central pore diameter of 1 to 50 nm and ions of a predetermined metal. And a metal ion supporting step of supporting the metal ions inside and outside the pores of the mesoporous silica thin film,
The metal ions supported outside the pores of the mesoporous silica thin film obtained from the metal ion supporting step were brought into contact with the vapor of the reducing agent in a state where the metal ions were left without being removed, and the metal ions were introduced into the pores of the mesoporous silica thin film. A reducing agent introducing step of introducing the reducing agent vapor,
A photoreduction step of irradiating the mesoporous silica thin film obtained from the reducing agent introduction step with light to reduce the metal ions, and forming a thin metal wire made of the metal in pores of the mesoporous silica thin film,
Is included.
[0013]
In the first method for producing a thin metal wire clathrate thin film according to the present invention, (i) a vacuum evacuation step of evacuating water in pores of the mesoporous silica thin film before the reducing agent introduction step, (ii) A) a water vapor introduction step of introducing water vapor into the pores of the mesoporous silica thin film before the reducing agent introduction step; and (iii) a water vapor introduction step on the surface of the mesoporous silica thin film before the metal ion supporting step. It is preferable that the method further includes at least one of a hole forming step of providing a new through-hole connecting the outside and the outside.
[0014]
In addition, the second method for producing a thin metal wire clathrate thin film of the present invention comprises a solution containing a mesoporous silica thin film having a thickness of 1 μm or less and having a central pore diameter of 1 to 50 nm and ions of a predetermined metal. And a metal ion supporting step of supporting the metal ions inside and outside the pores of the mesoporous silica thin film,
The metal ions supported outside the pores of the mesoporous silica thin film obtained from the metal ion supporting step were brought into contact with the vapor of the reducing agent in a state where the metal ions were left without being removed, and the metal ions were introduced into the pores of the mesoporous silica thin film. A reducing agent introducing step of introducing the reducing agent vapor,
A heat reduction step of applying heat to the mesoporous silica thin film obtained from the reducing agent introduction step to reduce the metal ions, and forming a thin metal wire made of the metal in pores of the mesoporous silica thin film,
Is included.
[0015]
In the second method for producing a thin metal wire clathrate thin film of the present invention, (i) a vacuum evacuation step of evacuating water in pores of the mesoporous silica thin film before the reducing agent introduction step, (ii) A) a water vapor introduction step of introducing water vapor into the pores of the mesoporous silica thin film before the reducing agent introduction step; and (iii) a water vapor introduction step on the surface of the mesoporous silica thin film before the metal ion supporting step. It is preferable that the method further includes at least one of a hole forming step of providing a new through-hole connecting the outside and the outside.
[0016]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail with reference to preferred embodiments.
[0017]
(Mesoporous silica thin film)
The mesoporous silica thin film according to the present invention has a thickness of 1 μm or less and a center pore diameter of 1 to 50 nm. The mesoporous silica thin film is a porous silica body having mesopores, and in the case of a thin film, the thickness is 1 μm or less, more preferably 0.1 to 0.5 μm, and the thickness with respect to the surface area. Is a state that can be neglected, and is used in a sense different from a bulky state of a substance such as crystals or solids on a lump. When the thickness of such a mesoporous silica thin film exceeds 1 μm, the uniformity of the pore arrangement of the mesoporous silica thin film is deteriorated, and cracks tend to occur due to distortion of the film shrinkage during firing. However, a mesoporous silica thin film having a thickness of 1 μm or less is produced, and a mesoporous silica thin film having a uniform pore arrangement is laminated again by forming a mesoporous silica thin film thereon, and such lamination is repeated. Thereby, a laminated thin film having a thickness of 1 μm or more can be manufactured.
[0018]
The central pore diameter is a curve (pore diameter distribution curve) obtained by plotting a value (dV / dD) obtained by differentiating the pore volume (V) by the pore diameter (D) against the pore diameter (D). The pore diameter at the maximum peak. The pore size distribution curve can be determined by the method described below. That is, the mesoporous silica thin film is cooled to liquid nitrogen temperature (−196 ° C.), nitrogen gas is introduced, the adsorption amount is determined by a constant volume method or a weight method, and then the pressure of the introduced nitrogen gas is gradually increased. The adsorption amount of nitrogen gas is plotted against each equilibrium pressure to obtain an adsorption isotherm. Using this adsorption isotherm, a pore size distribution curve can be obtained by a calculation method such as the Cranston-Inklay method, the Pollimore-Heal method, or the BJH method. In the mesoporous silica thin film according to the present invention, if the central pore diameter is less than 1 nm, the metal ion-containing solution is less likely to be introduced into the pores, making it difficult to carry metal ions. If it exceeds, the porosity of the thin film becomes excessively large, and the strength of the thin film becomes insufficient.
[0019]
Such a mesoporous silica thin film is prepared by using a surfactant as a template and using a silicon alkoxide or the like as a silica source. As such a silica source, any compound capable of forming a -Si-O- bond can be used. Not limited. Such a thin film is made of, for example, silicon oxide, and has a highly crosslinked network structure based on a skeleton -Si-O- in which silicon atoms are bonded via oxygen atoms. In such a silicon oxide, at least a part of the silicon atoms may form a carbon-silicon bond at two or more positions of the organic group. Examples of such an organic group include, but are not limited to, divalent or higher valent organic groups generated by removing two or more hydrogens from hydrocarbons such as alkanes, alkenes, alkynes, benzenes, and cycloalkanes. Instead, the organic group may have an amide group, amino group, imino group, mercapto group, sulfone group, carboxyl group, ether group, acyl group, vinyl group, or the like. In such a mesoporous silica thin film, aluminum, titanium, magnesium, zirconium, tantalum, niobium, molybdenum, cobalt, nickel, gallium, beryllium, yttrium, lanthanum, hafnium, tin, lead, vanadium, It may contain an inorganic component such as boron.
[0020]
Further, the mesoporous silica thin film according to the present invention preferably has one or more peaks at a diffraction angle corresponding to a d value of 1 nm or more in X-ray diffraction measurement. Such a peak of X-ray diffraction means that a periodic structure having a d value corresponding to the peak angle is present in the sample. Therefore, the presence of one or more peaks at the diffraction angle corresponding to the d value of 1 nm or more means that the pores are regularly arranged at intervals of 1 nm or more.
[0021]
Further, the pores of the mesoporous silica thin film according to the present invention are formed not only on the surface of the thin film but also inside the thin film. The arrangement state of the pores (pore arrangement structure or structure) in such a thin film is not particularly limited, but is preferably a 2d-hexagonal structure, a 3d-hexagonal structure or a cubic structure. Further, such a pore arrangement structure may have a disordered pore arrangement structure.
[0022]
Here, that the thin film has a hexagonal pore arrangement structure means that the arrangement of the pores in the thin film is a hexagonal structure (S. Inagaki, et al., J. Chem. Soc., Chem. Commun. , 680, 1993; S. Inagaki, et. Al., Bull. Chem. Soc. Jpn., 69, 1449; 1996, Q. Huo et al., Science, 268, 1324, 1995)). Further, that the thin film has a cubic pore arrangement structure means that the arrangement of the pores in the thin film is a cubic structure (J. C. Vartuli et al., Chem. Mater., 6, 6, 2317, 1994; {Q. {Huo et al., Nature, {368, 317, {1994}). Further, that the thin film has a disordered pore arrangement structure means that the arrangement of the pores is irregular (P.T.Tanev.et.al.,. Science, .267, .865, .1995; S.A. {Bagshaw et al., Science, 269, 1242, 1995; R. Ryo et al., J. Phys. Chem., 100, 17718, 1996). Further, it is preferable that the cubic structure has Pm-3n, Im-3m or Fm-3m symmetry. The symmetry is determined based on the notation of a space group.
[0023]
When the thin film has a regular pore arrangement structure such as hexagonal or cubic, not all of the pores need to have these regular pore arrangement structures. That is, the thin film may have both a regular pore arrangement structure such as hexagonal and cubic and a disordered irregular pore arrangement structure. However, it is preferable that 80% or more of all the pores have a regular pore arrangement structure such as hexagonal or cubic.
[0024]
Further, as the mesoporous silica thin film according to the present invention, a thin film having a peak showing the (100) plane in X-ray diffraction measurement of 50,000 cps or more and a half-value width of the peak of 0.21 ° or less is used. Is preferred. Further, the intensity of the peak is more preferably 56000 cps or more, and the half width of the peak is more preferably 0.20 ° or less. Such a mesoporous silica thin film is particularly excellent in the crystallinity, the smoothness of the surface of the pores, and the orientation of the pores, and is suitable for producing a thin metal wire inclusion thin film. In such X-ray diffraction measurement, the intensity and half width of the peak (present at a Bragg angle of 0.17 ° to 3.54 °) indicating the (100) plane of the mesoporous silica thin film are measured by using an RAD-B (manufactured by Rigaku Corporation). ) Can be performed under the conditions of a radiation source CuKα, an X-ray tube voltage of 30 kV, and an X-ray tube current of 20 mA. In performing such a measurement, it is preferable that the entrance slit and the light receiving slit have DS: 0.5, SS: 0.5, and RS: 0.3.
[0025]
Further, the mesoporous silica thin film according to the present invention has an initial intensity (I) of a peak showing the (100) plane in X-ray diffraction measurement.1) And a mesoporous silica thin film are coated with an acidic solution (15 wt% chloroplatinic acid (H2PtCl6) An acidic solution having a pH of 0.6 obtained by mixing an aqueous solution, water, and ethanol at a volume ratio of 1: 2: 2) for 24 hours, and after the acid resistance test, the peak intensity (I2) Is the following relational expression (1):
(1- (I2/ I1)) × 100 ≦ 90 ° (1)
It is preferable to use one that satisfies the following. Such a mesoporous silica thin film has sufficient acid resistance, and is excellent in the smoothness of the surface of the pores and the orientation of the pores, and is suitable for producing a thin metal wire inclusion thin film. Here, (1- (I2/ I1)) × 100 (%) indicates a reduction rate (%) after the acid resistance test. I before and after such acid resistance test1And I2By comparing the relationship with the above, the acid resistance of the mesoporous silica thin film can be evaluated. Such a reduction rate is more preferably 70% or less, and further preferably 40% or less.
[0026]
The acid resistance test is a test in which a mesoporous silica thin film is sufficiently dried and then impregnated with the acidic solution for 24 hours. The X-ray diffraction measurement of the mesoporous silica thin film before and after such an acid resistance test was performed by using RINT-2000 (manufactured by Rigaku Corporation) as an X-ray diffractometer with an X-ray tube voltage of 40 kV and an X-ray tube current of 30 mA. Except for this, the measurement can be performed under the same conditions as in the X-ray diffraction measurement.
[0027]
(Method for producing mesoporous silica thin film)
The mesoporous silica thin film according to the present invention comprises a partial polymerization step of reacting a silica source such as the silicon alkoxide described above in an acidic solvent to obtain a liquid containing a silicon alkoxide partial polymer, and a solution of the silicon alkoxide partial polymer and a surfactant. To form a complex comprising the silicon alkoxide partial polymer and the surfactant, and a thin film for forming a mesoporous silica thin film by thinning and drying a liquid containing the complex. And a forming step. Hereinafter, a method for producing a mesoporous silica thin film will be described in detail using silicon alkoxide as an example of a silica source.
[0028]
In the partial polymerization step, a liquid containing a silicon alkoxide partial polymer is obtained by reacting a silicon alkoxide in an acidic solvent. Here, the silicon alkoxide is represented by the following general formula (2).
A(4-a)-Si- (OR)a(2)
[In the formula (2), R represents a hydrocarbon group, A represents a hydrogen atom, a halogen atom, a hydroxyl group or a hydrocarbon group, and a represents an integer of 1 to 4. ]
[0029]
In the general formula (2), examples of the hydrocarbon group represented by R include a chain, cyclic, and alicyclic hydrocarbon group. Such a hydrocarbon group is preferably a chain alkyl group having 1 to 5 carbon atoms, and more preferably a methyl group or an ethyl group. When A is a hydrocarbon group, examples of the hydrocarbon group include an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms, an alkenyl group having 2 to 10 carbon atoms, a phenyl group, and a substituted phenyl group. it can. The silicon alkoxide represented by the general formula (2) may be used alone or in combination of two or more.
[0030]
As the silicon alkoxide represented by the general formula (2), a mesoporous silica thin film having good crystallinity can be obtained.3)4And Si (OC) represented by the formula:2H5)4It is preferable to use tetraethoxysilane (TEOS) represented by
[0031]
The alkoxyl group (-OR) of the silicon alkoxide undergoes hydrolysis under acidic conditions to become a hydroxyl group (-OH), and the hydroxyl group portion is condensed to have a high molecular weight. When the silicon alkoxide has a hydroxyl group or a halogen atom in addition to the alkoxyl group, these functional groups may contribute to the hydrolysis reaction. Therefore, the silicon alkoxide partial polymer is a polymer obtained by a hydrolysis reaction and a condensation reaction, and a part of the alkoxyl group (—OR) and / or the hydroxyl group (—OH) remains unreacted. Polymer.
[0032]
The silicon alkoxide partial polymer can be obtained by stirring silicon alkoxide in an acidic solvent (an aqueous solution of hydrochloric acid, nitric acid or the like, or an alcohol solution or the like). Examples of the acid contained in the acidic solvent include boric acid, bromic acid, fluoric acid, sulfuric acid, and phosphoric acid in addition to the above-mentioned acids, and two or more of these acids may be used as a mixture. . Since the hydrolysis reaction of the alkoxyl group of the silicon alkoxide tends to occur in a low pH region, it is possible to promote partial polymerization by lowering the pH of the system. The reaction temperature in the partial polymerization step can be, for example, 15 to 25 ° C., and the reaction time can be 30 to 90 minutes.
[0033]
Next, in the complex forming step, the silicon alkoxide partial polymer obtained in the partial polymerization step is brought into contact with a surfactant to form a complex comprising the silicon alkoxide partial polymer and the surfactant. Let me know.
[0034]
Such surfactants may be cationic, anionic, or nonionic, and specifically include alkyltrimethylammonium, alkylammonium, dialkyldimethylammonium, and benzylammonium. Chloride, bromide, iodide or hydroxide; fatty acid salts, alkyl sulfonates, alkyl phosphates, polyethylene oxide nonionic surfactants, primary alkylamines and the like.
[0035]
Among the above surfactants, examples of the polyethylene oxide-based non-ionic surfactant include a polyethylene oxide-based non-ionic surfactant having a hydrocarbon group as a hydrophobic component and polyethylene oxide as a hydrophilic portion. . As such a surfactant, for example, a compound represented by the general formula CnH2n + 1(OCH2CH2)mThose represented by OH, wherein n is 10 to 30 and m is 1 to 30, can be suitably used.
[0036]
In addition, as such a surfactant, an ester of sorbitan with a fatty acid such as oleic acid, lauric acid, stearic acid, or palmitic acid, or a compound in which polyethylene oxide is added to these esters can also be used.
[0037]
Furthermore, a triblock copolymer type polyalkylene oxide can also be used as such a surfactant. Such a surfactant comprises polyethylene oxide (EO) and polypropylene oxide (PO), and has a general formula (EO)x(PO)y(EO)xAre represented. x and y each represent the number of repetitions of EO and PO, but x is preferably 5 to 110, y is preferably 15 to 70, x is 13 to 106, and y is more preferably 29 to 70.
[0038]
As the above triblock copolymer, (EO)19(PO)29(EO)19, (EO)Thirteen(PO)70(EO)Thirteen, (EO)5(PO)70(EO)5, (EO)Thirteen(PO)30(EO)Thirteen, (EO)20(PO)30(EO)20, (EO)26(PO)39(EO)26, (EO)17(PO)56(EO)17, (EO)17(PO)58(EO)17, (EO)20(PO)70(EO)20, (EO)80(PO)30(EO)80, (EO)106(PO)70(EO)106, (EO)100(PO)39(EO)100, (EO)19(PO)33(EO)19, (EO)26(PO)36(EO)26Is mentioned. These triblock copolymers are available from BASF, Aldrich, and the like, and can provide a triblock copolymer having desired x and y values at a small-scale production level. The above triblock copolymers can be used alone or in combination of two or more.
[0039]
Further, a star diblock copolymer in which two polyethylene oxide (EO) chains-polypropylene oxide (PO) chains are bonded to two nitrogen atoms of ethylenediamine, respectively, can also be used. Such a star diblock copolymer has a general formula ((EO)x(PO)y)2NCH2CH2N ((PO)y(EO)x)2Are represented. Here, x and y represent the number of repetitions of EO and PO, respectively, x is preferably 5 to 110, y is preferably 15 to 70, x is 13 to 106, and y is 29 to 70. preferable.
[0040]
Among such surfactants, a mesoporous silica thin film having high crystallinity can be obtained.pH2p + 1N (CH3)3] (Preferably a halide salt). In this case, the alkyl group in the alkyltrimethylammonium preferably has 8 to 18 carbon atoms. Such materials include octadecyltrimethylammonium chloride, hexadecyltrimethylammonium chloride, tetradecyltrimethylammonium chloride, dodecyltrimethylammonium bromide, decyltrimethylammonium bromide, and octyltrimethylammonium bromide.
[0041]
When the silicon alkoxide partial polymer is brought into contact with the surfactant, a surfactant may be directly added to the liquid containing the silicon alkoxide partial polymer, and water, an organic solvent, water and an organic solvent may be added. It may be added after being dissolved in a mixture with a solvent to form a surfactant solution. Further, an acid may be added to the surfactant solution to form a preferable acidic atmosphere. As such an acid, it is possible to use the same acid as that used for the above-mentioned acidic solvent.
[0042]
When the surfactant or the surfactant solution is added to the liquid obtained by the partial polymerization step, the surfactant forms micelles in the solution. The micelle serves as a supramolecular template, and a complex of the silicon alkoxide partial polymer and the surfactant micelle is formed. Since the silicon alkoxide partial polymer does not enter the inside of such a surfactant micelle, the inside of the micelle becomes a pore portion in a mesoporous silica thin film which is a final product. Therefore, the pore diameter of the mesoporous silica thin film can be controlled by changing the molecular chain length of the surfactant.
[0043]
The molar ratio between the silicon alkoxide partial polymer and the surfactant is such that the surfactant is 0.005 to 0.02 mol with respect to 0.1 mol of the silicon alkoxide since a highly crystalline mesoporous silica thin film is obtained. Is preferred. The complex formation step can be performed, for example, by stirring at 10 to 30 ° C. for 30 to 90 minutes. In addition, the amount of the solvent at this time is preferably mixed at a ratio of 0.2 to 10 mol with respect to 0.1 mol of silicon alkoxide, and more preferably at least 0.2 mol of water in the solvent. If the amount of such a solvent is less than the lower limit, silicon alkoxide tends to be difficult to condense in a chain form, and if it exceeds the upper limit, the concentration of silicon alkoxide in the liquid containing the complex and The viscosity of the solution decreases, and when the liquid containing the composite is allowed to adhere to the substrate, cissing is observed and a uniform thin film tends to be hardly formed.
[0044]
The liquid containing the complex in the complex forming step has an acid concentration of 0.00057 to 0.0086 eq / l, and the acid content of the liquid containing the complex is 0.1 mol based on 0.1 mol of silicon alkoxide. 2.3 × 10-4~ 3.8 × 10-4It is preferably mol. Hereinafter, unless otherwise specified, the acid concentration is the concentration of the acid in the liquid containing the complex, and the acid content is the amount of the substance of the acid with respect to 0.1 mol of the silicon alkoxide in the liquid containing the complex. And The concentration of the acid is more preferably 0.00059 to 0.0080 eq / l, and the content of the acid is 2.4 × 10-4~ 3.5 × 10-4More preferably, it is mol. The mesoporous silica thin film prepared under such conditions is particularly excellent in crystallinity, smoothness of the surface of the pores, acid resistance and orientation of the pores, and is suitable for producing a thin metal wire inclusion thin film. is there. When the content of such an acid is less than the lower limit, the rate of hydrolysis and the rate of polycondensation become slow, and it tends to be difficult to prepare a mesoporous silica thin film. The resulting mesoporous silica thin film tends to have insufficient crystallinity, smoothness of pore surface, acid resistance and pore orientation.
[0045]
Further, the crystal structure of the obtained mesoporous silica thin film can be controlled by the composition of the composite. For example, when tetramethoxysilane is used as the silicon alkoxide and alkyltrimethylammonium chloride is used as the surfactant, when the amount of tetramethoxysilane is 1 mol, the amount of alkyltrimethylammonium chloride is 0.04. By setting it to 0.15 mol, the crystal structure can be hexagonal. On the other hand, when the amount of tetramethoxysilane is 1 mol and the amount of alkyltrimethylammonium chloride is 0.15 to 0.19 mol, the crystal structure can be made cubic.
[0046]
Next, a thin film forming step will be described. In the thin film forming step, the liquid containing the composite is thinned and dried to form a mesoporous silica thin film. The method of thinning is not particularly limited. For example, a film having a uniform thickness can be formed by attaching or applying a liquid containing the composite on a substrate. As such a substrate, the shape and the material are not particularly limited as long as the liquid containing the composite can be attached or applied, and examples thereof include a plate-like molded product and a film made of metal, resin, and the like. Can be Grooves or projections may be formed on the surface of the substrate with a certain periodicity, or may be flat.
[0047]
When applying the liquid containing the composite to the substrate, the method is not particularly limited, and various coating methods can be adopted. For example, it can be applied using a bar coater, a roll coater, a gravure coater, or the like. In addition, dip coating, spin coating, spray coating and the like are also possible.
[0048]
In the thin film forming step, the relative humidity when the liquid containing the composite is thinned is not particularly limited, but is preferably 50% or more because the crystallinity is further improved.
[0049]
When the liquid containing the composite is applied to a substrate or the like, the applied thickness can be appropriately selected depending on the concentration. In order to prevent cracking due to distortion during heat shrinkage and to efficiently perform heating and drying after coating, it is preferable that the coating thickness is thin, for example, 10 μm in an undried state (a liquid state including a composite). The following is preferred.
[0050]
Preferably, the method further includes a solvent addition step of adding a solvent to the liquid containing the complex before the thin film formation step. By adding the solvent, the viscosity and the solid content of the liquid containing the composite are reduced, so that the thickness obtained when the liquid is thinned can be reduced. In addition, the change in viscosity of the liquid during thinning can be reduced, and the uniformity of the pore arrangement of the obtained mesoporous silica thin film can be improved. The solvent to be added to the liquid containing the complex in the solvent addition step is not particularly limited, and includes, for example, water and alcohol. As the alcohol, methanol, ethanol, isopropanol and the like can be used. The amount of the solvent added to the liquid containing the complex in the solvent addition step is not particularly limited, but is preferably an amount such that the viscosity of the liquid after the addition becomes 10 Pa · s or less, and is preferably 5 Pa · s or less. It is more preferable that the amount is small.
[0051]
After thinning by a method such as coating on a substrate, the resulting thin film is air-dried and / or dried by heating to react the composite, thereby forming a mesoporous silica thin film containing a surfactant. At the time of heating and drying, for example, heating is performed at 70 to 150 ° C., more preferably 100 to 120 ° C., and the condensation reaction of the silicon alkoxide partial polymer is advanced to form a three-dimensional crosslinked structure. As a result, a mesoporous silica thin film containing a surfactant is obtained. The time for heating and drying can be set to, for example, 20 to 80 minutes in consideration of the time for improving the crystallinity of the mesoporous silica thin film containing a surfactant and economical problems.
[0052]
The thickness of the surfactant-containing mesoporous silica thin film obtained in the thin film forming step is preferably 1 μm or less, more preferably 0.1 to 0.5 μm. If the film thickness exceeds 1 μm, the uniformity of the pore arrangement of the mesoporous silica thin film tends to deteriorate. However, after a mesoporous silica thin film having a thickness of 1 μm or less was prepared, a liquid containing the composite was applied again and dried by heating to form a mesoporous silica thin film having a highly uniform pore arrangement. Can be set to 1 μm or more.
[0053]
The center pore diameter of the mesoporous silica thin film containing a surfactant is 1 to 50 nm, more preferably 1 to 30 nm, since a thin film having high crystallinity and an appropriate specific surface area can be obtained. More preferably, it is 1 to 10 nm.
[0054]
Further, it is preferable that the method further includes a surfactant removing step of removing the surfactant from the surfactant-containing mesoporous silica thin film to obtain a mesoporous silica thin film after the thin film forming step. The method of removing the surfactant is not particularly limited, and for example, a method of baking or a method of treating with a solvent such as water or alcohol can be used. In the firing method, a mesoporous silica thin film containing a surfactant is fired at 300 to 1000C, preferably 300 to 600C. The heating time may be about 30 minutes, but it is preferable to heat for 1 hour or more to completely remove the surfactant component. The calcination can be performed in the air, and may be performed by introducing an inert gas such as nitrogen. In addition, it is preferable that the baking is performed in an oxygen-containing atmosphere having an oxygen concentration of 0.1% to 25% and at a temperature of 300 ° C to 600 ° C.
[0055]
When removing the surfactant from the surfactant-containing mesoporous silica thin film using a solvent, for example, the surfactant-containing mesoporous silica thin film is immersed in a solvent having high surfactant solubility. Water, ethanol, methanol, acetone and the like can be used as the solvent.
[0056]
When a cationic surfactant is used, a method in which a mesoporous silica thin film containing a surfactant is immersed in ethanol or water to which a small amount of hydrochloric acid is added and heated at 50 to 70 ° C can be used. By this method, a cationic surfactant can be extracted. When an anionic surfactant is used, the surfactant can be extracted in a solvent to which an anion has been added. When a nonionic surfactant is used, it is possible to extract only with a solvent. In addition, it is also possible to apply an ultrasonic wave at the time of extraction.
[0057]
As described above, the mesoporous silica thin film from which the surfactant has been removed is suitable as a template (host material) for forming a thin metal wire in a thin metal wire inclusion film described later.
[0058]
(Metal thin wire inclusion thin film)
The metal thin wire inclusion thin film of the present invention, the mesoporous silica thin film, and a fine metal wire having an average diameter formed in the pores of the mesoporous silica thin film is 1 to 50 nm, and the average aspect ratio is 5 or more. , Is provided. The average diameter is more preferably 1 to 30 nm, further preferably 1 to 15 nm. Further, the average aspect ratio is more preferably 10 or more, and further preferably 30 to 10,000. Further, the length of such a thin metal wire is preferably 100 nm or more, and more preferably 300 nm or more. Furthermore, it is more preferable that such a thin metal wire is continuously formed in the pores of the thin film in a densely packed state throughout the pores.
[0059]
When the average diameter of such a thin metal wire is less than 1 nm, durability and heat resistance become insufficient when used as a quantum element (quantum thin wire) and a catalyst. On the other hand, when the average diameter of the fine metal wire exceeds 50 nm, the ratio of surface atoms in the fine metal wire is reduced, and the specificity of the fine metal wire surface is hardly expressed as macro physical properties. When the average aspect ratio of the thin metal wire is less than 5, the effect of improving the catalytic activity becomes insufficient because a selective crystal plane hardly appears, and the length is not sufficient for application to quantum devices and the like. Will be enough. Furthermore, when the length of the thin metal wire is less than the lower limit, the length tends to be insufficient for application to quantum devices and the like.
[0060]
The average diameter and average aspect ratio of the fine metal wires according to the present invention are the average values of the diameter and the aspect ratio (length / diameter) of 20 fine metal wires randomly extracted in a transmission electron micrograph, respectively. Say.
[0061]
Further, the shape of the fine metal wires in the pores may be a rod shape (a) as shown in FIG. 1, a bead shape in which spherical portions are connected in the longitudinal direction (b), or spaced apart at a predetermined interval in the longitudinal direction of the rod portions. (C), or a net (d) (e) in which the rod-shaped, rosary-shaped or necklace-shaped thin metal wires are two-dimensionally or three-dimensionally connected. Is preferred. It is more preferable that such rod-shaped (a), rosary-shaped (b), and necklace-shaped (c) thin metal wires are arranged in parallel without contacting the thin metal wires in adjacent pores.
[0062]
When the shape of the thin metal wire is a rod shape (a), a rosary shape (b), and a necklace shape (c), and the thin metal wires are arranged in parallel, there is a mesoporous space between the thin metal wires. The present inventors presume that the presence of the pore wall of the silica thin film results in electrical insulation. Also, when such parallel metal thin wires are used as a magnetic material, each thin wire becomes a single magnetic domain, and magnetic domain reversal due to interference between adjacent magnetic domains is suppressed. There is a possibility that the magnetic recording material will have a high recording density.
[0063]
In addition, a net-like metal wire (d) or (e) formed by two-dimensionally or three-dimensionally connecting rod-shaped, rosary-shaped or necklace-shaped metal fine wires is a quantum device exhibiting unprecedented physical properties and chemical behavior. The present inventors speculate that, when used as a catalyst, the catalyst has characteristic catalytic activity such as having reaction selectivity and sufficiently high heat resistance.
[0064]
The atoms constituting the thin metal wires are not particularly limited as long as they are metal atoms, but may be selected from metals belonging to Group 8, metals belonging to Group 9, metals belonging to Group 10, metals belonging to Group 11, chromium (Cr) and manganese (Mn). More preferably, it is at least one metal selected from the group consisting of noble metal atoms.
[0065]
In the present invention, the raw material compound used for forming the fine metal wire is not particularly limited. For example, when forming the fine metal wire of the above metal, a salt or a complex salt of the above metal can be used. More specifically, as a raw material compound for a platinum fine metal wire, H2PtCl6, Pt (NO2)2(NH3)2, [Pt (NH3)6] Cl4, H2Pt (OH)6, PtCl2(NH3)2, Pt (NH3)4Cl2, Pt (NH3)4(OH)2, Pt (NH3)4(OH)4, K2PtCl4, PtCl4, PtCl2And the like.
[0066]
As described above, the thin metal wire clathration thin film of the present invention has a sufficient aspect ratio and can obtain a thin metal wire having a uniform arrangement, and is suitable for a quantum device, a catalyst, and the like. Such a thin metal wire clathration thin film can be produced by the production method described below.
[0067]
(Production method of metal thin wire inclusion thin film)
The first method for producing a thin metal wire clathrate thin film of the present invention comprises a mesoporous silica thin film having a thickness of 1 μm or less and having a central pore diameter of 1 to 50 nm and a solution containing ions of a predetermined metal. Contacting and supporting the metal ions inside and outside the pores of the mesoporous silica thin film; and the metal supported outside the pores of the mesoporous silica thin film obtained from the metal ion supporting step. A reducing agent introducing step of bringing the reducing agent vapor into the pores of the mesoporous silica thin film by contacting with a reducing agent vapor in a state where the ions are left without being removed, and obtained from the reducing agent introducing step. The metal ions are reduced by irradiating light to the mesoporous silica thin film to form a thin metal wire made of the metal in pores of the mesoporous silica thin film. A light reduction step that is a method which comprises a.
[0068]
First, the metal ion supporting step will be described. Using a mesoporous silica thin film as a carrier, as a method of supporting metal ions inside and outside the pores of such a thin film, the raw material compound of the fine metal wire is methanol, alcohol such as ethanol, water, benzene or the like. By dissolving in these mixtures and impregnating the solution (hereinafter, referred to as a supporting solution or a solution containing metal ions) with the mesoporous silica thin film, and bringing the solution into contact with the thin film, the pores of the mesoporous silica thin film and Predetermined metal ions can be supported outside the pores.
[0069]
The metal ion-containing solution preferably has a concentration of the raw material compound in the solution of 0.1 to 50% by weight, more preferably 1 to 20% by weight. If the concentration of such a metal ion-containing solution is less than the lower limit, the amount of metal ions carried in the metal ion carrying step described below tends to be insufficient, while if the concentration exceeds the upper limit, metal When the ion-containing solution becomes more acidic and the —Si—O— skeleton of the mesoporous silica thin film collapses, it tends to be difficult to form a fine metal wire. The impregnation time of the mesoporous silica thin film into such a metal ion-containing solution is preferably 6 hours or more, and more preferably 15 to 48 hours. If the impregnation time is less than the lower limit, the metal ions are insufficiently supported, and it tends to be difficult to form thin metal wires.
[0070]
Here, the metal ion means a metal salt or complex salt or the like as a raw material compound dissociated in a solution, and usually refers to a charged atom or a group of atoms. When the complex salt dissociates, a complex ion is generated. Further, usually, in an aqueous solution, a metal ion exists as an aqua complex. Also, when the carrier liquid adheres to the inside and outside of the pores of the thin film due to contact with the thin film and the solvent evaporates or volatilizes, the metal ions are present in a stable state such as a metal salt or a complex salt as a raw material compound. Inferred. However, in the production method of the present invention, it is difficult to clearly determine the state of their presence in each production step, and thus the metal ions, complex ions, salts, and complex salts are collectively referred to as metal ions. It is assumed that.
[0071]
In the metal ion supporting step, it is also possible to apply ultrasonic waves to the solution impregnating the thin film in order to promote the supporting of the metal ions in the pores. Also, in addition to such a method, a method in which a raw material compound of a solid thin metal wire and a mesoporous silica thin film are mixed in a solid phase, heated in a closed vessel, and then an excess raw material compound is removed by washing or the like, It is also possible to use a material that generates a vapor such as a metal alkoxide or a material that easily sublimates as a raw material and contact the vapor with a mesoporous silica thin film to introduce the raw material compound into the pores of the mesoporous silica thin film. is there.
[0072]
In addition, before the metal ion supporting step, the method may further include a hole forming step of providing a new through hole connecting the inside of the pore and the outside on the surface of the mesoporous silica thin film. Here, the through hole may be a hole or a cut connecting the inside of the pore and the outside, and the shape is not particularly limited. There is no particular limitation on the method of providing a new through-hole (opening). For example, a method of making a cut of about 1 mm or 0.5 mm on the surface of the mesoporous silica thin film with a razor or the like is possible. Conventionally, mesoporous silica (porous silica) supporting metal ions is in the form of a powder, and the surface of the particles has a large area in contact with the external space, and the pores of the porous silica also have an area in contact with the external space. It was wide. However, a part of the mesoporous silica thin film used in the method for producing a thin metal wire inclusion thin film of the present invention is in contact with the substrate. Therefore, the area where the pore contacts the space outside the pore is small. Therefore, when metal ions are supported, since the metal ions are unlikely to enter the pores, it is possible to support a large amount of metal ions in the pores by providing such new through holes. Become.
[0073]
Further, it is preferable to provide an evacuation step as at least a step before the metal ion supporting step. The mesoporous silica thin film easily adsorbs water when left in the air. In particular, the hexagonal structure of the mesoporous silica thin film has extremely long and thin pores. Therefore, once the water is physically adsorbed, the water at the back of the pores cannot easily go out. Therefore, when water is adsorbed in the pores of the thin film, it becomes difficult for the metal ion-containing solution to enter the pores, and the metal ions tend to be hardly carried in the pores.
[0074]
Next, the reducing agent introduction step will be described. In the reducing agent introducing step, the metal ions supported outside the pores of the mesoporous silica thin film obtained from the metal ion supporting step are brought into contact with a reducing agent vapor in a state where they remain without being removed, and the mesoporous The reducing agent vapor is introduced into the pores of the silica thin film. In the case of producing a thin metal wire inclusion thin film as described above, if reduction is performed with the carrier liquid remaining outside the pores (the thin film surface) of the mesoporous silica thin film, a metal is deposited on the thin film surface and used for a quantum device or the like. It is presumed to be undesirable. Therefore, after impregnating the thin film with the carrier liquid, the metal ion-containing solution attached to the thin film surface is wiped off with absorbent cotton or the like, and then the reducing agent vapor is introduced into the pores of the thin film to reduce the metal ions. The present inventors speculated.
[0075]
However, from the above assumptions, when the present inventors reduce the metal ions by irradiating the metal ion-containing solution with light in a state where the metal ion-containing solution does not remain on the thin film surface, only the metal ions carried in the pores are reduced. Was reduced, and it was difficult to deposit metal densely in the pores. Thus, the present inventors performed a photoreduction step in a state where the metal ions carried outside the pores were not removed and remained, whereby metal was deposited on the surface of the thin film. In addition to finding a thin metal wire inclusion film of the present invention in which a thin metal wire is formed, a method for producing the thin metal wire inclusion film of the present invention was found. The metal deposited on the surface of the thin film can be easily removed by, for example, gently wiping with a cotton soaked with alcohol.
[0076]
In the method for producing a thin metal wire inclusion thin film according to the present invention, the metal is densely packed in the pores by performing the photoreduction step in a state where the metal ions carried outside the pores are left without being removed. The reason why a thin metal wire was obtained is not clear, but as the solvent of the metal ion-containing solution supported outside the pores evaporates, the concentration of metal ions increases, And since the outside of the pores is filled (connected) with this solution, the concentration of metal ions in the pores also increases. That is, the metal carried outside the pore moves into the pore. The present inventors speculate that, by this, a fine metal wire in which metal was densely packed in the pores could be obtained.
[0077]
Such a state in which the metal ions are left without being removed specifically means that the metal ion-containing solution is 1 cm on the thin film surface.2Preferably, 0.1 to 700 μl is attached, more preferably 1 to 500 μl. When the amount of such a metal ion-containing solution is less than the lower limit, the metal ion-containing solution does not uniformly adhere to the surface of the thin film, and the metal ions enter the pores of the thin film when reducing the metal ions. The supply amount becomes discontinuous, and it tends to be difficult to form a thin metal wire. On the other hand, if the upper limit is exceeded, the metal ion-containing solution tends not to stay on the surface of the thin film and spill from the surface of the thin film. The amount of the metal ion-containing solution attached can be measured with a micropipette.
[0078]
The amount (μg) of metal ions carried inside and outside the pores of the thin film (entire thin film) is 1 cm in the entire thin film.2It is preferably carried at 0.001 μg or more, more preferably at 0.01 μg or more. If the amount of metal ions carried in such an entire thin film is less than the lower limit, the amount of metal ions carried outside the pores into the pores is insufficient, and the metal is densely packed in the pores. A fine metal wire that is clogged cannot be produced, and tends to be metal particles.
[0079]
The amount of the reducing agent introduced is preferably 1/20 to 1/3, more preferably 1/15 to 1/5, and more preferably 1/12 to 1/8 of the saturated vapor pressure of the reducing agent. More preferably, Examples of such a reducing agent include alcohols such as methanol, ethanol, and isopropyl alcohol. Among them, methanol is preferable because of its strong reducing power.
[0080]
It is preferable that the method further includes, before the reducing agent introducing step, a water vapor introducing step of introducing water vapor into pores of the mesoporous silica thin film. By providing such a steam introduction step, the present inventors have found that more metal is precipitated in the pores by introducing metal ions existing outside the pores into the pores together with the steam. Guess. The introduction amount of such steam is not preferable because it is considered that when the steam is introduced to the saturated vapor pressure, the steam introduced into the pores becomes liquid and the metal ions are pushed out of the pores. Preferably, it is more preferably about half.
[0081]
Further, it is preferable to provide an evacuation step as at least a step before the reducing agent introduction step. The mesoporous silica thin film easily adsorbs water when left in the air. In particular, the hexagonal structure of the mesoporous silica thin film has extremely long and thin pores. Therefore, once the water is physically adsorbed, the water at the back of the pores cannot easily go out. When water is adsorbed in the pores and the pores become wet as described above, the amount of the reducing agent introduced decreases, and the reduction tends to be insufficient in the photoreduction step described below. Then, by putting the mesoporous silica thin film in a vacuum device and evacuating it, it is possible to surely reduce the metal ions.
[0082]
As a method for introducing the vapor of the reducing agent and the water into the pores of the mesoporous silica thin film, first, the mesoporous silica thin film is put in a vacuum device to be in a vacuum state. The vapor of the reducing agent and water having the above vapor pressure can be introduced into the liquid while controlling the pressure with a needle valve of the container. As such a vacuum device, a device capable of controlling the temperature is more preferable.
[0083]
Next, the photoreduction step will be described. The photoreduction step is a step of irradiating the mesoporous silica thin film obtained from the reducing agent introducing step with light to reduce metal ions, and forming a thin metal wire made of the metal in pores of the mesoporous silica thin film. . The light used for light irradiation is not particularly limited, but is preferably ultraviolet light. For such light irradiation, a high-pressure mercury lamp or the like can be used, and the irradiation time is not particularly limited as long as the metal ions are reduced.
[0084]
Hereinafter, the mechanism of forming the thin metal wire will be described. For example, when chloroplatinic acid is used as a raw material compound, the chemical formula of chloroplatinic acid is H2PtCl6And H in aqueous solution+And (PtCl6)2-Divided into ions. This solution is impregnated with a mesoporous silica thin film to support metal ions in the pores. Thereafter, when an alcohol such as methanol or isopropyl alcohol is introduced into the pores of the thin film, a metal carbonyl [Pt3(CO)6]n 2-Further, the carbonyl group is removed by light irradiation, and the platinum metal Pt0Is reduced to Then, crystal nuclei are generated first, and then discrete granular fine metal wires are formed, and the crystals are aggregated over time to form a fine metal wire. By controlling the speed of such reduction and the speed of assembling, it is also possible to control the shape of the thin metal wire or metal particle.
[0085]
When producing the thin metal wire cladding film in this way, the metal thin wire envelope obtained by the first production method of the present invention, in which the metal ions outside the pores of the mesoporous silica thin film are reduced in a state where they remain without being removed, are reduced. The contact thin film has a sufficient aspect ratio and is provided with fine metal wires having a uniform arrangement.
[0086]
In the second method for producing a thin metal wire clathrate thin film of the present invention, a mesoporous silica thin film having a thickness of 1 μm or less and having a center pore diameter of 1 to 50 nm and a solution containing ions of a predetermined metal are used. Contacting and supporting the metal ions inside and outside the pores of the mesoporous silica thin film; and the metal supported outside the pores of the mesoporous silica thin film obtained from the metal ion supporting step. A reducing agent introducing step of bringing the reducing agent vapor into the pores of the mesoporous silica thin film by contacting with a reducing agent vapor in a state where the ions are left without being removed, and obtained from the reducing agent introducing step. The metal ions are reduced by applying heat to the mesoporous silica thin film to form a thin metal wire of the metal in the pores of the mesoporous silica thin film. A method which comprises a thermal reduction step.
[0087]
The metal ion supporting step and the reducing agent introducing step in the second method for producing a thin metal wire clathrate thin film of the present invention may use the same method as the metal ion supporting step and the reducing agent introducing step in the first producing method. it can.
[0088]
Incidentally, as the reducing agent in the reducing agent introduction step of the second production method of the present invention, alcohols such as methanol, ethanol and isopropyl alcohol; aldehydes such as formaldehyde and acetaldehyde; hydrazine, hydroxylamine; alkali metals such as sodium and potassium; Alkali metals such as magnesium and calcium or citrates such as ammonium, hypophosphite, formate, acetate, oxalate and sulfanilate; alkali metal borohydrides such as sodium borohydride and potassium borohydride And at least one compound selected from the group consisting of: Among such reducing agents, alcohols such as methanol, ethanol, and isopropyl alcohol are preferable, and methanol is more preferable.
[0089]
Such a reducing agent that is solid can be used as a solution by using an alcohol such as methanol and ethanol, water, an organic solvent such as benzene or a mixture thereof as a solvent, and is a liquid. The reducing agent can be used as it is, or can be used as a mixture with the above-mentioned solvent, and the vapor of such a reducing agent solution is used as the reducing agent vapor.
[0090]
Further, it is preferable to further provide a vacuum exhaust step of exhausting moisture in pores of the mesoporous silica thin film as at least a step before the reducing agent introducing step. The purpose of providing such an evacuation step is the same as the evacuation step in the first manufacturing method.
[0091]
Preferably, before the reducing agent introduction step, a water vapor introduction step of introducing water vapor into pores of the mesoporous silica thin film is further provided. Such an introduced amount of steam may be a saturated vapor pressure of steam, and is preferably the same as the introduced amount in the first production method. The method for introducing the vapor of the reducing agent and the water into the pores of the mesoporous silica thin film can be performed in a vacuum device, as in the first manufacturing method.
[0092]
Further, before the step of introducing the reducing agent, the mesoporous silica thin film obtained from the step of supporting metal ions can be fired at 300 to 700 ° C. in the air. By performing firing in the air in this manner, fine wires of a metal oxide are formed in the pores of the thin film. Thereafter, a reducing agent is introduced into the pores of the thin film, and a thermal reduction step described later can be performed to reduce the metal to a zero-valent metal. When such a metal oxide fine wire is formed, a reducing gas (for example, hydrogen, carbon monoxide or the like) or a reducing gas and N 22It is also possible to reduce the metal oxide to a zero-valent metal by applying heat at 300 to 700 ° C. under the condition of contacting or flowing a mixed gas of an inert gas such as the above.
[0093]
Next, the heat reduction step will be described. The temperature at which heat is applied to the mesoporous silica thin film is preferably from 150 to 800 ° C, and more preferably from 200 to 600 ° C. When such a temperature is lower than the lower limit, the reduction tends to be insufficient. On the other hand, when the temperature exceeds the upper limit, the pores collapse or the metal once formed in the pores becomes thin. It tends to come out of the hole. Further, such a temperature can be achieved by heating the vacuum device used in the reducing agent introduction step with a heater or the like. Furthermore, in this thermal reduction step, it is also possible to carry out while introducing the reducing agent. In such a case, it is preferable to control the pressure by the vacuum pump, since the saturated vapor pressure increases with the temperature.
[0094]
When producing the thin metal wire cladding thin film as described above, the metal fine wire envelope obtained by the second production method of the present invention, in which the metal ions outside the pores of the mesoporous silica thin film are reduced without being removed, and are reduced. The contact thin film has a sufficient aspect ratio and is provided with fine metal wires having a uniform arrangement.
[0095]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples.
[0096]
Example 1
(Preparation of mesoporous silica thin film)
Tetramethoxysilane (Si (OCH3)44.1 ml of an aqueous HCl solution (a) was gently added to 15.22 g (0.10 mol) of the mixture, and the mixture was stirred for 1 hour using a magnetic stirrer (rotational speed: 200 rpm / min). A solution containing the TMOS partial polymer was obtained. Next, the surfactant triblock copolymer (EO)20(PO)70(EO)20(Manufactured by Aldrich, product name P123) 7.2 g, H210 ml of O and 10 ml of EtOH were mixed and heated to 50 ° C. while stirring with a magnetic stirrer to dissolve the surfactant. Thereafter, the mixture was naturally cooled to room temperature, further added with 100 μl of an aqueous HCl solution (b), and mixed to obtain a surfactant solution.
[0097]
A surfactant solution was added to the solution containing the TMOS partial polymer and stirred for 20 minutes. Then H2A mixed solvent of O / EtOH = 20 ml / 20 ml was added, the rotational speed of the magnetic stirrer was increased to 300 rpm / min, and the mixture was stirred for 20 minutes to obtain a solution containing a complex composed of tetramethoxysilane and a surfactant ( (Hereinafter referred to as “TMOS complex solution”). The aqueous HCl solution (a) is H2It was prepared by adding 100 μl of a 2N aqueous HCl solution to 30 ml of O, and a 2N aqueous HCl solution was used as the aqueous HCl solution (b).
[0098]
Next, a substrate lifting device (manufactured by SIGMA; SG SP 26-100) was installed in a vinyl box, and a thin film forming process was performed by a dip coating method. The substrate was immersed in the TMOS composite solution at a rate of 20 mm / min using the above apparatus, left standing in the solution for 30 seconds, and then pulled up at a rate of 20 mm / min. Dilute hydrofluoric acid (HF: H2O = 1: 50) and a silicon wafer (2 cm × 5 cm) subjected to a surface treatment was used. Note that the relative humidity in the thin film forming step was fixed at 30%. Next, the substrate to which the TMOS composite solution was attached was air-dried at room temperature for 24 hours and dried at 100 ° C. for 1 hour. Thereafter, the resultant was baked at 400 ° C. for 1 hour in an air flow at 1 liter / min to obtain a mesoporous silica thin film having a 2d-hexagonal structure and a thickness of 0.4 μm.
[0099]
(Preparation of thin metal wire inclusion film)
Using a safety razor on the obtained mesoporous silica thin film, a new through-hole was formed at an interval of about 0.5 mm diagonally to the orientation plane. The mesoporous silica thin film was put into a vacuum device equipped with a vacuum pump (manufactured by Vacuum Kiko; GVD-050A) capable of controlling the temperature, and evacuated for 24 hours. 1 wt% H as metal ion containing solution2PtCl615 wt% H solution2PtCl65 cc, 10 cc of water, and 10 cc of ethanol were prepared, and a mesoporous silica thin film evacuated was put into this solution, and ultrasonic dispersion was performed for 10 minutes in an ultrasonic cleaner (manufactured by SND; US-1). Impregnated for 24 hours. The mesoporous silica thin film was pulled up, and the thin film was put again in a vacuum device in a state where the carrier liquid adhering to the thin film surface was left without being removed, and evacuated for 24 hours. Thereafter, the temperature was set to 25 ° C., and the thin film was exposed to steam having a vapor pressure of 10 Torr for 10 minutes by introducing steam having a vapor pressure of 10 Torr into the vacuum apparatus. Similarly, methanol (reducing agent) having a vapor pressure of 10 Torr was removed. The reducing agent vapor was introduced into the pores of the mesoporous silica thin film by exposing the thin film to the vapor for 10 minutes.
[0100]
Note that the state in which the carrier liquid is left without being removed in the present embodiment means that the carrier liquid is approximately 70 μl / cm on the thin film surface.2It is in a state of being attached, and the amount of metal ions carried on the entire thin film is about 0.7 μg / cm.2Was calculated. The amount of metal ions carried on the entire thin film was 1 cm of a 0.4 μm thick thin film.2It was expressed by the supported amount per unit.
[0101]
(Formation of fine metal wires by photoreduction)
Ultraviolet light (wavelength 365 nm, light intensity 13 mW / cm) was applied to the thin film in which the reducing agent had been introduced using an ultra-high pressure mercury lamp (manufactured by Ushio Inc., part number UXM-500SX).2) For 72 hours4+To Pt0Of metal. The light intensity at the sample position was 7 mW / cm.2Met. After that, vacuum drying was performed at room temperature for 6 hours to remove residual gas.
[0102]
As a result, as shown in a transmission electron microscope (TEM) photograph (manufactured by JEOL Ltd., JEM2000EX) of FIG. 2, platinum metal forms a rod-shaped fine metal wire in the pores of the periodic structure (8 nm) of the mesoporous silica thin film. It was confirmed that. It was confirmed that this fine metal wire had an average diameter of 6 nm, an average aspect ratio of 30, and a length of 100 to 200 nm. From FIG. 2, it was also confirmed that the fine metal wires in the pores were arranged in parallel without intersecting with the adjacent fine metal wires.
[0103]
Comparative Example 1
A mesoporous silica thin film was produced in the same manner as in Example 1. Next, in the preparation of the thin metal wire inclusion thin film in Example 1, the mesoporous silica thin film was pulled up from the supporting liquid, the supporting liquid attached to the thin film surface (outside the pores) was wiped off, and then the thin film was put again in the vacuum device for 24 hours. A thin metal wire clathrate thin film was obtained in the same manner as in Example 1 except that the vacuum evacuation was performed. The amount of metal ions carried on the entire thin film in this comparative example was 1.7 × 10-4μg / cm2Was calculated. The amount of metal ions carried on the entire thin film was 1 cm of a 0.4 μm thick thin film.2It was expressed by the supported amount per unit.
[0104]
As a result, as shown in the TEM photograph of FIG. 3, no fine metal wire was formed in the pores of the mesoporous silica thin film, and it was confirmed that metal particles were sparsely deposited in the pores of the thin film.
[0105]
Example 2
In the preparation of the mesoporous silica thin film in Example 1, 4.1 ml of an aqueous HCl solution (a) was prepared by adding 200 μl of a 2N aqueous HCl solution to 30 ml of water. Octadecyl ammonium chloride (hereinafter referred to as "C18TMACl ”) using 3.41 g (0.010 mol) of H2A surfactant solution was obtained in the same manner as in Example 1, except that the mixture was mixed with 10 ml of O and heated to 50 ° C. while stirring with a magnetic stirrer to dissolve the surfactant. A mesoporous silica thin film was obtained in the same manner as in Example 1 except that the aqueous HCl solution (a) and the surfactant solution were used. This thin film had a thickness of 0.4 μm and had a 3d-hexagonal structure.
[0106]
Further, a thin metal wire clathrate thin film was obtained in the same manner as in Example 1, except that the obtained mesoporous silica thin film having a 3d-hexagonal structure was used. Note that the state in which the carrier liquid is left without being removed in the present embodiment means that the carrier liquid is approximately 70 μl / cm on the thin film surface.2It is in a state of being attached, and the amount of metal ions carried on the entire thin film is about 0.7 μg / cm.2Was calculated. The amount of metal ions carried on the entire thin film was 1 cm of a 0.4 μm thick thin film.2It was expressed by the supported amount per unit.
[0107]
As a result, as shown in the TEM photograph of FIG. 4, it was confirmed that platinum metal formed a necklace-shaped fine metal wire in the pores of the periodic structure (4 nm) of the mesoporous silica thin film. It was confirmed that this thin metal wire had an average diameter of 1.5 nm, an average aspect ratio of 100, and a length of 100 to 200 nm. Further, it was confirmed from FIG. 4 that the fine metal wires in the pores were arranged in parallel without intersecting with the adjacent fine metal wires.
[0108]
Example 3
A mesoporous silica thin film was obtained in the same manner as in Example 2. This thin film had a thickness of 0.4 μm and had a 3d-hexagonal structure. Further, a thin metal wire clathrate thin film was obtained in the same manner as in Example 1, except that the obtained mesoporous silica thin film having a 3d-hexagonal structure was used. Note that the state in which the carrier liquid is left without being removed in the present embodiment means that the carrier liquid is approximately 70 μl / cm on the thin film surface.2It is in a state of being attached, and the amount of metal ions carried on the entire thin film is about 0.7 μg / cm.2Was calculated. The amount of metal ions carried on the entire thin film was 1 cm of a 0.4 μm thick thin film.2It was expressed by the supported amount per unit.
[0109]
As a result, as shown in the TEM photograph of FIG. 5, it was confirmed that platinum metal formed a fine metal wire in the pores of the periodic structure (4 nm) of the mesoporous silica thin film. It was confirmed that this fine metal wire had an average diameter of 1.5 nm.
[0110]
In the above Examples 2 and 3, despite using the same mesoporous silica thin film having the 3d-hexagonal structure, metal beads having different shapes such as beads and nets were obtained. This is because, in a normal mesoporous silica thin film having a 3d-hexagonal structure, a certain pore and a pore adjacent thereto are three-dimensionally bonded to each other, so that the network-like thin metal wire shown in Example 3 is formed. Then, the present inventors speculate. However, the mesoporous silica thin film of Example 2 was subjected to uniaxial compressive stress, the pores of the thin film were crushed, and only the specific uniaxial pores became effective. The present inventors speculate that a rosary-shaped fine metal wire was obtained.
[0111]
Example 4
In the preparation of the mesoporous silica thin film in Example 1, 4.1 ml of an aqueous HCl solution (a) was prepared by adding 200 μl of a 2N aqueous HCl solution to 30 ml of water. As a surfactant, C18Using 5.67 g (0.017 mol) of TMACl,2A surfactant solution was obtained in the same manner as in Example 1, except that the mixture was mixed with 10 ml of O and heated to 50 ° C. while stirring with a magnetic stirrer to dissolve the surfactant. A mesoporous silica thin film was obtained in the same manner as in Example 1, except that the aqueous HCl solution (a) and the surfactant solution were used and the relative humidity in the thin film forming step was set to 70%. This thin film had a thickness of 0.4 μm and was confirmed to have a cubic structure.
[0112]
Also, a thin metal wire clathrate thin film was obtained in the same manner as in Example 1 except that the obtained mesoporous silica thin film having a cubic structure was used. Note that the state in which the carrier liquid is left without being removed in the present embodiment means that the carrier liquid is approximately 70 μl / cm on the thin film surface.2It is in a state of being attached, and the amount of metal ions carried on the entire thin film is about 0.7 μg / cm.2Was calculated. The amount of metal ions carried on the entire thin film was 1 cm of a 0.4 μm thick thin film.2It was expressed by the supported amount per unit.
[0113]
As a result, as shown in the TEM photograph of FIG. 6, it was confirmed that platinum metal formed a reticulated metal fine wire in the pores of the periodic structure (11 nm) of the mesoporous silica thin film. It was confirmed that this metal thin wire had an average diameter of the spherical portion of 4 nm.
[0114]
Examples 5 to 8
(Preparation of mesoporous silica thin film)
A mesoporous silica thin film was obtained in the same manner as in Example 2. This thin film had a thickness of 0.4 μm and had a 3d-hexagonal structure.
[0115]
(Preparation of metal thin wire inclusion thin film using second manufacturing method)
New through holes were formed in the obtained mesoporous silica thin film using a safety razor at an interval of about 1 mm diagonally to the orientation plane. Thereafter, the mesoporous silica thin film was placed in a vacuum device (a device similar to that in Example 1) capable of controlling the temperature, and the vacuum was evacuated for 24 hours. The supporting liquid was prepared by mixing the raw material compounds and the solvents shown in Table 1 at a weight ratio (wt%) or a volume ratio (Vol ratio), and a evacuated mesoporous silica thin film was added to this solution. Similarly, ultrasonic dispersion was performed for 10 minutes, and impregnation was performed for 24 hours. The mesoporous silica thin film was pulled up, and the thin film was put again in a vacuum device in a state where the carrier liquid adhering to the thin film surface was left without being removed, and evacuated for 24 hours. Thereafter, the temperature was set to 25 ° C., and the thin film was exposed to steam having a vapor pressure of 10 Torr for 10 minutes by introducing steam having a vapor pressure of 10 Torr into the vacuum device. The reducing agent vapor was introduced into the pores of the thin film by exposing the thin film to the vapor of the agent for 10 minutes.
[0116]
The temperature of the vacuum device containing the mesoporous silica thin film into which the reducing agent vapor has been introduced is raised in 2 hours to a temperature shown in Table 1 by controlling a heater using a PID controller, and the temperature is shown in Table 1 The metal ions were reduced by applying heat only for a period of time and the vacuum was cooled to 25 ° C over 2 hours. By such a method, the thin metal wire inclusion thin films of Examples 5 to 8 were obtained.
[0117]
Note that the state in which the carrier liquid was left without being removed in Examples 5 to 8 means that the carrier liquid was approximately 70 μl / cm on the thin film surface.2It is in a state of being attached, and the amount of metal ions carried on the entire thin film is about 0.7 μg / cm.2Was calculated. The amount of metal ions carried on the entire thin film was 1 cm of a 0.4 μm thick thin film.2It was expressed by the supported amount per unit.
[0118]
[Table 1]
[0119]
FIGS. 7 to 10 show TEM photographs of the obtained thin metal wire inclusion films of Examples 5 to 8. FIG. 7 is a TEM photograph of a thin metal wire cladding thin film having a bar-shaped thin metal wire made of gold obtained in Example 5. It was confirmed that this metal thin wire had an average diameter of 6.8 nm, an aspect ratio of 5 or more, and a length of more than 200 nm.
[0120]
FIG. 8 is a TEM photograph of a thin metal wire clathrate having a bar-shaped thin metal wire made of silver obtained in Example 6. It was confirmed that this metal thin wire had an average diameter of 6.9 nm, an average aspect ratio of about 10, and a length of 150 nm or more.
[0121]
FIG. 9 is a TEM photograph of a thin metal wire inclusion thin film having a rod-shaped thin metal wire made of nickel obtained in Example 7. It was confirmed that this thin metal wire had an average diameter of 7.0 nm, an average aspect ratio of about 10, and a length of 150 nm or more.
[0122]
FIG. 10 is a TEM photograph of a thin metal wire inclusion thin film having a rod-shaped thin metal wire made of copper obtained in Example 8. It was confirmed that this fine metal wire had an average diameter of 6.5 nm, an aspect ratio of 5 or more, and a length of 100 nm or more.
[0123]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, it is possible to obtain a thin metal wire inclusion film having a sufficient aspect ratio and having a uniform array of thin metal wires. As a result, it is possible to apply the present invention to a quantum device or a catalyst used by attaching electrodes to both ends of the thin metal wire.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view showing the shape of each of fine metal wires formed in pores of a mesoporous silica thin film.
FIG. 2 is a view showing a scanning electron micrograph (magnification: 200,000 times) of the thin metal wire clathration thin film obtained in Example 1.
FIG. 3 is a view showing a scanning electron micrograph (magnification: 100,000 times) of the thin metal wire inclusion thin film obtained in Comparative Example 1.
FIG. 4 is a view showing a scanning electron micrograph (magnification: 250,000 times) of the thin metal wire clathration thin film obtained in Example 2.
FIG. 5 is a view showing a scanning electron micrograph (magnification: 100,000 times) of the thin metal wire clathration thin film obtained in Example 3.
FIG. 6 is a view showing a scanning electron micrograph (magnification: 100,000 times) of the thin metal wire clathration thin film obtained in Example 4.
FIG. 7 is a scanning electron micrograph (magnification: 100,000 times) of the thin metal wire clathration thin film obtained in Example 5.
FIG. 8 is a view showing a scanning electron micrograph (magnification: 150,000 times) of the thin metal wire clathration thin film obtained in Example 6.
FIG. 9 is a view showing a scanning electron micrograph (magnification: 73,000 times) of the thin metal wire clathration thin film obtained in Example 7.
FIG. 10 is a scanning electron micrograph (magnification: 73,000 times) of the thin metal wire clathrate obtained in Example 8.
Claims (12)
前記メソポーラスシリカ薄膜の細孔内に形成されている平均直径が1〜50nmであり、かつ平均アスペクト比が5以上である金属細線と、
を備えることを特徴とする金属細線包接薄膜。A mesoporous silica thin film having a thickness of 1 μm or less and a central pore diameter of 1 to 50 nm;
A fine metal wire having an average diameter of 1 to 50 nm formed in the pores of the mesoporous silica thin film and an average aspect ratio of 5 or more;
A thin metal wire clathrate thin film comprising:
前記金属イオン担持工程から得られたメソポーラスシリカ薄膜の細孔外に担持された前記金属イオンを除去することなく残存せしめた状態で還元剤の蒸気に接触せしめ、前記メソポーラスシリカ薄膜の細孔内に前記還元剤蒸気を導入する還元剤導入工程と、
前記還元剤導入工程から得られたメソポーラスシリカ薄膜に光を照射して前記金属イオンを還元せしめ、前記メソポーラスシリカ薄膜の細孔内に前記金属からなる金属細線を形成せしめる光還元工程と、
を含むことを特徴とする金属細線包接薄膜の製造方法。Contacting a solution containing ions of a predetermined metal with a mesoporous silica thin film having a film thickness of 1 μm or less and having a central pore diameter of 1 to 50 nm, inside and outside the pores of the mesoporous silica thin film A metal ion supporting step of supporting the metal ions,
The metal ions supported outside the pores of the mesoporous silica thin film obtained from the metal ion supporting step were brought into contact with the vapor of the reducing agent in a state where the metal ions were left without being removed, and were placed in the pores of the mesoporous silica thin film. A reducing agent introducing step of introducing the reducing agent vapor,
A photoreduction step of irradiating the mesoporous silica thin film obtained from the reducing agent introduction step with light to reduce the metal ions, and forming a thin metal wire made of the metal in pores of the mesoporous silica thin film,
A method for producing a thin metal wire clathrate thin film, comprising:
を更に含むことを特徴とする、請求項5に記載の金属細線包接薄膜の製造方法。Before the reducing agent introduction step, a vacuum evacuation step of evacuating water in pores of the mesoporous silica thin film,
The method for producing a thin metal wire inclusion thin film according to claim 5, further comprising:
を更に含むことを特徴とする、請求項5又は6に記載の金属細線包接薄膜の製造方法。Before the reducing agent introduction step, a water vapor introduction step of introducing water vapor into the pores of the mesoporous silica thin film,
7. The method for producing a thin metal wire inclusion thin film according to claim 5, further comprising:
を更に含むことを特徴とする、請求項5〜7のうちのいずれか一項に記載の金属細線包接薄膜の製造方法。Before the metal ion supporting step, a hole forming step of providing a new through hole connecting the inside of the pore and the outside on the surface of the mesoporous silica thin film,
The method for producing a thin metal wire clathrate thin film according to any one of claims 5 to 7, further comprising:
前記金属イオン担持工程から得られたメソポーラスシリカ薄膜の細孔外に担持された前記金属イオンを除去することなく残存せしめた状態で還元剤の蒸気に接触せしめ、前記メソポーラスシリカ薄膜の細孔内に前記還元剤蒸気を導入する還元剤導入工程と、
前記還元剤導入工程から得られたメソポーラスシリカ薄膜に熱を加えて前記金属イオンを還元せしめ、前記メソポーラスシリカ薄膜の細孔内に前記金属からなる金属細線を形成せしめる熱還元工程と、
を含むことを特徴とする金属細線包接薄膜の製造方法。Contacting a solution containing ions of a predetermined metal with a mesoporous silica thin film having a film thickness of 1 μm or less and having a central pore diameter of 1 to 50 nm, inside and outside the pores of the mesoporous silica thin film A metal ion supporting step of supporting the metal ions,
The metal ions supported outside the pores of the mesoporous silica thin film obtained from the metal ion supporting step were brought into contact with the vapor of the reducing agent in a state where the metal ions were left without being removed, and were placed in the pores of the mesoporous silica thin film. A reducing agent introducing step of introducing the reducing agent vapor,
A heat reduction step of applying heat to the mesoporous silica thin film obtained from the reducing agent introduction step to reduce the metal ions, and forming a thin metal wire made of the metal in pores of the mesoporous silica thin film,
A method for producing a thin metal wire clathrate thin film, comprising:
を更に含むことを特徴とする、請求項9に記載の金属細線包接薄膜の製造方法。Before the reducing agent introduction step, a vacuum evacuation step of evacuating water in pores of the mesoporous silica thin film,
The method for producing a thin metal wire inclusion film according to claim 9, further comprising:
を更に含むことを特徴とする、請求項9又は10に記載の金属細線包接薄膜の製造方法。Before the reducing agent introduction step, a water vapor introduction step of introducing water vapor into the pores of the mesoporous silica thin film,
The method for producing a thin metal wire inclusion thin film according to claim 9, further comprising:
を更に含むことを特徴とする、請求項9〜11のうちのいずれか一項に記載の金属細線包接薄膜の製造方法。Before the metal ion supporting step, a hole forming step of providing a new through hole connecting the inside of the pore and the outside on the surface of the mesoporous silica thin film,
The method for producing a thin metal wire inclusion thin film according to any one of claims 9 to 11, further comprising:
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JP2002264731A JP2004099385A (en) | 2002-09-10 | 2002-09-10 | Metallic thin wire-including thin film and method of manufacturing the same |
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Cited By (2)
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JP2005166755A (en) * | 2003-11-28 | 2005-06-23 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | Quantum element and its manufacturing method |
WO2023201117A3 (en) * | 2022-04-15 | 2024-07-25 | Atlas Magnetics Incorporated. | Method and apparatus for a novel high-performance conductive metal-based material |
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2002
- 2002-09-10 JP JP2002264731A patent/JP2004099385A/en active Pending
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