JP2004097976A - 貯水槽における微生物増殖抑制装置及びその運転方法 - Google Patents

貯水槽における微生物増殖抑制装置及びその運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】比較的簡単な構成で十分な微生物の増殖抑制効果を発揮することができ、規模の大小を問わずあらゆる精製水貯水設備に適した貯水槽における微生物増殖抑制装置を提供する
【解決手段】本発明では、塩化物、塩素イオン等を含まない精製水においても、貯水規模の大小を問わず、安定した微生物制御効果を持ち、低コストかつ安全で保守し易い微生物増殖制御手段として、貯留水容器中に設けた電極に所定の電流を投入して水を電気分解することにより、電極間にOHラジカル、過酸化水素(H)等の活性酸素種を発生させ、貯留水中に活性酸素種発生の目安となる過酸化水素濃度を所定の範囲に保つことで貯留水中の微生物増殖を抑制する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、精製水を貯える貯水槽に関し、特に細菌などの微生物の増殖を抑制する装置を備えた貯水槽に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
逆浸透膜ろ過、蒸留等で精製された精製水は、精製過程において精製前原水に含まれる汚染物質、水和イオン、細菌等の微生物がほとんど取り除かれている。しかしながら、これらの精製水を貯水容器中で貯水する際、精製装置および貯水容器接水面が連結水路を含めて大気に触れない密閉状態にあって、貯留する水が超純水レベルに精製されている場合にも、微生物の繁殖が確認されている。医薬品、集積回路製造等厳密な精製水の純度と微生物増殖制御管理が必要な場合には、精製装置、貯水容器、連結水路を完全閉鎖回路とし、水路中に殺菌装置を設置した上で管理責任者を置いて頻繁に検査、管理を行っている。
【0003】
しかし、このような厳密さが要求されない小規模な精製水使用現場では、精製水を蓋付容器に貯留し必要に応じて取出し使用している。精製水を蓋付貯水容器に貯留した場合、精製装置から貯水容器への精製水の流入、貯水容器からの取水に際し空気の出入りがあり、空気の出入りに従って混入する浮遊塵埃、浮遊微生物により、精製水が汚染される。貯水容器内に入り込んだ微生物の内、生存、繁殖に多くの栄養素を必要とするものは繁殖が制約されるが、貧栄養環境のもとで繁殖できる細菌類、水中に溶解した窒素、炭酸ガスを固定できる細菌類は、多種細菌の共存による繁殖制約を受けないため盛んに繁殖し24時間で10個に達することもある。
【0004】
そこで、貯水容器中の精製水における微生物の増殖を抑制するため、従来は紫外線照射或はオゾン注入が行われていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
紫外線照射は比較的簡単な構造と取り扱いのために多く使用されているが、紫外線は水中で散乱吸収されるため、紫外線が入射した表層部しか作用が及ばず、表層から離れた箇所での微生物増殖抑制効果は期待できない。また、紫外線ランプの有効寿命は数百時間しかないため、ランプ状態のチェックやランプ交換等を頻繁に行わないと、照射能力の低下やランプ切れのために微生物制御がなされていない状態で継続使用してしまう危険性があり、ランプ交換コストを含めて使用者の負担が大きい。さらに紫外線ランプを水中設置する場合は、水密パッキンの劣化対策にコストがかかり、水面上から照射する場合は、紫外線により発生するオゾンの漏れ対策を充分に行って安全性を確保する必要がある。
【0006】
一方、オゾン注入の場合、オゾンは強い酸化力があり人体粘膜を激しく侵食する危険な気体であるので、オゾン発生装置から貯留水への吹き込みノズルまでのオゾン流路の材料選定と管理、貯留水から気中に放散される余剰オゾンの消去装置などの安全対策が必要な他、オゾン発生を安定化するための原料空気の湿度管理、原料空気に含まれる浮遊塵埃による精製水の汚染を防止するためのフィルター管理等が必要で、製造と保守管理にコストがかかる。
【0007】
本発明は、上述した諸点に鑑みてなされたものであり、比較的簡単な構成で十分な微生物の増殖抑制効果を発揮することができ、規模の大小を問わずあらゆる精製水貯水設備に適した貯水槽における微生物増殖抑制装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明の貯水槽における微生物増殖抑制装置は、貯水槽内の水中に配置される一対の電極と、該電極間に電流を流すための電源とを備えたことを特徴としている。
【0009】
貯水槽に蓄えられる水は、塩素等のハロゲンおよびハロゲン化合物含有量が0.5mg/L以下で、電気伝導度1〜30μS/cmであることが好ましい。
【0010】
また、本発明では、槽中に設置された電極間に、貯水量1Lに対し1mA〜30mAの電流を流すことが好ましい。
【0011】
また、本発明では、電極に電流を投入する電解時間と電流を停止する休止時間が設定され、電解時間時間と休止時間の比が10:1〜1:50であり、電流投入開始毎に電流を流す方向を反転させることが好ましい。
【0012】
また、本発明では、貯水槽内の水位を検出する水位検出装置と、該水位検出手段の出力に基づいて電極が水面から露出する場合は、電極への通電を停止する制御手段を備えることが好ましい。
【0013】
さらに、本発明では、貯水槽内に2価又は3価の金属酸化物を含有する部材を配置することが好ましい。
【0014】
【作用】
本発明では、塩化物、塩素イオン等を含まない精製水においても、貯水規模の大小を問わず、安定した微生物制御効果を持ち、低コストかつ安全で保守し易い微生物増殖制御手段として、貯留水容器中に設けた電極に所定の電流を投入して水を電気分解することにより、電極間にOHラジカル、過酸化水素(H)等の活性酸素種を発生させ、貯留水中に活性酸素種発生の目安となる過酸化水素濃度を所定の範囲に保つことで貯留水中の微生物増殖を抑制する。
【0015】
塩化物および塩素イオンを含まない電気伝導度1μS/cmの精製水を貯留する容器に設置した電極間に電流を投入したところ、精製水中に予め加えておいた一般細菌が、電流を投入しない場合に比べ、有意に減少する結果が得られた。この時の水をESR法で計測したところ、細菌の減少が見られた水には、OHラジカル信号が見られ電解によりOHラジカルおよびOHラジカル発生原料のHが生成溶存していることが観測された。
【0016】
この方法によれば、殺菌、制菌成分は水由来の酸素および水素の化合物であり、他の元素を必要としないので、精製水を汚染することがなく、pH等の化学的変化がほとんど起きず、塩素成分を含まないので危険なトリハロメタン等の有機塩素化合物を生成する恐れもない。
【0017】
精製水を貯留する貯水槽内に設置した電極に、貯水量1Lあたり1mA〜30mAの電解電流を流すことにより、電極間にOHラジカルが発生する。電極間の水中に存在する細菌、有機物はこのOHラジカルにより酸化され、殺菌、分解される。陽極、陰極に挟まれた電極間にある細菌は、両極によってできる電位場によっても細胞膜電位が破壊されることで殺菌される。殺菌、分解で消費されないOHラジカルは、Hを生成し、生成されたHは貯留水中に分散する。貯留水中に分散したHは、細菌、有機物と出会ってこれらを酸化し水に戻る。細菌等と触れない場合は、時間と共に自己分解し、酸素を放出して水に戻る。
【0018】
さらに、貯水槽内に二価、三価の金属イオンを配置した場合、金属イオンにより酸化力の強いOHラジカルが発生し酸化力を発揮する。貯留水中の細菌の繁殖制御には目安となるH濃度が0.001mM/L以上あれば有効であり、1.0 mM/Lで1時間に千個単位の一般細菌を減少させる殺菌力を発揮する。(1mM/L=34mg/L=0.034w/v%)
【0019】
また、精製水中のH濃度が0.034mg/L以上あれば、細菌の増殖を有意に制御できることが観測された。
【0020】
電解を適当な時間間隔をおいて行うことで、0.001mM/L〜1.0mM/L濃度のHが貯留精製水中に存在する状態を保つことができる。
【0021】
また、電解の結果発生する水素と酸素は、水中に溶け込むことで溶存ガス圧を上昇させ、細菌の栄養源となる空気中からの窒素および炭酸ガスの溶け込みを少なくし、細菌の増殖条件を阻害する効果もある。
【0022】
特に水素は、溶存する以外に微細気泡として水中に留まることで見かけ上過飽和状態となり、溶存濃度を補償するように働き、水の酸化還元電位を引き下げ、酸化抑制力のある水としての性格を貯留水に与える。一方、発生した酸素の一部は陰極表面で還元されHとなり、OHラジカル発生の供給源となる。
【0023】
電極表面で発生した水素および酸素の気泡は、電極間を上昇することで、電極間に上昇水流を発生させ、貯水槽内の水を循環させて槽内の未接触水を電極間に供給する。ポンプ等の水流発生装置を用いることなく電極間の上昇流を確保するためには、電極表面に生成する水素、酸素のガス気泡を電極間において滞留させないようにする必要がある。
【0024】
特に、電極間に隔膜を設けない場合は、電極間で気泡が滞留、成長する傾向があり、電解能率を上げるために電極間隔を狭くすると、電解能率は上がるが、気泡滞留が生じ上昇水流が阻害される結果、電極間で電解生成物の再還元などの二次反応と貯水槽内水の循環不足により、かえって貯水槽全体の殺菌・制菌能率が低下する。
【0025】
実験によると、電極間距離は1mm以上であることが望ましく、さらには、1.5〜5mmに設定するのが電解能率と貯水槽全体の殺菌・制菌能率の双方から見て望ましい。
【0026】
電解に必要な電流は、貯水量1Lあたり1.0mA〜30mAで、貯水槽内水の殺菌・制菌が可能であるが、貯水槽表面の汚れ、付着菌数、貯水槽の密閉度、通気口からの細菌、浮遊物質の進入制御程度、貯水原水の初発菌数等の条件により、OHラジカルおよびHの必要度が異なり、従って必要な電解電流量が異なる。
使用始め、あるいは使用休止後の再使用開始にあたり、貯水槽内に貯水量1Lあたり0.1g程度のNaClまたはKCl等の塩化物を投入して電解し、0.5mg/L以上の次亜塩素酸等の有効塩素種を発生させて、貯水槽内の殺菌・付着有機物の分解除去を行って、いったん槽内の水を排出した後、精製水の貯水を始めることにより、20mA/Lの電流で貯水槽の殺菌・制菌が充分可能となる。
【0027】
この際、塩化物と共に無機酸あるいは有機酸を添加し、槽内水をpH6以下の酸性にすると、ハロメタン類の発生を防ぐとともに有効塩素の酸化力が数十倍〜数百倍強くなるので、より効果的である。
【0028】
本発明は、精製水レベルの水を貯水する貯水槽に関するものであるので、貯蔵水を汚染しないために、例えば白金族あるいはチタン表面に白金族層を形成した不溶性電極を使用するのが好ましいが、陽極においてごく微量ながら電極表面の溶出があり、長期に使用した場合、表面層が消耗する。電極表面層の消耗対策として、貯水中の細菌制御に有効な0.001mM/L〜1.0mM/L濃度のHが保持できる条件を前提にした上で、連続的に電解することなく、電解時間の1/10〜50倍時間の電解休止を設けること、および休止後の電解再開にあたり電極に流す電流の極性を反転させることで、高価な電極表面白金族の消耗を少なくし、耐用年数を延長することができる。
【0029】
【発明の実施形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明を実施した貯水槽の断面図で、装置に精製水等を供給するろ過装置などは図示されていない。また、電源装置の内部回路等は省略している。
【0030】
図1において、貯留される精製水は、注水口8から貯留水容器1に供給され、貯水された後、必要に応じて止水栓10を開くことで取水口9から取出される。貯水槽内貯留水の取出しは、図示しないポンプ等により汲み上げられる場合もある。貯留水容器1に供給される精製水は、図示しない水位検出装置により、上限設定水位16に達すると供給が停止され、取水や蒸発により水位が上限設定水位16から下がると再び供給される。
【0031】
蓋2は貯留水容器1の上面を閉じるが、貯留水容器1との隙間から大気中の塵埃や浮遊微生物が入らないよう、密閉できる構造のものが望ましい。蓋2あるいは貯留水容器1の上限設定水位16より上方部には通気口3が設けられ、精製水の供給や取水に従って生じる水位変動による空気の出入口となるが、通気口を通じて大気中の塵埃や微生物等が貯留水容器1に入り込むことを防ぐために、孔径1μm以下のフィルター4を設けるのが望ましい。さらには、前記フィルターの目詰まりを防ぐために、比較的大きな粒子を捕捉するプレフィルター5を設けるのが望ましい。この装置が塵埃、繊維埃、油滴などが発生し易い環境で使用される場合、プレフィルターの設置は有効な目詰まり対策となる。前記フィルター4、プレフィルター5は、必要に応じて交換できる構造であることが望ましい。
貯留水容器1の底部付近には電極6、7が設置され、導線12を通じて電源装置kから電解電流を投入し、貯留水の一部を電気分解し活性酸素種を発生させることで貯留水中の微生物増殖を制御する。
【0032】
電極6,7間に電圧をかけると、電極6,7間にある水は電気分解され、酸素ガスと水素ガスに分解されるが、同時に中間生成物としてOHラジカルおよび過酸化水素等の活性酸素種が発生し水中の微生物や汚染物質を酸化分解する。電極6,7間の水は、発生する酸素、水素の気泡の上昇につれて上昇し、電極間の水を入れ替える循環流を貯留水容器内に発生させると同時に、電解の結果生成した過酸化水素などを拡散させる。ポンプ等の水流発生装置を用いることなく、効率の良い循環流を発生させるためには、電極間距離が重要で電極間距離が小さすぎると、発生した気泡が電極間を塞ぐ形で滞留したまま電極の表面から離れずに成長し、他の気泡や電極間の水の上昇を阻害して循環流量を少なくする。気泡の滞留により電極間の水の移動速度が小さくなると、電解により発生する中間生成物が電極間を移動する間に再電解される結果、発生する過酸化水素量が減少する。さらに、気泡のために電極の有効表面積に変化が生じ、電解電流が不安定になり、それらの結果貯留水の微生物制御効果が悪くなる。
【0033】
反対に電極間距離を大きくすると、気泡の橋掛けによる滞留は起きないが、電極間が離れすぎると、かえって気泡が電極表面から離れずに成長する傾向が見られ電極間にある水の上昇速度が小さくなる。また、同じ電解電流を確保するための必要電極間電圧は電極間距離に比例して高なり、微生物制御に必要な電力消費が大きくなり、電源および通電部の耐電圧要求と容量が大きくなるため製造コストを押し上げる。
【0034】
実験によれば、電気伝導度1μS/cmの貯留水を電解する場合、電極間距離1.5〜7mmが電源11および通電部12に一般的でない部品を使用せずに微生物制御可能な0.01mM/L(0.34mg/L)以上の過酸化水素を発生できる範囲であり、安定した循環流と制菌効果を得るためには、電極間を1.5〜5mmに設定するのが望ましい。さらに、貯留水の水質範囲、制菌効果の安定性、製造コストのバランスを考慮すると電極間は3〜4mmに設定するのが望ましい。
【0035】
電極6,7に電流を供給する電源11は、電解電流が貯留水質の電気伝導度変化による影響を受けない定電流電源にすることが効果の安定性から望ましい。また、電源11にタイマー機構を設けることで、貯留する水の状態によって電解する時間と電解を休止する時間割合を設定し、貯留水中の過酸化水素濃度を所定の濃度範囲に制御することができる。
【0036】
本装置の目的から電極6,7の表面は、電解時に水中に電極材料が溶出しない不溶性電極であることが必要で、電極6,7の表面は白金、白金族金属あるいは白金属合金を用いるのが好ましい。
【0037】
電解は、交流でも直流でも可能であるが、電極寿命を考慮した場合、直流の方が電極表面の消耗が少なく有利である。
【0038】
電極に投入する電流は、対向電極面積あたり1A/100cmを超えると電極表面の消耗が大きくなるが、面積あたりの電流を少なくしすぎると必要な電極面積が大きくなってコスト高になるため、0.3〜0.8A/100cmに設定するのが望ましい。
【0039】
微生物の制御に必要な濃度の過酸化水素を発生、保持するための電解電流は、貯水する水の微生物および有機物による汚染度と貯水装置の構造等の条件に左右されるが、精製水レベルで初発菌数が10単位以下の水を、ろ過装置などに接続する水路、貯水槽と蓋の接続部、通気口等から塵埃、微生物が入らない構造で、接水部が清潔な状態で貯水を始める場合は、貯水量あたり1mA/L以上の電流で、50時間に1時間程度の割合で電解を行うことで、水中の微生物を制御することが可能である。一方、供給される水に含まれる微生物や有機物が多い場合や、貯水容器に微生物、塵埃が入り易い構造であったり、貯水を始める際の貯水容器内壁が汚れている場合は、水中の微生物を減少させて増殖を制御するには30mA/Lの電流が必要なこともある。
【0040】
貯留水容器1から取出された水に含まれる過酸化水素は、大気開放下における自然分解と、水に含まれる極微量(ppbレベル)の金属イオンの触媒作用によって分解され酸素を放出して水に戻ることで経時的に減少する。飲食に使用する水を貯留する場合、取出された水を飲食する際に食品衛生法に定める検査によって検出されないことが必要であるため、貯留時の過酸化水素濃度の上限を1.0mM/L(34mg/L)以下に設定するのが望ましい。
【0041】
取出す水の過酸化水素濃度を減少させる積極的な手段として、取出し水路17あるいは取出し口9を2価あるいは3価金属酸化物を含むセラミック等で構成するか、または取出し口q付近に2価あるいは3価金属酸化物を含むセラミック等を設置し、取出す水を接触させると、過酸化水素の分解と、その際に発生するOHラジカルの働きにより水中の微生物を殺す効果の向上を図ることができるので、過酸化水素濃度の上限を上記より高く設定することができる。
【0042】
本装置の電解電流電源を定電流電源にすると、装置の使用はじめおよび長期の使用中断後に再使用する際には、たとえば、通気口3等から貯留水容器1内に微量の食塩、塩化カリウムなどの塩化物を投入し、電解し、貯留水中に次亜塩素酸等の有効塩素を発生させ殺菌と汚染物質の酸化分解を行った後排水することで、貯水槽内が清浄化され初発菌数、汚れの少ない状態で貯水を始めることができる。食塩、塩化カリウム等の投入量は、貯水1Lあたり0.1g(100ppm)以上あれば有効であるが、確実な効果と貯留水容器1内に発生した有効塩素と添加した塩化物の影響を残さないためには0.2g/L〜1g/Lの添加が望ましい。
【0043】
さらには、塩化物と一緒に酸を加えて、貯水容器内の水を酸性にすると、有効塩素の酸化能が数十倍〜数百倍強くなり、より確実に清浄化することができ、塩化物のナトリウム、カリウムイオンなどによって貯留水のpHがアルカリ性になることを防ぎ、ハロメタン類の生成を押えることができる。この時に加える酸は無機酸でも有機酸でも良いが、酢酸は貯水槽に酢酸臭が残るので精製水の使用目的によっては使用しない方が良い。
【0044】
上限設定水位を検出する水位検出装置を含む水位制御装置がじゅうぶんに信頼の置けるものでない場合、オーバーフロー管14を設けてオーバーフロー水を排出するが、オーバーフロー排水路中に逆止弁15を設け、オーバーフロー管からの細菌、塵埃、昆虫等の貯水槽内への侵入防止をすることが望ましい。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、貯水槽内の水中に配置される一対の電極と、該電極間に電流を流すための電源とを備えることにより、貯水槽における微生物の増殖を抑制することのできる装置が実現される。
【0046】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した貯水槽の一例を示す断面図である。
a:貯水容器、b:蓋、c:通気口、d:フィルター、e:プレフィルター
f,g:電極、h:注水管、i:取水口、j:止水栓、k:電源装置
l:導線、m:外部電源、n:オーバーフロー管、o:逆止弁
p:上限設定水位、q:取出し水路

Claims (8)

  1. 貯水槽内の水中に配置される一対の電極と、該電極間に電流を流すための電源とを備えたことを特徴とする貯水槽における微生物増殖抑制装置。
  2. 貯水槽に蓄えられる水は、塩素等のハロゲンおよびハロゲン化合物含有量が0.5mg/L以下で、電気伝導度1〜30μS/cmであることを特徴とする請求項1記載の貯水槽における微生物増殖抑制装置。
  3. 前記電源は、定電流電源であることを特徴とする請求項1記載の貯水槽における微生物増殖抑制装置。
  4. 槽中に設置された電極間に、貯水量1Lに対し1mA〜30mAの電流を流すことを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の貯水槽における微生物増殖抑制装置。
  5. 電極に電流を投入する電解時間と電流を停止する休止時間が設定され、電解時間時間と休止時間の比が10:1〜1:50であり、電流投入開始毎に電流を流す方向を反転させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の貯水槽における微生物増殖抑制装置。
  6. 貯水槽内の水位を検出する水位検出装置と、該水位検出手段の出力に基づいて電極が水面から露出する場合は、電極への通電を停止する制御手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の貯水槽における微生物増殖抑制装置。
  7. 貯水槽内に2価又は3価の金属酸化物を含有する部材を配置したことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の貯水槽における微生物増殖抑制装置。
  8. 請求項1記載の貯水槽における微生物増殖抑制装置の運転方法であって、貯水槽の使い始め、或は使用休止後の再使用開始時に塩化物、あるいは塩化物と酸を容器中に投入し、電解することで貯水容器内の殺菌及び或は付着有機物の除去清掃を行うことを特徴とした運転方法。
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