JP2004097752A - マイナスイオン付加装置 - Google Patents
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Abstract
【目的】極めて簡便且安価に高密度マイナスイオン化させて、強い還元作用と高い反応性を保持する空気や水若しくは液状物となしうるマイナスイオン付加装置の提供。
【構成】絶縁性及び常磁性素材からなる中空管体の一方側端に閉塞蓋、他方側端に開口部を有し中空管体内の閉塞蓋近傍の中央位置に開口部方向に向って電子放射極が配設され、且該電子放射極配設位置より開口部に亘る内壁面には永久磁石若しくは電磁石を用いて磁力線バリヤーを形成し、而も電子放射極の配設位置下方の適宜位置には空気、水若しくは液状物を噴出噴霧させるオリフィスを装着させる装着口が設けられ、而も電子放射極に少なくともマイナス3000V以上のマイナス高電圧直流パルスを印加させる外部電源とによる構成。
【選択図】 図1
【構成】絶縁性及び常磁性素材からなる中空管体の一方側端に閉塞蓋、他方側端に開口部を有し中空管体内の閉塞蓋近傍の中央位置に開口部方向に向って電子放射極が配設され、且該電子放射極配設位置より開口部に亘る内壁面には永久磁石若しくは電磁石を用いて磁力線バリヤーを形成し、而も電子放射極の配設位置下方の適宜位置には空気、水若しくは液状物を噴出噴霧させるオリフィスを装着させる装着口が設けられ、而も電子放射極に少なくともマイナス3000V以上のマイナス高電圧直流パルスを印加させる外部電源とによる構成。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は空気や水若しくは塗料等の液状物を高密度のマイナスイオン状態で噴出若しくは噴霧させるマイナスイオン付加装置に係り、更に詳しくは密閉性の高い建物空間内に揮散滞留する揮発性有機化合物の分解消去や汚濁水の浄化、或いは塗着性と良好な塗膜形成のための塗装等には極めて好適なマイナスイオン付加装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年の建物施設は建築技術の向上と建築金物等の採用等とが相俟って密閉性が著しく高まっており、反面これら建物施設はその使用目的に合せて多様な内装が施されるものの、これら内装材は主に合成樹脂や合成繊維を素材として使用しているため可塑剤や安定剤或いは有機溶剤等が多量に配合されており、更には施工に際しての接着剤や塗料等にも極めて多種多量の有機溶剤が使用されていることから使用経過とともにこれらからの揮発性有機化合物が滲出揮散して建物施設内に揮散滞留し、これによる健康被害が惹起される所謂シックハウス症候群が社会的に大きな問題となっており、既に立法措置も講ぜられるに至っている。
【0003】
更に経済発展とともに産業活動に伴う排水や排煙は莫大量に昇り、これらによる大気や水質の汚染は極限に至っており、とりわけ農業やレジャー施設等に散布使用される膨大量の化学肥料と、且生活排水に混在する窒素やリン等により地下水の汚染はもとより湖沼を初め水景施設や神社仏閣の池、管理つり堀等においても、各種菌類や植物或いは微生物等が急速な繁殖をなし汚濁化による景観の阻害や、これらの繁殖による溶存酸素の欠乏が招来され臭気の発生ばかりか魚介類の養魚や遊魚も不能となる。
【0004】
加えて建物施設内や自動車或いは什器備品等には多彩な塗装が施されてなるものであるが、塗装は被着面との強固な塗着による被着面の保護と塗膜の均質性や光沢等の美感を創出させることにある。
これがため現状の塗装においては、予め選択された塗料を水若しくは有機溶剤で希釈のうえ、吹付けガンにより噴霧させて被着面への強固な塗着や色彩むらの消去及び均質な塗膜の形成を図るうえから少なくとも3層以上に亘る塗り重ねをせねばならず、而も塗料は水や有機溶剤で希釈し塗着させるものの塗料成分自体は使用素材毎に粒径やクラスター径も異るものであるから、形成された塗膜の光沢や美感等が使用素材により大きく異る問題を内在する。
【0005】
発明者はかかる状況に鑑み鋭意研究を重ねた結果、汚染された空気や水に少なくともそのイオン密度において20乃至30万個/cc以上の高密度マイナスイオンを混交させることにより、強力な還元作用が働き建物密閉空間内に揮散滞留する揮発性有機化合物や臭気等が容易に還元分解消去されること、並びに汚染水においては還元作用により浄化され且水中の混在する菌類や微生物類の繁殖が著しく抑制されること、及び塗装においては塗料中の水や有機溶剤の低クラスター化や解離の促進ばかりか、塗料成分の低クラスター化及び解離も促進され強固な塗着とともに密なる塗膜の形成がなされ極めて光沢や美感に優れる塗装が可能なることを究明している。
【0006】
而して高密度マイナスイオンの生成手段としは交流放電や直流放電による所謂放電方式を初め、放射性物質方式、紫外線方式、プラズマ方式、水破砕方式等が挙げられるが小型且簡便で安価な手段としては交流放電や直流放電方式が有利とされるもので、直流放電によるマイナスイオン生成の先願として実用新案登録第3066793号が開示されている。
【0007】
然るに該先願の如く直流高圧電源からの直流高圧を針状の放電電極部に印加させてマイナスイオンを発生させるものでは、マイナスイオンの発生には前提として該放電電極から多量の電子放射をなさしめてプラズマを生成させ、且生成されたプラズマの拡散消滅防止所謂短時間の封じ込めをなし、而して水分子やガス分子等のイオン化を図る過程が必要となる。
してみると該先願のように放電電極から電子放射がなされる放射空間は絶縁性の高い空気の且開放空間であるため、放電電極より多量の電子放射を図るためには極めて高電圧の直流を印加させる必要が生じ、反面放電電極近傍は絶縁性の高い空気であるから、高電圧の直流印加により極度にマイナス帯電化し電子放射が阻害されるばかりか、仮令多量の電子放射がなされても開放空間であるから、放電電極からの電子放射は多方向に拡散され且プラズマの生成はもとより封じ込めも不能となり到底高密度マイナスイオンの生成は実現しえない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
かかる実情に鑑み発明者は更に研究を重ねた結果、閉鎖系内で帯電させることなく多量の電子放射をなし、且生成されるプラズマを拡散滅失させることなく封じ込めながら空気や水若しくは液状物質と混交させることにより、水分子やガス分子が低クラスター化と解離されて強い還元作用と反応性を保持した空気や水或いは液状物になしえることを究明し本発明に至ったもので、本発明は極めて簡便且安価に高密度マイナスイオン化させ、強い還元作用と高い反応性を保持する空気、水若しくは液状物となしうるマイナスイオン付加装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために本発明が採用した技術的手段は、閉鎖系内で電子放射により生成されるプラズマを拡散滅失させることなく封じ込めて高密度のマイナスイオンの生成を図るうえから絶縁性及び常磁性素材からなる中空管体を用い該中空管体の一方側端には閉塞蓋を設けるとともに、他方側端には高密度マイナスイオン化された空気や水若しくは液状物を高圧噴出若しくは噴霧させるための開口部を有している。
【0010】
そしてかかる中空管体内の閉塞蓋の近傍には、該中空管体の中央部位に電子放射に伴うプラズマ生成をなしたるうえ噴出若しくは噴霧される空気や水或いは液状物に混交させて高密度マイナスイオンの生成を図るための電子放射極が開口部方向に向って支持固定されている。
更に該電子放射極が支持固定され配設された配設位置より開口部に亘る中空管体の内壁面には、永久磁石を所要の間隔を以って配設させることにより永久磁石相互管に磁力線バリヤーを創出せしめて、電子放射により生成されたプラズマの拡散滅失の防止を図っている。
【0011】
加えて該中空管体の電子放射極が配設された下方の適宜位置には、該中空管体内に空気や水若しくは液状物を供給し、その開口部より高密度マイナスイオン化された空気や水若しくは液状物を高圧噴出若しくは噴霧させるオリフィスを装着しえる装着口が形成されている。
そしてかかるオリフィスより空気や水或いは液状物を開口部より高圧噴出若しくは噴霧させる事に伴いオリフィス背面に働く負圧により、且生成され封じ込められたプラズマを該噴出噴霧される空気や水或いは液状物に混交させて高密度イオン化させるために閉塞蓋には適宜孔径と適宜数との吸気孔が形成されている。
【0012】
而も中空管体内に配設される電子放射極から多量の電子放射をなすうえから、少なくともその電圧がマイナス3000V以上で且直流パルスを印加させるための外部電源からリードケーブルによりマイナス高電圧直流パルスが印加されるよう構成されたマイナスイオン付加装置に存するものであり、更には中空管体内壁面に配設される永久磁石を電磁石を使用した構成、並びにオリフィスが中空管体と着脱自在に装着固定しえるようにしてなる構成、及びオリフィスが絶縁性及び常磁性素材で形成された構成に存する。
【0013】
【作用】
本発明は上述の如き技術的手段を用いてなるため、次のような作用を有する。即ち中空管体が絶縁性及び常磁性素材で形成され、且その一方側端には閉塞蓋が設けられ而も他方側端には開口部が設けられてなるため閉鎖空間として形成されるとともに、該中空管体内の閉塞蓋近傍の中空管体中央部位には、電子放射極が支持固定され配設されてなるとともに、該電子放射極には外部電源より少なくともその電圧がマイナス3000V以上の直流パルスが印加されるため、該電子放射極からは高電位と且直流パルスに伴う多量で而も尖頭作用を有する電気的衝撃力の強い電子放射がなされるため多量のプラズマが生成される。
【0014】
そしてこの生成されたプラズマは中空管体内壁面の電子放射極配設位置より開口部までに亘って、永久磁石若しくは電磁石が所要の間隔を以って配設されることにより磁力線バリヤーが形成されてなるため、該生成されたプラズマが中空管体壁面に拡散接触し滅失されることが防止されて実質的に封じ込めがなされるとともに、電子放射極配設位置下方の適宜位置には空気や水若しくは液状物を開口部より高圧噴出若しくは噴霧させるオリフィスが装着されるから、該噴出や噴霧に伴い生成されたプラズマに負圧が働き且閉塞蓋には適宜孔径で適宜数の吸気孔が設けられてなるため、かかる負圧に伴う吸気孔からの空気が開口部に流通移行しプラズマが噴出若しくは噴霧される空気や水若しくは液状物と混交され高密度マイナスイオン状態で噴出噴霧されることとなる。
【0015】
【実施例】
以下に本発明実施例を図とともに詳細に説明すれば、図1は本発明の見取図、図2は本発明の断面図であって、中空管体1は電子放射がなされ且永久磁石や電磁石による磁力線バリヤーを形成させるうえから絶縁性及び常磁性素材が用いられ、且閉鎖空間となすうえから中空管状に形成させたものが使用されるもので、その断面形状については特段の制約はなく円形を初め、四角形や多角形のものでも使用できる。
【0016】
そして該中空管体1は閉鎖空間となすため、その一方側端1Aには閉塞蓋10Aが設けられており、且他方側端1Bには高密度マイナスイオン化させた空気や水若しくは液状物を噴出噴霧させるための開口部10Bが形成されている。この中空管体1の素材としてはポリカーボネート樹脂やポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メタクリル酸樹脂等の合成樹脂やアルミナ系、シリカ系或いはジルコニア系のセラミックス素材が好適で、且閉塞蓋10Aも同様な素材が用いられる。更に該中空管体1の大きさは、その開口部10Bからの噴出、噴射量によって決定されるが、建物施設内に揮散滞留する揮発性有機化合物や臭気等の分解消去や、塗装用としての使用ではその内径で略60乃至100mm長さで略120乃至200mm程度の寸法で十分である。
【0017】
閉塞蓋10Aには電子放射により生成されるプラズマ20Aを開口部10Bから噴出、噴霧させる空気や水或いは液状物に混交させるため該噴出、噴霧に伴い発生する負圧を利用し吸気流通させるための、適宜孔径と適宜数の吸気孔11Aが穿孔されてなるもので、該吸気孔11Aの吸気孔径及び穿孔数は開口部10Bからの噴出、噴霧量によっても異るが一般的な建物施設内の揮発性有機化合物や臭気等の分解消去や塗装に使用する場合では、吸気孔11Aの孔径としては略2乃至4mmφ程度穿孔数としては略4乃至10個程度で十分である。
【0018】
中空管体1内の閉塞蓋10Aの近傍にはその端縁が中空管体1に保持される支持棹2Aにより該中空管体1内の中央部位に配設され、且開口部10Bの方向に向って針状の電子放射極2が支持固定されるよう配設されている。
かかる場合の電子放射極2にはマイナス高電圧直流パルスが印加され多量の電子放射をなさしめるものであるから、導電性とともに耐蝕性や耐熱性と且強靭な性能が要請されるため具体的素材としてはタングステンや酸化バリウム、トリスタン或いは白金等が挙げられる。
そして電子放射極2の配設手段はかかる手段に限定されることはなく、中空管体1内の閉塞蓋10A近傍の内壁面に、電子放射極2の複数本をその先端が該中空管体1の中央部位に向って放射状に配設させる手段も利用できる。
【0019】
電子放射極2が配設されてなる位置より開口部10Bに亘る中空管体1内には永久磁石3A若しくは電磁石(図示せず)を所要の間隔を以って開磁路状に配設させることにより、該配設された永久磁石3A若しくは電磁石相互間に磁界の発生に伴う磁力線バリヤー3を形成させるものであって、かかる磁力線バリヤー3の形成により電子放射極2からの電子放射により生成されたプラズマ20Aが拡散され中空管体1内面と接触し滅失することを防止し、且開口部10Bから噴出噴霧される空気や水若しくは液状物と十分に混交させて高密度マイナスイオンを生成させるための封じ込めがなされることによる。
かかる場合において、永久磁石3A若しくは電磁石の配設に際しては配設されて相互間の磁極が異極で配設されることは当然であり、且該永久磁石3Aや電磁石で発生させる磁力線バリヤー3は特段強力なものは要請されず、一般的使用においてはそれぞれ配設される永久磁石3A若しくは電磁石の磁束密度としてはせいぜい800乃至1600ガウス程度のもので十分使用できる。
【0020】
更に該中空管体1の電子放射極2が配設された下方の適宜位置には、その使用目的に合せて空気や水或いは液状物の噴出噴霧量や噴出噴霧条件を以って高圧噴出若しくは噴霧させるためのオリフィス4を装着させるための装着口4Aが形成されている。
即ち本発明は多様な目的に使用できるものであって、建物施設内に滞留する揮発性有機化合物や臭気の分解消去に際しては高密度マイナスイオン化させた水の噴霧が望ましく、汚濁化した湖沼や景観用池の浄化に対しては高密度マイナスイオン化させた還元作用の強い空気を噴出させてやることが好適であり、或いは塗着性と塗膜性に優れた塗装を実現するうえからは、塗料成分の十分な低クラスター化と解離を図ったうえ、噴霧塗装することが好都合である。
【0021】
即ち本発明においては使用目的により高密度マイナスイオン化を図る対象が空気や水或いは液状物と性状を大きく異にし、且噴出や噴霧条件も著しく相違するものであるから使用目的毎にオリフィス4もそれぞれ異るため、装着口4Aよりそれぞれの使用目的に供するオリフィス4の装着使用が得策である。
当然に装着口4Aより装着されるそれぞれのオリフィス4は、中空管体1内の中央部位で且オリフィス4からの噴出噴霧方向が開口部10B方向となるよう装着される。更に装着口4Aより装着されるオリフィス4は中空管体1と密着し且強固な装着を図ることが望まれるため、該装着口4Aとオリフィス基部4Bとは適宜の装着固定手段4Cが用いられる。
【0022】
図3は本発明の原理説明図であって、中空管体1内の閉塞蓋10A近傍に配設された電子放射極2に、少なくともマイナス3000V以上のマイナス高電圧直流パルスが印加されるとともに、中空管体1に形成された装着口4Aよりオリフィス基部4Bを中空管体1と適宜装着固定手段4Cで装着固定のうえ、該オリフィス4より所要の空気や水若しくは液状物を所要量で噴出噴霧させることによりオリフィス4の背面には負圧が発生する。
而してオリフィス4の背面にはマイナス高電圧直流パルスが印加された電子放射極2からの電子放射によりプラズマ20Aが生成されており、且この生成されたプラズマ20Aは中空管体1内に形成された磁力線バリヤー3により封じ込められた状態におかれており、更に該負圧により閉塞蓋10Aに穿孔された吸気孔11Aより吸気7がなされることにより、該吸気7の流通移行に伴ってプラズマ20Aが噴出噴霧される空気や水若しくは液状物と混交されて、高密度マイナスイオン状態となり噴出噴霧されることとなる。
【0023】
図4は高圧トランスによる外部電源5の配線図であって該高圧トランスによる外部電源5は、適宜の入力5Aを少なくともその二次側出力が3000V以上に昇圧できる高圧トランス5Bの一次側に入力させる。
そして該高圧トランス5Bの二次側の一方を整流器5Cを介してアースさせることにより、他方からマイナス高電圧で且半波整流されたマイナス高電圧直流パルス5Dとして出力させるもので、該マイナス高電圧直流パルス5Dが印加される電子放射極2には、絶縁被覆されてなるリードケーブル6を介してなされる。かかる場合に電子放射極2に少なくともマイナス3000V以上のマイナス高電圧直流パルスを印加させる所以は、高電圧程電子放射極2からの電子放射が容易になされること、及び直流パルスの印加により電子放射に係る尖頭作用が働き、水分子やガス分子の低クラスター化と解離が促進されてプラズマ20Aの生成が効率良くなされることによる。加えて電子放射極2からの電子放射に係る電子放射電力としてはせいぜい10mW以下の微少電力であるから、高圧トランス5Bも極めて小型軽量のもので使用可能となる。
【0024】
図5はイグニッションコイルを用いた外部電源50の配線図であって、該外部電源50は極めて低電圧の電源例えばバッテリー電圧等で少なくとも3000V以上のマイナス高電圧直流パルス5Dを簡便に発生できるばかりが、パルス数も適宜に設定でき且発生パルスも明確な波形で出力しえるため、電子放射極2からの電子放射とプラズマ生成に一段と優れるものであって、所要の直流電源50Aをイグニッションコイル50Bの一次側に付加させるとともに、該イグニッションコイル50Bの一次側電流のオン、オフに伴う相互誘導作用でその二次側に高電圧が発生されるよう形成されている。
そこで該イグニッションコイル50Bの一次側電流のオン、オフ制御をなさしむるうえから、該イグニッションコイル50Bの一次側にスイッチングトランジスタ50Cを介在させ、該スイッチングトランジスタ50Cのコレクタ51C及びエミッタ52Cに接続させたうえアースされている。
そして所要のパルス数を発信させる発信回路50Dにおいて所要のパルス数のオン、オフ信号51を発信させたうえ該オン、オフ信号51をスイッチングトランジスタ50Cのベース53Cに入力させることにより該オン、オフ信号51に同期してイグニッションコイル50Bの一次側電流のオン、オフがなされその二次側よりマイナス高電圧直流パルス5Dを出力させる構成からなる。
【0025】
図6は建物施設空間に揮散滞留する揮発性有機化合物及び臭気の分解消去のための使用態様図であって、中空管体1の装着口4Aには高圧送水管8の先端に取付けられたオリフィス基部4Bが適宜の装着固定手段4Cで装着固定され、且その先端のオリフィス4は開口部10B方向となるよう配設されている。そして電子放射極2にはリードケーブル6を介して外部電源5より、少なくともその電圧がマイナス3000V以上のマイナス高電圧直流パルス5Dが印加されることにより電子放射に伴うプラズマが生成され、且オリフィス4から所要量の噴霧をなすことにより負圧が働く。
従って該負圧により閉塞蓋10Aに穿孔されてなる吸気孔11Aから吸気7されたうえ、該吸気7の流通移行により生成されたプラズマ20Aが噴霧される水と十分に混交され高密度マイナスイオン水として噴霧される。
無論本発明に使用する空気や水或いは液状物等は、その性状や噴出噴霧量によっても異るが、一般的には略1乃至5kg/cm2の噴出噴霧圧力程度で使用される。
【0026】
【発明の効果】
本発明は以上述べたように、絶縁性及び常磁性素材からなる中空管体の一方側端には閉塞蓋及び他方側端には開口部を有する閉鎖空間に形成されたうえ、該中空管体内の閉塞蓋近傍には該中空管体の中央位置に支持され、且その先端が開口部に向って電子放射極が配設されてなり、而も該電子放射極には少なくとのその電圧が3000V以上のマイナス高電圧直流パルスが印加されるため、高電圧と且直流パルスの尖頭作用とにより水分子やガス分子の低クラスター化と解離が促進されて効率良くプラズマが生成されるとともに、電子放射極から開口部までの中空管体内壁面には磁力線バリヤーが形成されてなるから生成されたプラズマの拡散接触による滅失が防止され封じ込めがなされる。
そして装着口に装着固定され且中空管体中央位置に開口部に向って配設されたオリフィスより空気や水或いは液状物を噴出噴霧させることにより生成されたプラズマに負圧がかかり、この負圧に伴い閉塞蓋に形成された吸気孔からの吸気が流通移行し噴出噴霧される空気や水或いは液状物とプラズマが混交されて、高密度のマイナスイオン化された空気や水若しくは液状物として噴出噴霧されることとなる。
【0027】
加えて本発明では空気や水或いは液状物を高圧でオリフィスから噴出噴霧させるためレナード効果に伴うマイナスイオンの生成もなされ、且微粒状に拡散して噴出噴霧されるためプラズマとの混交が良好になされて高密度のマイナスイオンの生成が積極的になされる。
而も本発明においては空気や水或いは液状物の噴出や噴霧にかかわるオリフィス基部を装着固定させるのみで広範囲の使用目的に利用できるばかりか、極めて操作が簡便なうえ安価に提供できる等優れた特長を具備したマイナスイオン付加装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の見取図である。
【図2】本発明の断面説明図である。
【図3】本発明の原理の説明図である。
【図4】高圧トランスによる外部電源の配線図である。
【図5】イグニッションコイルによる外部電源の配線図である。
【図6】本発明の使用態様図である。
【符号の説明】
1 中空管体
1A 中空管体の一方側端
1B 中空管体の他方側端
10A 閉塞蓋
10B 開口部
11A 吸気孔
2 電子放射極
2A 支持棹
20A プラズマ
3 磁力線バリヤー
3A 永久磁石
4 オリフィス
4A 装着口
4B オリフィス基部
4C 装着固定手段
5 高圧トランスによる外部電源
5A 入力
5B 高圧トランス
5C 整流器
5D マイナス高電圧直流パルス
50 イグニッションコイルによる外部電源
50A 直流電源
50B イグニッションコイル
50C スイッチングトランジスタ
50D 発信回路
51 オン、オフ信号
51C コレクタ
52C エミッタ
53C ベース
6 リードケーブル
7 吸気
8 高圧送水管
【産業上の利用分野】
本発明は空気や水若しくは塗料等の液状物を高密度のマイナスイオン状態で噴出若しくは噴霧させるマイナスイオン付加装置に係り、更に詳しくは密閉性の高い建物空間内に揮散滞留する揮発性有機化合物の分解消去や汚濁水の浄化、或いは塗着性と良好な塗膜形成のための塗装等には極めて好適なマイナスイオン付加装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年の建物施設は建築技術の向上と建築金物等の採用等とが相俟って密閉性が著しく高まっており、反面これら建物施設はその使用目的に合せて多様な内装が施されるものの、これら内装材は主に合成樹脂や合成繊維を素材として使用しているため可塑剤や安定剤或いは有機溶剤等が多量に配合されており、更には施工に際しての接着剤や塗料等にも極めて多種多量の有機溶剤が使用されていることから使用経過とともにこれらからの揮発性有機化合物が滲出揮散して建物施設内に揮散滞留し、これによる健康被害が惹起される所謂シックハウス症候群が社会的に大きな問題となっており、既に立法措置も講ぜられるに至っている。
【0003】
更に経済発展とともに産業活動に伴う排水や排煙は莫大量に昇り、これらによる大気や水質の汚染は極限に至っており、とりわけ農業やレジャー施設等に散布使用される膨大量の化学肥料と、且生活排水に混在する窒素やリン等により地下水の汚染はもとより湖沼を初め水景施設や神社仏閣の池、管理つり堀等においても、各種菌類や植物或いは微生物等が急速な繁殖をなし汚濁化による景観の阻害や、これらの繁殖による溶存酸素の欠乏が招来され臭気の発生ばかりか魚介類の養魚や遊魚も不能となる。
【0004】
加えて建物施設内や自動車或いは什器備品等には多彩な塗装が施されてなるものであるが、塗装は被着面との強固な塗着による被着面の保護と塗膜の均質性や光沢等の美感を創出させることにある。
これがため現状の塗装においては、予め選択された塗料を水若しくは有機溶剤で希釈のうえ、吹付けガンにより噴霧させて被着面への強固な塗着や色彩むらの消去及び均質な塗膜の形成を図るうえから少なくとも3層以上に亘る塗り重ねをせねばならず、而も塗料は水や有機溶剤で希釈し塗着させるものの塗料成分自体は使用素材毎に粒径やクラスター径も異るものであるから、形成された塗膜の光沢や美感等が使用素材により大きく異る問題を内在する。
【0005】
発明者はかかる状況に鑑み鋭意研究を重ねた結果、汚染された空気や水に少なくともそのイオン密度において20乃至30万個/cc以上の高密度マイナスイオンを混交させることにより、強力な還元作用が働き建物密閉空間内に揮散滞留する揮発性有機化合物や臭気等が容易に還元分解消去されること、並びに汚染水においては還元作用により浄化され且水中の混在する菌類や微生物類の繁殖が著しく抑制されること、及び塗装においては塗料中の水や有機溶剤の低クラスター化や解離の促進ばかりか、塗料成分の低クラスター化及び解離も促進され強固な塗着とともに密なる塗膜の形成がなされ極めて光沢や美感に優れる塗装が可能なることを究明している。
【0006】
而して高密度マイナスイオンの生成手段としは交流放電や直流放電による所謂放電方式を初め、放射性物質方式、紫外線方式、プラズマ方式、水破砕方式等が挙げられるが小型且簡便で安価な手段としては交流放電や直流放電方式が有利とされるもので、直流放電によるマイナスイオン生成の先願として実用新案登録第3066793号が開示されている。
【0007】
然るに該先願の如く直流高圧電源からの直流高圧を針状の放電電極部に印加させてマイナスイオンを発生させるものでは、マイナスイオンの発生には前提として該放電電極から多量の電子放射をなさしめてプラズマを生成させ、且生成されたプラズマの拡散消滅防止所謂短時間の封じ込めをなし、而して水分子やガス分子等のイオン化を図る過程が必要となる。
してみると該先願のように放電電極から電子放射がなされる放射空間は絶縁性の高い空気の且開放空間であるため、放電電極より多量の電子放射を図るためには極めて高電圧の直流を印加させる必要が生じ、反面放電電極近傍は絶縁性の高い空気であるから、高電圧の直流印加により極度にマイナス帯電化し電子放射が阻害されるばかりか、仮令多量の電子放射がなされても開放空間であるから、放電電極からの電子放射は多方向に拡散され且プラズマの生成はもとより封じ込めも不能となり到底高密度マイナスイオンの生成は実現しえない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
かかる実情に鑑み発明者は更に研究を重ねた結果、閉鎖系内で帯電させることなく多量の電子放射をなし、且生成されるプラズマを拡散滅失させることなく封じ込めながら空気や水若しくは液状物質と混交させることにより、水分子やガス分子が低クラスター化と解離されて強い還元作用と反応性を保持した空気や水或いは液状物になしえることを究明し本発明に至ったもので、本発明は極めて簡便且安価に高密度マイナスイオン化させ、強い還元作用と高い反応性を保持する空気、水若しくは液状物となしうるマイナスイオン付加装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために本発明が採用した技術的手段は、閉鎖系内で電子放射により生成されるプラズマを拡散滅失させることなく封じ込めて高密度のマイナスイオンの生成を図るうえから絶縁性及び常磁性素材からなる中空管体を用い該中空管体の一方側端には閉塞蓋を設けるとともに、他方側端には高密度マイナスイオン化された空気や水若しくは液状物を高圧噴出若しくは噴霧させるための開口部を有している。
【0010】
そしてかかる中空管体内の閉塞蓋の近傍には、該中空管体の中央部位に電子放射に伴うプラズマ生成をなしたるうえ噴出若しくは噴霧される空気や水或いは液状物に混交させて高密度マイナスイオンの生成を図るための電子放射極が開口部方向に向って支持固定されている。
更に該電子放射極が支持固定され配設された配設位置より開口部に亘る中空管体の内壁面には、永久磁石を所要の間隔を以って配設させることにより永久磁石相互管に磁力線バリヤーを創出せしめて、電子放射により生成されたプラズマの拡散滅失の防止を図っている。
【0011】
加えて該中空管体の電子放射極が配設された下方の適宜位置には、該中空管体内に空気や水若しくは液状物を供給し、その開口部より高密度マイナスイオン化された空気や水若しくは液状物を高圧噴出若しくは噴霧させるオリフィスを装着しえる装着口が形成されている。
そしてかかるオリフィスより空気や水或いは液状物を開口部より高圧噴出若しくは噴霧させる事に伴いオリフィス背面に働く負圧により、且生成され封じ込められたプラズマを該噴出噴霧される空気や水或いは液状物に混交させて高密度イオン化させるために閉塞蓋には適宜孔径と適宜数との吸気孔が形成されている。
【0012】
而も中空管体内に配設される電子放射極から多量の電子放射をなすうえから、少なくともその電圧がマイナス3000V以上で且直流パルスを印加させるための外部電源からリードケーブルによりマイナス高電圧直流パルスが印加されるよう構成されたマイナスイオン付加装置に存するものであり、更には中空管体内壁面に配設される永久磁石を電磁石を使用した構成、並びにオリフィスが中空管体と着脱自在に装着固定しえるようにしてなる構成、及びオリフィスが絶縁性及び常磁性素材で形成された構成に存する。
【0013】
【作用】
本発明は上述の如き技術的手段を用いてなるため、次のような作用を有する。即ち中空管体が絶縁性及び常磁性素材で形成され、且その一方側端には閉塞蓋が設けられ而も他方側端には開口部が設けられてなるため閉鎖空間として形成されるとともに、該中空管体内の閉塞蓋近傍の中空管体中央部位には、電子放射極が支持固定され配設されてなるとともに、該電子放射極には外部電源より少なくともその電圧がマイナス3000V以上の直流パルスが印加されるため、該電子放射極からは高電位と且直流パルスに伴う多量で而も尖頭作用を有する電気的衝撃力の強い電子放射がなされるため多量のプラズマが生成される。
【0014】
そしてこの生成されたプラズマは中空管体内壁面の電子放射極配設位置より開口部までに亘って、永久磁石若しくは電磁石が所要の間隔を以って配設されることにより磁力線バリヤーが形成されてなるため、該生成されたプラズマが中空管体壁面に拡散接触し滅失されることが防止されて実質的に封じ込めがなされるとともに、電子放射極配設位置下方の適宜位置には空気や水若しくは液状物を開口部より高圧噴出若しくは噴霧させるオリフィスが装着されるから、該噴出や噴霧に伴い生成されたプラズマに負圧が働き且閉塞蓋には適宜孔径で適宜数の吸気孔が設けられてなるため、かかる負圧に伴う吸気孔からの空気が開口部に流通移行しプラズマが噴出若しくは噴霧される空気や水若しくは液状物と混交され高密度マイナスイオン状態で噴出噴霧されることとなる。
【0015】
【実施例】
以下に本発明実施例を図とともに詳細に説明すれば、図1は本発明の見取図、図2は本発明の断面図であって、中空管体1は電子放射がなされ且永久磁石や電磁石による磁力線バリヤーを形成させるうえから絶縁性及び常磁性素材が用いられ、且閉鎖空間となすうえから中空管状に形成させたものが使用されるもので、その断面形状については特段の制約はなく円形を初め、四角形や多角形のものでも使用できる。
【0016】
そして該中空管体1は閉鎖空間となすため、その一方側端1Aには閉塞蓋10Aが設けられており、且他方側端1Bには高密度マイナスイオン化させた空気や水若しくは液状物を噴出噴霧させるための開口部10Bが形成されている。この中空管体1の素材としてはポリカーボネート樹脂やポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メタクリル酸樹脂等の合成樹脂やアルミナ系、シリカ系或いはジルコニア系のセラミックス素材が好適で、且閉塞蓋10Aも同様な素材が用いられる。更に該中空管体1の大きさは、その開口部10Bからの噴出、噴射量によって決定されるが、建物施設内に揮散滞留する揮発性有機化合物や臭気等の分解消去や、塗装用としての使用ではその内径で略60乃至100mm長さで略120乃至200mm程度の寸法で十分である。
【0017】
閉塞蓋10Aには電子放射により生成されるプラズマ20Aを開口部10Bから噴出、噴霧させる空気や水或いは液状物に混交させるため該噴出、噴霧に伴い発生する負圧を利用し吸気流通させるための、適宜孔径と適宜数の吸気孔11Aが穿孔されてなるもので、該吸気孔11Aの吸気孔径及び穿孔数は開口部10Bからの噴出、噴霧量によっても異るが一般的な建物施設内の揮発性有機化合物や臭気等の分解消去や塗装に使用する場合では、吸気孔11Aの孔径としては略2乃至4mmφ程度穿孔数としては略4乃至10個程度で十分である。
【0018】
中空管体1内の閉塞蓋10Aの近傍にはその端縁が中空管体1に保持される支持棹2Aにより該中空管体1内の中央部位に配設され、且開口部10Bの方向に向って針状の電子放射極2が支持固定されるよう配設されている。
かかる場合の電子放射極2にはマイナス高電圧直流パルスが印加され多量の電子放射をなさしめるものであるから、導電性とともに耐蝕性や耐熱性と且強靭な性能が要請されるため具体的素材としてはタングステンや酸化バリウム、トリスタン或いは白金等が挙げられる。
そして電子放射極2の配設手段はかかる手段に限定されることはなく、中空管体1内の閉塞蓋10A近傍の内壁面に、電子放射極2の複数本をその先端が該中空管体1の中央部位に向って放射状に配設させる手段も利用できる。
【0019】
電子放射極2が配設されてなる位置より開口部10Bに亘る中空管体1内には永久磁石3A若しくは電磁石(図示せず)を所要の間隔を以って開磁路状に配設させることにより、該配設された永久磁石3A若しくは電磁石相互間に磁界の発生に伴う磁力線バリヤー3を形成させるものであって、かかる磁力線バリヤー3の形成により電子放射極2からの電子放射により生成されたプラズマ20Aが拡散され中空管体1内面と接触し滅失することを防止し、且開口部10Bから噴出噴霧される空気や水若しくは液状物と十分に混交させて高密度マイナスイオンを生成させるための封じ込めがなされることによる。
かかる場合において、永久磁石3A若しくは電磁石の配設に際しては配設されて相互間の磁極が異極で配設されることは当然であり、且該永久磁石3Aや電磁石で発生させる磁力線バリヤー3は特段強力なものは要請されず、一般的使用においてはそれぞれ配設される永久磁石3A若しくは電磁石の磁束密度としてはせいぜい800乃至1600ガウス程度のもので十分使用できる。
【0020】
更に該中空管体1の電子放射極2が配設された下方の適宜位置には、その使用目的に合せて空気や水或いは液状物の噴出噴霧量や噴出噴霧条件を以って高圧噴出若しくは噴霧させるためのオリフィス4を装着させるための装着口4Aが形成されている。
即ち本発明は多様な目的に使用できるものであって、建物施設内に滞留する揮発性有機化合物や臭気の分解消去に際しては高密度マイナスイオン化させた水の噴霧が望ましく、汚濁化した湖沼や景観用池の浄化に対しては高密度マイナスイオン化させた還元作用の強い空気を噴出させてやることが好適であり、或いは塗着性と塗膜性に優れた塗装を実現するうえからは、塗料成分の十分な低クラスター化と解離を図ったうえ、噴霧塗装することが好都合である。
【0021】
即ち本発明においては使用目的により高密度マイナスイオン化を図る対象が空気や水或いは液状物と性状を大きく異にし、且噴出や噴霧条件も著しく相違するものであるから使用目的毎にオリフィス4もそれぞれ異るため、装着口4Aよりそれぞれの使用目的に供するオリフィス4の装着使用が得策である。
当然に装着口4Aより装着されるそれぞれのオリフィス4は、中空管体1内の中央部位で且オリフィス4からの噴出噴霧方向が開口部10B方向となるよう装着される。更に装着口4Aより装着されるオリフィス4は中空管体1と密着し且強固な装着を図ることが望まれるため、該装着口4Aとオリフィス基部4Bとは適宜の装着固定手段4Cが用いられる。
【0022】
図3は本発明の原理説明図であって、中空管体1内の閉塞蓋10A近傍に配設された電子放射極2に、少なくともマイナス3000V以上のマイナス高電圧直流パルスが印加されるとともに、中空管体1に形成された装着口4Aよりオリフィス基部4Bを中空管体1と適宜装着固定手段4Cで装着固定のうえ、該オリフィス4より所要の空気や水若しくは液状物を所要量で噴出噴霧させることによりオリフィス4の背面には負圧が発生する。
而してオリフィス4の背面にはマイナス高電圧直流パルスが印加された電子放射極2からの電子放射によりプラズマ20Aが生成されており、且この生成されたプラズマ20Aは中空管体1内に形成された磁力線バリヤー3により封じ込められた状態におかれており、更に該負圧により閉塞蓋10Aに穿孔された吸気孔11Aより吸気7がなされることにより、該吸気7の流通移行に伴ってプラズマ20Aが噴出噴霧される空気や水若しくは液状物と混交されて、高密度マイナスイオン状態となり噴出噴霧されることとなる。
【0023】
図4は高圧トランスによる外部電源5の配線図であって該高圧トランスによる外部電源5は、適宜の入力5Aを少なくともその二次側出力が3000V以上に昇圧できる高圧トランス5Bの一次側に入力させる。
そして該高圧トランス5Bの二次側の一方を整流器5Cを介してアースさせることにより、他方からマイナス高電圧で且半波整流されたマイナス高電圧直流パルス5Dとして出力させるもので、該マイナス高電圧直流パルス5Dが印加される電子放射極2には、絶縁被覆されてなるリードケーブル6を介してなされる。かかる場合に電子放射極2に少なくともマイナス3000V以上のマイナス高電圧直流パルスを印加させる所以は、高電圧程電子放射極2からの電子放射が容易になされること、及び直流パルスの印加により電子放射に係る尖頭作用が働き、水分子やガス分子の低クラスター化と解離が促進されてプラズマ20Aの生成が効率良くなされることによる。加えて電子放射極2からの電子放射に係る電子放射電力としてはせいぜい10mW以下の微少電力であるから、高圧トランス5Bも極めて小型軽量のもので使用可能となる。
【0024】
図5はイグニッションコイルを用いた外部電源50の配線図であって、該外部電源50は極めて低電圧の電源例えばバッテリー電圧等で少なくとも3000V以上のマイナス高電圧直流パルス5Dを簡便に発生できるばかりが、パルス数も適宜に設定でき且発生パルスも明確な波形で出力しえるため、電子放射極2からの電子放射とプラズマ生成に一段と優れるものであって、所要の直流電源50Aをイグニッションコイル50Bの一次側に付加させるとともに、該イグニッションコイル50Bの一次側電流のオン、オフに伴う相互誘導作用でその二次側に高電圧が発生されるよう形成されている。
そこで該イグニッションコイル50Bの一次側電流のオン、オフ制御をなさしむるうえから、該イグニッションコイル50Bの一次側にスイッチングトランジスタ50Cを介在させ、該スイッチングトランジスタ50Cのコレクタ51C及びエミッタ52Cに接続させたうえアースされている。
そして所要のパルス数を発信させる発信回路50Dにおいて所要のパルス数のオン、オフ信号51を発信させたうえ該オン、オフ信号51をスイッチングトランジスタ50Cのベース53Cに入力させることにより該オン、オフ信号51に同期してイグニッションコイル50Bの一次側電流のオン、オフがなされその二次側よりマイナス高電圧直流パルス5Dを出力させる構成からなる。
【0025】
図6は建物施設空間に揮散滞留する揮発性有機化合物及び臭気の分解消去のための使用態様図であって、中空管体1の装着口4Aには高圧送水管8の先端に取付けられたオリフィス基部4Bが適宜の装着固定手段4Cで装着固定され、且その先端のオリフィス4は開口部10B方向となるよう配設されている。そして電子放射極2にはリードケーブル6を介して外部電源5より、少なくともその電圧がマイナス3000V以上のマイナス高電圧直流パルス5Dが印加されることにより電子放射に伴うプラズマが生成され、且オリフィス4から所要量の噴霧をなすことにより負圧が働く。
従って該負圧により閉塞蓋10Aに穿孔されてなる吸気孔11Aから吸気7されたうえ、該吸気7の流通移行により生成されたプラズマ20Aが噴霧される水と十分に混交され高密度マイナスイオン水として噴霧される。
無論本発明に使用する空気や水或いは液状物等は、その性状や噴出噴霧量によっても異るが、一般的には略1乃至5kg/cm2の噴出噴霧圧力程度で使用される。
【0026】
【発明の効果】
本発明は以上述べたように、絶縁性及び常磁性素材からなる中空管体の一方側端には閉塞蓋及び他方側端には開口部を有する閉鎖空間に形成されたうえ、該中空管体内の閉塞蓋近傍には該中空管体の中央位置に支持され、且その先端が開口部に向って電子放射極が配設されてなり、而も該電子放射極には少なくとのその電圧が3000V以上のマイナス高電圧直流パルスが印加されるため、高電圧と且直流パルスの尖頭作用とにより水分子やガス分子の低クラスター化と解離が促進されて効率良くプラズマが生成されるとともに、電子放射極から開口部までの中空管体内壁面には磁力線バリヤーが形成されてなるから生成されたプラズマの拡散接触による滅失が防止され封じ込めがなされる。
そして装着口に装着固定され且中空管体中央位置に開口部に向って配設されたオリフィスより空気や水或いは液状物を噴出噴霧させることにより生成されたプラズマに負圧がかかり、この負圧に伴い閉塞蓋に形成された吸気孔からの吸気が流通移行し噴出噴霧される空気や水或いは液状物とプラズマが混交されて、高密度のマイナスイオン化された空気や水若しくは液状物として噴出噴霧されることとなる。
【0027】
加えて本発明では空気や水或いは液状物を高圧でオリフィスから噴出噴霧させるためレナード効果に伴うマイナスイオンの生成もなされ、且微粒状に拡散して噴出噴霧されるためプラズマとの混交が良好になされて高密度のマイナスイオンの生成が積極的になされる。
而も本発明においては空気や水或いは液状物の噴出や噴霧にかかわるオリフィス基部を装着固定させるのみで広範囲の使用目的に利用できるばかりか、極めて操作が簡便なうえ安価に提供できる等優れた特長を具備したマイナスイオン付加装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の見取図である。
【図2】本発明の断面説明図である。
【図3】本発明の原理の説明図である。
【図4】高圧トランスによる外部電源の配線図である。
【図5】イグニッションコイルによる外部電源の配線図である。
【図6】本発明の使用態様図である。
【符号の説明】
1 中空管体
1A 中空管体の一方側端
1B 中空管体の他方側端
10A 閉塞蓋
10B 開口部
11A 吸気孔
2 電子放射極
2A 支持棹
20A プラズマ
3 磁力線バリヤー
3A 永久磁石
4 オリフィス
4A 装着口
4B オリフィス基部
4C 装着固定手段
5 高圧トランスによる外部電源
5A 入力
5B 高圧トランス
5C 整流器
5D マイナス高電圧直流パルス
50 イグニッションコイルによる外部電源
50A 直流電源
50B イグニッションコイル
50C スイッチングトランジスタ
50D 発信回路
51 オン、オフ信号
51C コレクタ
52C エミッタ
53C ベース
6 リードケーブル
7 吸気
8 高圧送水管
Claims (4)
- 絶縁性及び常磁性素材からなる中空管体の一方側端には閉塞蓋が設けられ且他方側端には開口部を有するとともに、閉塞蓋には適宜孔径の吸気孔が適宜数設けられ、而も中空管体内閉塞蓋の近傍には該中空管体中央位置に支持され且その先端が開口部に向って電子放射極が配設されており、更に該電子放射極の配設位置より開口部に亘る中空管体内壁面には、永久磁石を所要の間隔を以って配設させることにより磁力線バリヤーが形成されており、且該中空管体電子放射極配設位置下方の適宜位置には空気若しくは水或いは液状物が開口部より高圧噴出若しくは噴霧されるオリフィスが装着しえる装着口が形成されており、而も電子放射極にはリードケーブルを介して少なくともマイナス3000V以上のマイナス高電圧直流パルスが外部電源より印加される構成からなるマイナスイオン付加装置。
- 中空管体内壁面に配設される永久磁石が電磁石からなる請求項1記載のマイナスイオン付加装置。
- 中空管体の適宜位置に装着されるオリフィスが、該中空管体と着脱自在に装着固定される請求項1若しくは請求項2記載のマイナスイオン付加装置。
- オリフィスが絶縁性及び常磁性素材で形成されてなる請求項1乃至請求項3記載のマイナスイオン付加装置。
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- 2002-09-09 JP JP2002302374A patent/JP2004097752A/ja active Pending
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