JP2004094668A - 画像処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、動画像中のオブジェクトの輪郭を一段と容易に抽出し得る。
【解決手段】本発明は、オブジェクト抽出用動画像100を構成する時間的に連続した複数の輪郭抽出用フレーム画像OF1〜OFnのうち少なくとも2枚の輪郭抽出用先頭フレーム画像OF1及び輪郭抽出用最後尾フレーム画像OFn中のオブジェクトOJ1及びOJnの輪郭が指定されると、この結果得られた先頭入力輪郭線StOL及び最後尾入力輪郭線EnOLからオブジェクトOJ2〜OJn−1の輪郭を指定するための推測輪郭線OLA1〜OLAn−2を推測して生成することにより、全ての輪郭抽出用フレーム画像OF1〜OFn中のオブジェクトOJ1〜OJnの輪郭を先頭入力輪郭線StOL、推測輪郭線OLA1〜OLAn−2及び最後尾入力輪郭線EnOLとして抽出することができ、オブジェクト抽出用動画像100中のオブジェクトOJ1〜OJnの輪郭を一段と容易に抽出できる。
【選択図】    図28

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像処理装置に関し、特に動画像中の一部分の表示対象(以下、これをオブジェクトと呼ぶ)の輪郭を抽出する場合に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像処理装置では、時間的に連続して抽出対象のオブジェクトを含む複数のフレーム画像から構成された動画像(以下、これをオブジェクト抽出用動画像と呼ぶ)中の当該オブジェクトの輪郭を抽出する技術として輪郭抽出という技法があり、例えはSobel Operator等のソフトフェアによってオブジェクト抽出用動画像中から所望のオブジェクトの輪郭を抽出することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところでかかる構成の画像処理装置においては、オブジェクト抽出用動画像を構成するフレーム画像が複雑な絵柄を有する場合には、フレーム画像中に非常に多くのエッジが存在し、抽出対象のオブジェクトの輪郭(エッジ)だけを正確に抽出することは困難であった。
【0004】
このため最近では、画像処理装置において、例えばユーザにマウス等を用いてオブジェクト抽出用動画像中のオブジェクトの輪郭をなぞらせて指定させ、その指定結果に基づいてオブジェクトの輪郭を抽出する方法が考えられている。
【0005】
ところがかかる方法によれば、オブジェクト抽出用動画像を構成する複数のフレーム画像中のオブジェクトの輪郭が時間の経過に従って変化することにより、当該オブジェクト抽出用動画像中のオブジェクトの輪郭を正確に抽出するためには全てのフレーム画像に対して抽出対象のオブジェクトの輪郭を指定する必要があり、オブジェクトの輪郭を容易には抽出し難いという問題があった。
【0006】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、動画像中のオブジェクトの輪郭を一段と容易に抽出し得る画像処理装置を提案しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、動画像を構成する複数枚の画像から少なくとも2枚の第1及び第2の画像を選択する選択手段と、当該選択手段により選択された第1及び第2の画像中のオブジェクトの輪郭を指定する入力手段と、当該入力手段を介して第1及び第2の画像中のオブジェクトの輪郭がそれぞれ指定されることにより得られた第1及び第2の輪郭指定結果に基づいて、第1及び第2の画像間の他の画像中のオブジェクトの輪郭を推測する輪郭推測手段と設けるようにした。
【0008】
従って画像処理装置では、動画像を構成する複数枚の画像のうち少なくとも2枚の第1及び第2の画像中のオブジェクトの輪郭だけを指定するだけで、その第1及び第2の輪郭抽出結果に基づいて第1及び第2の画像中のオブジェクトの輪郭を推測し、当該動画像を構成する全ての画像中のオブジェクトをその推測結果及び輪郭指定結果として抽出することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0010】
図1において、1は全体として本発明による画像処理装置を示し、複数のユーザに、所定の画像生成プログラムに従ってオブジェクトに対する輪郭抽出操作の試行用に生成された動画像(以下、これを輪郭抽出試行用動画像と呼ぶ)中のオブジェクト(以下、これを特に試行用オブジェクトと呼ぶ)の輪郭に対して輪郭抽出操作を試行させ、その結果得られた試行結果を蓄積する。
【0011】
また、画像処理装置1は、実際にユーザによって行われる輪郭抽出操作に応じてオブジェクト抽出用動画像から抽出対象のオブジェクトの輪郭を抽出する輪郭抽出処理を行う場合、当該輪郭抽出処理の間、ユーザによって入力される各種命令に応じて適宜表示内容を変化させて表示した一連の輪郭抽出処理用画面を輪郭抽出操作の経緯(すなわちオブジェクト輪郭用動画像からオブジェクトの輪郭を抽出するユーザの輪郭抽出手法)を表す輪郭抽出経緯画面データとして蓄積する。
【0012】
そして画像処理装置1は、個々のユーザによって輪郭抽出操作が行われる際、その輪郭抽出操作に先立って、他のユーザによりすでに行われた輪郭抽出操作で蓄積している輪郭抽出経緯画面データのうち試行結果に応じて、その時点で輪郭抽出操作を行うユーザ(以下、これを特に啓発対象ユーザと呼ぶ)の輪郭抽出手法を向上させるために手助けになると思われる輪郭抽出経緯画面データを選択して提示することにより、啓発対象ユーザに対して自分の輪郭抽出手法の向上を促すようになされている。
【0013】
(1)輪郭抽出試行処理手順
画像処理装置1は、輪郭生成部2、処理傾向情報抽出部3、情報蓄積部4、提示情報選択部5及び情報提示部6によって構成されている。また輪郭生成部2は、図2に示すように、動画像入力回路10、動画像記録回路11、ユーザインターフェース回路12、変換回路13、輪郭線推測生成回路14、輪郭線記録回路15、輪郭線出力回路16及び技量判定回路17によって構成されている。
【0014】
そして画像処理装置1は、先ず個々のユーザがオブジェクト抽出用動画像中の抽出対象のオブジェクトの輪郭をどの程度正確に指定するかを示す技量と、当該輪郭を指定する際にどのような傾向を有しているかとを予め推測するために抽出対象のオブジェクトとは異なる輪郭抽出試行用動画像中の試行用オブジェクトの輪郭に対して試行的に輪郭抽出操作(以下、これを特に輪郭抽出試行操作と呼ぶ)させ、その輪郭抽出試行操作に応じた輪郭抽出試行処理を実行する。
【0015】
実際に画像処理装置1は、輪郭生成部2、処理傾向情報抽出部3、情報蓄積部4、提示情報選択部5及び情報提示部6において輪郭抽出試行処理を実行するための各種処理を所定の輪郭抽出試行プログラムに従ってソフトウェア的に実現する。
【0016】
すなわち画像処理装置1は、図3に示すように、輪郭抽出試行プログラムに従って輪郭抽出試行処理手順RT1の開始ステップから入り、続くステップSP2へ移って試行モードへ移行する。
【0017】
ステップSP2において画像処理装置1は、輪郭生成部2のユーザインターフェース回路12により、所定の操作部(図示せず)を介して入力されたユーザ名及びユーザIDからなるユーザ情報S1を取得し、次の技量判定処理ルーチンSRT10へ移る。
【0018】
この際、画像処理装置1は、図4に示すように、技量判定処理ルーチンSRT10の開始ステップから入ってステップSP11へ移る。
【0019】
ステップSP11において画像処理装置1は、外部から供給された輪郭抽出試行用動画像データD1を輪郭生成部2の動画像入力回路10に取り込み、当該輪郭抽出試行用動画像データD1を構成するフレーム画像データ(以下、これを試行用フレーム画像データと呼ぶ)D1A単位で動画像記録回路11に記録する。
【0020】
ここで輪郭抽出試行用動画像データD1に基づく輪郭抽出試行用動画像50は、図5に示すように、時間的に連続して試行用オブジェクトTJ1〜TJ7を含む複数の試行用フレーム画像TF1〜TF7(試行用フレーム画像データD1Aに相当)で構成されており、当該試行用オブジェクトTJ1〜TJ7が時間の経過に従ってその形状を次第に変化させながら移動し、一般的な画像処理アプリケーションプログラムを利用した画像処理の実行によって、試行用オブジェクトTJ1〜TJ7の輪郭を示す輪郭線(以下、これを計測基準輪郭線と呼ぶ)ROL1〜ROL7を正確に認識させ得るように生成されている。
【0021】
そして画像処理装置1は、ユーザインターフェース回路12から輪郭抽出試行処理用画面データD2を情報提示部6(図1)に送出することにより当該情報提示部6に設けられたモニタ(図示せず)に輪郭抽出試行処理用画面データD2に基づいて、輪郭抽出試行用動画像50の画像表示領域等を有する輪郭抽出試行処理用画面(図示せず)を表示する。
【0022】
また画像処理装置1は、ユーザによって操作部を介して入力された先頭の試行用フレーム画像データ(以下、これを特に試行用先頭フレーム画像データと呼ぶ)D1Aの要求に応じて、ユーザインターフェース回路12により、動画像記録回路11から輪郭抽出試行用動画像データD1を構成する複数の試行用フレーム画像データD1Aのうち試行用先頭フレーム画像データD1Aを選択して読み出し、当該試行用先頭フレーム画像データD1Aを輪郭抽出試行処理用画面データD2と合成して情報提示部6(図1)に送出する。
【0023】
これにより画像処理装置1は、情報提示部6において輪郭抽出試行処理用画面内の画像表示領域に試行用先頭フレーム画像データD1Aに基づく試行用先頭フレーム画像TF1を表示し、かくして試行用先頭フレーム画像TF1中の試行用オブジェクトTJ1の形状をユーザに目視させる。
【0024】
この状態で画像処理装置1は、ユーザによってマウス等の操作部を介して輪郭抽出試行処理用画面上で試行用先頭フレーム画像TF1中の試行用オブジェクトTJ1の輪郭が任意になぞられて指定されると、この結果得られた入力輪郭線(以下、これを試行先頭入力輪郭線と呼ぶ)に相当する試行先頭入力輪郭線信号S2をユーザインターフェース回路12に取り込んで変換回路13へ送出する。
【0025】
画像処理装置1は、変換回路13によって、試行先頭入力輪郭線信号S2を所定のサンプリング間隔でサンプリングしてディジタルデータに変換することにより、当該試行先頭入力輪郭線信号S2に相当する複数の試行先頭入力輪郭形成点を生成し、当該生成した複数の試行先頭入力輪郭形成点の集合データを試行先頭入力輪郭形成点群データD3として輪郭線推測生成回路14に送出して次のステップSP12へ移る。
【0026】
ステップSP12において画像処理装置1は、ユーザにより操作部を介して入力された最後尾の試行用フレーム画像データ(以下、これを特に試行用最後尾フレーム画像データと呼ぶ)D1Aの要求に応じて、ユーザインターフェース回路12により、動画像記録回路11から輪郭抽出試行用動画像データD1を構成する複数の試行用フレーム画像データD1Aのうち試行用最後尾フレーム画像データD1Aを選択して読み出し、当該試行用最後尾フレーム画像データD1Aを輪郭抽出試行処理用画面データD2と合成して情報提示部6に送出することにより、当該情報提示部6において輪郭抽出試行処理用画面内の画像表示領域に試行用最後尾フレーム画像データD1Aに基づく試行用最後尾フレーム画像TF7を表示し、かくして当該試行用最後尾フレーム画像TF7中の試行用オブジェクトTJ7の形状をユーザに目視させる。
【0027】
この状態で画像処理装置1は、ユーザによってマウス等の操作部を介して輪郭抽出試行処理用画面上で試行用最後尾フレーム画像TF7中の試行用オブジェクトTJ7の輪郭がなぞられて指定されると、この結果得られた入力輪郭線(以下、これを試行最後尾入力輪郭線と呼ぶ)に相当する試行最後尾入力輪郭線信号S3をユーザインターフェース回路12に取り込んで変換回路13へ送出する。
【0028】
そして画像処理装置1は、変換回路13によって、試行最後尾入力輪郭線信号S3を所定のサンプリング間隔でサンプリングしてディジタルデータに変換することにより、当該試行最後尾入力輪郭線信号S3に相当する複数の試行最後尾入力輪郭形成点を生成し、当該生成した複数の試行最後尾入力輪郭形成点の集合データを試行最後尾入力輪郭形成点群データD4として輪郭線推測生成回路14に送出して次の推測輪郭線生成処理ルーチンSRT100へ移る。
【0029】
画像処理装置1は、図6に示すように、推測輪郭線生成処理ルーチンSRT100の開始ステップから入って次のステップSP101に移る。
【0030】
ここで試行用オブジェクトTJ1〜TJ7は、時間的に連続する試行用フレーム画像TF1〜TF7中にその形状を次第に変化させながら移動していることから(図5)、図7に示すように、試行先頭入力輪郭線StTL及び試行最後尾入力輪郭線EnTLを同一フレーム画像上で示した場合、試行先頭入力輪郭形成点StTP1〜StTP20と試行最後尾入力輪郭形成点EnTP1〜EnIT24との各位置はそれぞれ異なる。
【0031】
また試行先頭入力輪郭線StTL及び試行最後尾入力輪郭線EnTLにおいては、試行先頭入力輪郭形成点StTP1〜StTP20及び試行最後尾入力輪郭形成点EnTP1〜EnTP24を生成する際のサンプリング間隔が同じであるのに、試行用オブジェクトTJ1及びTJ7をユーザがそれぞれマウス等を介してなぞるときの描線速度や、試行用オブジェクトTJ1及びTJ7の輪郭の大きさ及び形状が異なることから、試行先頭入力輪郭形成点StTP1〜StTP20と試行最後尾入力輪郭形成点EnTP1〜EnTP24との総数がそれぞれ異なるものとなる。
【0032】
従ってステップSP101において画像処理装置1は、輪郭線推測生成回路14によって、試行先頭入力輪郭形成点群データD3及び試行最後尾入力輪郭形成点群データD4に基づいて、試行先頭入力輪郭線StTLを構成する試行先頭入力輪郭形成点StTP1〜StTP20の総数(以下、これを試行先頭形成点数と呼ぶ)と、試行最後尾入力輪郭線EnTLを構成する試行最後尾入力輪郭形成点EnTP1〜EnTP24の総数(以下、これを試行最後尾形成点数と呼ぶ)とを比較する。
【0033】
この結果、画像処理装置1は、輪郭線推測生成回路14によって、比較した試行先頭形成点数及び試行最後尾形成点数同士のうち数が少ない試行先頭形成点数の試行先頭入力輪郭形成点StTP1〜StTP20で構成される試行先頭入力輪郭線StTLにおいて、互いに隣接する各試行先頭入力輪郭形成点StTP1〜StTP20間の距離から当該試行先頭入力輪郭線StTLの全長を算出する。
【0034】
そして画像処理装置1は、輪郭線推測生成回路14によって、その算出した全長を数の多い試行最後尾形成点数で除算することにより、試行先頭入力輪郭線StTL上でこれを構成する新たな輪郭形成点(以下、これを新規輪郭形成点と呼ぶ)を生成するための生成間隔を求める。
【0035】
これにより画像処理装置1は、図8に示すように、輪郭線推測生成回路14によって、試行先頭入力輪郭線StTL上で生成間隔NK毎に順次新規輪郭形成点NSTP1〜NSTP24を生成し、試行先頭入力輪郭線StTLを構成する新規輪郭形成点NSTP1〜NSTP24の総数を試行最後尾形成点数に合わせてステップSP102へ移る。
【0036】
ステップSP102において画像処理装置1は、輪郭線推測生成回路14によって、図9(A)に示すように、試行先頭入力輪郭線StTLの重心StTC(座標値)と試行最後尾入力輪郭線EnTLの重心EnTCとを算出し、図9(B)に示すように、例えば試行先頭入力輪郭線StTLを、互いの重心StTC及びEnTC間の重心移動距離Lだけ、一方の重心StTCから他方の重心EnTCの方向へ移動させることにより互いの重心StTC及びEnTC同士を一致させて試行先頭入力輪郭線StTLと試行最後尾入力輪郭線EnTLとを重ね合わせる。
【0037】
この状態で画像処理装置1は、図10に示すように、輪郭線推測生成回路14によって、試行先頭入力輪郭線StTLを構成している複数の新規輪郭形成点NSTP1〜NSTP24のうち任意の新規輪郭形成点NSTP1を選択した後、当該選択した新規輪郭形成点NSTP1から最短距離にある試行最後尾入力輪郭形成点EnTP1を探索し、これら最短距離の関係にある新規輪郭形成点NSTP1と試行最後尾入力輪郭形成点EnTP1との間の輪郭線間距離Da1を算出する。
【0038】
このようにして画像処理装置1は、輪郭線推測生成回路14によって、残りの新規輪郭形成点NSTP2〜NSTP24に対してもそれぞれ最短距離にある試行最後尾入力輪郭形成点EnTP2〜EnTP24を探索して同様に輪郭線間距離Da2〜Da24 を算出した後、最も短い輪郭線間距離(ここでは輪郭線間距離Da1)の関係にある試行最後尾入力輪郭形成点EnTP1と新規輪郭形成点NSTP1とを起点ペアSPP1と決定して次のステップSP103へ移る。
【0039】
ステップSP103において画像処理装置1は、輪郭線推測生成回路14によって、図11(A)に示すように、起点ペアSPP1を起点とし、試行先頭入力輪郭線StTLにおいて例えば矢印ArwS1に示す反時計回り方向(以下、これを基準方向と呼ぶ)の新規輪郭形成点NSTP2〜NSTP24に、試行最後尾入力輪郭線EnTLにおいて矢印ArwO1に示す反時計回り方向(以下、これを順回り方向と呼ぶ)の試行最後尾入力輪郭形成点EnTP2〜EnTP24をそれぞれ順番に対応付けることにより、これら順番に対応付けた新規輪郭形成点NSTP2及び試行最後尾入力輪郭形成点StTP2間、新規輪郭形成点NSTP3及び試行最後尾入力輪郭形成点StTP3間、……の距離をそれぞれ順回りペア間距離ODa2〜ODa24 として算出する。
【0040】
また画像処理装置1は、輪郭線推測生成回路14によって、図11(B)に示すように、起点ペアSPP1を起点とし、試行先頭入力輪郭線StTLにおいて基準方向の新規輪郭形成点NSTP2〜NSTP24に、試行最後尾入力輪郭線EnTLにおいて矢印ArwR1に示す時計回り方向(以下、これを逆回り方向と呼ぶ)の試行最後尾入力輪郭形成点EnTP24〜EnTP2を順番に対応付けることにより、これら順番に対応付けた新規輪郭形成点NSTP2及び試行最後尾入力輪郭形成点StTP24間、新規輪郭形成点NSTP3及び試行先頭入力輪郭形成点StTP23間、……の距離をそれぞれ逆回りペア間距離RDa2〜RDa2として算出する。
【0041】
そして画像処理装置1は、輪郭線推測生成回路14によって、順回りペア間距離ODa2〜ODa24 の総和と逆回りペア間距離RDa2〜RDa24 の総和とを算出し、当該算出した総和同士を比較する。
【0042】
ここで新規輪郭形成点NSTP1〜NSTP24と試行最後尾入力輪郭形成点EnTP1〜EnTP24との対応付けについて考えると、新規輪郭形成点NSTP1〜NSTP24が試行用先頭フレーム画像TF1及び試行用最後尾フレーム画像TF7間の複数の試行用フレーム画像TF2〜TF6を経て移動した先の試行最後尾輪郭形成点EnTP1〜EnTP24にほぼ正しく対応付けられれば、これら対応付けた新規輪郭形成点NSTP1〜NSTP24及び試行最後尾輪郭形成点EnTP1〜EnTP24間の順回りペア間距離ODa2〜ODa24 又は逆回りペア間距離RDa2〜RDa24 の総和は比較的に小さくなる。
【0043】
これに対して新規輪郭形成点NSTP1〜NSTP24が試行用先頭フレーム画像TF1及び試行用最後尾フレーム画像TF7間の複数の試行用フレーム画像TF2〜TF6を経て移動した先の試行最後尾輪郭形成点EnTP1〜EnTP24に正しく対応付けられずに異なる他の試行最後尾輪郭形成点EnTP1〜EnTP24に対応付けられると、これら対応付けた新規輪郭形成点NSTP1〜NSTP24及び試行最後尾輪郭形成点EnTP1〜EnTP24の位置関係が本来のものとは異なることにより順回りペア間距離ODa2〜ODa24 又は逆回りペア間距離RDa2〜RDa24 の総和は比較的大きくなる。
【0044】
従って画像処理装置1は、輪郭線推測生成回路14によって、順回りペア間距離ODa2〜ODa24 又は逆回りペア間距離RDa2〜RDa24 の総和のうち当該総和が小さい一方の対応付け(例えば基準方向と順回り方向との対応付け)を、各新規輪郭形成点NSTP2〜NSTP24と、これらが移動した先の試行最後尾入力輪郭形成点EnTP2〜EnTP24とのほぼ正しい対応付けであると推測して選択し、次のステップSP104へ移る。
【0045】
ステップSP104において画像処理装置1は、輪郭線推測生成回路14によって、図12に示すように、輪郭抽出試行用動画像50を構成する複数の試行用フレーム画像TF1〜TF7のうち試行用先頭フレーム画像TF1と試行用最後尾フレーム画像TF7とを除いた試行用フレーム画像(以下、これを特に試行用中間フレーム画像と呼ぶ)TF2〜TF6の総数で順回りペア間距離ODa2、ODa3、……をそれぞれ除算することにより順番に対応付けた新規輪郭形成点NSTP2〜NSTP24及び試行最後尾入力輪郭形成点EnTP2〜EnTP24同士を結ぶ対応付け点間仮想線上で点形成間隔DDa2、DDa3、DDa4、……を求める。
【0046】
そして画像処理装置1は、輪郭線推測生成回路14により、各対応付け点間仮想線上でそれぞれ点形成間隔DDa2、DDa3、DDa4、……毎に試行用中間フレーム画像TF2〜TF6の総数に相当する数の試行推測輪郭形成点IPa2〜IPe2、IPa3〜IPe3、IPa4〜IPe4、……を生成する。
【0047】
また画像処理装置1は、起点ペアSPP1に対しても、新規輪郭形成点NSTP1及び試行最後尾入力輪郭形成点EnTP1間の起点ペア間距離ODa1を試行用中間フレーム画像TF2〜TF6の総数によって除算することにより新規輪郭形成点NSTP1及び試行最後尾入力輪郭形成点EnTP1同士を結ぶ起点間仮想線上で点形成間隔DDa1を求め、当該起点間仮想線上で試行用中間フレーム画像TF2〜TF6の総数に相当する数の試行推測輪郭形成点IPa1〜IPe1を生成し、次のステップSP105へ移る。
【0048】
ステップSP105において画像処理装置1は、輪郭線推測生成回路14によって、起点間仮想線及び対応付け点間仮想線上の試行推測輪郭形成点IPa1〜IPe1、IPa2〜IPe2、……のうち新規輪郭形成点NSTP1〜NSTP24から同一の順番にある試行推測輪郭形成点IPa1〜IPa24 、IPb1〜IPb24 、IPc1〜IPc24 、IPd1〜IPd24 及びIPe1〜IPe24 間をそれぞれ補間することにより各試行用中間フレーム画像TF2〜TF6に対する試行推測輪郭線ITLA1〜ITLA5を生成する。
【0049】
そして画像処理装置1は、輪郭線推測生成回路14によって、各試行推測輪郭線ITLA1〜ITLA5の重心(座標値)を算出する。
【0050】
ここで試行先頭入力輪郭線StTLの重心StTCは、試行用先頭フレーム画像TF1から試行用最後尾フレーム画像TF7までの間に重心移動距離L1(図9(A))だけ移動し、試行用最後尾フレーム画像TF7において試行最後尾入力輪郭線EnTLの重心EnTCの位置(座標値)に到達したと推測される。
【0051】
従って、画像処理装置1は、図13に示すように、輪郭線推測生成回路14によって、重心移動距離L1を試行用中間フレーム画像F2〜F6の総数で除算することにより試行先頭入力輪郭線StTLの重心StTC及び試行最後尾入力輪郭線EnTLの重心EnTC同士を結ぶ重心間仮想線上で当該試行先頭入力輪郭線StTLの重心StTCに対する試行用中間フレーム画像F2〜F6における移動位置(すなわち重心間隔TK毎の位置であり、以下、これを推測重心位置と呼ぶ)TO1〜TO5(座標値)を算出する。
【0052】
そして画像処理装置1は、輪郭線推測生成回路14によって、各試行推測輪郭線ITLA1〜ITLA5をその順番を維持した状態で試行先頭入力輪郭線StTLの重心StTCから試行最後尾入力輪郭線EnTLの重心EnTCの方向へ移動させ、これら各試行推測輪郭線ITLA1〜ITLA5の各重心をそれぞれ重心間仮想線上の推測重心位置TO1〜TO5に順番に一致(すなわち試行推測輪郭線ITLA1の重心は重心推測位置TO1に一致)させることにより、これら各試行推測輪郭線ITLA1〜ITLA5をそれぞれ試行用中間フレーム画像TF2〜TF6に対応付ける。
【0053】
これに加えて画像処理装置1は、輪郭線推測生成回路14によって、試行推測輪郭線ITLA1〜ITLA5を構成する複数の試行推測輪郭形成点IPa1〜IPa24 、IPb1〜IPb24 、……、IPe1〜IPe24 (対応する試行用中間フレーム画像TF2〜TF6中の座標で表す)の集合データでなる試行推測輪郭形成点群データを、試行先頭入力輪郭形成点群データD3及び試行最後尾入力輪郭形成点群データD4と共に、試行用オブジェクト輪郭抽出データD5として輪郭線記録回路15に送出して記録した後、推測輪郭線生成処理ルーチンSRT100を終了して技量判定処理ルーチンRT10のステップSP13(図4)へ移る。
【0054】
このようにして画像処理装置1は、輪郭抽出試行用動画像50を構成する複数の試行用フレーム画像TF1〜TF7のうち試行用先頭フレーム画像TF1及び試行用最後尾フレーム画像TF7中の試行用オブジェクトTJ1及びTJ7の輪郭がなぞられて指定されることにより得られた試行先頭入力輪郭線StTL及び試行最後尾入力輪郭線EnTLから各試行用中間フレーム画像TF2〜TF6中の試行用オブジェクトTJ2〜TJ6の輪郭を抽出するための試行推測輪郭線TLA1〜TLA5を推測して生成し得るようになされている。
【0055】
ところで試行先頭入力輪郭形成点(新規輪郭形成点NSTP1〜NSTP24)及び試行最後尾入力輪郭形成点EnTP1〜EnTP24は、試行用オブジェクトTJ7をユーザがなぞった方向に沿って順番に生成される。
【0056】
このため新規輪郭形成点NSTP1〜NSTP24及び試行最後尾輪郭形成点EnTP1〜EnTP24において、これらを単にその生成の順番に従って対応付けると、試行先頭入力輪郭線StTL及び試行最後尾入力輪郭線EnTLの描画が互いに逆向き(すなわち試行用オブジェクトTJ1とTJ7とをなぞった方向が逆向き)の場合、これら試行先頭入力輪郭線StTL及び試行最後尾入力輪郭線EnTLの間の試行推測輪郭線TLA1〜TLA5が一度反転するように(すなわち裏返しになるように)生成させる。
【0057】
しかしながら画像処理装置1では、上述したように順回りペア間距離ODa2〜ODa24 又は逆回りペア間距離RDa2〜RDa24 の総和の小さい一方の対応付けを選択することにより、試行用オブジェクトTJ1及びTJ7のなぞられる方向にかかわらずに各新規輪郭形成点NSTP2〜NSTP24と試行最後尾輪郭形成点EnTP1〜EnTP24とをほぼ正しく対応付けて試行推測輪郭線ITLA1〜ITLA5が反転することを防止して対応付けることができる。
【0058】
ステップSP13において画像処理装置1は、ユーザインターフェース回路12により、輪郭線記録回路15から試行用オブジェクト輪郭抽出データD5を読み出すと共に、動画像記録回路11から全ての試行用フレーム画像データD1Aを読み出し、当該試行用フレーム画像データD1Aを試行用オブジェクト輪郭抽出データD5と合成することにより試行抽出輪郭提示画像データを生成すると共に、その試行抽出輪郭提示画像データを輪郭抽出試行処理用画面データD2と合成して技量判定回路17及び情報提示部6へ送出する。
【0059】
これにより画像処理装置1は、図14に示すように、情報提示部6において輪郭抽出試行処理用画面内の画像表示領域に、試行用フレーム画像TF1〜TF7にそれぞれ対応する試行先頭入力輪郭線StTLと試行最後尾入力輪郭線EnTLと試行推測輪郭線TLA1〜TLA5とを重ねて表示してユーザに目視させる。
【0060】
また画像処理装置1は、技量判定回路17によって、輪郭抽出試行処理用画面データD2に基づいて試行先頭入力輪郭線StTL、試行推測輪郭線TLA1〜TLA5及び試行最後尾入力輪郭線EnTLとそれぞれ対応する試行用先頭フレーム画像TF1、試行用中間フレーム画像TF2〜TF6及び試行用最後尾フレーム画像TF7中の計測基準輪郭線ROL1〜ROL7との平均誤差量を算出し、次のステップSP14へ移る。
【0061】
ここで例えば計測基準輪郭線ROL1と試行先頭入力輪郭線StTLとの平均誤差量とは、当該計測基準輪郭線ROL1の各個所と試行先頭入力輪郭線StTLの対応する各個所との誤差を平均化した数値であり、試行先頭入力輪郭線StTLがその一周に渡り計測基準輪郭線ROL1に対して平均的にどの程度ずれているかを表すものである。
【0062】
ステップSP14において画像処理装置1は、技量判定回路17によって、試行用先頭フレーム画像TF1、試行用中間フレーム画像TF2〜TF6及び試行用最後尾フレーム画像TF7の全てにおいて平均誤差量が所定の閾値以下に達したか否かを判断する。
【0063】
ここで否定結果が得られると、このことは試行用先頭フレーム画像TF1、試行用中間フレーム画像TF2〜TF6及び試行用最後尾フレーム画像TF7のうち少なくともいずれか一つにおいて平均誤差量が所定の閾値以下に達していないことを表しており、このとき画像処理装置1は、次のステップSP15へ移る。
【0064】
ステップSP15において画像処理装置1は、技量判定回路17によって、入力輪郭要求データD6を生成し、これをユーザインターフェース回路12へ送出する。
【0065】
これにより画像処理装置1は、ユーザインターフェース回路12により、輪郭抽出試行操作中のユーザに輪郭抽出試行処理用画面を介して、複数の試行用中間フレーム画像TF2〜TF6のうち任意の試行用中間フレーム画像TF2〜TF6で試行用オブジェクトTJ2〜TJ6の輪郭を指定するように要求する。
【0066】
そして画像処理装置1は、ユーザインターフェース回路12によって、動画像記録回路11から試行用中間フレーム画像データD1Aを読み出し、これを輪郭抽出試行処理用画面データD2と合成して情報提示部6に送出することにより、当該情報提示部6において輪郭抽出試行処理用画面の画像表示領域に試行用中間フレーム画像データD1Aに基づく試行用中間フレーム画像TF2〜TF6を表示してユーザに目視させる。
【0067】
この状態で画像処理装置1は、ユーザにより操作部を介して各試行用中間フレーム画像TF2〜TF6のうち輪郭指定用に任意に選択された1枚の試行用中間フレーム画像TF2、……、又はTF6中の試行用オブジェクトTJ2、……、又はTJ6をなぞらせて指定させる。
【0068】
この結果、画像処理装置1は、ユーザにより選択された試行用中間フレーム画像TF4中の試行用オブジェクトTJ4が任意になぞられて指定されることにより追加の入力輪郭線(以下、これを試行追加入力輪郭線と呼ぶ)に相当する試行追加入力輪郭線信号S6が入力されると、これをユーザインターフェース回路12に取り込んで推測輪郭線生成処理ルーチンSRT100へ戻る。
【0069】
この場合、画像処理装置1は、試行用中間フレーム画像TF4中の試行用オブジェクトTJ4がなぞられて指定されると、この結果得られた追加入力輪郭線信号S6を変換回路13によって所定のサンプリング間隔でサンプリングしてディジタルデータに変換することにより当該追加入力輪郭線信号S6に相当する複数の追加入力輪郭形成点を生成し、当該生成した複数の追加入力輪郭形成点の集合データを追加入力輪郭形成点群データD7として輪郭線推測生成回路14へ送出する。
【0070】
そして画像処理装置1は、輪郭線推測生成回路14によって、輪郭線記録回路15からこれに記録している試行用オブジェクト輪郭抽出データD5を読み出し、当該試行用オブジェクト輪郭抽出データD5に含まれる試行先頭入力輪郭線StTL、試行最後尾入力輪郭線EtTL及び試行追加入力輪郭線とを用いて上述した推測輪郭線生成処理を行う。
【0071】
これにより画像処理装置1は、輪郭線推測生成回路14によって、試行先頭入力輪郭線StTL及び試行追加入力輪郭線から試行用先頭フレーム画像TF1及び試行用中間フレーム画像TF4間の試行用中間フレーム画像TF2及びTF3中の試行用オブジェクトTJ2及びTJ3の輪郭を抽出するための試行推測輪郭線TLB1及びTLB2を新たに推測して生成すると共に、試行追加入力輪郭線及び試行最後尾入力輪郭線EnTLから試行用中間フレーム画像TF4及び試行用最後尾フレーム画像TF7間の試行用中間フレーム画像TF5及びTF6中の試行用オブジェクトTJ5及びTJ6の輪郭を抽出するための試行推測輪郭線TLB4及びTLB5を新たに推測して生成する。
【0072】
このようにして画像処理装置1は、ステップSP14において肯定結果が得られるまでの間は、新たに試行用中間フレーム画像TF2〜TF6を選択させて試行用オブジェクトTJ2〜TJ6の輪郭を指定させることにより試行追加入力輪郭線を得ると共に、当該試行追加入力輪郭線と、その前後の入力輪郭線(試行先頭入力輪郭線StTL、試行最後尾入力輪郭線EnTL或いは他の試行追加入力輪郭線)とから新たな試行推測輪郭線を推測し直して生成することにより平均誤差量を小さくし、このようにして生成した新たな試行用オブジェクト輪郭抽出データD5を輪郭線記録回路15に記録して更新する。
【0073】
この際、画像処理装置1は、新たな試行推測輪郭線を生成する毎にユーザインターフェース回路12によって、輪郭線記録回路15から新たな試行用オブジェクト輪郭抽出データD5を読み出し、当該新たな試行用オブジェクト輪郭抽出データD5と試行用フレーム画像データD1Aとを合成して試行抽出輪郭提示画像データを生成すると共に、その試行抽出輪郭提示画像データを輪郭抽出試行処理用画面データD2と合成して技量判定回路17及び情報提示部6へ送出する。
【0074】
これにより画像処理装置1は、情報提示部6において輪郭抽出試行処理用画面内の画像表示領域に、試行用フレーム画像TF1〜TF7にそれぞれ対応する試行先頭入力輪郭線StTLと、試行最後尾入力輪郭線EnTLと、新たに生成した試行推測輪郭線とを重ねて表示してユーザに目視させる。
【0075】
これに対してステップSP14において肯定結果が得られると、このことは試行用先頭フレーム画像TF1、試行用中間フレーム画像TF2〜TF6及び試行用最後尾フレーム画像TF7においてそれぞれ平均誤差量が所定の閾値以下に達していることを表しており、このとき画像処理装置1は、次のステップSP16へ移る。
【0076】
ステップSP16において画像処理装置1は、技量判定回路17によって、試行用先頭フレームTF1、試行用中間フレームTF2〜TF6及び試行用最後尾フレームTF7においてそれぞれ平均誤差量が閾値以下になるまでに試行用オブジェクトTJ1〜TJ7の輪郭がなぞられて指定された試行用フレーム画像(以下、これを入力フレーム画像と呼ぶ)の総数と、予め設定された所定のフレーム画像基準数とを比較する。
【0077】
ここで輪郭抽出試行操作の技量が低いユーザは、平均誤差量が所定の閾値以下に達するまでに何度も試行用先頭フレームTF1、試行用中間フレームTF2〜TF6及び試行用最後尾フレームTF7中の試行用オブジェクトTJ1〜TJ7の輪郭を指定するように要求されることから、入力フレーム画像の総数が多くなる傾向にある。
【0078】
一方、輪郭抽出試行操作の技量が高いユーザは、何度も試行用先頭フレームTF1、試行用中間フレームTF2〜TF6及び試行用最後尾フレームTF7中の試行用オブジェクトTJ1〜TJ7の輪郭を指定しなくても平均誤差量が所定の閾値以下に達することから、入力フレーム画像の総数が少なくなる傾向にある。
【0079】
従って画像処理装置1は、入力フレーム画像の総数がフレーム画像基準数よりも少ない場合には、この際輪郭抽出試行操作を行ったユーザの技量が高いと判定し、これに対して当該入力フレーム画像の総数がフレーム画像基準数よりも多い場合には、この際輪郭抽出試行操作を行ったユーザの技量が低いと判定した後、その判定結果を入力フレーム画像の総数と共に技量データD8としてユーザインターフェース回路12に送出して技量判定処理ルーチンSRT10を終了し、次のステップSP3に移る。
【0080】
ステップSP3において画像処理装置1は、ユーザインターフェース回路12によって、技量判定処理の間、適宜表示内容を変化させて表示した一連の輪郭抽出試行処理用画面をその技量判定処理(すなわちユーザによる輪郭抽出試行操作)に要した時間(以下、これを作業時間と呼ぶ)等の情報を共に、輪郭抽出経緯画面データ(以下、これを特に輪郭抽出試行経緯画面データと呼ぶ)とし、図15に示すように、その輪郭抽出試行経緯画面データと、技量データD8と、輪郭抽出試行用動画像データD1と、ユーザ情報S1とからなる入力情報を入力情報データD9として処理傾向情報抽出部3に送出して次のステップSP4へ移る。
【0081】
ステップSP4において画像処理装置1は、処理傾向情報抽出部3によって、入力情報データD9に含まれる輪郭抽出試行用動画像データD1に所定の画像処理を施すことにより、当該輪郭抽出試行用動画像データD1から試行用フレーム画像データD1A個別の又は全ての試行用フレーム画像データD1Aにおける平均的な色成分ヒストグラム及びエッジ成分比率とからなる画像特徴情報を抽出する。
【0082】
また画像処理装置1は、処理傾向情報抽出部3によって、入力情報データD9に含まれる輪郭抽出試行経緯画面データに対して所定の画像処理を施すことにより、輪郭抽出試行操作に要した作業時間と、入力フレーム画像中の試行用オブジェクトTJ1〜TJ7の輪郭が指定されたときの輪郭描線時間と、試行用先頭フレーム画像TF1及び試行用最後尾フレーム画像TF7中の試行用オブジェクトTJ1及びTJ7を一度指定した後に、改めて入力フレーム画像中の試行用オブジェクトの指定を行った回数(以下、これを訂正回数と呼ぶ)と、入力フレーム画像を決定するために前後の試行用フレーム画像TJ1〜TJ7をモニタに何回表示したかを表す表示回数とを輪郭抽出経緯情報として抽出する。
【0083】
このようにして画像処理装置1は、処理傾向情報抽出部3によって、図16に示すように、入力情報から抽出した画像特徴情報と輪郭抽出経緯情報とをユーザによりどのような輪郭抽出試行用動画像50からどのように試行用オブジェクトTJ1〜TJ7の輪郭が抽出されたかを示す処理傾向情報とする。
【0084】
そして画像処理装置1は、処理傾向情報抽出部3によって、入力情報から抽出した処理傾向情報を処理傾向情報データとし、当該処理傾向情報データ及び入力情報データD9を対応付けて、これを蓄積情報データD10として情報蓄積部4に送出した後、次のステップSP5へ移る。
【0085】
これによりステップSP5において画像処理装置1は、情報蓄積部4により、図17に示すように、複数のユーザの蓄積情報データD10をこれに入力情報の技量データD8として含まれる入力フレーム画像の総数が少ない順に並べて、フレーム画像基準数Bor1を基に技量の高いユーザの蓄積情報データD10と、技量の低いユーザの蓄積情報データD10とを区分した状態で記憶してデータベース化し、次のステップSP6へ移って輪郭抽出試行処理手順RT1を終了する。
【0086】
このようにして画像処理装置1は、実際に抽出対象のオブジェクトを含むオブジェクト抽出用動画像に対して輪郭抽出処理が行われる前に輪郭抽出試行操作の結果を基にユーザの輪郭抽出操作に対する技量や輪郭抽出傾向(すなわち処理傾向情報で表される傾向)を推測し、これを蓄積情報データD10として情報蓄積部4に記憶する。
【0087】
因みに、画像処理装置1では、一度輪郭抽出試行操作を行ったユーザであっても所定期間以上、抽出対象のオブジェクトに対して輪郭抽出操作を行わなければ、再度輪郭抽出試行操作を行なわせてユーザの輪郭抽出操作に対する技量及び輪郭抽出傾向の推測結果を更新し、これによりユーザの技量を常時適確に把握し得るようになされている。
【0088】
(2)情報提示処理手順
次に、画像処理装置1は、輪郭抽出試行操作を行った啓発対象ユーザによりオブジェクト抽出用動画像に対して輪郭抽出操作が行われる際、当該啓発対象ユーザに他のユーザが輪郭抽出操作を行ったときの一連の輪郭抽出処理用画面を提示する。
【0089】
この場合、画像処理装置1は、輪郭生成部2、処理傾向情報抽出部3、情報蓄積部4、提示情報選択部5及び情報提示部6において情報提示処理を実行するための各種処理を所定の情報提示プログラムに従ってソフトウェア的に実現する。
【0090】
すなわち画像処理装置1は、図18に示すように、情報提示処理プログラムに従って情報提示処理手順RT2の開始ステップから入り、続くステップSP30へ移って情報提示モードへ移行する。
【0091】
ステップSP30において画像処理装置1は、外部から供給されたオブジェクト抽出用動画像データD100を輪郭生成部2の動画像入力回路10に取り込み、当該オブジェクト抽出用動画像データD100を構成するフレーム画像データ(以下、これを輪郭抽出用フレーム画像データと呼ぶ)D100A単位で動画像記録回路11に記録する。
【0092】
ここでオブジェクト抽出用動画像データD100に基づくオブジェクト抽出用動画像100は、図19に示すように、時間的に連続して抽出対象のオブジェクトOJ1〜OJnを含む複数の輪郭抽出用フレーム画像OF1〜OFnから構成されており、当該輪郭抽出用フレーム画像OF1〜OFn中のオブジェクトOJ1〜OJnが時間の経過に従ってその形状を次第に変化させながら移動する。
【0093】
そして画像処理装置1は、ユーザインターフェース回路12により、動画像記録回路11からオブジェクト抽出用動画像データD100を構成する複数の輪郭抽出用フレーム画像データD100Aを順次読み出して情報提示部6に送出することにより当該情報提示部6に設けられたモニタに時間的に連続する輪郭抽出用フレーム画像OF1〜OFnでなるオブジェクト抽出用動画像100を表示して啓発対象ユーザに目視させることにより、当該オブジェクト抽出用動画像100の内容及び抽出対象のオブジェクトOJ1〜OJnの輪郭を確認させて、次のステップSP31へ移る。
【0094】
ステップSP31において画像処理装置1は、啓発対象ユーザにより操作部(図示せず)を介して入力されたユーザ名及びユーザIDとからなるユーザ情報S1を輪郭生成部2のユーザインターフェース回路12に取り込み、これを処理傾向情報抽出部3を介して提示情報選択部5に送出して次のステップSP32へ移る。
【0095】
ステップSP32において画像処理装置1は、提示情報選択部5によって、情報蓄積部4からユーザ情報S1(ユーザ名及びユーザID)に基づいて啓発対象ユーザの蓄積情報データD10を読み出し、次のステップSP33へ移る。
【0096】
ステップSP33において画像処理装置1は、提示情報選択部5によって、啓発対象ユーザの蓄積情報データD10に処理傾向情報データとして含まれる輪郭抽出経緯情報(以下、これを比較用基準抽出経緯情報と呼ぶ)と、情報蓄積部4に記憶した啓発対象ユーザの蓄積情報データD10を除いたすでに蓄積している他の全ての蓄積情報データ(以下、これを過去蓄積情報データと呼ぶ)D10に処理傾向情報データ(以下、これを過去処理傾向情報データと呼ぶ)として含まれる輪郭抽出経緯情報(以下、これを過去抽出経緯情報と呼ぶ)とを比較する。
【0097】
実際上、画像処理装置1は、比較用基準抽出経緯情報に含まれる作業時間(以下、これを比較用基準作業時間と呼ぶ)、輪郭描線時間(以下、これを比較用基準描線時間と呼ぶ)、訂正回数(以下、これを比較用基準訂正回数と呼ぶ)及び表示回数(以下、これを比較用基準表示回数と呼ぶ)と、過去抽出経緯情報に含まれる作業時間(以下、これを過去作業時間と呼ぶ)、輪郭描線時間(以下、これを過去描線時間と呼ぶ)、訂正回数(以下、これを過去訂正回数と呼ぶ)及び表示回数(以下、これを過去表示回数と呼ぶ)とを比較する。
【0098】
この状態で画像処理装置1は、提示情報選択部5によって、過去蓄積情報データD10の中から比較用基準作業時間の値を中心とした所定の作業時間閾値範囲内の値を示す過去作業時間と、比較用基準描線時間の値を中心とした所定の描線時間閾値範囲内の値を示す過去描線時間と、比較用基準訂正回数の値を中心とした所定の訂正回数閾値範囲内の値を示す過去訂正回数と、比較用基準表示回数の値を中心とした所定の表示回数閾値範囲内の値を示す過去表示回数とを過去抽出経緯情報として含む過去蓄積情報データD10を選択することにより、選択対象の過去蓄積情報データD10の数を啓発対象ユーザと輪郭抽出手法の類似する輪郭抽出手法のユーザの過去蓄積情報データD10に限定して次のステップSP34へ移る。
【0099】
ステップSP34において画像処理装置1は、提示情報選択部5によって、啓発対象ユーザの蓄積情報データD10に含まれる技量データD8に基づいて当該啓発対象ユーザの技量(フレーム画像基準数Bor1を基準として判断した技量)が低いか否かを判断する。
【0100】
このステップSP34において肯定結果が得られると、このことは図20に示すように、輪郭抽出試行操作の結果により啓発対象ユーザY1を輪郭抽出操作に対して技量の低いユーザであると判定していることを表しており、このとき画像処理装置1は、次のステップSP35へ移る。
【0101】
ステップSP35において画像処理装置1は、提示情報選択部5によって、ステップSP33で選択した過去蓄積情報データD10の中から技量判定処理によって最も技量が高いと判定したユーザY2の過去蓄積情報データD10を最終的に選択する。
【0102】
これにより画像処理装置1は、提示情報選択部5によって情報蓄積部4から最終的に選択した最も技量の高いユーザY2の過去蓄積情報データD10にユーザ情報S1として含まれるユーザIDに基づいて、その最も技量の高いユーザY2により過去に行われたオブジェクト抽出用動画像100に対する輪郭抽出操作の際の一連の輪郭抽出処理用画面データからなる輪郭抽出経緯画面データD12と、当該最も技量の高いユーザY2の過去蓄積情報データD10に技量データD8として含まれる技量の情報とを提示情報データD11として読み出し、当該読み出した提示情報データD11を情報提示部6へ送出して次のステップSP37へ移る。
【0103】
ここで輪郭抽出経緯画面データD12に基づく一連の輪郭抽出処理用画面は、過去にユーザによって輪郭抽出操作が行われた際に情報提示部6のモニタに表示され、当該輪郭抽出操作に応じたオブジェクト抽出用動画像100の輪郭抽出用フレーム画像OF1〜OFnの表示の仕方や、抽出対象のオブジェクトOJ1〜OJnの指定の仕方等のように、抽出対象のオブジェクトOJ1〜OJnの輪郭の抽出に対する一連の経緯を表している。
【0104】
ステップSP37において画像処理装置1は、情報提示部6により、提示情報データD11に基づいて最も技量の高いユーザY2の輪郭抽出経緯画面データD12に基づく一連の輪郭抽出処理用画面と、当該ユーザY2の技量の情報とを情報提示部6に設けられたモニタ及びスピーカ(図示せず)を介して出力して啓発対象ユーザに提示し、次のステップSP38に移って情報提示処理手順RT2を終了する。
【0105】
これに対してステップSP34において否定結果が得られると、このことは図20に示すように、輪郭抽出試行操作の結果により啓発対象ユーザY3を技量の高いユーザであると判定していることを表しており、このとき画像処理装置1は、次のステップSP36へ移る。
【0106】
ステップSP36において画像処理装置1は、ステップSP33で選択した過去蓄積情報データD10の中から技量判定処理によって最も技量が低いと判定したユーザY4の過去蓄積情報データD10を最終的に選択する。
【0107】
これにより画像処理装置1は、提示情報選択部5によって情報蓄積部4から、最終的に選択した最も技量の低いユーザY4の過去蓄積情報データD10にユーザ情報S1として含まれるユーザIDに基づいて、その最も技量の低いユーザY4により過去に行われたオブジェクト抽出用動画像100に対する輪郭抽出操作の際の一連の輪郭抽出処理用画面データからなる輪郭抽出経緯画面データD12と、当該最も技量の低いユーザY4の過去蓄積情報データD10に技量データD8として含まれる技量の情報とを提示情報データD11として読み出し、当該読み出した提示情報データD11を情報提示部6へ送出して次のステップSP37へ移る。
【0108】
ステップSP37において画像処理装置1は、情報提示部6により、提示情報データD11に基づいて最も技量の低いユーザY4の輪郭抽出経緯画面データD12に基づく一連の輪郭抽出処理用画面とそのユーザY4の技量の情報とをモニタ及びスピーカを介して出力して啓発対象ユーザに提示した後、次のステップSP38に移り情報提示処理手順RT2を終了する。
【0109】
このようにして画像処理装置1は、図21に示すように、技量の低い啓発対象ユーザY1に対して、当該啓発対象ユーザY1の輪郭抽出手法と類似する輪郭抽出手法の複数のユーザのうち最も技量の高いユーザY2の輪郭抽出経緯画面データD12に基づく一連の輪郭抽出処理用画面を提示情報として提示することにより、当該最も技量の高いユーザY2の輪郭抽出手法(すなわち輪郭抽出操作の経緯)を基に啓発対象ユーザに対して自分の輪郭抽出操作における注意すべき点や、より良くするために真似るべき点等を気付かせて、当該輪郭抽出操作の向上を促すようになされている。
【0110】
これに対して画像処理装置1は、技量の高い啓発対象ユーザY3に対して、当該啓発対象ユーザY3の輪郭抽出手法と類似する輪郭抽出手法の複数のユーザのうち最も技量の低いユーザY4の輪郭抽出経緯画面データD12に基づく一連の輪郭抽出処理用画面を提示情報として提示することにより、当該最も技量の低いユーザY4の輪郭抽出手法(すなわち輪郭抽出操作の経緯)を基に反面教師的に啓発対象ユーザY3に対して当該啓発対象ユーザY3の輪郭抽出手法と類似する、最も技量の低いユーザY4の輪郭抽出手法を誤って真似ることを防止して、当該輪郭抽出操作の向上を促すようになされている。
【0111】
そして画像処理装置1は、啓発対象ユーザに対するこのような提示情報の提示の際に事前にオブジェクト抽出用動画像100を啓発対象ユーザに提示していることにより、オブジェクト抽出用動画像100の内容と、他のユーザの輪郭抽出手法とを照らし合わさせることができ、かくして啓発対象ユーザに対して輪郭抽出操作の向上をさらに適確に促すことができるようになされている。
【0112】
(3)輪郭抽出処理手順
次いで画像処理装置1は、啓発対象ユーザに提示情報を提示した後、当該啓発対象ユーザによって行われるオブジェクト抽出用動画像100に対する輪郭抽出操作に応じて輪郭抽出処理を実行する。
【0113】
この際、画像処理装置1は、輪郭生成部2、処理傾向情報抽出部3、情報蓄積部4、提示情報選択部5及び情報提示部6において輪郭抽出処理を実行するための各種処理を所定の輪郭抽出処理プログラムに従ってソフトフェア的に実現する。
【0114】
すなわち画像処理装置1は、図22に示すように、輪郭抽出処理プログラムに従って輪郭抽出処理手順RT3の開始ステップから入り、続くステップSP51へ移って情報提示モードから輪郭抽出処理モードへ移行する。
【0115】
ステップSP51において画像処理装置1は、ユーザインターフェース回路12から輪郭抽出処理用画面データD20を情報提示部6(図1)に送出することにより当該情報提示部6に設けられたモニタに輪郭抽出処理用画面データD20に基づいて、オブジェクト抽出用動画像D100の画像表示領域等を有する輪郭抽出処理用画面(図示せず)を表示する。
【0116】
また画像処理装置1は、ユーザによって操作部を介して入力された先頭の輪郭抽出用フレーム画像データ(以下、これを特に輪郭抽出用先頭フレーム画像データと呼ぶ)D100Aの要求に応じて、ユーザインターフェース回路12により、動画像記録回路11からオブジェクト抽出用動画像データD100を構成する複数の輪郭抽出用フレーム画像データD100Aのうち輪郭抽出用先頭フレーム画像データD100Aを選択して読み出し、当該輪郭抽出用先頭フレーム画像データD100Aを輪郭抽出処理用画面データD20と合成して情報提示部6に送出する。
【0117】
これにより画像処理装置1は、情報提示部6において輪郭抽出処理用画面内の画像表示領域に輪郭抽出用先頭フレーム画像データD100Aに基づく輪郭抽出用先頭フレーム画像OF1を表示し、かくして輪郭抽出用先頭フレーム画像OF1中のオブジェクトOJ1の形状をユーザに目視させる。
【0118】
この状態で画像処理装置1は、図23に示すように、啓発対象ユーザによりマウス等の操作部を介して輪郭抽出処理用画面上で輪郭抽出用先頭フレーム画像OF1中のオブジェクトOJ1の輪郭が任意になぞられて指定されると、この結果得られた入力輪郭線(以下、これを特に先頭入力輪郭線と呼ぶ)に相当する先頭入力輪郭線信号S4をユーザインターフェース回路12に取り込んで変換回路13へ送出する。
【0119】
画像処理装置1は、変換回路13によって、先頭入力輪郭線信号S4を所定のサンプリング間隔でサンプリングしてディジタルデータに変換することにより、当該先頭入力輪郭線信号S4に相当する複数の先頭入力輪郭形成点を生成し、当該生成した複数の先頭入力輪郭形成点の集合データを先頭入力輪郭形成点群データD21として輪郭線推測生成回路14に送出し、次のステップSP52へ移る。
【0120】
ステップSP52において画像処理装置1は、ユーザによって操作部を介して入力された最後尾の輪郭抽出用フレーム画像データ(以下、これを特に輪郭抽出用最後尾フレーム画像データと呼ぶ)D100Aの要求に応じて、ユーザインターフェース回路12により、動画像記録回路11から複数の輪郭抽出用フレーム画像データD100Aのうち輪郭抽出用最後尾フレーム画像データD100Aを選択して読み出し、当該輪郭抽出用最後尾フレーム画像データD100Aを輪郭抽出処理用画面データD20と合成して情報提示部6に送出することにより、当該情報提示部6において輪郭抽出処理用画面内の画像表示領域に輪郭抽出用最後尾フレーム画像データD100Aに基づく輪郭抽出用最後尾フレーム画像OFnを表示し、かくして輪郭抽出用最後尾フレーム画像OFn中のオブジェクトOJnの形状をユーザに目視させる。
【0121】
この状態で画像処理装置1は、啓発対象ユーザによりマウス等の操作部を介して輪郭抽出処理用画面上で輪郭抽出用最後尾フレーム画像OFn中のオブジェクトOJnの輪郭が任意になぞられて指定されると、この結果得られた入力輪郭線(以下、これを特に最後尾入力輪郭線と呼ぶ)に相当する最後尾入力輪郭線信号S5をユーザインターフェース回路12に取り込んで変換回路13に送出する。
【0122】
そして画像処理装置1は、変換回路13によって、最後尾入力輪郭線信号S5を所定のサンプリング間隔でサンプリングしてディジタルデータに変換することにより、当該最後尾入力輪郭線信号S5に相当する複数の最後尾入力輪郭形成点を生成し、当該生成した複数の最後尾入力輪郭形成点の集合データを最後尾入力輪郭形成点群データD22として輪郭線推測生成回路14に送出し、次のステップSP53へ移る。
【0123】
ステップSP53において画像処理装置1は、輪郭生成部2によって、図6について上述した推測輪郭線生成処理ルーチンSRT100と同様の処理を実行することにより、先頭入力輪郭線StOL及び最後尾入力輪郭線EnOLから、輪郭抽出用先頭フレーム画像OF1及び輪郭抽出用最後尾フレーム画像OFn間の全ての輪郭抽出用フレーム画像(以下、これを輪郭抽出用中間フレーム画像と呼ぶ)OF2〜OFn−1中のオブジェクトOJ2〜OJn−1の輪郭を抽出するための推測輪郭線を推測して生成する。因みに推測輪郭線は輪郭生成部2によって、以下のように生成される。
【0124】
すなわち輪郭生成部2は、輪郭線推測生成回路14によって、先頭入力輪郭線StOLを構成する複数の先頭入力輪郭形成点の総数(以下、これを先頭形成点数と呼ぶ)と、最後尾入力輪郭線EnOLを構成する複数の最後尾入力輪郭形成点の総数(以下、これを最後尾形成点数と呼ぶ)とを比較し、数の少ない例えば先頭入力輪郭形成点で構成される先頭入力輪郭線StOLにおいて、互いに隣接する各先頭入力輪郭形成点間の距離から当該先頭入力輪郭線StOLの全長を算出する。
【0125】
そして輪郭生成部2は、輪郭線推測生成回路14によって、その算出した全長を数の多い最後尾形成点数で除算することにより、先頭入力輪郭線StOL上でこれを構成する複数の新たな新規輪郭形成点Nを生成するための生成間隔を求め、当該生成間隔毎に順次新規輪郭形成点を生成することにより、先頭入力輪郭線StOLを構成する新規輪郭形成点の総数を最後尾形成点数に合わせる。
【0126】
次いで輪郭生成部2は、輪郭線推測生成回路14によって、先頭入力輪郭線StOLの重心StOC(座標値)と最後尾入力輪郭線EnOLの重心EnOC(座標値)とを算出し、図24(A)及び(B)に示すように、互いの重心StOC及びEnOC同士を一致させて先頭入力輪郭線StOLと最後尾入力輪郭線EnOLとを重ね合わせる。
【0127】
この状態で輪郭生成部2は、図25に示すように、輪郭線推測生成回路14によって、各新規輪郭形成点NSOP1〜NSOPnと、これらに対してそれぞれ最短距離の関係にある最後尾入力輪郭形成点EnOP1〜EnOPnとの間の輪郭線間距離Db1、Db2、Db3、……、Dbnを算出し、当該算出した輪郭線間距離Db1、Db2、Db3、……、Dbnのうち最も短い輪郭線間距離(ここでは輪郭線間距離Db1)の関係にある最後尾入力輪郭形成点EnOP1と新規輪郭形成点NSOP1とを起点ペアSPP2と決定する。
【0128】
続いて輪郭生成部2は、輪郭線推測生成回路14によって、図26(A)に示すように、起点ペアSPP2を起点とし、先頭入力輪郭線StOLにおいて例えば矢印ArwS2に示す反時計回り方向である基準方向の新規輪郭形成点NSOP1〜NSOPnに、最後尾入力輪郭線EnOLにおいて矢印ArwO2に示す反時計回り方向である順回り方向の最後尾入力輪郭形成点EnOP1〜EnOPnをそれぞれ順番に対応付けることにより、これら対応付けた新規輪郭形成点NSOP2及び最後尾入力輪郭形成点EnOP2間、新規輪郭形成点NSOP3及び最後尾入力輪郭形成点EnOP3間、……の順回りペア間距離ODb2〜ODbnを算出する。
【0129】
また画像処理装置1は、輪郭線推測生成回路14によって、図26(B)に示すように、起点ペアSPP2を起点として、先頭入力輪郭線StOLにおいて基準方向の新規輪郭形成点NSOP1〜NSOPnに、最後尾入力輪郭線EnOLにおいて矢印ArwS2に示す時計回り方向である逆回り方向の最後尾入力輪郭形成点EnOP1〜EnOPnをそれぞれ順番に対応付けることにより、これら対応付けた新規輪郭形成点NSOP2及び最後尾入力輪郭形成点EnOPn間、新規輪郭形成点NSOP3及び最後尾入力輪郭形成点EnOPn−1間、……の逆回りペア間距離RDb2〜RDbnを算出する。
【0130】
次いで輪郭生成部2は、輪郭線推測生成回路14によって、順回りペア間距離ODb2〜ODbnの総和と逆回りペア間距離RDb2〜RDbnの総和とを算出した後、当該算出した総和同士を比較することにより総和の小さい一方の対応付け(例えば基準方向と順回り方向との対応付け)を選択する。
【0131】
そして輪郭生成部2は、輪郭線推測生成回路14によって、図27に示すように、起点ペア間距離ODb1、順回りペア間距離ODb2、ODb3、……をそれぞれ輪郭抽出用中間フレーム画像OF2〜OFn−1の総数で除算することにより、起点ペアである新規輪郭形成点NSOP1及び最後尾入力輪郭形成点EnOP1同士を結ぶ起点間仮想線上と、順番に対応付けた新規輪郭形成点NSOP2〜NSOPn及び最後尾入力輪郭形成点EnOP2〜EnOPn同士を結ぶ対応付け点間仮想線上とでそれぞれ点形成間隔DDb1、DDb2、DDb3、……を求め、当該起点間仮想線及び対応付け点間仮想線上で点形成間隔DDb1、DDb2、DDb3、……毎に推測輪郭形成点OIPa1〜OIPn1、OIPa2〜OIPn2、OIPa3〜OIPn3、……を生成する。
【0132】
輪郭生成部2は、輪郭線推測生成回路14によって、起点間仮想線及び対応付け点間仮想線上の推測輪郭形成点OIPa1〜OIPn1、OIPa2〜OIPn2、OIPa3〜OIPn3、……のうち新規輪郭形成点NSOP1〜NSOPnから同一の順番にある推測輪郭形成点OIPa1〜OIPan間、OIPb1〜OIPbn間、OIPc1〜OIPcn間、……をそれぞれ補間することにより、各輪郭抽出用中間フレーム画像OF2〜OFn−1に対する推測輪郭線OLA1〜OLAn−2を生成する。
【0133】
そして輪郭生成部2は、輪郭線推測生成回路14によって、各推測輪郭線OLA1〜OLAn−2の重心(座標値)を算出する。
【0134】
また輪郭生成部2は、輪郭線推測生成回路14によって、先頭入力輪郭線StOLの重心StOCと最後尾入力輪郭線EnOLの重心EnOCとの間の重心移動距離L2(図24)を輪郭抽出用中間フレーム画像OF2〜OFn−1の総数で除算することにより、これら互いの重心StOC及びEnOC同士を結ぶ重心間仮想線上で当該先頭入力輪郭線StOLの重心StOCに対する輪郭抽出用中間フレーム画像OF2〜OFn−1での移動位置(すなわち推測重心位置)を算出する。
【0135】
そして輪郭生成部2は、輪郭線推測生成回路14によって、各推測輪郭線OLA1〜OLAn−2を、その順番を維持した状態で先頭入力輪郭線StOLの重心StOCから最後尾入力輪郭線EnOLの重心EnOCの方向に移動させ、これら推測輪郭線OLA1〜OLAn−2の各重心をそれぞれ重心間仮想線上の推測重心位置に順番に一致させることにより、これら各推測輪郭線OLA1〜OLAn−2をそれぞれ輪郭抽出用中間フレーム画像OF2〜OFn−1に対応付ける。
【0136】
このようにして画像処理装置1は、輪郭抽出用先頭フレーム画像OF1及び輪郭抽出用最後尾フレーム画像OFn中のオブジェクトOJ1及びOJnの輪郭がなぞられて指定されることにより得られた先頭入力輪郭線StOLと最後尾入力輪郭線EnOLから各輪郭抽出中間フレーム画像F2〜Fn−1中のオブジェクトOJ2〜OJn−1の輪郭を抽出するための推測輪郭線OLA1〜OLAn−2を推測して生成する。
【0137】
そして画像処理装置1は、輪郭線推測生成回路14によって、推測輪郭線OLA1〜OLAn−2を構成する複数の推測輪郭形成点OIPa1〜OIPan、OIPb1〜OIPbn、OIPc1〜OIPcn、……(対応する輪郭抽出用中間フレーム画像OF2〜OFn−1中の座標で表す)の集合データでなる推測輪郭形成点群データを、先頭入力輪郭形成点群データD21及び最後尾入力輪郭形成点群データD22と共に、オブジェクト輪郭抽出データD23として輪郭線記録回路15に送出して記録し、次のステップSP54へ移る。
【0138】
ステップSP54において画像処理装置1は、ユーザインターフェース回路12により、輪郭線記録回路15からオブジェクト輪郭抽出データD23を読み出すと共に、動画像記録回路11から全ての輪郭抽出用フレーム画像データD100Aを読み出し、当該輪郭抽出用フレーム画像データD100Aをオブジェクト輪郭抽出データD23と合成することにより指定輪郭提示画像データを生成すると共に、その指定輪郭提示画像データを輪郭抽出処理用画面データD20と合成して情報提示部6へ送出する。
【0139】
これにより画像処理装置1は、図28に示すように、情報提示部6において輪郭抽出処理用画面の画像表示領域に、輪郭抽出用フレーム画像OF1〜OFnにそれぞれ対応する先頭入力輪郭線StOLと推測輪郭線OLA1〜OLAn−2と最後尾入力輪郭線EnOLとを重ねて表示して啓発対象ユーザに目視させ、次のステップSP55に移る。
【0140】
ステップSP55において画像処理装置1は、ユーザインターフェース回路12により、啓発対象ユーザによって輪郭抽出処理を終了する処理終了命令が入力されたか否かを判断する。
【0141】
このステップSP55において否定結果が得られると、このことは輪郭抽出処理用画面内を介して推測輪郭線OLA1〜OLAn−2を目視確認した啓発対象ユーザによって処理終了命令が入力されていないこと、すなわち輪郭抽出用中間フレーム画像OF2〜OFn−1中のオブジェクトOJ2〜OJn−1の輪郭が啓発対象ユーザの納得のできる精度で抽出されておらず、引き続き輪郭抽出操作が行われることを表しており、このとき画像処理装置1は、次のステップSP56へ移る。
【0142】
ステップSP56において画像処理装置1は、ユーザインターフェース回路12により、啓発対象ユーザによって入力された輪郭指定用に輪郭抽出中間フレーム画像OF2〜OFn−1の提示を要求する提示命令に応じて、動画像記録回路11から輪郭抽出用中間フレーム画像OF2〜OFn−1に相当する輪郭抽出用フレーム画像データD100Aを読み出し、これを輪郭抽出処理用画面データD20に合成して情報提示部6に送出することにより、情報提示部6において輪郭抽出処理用画面内の画像表示領域に輪郭抽出用中間フレーム画像OF2〜OFn−1を表示して啓発対象ユーザに目視させる。
【0143】
このようにして画像処理装置1は、啓発対象ユーザに対して複数の輪郭抽出用中間フレーム画像OF2〜OFn−1を視覚的に比較させながら新たにオブジェクトOJ2〜OJn−1の輪郭を指定する輪郭抽出用中間フレーム画像OF2〜OFn−1を選択させる。
【0144】
この結果、画像処理装置1は、図29に示すように、啓発対象ユーザにより例えば輪郭抽出用中間フレーム画像OF12が選択され、その輪郭抽出用中間フレーム画像OF12中のオブジェクトOJ12の輪郭が任意になぞられることにより得られた追加の入力輪郭線(以下、これを追加入力輪郭線と呼ぶ)AL1に相当する追加入力輪郭線信号S20をユーザインターフェース回路12に取り込むと、ステップSP54に戻る。
【0145】
この場合、画像処理装置1は、ステップSP53において変換回路13により、追加入力輪郭線信号S20を所定のサンプリング間隔でサンプリングしてディジタルデータに変換することにより、当該追加入力輪郭線信号S20に相当する複数の追加入力輪郭形成点を生成し、当該生成した追加入力輪郭形成点の集合データを追加入力輪郭形成点群データD24として輪郭線推測生成回路14へ送出する。
【0146】
そして画像処理装置1は、輪郭線推測生成回路14によって、輪郭線記録回路15からオブジェクト輪郭抽出データD23を読み出し、当該オブジェクト輪郭抽出データD23から先頭入力輪郭形成点群データD21及び最後尾入力輪郭形成点群データD22を取り出す。
【0147】
ここで画像処理装置1は、輪郭線推測生成回路14によって、まず先頭入力輪郭形成点群データD21に相当する先頭入力輪郭線StOLと、追加入力輪郭形成点群データD24に相当する追加入力輪郭線AL1とから輪郭抽出用先頭フレーム画像OF1及び輪郭抽出用中間フレーム画像OF12間の輪郭抽出用中間フレーム画像OF2〜OF11中のオブジェクトOJ2〜OJ11の輪郭を抽出するための推測輪郭線OLB1〜OLB10 を新たに推測して生成する。
【0148】
また画像処理装置1は、輪郭線推測生成回路14によって、追加入力輪郭線AL1と最後尾入力輪郭形成点群データD22に相当する最後尾入力輪郭線EnOLとから輪郭抽出用中間フレーム画像OF12及び輪郭抽出用最後尾フレーム画像OFn間の輪郭抽出用中間フレーム画像OF13〜OFn−1中のオブジェクトOJ13〜OJn−1の輪郭を抽出するための推測輪郭線OLB12 〜OLBn−2を新たに推測して生成する。
【0149】
そして画像処理装置1は、輪郭線推測生成回路14によって、推測輪郭線OLB1〜OLB10 及びOLB12 〜OLBn−2をそれぞれ構成する複数の推測輪郭形成点群データを生成し、当該推測輪郭形成点群データと、先頭入力輪郭線形成点群データD21と、最後尾入力輪郭形成点群データD22と、追加入力輪郭形成点群データD24とを新たなオブジェクト輪郭抽出データD23として輪郭線記録回路15に送出して記録することにより更新する。
【0150】
これにより画像処理装置1は、ユーザインターフェース回路12によって、輪郭線記録回路15から新たなオブジェクト輪郭抽出データD23を読み出すと共に、動画像記録回路11から輪郭抽出用フレーム画像データD100Aを読み出し、当該輪郭抽出用フレーム画像データD100Aを新たなオブジェクト輪郭抽出データD23と合成することにより抽出輪郭提示画像データを生成すると共に、その指定輪郭提示画像データを輪郭抽出処理用画面データD20と合成して情報提示部6へ送出する。
【0151】
この結果、画像処理装置1は、情報提示部6において例えば輪郭抽出処理用画面内の画像表示領域に、輪郭抽出用フレーム画像OF1〜OFnにそれぞれ対応する先頭入力輪郭線StOLと最後尾入力輪郭線EnOLと追加入力輪郭線AL1と新たな推測輪郭線OLB1〜OLB10 及びOLB12 〜OLBn−2とを重ねて表示してユーザに目視させる。
【0152】
この状態で画像処理装置1は、ステップSP55において再び否定結果が得られると、上述したステップSP56へ移って同様に輪郭指定用の輪郭抽出用フレーム画像OF1〜OFnを選択させる。
【0153】
そして画像処理装置1は、啓発対象ユーザによって新たに輪郭抽出用中間フレーム画像OF22が選択(図29)され、当該輪郭抽出用中間フレーム画像OF22中のオブジェクトOJ22が任意になぞられることにより追加入力輪郭線信号S21が得られると、これをユーザインターフェース回路12に取り込んでステップSP53に戻る。
【0154】
この場合、画像処理装置1は、ステップSP53において、変換回路13により、追加入力輪郭線信号S21を所定のサンプリング間隔でサンプリングしてディジタルデータに変換することにより、当該追加入力輪郭線信号S21に相当する複数の追加入力輪郭形成点を生成し、当該生成した追加入力輪郭形成点の集合データを追加入力輪郭形成点群データD25として輪郭線推測生成回路14へ送出する。
【0155】
そして画像処理装置1は、輪郭線推測生成回路14によって、輪郭線記録回路15からオブジェクト輪郭抽出データD23を読み出し、当該オブジェクト輪郭抽出データD23から追加入力輪郭形成点群データD24及び最後尾入力輪郭形成点群データD22を取り出す。
【0156】
ここで画像処理装置1は、輪郭線推測生成回路14によって、まず追加入力輪郭形成点群データD24に相当する追加入力輪郭線AL1と、追加入力輪郭形成点群データD25に相当する追加入力輪郭線AL2とから輪郭抽出用中間フレーム画像OF12及び輪郭抽出用中間フレーム画像OF22間の輪郭抽出用中間フレーム画像OF13〜OF21中のオブジェクトOJ13〜OJ21の輪郭を抽出するための推測輪郭線OLC12 〜OLC20 を新たに推測し直して生成する。
【0157】
また画像処理装置1は、輪郭線推測生成回路14によって、追加入力輪郭線AL2と、最後尾入力輪郭形成点群データD22に相当する最後尾入力輪郭線EnOLとから輪郭抽出用中間フレーム画像OF22及び輪郭抽出用最後尾フレーム画像OFn間の輪郭抽出用中間フレーム画像OF23〜OFn−1中のオブジェクトOJ23〜OJn−1の輪郭を抽出するための推測輪郭線OLC22 〜OLCn−2を新たに推測し直して生成する。
【0158】
そして画像処理装置1は、輪郭線推測生成回路14によって、推測輪郭線OLB1〜OLB10 、OLC12 〜OLC20 及びOLC22 〜OLCn−2をそれぞれ構成する複数の推測輪郭形成点群データを新たに生成し、当該推測輪郭形成点群データと、先頭入力輪郭形成点群データD21と、最後尾入力輪郭形成点群データD22と、追加入力輪郭形成点群データD24及びD25とを新たなオブジェクト輪郭抽出データD23として輪郭線記録回路15に送出して記録することにより更新する。
【0159】
これにより画像処理装置1は、ユーザインターフェース回路12によって、輪郭線記録回路15から新たなオブジェクト輪郭抽出データD23を読み出すと共に、動画像記録回路11から輪郭抽出用フレーム画像データD100Aを読み出し、当該輪郭抽出用フレーム画像データD100Aを新たなオブジェクト輪郭抽出データD23と合成することにより抽出輪郭提示画像データを生成すると共に、その抽出輪郭提示画像データを輪郭抽出処理用画面データD20と合成して情報提示部6へ送出する。
【0160】
この結果、画像処理装置1は、情報提示部6において輪郭抽出処理用画面内の画像表示領域に、輪郭抽出用フレーム画像OF1〜OFnにそれぞれ対応する先頭入力輪郭線StOLと、最後尾入力輪郭線EnOLと、追加入力輪郭線AL1及びAL2と、推測輪郭線OLB1〜OLB10 、OLC12 〜OLC20 及びOLC22〜OLCn−2とを重ねて表示してユーザに目視させる。
【0161】
このようにして画像処理装置1は、ステップSP55において肯定結果が得られるまでの間はステップSP56−ステップSP53−ステップSP54−ステップSP55の処理を繰り返す。
【0162】
従って画像処理装置1は、啓発対象ユーザによってオブジェクトOJ1〜OJnの輪郭が指定されることにより1度は推測輪郭線を生成しても、新たにオブジェクトOJ1〜OJnの輪郭が指定されると、その都度、輪郭の指定結果に応じて輪郭抽出用フレーム画像OF2〜OFn−1中のオブジェクトOJ2〜OJn−1の輪郭を抽出するための推測輪郭線を推測し直して修正することによりオブジェクトOJ1〜OJnの輪郭を啓発対象ユーザの納得する精度で抽出することができる。
【0163】
これに対してステップSP55において肯定結果が得られると、このことは輪郭抽出用中間フレーム画像OF2〜OFn−1中のオブジェクトOJ2〜OJn−1の輪郭が啓発対象ユーザの納得する精度で抽出できたことにより、当該啓発対象ユーザによって輪郭抽出処理を終了する処理終了命令が入力されたことを表しており、このとき画像処理装置1は、処理終了命令をユーザインターフェース回路12に取り込んで次のステップSP57へ移る。
【0164】
ステップSP57において画像処理装置1は、ユーザインターフェース回路12から処理終了命令を変換回路13及び輪郭線推測生成回路14を順次介して輪郭線記録回路15に送出することにより、当該輪郭線記録回路15によりこの時点で記録している最新のオブジェクト輪郭抽出データD23に相当する先頭入力輪郭線StOLと、最後尾入力輪郭線EnOLと、追加入力輪郭線AL1及びAL2と、推測輪郭線OLB1〜OLB10 、OLC12 〜OLC20 及びOLC22 〜OLCn−2とをオブジェクトOJ1〜OJnの輪郭を抽出して最終的に得た輪郭線(以下、これを最終輪郭線と呼ぶ)とする。
【0165】
そして画像処理装置1は、輪郭線記録回路15により、その最終輪郭線を最終輪郭線データD30として輪郭線出力回路16を介して図示しないオブジェクト抽出装置に送出することにより、当該オブジェクト抽出装置によって最終輪郭線を用いてオブジェクト抽出用動画像100を構成する複数の輪郭抽出用フレーム画像OF1〜OFn中のオブジェクトOJ1〜OJnを抽出させる。
【0166】
また画像処理装置1は、ユーザインターフェース回路12に上述した輪郭抽出処理手順RT3(すなわちオブジェクト抽出用動画像100を用いた輪郭抽出処理)を実行している間、適宜表示内容を変化させて情報提示部6で表示した一連の輪郭抽出処理用画面を輪郭抽出操作の経緯を表す輪郭抽出経緯画面データD12として記録している。
【0167】
従って画像処理装置1は、ユーザインターフェース回路12により、輪郭抽出経緯画面データD12に啓発対象ユーザのユーザIDを対応付け、これを処理傾向情報抽出部3を介して情報蓄積部4に送出して、当該情報蓄積部4に記憶することにより、他の啓発対象ユーザによって輪郭抽出操作が行われる際にその輪郭抽出経緯画面データD12を提示情報として利用可能な状態とし、次のステップSP58へ移って上述した輪郭抽出処理手順RT3を終了する。
【0168】
このようにして画像処理装置1は、図30に示すように、オブジェクト抽出用動画像100を構成する輪郭抽出用フレーム画像OF1〜OFn中のオブジェクトOJ1〜OJnの輪郭を啓発対象ユーザの納得のできる精度で当該オブジェクトOJ1〜OJnの動きに応じて推移させた理想的な最終輪郭線LS1〜LSnとして抽出し得るようになされている。
【0169】
(4)動作及び効果
以上の構成において、画像処理装置1は、輪郭抽出処理モード時、オブジェクト抽出用動画像100を構成する時間的に連続した複数の輪郭抽出用フレーム画像OF1〜OFnのうち輪郭抽出用先頭フレーム画像OF1及び輪郭抽出用最後尾フレーム画像OFn中のオブジェクトOJ1及びOJnの輪郭が任意になぞられると、この結果得られた先頭入力輪郭線StOL及び最後尾入力輪郭線EnOLから当該輪郭抽出用先頭フレーム画像OF1及び輪郭抽出用最後尾フレーム画像OFn間の輪郭抽出用中間フレーム画像OF2〜OFn−1中のオブジェクトOJ2〜OJn−1の輪郭を抽出するための推測輪郭線OLA1〜OLAn−2を推測して生成するようにした。
【0170】
従って画像処理装置1では、オブジェクト抽出用動画像100を構成する全ての輪郭抽出用フレーム画像OF1〜OFn中のオブジェクトOJ1〜OJnの輪郭をそれぞれマウス等の操作部を介して指定させなくても当該オブジェクト抽出用動画像100を構成する複数の輪郭抽出用フレーム画像OF1〜OFnのうち少なくとも2枚の輪郭抽出用先頭フレーム画像OF1及び輪郭抽出用最後尾フレーム画像OFn中のオブジェクトOJ1及びOJnの輪郭をマウス等の操作部を介して指定させるだけで、これら全ての輪郭抽出用フレーム画像OF1〜OFn中のオブジェクトOJ1〜OJnの輪郭をそれぞれ先頭入力輪郭線StOL、推測輪郭線OLA1〜OLAn−2及び最後尾入力輪郭線EnOLとして抽出することができる。
【0171】
また画像処理装置1は、輪郭抽出用先頭フレーム画像OF1及び輪郭抽出用最後尾フレーム画像OFn間の複数の輪郭抽出用中間フレーム画像OF2〜OFn−1のうち任意に選択された輪郭抽出用中間フレーム画像OF12及びOF22中のオブジェクトOJ12及びOJ22の輪郭がマウス等の操作部を介して指定されることにより追加入力輪郭線AL1及び追加入力輪郭線AL2が得られると、その都度、時間の経過に従った順番で互いに隣り合う先頭入力輪郭線StOL及び追加入力輪郭線AL1、当該追加入力輪郭線AL1及び追加入力輪郭線AL2、当該追加入力輪郭線AL2及び最後尾入力輪郭線EnOLから輪郭抽出用先頭フレーム画像OF1及び輪郭抽出用中間フレーム画像OF12間、輪郭抽出用中間フレーム画像OF12及びOF22間、輪郭抽出用中間フレーム画像OF22及び輪郭抽出用最後尾フレーム画像OFn間の各輪郭抽出用中間フレーム画像OF2〜OF11、OF13〜OF21、OF23〜OFn−1中の各オブジェクトOJ2〜OJ11、OJ13〜OJ21、OJ23〜OJn−1を指定するための推測輪郭線OLB1〜OLB10 、OLC12 〜OLB20 、OLC22 〜OLCn−2を推測し直してて生成する。
【0172】
従って画像処理装置1は、輪郭抽出用先頭フレーム画像OF1及び輪郭抽出用最後尾フレーム画像OFn間に多数の輪郭抽出用中間フレーム画像OF2〜OFn−1が存在したり、当該輪郭抽出用フレーム画像OF1〜OFn中のオブジェクトOJ1〜OJnの輪郭が急激に変化する等してオブジェクトOJ1〜OJnの輪郭と推測輪郭線OLA1〜OLAn−2とに誤差が生じても、これら輪郭抽出用中間フレーム画像OF2〜OFn−1の枚数や、オブジェクトOJ1〜OJnの輪郭の変化に応じて適宜任意の輪郭抽出用中間フレーム画像OF2〜OFn−1を選択させて、その中のオブジェクトOJ2〜OJn−1の輪郭を指定させるだけで、輪郭抽出用中間フレーム画像OF2〜OFn−1に対するオブジェクトOJ2〜OJn−1の輪郭に極力近づけるように当該推測輪郭線OLA1〜OLAn−2を修正することができ、かくしてオブジェクト抽出用動画像100中のオブジェクトOJ1〜OJnの輪郭を一段と正確に抽出することができる。
【0173】
さらに画像処理装置1は、試行モード時、啓発対象ユーザに輪郭抽出試行用動画像50中の試行用オブジェクトTJ1〜TJ7の輪郭に対して輪郭抽出試行操作を行わせ、当該輪郭抽出試行操作に応じた輪郭抽出試行処理の結果により、当該啓発対象ユーザに対する輪郭抽出操作の技量や輪郭の指定傾向(すなわち処理傾向情報で表される傾向)を推測する。
【0174】
そして画像処理装置1は、輪郭抽出処理モードに先立つ情報提示モード時、オブジェクト抽出用動画像100中のオブジェクトOJ1〜OJnの輪郭に対して実際に輪郭抽出操作を行う啓発対象ユーザに、予め推測した技量及び輪郭の指定傾向に応じて他のユーザの輪郭抽出手法を表す一連の輪郭抽出処理用画面でなる輪郭抽出経緯画面データD12を選択し、これを提示情報として情報提示部6を介して啓発対象ユーザに提示する。
【0175】
従って画像処理装置1は、処理能力に優れた指導者による指導を特には必要とせずに、技量の異なる他のユーザの輪郭抽出手法をもとに啓発対象ユーザに対して、自分の輪郭抽出手法における注意すべき点等を気付かせて当該輪郭輪郭手法の向上を促すことができる。
【0176】
以上の構成によれば、画像処理装置1においては、輪郭抽出処理モード時、オブジェクト抽出用動画像100を構成する時間的に連続した複数の輪郭抽出用フレーム画像OF1〜OFnのうち少なくとも2枚の輪郭抽出用先頭フレーム画像OF1及び輪郭抽出用最後尾フレーム画像OFn中のオブジェクトOJ1及びOJnの輪郭がそれぞれ指定されると、この結果得られた先頭入力輪郭線StOL及び最後尾入力輪郭線EnOLから当該輪郭抽出用先頭フレーム画像OF1及び輪郭抽出用最後尾フレーム画像OFn間の輪郭抽出用中間フレーム画像OF2〜OFn−1中のオブジェクトOJ2〜OJn−1の輪郭を指定するための推測輪郭線OLA1〜OLAn−2を推測して生成するようにしたことにより、オブジェクト抽出用動画像100を構成する全ての輪郭抽出用フレーム画像OF1〜OFn中のオブジェクトOJ1〜OJnの輪郭を先頭入力輪郭線StOL、推測輪郭線OLA1〜OLAn−2及び最後尾入力輪郭線EnOLとして抽出することができ、かくしてオブジェクト抽出用動画像100中のオブジェクトOJ1〜OJnの輪郭を一段と容易に抽出できる。
【0177】
(5)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、啓発対象ユーザに過去の他のユーザによって行われた輪郭抽出操作の経緯を表す一連の輪郭抽出処理用画面を提示した後に、当該啓発対象ユーザにオブジェクト抽出用動画像100中のオブジェクトOJ1〜OJnの輪郭に対する輪郭抽出操作を行わせるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図31に示すように、輪郭抽出処理モード時、過去の他のユーザによって行われた輪郭抽出操作の経緯を表す一連の輪郭抽出処理用画面110を表示する画像表示領域7Aと、啓発対象ユーザによって行われる輪郭抽出操作に応じて一連の輪郭抽出処理用画面120を表示する輪郭抽出領域7Bとを有する処理画面6Aを情報提示部6で表示し、当該啓発対象ユーザによって行われる輪郭抽出操作に合わせて過去のユーザによる輪郭抽出操作時の一連の輪郭抽出処理用画面110を提示するようにしても良い。
【0178】
また上述の実施の形態においては、試行モード時、予め設定されたフレーム画像基準数Bor1(図17)を基準とした入力フレーム画像の総数に応じて各ユーザの技量を判定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、試行モード時、図32に示すように、入力フレーム画像の総数の少ない順に各ユーザの蓄積情報データD10を並べて、全ユーザの数をほぼ半分に区切る閾値Bor2により各ユーザの技量を判定したり、又は、図33に示すように、入力フレーム画像の総数の少ない順に各ユーザの蓄積情報データD10を並べて、技量の高い、又は低いユーザを所定人数に限定するような閾値Bor3により各ユーザの技量を判定するようにしても良い。この場合、各ユーザにおける入力フレーム画像の総数の傾向に応じてユーザの技量を判定することができる。
【0179】
さらに上述の実施の形態においては、情報提示モード時、過去蓄積情報データD10の中から啓発対象ユーザの輪郭抽出手法と類似する輪郭抽出手法のユーザの過去蓄積情報データD10を選択(限定)するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、各ユーザによって行われた輪郭抽出試行操作及び又は輪郭抽出操作で抽出したオブジェクトの名称を過去蓄積情報データD10に格納しておき、情報提示モード時、啓発対象ユーザにオブジェクト抽出用動画像中のオブジェクトの名称(例えば星型や人間の上半身等)を入力させ、当該オブジェクトの名称の情報を含む過去蓄積情報データD10を選択(限定)したり、当該啓発対象ユーザの蓄積情報データD10に処理傾向情報として含まれる画像特徴情報と、過去蓄積情報データD10に処理傾向情報として含まれる画像特徴情報とを比較することにより、啓発対象ユーザの抽出する輪郭を有するオブジェクトと同じ又は類似するオブジェクト(又はオブジェクト抽出用動画像)の輪郭を抽出したユーザの過去蓄積情報データD10を選択(限定)するようにしても良い。
【0180】
この場合、啓発対象ユーザにこれから輪郭を抽出するオブジェクトと同じ又は類似するオブジェクト、或いはその輪郭の抽出に用いるオブジェクト抽出用動画像と同じ又は類似するオブジェクト抽出用動画像に対して輪郭抽出操作を行った他のユーザの輪郭抽出手法を表す一連の輪郭抽出処理用画面を提示できることにより、啓発対象ユーザに自分の輪郭抽出手法の向上をより適確に促すことができる。
【0181】
さらに上述の実施の形態においては、情報提示モード時、啓発対象ユーザY1(図20)の技量が低い場合、過去蓄積情報データD10の中から最も技量の高いユーザY2の過去蓄積情報データD10を最終的に選択し、啓発対象ユーザY3の技量が高い場合、過去蓄積情報データD10の中から最も技量の低いユーザY4の過去蓄積情報データD10を最終的に選択するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図34に示すように、情報提示モード時、啓発対象ユーザY5の技量が低い場合、過去蓄積情報データD10の中から当該啓発対象ユーザY5の技量を基準とした一定範囲W内で最も技量の高いユーザY6の過去蓄積情報データD10を最終的に選択し、啓発対象ユーザY7の技量が高い場合、過去蓄積情報データD10の中から当該啓発対象ユーザY7の技量を基準とした一定範囲W内で最も技量の低いユーザY8の過去蓄積情報データD10を最終的に選択するようにしても良い。
【0182】
この場合、輪郭抽出手法の手本とするユーザの技量が高すぎ又は低すぎて当該ユーザによって輪郭抽出操作が行われた際の一連の輪郭抽出処理用画面が啓発対象ユーザの輪郭抽出手法の向上を促すために利用し難くなることを防止することができる。
【0183】
さらに上述の実施の形態においては、順回りペア間距離ODb2〜ODanの総和と逆回りペア間距離RDb2〜RDbnの総和とを比較し、当該総和が小さい一方の対応付けを選択して対応ペアを決定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、先頭入力輪郭形成点StOP1〜StOPn毎に最も近い最後尾入力輪郭形成点EnOP1〜EnOPnを順次探査して、これらを対応ペアと決定するようにしても良い。
【0184】
さらに上述の実施の形態においては、互いの重心StOC及びEnOC同士を一致させた状態の先頭入力輪郭線StOL及び最後尾入力輪郭線EnOLにおいて、対応ペア間の点形成間隔DDb1、DDb2、DDb3、……毎に推測輪郭形成点OIPa1〜OIPn1、OIPa2〜OIPn2、OIPa3〜OIPn3、……を生成し、この結果得られた推測輪郭線IOL1〜IOLn−2を移動させて、これらの重心を重心間仮想線上の推測重心位置に一致させるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、互いの重心StOC及びEnOC同士を一致させずにもとの位置関係の先頭入力輪郭線StOL及び最後尾入力輪郭線EnOLにおいて、対応ペア間の点形成間隔毎に推測輪郭形成点を生成するようにして推測輪郭線OLA1〜OLAn−2を生成するようにしても良い。
【0185】
さらに上述の実施の形態においては、試行モード時、啓発対象ユーザの輪郭抽出試行操作の結果を蓄積情報データD10として情報記憶部4に記憶して当該蓄積情報データD10に基づいて他のユーザの輪郭抽出経緯画面データD12を選択するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、輪郭抽出処理モード時、啓発対象ユーザが最初に実際に行った輪郭抽出操作の結果を基に当該啓発対象ユーザの輪郭抽出操作に対する技量や輪郭の抽出傾向(すなわち処理傾向情報で表される傾向)を判定し、これを蓄積情報データD10として情報蓄積部4に記憶して、再び啓発対象ユーザがオブジェクト抽出用動画像に対して輪郭抽出操作を行う際の情報提示モード時に、当該蓄積情報データD10に応じて他のユーザの輪郭抽出経緯画面データD12を選択するようにしても良い。
【0186】
さらに上述の実施の形態においては、図1〜図34についてマウス等の操作部を介してオブジェクトの輪郭がなぞられることにより得た入力輪郭線(先頭入力輪郭線StOL、最後尾入力輪郭線EnOL及び追加入力輪郭線AL1等)から推測輪郭線を生成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、オブジェクトの輪郭内周側の領域を指定したり、オブジェクトの背影を塗りつぶして指定する指定領域等からオブジェクトOJ1〜OJnの輪郭を抽出するための推測輪郭線を生成するようにしても良い。
【0187】
さらに上述の実施の形態においては、動画像を構成する複数枚の画像から少なくとも第1及び第2の画像を選択する選択手段として、図示しないマウス等の操作部を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、動画像を構成する複数枚の画像から輪郭抽出用先頭フレーム画像OF1及び輪郭抽出用最後尾フレーム画像OFnにかかわらずに少なくとも任意に第1及び第2の画像を選択することができれば、他の種々の選択手段を広く適用することができる。
【0188】
さらに上述の実施の形態においては、選択手段により選択された第1及び第2の画像中のオブジェクトの輪郭を指定するための入力手段として、図示しないマウス等の操作部を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、選択手段により選択された第1及び第2の画像中のオブジェクトの輪郭を指定することができれば、ジョイスティックやタッチパット、タッチパネル等のポインティングデバイス等のようにように他の種々の入力手段を広く適用するようにしても良い。
【0189】
さらに上述の実施の形態においては、第1及び第2の画像中のオブジェクトの輪郭が指定されることにより得られた輪郭指定結果に基づいて、第1及び第2の画像間の他の画像中のオブジェクトの輪郭を推測する輪郭推測手段として、輪郭線推測生成回路14を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1及び第2の画像中のオブジェクトの輪郭が指定されることにより得られた輪郭指定結果に基づいて、第1及び第2の画像間の他の画像中のオブジェクトの輪郭を推測することができれば、CPU(Central Processing Unit) やマイクロプロセッサ等のように他の種々の輪郭推測手段を広く適用するようにしても良い。
【0190】
さらに上述の実施の形態においては、動画像又は当該動画像とは異なる他の動画像から、入力手段を介して得られた少なくとも第1及び第2の輪郭指定結果と、輪郭推測手段によって推測された輪郭の推測結果として抽出された当該輪郭の輪郭抽出手法とを評価する評価手段として、技量判定回路17を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、動画像又は当該動画像とは異なる他の動画像から、入力手段を介して得られた少なくとも第1及び第2の輪郭指定結果と、輪郭推測手段によって推測された輪郭の推測結果として抽出された当該輪郭の輪郭抽出手法とを評価することができれば、CPUやマイクロプロセッサ等のように他の種々の評価手段を広く適用するようにしても良い。
【0191】
さらに上述の実施の形態においては、特定ユーザの評価結果と、所定の閾値以上離れた評価結果を得ているユーザの輪郭抽出手法とを読み出す読出手段として、提示情報選択部5を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、特定ユーザの評価結果と、所定の閾値以上離れた評価結果を得ているユーザの輪郭抽出手法を読み出すことができれば、蓄積手段に用いる記録媒体に応じて他の種々の読出手段を広く適用するようにしても良い。
【0192】
さらに上述の実施の形態においては、予め設定された輪郭抽出試行プログラムに従って啓発対象ユーザの輪郭抽出操作に対する技量や輪郭抽出傾向を推測し、情報提示プログラムに従って啓発対象ユーザの試行結果に基づき他のユーザの一連の輪郭抽出処理用画面を提示し、輪郭抽出処理プログラムに従って上述したオブジェクト抽出用動画像100中のオブジェクトOJ1〜OJnに対する推測輪郭線OLA1〜OLAnを生成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、輪郭抽出試行プログラム、情報提示プログラム及び輪郭抽出処理プログラムが格納されたプログラム格納媒体を画像処理装置1にインストールすることにより、啓発対象ユーザの輪郭抽出操作に対する技量や輪郭抽出傾向を推測し、当該啓発対象ユーザの試行結果に基づき他のユーザの一連の輪郭抽出処理用画面を提示し、オブジェクト抽出用動画像100中のオブジェクトOJ1〜OJnに対する推測輪郭線OLA1〜OLAnを生成するようにしても良い。
【0193】
このように上述した啓発対象ユーザの輪郭抽出操作に対する技量や輪郭抽出傾向を推測する輪郭抽出試行プログラムや、啓発対象ユーザの試行結果に基づき他のユーザの一連の輪郭抽出処理用画面を提示する情報提示プログラム、オブジェクト抽出用動画像100中のオブジェクトOJ1〜OJnに対する推測輪郭線OLA1〜OLAnを生成する輪郭抽出処理プログラムを画像処理装置1にインストールして実行可能な状態にするためのプログラム格納媒体としては、例えばフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory) 、DVD(Digital Versatile Disk)等のパッケージメディアのみならず、輪郭抽出試行プログラム、情報提示プログラム及び輪郭抽出処理プログラムが一時的にもしくは永続的に格納される半導体メモリや磁気ディスク等で実現しても良い。またこれらのプログラム格納媒体に輪郭抽出試行プログラム、情報提示プログラム及び輪郭抽出処理プログラムを格納する手段として、ローカルエリアネットワークやインターネット、ディジタル衛生放送等の有線及び無線通信媒体を利用しても良く、ルータやモデム等の各種通信インターフェイスを介して格納するようにしても良い。
【0194】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、動画像を構成する複数枚の画像から少なくとも2枚の第1及び第2の画像を選択する選択手段と、当該選択手段により選択された第1及び第2の画像中のオブジェクトの輪郭を指定するための入力手段と、当該入力手段を介して第1及び第2の画像中のオブジェクトの輪郭がそれぞれ指定されることにより得られた第1及び第2の輪郭指定結果に基づいて、第1及び第2の画像間の他の画像中のオブジェクトの輪郭を推測する輪郭推測手段とを設けるようにしたことにより、動画像を構成する複数枚の画像のうち少なくとも第1及び第2の画像中のオブジェクトの輪郭を指定するだけで、その輪郭指定結果に基づいて第1及び第2の画像間の他の画像中のオブジェクトの輪郭を推測し、当該動画像を構成する全ての画像中のオブジェクトをその推測結果及び輪郭指定結果として抽出することができ、かくして動画像中のオブジェクトの輪郭を一段と容易に抽出し得る画像処理装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による画像処理装置の回路構成を示すブロツク図である。
【図2】輪郭生成部の回路構成を示すブロツク図である。
【図3】輪郭抽出試行処理手順を示すフローチャートである。
【図4】技量判定処理手順を示すフローチャートである。
【図5】輪郭抽出試行用動画像の構成を示す略線図である。
【図6】推測輪郭線生成処理手順を示すフローチャートである。
【図7】試行先頭入力輪郭形成点及び試行最後尾入力輪郭形成点の様子を示す略線図である。
【図8】試行先頭入力輪郭線を新たに構成する新規輪郭形成点の生成結果を示す略線図である。
【図9】重心を一致させた様子(1)を示す略線図である。
【図10】起点ペア決定結果(1)を示す略線図である。
【図11】順回り方向及び逆回り方向の対応付けの様子(1)を示す略線図である。
【図12】試行推測輪郭線の生成結果を示す略線図である。
【図13】各試行用フレーム画像での重心位置の推測結果を示す略線図である。
【図14】試行先頭入力輪郭線、試行推測輪郭線及び試行最後尾入力輪郭線の提示結果を示す略線図である。
【図15】入力情報の構成を示す略線図である。
【図16】処理傾向情報の構成を示す略線図である。
【図17】蓄積情報データのデータベース化の様子を示す略線図である。
【図18】情報提示処理手順を示すフローチャートである。
【図19】オブジェクト抽出用動画像の構成を示す略線図である。
【図20】蓄積情報データの選択の様子を示す略線図である。
【図21】提示情報の構成を示す略線図である。
【図22】輪郭抽出処理手順を示すフローチャートである。
【図23】先頭入力輪郭線及び最後尾入力輪郭線の生成結果を示す略線図である。
【図24】重心を一致させた様子(2)を示す略線図である。
【図25】起点ペア決定結果(2)を示す略線図である。
【図26】順回り方向及び逆回り方向の対応付けの様子(2)を示す略線図である。
【図27】推測輪郭線の生成結果を示す略線図である。
【図28】輪郭抽出用中間フレーム画像に対する推測輪郭線の生成結果を示す略線図である。
【図29】追加入力輪郭線に基づく推測輪郭線の生成結果を示す略線図である。
【図30】最終輪郭線の様子を示す略線図である。
【図31】他の実施の形態による輪郭抽出処理用画面の提示を示す略線図である。
【図32】他の実施の形態によるユーザの技量の判定の様子(1)を示す略線図である。
【図33】他の実施の形態によるユーザの技量の判定の様子(2)を示す略線図である。
【図34】他の実施の形態による蓄積情報データの選択の様子を示す略線図である。
【符号の説明】
1……画像処理装置、2……輪郭生成部、3……処理傾向情報抽出部、4……情報蓄積部、5……提示情報選択部、6……情報提示部。

Claims (6)

  1. 動画像を構成する複数枚の画像から少なくとも2枚の第1及び第2の画像を選択する選択手段と、
    上記選択手段により選択された上記第1及び第2の画像中のオブジェクトの輪郭を指定するための入力手段と、
    上記入力手段を介して上記第1及び第2の画像中の上記オブジェクトの輪郭がそれぞれ指定されることにより得られた第1及び第2の輪郭指定結果に基づいて、上記第1及び第2の画像間の他の上記画像中のオブジェクトの輪郭を推測する輪郭推測手段と
    を具えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 上記動画像又は当該動画像とは異なる他の動画像から、上記入力手段を介して得られた少なくとも上記第1及び第2の輪郭指定結果と、上記輪郭推測手段によって当該第1及び第2の輪郭指定結果から推測された輪郭の推測結果により当該輪郭に対する輪郭抽出手法とを評価する評価手段と、
    上記輪郭抽出手法と上記評価手段による評価結果とをユーザ毎に対応付けて複数ユーザ分蓄積する蓄積手段と、
    上記蓄積手段から特定ユーザの上記評価結果と所定の閾値以上離れた評価結果に対応付けられている上記輪郭抽出手法を読み出す読出手段と、
    上記読出手段によって読み出された上記輪郭抽出手法を上記特定ユーザに提示する提示手段と
    を具えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 上記輪郭推測手段は、
    上記入力手段を介して得られた上記第1及び第2の輪郭指定結果同士の複数個所を対応付け、当該対応付けた複数個所間の距離と上記第1及び第2の画像間の上記他の画像の枚数とに基づいて、当該他の画像中の上記オブジェクトの輪郭を推測する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 動画像を構成する複数枚の画像から選択された少なくとも2枚の第1及び第2の画像中のオブジェクトの輪郭がそれぞれ指定されることにより得られた第1及び第2の輪郭指定結果を取り込む取込ステップと、
    上記第1及び第2の輪郭指定結果に基づいて、上記第1及び第2の画像間の他の上記画像中のオブジェクトの輪郭を推測する輪郭推測ステップと、
    を具えることを特徴とする画像処理方法。
  5. コンピュータに、
    動画像を構成する複数枚の画像から選択された少なくとも2枚の第1及び第2の画像中のオブジェクトの輪郭がそれぞれ指定されることにより得られた第1及び第2の輪郭指定結果を取り込む取込ステップと、
    上記第1及び第2の輪郭指定結果に基づいて、上記第1及び第2の画像間の他の上記画像中のオブジェクトの輪郭を推測する輪郭推測ステップと、
    を実行させるための画像処理プログラム。
  6. 動画像を構成する複数枚の画像から選択された少なくとも2枚の第1及び第2の画像中のオブジェクトの輪郭がそれぞれ指定されることにより得られた第1及び第2の輪郭指定結果を取り込む取込ステップと、
    上記第1及び第2の輪郭指定結果に基づいて、上記第1及び第2の画像間の他の上記画像中のオブジェクトの輪郭を推測する輪郭推測ステップと、
    を具えることを特徴とする画像処理プログラムを画像処理装置に実行させる画像処理プログラム格納媒体。
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