JP2004094637A - 需給契約支援システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】需要家側のクライアント端末との間で通信ネットワークを介してデータ通信可能に構成され、需要家の所定の料金請求期間内における所定の設定時間帯毎のユーティリティ使用量を認識可能な使用量データを取得する手段と、取得した使用量データから料金計算方法毎に得られるユーティリティ料金が一又は複数の料金請求期間内において最小化される最適料金計算方法を認識可能な最適需給契約情報を生成する手段と、生成した最適需給契約情報を需要家側のクライアント端末に出力する手段とを備える。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ユーティリティ事業者が設定する複数の料金計算方法の中から、ユーティリティ事業者から供給されたユーティリティを使用する需要家が前記ユーティリティ事業者との間で締結する需給契約で使用する料金計算方法を選定することを支援する需給契約支援システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
各需要家へ電気、ガス、又は、水等のユーティリティを販売する電気事業者、ガス事業者、又は、水道事業者等のユーティリティ事業者は、各需要家との間で、当該ユーティリティ事業者が定める供給約款や選択約款等に基づく需給契約を締結し、上記需給契約を締結した需要家にユーティリティを供給すると共に、その需給契約により定められている料金計算方法に基づいて、需要家に請求する電気料金、ガス料金、又は、水道料金等のユーティリティ料金を算出する。
【0003】
このようにユーティリティ事業者からユーティリティの供給を受ける需要家は、上記ユーティリティ事業者との間で需給契約を締結するに、ユーティリティ事業者が設定する複数の料金計算方法の中から、1ヶ月等の料金請求期間毎に当該需要家に請求されるユーティリティ料金が、各月又は1年間においてできるだけ安く抑えることができる料金計算方法を選定し、選定した料金計算方法に従って、ユーティリティ事業者との間で需給契約を締結することで、光熱費等の出費の削減を図る。
【0004】
そこで、上記ユーティリティ事業者等は、クライアント端末との間でインターネット網等を介してデータ通信可能なサーバシステムにより運営管理されるホームページ上に、上記複数の料金計算方法の夫々におけるユーティリティ料金計算式や計算例等を公開することで、需要家の料金計算方法を選定することを支援し、需要家に対して需給契約締結のインセンティブを与えることがある。
【0005】
そして、上記需要家は、インターネット網上で公開されているユーティリティ料金計算式や計算例等を参考にして、自らのユーティリティの使用パターンにおいて、ユーティリティ料金をできるだけ安く抑えることができる料金計算方法を選定することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のように需要家がユーティリティ料金計算式や計算例等を参考にして選定した料金計算方法は、あくまでも、需要家が認識する自らのユーティリティの使用パターンを基準に選定したものであるから、実際の需要家のユーティリティ使用パターンが、自ら認識しているユーティリティ使用パターンと異なる場合に、その選定した料金計算方法が、ユーティリティ料金を最小化するものではないことがある。
【0007】
また、需要家は、通常、上記ユーティリティの使用パターンとしてユーティリティを多く使用する時間帯等を認識しているものの、そのときのユーティリティ使用量を明確には認識していない場合があり、その使用量の大きさによっては、ユーティリティ料金を最小化できる料金計算方法が異なる場合がある。
【0008】
従って、本発明は、上記の事情に鑑みて、上記需要家における上記ユーティリティ事業者との間で締結する料金計算方法を選定することを、簡単且つ正確に、支援することができる需給契約支援システムを実現することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための本発明に係る需給契約支援システムの第一特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項1に記載した如く、ユーティリティ事業者が設定する複数の料金計算方法の中から、ユーティリティ事業者から供給されたユーティリティを使用する需要家が前記ユーティリティ事業者との間で締結する需給契約で使用する料金計算方法を選定することを支援する需給契約支援システムであって、
前記複数の料金計算方法の少なくとも1つの料金計算方法において単価設定時間帯別に異なるユーティリティ単価が設定されており、
前記需要家の所定の料金請求期間内における前記単価設定時間帯別のユーティリティ使用量を認識可能な使用量データを取得する使用量データ取得手段と、
前記使用量データ取得手段で取得した使用量データから前記料金計算方法毎に得られるユーティリティ料金が一又は複数の前記料金請求期間内において最小化される最適料金計算方法を認識可能な最適需給契約情報を生成する情報生成手段と、
前記情報生成手段で生成した前記最適需給契約情報を出力する情報出力手段とを備えた点にある。
【0010】
即ち、上記本発明に係る需給契約支援システムの第一特徴構成によれば、上記需要家が、例えばクライアント端末からインターネット網等の上記通信ネットワークを介して上記需給契約支援システムに需給契約の選定支援要求を伴ってアクセスすると、上記使用量データ取得手段により、その需要家の1ヶ月等の料金請求期間内における上記単価設定時間帯別のユーティリティ使用量を認識可能な使用量データを取得することができる。
【0011】
そして、上記のように使用量データを取得すると、上記情報生成手段により、上記使用量データ取得手段で取得した使用量データを、上記需要家が上記ユーティリティ事業者との間で締結可能な需給契約において選定される基本料金及びユーティリティ単価等に関する複数の料金計算方法毎に分析して、上記複数の料金計算方法の内、使用量データから前記料金計算方法毎に得られるユーティリティ料金が一又は複数の前記料金請求期間内において最小化される最適料金計算方法を認識可能な最適需給契約情報を分析結果として生成することができ、上記情報出力手段により、その生成した最適需給契約情報を、例えば需要家側のクライアント端末に出力することができる。
【0012】
よって、需要家は、需給契約支援システムにより出力された上記最適需給契約情報から上記最適料金計算方法を認識し、ユーティリティ事業者との間で認識した最適料金計算方法に従って需給契約を締結することで、需要家に請求されるユーティリティ料金をできるだけ安くして光熱費等の出費を削減することができる。
【0013】
従って、上記本発明に係る需給契約支援システムにより、上記需要家が上記ユーティリティ事業者との間で締結する料金計算方法を選定することを簡単且つ正確に支援することができる。
【0014】
本発明に係る需給契約支援システムの第二特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項2に記載した如く、上記第一特徴構成に加えて、前記使用量データが、前記料金請求期間内における単位時間毎のユーティリティ使用量からなる時系列データである点にある。
【0015】
即ち、上記本発明に係る需給契約支援システムの第二特徴構成によれば、上記使用量データ取得手段により取得する単価設定時間帯毎のユーティリティ使用量を認識可能な使用量データを、上記料金請求期間内において、1時間毎等の単位時間毎のユーティリティ使用量からなる時系列データとすることで、ユーティリティ事業者により複数の料金計算方法において複雑な単価設定時間帯が設定されていても、上記時系列データを上記単価設定時間帯別に集計して、単価設定時間帯別のユーティリティ使用量を認識することができる。
そして、その単価設定時間帯別のユーティリティ使用量と各料金計算方法とから、各料金計算方法における需要家のユーティリティ料金を簡単に算出することができる。また、算出した各料金計算方法におけるユーティリティ料金から、上記ユーティリティ料金が最小化される最適料金計算方法を認識可能な最適需給契約情報を生成し、その生成した最適需給契約情報を出力することができる。
【0016】
本発明に係る需給契約支援システムの第三特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項3に記載した如く、上記第一乃至第二特徴構成に加えて、前記使用量データ取得手段が、検針データベースに格納してある前記需要家の前記料金請求期間内における検針データから、前記使用量データを取得する手段である点にある。
【0017】
即ち、上記本発明に係る需給契約支援システムの第三特徴構成によれば、上記使用量データ取得手段により、需要家が過去に実際に使用したユーティリティ使用量を示す検針データを用いて、上記使用量データを取得することで、その使用量データから、需要家の実際のユーティリティの使用パターンに合った上記最適料金計算方法を認識可能な最適需給契約情報を生成することができ、その生成した最適需給契約情報を出力することができる。
そして、需要家は、出力された最適需給契約情報から、自らの過去のユーティリティの使用パターンにおいてユーティリティ料金が最小化されると考えられる最適料金計算方法を認識することができ、ユーティリティ事業者との間で認識した最適料金計算方法に従って需給契約を締結し、光熱費等の出費を削減することができる。
【0018】
本発明に係る需給契約支援システムの第四特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項4に記載した如く、上記第三特徴構成に加えて、複数の需要家区分の夫々に対応する標準的な前記単価設定時間帯別のユーティリティ使用量を認識可能なプロファイルデータを格納してあるプロファイルデータベースから、前記需要家が属する需要家区分に対応する前記プロファイルデータを取得するプロファイルデータ取得手段を備え、前記使用量データ取得手段が、前記検針データが前記単価設定時間帯別のユーティリティ使用量を認識可能なデータである場合には、前記検針データ自身を前記使用量データとして取得し、前記検針データが前記単価設定時間帯別のユーティリティ使用量を認識可能なデータでない場合には、前記検針データと前記プロファイルデータ取得手段で取得した前記プロファイルデータとから前記使用量データを生成するように構成されている点にある。
【0019】
前述のように、検針データを用いて、単価設定時間帯別のユーティリティ使用量を示す使用量データを取得する場合において、検針データが前記単価設定時間帯別のユーティリティ使用量を認識可能なデータである場合には、上記検針データ自身を使用量データとすることができるが、検針データが前記単価設定時間帯別のユーティリティ使用量を認識できないデータである場合、例えば、上記検針データが単価設定時間帯よりも大きい1ヶ月毎等の検針期間毎のユーティリティ使用量からなるデータである場合には、上記検針データを上記単価設定時間帯別に分割して使用量データとする必要がある。更に、上記需要家の単価設定時間帯別のユーティリティ使用量は、上記需要家のユーティリティの使用パターンによって変化するため、上記検針データを上記設定時間帯別に分割して上記使用量データを取得するには、上記需要家のユーティリティの使用パターンを示すものが必要となる。
【0020】
そこで、上記本発明に係る需給契約支援システムの第四特徴構成によれば、上記プロファイルデータ取得手段により、家庭用、業務用、及び産業用等の複数の需要家区分の夫々に対応する単価設定時間帯別のユーティリティ使用量を認識可能なプロファイルデータ、即ち、単価設定時間帯毎又は上記単価設定時間帯を複数に分割した単位時間毎のユーティリティ使用量を示すプロファイルデータを格納してある上記プロファイルデータベースから、上記需給契約支援システムに需給契約の選定支援要求を伴ってアクセスした需要家が属する需要家区分に対応するプロファイルデータを取得することができる。
そして、上記使用量データ取得手段により、検針データが前記単価設定時間帯別のユーティリティ使用量を認識可能なデータである場合には、前記検針データ自身を前記使用量データとして取得し、一方、検針データが前記単価設定時間帯別のユーティリティ使用量を認識できないデータである場合には、例えば、上記プロファイルデータ取得手段で取得した需要家が属する需要家区分に対応するプロファイルデータを上記検針データとの比に基づいて加工するなどして、上記検針データと上記プロファイルデータとから使用量データを生成することができ、需要家のユーティリティの使用パターンにできるだけ合った使用量データを取得することができる。
【0021】
本発明に係る需給契約支援システムの第五特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項5に記載した如く、上記第四特徴構成に加えて、前記プロファイルデータベースに、時期属性区分毎の前記プロファイルデータを格納してあり、前記プロファイルデータ取得手段が、前記プロファイルデータベースから、前記需要家が属する需要家区分に対応し、且つ、前記料金請求期間を構成する各日の時期属性区分に対応する前記プロファイルデータを取得するように構成されている点にある。
【0022】
即ち、上記本発明に係る需給契約支援システムの第五特徴構成によれば、上記プロファイルデータベースに格納してあるプロファイルデータを、各需要家区分に対応し、且つ、曜日、月、季節等の時期属性区分に対応するプロファイルデータとし、上記プロファイルデータ取得手段により、需要家が属する需要家区分に対応し、且つ、上記料金請求期間内を構成する各日の上記時期属性区分に対応するプロファイルデータを取得することで、需要家の上記料金請求期間内の各日のユーティリティ使用パターンに合ったプロファイルデータを取得することができ、上記使用量データ取得手段により、このようなプロファイルデータを用いて、比較的正確な上記使用量データを取得することができる。
【0023】
本発明に係る需給契約支援システムの第六特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項6に記載した如く、上記第一乃至第五特徴構成に加えて、入力された修正指令に基づいて前記使用量データを修正するデータ修正手段を備えた点にある。
【0024】
例えば、需要家が、省エネルギ対策の実施、又は、イベント開催等の、ユーティリティ使用量に影響を与える事象が発生することを予め認識している場合には、上記使用量データに事象を反映させなければ、使用量データから認識した最適料金計算方法は、実際にユーティリティ料金を最小化するものでない場合がある。
【0025】
そこで、上記本発明に係る需給契約支援システムの第六特徴構成によれば、例えば、上記情報出力手段により出力された最適需給契約情報を視認した需要家がその最適需給契約情報を生成する基準となる使用量データの修正内容に関する修正指令を、例えばクライアント端末から需給契約支援システムに送信するなどして入力した場合において、上記データ修正手段により、その入力された修正指令に基づいて使用量データを修正することができ、再度、その修正後の使用量データを用いて再度最適料金計算方法を認識可能な最適需給契約情報を生成して、それを需要家の省エネルギ対策やイベント開催等の事象を反映した最適需給契約情報を出力することができる。
【0026】
本発明に係る需給契約支援システムの第七特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項7に記載した如く、上記第一乃至第六特徴構成に加えて、前記情報生成手段が、前記各料金計算方法における前記ユーティリティ料金を前記最適需給契約情報として算出するように構成されている点にある。
【0027】
即ち、上記本発明に係る需給契約支援システムの第七特徴構成によれば、上記情報生成手段により、需要家とユーティリティ事業者との間で締結可能な複数の料金計算方法の夫々におけるユーティリティ料金を、ユーティリティ料金が最小化される最適料金計算方法を認識可能な最適需給契約情報として算出し、各料金計算方法のユーティリティ料金を、例えば小さい順に並べ替えて、出力することができる。そして、需要家は、その最適需給契約情報から最適料金計算方法の内容とそのユーティリティ料金とを容易に認識することができ、更に、その最適料金計算方法におけるユーティリティ料金と、他の料金計算方法のユーティリティ料金とを比較して、最適料金計算方法に基づいてユーティリティ事業者との間で契約を締結することによるユーティリティ料金の削減効果を明確に認識することができる。
【0028】
この目的を達成するための本発明に係る需給契約支援用コンピュータプログラムの特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項8に記載した如く、上記第一乃至第七の特徴構成の何れか一つの需給契約支援システムが備える前記各手段を、コンピュータ上で実現するためのプログラムを備えてなる点にある。
【0029】
即ち、本発明に係る需給契約支援用コンピュータプログラムの特徴構成によれば、その需給契約支援用コンピュータプログラムを所定のコンピュータにインストールすることで、上記第一乃至第七の特徴構成の需給契約支援システムを当該コンピュータ上で実現することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明に係る需給契約支援システム(以下、「本発明システム」という。)の実施の形態を、図1に基づいて説明する。
【0031】
本発明システム30は、各需要家1へ電気、ガス、又は、水等のユーティリティを販売する電気事業者、ガス事業者、又は、水道事業者等のユーティリティ事業者側、又は、その他の情報提供事業者側等に設置され、インターネット網15(通信ネットワークの一例)に接続されたクライアント端末10との間で通信可能なサーバコンピュータシステムにより構成されている。
【0032】
本発明システム30は、後述の使用量データ取得手段31、情報生成手段32、情報出力手段33、プロファイルデータ取得手段34、及び、データ修正手段35を備え、更に、その他の記憶装置、入出力装置、及び、周辺装置等を備えて構成される。
【0033】
更に、本発明システム30は、後述の自動検針システム20に対して設けられた検針データベース21にアクセス可能、且つ、本発明システム30を構成するコンピュータシステム等が備える1又は2以上の不揮発性記憶装置に割り付けられたプロファイルデータベース37、及び、需給契約情報データベース38にアクセス可能に構成されている。
【0034】
クライアント端末10は通常のパーソナルコンピュータであり、本体と表示画面とキーボードやマウス等の入力装置を備えて構成されている。更に、クライアント端末10は、インターネット上の各種WEBサイトにアクセス可能なように、ブラウザ等のソフトウェアを具備して、XML(Extensible Markup Language)、XSL(Extensible Stylesheet Language)、又はHTML(Hyper Text Markup Language)形式等のデータの送受信を行い、各種WEBサイトのページ画面をクライアント端末10の表示画面上に表示可能に構成されている。
【0035】
ユーティリティ事業者は、各需要家1との間で、当該ユーティリティ事業者が定める供給約款や選択約款等に基づく需給契約を締結し、上記需給契約を締結した需要家1にガス、電気、水道等のユーティリティを供給する。
【0036】
ユーティリティ事業者から供給されたユーティリティを使用する需要家1側には、そのユーティリティの使用量を計測するガスメータ2、電気メータ3、及び、水道メータ4が設けられている。
また、このガスメータ2、電気メータ3、及び、水道メータ4は、需要家1のユーティリティ使用量としてのガス使用量、電気使用量、及び、水道使用量の積算値を指針値として表示及び出力する。
【0037】
更に、このガスメータ2、電気メータ3、及び、水道メータ4は、自動検針システム20により、遠隔操作されて、自動的に指針値を収集可能な所謂自動検針用メータとして構成されている。
【0038】
即ち、ガスメータ2、電気メータ3、及び、水道メータ4には、上記自動検針システム20と共に、公衆回線又は専用回線等の自動検針用通信ネットワーク8に接続された通信装置6が設けられており、この通信装置6は、自動検針システム20から自動検針用通信ネットワーク8を介して指針値の送信指令信号を受信すると、ユーティリティ使用量の積算値であるガスメータ2、電気メータ3、及び、水道メータ4の指針値を自動検針システム20に送信するように構成されている。
従って、自動検針システム20は、通信装置6から、ガスメータ2、電気メータ3、及び、水道メータ4の所定の1ヶ月毎、1日毎、又は、1時間間隔等の検針期間毎の指針値を受信することができる。
【0039】
また、上記自動検針システム20は、例えば、上記検針期間毎の指針値から、上記検針期間毎のユーティリティ使用量を算出し、そのユーティリティ使用量を、例えば需要家1を認識可能な認識情報等に関連付けて、検針データベース21に格納する。
【0040】
そして、このように検針データベース21に格納された検針期間毎のユーティリティ使用量から、需要家1との間で締結した需給契約により定められる料金計算方法に基づいて、1ヶ月等の料金請求期間内におけるユーティリティ料金を算出し、その算出したユーティリティ料金を需要家1へ請求する。
尚、上記ユーティリティ使用量は、上記のような自動検針システム20による自動検針により収集した指針値以外に、検針員が上記検針時期毎に需要家宅へ直接出向いて収集した指針値から算出したものでも構わず、上記検針データベース21を、このように検針員が収集した指針値及びその指針値から算出したユーティリティ使用量等も格納するように構成しても構わない。
【0041】
更に、ユーティリティ事業者は、家庭用、業務用、及び産業用等の需要家区分毎に複数の料金計算方法を設定しており、その複数の料金計算方法の内の少なくとも1つの料金計算方法においては、例えば、昼間時間、夜間時間、及び、生活時間等の単価設定時間帯別に異なるユーティリティ単価を設定している場合がある。
【0042】
本発明システム30のプロファイルデータベース37には、上記需要家区分毎、更には、需要家のユーティリティ使用量の規模や、地域や、業種等の需要家特性毎の標準的な上記単価設定時間帯別のユーティリティ使用量を認識可能なプロファイルデータとして、上記需要家区分毎、及び、上記需要家特性毎の標準的な1時間等の単位時間毎のユーティリティ使用量からなるプロファイルデータが格納されている。
更に、プロファイルデータベース37に格納されているプロファイルデータは、更に、曜日、月、季節等の時期属性区分毎に分類されている。即ち、プロファイルデータベース37には、上記需要家区分毎、上記需要家特性毎、且つ、時期属性区分毎のプロファイルデータが格納されている。
【0043】
また、プロファイルデータベース37に格納するプロファイルデータとしては、分析対象となる需要家1の過去の上記単位時間毎のユーティリティ使用量を計測したものや、需要家1と同様の需要家区分及び需要家特性等を有する他の複数の需要家の過去の上記単位時間毎のユーティリティ使用量を平均化したものなどを用いることができる。
【0044】
本発明システム30の需給契約情報データベース38には、上記ユーティリティ事業者が定める供給約款や選択約款等に関する情報が格納されている。
即ち、需給契約情報データベース38に格納されている情報から、需要家1がユーティリティ事業者との間で締結可能な料金計算方法における、上記需要者区分、上記単価設定時間帯、夫々の単価設定時間帯におけるユーティリティ単価、及び上記料金請求期間毎の基本料金等から構成される料金計算式等を認識することができる。
また、上記需給契約情報データベース38に格納されている情報は、ユーティリティ事業者が上記供給約款や選択約款等を新設又は変更した場合に、その内容がインターネット上のWEBサイト等から収集されて、新たな情報に更新される。
【0045】
本発明システム30の需要家情報データベース39には、後述の需給契約支援用のWEBサイトにおいて登録を受け付けた需要家1を認識可能な住所、氏名、ID番号等の認識情報や、需要家1が使用する電気の種別に関する需要家区分や、需要家1の家族構成、床面積、所有するユーティリティ消費設備の種類、事業内容等のユーティリティ使用量の規模、需要家1がある地域、その地域における天候特性等を認識可能な需要家特性等の各種需要家情報を需要家1毎に格納されている。
即ち、需要家情報データベース39に格納されている需要家情報から、クライアント端末10から本システム30にアクセスした需要家1の認証処理を行い、更に、その需要家1の上記需要家区分及び上記需要家特性を認識することができる。
【0046】
また、本発明システム30の各手段31,32,33,34,35は、本発明システム30を構成するコンピュータシステムのハードウェア資源を利用したソフトウェア処理によって実現される。
【0047】
具体的には、本発明システム30は、前記コンピュータシステムのコンピュータ上で、コンピュータシステムのハードウェア資源を利用して本発明に係る需給契約支援用コンピュータプログラムを実行することにより、使用量データ取得手段31、情報生成手段32、情報出力手段33、プロファイルデータ取得手段34、及び、データ修正手段35を実現する。また、本発明に係る需給契約支援用コンピュータプログラムは、CD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体やインターネット等のデータ伝送媒体を介して、本発明システム30をハードウェア的に構成するコンピュータがアクセス可能な記録装置内にインストールされて実用に供される。
【0048】
更に、本発明システム30は、インターネット網15を介して、各クライアント端末10に対して、需要家1が、ユーティリティ事業者との間で需給契約を締結するに、ユーティリティ事業者が設定する複数の料金計算方法の中から、当該需要家1に請求されるユーティリティ料金ができるだけ安く抑えることができる料金計算方法を選定することを支援するための各種処理用画面をWEB形式で提供するWEBサイトを管理するWEBサーバとしての機能を有し、クライアント端末10からのアクセスに対して、そのアクセスに対応した画面をクライアント端末10の表示画面上に表示可能な表示用データをXML形式等でクライアント端末10に送信するように構成されている。クライアント端末10側では、ブラウザソフトウェアがXML形式等の表示用データを処理して、表示画面上に対応する画面を表示する。これにより、本発明システム30は、クライアント端末10の表示画面上に種々の画面を表示させることができ、また、クライアント端末10から、その表示画面上で入力されたデータをXML形式等で受信することができる。
【0049】
このように本発明システム30とクライアント端末10間でXML形式等のデータを送受信することで、クライアント端末10に汎用のソフトウェアを具備するだけで、本発明システム30から所定の画面情報をクライアント端末10の表示画面上に表示させることができ、逆に、クライアント端末10から、その表示画面上で入力されたデータを容易に受信することができる。尚、以下の説明において、本発明システム30とクライアント端末10と間のデータの送受信は、特に断らない限り、XML形式等のデータをHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)等のインターネット上のデータ交換用のプロトコルで送受信することにより実行される。
【0050】
本発明システム30の使用量データ取得手段31は、需要家1の過去の1ヶ月等の料金請求期間内における単価設定時間帯毎のユーティリティ使用量を認識可能な使用量データとして、例えば、上記単価設定時間毎の使用量を示す使用量データ、又は、上記単位時間毎のユーティリティ使用量からなる時系列データである使用量データを取得するように構成されている。
【0051】
具体的には、使用量データ取得手段31は、クライアント端末10から本システム30にアクセスした需要家1に対して、上記需要家情報データベース39に格納されている認識情報を用いて認証処理等を行った後に、検針データベース21にアクセスし、検針データベース21に格納してある需要家1の検針期間毎のユーティリティ使用量を示す検針データを用いて上記使用量データを取得する。
【0052】
即ち、使用量データ取得手段31は、上記検針データベース21から取得した需要家1の検針データが上記単価設定時間帯別のユーティリティ使用量を認識可能なデータである場合、例えば、上記時系列データである場合には、その検針データ自身を使用量データとして取得し、一方、上記検針データが上記単価設定時間帯別のユーティリティ使用量を認識可能なデータでない場合、例えば、上記時系列データでない場合には、検針データベース21から抽出した検針データと、プロファイルデータ取得手段34により取得したプロファイルデータとから使用量データを生成すると共に、生成した需要家1の使用量データを需要家情報データベース39に格納する。
【0053】
本発明システム30の情報生成手段32は、需要家1とユーティリティ事業者との間で締結可能な複数の料金計算方法の内、使用量データ取得手段31で取得した使用量データから、需給契約情報データベース38から抽出した料金計算方法毎に得られるユーティリティ料金が、需要家1の1ヶ月等の1の料金請求期間、又は、1年間等の連続する複数の料金請求期間、からなる分析対象期間内において最小化される最適料金計算方法を認識可能な最適需給契約情報を生成するように構成されている。
【0054】
具体的には、情報生成手段32は、需要家1とユーティリティ事業者との間で締結可能な複数の料金計算方法の夫々において、ユーティリティ料金を算出し、その各料金計算方法のユーティリティ料金を、例えば小さい順に並べたものを、上記最適需給契約情報として生成すると共に、生成した需要家1の最適需給契約情報を需要家情報データベース39に格納する。
【0055】
本発明システム30の情報出力手段33は、情報生成手段32で生成した最適需給契約情報を需要家1側のクライアント端末10に出力するように構成されている。即ち、情報出力手段33は、上記最適需給契約情報を、需要家1側のクライアント端末10の表示画面上に表示させる。
【0056】
以上のような本発明システム30の特徴構成により、需要家1はクライアント端末10の表示画面上に表示された上記最適需給契約情報からユーティリティ料金が最小化される最適料金計算方法を認識することができ、ユーティリティ事業者との間で認識した最適料金計算方法に基づく需給契約を締結することで、需要家1に請求されるユーティリティ料金をできるだけ安くして光熱費等の出費を削減することができる。
【0057】
また、上記の最適料金計算方法は、需要家1の実際の検針データを用いてユーティリティ料金が最小化されるように生成されたものであるから、需要家1は、ユーティリティ事業者との間で締結する需給契約において、自らの過去のユーティリティの使用パターンに合った料金計算方法を選定することができる。
【0058】
本発明システム30のプロファイルデータ取得手段34は、プロファイルデータベース37から、前記需要家1が属する需要家区分、更には、需要家1の需要家特性に対応するプロファイルデータを取得するように構成されている。
更に、プロファイルデータ取得手段34は、料金請求期間内の各日の曜日、月、季節等の時期属性区分を認識し、プロファイルデータベース37から、認識した時期属性区分に対応するプロファイルデータを取得するように構成されている。
【0059】
具体的には、プロファイルデータ取得手段34は、需要家情報データベース39に格納されている需要家情報から、需要家1が属する需要家区分及び需要家特性を認識すると共に、分析対称期間としての過去1年間内において、各料金計算期間である各月を構成する各日の時期属性区分を認識する。そして、プロファイルデータ取得手段34は、上記プロファイルデータベース37にアクセスし、上記各日において、認識した需要家区分及び需要家特性に対応する時期属性区分毎のプロファイルデータの中から、その日の時期属性区分に対応するプロファイルデータを取得する。
【0060】
そして、使用量データ取得手段31は、上記検針データベース21から取得した需要家1の検針データが上記単価設定時間帯別のユーティリティ使用量を認識可能なデータでない場合、即ち、検針データが1時間毎の時系列データでない場合には、料金請求期間内において、料金請求期間を構成する各日の時期属性区分のプロファイルデータに、検針データから認識される料金請求期間内のユーティリティ使用量に対する料金請求期間内のプロファイルデータを集計したユーティリティ使用量の比を掛けることで、需要家1の各日の1時間毎ユーティリティ使用量のプロファイルデータを取得し、そのプロファイルデータを、上記設定時間帯毎のユーティリティ使用量を認識可能な使用量データとして取得する。従って、このように取得した使用量データは、需要家1の需要家区分及び料金請求期間内の時期属性区分に合った正確なものとなり、この使用量データを用いて、正確に、ユーティリティ料金が最小化される最適料金計算方法を認識することができる。
【0061】
尚、需要家1が新居の需要家であり、需要家1が未だユーティリティ事業者との間でユーティリティの需給契約を締結しておらず、検針データベース21に未だ需要家1の検針データが格納されていない場合には、使用量データ取得手段31は、プロファイルデータ取得手段34で取得したプロファイルデータ自身を、需要家1の使用量データとして取得しても構わない。
即ち、これまで説明してきた需給契約支援処理は、当然、ユーティリティ事業者との間で既に需給契約を締結している需要家に対して実行できるが、更に、ユーティリティ事業者と新規に需給契約を締結する需要家に対しても実行することができる。
【0062】
本発明システム30のデータ修正手段35は、需要家1側のクライアント端末10から受信した修正指令に基づいて前記使用量データを修正するように構成されている。
【0063】
具体的には、需要家1が、省エネルギ対策の実施、又は、イベント開催等の、ユーティリティ使用量に影響を与える事象が発生することを予め認識している場合に、その事象が発生する時期とその事象によるユーティリティ使用量の増減幅等に関する修正指令をクライアント端末10に入力し、本発明システム30に送信することで、上記データ修正手段は、その修正指令に基づいて、上記使用量データ取得手段31で取得した使用量データを修正し、再度上記情報生成手段32及び上記情報出力手段33を働かせて、その修正後の使用量データを用いて、ユーティリティ料金が最小化される最適料金計算方法に関する最適需給契約情報を生成して、クライアント端末10に出力することができる。
従って、需要家1は、需要家の省エネルギ対策やイベント開催等の事象を反映した最適需給契約情報を認識することができる。
尚、上記修正指令は、プロファイルデータに対する修正指令でも構わず、データ修正手段35は、このようなプロファイルデータに対する修正指令を受信したときには、需要家情報データベース39に、修正後のプロファイルデータを用いて修正した使用量データを格納する。
【0064】
また、上記のように需要家1がクライアント端末10から本発明システム30に送信する上記修正指令を、予めパターン化しておくこともできる。
例えば、本発明システム30は、予め、クライアント端末10の表示画面上に、上記ユーティリティ使用量に影響を与える代表的な事象の中から発生する事象を選択する事象選択部と、その事象が発生する時期を入力する入力部とを表示させておき、上記修正指令として、クライアント端末10から、需要家1が選択した事象と時期とを受信するように構成されている。
【0065】
そして、本発明システム30は、受信した修正指令における需要家1が選択した事象により、ユーティリティ使用量の変化状態を認識することができ、更に、修正指令における需要家1が入力した時期により、上記のユーティリティ使用量の変化の発生時期を認識することができ、認識したユーティリティ使用量の変化状態及び時期に基づいて、使用量データを修正することができる。
【0066】
また、上記ユーティリティ使用量に影響を与える代表的な事象としては、例えばユーティリティ消費機器の新規購入、変更、及び、削除等や、長期不在、洗濯時間や給湯時間等の生活パターンの変更、空調機器の設定温度変更等の一般的な省エネルギ対策等がある。
【0067】
次に、ユーティリティ事業者としての電気事業者から供給されるユーティリティとしての電気を使用し、需要家1に対して、本発明システム30により実施される需給契約支援の処理フローの実施例について、図2に基づいて説明する。
【0068】
先ず、本発明システム30は、アクセスしてきた需要家1のクライアント端末10から、需要家1の認識情報等を受信して、受信した認識情報と、需要家情報データベース39に格納してある需要家1の認識情報とを比較して、需要家1を特定し(ステップ101)、更に、需要家情報データベース39に格納してある需要家情報から、需要家1が使用する電気の種別に関する需要家区分が、家庭用、業務用、又は産業用の何れであるかを認識し、更に、需要家1のユーティリティ使用量の規模や、地域や、業種等の需要家特性を認識する(ステップ102)。
【0069】
次に、本発明システム30は、検針データベース21に、上記のように特定した需要家1の分析対象期間である過去1年間の検針データの送信指定を伴ってアクセスし、検針データベース21から、需要家1の過去1年間の検針データを取得する(ステップ103)。
【0070】
そして、本発明システム30は、ステップ103で取得した検針データが、需要家1が電気事業者との間で締結可能な複数の料金計算方法において異なるユーティリティ単価が設定されている単価設定時間帯別の電気使用量を認識可能なデータであるか否かを判定する(ステップ104)。
【0071】
尚、本実施例において、上記単価設定時間帯を、家庭用の需要家区分に属する需要家1と電気事業者との間で締結可能な季節別時間帯別電灯の料金計算方法における昼間時間(10:00−17:00)、夜間時間(23:00−7:00)、及び、生活時間(7:00−10:00,17:00−23:00)とする。
【0072】
そして、本発明システム30は、使用量データ取得手段31を働かせて、需要家1の検針データが上記単価設定時間帯別のユーティリティ使用量を認識可能なデータである場合、例えば、需要家1の検針データが1時間毎の時系列データである場合には、後述のステップ105を実行し、需要家1の検針データが上記単価設定時間帯別のユーティリティ使用量を認識可能なデータでない場合、例えば、検針データが1日毎又は1ヶ月毎のデータである場合には、後述のステップ106〜ステップ108を実行して、過去1年間における需要家1の上記単価設定時間帯である設定時間帯毎の電気使用量を示す使用量データを取得する。
【0073】
即ち、本発明システム30は、ステップ104で需要家1の検針データが上記単価設定時間帯別のユーティリティ使用量を認識可能なデータであると判定した場合には、ステップ103で取得した検針データから認識した、需要家1の単価設定時間帯別の電気使用量を使用量データとして取得し(ステップ105)、取得した使用量データを需要家情報データベース39に格納する。
【0074】
一方、本発明システム30は、ステップ104で需要家1の検針データが上記単価設定時間帯別のユーティリティ使用量を認識可能なデータでないと判定した場合には、先ず、分析対象期間としての過去1年間を構成する各日に時期属性区分としての平日か休日かを対応付けて時期属性区分カレンダを生成する(ステップ106)。
【0075】
更に、本発明システム30は、プロファイルデータ取得手段34を働かせて、プロファイルデータベース37にアクセスして、ステップ106で生成した時期属性区分カレンダにおける各日毎に、ステップ102で認識した需要家区分及び需要家特性に対応し、且つ、ステップ106で対応付けられた時期属性区分に対応する単価設定時間帯別の電気使用パターンに関するプロファイルデータを夫々取得する(ステップ107)。
【0076】
更に、本発明システム30は、ステップ103で取得した検針データと、ステップ107で取得したプロファイルデータとから、需要家1の単価設定時間帯別の電気使用量を示す使用量データを取得し(ステップ108)、取得した使用量データを需要家情報データベース39に格納する。
【0077】
具体的には、先ず、過去1年間における料金請求期間毎に、上記プロファイルデータを集計して得た料金請求期間内の電気使用量の、検針データから認識した料金請求期間内の電気使用量に対する比を夫々算出する。
そして、ステップ107で取得した各日のプロファイルデータに、そのプロファイルデータが属する料金請求期間に対応して上記のように算出された比を掛けたデータを、需要家1の過去1年間における単価設定時間帯別の電気使用量を示す使用量データとして取得する。
【0078】
ステップ105又はステップ108により、需要家1の過去1年間内の各料金請求期間における単価設定時間帯毎の電気使用量を示す使用量データを取得した後に、本発明システム30は、一旦、その使用量データを需要家1側のクライアント端末10に表示させ、需要家1がその使用量データを修正したい場合に、需要家1がクライアント端末10において実行した使用量データの修正内容を、修正指令として受信し、データ修正手段35により、その受信した修正指令に基づいて、使用量データを修正し(ステップ109)、需要家情報データベース39に、修正後の使用量データとして格納する。尚、需要家1が使用量データの修正を行わない場合には、本ステップ109はスキップされる。
【0079】
また、本発明システム30は、ステップ102で需要家1が属する需要家区分を認識した後に、その需要家区分において、需要家1が電気事業者との間で締結可能な料金計算方法を認識し、更に、需給契約情報データベース38にアクセスして、電気料金を算出するための各料金計算方法を取得する。
例えば、需要家1の需要家区分が、例えば、従量電灯の適用範囲に該当する所謂家庭用である場合に、需要家1と電気事業者との間で締結可能な複数の料金計算方法としては、下記の表1に示すような、従量電灯A、時間帯別電灯、季節別時間帯別電灯などがある。そして、上記複数の料金計算方法において異なるユーティリティ単価が設定されている単価設定時間帯は、季節別時間帯別電灯の料金計算方法における、昼間時間(10:00−17:00)、夜間時間(23:00−7:00)、及び、生活時間(7:00−10:00,17:00−23:00)である。
【0080】
従って、家庭用の需要家区分に属する需要家1の各料金計算方法における電気料金を算出するためには、少なくとも、季節別時間帯別電灯の料金計算方法における上記昼間時間、上記夜間時間、及び、上記生活時間からなる単価設定時間帯別の電気使用量を示す使用量データが必要となり、前述のステップ105及びステップ108において、このような単価設定時間帯別の電気使用量を示す使用量データが取得される。
【0081】
【表1】
【0082】
本発明システム30は、ステップ105又はステップ108において、需要家1の各料金請求期間における単価設定時間帯別の電気使用量を示す使用量データを取得し、更に、ステップ110において、需要家1が電気事業者との間で締結可能な料金計算方法を認識した後に、情報生成手段32を働かせて、ステップ105又はステップ108で取得して需要家情報データベース39に格納し適宜ステップ109で修正した使用量データと、上記表1に示すような各料金計算方法を用いて、各料金計算方法おける電気料金を算出し、(ステップ111)、各料金計算方法の名称と電気料金とを電気料金が小さい順に並べた一覧表等を、複数の料金計算方法の内の電気料金が最小化される最適料金計算方法を認識可能な最適需給契約情報として生成し、生成した上記最適需給契約情報を、需要家1側のクライアント端末10に出力して表示させる(ステップ112)と共に、表示した最適需給契約情報を、需要家情報データベース39に格納する。
【0083】
〔別実施の形態〕
次に、本発明の別の実施の形態を説明する。
〈1〉 本発明システム30は、上記実施の形態で説明した上記需要家1としてのマンション等の集合住宅11に対しても、集合住宅11の管理組合等が、ユーティリティ事業者との間で需給契約を締結するに、ユーティリティ事業者が設定する複数の料金計算方法の中から、当該集合住宅11に請求されるユーティリティ料金ができるだけ安く抑えることができる料金計算方法を選定することを支援するように構成することができ、その実施形態について、図3に基づいて以下に説明する。
尚、上記実施の形態で説明した構成と同様の構成について説明を割愛する。
【0084】
上記のような集合住宅11は、一般的に、電気、ガス、及び水等のユーティリティを消費する各住居40と、外灯電灯、エレベータ、空調設備等の上記ユーティリティを消費する共有部負荷41とが設けられている。
【0085】
また、集合住宅11においては、各住居40におけるユーティリティ使用量を計測する各メータ45が設定され、更に、共有部負荷41におけるユーティリティ使用量を計測するメータ43と、全住居40におけるユーティリティ使用量、即ち専有部全体のユーティリティ使用量を計測するメータ44と、集合住宅11全体におけるユーティリティ使用量を計測するメータ42とが、ユーティリティ事業者との間の需給契約内容によって適宜設置されている。
【0086】
そして、上記実施の形態と同様に、各住居40がユーティリティ事業者と個別にユーティリティの需給契約を締結する場合には、上記実施の形態と同様に、各住居40に対して最適需給契約情報を提示することで、各住居40は、提示された最適需給契約情報に基づいて、ユーティリティ事業者との間で需給契約を締結することで、各住居40のユーティリティ料金をできるだけ安くすることができる。
【0087】
しかし、このような集合住宅11においては、上記のように各住居40がユーティリティ事業者との間で個別に需給契約を締結するのではなく、全ての住居40のユーティリティ負荷を一括して、又は、それに共有部負荷41を加えて集合住宅11全体のユーティリティ負荷を一括して、ユーティリティ事業者との間で需給契約を締結するほうが、上記ユーティリティ料金が安く抑えることができる場合がある。
【0088】
そこで、本発明システム30は、上記のような場合を想定して、集合住宅11における最適需給契約情報を生成するように構成されている。
【0089】
即ち、本発明システム30の使用量データ取得手段31は、上記実施の形態で説明したように、各住居40の過去の1ヶ月等の料金請求期間内における単価設定時間帯毎のユーティリティ使用量を認識可能な使用量データを生成すると共に、集合住宅11の上記住居40以外の共有部負荷41における同様の使用量データを生成する。
【0090】
詳しくは、本発明システム30のプロファイルデータベース37には、外灯電灯、エレベータ、空調設備等の共有部に設置されている機器の種類、入居者数、入居者の年齢層、共有部及び専有部の面積等の集合住宅の特性毎の標準的な上記単価設定時間帯別のユーティリティ使用量を認識可能なプロファイルデータとして、上記集合住宅特性毎の標準的な1時間等の単位時間毎のユーティリティ使用量からなるプロファイルデータが格納されている。
更に、プロファイルデータベース37に格納されているプロファイルデータは、需要家毎のプロファイルデータと同様に、時期属性区分毎に分類されている。即ち、プロファイルデータベース37には、上記集合住宅特性毎、且つ、時期属性区分毎のプロファイルデータが格納されている。
【0091】
また、プロファイルデータベース37に格納する集合住宅の共有部負荷に対するプロファイルデータとしては、分析対象となる集合住宅11の過去の上記単位時間毎の共有部負荷41におけるユーティリティ使用量を自動検針システム20等により計測したものや、集合住宅11と同様の集合住宅特性等を有する他の複数の集合住宅の過去の上記単位時間毎の共有部負荷におけるユーティリティ使用量を平均化したものなどを用いることができる。
【0092】
そして、本発明システム30は、使用量データ取得手段31により、各住居40の使用量データと同様に、集合住宅11の共有部負荷41における上記単位時間毎のユーティリティ使用量からなる時系列データ等の使用量データを、上記プロファイルデータベース37に格納されているプロファイルデータを用いて取得するように構成されている。
【0093】
本発明システム30の情報生成手段32は、上記のように取得した各住居40の使用量データと共有部負荷41における使用量データとを用いて、集合住宅11とユーティリティ事業者との間で締結可能な複数の料金計算方法の内、使用量データ取得手段31で取得した夫々の使用量データから、需給契約情報データベース38から抽出した料金計算方法毎に得られるユーティリティ料金が、集合住宅11全体の1ヶ月等の1の料金請求期間、又は、1年間等の連続する複数の料金請求期間、からなる分析対象期間内において最小化される最適料金計算方法を認識可能な最適需給契約情報を生成ように構成されている。
【0094】
具体的には、情報生成手段32は、集合住宅11において、ユーティリティ事業者との間で需給契約を締結するに、各住居40及び共有部負荷41についてユーティリティ事業者との間で個別に需給契約を締結する場合の料金計算方法と、住居40全体を一括して上記需給契約を締結すると共に、共有部負荷41について個別に需給契約を締結する場合の料金計算方法と、集合住宅11全体を一括して上記需給契約を締結する場合の料金計算方法との夫々を用いて、夫々の場合における集合住宅11全体のユーティリティ料金を算出する。
そして、情報出力手段33は、上記のように導出した夫々の需給契約における各料金計算方法の名称とユーティリティ料金とをユーティリティ料金が小さい順に並べた一覧表等を、集合住宅11の管理組合が所有するクライアント端末10に出力して表示することで、集合住宅11の管理組合は、その一覧表から、最もユーティリティ料金が最小化される需給契約内容を認識することができる。
【0095】
尚、集合住宅11が新築の集合住宅であり、集合住宅11の各住居又は管理組合等が未だユーティリティ事業者との間でユーティリティの需給契約を締結しておらず、検針データベース21に未だ集合住宅11の検針データが格納されていない場合には、使用量データ取得手段31は、プロファイルデータ取得手段34で取得したプロファイルデータ自身を、集合住宅11の各住居40及び共有部負荷41の使用量データとして取得しても構わない。
即ち、これまで説明してきた集合住宅11に対する需給契約支援処理は、当然、ユーティリティ事業者との間で既に需給契約を締結している集合住宅に対して実行できるが、更に、ユーティリティ事業者と新規に需給契約を締結する集合住宅に対しても実行することができる。
【0096】
また、本発明システム30は、集合住宅11の共有部負荷41の使用量データを取得した後に、一旦、その使用量データを集合住宅11側のクライアント端末10に表示させる。そして、集合住宅11の管理組合等がその使用量データを確認して、共有部に設置された空調設備等のユーティリティ使用量の違いなどを考慮して、その使用量データを修正したい場合に、データ修正手段35は、その使用量データの修正内容を、クライアント端末10から修正指令として受信し、データ修正手段35により、その受信した修正指令に基づいて、共有部負荷41の使用量データを修正することができる。
【0097】
〈2〉 上記実施の形態において、ユーティリティ料金が最小化される最適料金計算方法を認識可能な最適需給契約情報として、各料金計算方法の名称とユーティリティ料金とをユーティリティ料金が小さい順に並べた一覧表を需要家1のクライアント端末10に出力したが、別に、最適需給契約情報は、上記最適料金計算方法を認識可能なものであればよく、例えば、最適料金計算方法の名称のみや、その最適料金計算方法の名称に加えてユーティリティ料金を、上記最適需給契約情報として需要家1のクライアント端末10に出力するように構成しても構わない。
【0098】
〈3〉 上記実施の形態において、本発明システム30を、例えば電気等の一種のユーティリティについて需給契約支援を実施するように構成したが、別に、例えばユーティリティ事業者が複数種のユーティリティを販売する者である場合に、各ユーティリティの使用量等に関する複数の組合せにおいて、異なるユーティリティの単価を設定している場合には、情報生成手段32において、上記の組合せを考慮して、複数のユーティリティ料金の合計が最小化される最適料金計算方法を認識可能な最適需給契約情報を生成することもできる。
【0099】
〈4〉 上記実施の形態において、本発明システム30を、需要家1がユーティリティ事業者との間で需給契約を締結するに、その需給契約の新規登録及び変更等を行うためのWEBサイトを管理するシステムとしても構成することができる。更に、本発明システム30は、クライアント端末10に最適需給契約情報を表示させ、需要家1の承認を得た後に、自動的に、上記最適需給契約情報により認識される最適料金計算方法に従って、ユーティリティ事業者との間で、需給契約を締結するように構成することもできる。
【0100】
〈5〉 上記実施の形態では、プロファイルデータベース37から取得したプロファイルデータをそのまま用いて使用量データを導出したが、別に、基準となる気候状態(例えば、天気、気温、湿度、風速、日照時間、日の出・日の入り時間等がある。)と実際の気候状態との差等に基づいて補正後のプロファイルデータを用いて上記使用量データを導出しても構わない。
【0101】
〈6〉 本発明システム30は、需要家1や集合住宅11側のクライアント端末10に所定の情報を表示可能で、更に、検針データベース21から需要家1や集合住宅11のユーティリティ使用量に関する検針データを取得可能に構成されているので、本発明システム30により、需要家1や集合住宅11の情報公開要求に伴って、検針データベース21から取得した検針データに関する情報をクライアント端末10側に表示する検針データ公開サービスを実施することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】需給契約支援システムの概略構成図
【図2】需給契約支援の処理フロー図
【図3】需給契約支援システムの別実施形態の概略構成図
【符号の説明】
1:需要家
10:クライアント端末
11:集合住宅
20:自動検針システム
21:検針データベース
30:需給契約支援システム
31:使用量データ取得手段
32:情報生成手段
33:情報出力手段
34:プロファイルデータ取得手段
35:データ修正手段
37:プロファイルデータベース
38:需給契約情報データベース
39:需要家情報データベース
Claims (8)
- ユーティリティ事業者が設定する複数の料金計算方法の中から、ユーティリティ事業者から供給されたユーティリティを使用する需要家が前記ユーティリティ事業者との間で締結する需給契約で使用する料金計算方法を選定することを支援する需給契約支援システムであって、
前記複数の料金計算方法の少なくとも1つの料金計算方法において単価設定時間帯別に異なるユーティリティ単価が設定されており、
前記需要家の所定の料金請求期間内における前記単価設定時間帯別のユーティリティ使用量を認識可能な使用量データを取得する使用量データ取得手段と、
前記使用量データ取得手段で取得した使用量データから前記料金計算方法毎に得られるユーティリティ料金が一又は複数の前記料金請求期間内において最小化される最適料金計算方法を認識可能な最適需給契約情報を生成する情報生成手段と、
前記情報生成手段で生成した前記最適需給契約情報を出力する情報出力手段とを備えた需給契約支援システム。 - 前記使用量データが、前記料金請求期間内における単位時間毎のユーティリティ使用量からなる時系列データである請求項1に記載の需給契約支援システム。
- 前記使用量データ取得手段が、検針データベースに格納してある前記需要家の前記料金請求期間内における検針データから、前記使用量データを取得する手段である請求項1又は2に記載の需給契約支援システム。
- 複数の需要家区分の夫々に対応する標準的な前記単価設定時間帯別のユーティリティ使用量を認識可能なプロファイルデータを格納してあるプロファイルデータベースから、前記需要家が属する需要家区分に対応する前記プロファイルデータを取得するプロファイルデータ取得手段を備え、
前記使用量データ取得手段が、前記検針データが前記単価設定時間帯別のユーティリティ使用量を認識可能なデータである場合には、前記検針データ自身を前記使用量データとして取得し、前記検針データが前記単価設定時間帯別のユーティリティ使用量を認識可能なデータでない場合には、前記検針データと前記プロファイルデータ取得手段で取得した前記プロファイルデータとから前記使用量データを生成するように構成されている請求項3に記載の需給契約支援システム。 - 前記プロファイルデータベースに、時期属性区分毎の前記プロファイルデータを格納してあり、
前記プロファイルデータ取得手段が、前記プロファイルデータベースから、前記需要家が属する需要家区分に対応し、且つ、前記料金請求期間を構成する各日の時期属性区分に対応する前記プロファイルデータを取得するように構成されている請求項4に記載の需給契約支援システム。 - 入力された修正指令に基づいて前記使用量データを修正するデータ修正手段を備えた請求項1から5の何れか1項に記載の需給契約支援システム。
- 前記情報生成手段が、前記各料金計算方法における前記ユーティリティ料金を前記最適需給契約情報として算出するように構成されている請求項1から6の何れか1項に記載の需給契約支援システム。
- 請求項1から7の何れか1項に記載の需給契約支援システムが備える前記各手段を、コンピュータ上で実現するためのプログラムを備えてなる需給契約支援用コンピュータプログラム。
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