JP2004092563A - 定量シリンジポンプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリンジ206と、シリンジの後端側からシリンジ内に挿入されたピストン208とを具備し、ピストンを往復動させてシリンジの先端側から送液を行う定量シリンジポンプにおいて、シリンジをその先端側付近を支点228として振り子運動可能に配設するとともに、シリンジから突出したピストンの後端側に円230に沿って円運動を行わせてピストンを往復動させる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば機器分析において試料液に所定量の薬剤を添加する場合などに使用される定量シリンジポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、機器分析等において、試料液に所定量の薬剤を添加するための定量シリンジポンプとして、モータとギヤを用いたものが使用されている。この定量シリンジポンプは、シリンジと、シリンジ内に挿入されたピストンとを具備し、モータの回転運動をギヤにより直線運動に変換してピストンを往復動させるものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−47091号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述したモータとギヤを用いた定量シリンジポンプは、比較的高価な部品であるギヤを使用しているため、製造コストが高くなるものであった。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたもので、ギヤを使用することなく回転運動を直線運動に変換してピストンを往復動させることができ、そのため製造コストを安くすることが可能な定量シリンジポンプを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するため、下記(1)〜(6)の定量シリンジポンプを提供する。
【0007】
(1)シリンジと、シリンジの後端側からシリンジ内に挿入されたピストンとを具備し、ピストンを往復動させてシリンジの先端側から送液を行う定量シリンジポンプにおいて、シリンジをその先端側付近を支点として振り子運動可能に配設するとともに、シリンジから突出したピストンの後端側に円運動を行わせてピストンを往復動させることを特徴とする定量シリンジポンプ。
【0008】
(2)軸方向両端側にそれぞれ逆止弁または開閉弁が取り付けられた送液管の軸方向中間部にシリンジの先端側を連結し、ピストンを後退させたときに送液管の軸方向一端側からシリンジ内に液を吸引するとともに、ピストンを前進させたときに送液管の軸方向他端側からシリンジ内の液を吐出することを特徴とする(1)の定量シリンジポンプ。
【0009】
(3)シリンジおよび送液管を取付板に固定し、この取付板を基板に回動可能に取り付けることにより、シリンジをその先端側付近を支点として振り子運動可能に配設するとともに、送液管をシリンジの振り子運動とともに揺動させることを特徴とする(2)の定量シリンジポンプ。
【0010】
(4)シリンジから突出したピストンの後端側所定箇所を、モータの作動により回転する回転板の回転中心から離れた偏心位置に連結し、前記回転板を回転させることによりシリンジから突出したピストンの後端側に円運動を行わせることを特徴とする(1)〜(3)の定量シリンジポンプ。
【0011】
(5)基板と、取付板と、前記取付板に固定されたシリンジと、前記シリンジの後端側からシリンジ内に挿入されたピストンと、前記取付板に固定され、軸方向両端側にそれぞれ逆止弁または開閉弁が取り付けられているとともに、その軸方向中間部に前記シリンジの先端側が連結された送液管と、前記基板に回動可能に取り付けられ、前記シリンジから突出したピストンの後端側所定箇所がその回転中心から離れた偏心位置に連結された回転板と、前記基板に取り付けられ、前記回転板を回転させるモータとを具備し、前記取付板を前記基板に回動可能に取り付けることにより、前記シリンジをその先端側付近を支点として振り子運動可能に配設するとともに、前記モータで前記回転板を回転させることによりシリンジから突出したピストンの後端側に円運動を行わせてピストンを往復動させ、ピストンを後退させたときに送液管の軸方向一端側からシリンジ内に液を吸引するとともに、ピストンを前進させたときに送液管の軸方向他端側からシリンジ内の液を吐出することを特徴とする定量シリンジポンプ。
【0012】
(6)送液管とシリンジとが略T字状に連結され、送液管がシリンジの振り子運動とともに揺動することを特徴とする(5)の定量シリンジポンプ。
【0013】
本発明では、シリンジをその先端側付近を支点として振り子運動可能に配設し、シリンジから突出したピストンの後端側に円運動を行わせることにより、ピストンを往復動させる。したがって、本発明によれば、ギヤを用いることなく回転運動を直線運動に変換してピストンを往復動させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明に係る定量シリンジポンプの一例を示す一部断面概略正面図、図2は一部断面概略側面図である。
【0015】
本例の定量シリンジポンプにおいて、202は金属製の基板、204は金属製の取付板、206は取付板204に固定部材(図示せず)により固定された合成樹脂製のシリンジ、208はシリンジ206の後端側からシリンジ206内に挿入された合成樹脂製のピストンを示す。
【0016】
図中210は、取付板204に固定部材(図示せず)により固定された合成樹脂製の送液管を示す。この送液管210は、軸方向両端側にそれぞれ逆止弁212、214が取り付けられているとともに、その軸方向中間部にシリンジ206の先端側が連結され、送液管210の内部とシリンジ206の内部とは連通している。また、送液管210とシリンジ206とは略T字状に一体的に連結されている。
【0017】
図中216は、基板202に軸218により回動可能に取り付けられた回転板を示す。この回転板216には、シリンジ206から突出したピストン208の後端側所定箇所が、その回転中心220から離れた偏心位置に連結部材222によって連結されている。なお、連結部材222は回転板216に回動可能に取り付けられている。回転板216は、基板202の背面に取り付けられたモータ224が軸218を回転させることによって回転せしめられる。
【0018】
本例の定量シリンジポンプにおいては、取付板204を基板202に軸226によって回動可能に取り付けることにより、シリンジ206をその先端側付近を支点228として振り子運動可能に配設してある。また、モータ224で回転板216を回転させることにより、シリンジ206から突出したピストン208の後端側に円運動を行わせてピストン208を往復動させるようにしてある。
【0019】
上記の点を図面を参照して説明する。まず、図1に示すピストン208が最も前進した状態から、モータ224の作動により回転板216を回転させると、シリンジ206の回転板216に連結された箇所が図1に示した仮想円230に沿って円運動を行い、ピストン208が後退する。この場合、ピストン208は後端側が円運動するので傾斜した状態となるが、シリンジ206はその先端側付近を支点として振り子運動可能であるので、図3に示すように、ピストン208が傾斜するとそれに合わせてシリンジ206も振り子運動により傾斜し、ピストン208の方向とシリンジ206の方向とは常に一致し、ピストン208の往復動は妨げられない。その後、図4に示すピストン208がもっとも後退した状態となり、さらに回転板216が回転すると、図1に示すピストン208が最も前進した状態に戻り、以降は回転板216の回転により上記運動を反復するものである。なお、図3および図4では便宜のため、シリンジ206、ピストン208、送液管210、回転板216および連結部材222のみを示した。
【0020】
本例の定量シリンジポンプは、上述の運動を行うことにより、図1に示すように、ピストン208を後退させたときには、送液管210の軸方向一端側からシリンジ206内に例えば薬剤槽232からチューブ234を介して薬剤を吸引する。また、ピストン208を前進させたときには、送液管210の軸方向他端側からシリンジ206内の薬剤をチューブ236を介して液を例えば反応槽238の試料液中に吐出するものである。この場合、液の吸引・吐出量の調整は、ピストンの円運動の大きさを調節すること、具体的には回転板216へのピストン208の取付位置を調節することによって行うことができる。
【0021】
なお、本発明は上述の例に限定されるものではなく、例えば下記のような種々の変更が可能である。
▲1▼送液管の軸方向両端側にそれぞれ逆止弁を取り付けたが、逆止弁を開閉弁に代え、所定のタイミングで開閉弁を開閉させるようにしてもよい。また、回転板の所定の位置をマイクロスイッチや光スイッチで検出し、この検出信号で開閉弁を開閉させるようにしてもよい。
▲2▼シリンジおよび送液管を取付板に固定し、取付板を基板に回動可能に取り付けたが、シリンジあるいはシリンジと送液管との連結体を基板に直接取り付けてもよい。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の定量シリンジポンプは、ギヤを使用することなく回転運動を直線運動に変換してピストンを往復動させることができ、そのため製造コストを安くすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る定量シリンジポンプの一例を示す一部断面概略正面図である。
【図2】図1のポンプの一部断面概略側面図である。
【図3】図1のポンプにおけるシリンジおよびピストンの動きを説明する図である。
【図4】図1のポンプにおけるシリンジおよびピストンの動きを説明する図である。
【符号の説明】
202 基板
204 取付板
206 シリンジ
208 ピストン
210 送液管
212 逆止弁
214 逆止弁
216 回転板
220 回転中心
224 モータ
228 支点
Claims (6)
- シリンジと、シリンジの後端側からシリンジ内に挿入されたピストンとを具備し、ピストンを往復動させてシリンジの先端側から送液を行う定量シリンジポンプにおいて、シリンジをその先端側付近を支点として振り子運動可能に配設するとともに、シリンジから突出したピストンの後端側に円運動を行わせてピストンを往復動させることを特徴とする定量シリンジポンプ。
- 軸方向両端側にそれぞれ逆止弁または開閉弁が取り付けられた送液管の軸方向中間部にシリンジの先端側を連結し、ピストンを後退させたときに送液管の軸方向一端側からシリンジ内に液を吸引するとともに、ピストンを前進させたときに送液管の軸方向他端側からシリンジ内の液を吐出することを特徴とする請求項1に記載の定量シリンジポンプ。
- シリンジおよび送液管を取付板に固定し、この取付板を基板に回動可能に取り付けることにより、シリンジをその先端側付近を支点として振り子運動可能に配設するとともに、送液管をシリンジの振り子運動とともに揺動させることを特徴とする請求項2に記載の定量シリンジポンプ。
- シリンジから突出したピストンの後端側所定箇所を、モータの作動により回転する回転板の回転中心から離れた偏心位置に連結し、前記回転板を回転させることによりシリンジから突出したピストンの後端側に円運動を行わせることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の定量シリンジポンプ。
- 基板と、取付板と、前記取付板に固定されたシリンジと、前記シリンジの後端側からシリンジ内に挿入されたピストンと、前記取付板に固定され、軸方向両端側にそれぞれ逆止弁または開閉弁が取り付けられているとともに、その軸方向中間部に前記シリンジの先端側が連結された送液管と、前記基板に回動可能に取り付けられ、前記シリンジから突出したピストンの後端側所定箇所がその回転中心から離れた偏心位置に連結された回転板と、前記基板に取り付けられ、前記回転板を回転させるモータとを具備し、前記取付板を前記基板に回動可能に取り付けることにより、前記シリンジをその先端側付近を支点として振り子運動可能に配設するとともに、前記モータで前記回転板を回転させることによりシリンジから突出したピストンの後端側に円運動を行わせてピストンを往復動させ、ピストンを後退させたときに送液管の軸方向一端側からシリンジ内に液を吸引するとともに、ピストンを前進させたときに送液管の軸方向他端側からシリンジ内の液を吐出することを特徴とする定量シリンジポンプ。
- 送液管とシリンジとが略T字状に連結され、送液管がシリンジの振り子運動とともに揺動することを特徴とする請求項5に記載の定量シリンジポンプ。
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