JP2004089142A - 菌床栽培設備 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】貯水タンク20に貯水された温水を菌床栽培ハウス2の菌床3に供給する設備1であって、温水器10と、この温水器10から給湯された高温水と水道水を混合して、所望の温度の適温水にする温度調整器を備え、この適温水を貯水タンク20に給湯する混合栓30と、貯水タンク20に貯水された適温水を菌床3に供給する注水ポンプ41を備えた注水部40とから構成されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、菌床栽培設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
菌床には水分が必要である。そこで、水を張った大型水槽タンク等の中に菌床をドブ浸けすることによって、菌床に水分を供給していた。しかし、ドブ浸けによって菌床に水分を供給する場合、菌床の表面にしか水分が供給されず菌床の内部にまで水分が行き渡らないので長時間浸けておく必要がある。
そこで従来より、椎茸等の菌床を効率的に栽培するために、貯水タンクの水を菌床の内部に直接供給して菌床を栽培する方法があり、特開平9−107793号公報等に開示されている。この方法は、可撓性を有する管の先端部に装着した注射針を椎茸菌床へ差込み、前記管に送水し、注射針の先端部から水を噴出させ、椎茸菌床へ水分を浸透させる方法である。この方法によれば、菌床の表面だけでなく内部にも水分を十分に供給させることができるから、菌床の生成を促進することができ、菌床を効率的に栽培することができる。また、ドブ浸けしなくてよいので、手間がかからず簡単に菌床を栽培できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、従来の菌床栽培技術には、以下の(i)〜(iii)の問題がある。
(i)貯水タンク内の水の温度は、昼間と夜間の間では変動し、季節の違いによっても変動する。菌床は菌の種類によって生育に適した温度帯は決まっている。このため、貯水タンクの水を菌床に供給すると、菌床の菌の生育に適した温度帯以外の温度の水を菌床に供給する場合があり、菌床の生育は著しく悪くなる。
(ii)多くの菌床に水分を供給させる場合、菌床栽培ハウスにおける全ての菌床の菌が1種類であれば、菌床に供給する温水の温度を、当該菌の好適温度帯に合わせて調整すればよい。ところが、菌床栽培ハウスで、複数種類の菌の菌床を栽培する場合、供給される温水の温度が、ある種類の菌には好適な温度であっても、その他の菌には好適な温度であるとは限らない。このため、全ての種類の菌床を効率的に栽培することができない。
(iii)高価な菌床栽培設備は購入できないが、安価な菌床栽培設備であれば購入して菌床を栽培したいという農家は多い。
【0004】
本発明はかかる事情に鑑み、菌床栽培ハウスに複数種類の菌の菌床を栽培する場合であっても、全ての種類の菌床の生育を効率的に促進して栽培することができ、安価な設備費用で構成でき、手間がかからず簡単に菌床を栽培できる菌床栽培設備を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の菌床栽培設備は、貯水タンクに貯水された温水を菌床栽培ハウスの菌床に供給する設備であって、温水器と、該温水器から給湯された高温水と水道水を混合して、所望の温度の適温水にする温度調整器を備え、該適温水を前記貯水タンクに給湯する混合栓と、前記貯水タンクに貯水された適温水を前記菌床に供給する注水ポンプを備えた注水部とからなることを特徴とする。
請求項2の菌床栽培設備は、請求項1記載の発明において、前記混合栓の温度調整器が、前記温水器から給湯された高温水の出湯量を手動で調整する湯量手動弁と、前記水道水の出水量を手動で調整する水量手動弁とからなることを特徴とする。
請求項3の菌床栽培設備は、請求項1または2記載の発明において、前記注水部が、前記注水ポンプから適温水が給水される幹パイプと、該幹パイプの適所に分枝して取り付けられた複数の支流パイプと、該支流パイプと前記幹パイプとの間に、開閉自在に取り付けられた開閉弁とからなることを特徴とする。
【0006】
請求項1の発明によれば、混合栓によって、菌に好適な温度の適温水を貯水タンクに貯水することができ、注水部の注水ポンプによって適温水を菌床に供給することができるから、菌床の生育を効率的に促進することができる。また、ドブ浸けしなくてよいので、手間がかからず簡単に菌床を栽培できる。
請求項2の発明によれば、湯量手動弁および水量手動弁によって温度調整器が構成されたシンプルな構造の混合栓を使用して、菌床栽培設備を構成することができるので、設備費用が安価である。
請求項3の発明によれば、開閉弁を開閉することにより、所望の支流パイプに温水を流したり止めたりすることができる。所望の支流パイプの適温水の流れを制御することができるので、支流パイプ毎に菌の種類が異なる菌床を割り当てることにより、菌の種類が異なる菌床が複数あっても、菌の性質に応じた温度の適温水を菌床に供給することができ、菌床の生育を効率的に促進することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は本実施形態の菌床栽培設備1の概略ブロック図である。同図において、菌床栽培ハウス2には多数の菌床3が栽培されている。菌床3の菌の種類としては、椎茸菌やエノキタケ菌、マイタケ菌、ナメコ菌など種々の菌があり、供給される温水の好適温度はそれぞれ異なる。椎茸菌の場合、25℃前後の温水が好適である。
本実施形態の菌床栽培設備1は、菌床栽培ハウス2の菌床3に温水を供給するための設備であり、温水器10、貯水タンク20、混合栓30および注水部40から構成されたものである。
【0008】
まず、温水器10を説明する。
温水器10は、電気温水器であり、水道水を沸かして約85度程度の高温水を給湯できる。
なお、温水器10は、電気温水器だけでなく、ガス温水器や漬け込みヒーター、瞬間湯沸し器であってもよい。
【0009】
つぎに、貯水タンク20を説明する。
貯水タンク20は、前記菌床3に供給する適温水を貯水するためのタンクである。この貯水タンク20には特に制限はなく、農家の多くの人達がもともと所有しているクッションタンク等を利用してもよい。かかる貯水タンクを使用した場合、菌床栽培用の貯水タンクを新規購入しなくてよいので、設備費用を安くすることができる。
【0010】
つぎに、混合栓30を説明する。
前記貯水タンク20上部開口には、混合栓30が取り付けられている。この混合栓30には、水道水および温水器10の高温水が給水もしくは給湯されるようになっている。この混合栓30は、本体31、水量手動弁32、湯量手動弁33、混合前センサ34およびタンク水センサ35から構成されたものである。
本体31は、前記貯水タンク20の蓋として機能するものであり、ステンレス等の防錆材で構成されている。
この本体31には、水量手動弁32および湯量手動弁33が温度調整器として取り付けられている。水量手動弁32は、蛇口を開閉することにより、水量を調整できる。湯量手動弁33は、蛇口を開閉することにより、湯量を調整できる。
混合栓30の温度調整器はシンプルな構造であるから、混合栓30は安価なものでよい。
【0011】
前記温水器10の給湯管には、混合前センサ34が取り付けられている。この混合前センサ34によって、温水器10から給湯された高温水の温度を計測することができる。
前記混合栓30の内部には、タンク水センサ35が取り付けられている。このタンク水センサ35によって、混合後の温水の温度を計測することができる。
前記混合前センサ34およびタンク水センサ35で計測された温度は、温度計に表示されるようになっている。この温度計に表示された貯水タンク20内の温水の温度および温水器10から給湯された温水の温度を確認しながら、水量手動弁32および湯量手動弁33により、貯水タンク20内の温水の温度を所望の温度に調整することができる。椎茸菌の菌床3の場合には、25度前後の温水が好適である。
【0012】
つぎに、注水部40を説明する。
図2は注水部40の拡大図である。図1および図2に示すように、注水部40は、注水ポンプ41、幹パイプ42、支流パイプ43、開閉弁44、チューブ45および針46から構成されたものである。
前記混合栓30の出湯管には、電動式の注水ポンプ41の注水口が取り付けられている。
注水ポンプ41の出水口には、幹パイプ42の一端が取り付けられている。この幹パイプ42の適所には、複数の支流パイプ43の各一端が取り付けられている。各支流パイプ43と幹パイプ42との連結部分には、それぞれ開閉弁44が開閉自在に取り付けられている。各支流パイプ43の適所には、複数のチューブ45の基端が取り付けられている。このチューブ45は可撓性を有した合成樹脂製のパイプチューブである。このチューブ45の先端には針46が取り付けられている。この針46は菌床3に挿し込まれている。
【0013】
このため、注水部40によれば、注水ポンプ41によって、貯水タンク20から給湯された適温水を、幹パイプ42→支流パイプ43→開閉弁44→チューブ45→針46→菌床3の順に供給することができる。よって、貯水タンク20の適温水をチューブ45を通して針46の先端から菌床3の内部に直接供給することができるので、散水した場合に比べて菌床3の表面だけでなく内部にまで適温水を十分に供給させることができ、菌床3を効率的に栽培することができる。
しかも、開閉弁44の開閉を制御することによって、所望の支流パイプ43に温水を流したり止めたりすることができる。
【0014】
つぎに、本実施形態の菌床栽培設備1の作用効果を説明する。
(1)混合栓30によって、菌に好適な温度の適温水を貯水タンク20に貯水することができ、注水部40の注水ポンプ41によって適温水を菌床3に供給することができるから、菌床3の生育を効率的に促進することができる。また、ドブ浸けしなくてよいので、手間がかからず簡単に菌床を栽培できる。
(2)湯量手動弁32および水量手動弁33によって温度調整器が構成されたシンプルな構造の混合栓を使用して、菌床栽培設備1を構成することができるので、設備費用が安価である。
(3)開閉弁44を開閉することにより、所望の支流パイプ43に適温水を流したり止めたりすることができる。所望の支流パイプ43の温水の流れを制御することができるので、支流パイプ43毎に菌の種類が異なる菌床3を割り当てることにより、菌の種類が異なる菌床3が複数あっても、菌の性質に応じた温度の適温水を菌床3に供給することができ、菌床3の生育を効率的に促進することができる。
【0015】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、混合栓によって、菌に好適な温度の適温水を貯水タンクに貯水することができ、注水部の注水ポンプによって適温水を菌床に供給することができるから、菌床の生育を効率的に促進することができる。また、ドブ浸けしなくてよいので、手間がかからず簡単に菌床を栽培できる。
請求項2の発明によれば、湯量手動弁および水量手動弁によって温度調整器が構成されたシンプルな構造の混合栓を使用して、菌床栽培設備を構成することができるので、設備費用が安価である。
請求項3の発明によれば、開閉弁を開閉することにより、所望の支流パイプに温水を流したり止めたりすることができる。所望の支流パイプの適温水の流れを制御することができるので、支流パイプ毎に菌の種類が異なる菌床を割り当てることにより、菌の種類が異なる菌床が複数あっても、菌の性質に応じた温度の適温水を菌床に供給することができ、菌床の生育を効率的に促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の菌床栽培設備1の概略ブロック図である。
【図2】注水部40の拡大図である。
【符号の説明】
1 菌床栽培設備
2 菌床栽培ハウス
3 菌床
10 温水器
20 貯水タンク
30 混合栓
32 水量手動弁
33 湯量手動弁
40 注水部
41 注水ポンプ
42 幹パイプ
43 支流パイプ
44 開閉弁
Claims (3)
- 貯水タンクに貯水された温水を菌床栽培ハウスの菌床に供給する設備であって、
温水器と、
該温水器から給湯された高温水と水道水を混合して、所望の温度の適温水にする温度調整器を備え、該適温水を前記貯水タンクに給湯する混合栓と、
前記貯水タンクに貯水された適温水を前記菌床に供給する注水ポンプを備えた注水部とからなる
ことを特徴とする菌床栽培設備。 - 前記混合栓の温度調整器が、
前記温水器から給湯された高温水の出湯量を手動で調整する湯量手動弁と、
前記水道水の出水量を手動で調整する水量手動弁とからなる
ことを特徴とする請求項1記載の菌床栽培設備。 - 前記注水部が、
前記注水ポンプから適温水が給水される幹パイプと、
該幹パイプの適所に分枝して取り付けられた複数の支流パイプと、
該支流パイプと前記幹パイプとの間に、開閉自在に取り付けられた開閉弁とからなる
ことを特徴とする請求項1または2記載の菌床栽培設備。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002258343A JP2004089142A (ja) | 2002-09-04 | 2002-09-04 | 菌床栽培設備 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002258343A JP2004089142A (ja) | 2002-09-04 | 2002-09-04 | 菌床栽培設備 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004089142A true JP2004089142A (ja) | 2004-03-25 |
Family
ID=32062974
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002258343A Pending JP2004089142A (ja) | 2002-09-04 | 2002-09-04 | 菌床栽培設備 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004089142A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109511473A (zh) * | 2018-12-27 | 2019-03-26 | 北京坤昇科技有限公司 | 一种自动化食用菌栽培架 |
-
2002
- 2002-09-04 JP JP2002258343A patent/JP2004089142A/ja active Pending
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