JP2004084051A - 水素発生装置に用いる極板および水素発生装置と発電装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】炭素粒子を含む素材を、コンパウンドする樹脂をバインダとして一対に対向する表裏の二つの面を具備する平板状に成形し、それに、一方の面に導通する接続口と他方の面に導通する接続口とを設けて、一方の面を陽極とし他方の面を陰極とした極板に形成し、この極板を、分解槽内に、そこに張り込まれる分解すべき水の中に浸漬状態に組み込み、これに通電することで水を分解せしめて水素を発生させる水素発生装置。
【選択図】 図4
Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、通電により水を分解して水素を取り出す水素発生手段に用いる極板についての改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
通電により水を分解して水素を発生させる手段には、分解槽内に、電解質を加えた水を張り込み、その水の中に陽極と陰極とする一対の電極を、浸漬状態に設置し、それに通電することで、水を電気分解して水素ガスを取り出す手段がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従前の通電により水を電気分解して水素ガスを取り出す手段は、水に酸またはアルカリの電解質を加えて電離させ、電離した水素イオンおよび酸素イオンに正・負の電極から電気量を与えて、その荷電により電極に移動させ、電極における放電により酸素ガスおよび水素ガスに生成して、これを取り出すことから、イオン粒子の移動による抵抗の損失などがあって、生成される水素ガスの量の、入力する電力に対する効率が低いものである。
【0004】
本発明は、この電極を介して行う水に対する通電により水を酸素と水素とに分解して水素を取り出すのを、水に電解質を加えないで、放電のない状態で行えるようにして、ロスがなく効率的に水素の取り出しが行えるようにする新たな手段を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の目的を達成するために、種々の研究と試行を重ねて得られた知見に基づいてなされたものである。
【0006】
即ち、通電により水を分解せしめて水素ガスを取り出す際、入力する電力の消費のロスを低く抑えて、効率よく水素ガスを発生させるために、通電により水を分解させるシステムについて種々の研究と試行を加え、電極材とする極板を、黒鉛・炭化カルシウム・炭素・等のカーボンを含む素材の樹脂による結合で、一対に対向する表裏の二面を具備する平板状に成形し、この極板の表裏の各面に、それぞれ電気の接続口を設けて、一方の面が陽極となり他方の面が陰極となる極板を形成し、この極板を、分解槽内に、そこに張り込まれる水の中に浸漬状態として配置し、水に電解質を加えないで、その極板に通電したところ、陽極とした一方の面の側において水を分解して酸素ガスと水素イオンを発生させ、他方の面において水素ガスを発生させるように、極板が機能するようになり、かつ、陽極となる側の面において発生させた水素イオンを、極板それ自体の内部を通して、殆ど抵抗のない状態で陰極となる側に移動させ、しかも、この移動を、電解質を加えないことにより殆ど放電のない状態で行わせるよう機能するものとなるという知見が得られた。
【0007】
そして、このように機能する極板は、それを黒鉛・鱗状黒鉛・炭化カルシウム・炭素などの、カーボン粒子を含む素材で成形してあれば、分解する水に電解質を加えず、水を電導度のないものとして、これにより放電のない状態での水の分解を可能にするよう機能すること、
【0008】
また、このとき、カーボンを含む素材で成形する極板は、黒鉛・鱗状黒鉛・炭化カルシウム・炭素などのうちの、何れの素材を用いて成形したものでも、また、それらを適宜に混合して成形したものでも、上述のように機能するものとなること、
【0009】
しかし、このように機能する極板の、水を分解していくときの効率・性能においては、炭素が最もよく、これに炭化カルシウムが続き、次いで黒鉛・次に鱗状黒鉛と、この順に順次性能が低下したものとなること、
【0010】
その性能は、炭素を多く含むものほどよく、また、通電性がよくなっているものほど性能が良いものとなっていること、の結果が得られた。
【0011】
そして、これらの結果から、この極板の上述の機能は、極板を成形している素材の中に含まれる炭素粒子が大きな係わりを持っていることが推理されることで、この極板中の炭素を、炭素分子レベルでの超音波顕微鏡により見たところ、炭素の純度が高く、また原子密度の高いものほど、通電性が良く、性能が良いものとなっていることが判ってきた。
【0012】
このことから、この極板は、それの中の、炭素粒子の中心にある炭素の核と水の中の水素の核とに、通電により若干のエネルギーが与えられたときに、それの反撥により各核から陽子が飛び出して反応を起こしていることで、このように機能しているものと推理される。
【0013】
そして、これらのことから、本発明においては、上述の目的を達成するための手段として、請求項1に記載した、
炭素粒子を含む素材を、それにコンパウンドする樹脂により結合せしめて一対に対向する表裏の二つの面を具備する平板状に成形し、それに、一方の面に導通する接続口と他方の面に導通する接続口とを設けて、一方の面を陽極とし他方の面を陰極とした極板に形成し、この極板を、分解槽内に、そこに張り込まれる分解すべき水の中に浸漬状態に組み込み、これに通電することで水を分解せしめて水素を発生させる水素発生装置。
を提起し、
【0014】
また、この水素発生装置に用いる極板として、請求項3に記載した、
粉末状のカーボンを、コンパウンドする樹脂により結合せしめて、一対に対向する表裏の二つの面を具備する平板状に成形し、それに一方の面に導通する接続口と他方の面に導通する接続口とを設けて、一方の面を陽極とし他方の面を陰極とした極板に形成し、それの一方の接続口にプラス側のリードを接続し他方の接続口にマイナス側のリードを接続せしめることを特徴とする水素発生装置に用いる極板。
【0015】
および、請求項4に記載した、
粉末状の黒鉛を、コンパウンドする樹脂により結合せしめて、一対に対向する表裏の二つの面を具備する平板状に成形し、それに一方の面に導通する接続口と他方の面に導通する接続口とを設けて、一方の面を陽極とし他方の面を陰極とした極板に形成し、それの一方の接続口にプラス側のリードを接続し他方の接続口にマイナス側のリードを接続せしめることを特徴とする水素発生装置に用いる極板。
【0016】
および、請求項5に記載した、
カーボンを含む素材を、バインダとする樹脂と骨材とするカーボン・黒鉛・鱗状黒鉛・炭化カルシウム等の粉砕片とを混合して、一対に対向する表裏の二つの面を具備する平板状に成形し、それに一方の面に導通する接続口と他方の面に導通する接続口とを設けて、一方の面を陽極とし他方の面を陰極とした極板に形成し、それの一方の接続口にプラス側のリードを接続し他方の接続口にマイナス側のリードを接続せしめることを特徴とする水素発生装置に用いる極板。
を提起するものである。
【0017】
しかして、本発明においては、上述の如く構成する極板が含有するカーボンの態様について、さらに検討を加えたところ、超音波のエコーの反射が乱れる格子状の結晶構造をもつ炭素粒子が多いほど性能が低く、超音波のエコーがきれいに返ってくる、格子状の結晶構造をもたない単結晶の構造となっているカーボンを多く含むものほど通電性がよく、また水を分解する性能がよいことの知見が得られた。
【0018】
そして、このような単結晶構造のカーボンが、炭素粒を、例えば炭素のアークからの高温の火花により焼くなどで、燃やさないで高速(瞬間的)に焼成することにより、単結晶構造のカーボンのチップ(カーボン粒状体)として得られること、
【0019】
また、このようにして得られる単結晶構造のカーボンチップが、それを、バインダとする樹脂と混合して結合させ、極板に成形するときに、プレスによらず、圧延により成形することで、単結晶が直線状につながり、単結晶が直線に並んだ形態となって、全体が単結晶状になってくること、
【0020】
また、この圧延の際、まず、予備的な圧延を行ってある程度の硬さになったところで、もう一度圧延を繰り返すことにより、単結晶がきれいに直線にならぶ形態となり、かつ、成形した極板の表面が光沢のあるきれいな面になってくること、
【0021】
さらに、単結晶質にしたカーボン粒状体は、それを非結晶質のカーボン粒子と混合して樹脂により結合させて成形することによっても、極板中に単結晶の構造体となって存在し、極板の性能の向上が得られること、
【0022】
また、極板を成形する素材に用いるカーボン粒子を、鉛の添加により非結晶質の黒鉛の粒子とし、これを樹脂により結合せしめて成形することでも、極板中に含まれるカーボンを単結晶状の形態とし得ること、
【0023】
さらに、極板を成形するカーボンを含む素材として、不純物として燐を含み比重が黒鉛の略2分1程度となる鱗状黒鉛を用いるときは、成形した極板の重量当たりの容積率が増大して、通電したときの分子の共振を増巾させることが推理されることから、入力に対する水素の発生量が、100倍近くに著しく増大してくることの知見が得られた。
【0024】
このことから、本発明においては、上述の手段に併せて、請求項6に記載した、極板を成形する素材に含まれるカーボンの一部または全部を、結晶構造をもたない単結晶の構造のものとすることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3または請求項5記載の水素発生装置に用いる極板を提起し、
【0025】
また、請求項7に記載した、炭素粒を、燃やさないで高速で高温に焼成して単結晶構造のカーボンチップ(カーボンの粒状体)に生成し、そのカーボンチップを、素材の一部または全部に用いて、バインダとする樹脂との混合により表面の二面を具備する所定形状の平板状の極板に成形することを特徴とする水素発生装置に用いる極板の成形方法。
【0026】
および、請求項8に記載した、単結晶構造のカーボンの粒状体を、極板を成形する素材の一部または全部に用いて、樹脂との混合により結合させ、圧延の繰り返しにより、表裏の二面を具備する所定形状の平板状の極板に成形することを特徴とする水素発生装置に用いる極板の成形方法。
【0027】
および、請求項9に記載した、極板を成形する素材に用いるカーボン粒子を、それに、鉛の添加により非結晶質の黒鉛の粒子とし、これを樹脂により結合せしめて表裏の二面を具備する所定形状の平板状の極板に成形することを特徴とする水素発生装置に用いる極板の成形方法。
【0028】
および、請求項10に記載した、粉末状の鱗状黒鉛を、樹脂のコンパウンドにより結合せしめて、一対に対向する表裏の二つの面を具備する平板状に成形し、それに一方の面に導通する接続口と他方の面に導通する接続口とを設けて、一方の面を陽極とし他方の面を陰極とした極板に形成し、それの一方の接続口にプラス側のリードを接続し他方の接続口にマイナス側のリードを接続せしめることを特徴とする水素発生装置に用いる極板
を提起するものである。
【0029】
ところで、このように、炭素粒子を含む素材により、表裏の二面を具備する平板状に成形して、それの、一方の面に導通する接続口と他方の面に導通する接続口とを設け、それら接続口の一方にプラス側のリードを接続し他方の接続口にマイナス側のリードを接続することで、一方の面を陽極とし他方の面を陰極とする極板について、それの機能につき、さらに検討を加えたところ、この極板は、前述した水を分解させるときは逆に、それの陽極とする面に対し酸素ガスを当て、陰極とする面に対し水素ガスを当てる状態とすると、酸素と水素とを結びつける触媒となるように機能して、水を生成し、かつ、そのとき、陽極となる面と陰極となる面の間に流れる電流が生じ、その電流がプラス側の接続口とマイナス側の接続口とに接続するリードから電力として取り出せ、例えば、それらリードをモータの正負のターミナルに接続させておけば、そのモータが起動されて回転するようになって発電器として機能するようになるものであることが判ってきた。
【0030】
そして、このように、極板を、発電器として機能させるように用いる場合において、その極板が、それを成形するカーボンを含む素材の一部または全部を鱗状黒鉛とした極板であるときは、通常は放電していた発生させた電流を極板自体の中に蓄える蓄電器として機能するようになり、かつ、この極板を並列させて発電器を組み立てるようにしたときに、それぞれの極板に蓄められる電流が、電流を増巾して電力の発生量を増大させるようになる知見が得られた。
【0031】
そして、このことから、本発明においては、上述の手段に、さらに併せて、請求項11に記載した、炭素粒子を含む素材を、コンパウンドする樹脂をバインダとして一対に対向する表裏の二つの面を具備する平板状に成形し、それに、一方の面に導通する接続口と他方の面に導通する接続口とを設けて、一方の面が陽極となり他方の面が陰極となる極板に形成し、この極板を適宜形状のケース内に設置し、一方の接続口にプラス側のリードを接続し、他方の接続口にマイナス側のリードを接続して、陽極とする面に酸素ガスを当て陰極とする面に水素ガスを当てることにより、水の生成と同時に発電が行われるようにした発電装置を提起し、
【0032】
また、請求項12に記載した、炭素粒子を含む素材を、コンパウンドする樹脂をバインダとして一対に対向する表裏の二つの面を具備する平板状に成形し、それに、一方の面に導通する接続口と他方の面に導通する接続口とを設けて、一方の面が陽極となり他方の面が陰極となる極板に形成し、この極板を適宜形状のケース内に並列させて設置し、それら極板の各一方の接続口にプラス側のリードを直列に接続し、各他方の接続口にマイナス側のリードを直列に接続して、各極板の陽極とする面に酸素ガスを当て陰極とする面に水素ガスを当てることにより、水の生成と同時に発電が行われるようにした発電装置を提起するものである。
【0033】
【発明の実施の形態】
次に発明の実施の態様を説明する。
本発明手段の実施には、まず、それの主要部となる極板を形成する。
【0034】
この極板は、炭素粒子を含む素材を、それにコンパウンドする樹脂をバインダとして、一対に対向する表裏の二つの面を具備する平板状に成形する。
【0035】
このとき使用する炭素粒子を含む素材としては、炭素・黒鉛・炭化カルシウム・炭化硅素・鱗状黒鉛等のカーボンを含むものであればよく、また、これらの素材は、単用で、または、それらを適宜に混合したものとして用いてよい。そして、これら炭素を含む素材は、微粉状ないしチップ状とした形態のものとしてバインダとする樹脂とコンパウンドして成形する。
【0036】
バインダとして使用する樹脂は、天然の樹脂・合成した合成樹脂等の適宜のものを用いてよく、通常のメラニン系の樹脂が価格的に有効である。
【0037】
また、成形する極板は、表裏の二つの面を具備する平板状に成形すればよく、その形状は、方形の板状、または円板状など適宜に形成してよい。
【0038】
炭素を含む素材は、微粉状またはチップ状に形成してバインダとする樹脂とコンパウンドして結合させ、プレス等の通常の成形手段により、所定の形状に成形してよいが、極板中に存在させるカーボンが、結晶構造をもたない単結晶の形態となっていることが極板の性能を良くすることから、単結晶の状態として存在させるのに有効な圧延により成形することが望ましい。
【0039】
このとき、炭素を含む素材は、樹脂とコンパウンドする前に、高速で焼成するなどで、カーボン粒子を単結晶質のものとする処理を行っておくことが有効である。
【0040】
そして、このようにして形成した極板1には、それの表側となる一方の面1aと裏側とする他方の面1bとに、それぞれ接続口2・3を設ける。
【0041】
この接続口2・3は、図1にあるように、極板1の四つのコーナー部などの適宜部位に設ける。このとき、コーナー部には、図2にあるよう一方の面から他方の面に透通する穴10をあけ、そこに図3にあるようにブッシュ4を嵌装し、それにターミナルを挿通して締着することで、このターミナルをもって接続口2・3とするなどの通常の手段で行ってよいが、そのブッシュ4は絶縁材で形成したものとし、これにより、図3の上位側にある接続口2の如く、極板1の一方の面1aである同図において左面側の面にだけ導通する接続口と、同図の下位側にある接続口3の如く極板1の他方の面1bである同図において右面側の面にだけ導通する接続口とに構成し、これらに、プラス側のリード2aとマイナス側のリード3aとを各別に接続するようにし、これによって、対向する二つの面の一方が陽極となり他方が陰極となる極板に形成するようにする。
【0042】
このように形成した極板1を、図4にあるように、分解すべき水が張り込まれる分解槽a内に設置し、接続口2と接続口3とに接続するプラス側のリード2aとマイナス側のリード3aを直流または交流の電源に接続することで、水素発生装置Aに組み立てる。
【0043】
このように組み立てた水素発生装置Aは、リード2a・3aを介し極板1に通電することで分解槽a内の水を、酸素と水素とに分解して、極板1の陽極となる面の側において酸素ガスと水素イオンを発生させ陰極となる面の側において水素ガスを発生させるようになるから、これを回収して取り出すようにする。
【0044】
この水素発生装置Aは、酸素ガスと水素とが平板状の極板1の表面側1aと裏面側1bの近接部位となる近いところで発生してくることから、分解槽a内には、これらを一緒に併せて回収する回収器bを配設してこれに集合させて、低温で湿度を保持せしめた分離槽cに導き、ここで酸素と水素とに分離して、水素ガスを取り出すようにする。
【0045】
このとき、極板1の陽極となる面1aおよび陰極となる面1bに、イオン交換膜dを密接状態に装設しておくことで、取り出す水素ガスおよび酸素ガスを純粋なものとし得るようになる。
【0046】
次に図5は、上述の極板1を、複数枚、相互に近接して並列するように組み合わせて、分解槽a内に設置して組み立てた水素発生装置Aを示している。
【0047】
この例における並列する極板1…は、それらにそれぞれ装設してある陽極側の接続口2…および陰極側の接続口3…が、リードによりそれぞれ直列に接続してあり、並列する極板1…のうちの外端側に位置する極板1の接続口2・3にそれぞれリード2a・3aを接続して通電することで、同時に機能するようになる。
【0048】
この例の水素発生装置Aは、相互に近接させて並列させた各極板1が、相互に電磁誘導を起してイオンの発生率を向上させることで、発生してくる水素ガスの量が、1枚の極板を用いた場合に発生してくる水素ガスの量に並列させて組み合わせた極板の枚数を掛けた量よりも多くなってくる。
【0049】
この極板1を多連に並列させる形態の水素発生装置Aにおいても、酸素ガスおよび水素ガスが、各極板1の表裏の二つの面の近くから発生してくることから、これら酸素ガスおよび水素ガスを図4に示している例の如く、回収器bにより集合させて回収し、それを、低温で湿度を保持さしめた分離槽cに導き、そこで、酸素ガスと水素ガスとに分離し、それを除湿して各タンクに取り出すようにしてよい。
【0050】
次に、図6は、上述の構成とした極板1を、上述した水素発生装置Aとは逆に用いて組み立てた発電装置Bを示している。
【0051】
同図6において、1は前述した構成に形成してある極板、eはこれを収容設置せしめるケース、fは極板1の陽極となる側に酸素ガスを吹き付けるノズル、gは陰極となる側に水素ガスを吹き付けるノズル、hは陰極側の接続口3に接続した極板1のステーを兼ねる電力取り出し側のリード、iは陽極側の接続口2に接続した極板1のステーを兼ねるアース側のリード、jはノズルf・gからの酸素ガスおよび水素ガスの吹き付けで、極板1内を流れる電流が発生するときに同時に生成されてケース内にたまってくる水を排出させるためのドレン、Mは発生してリードh・iから取り出される電流により起動されるよう接続したモータである。
【0052】
この発電装置Bにおいて、それに用いる極板1を、粉末状の鱗状黒鉛に樹脂をコンパウンドして成形したものとしたときは、その極板1が発電した電気を蓄電する蓄電器として機能するようになる。
【0053】
また、図7にあるように、複数の極板1を、それの陽極および陰極となる表裏の一方の面が、次位に並ぶ極板の表裏の他方の面に対し近接して対向するように多連に並列させ、それら各極板1のそれぞれのプラス側の接続口2およびマイナス側の接続口3をリードにより直列に接続する状態に並列組み合わせ、これを、ケースe内に設置し、並列する各極板1の陽極となる面および陰極となる面に、酸素ガスおよび水素ガスをノズルf・gによりそれぞれ吹き付ける極板並列型の形態としたときは、並列する各極板1が、相互に電磁誘導をおこすことにより、発電機能が向上して発電量が多くなる。
【0054】
このときの発電量の増大は、1枚の極板1を用いた場合に発生してくる電気量に対し並列させた極板の枚数を掛けて得られる計算上の発生電気量よりも遙かに大きくなる著しいものである。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明手段は、炭素粒子を含む素材をそれにコンパウンドした樹脂をバインダとして平板状に成形し、それの表裏の一方の面が陽極となり他方の面が陰極となる極板を用いて、それに通電することで水を酸素と水素とに分解して水素を取り出すことから、分解させる水に電解質を加えないでも水素ガスを取り出せ、また、水素イオンの移動に伴う抵抗による損失を著しく抑えられることで水素を効率よく取り出せるようになる。
【0056】
そして、この手段による極板は、それを逆に用いることで、発電するよう機能することから、効率のよい発電装置が得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明手段に用いる極板の斜視図である。
【図2】同上極板の接続口を取り付ける前の状態における斜視図である。
【図3】同上極板のプラス側の接続口およびマイナス側の接続口をそれぞれ取り付けた状態の部分の断面図である。
【図4】同上の極板を用いて組み立てた水素発生装置の縦断面図である。
【図5】同上の極板を多連に並設した形態の水素発生装置の一部破断した斜視図である。
【図6】同上の極板を用いて組み立てた発電装置の縦断面図である。
【図7】同上の極板を多連に並列させた形態の発電装置の一部破断した斜視図である。
【符号の説明】
A…水素発生装置、B…発電装置、M…モータ、a…分解槽、b…回収器、c…分離器、d…イオン交換膜、e…ケース、f・g…ノズル、h・i…リード、j…ドレン、1…極板、1a…表面側、1b…裏面側、10…穴、2…接続口、2a…リード、3…接続口、3a…リード、4…ブッシュ。
Claims (12)
- 炭素粒子を含む素材を、コンパウンドする樹脂をバインダとして一対に対向する表裏の二つの面を具備する平板状に成形し、それに、一方の面に導通する接続口と他方の面に導通する接続口とを設けて、一方の面を陽極とし他方の面を陰極とした極板に形成し、この極板を、分解槽内に、そこに張り込まれる分解すべき水の中に浸漬状態に組み込み、これに通電することで水を分解せしめて水素を発生させる水素発生装置。
- 炭素粒子を含む素材を、コンパウンドする樹脂をバインダとして一対に対向する表裏の二つの面を具備する平板状に成形し、それに、一方の面に導通する接続口と他方の面に導通する接続口とを設けて、一方の面を陽極とし他方の面を陰極とした極板に形成し、この極板を、複数枚、相互に近接して並列するように配置して、分解槽内に、そこに張り込まれる分解すべき水の中に浸漬状態に組み込み、これに通電することで水を分解せしめて水素を発生させる水素発生装置。
- 粉末状のカーボンを、コンパウンドする樹脂により結合せしめて、一対に対向する表裏の二つの面を具備する平板状に成形し、それに一方の面に導通する接続口と他方の面に導通する接続口とを設けて、一方の面を陽極とし他方の面を陰極とした極板に形成し、それの一方の接続口にプラス側のリードを接続し他方の接続口にマイナス側のリードを接続せしめることを特徴とする水素発生装置に用いる極板。
- 粉末状の黒鉛を、コンパウンドする樹脂により結合せしめて、一対に対向する表裏の二つの面を具備する平板状に成形し、それに一方の面に導通する接続口と他方の面に導通する接続口とを設けて、一方の面を陽極とし他方の面を陰極とした極板に形成し、それの一方の接続口にプラス側のリードを接続し他方の接続口にマイナス側のリードを接続せしめることを特徴とする水素発生装置に用いる極板。
- カーボンを含む素材を、バインダとする樹脂と骨材とするカーボン・黒鉛・鱗状黒鉛・炭化カルシウム等の粉砕片とを混合して、一対に対向する表裏の二つの面を具備する平板状に成形し、それに一方の面に導通する接続口と他方の面に導通する接続口とを設けて、一方の面を陽極とし他方の面を陰極とした極板に形成し、それの一方の接続口にプラス側のリードを接続し他方の接続口にマイナス側のリードを接続せしめることを特徴とする水素発生装置に用いる極板。
- 極板を成形する素材に含まれるカーボンの一部または全部を、結晶構造をもたない単結晶の構造のものとすることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3または請求項5記載の水素発生装置に用いる極板。
- 炭素粒を、燃やさないで高速で高温に焼成して単結晶構造のカーボンチップに生成し、そのカーボンチップを、素材の一部または全部に用いて、バインダとする樹脂との混合により表面の二面を具備する所定形状の平板状の極板に成形することを特徴とする水素発生装置に用いる極板の成形方法。
- 単結晶構造のカーボンの粒状体を、極板を成形する素材の一部または全部に用いて、樹脂との混合により結合させ、圧延の繰り返しにより、表裏の二面を具備する所定形状の平板状の極板に成形することを特徴とする水素発生装置に用いる極板の成形方法。
- 極板を成形する素材に用いるカーボン粒子を、それに、鉛の添加により非結晶質の黒鉛の粒子とし、これを樹脂により結合せしめて表裏の二面を具備する所定形状の平板状の極板に成形することを特徴とする水素発生装置に用いる極板の成形方法。
- 粉末状の鱗状黒鉛を、コンパウンドする樹脂により結合せしめて、一対に対向する表裏の二つの面を具備する平板状に成形し、それに一方の面に導通する接続口と他方の面に導通する接続口とを設けて、一方の面を陽極とし他方の面を陰極とした極板に形成し、それの一方の接続口にプラス側のリードを接続し他方の接続口にマイナス側のリードを接続せしめることを特徴とする水素発生装置に用いる極板。
- 炭素粒子を含む素材を、コンパウンドする樹脂をバインダとして一対に対向する表裏の二つの面を具備する平板状に成形し、それに、一方の面に導通する接続口と他方の面に導通する接続口とを設けて、一方の面が陽極となり他方の面が陰極となる極板に形成し、この極板を適宜形状のケース内に設置し、一方の接続口にプラス側のリードを接続し、他方の接続口にマイナス側のリードを接続して、陽極とする面に酸素ガスを当て陰極とする面に水素ガスを当てることにより、水の生成と同時に発電が行われるようにした発電装置。
- 炭素粒子を含む素材を、コンパウンドする樹脂をバインダとして一対に対向する表裏の二つの面を具備する平板状に成形し、それに、一方の面に導通する接続口と他方の面に導通する接続口とを設けて、一方の面が陽極となり他方の面が陰極となる極板に形成し、この極板を適宜形状のケース内に並列させて設置し、それら極板の各一方の接続口にプラス側のリードを直列に接続し、各他方の接続口にマイナス側のリードを直列に接続して、各極板の陽極とする面に酸素ガスを当て陰極とする面に水素ガスを当てることにより、水の生成と同時に発電が行われるようにした発電装置。
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