JP2004082878A - Rubber-steel cord complex and tire using the same - Google Patents

Rubber-steel cord complex and tire using the same Download PDF

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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a rubber-steel cord complex having a high level of both quick adhesion and heat-resistant adhesion, and a tire using the same. <P>SOLUTION: The rubber-steel cord complex is made of a rubber composition composed of rubber component containing at least 50 pts.wt. of natural rubber, and 0.1 to 5 pts.wt. of maleimide resin and 0.5 to 8 pts.wt. of bisphenol compound with two tert-butyl groups, and including at least one kind of higher fatty acid, and a steel cord of a single steel wire coated with a brass plating layer, in which not more than 1.5 atomic percentage of phosphorus is contained as oxide in a wire surface area up to 5 nm in depth from the surface of the brass plating layer in the radially-inward direction, or a plurality of the steel wires twisted together. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム−スチールコード複合体およびそれを用いたタイヤに関し、詳しくは、空気入りタイヤや工業用ベルト等に使用されるゴム−スチールコード複合体およびそれを用いたタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ラジアルタイヤのベルトやカーカス用ボディープライ、および各種工業用ベルト部材などのゴム物品においては、ブラスめっきを施したスチールワイヤまたはこれを複数本撚り合わせてなるスチールコードをゴムで被覆してなるものを用いることにより、補強効果を得ることが行われている。従ってこの場合、補強効果を十全に得るためにはスチールコードとゴムとの間の接着性を十分に確保することが必要であり、かかる観点からブラスめっきにおける銅と亜鉛との割合やめっき厚さを適正化すること等が検討され、これまでに一定の知見が確立されている。
【0003】
かかる知見の下に適正化されたブラスめっきを施すことにより設計、製造されたスチールコードを用いれば、ゴムとの間の接着性は向上するが、この場合でも、その接着対象となるゴムについては極めて制限された条件が要求される。例えば、タイヤを所定時間内に加硫製造しようとする場合には、スチールコード−ゴム間の接着の速さとその完結性、即ち、良好な初期接着性を求める観点から、ゴム中に接着プロモーターとしてCo塩やNi塩を相当の割合で添加し、かつ硫黄を高配合して、接着反応の促進を図ることが必要となる。
【0004】
しかし、かかる接着プロモーターや硫黄の添加は、接着反応の促進には有効である反面、未加硫ゴムからのブルームの発生という問題を招く難点がある。添加剤のブルームは、作業性を低下させ、周辺ゴムとの密着、接着性を阻害するばかりでなく、加硫ゴムの劣化、即ち加硫戻りを引き起こして、タイヤ耐久性を低下させる原因ともなる。そのため、これを防止する観点から、スチールコードとの接着を必要とするコーティングゴム中に含有させる接着プロモーターの減少を図るべく、プロモーターの種類、特にCo塩やNi塩の酸種を変更したり、接着プロモーターをコーティングゴムとスチールコードとの間に薄膜として存在させることにより、ゴム組成物中に直接接着プロモーターを含有させずに接着性を改善するなどの試みがなされてきている(例えば、特開平10−324753号公報中に記載)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、接着プロモーターの種類の変更は部分的な最適化を施すにすぎず、Co含有量は基本的に同一にせざるをえないので、初期接着性を改良すれば、結果として、耐久接着性が低下したりブルーム性が低下したりする二律背反を免れないという問題があった。
【0006】
また、ゴムとブラスめっきスチールコードとの接着に際して用いられるコバルト金属塩などの接着プロモーターは一般に高価であるので、これらの使用量の減少を図ることは、タイヤ性能の向上のみらず、配合コストの大幅ダウンによる省資源化の観点からも重要である。ところが、上記特開平10−324753号公報に記載されたコーティングゴムとスチールコードとの間に薄膜として接着プロモーターを介在させる技術では、コーティングゴムにおけるCoの配合を省略することは可能であるものの、接着反応以前に逆にコーティングゴム中に拡散するCoの割合が多くなるので薄膜の厚みを数十μm程度とする必要があり、Coの削減効果が十分であるとは言えないことから、さらなる改善が望まれていた。
【0007】
このように、ブラスめっきスチールコードとコーティングゴムとの接着において要求される性能としては、単に初期接着性が良好であればよいというものではなく、タイヤが実使用時に劣化環境に曝された際に接着界面の劣化に起因する故障を生じないことや、タイヤ製造工程におけるトラブルの防止、配合コストの抑制など、様々な条件を満足することが必要となる。
【0008】
一方、スチールコードで補強されるコーティングゴム組成物には、高弾性、低発熱性、耐劣化性、接着性などが要求される。このうち高弾性化の改良は、ゴム−スチールコード複合体に入力が付加された際の歪みを抑制する意味で製品の耐久性向上の観点から有効な手段であるので、充填剤や架橋剤の増量、樹脂による補強などが行われている。これらの手法には夫々一長一短があるが、中でもビスマレイミド樹脂による補強は、短時間接着が遅くなるという欠点を解決できれば、極めて有効な手法となると考えられる。
【0009】
特に、ゴム組成物中の水分率が低下する冬期には、短時間接着の遅延が起こりやすい。蛋白質等の極性成分を含有する天然ゴム中の水分は、生産地や保管状態、さらにはコンパウンドの製造プロセスなどによっても変動するので、ゴム−スチールコード複合体の短時間接着性についても気候等の環境変化に影響を受ける。特に、冬場の乾燥期にはゴムコンパウンドの水分率が0.3%以下まで低下することが度々生じ、このような状況においては短時間接着性が悪化する。このため、気候に対する不安定性を排除する観点から、通常は、不要な高級脂肪酸を少量配合することで、初期接着性を安定的に確保することが行われる。しかし、その一方、高級脂肪酸は過加硫に代表されるように耐熱接着に対してはマイナスの側面を持ち、気候変動に対して安定した短時間接着性および耐熱接着性を得ることとはゴム配合面からは相容れないものがある。
【0010】
そこで本発明の目的は、上述の従来技術における問題を生ずることなく、短時間接着性と耐熱接着性とを高いレベルで両立することが可能なゴム−スチールコード複合体およびそれを用いたタイヤを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的に対して、コーティングゴムの配合とブラスめっきスチールコード表面の反応性との所定の組み合わせによる改良手法を検討した結果、以下に述べるような特定のゴム組成物とスチールコードとを組み合わせることにより、特に、短時間接着性および過加硫時接着性が高いレベルで著しく改良されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明のゴム−スチールコード複合体は、以下のとおりである。
(1)天然ゴムを50重量%以上含有するゴム成分に対し、マレイミド樹脂0.1〜5重量部およびtert−ブチル基を2個有するビスフェノール化合物0.5〜8重量部を含有し、かつ、少なくとも一種の高級脂肪酸が配合されてなるゴム組成物と、周面にブラスめっき層を有し、該ブラスめっき層の表面からワイヤ半径方向内方に深さ5nmまでのワイヤ表層領域における酸化物として含まれるリンの含有量が1.5原子%以下であるスチールワイヤの単線、または該スチールワイヤの複数本を撚り合わせてなるスチールコードと、からなることを特徴とするゴム−スチールコード複合体である。
【0013】
(2)前記(1)のゴム−スチールコード複合体において、前記高級脂肪酸の配合量が、前記ゴム成分100重量部に対し0.75重量部以下であるゴム−スチールコード複合体である。
【0014】
(3)前記(1)または(2)のゴム−スチールコード複合体において、前記ブラスめっき層全体における銅および亜鉛の総量に対する銅の比率が60〜70重量%であり、かつ、前記ワイヤ表層領域における銅および亜鉛の総量に対する銅の比率が15〜45原子%であるゴム−スチールコード複合体である。
【0015】
(4)前記(1)〜(3)のうちいずれかのゴム−スチールコード複合体において、前記ブラスめっき層の平均厚みが0.13〜0.30μmであるゴム−スチールコード複合体である。
【0016】
(5)前記(1)〜(4)のうちいずれかのゴム−スチールコード複合体において、前記スチールワイヤの直径が0.40mm以下であるゴム−スチールコード複合体である。
【0017】
(6)一対のビード間でトロイド状に延びるカーカスを骨格とし、該カーカスのタイヤ半径方向外側にベルトを備えるタイヤにおいて、該カーカスおよびベルトのうちのいずれか一方または双方に、前記(1)〜(5)のうちいずれかのゴム−スチールコード複合体を用いたことを特徴とするタイヤである。
【0018】
本発明のゴム−スチールコード複合体によれば、従来のゴム−スチールコード複合体に比較して、非常に高いレベルで安定した短時間接着性を得ることができるが、これは高級脂肪酸による接着安定化システムが独立して作用するだけでなく、ブラスめっきの表面からワイヤ半径方向内方に深さ5nmまでの表層領域において酸化物として含まれるリンの量が、ゴム接着性と密接に相関するという事実に基づいている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態につき具体的に説明する。
本発明のゴム−スチールコード複合体に係るゴム組成物は、ゴム成分のうち、天然ゴムを50重量%以上含有する。天然ゴムの含有量が50重量%未満では、接着特性およびゴム破壊特性の低下を招き好ましくない。また、ゴム成分の残部をなす合成ゴムとしては、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、好ましくは、臭素化ブチルゴム、パラメチルスチレン基を有するブチルゴム(具体的には、イソブチレンとP−ハロゲン化メチルスチレンとの共重合体等)、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、イソプレンゴム(IR)等が挙げられる。
【0020】
また、SBRとしては、ブタジエン部分のビニル含有量が35〜85重量%であり、かつ、スチレン含有量が30重量%以下である溶液重合SBRが好適である。溶液重合SBRのビニル含有量が35重量%未満ではゴムの耐熱老化性が改良できない一方、85重量%を超えるとゴムの破壊特性が低下し、また、スチレン含有量が30重量%を超えると、接着性が低下してしまう。
【0021】
本発明においては、上記ゴム成分に対して、0.1〜5重量部のマレイミド樹脂が配合されている。マレイミド樹脂の配合量が0.1重量部より小さいと高弾性化の効果が得られず、一方、5重量部より多いと加硫戻りが大きくなり、耐発熱性が低下する。例えば、ビスマレイミド樹脂の一般式は、下式、

Figure 2004082878
(式中、Rは炭素数6〜18の芳香族基、または炭素数7〜24のアルキル芳香族基を示し、xおよびyは0〜3の整数をそれぞれ独立に示す)で表される。
【0022】
また、本発明においては、上記ゴム成分に対し、さらに、tert−ブチル基を2個有するビスフェノール化合物が0.5〜8重量部にて含有されている。かかるビスフェノール化合物の含有量を上記範囲内とすることにより、本発明の所期の接着性向上効果を十全に得ることができる。かかるビスフェノール化合物の一般式は、下式、
Figure 2004082878
(式中、RおよびRは炭素数1〜3のアルキル基を示す)で表される。
【0023】
さらに、上記ゴム成分には、少なくとも一種の高級脂肪酸が配合されている。
高級脂肪酸としては、例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等を挙げることができ、その含有量としては、得られる接着性改良効果および他物性への影響の観点から、好ましくは、ゴム成分100重量部に対し0.75重量部以下である。高級脂肪酸の配合量が0.75重量部を超えると、耐熱接着性の低下が著しく、組み合わせるスチールコードの接着特性の向上効果によってはカバーしきれない。
【0024】
また、本発明に係るスチールコードにおいては、周面ブラスめっき層の表面からワイヤ半径方向内方に深さ5nmまでのワイヤ表層領域における酸化物として含まれるリンの含有量を、1.5原子%以下に抑制することが肝要である。リンの含有量が1.5原子%を超えて増加すると、それにつれてゴムとの接着速度が遅くなってしまう。リンの量を1.5原子%以下とすることにより、ゴム中の水分率にかかわらず優れたゴム接着性を安定して得ることが可能となる。
【0025】
ここで、ブラスめっき層のワイヤ表層領域におけるリンの定量は、X線光電子分光法を用いて、ワイヤの曲率の影響を受けないよう20〜30μmφの分析面積にて、めっき層のワイヤ表層領域に存在する原子、即ち、C、Cu、Zn、O、PおよびNの原子数を計測することにより行い、これらC、Cu、Zn、O、PおよびNの合計原子数を100としたときのPの原子数の比率として、リンの含有量を求めた。各原子の原子数は、C:C1S、O:O1S、P:P2P、Cu:Cu2p3/2、Zn:Zn2p3/2およびN:N1Sの光電子のカウント数を夫々用いて、夫々の感度係数で補正することにより求めた。例えば、リンの検出原子数[P]は、下記式にて求めることができる。
[P]=F(P2pの感度係数)×(一定時間当たりのP2p光電子のカウント数)
【0026】
他の原子についても同様にして検出原子数を求めれば、それらの結果から、下記式、
P(原子%)={[P]/([Cu]+[Zn]+[C]+[O]+[N]+[P])}×100
に従い、リンの相対原子%を求めることができる。また、周面からワイヤ半径方向内方への深さ方向の元素の分布についても、アルゴンエッチング等を行えば詳細に測定することが可能である。
【0027】
なお、上記分析前のワイヤの表面がオイル等で覆われていたり有機物で汚染されていた場合には、正確な分析を行うために、ワイヤ表面を適切な溶媒で洗浄し、さらに、必要に応じて表面を改質しない程度の軽度の乾式クリーニングを施すことが必要である。
【0028】
上記ワイヤ表層領域中に酸化物として含まれるリンの量を1.5原子%以下とするためには、伸線加工のパススケジュール、ダイスのエントランスやアプローチの形状並びに角度、ダイスの材質および潤滑剤組成などの調整を、夫々単独で、または適宜組み合わせることにより、かかるリンの量を適宜調整する。とりわけ、最終伸線工程において、極圧添加剤を含む潤滑剤を通常と同様に用いて、最終伸線工程の概略20パスのダイスのうち最終パスまたは最終パスを含む後段数パス程度において、優れた自己潤滑性と切削性とを兼ね備えた材質からなるダイス、例えば、焼結ダイヤモンドダイスを適用して伸線加工を行うことが、極めて有効である。
【0029】
ブラスめっき層の平均厚みは、好適には、0.13〜0.30μmである。ブラスめっき層の平均厚みが0.13μm未満では、鉄地が露出する部分が増加して初期接着性が阻害され、一方、0.30μmを超えると、ゴム物品使用中の熱によって過剰に接着反応が進行して、脆弱な接着しか得られなくなる。
【0030】
また、本発明においては、ブラスめっき層全体における銅および亜鉛の総量に対する銅の比率が60〜70重量%であり、かつ、上記ワイヤ表層領域における銅および亜鉛の総量に対する銅の比率が15〜45原子%であることが好ましい。ブラスめっき層全体における銅および亜鉛の総量に対する銅の比率が60重量%未満になると、伸線性が悪化して断線により生産性が阻害され、量産することが難しくなるうえ、ワイヤ表層領域における後述の銅含有率を15原子%以上に制御することが困難となる。一方、70重量%を超えると、耐熱接着性や耐水分接着性が低下して、タイヤが曝される環境に対して十分な耐久性を維持できなくなるうえ、ワイヤ表層領域における後述の銅含有率を45原子%以下に制御することが困難となる。また、ワイヤ表層領域における銅および亜鉛の総量に対する銅の比率が15原子%未満であると、ワイヤ表層領域におけるリンの量を上記した1.5原子%以下に制限した場合であっても、ゴムとの接着反応に乏しくなる結果、より優れたゴム接着性の確保が困難となる。一方、45原子%を超えると、耐熱接着性や耐水分接着性が低下するという不利を招く。
【0031】
スチールワイヤの直径は、0.40mm以下であることが有利である。直径が0.40mmを超えると、使用したゴム物品が曲げ変形下で繰り返し歪みを受けたときに表面歪が大きくなり、座屈を引き起こし易くなる。
【0032】
かかるスチールワイヤは、単線で用いてもよく、また、その複数本を撚り合わせたスチールコードとして用いることもでき、ゴム物品、中でもタイヤのカーカスやベルトの補強材として好適である。特に、本発明のゴム−スチールコード複合体を、乗用車用タイヤ、中でも乗用車用ラジアルタイヤのベルトに適用する場合には、ゴムとの接着速度が速くなることにより、タイヤの加硫時間を大幅に短縮することができる効果をも得ることができる。一方、トラックおよびバス用タイヤ、中でもトラックおよびバス用ラジアルタイヤのカーカスに適用する場合には、ビード部においてゴムとの接着速度が速くなるため、加硫時間の短縮と併せて、ビード部耐久性の向上をも図ることが可能である。
【0033】
本発明のゴム−スチールコード複合体は、上記スチールコードコーティング用ゴム組成物およびスチールコードから構成されるものであり、この複合体は、例えば自動車用タイヤやコンベアベルトなどの工業用ゴム製品の性能を向上させるための補強材として好適に用いられる。即ち、本発明の空気入りタイヤは、一対のビード間でトロイド状に延びるカーカスを骨格とし、そのタイヤ半径方向外側にベルトを備えるタイヤにおいて、かかるカーカスおよびベルトのうちのいずれか一方または双方に、上記本発明のいずれかのゴム−スチールコード複合体を用いたものであり、これにより、耐久性に優れた高性能の空気入りタイヤを得ることができる。
【0034】
【実施例】
以下、本発明を実施例を用いてより具体的に説明する。
下記の表1に記載の配合処方に従い、各種ゴム組成物を調製して、これによりスチールコードをコーティングし、以下の条件で加硫して、得られた各実施例および比較例のゴム−スチールコード複合体につき、下記の方法で性能を測定した。用いたスチールコードは、Cu:63重量%、Zn:37重量%でブラスめっきされたスチールコードA(ブラスめっき層の表面からワイヤ半径方向内方に深さ5nmまでのワイヤ表層領域における酸化物として含まれるリンの量:2.5原子%)およびスチールコードB(同量:1.0原子%)である。図1は、アルゴンエッチングを行いながら測定した、スチールコードAおよびBの周面からワイヤ半径方向内方へのリン量の深さ方向分布を示すグラフである。
これらの結果を下記の表2、表3および図2、図3中に示す。
【0035】
(短時間加硫後接着力)
上記ブラスめっきスチールコード(1×3構造、素線径0.30mm)を30本/インチ間隔で平行に並べ、このスチールコードを両側からゴム組成物(下記表1記載の配合)にてコーティングして、サンプルを作製した。これを160℃×7分間〜13分間(下記表2または表3に記載)の条件で加硫した後、得られたゴム−スチールコード複合体につき、ゴムからスチールコードを剥離し、その時のゴム付着率を測定して、その結果をパーセント表示した。数値が大きいほど接着性が良好であることを示す。
【0036】
(耐熱接着性(過加硫後接着性))
上記と同様にしてサンプルを作製し、これを160℃×100分間〜400分間(下記表2または表3に記載)の条件で加硫した後、上記と同様にしてゴムとスチールコードとの剥離を行い、ゴム付着率を測定し、その結果をパーセント表示した。数値が大きいほど接着性が良好であることを示す。
【0037】
【表1】
Figure 2004082878
1):N−(1,3−ジメチル−ブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(大内新興化学工業(株)製 ノクラック6C)
2):N,N’−(4,4−ジフェニルメタン)ビスマレイミド
3):2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(大内新興化学工業(株)製 NS−6)
4):N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(大内新興化学工業(株)製 ノクセラーDZ)
【0038】
【表2】
Figure 2004082878
【0039】
【表3】
Figure 2004082878
【0040】
上記表2と表3との比較から明らかなように、表層領域におけるPを低減したスチールコードを適用することにより、ゴム組成物にステアリン酸を配合したことに起因して低下する耐熱(過加硫時)接着性を大幅に向上することが可能となる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、優れた短時間接着性と耐熱接着性とを兼ね備えたゴム−スチールコード複合体およびそれを用いたタイヤを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルゴンエッチングを行いながら測定した、実施例で用いたスチールコードA,Bの周面からワイヤ半径方向内方へのリン量の深さ方向分布の測定結果を示すグラフである。
【図2】比較例の加硫条件とゴム付着率との関係を表すグラフである。
【図3】実施例の加硫条件とゴム付着率との関係を表すグラフである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a rubber-steel cord composite and a tire using the same, and more particularly to a rubber-steel cord composite used for a pneumatic tire, an industrial belt, and the like, and a tire using the same.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, in rubber articles such as radial tire belts, carcass body plies, and various industrial belt members, steel wires coated with brass or a steel cord formed by twisting a plurality of them are covered with rubber. Reinforcing effects have been obtained by using the above. Therefore, in this case, in order to fully obtain the reinforcing effect, it is necessary to sufficiently secure the adhesion between the steel cord and the rubber. From this point of view, the ratio of copper and zinc and the plating thickness in brass plating In order to optimize the thickness, etc., some knowledge has been established so far.
[0003]
If steel cords designed and manufactured by applying optimized brass plating based on such knowledge are used, the adhesion between the rubber and the rubber is improved. Extremely limited conditions are required. For example, when a tire is to be vulcanized within a predetermined time, it can be used as an adhesion promoter in rubber from the viewpoint of the speed of adhesion between steel cord and rubber and its completeness, that is, good initial adhesion. It is necessary to add a Co salt or Ni salt in a considerable proportion and to add a high amount of sulfur to promote the adhesion reaction.
[0004]
However, the addition of such adhesion promoter and sulfur is effective in promoting the adhesion reaction, but there is a problem that it causes a problem of generation of bloom from unvulcanized rubber. The additive bloom not only reduces workability, but also hinders adhesion and adhesion to the surrounding rubber, and also causes deterioration of the vulcanized rubber, that is, reversion of the vulcanized rubber, leading to a decrease in tire durability. . Therefore, from the viewpoint of preventing this, in order to reduce the adhesion promoter to be included in the coating rubber that requires adhesion with the steel cord, the type of promoter, in particular the acid type of the Co salt or Ni salt, Attempts have been made to improve adhesion without including an adhesion promoter directly in the rubber composition by allowing the adhesion promoter to exist as a thin film between the coating rubber and the steel cord (see, for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. Hei. 10-324753).
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, changing the type of adhesion promoter is only a partial optimization, and the Co content must be essentially the same, so improving the initial adhesion results in a durable adhesion. There was a problem that it was inevitable that the trade-off was a decrease or a decrease in bloom.
[0006]
In addition, since adhesion promoters such as cobalt metal salts used for bonding rubber and brass-plated steel cords are generally expensive, reducing the amount of these used not only improves tire performance but also increases the compounding cost. It is also important from the viewpoint of resource saving by drastically down. However, in the technique of interposing an adhesion promoter as a thin film between the coating rubber and the steel cord described in JP-A-10-324753, it is possible to omit the blending of Co in the coating rubber. On the contrary, since the ratio of Co diffusing into the coating rubber increases before the reaction, it is necessary to reduce the thickness of the thin film to several tens of μm, and it cannot be said that the effect of reducing Co is sufficient. It was desired.
[0007]
As described above, the performance required for the adhesion between the brass-plated steel cord and the coating rubber is not simply that the initial adhesion is good, but when the tire is exposed to a deteriorated environment during actual use. It is necessary to satisfy various conditions such as not causing a failure due to deterioration of the adhesive interface, preventing troubles in the tire manufacturing process, and suppressing blending costs.
[0008]
On the other hand, a coating rubber composition reinforced with a steel cord is required to have high elasticity, low heat generation, deterioration resistance, adhesion, and the like. Of these, the improvement in elasticity is an effective means from the viewpoint of improving the durability of the product in terms of suppressing distortion when input is added to the rubber-steel cord composite. Increasing the amount and reinforcing with resin. Each of these methods has advantages and disadvantages. Reinforcing with bismaleimide resin is considered to be an extremely effective method if the disadvantage that adhesion is delayed for a short time can be solved.
[0009]
In particular, in winter when the moisture content in the rubber composition decreases, a short delay in adhesion is likely to occur. Moisture in natural rubber containing polar components such as proteins varies depending on the production location, storage conditions, and the compound manufacturing process. Influenced by environmental changes. In particular, the moisture content of the rubber compound frequently decreases to 0.3% or less during the dry season in winter, and in such a situation, the adhesiveness deteriorates for a short time. For this reason, from the viewpoint of eliminating instability with respect to the climate, usually, initial adhesiveness is stably secured by blending a small amount of unnecessary higher fatty acids. However, higher fatty acids, on the other hand, have negative aspects to heat-resistant adhesion, as represented by overvulcanization, and it is rubber to obtain stable short-time adhesiveness and heat-resistant adhesiveness against climate change. Some are incompatible with the formulation.
[0010]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a rubber-steel cord composite capable of achieving both high-speed adhesiveness and heat-resistant adhesiveness at a high level without causing the above-described problems in the prior art, and a tire using the same. It is to provide.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
As a result of studying an improved technique based on a predetermined combination of the blending of the coating rubber and the reactivity of the surface of the brass-plated steel cord, the present inventors have investigated the specific rubber composition and steel as described below. In combination with the cord, the inventors have found that the adhesiveness for a short time and the adhesiveness during overvulcanization are remarkably improved at a high level, and the present invention has been completed.
[0012]
In order to solve the above problems, the rubber-steel cord composite of the present invention is as follows.
(1) 0.1 to 5 parts by weight of a maleimide resin and 0.5 to 8 parts by weight of a bisphenol compound having two tert-butyl groups with respect to a rubber component containing 50% by weight or more of natural rubber, and As an oxide in a surface region of a wire having a rubber composition containing at least one higher fatty acid and a brass plating layer on the peripheral surface and having a depth of 5 nm inward in the wire radial direction from the surface of the brass plating layer A rubber-steel cord composite comprising: a single wire of a steel wire having a phosphorus content of 1.5 atomic% or less, or a steel cord formed by twisting a plurality of the steel wires. is there.
[0013]
(2) The rubber-steel cord composite according to (1), wherein the amount of the higher fatty acid is 0.75 part by weight or less with respect to 100 parts by weight of the rubber component.
[0014]
(3) In the rubber-steel cord composite according to (1) or (2), the ratio of copper to the total amount of copper and zinc in the entire brass plating layer is 60 to 70% by weight, and the wire surface layer region A rubber-steel cord composite in which the ratio of copper to the total amount of copper and zinc is 15 to 45 atomic%.
[0015]
(4) The rubber-steel cord composite according to any one of (1) to (3), wherein the brass plating layer has an average thickness of 0.13 to 0.30 μm.
[0016]
(5) The rubber-steel cord composite according to any one of (1) to (4), wherein the steel wire has a diameter of 0.40 mm or less.
[0017]
(6) In a tire having a carcass extending in a toroidal shape between a pair of beads and having a belt on the outer side in the tire radial direction of the carcass, any one or both of the carcass and the belt may include the above (1) to (5) A tire characterized by using any rubber-steel cord composite.
[0018]
According to the rubber-steel cord composite of the present invention, stable short-time adhesion can be obtained at a very high level as compared with the conventional rubber-steel cord composite. Not only does the stabilization system work independently, the amount of phosphorus contained as an oxide in the surface region from the surface of the brass plating to a depth of 5 nm inward in the radial direction of the wire is closely correlated with rubber adhesion. Based on the fact that.
[0019]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail.
The rubber composition according to the rubber-steel cord composite of the present invention contains 50% by weight or more of natural rubber among rubber components. If the content of the natural rubber is less than 50% by weight, it is not preferable because the adhesive property and the rubber breaking property are lowered. The synthetic rubber constituting the remainder of the rubber component includes styrene-butadiene rubber (SBR), butadiene rubber (BR), butyl rubber (IIR), halogenated butyl rubber, preferably brominated butyl rubber, and butyl rubber having a paramethylstyrene group. Specific examples thereof include copolymers of isobutylene and P-halogenated methylstyrene, ethylene / propylene / diene rubber (EPDM), isoprene rubber (IR), and the like.
[0020]
Moreover, as SBR, solution polymerization SBR whose vinyl content of a butadiene part is 35 to 85 weight% and whose styrene content is 30 weight% or less is suitable. When the vinyl content of the solution-polymerized SBR is less than 35% by weight, the heat aging resistance of the rubber cannot be improved. On the other hand, when it exceeds 85% by weight, the fracture characteristics of the rubber are lowered, and when the styrene content exceeds 30% by weight, Adhesiveness will decrease.
[0021]
In this invention, 0.1-5 weight part maleimide resin is mix | blended with respect to the said rubber component. If the blending amount of the maleimide resin is less than 0.1 parts by weight, the effect of increasing elasticity cannot be obtained. On the other hand, if it exceeds 5 parts by weight, the reversion is increased and the heat resistance is lowered. For example, the general formula of bismaleimide resin is:
Figure 2004082878
(In the formula, R represents an aromatic group having 6 to 18 carbon atoms or an alkyl aromatic group having 7 to 24 carbon atoms, and x and y each independently represents an integer of 0 to 3).
[0022]
In the present invention, the rubber component further contains 0.5 to 8 parts by weight of a bisphenol compound having two tert-butyl groups. By setting the content of the bisphenol compound within the above range, the desired effect of improving the adhesiveness of the present invention can be fully obtained. The general formula of such bisphenol compounds is:
Figure 2004082878
(Wherein R 1 and R 2 represent an alkyl group having 1 to 3 carbon atoms).
[0023]
Further, the rubber component contains at least one higher fatty acid.
Examples of the higher fatty acid include myristic acid, palmitic acid, stearic acid and the like, and the content thereof is preferably rubber component 100 from the viewpoint of the effect of improving adhesiveness and influence on other physical properties. It is 0.75 weight part or less with respect to a weight part. When the blending amount of the higher fatty acid exceeds 0.75 parts by weight, the heat resistant adhesiveness is remarkably deteriorated and cannot be covered by the effect of improving the adhesive property of the steel cord to be combined.
[0024]
In the steel cord according to the present invention, the phosphorus content contained as an oxide in the wire surface region from the surface of the peripheral brass plating layer to a depth of 5 nm inward in the wire radial direction is 1.5 atomic%. It is important to suppress the following. If the phosphorus content increases beyond 1.5 atomic%, the adhesion rate with the rubber is slowed accordingly. By setting the amount of phosphorus to 1.5 atomic% or less, it is possible to stably obtain excellent rubber adhesion regardless of the moisture content in the rubber.
[0025]
Here, the quantitative determination of phosphorus in the wire surface layer region of the brass plating layer is performed on the wire surface layer region of the plating layer with an analysis area of 20 to 30 μmφ so as not to be affected by the curvature of the wire using X-ray photoelectron spectroscopy. This is performed by measuring the number of atoms present, that is, C, Cu, Zn, O, P and N, and P when the total number of atoms of C, Cu, Zn, O, P and N is 100. As a ratio of the number of atoms, the phosphorus content was determined. The number of atoms of each atom is determined by using the photoelectron counts of C: C 1S , O: O 1S , P: P 2P , Cu: Cu 2p3 / 2 , Zn: Zn 2p3 / 2 and N: N 1S , respectively. It was obtained by correcting with each sensitivity coefficient. For example, the number of detected atoms [P] of phosphorus can be obtained by the following formula.
[P] = F p (P 2p sensitivity coefficient) × (P 2p photoelectron counts per fixed time)
[0026]
If the number of detected atoms is determined in the same manner for other atoms, the following formula is obtained from the results:
P (atomic%) = {[P] / ([Cu] + [Zn] + [C] + [O] + [N] + [P])} × 100
Thus, the relative atomic% of phosphorus can be obtained. Further, the distribution of elements in the depth direction from the peripheral surface to the inside in the wire radial direction can be measured in detail by performing argon etching or the like.
[0027]
In addition, when the surface of the wire before the above analysis is covered with oil or contaminated with organic matter, the surface of the wire is washed with an appropriate solvent in order to perform an accurate analysis, and if necessary, Therefore, it is necessary to perform a light dry cleaning that does not modify the surface.
[0028]
In order to make the amount of phosphorus contained as an oxide in the surface layer of the wire 1.5 atomic% or less, a wire drawing pass schedule, a die entrance and approach shape and angle, a die material and a lubricant The amount of phosphorus is appropriately adjusted by adjusting the composition alone or in combination. In particular, in the final wire drawing step, the lubricant containing the extreme pressure additive is used in the same manner as usual, and it is excellent in the number of subsequent stages including the final pass or the final pass out of approximately 20 passes of the final wire drawing step. It is extremely effective to perform wire drawing by applying a die made of a material having both self-lubricating properties and machinability, for example, a sintered diamond die.
[0029]
The average thickness of the brass plating layer is preferably 0.13 to 0.30 μm. If the average thickness of the brass plating layer is less than 0.13 μm, the portion where the iron base is exposed increases and the initial adhesiveness is hindered. On the other hand, if it exceeds 0.30 μm, excessive adhesion reaction occurs due to heat during use of the rubber article. Progresses and only fragile adhesion can be obtained.
[0030]
In the present invention, the ratio of copper to the total amount of copper and zinc in the entire brass plating layer is 60 to 70% by weight, and the ratio of copper to the total amount of copper and zinc in the wire surface layer region is 15 to 45%. It is preferably atomic%. When the ratio of copper to the total amount of copper and zinc in the entire brass plating layer is less than 60% by weight, wire drawing deteriorates and productivity is hindered due to disconnection, and mass production becomes difficult. It becomes difficult to control the copper content to 15 atomic% or more. On the other hand, if it exceeds 70% by weight, the heat resistant adhesiveness and moisture resistant adhesiveness are lowered, and it becomes impossible to maintain sufficient durability against the environment to which the tire is exposed, and the copper content described later in the wire surface layer region. Is difficult to control to 45 atomic% or less. Further, when the ratio of copper to the total amount of copper and zinc in the wire surface layer region is less than 15 atomic%, even if the amount of phosphorus in the wire surface region is limited to the above 1.5 atomic percent or less, rubber As a result, it becomes difficult to ensure better rubber adhesion. On the other hand, when it exceeds 45 atomic%, the heat resistant adhesiveness and moisture resistant adhesiveness are disadvantageously lowered.
[0031]
The diameter of the steel wire is advantageously 0.40 mm or less. When the diameter exceeds 0.40 mm, when the used rubber article is repeatedly subjected to bending deformation under bending deformation, the surface distortion becomes large and buckling is likely to occur.
[0032]
Such a steel wire may be used as a single wire, or may be used as a steel cord in which a plurality of steel wires are twisted together, and is suitable as a reinforcing material for rubber articles, particularly tire carcasses and belts. In particular, when the rubber-steel cord composite of the present invention is applied to a belt for a passenger car tire, particularly a radial tire for a passenger car, the speed of adhesion with the rubber is increased, thereby greatly increasing the vulcanization time of the tire. The effect which can be shortened can also be acquired. On the other hand, when applied to the carcass of truck and bus tires, especially truck and bus radial tires, the speed of adhesion to rubber increases at the bead part, so that the bead part durability is shortened along with the shortening of the vulcanization time. It is possible to improve.
[0033]
The rubber-steel cord composite of the present invention is composed of the above-mentioned rubber composition for steel cord coating and a steel cord, and this composite is a performance of industrial rubber products such as automobile tires and conveyor belts. It is suitably used as a reinforcing material for improving the resistance. That is, the pneumatic tire of the present invention has a carcass extending in a toroidal shape between a pair of beads as a skeleton, and a tire including a belt on the outer side in the tire radial direction, either or both of the carcass and the belt, The rubber-steel cord composite according to any one of the present invention is used, whereby a high-performance pneumatic tire having excellent durability can be obtained.
[0034]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples.
Various rubber compositions were prepared in accordance with the compounding recipe described in Table 1 below, coated with a steel cord, and vulcanized under the following conditions. The performance of the cord composite was measured by the following method. The steel cord used was steel cord A brass-plated with Cu: 63 wt% and Zn: 37 wt% (as an oxide in the surface region of the wire from the surface of the brass plating layer to a depth of 5 nm inward in the radial direction of the wire) The amount of phosphorus contained: 2.5 atomic%) and steel cord B (same amount: 1.0 atomic%). FIG. 1 is a graph showing the depth distribution of the phosphorus amount from the peripheral surfaces of the steel cords A and B to the inside in the wire radial direction, measured while performing argon etching.
These results are shown in the following Tables 2 and 3 and FIGS.
[0035]
(Adhesion after short-term vulcanization)
The above brass-plated steel cords (1 × 3 structure, strand diameter 0.30 mm) are arranged in parallel at 30 / inch intervals, and this steel cord is coated with a rubber composition (compounding described in Table 1 below) from both sides. A sample was prepared. This was vulcanized under conditions of 160 ° C. × 7 minutes to 13 minutes (described in Table 2 or 3 below), and then the steel cord was peeled from the rubber for the obtained rubber-steel cord composite, and the rubber at that time The adhesion rate was measured and the result was displayed as a percentage. It shows that adhesiveness is so favorable that a numerical value is large.
[0036]
(Heat resistant adhesiveness (adhesion after overvulcanization))
Samples were prepared in the same manner as described above, and vulcanized under the conditions of 160 ° C. × 100 minutes to 400 minutes (described in Table 2 or Table 3 below), and then the rubber and steel cord were peeled in the same manner as above. The rubber adhesion rate was measured and the result was displayed as a percentage. It shows that adhesiveness is so favorable that a numerical value is large.
[0037]
[Table 1]
Figure 2004082878
1): N- (1,3-dimethyl-butyl) -N′-phenyl-p-phenylenediamine (Nouchi 6C manufactured by Ouchi Shinsei Chemical Co., Ltd.)
2): N, N ′-(4,4-diphenylmethane) bismaleimide 3): 2,2′-methylenebis (4-methyl-6-tert-butylphenol) (NS-6 manufactured by Ouchi Shinsei Chemical Co., Ltd.) )
4): N, N′-dicyclohexyl-2-benzothiazolylsulfenamide (Noxeller DZ manufactured by Ouchi Shinsei Chemical Co., Ltd.)
[0038]
[Table 2]
Figure 2004082878
[0039]
[Table 3]
Figure 2004082878
[0040]
As is clear from the comparison between Table 2 and Table 3 above, by applying a steel cord with reduced P in the surface layer region, the heat resistance (excessive heating) decreases due to the addition of stearic acid to the rubber composition. It is possible to greatly improve the adhesiveness.
[0041]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, it is possible to realize a rubber-steel cord composite having both excellent short-time adhesiveness and heat-resistant adhesiveness and a tire using the rubber-steel cord composite.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph showing a measurement result of a depth direction distribution of phosphorus amounts from the peripheral surfaces of steel cords A and B used in Examples to the inner side in the wire radial direction, measured while performing argon etching.
FIG. 2 is a graph showing a relationship between a vulcanization condition and a rubber adhesion rate in a comparative example.
FIG. 3 is a graph showing the relationship between vulcanization conditions and rubber adhesion rate in Examples.

Claims (6)

天然ゴムを50重量%以上含有するゴム成分に対し、マレイミド樹脂0.1〜5重量部およびtert−ブチル基を2個有するビスフェノール化合物0.5〜8重量部を含有し、かつ、少なくとも一種の高級脂肪酸が配合されてなるゴム組成物と、周面にブラスめっき層を有し、該ブラスめっき層の表面からワイヤ半径方向内方に深さ5nmまでのワイヤ表層領域における酸化物として含まれるリンの含有量が1.5原子%以下であるスチールワイヤの単線、または該スチールワイヤの複数本を撚り合わせてなるスチールコードと、からなることを特徴とするゴム−スチールコード複合体。The rubber component containing 50% by weight or more of natural rubber contains 0.1 to 5 parts by weight of maleimide resin and 0.5 to 8 parts by weight of a bisphenol compound having two tert-butyl groups, and at least one kind A rubber composition containing a higher fatty acid, a phosphorus plating layer on the peripheral surface, and phosphorus contained as an oxide in the surface region of the wire up to a depth of 5 nm in the wire radial direction from the surface of the brass plating layer A rubber-steel cord composite comprising: a single wire of steel wire having a content of 1.5 at% or less, or a steel cord formed by twisting a plurality of the steel wires. 前記高級脂肪酸の配合量が、前記ゴム成分100重量部に対し0.75重量部以下である請求項1記載のゴム−スチールコード複合体。The rubber-steel cord composite according to claim 1, wherein the amount of the higher fatty acid is 0.75 parts by weight or less with respect to 100 parts by weight of the rubber component. 前記ブラスめっき層全体における銅および亜鉛の総量に対する銅の比率が60〜70重量%であり、かつ、前記ワイヤ表層領域における銅および亜鉛の総量に対する銅の比率が15〜45原子%である請求項1または2記載のゴム−スチールコード複合体。The ratio of copper to the total amount of copper and zinc in the entire brass plating layer is 60 to 70 wt%, and the ratio of copper to the total amount of copper and zinc in the wire surface layer region is 15 to 45 atomic%. The rubber-steel cord composite according to 1 or 2. 前記ブラスめっき層の平均厚みが0.13〜0.30μmである請求項1〜3のうちいずれか一項記載のゴム−スチールコード複合体。The rubber-steel cord composite according to any one of claims 1 to 3, wherein the brass plating layer has an average thickness of 0.13 to 0.30 µm. 前記スチールワイヤの直径が0.40mm以下である請求項1〜4のうちいずれか一項記載のゴム−スチールコード複合体。The rubber-steel cord composite according to any one of claims 1 to 4, wherein a diameter of the steel wire is 0.40 mm or less. 一対のビード間でトロイド状に延びるカーカスを骨格とし、該カーカスのタイヤ半径方向外側にベルトを備えるタイヤにおいて、該カーカスおよびベルトのうちのいずれか一方または双方に、請求項1〜5のうちいずれか一項記載のゴム−スチールコード複合体を用いたことを特徴とするタイヤ。In a tire having a carcass extending in a toroidal shape between a pair of beads as a skeleton and having a belt on the outer side in the tire radial direction of the carcass, either or both of the carcass and the belt may be any one of claims 1 to 5. A tire using the rubber-steel cord composite according to claim 1.
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