【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体の非侵襲測定のなかで特に血液中に存在する成分の濃度を生体に対して非侵襲的に測定する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自身の血液中に存在するヘモグロビン、コレステロール、アルブミン、グルコースなどの成分の濃度がどのくらいの値であるかを知ることは自身の健康管理の上でも大切なことである。その中で特にグルコースの血中濃度、すなわち血糖値を把握しておくことは、糖尿病患者や高血糖の人にとって重要である。これは、現状において糖尿病に対しての完全な治療薬がないため、体内で血糖値のコントロールが出来ない重度の糖尿病患者は血糖値の上昇や低下に際して、インシュリンの投与やブドウ糖の摂取などの処置を自身でする必要があり、また重度の糖尿病でない場合も、高血糖の状態は様々な合併症を引き起こす可能性が高いためである。
【0003】
そのため、糖尿病患者は自分で自身の血糖値の測定を行う自己血糖測定を行っている。現在、自己血糖測定において用いられる手法は、その大半が侵襲法である。侵襲法では、指先もしくは腕等より採血を行い、グルコースを分解する酵素を用いる酵素法などを用いて血糖値を測定する。この方法は直接血液を用いるため比較的誤差の少ない正確な測定方法であるといえるが、採血による肉体的な痛みと精神的な苦痛を伴うため、患者に対して大きな負担となる。また、侵襲法では多くても一日に数回の測定となるため、血糖値を常にモニタリングする事が出来ず、就寝中などの変化に対応できないなどの問題がある。
【0004】
血糖値に限らず、健康管理のために血糖値を含めたその他の血中成分の濃度を知りたいと思う場合に、侵襲法によってその都度採血を行うということは被測定者にとって高いハードルであることは明瞭である。
【0005】
そこで、非侵襲的な方法、すなわち血中成分の濃度を被測定者から採血をすることなく測定する方法が提案されてきている。その方法の多くは、光、主に近赤外領域の光を用いるものであり、例として血中成分の吸光度特性や旋光度特性などを用いたものがある。
【0006】
一例として、血糖計とは異なるが、実際に製品化されている非侵襲測定器として、血液酸素飽和度測定器が挙げられる。これは図3に示すような酸化ヘモグロビン(HbO2)と還元ヘモグロビン(Hb)の光吸収率の波長依存性の違いを利用したものであり、HbO2とHbの割合を求めることによって血液酸素飽和度(SaO2)を測定している。またこの方法では血液以外の部分、すなわち皮膚や組織細胞の影響を無視できるように動脈中の拍動成分を利用している。これは、動脈血の拍動による吸光度の変化ΔODが動脈血層の光路長変化Δlのみで起こるとする事ができ、異なる波長λ1,λ2に対して、下式が成り立つためである。
ΔOD(λ1)={εHb(λ1)・cHb+εHbO2(λ1)・cHbO2}・Δl
ΔOD(λ2)={εHb(λ2)・cHb+εHbO2(λ2)・cHbO2}・Δl
ここで、εは吸光係数、cは吸収物質の濃度である。これより、血液酸素飽和度(=cHbO2/(cHb+cHbO2))を求めることが出来る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上式からHbO2とHbの成分比は求めることができるが、それぞれの濃度を個々に求めることは出来ない。これは式を解いていけば明らかであるが、cHbO2、cHbそれぞれの値を導くことは出来ないためである。つまり血液酸素飽和度の様に、求める値が血液中に含まれるある成分同士の比であり、かつ、その成分同士の増減に相関がある場合は測定は可能であるが、例えば血中のグルコースなどの濃度の値自体を求めることは出来ない。例えば血糖値の単位は[mg/dL]あるいは[mmol/dL]であるため、濃度を求めることが必要とされる。
【0008】
そこで本発明では上記の課題を解決して、動脈中の拍動成分を利用することで、例えば血中におけるグルコース、コレステロール、アルブミン、ヘモグロビンなどの成分の濃度を測定でき、かつ非侵襲型の血中成分濃度測定装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
これらの課題を解決するために本発明による濃度測定装置は、下記に記載の手段を採用する。すなわち、本発明の濃度測定装置は、直線偏光を出力する偏光光源と、電気光学的な旋光角変調素子と、光強度検出部を備え、検体中の旋光性物質によって直線偏光が旋光する角度を測定する旋光角測定手段と、光源と光強度検出部を備え、検体中の動脈血の拍動成分による吸光度の変化より動脈血の拍動成分による動脈血層の光路長変化量を測定する光路長変化量測定手段を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の濃度測定装置は旋光角測定手段により検体における動脈血の拍動成分中の旋光性物質による旋光角の変化量を測定した値と、光路長変化量測定手段により動脈血の拍動成分による動脈血層の光路長変化量を測定した値から動脈中の旋光性物質の濃度を測定することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の濃度測定装置は、光源と、光強度検出部を備え、光源の波長を変化させたときの吸光度の変化量と検体中の複数の物質の吸光度の波長依存性より、検体中における複数の物質の濃度比を測定する濃度比測定手段と、光源と光強度検出部を備え、検体中の動脈血の拍動成分による吸光度の変化より動脈血の拍動成分による動脈血層の光路長変化量を測定する光路長変化量測定手段を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の濃度測定装置は、濃度比測定手段により検体における動脈血の拍動成分中の物質の濃度比を測定した値と、光路長変化量測定手段により動脈血の拍動成分による動脈血層の光路長変化量を測定した値から動脈中の物質の濃度を測定することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の旋光角測定手段に用いる電気光学的な旋光角変調素子は、液晶素子を用いることが好ましい。
【0014】
また本発明における光路長変化量測定手段として、動脈中の水分による吸光特性を用いることが好ましく、その際、光源の波長を1400nm〜1550nmとすると効果的である。
【0015】
また、本発明の濃度測定装置によって測定する検体中の物質は血中グルコース、血中コレステロール、血中アルブミンまたはヘモグロビンである場合により有用である。
【0016】
(作用)
旋光角の変化量から血液中の旋光性物質の濃度を測定しようとする測定法、あるいは血中成分の吸光度の波長依存性を用いて血中成分の濃度を測定しようとする測定法においては濃度の値自体を測定することは出来ず、濃度比の測定に留まるが、動脈の拍動成分による動脈血層の光路長変化量を例えば水分などの測定対象と異なる物質の吸光度変化量から求めることにより、濃度の値自体を測定することが出来る。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明を利用した濃度測定装置の最適な実施形態を説明する。
【0018】
(第一の実施形態)
図1は本発明の第一の実施形態の例である。図1において第一の光源101より出射された光線と第二の光源102より出射された光線をそれぞれ(a)、(b)とする。ここで、光線(a)の光路は検体105による旋光角変化量を測定する系で、光線(b)の光路は検体105中の動脈血の拍動成分による動脈血層の光路長変化量を測定する系である。ここで、第一の光源101、第二の光源102はレーザダイオードなど、ある一定の波長の光線を出射するものである。
【0019】
まず、光線(a)の光路に関しては、第一の光源101より出射した光線(a)を第一の偏光子103に照射する。第一の偏光子103によって光線(a)は第一の偏光子103の透過軸方向に光軸を持つ直線偏光となり、次に光線(a)を液晶パネル104に照射する。ここで、一例として本実施形態においては液晶パネル104はTN型液晶とする。液晶パネル104を透過した光線は直線偏光もしくは楕円偏光となるが、その光軸もしくは長軸方向は液晶パネル104に外部より印加する交流電源Vlcdに依存する。次に光線を検体105に照射する。ここで、検体105は人体の一部であり、比較的光の透過しやすい指先や耳たぶなどである。人体における血液中、組織細胞中には旋光性物質が存在するため、検体105を透過した後の光線は透過前と比べて旋光したものとなる。
【0020】
次に検体105を透過した光線を第二の偏光子106に照射する。光線は第二の偏光子106を通過する際、その透過軸方向の光線のみが透過し、光検出器107の受光部に到達する。光検出器107は受光した光線の強度変化を電圧変化として出力するものである。従って光線(a)の系に於いては、光検出器107からの出力電圧Voutの液晶パネル104に印加する交流電源Vlcdに対する依存性を測定することにより、検体による旋光角θを測定することが出来る。
【0021】
ここで、血液中の成分として例えばグルコースに関して考えた場合、グルコースは右旋光であり、光源の波長がλのときの旋光角θ(λ)は
θ(λ)=α(λ)・c・l
で表される。ここで、α(λ)は波長λのときのグルコースの旋光係数、cはグルコース濃度、lは光路長である。ここで、測定対象を動脈成分に絞る方法として動脈の拍動成分を用いた場合、動脈血の拍動成分による旋光角の変化量Δθ(λ)は
Δθ(λ)=α(λ)・c・Δl
で表される。ここで、α(λ)、cは上記と同様で、Δlは拍動成分による動脈血層の光路長変化量である。
【0022】
次に光線(b)の光路に関しては第二の光源102より出射した光線(b)は直接検体105に照射する。このとき検体105に照射する箇所としては出来るだけ光線(a)の照射場所と近い場所になるようにする。もしくはそれぞれの系の場所を切り替えて、光線(a)と同じ場所に照射するようにする。これは光線(a)と光線(b)の検体を通過する際の光路長が等しくなるようにするためである。また、図1においては光線(a)と光線(b)の光検出器を共通にしているため、第一の光源101と第二の光源102を同時に使用はしないものとする。同時に使用する場合は光検出部を個々に用意する。
【0023】
検体105を透過した光線は光検出器107の受光部に到達し、検体による光強度の低下の割合より吸光度を測定する。この際、検体による吸光度は動脈の拍動成分による動脈血層の光路長変化に相関した変化を示す。すなわち、拍動により光路長が増加したときには吸光度も増加し、光路長が減少したときには吸光度も減少する。ここで、例えば第二の光源102の波長を1400nm〜1550nm程度にした場合を考えると、水の吸光度がその他の成分の吸光度に対して非常に高く、拍動成分による吸光度の変化と拍動成分中の水による吸光度の変化がほぼ等しいとすることが出来る。また水の濃度は1であるため、すなわちこの条件での吸光度の変化ΔOD(λ)は
ΔOD(λ)=εH2O(λ)・Δl
で表される。ここでεH2O(λ)は波長λでの水の吸収係数であり、Δlは上記と同様、拍動成分による動脈血層の光路長変化量である。
【0024】
よって、吸光度の変化を測定することにより、拍動成分による動脈血層の光路長変化量Δlを測定することが可能である。ここで、この光線(b)の系によって測定したΔlを上記の光線(a)で測定した旋光角の変化量Δθ(λ)の式、
Δθ(λ)=α(λ)・c・Δl
に当てはめることによって、濃度cが求まる。
【0025】
また、波長λにおいて旋光性を持つ物質が動脈中に複数存在する場合には複数の波長を用いて測定を行う。仮に波長λ3、λ4の2波長を用いた場合には、式
Δθ(λ3)={α1(λ3)・c1+α2(λ3)・c2}・Δl
Δθ(λ4)={α1(λ4)・c1+α2(λ4)・c2}・Δl
にΔlを当てはめ、連立方程式より濃度c1、c2を求めることが出来る。
【0026】
(第二の実施形態)
次に第二の実施形態について図2に示す例を用いて説明する。図2において第二の光源102から出射した光線(b)の系については第一の実施形態と同様で、動脈の拍動成分による動脈血層の光路長変化量Δlを測定するためのものである。光源201より出射した光線(c)は直接検体105に照射する。このとき第一の実施形態と同様の理由で、光線(b)と光線(c)の検体105に照射する箇所としては出来るだけ近い場所になるようにする。
【0027】
検体105を透過した光線(c)は光検出器107の受光部に到達し、検体による光強度の低下の割合より吸光度を測定する。この際、検体による吸光度は光線(b)の場合と同様に示すように動脈の拍動成分による動脈血層の光路長変化に相関した変化を示す。ここで、ある波長λの光を吸収する物質が動脈中に1つのみであると仮定した場合、吸光度の変化ΔOD(λ)は
ΔOD(λ)=ε(λ)・c・Δl
で表される。ここで、εは吸収係数、cは濃度である。ここに光線(b)の系より求めたΔlを当てはめることにより濃度が求まる。
【0028】
しかし、実際はある波長λnの光は動脈中の複数の物質によって吸収されるため、複数の波長に対して測定を行い、連立方程式より濃度を求める。例えば、従来例で用いた酸化ヘモグロビン(HbO2)と還元ヘモグロビン(Hb)の場合を考えると波長λ5と波長λ6において
ΔOD(λ5)={εHb(λ5)・cHb+εHbO2(λ5)・cHbO2}・Δl
ΔOD(λ6)={εHb(λ6)・cHb+εHbO2(λ6)・cHbO2}・Δl
が成り立ち、ΔOD(λ5)、ΔOD(λ6)、Δlを測定することにより、連立方程式からHbO2とHb、それぞれの濃度が求まる。
【0029】
従って、動脈中の成分のなかで、旋光性もしくは吸光特性を持っている成分に関して、血中濃度の測定が可能である。よって、上記に例としてあげたグルコース、ヘモグロビンのほかにコレステロール、アルブミン等動脈中における様々な成分の濃度を測定することが出来る。
【0030】
本実施形態における電気光学的な旋光角度変調素子としてはTN型の液晶パネルを用いているがこれに限定するものではなく、外部からの電圧によって旋光角を変化させるものであれば使用可能である。
【0031】
【発明の効果】
以上の説明のように、本発明の濃度測定装置においては、下記に記載する効果を有する。
【0032】
血液中の成分の濃度を測定する際に、動脈中の拍動成分による旋光性の変化を測定する系と並列して、動脈の拍動成分による動脈血層の光路長変化量を測定することにより、血液中の濃度比としてではく、濃度そのものを求めることが出来る。また、旋光性ではなく動脈中の拍動成分の吸光度の変化を測定する系を用いた場合でも同様に濃度を測定することが出来る。これにより、様々な動脈中の成分に対して非侵襲型の血中濃度測定を行うことが可能となる。
【0033】
また、脈の拍動成分による動脈血層の光路長変化量を求める際に水の吸光度が非常に高い1400nmから1550nmの波長の光源を用いることにより、その他の成分による吸収の影響を無視できるため、正確な光路長変化量を求めることができ、正確な濃度測定が可能となる。
【0034】
また、旋光角変調素子として、液晶パネルの旋光性あるいは複屈折性を用いた場合に、測定系が非常に小型かつ軽量に作製でき、測定系全体の消費電力を低く抑えることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の濃度測定装置の第一の実施形態における濃度測定装置全体の構成を示す図である。
【図2】本発明の濃度測定装置の第二の実施形態における濃度測定装置全体の構成を示す図である。
【図3】酸化ヘモグロビン(HbO2)と還元ヘモグロビン(Hb)の吸収係数の波長依存性を示した図である。
【符号の説明】
101 第一の光源
102 第二の光源
103 第一の偏光子
104 液晶パネル
105 検体
106 第二の偏光子
107 光検出器
201 光源[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a technique for non-invasively measuring the concentration of a component present in blood in a non-invasive measurement of a living body.
[0002]
[Prior art]
Knowing what the concentrations of components such as hemoglobin, cholesterol, albumin, and glucose that are present in one's own blood is also important in managing one's health. Among them, it is particularly important for a diabetic patient or a person with high blood sugar to grasp the blood concentration of glucose, that is, the blood sugar level. This is because patients with severe diabetes who cannot control blood sugar levels in the body at the present time have no complete remedy for diabetes, and take measures such as administration of insulin and intake of glucose when blood sugar levels increase or decrease. This is because hyperglycemic conditions are likely to cause a variety of complications, even if you do not have severe diabetes.
[0003]
For this reason, diabetic patients perform their own blood sugar measurement, which measures their own blood sugar level. Currently, most of the techniques used in the measurement of autoglycemia are invasive. In the invasive method, blood is collected from a fingertip, an arm, or the like, and the blood glucose level is measured using an enzyme method using an enzyme that degrades glucose. Although this method can be said to be an accurate measurement method with relatively few errors because it directly uses blood, it involves a great deal of burden on the patient because of the physical and mental pain caused by blood collection. In addition, since the invasive method measures at most several times a day, there is a problem that the blood glucose level cannot be constantly monitored, and it is difficult to cope with changes such as sleeping.
[0004]
If you want to know the concentration of other blood components, including blood glucose levels, for health management, not only for blood glucose levels, it is a high hurdle for the subject to perform blood sampling each time using an invasive method That is clear.
[0005]
Therefore, a non-invasive method, that is, a method of measuring the concentration of a blood component without collecting blood from a subject has been proposed. Many of the methods use light, mainly light in the near-infrared region, and include, for example, methods using the absorbance characteristics and optical rotation characteristics of blood components.
[0006]
As an example, a non-invasive measuring instrument different from a blood glucose meter but actually commercialized is a blood oxygen saturation measuring instrument. This makes use of the difference in the wavelength dependence of the light absorption of oxyhemoglobin (HbO 2 ) and reduced hemoglobin (Hb) as shown in FIG. 3. Blood oxygen saturation is obtained by calculating the ratio between HbO 2 and Hb. The degree (SaO 2 ) is measured. In addition, this method utilizes the pulsatile component in the artery so that the influence of parts other than blood, that is, skin and tissue cells, can be ignored. This is because the change ΔOD in absorbance due to the pulsation of arterial blood can be caused only by the change in optical path length Δl of the arterial blood layer, and the following expression holds for different wavelengths λ 1 and λ 2 .
ΔOD (λ 1 ) = {ε Hb (λ 1 ) · c Hb + ε HbO2 (λ 1 ) · c HbO2 } · Δl
ΔOD (λ 2 ) = {ε Hb (λ 2 ) · c Hb + ε HbO2 (λ 2 ) · c HbO2 } · Δl
Here, ε is the extinction coefficient, and c is the concentration of the absorbing substance. From this, the blood oxygen saturation (= cHbO2 / ( cHb + cHbO2 )) can be determined.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, although the component ratio between HbO 2 and Hb can be determined from the above equation, the respective concentrations cannot be determined individually. This is apparent from solving the equation, but it is impossible to derive the respective values of c HbO2 and c Hb . That is, like blood oxygen saturation, the value to be obtained is the ratio between certain components contained in the blood, and when there is a correlation between the increase and decrease of the components, measurement is possible. It is not possible to determine the value of the density itself. For example, since the unit of the blood sugar level is [mg / dL] or [mmol / dL], it is necessary to determine the concentration.
[0008]
Therefore, in the present invention, by solving the above-described problems and utilizing the pulsatile component in the artery, for example, the concentration of components such as glucose, cholesterol, albumin, and hemoglobin in blood can be measured, and non-invasive blood It is an object of the present invention to provide a medium component concentration measuring device.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve these problems, a concentration measuring device according to the present invention employs the following means. That is, the concentration measurement device of the present invention includes a polarization light source that outputs linearly polarized light, an electro-optical rotation angle modulation element, and a light intensity detection unit, and determines the angle at which linearly polarized light is rotated by the optical rotation substance in the sample. An optical rotation angle measuring means for measuring, a light source and a light intensity detector, and an optical path length change amount for measuring an optical path length change amount of an arterial blood layer due to a pulsating component of arterial blood from a change in absorbance due to a pulsating component of arterial blood in a sample. It is characterized by having measuring means.
[0010]
Further, the concentration measuring device of the present invention is characterized in that a value obtained by measuring the change in the optical rotation angle due to the optical rotation substance in the pulsatile component of the arterial blood in the sample by the optical rotation angle measuring means, and a pulsating component of the arterial blood by the optical path length change measuring means. The method is characterized in that the concentration of the rotatory substance in the artery is measured from the value obtained by measuring the amount of change in the optical path length of the arterial blood layer due to the above.
[0011]
In addition, the concentration measuring device of the present invention includes a light source and a light intensity detection unit, and the amount of change in absorbance when the wavelength of the light source is changed and the wavelength dependence of the absorbance of a plurality of substances in the sample are determined in the sample. A concentration ratio measuring means for measuring a concentration ratio of a plurality of substances in the sample, a light source and a light intensity detecting unit, and a change in the optical path length of the arterial blood layer due to the pulsating component of the arterial blood based on a change in the absorbance due to the pulsating component of the arterial blood in the sample. It has an optical path length change amount measuring means for measuring the amount.
[0012]
Further, the concentration measuring device of the present invention comprises a value obtained by measuring a concentration ratio of a substance in a pulsatile component of arterial blood in a sample by a concentration ratio measuring means, and a value of an arterial blood layer caused by a pulsating component of arterial blood by an optical path length change measuring means. It is characterized in that the concentration of the substance in the artery is measured from the value obtained by measuring the change in the optical path length.
[0013]
Further, it is preferable that a liquid crystal element is used as the electro-optical rotation angle modulation element used for the rotation angle measurement unit of the present invention.
[0014]
In addition, as the optical path length change amount measuring means in the present invention, it is preferable to use light absorption characteristics due to moisture in the artery. In this case, it is effective to set the wavelength of the light source to 1400 nm to 1550 nm.
[0015]
Further, the substance in the sample measured by the concentration measuring device of the present invention is more useful when it is blood glucose, blood cholesterol, blood albumin or hemoglobin.
[0016]
(Action)
In a measurement method that attempts to measure the concentration of optically rotatory substances in blood from the change in the angle of rotation, or in a measurement method that attempts to measure the concentration of blood components using the wavelength dependence of the absorbance of blood components, It is not possible to measure the value itself, only the measurement of the concentration ratio, but by calculating the amount of change in the optical path length of the arterial blood layer due to the pulsating component of the artery from the amount of change in the absorbance of a substance different from the measurement target such as water, for example , The concentration value itself can be measured.
[0017]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, an optimal embodiment of a concentration measuring apparatus using the present invention will be described with reference to the drawings.
[0018]
(First embodiment)
FIG. 1 shows an example of the first embodiment of the present invention. In FIG. 1, light rays emitted from the first light source 101 and light rays emitted from the second light source 102 are respectively (a) and (b). Here, the optical path of the light ray (a) is a system for measuring the amount of change in the optical rotation angle due to the sample 105, and the optical path of the light ray (b) is used to measure the amount of change in the optical path length of the arterial blood layer due to the pulsating component of the arterial blood in the sample 105. System. Here, the first light source 101 and the second light source 102 emit a light beam having a certain wavelength, such as a laser diode.
[0019]
First, with respect to the optical path of the light beam (a), the light beam (a) emitted from the first light source 101 is applied to the first polarizer 103. The first polarizer 103 converts the light (a) into linearly polarized light having an optical axis in the transmission axis direction of the first polarizer 103, and then irradiates the liquid crystal panel 104 with the light (a). Here, as an example, in the present embodiment, the liquid crystal panel 104 is a TN type liquid crystal. The light transmitted through the liquid crystal panel 104 becomes linearly polarized light or elliptically polarized light, and its optical axis or major axis direction depends on an AC power supply Vlcd applied to the liquid crystal panel 104 from outside. Next, the specimen 105 is irradiated with a light beam. Here, the specimen 105 is a part of a human body, and is a fingertip, an earlobe, or the like that is relatively easy to transmit light. Since the optical rotation substance exists in the blood and tissue cells of the human body, the light beam that has passed through the specimen 105 is optically rotated as compared to before the transmission.
[0020]
Next, the light beam transmitted through the sample 105 is applied to the second polarizer 106. When the light beam passes through the second polarizer 106, only the light beam in the transmission axis direction is transmitted, and reaches the light receiving unit of the photodetector 107. The photodetector 107 outputs the intensity change of the received light beam as a voltage change. Therefore, in the light ray (a) system, the rotation angle θ of the specimen can be measured by measuring the dependence of the output voltage Vout from the photodetector 107 on the AC power supply Vlcd applied to the liquid crystal panel 104. I can do it.
[0021]
Here, when considering, for example, glucose as a component in blood, glucose is right-handed light, and the optical rotation angle θ (λ) when the wavelength of the light source is λ is θ (λ) = α (λ) · c ·. l
Is represented by Here, α (λ) is the optical rotation coefficient of glucose at the wavelength λ, c is the glucose concentration, and l is the optical path length. Here, when the pulsating component of the artery is used as a method of narrowing the measurement target to the arterial component, the amount of change Δθ (λ) of the optical rotation angle due to the pulsating component of the arterial blood is Δθ (λ) = α (λ) · c · Δl
Is represented by Here, α (λ) and c are the same as above, and Δl is the amount of change in the optical path length of the arterial blood layer due to the pulsating component.
[0022]
Next, regarding the optical path of the light beam (b), the light beam (b) emitted from the second light source 102 is directly applied to the sample 105. At this time, the position of irradiating the specimen 105 is set as close as possible to the irradiation position of the light beam (a). Alternatively, the position of each system is switched so that the light beam (a) is irradiated to the same position. This is to make the optical path lengths of the light beam (a) and the light beam (b) equal when passing through the sample. In FIG. 1, since the light detectors for the light beams (a) and (b) are shared, the first light source 101 and the second light source 102 are not used at the same time. When used at the same time, light detection units are individually prepared.
[0023]
The light beam transmitted through the sample 105 reaches the light receiving section of the photodetector 107, and the absorbance is measured based on the rate of decrease in light intensity due to the sample. At this time, the absorbance of the sample shows a change correlated with the change in the optical path length of the arterial blood layer due to the pulsating component of the artery. That is, when the optical path length increases due to pulsation, the absorbance also increases, and when the optical path length decreases, the absorbance also decreases. Here, for example, when the wavelength of the second light source 102 is set to about 1400 nm to 1550 nm, the absorbance of water is extremely higher than the absorbance of other components, and the change in absorbance due to the pulsation component and the pulsation component The change in absorbance due to the water in the inside can be made substantially equal. Further, since the concentration of water is 1, that is, the change in absorbance ΔOD (λ) under this condition is ΔOD (λ) = ε H2O (λ) · Δl
Is represented by Here, ε H2O (λ) is the absorption coefficient of water at the wavelength λ, and Δl is the amount of change in the optical path length of the arterial blood layer due to the pulsating component, as described above.
[0024]
Therefore, by measuring the change in the absorbance, it is possible to measure the optical path length change amount Δl of the arterial blood layer due to the pulsating component. Here, Δl measured by the system of the light beam (b) is used to calculate the change amount Δθ (λ) of the optical rotation angle measured by the light beam (a),
Δθ (λ) = α (λ) · c · Δl
To obtain the concentration c.
[0025]
When a plurality of substances having optical rotation at the wavelength λ exist in the artery, the measurement is performed using a plurality of wavelengths. If two wavelengths λ 3 and λ 4 are used, the formula Δθ (λ 3 ) = {α 1 (λ 3 ) · c 1 + α 2 (λ 3 ) · c 2 } · Δl
Δθ (λ 4 ) = {α 1 (λ 4 ) · c 1 + α 2 (λ 4 ) · c 2 } · Δl
And the concentrations c 1 and c 2 can be obtained from the simultaneous equations.
[0026]
(Second embodiment)
Next, a second embodiment will be described using an example shown in FIG. In FIG. 2, the system of the light beam (b) emitted from the second light source 102 is similar to that of the first embodiment, and is used to measure the amount of change Δl in the optical path length of the arterial blood layer due to the pulsating component of the artery. . The light beam (c) emitted from the light source 201 irradiates the specimen 105 directly. At this time, for the same reason as in the first embodiment, the position where the light beam (b) and the light beam (c) are irradiated on the specimen 105 is set as close as possible.
[0027]
The light beam (c) transmitted through the sample 105 reaches the light receiving portion of the photodetector 107, and measures the absorbance based on the rate of decrease in light intensity due to the sample. At this time, the absorbance by the specimen shows a change correlated with the change in the optical path length of the arterial blood layer due to the pulsating component of the artery, as shown in the case of the light ray (b). Here, assuming that there is only one substance in the artery that absorbs light of a certain wavelength λ, the change in absorbance ΔOD (λ) is ΔOD (λ) = ε (λ) · c · Δl
Is represented by Here, ε is an absorption coefficient, and c is a concentration. Here, the density is obtained by applying Δl obtained from the light beam (b) system.
[0028]
However, the light of the fact is the wavelength lambda n is to be absorbed by a plurality of substances in the artery, was measured for a plurality of wavelengths, determining the concentration from the simultaneous equations. For example, at the wavelength lambda 5 and the wavelength lambda 6 Considering the case of oxyhemoglobin (HbO 2) and reduced hemoglobin (Hb) was used in the conventional example ΔOD (λ 5) = {ε Hb (λ 5) · c Hb + ε HbO2 (Λ 5 ) · c HbO2 } · Δl
ΔOD (λ 6 ) = {ε Hb (λ 6 ) · c Hb + ε HbO2 (λ 6 ) · c HbO2 } · Δl
By measuring ΔOD (λ 5 ), ΔOD (λ 6 ), and Δl, the concentrations of HbO 2 and Hb can be obtained from the simultaneous equations.
[0029]
Therefore, among the components in the artery, it is possible to measure the blood concentration of components having optical rotation or light absorption characteristics. Therefore, it is possible to measure the concentrations of various components in arteries such as cholesterol and albumin in addition to glucose and hemoglobin exemplified above.
[0030]
Although a TN type liquid crystal panel is used as the electro-optical rotation angle modulation element in the present embodiment, the present invention is not limited to this, and any device that changes the rotation angle with an external voltage can be used. .
[0031]
【The invention's effect】
As described above, the concentration measuring device of the present invention has the following effects.
[0032]
When measuring the concentration of components in the blood, by measuring the change in optical path length of the arterial blood layer due to the pulsatile component of the artery in parallel with the system that measures the optical rotation change due to the pulsatile component in the artery Instead of the concentration ratio in blood, the concentration itself can be obtained. Further, the concentration can be measured in the same manner even when a system for measuring a change in absorbance of a pulsatile component in an artery instead of optical rotation is used. This makes it possible to perform non-invasive blood concentration measurement on various arterial components.
[0033]
In addition, by using a light source having a wavelength of 1400 nm to 1550 nm, where the absorbance of water is extremely high, when determining the amount of change in the optical path length of the arterial blood layer due to the pulsating component of the pulse, the influence of absorption by other components can be ignored. An accurate change in optical path length can be obtained, and accurate density measurement can be performed.
[0034]
Also, when the optical rotation or birefringence of the liquid crystal panel is used as the optical rotation angle modulation element, the measurement system can be made very small and lightweight, and the power consumption of the entire measurement system can be suppressed low.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a configuration of an entire concentration measuring device in a first embodiment of a concentration measuring device of the present invention.
FIG. 2 is a diagram illustrating a configuration of an entire concentration measuring device according to a second embodiment of the concentration measuring device of the present invention.
FIG. 3 is a diagram showing the wavelength dependence of absorption coefficients of oxyhemoglobin (HbO 2 ) and reduced hemoglobin (Hb).
[Explanation of symbols]
101 first light source 102 second light source 103 first polarizer 104 liquid crystal panel 105 specimen 106 second polarizer 107 photodetector 201 light source