JP2004080709A - 電子カメラ,および画像処理プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】電子カメラでの実施に適した新しいマスク処理技術を提供する。
【解決手段】本発明の電子カメラは、被写界の光像を撮像し、画像データを生成する撮像部と、画像データについて合焦範囲を検出し、合焦範囲に該当する画面領域を選別する合焦検出部と、その画面領域を示すマスクデータを生成するマスク生成部と、画像データとマスクデータとを記録または出力するインターフェース部とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明の電子カメラは、被写界の光像を撮像し、画像データを生成する撮像部と、画像データについて合焦範囲を検出し、合焦範囲に該当する画面領域を選別する合焦検出部と、その画面領域を示すマスクデータを生成するマスク生成部と、画像データとマスクデータとを記録または出力するインターフェース部とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像データのマスク処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像データのマスク処理を実行する電子カメラとして、次のものが知られている。
▲1▼特開平9−163297号公報
ユーザーが選択した固定のマスクパターン(ハートマークなど)を用いて、画像データにマスク処理を行う電子カメラ。
▲2▼特開平11−196362号公報
ユーザーが選択した固定のフレーム画像と、撮像された画像データとをマスク合成する電子カメラ。
▲3▼特開平10−191387号公報
撮像された画像データに対して、クロマキー処理を行う電子カメラ。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来例▲1▼▲2▼では、ユーザーが選択した固定パターンに基づいて、画像データにマスク処理を施す。そのため、不定形な被写体を画像データから切り出すなどの高度なマスク処理は困難であった。
一方、従来例▲3▼では、クロマキー処理を実行する。そのため、画像データから既知の背景色をマスクすることにより、不定形の被写体を切り出すことが可能になる。しかしながら、このようなクロマキー処理では、ブルースクリーンを設置して背景を一色にするなど、撮影時に大掛かりな仕掛けが必要となる。そのため、画像データのマスク処理を手軽に実施できないという問題点があった。
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて、電子カメラ内でのマスク処理に適した新しいマスク処理技術を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
以下、本発明について説明する。
《請求項1》
請求項1の電子カメラは、被写界の光像を撮像し、画像データを生成する撮像部と、画像データについて合焦範囲を検出し、合焦範囲の画面領域を選別する合焦検出部と、画面領域を示すマスクデータを生成するマスク生成部と、画像データとマスクデータとを記録または出力するインターフェース部とを備えたことを特徴とする。
《請求項2》
請求項2の電子カメラは、被写界の光像を撮像し、画像データを生成する撮像部と、被写界の距離情報を検出し、予め指定される距離条件に該当する画面領域を選別する距離検出部と、画面領域を示すマスクデータを生成するマスク生成部と、画像データとマスクデータとを記録または出力するインターフェース部とを備えたことを特徴とする。
《請求項3》
請求項3の電子カメラは、請求項1ないし請求項2のいずれか1項に記載の電子カメラにおいて、ユーザー操作に基づいて、インターフェース部によるマスクデータの記録動作、出力動作、および削除動作の少なくとも一つを制御する操作部を備えたことを特徴とする。
《請求項4》
請求項4の電子カメラは、被写界の光像を撮像し、画像データを生成する撮像部と、画像データについて合焦範囲を検出し、合焦範囲の画面領域を選別する合焦検出部と、画像データから画面領域に該当する部分画像を生成するマスク処理部とを備えたことを特徴とする。
《請求項5》
請求項5の電子カメラは、被写界の光像を撮像し、画像データを生成する撮像部と、被写界の距離情報を検出し、予め指定される距離条件に該当する画面領域を選別する距離検出部と、画像データから画面領域に該当する部分画像を生成するマスク処理部とを備えたことを特徴とする。
《請求項6》
請求項6の電子カメラは、請求項4ないし請求項5のいずれか1項に記載の電子カメラにおいて、部分画像と別の画像データとを合成して、合成画像を生成する画像合成部を備えたことを特徴とする。
《請求項7》
請求項7に画像処理プログラムは、コンピュータを、与えられた画像データについてコントラスト検出を行って合焦範囲の画面領域を選別する合焦検出部と、画面領域に基づいて画像データにマスク処理を実施するマスク処理部として機能させることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明にかかる実施形態を説明する。
【0006】
《第1の実施形態》
第1の実施形態は、請求項1,3,4,6,7に対応する実施形態である。
図1は、第1の実施形態における電子カメラ11の構成を示す図である。まず、この図1を用いて、電子カメラ11の概略説明を行う。
図1に示すように、電子カメラ11には、撮影レンズ12が装着される。この撮影レンズ12の像空間には、撮像素子13が配置される。
【0007】
この撮像素子13において生成された画像データは、A/D変換部15を介してデジタル化された後、信号処理部16に与えられる。信号処理部16は、この画像データに対して、黒レベル補正などの信号処理を実行する。信号処理された画像データは、バッファメモリ17に一時記憶される。このバッファメモリ17は、バス18に接続される。このバス18には、画像処理部19、記録部20、マイクロプロセッサ22、モニタ表示部25、および外部インターフェース27などが接続される。
【0008】
画像処理部19は、バッファメモリ17内の画像データに対して、色補間処理やマスク処理などの画像処理を実行する。このような画像処理部19は、ハードウェアの信号処理エンジンによって実現してもよいし、マイクロプロセッサによるソフトウェア動作によって実現してもよい。
記録部20は、バッファメモリ17内の画像データをメモリカード21に圧縮記録する。
【0009】
マイクロプロセッサ22は、電子カメラ11のシステム制御を実施する。
モニタ表示部25は、電子カメラ11の背面に設けられる液晶モニタ25aに画像を表示する。
外部インターフェース27は、外部のコンピュータや通信回線に、画像データやマスクデータなどをデータ出力する。
【0010】
また、電子カメラ11には、各種のモード設定やレリーズ操作を行うためのスイッチ群22a等が設けられる。
その他、電子カメラ11には、撮影レンズ12のピント位置を可変する焦点調整モータ28が設けられる。マイクロプロセッサ22は、信号処理部16から画像データのコントラストを取得し、このコントラストが最大となるように焦点調整モータ28を制御することにより、コントラスト山登り式の焦点制御を行う。
【0011】
[発明との対応関係]
以下、発明と第1の実施形態との対応関係について説明する。なお、ここでの対応関係は、参考のために一解釈を例示するものであり、本発明を徒らに限定するものではない。
請求項記載の撮像部は、撮像素子13に対応する。
請求項記載の合焦検出部は、画像処理部19の『画像データのコントラスト検出により、合焦範囲の画面領域を選別する機能』に対応する。
請求項記載のマスク生成部は、画像処理部19の『合焦範囲の画面領域に基づいてマスクデータを生成する機能』に対応する。
請求項記載のインターフェース部は、記録部20および外部インターフェース27に対応する。
請求項記載の操作部は、スイッチ群22a、およびマイクロプロセッサ22に対応する。
請求項記載のマスク処理部は、画像処理部19の『画像データから合焦範囲の画面領域に該当する部分画像を生成する機能』に対応する。
請求項記載の画像合成部は、画像処理部19の『部分画像と別の画像データとを合成して合成画像を生成する機能』に対応する。
請求項記載の画像処理プログラムは、画像処理部19が実行するプログラムに対応する。
【0012】
[第1の実施形態の動作説明]
図2は、第1の実施形態の動作を説明する流れ図である。以下、図2に示すステップ番号に沿って、電子カメラ11の動作を説明する。
【0013】
ステップS1: マイクロプロセッサ22は、電子カメラ11の動作モードを判別する。
ここで、電子カメラ11が再生モードに設定されている場合、マイクロプロセッサ22はステップS2に動作を移行する。
一方、電子カメラ11が撮像モードに設定されている場合、マイクロプロセッサ22はステップS3に動作を移行する。
【0014】
ステップS2: 再生モードに設定されている場合、マイクロプロセッサ22は、スイッチ群22aを介して、ユーザーから再生指示を受け取る。マイクロプロセッサ22は、この指示に従って、メモリカード21内に記録される画像データを液晶モニタ25aに再生表示する。このとき、ユーザーはスイッチ群22aを操作して、表示中の画像データに対する各種処理をマイクロプロセッサ22に指示する。これら指示に従って、マイクロプロセッサ22は、下記の処理を実行する。
▲1▼画像データのαチャンネルからマスクデータを除去する処理
▲2▼画像データのαチャンネルからマスクデータを抽出して外部出力する処理
▲3▼画像データのαチャンネルからマスクデータを抽出して別途記録する処理
▲4▼画像データのαチャンネルからマスクデータを抽出してモニタ表示する処理
▲5▼画像データに対するマスク処理を起動する処理
(なお、上記のαチャンネルは、画像データ内に確保されるマスクデータ用の格納領域である。例えば、1画素当たり32ビットを配分する画像データでは、24ビット分がカラー画像信号の格納に使用され、残りの8ビット分がαチャンネルとして使用される。)
このような再生モードの処理後、マイクロプロセッサ22は、ステップS1に動作を戻す。
【0015】
ステップS3: 撮像モードに設定されている場合、マイクロプロセッサ22は、ユーザーのレリーズ操作に応じて撮像素子13を電子シャッタ制御し、被写体像を撮像する。撮像素子13から出力される画像データは、A/D変換部15および信号処理部16を介して処理された後、バッファメモリ17に一時記憶される。画像処理部19は、このバッファメモリ17内の画像データに対し、色補間処理などの画像処理を施す。
【0016】
ステップS4: マイクロプロセッサ22は、電子カメラ11が『マスクデータを撮像時に生成するモード』に設定されているか否かを判定する。
マスクデータを撮像時に生成しない場合、マイクロプロセッサ22はステップS5に動作を移行する。
一方、マスクデータを撮像時に生成する場合、マイクロプロセッサ22はステップS6に動作を移行する。
【0017】
ステップS5: マスクデータを撮像時に生成しない場合、マイクロプロセッサ22は、記録部20に画像記録を指示する。記録部20は、バッファメモリ17内の画像データをメモリカード21に圧縮記録する。このような記録処理の後、マイクロプロセッサ22は、ステップS1に動作を戻す。
【0018】
ステップS6: マスクデータを撮像時に生成する場合、マイクロプロセッサ22は、画像処理部19にマスクデータの生成を指示する。この指示に従って、画像処理部19は、画像データからコントラストを検出する。
図3は、このコントラスト検出に使用される局所演算の一例である。この局所演算では、まず、画像処理部19が、対象画素Xと周囲の画素a〜hとの差分を個別に求める。つぎに、画像処理部19は、これら差分の絶対値の総和を取って、対象画素Xのコントラストとする。
また、『元の画像データ』と『ぼかした画像』との差分をとり、その差分の絶対値を求めることによってコントラスト検出を行ってもよい。
さらに、画像データに空間周波数フィルタ(ラプラシアンフィルタなど)をかけて高域成分を抽出し、この高域成分の絶対値を求めることによってコントラスト検出を行ってもよい。
画像処理部19は、上記のような方法で求めたコントラストを閾値判定し、閾値以上のコントラストを示す画素(合焦部分のエッジに対応する)を抽出する。なお、ここでの閾値は、非合焦部分の低いコントラストと、合焦部分の高いコントラストとを区別できる中間の値に設定することが好ましい。
図4(A)は、元の画像データである。一方、図4(B)は、この画像データに対して、上述したエッジ抽出を施した画像である。
【0019】
ステップS7: 画像処理部19は、エッジラインの途切れを除去するため、コントラスト検出後の画像データに対してノイズ除去を実施する。このようなノイズ除去としては、例えば、エッジラインに対して画素単位に膨張処理や収縮処理を行うことが好ましい。また、エッジラインの連続性や方向性を判断して、連続しないエッジ点を削除したり、連続するようにエッジラインを連結する処理を行ってもよい。
図5(C)は、このようなノイズ除去により、合焦範囲のエッジラインを連結した中間調画像の写真である。
【0020】
ステップS8: 画像処理部19は、合焦範囲の外側(例えば、画面周辺の複数点)を起点として特定色で塗りつぶしを行う。
図5(D)は、このような塗りつぶしを行った中間調画像の写真である。このような塗りつぶしにより、エッジラインの開いた領域は、一様に塗りつぶされる。一方、エッジライン(画面枠も含む)の閉じた合焦範囲は、特定色に塗りつぶされずにそのまま残る。
【0021】
ステップS9: 画像処理部19は、特定色の塗りつぶし領域をまとめて除去し、合焦範囲の画面領域を区別するマスクデータを作成する。
【0022】
ステップS10: 続いて、マイクロプロセッサ22は、電子カメラ11のユーザー設定に応じて、作成されたマスクデータの用途を決定する。
すなわち、マスクデータの記録処理のみを行う場合、マイクロプロセッサ22はステップS11に動作を移行する。
一方、マスクデータをマスク処理に使用する場合、マイクロプロセッサ22は、ステップS12に動作を移行する。
【0023】
ステップS11: マスクデータを記録する場合、マイクロプロセッサ22は、画像データ内のαチャンネルなどにマスクデータを格納する。次に、マイクロプロセッサ22は、記録部20に画像記録を指示する。記録部20は、マスクデータを含む画像データをメモリカード21に圧縮記録する。このような記録処理の後、マイクロプロセッサ22は、ステップS1に動作を戻す。
【0024】
ステップS12: マスクデータを画像処理に使用する場合、画像処理部19は、まず、マスクデータに基づいて画像データの非合焦範囲をマスクし、バッファメモリ17内に部分画像を生成する。このときマスクされる非合焦範囲については、
画素を切り捨てて画像サイズを縮小したり、透過色などの一様なデータに置き換えることが好ましい。
【0025】
ステップS13: ここで、マイクロプロセッサ22は、電子カメラ11のユーザー設定に応じて、作成された部分画像の用途を決定する。
すなわち、部分画像の記録処理を行う場合、マイクロプロセッサ22はステップS14に動作を移行する。
一方、部分画像を利用してマスク合成を行う場合、マイクロプロセッサ22はステップS15に動作を移行する。
【0026】
ステップS14: 部分画像の記録に際して、マイクロプロセッサ22は、記録部20に画像記録を指示する。記録部20は、バッファメモリ17内の部分画像をメモリカード21に圧縮記録する。このような記録処理の後、マイクロプロセッサ22は、ステップS1に動作を戻す。
【0027】
ステップS15: 部分画像にマスク合成を施す場合、マイクロプロセッサ22は、メモリカード21内などから背景として使用する背景画像を読み出す。画像処理部19は、部分画像のマスク箇所をこの背景画像の画素値に置換することにより、合成画像を生成する。
【0028】
ステップS16: マイクロプロセッサ22は、記録部20に画像記録を指示する。記録部20は、バッファメモリ17内の合成画像をメモリカード21に圧縮記録する。このような記録処理の後、マイクロプロセッサ22は、ステップS1に動作を戻す。このような記録処理の後、マイクロプロセッサ22は、ステップS1に動作を戻す。
以上説明した動作により、第1の実施形態におけるマスクデータ関連の処理が一通り完了する。
【0029】
[第1の実施形態の効果など]
上述したように、第1の実施形態では、画像データ中からコントラスト検出により合焦範囲を選別して、合焦範囲を示すマスクデータを生成する。したがって、形の一定しない不定形な被写体に対しても、合焦範囲からマスクデータを確実かつ適切に生成することができる。
【0030】
特に、第1の実施形態は、合焦範囲を選別してマスクデータを作成するため、クロマキーのような処理は不要となる。そのため、ブルースクリーンを設置して背景を一色にするといった大掛かりな仕掛けが不要となり、電子カメラ一つで簡易にマスクデータを作成することが可能になる。
【0031】
さらに、第1の実施形態では、作成したマスクデータを、画像データのαチャンネルに格納することにより、画像データとマスクデータとを一体化する。したがって、画像データとマスクデータを別々に画像管理する必要がなく、画像管理が複雑になるといったおそれがない。また、実質的に標準なαチャンネルにマスクデータを格納することにより、汎用の画像処理ソフトにおいてマスク処理を実行することが容易になる。
【0032】
また、第1の実施形態では、画像データから合焦範囲のみを抽出して部分画像を生成する。この部分画像は、非合焦範囲の画素が切り落とされたり、非合焦範囲の画素が一様なデータに置換されている。そのため、部分画像の情報量は少なく、より小さな圧縮データサイズで、メモリカード21に記録することが可能になる。その結果、メモリカード21の記録可能コマ数を効率良く増やすことが可能になる。
【0033】
さらに、第1の実施形態では、部分画像と背景用の画像データとを合成して、合成画像を生成する。したがって、電子カメラ11において、撮像した画像データの背景を適宜に変更するなどの多様な使い方や楽しみ方が可能になり、電子カメラ11の使用用途を更に拡大することが可能になる。
【0034】
また、第1の実施形態では、ユーザー操作に基づいて、マスクデータの記録動作、出力動作、および削除動作を適宜に実施することもできる。
次に、別の実施形態について説明する。
【0035】
《第2の実施形態》
第2の実施形態は、請求項1〜7に対応する電子カメラの実施形態である。
なお、第2の実施形態のハードウェア構成は、第1の実施形態(図1)と同様であるため、ここでの重複説明を省略する。
【0036】
[発明との対応関係]
以下、発明と第2の実施形態との対応関係について説明する。なお、ここでの対応関係は、参考のために一解釈を例示するものであり、本発明を徒らに限定するものではない。
請求項記載の撮像部は、撮像素子13に対応する。
請求項記載の距離検出部は、マイクロプロセッサ22および画像処理部19の『ピント位置を前後に振って、撮影レンズ12の合焦距離の前後における画像変化を検出し、合焦範囲の画面領域を選別する機能』に対応する。
請求項記載の合焦検出部は、画像処理部19の『画像データを、前ピンおよび後ピンの比較用画像データとコントラスト比較することにより、合焦範囲の画面領域を選別する機能』に対応する。
請求項記載のマスク生成部は、画像処理部19の『選別された画面領域に基づいてマスクデータを生成する機能』に対応する。
請求項記載のインターフェース部は、記録部20および外部インターフェース27に対応する。
請求項記載の操作部は、スイッチ群22a、およびマイクロプロセッサ22に対応する。
請求項記載のマスク処理部は、画像処理部19の『画像データから合焦範囲の画面領域に該当する部分画像を生成する機能』に対応する。
請求項記載の画像合成部は、画像処理部19の『部分画像と別の画像データとを合成して合成画像を生成する機能』に対応する。
請求項記載の画像処理プログラムは、マイクロプロセッサ22および画像処理部19が実行するプログラムに対応する。
【0037】
[第2の実施形態の動作説明]
図6は、第2の実施形態の動作を説明する流れ図である。以下、図6を用いて、第2の実施形態における動作上の特徴点を説明する。
【0038】
ステップS21〜25: 第1の実施形態で述べたステップS1〜5と同じ。
【0039】
ステップS26: マイクロプロセッサ22は、焦点調整モータ28を駆動して、撮影レンズ12の現在のピント位置を前後に振り、前ピンおよび後ピンの比較用画像データを撮像する。
【0040】
ステップS27: 画像処理部19は、画像データについて画素単位にコントラストを検出する。さらに、画像処理部19は、前ピンおよび後ピンの比較用画像データについても、画素単位にコントラストを検出する。
画像処理部19は、これら各画像のコントラストを画素ごとに比較し、前ピンおよび後ピンの比較画像データよりも高いコントラストを示す画素を画像データ内から抽出する。このように抽出される画素は、撮影レンズ12の合焦距離に位置する被写体エッジに該当する。
なお、『画像データ』と『前ピン画像と後ピン画像の平均化画像』との差分をとり、その差分の絶対値を閾値判定してもよい。このような処理によっても、撮影レンズ12の合焦距離に位置する被写体エッジを抽出することができる。
【0041】
ステップS28〜37: 第1の実施形態で述べたステップS7〜16と同じ。
【0042】
以上説明した動作により、第2の実施形態におけるマスクデータ関連の処理が一通り完了する。
【0043】
[第2の実施形態の効果など]
上述したように、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、第2の実施形態では、撮影レンズ12のピント位置を前後に振ってコントラストがピークを示すエッジを抽出している。そのため、撮影レンズ12の合焦距離に位置する被写体エッジを正確に検出し、その被写体を示すマスクデータを精密に生成することができる。
【0044】
《実施形態の補足事項》
上述した実施形態では、電子カメラ11の撮像動作に際して、画像データからマスクデータを生成している。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、連写速度を向上させるため、レリーズ操作が連続する場合には、次コマの撮像動作を優先させ、撮像動作を完了した後にマスクデータの生成を一括して実施してもよい。
【0045】
また、上述した実施形態では、マスクデータを使って、部分画像を生成したり、背景画像とのマスク合成などを実施している。しかしながら、本発明のマスク処理はこれに限定されるものではない。例えば、マスクデータを使って、画像データ中の非合焦部分を更にぼかすことにより、擬似的に被写界深度の浅い画像データを作成してもよい。
【0046】
なお、上述した実施形態では、合焦距離の距離条件に該当する画面領域を選別して、マスクデータを生成している。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、撮影レンズ12のピントを所望の距離条件に合わせた上で画像データを撮像し、この画像データの合焦範囲からマスクデータを作成してもよい。この場合、所望の距離条件に該当するマスクデータを生成することができる。このマスクデータを、別にピント合わせした画像データに作用させることにより、所望の距離条件に該当する画面領域のみ選択的に画像処理を施すことが可能になる。
【0047】
また、上述した実施形態では、マスクデータを画像データのαチャンネルに格納している。しかしながら、本発明におけるマスクデータの格納場所は、αチャンネルに限定されない。例えば、画像データ内のアプリケーションセグメントエリアにマスクデータを格納してもよい。また例えば、画像データとマスクデータとを別々にファイル記録してもよい。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、画像データ中から合焦範囲または所望の距離条件を満足する画面領域を選別して、マスクデータを生成する。したがって、形の一定しない不定形な被写体に対しても、マスクデータを適切に生成することが可能になる。
特に、本発明を電子カメラに適用した場合には、撮像時の合焦状況や合焦距離を参照することにより、一段と正確なマスクデータを生成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における電子カメラ11の構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態の動作を説明する流れ図である。
【図3】局所演算によるコントラスト算出の一例を説明する図である。
【図4】マスクデータの生成過程を示すための中間調画像のモニタ写真である。
【図5】マスクデータの生成過程を示すための中間調画像のモニタ写真である。
【図6】第2の実施形態の動作を説明する流れ図である。
【符号の説明】
11 電子カメラ
12 撮影レンズ
13 撮像素子
15 A/D変換部
16 信号処理部
17 バッファメモリ
18 バス
19 画像処理部
20 記録部
21 メモリカード
22 マイクロプロセッサ
22a スイッチ群
25 モニタ表示部
27 外部インターフェース
28 焦点調整モータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像データのマスク処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像データのマスク処理を実行する電子カメラとして、次のものが知られている。
▲1▼特開平9−163297号公報
ユーザーが選択した固定のマスクパターン(ハートマークなど)を用いて、画像データにマスク処理を行う電子カメラ。
▲2▼特開平11−196362号公報
ユーザーが選択した固定のフレーム画像と、撮像された画像データとをマスク合成する電子カメラ。
▲3▼特開平10−191387号公報
撮像された画像データに対して、クロマキー処理を行う電子カメラ。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来例▲1▼▲2▼では、ユーザーが選択した固定パターンに基づいて、画像データにマスク処理を施す。そのため、不定形な被写体を画像データから切り出すなどの高度なマスク処理は困難であった。
一方、従来例▲3▼では、クロマキー処理を実行する。そのため、画像データから既知の背景色をマスクすることにより、不定形の被写体を切り出すことが可能になる。しかしながら、このようなクロマキー処理では、ブルースクリーンを設置して背景を一色にするなど、撮影時に大掛かりな仕掛けが必要となる。そのため、画像データのマスク処理を手軽に実施できないという問題点があった。
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて、電子カメラ内でのマスク処理に適した新しいマスク処理技術を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
以下、本発明について説明する。
《請求項1》
請求項1の電子カメラは、被写界の光像を撮像し、画像データを生成する撮像部と、画像データについて合焦範囲を検出し、合焦範囲の画面領域を選別する合焦検出部と、画面領域を示すマスクデータを生成するマスク生成部と、画像データとマスクデータとを記録または出力するインターフェース部とを備えたことを特徴とする。
《請求項2》
請求項2の電子カメラは、被写界の光像を撮像し、画像データを生成する撮像部と、被写界の距離情報を検出し、予め指定される距離条件に該当する画面領域を選別する距離検出部と、画面領域を示すマスクデータを生成するマスク生成部と、画像データとマスクデータとを記録または出力するインターフェース部とを備えたことを特徴とする。
《請求項3》
請求項3の電子カメラは、請求項1ないし請求項2のいずれか1項に記載の電子カメラにおいて、ユーザー操作に基づいて、インターフェース部によるマスクデータの記録動作、出力動作、および削除動作の少なくとも一つを制御する操作部を備えたことを特徴とする。
《請求項4》
請求項4の電子カメラは、被写界の光像を撮像し、画像データを生成する撮像部と、画像データについて合焦範囲を検出し、合焦範囲の画面領域を選別する合焦検出部と、画像データから画面領域に該当する部分画像を生成するマスク処理部とを備えたことを特徴とする。
《請求項5》
請求項5の電子カメラは、被写界の光像を撮像し、画像データを生成する撮像部と、被写界の距離情報を検出し、予め指定される距離条件に該当する画面領域を選別する距離検出部と、画像データから画面領域に該当する部分画像を生成するマスク処理部とを備えたことを特徴とする。
《請求項6》
請求項6の電子カメラは、請求項4ないし請求項5のいずれか1項に記載の電子カメラにおいて、部分画像と別の画像データとを合成して、合成画像を生成する画像合成部を備えたことを特徴とする。
《請求項7》
請求項7に画像処理プログラムは、コンピュータを、与えられた画像データについてコントラスト検出を行って合焦範囲の画面領域を選別する合焦検出部と、画面領域に基づいて画像データにマスク処理を実施するマスク処理部として機能させることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明にかかる実施形態を説明する。
【0006】
《第1の実施形態》
第1の実施形態は、請求項1,3,4,6,7に対応する実施形態である。
図1は、第1の実施形態における電子カメラ11の構成を示す図である。まず、この図1を用いて、電子カメラ11の概略説明を行う。
図1に示すように、電子カメラ11には、撮影レンズ12が装着される。この撮影レンズ12の像空間には、撮像素子13が配置される。
【0007】
この撮像素子13において生成された画像データは、A/D変換部15を介してデジタル化された後、信号処理部16に与えられる。信号処理部16は、この画像データに対して、黒レベル補正などの信号処理を実行する。信号処理された画像データは、バッファメモリ17に一時記憶される。このバッファメモリ17は、バス18に接続される。このバス18には、画像処理部19、記録部20、マイクロプロセッサ22、モニタ表示部25、および外部インターフェース27などが接続される。
【0008】
画像処理部19は、バッファメモリ17内の画像データに対して、色補間処理やマスク処理などの画像処理を実行する。このような画像処理部19は、ハードウェアの信号処理エンジンによって実現してもよいし、マイクロプロセッサによるソフトウェア動作によって実現してもよい。
記録部20は、バッファメモリ17内の画像データをメモリカード21に圧縮記録する。
【0009】
マイクロプロセッサ22は、電子カメラ11のシステム制御を実施する。
モニタ表示部25は、電子カメラ11の背面に設けられる液晶モニタ25aに画像を表示する。
外部インターフェース27は、外部のコンピュータや通信回線に、画像データやマスクデータなどをデータ出力する。
【0010】
また、電子カメラ11には、各種のモード設定やレリーズ操作を行うためのスイッチ群22a等が設けられる。
その他、電子カメラ11には、撮影レンズ12のピント位置を可変する焦点調整モータ28が設けられる。マイクロプロセッサ22は、信号処理部16から画像データのコントラストを取得し、このコントラストが最大となるように焦点調整モータ28を制御することにより、コントラスト山登り式の焦点制御を行う。
【0011】
[発明との対応関係]
以下、発明と第1の実施形態との対応関係について説明する。なお、ここでの対応関係は、参考のために一解釈を例示するものであり、本発明を徒らに限定するものではない。
請求項記載の撮像部は、撮像素子13に対応する。
請求項記載の合焦検出部は、画像処理部19の『画像データのコントラスト検出により、合焦範囲の画面領域を選別する機能』に対応する。
請求項記載のマスク生成部は、画像処理部19の『合焦範囲の画面領域に基づいてマスクデータを生成する機能』に対応する。
請求項記載のインターフェース部は、記録部20および外部インターフェース27に対応する。
請求項記載の操作部は、スイッチ群22a、およびマイクロプロセッサ22に対応する。
請求項記載のマスク処理部は、画像処理部19の『画像データから合焦範囲の画面領域に該当する部分画像を生成する機能』に対応する。
請求項記載の画像合成部は、画像処理部19の『部分画像と別の画像データとを合成して合成画像を生成する機能』に対応する。
請求項記載の画像処理プログラムは、画像処理部19が実行するプログラムに対応する。
【0012】
[第1の実施形態の動作説明]
図2は、第1の実施形態の動作を説明する流れ図である。以下、図2に示すステップ番号に沿って、電子カメラ11の動作を説明する。
【0013】
ステップS1: マイクロプロセッサ22は、電子カメラ11の動作モードを判別する。
ここで、電子カメラ11が再生モードに設定されている場合、マイクロプロセッサ22はステップS2に動作を移行する。
一方、電子カメラ11が撮像モードに設定されている場合、マイクロプロセッサ22はステップS3に動作を移行する。
【0014】
ステップS2: 再生モードに設定されている場合、マイクロプロセッサ22は、スイッチ群22aを介して、ユーザーから再生指示を受け取る。マイクロプロセッサ22は、この指示に従って、メモリカード21内に記録される画像データを液晶モニタ25aに再生表示する。このとき、ユーザーはスイッチ群22aを操作して、表示中の画像データに対する各種処理をマイクロプロセッサ22に指示する。これら指示に従って、マイクロプロセッサ22は、下記の処理を実行する。
▲1▼画像データのαチャンネルからマスクデータを除去する処理
▲2▼画像データのαチャンネルからマスクデータを抽出して外部出力する処理
▲3▼画像データのαチャンネルからマスクデータを抽出して別途記録する処理
▲4▼画像データのαチャンネルからマスクデータを抽出してモニタ表示する処理
▲5▼画像データに対するマスク処理を起動する処理
(なお、上記のαチャンネルは、画像データ内に確保されるマスクデータ用の格納領域である。例えば、1画素当たり32ビットを配分する画像データでは、24ビット分がカラー画像信号の格納に使用され、残りの8ビット分がαチャンネルとして使用される。)
このような再生モードの処理後、マイクロプロセッサ22は、ステップS1に動作を戻す。
【0015】
ステップS3: 撮像モードに設定されている場合、マイクロプロセッサ22は、ユーザーのレリーズ操作に応じて撮像素子13を電子シャッタ制御し、被写体像を撮像する。撮像素子13から出力される画像データは、A/D変換部15および信号処理部16を介して処理された後、バッファメモリ17に一時記憶される。画像処理部19は、このバッファメモリ17内の画像データに対し、色補間処理などの画像処理を施す。
【0016】
ステップS4: マイクロプロセッサ22は、電子カメラ11が『マスクデータを撮像時に生成するモード』に設定されているか否かを判定する。
マスクデータを撮像時に生成しない場合、マイクロプロセッサ22はステップS5に動作を移行する。
一方、マスクデータを撮像時に生成する場合、マイクロプロセッサ22はステップS6に動作を移行する。
【0017】
ステップS5: マスクデータを撮像時に生成しない場合、マイクロプロセッサ22は、記録部20に画像記録を指示する。記録部20は、バッファメモリ17内の画像データをメモリカード21に圧縮記録する。このような記録処理の後、マイクロプロセッサ22は、ステップS1に動作を戻す。
【0018】
ステップS6: マスクデータを撮像時に生成する場合、マイクロプロセッサ22は、画像処理部19にマスクデータの生成を指示する。この指示に従って、画像処理部19は、画像データからコントラストを検出する。
図3は、このコントラスト検出に使用される局所演算の一例である。この局所演算では、まず、画像処理部19が、対象画素Xと周囲の画素a〜hとの差分を個別に求める。つぎに、画像処理部19は、これら差分の絶対値の総和を取って、対象画素Xのコントラストとする。
また、『元の画像データ』と『ぼかした画像』との差分をとり、その差分の絶対値を求めることによってコントラスト検出を行ってもよい。
さらに、画像データに空間周波数フィルタ(ラプラシアンフィルタなど)をかけて高域成分を抽出し、この高域成分の絶対値を求めることによってコントラスト検出を行ってもよい。
画像処理部19は、上記のような方法で求めたコントラストを閾値判定し、閾値以上のコントラストを示す画素(合焦部分のエッジに対応する)を抽出する。なお、ここでの閾値は、非合焦部分の低いコントラストと、合焦部分の高いコントラストとを区別できる中間の値に設定することが好ましい。
図4(A)は、元の画像データである。一方、図4(B)は、この画像データに対して、上述したエッジ抽出を施した画像である。
【0019】
ステップS7: 画像処理部19は、エッジラインの途切れを除去するため、コントラスト検出後の画像データに対してノイズ除去を実施する。このようなノイズ除去としては、例えば、エッジラインに対して画素単位に膨張処理や収縮処理を行うことが好ましい。また、エッジラインの連続性や方向性を判断して、連続しないエッジ点を削除したり、連続するようにエッジラインを連結する処理を行ってもよい。
図5(C)は、このようなノイズ除去により、合焦範囲のエッジラインを連結した中間調画像の写真である。
【0020】
ステップS8: 画像処理部19は、合焦範囲の外側(例えば、画面周辺の複数点)を起点として特定色で塗りつぶしを行う。
図5(D)は、このような塗りつぶしを行った中間調画像の写真である。このような塗りつぶしにより、エッジラインの開いた領域は、一様に塗りつぶされる。一方、エッジライン(画面枠も含む)の閉じた合焦範囲は、特定色に塗りつぶされずにそのまま残る。
【0021】
ステップS9: 画像処理部19は、特定色の塗りつぶし領域をまとめて除去し、合焦範囲の画面領域を区別するマスクデータを作成する。
【0022】
ステップS10: 続いて、マイクロプロセッサ22は、電子カメラ11のユーザー設定に応じて、作成されたマスクデータの用途を決定する。
すなわち、マスクデータの記録処理のみを行う場合、マイクロプロセッサ22はステップS11に動作を移行する。
一方、マスクデータをマスク処理に使用する場合、マイクロプロセッサ22は、ステップS12に動作を移行する。
【0023】
ステップS11: マスクデータを記録する場合、マイクロプロセッサ22は、画像データ内のαチャンネルなどにマスクデータを格納する。次に、マイクロプロセッサ22は、記録部20に画像記録を指示する。記録部20は、マスクデータを含む画像データをメモリカード21に圧縮記録する。このような記録処理の後、マイクロプロセッサ22は、ステップS1に動作を戻す。
【0024】
ステップS12: マスクデータを画像処理に使用する場合、画像処理部19は、まず、マスクデータに基づいて画像データの非合焦範囲をマスクし、バッファメモリ17内に部分画像を生成する。このときマスクされる非合焦範囲については、
画素を切り捨てて画像サイズを縮小したり、透過色などの一様なデータに置き換えることが好ましい。
【0025】
ステップS13: ここで、マイクロプロセッサ22は、電子カメラ11のユーザー設定に応じて、作成された部分画像の用途を決定する。
すなわち、部分画像の記録処理を行う場合、マイクロプロセッサ22はステップS14に動作を移行する。
一方、部分画像を利用してマスク合成を行う場合、マイクロプロセッサ22はステップS15に動作を移行する。
【0026】
ステップS14: 部分画像の記録に際して、マイクロプロセッサ22は、記録部20に画像記録を指示する。記録部20は、バッファメモリ17内の部分画像をメモリカード21に圧縮記録する。このような記録処理の後、マイクロプロセッサ22は、ステップS1に動作を戻す。
【0027】
ステップS15: 部分画像にマスク合成を施す場合、マイクロプロセッサ22は、メモリカード21内などから背景として使用する背景画像を読み出す。画像処理部19は、部分画像のマスク箇所をこの背景画像の画素値に置換することにより、合成画像を生成する。
【0028】
ステップS16: マイクロプロセッサ22は、記録部20に画像記録を指示する。記録部20は、バッファメモリ17内の合成画像をメモリカード21に圧縮記録する。このような記録処理の後、マイクロプロセッサ22は、ステップS1に動作を戻す。このような記録処理の後、マイクロプロセッサ22は、ステップS1に動作を戻す。
以上説明した動作により、第1の実施形態におけるマスクデータ関連の処理が一通り完了する。
【0029】
[第1の実施形態の効果など]
上述したように、第1の実施形態では、画像データ中からコントラスト検出により合焦範囲を選別して、合焦範囲を示すマスクデータを生成する。したがって、形の一定しない不定形な被写体に対しても、合焦範囲からマスクデータを確実かつ適切に生成することができる。
【0030】
特に、第1の実施形態は、合焦範囲を選別してマスクデータを作成するため、クロマキーのような処理は不要となる。そのため、ブルースクリーンを設置して背景を一色にするといった大掛かりな仕掛けが不要となり、電子カメラ一つで簡易にマスクデータを作成することが可能になる。
【0031】
さらに、第1の実施形態では、作成したマスクデータを、画像データのαチャンネルに格納することにより、画像データとマスクデータとを一体化する。したがって、画像データとマスクデータを別々に画像管理する必要がなく、画像管理が複雑になるといったおそれがない。また、実質的に標準なαチャンネルにマスクデータを格納することにより、汎用の画像処理ソフトにおいてマスク処理を実行することが容易になる。
【0032】
また、第1の実施形態では、画像データから合焦範囲のみを抽出して部分画像を生成する。この部分画像は、非合焦範囲の画素が切り落とされたり、非合焦範囲の画素が一様なデータに置換されている。そのため、部分画像の情報量は少なく、より小さな圧縮データサイズで、メモリカード21に記録することが可能になる。その結果、メモリカード21の記録可能コマ数を効率良く増やすことが可能になる。
【0033】
さらに、第1の実施形態では、部分画像と背景用の画像データとを合成して、合成画像を生成する。したがって、電子カメラ11において、撮像した画像データの背景を適宜に変更するなどの多様な使い方や楽しみ方が可能になり、電子カメラ11の使用用途を更に拡大することが可能になる。
【0034】
また、第1の実施形態では、ユーザー操作に基づいて、マスクデータの記録動作、出力動作、および削除動作を適宜に実施することもできる。
次に、別の実施形態について説明する。
【0035】
《第2の実施形態》
第2の実施形態は、請求項1〜7に対応する電子カメラの実施形態である。
なお、第2の実施形態のハードウェア構成は、第1の実施形態(図1)と同様であるため、ここでの重複説明を省略する。
【0036】
[発明との対応関係]
以下、発明と第2の実施形態との対応関係について説明する。なお、ここでの対応関係は、参考のために一解釈を例示するものであり、本発明を徒らに限定するものではない。
請求項記載の撮像部は、撮像素子13に対応する。
請求項記載の距離検出部は、マイクロプロセッサ22および画像処理部19の『ピント位置を前後に振って、撮影レンズ12の合焦距離の前後における画像変化を検出し、合焦範囲の画面領域を選別する機能』に対応する。
請求項記載の合焦検出部は、画像処理部19の『画像データを、前ピンおよび後ピンの比較用画像データとコントラスト比較することにより、合焦範囲の画面領域を選別する機能』に対応する。
請求項記載のマスク生成部は、画像処理部19の『選別された画面領域に基づいてマスクデータを生成する機能』に対応する。
請求項記載のインターフェース部は、記録部20および外部インターフェース27に対応する。
請求項記載の操作部は、スイッチ群22a、およびマイクロプロセッサ22に対応する。
請求項記載のマスク処理部は、画像処理部19の『画像データから合焦範囲の画面領域に該当する部分画像を生成する機能』に対応する。
請求項記載の画像合成部は、画像処理部19の『部分画像と別の画像データとを合成して合成画像を生成する機能』に対応する。
請求項記載の画像処理プログラムは、マイクロプロセッサ22および画像処理部19が実行するプログラムに対応する。
【0037】
[第2の実施形態の動作説明]
図6は、第2の実施形態の動作を説明する流れ図である。以下、図6を用いて、第2の実施形態における動作上の特徴点を説明する。
【0038】
ステップS21〜25: 第1の実施形態で述べたステップS1〜5と同じ。
【0039】
ステップS26: マイクロプロセッサ22は、焦点調整モータ28を駆動して、撮影レンズ12の現在のピント位置を前後に振り、前ピンおよび後ピンの比較用画像データを撮像する。
【0040】
ステップS27: 画像処理部19は、画像データについて画素単位にコントラストを検出する。さらに、画像処理部19は、前ピンおよび後ピンの比較用画像データについても、画素単位にコントラストを検出する。
画像処理部19は、これら各画像のコントラストを画素ごとに比較し、前ピンおよび後ピンの比較画像データよりも高いコントラストを示す画素を画像データ内から抽出する。このように抽出される画素は、撮影レンズ12の合焦距離に位置する被写体エッジに該当する。
なお、『画像データ』と『前ピン画像と後ピン画像の平均化画像』との差分をとり、その差分の絶対値を閾値判定してもよい。このような処理によっても、撮影レンズ12の合焦距離に位置する被写体エッジを抽出することができる。
【0041】
ステップS28〜37: 第1の実施形態で述べたステップS7〜16と同じ。
【0042】
以上説明した動作により、第2の実施形態におけるマスクデータ関連の処理が一通り完了する。
【0043】
[第2の実施形態の効果など]
上述したように、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、第2の実施形態では、撮影レンズ12のピント位置を前後に振ってコントラストがピークを示すエッジを抽出している。そのため、撮影レンズ12の合焦距離に位置する被写体エッジを正確に検出し、その被写体を示すマスクデータを精密に生成することができる。
【0044】
《実施形態の補足事項》
上述した実施形態では、電子カメラ11の撮像動作に際して、画像データからマスクデータを生成している。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、連写速度を向上させるため、レリーズ操作が連続する場合には、次コマの撮像動作を優先させ、撮像動作を完了した後にマスクデータの生成を一括して実施してもよい。
【0045】
また、上述した実施形態では、マスクデータを使って、部分画像を生成したり、背景画像とのマスク合成などを実施している。しかしながら、本発明のマスク処理はこれに限定されるものではない。例えば、マスクデータを使って、画像データ中の非合焦部分を更にぼかすことにより、擬似的に被写界深度の浅い画像データを作成してもよい。
【0046】
なお、上述した実施形態では、合焦距離の距離条件に該当する画面領域を選別して、マスクデータを生成している。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、撮影レンズ12のピントを所望の距離条件に合わせた上で画像データを撮像し、この画像データの合焦範囲からマスクデータを作成してもよい。この場合、所望の距離条件に該当するマスクデータを生成することができる。このマスクデータを、別にピント合わせした画像データに作用させることにより、所望の距離条件に該当する画面領域のみ選択的に画像処理を施すことが可能になる。
【0047】
また、上述した実施形態では、マスクデータを画像データのαチャンネルに格納している。しかしながら、本発明におけるマスクデータの格納場所は、αチャンネルに限定されない。例えば、画像データ内のアプリケーションセグメントエリアにマスクデータを格納してもよい。また例えば、画像データとマスクデータとを別々にファイル記録してもよい。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、画像データ中から合焦範囲または所望の距離条件を満足する画面領域を選別して、マスクデータを生成する。したがって、形の一定しない不定形な被写体に対しても、マスクデータを適切に生成することが可能になる。
特に、本発明を電子カメラに適用した場合には、撮像時の合焦状況や合焦距離を参照することにより、一段と正確なマスクデータを生成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における電子カメラ11の構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態の動作を説明する流れ図である。
【図3】局所演算によるコントラスト算出の一例を説明する図である。
【図4】マスクデータの生成過程を示すための中間調画像のモニタ写真である。
【図5】マスクデータの生成過程を示すための中間調画像のモニタ写真である。
【図6】第2の実施形態の動作を説明する流れ図である。
【符号の説明】
11 電子カメラ
12 撮影レンズ
13 撮像素子
15 A/D変換部
16 信号処理部
17 バッファメモリ
18 バス
19 画像処理部
20 記録部
21 メモリカード
22 マイクロプロセッサ
22a スイッチ群
25 モニタ表示部
27 外部インターフェース
28 焦点調整モータ
Claims (7)
- 被写界の光像を撮像し、画像データを生成する撮像部と、
前記画像データについて合焦範囲を検出し、前記合焦範囲の画面領域を選別する合焦検出部と、
前記画面領域を示すマスクデータを生成するマスク生成部と、
前記画像データと前記マスクデータとを記録または出力するインターフェース部と
を備えたことを特徴とする電子カメラ。 - 被写界の光像を撮像し、画像データを生成する撮像部と、
前記被写界の距離情報を検出し、予め指定される距離条件に該当する画面領域を選別する距離検出部と、
前記画面領域を示すマスクデータを生成するマスク生成部と、
前記画像データと前記マスクデータとを記録または出力するインターフェース部と
を備えたことを特徴とする電子カメラ。 - 請求項1ないし請求項2のいずれか1項に記載の電子カメラにおいて、
ユーザー操作に基づいて、前記インターフェース部による前記マスクデータの記録動作、出力動作、および削除動作の少なくとも一つを制御する操作部を
備えたことを特徴とする電子カメラ。 - 被写界の光像を撮像し、画像データを生成する撮像部と、
前記画像データについて合焦範囲を検出し、前記合焦範囲の画面領域を選別する合焦検出部と、
前記画像データから前記画面領域に該当する部分画像を生成するマスク処理部と
を備えたことを特徴とする電子カメラ。 - 被写界の光像を撮像し、画像データを生成する撮像部と、
前記被写界の距離情報を検出し、予め指定される距離条件に該当する画面領域を選別する距離検出部と、
前記画面領域に該当する部分画像を生成するマスク処理部と
を備えたことを特徴とする電子カメラ。 - 請求項4ないし請求項5のいずれか1項に記載の電子カメラにおいて、
前記部分画像と別の画像データとを合成して、合成画像を生成する画像合成部
を備えたことを特徴とする電子カメラ。 - コンピュータを、
与えられた画像データについてコントラスト検出を行い、合焦範囲の画面領域を選別する合焦検出部と、
前記画面領域に基づいて前記画像データにマスク処理を実施するマスク処理部として機能させる画像処理プログラム。
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2002
- 2002-08-22 JP JP2002242133A patent/JP2004080709A/ja active Pending
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