JP2004070429A - 予測誤差を考慮した予測制御方法、その予測制御装置、その多軸制御方法、その多軸制御装置、その平行光調整方法、及びその平行光調整装置、その予測制御システム - Google Patents

予測誤差を考慮した予測制御方法、その予測制御装置、その多軸制御方法、その多軸制御装置、その平行光調整方法、及びその平行光調整装置、その予測制御システム Download PDF

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大島 久慶
Tarou Teru
照 太郎
Yusuke Taneda
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Abstract

【課題】相互作用が複雑な場合でも短時間で正確に協調条件を満たす状態に制御できる予測誤差を考慮した予測制御方法を得る。
【解決手段】相互作用を有する複数の制御要素を制御することにより、複数の制御対象をコントロールし、その協調条件が成立するようにする予測制御方法に関する。各制御要素制御量の制御対象への相互作用を考慮に入れ、各制御量を予測演算手段1で予測演算して求め、複数有る制御要素の制御量を制御し、制御対象4の制御状態を検出し、その検出結果が協調条件を満足するようにすることを特徴とする。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、予測誤差を考慮した予測制御方法、その予測制御装置、その多軸制御方法、その多軸制御装置、その平行光調整方法、及びその平行光調整装置、その予測制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
調整の中には複数の制御要素を制御し、複数の制御対象をコントロールし協調条件を成立させるような調整がある。このような調整では、複数有る制御要素を順番に制御し制御対象が目標の協調条件に収束するように制御を繰り返す方法が一般的である。このような繰り返し制御の場合、協調条件が成立するまで複数の制御要素を順番に動かし、その時の制御対象の状態により再び調整する制御要素を判断し制御するという作業を繰り返して協調条件を探していく。このため繰り返し制御では、時間がかかり、調整時間が長くなるという問題がある。この問題を解決するために協調条件を予測演算し制御要素をその条件に制御することで調整を短時間で行うことが考えられている。
【0003】
従来、投影露光装置の投影光学系を調整するものとして、特開2000−47103公報の「投影光学系の調整方法」が知られている。
この調整方法は、原版上のパターンの像を基板上の感光剤上に形成するための投影光学系を調整する方法において、投影光学系を通過する放射の波面を測定する工程と、波面の測定データと投影光学系の調整量とに基づいて投影光学系の結像シミュレーションを行って結像評価量を求め、結像評価量が予め定められた範囲内に追い込まれたときの調整量を算出する工程と、算出された調整量に基づいて投影光学系を調整する工程とを備えることで投影光学系の調整作業効率を上げるものである。
【0004】
また、従来、騒音制御装置の制御音をコントロールするためのマップ情報を決定するシステムとして、特開平8−177453号公報の「騒音制御装置」が知られている。
この騒音制御装置は、騒音を制御する制御音を出力するための複数のアクチュエータと、制御音の位相制御、振幅制御を行うために位相量、振幅量を、エンジン回転数、負荷をパラメータとして記憶するマップ情報、このマップ情報に従って各複数のアクチュエータに制御波形信号を形成するコントローラと、制御結果を評価する評価点に配置された複数の評価点マイクロフォンと、エンジン回転次数比トラッキング分析を行う周波数分析部と、複数のアクチュエータから出力される制御音間の相互作用を考慮して、各評価点における車両騒音とアクチュエータの単独出力とのエンジン回転次数比トラッキングを行った結果を基に制御結果の予測を行い、複数の評価点の騒音音圧を同時に目標音圧に近づける制御音の位相量及び振幅量を決定しマップ情報にすることで容易に騒音制御に使用するマップ情報を決定するというものである。
【0005】
この従来例によれば、エンジン回転数と負荷をパラメータとして各評価点で測定した車両騒音測定結果と疑似エンジン回転数を用いて位相量、振幅量をパラメータとして各アクチュエータ単独の制御音の評価点での測定結果から、騒音制御時の制御音の評価点への到達音を重ね合わせにより予測する。位相量、振幅量を変化して目的関数が最低になったときの位相量、振幅量をエンジン回転数と負荷をパラメータとしたマップ情報として記録することで複数のアクチュエータの相互作用を考慮したマップ情報を作成することができる。実際に騒音制御する際には、エンジン回転数と負荷に従ってマップ情報から位相量、振幅量の情報を取り出しアクチュエータで最適な制御音を発生させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開2000−47103公報に開示された調整では、明示されていないが複数の制御要素で複数の制御対象を一度にコントロールしようとした場合、各制御要素制御量の相互作用を考慮に入れた制御量のコントロールが必要となる。また相互作用が複雑になった場合や収束条件が厳しくなった場合、シミュレーションでの制御量予測では相互作用を十分考慮することが困難な場合(実特性とシミュレーションとの誤差がある)が多く、収束点付近で調整を何回も繰り返し、調整時間が長くなるという問題がある。
【0007】
また、特開平8−177453号公報に開示された例では、実際に騒音を制御する際にはその時のエンジン回転数と負荷データに従って予め作成されたマップ情報からその条件の位相量、振幅量を取り出しアクチュエータで制御音を発生させるため、マップを作成した時と実際の騒音の状態に誤差が生じた場合、最適な騒音制御が出来ない場合が発生するという問題点がある。
【0008】
そこで、本発明は、複数の制御要素を制御したことによる複数の制御対象への相互作用を考慮に入れた予測演算手段を設け、複数ある制御要素の制御量を予測演算し、一度に制御対象が協調条件を満たす状態にコントロールすることで、相互作用が複雑な場合でも短時間で正確に協調条件を満たす状態に制御できる、予測誤差を考慮した予測制御方法、その予測制御装置、その多軸制御方法、その多軸制御装置、その平行光調整方法、及びその平行光調整装置、その予測制御システムを提供することをその目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
相互作用を考慮しないで制御した場合、或る制御対象を制御するためそれをコントロールできる制御要素の制御量を調整すると制御しようとした制御対象は最適な状態にコントロールされるが、別の制御対象が相互作用の影響で最適な状態からずれてしまう。ずれた制御対象を最適な状態にするためそれをコントロールできる制御要素の制御量を調整すると前に最適な状態にした制御対象が相互作用の影響でずれてしまう。このような相互作用の影響による制御の繰り返しは制御要素、制御対象の数が増えるほど、相互作用が複雑になるほど、収束条件が厳しくなるほどひどくなり、調整にかかる時間が長くなってしまう。相互作用を考慮に入れた状態で複数ある制御要素の制御量をすべて求め、制御要素を一度に制御することで、相互作用の影響による制御の繰り返しを防ぐことが可能となり、短時間に協調条件を満たす状態にすることが可能となる。
【0010】
また、制御装置内に検出手段を持つことにより制御時の特性が変化した場合や、予測演算手段、予測用モデルと実特性に差が有る場合でも、予測した制御量による制御対象、中間制御対象の制御状態を確認し、収束条件の許容範囲に無い時は再度その状態で制御要素の制御量を予測演算し、制御要素を制御することを繰り返すことで、制御対象が協調条件を満たす状態に近づけていき、最終的に収束条件の許容範囲に入れることができる。この場合でも、相互作用を考慮に入れた予測演算を行い、複数ある制御要素の制御量を予測することで、相互作用を考慮に入れない繰り返し制御に比べ少ない繰り返し回数で収束させることが可能である。
【0011】
そこで、上記目的を達成するために請求項1の発明は、相互作用を有する複数の制御要素を制御することにより、複数の制御対象をコントロールし、その協調条件が成立するようにする予測制御方法において、各制御要素制御量の制御対象への相互作用を考慮に入れ、各制御量を予測演算手段で予測演算して求め、複数有る制御要素の制御量を制御し、制御対象の制御状態を検出し、その検出結果が協調条件を満足するようにすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0012】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、前記複数ある制御要素の制御量の相互作用によりコントロールされる複数の中間制御対象をコントロールすることで最終制御対象が協調条件を成立させる場合に、最終制御対象が協調条件を満たすように中間制御対象の状態を決定し、更にその中間制御対象の状態を成立させるように、複数ある制御要素の制御量を予測演算手段で演算し求めて制御することで、中間制御対象及び最終制御対象が共に協調条件を満足するようにすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0013】
また、請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、複数ある制御要素の制御量を予測手段により予測し、予測点へと制御要素を制御することを繰り返し行って、中間制御対象及び最終制御対象が共に協調条件を満足するようにすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0014】
また、請求項4の発明は、請求項1に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象の特性データを基に、相互作用のある制御要素の制御量をパラメータとして制御対象の目標値からの誤差量を表した誤差曲面モデルを用いて、各制御要素の制御量を予測演算手段で演算し求めることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0015】
また、請求項5の発明は、請求項2又は3に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象又は中間制御対象の特性データを基に、相互作用のある制御要素の制御量をパラメータとして制御対象又は中間制御対象の目標値からの誤差量を表した誤差曲面モデルを用いて、各制御要素の制御量を予測演算手段で演算し求めることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0016】
また、請求項6の発明は、請求項4に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、複数の制御要素の制御量と複数の制御対象の特性データから作成した複数の誤差曲面モデルを1空間に表すことで、複数の制御対象間の相互作用を表現し、それを用いて各制御要素の制御量を予測演算手段で演算し求めることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0017】
また、請求項7の発明は、請求項5に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、複数の制御要素の制御量と複数の制御対象又は中間制御対象の特性データから作成した複数の誤差曲面モデルを1空間に表すことで、複数の制御対象間又は複数の中間制御対象間の相互作用を表現し、それを用いて各制御要素の制御量を予測演算手段で演算し求めることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0018】
また、請求項8の発明は、請求項4又は5に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、収束点に近づくにつれて予測誤差が小さくなるよう分布を持たせたモデルを用いて、各制御要素の制御量を予測演算手段で演算し求めることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0019】
また、請求項9の発明は、請求項4又は5に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、誤差曲面モデルと各サンプルの実特性の差をモデルの制御量軸方向の誤差とみなしてモデルを制御量軸方向にシフトさせ予測演算をすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0020】
また、請求項10の発明は、請求項4又は5に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、
制御要素の制御量をX,Y,…Z、
誤差曲面モデル関数をGn(X,Y,…Z)、ただしnは制御対象の数に依存、
G1=G2=…=Gn=0を満たす点を(Xm,Ym,…Zm)、
実特性関数をFn(X,Y,…Z)、ただしnは制御対象の数に依存、
F1=F2=…=Fn=0を満たす点を(Xa,Ya,…Za)とすると、
|Gn(2X+Xm,2Y+Ym,…,2Z+Zm)|>|Fn(X+Xa, Y+Ya,…, Z+Za)|
を全ての対象サンプルで満たす範囲でつくられた誤差曲面モデルを用いて、各制御要素の制御量を予測演算手段で演算し求めることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0021】
また、請求項11の発明は、請求項6に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、複数の制御対象の初期誤差量測定値で対応する誤差曲面モデルをカットした際の交差曲線を制御要素の制御量平面上に重ね合わせ、その交差曲線の交点又は囲まれる領域、又は領域の重心点又は交点の平均点を制御要素の初期制御状態とすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0022】
また、請求項12の発明は、請求項7に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、複数の制御対象又は中間制御対象の初期誤差量測定値で対応する誤差曲面モデルをカットした際の交差曲線を制御要素の制御量平面上に重ね合わせ、その交差曲線の交点、囲まれる領域、領域の重心点又は交点の平均点を制御要素の初期制御状態とすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0023】
また、請求項13の発明は、請求項6に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、複数の制御対象の収束条件範囲で対応する誤差曲面モデルをカットした際の交差領域を制御要素の制御量平面上に重ね合わせ、その交差領域が交わった領域を制御要素の目標制御状態とすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0024】
また、請求項14の発明は、請求項7に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、複数の制御対象又は中間制御対象の収束条件範囲で対応する誤差曲面モデルをカットした際の交差領域を制御要素の制御量平面上に重ね合わせ、その交差領域が交わった領域を制御要素の目標制御状態とすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0025】
また、請求項15の発明は、請求項6に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、複数の制御対象の収束条件中心値で対応する誤差曲面モデルをカットした際の交差曲線を制御要素の制御量平面上に重ね合わせ、その交差曲線の交点、囲まれる領域、囲まれる領域の重心点又は交点の平均点を制御要素の目標制御状態とすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0026】
また、請求項16の発明は、請求項7に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、複数の制御対象又は中間制御対象の収束条件中心値で対応する誤差曲面モデルをカットした際の交差曲線を制御要素の制御量平面上に重ね合わせ、その交差曲線の交点、囲まれる領域、囲まれる領域の重心点又は交点の平均点を制御要素の目標制御状態とすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0027】
また、請求項17の発明は、請求項6に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、請求項11の方法で複数の制御対象の初期誤差量測定値から求めた制御要素の初期制御状態(交点、交点の平均点又は重心点)と、請求項15の方法で複数の制御対象の収束条件中心値から求めた制御要素の目標制御状態(交点、交点の平均点又は重心点)との距離から各制御要素の予測制御量を決定することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0028】
また、請求項18の発明は、請求項7に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、請求項12の方法で複数の制御対象又は中間制御対象の初期誤差量測定値から求めた制御要素の初期制御状態(交点、交点の平均点又は重心点)と、請求項16の方法で複数の制御対象又は中間制御対象の収束条件中心値から求めた制御要素の目標制御状態(交点、交点の平均点又は重心点)との距離から各制御要素の予測制御量を決定することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0029】
また、請求項19の発明は、請求項6に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、請求項11の方法で複数の制御対象の初期誤差量測定値から求めた制御要素の初期制御状態(交点、交点の平均点又は重心点)と、請求項13又は請求項15の方法で複数の制御対象の収束条件範囲または収束条件中心値から求めた制御要素の目標制御状態(領域)の最短距離を各制御要素の予測制御量として決定することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0030】
また、請求項20の発明は、請求項7に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、請求項12の方法で複数の制御対象又は中間制御対象の初期誤差量測定値から求めた制御要素の初期制御状態(交点、交点の平均点又は重心点)と、請求項14又は請求項16の方法で複数の制御対象又は中間制御対象の収束条件範囲または収束条件中心値から求めた制御要素の目標制御状態(領域)の最短距離を各制御要素の予測制御量として決定することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0031】
また、請求項21の発明は、請求項6に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、請求項11の方法で複数の制御対象の初期誤差量測定値から求めた制御要素の初期制御状態(領域)と、請求項13又は15の方法で複数の制御対象の収束条件範囲または収束条件中心値から求めた制御要素の目標制御状態(領域)の重なる面積が最大となる最短距離を各制御要素の予測制御量として決定することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0032】
また、請求項22の発明は、請求項7に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、請求項12の方法で複数の制御対象又は中間制御対象の初期誤差量測定値から求めた制御要素の初期制御状態(領域)と、請求項14又は16の方法で複数の制御対象又は中間制御対象の収束条件範囲または収束条件中心値から求めた制御要素の目標制御状態(領域)の重なる面積が最大となる最短距離を各制御要素の予測制御量として決定することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0033】
また、請求項23の発明は、請求項4に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、制御対象の実特性の情報により誤差曲面モデルを変化させ、そのモデルを用いて予測演算をすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0034】
また、請求項24の発明は、請求項5に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、制御対象又は中間制御対象の実特性の情報により誤差曲面モデルを変化させ、そのモデルを用いて予測演算をすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0035】
また、請求項25の発明は、請求項23に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の初期状態での制御対象の実特性情報と基準の誤差曲面モデルにより初回の予測制御を行い、その各制御要素の制御状態での制御対象の実特性情報と初期状態での制御対象の実特性情報とを考慮して基準の誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより次の予測制御を行い、これを繰り返すことにより全ての制御要素を協調条件が満足する状態にさせることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0036】
また、請求項26の発明は、請求項24に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の初期状態での制御対象又は中間制御対象の実特性情報と基準の誤差曲面モデルにより初回の予測制御を行い、その各制御要素の制御状態での制御対象又は中間制御対象の実特性情報と初期状態での制御対象又は中間制御対象の実特性情報とを考慮して基準の誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより次の予測制御を行い、これを繰り返すことにより全ての制御要素を協調条件が満足する状態にさせることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0037】
また、請求項27の発明は、請求項23に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の初期状態での実特性情報と基準の誤差曲面モデルにより初回の予測制御を行い、その予測点への制御途中に制御対象の実特性情報を取得し、取得した制御途中の実特性情報と初期位置での実特性情報とを考慮して基準の誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより次の予測制御を行い、これを繰り返すことにより全ての制御要素を協調条件が満足する状態にさせることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0038】
また、請求項28の発明は、請求項24に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の初期状態での実特性情報と基準の誤差曲面モデルにより初回の予測制御を行い、その予測点への制御途中に制御対象又は中間制御対象の実特性情報を取得し、取得した制御途中の実特性情報と初期位置での実特性情報とを考慮して基準の誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより次の予測制御を行い、これを繰り返すことにより全ての制御要素を協調条件が満足する状態にさせることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0039】
また、請求項29の発明は、請求項23に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の初期状態付近での制御対象の実特性情報により、基準の誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより次の予測制御を行うことにより全ての制御要素を協調条件が満足する状態にさせることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0040】
また、請求項30の発明は、請求項24に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の初期状態付近での制御対象又は中間制御対象の実特性情報により、基準の誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより次の予測制御を行うことにより全ての制御要素を協調条件が満足する状態にさせることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0041】
また、請求項31の発明は、請求項4に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象の特性データから誤差曲面モデルを作る際に、複数のモデルを作り、モデル切り換え手段でモデルを切り換え、各制御要素の制御量を予測演算することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0042】
また、請求項32の発明は、請求項5に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象又は中間制御対象の特性データから誤差曲面モデルを作る際に、複数のモデルを作り、モデル切り換え手段でモデルを切り換え、各制御要素の制御量を予測演算することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0043】
また、請求項33の発明は、請求項31に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象の特性データから複数の誤差曲面モデルを作る際に、予測点付近の狭範囲モデルと、広範囲モデルを作り、初期調整時に広範囲モデルを用いて各制御要素の制御量を予測演算し、狭範囲モデル範囲に入った時点で狭範囲モデルに切り換え、各制御要素の制御量を予測演算することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0044】
また、請求項34の発明は、請求項32に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象又は中間制御対象の特性データから複数の誤差曲面モデルを作る際に、予測点付近の狭範囲モデルと、広範囲モデルを作り、初期調整時に広範囲モデルを用いて各制御要素の制御量を予測演算し、狭範囲モデル範囲に入った時点で狭範囲モデルに切り換え、各制御要素の制御量を予測演算することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0045】
また、請求項35の発明は、請求項31に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象の特性データから複数の誤差曲面モデルを作る際に、特性データの傾きの変わる極部分で分割したモデルを用い、そのモデルを切り換え、各制御要素の制御量を予測演算することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0046】
また、請求項36の発明は、請求項32に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象又は中間制御対象の特性データから複数の誤差曲面モデルを作る際に、特性データの傾きの変わる極部分で分割したモデルを用い、そのモデルを切り換え、各制御要素の制御量を予測演算することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0047】
また、請求項37の発明は、請求項1に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素にある制御量を入力制御した際の制御対象又は中間制御対象の変化データ(初期データ収集結果)を予測演算手段に加えて、各制御要素の制御量を予測演算することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0048】
また、請求項38の発明は、請求項2又は3に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素にある制御量を入力制御した際の制御対象又は中間制御対象の変化データを予測演算手段に加えて、各制御要素の制御量を予測演算することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0049】
また、請求項39の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、予測誤差認識手段を設け、予測誤差が大きいと判断された場合は、予測演算の精度の高い部分に一度各制御要素を制御した後に、再び各制御要素の制御量を予測演算することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0050】
また、請求項40の発明は、請求項39に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象の変化の関係から制御要素の重みづけを行い、初期データ収集時に各制御要素の制御量を重みづけに従い決めることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0051】
また、請求項41の発明は、請求項39に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象又は中間制御対象の変化の関係から制御要素の重みづけを行い、初期データ収集時に各制御要素の制御量を重みづけに従い決めることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0052】
また、請求項42の発明は、請求項39に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象の変化の関係を測定し、そのデータをもとに制御要素の重みづけを行う重みづけ手段を持ち、初期データ収集時に各制御要素の制御量を重み付け手段の重みづけ結果に従い決めることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0053】
また、請求項43の発明は、請求項39に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象又は中間制御対象の変化の関係を測定し、そのデータをもとに制御要素の重みづけを行う重みづけ手段を持ち、初期データ収集時に各制御要素の制御量を重み付け手段の重みづけ結果に従い決めることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0054】
また、請求項44の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、予測演算手段を複数持ち、予測演算選択手段で複数ある予測演算手段を切り換えることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0055】
また、請求項45の発明は、相互作用を有する複数の制御要素を制御することにより、複数の制御対象をコントロールし、その協調条件が成立するようにする予測制御装置において、各制御要素制御量の制御対象又は中間制御対象への相互作用を考慮に入れ、各制御要素の制御量を予測演算し求める予測演算手段を備えることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御装置である。
【0056】
また、請求項46の発明は、請求項45に記載の予測誤差を考慮した予測制御装置において、前記予測演算手段の中に、複数のモデル及びモデル切り換え手段、実特性の情報によりモデルを修正するモデル修正手段、複数の予測演算部及び予測演算選択手段及び初期データ収集時に各制御要素の制御量の重み付けを行う重み付け手段のいずれか1つを備えることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御装置である。
【0057】
また、請求項47の発明は、請求項1に記載の制御方法において、制御要素が複数の駆動手段の駆動量で、制御装置がその駆動量の相互作用により、制御対象をコントロールし、その協調条件を成立させる多軸制御装置である場合、各駆動手段駆動量の制御対象又は中間制御対象への相互作用を考慮に入れ、各駆動手段の駆動量を予測演算手段で演算し求め、複数有る駆動手段を駆動し協調条件を満足させることを特徴とする多軸制御方法である。
【0058】
また、請求項48の発明は、請求項2に記載の制御方法において、制御要素が複数の駆動手段の駆動量で、制御装置がその駆動量の相互作用により、制御対象又は中間制御対象をコントロールし、その協調条件を成立させる多軸制御装置である場合、各駆動手段駆動量の制御対象又は中間制御対象への相互作用を考慮に入れ、各駆動手段の駆動量を予測演算手段で演算し求め、複数有る駆動手段を駆動し協調条件を満足させることを特徴とする多軸制御方法である。
【0059】
また、請求項49の発明は、請求項48に記載の多軸制御方法において、複数ある駆動手段の駆動量を予測手段により予測し、予測点へと駆動手段を駆動することを繰り返し行って、中間制御対象、最終制御対象とも協調条件を満足させることを特徴とした多軸制御方法である。
【0060】
また、請求項50の発明は、請求項47に記載の多軸制御方法において、各駆動手段の駆動量を予測演算し求める予測演算手段の中に相互作用のある駆動手段の駆動量をパラメータとして、その相互作用により制御される制御対象の目標値からの誤差量を表した誤差曲面モデルを備え、それを用いて各駆動手段の駆動量を予測演算し求めることを特徴とする多軸制御方法である。
【0061】
また、請求項51の発明は、請求項48に記載の多軸制御方法において、各駆動手段の駆動量を予測演算し求める予測演算手段の中に相互作用のある駆動手段の駆動量をパラメータとして、その相互作用により制御される制御対象又は中間制御対象の目標値からの誤差量を表した誤差曲面モデルを備え、それを用いて各駆動手段の駆動量を予測演算し求めることを特徴とする多軸制御方法である。
【0062】
また、請求項52の発明は、請求項50又は51に記載の多軸制御方法において、誤差曲面モデルで表現されている相互作用が複数の駆動軸の軸干渉であることを特徴とする多軸制御方法である。
【0063】
また、請求項53の発明は、請求項45に記載の制御装置において、複数の制御要素が複数の駆動手段で、各駆動手段の駆動量の制御対象又は中間制御対象への相互作用を考慮に入れ、協調条件が満足する各駆動手段の駆動量を予測演算し求める予測演算手段を備えることを特徴とする多軸制御装置である。
【0064】
また、請求項54の発明は、請求項53に記載の多軸制御装置において、予測演算手段の中に複数のモデルとモデル切り換え手段、実特性の情報によりモデルを修正するモデル修正手段、複数の予測演算手段と予測演算選択手段、初期データ収集時に各制御要素の制御量の重み付けを行う重み付け手段のいずれか1つを備えることを特徴とする多軸制御装置である。
【0065】
また、請求項55の発明は、請求項47又は48に記載の多軸制御方法において、制御装置が光源から出射された光束をコリメートレンズで略平行光にしビーム整形手段を通し検出系へと導き、検出系内の検出レンズで集光束にした光束の非点収差検出結果をもとに両レンズを駆動手段で駆動し、ビーム整形手段後の光束の非点収差が最小となるように調整する平行光調整装置で、制御対象である非点収差が最小となるコリメートレンズ、検出レンズ位置を予測演算手段で演算し、制御要素である両レンズを駆動手段により駆動することを特徴とする平行光調整方法である。
【0066】
また、請求項56の発明は、請求項55に記載の平行光調整方法において、コリメートレンズの駆動量により主にコントロールされる非点収差検出信号CL%と、検出レンズの駆動量により主にコントロールされる非点収差検出信号DL% という複数の中間制御対象が有り、それらが条件を満たすように両レンズの位置を予測演算手段で演算し駆動することで最終制御対象の非点収差が最小になるように調整することを特徴とする平行光調整方法である。
【0067】
また、請求項57の発明は、請求項55又は56に記載の平行光調整方法において、制御対象である非点収差が最小となるコリメートレンズ、検出レンズ位置を予測演算手段で演算し、制御要素である両レンズを駆動手段により駆動する制御を繰返し行うことにより非点収差が最小になるように両レンズ位置を調整することを特徴とする平行光調整方法である。
【0068】
また、請求項58の発明は、請求項55又は56に記載の平行光調整方法において、予測演算手段の中にコリメートレンズ、検出レンズの駆動量をパラメータに、その相互作用により制御される光束の非点収差又は非点収差の検出信号の目標値からの誤差量を表した誤差曲面モデルを備え、それを用いて両レンズ位置を予測演算手段で演算し求めることを特徴とする平行光調整方法である。
【0069】
また、請求項59の発明は、請求項58に記載の平行光調整方法において、コリメートレンズ、検出レンズの駆動量と光束の非点収差又は複数の非点収差検出信号の特性データから作成した複数の誤差曲面モデルを1空間に表すことで複数の非点収差検出信号間の相互作用を表現し、それを用いて両レンズ駆動量を予測演算手段で予測演算し求めることを特徴とする平行光調整方法である。
【0070】
また、請求項60の発明は、請求項58に記載の平行光調整方法において、非点収差が最小の光束を得られるレンズ位置に近いほど、その位置を予測する誤差が小さくなるよう分布を持たせた誤差曲面モデルを用いて両レンズ駆動量を予測演算手段で予測演算し求めることを特徴とする平行光調整方法である。
【0071】
また、請求項61の発明は、請求項58に記載の平行光調整方法において、コリメータレンズ誤差曲面モデルをCL誤差曲面モデル、検出レンズ誤差曲面モデルをDL誤差曲面モデルとしたとき、CL誤差曲面モデル及びDL誤差曲面モデルと実特性であるレンズ位置に対する非点収差検出信号との差をレンズ絶対位置の誤差とみなしてモデルをレンズ駆動軸方向にシフトさせ予測演算することを特徴とする平行光調整方法である。
【0072】
また、請求項62の発明は、請求項58に記載の平行光調整方法において、
制御要素をCLp(CL位置)、DLp(DL位置)とし、
中間制御対象を光束の非点収差検出信号CL% 、DL% とし、
CL誤差曲面モデルをGcl(CLp, DLp)とし、
DL誤差曲面モデルをGdl(CLp, DLp)とし、Gcl(CLp, DLp)、Gdl(CLp, DLp)、誤差0平面の交点を(CLPTM、DLPTM)とし、
CLp 、DLp に対するCL% の実特性を誤差空間に表したものFcl(CLp, DLp)とし、CLp 、DLp に対するDL%の実特性を誤差空間に表したものFdl(CLp, DLp)とし、
Fcl(CLp,DLp)、Fdl(CLp,DLp)、誤差0平面の交点を(CLPTA、DLPTA)とすると、
|Gcl(2CLp+CLPTM , 2DLp+ DLPTM)|>|Fcl(CLp+ CLPTA, DLp+ DLPTA)|
|Gdl(2CLp+CLPTM , 2DLp+ DLPTM)|>|Fdl(CLp+ CLPTA, DLp+ DLPTA)|
を全ての対象サンプルのFcl(CLp,DLp)、Fdl(CLp,DLp)で満たす範囲でつくられた誤差曲面モデルGcl(CLp,DLp)、Gdl(CLp,DLp)を用いて両レンズ駆動量を予測演算手段で予測演算し求めることを特徴とする平行光調整方法である。
【0073】
また、請求項63の発明は、請求項59に記載の平行光調整方法において、非点収差検出信号CL%、DL%の初期誤差量測定値で対応する誤差曲面モデル(CL誤差曲面モデル、DL誤差曲面モデル)をカットした際の交差曲線をコリメートレンズ、検出レンズの駆動量平面上に重ね合わせ、その交差曲線の交点をコリメートレンズ、検出レンズの初期駆動状態とすることを特徴とする平行光調整方法である。
【0074】
また、請求項64の発明は、請求項59に記載の平行光調整方法において、非点収差検出信号CL%、DL%の収束条件範囲で対応する誤差曲面モデル(CL誤差曲面モデル、DL誤差曲面モデル)をカットした際の交差領域をコリメートレンズ、検出レンズの駆動量平面上に重ね合わせ、その交差領域が交わった領域をコリメートレンズ、検出レンズの目標駆動状態とすることを特徴とする平行光調整方法である。
【0075】
また、請求項65の発明は、請求項59に記載の平行光調整方法において、非点収差検出信号CL%、DL%の収束条件中心値で対応する誤差曲面モデル(CL誤差曲面モデル、DL誤差曲面モデル)をカットした際の交差曲線をコリメートレンズ、検出レンズの駆動量平面上に重ね合わせ、その交差曲線の交点をコリメートレンズ、検出レンズの目標駆動状態とすることを特徴とする平行光調整方法である。
【0076】
また、請求項66の発明は、請求項59に記載の平行光調整方法において、請求項63の方法で求めたコリメートレンズ、検出レンズの初期駆動状態(交点)と、請求項65の方法で求めたコリメートレンズ、検出レンズの目標駆動状態(交点)の距離からコリメートレンズ、検出レンズの予測駆動量を決定することを特徴とする平行光調整方法である。
【0077】
また、請求項67の発明は、請求項59に記載の平行光調整方法において、請求項63の方法で求めたコリメートレンズ、検出レンズの初期駆動状態(交点)と、請求項64の方法で求めたコリメートレンズ、検出レンズの目標駆動状態(領域)の最短距離をコリメートレンズ、検出レンズの予測駆動量として決定することを特徴とする平行光調整方法である。
【0078】
また、請求項68の発明は、請求項58に記載の平行光調整方法において、非点収差検出信号実特性を取得し、それによりCL、DL誤差曲面モデルを変化させ、その修正されたモデルにより非点収差が最小の光束を実現するレンズ位置を予測し、制御することを特徴とする平行光調整方法である。
【0079】
また、請求項69の発明は、請求項68に記載の平行光調整方法において、コリメートレンズ、検出レンズの初期位置での非点収差検出信号CL%, DL%と基準となるCL、DL誤差曲面モデルにより初回の予測制御を行い、その状態での非点収差検出信号と、初期位置での非点収差検出信号の値を考慮して基準の誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより次の予測制御を行い、これを繰り返すことにより両レンズ位置を非点収差が最小の光束になる位置にすることを特徴とする平行光調整方法である。
【0080】
また、請求項70の発明は、請求項68に記載の平行光調整方法において、コリメートレンズ、検出レンズの初期位置での非点収差検出信号CL%, DL%と基準となるCL、DL誤差曲面モデルにより初回の予測制御を行い、その予測点へコリメートレンズ、検出レンズを移動中に、非点収差検出信号CL%, DL%を取得し、取得した移動途中の非点収差検出信号と初期位置での非点収差検出信号とを考慮して基準の誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより次の予測制御を行い、これを繰り返すことにより両レンズ位置を非点収差が最小の光束になる位置にすることを特徴とする平行光調整方法である。
【0081】
また、請求項71の発明は、請求項68に記載の平行光調整方法において、コリメートレンズ、検出レンズの初期位置での非点収差検出信号CL%, DL%により、基準となるCL、DL誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより非点収差が最小の光束を得るレンズ位置を予測制御して、両レンズ位置を非点収差が最小の光束になる位置にすることを特徴とする平行光調整方法である。
【0082】
また、請求項72の発明は、請求項58に記載の制御方法において、各レンズの駆動量と光束の非点収差又は非点収差の検出信号の特性データから誤差曲面モデルを作る際に、複数のモデルを作り、モデル切り換え手段でモデルを切り換え、予測演算手段で両レンズ駆動量を予測演算することを特徴とする平行光調整方法である。
【0083】
また、請求項73の発明は、請求項72に記載の平行光調整方法において、複数の誤差曲面モデルを作る際に、非点収差が最低となる点付近の狭範囲モデルと、広範囲モデルを作り、初期調整時に広範囲モデルを用いてコリメートレンズ、検出レンズの駆動量を予測演算し、狭範囲モデル範囲に入った時点で狭範囲モデルに切り換え両レンズ駆動量を予測演算することを特徴とする平行光調整方法である。
【0084】
また、請求項74の発明は、請求項73に記載の平行光調整方法において、複数の誤差曲面モデルを作る際に、特性データの傾きの変わる極部分で分割したモデルを用い、そのモデルを切り換え、予測演算手段で両レンズ駆動量を予測演算することを特徴とする平行光調整方法である。
【0085】
また、請求項75の発明は、請求項55〜57の何れかに記載の平行光調整方法において、コリメートレンズ、検出レンズをある駆動量だけ駆動した際の光束の非点収差又は非点収差検出信号の変化データを予測演算手段に加えて、両レンズ位置を予測演算手段で演算することを特徴とする平行光調整方法である。
【0086】
また、請求項76の発明は、請求項55〜57の何れかに記載の平行光調整方法において、予測誤差認識手段を設け、予測誤差が大きいと判断された場合は、予測演算の精度の高い部分に一度コリメートレンズ、検出レンズを移動した後に、再び非点収差が最小となるコリメートレンズ、検出レンズ位置を予測演算することを特徴とする平行光調整方法である。
【0087】
また、請求項77の発明は、請求項76に記載の平行光調整方法において、各レンズの駆動量と非点収差検出信号の変化の関係から各レンズの重みづけを行っておき、初期データ収集時に各レンズの駆動量を重みづけに従い決定することを特徴とする平行光調整方法である。
【0088】
また、請求項78の発明は、請求項76に記載平行光調整方法において、各レンズの駆動量と非点収差検出信号の変化の関係を測定し、そのデータをもとに各レンズの重みづけを行う重みづけ手段を持ち、初期データ収集時に各レンズの駆動量を重み付け手段の重みづけ結果に従い決定することを特徴とする平行光調整方法である。
【0089】
また、請求項79の発明は、請求項56又は57に記載の平行光調整方法において、予測演算手段を複数持ち、予測演算選択手段で複数ある予測演算手段を切り換えることを特徴とする平行光調整方法である。
【0090】
また、請求項80の発明は、請求項54に記載の多軸制御装置で、制御装置が光源から出射された光束をコリメートレンズで略平行光にしビーム整形手段を通し検出系へと導き、検出系内の検出レンズで集光束にした光束の非点収差検出結果をもとに両レンズを駆動手段で駆動し、ビーム整形手段後の光束の非点収差が最小となるように調整する平行光調整装置で、最終制御対象である非点収差が最小となるコリメートレンズと検出レンズ位置を予測演算し求める予測演算手段を備えることを特徴とする平行光調整装置である。
【0091】
また、請求項81の発明は、請求項80に記載の平行光調整装置において、予測演算手段の中に複数のモデルを切り換えるモデル切り換え手段、実特性データによりモデルを修正するモデル修正手段、複数の予測演算手段を切り換える予測演算選択手段、初期データ収集時に各制御要素の制御量の重み付けを行う重み付け手段のいずれか1つを備えることを特徴とする平行光調整装置である。
【0092】
また、請求項82の発明は、相互作用を有する複数の制御要素を制御することにより、複数の制御対象をコントロールし、その協調条件が成立するようにする予測制御システムにおいて、各制御要素制御量の制御対象への相互作用を考慮に入れ、各制御量を予測演算手段で予測演算して求め、複数有る制御要素の制御量を制御し、制御対象の制御状態を検出し、その検出結果が協調条件を満足するようにすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御システムである。
【0093】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る一実施形態としての第1実施形態の予測誤差を考慮した予測制御装置の基本構成を示す図である。次に図1を参照して複数の制御要素の相互作用を考慮し制御対象を制御する制御装置の基本構成を説明する。なお、本明細書中において、CLはコリメートレンズ(collimate lens)、DLは検出レンズ(detective lens)、pは位置、cは現在(current)、T は目標(target)をそれぞれ示す。
【0094】
この制御装置は、複数の制御要素を制御する制御手段3と、複数の制御要素を制御することによってコントロール可能な制御対象4と、制御対象4を最適な状態にコントロールする際に各制御要素の制御量の相互作用を考慮に入れた予測演算を行う予測演算手段1と、求まった制御量を制御手段に出力する出力手段2、予測演算に必要な制御対象4の状態を検出する検出手段5から構成されている。
【0095】
図1中、x,y...は制御要素の制御量、f(x,y,...)は制御対象の検出結果で、それらを入力データとして予測演算手段に加える。Ax, Ay,...は予測演算式Gn(X,Y,…Z)(ただし、nは制御対象の数に依存、即ち制御対象の数だけ予測演算式が存在)で求めた各制御要素の制御量演算結果である。
【0096】
図2は、図1の予測制御装置の制御フローを説明するためのフローチャートである。
第1の発明は、相互作用を有する複数の制御要素を制御することにより、複数の制御対象をコントロールし、その協調条件が成立するようにする予測制御方法において、各制御要素制御量の制御対象への相互作用を考慮に入れ、各制御量を予測演算手段で予測演算して求め、複数有る制御要素の制御量を制御し、制御対象の制御状態を検出し、その検出結果が協調条件を満足するようにすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0097】
また、第82の発明は、相互作用を有する複数の制御要素を制御することにより、複数の制御対象をコントロールし、その協調条件が成立するようにする予測制御システムにおいて、各制御要素制御量の制御対象への相互作用を考慮に入れ、各制御量を予測演算手段で予測演算して求め、複数有る制御要素の制御量を制御し、制御対象の制御状態を検出し、その検出結果が協調条件を満足するようにすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御システムである。
【0098】
図2に示すように、第1の発明の制御方法では、各制御要素に出力手段を通じて出力されている制御量、検出手段で検出された制御対象のデータを取得し(S201)、予測演算手段に制御要素の制御量と制御対象のデータを入力し(S202)、制御対象への影響の相互作用を考慮に入れた各制御要素の制御量の予測演算を行い(S203)、演算された各制御要素への制御量を一度に出力して予測制御量を各制御要素に加え(S204)、制御対象を協調条件が成立するように制御する。
【0099】
図3は、図1の予測制御装置の予測演算内容を示すフローチャートである。
第2の発明は第1の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、前記複数ある制御要素の制御量の相互作用によりコントロールされる複数の中間制御対象をコントロールすることで最終制御対象が協調条件を成立させる場合に、最終制御対象が協調条件を満たすように中間制御対象の状態を決定し、更にその中間制御対象の状態を成立させるように、複数ある制御要素の制御量を予測演算手段で演算し求めて制御することで、中間制御対象及び最終制御対象が共に協調条件を満足するようにすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
【0100】
第3の発明は第1の発明又は第2の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、複数ある制御要素の制御量を予測手段により予測し、予測点へと制御要素を制御することを繰り返し行って、中間制御対象及び最終制御対象が共に協調条件を満足するようにすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0101】
第4の発明は第1の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象の特性データを基に、相互作用のある制御要素の制御量をパラメータとして制御対象の目標値からの誤差量を表した誤差曲面モデルを用いて、各制御要素の制御量を予測演算手段で演算し求めることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0102】
また、第4の発明は、第2の発明又は第3の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象又は中間制御対象の特性データを基に、相互作用のある制御要素の制御量をパラメータとして制御対象又は中間制御対象の目標値からの誤差量を表した誤差曲面モデルを用いて、各制御要素の制御量を予測演算手段で演算し求めることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0103】
予測演算方法としては、後で説明する第4の発明に示すような誤差曲面モデル(誤差曲面モデル)を使わない場合、図3のように制御対象の特性を制御要素の関数(f(x,y,...))として表し(予測関数)、現在の制御量での各制御要素の制御軸方向成分の傾き(例えばfX’(x,y,...),fY’(x,y,...))を求め(S301)、ニュートン法により繰り返し演算し、(制御対象の演算結果f(xn,yn,...)−制御対象の目標値)が収束条件以下になった場合、繰り返し演算をやめ(S302)、その時の各制御要素の制御量演算結果から現在の各制御要素の制御量を引いた差分(Ax, Ay,...)だけ各制御要素を出力(S303)して一度に制御すれば、複数の制御対象を協調条件が成立する状態に制御要素の相互作用を考慮して制御することができる。
【0104】
図4は、本発明に係る一実施形態としての第2実施形態の予測誤差を考慮した予測制御装置の基本構成を示す図である。
第2の発明では図4のように複数ある制御要素の制御量の相互作用によりコントロールされる複数の中間制御対象41を制御系中間に設け、その複数の中間制御対象(第1中間制御対象41、第2中間制御対象42、・・・)の状態を最終制御対象(出力)43が協調条件を成立するように決定し、更にその中間制御対象の状態を成立させる制御要素の制御量を予測演算手段1で予測演算し制御要素を制御することで、間接的に最終制御対象43を制御することができ全ての制御対象が協調条件を満足するようにすることができる。この様に中間制御対象を設け制御系を分割することで、相互作用が複雑な制御系でも容易に協調条件を満たす制御要素の制御量を予測することが可能となる。また、最終制御対象(出力)43が協調条件を成立するような複数の中間制御対象の状態を求める時に予測演算手段1での予測演算を用いても良い。
【0105】
図5は、図4の予測制御装置の制御フローを説明するためのフローチャートである。
予測演算手段により相互作用を考慮して制御対象、中間制御対象の協調条件が成立するように各制御要素の制御量を決定することで、複数の制御要素を協調条件が成立する状態に一度に制御することができるが、実際には予測関数、予測演算式で制御要素の制御量に対する制御対象、中間制御対象の変化特性を忠実に表現することは難しく、予測関数、予測演算式と実特性の違いにより予測誤差が発生する。第3の発明のように予測演算手段による予測と予測点への制御要素の制御を繰返し行うことで、予測誤差があり一度で協調条件を満たさない場合にも、より少ない繰り返し回数で協調条件が満足する状態に中間制御対象、最終制御対象を制御することが可能となる。
【0106】
即ち、図5に示すように、先ず、各制御要素の制御量、制御対象データ取得し(S501)、次に予測演算手段にデータを入力し(S502)、次に予測演算を行い(S503)、次に予測制御量を各制御要素に加え(S504)、次に制御対象データを取得し(S505)、次に収束条件を満足しているか判定し、満足していない場合にはステップS502に戻り、満足している場合には終了する。
【0107】
図6は、本発明に係る一実施形態としての第3実施形態の平行光調整装置の説明図である。
第47の発明は、第1の発明に記載の制御方法において、制御要素が複数の駆動手段の駆動量で、制御装置がその駆動量の相互作用により、制御対象をコントロールし、その協調条件を成立させる多軸制御装置である場合、各駆動手段駆動量の制御対象又は中間制御対象への相互作用を考慮に入れ、各駆動手段の駆動量を予測演算手段で演算し求め、複数有る駆動手段を駆動し協調条件を満足させることを特徴とする多軸制御方法である。
【0108】
また、第48の発明は、第2の発明に記載の制御方法において、制御要素が複数の駆動手段の駆動量で、制御装置がその駆動量の相互作用により、制御対象又は中間制御対象をコントロールし、その協調条件を成立させる多軸制御装置である場合、各駆動手段駆動量の制御対象又は中間制御対象への相互作用を考慮に入れ、各駆動手段の駆動量を予測演算手段で演算し求め、複数有る駆動手段を駆動し協調条件を満足させることを特徴とする多軸制御方法である。
【0109】
第49の発明は、第48の発明に記載の多軸制御方法において、複数ある駆動手段の駆動量を予測手段により予測し、予測点へと駆動手段を駆動することを繰り返し行って、中間制御対象、最終制御対象とも協調条件を満足させることを特徴とした制御方法である。
【0110】
第55の発明は、第47に記載の多軸制御方法において、制御装置が光源から出射された光束をコリメートレンズで略平行光にしビーム整形手段を通し検出系へと導き、検出系内の検出レンズで集光束にした光束の非点収差検出結果をもとに両レンズを駆動手段で駆動し、ビーム整形手段後の光束の非点収差が最小となるように調整する平行光調整装置で、制御対象である非点収差が最小となるコリメートレンズ、検出レンズ位置を予測演算手段で演算し、制御要素である両レンズを駆動手段により駆動することを特徴とする平行光調整方法である。
【0111】
第56の発明は、第55の発明に記載の平行光調整方法において、コリメートレンズの駆動量により主にコントロールされる非点収差検出信号CL%と、検出レンズの駆動量により主にコントロールされる非点収差検出信号DL% という複数の中間制御対象が有り、それらが条件を満たすように両レンズの位置を予測演算手段で演算し駆動することで最終制御対象の非点収差が最小になるように調整することを特徴とする平行光調整方法である。
【0112】
第57の発明は、第55の発明又は第56の発明に記載の平行光調整方法において、制御対象である非点収差が最小となるコリメートレンズ、検出レンズ位置を予測演算手段で演算し、制御要素である両レンズを駆動手段により駆動する制御を繰返し行うことにより非点収差が最小になるように両レンズ位置を調整することを特徴とする平行光調整方法である。
【0113】
第1の発明〜第3の発明の制御方法を多軸制御方法に適用したのが第47の発明〜49の発明の発明、平行光調整方法に適用したのが第55の発明〜第57の発明の発明になる。多軸制御の場合、制御要素が駆動手段の駆動量で、モータでボールスクリューを回転させステージ部を直線駆動する自動ステージや、圧電素子で変位を出すピエゾアクチュエータなどが駆動手段の具体的な例として考えられる。多軸制御の相互作用により制御される制御対象の例としては、複数の駆動軸の軸干渉考慮した多軸制御や、検出器位置を多軸調整する際の検出信号などが考えられる。
【0114】
以下の平行光調整方法及び平行光調整装置では制御要素が駆動手段で位置調整されるコリメートレンズ、検出レンズで、制御対象が平行光調整装置内の光束の非点収差である。光束の非点収差の検出結果を中間制御対象とすることが考えられる。
【0115】
平行光調整方法及び調整制御装置に適用した場合の装置構成を図6をもとに説明する。装置内には光源16から出射した光束を略平行光にするコリメートレンズ17、ビームの縦横比を整形するビーム整形手段18からなる光学系が有り、その先にビーム整形後の光束の非点収差が最小となっているか検出するための検出系が有る。ビーム整形手段18は、例えばビーム整形プリズム等から構成されている。非点収差の検出は検出レンズ19で光束を集光束にし、後で説明する検出手段へと導き行われる。コリメートレンズ17、検出レンズ19はそれぞれ駆動手段13に取り付けられており、コリメートレンズ位置、検出レンズ位置をそれぞれ調整できるようになっている。非点収差検出手段15からの非点収差検出信号をもとに制御対象であるビーム整形後の光束の非点収差が最小となるコリメートレンズ位置、検出レンズ位置を予測演算手段1で予測演算し求め、両レンズの駆動量を出力手段2を通じて駆動手段13に一度に出力する。図6には描かれていないがこの非点収差が最小となるように調整されたビーム整形後の光束は分岐されて光学部品の調整などに使用される。
【0116】
図7は、図6の平行光調整装置の非点収差検出手段を示す図である。
非点収差を検出する検出手段の例としては、図7に示すように集光束の集光点前後光束のビーム整形方向、非ビーム整形方向の長さを検出するため、CCDカメラ20等の計測機能の有る検出手段で測定することが考えられる。なお、図7中、符号21はビームスプリッタ、X1、X2はビームのX方向の長さ、Y1、Y2はビームのY方向の長さである。
【0117】
図8は、図6の平行光調整装置の非点収差検出手段の他の例を示す図である。なお、図8中、符号22は受光素子を示し、符号23は光束をビーム整形方向及び非ビーム整形方向にカットするスリットを示す。
図8に示すように集光点前後光束のビーム整形方向、非ビーム整形方向にカットした際の光量変化の微分値差信号から非点収差を検出する手段も考えられる。微分値の差信号を和信号で割った演算値を用い信号を正規化することで光源の光量の影響を少なくすることも考えられる。
CL%=(V1−V3)×100%/(V1+V3)、DL%=(V2−V4)×100%/(V2+V4)
V1=集光点前の光束をビーム整形方向にカットした際の光量変化微分値
V2=集光点前の光束を非ビーム整形方向にカットした際の光量変化微分値
V3=集光点後の光束をビーム整形方向にカットした際の光量変化微分値
V4=集光点後の光束を非ビーム整形方向にカットした際の光量変化微分値
【0118】
実際には、上記の計算式で求めたCL%、DL%という非点収差検出信号を用いて平行光調整を行うが、CL%、DL%という2つの非点収差検出信号を得ることで第56の発明に示すように、これら検出信号の組み合わせで非点収差が最小となる両レンズ位置に対して現在のレンズ位置がどのような状態になっているか正確に把握できるようになる。
【0119】
図9は、相互作用をモデル化した3次元モデルの説明図である。
第5の発明は、第2の発明又は第3の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象又は中間制御対象の特性データを基に、相互作用のある制御要素の制御量をパラメータとして制御対象又は中間制御対象の目標値からの誤差量を表した誤差曲面モデルを用いて、各制御要素の制御量を予測演算手段で演算し求めることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0120】
第4、第5の発明では、予め測定された各制御要素の制御量と制御対象又は中間制御対象の特性データから相互作用のある制御要素の制御量をX、Y軸に、相互作用のある制御対象又は中間制御対象の目標値からの誤差量をZ軸にプロットし多項式で近似した図9のような3次元モデル(誤差曲面モデル)を用いることで制御要素の制御対象への相互作用をモデルに表すことができる。
【0121】
第6の発明は、第4の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、複数の制御要素の制御量と複数の制御対象の特性データから作成した複数の誤差曲面モデルを1空間に表すことで、複数の制御対象間の相互作用を表現し、それを用いて各制御要素の制御量を予測演算手段で演算し求めることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0122】
また、第7の発明は、第5の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、複数の制御要素の制御量と複数の制御対象又は中間制御対象の特性データから作成した複数の誤差曲面モデルを1空間に表すことで、複数の制御対象間又は複数の中間制御対象間の相互作用を表現し、それを用いて各制御要素の制御量を予測演算手段で演算し求めることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
【0123】
また第6、第7の発明のように複数の制御対象又は中間制御対象の3次元モデルを1つの座標空間に表すことで、複数の制御対象又は中間制御対象間の相互作用もモデルに表現することができるようになる。
【0124】
第50の発明は、第47の発明に記載の多軸制御方法において、各駆動手段の駆動量を予測演算し求める予測演算手段の中に相互作用のある駆動手段の駆動量をパラメータとして、その相互作用により制御される制御対象の目標値からの誤差量を表した誤差曲面モデルを備え、それを用いて各駆動手段の駆動量を予測演算し求めることを特徴とする多軸制御方法である。
【0125】
また、第51の発明は、第48の発明に記載の多軸制御方法において、各駆動手段の駆動量を予測演算し求める予測演算手段の中に相互作用のある駆動手段の駆動量をパラメータとして、その相互作用により制御される制御対象又は中間制御対象の目標値からの誤差量を表した誤差曲面モデルを備え、それを用いて各駆動手段の駆動量を予測演算し求めることを特徴とする多軸制御方法である。
【0126】
第52の発明は、第50の発明又は第51の発明に記載の多軸制御方法において、誤差曲面モデルで表現されている相互作用が複数の駆動軸の軸干渉であることを特徴とする多軸制御方法である。
【0127】
第58の発明は、第55の発明又は第56の発明に記載の平行光調整方法において、予測演算手段の中にコリメートレンズ、検出レンズの駆動量をパラメータに、その相互作用により制御される光束の非点収差又は非点収差の検出信号の目標値からの誤差量を表した誤差曲面モデルを備え、それを用いて両レンズ位置を予測演算手段で演算し求めることを特徴とする平行光調整方法である。
【0128】
第59の発明は、第58の発明に記載の平行光調整方法において、コリメートレンズ、検出レンズの駆動量と光束の非点収差又は複数の非点収差検出信号の特性データから作成した複数の誤差曲面モデルを1空間に表すことで複数の非点収差検出信号間の相互作用を表現し、それを用いて両レンズ駆動量を予測演算手段で予測演算し求めることを特徴とする平行光調整方法である。
【0129】
この3次元モデルを使った制御方法を多軸制御方法に適用したのが第50の発明〜第52の発明の発明、平行光調整方法に適用したのが第58の発明〜第59の発明の発明になる。3次元モデルとしては多軸制御の場合、第52の発明のように複数の駆動軸の軸干渉をモデル化することで軸干渉を考慮に入れた多軸制御が可能となる。
【0130】
図10は、図6の平行光調整装置で用いる3次元モデルでの収束点算出方法の説明図である。
この3次元モデルを使った各制御要素の制御量の予測方法を図10で説明する。なお、図10の上右図及び上左図はともに3次元モデルの斜視図であり、図10の中右図、中左図及び下図はともに平面図である。後述する図12も同様である。
【0131】
平行光調整の場合、最終の制御対象は調整装置内の光束の非点収差で、中間制御対象として非点収差を検出する2つの検出信号CL%とDL%がある。これら2つの中間制御対象(CL%、DL%)がともに0%になるように制御要素であるコリメータレンズ(CL)と検出レンズ(DL)位置を調整したときに光束の非点収差が最小になる。
【0132】
第39の発明は、第1の〜第3の発明の何れかに記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、予測誤差認識手段を設け、予測誤差が大きいと判断された場合は、予測演算の精度の高い部分に一度各制御要素を制御した後に、再び各制御要素の制御量を予測演算することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0133】
第43の発明は、第39の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象又は中間制御対象の変化の関係を測定し、そのデータをもとに制御要素の重みづけを行う重みづけ手段を持ち、初期データ収集時に各制御要素の制御量を重み付け手段の重みづけ結果に従い決めることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0134】
第63の発明は、第59の発明に記載の平行光調整方法において、非点収差検出信号CL%、DL%の初期誤差量測定値で対応する誤差曲面モデル(CL誤差曲面モデル、DL誤差曲面モデル)をカットした際の交差曲線をコリメートレンズ、検出レンズの駆動量平面上に重ね合わせ、その交差曲線の交点をコリメートレンズ、検出レンズの初期駆動状態とすることを特徴とする平行光調整方法である。
【0135】
CL位置、DL位置をX、Y軸に、CL位置、DL位置を変化させたときのCL%、DL%の誤差量をZ軸にプロットし、多項式で近似したCL誤差曲面モデル、DL誤差曲面モデルという2つの3次元モデルを予測演算に用いる。制御要素(CL位置、DL位置)の初期状態がモデルのどの位置にあるかを判断するため、CL%、DL%の測定を行う。第43の発明のようにこの初期測定結果がそれぞれCL%=CLc 、DL%=DLc であった場合、CL誤差曲面モデルとCL%=CLc 平面、DL誤差曲面モデルとDL%=DLc 平面が交差する交差曲線を求める。この2本の交差曲線を3次元モデルのXY平面上で重ね合せることで、2曲線の交点が求まる。この交点がモデル上の初期CL位置、初期DL位置(CLPc 、DLPc )となる。
【0136】
第65の発明は、第59の発明に記載の平行光調整方法において、非点収差検出信号CL%、DL%の収束条件中心値で対応する誤差曲面モデル(CL誤差曲面モデル、DL誤差曲面モデル)をカットした際の交差曲線をコリメートレンズ、検出レンズの駆動量平面上に重ね合わせ、その交差曲線の交点をコリメートレンズ、検出レンズの目標駆動状態とすることを特徴とする平行光調整方法である。
【0137】
図11は、3次元モデルでの収束点算出のフローチャートである。
第66の発明は、第59の発明に記載の平行光調整方法において、第63の発明の方法で求めたコリメートレンズ、検出レンズの初期駆動状態(交点)と、第65の発明の方法で求めたコリメートレンズ、検出レンズの目標駆動状態(交点)の距離からコリメートレンズ、検出レンズの予測駆動量を決定することを特徴とする平行光調整方法である。
【0138】
非点収差が最小になるCL位置、DL位置(制御目標点)は第65の発明のように、CL誤差曲面モデルとCL%=0平面、DL誤差曲面モデルとDL%=0平面が交差する交差曲線を求め、この2本の交差曲線が交差する交点(CLPT 、DLPT )となる。第66の発明のようにCL位置を制御量(CLPT −CLPc )だけ、DL位置を制御量(DLPT −DLPc )だけ初期位置から制御することで非点収差が最小になる位置に両レンズ位置を一度に調整することができる。
【0139】
即ち、図11に示すように、先ずCL%、DL%を測定し、CLc=CL%の測定値及びDLc=DL%の測定値を求め(S111)、次にCL%誤差曲面モデルのCL%=CLc となる交差曲線を算出するとともに、DL%誤差曲面モデルのDL%=DLc となる交差曲線を算出し(S112)、次にCL%=CLc の交差曲線とDL%=DLc の交差曲線との交点(CLPc,DLPc )を算出し(S113)、次にCL駆動量=現在のCL位置+CLPc−CLPT 及びDL駆動量=現在のDL位置+DLPc−DLPT を求め(S114)、次にS114で求めたCL駆動量及びDL駆動量に基づいてCL及びDLを駆動する。
【0140】
図12は、図6の平行光調整装置で用いる3次元モデルでの収束点算出方法の他の例の説明図である。
第64の発明は、第59の発明に記載の平行光調整方法において、非点収差検出信号CL%、DL%の収束条件範囲で対応する誤差曲面モデル(CL誤差曲面モデル、DL誤差曲面モデル)をカットした際の交差領域をコリメートレンズ、検出レンズの駆動量平面上に重ね合わせ、その交差領域が交わった領域をコリメートレンズ、検出レンズの目標駆動状態とすることを特徴とする平行光調整方法である。
【0141】
第67の発明は、第59の発明に記載の平行光調整方法において、第63の発明の方法で求めたコリメートレンズ、検出レンズの初期駆動状態(交点)と、第64の発明の方法で求めたコリメートレンズ、検出レンズの目標駆動状態(領域)の最短距離をコリメートレンズ、検出レンズの予測駆動量として決定することを特徴とする平行光調整方法である。
【0142】
第64の発明は、第59の発明に記載の平行光調整方法において、非点収差検出信号CL%、DL%の収束条件範囲で対応する誤差曲面モデル(CL誤差曲面モデル、DL誤差曲面モデル)をカットした際の交差領域をコリメートレンズ、検出レンズの駆動量平面上に重ね合わせ、その交差領域が交わった領域をコリメートレンズ、検出レンズの目標駆動状態とすることを特徴とする平行光調整方法である。
【0143】
誤差曲面モデル上の制御目標位置を求める際に第64の発明のように、非点収差検出信号CL%、DL%の収束条件範囲でモデルをカットした際の交差領域の交わった領域(制御目標領域)にし、第67の発明のようにモデル上の初期CL位置、初期DL位置(CLPc 、DLPc )から制御目標領域までの最短距離の点(CLPT 、DLPT )を求めることで、非点収差を許容範囲に入れる両レンズの最小駆動量を容易に求められる。
【0144】
図13は制御対象が3つ以上ある場合の初期制御状態の求め方の説明図、図14は制御対象が3つ以上ある場合の初期制御状態の求め方の他の例を示す説明図、図15は制御対象が3つ以上ある場合の領域処理方法の説明図、図16は、制御対象が3つ以上ある場合の目標制御状態領域の求め方の説明図である。なお、図16において、上右図、上中図及び上左図に示した収束範囲を規定する上下一対の平面は、収束条件範囲の上限の誤差に対応する上側の平面と収束条件範囲の下限の誤差に対応する下側の平面である。
【0145】
第11の発明は、第6の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、複数の制御対象の初期誤差量測定値で対応する誤差曲面モデルをカットした際の交差曲線を制御要素の制御量平面上に重ね合わせ、その交差曲線の交点又は囲まれる領域、又は領域の重心点又は交点の平均点を制御要素の初期制御状態とすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0146】
また、第12の発明は、第7の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、複数の制御対象又は中間制御対象の初期誤差量測定値で対応する誤差曲面モデルをカットした際の交差曲線を制御要素の制御量平面上に重ね合わせ、その交差曲線の交点、囲まれる領域、領域の重心点又は交点の平均点を制御要素の初期制御状態とすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0147】
第15の発明は、第6の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、複数の制御対象の収束条件中心値で対応する誤差曲面モデルをカットした際の交差曲線を制御要素の制御量平面上に重ね合わせ、その交差曲線の交点、囲まれる領域、囲まれる領域の重心点又は交点の平均点を制御要素の目標制御状態とすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0148】
また、第16の発明は、第7の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、複数の制御対象又は中間制御対象の収束条件中心値で対応する誤差曲面モデルをカットした際の交差曲線を制御要素の制御量平面上に重ね合わせ、その交差曲線の交点、囲まれる領域、囲まれる領域の重心点又は交点の平均点を制御要素の目標制御状態とすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
【0149】
また、第17の発明は、第6の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、第11の発明で複数の制御対象の初期誤差量測定値から求めた制御要素の初期制御状態(交点、交点の平均点又は重心点)と、第15の発明の方法で複数の制御対象の収束条件中心値から求めた制御要素の目標制御状態(交点、交点の平均点又は重心点)との距離から各制御要素の予測制御量を決定することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0150】
また、第18の発明は、第7の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、第12の発明の方法で複数の制御対象又は中間制御対象の初期誤差量測定値から求めた制御要素の初期制御状態(交点、交点の平均点又は重心点)と、第16の発明で複数の制御対象又は中間制御対象の収束条件中心値から求めた制御要素の目標制御状態(交点、交点の平均点又は重心点)との距離から各制御要素の予測制御量を決定することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0151】
また、第13の発明は、第6の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、複数の制御対象の収束条件範囲で対応する誤差曲面モデルをカットした際の交差領域を制御要素の制御量平面上に重ね合わせ、その交差領域が交わった領域を制御要素の目標制御状態とすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0152】
また、第14の発明は、第7の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、複数の制御対象又は中間制御対象の収束条件範囲で対応する誤差曲面モデルをカットした際の交差領域を制御要素の制御量平面上に重ね合わせ、その交差領域が交わった領域を制御要素の目標制御状態とすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0153】
また、第19の発明は、第6の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、第11の発明の方法で複数の制御対象の初期誤差量測定値から求めた制御要素の初期制御状態(交点、交点の平均点又は重心点)と、第13の発明又は第15の発明の方法で複数の制御対象の収束条件範囲または収束条件中心値から求めた制御要素の目標制御状態(領域)の最短距離を各制御要素の予測制御量として決定することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0154】
また、第20の発明は、第7の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、第12の発明の方法で複数の制御対象又は中間制御対象の初期誤差量測定値から求めた制御要素の初期制御状態(交点、交点の平均点又は重心点)と、第14の発明又は第16の発明の方法で複数の制御対象又は中間制御対象の収束条件範囲または収束条件中心値から求めた制御要素の目標制御状態(領域)の最短距離を各制御要素の予測制御量として決定することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0155】
また、第21の発明は、第6の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、第11の発明の方法で複数の制御対象の初期誤差量測定値から求めた制御要素の初期制御状態(領域)と、第13の発明又は第15の発明の方法で複数の制御対象の収束条件範囲または収束条件中心値から求めた制御要素の目標制御状態(領域)の重なる面積が最大となる最短距離を各制御要素の予測制御量として決定することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0156】
また、第22の発明は、第7の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、第12の発明の方法で複数の制御対象又は中間制御対象の初期誤差量測定値から求めた制御要素の初期制御状態(領域)と、第14の発明又は第16の発明の方法で複数の制御対象又は中間制御対象の収束条件範囲または収束条件中心値から求めた制御要素の目標制御状態(領域)の重なる面積が最大となる最短距離を各制御要素の予測制御量として決定することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0157】
上記平行光調整の場合、中間制御対象が2つの検出信号CL%とDL%であるが、一般的には制御対象又は中間制御対象は3つ以上有る場合も考えられる。図13〜16をもとに制御対象は3つ以上有る場合のモデル上の初期制御状態、目標制御状態を求める方法を説明する。制御対象又は中間制御対象の初期誤差量測定値、収束条件中心値で対応する3次元モデル(誤差曲面モデル)をカットし、交差曲線を制御要素の制御量平面上に重ね合わせた場合、制御対象又は中間制御対象が3つ以上有るとモデル作成時の誤差、初期誤差量測定値時の誤差の影響により制御要素の制御量平面上で交差曲線が1点に交わらないことが発生する。その場合、第11、第12の発明のように交差曲線で囲まれる領域の重心点又は交点の平均点を制御要素の初期制御状態とし、第15、第16の発明のように制御対象又は中間制御対象の収束条件中心値で対応する3次元モデル(誤差曲面モデル)をカットした際の交差曲線を制御要素の制御量平面上に重ね合わせ、その交差曲線で囲まれる領域の重心点又は交点の平均点を目標制御状態にし、第17、第18の発明のようにその間の距離から各制御要素の予測制御量を決定することで、初期制御状態、目標制御状態が一点に定まらないときにも制御量を求めることができる。
【0158】
第11、第12の発明のように交差曲線で囲まれる領域の重心点又は交点の平均点を制御要素の初期制御状態とし、第13、第14の発明のように複数の制御対象又は中間制御対象の収束条件範囲で対応する3次元モデル(誤差曲面モデル)をカットした際の交差領域を制御要素の制御量平面上に重ね合わせ、その交差領域が交わった領域や第15、第16の発明のように制御対象又は中間制御対象の収束条件中心値で対応する3次元モデル(誤差曲面モデル)をカットした際の交差曲線を制御要素の制御量平面上に重ね合わせ、その交差曲線で囲まれる領域を制御要素の目標制御状態にし、第19、第20の発明のようにその間の最短距離を各制御要素の予測制御量として決定することで、収束条件範囲に入れるための制御要素の最小制御量を求めることが考えられる。
【0159】
第11、第12の発明のように交差曲線で囲まれた領域を制御要素の初期制御状態とし、第13、第14の発明のように複数の制御対象又は中間制御対象の収束条件範囲で対応する3次元モデル(誤差曲面モデル)をカットした際の交差領域を制御要素の制御量平面上に重ね合わせ、その交差領域が交わった領域や第15、第16の発明のように制御対象又は中間制御対象の収束条件中心値で対応する3次元モデル(誤差曲面モデル)をカットした際の交差曲線を制御要素の制御量平面上に重ね合わせ、その交差曲線で囲まれる領域を制御要素の目標制御状態にし、第21、第22の発明のようにその両領域の重なる面積が最大となる最短距離を各制御要素の予測制御量として決定することで、初期制御状態を目標制御状態に近づける制御要素の最小制御量を予測することができ、目標制御状態を行きすぎることなく協調条件が満足する状態に制御対象又は中間制御対象を制御できる。
【0160】
図17は、3次元モデルでの予測誤差の説明図である。
このようにモデル上の初期制御状態、目標制御状態を求めることができ、各制御要素の制御量が求められるが、モデル作成時の誤差、サンプル間ばらつき等に起因して、全ての実特性が予測モデルに合致していない場合、前述した手順で得たモデル上の初期制御状態位置や目標制御状態位置は、実際の位置とはずれてしまう(図17)。図中の実線がモデルの交差曲線であり、その交点がモデル上の初期制御状態位置、目標制御状態位置である。破線が実特性の交差曲線で有り、実際の初期制御状態位置、目標制御状態位置を表している。その予測誤差は予測した各レンズの制御量をdCLM 、dDLM 、実際の制御すべき移動量をdCLA、dDLA、とするとCL、DLそれぞれdCLM −dCLA、dDLM −dDLA、となる。よって予測点へ各レンズを移動してもCL%≠DL%≠0となり、非点収差を最小にすることができない。
【0161】
図18は、繰り返し予測制御のフローチャートである。
第57の発明では図18に示すように、上記の予測手順で予測制御されたレンズ位置で非点収差検出信号CL%、DL%を取得し、協調条件に収束しているかを判断。この判断により収束していない場合は、そのレンズ位置でもう一度上記予測手順を行う。これを繰返し、非点収差検出信号CL% ,DL% が協調条件に収束するよう各レンズ位置を制御する。
【0162】
図19は、予測誤差分布を説明するための図であり、(a)は予測誤差分布がないモデル例を示し、(b)は予測誤差分布をもつモデル例を示す。
第8の発明は、第4又は第5の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、収束点に近づくにつれて予測誤差が小さくなるよう分布を持たせたモデルを用いて、各制御要素の制御量を予測演算手段で演算し求めることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0163】
第60の発明は、第58の発明に記載の平行光調整方法において、非点収差が最小の光束を得られるレンズ位置に近いほど、その位置を予測する誤差が小さくなるよう分布を持たせた誤差曲面モデルを用いて両レンズ駆動量を予測演算手段で予測演算し求めることを特徴とする平行光調整方法である。
【0164】
第8の発明、第60の発明のように、収束点に近づくにつれて予測誤差が小さくなるようにモデルに予測誤差分布を持たせることで、予測制御を繰返し行うことで予測誤差が小さくなり、所望の協調条件の許容範囲まで収束させることが可能となる。サンプル間誤差が大きい場合や初期制御状態の位置測定がばらつく場合でも、このモデルでの繰返し予測制御で対応可能となる。
【0165】
第9の発明は、第4の発明又は第5の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、誤差曲面モデルと各サンプルの実特性の差をモデルの制御量軸方向の誤差とみなしてモデルを制御量軸方向にシフトさせ予測演算をすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0166】
第61の発明は、第58の発明に記載の平行光調整方法において、コリメータレンズ誤差曲面モデルをCL誤差曲面モデル、検出レンズ誤差曲面モデルをDL誤差曲面モデルとしたとき、CL誤差曲面モデル及びDL誤差曲面モデルと実特性であるレンズ位置に対する非点収差検出信号との差をレンズ絶対位置の誤差とみなしてモデルをレンズ駆動軸方向にシフトさせ予測演算することを特徴とする平行光調整方法である。
【0167】
図20は、第9の発明及び第61の発明のモデルからの実特性の推定方法(第1ずれモード)を説明するための図である。なお、図20の下図(a)はモデルを1次関数とした例を示し、下図(b)はモデルを高次関するとした例を示す。
【0168】
第9の発明は、第4又は第5の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、誤差曲面モデルと各サンプルの実特性の差をモデルの制御量軸方向の誤差とみなしてモデルを制御量軸方向にシフトさせ予測演算をすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0169】
第61の発明は、第55の発明又は第56の発明に記載の平行光調整方法において、予測演算手段の中にコリメートレンズ、検出レンズの駆動量をパラメータに、その相互作用により制御される光束の非点収差又は非点収差の検出信号の目標値からの誤差量を表した誤差曲面モデルを備え、それを用いて両レンズ位置を予測演算手段で演算し求めることを特徴とする平行光調整方法である。
【0170】
第9の発明、第61の発明では、誤差曲面モデルと実特性の差を制御要素の制御軸方向のずれと見なしてモデルを制御軸方向にシフトさせ上記の繰返し予測制御を行う方法を示している。この方法が効果的なのは実特性のサンプル間ばらつきやモデル作成時の誤差が少ない場合で、図20に示すように、誤差曲面モデルの形状と実特性形状を同等と考え、誤差曲面モデルで求めた特性値と実特性の差は、制御要素の制御軸平面内でモデルが平行にずれているとして取り扱う。●印のモデル上の推定点(初期制御状態位置、目標制御状態位置)と■印の実際の点(初期制御状態位置、目標制御状態位置)をあわせるように誤差曲面モデルをシフトさる。●印の初期制御状態位置から目標制御状態位置と■印の初期制御状態位置から目標制御状態位置が等価の関係となる。説明を簡単にするため誤差曲面モデルを側面から見た2次元で考えると、現在の制御要素の制御位置での制御対象の誤差量測定結果からモデルを使って制御要素の制御量を求めると実際の制御要素の制御量とは異なる位置が推定される。これがモデルと実特性の誤差であるが、モデル形状を変化させずにこの制御量の差分だけモデルを制御軸方向にシフトすることで、実特性の収束点を推定することができる。
【0171】
図21はモデルと実特性との関係を示す図、図22はモデルの制御要素軸方向へのスライドを説明するための図、図23はモデル作成の条件範囲(1次関数の例)を説明するための図である。なお、図22の(a)図は現在位置(初期制御状態)を合わせて関数をスライドした状態を示し、同(b)図は収束点(目標制御状態)を合わせて関数をスライドした状態を示す。
【0172】
第10の発明は、第4又は第5に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、
制御要素の制御量をX,Y,…Z、
誤差曲面モデル関数をGn(X,Y,…Z)、ただしnは制御対象の数に依存、
G1=G2=…=Gn=0を満たす点を(Xm,Ym,…Zm)、
実特性関数をFn(X,Y,…Z)、ただしnは制御対象の数に依存、
F1=F2=…=Fn=0を満たす点を(Xa,Ya,…Za)とすると、
|Gn(2X+Xm,2Y+Ym,…,2Z+Zm)|>|Fn(X+Xa, Y+Ya,…, Z+Za)|
を全ての対象サンプルで満たす範囲でつくられた誤差曲面モデルを用いて、各制御要素の制御量を予測演算手段で演算し求めることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0173】
第62の発明は、第58の発明に記載の平行光調整方法において、
制御要素をCLp(CL位置)、DLp(DL位置)とし、
中間制御対象を光束の非点収差検出信号CL% 、DL% とし、(CL% =DL% =0 が非点収差最小)
CL誤差曲面モデルをGcl(CLp, DLp)とし、
DL誤差曲面モデルをGdl(CLp, DLp)とし、Gcl(CLp, DLp)、Gdl(CLp, DLp)、誤差0平面の交点を(CLPTM、DLPTM)とし、
CLp 、DLp に対するCL% の実特性を誤差空間に表したものFcl(CLp, DLp)とし、CLp 、DLp に対するDL%の実特性を誤差空間に表したものFdl(CLp, DLp)とし、
Fcl(CLp,DLp)、Fdl(CLp,DLp)、誤差0平面の交点を(CLPTA、DLPTA)とすると、
|Gcl(2CLp+CLPTM , 2DLp+ DLPTM)|>|Fcl(CLp+ CLPTA, DLp+ DLPTA)|
|Gdl(2CLp+CLPTM , 2DLp+ DLPTM)|>|Fdl(CLp+ CLPTA, DLp+ DLPTA)|
を全ての対象サンプルのFcl(CLp,DLp)、Fdl(CLp,DLp)で満たす範囲でつくられた誤差曲面モデルGcl(CLp,DLp)、Gdl(CLp,DLp)を用いて両レンズ駆動量を予測演算手段で予測演算し求めることを特徴とする平行光調整方法である。
【0174】
このようにモデルを取り扱い、前述のような繰返し予測を行うには、第10の発明、第62の発明で示すような条件範囲でモデルを作ることが必要である。第9の発明、第61の発明の予測方法では、図21に示すようなモデルと実特性の傾きに差がある場合、サンプルの実特性(点線)に対して、モデルと実特性の初期制御状態位置合わせると、推定されたモデルは図22(a)のようにあらわせる。
【0175】
さらに、このX切片の差が制御要素の予測誤差であり、Y切片の差が制御対象の予測誤差となる。これに対しモデルと実特性の目標制御状態(収束点)を合わせると図22(b)のようになり、現在の制御対象の誤差量測定値でのモデル上、実特性上での制御要素制御量のずれ(●印と■印の差)が予測誤差となる。図19(b)に示したような収束点に近づくほど予測誤差が小さくなるモデルを実現するには、予測制御を行った後の制御対象誤差量の絶対値が現在の制御対象誤差量の絶対値よりも小さくなる必要がある。これを満たすモデルは図23に示すモデルの傾き範囲である。定量的には|(実特性の傾き)/2|<|モデルの傾き|となる。(1次関数モデルの場合)
【0176】
図24はサンプル間の実特性差を示す図、図25は着目すべき実特性サンプルを示す図である。
実特性がサンプル間ばらつきにより図24のようにばらつく場合、制御要素制御軸方向に全ての実特性をスライドさせて収束位置を合わせると図25のようになる。すべてのサンプルについて収束点に近づくほど予測誤差が小さくなるモデルを実現するには、その最も傾きの大きいサンプルの実特性に着目して、その実特性に対して|(実特性の傾き)/2|<|モデルの傾き|となる範囲でモデルを作る必要がある。単にサンプル実特性ばらつきの中心や最も代表的なサンプル実特性をもとにモデル作成すると、全てのサンプルで上記の|(実特性の傾き)/2|<|モデルの傾き|を満たすことができない場合が発生し、繰返し予測制御を行っても制御が収束しなかったり、発散してしまったりすることがある。
【0177】
これを3次元誤差空間で一般モデルとして表記すると、
制御軸をX,Y,…Z
誤差曲面モデル関数をGn(X,Y,…Z) n:制御対象の数に依存(信号の数だけモデルが存在)
G1=G2=…=Gn=0を満たす点を(Xm,Ym,…Zm)
実特性関数をFn(X,Y,…Z)、n:制御対象の数に依存(信号の数だけ実特性が存在)となり、
F1=F2=…=Fn=0を満たす点を(Xa,Ya,…Za)
とすると、
|Gn(2X+Xm,2Y+Ym,…,2Z+Zm)|>|Fn(X+Xa, Y+Ya,…, Z+Za)|
を全ての対象サンプルで満たす範囲で誤差曲面(予測)モデルをつくればよい。
【0178】
これを用いて、平行光調整用の予測モデルを考えると、
制御軸をCLp(CL位置)、DLp(DL位置)とし、
制御対象をダブルナイフエッジ処理(検出レンズの集光光束の前後をナイフエッジ処理)した光束の受光量微分信号である非点収差検出信号CL%信号、DL%信号とし、(CL%=DL%=0が非点収差最小)
CL誤差曲面モデルをCL%に対するCLp、DLpを誤差空間に表したものGcl(CLp,DLp)とし、DL誤差曲面モデルをDL%に対するCLp、DLpを誤差空間に表したものGdl(CLp,DLp)とし、
Gcl(CLp,DLp)、Gdl(CLp,DLp)、誤差0平面の交点を(CLPTM、DLPTM)とし、
CL実特性をCL%に対するCLp、DLpを誤差空間に表したものFcl(CLp,DLp)とし、DL実特性をDL%に対するCLp、DLpを誤差空間に表したものFdl(CLp,DLp)とし、
Fcl(CLp,DLp)、Fdl(CLp,DLp)、誤差0平面の交点を(CLPTA、DLPTA)とすると、
|Gcl(2CLp+ CLPTM, 2DLp+ DLPTM)|>|Fcl(CLp+ CLPTA, DLp+ DLPTA)|
|Gdl(2CLp+ CLPTM, 2DLp+ DLPTM)|>|Fdl(CLp+ CLPTA, DLp+ DLPTA)|
を全ての対象サンプルのFcl(CLp,DLp)、Fdl(CLp,DLp)で満たす範囲で誤差曲面モデルGcl(CLp,DLp)、Gdl(CLp,DLp)をつくればよい。
【0179】
図26は、モデルからの実特性の推定方法(第2ずれモード)を説明するための図である。
第23の発明は、第4の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、制御対象の実特性の情報により誤差曲面モデルを変化させ、そのモデルを用いて予測演算をすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0180】
また、第24の発明は、第5の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、制御対象又は中間制御対象の実特性の情報により誤差曲面モデルを変化させ、そのモデルを用いて予測演算をすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0181】
第25の発明は、第23の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の初期状態での制御対象の実特性情報と基準の誤差曲面モデルにより初回の予測制御を行い、その各制御要素の制御状態での制御対象の実特性情報と初期状態での実特性情報とを考慮して基準の誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより次の予測制御を行い、これを繰り返すことにより全ての制御要素を協調条件が満足する状態にさせることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0182】
また、第26の発明は、第24の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の初期状態での制御対象又は中間制御対象の実特性情報と基準の誤差曲面モデルにより初回の予測制御を行い、その各制御要素の制御状態での制御対象又は中間制御対象の実特性情報と初期状態での実特性情報とを考慮して基準の誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより次の予測制御を行い、これを繰り返すことにより全ての制御要素を協調条件が満足する状態にさせることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0183】
第27の発明は、第23の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の初期状態での制御対象の実特性情報と基準の誤差曲面モデルにより初回の予測制御を行い、その予測点への制御途中に制御対象の実特性情報を取得し、取得した制御途中の制御対象の実特性情報と初期位置での制御対象の実特性情報とを考慮して基準の誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより次の予測制御を行い、これを繰り返すことにより全ての制御要素を協調条件が満足する状態にさせることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0184】
また、第28の発明は、第24の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の初期状態での制御対象又は中間制御対象の実特性情報と基準の誤差曲面モデルにより初回の予測制御を行い、その予測点への制御途中に制御対象又は中間制御対象の実特性情報を取得し、取得した制御途中の制御対象又は中間制御対象の実特性情報と初期位置での制御対象又は中間制御対象の実特性情報とを考慮して基準の誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより次の予測制御を行い、これを繰り返すことにより全ての制御要素を協調条件が満足する状態にさせることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0185】
第29の発明は、第23の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の初期状態付近での制御対象の実特性情報により、基準の誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより次の予測制御を行うことにより全ての制御要素を協調条件が満足する状態にさせることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0186】
また、第30の発明は、第24の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の初期状態付近での制御対象又は中間制御対象の実特性情報により、基準の誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより次の予測制御を行うことにより全ての制御要素を協調条件が満足する状態にさせることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0187】
第68の発明は、第58の発明に記載の平行光調整方法において、非点収差検出信号実特性を取得し、それによりCL、DL誤差曲面モデルを変化させ、その修正されたモデルにより非点収差が最小の光束を実現するレンズ位置を予測し、制御することを特徴とする平行光調整方法である。
【0188】
第69の発明は、第68の発明に記載の平行光調整方法において、コリメートレンズ、検出レンズの初期位置での非点収差検出信号CL%, DL%と基準となるCL、DL誤差曲面モデルにより初回の予測制御を行い、その状態での非点収差検出信号と、初期位置での非点収差検出信号の値を考慮して基準の誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより次の予測制御を行い、これを繰り返すことにより両レンズ位置を非点収差が最小の光束になる位置にすることを特徴とする平行光調整方法である。
【0189】
第70の発明は、第68の発明に記載の平行光調整方法において、コリメートレンズ、検出レンズの初期位置での非点収差検出信号CL%, DL%と基準となるCL、DL誤差曲面モデルにより初回の予測制御を行い、その予測点へコリメートレンズ、検出レンズを移動中に、非点収差検出信号CL%, DL%を取得し、取得した移動途中の非点収差検出信号と初期位置での非点収差検出信号とを考慮して基準の誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより次の予測制御を行い、これを繰り返すことにより両レンズ位置を非点収差が最小の光束になる位置にすることを特徴とする平行光調整方法である。
【0190】
第71の発明は、第68の発明に記載の平行光調整方法において、コリメートレンズ、検出レンズの初期位置での非点収差検出信号CL%, DL%により、基準となるCL、DL誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより非点収差が最小の光束を得るレンズ位置を予測制御して、両レンズ位置を非点収差が最小の光束になる位置にすることを特徴とする平行光調整方法である。
【0191】
次に第23の発明〜第30の発明、第68の発明〜第71の発明の誤差曲面モデルと実特性の曲面形状にも誤差があるとして(図26)、モデルを変形修正する場合について説明する。モデル変形修正のための情報収集とモデルを変形修正するタイミングが幾通りか考えられる。
【0192】
→図27は、第25、26の発明及び第69の発明に係るモデル変形修正方法の第1例を示す説明図である。
図27に示すように、第25、26の発明のモデル変形修正方法は、初期制御状態での制御対象又は中間制御対象の実特性測定情報と基本となる誤差曲面モデルにより初回の予測制御を行い、その予測制御後の状態での制御対象又は中間制御対象の実特性を取得し、初期制御状態と予測制御後の制御対象又は中間制御対象の実特性を考慮して基本の誤差曲面モデルを変形修正し、修正されたモデルにより次の予測制御を行う。これを繰り返すことにより全ての制御要素を所望の(協調条件を満足する)状態へ収束させる。このモデル変形修正方法を平行光調整に適応したのが第49の発明である。
【0193】
→図28は、第27、28の発明及び第70の発明に係るモデル変形修正方法の第2例を示す説明図である。
図28に示すように、第27、28の発明のモデル変形修正方法は、初期制御状態での制御対象又は中間制御対象の実特性測定情報と基本となる誤差曲面モデルにより初回の予測制御を行い、その予測点へ制御要素を制御中に、制御対象又は中間制御対象の実特性を取得し、初期制御状態と制御要素制御過程の制御対象又は中間制御対象の実特性を考慮して基本の誤差曲面モデルを変形修正し、修正されたモデルにより次の予測制御を行う。これを繰り返すことにより全ての制御要素を所望の(協調条件を満足する)状態へ収束させる。このモデル変形修正方法を平行光調整に適応したのが第70の発明である。
【0194】
図29は、第29、30の発明及び第71の発明に係るモデル変形修正方法の第3例を示す説明図である。
図29に示すように、第29、30の発明のモデル変形修正方法は、初期制御状態付近での制御対象又は中間制御対象の実特性情報により、基本となる誤差曲面モデルを変形修正し、修正されたモデルにより予測制御を行って全ての制御要素(各軸)を所望の(協調条件を満足する)位置へ収束させる。このモデル変形修正方法を平行光調整に適応したのが第51の発明である。
【0195】
図30は、3次元誤差曲面モデルの代表点を示す図である。
上記第25〜第30の発明、第69の発明、第70の発明、第71の発明でのモデルの変形修正を3次元モデルで実際に行う場合の方法を、図30を使って説明すると、まず基本となる誤差曲面モデルの代表点を予め決めておく。この代表点は面上の点であり、その数は面を制御要素の関数として表すのに必要な数とする。例えば、誤差モデルが平面の場合、代表点は3点となる。この代表点はモデル上に均等にとるのが望ましい。モデルに重みがある場合は、代表点を偏らせて配置することも可能である。エリア毎にモデルを規定する場合はそのエリア毎に所定の個数の代表点が必要となる。図30の場合、モデルとn個の代表点を用意しておく。実特性のデータを1個2個と取得した場合、そのデータに近い代表点をそのデータに置き換えてモデルの曲面関数を規定しなおして修正すればよい。この場合、代表点3を実特性データ1と置き換え、次いで代表点2を実特性データ2と置き換えモデルを修正することになる。
【0196】
図31は狭範囲モデル及び広範囲モデルの説明図、図32は変曲点モデル分割の説明図である。
第31の発明は、第4の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象の特性データから誤差曲面モデルを作る際に、複数のモデルを作り、モデル切り換え手段でモデルを切り換え、各制御要素の制御量を予測演算することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0197】
また、第32の発明は、第4の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象又は中間制御対象の特性データから誤差曲面モデルを作る際に、複数のモデルを作り、モデル切り換え手段でモデルを切り換え、各制御要素の制御量を予測演算することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0198】
第31、32の発明のように制御要素の制御量と制御対象又は中間制御対象の特性を表すモデルを複数用意し、制御要素の制御量、制御対象の状態の条件によってモデルをモデル切り換え手段によって切り換えて予測演算することで1つのモデルで表す範囲を狭くし、それぞれのモデルの近似精度を上げ、近似精度の高いモデルを複数もち広範囲をカバーすることで、広範囲から精度の高い予測演算ができるようになる。
【0199】
第33の発明は、第31の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象の特性データから複数の誤差曲面モデルを作る際に、予測点付近の狭範囲モデルと、広範囲モデルを作り、初期調整時に広範囲モデルを用いて各制御要素の制御量を予測演算し、狭範囲モデル範囲に入った時点で狭範囲モデルに切り換え、各制御要素の制御量を予測演算することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0200】
また、第34の発明は、第32の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象又は中間制御対象の特性データから複数の誤差曲面モデルを作る際に、予測点付近の狭範囲モデルと、広範囲モデルを作り、初期調整時に広範囲モデルを用いて各制御要素の制御量を予測演算し、狭範囲モデル範囲に入った時点で狭範囲モデルに切り換え、各制御要素の制御量を予測演算することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0201】
第35の発明は、第31の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象の特性データから複数の誤差曲面モデルを作る際に、特性データの傾きの変わる極部分で分割したモデルを用い、そのモデルを切り換え、各制御要素の制御量を予測演算することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0202】
第36の発明は、第32の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象又は中間制御対象の特性データから複数の誤差曲面モデルを作る際に、特性データの傾きの変わる極部分で分割したモデルを用い、そのモデルを切り換え、各制御要素の制御量を予測演算することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0203】
また、第33、34の発明のようにモデルを複数作る場合に広範囲モデル、狭範囲モデルを作っておき近似精度の低い広範囲モデルで初期粗調(狭範囲モデル範囲への引き込み)を行い、最終的な協調条件が満足する状態の予測演算を近似精度の高い狭範囲モデルで行うことも考えられる(図31)。また、第35、36の発明のようにモデルを分割する点を特性データの傾きが変わる極の部分にすることで同一モデル内に同一の誤差量を持つ点が無くなり予測演算の揺らぎを無くすことが考えられる(図32)。
【0204】
図33は非点収差検出信号CL%特性を示す図、図34は非点収差検出信号DL%特性を示す図である。なお、図33(A)は非点収差検出信号CL%の広範囲の実特性を示し、図33(B)は図33(A)の中央部分を横軸方向に拡大した図である。
第31、32の発明、第33、34の発明、第35、36の発明の制御方法を平行光調整方法に適用したのが第72の発明、第73の発明、第74の発明になる。
【0205】
第72の発明は、第58の発明に記載の制御方法において、各レンズの駆動量と光束の非点収差又は非点収差の検出信号の特性データから誤差曲面モデルを作る際に、複数のモデルを作り、モデル切り換え手段でモデルを切り換え、予測演算手段で両レンズ駆動量を予測演算することを特徴とする平行光調整方法である。
【0206】
第73の発明は、第72の発明に記載の平行光調整方法において、複数の誤差曲面モデルを作る際に、非点収差が最低となる点付近の狭範囲モデルと、広範囲モデルを作り、初期調整時に広範囲モデルを用いてコリメートレンズ、検出レンズの駆動量を予測演算し、狭範囲モデル範囲に入った時点で狭範囲モデルに切り換え両レンズ駆動量を予測演算することを特徴とする平行光調整方法である。
【0207】
第74の発明は、第73の発明に記載の平行光調整方法において、複数の誤差曲面モデルを作る際に、特性データの傾きの変わる極部分で分割したモデルを用い、そのモデルを切り換え、予測演算手段で両レンズ駆動量を予測演算することを特徴とする平行光調整方法である。
【0208】
平行光調整に用いる非点収差検出信号CL%、DL%の実特性の例を図33、34に示す。この特性から予測モデルを作る場合、コリメートレンズ制御範囲全体でモデルを作ろうとした場合、特性の傾きが変わる部分を含んでしまい同一の誤差量を持つ点が複数存在してしまい、モデルからコリメートレンズ、検出レンズ位置を求めることが困難になってしまう。また、コリメートレンズ制御範囲全体で近似精度の高いモデルを作ることも難しい。第74の発明のように特性データの傾きが変わる極の部分でモデルを分割し、複数のモデルにすることでこの問題を解決することができる。図33、34の実特性の場合モデルをコリメートレンズ駆動方向で3つに分割することで、コリメートレンズ制御範囲全体で近似精度の高い、傾き変わる極部を持たないモデルを作ることが可能となる。この分割したモデルの切り換えには後で説明する非点収差検出系光量変化の微分値の条件により切り換えるのが望ましい。
【0209】
第73の発明のようにコリメートレンズ制御範囲全体をモデルにした近似精度の低い広範囲モデルと非点収差が最小となる点付近の近似精度の高い狭範囲モデル(前記3分割モデルの中央のモデル)を作り、広範囲モデルで狭範囲モデルへの引き込み、狭範囲モデルで最終調整をすることでもコリメートレンズ制御範囲全体(広範囲)からの平行光調整を可能にすることができる。
【0210】
図36は本発明に係る一実施形態としての第4実施形態の予測誤差を考慮した予測制御装置の基本構成を示す図、図37は図36の予測制御装置の制御フローを説明するためのフローチャートである。
【0211】
第37の発明は、第1の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素にある制御量を入力制御した際の制御対象又は中間制御対象の変化データを予測演算手段に加えて、各制御要素の制御量を予測演算することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0212】
第37の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素にある制御量を入力制御した際の制御対象又は中間制御対象の変化データを予測演算手段に加えて、各制御要素の制御量を予測演算することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0213】
また、第38の発明は、第2の発明又は第3の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素にある制御量を入力制御した際の制御対象又は中間制御対象の変化データを予測演算手段に加えて、各制御要素の制御量を予測演算することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0214】
第37、38の発明の予測演算では、各制御要素に出力手段を通じて出力されている制御量、検出手段で検出された制御対象の状態のデータだけでなく、予測演算精度を上げるために実際に制御要素にある制御量を入力した際の制御対象の変化データを初期データ収集という過程で収集し、予測演算手段に入力し、予測演算を行うことが考えられる(図36、37)。制御対象の変化データを取得することで、予測演算手段の予測関数上のどこに制御要素がいるか、あるいは予測モデル上のどこに制御要素がいるかを推定する際に情報量が増え、正確な現在位置を把握することが可能となる。
【0215】
第75の発明は、第55の発明〜第57の発明の何れかに記載の平行光調整方法において、コリメートレンズ、検出レンズをある駆動量だけ駆動した際の光束の非点収差又は非点収差検出信号の変化データを予測演算手段に加えて、両レンズ位置を予測演算手段で演算することを特徴とする平行光調整方法である。
【0216】
第37、38の発明を平行光調整に適用したのが第75の発明で、非点収差検出信号の変化データの傾き、傾きの方向の情報を付加して予測演算を行うことで、非点収差が最小となる点に対して、現在のコリメートレンズ、検出レンズ位置がどこにあるか正確に把握できるようになる。
【0217】
図38は本発明に係る一実施形態としての第5実施形態の予測誤差を考慮した予測制御装置の基本構成を示す図、図39は予測誤差の大きい範囲を説明するための図、図40は図38の予測制御装置の制御フローを説明するためのフローチャートである。
第39の発明、第40の発明、第41の発明、第42の発明、第43の発明の制御方法、制御装置の構成を図38に示す。
【0218】
第39の発明は、第1の発明〜第3の発明の何れかに記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、予測誤差認識手段44を設け、予測誤差が大きいと判断された場合は、予測演算の精度の高い部分に一度各制御要素を制御した後に、再び各制御要素の制御量を予測演算することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0219】
第40の発明は、第39の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象の変化の関係から制御要素の重みづけを行い、初期データ収集時に各制御要素の制御量を重みづけに従い決めることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0220】
また、第41の発明は、第39の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象又は中間制御対象の変化の関係から制御要素の重みづけを行い、初期データ収集時に各制御要素の制御量を重みづけに従い決めることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0221】
第42の発明は、第39の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象の変化の関係を測定し、そのデータをもとに制御要素の重みづけを行う重みづけ手段35を持ち、初期データ収集時に各制御要素の制御量を重み付け手段の重みづけ結果に従い決めることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0222】
また、第43の発明は、第39の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象又は中間制御対象の変化の関係を測定し、そのデータをもとに制御要素の重みづけを行う重みづけ手段を持ち、初期データ収集時に各制御要素の制御量を重み付け手段35の重みづけ結果に従い決めることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0223】
第44の発明は、第1の発明〜第3の発明の何れかに記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、予測演算手段を複数持ち、予測演算選択手段で複数ある予測演算手段を切り換えることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法である。
【0224】
第39の発明では、予測誤差認識手段44を予測演算手段1内に構成し、予測演算手段1で演算する際に制御要素の制御量が予測誤差の大きい範囲であると判断された場合(図39)、予測演算の精度の高い部分に制御要素を一度制御した後に再び各制御要素の予測制御量を予測演算するというものである(図40のフローチャート)。
【0225】
第39の発明の制御方法を平行光調整方法に適用したのが第76の発明になる。
第76の発明は、第55の発明〜第57の発明の発明の何れかに記載の平行光調整方法において、予測誤差認識手段を設け、予測誤差が大きいと判断された場合は、予測演算の精度の高い部分に一度コリメートレンズ、検出レンズを移動した後に、再び非点収差が最小となるコリメートレンズ、検出レンズ位置を予測演算することを特徴とする平行光調整方法である。
【0226】
図33(A)に示すように、平行光調整に用いる非点収差検出信号CL% の実特性の例を見ると、特性の傾きがプラスとなっている部分(グラフの左右の部分)は検出特性が安定しない為予測演算を行っても予測誤差が大きくなってしまう。図33(B)に示すように、第76の発明のように予測誤差認識手段を設け、予測誤差が大きくなるであろうと判断された場合強制的に特性の傾きがマイナスとなる範囲(グラフの中央の部分)にレンズ位置を移動することで、予測精度の高い部分での予測演算が可能となり正確に非点収差が最小となる位置を求めることができる。
【0227】
予測誤差認識手段を使って予測誤差が大きくなるかどうかを判断する方法としては、事前に測定されたレンズ位置と非点収差検出信号の特性と予測演算式で出だした予測結果のずれが多い範囲を調べておき、初期データ収集時の検出信号値、信号傾き等の値から判断する方法、検出信号測定時に繰り返し測定を行い、検出信号のS/N比を求め、そのS/N比の値で判断する方法などが考えられる。
【0228】
第40、41の発明、第42、43の発明に示すように各制御要素の制御量が制御対象又は中間制御対象へ与える影響度合いで、各制御要素重みづけをしておくことにより、初期データ収集時に制御要素を制御する量を重みづけに従って調整することが考えられる。例えば、制御対象又は中間制御対象へ与える影響の大きい制御要素はデータ収集時の制御量を少なくし細かくデータを取り、逆に制御対象へ与える影響の小さい制御要素はデータ収集時の制御量を大きくし広範囲のデータを粗く取ることで、予測演算に必要なデータの精度を上げることができる。第40、41の発明の場合はこの各制御要素重みづけを予め測定された各制御要素の制御量と制御対象又は中間制御対象の変化の関係を測定したデータから決めておく場合で、第42、43の発明の場合は初期データ収集前に各制御要素の制御量と制御対象の変化の関係を測定し、そのデータをもとに制御要素の重みづけを行う重みづけ手段で重みづけを行う場合である。これにより各制御要素の状態に合わせた重みづけができるようになる。
【0229】
図41は、複数の予測検算を説明するための図である。
第44の発明に示すように予測演算手段内に予測演算選択手段を設け複数の予測演算手段を持つことで、各制御要素の制御量と制御対象の変化の関係が1つの予測演算式で表せない場合(図41)や予測モデルが複数ある時に同じ予測演算手段で予測演算できない場合でも、複数の演算手段を切り換えることで予測制御量を演算することができる。第40、41の発明、第42、43の発明、第44の発明の発明の制御方法を平行光調整方法に適用したのが第77の発明、第78の発明、第79の発明になる。
【0230】
第77の発明は、第76の発明に記載の平行光調整方法において、各レンズの駆動量と非点収差検出信号の変化の関係から各レンズの重みづけを行っておき、初期データ収集時に各レンズの駆動量を重みづけに従い決定することを特徴とする平行光調整方法である。
【0231】
第78の発明は、第76の発明に記載平行光調整方法において、各レンズの駆動量と非点収差検出信号の変化の関係を測定し、そのデータをもとに各レンズの重みづけを行う重みづけ手段を持ち、初期データ収集時に各レンズの駆動量を重み付け手段の重みづけ結果に従い決定することを特徴とする平行光調整方法である。
【0232】
第79の発明は、第56の発明又は第57の発明に記載の平行光調整方法において、予測演算手段を複数持ち、予測演算選択手段で複数ある予測演算手段を切り換えることを特徴とする平行光調整方法である。
【0233】
図35は、光量変化微分値による予測演算手段・モデルの切り換えを説明するための図である。
複数ある予測演算手段又は複数あるモデルを予測演算切換手段で切り換える際に、非点収差の検出手段で検出された光量変化の微分値V1、V2、V3、V4を使うことで適切な条件で予測演算手段又はモデルの切換が可能である。光量変化の微分値は、非点収差検出信号CL%、DL%の実特性のグラフ(図36、37)の特性の傾きがプラスとなっている部分(グラフの左右の部分)で小さな値、傾きがマイナスとなっている部分(グラフの中央の部分)で大きな値を示す。これら光量変化の微分値条件と検出信号の値の条件を組み合わせて予測演算手段又は予測モデルを切り換えることで適切な切り換えが可能となる(図35)。
【0234】
この制御方法を適用した装置の発明として、第45の発明が第1の発明、第2の発明の制御方法を適用するため予測演算手段を備えた制御装置、第53の発明がその制御方法を多軸制御に適用した多軸制御装置、第80の発明が平行光調整に適用した平行光調整装置になる。
【0235】
第45の発明は、相互作用を有する複数の制御要素を制御することにより、複数の制御対象をコントロールし、その協調条件が成立するようにする予測制御装置において、各制御要素制御量の制御対象又は中間制御対象への相互作用を考慮に入れ、各制御要素の制御量を予測演算し求める予測演算手段を備えることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御装置である。
【0236】
第53の発明は、第45に記載の制御装置において、複数の制御要素が複数の駆動手段で、各駆動手段の駆動量の制御対象又は中間制御対象への相互作用を考慮に入れ、協調条件が満足する各駆動手段の駆動量を予測演算し求める予測演算手段を備えることを特徴とする多軸制御装置である。
【0237】
第80の発明は、第53の発明に記載の多軸制御装置で、制御装置が光源から出射された光束をコリメートレンズで略平行光にしビーム整形手段を通し検出系へと導き、検出系内の検出レンズで集光束にした光束の非点収差検出結果をもとに両レンズを駆動手段で駆動し、ビーム整形手段後の光束の非点収差が最小となるように調整する平行光調整装置で、最終制御対象である非点収差が最小となるコリメートレンズと検出レンズ位置を予測演算し求める予測演算手段を備えることを特徴とする平行光調整装置である。
【0238】
第46の発明は、第45の発明に記載の予測誤差を考慮した予測制御装置において、前記予測演算手段の中に、複数のモデル及びモデル切り換え手段、実特性の情報によりモデルを修正するモデル修正手段45、複数の予測演算部及び予測演算選択手段及び初期データ収集時に各制御要素の制御量の重み付けを行う重み付け手段のいずれか1つを備えることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御装置である。
【0239】
また第46の発明は、第23の発明〜第44の発明の付加機能を実行するため、予測演算手段の中に複数のモデルとモデル切り換え手段、実特性の情報によりモデルを修正するモデル修正手段45、複数の予測演算手段と予測演算選択手段、重み付け手段のいずれか1つを備える制御装置である。
【0240】
第54の発明は、第53の発明に記載の多軸制御装置において、予測演算手段の中に複数のモデルとモデル切り換え手段、実特性の情報によりモデルを修正するモデル修正手段45、複数の予測演算手段と予測演算選択手段、初期データ収集時に各制御要素の制御量の重み付けを行う重み付け手段のいずれか1つを備えることを特徴とする多軸制御装置である。
【0241】
第81の発明は、第80の発明に記載の平行光調整装置において、予測演算手段の中に複数のモデルを切り換えるモデル切り換え手段、実特性データによりモデルを修正するモデル修正手段45、複数の予測演算手段を切り換える予測演算選択手段、初期データ収集時に各制御要素の制御量の重み付けを行う重み付け手段のいずれか1つを備えることを特徴とする平行光調整装置である。
【0242】
第54の発明が付加機能を実行するため、予測演算手段1の中に複数のモデル(誤差曲面第1モデル37、誤差曲面第2モデル38、誤差曲面第3モデル39)とモデル切り換え手段36、実特性の情報によりモデルを修正するモデル修正手段45、複数の予測演算部(第1予測演算部32、第2予測演算部33、第3予測演算部34)と予測演算選択手段31、重み付け手段35のいずれか1つを備える多軸制御装置、第81の発明が付加機能を実行するため、予測演算手段1の中に複数のモデル(誤差曲面第1モデル37、誤差曲面第2モデル38、誤差曲面第3モデル39)とモデル切り換え手段36、実特性の情報によりモデルを修正するモデル修正手段45、複数の予測演算部(第1予測演算部32、第2予測演算部33、第3予測演算部34)と予測演算選択手段31、重み付け手段35のいずれか1つを備える平行光調整装置になる。
【0243】
図42は、従来の繰り返し制御方法と本発明の予測誤差を考慮した予測制御方法との収束時間の違いを示す図である。
最後に、実際の制御効果については第58の発明の3次元モデル(誤差曲面モデル)を用いた予測演算手段で非点収差を最低にするコリメートレンズ、検出レンズ位置を求め、両レンズを繰り返し制御した場合と従来の予測を使わない繰り返し制御で非点収差を最低にするよう制御した場合の平行光調整の収束性比較データを図42に示す。
【0244】
モデルは、第62の発明に示す条件範囲で作ったモデルを使用している。比較の結果、収束時間で約1/4、制御実行回数(収束回数)で約1/3の高速調整が実現できた。予測制御の場合は●印の点が3回の予測制御収束点である。制御を重ねる毎に予測誤差が小さくなり、この場合3回でCL%、DL%の協調条件を満足するCL位置、DL位置に制御できた。10サンプル各6回の計60回の平行光調整実験においても、図42とほぼ同様の予測収束性を示し、全ての予測で、制御を重ねる毎に予測誤差が小さくなることが確認できた。
【0245】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0246】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1又は82の発明によれば、複数の制御要素の制御量が制御対象へ与える相互作用を考慮に入れ、各制御要素の制御量を予測演算手段で演算し求めることで複数の制御要素を一度に制御することでき、短時間に協調条件が満足する状態に制御対象をすることが可能となる。
【0247】
また、請求項2の発明によれば、最終の制御対象が協調条件を満たすように中間制御対象の状態を決定し、更にその中間制御対象の状態を成立させるよう複数有る制御要素の制御量を予測演算手段で演算し、一度に制御することで、相互作用の複雑な制御系でも中間制御対象で制御系を分割し簡略化することができるので、容易に協調条件が満足する状態に中間制御対象、最終制御対象をすることが可能となる。
【0248】
また、請求項3の発明によれば、複数ある制御要素の制御量を予測演算手段により演算し、予測点へと制御要素を制御することを繰り返し実行、中間制御対象、最終制御対象とも協調条件を満足するまで繰り返すことで、予測誤差が有り収束条件が一度に決まらなかった場合でも協調条件が満足する状態に中間制御対象、最終制御対象を制御すること可能となる。
【0249】
また、請求項4の発明によれば、各制御要素の制御量と制御対象の特性データを基に、相互作用のある制御要素の制御量をパラメータとして制御対象の目標値からの誤差量を表した3次元モデル(誤差曲面モデル)を用いて、各制御要素の制御量を予測演算手段で演算し求めることで、制御要素の制御量の制御対象への相互作用を1つのモデルで表すことができるので、相互作用の複雑な場合でも協調条件が満足する制御要素の状態が容易に求まり、複数ある制御要素を一度に制御できるため、短時間で正確に制御対象を制御することが可能となる。
【0250】
また、請求項5の発明によれば、各制御要素の制御量と制御対象又は中間制御対象の特性データを基に、相互作用のある制御要素の制御量をパラメータとして制御対象又は中間制御対象の目標値からの誤差量を表した3次元モデル(誤差曲面モデル)を用いて、各制御要素の制御量を予測演算手段で演算し求めることで、制御要素の制御量の制御対象への相互作用を1つのモデルで表すことができるので、相互作用の複雑な場合でも協調条件が満足する制御要素の状態が容易に求まり、複数ある制御要素を一度に制御できるため、短時間で正確に制御対象又は中間制御対象を制御することが可能となる。
【0251】
また、請求項6の発明によれば、複数の制御要素の制御量と複数の制御対象の特性データから作成した複数の3次元モデル(誤差曲面モデル)を1空間に表すことで、複数の制御対象間の相互作用の関係がモデルに表現できる為、制御対象どうしの相互関係を正確に把握することが可能となり、短時間で、正確に協調条件が満足する状態に制御対象を制御することが可能となる。
【0252】
また、請求項7の発明によれば、複数の制御要素の制御量と複数の制御対象又は中間制御対象の特性データから作成した複数の3次元モデル(誤差曲面モデル)を1空間に表すことで、複数の制御対象又は中間制御対象間の相互作用の関係がモデルに表現できる為、制御対象、中間制御対象どうしの相互関係を正確に把握することが可能となり、短時間で、正確に協調条件が満足する状態に制御対象又は中間制御対象を制御することが可能となる。
【0253】
また、請求項8の発明によれば、収束点に近づくにつれて予測誤差が小さくなるよう分布を持たせることで、繰り返し予測制御を行い、収束点に近づくにつれ予測誤差が小さくなるため、少ない繰り返し回数で短時間に協調条件を満たす状態に制御することが可能となる。
【0254】
また、請求項9の発明によれば、3次元モデル(誤差曲面モデル)と各サンプルの実際の特性(以下、実特性)の差をモデルの制御量軸方向の誤差とみなしてモデルを制御量軸方向にシフトさせ予測演算をすることで、実特性のサンプル間誤差が少ない系ではモデルを修正せずに、正確に協調条件が満足する状態を予測することが可能となる。
【0255】
また、請求項10の発明によれば、制御要素の制御量をX,Y,…Z
誤差曲面モデル関数をGn(X,Y,…Z)、 n:制御対象の数に依存(信号の数だけモデルが存在)
G1=G2=…=Gn=0を満たす点を(Xm,Ym,…Zm)
実特性関数をFn(X,Y,…Z)、 n:制御対象の数に依存(信号の数だけ実特性が存在)
F1=F2=…=Fn=0を満たす点を(Xa,Ya,…Za)
とすると、
|Gn(2X+Xm,2Y+Ym,…,2Z+Zm)|>|Fn(X+Xa, Y+Ya,…, Z+Za)|
を全ての対象サンプルで満たす範囲でつくられた3次元モデル(誤差曲面モデル)を用いて、各制御要素の制御量を予測演算手段で演算し求めることで、繰り返し予測制御を行った場合、発散せずに短時間に協調条件が満足する状態に制御対象又は中間制御対象を制御することが可能となる。
【0256】
また、請求項11の発明によれば、複数の制御対象の初期誤差量測定値で対応する3次元モデル(誤差曲面モデル)をカットした際の交差曲線を制御要素の制御量平面上に重ね合わせ、その交差曲線の交点又は囲まれる領域、又は領域の重心点又は交点の平均点を制御要素の初期制御状態とすることで、3つ以上の制御対象がある複雑な系で、初期誤差量測定値やモデルに誤差がある場合でも、モデル上の初期状態の位置を認識することが可能となり、協調条件が満足する状態を予測することが可能となる。
【0257】
また、請求項12の発明によれば、複数の制御対象又は中間制御対象の初期誤差量測定値で対応する3次元モデル(誤差曲面モデル)をカットした際の交差曲線を制御要素の制御量平面上に重ね合わせ、その交差曲線の交点又は囲まれる領域、又は領域の重心点又は交点の平均点を制御要素の初期制御状態とすることで、3つ以上の制御対象又は中間制御対象がある複雑な系で、初期誤差量測定値やモデルに誤差がある場合でも、モデル上の初期状態の位置を認識することが可能となり、協調条件が満足する状態を予測することが可能となる。
【0258】
また、請求項13の発明によれば、複数の制御対象の収束条件範囲で対応する3次元モデル(誤差曲面モデル)をカットした際の交差領域を制御要素の制御量平面上に重ね合わせ、その交差領域が交わった領域を制御要素の目標制御状態とすることで、相互作用が複雑な場合でも収束条件を満たす範囲が明確になり、協調条件が満足する状態を的確に予測することが可能となる。
【0259】
また、請求項14の発明によれば、複数の制御対象又は中間制御対象の収束条件範囲で対応する3次元モデル(誤差曲面モデル)をカットした際の交差領域を制御要素の制御量平面上に重ね合わせ、その交差領域が交わった領域を制御要素の目標制御状態とすることで、相互作用が複雑な場合でも収束条件を満たす範囲が明確になり、協調条件が満足する状態を的確に予測することが可能となる。
【0260】
また、請求項15の発明によれば、複数の制御対象の収束条件中心値で対応する3次元モデル(誤差曲面モデル)をカットした際の交差曲線を制御要素の制御量平面上に重ね合わせ、その交差曲線の交点又は囲まれる領域、又は領域の重心点又は交点の平均点を制御要素の目標制御状態とすることで、3つ以上の制御対象がある複雑な系で、モデルに誤差がある場合でも、モデル上の協調条件が満足する位置を認識することが可能となり、的確な予測をすることが可能となる。
【0261】
また、請求項16の発明によれば、複数の制御対象又は中間制御対象の収束条件中心値で対応する3次元モデル(誤差曲面モデル)をカットした際の交差曲線を制御要素の制御量平面上に重ね合わせ、その交差曲線の交点又は囲まれる領域、又は領域の重心点又は交点の平均点を制御要素の目標制御状態とすることで、3つ以上の制御対象又は中間制御対象がある複雑な系で、モデルに誤差がある場合でも、モデル上の協調条件が満足する位置を認識することが可能となり、的確な予測をすることが可能となる。
【0262】
また、請求項17の発明によれば、請求項11の方法で複数の制御対象の初期誤差量測定値から求めた制御要素の初期制御状態(交点、交点の平均点又は重心点)と、請求項15の方法で複数の制御対象の収束条件中心値から求めた制御要素の目標制御状態(交点、交点の平均点又は重心点)の距離から各制御要素の予測制御量を決定することで、3つ以上の制御対象がある複雑な系で、初期誤差量測定値やモデルに誤差がある場合でも、初期制御状態を目標制御状態にする的確な制御要素の制御量を予測することが可能となる。
【0263】
また、請求項18の発明によれば、請求項12の方法で複数の制御対象又は中間制御対象の初期誤差量測定値から求めた制御要素の初期制御状態(交点、交点の平均点又は重心点)と、請求項16の方法で複数の制御対象又は中間制御対象の収束条件中心値から求めた制御要素の目標制御状態(交点、交点の平均点又は重心点)の距離から各制御要素の予測制御量を決定することで、3つ以上の制御対象又は中間制御対象がある複雑な系で、初期誤差量測定値やモデルに誤差がある場合でも、初期制御状態を目標制御状態にする的確な制御要素の制御量を予測することが可能となる。
【0264】
また、請求項19の発明によれば、請求項11の方法で複数の制御対象の初期誤差量測定値から求めた制御要素の初期制御状態(交点、交点の平均点又は重心点)と、請求項13又は15の方法で複数の制御対象の収束条件範囲または収束条件中心値から求めた制御要素の目標制御状態(領域)の最短距離を各制御要素の予測制御量として決定することで、初期制御状態を目標制御状態にする制御要素の最小制御量を予測することができ、短時間で協調条件が満足する状態に制御対象を制御することが可能となる。
【0265】
また、請求項20の発明によれば、請求項12の方法で複数の制御対象又は中間制御対象の初期誤差量測定値から求めた制御要素の初期制御状態(交点、交点の平均点又は重心点)と、請求項14又は16の方法で複数の制御対象又は中間制御対象の収束条件範囲または収束条件中心値から求めた制御要素の目標制御状態(領域)の最短距離を各制御要素の予測制御量として決定することで、初期制御状態を目標制御状態にする制御要素の最小制御量を予測することができ、短時間で協調条件が満足する状態に制御対象又は中間制御対象を制御すること可能となる。
【0266】
また、請求項21の発明によれば、請求項11の方法で複数の制御対象の初期誤差量測定値から求めた制御要素の初期制御状態(領域)と、請求項13又は15の方法で複数の制御対象の収束条件範囲または収束条件中心値から求めた制御要素の目標制御状態(領域)の重なる面積が最大となる最短距離を各制御要素の予測制御量として決定することで、3つ以上の制御対象がある複雑な系で、初期誤差量測定値やモデルに誤差がある場合でも、初期制御状態を目標制御状態に近づける制御要素の最小制御量を予測することが可能となる。
【0267】
また、請求項22の発明によれば、請求項12の方法で複数の制御対象又は中間制御対象の初期誤差量測定値から求めた制御要素の初期制御状態(領域)と、請求項14又は16の方法で複数の制御対象又は中間制御対象の収束条件範囲または収束条件中心値から求めた制御要素の目標制御状態(領域)の重なる面積が最大となる最短距離を各制御要素の予測制御量として決定することで、3つ以上の制御対象又は中間制御対象がある複雑な系で、初期誤差量測定値やモデルに誤差がある場合でも、初期制御状態を目標制御状態に近づける制御要素の最小制御量を予測することが可能となる。
【0268】
また、請求項23の発明によれば、制御対象の実特性の情報により3次元モデル(誤差曲面モデル)を変化させ、そのモデルを用いて予測演算をすることで、モデルの誤差、実特性のサンプル間誤差が有った場合でも、実特性の差を考慮してモデルを修正でき、協調条件が満足する状態に制御対象を短時間で正確に制御することが可能となる。
【0269】
また、請求項24の発明によれば、制御対象又は中間制御対象の実特性の情報により3次元モデル(誤差曲面モデル)を変化させ、そのモデルを用いて予測演算をすることで、モデルの誤差、実特性のサンプル間誤差が有った場合でも、実特性の差を考慮してモデルを修正でき、協調条件が満足する状態に制御対象又は中間制御対象を短時間で正確に制御することが可能となる。
【0270】
また、請求項25の発明によれば、各制御要素の初期状態での制御対象の実特性情報と基準の誤差曲面モデルにより初回の予測制御を行い、その各制御要素の制御状態での制御対象の実特性情報と初期状態での制御対象の実特性情報とを考慮して基準の誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより次の予測制御を行い、これを繰り返すことで、予測制御前の実特性情報と予測制御後の実特性情報をもとにより正確な実特性を考慮したモデル修正ができ、協調条件が満足する状態に制御対象を短時間で正確に制御することが可能となる。
【0271】
また、請求項26の発明によれば、各制御要素の初期状態での制御対象又は中間制御対象の実特性情報と基準の誤差曲面モデルにより初回の予測制御を行い、その各制御要素の制御状態での制御対象又は中間制御対象の実特性情報と初期状態での制御対象又は中間制御対象の実特性情報とを考慮して基準の誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより次の予測制御を行い、これを繰り返すことで、予測制御前の実特性情報と予測制御後の実特性情報をもとにより正確な実特性を考慮したモデル修正ができ、協調条件が満足する状態に制御対象又は中間制御対象を短時間で正確に制御することが可能となる。
【0272】
また、請求項27の発明によれば、各制御要素の初期状態での制御対象の特性情報と基準の誤差曲面モデルにより初回の予測制御を行い、その予測点への制御途中に制御対象の実特性情報を取得し、取得した制御途中の制御対象の実特性情報と初期位置での制御対象の実特性情報とを考慮して基準の誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより次の予測制御を行い、これを繰り返すことで、制御途中の実特性情報を含めたより多くの実特性情報をもとに正確なモデル修正ができ、協調条件が満足する状態に制御対象を短時間で正確に制御することが可能となる。
【0273】
また、請求項28の発明によれば、各制御要素の初期状態での制御対象又は中間制御対象の実特性情報と基準の誤差曲面モデルにより初回の予測制御を行い、その予測点への制御途中に制御対象又は中間制御対象の実特性情報を取得し、取得した制御途中の制御対象又は中間制御対象の実特性情報と初期位置での制御対象又は中間制御対象の実特性情報とを考慮して基準の誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより次の予測制御を行い、これを繰り返すことで、制御途中の実特性情報を含めたより多くの実特性情報をもとに正確なモデル修正ができ、協調条件が満足する状態に制御対象又は中間制御対象を短時間で正確に制御することが可能となる。
【0274】
また、請求項29の発明によれば、各制御要素の初期状態付近での制御対象の実特性情報により、基準の誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより次の予測制御を行うことにより、初回の予測制御時にも実特性を考慮した修正モデルを使用して予測することができるので、実特性とモデルの差による予測誤差を低減することができ、協調条件が満足する状態に制御対象を短時間で正確に制御することが可能となる。
【0275】
また、請求項30の発明によれば、各制御要素の初期状態付近での制御対象又は中間制御対象の実特性情報により、基準の誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより次の予測制御を行うことにより、初回の予測制御時にも実特性を考慮した修正モデルを使用して予測することができるので、実特性とモデルの差による予測誤差を低減することができ、協調条件が満足する状態に制御対象又は中間制御対象を短時間で正確に制御することが可能となる。
【0276】
また、請求項31の発明によれば、予め測定された各制御要素の制御量と制御対象の特性データから3次元モデル(誤差曲面モデル)を作る際に、複数のモデルを作り、モデル切り換え手段でそのモデルを切り換え予測制御量を予測演算することで、より低次数の近似で近似精度の高いモデルを作ることが可能となり、簡単な演算で正確な予測が可能となり、協調条件が満足する状態に制御対象を容易に正確に制御することが可能となる。
【0277】
また、請求項32の発明によれば、予め測定された各制御要素の制御量と制御対象又は中間制御対象の特性データから3次元モデル(誤差曲面モデル)を作る際に、複数のモデルを作り、モデル切り換え手段でそのモデルを切り換え予測制御量を予測演算することで、より低次数の近似で近似精度の高いモデルを作ることが可能となり、簡単な演算で正確な予測が可能となり、協調条件が満足する状態に制御対象又は中間制御対象を容易に正確に制御することが可能となる。
【0278】
また、請求項33の発明によれば、予測点付近の狭範囲モデルと、広範囲モデルを作り、初期調整時に広範囲モデルを用いて各制御要素の制御量を予測演算し、狭範囲モデル範囲に入った時点で狭範囲モデルに切り換え制御量を予測演算することで、近似精度の低い広範囲モデルで広範囲からの制御要素粗調(狭範囲モデルへの引き込み)が可能となるとともに、最終的な協調条件が満足する状態の予測演算を近似精度の高い狭範囲モデルで行い予測精度を上げることができ、適応範囲の広い正確な制御対象の制御が可能となる。
【0279】
また、請求項34の発明によれば、予測点付近の狭範囲モデルと、広範囲モデルを作り、初期調整時に広範囲モデルを用いて各制御要素の制御量を予測演算し、狭範囲モデル範囲に入った時点で狭範囲モデルに切り換え制御量を予測演算することで、近似精度の低い広範囲モデルで広範囲からの制御要素粗調(狭範囲モデルへの引き込み)が可能となるとともに、最終的な協調条件が満足する状態の予測演算を近似精度の高い狭範囲モデルで行い予測精度を上げることができ、適応範囲の広い正確な制御対象又は中間制御対象の制御が可能となる。
【0280】
また、請求項35の発明によれば、特性データの傾きの変わる極部分で分割したモデルを用い、そのモデルを切り換え予測制御量を予測演算することで、同一モデル内に同一の誤差量を持つ点が無くなり、予測演算の揺らぎが無くなり、協調条件が満足する状態に制御対象をスムーズに制御することが可能となる。
【0281】
また、請求項36の発明によれば、特性データの傾きの変わる極部分で分割したモデルを用い、そのモデルを切り換え予測制御量を予測演算することで、同一モデル内に同一の誤差量を持つ点が無くなり、予測演算の揺らぎが無くなり、協調条件が満足する状態に制御対象又は中間制御対象をスムーズに制御することが可能となる。
【0282】
また、請求項37の発明によれば、各制御要素にある制御量を入力制御した際の制御対象の変化データをもとに各制御要素の予測制御量を予測演算することで、特性の傾き情報を得ることができ、予測演算の予測関数又はモデルのどの位置に制御要素があるか正確に把握することができるようになるので、予測精度が上がり、精度良く短時間に協調条件が満足する状態に制御対象を制御することが可能となる。
【0283】
また、請求項38の発明によれば、各制御要素にある制御量を入力制御した際の制御対象又は中間制御対象の変化データ(初期データ収集結果)をもとに各制御要素の予測制御量を予測演算することで、特性の傾き情報を得ることができ、予測演算の予測関数又はモデルのどの位置に制御要素があるか正確に把握することができるようになるので、予測精度が上がり、精度良く短時間に協調条件が満足する状態に制御対象又は中間制御対象を制御することが可能となる。
【0284】
また、請求項39の発明によれば、予測誤差認識手段を設け、予測誤差が大きいと判断された場合は、予測演算の精度の高い部分に一度各制御要素を制御した後に、再び各制御要素の予測制御量を予測演算することで、予測誤差による制御の発散を防ぐことができ、短時間に協調条件が満足する状態に制御対象又は中間制御対象をすることが可能となる。
【0285】
また、請求項40の発明によれば、各制御要素の制御量と制御対象の変化の関係から制御要素の重みづけを行い、初期データ収集時に各制御要素の制御量を重みづけに従い決めることで、予測演算に必要な初期データ収集の信頼性を上げることができるので、予測演算の予測関数又はモデルのどの位置に制御要素があるか正確に把握でき、予測精度が上がり、短時間に精度良く協調条件が満足する状態に制御対象を制御することが可能となる。
【0286】
また、請求項41の発明によれば、各制御要素の制御量と制御対象又は中間制御対象の変化の関係から制御要素の重みづけを行い、初期データ収集時に各制御要素の制御量を重みづけに従い決めることで、予測演算に必要な初期データ収集の信頼性を上げることができるので、予測演算の予測関数又はモデルのどの位置に制御要素があるか正確に把握でき、予測精度が上がり、短時間に精度良く協調条件が満足する状態に制御対象又は中間制御対象を制御することが可能となる。
【0287】
また、請求項42の発明によれば、各制御要素の制御量と制御対象の変化の関係を測定し、そのデータをもとに制御要素の重みづけを行う重みづけ手段を持ち、初期データ収集時に各制御要素の制御量を重み付け手段の重みづけ結果に従い決定することで、請求項40のように予め測定されたデータで重みづけを行うより更に予測演算に必要な初期データ収集の信頼性を上げることができるので、更に短時間に精度良く協調条件が満足する状態に制御対象を制御することが可能となる。
【0288】
また、請求項43の発明によれば、各制御要素の制御量と制御対象又は中間制御対象の変化の関係を測定し、そのデータをもとに制御要素の重みづけを行う重みづけ手段を持ち、初期データ収集時に各制御要素の制御量を重み付け手段の重みづけ結果に従い決定することで、請求項41のように予め測定されたデータで重みづけを行うより更に予測演算に必要な初期データ収集の信頼性を上げることができるので、更に短時間に精度良く協調条件が満足する状態に制御対象又は中間制御対象を制御することが可能となる。
【0289】
また、請求項44の発明によれば、予測演算選択手段で複数ある予測演算手段を切り換えることで、各制御要素の状態と制御対象の状態の関係が1つの予測演算手段で正確に表せない場合や予測モデルが複数ある場合に同じ予測演算手段で予測演算できなくても予測演算を可能にすることができるので、適応範囲の広い高精度な制御対象又は中間制御対象の制御が可能となる。
【0290】
また、請求項45の発明によれば、複数の制御要素を制御しその相互作用により、制御対象又は中間制御対象をコントロールしその協調条件が成立するように制御する制御システムにおいて、各制御要素制御量の制御対象への影響の相互作用を考慮に入れ、各制御要素の制御量を予測演算し求める予測演算手段を備えることで、相互作用の影響を考慮に入れた制御状態に複数ある制御要素を一度に制御できるため、短時間に協調条件が満足する状態に制御対象又は中間制御対象を制御することが可能となる。
【0291】
また、請求項46の発明によれば、予測演算手段の中に複数のモデルとモデル切り換え手段、実特性の情報によりモデルを修正するモデル修正手段、複数の予測演算手段と予測演算選択手段、初期データ収集時に各制御要素の制御量の重み付けを行う重み付け手段のいずれか1つを備えることで、複雑な制御系であっても広範囲で正確な制御対象の制御ができるので、短時間に精度良く協調条件が満足する状態に制御対象又は中間制御対象を制御することが可能となる。
【0292】
また、請求項47の発明によれば、制御要素である複数の駆動手段駆動量の相互作用により、制御対象をコントロールし、その協調条件を成立させる多軸制御装置において、各駆動手段駆動量の制御対象への相互作用を考慮に入れ、各駆動手段の駆動量を予測演算手段で演算し求め、複数有る駆動手段を一度に駆動させることで、短時間に協調条件が満足する状態に複数の駆動手段を駆動することが可能となる。
【0293】
また、請求項48の発明によれば、制御要素である複数の駆動手段駆動量の相互作用により、制御対象又は中間制御対象をコントロールし、その協調条件を成立させる多軸制御装置において、各駆動手段駆動量の制御対象又は中間制御対象への相互作用を考慮に入れ、各駆動手段の駆動量を予測演算手段で演算し求め、複数有る駆動手段を一度に駆動させることで、短時間に協調条件が満足する状態に複数の駆動手段を駆動することが可能となる。
【0294】
また、請求項49の発明によれば、複数ある駆動手段の駆動量を予測演算手段により演算し、予測点へと駆動手段を駆動することを繰り返し行い、中間制御対象、最終制御対象とも協調条件を満足するまで繰り返すことで、予測誤差が有り収束条件が一度に決まらなかった場合でも協調条件が満足する状態に中間制御対象、最終制御対象を制御することが可能となる。
【0295】
また、請求項50の発明によれば、各駆動手段の駆動量を予測演算し求める予測演算手段の中に相互作用のある駆動手段の駆動量をパラメータとして、その相互作用により制御される制御対象の目標値からの誤差量を表した3次元モデル(誤差曲面モデル)を備え、それを用いて各駆動手段の駆動量を予測演算し求めることで、制御対象への駆動手段駆動量の相互作用を1つのモデルで表すことができ、相互作用の複雑な場合でも協調条件が満足する駆動手段の状態が容易に求まり、複数ある駆動手段を一度に制御できるため、短時間で正確に協調条件が満足する状態に複数の駆動手段を駆動することが可能となる。
【0296】
また、請求項51の発明によれば、各駆動手段の駆動量を予測演算し求める予測演算手段の中に相互作用のある駆動手段の駆動量をパラメータとして、その相互作用により制御される制御対象又は中間制御対象の目標値からの誤差量を表した3次元モデル(誤差曲面モデル)を備え、それを用いて各駆動手段の駆動量を予測演算し求めることで、制御対象又は中間制御対象への駆動手段駆動量の相互作用を1つのモデルで表すことができ、相互作用の複雑な場合でも協調条件が満足する駆動手段の状態が容易に求まり、複数ある駆動手段を一度に制御できるため、短時間で正確に協調条件が満足する状態に複数の駆動手段を駆動することが可能となる。
【0297】
また、請求項52の発明によれば、3次元モデル(誤差曲面モデル)で表現されている相互作用が複数の駆動軸の軸干渉であることで、軸干渉を考慮した複数の駆動軸制御が3次元モデルを用いて容易にすることが可能となる。
【0298】
また、請求項53の発明によれば、各駆動手段の駆動量の制御対象又は中間制御対象への相互作用を考慮に入れ、協調条件が満足する各駆動手段の駆動量を予測演算し求める予測演算手段を備えることで、相互作用の影響を考慮に入れた駆動状態に複数ある駆動手段を一度に駆動できるため、協調条件が満足する状態に複数の駆動手段を短時間で駆動することが可能となる。
【0299】
また、請求項54の発明によれば、予測演算手段の中に複数のモデルとモデル切り換え手段、実特性の情報によりモデルを修正するモデル修正手段、複数の予測演算手段と予測演算選択手段、初期データ収集時に各制御要素の制御量の重み付けを行う重み付け手段のいずれか1つを備えることで、複雑な多軸制御系であっても広範囲で正確に駆動手段の駆動量を求めることができるので、短時間に精度良く協調条件が満足する状態に複数の駆動手段を駆動することが可能となる。
【0300】
また、請求項55の発明によれば、制御対象である非点収差が最小となるコリメートレンズ、検出レンズ位置を予測演算手段で演算し、制御要素である両レンズを駆動手段により一度に駆動することで、非点収差が最小となる位置に両レンズを短時間に駆動することが可能となる。
【0301】
また、請求項56の発明によれば、コリメートレンズの駆動量により主にコントロールされる非点収差検出信号CL% と、検出レンズの駆動量により主にコントロールされる非点収差検出信号DL% という複数の中間制御対象が有り、それらが条件を満たすように両レンズの位置を予測演算手段で演算し駆動することで、それら検出信号の状態の組合わせで、両レンズの位置がどのような状態になっているか正確に把握することができ、一度に非点収差が最小となる位置に両レンズを正確に短時間に駆動することが可能となる。
【0302】
また、請求項57の発明によれば、制御対象である非点収差が最小となるコリメートレンズ、検出レンズ位置を予測演算手段で演算し、制御要素である両レンズを駆動手段により駆動する制御を繰返し行うことにより、予測誤差が有り非点収差が最小となる条件が一度に決まらなかった場合でも協調条件が満足する状態にコリメートレンズと検出レンズのレンズ位置を調整することが可能となる。
【0303】
また、請求項58の発明によれば、予測演算手段の中にコリメートレンズ、検出レンズの駆動量をパラメータに、その相互作用により制御される光束の非点収差又は非点収差の検出信号の目標値からの誤差量を表した3次元モデル(誤差曲面モデル)を備え、それを用いて両レンズ位置を予測演算手段で演算し求めることで、非点収差又は非点収差の検出信号へのコリメートレンズ、検出レンズ位置の相互作用を1つのモデルで表すことができ、相互作用の複雑な場合でも非点収差が最小となる状態に両レンズ位置を短時間で、正確に調整することが可能となる。
【0304】
また、請求項59の発明によれば、コリメートレンズ、検出レンズの駆動量と光束の非点収差又は複数の非点収差検出信号の特性データから作成した複数の3次元モデル(誤差曲面モデル)を1空間に表すことで複数の非点収差検出信号間の相互作用の関係がモデルに表現できる為、複数の検出信号の状態の組み合わせから現在の両レンズ位置がモデル上のどの位置なのか正確に把握することが可能となり、非点収差が最小となる状態に両レンズ位置を短時間で、正確に制御することが可能となる。
【0305】
また、請求項60の発明によれば、非点収差が最小の光束を得られるレンズ位置に近いほど、その位置を予測する誤差が小さくなるよう分布を持たせた3次元モデル(誤差曲面モデル)を用いて両レンズ駆動量を予測演算手段で予測演算し求めることで、繰り返し予測制御を行い、収束点に近づくにつれ予測誤差が小さくなるため、少ない繰り返し回数で短時間に非点収差が最小となる状態に両レンズ位置を正確に制御することが可能となる。
【0306】
また、請求項61の発明によれば、CL、DL誤差曲面モデルと実特性であるレンズ位置に対する非点収差検出信号との差をレンズ絶対位置の誤差(レンズ位置方向の誤差)とみなしてモデルをレンズ駆動軸方向にシフトさせ予測演算することで、実特性のサンプル間誤差が少ない系ではモデルを修正せずに、非点収差が最小となる状態に両レンズ位置を制御することが可能となる。
【0307】
また、請求項62の発明によれば、制御要素をCLp(CL位置)、DLp(DL位置)とし、
中間制御対象を光束の非点収差検出信号CL% 、DL%とし、(CL%=DL%=0が非点収差最小)
CL誤差曲面モデルをGcl(CLp,DLp)とし、DL誤差曲面モデルをGdl(CLp,DLp)とし、Gcl(CLp, DLp)、Gdl(CLp, DLp)、誤差0平面の交点を(CLPTM,DLPTM)とし、
CLp、DLpに対するCL%の実特性を誤差空間に表したものFcl(CLp,DLp)とし、CLp、DLpに対するDL%の実特性を誤差空間に表したものFdl(CLp,DLp)とし、Fcl(CLp,DLp)、Fdl(CLp,DLp)、誤差0平面の交点を(CLPTA、DLPTA)とすると、
|Gcl(2CLp+ CLPTM, 2DLp+ DLPTM)|>|Fcl(CLp+ CLPTA, DLp+ DLPTA)|
|Gdl(2CLp+ CLPTM, 2DLp+ DLPTM)|>|Fdl(CLp+ CLPTA, DLp+ DLPTA)|
を全ての対象サンプルのFcl(CLp,DLp)、Fdl(CLp,DLp)で満たす範囲でつくられた3次元モデル(誤差曲面モデル)Gcl(CLp,DLp)、Gdl(CLp,DLp)を用いて両レンズ駆動量を予測演算手段で予測演算し求めることで、繰り返し予測制御を行った場合、発散せずに短時間に非点収差が最小となる状態に両レンズ位置を制御することが可能となる。
【0308】
また、請求項63の発明によれば、非点収差検出信号CL%、DL%の初期誤差量測定値で対応する3次元モデル(CL誤差曲面モデル、DL誤差曲面モデル)をカットした際の交差曲線をコリメートレンズ、検出レンズの駆動量平面上に重ね合わせ、その交差曲線の交点をコリメートレンズ、検出レンズの初期駆動状態とすることで、モデル上の初期位置が容易に求まり、モデルを使った正確な収束点予測が可能となる。
【0309】
また、請求項64の発明によれば、非点収差検出信号CL%、DL%の収束条件範囲で対応する3次元モデル(CL誤差曲面モデル、DL誤差曲面モデル)をカットした際の交差領域をコリメートレンズ、検出レンズの駆動量平面上に重ね合わせ、その交差領域が交わった領域をコリメートレンズ、検出レンズの目標駆動状態とすることで、モデル上の収束範囲が容易に求まり、モデルを使った正確な収束点予測が可能となる。
【0310】
また、請求項65の発明によれば、非点収差検出信号CL%、DL%の収束条件中心値で対応する3次元モデル(CL誤差曲面モデル、DL誤差曲面モデル)をカットした際の交差曲線をコリメートレンズ、検出レンズの駆動量平面上に重ね合わせ、その交差曲線の交点をコリメートレンズ、検出レンズの目標駆動状態とすることで、モデル上の収束点が容易に求まり、モデルを使った正確な収束点予測が可能となる。
【0311】
また、請求項66の発明によれば、請求項63の方法で求めたコリメートレンズ、検出レンズの初期駆動状態(交点)と、請求項65の方法で求めたコリメートレンズ、検出レンズの目標駆動状態(交点)の距離からコリメートレンズ、検出レンズの予測駆動量を決定することで、非点収差が最小となる状態への両レンズの駆動量を容易に求めることが可能となる。
【0312】
また、請求項67の発明によれば、請求項63の方法で求めたコリメートレンズ、検出レンズの初期駆動状態(交点)と、請求項64の方法で求めたコリメートレンズ、検出レンズの目標駆動状態(領域)の最短距離をコリメートレンズ、検出レンズの予測駆動量として決定することで、非点収差を許容範囲に入れる両レンズの最小駆動量を容易に求めることが可能となる。
【0313】
また、請求項68の発明によれば、非点収差検出信号実特性を取得し、それによりCL、DL誤差曲面モデルを変化させ、その修正されたモデルにより非点収差が最小の光束を実現するレンズ位置を予測し、制御することで、モデルの誤差、非点収差検出信号実特性のサンプル間誤差が有った場合でも、実特性の差を考慮してモデルを修正でき、非点収差が最小となる状態への両レンズを短時間に正確に駆動することが可能となる。
【0314】
また、請求項69の発明によれば、コリメートレンズ、検出レンズの初期位置での非点収差検出信号CL%、DL%と基準となるCL、DL誤差曲面モデルにより初回の予測制御を行い、その状態での非点収差検出信号と、初期位置での非点収差検出信号の値を考慮して基準の誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより次の予測制御を行う。これを繰り返すことにより、予測制御前の非点収差検出信号と予測制御後の非点収差検出信号をもとにより正確な非点収差検出信号の実特性を考慮したモデル修正ができ、非点収差が最小となる状態への両レンズを短時間で正確に制御することが可能となる。
【0315】
また、請求項70の発明によれば、コリメートレンズ、検出レンズの初期位置での非点収差検出信号CL%、DL%と基準となるCL、DL誤差曲面モデルにより初回の予測制御を行い、その予測点へコリメートレンズ、検出レンズを移動中に、非点収差検出信号CL%、DL%を取得し、取得した移動途中の非点収差検出信号と初期位置での非点収差検出信号とを考慮して基準の誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより次の予測制御を行う。これを繰り返すことにより、制御途中の非点収差検出信号の実特性情報を含めたより多くの実特性情報をもとに正確なモデル修正ができ、非点収差が最小となる状態への両レンズを短時間で正確に制御することが可能となる。
【0316】
また、請求項71の発明によれば、コリメートレンズ、検出レンズの初期位置での非点収差検出信号CL%、DL%により、基準となるCL、DL誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより非点収差が最小の光束を得るレンズ位置を予測制御して、両レンズ位置を非点収差が最小の光束になる位置にすることで、初回の予測制御時にも非点収差検出信号の実特性を考慮した修正モデルを使用して予測することができるので、実特性とモデルの差による予測誤差を低減することができ、非点収差が最小となる状態への両レンズを短時間で正確に制御することが可能となる。
【0317】
また、請求項72の発明によれば、各レンズの駆動量と光束の非点収差又は非点収差の検出信号の特性データから3次元モデル(誤差曲面モデル)を作る際に、複数のモデルを作り、モデル切り換え手段でモデルを切り換え、予測演算手段で両レンズ駆動量を予測演算することで、より低次数の近似で近似精度の高いモデルを作ることができ、簡単な演算で正確なレンズ位置の予測が可能となり、非点収差が最小となる状態に両レンズ位置を短時間で、正確に制御することが可能となる。
【0318】
また、請求項73の発明によれば、複数の3次元モデル(誤差曲面モデル)を作る際に、非点収差が最低となる点付近の狭範囲モデルと、広範囲モデルを作り、初期調整時に広範囲モデルを用いてコリメートレンズ、検出レンズの駆動量を予測演算し、狭範囲モデル範囲に入った時点で狭範囲モデルに切り換え両レンズ駆動量を予測演算することで、近似精度の低い広範囲モデルで広範囲からの両レンズ位置の粗調(狭範囲モデルへの引き込み)が可能となるとともに、非点収差が最小となる状態の予測演算を近似精度の高い狭範囲モデルで行い予測精度を上げることができ、適応範囲の広い平行光調整が可能となる。
【0319】
また、請求項74の発明によれば、複数の3次元モデル(誤差曲面モデル)を作る際に、特性データの傾きの変わる極部分で分割したモデルを用い、そのモデルを切り換え、予測演算手段で両レンズ駆動量を予測演算することで、同一モデル内に同一の光束の非点収差又は非点収差の検出信号の誤差量を持つ点が無くなり、予測演算の揺らぎが無くなり、非点収差が最小となる状態にコリメートレンズ、検出レンズをスムーズに調整することが可能となる。
【0320】
また、請求項75の発明によれば、コリメートレンズ、検出レンズをある駆動量だけ駆動した際の光束の非点収差又は非点収差検出信号の変化データ(初期データ収集結果)を予測演算手段に加えて、両レンズ位置を予測演算手段で演算することで、非点収差又は非点収差検出信号の特性の傾き情報を得ることができ、予測演算の特性関数又はモデルのどの位置に現在のレンズ位置が相当するか正確に把握することができるため、予測精度が上げることが可能となり、短時間に精度良く非点収差が最小となる状態に両レンズ位置を調整することが可能となる。
【0321】
また、請求項76の発明によれば、予測誤差認識手段を設け、予測誤差が大きいと判断された場合は、予測演算の精度の高い部分に一度コリメートレンズ、検出レンズを移動した後に、再び非点収差が最小となるコリメートレンズ、検出レンズ位置を予測演算することで、予測誤差の大きい部分から予測したことによる発散を防ぐことができ、短時間に非点収差が最小となる状態に両レンズ位置を調整することが可能となる。
【0322】
また、請求項77の発明によれば、各レンズの駆動量と非点収差又は非点収差検出信号の変化の関係から各レンズの重みづけを行っておき、初期データ収集時に各レンズの駆動量を重みづけに従い決定することで、予測演算に必要な初期データ収集時のレンズ駆動条件を最適にすることができ、データ収集の信頼性を上げ、予測精度が上げることが可能となり、精度良く非点収差が最小となる状態に両レンズ位置を調整することが可能となる。
【0323】
また、請求項78の発明によれば、各レンズの駆動量と非点収差又は非点収差検出信号の変化の関係を測定し、そのデータをもとに各レンズの重みづけを行う重みづけ手段を持ち、初期データ収集時に各レンズの駆動量を重み付け手段の重みづけ結果に従い決定することで、請求項57のように予め測定されたデータで重みづけを行うより更に予測演算に必要な初期データ収集の信頼性を上げ、予測精度を上げることができ、精度良く非点収差が最小となる状態に両レンズ位置を調整することが可能となる。
【0324】
また、請求項79の発明によれば、予測演算選択手段で複数ある予測演算手段を切り換えることで、各レンズの駆動量と非点収差又は非点収差検出信号の変化の関係が1つの予測演算手段で正確に表せない場合や予測モデルが複数ある時に同じ予測演算手段で予測演算できない場合でも予測演算を可能にし、精度良く非点収差が最小となる状態に両レンズ位置を調整できる範囲を広くすることが可能となる。
【0325】
また、請求項80の発明によれば、コリメートレンズと検出レンズの駆動量の非点収差又は非点収差検出信号への相互作用を考慮に入れ、非点収差が最小となる両レンズ位置を予測演算し求める予測演算手段を備えることで、非点収差が最小となる両レンズ位置を相互作用を考慮に入れ予測演算し求めることができ、一度に正確なレンズ位置調整ができるため、非点収差が最小となる状態に短時間で調整することが可能となる。
【0326】
また、請求項81の発明によれば、予測演算手段の中に複数のモデルを切り換えるモデル切り換え手段、複数の予測演算手段を切り換える予測演算選択手段、初期データ収集時に各制御要素の制御量の重み付けを行う重み付け手段のいずれか1つを備えることで、コリメートレンズ、検出レンズ駆動量の非点収差又は非点収差検出信号への相互作用が複雑な場合であってもより短時間に精度良く非点収差が最小となる状態に両レンズ位置を調整することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態としての第1実施形態の予測誤差を考慮した予測制御装置の基本構成を示す図である。
【図2】図1の予測制御装置の制御フローを説明するためのフローチャートである。
【図3】図1の予測制御装置の予測演算内容を示すフローチャートである。
【図4】本発明に係る一実施形態としての第2実施形態の予測誤差を考慮した予測制御装置の基本構成を示す図である。
【図5】図4の予測制御装置の制御フローを説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明に係る一実施形態としての第3実施形態の平行光調整装置の説明図である。
【図7】図6の平行光調整装置の非点収差検出手段を示す図である。
【図8】図6の平行光調整装置の非点収差検出手段の他の例を示す図である。
【図9】相互作用をモデル化した3次元モデルの説明図である。
【図10】図6の平行光調整装置で用いる3次元モデルでの収束点算出方法の説明図である。
【図11】3次元モデルでの収束点算出のフローチャートである。
【図12】図6の平行光調整装置で用いる3次元モデルでの収束点算出方法の他の例の説明図である。
【図13】制御対象が3つ以上ある場合の初期制御状態の求め方の説明図である。
【図14】制御対象が3つ以上ある場合の初期制御状態の求め方の他の例を示す説明図である。
【図15】制御対象が3つ以上ある場合の領域処理方法の説明図である。
【図16】制御対象が3つ以上ある場合の目標制御状態領域の求め方の説明図である。
【図17】3次元モデルでの予測誤差の説明図である。
【図18】繰り返し予測制御のフローチャートである。
【図19】予測誤差分布を説明するための図である。
【図20】第9の発明及び第61の発明のモデルからの実特性の推定方法(第1ずれモード)を説明するための図である。
【図21】モデルと実特性との関係を示す図である。
【図22】モデルの制御要素軸方向へのスライドを説明するための図である。
【図23】モデル作成の条件範囲(1次関数の例)を説明するための図である。
【図24】サンプル間の実特性差を示す図である。
【図25】着目すべき実特性サンプルを示す図である。
【図26】モデルからの実特性の推定方法(第2ずれモード)を説明するための図である。
【図27】第25、26の発明及び第69の発明に係るモデル変形修正方法の第1例を示す説明図である。
【図28】第27、28の発明及び第70の発明に係るモデル変形修正方法の第2例を示す説明図である。
【図29】第29、30の発明及び第71の発明に係るモデル変形修正方法の第3例を示す説明図である。
【図30】3次元誤差曲面モデルの代表点を示す図である。
【図31】狭範囲モデル及び広範囲モデルの説明図である。
【図32】変曲点モデル分割の説明図である。
【図33】非点収差検出信号CL%特性を示す図である。
【図34】非点収差検出信号DL%特性を示す図である。
【図35】光量変化微分値による予測演算手段・モデルの切り換えを説明するための図である。
【図36】本発明に係る一実施形態としての第4実施形態の予測誤差を考慮した予測制御装置の基本構成を示す図である。
【図37】図36の予測制御装置の制御フローを説明するためのフローチャートである。
【図38】本発明に係る一実施形態としての第5実施形態の予測誤差を考慮した予測制御装置の基本構成を示す図である。
【図39】予測誤差の大きい範囲を説明するための図である。
【図40】図38の予測制御装置の制御フローを説明するためのフローチャートである。
【図41】複数の予測検算を説明するための図である。
【図42】従来の繰り返し制御方法と本発明の予測誤差を考慮した予測制御方法との収束時間の違いを示す図である。
【符号の説明】
1 予測演算手段
2 出力手段
3 制御手段
4 制御対象
5 検出手段
13 駆動手段(制御手段)
15 非点収差検出手段(検出手段)
16 光源
17 コリメートレンズ(制御要素)
18 ビーム整形手段
19 検出レンズ(制御要素)
20 CCDカメラ
21 ビームスプリッタ
22 受光素子
23 スリット
31 予測演算選択手段
32 第1予測演算手段
33 第2予測演算手段
34 第3予測演算手段
35 第1重みづけ
36 第2重みづけ
37 誤差曲面第1モデル
38 誤差曲面第2モデル
39 誤差曲面第3モデル
41 第1中間制御対象
42 第2中間制御対象
43 最終制御対象
44 予測誤差認識手段
45 モデル修正手段

Claims (82)

  1. 相互作用を有する複数の制御要素を制御することにより、複数の制御対象をコントロールし、その協調条件が成立するようにする予測制御方法において、各制御要素制御量の制御対象への相互作用を考慮に入れ、各制御量を予測演算手段で予測演算して求め、複数有る制御要素の制御量を制御し、制御対象の制御状態を検出し、その検出結果が協調条件を満足するようにすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  2. 請求項1に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、前記複数ある制御要素の制御量の相互作用によりコントロールされる複数の中間制御対象をコントロールすることで最終制御対象が協調条件を成立させる場合に、最終制御対象が協調条件を満たすように中間制御対象の状態を決定し、更にその中間制御対象の状態を成立させるように、複数ある制御要素の制御量を予測演算手段で演算し求めて制御することで、中間制御対象及び最終制御対象が共に協調条件を満足するようにすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  3. 請求項1又は2に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、複数ある制御要素の制御量を予測手段により予測し、予測点へと制御要素を制御することを繰り返し行って、中間制御対象及び最終制御対象が共に協調条件を満足するようにすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  4. 請求項1に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象の特性データを基に、相互作用のある制御要素の制御量をパラメータとして制御対象の目標値からの誤差量を表した誤差曲面モデルを用いて、各制御要素の制御量を予測演算手段で演算し求めることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  5. 請求項2又は3に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象又は中間制御対象の特性データを基に、相互作用のある制御要素の制御量をパラメータとして制御対象又は中間制御対象の目標値からの誤差量を表した誤差曲面モデルを用いて、各制御要素の制御量を予測演算手段で演算し求めることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  6. 請求項4に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、複数の制御要素の制御量と複数の制御対象の特性データから作成した複数の誤差曲面モデルを1空間に表すことで、複数の制御対象間の相互作用を表現し、それを用いて各制御要素の制御量を予測演算手段で演算し求めることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  7. 請求項5に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、複数の制御要素の制御量と複数の制御対象又は中間制御対象の特性データから作成した複数の誤差曲面モデルを1空間に表すことで、複数の制御対象間又は複数の中間制御対象間の相互作用を表現し、それを用いて各制御要素の制御量を予測演算手段で演算し求めることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  8. 請求項4又は5に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、収束点に近づくにつれて予測誤差が小さくなるよう分布を持たせたモデルを用いて、各制御要素の制御量を予測演算手段で演算し求めることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  9. 請求項4又は5に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、誤差曲面モデルと各サンプルの実特性の差をモデルの制御量軸方向の誤差とみなしてモデルを制御量軸方向にシフトさせ予測演算をすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  10. 請求項4又は5に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、
    制御要素の制御量をX,Y,…Z、
    誤差曲面モデル関数をGn(X,Y,…Z)、ただしnは制御対象の数に依存、
    G1=G2=…=Gn=0を満たす点を(Xm,Ym,…Zm)、
    実特性関数をFn(X,Y,…Z)、ただしnは制御対象の数に依存、
    F1=F2=…=Fn=0を満たす点を(Xa,Ya,…Za)とすると、
    |Gn(2X+Xm,2Y+Ym,…,2Z+Zm)|>|Fn(X+Xa, Y+Ya,…, Z+Za)|
    を全ての対象サンプルで満たす範囲でつくられた誤差曲面モデルを用いて、各制御要素の制御量を予測演算手段で演算し求めることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  11. 請求項6に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、複数の制御対象の初期誤差量測定値で対応する誤差曲面モデルをカットした際の交差曲線を制御要素の制御量平面上に重ね合わせ、その交差曲線の交点又は囲まれる領域、又は領域の重心点又は交点の平均点を制御要素の初期制御状態とすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  12. 請求項7に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、複数の制御対象又は中間制御対象の初期誤差量測定値で対応する誤差曲面モデルをカットした際の交差曲線を制御要素の制御量平面上に重ね合わせ、その交差曲線の交点、囲まれる領域、領域の重心点又は交点の平均点を制御要素の初期制御状態とすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  13. 請求項6に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、複数の制御対象の収束条件範囲で対応する誤差曲面モデルをカットした際の交差領域を制御要素の制御量平面上に重ね合わせ、その交差領域が交わった領域を制御要素の目標制御状態とすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  14. 請求項7に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、複数の制御対象又は中間制御対象の収束条件範囲で対応する誤差曲面モデルをカットした際の交差領域を制御要素の制御量平面上に重ね合わせ、その交差領域が交わった領域を制御要素の目標制御状態とすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  15. 請求項6に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、複数の制御対象の収束条件中心値で対応する誤差曲面モデルをカットした際の交差曲線を制御要素の制御量平面上に重ね合わせ、その交差曲線の交点、囲まれる領域、囲まれる領域の重心点又は交点の平均点を制御要素の目標制御状態とすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  16. 請求項7に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、複数の制御対象又は中間制御対象の収束条件中心値で対応する誤差曲面モデルをカットした際の交差曲線を制御要素の制御量平面上に重ね合わせ、その交差曲線の交点、囲まれる領域、囲まれる領域の重心点又は交点の平均点を制御要素の目標制御状態とすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  17. 請求項6に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、請求項11の方法で複数の制御対象の初期誤差量測定値から求めた制御要素の初期制御状態(交点、交点の平均点又は重心点)と、請求項15の方法で複数の制御対象の収束条件中心値から求めた制御要素の目標制御状態(交点、交点の平均点又は重心点)との距離から各制御要素の予測制御量を決定することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  18. 請求項7に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、請求項12の方法で複数の制御対象又は中間制御対象の初期誤差量測定値から求めた制御要素の初期制御状態(交点、交点の平均点又は重心点)と、請求項16の方法で複数の制御対象又は中間制御対象の収束条件中心値から求めた制御要素の目標制御状態(交点、交点の平均点又は重心点)との距離から各制御要素の予測制御量を決定することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  19. 請求項6に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、請求項11の方法で複数の制御対象の初期誤差量測定値から求めた制御要素の初期制御状態(交点、交点の平均点又は重心点)と、請求項13又は請求項15の方法で複数の制御対象の収束条件範囲または収束条件中心値から求めた制御要素の目標制御状態(領域)の最短距離を各制御要素の予測制御量として決定することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  20. 請求項7に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、請求項12の方法で複数の制御対象又は中間制御対象の初期誤差量測定値から求めた制御要素の初期制御状態(交点、交点の平均点又は重心点)と、請求項14又は請求項16の方法で複数の制御対象又は中間制御対象の収束条件範囲または収束条件中心値から求めた制御要素の目標制御状態(領域)の最短距離を各制御要素の予測制御量として決定することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  21. 請求項6に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、請求項11の方法で複数の制御対象の初期誤差量測定値から求めた制御要素の初期制御状態(領域)と、請求項13又は15の方法で複数の制御対象の収束条件範囲または収束条件中心値から求めた制御要素の目標制御状態(領域)の重なる面積が最大となる最短距離を各制御要素の予測制御量として決定することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  22. 請求項7に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、請求項12の方法で複数の制御対象又は中間制御対象の初期誤差量測定値から求めた制御要素の初期制御状態(領域)と、請求項14又は16の方法で複数の制御対象又は中間制御対象の収束条件範囲または収束条件中心値から求めた制御要素の目標制御状態(領域)の重なる面積が最大となる最短距離を各制御要素の予測制御量として決定することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  23. 請求項4に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、制御対象の実特性の情報により誤差曲面モデルを変化させ、そのモデルを用いて予測演算をすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  24. 請求項5に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、制御対象又は中間制御対象の実特性の情報により誤差曲面モデルを変化させ、そのモデルを用いて予測演算をすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  25. 請求項23に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の初期状態での制御対象の実特性情報と基準の誤差曲面モデルにより初回の予測制御を行い、その各制御要素の制御状態での制御対象の実特性情報と初期状態での制御対象の実特性情報とを考慮して基準の誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより次の予測制御を行い、これを繰り返すことにより全ての制御要素を協調条件が満足する状態にさせることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  26. 請求項24に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の初期状態での制御対象又は中間制御対象の実特性情報と基準の誤差曲面モデルにより初回の予測制御を行い、その各制御要素の制御状態での制御対象又は中間制御対象の実特性情報と初期状態での制御対象又は中間制御対象の実特性情報とを考慮して基準の誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより次の予測制御を行い、これを繰り返すことにより全ての制御要素を協調条件が満足する状態にさせることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  27. 請求項23に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の初期状態での実特性情報と基準の誤差曲面モデルにより初回の予測制御を行い、その予測点への制御途中に制御対象の実特性情報を取得し、取得した制御途中の実特性情報と初期位置での実特性情報とを考慮して基準の誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより次の予測制御を行い、これを繰り返すことにより全ての制御要素を協調条件が満足する状態にさせることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  28. 請求項24に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の初期状態での実特性情報と基準の誤差曲面モデルにより初回の予測制御を行い、その予測点への制御途中に制御対象又は中間制御対象の実特性情報を取得し、取得した制御途中の実特性情報と初期位置での実特性情報とを考慮して基準の誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより次の予測制御を行い、これを繰り返すことにより全ての制御要素を協調条件が満足する状態にさせることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  29. 請求項23に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の初期状態付近での制御対象の実特性情報により、基準の誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより次の予測制御を行うことにより全ての制御要素を協調条件が満足する状態にさせることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  30. 請求項24に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の初期状態付近での制御対象又は中間制御対象の実特性情報により、基準の誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより次の予測制御を行うことにより全ての制御要素を協調条件が満足する状態にさせることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  31. 請求項4に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象の特性データから誤差曲面モデルを作る際に、複数のモデルを作り、モデル切り換え手段でモデルを切り換え、各制御要素の制御量を予測演算することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  32. 請求項5に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象又は中間制御対象の特性データから誤差曲面モデルを作る際に、複数のモデルを作り、モデル切り換え手段でモデルを切り換え、各制御要素の制御量を予測演算することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  33. 請求項31に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象の特性データから複数の誤差曲面モデルを作る際に、予測点付近の狭範囲モデルと、広範囲モデルを作り、初期調整時に広範囲モデルを用いて各制御要素の制御量を予測演算し、狭範囲モデル範囲に入った時点で狭範囲モデルに切り換え、各制御要素の制御量を予測演算することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  34. 請求項32に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象又は中間制御対象の特性データから複数の誤差曲面モデルを作る際に、予測点付近の狭範囲モデルと、広範囲モデルを作り、初期調整時に広範囲モデルを用いて各制御要素の制御量を予測演算し、狭範囲モデル範囲に入った時点で狭範囲モデルに切り換え、各制御要素の制御量を予測演算することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  35. 請求項31に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象の特性データから複数の誤差曲面モデルを作る際に、特性データの傾きの変わる極部分で分割したモデルを用い、そのモデルを切り換え、各制御要素の制御量を予測演算することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  36. 請求項32に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象又は中間制御対象の特性データから複数の誤差曲面モデルを作る際に、特性データの傾きの変わる極部分で分割したモデルを用い、そのモデルを切り換え、各制御要素の制御量を予測演算することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  37. 請求項1に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素にある制御量を入力制御した際の制御対象又は中間制御対象の変化データを予測演算手段に加えて、各制御要素の制御量を予測演算することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  38. 請求項2又は3に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素にある制御量を入力制御した際の制御対象又は中間制御対象の変化データを予測演算手段に加えて、各制御要素の制御量を予測演算することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  39. 請求項1〜3の何れかに記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、予測誤差認識手段を設け、予測誤差が大きいと判断された場合は、予測演算の精度の高い部分に一度各制御要素を制御した後に、再び各制御要素の制御量を予測演算することを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  40. 請求項39に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象の変化の関係から制御要素の重みづけを行い、初期データ収集時に各制御要素の制御量を重みづけに従い決めることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  41. 請求項39に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象又は中間制御対象の変化の関係から制御要素の重みづけを行い、初期データ収集時に各制御要素の制御量を重みづけに従い決めることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  42. 請求項39に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象の変化の関係を測定し、そのデータをもとに制御要素の重みづけを行う重みづけ手段を持ち、初期データ収集時に各制御要素の制御量を重み付け手段の重みづけ結果に従い決めることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  43. 請求項39に記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、各制御要素の制御量と制御対象又は中間制御対象の変化の関係を測定し、そのデータをもとに制御要素の重みづけを行う重みづけ手段を持ち、初期データ収集時に各制御要素の制御量を重み付け手段の重みづけ結果に従い決めることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  44. 請求項1〜3の何れかに記載の予測誤差を考慮した予測制御方法において、予測演算手段を複数持ち、予測演算選択手段で複数ある予測演算手段を切り換えることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御方法。
  45. 相互作用を有する複数の制御要素を制御することにより、複数の制御対象をコントロールし、その協調条件が成立するようにする予測制御装置において、各制御要素制御量の制御対象又は中間制御対象への相互作用を考慮に入れ、各制御要素の制御量を予測演算し求める予測演算手段を備えることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御装置。
  46. 請求項45に記載の予測誤差を考慮した予測制御装置において、前記予測演算手段の中に、複数のモデル及びモデル切り換え手段、実特性の情報によりモデルを修正するモデル修正手段、複数の予測演算部及び予測演算選択手段及び初期データ収集時に各制御要素の制御量の重み付けを行う重み付け手段のいずれか1つを備えることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御装置。
  47. 請求項1に記載の制御方法において、制御要素が複数の駆動手段の駆動量で、制御装置がその駆動量の相互作用により、制御対象をコントロールし、その協調条件を成立させる多軸制御装置である場合、各駆動手段駆動量の制御対象又は中間制御対象への相互作用を考慮に入れ、各駆動手段の駆動量を予測演算手段で演算し求め、複数有る駆動手段を駆動し協調条件を満足させることを特徴とする多軸制御方法。
  48. 請求項2に記載の制御方法において、制御要素が複数の駆動手段の駆動量で、制御装置がその駆動量の相互作用により、制御対象又は中間制御対象をコントロールし、その協調条件を成立させる多軸制御装置である場合、各駆動手段駆動量の制御対象又は中間制御対象への相互作用を考慮に入れ、各駆動手段の駆動量を予測演算手段で演算し求め、複数有る駆動手段を駆動し協調条件を満足させることを特徴とする多軸制御方法。
  49. 請求項48に記載の多軸制御方法において、複数ある駆動手段の駆動量を予測手段により予測し、予測点へと駆動手段を駆動することを繰り返し行って、中間制御対象、最終制御対象とも協調条件を満足させることを特徴とした多軸制御方法。
  50. 請求項47に記載の多軸制御方法において、各駆動手段の駆動量を予測演算し求める予測演算手段の中に相互作用のある駆動手段の駆動量をパラメータとして、その相互作用により制御される制御対象の目標値からの誤差量を表した誤差曲面モデルを備え、それを用いて各駆動手段の駆動量を予測演算し求めることを特徴とする多軸制御方法。
  51. 請求項48に記載の多軸制御方法において、各駆動手段の駆動量を予測演算し求める予測演算手段の中に相互作用のある駆動手段の駆動量をパラメータとして、その相互作用により制御される制御対象又は中間制御対象の目標値からの誤差量を表した誤差曲面モデルを備え、それを用いて各駆動手段の駆動量を予測演算し求めることを特徴とする多軸制御方法。
  52. 請求項50又は51に記載の多軸制御方法において、誤差曲面モデルで表現されている相互作用が複数の駆動軸の軸干渉であることを特徴とする多軸制御方法。
  53. 請求項45に記載の制御装置において、複数の制御要素が複数の駆動手段で、各駆動手段の駆動量の制御対象又は中間制御対象への相互作用を考慮に入れ、協調条件が満足する各駆動手段の駆動量を予測演算し求める予測演算手段を備えることを特徴とする多軸制御装置。
  54. 請求項53に記載の多軸制御装置において、予測演算手段の中に複数のモデルとモデル切り換え手段、実特性の情報によりモデルを修正するモデル修正手段、複数の予測演算手段と予測演算選択手段、初期データ収集時に各制御要素の制御量の重み付けを行う重み付け手段のいずれか1つを備えることを特徴とする多軸制御装置。
  55. 請求項47又は48に記載の多軸制御方法において、制御装置が光源から出射された光束をコリメートレンズで略平行光にしビーム整形手段を通し検出系へと導き、検出系内の検出レンズで集光束にした光束の非点収差検出結果をもとに両レンズを駆動手段で駆動し、ビーム整形手段後の光束の非点収差が最小となるように調整する平行光調整装置で、制御対象である非点収差が最小となるコリメートレンズ、検出レンズ位置を予測演算手段で演算し、制御要素である両レンズを駆動手段により駆動することを特徴とする平行光調整方法。
  56. 請求項55に記載の平行光調整方法において、コリメートレンズの駆動量により主にコントロールされる非点収差検出信号CL%と、検出レンズの駆動量により主にコントロールされる非点収差検出信号DL% という複数の中間制御対象が有り、それらが条件を満たすように両レンズの位置を予測演算手段で演算し駆動することで最終制御対象の非点収差が最小になるように調整することを特徴とする平行光調整方法。
  57. 請求項55又は56に記載の平行光調整方法において、制御対象である非点収差が最小となるコリメートレンズ、検出レンズ位置を予測演算手段で演算し、制御要素である両レンズを駆動手段により駆動する制御を繰返し行うことにより非点収差が最小になるように両レンズ位置を調整することを特徴とする平行光調整方法。
  58. 請求項55又は56に記載の平行光調整方法において、予測演算手段の中にコリメートレンズ、検出レンズの駆動量をパラメータに、その相互作用により制御される光束の非点収差又は非点収差の検出信号の目標値からの誤差量を表した誤差曲面モデルを備え、それを用いて両レンズ位置を予測演算手段で演算し求めることを特徴とする平行光調整方法。
  59. 請求項58に記載の平行光調整方法において、コリメートレンズ、検出レンズの駆動量と光束の非点収差又は複数の非点収差検出信号の特性データから作成した複数の誤差曲面モデルを1空間に表すことで複数の非点収差検出信号間の相互作用を表現し、それを用いて両レンズ駆動量を予測演算手段で予測演算し求めることを特徴とする平行光調整方法。
  60. 請求項58に記載の平行光調整方法において、非点収差が最小の光束を得られるレンズ位置に近いほど、その位置を予測する誤差が小さくなるよう分布を持たせた誤差曲面モデルを用いて両レンズ駆動量を予測演算手段で予測演算し求めることを特徴とする平行光調整方法。
  61. 請求項58に記載の平行光調整方法において、コリメータレンズ誤差曲面モデルをCL誤差曲面モデル、検出レンズ誤差曲面モデルをDL誤差曲面モデルとしたとき、CL誤差曲面モデル及びDL誤差曲面モデルと実特性であるレンズ位置に対する非点収差検出信号との差をレンズ絶対位置の誤差とみなしてモデルをレンズ駆動軸方向にシフトさせ予測演算することを特徴とする平行光調整方法。
  62. 請求項58に記載の平行光調整方法において、
    制御要素をCLp(CL位置)、DLp(DL位置)とし、
    中間制御対象を光束の非点収差検出信号CL% 、DL% とし、
    CL誤差曲面モデルをGcl(CLp, DLp)とし、
    DL誤差曲面モデルをGdl(CLp, DLp)とし、Gcl(CLp, DLp)、Gdl(CLp, DLp)、誤差0平面の交点を(CLPTM、DLPTM)とし、
    CLp 、DLp に対するCL% の実特性を誤差空間に表したものFcl(CLp, DLp)とし、CLp 、DLp に対するDL%の実特性を誤差空間に表したものFdl(CLp, DLp)とし、
    Fcl(CLp,DLp)、Fdl(CLp,DLp)、誤差0平面の交点を(CLPTA、DLPTA)とすると、
    |Gcl(2CLp+CLPTM , 2DLp+ DLPTM)|>|Fcl(CLp+ CLPTA, DLp+ DLPTA)|
    |Gdl(2CLp+CLPTM , 2DLp+ DLPTM)|>|Fdl(CLp+ CLPTA, DLp+ DLPTA)|
    を全ての対象サンプルのFcl(CLp,DLp)、Fdl(CLp,DLp)で満たす範囲でつくられた誤差曲面モデルGcl(CLp,DLp)、Gdl(CLp,DLp)を用いて両レンズ駆動量を予測演算手段で予測演算し求めることを特徴とする平行光調整方法。
  63. 請求項59に記載の平行光調整方法において、非点収差検出信号CL%、DL%の初期誤差量測定値で対応する誤差曲面モデル(CL誤差曲面モデル、DL誤差曲面モデル)をカットした際の交差曲線をコリメートレンズ、検出レンズの駆動量平面上に重ね合わせ、その交差曲線の交点をコリメートレンズ、検出レンズの初期駆動状態とすることを特徴とする平行光調整方法。
  64. 請求項59に記載の平行光調整方法において、非点収差検出信号CL%、DL%の収束条件範囲で対応する誤差曲面モデル(CL誤差曲面モデル、DL誤差曲面モデル)をカットした際の交差領域をコリメートレンズ、検出レンズの駆動量平面上に重ね合わせ、その交差領域が交わった領域をコリメートレンズ、検出レンズの目標駆動状態とすることを特徴とする平行光調整方法。
  65. 請求項59に記載の平行光調整方法において、非点収差検出信号CL%、DL%の収束条件中心値で対応する誤差曲面モデル(CL誤差曲面モデル、DL誤差曲面モデル)をカットした際の交差曲線をコリメートレンズ、検出レンズの駆動量平面上に重ね合わせ、その交差曲線の交点をコリメートレンズ、検出レンズの目標駆動状態とすることを特徴とする平行光調整方法。
  66. 請求項59に記載の平行光調整方法において、請求項63の方法で求めたコリメートレンズ、検出レンズの初期駆動状態(交点)と、請求項65の方法で求めたコリメートレンズ、検出レンズの目標駆動状態(交点)の距離からコリメートレンズ、検出レンズの予測駆動量を決定することを特徴とする平行光調整方法。
  67. 請求項59に記載の平行光調整方法において、請求項63の方法で求めたコリメートレンズ、検出レンズの初期駆動状態(交点)と、請求項64の方法で求めたコリメートレンズ、検出レンズの目標駆動状態(領域)の最短距離をコリメートレンズ、検出レンズの予測駆動量として決定することを特徴とする平行光調整方法。
  68. 請求項58に記載の平行光調整方法において、非点収差検出信号実特性を取得し、それによりCL、DL誤差曲面モデルを変化させ、その修正されたモデルにより非点収差が最小の光束を実現するレンズ位置を予測し、制御することを特徴とする平行光調整方法。
  69. 請求項68に記載の平行光調整方法において、コリメートレンズ、検出レンズの初期位置での非点収差検出信号CL%, DL%と基準となるCL、DL誤差曲面モデルにより初回の予測制御を行い、その状態での非点収差検出信号と、初期位置での非点収差検出信号の値を考慮して基準の誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより次の予測制御を行い、これを繰り返すことにより両レンズ位置を非点収差が最小の光束になる位置にすることを特徴とする平行光調整方法。
  70. 請求項68に記載の平行光調整方法において、コリメートレンズ、検出レンズの初期位置での非点収差検出信号CL%, DL%と基準となるCL、DL誤差曲面モデルにより初回の予測制御を行い、その予測点へコリメートレンズ、検出レンズを移動中に、非点収差検出信号CL%, DL%を取得し、取得した移動途中の非点収差検出信号と初期位置での非点収差検出信号とを考慮して基準の誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより次の予測制御を行い、これを繰り返すことにより両レンズ位置を非点収差が最小の光束になる位置にすることを特徴とする平行光調整方法。
  71. 請求項68に記載の平行光調整方法において、コリメートレンズ、検出レンズの初期位置での非点収差検出信号CL%, DL%により、基準となるCL、DL誤差曲面モデルを修正し、修正されたモデルにより非点収差が最小の光束を得るレンズ位置を予測制御して、両レンズ位置を非点収差が最小の光束になる位置にすることを特徴とする平行光調整方法。
  72. 請求項58に記載の制御方法において、各レンズの駆動量と光束の非点収差又は非点収差の検出信号の特性データから誤差曲面モデルを作る際に、複数のモデルを作り、モデル切り換え手段でモデルを切り換え、予測演算手段で両レンズ駆動量を予測演算することを特徴とする平行光調整方法。
  73. 請求項72に記載の平行光調整方法において、複数の誤差曲面モデルを作る際に、非点収差が最低となる点付近の狭範囲モデルと、広範囲モデルを作り、初期調整時に広範囲モデルを用いてコリメートレンズ、検出レンズの駆動量を予測演算し、狭範囲モデル範囲に入った時点で狭範囲モデルに切り換え両レンズ駆動量を予測演算することを特徴とする平行光調整方法。
  74. 請求項73に記載の平行光調整方法において、複数の誤差曲面モデルを作る際に、特性データの傾きの変わる極部分で分割したモデルを用い、そのモデルを切り換え、予測演算手段で両レンズ駆動量を予測演算することを特徴とする平行光調整方法。
  75. 請求項55〜57の何れかに記載の平行光調整方法において、コリメートレンズ、検出レンズをある駆動量だけ駆動した際の光束の非点収差又は非点収差検出信号の変化データを予測演算手段に加えて、両レンズ位置を予測演算手段で演算することを特徴とする平行光調整方法。
  76. 請求項55〜57の何れかに記載の平行光調整方法において、予測誤差認識手段を設け、予測誤差が大きいと判断された場合は、予測演算の精度の高い部分に一度コリメートレンズ、検出レンズを移動した後に、再び非点収差が最小となるコリメートレンズ、検出レンズ位置を予測演算することを特徴とする平行光調整方法。
  77. 請求項76に記載の平行光調整方法において、各レンズの駆動量と非点収差検出信号の変化の関係から各レンズの重みづけを行っておき、初期データ収集時に各レンズの駆動量を重みづけに従い決定することを特徴とする平行光調整方法。
  78. 請求項76に記載平行光調整方法において、各レンズの駆動量と非点収差検出信号の変化の関係を測定し、そのデータをもとに各レンズの重みづけを行う重みづけ手段を持ち、初期データ収集時に各レンズの駆動量を重み付け手段の重みづけ結果に従い決定することを特徴とする平行光調整方法。
  79. 請求項56又は57に記載の平行光調整方法において、予測演算手段を複数持ち、予測演算選択手段で複数ある予測演算手段を切り換えることを特徴とする平行光調整方法。
  80. 請求項54に記載の多軸制御装置で、制御装置が光源から出射された光束をコリメートレンズで略平行光にしビーム整形手段を通し検出系へと導き、検出系内の検出レンズで集光束にした光束の非点収差検出結果をもとに両レンズを駆動手段で駆動し、ビーム整形手段後の光束の非点収差が最小となるように調整する平行光調整装置で、最終制御対象である非点収差が最小となるコリメートレンズと検出レンズ位置を予測演算し求める予測演算手段を備えることを特徴とする平行光調整装置。
  81. 請求項80に記載の平行光調整装置において、予測演算手段の中に複数のモデルを切り換えるモデル切り換え手段、実特性データによりモデルを修正するモデル修正手段、複数の予測演算手段を切り換える予測演算選択手段、初期データ収集時に各制御要素の制御量の重み付けを行う重み付け手段のいずれか1つを備えることを特徴とする平行光調整装置。
  82. 相互作用を有する複数の制御要素を制御することにより、複数の制御対象をコントロールし、その協調条件が成立するようにする予測制御システムにおいて、各制御要素制御量の制御対象への相互作用を考慮に入れ、各制御量を予測演算手段で予測演算して求め、複数有る制御要素の制御量を制御し、制御対象の制御状態を検出し、その検出結果が協調条件を満足するようにすることを特徴とする予測誤差を考慮した予測制御システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7274012B2 (en) 2004-07-12 2007-09-25 Ricoh Company, Ltd. Optical fiber probe, light detection device, and light detection method

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