JP2004069554A - Cleaning method for palladium film - Google Patents

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坂井 智嗣
Taro Ichihara
市原 太郎
Takehiko Ito
伊藤 岳彦
Mitsuru Sakano
坂野 充
Yasuhiro Iwamura
岩村 康弘
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a cleaning method for a palladium film capable of completely decomposing a pollutant remaining on the surface of the palladium film in a molecular level for preventing reduction in an element addition amount with the lapse of time from a production process of a structural body having the palladium film as the outermost layer. <P>SOLUTION: In this cleaning method for palladium film, the pollutant sticking to the surface of the palladium film is removed for cleaning the surface of the palladium film. The palladium film cleaning method is provided with an electrolysis process in which electrolysis is applied to the surface of the palladium film for decomposing and removing the pollutant on the surface. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はパラジウム膜の清浄化方法に関し、更に詳しくは、長寿命の放射性廃棄物を短寿命核種または安定核種に変換する消滅処理、あるいは自然界に豊富な元素から希少な元素を分離する分離処理等の技術、特に、核種変換に用いられる構造体への被変換核種の添加工程の前処理に用いて好適なパラジウム膜の清浄化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、核種変換する方法としては、重イオン加速器を用いた核融合反応による重元素合成等のように、微量の核種を核種変換する方法と、高レベル放射性廃棄物等に含まれる多量の長寿命放射性核種を短時間のうちに効率的かつ効果的に核種変換する方法が知られており、後者は、いわゆる消滅処理と称されている。
この消滅処理は、高レベル放射性廃棄物に含まれるNp、Am、Cm等のマイナーアクチノイド、あるいはTc−99、I−129等の長寿命核分裂生成物、あるいは発熱性のSr−90、Cs−137、あるいはRh、Pd等の有用な白金族元素を、各元素の特性に応じて分離(群分離)した後、半減期の長いマイナーアクチノイドや核分裂生成物に対して中性子等を照射して核反応を発生させ、短寿命又は非放射性の核種に変換する核種変換処理であり、高レベル放射性廃棄物中に含まれる有用元素や長寿命放射性核種を分離及び回収して有用元素の有効利用を図ると共に、長寿命放射性核種を短寿命或いは安定な核種に変換することに特徴がある。
【0003】
この消滅処理としては、高速増殖炉等の原子炉やアクチノイド専焼炉での中性子照射によるアクチノイド等の消滅処理、加速器での陽子照射によるアクチノイド等の核破砕処理、加速器でのガンマ線照射による例えばセシウム、ストロンチウム等の消滅処理の3種類の方法が知られている。
原子炉等での中性子照射では、中性子反応断面積が大きいマイナーアクチノイドを合理的に処理することができ、特に、高速の中性子を照射することで、核分裂が起こり難いNp以上の超ウラン元素を直接核分裂させることができる。
ただし、中性子反応断面積が小さいSr−90、Cs−137等のように、原子炉等の中性子照射では消滅し難い長寿命核分裂生成物については、加速器を利用した消滅処理が適用される。
【0004】
加速器による消滅処理では、原子炉と異なって未臨界状態で処理を行うことができるため、臨界に関わる安全性に優れていること、設計上の自由度が大きい等の利点がある。この消滅処理においては、陽子加速器と電子線加速器が利用される。
陽子加速器を用いる消滅処理では、標的核に、例えば500MeV〜2GeV程度の高エネルギー陽子を照射して破砕する核破砕反応を利用しており、核破砕反応を直接利用して核種変換を生じさせると共に、標的核の破砕に伴って発生する多数の中性子を標的核周りの未臨界ブランケットに投入して核分裂反応を発生させたり、中性子の捕獲反応によって核種変換反応を発生させたりしている。
これにより、例えば、Np、Am、Cm等の超ウラン元素や長寿命核分裂生成物を消滅させることができ、しかも、未臨界ブランケットで発生した熱を回収して発電を行い、陽子加速器の運転に必要な電力を自給することができる。
【0005】
一方、電子線加速器を用いる消滅処理では、例えば電子線の制動輻射で発生するガンマ線、例えば電子蓄積リングと光キャビティーを組み合わせて逆コンプトン散乱により発生させたガンマ線等による光核反応、例えば(γ、N)反応や(γ、核分裂)反応等の巨大共鳴を利用することによって、例えばSr、Cs等の長寿命核分裂生成物や超ウラン元素等を消滅処理することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の消滅処理においては、原子炉や加速器を利用して核種変換を行う場合、大規模かつ高価な装置を用いなければならず、核種変換に要する費用が嵩むという問題点があった。また、軽水炉等の原子炉を用いた場合、中性子反応断面積が小さいCs−137等の核種変換に必要な中性子束が得られないという問題点等があった。
そこで、本発明者等は、これらの問題点を解決すべく、原子炉や加速器等の大規模な装置に比べて相対的に小規模な装置で核種変換を行うことが可能な核種変換装置及び核種変換方法を提案した(特願2001−201875)。
なお、この出願は、公開前の出願であり、特許法上の従来の技術には該当しない。
【0007】
しかしながら、本発明者等が提案した核種変換方法は、構造体の重水素高密度側に核種変換が施される元素を添加するもので、構造体の製造工程と元素の添加工程との間の時間が経過すると、すなわち、構造体を製造してから、元素の添加工程に着手するまでの時間が経過してしまうと、元素の添加量が減少してしまうという問題点がある。
このことは、1回の核種変換工程にて処理できる被変換核種の量が少なくなることを意味しており、処理量が減少することは工業的には大きな問題点となる。
【0008】
そこで、処理量を増加させるために、構造体の製造工程から時間間隔をおかずに、元素の添加工程に進む製造プロセスを採用することが考えられるが、構造体の製造工程を担当する場所と、元素の添加工程を担当する場所が、地理的に離れているような場合には、適用が困難である。
そこで、構造体の製造工程と元素の添加工程との間に時間間隔があったような場合においても、元素の添加量が減少しないような方法を開発することが望まれていた。
【0009】
また、上記の構造体においては、製造工程の直後から、その最表層のパラジウム(Pd)膜の表面が時間経過と供に次第に汚染され、この汚染が原因で、時間経過に伴い元素の添加量が減少するという問題点があることが分った。このような汚染は、この構造体に固有の現象ではなく、物品の表面の自然な汚染の一つと考えられる。具体的な汚染物質としては、大気の成分以外に、炭化水素、イオウ化合物、窒素酸化物等、さまざまな化合物があり、構造体が存在する環境に依存する。
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、パラジウム膜の表面に残留する汚染物質を、分子レベルでほぼ完全に分解除去することができ、その結果、このパラジウム膜を最表層とする構造体の製造工程からの時間経過に伴う元素の添加量の減少を阻止することができるパラジウム膜の清浄化方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討した結果、構造体の最表層を構成するパラジウム膜の表面汚染をほぼ完全に除去することができる方法を見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の請求項1記載のパラジウム膜の清浄化方法は、パラジウム膜の表面の少なくとも一部に付着した汚染物質を除去することにより、前記パラジウム膜の表面を清浄化する方法であって、前記表面に電気分解処理を施し、該表面の汚染物質を分解除去する電気分解工程を備えてなることを特徴とする。
【0012】
このパラジウム膜の清浄化方法では、パラジウム膜の表面に電気分解処理を施し、該表面の汚染物質を分解除去することにより、パラジウム膜の表面の汚染物質を高効率で、しかも分子レベルでほぼ完全に除去し、このパラジウム膜を最表層とする構造体の製造工程からの時間経過に伴う元素の添加量の減少を阻止する。
【0013】
請求項2記載のパラジウム膜の清浄化方法は、請求項1記載のパラジウム膜の清浄化方法において、前記電気分解工程は、前記パラジウム膜を陰極として電気分解を行うことを特徴とする。
【0014】
このパラジウム膜の清浄化方法では、パラジウム膜を陰極として電気分解を行うことにより、陰極とされたパラジウム膜の表面の汚染物質を高効率で還元し、しかも分子レベルでほぼ完全に除去する。
【0015】
請求項3記載のパラジウム膜の清浄化方法は、請求項1記載のパラジウム膜の清浄化方法において、前記電気分解工程は、前記パラジウム膜を陽極として電気分解を行うことを特徴とする。
【0016】
このパラジウム膜の清浄化方法では、パラジウム膜を陽極として電気分解を行うことにより、パラジウム膜の表面の有機物等の汚染物質を酸化し、分子レベルでほぼ完全に除去する。
【0017】
請求項4記載のパラジウム膜の清浄化方法は、請求項1記載のパラジウム膜の清浄化方法において、前記電気分解工程は、前記パラジウム膜を陽極として電気分解を行う第1の電気分解工程と、前記パラジウム膜を陰極として電気分解を行う第2の電気分解工程とを備えてなることを特徴とする。
【0018】
このパラジウム膜の清浄化方法では、第1の電気分解工程にて、パラジウム膜を陽極として電気分解を行うことにより、陽極とされたパラジウム膜の表面の有機物等の汚染物質を酸化し、分子レベルでほぼ完全に除去する。
次いで、第2の電気分解工程にて、パラジウム膜を陰極として電気分解を行うことにより、上記の第1の電気分解工程にて表面清浄化が進行する過程で生じるパラジウム膜の表面の酸化層を還元する。
【0019】
請求項5記載のパラジウム膜の清浄化方法は、パラジウム膜の表面の少なくとも一部に付着した汚染物質を除去することにより、前記パラジウム膜の表面を清浄化する方法であって、前記表面にプラズマを照射し、該表面の汚染物質を分解除去するプラズマ照射工程を備えてなることを特徴とする。
【0020】
このパラジウム膜の清浄化方法では、パラジウム膜の表面にプラズマを照射し、該表面の汚染物質を分解除去することにより、パラジウム膜の表面の汚染物質を高効率で、しかも分子レベルでほぼ完全に除去し、このパラジウム膜を最表層とする構造体の製造工程からの時間経過に伴う元素の添加量の減少を阻止する。
【0021】
請求項6記載のパラジウム膜の清浄化方法は、請求項5記載のパラジウム膜の清浄化方法において、前記プラズマ照射工程は、大気プラズマを照射することを特徴とする。
【0022】
このパラジウム膜の清浄化方法では、パラジウム膜の表面に大気プラズマを照射することにより、パラジウム膜の表面の汚染物質を高効率で、しかも分子レベルでほぼ完全に除去する。
【0023】
請求項7記載のパラジウム膜の清浄化方法は、請求項5記載のパラジウム膜の清浄化方法において、前記プラズマ照射工程は、減圧プラズマを照射することを特徴とする。
【0024】
このパラジウム膜の清浄化方法では、パラジウム膜の表面に減圧プラズマを照射することにより、パラジウム膜の表面の汚染物質を高効率で、しかも分子レベルでほぼ完全に除去する。
【0025】
請求項8記載のパラジウム膜の清浄化方法は、請求項1ないし7のいずれか1項記載のパラジウム膜の清浄化方法において、前記汚染物質は、炭化水素を主成分とする有機物質を含むことを特徴とする。
【0026】
請求項9記載のパラジウム膜の清浄化方法は、請求項8記載のパラジウム膜の清浄化方法において、前記有機物質は、疎水性を有することを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明のパラジウム膜の清浄化方法の各実施の形態について図面に基づき説明する。
【0028】
「第1の実施形態」
図1は、本実施形態のパラジウム膜の清浄化方法に適用される電気分解処理装置を示す断面図であり、図において、符号1は陰極となる平板型のパラジウム(Pd)膜、2は陽極となる平板型の白金(Pt)板、3は電解槽、4は電解槽3に貯留される電解液、5は直流電源、6は配線である。
ここでは、パラジウム膜1と白金板2が平行平板型の配置となるように設置されている。
また、電解液4としては、パラジウム膜1の電解処理が可能な電解液であれば特に限定しないが、例えば、濃度1mM(1×10−3mol/L)のDNOを含む重水溶液(DNO重水溶液)が好適である。
【0029】
次に、この電気分解処理装置を用いてパラジウム膜1の清浄化を行う。
まず、パラジウム膜1及び白金板2を、互いに対向するように電解液4中に浸漬し、パラジウム膜1と白金板2との間隔、すなわち電極間隔を所定の間隔に保持した状態で、パラジウム膜1を陰極、白金板2を陽極として、直流電源5により配線6を介してパラジウム膜1と白金板2に電圧Vを印加する。
【0030】
ここでは、例えば、パラジウム膜1及び白金板2それぞれの表面積(電極面積)を6cm、パラジウム膜1と白金板2との間隔、すなわち電極間隔を1cmとし、電解液4としては、濃度1mM(1×10−3mol/L)のDNO重水溶液を用い、印加電圧Vを3Vとした。
この条件で所定時間通電することにより、パラジウム膜1の表面に電解処理を施すことができる。
【0031】
この電解処理による物品の清浄化は、電解により発生するガス気泡が破裂する際の物理的衝撃、物品表面に付着している汚染物質の電極反応による酸化・還元、電解により発生するガスと汚染物との化学的反応、およびこれらの相乗効果により効果的に清浄化される。清浄化すべき対象物品を陰極に用いる場合を陰極電解、陽極に用いる場合を陽極電解と称しており、本実施形態は陰極電解の例である。
【0032】
次に、この電解処理を施したパラジウム膜1の表面清浄化の程度を評価する。この電解処理を施したパラジウム膜1を大気中、所定時間放置して乾燥させ、その後、このパラジウム膜1の水との接触角を測定する。
水との接触角は、パラジウム膜1の表面清浄化の程度を表すパラメーターであり、日本工業規格(JIS R 3257)「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」に基づいて測定を行う。
【0033】
ここで、表面清浄化のパラメーターとして水との接触角を用いた理由は、清浄化された表面は、親水性の高い金属パラジウム及びパラジウム酸化物で覆われており、清浄度が高い表面ほどそれらの全体に占める割合が高くなる為、水は良く濡れる、すなわち水との接触角が0度に近くなるからである。
一般に、濡れのよい状態の目安は、接触角が20〜30度以内である。近年、光触媒で話題になることの多い「超親水性」と呼ばれるような非常に濡れのよい状態の目安は、接触角が10度以下である。しかし、そのような表面は、注意深く念入りに洗浄した場合の洗浄直後にしか実現しない。例えば、大気中に放置したものは、その表面が次第に汚染されて接触角が10度以上になるのが通例である。
【0034】
製作直後のパラジウム膜1は、清浄な表面を有しており、水との接触角は10度以下である。
しかし、このパラジウム膜1を大気中に放置することにより、その表面が次第に汚染されて接触角が上昇していく。
図2は、パラジウム膜1を大気中に放置した場合の、大気中放置時間t(時間)と、パラジウム膜1の表面における水との接触角θ(°)との関係を示す図である。この図では、製作直後をt=0として、大気中に放置した時間tを横軸にとり、測定した水との接触角θを縦軸にとっている。
【0035】
この図2によれば、製作直後には、接触角は10度以下であり、パラジウム膜1は非常に清浄な表面を有しているが、時間経過と供に次第に接触角が上昇し、その表面が次第に汚染されていくことが分かった。
この図2では、約1日間の大気中における放置状態を観察しているが、その後、さらに放置を続けた場合、数ヶ月後には接触角は90度程度に到達し、飽和傾向を示すことが分かった。
【0036】
図3は、パラジウム膜1に電気分解を施した場合の、電解時間t(分)、すなわちパラジウム膜1の通電時間と、パラジウム膜1の表面における水との接触角θ(°)との関係を示す図である。この図では、電解時間t=0は、電解処理を施す前のパラジウム膜1の表面状態を示しており、濡れ性の悪い撥水性の表面であることが分かった。また、電解時間tの経過と供に、次第にパラジウム膜1の表面における水との接触角θ(°)が低下し、濡れ性の良い清浄な表面が実現していることが分かった。
【0037】
次に、本実施形態の清浄化方法により表面清浄化されたパラジウム膜と、本実施形態の清浄化方法が適用されていないパラジウム膜の双方について、元素の添加量の比較を行う。
ここでは、以下のようにして比較試験を実施した。
まず、試験片となるパラジウム膜を24枚作製し、その内、12枚のパラジウム膜を大気中にて1日間保管し、これらをサンプルAとした。
一方、残った12枚のパラジウム膜に対して、上記の電解処理を施し、これらをサンプルBとした。
ここでは、この場合の電解処理条件は上述した条件と同様とし、電解時間を1分間とした。
【0038】
次いで、これらサンプルA、Bそれぞれの表面に、セシウム(Cs)を添加した。
図4は、セシウム(Cs)等の元素添加に用いられる電着装置を示す断面図であり、図において、符号11は試験片であるサンプルA(B)、12は陽極となる白金(Pt)電極、13は電解槽、14は電解槽13に貯留される電解液、15は直流電源、16は配線である。
ここでは、サンプルA(B)11と白金電極12とが平行平板型の配置となるように設置されている。また、電解液14としては、ここではCsNOを含むDO希薄溶液(CsNO/DO溶液)が好適に用いられる。
【0039】
サンプルA(B)11の表面にセシウム(Cs)を添加するには、1mMのCsNO/DO溶液を電解液14として、電源15の陽極に白金電極12を接続し、同陰極にサンプルA(B)11を接続し、例えば1Vの電圧を10秒間印加することにより、サンプルA(B)11の表面にセシウム(Cs)を添加することができる。
【0040】
次いで、それぞれのサンプルA(B)を硝酸溶液で溶解し、サンプルA(B)に添加されたセシウム(Cs)を硝酸溶液に溶出させて回収し、評価水を調整した。
次いで、IPC−MS(誘導結合プラズマ質量分析)を用いて、評価水に含有するセシウム(Cs)イオンの存在量を測定した。次いで、測定されたセシウム(Cs)イオンの濃度測定値と評価水の液量から、添加されたセシウム(Cs)の重量を求めた。さらに、このセシウム(Cs)の重量をサンプルA(B)の有効面積で除し、サンプルA(B)の単位面積当たりのセシウム(Cs)添加量を求めた。
【0041】
サンプルA、Bそれぞれについて比較試験を行った結果、サンプルAのセシウム(Cs)添加量の平均値は9ng/cmであったのに対して、サンプルBのセシウム(Cs)添加量の平均値は27ng/cmであり、電解処理によるセシウム(Cs)添加量の改善効果は明らかであった。
【0042】
以上説明したように、本実施形態のパラジウム膜の清浄化方法によれば、パラジウム膜1及び白金板2を、互いに対向するように電解液4中に浸漬し、パラジウム膜1を陰極、白金板2を陽極として、所定時間通電することにより、パラジウム膜1の表面に電解処理を施すので、パラジウム膜1の表面の汚染物質を高効率で、しかも分子レベルでほぼ完全に除去することができる。したがって、このパラジウム膜1を最表層とする構造体においては、その製造工程からの時間経過に伴う元素の添加量の減少を防止することができる。
【0043】
「第2の実施形態」
本発明の第2の実施形態のパラジウム膜の清浄化方法について説明する。
本実施形態のパラジウム膜の清浄化方法が、上述した第1の実施形態のパラジウム膜の清浄化方法と異なる点は、パラジウム(Pd)膜1を陽極、白金板2を陰極として、陽極電解を施した点である。
【0044】
本実施形態では、電解液4を濃度1mM(1×10−3mol/L)のCsNOを含む重水溶液(CsNO重水溶液)としたが、このCsNO重水溶液以外の電解液を用いてもかまわない。
本実施形態では、例えば、パラジウム膜1及び白金板2それぞれの表面積(電極面積)を6cm、パラジウム膜1と白金板2との間隔、すなわち電極間隔を1cmとし、パラジウム膜1及び白金板2を、互いに対向するように電解液4中に浸漬し、パラジウム膜1を陽極、白金板2を陰極として、直流電源5により両極間に3Vの電圧を印加し、所定時間通電し、パラジウム膜1の表面に電解処理を施した。
【0045】
次いで、この電解処理を施したパラジウム膜1を大気中、所定時間放置して乾燥させ、その後、第1の実施形態に準じて、このパラジウム膜1の水との接触角を測定した。
図5は、パラジウム膜1に電気分解を施した場合の、電解時間t(分)、すなわちパラジウム膜1の通電時間と、パラジウム膜1の表面における水との接触角θ(°)との関係を示す図である。この図では、電解時間t=0は、電解処理を施す前のパラジウム膜1の表面状態を示しており、あまり濡れ性の良くない表面であることが分かった。また、電解時間tの経過と供に、次第にパラジウム膜1の表面における水との接触角θ(°)が低下し、濡れ性の良い清浄な表面が実現していることが分かった。
【0046】
本実施形態のパラジウム膜の清浄化方法においても、上述した第1の実施形態のパラジウム膜の清浄化方法と同様、パラジウム膜1の表面の汚染物質を高効率で、しかも分子レベルでほぼ完全に除去することができる。したがって、このパラジウム膜1を最表層とする構造体においては、その製造工程からの時間経過に伴う元素の添加量の減少を防止することができる。
【0047】
「第3の実施形態」
本発明の第3の実施形態のパラジウム膜の清浄化方法について説明する。
本実施形態のパラジウム膜の清浄化方法が、上述した第1及び第2の実施形態のパラジウム膜の清浄化方法と異なる点は、電気分解工程を、パラジウム膜1を陽極、白金板2を陰極として陽極電気分解(陽極電解)を行う第1の電気分解工程と、パラジウム膜1を陰極、白金板2を陽極として陰極電気分解(陰極電解)を行う第2の電気分解工程とに分けた点である。
【0048】
この清浄化方法の特徴は、第1の電気分解工程において、表面清浄化が進行するとともに同時に進行する可能性のあるパラジウム膜1の表面の酸化現象が発生した場合に、第2の電気分解工程によりパラジウム膜1の表面の酸化層を還元し、除去する点にある。
【0049】
第1、第2工程の電荷量(電気分解工程における電解電流と電解時間の積)・印加電圧の適正値については、第2工程後にパラジウム膜1の表面に酸化層が残らない条件内で実験的に導出するのが望ましい。
【0050】
第1の電気分解工程においては、パラジウム膜1の表面における酸化層生成がどの程度進行するかは、そのときの支持電解質の種類・濃度、過電圧、電流密度などの複数の要因に支配され、酸化層の生成の程度については大きな幅を有するのが一般的である。したがって、第2工程の電荷量・印加電圧の適正値も大きな幅を有するものとなる。
【0051】
適正値を導出する方法は特に限定されないが、具体的には、電気分解工程後のパラジウム膜の表面をESCAにより分析し、このESCAスペクトルから第1工程及び第2工程それぞれの電荷量・印加電圧を設定する方法がある。
例えば、ESCAスペクトルにおけるパラジウムのスペクトルに着目すると、表面のパラジウム原子の酸化状態に依存し、パラジウムのピーク位置がシフトすることが観測できる。金属としてのパラジウムの有するピーク位置と、酸化した状態のパラジウムのピーク位置とでは、僅かに異なるため、このパラジウムのピーク位置に着目し、金属としてのパラジウムのピーク位置が得られるような第2工程の電荷量・印加電圧を求めればよい。
【0052】
次に、本実施形態のパラジウム膜の清浄化方法について、より具体的に説明する。
ここでは、第1の電気分解工程は、第2の実施形態の電気分解工程に準じて行い、第2の電気分解工程は、第1の実施形態の電気分解工程に準じて行った。
第1の電気分解工程を実施する前のパラジウム膜の水との接触角は約70度であった。
【0053】
第1の電気分解工程においては、印加電圧3V、電荷量0.35C/cmの条件で電解処理を施した結果、パラジウム膜の水との接触角は約10度に低下し、非常に清浄な表面が実現できた。この表面のESCAスペクトルを観察すると、パラジウム酸化物のピークが観測された。
この第1の電気分解工程に続いて第2の電気分解工程を施した。印加電圧3V、電荷量1.0C/cmの条件で電解処理を施した結果、パラジウム膜の水との接触角は約10度の状態を保持していた。この表面のESCAスペクトルを観察すると、パラジウムのピーク位置がシフトしており、表面のパラジウム酸化物が金属パラジウムに還元されていることが確認できた。
【0054】
以上のような電荷量・印加電圧の適正化により、第1の電気分解工程で実現した非常に清浄な表面状態を、第2の電気分解工程後にも維持し続けることができ、かつ、第1の電気分解工程においてパラジウム膜の表面に生じた酸化層を第2の電気分解工程により還元することができ、極めて清浄化された表面が実現できた。
【0055】
本実施形態のパラジウム膜の清浄化方法においても、上述した第1及び第2の実施形態のパラジウム膜の清浄化方法と同様、パラジウム膜1の表面の汚染物質を高効率で、しかも分子レベルでほぼ完全に除去することができる。
しかも、第1の電気分解工程において生じたパラジウム膜1の表面の酸化層を第2の電気分解工程により還元するので、パラジウム膜1の表面を極めて清浄化された表面とすることができる。
【0056】
「第4の実施形態」
図6は、本発明の第4の実施形態のパラジウム膜の清浄化方法に適用されるプラズマ照射装置を示す概略構成図、図7は同プラズマ照射装置の要部を示す拡大断面図である。
このプラズマ照射装置は、RFプラズマ法により大気プラズマを発生させるもので、プラズマ照射ヘッド21と、このヘッド21を制御するプラズマ照射コントローラ22と、これらヘッド21とコントローラ22とを接続するケーブル23とにより概略構成され、プラズマ照射ヘッド21より発生する大気プラズマ24を平板状のパラジウム膜25に照射して、その表面を清浄化する構成である。
【0057】
このヘッド21には、大気プラズマを発生させるための装置が組み込まれており、また、コントローラ22には、ヘッド21に入力される電気信号を発生させるための電源、この電源を制御するための制御装置、及び室内の空気を取り入れるためのファンが組み込まれている。また、ケーブル23は、コントローラ22からヘッド21に向けてプラズマ発生のための電気信号を送信するとともに、コントローラ22にて取り入れた空気を輸送する機能を有する構成になっている。
【0058】
なお、コントローラ22にて空気を取り入れる方法の他、工場等に設置されているガス供給ラインあるいはガスボンベを利用してヘッド21にガスを供給する方法を用いてもよい。この場合のガスの種類としては、取扱性やコストの点から乾燥窒素、空気、乾燥空気等を使用するのが好ましい。これらのガスの他、アルゴン、ヘリウム等の希ガス、あるいは酸素、水素等の支燃性、可燃性ガスも使用可能である。
【0059】
ヘッド21は、図7に示すように、その筒状の先端部の開口部21aに2枚の電極31、31が対向配置され、電極31、31各々には高周波を印加させるためのケーブル32が接続され、これらのケーブル32、32により電極31、31に高周波を印加させてRFプラズマ法により大気プラズマ24を発生させるようになっている。この大気プラズマ24は、コントローラ22によりヘッド21に送り込まれた空気の流れである気流33により、その存在領域が気流33の方向に伸びてヘッド21の外方へ放出される。これにより、対向する電極31、31間の空間領域に発生した大気プラズマ24をパラジウム膜25の表面に照射することができる。
【0060】
ここで、電極31を構成する材料としては、例えばタングステン等のように熱電子を放出し易い材料が好適である。
また、電極31、31間の距離、すなわち電極間距離は、印加電圧との関係で決定される。一般に、大気圧の空気の絶縁破壊の電界強度は、数10kV/cmであるが、実際の空気は、純粋な気体と異なり、窒素、酸素の他、二酸化炭素、水素、アルゴン等の多数の気体成分により構成され、さらに水蒸気も含まれる。
【0061】
水蒸気の含有量は気象条件により大きく変動し、また、空気中には微小な埃が浮遊しているので、大気圧の空気の絶縁破壊の電界強度を一意的に定めるのは実際には困難である。ここでは、20kV/cmを大気圧の空気の絶縁破壊の電界強度レベルとすることにする。
【0062】
この電極間距離の実用上望ましい値は、1mm〜10mm、さらに望ましくは5mm〜10mmである。その理由は、以下に述べる通りである。
まず第1に、電極間距離を印加電圧の観点から考慮した場合、1mm〜20mmが好適である。この電極間距離の場合、対応する印加電圧は2kV〜40kVとなる。ここで、電極間距離を1mmよりも狭くすると、大気プラズマが発生する領域が狭くなり、その結果大気プラズマの照射領域が狭くなるので好ましくなく、また、電極間距離を20mmよりも広くすると、大気プラズマを発生させるのに必要な印加電圧が高くなり、電源等の設備も大型化する必要があり、コストが高くなるという弊害を生じるからである。
【0063】
第2に、大気プラズマ発生領域の観点から考慮した場合、10mm以下が好適である。ここで大気プラズマ24の存在領域を考えると、空気の流れ33で大気プラズマ24を電極31、31の外側に押し出す場合、大気圧下ではプラズマの寿命が短いため、大気プラズマ24の存在領域は電極31、31から外側に向かって数cm程度、より具体的には10〜20mmになる。したがって、電極31、31から対象物であるパラジウム膜25までの距離、すなわちワークディスタンスは、大気プラズマ24が存在する領域で決まり、このワークディスタンスの上限は数cmとなる。
【0064】
ここで、電極間距離とワークディスタンスが同程度の距離になると、パラジウム膜25が接地電極の役割を担うために、大気プラズマ24の発生状況が設計と異なる状況になるという不具合が生じる。この場合、電極間距離の上限は、実質的には10mm程度となる。
以上の事情を考慮すると、実用上望ましい電極間距離は、1mm〜10mm、さらに望ましくは5mm〜10mmとなる。
【0065】
次に、大気プラズマ照射による表面清浄化について説明する。
一般に、物品の表面清浄化の一手法として、プラズマ処理が知られている。この処理方法は、処理対象の物品を真空容器内に配置し、この真空容器内を減圧状態にして、所定の反応ガスの流動下で電極に高周波を印加してプラズマを発生させ、このプラズマにより誘起された各種ラジカルを用いて対象物品の表面に付着した汚染物質を分解し、表面を清浄化する技術である。このプラズマ処理では、ラジカル以外に、プラズマ自体が有する熱エネルギー(数万℃〜数10万℃)により汚染物質を燃焼させて除去する効果もある。
【0066】
このプラズマに晒された物品の表面は、汚染物質が除去されて表面エネルギーが高い状態となる。表面エネルギーが高い状態の表面は、水に対する濡れ性が良好となり、親水性の表面となる。従来、プラズマ処理は、実質的には減圧下に限定されてきたが、近年の研究により、適当な条件下では、大気圧下においてもプラズマ処理を実現することができることが分かってきた。このような大気圧下におけるプラズマを「大気プラズマ」と称している。
【0067】
この様な大気プラズマは、既に述べたように、熱電子を放出し易い材料により構成された2枚の電極31、31間に高周波を印加することで、これら2枚の電極31、31の間の空間に発生させることができる。この方法は、一般にRFプラズマ法と呼ばれている。このようにして発生した大気プラズマ24の存在領域は、電極31、31同士の間の空間だけに限定されることはなく、例えば、電極31、31に何らかの送風手段を付加することで、空気の流れを電極31、31間に形成し、大気プラズマ24を電極31、31間よりも外方へ送り出すことができる。
【0068】
このようにして電極31、31の外方へ送り出された大気プラズマ24は、電極31、31の干渉を受けることなく、対象物品であるパラジウム膜25の表面に到達し、その表面の清浄化に寄与することができる。
なお、大気プラズマ24を発生させる方法としては、RFプラズマ法の他、マイクロ波発生装置から発生したマイクロ波を利用してプラズマを発生させるマイクロ波励起プラズマ法等がある。
【0069】
次に、本実施形態の大気プラズマ24を用いたパラジウム膜の清浄化方法について、より具体的に説明する。
上述したプラズマ照射装置を用いてパラジウム膜25の清浄化を行った。
このプラズマ照射装置としては、ここでは、市販されている大気プラズマ発生装置(ST−7000 株式会社キーエンス製)を用いた。
このプラズマ照射装置では、ワークディスタンスを6mmとした。また、プラズマ化させるガスとしては、コントローラ22により取り込まれた空気を用いた。
【0070】
また、コントローラ22により電極31、31間に10〜20kVの高周波電圧を印加し、発生した大気プラズマ24を清浄化の対象物であるパラジウム膜25の表面に所定の時間、照射し、照射の前後におけるパラジウム膜25の水との接触角を測定した。
【0071】
図8は、パラジウム膜25に大気プラズマ24を照射した場合の、プラズマ照射時間t(秒)と、パラジウム膜25の表面における水との接触角θ(°)との関係を示す図である。この図では、プラズマ照射時間t=0は、プラズマ照射を施す前のパラジウム膜25の表面状態を示しており、疎水性の表面であった。また、プラズマ照射時間tの経過と供に、次第にパラジウム膜25の表面における水との接触角θ(°)が低下し、数秒の大気プラズマ照射で非常に濡れ性の良い清浄な表面が実現していることが分かった。
【0072】
以上説明したように、本実施形態のパラジウム膜の清浄化方法によれば、電極31、31間に高周波電圧を印加し、発生した大気プラズマ24をパラジウム膜25の表面に照射するので、パラジウム膜25の表面の汚染物質を高効率で、しかも分子レベルでほぼ完全に除去することができる。したがって、このパラジウム膜25を最表層とする構造体においては、その製造工程からの時間経過に伴う元素の添加量の減少を防止することができる。
【0073】
「第5の実施形態」
本発明の第5の実施形態のパラジウム膜の清浄化方法について説明する。
本実施形態のパラジウム膜の清浄化方法が、上述した第4の実施形態のパラジウム膜の清浄化方法と異なる点は、大気プラズマより圧力の低い減圧プラズマを用いた点である。なお、減圧プラズマは、第4の実施形態のプラズマ照射装置のプラズマ発生条件を変えることにより発生させることができる。
【0074】
次に、減圧プラズマ照射による表面清浄化について説明する。
この方法は、真空排気が可能な密閉容器内に対象物品であるパラジウム膜を配置し、この密閉容器内にガスを流入させながら、真空ポンプで排気し、この密閉容器内のガス圧力を所定の値に保持する。次いで、密閉容器内に設置された2枚の平行平板電極間に高周波電圧を印加し、減圧プラズマを発生させる。
【0075】
上記ガスの選択は自由度が高く、目的に応じて選択される。一般には、対象物品であるパラジウム膜を変質させる虞の小さいアルゴン(Ar)ガス、有機物質の汚染に有効な酸素を含んだ混合ガス、還元処理ができる水素を含んだ混合ガス等が好適に用いられる。
【0076】
この減圧プラズマ処理を用いたパラジウム膜の清浄化方法について、より具体的に説明する。
第4の実施形態のプラズマ照射装置を用いてパラジウム膜の清浄化を行った。このプラズマ照射装置としては、ここでは、市販されているスパッタリング装置(マグネトロンスパッタ装置SH450 アルバック社製)を用いた。
このスパッタリング装置は、本来の用途であるスパッタリングによる成膜の他に、2枚の平行平板電極間に高周波電圧を印加してプラズマを発生させ、対象物品の表面汚染を除去する機能を有する。
【0077】
減圧プラズマ処理は、ガス種をアルゴン(Ar)ガスとし、ガス圧:5×10−3torr、RFパワー:50Wの条件で減圧プラズマを発生させ、パラジウム膜を1分間暴露した。その後、スパッタリング装置からパラジウム膜を取り出し、このパラジウム膜の表面の水との接触角を測定した。
この測定結果によれば、減圧プラズマ照射を施す前のパラジウム膜の表面における水との接触角θは70度程度であったのに対し、減圧プラズマ照射後のパラジウム膜の表面における水との接触角θは10度程度となり、減圧プラズマ照射で非常に濡れ性の良い清浄な表面が実現していることが分かった。
【0078】
本実施形態のパラジウム膜の清浄化方法においても、上述した第4の実施形態のパラジウム膜の清浄化方法と同様、パラジウム膜の表面の汚染物質を高効率で、しかも分子レベルでほぼ完全に除去することができる。したがって、このパラジウム膜を最表層とする構造体においては、その製造工程からの時間経過に伴う元素の添加量の減少を防止することができる。
【0079】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載のパラジウム膜の清浄化方法によれば、パラジウム膜の表面に電気分解処理を施し、該表面の汚染物質を分解除去するので、パラジウム膜の表面の汚染物質を高効率で、しかも分子レベルでほぼ完全に除去することができる。したがって、このパラジウム膜を最表層とする構造体においては、その製造工程からの時間経過に伴う元素の添加量の減少を防止することができる。
【0080】
請求項2記載のパラジウム膜の清浄化方法によれば、パラジウム膜を陰極として電気分解を行うので、陰極とされたパラジウム膜の表面の汚染物質を高効率で、しかも分子レベルでほぼ完全に除去することができる。
【0081】
請求項3記載のパラジウム膜の清浄化方法によれば、パラジウム膜を陽極として電気分解を行うので、パラジウム膜の表面の有機物等の汚染物質を酸化し、分子レベルでほぼ完全に除去することができる。
【0082】
請求項4記載のパラジウム膜の清浄化方法によれば、電気分解工程を、パラジウム膜を陽極として電気分解を行う第1の電気分解工程と、パラジウム膜を陰極として電気分解を行う第2の電気分解工程とにより構成したので、第1の電気分解工程の後に第2の電気分解工程を施すことで、上記の第1の電気分解工程にて表面清浄化が進行する過程でパラジウム膜の表面に生じるパラジウム酸化層を還元することができる。
【0083】
請求項5記載のパラジウム膜の清浄化方法によれば、パラジウム膜の表面にプラズマを照射し、該表面の汚染物質を分解除去するので、パラジウム膜の表面の汚染物質を高効率で、しかも分子レベルでほぼ完全に除去することができる。したがって、このパラジウム膜を最表層とする構造体においては、その製造工程からの時間経過に伴う元素の添加量の減少を防止することができる。
【0084】
請求項6記載のパラジウム膜の清浄化方法によれば、パラジウム膜の表面に大気プラズマを照射するので、パラジウム膜の表面の汚染物質を高効率で、しかも分子レベルでほぼ完全に除去することができる。
【0085】
請求項7記載のパラジウム膜の清浄化方法によれば、パラジウム膜の表面に減圧プラズマを照射するので、パラジウム膜の表面の汚染物質を高効率で、しかも分子レベルでほぼ完全に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のパラジウム膜の清浄化方法に適用される電気分解処理装置を示す断面図である。
【図2】大気中に放置したパラジウム膜の大気中放置時間と、水との接触角との関係を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態のパラジウム膜の電解時間と、水との接触角との関係を示す図である。
【図4】電着装置を示す断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態のパラジウム膜の電解時間と、水との接触角との関係を示す図である。
【図6】本発明の第4の実施形態のパラジウム膜の清浄化方法に適用されるプラズマ照射装置を示す概略構成図である。
【図7】本発明の第4の実施形態のパラジウム膜の清浄化方法に適用されるプラズマ照射装置の要部を示す拡大断面図である。
【図8】本発明の第4の実施形態のパラジウム膜のプラズマ照射時間と、水との接触角との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 パラジウム膜
2 白金板
3 電解槽
4 電解液
5 直流電源
6 配線
11 サンプルA(B)
12 白金電極
13 電解槽
14 電解液
15 直流電源
16 配線
21 プラズマ照射ヘッド
21a 開口部
22 プラズマ照射コントローラ
23 ケーブル
24 大気プラズマ
25 パラジウム膜
31 電極
32 ケーブル
33 気流
[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for cleaning a palladium membrane, and more specifically, an annihilation treatment for converting a long-lived radioactive waste into a short-lived nuclide or a stable nuclide, or a separation treatment for separating a rare element from elements abundant in nature. In particular, the present invention relates to a method for cleaning a palladium film suitable for use in pretreatment of a step of adding a nuclide to be converted to a structure used for nuclide conversion.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, nuclide conversion methods include the method of nuclide conversion of a small amount of nuclides, such as the synthesis of heavy elements by fusion reaction using heavy ion accelerators, and the long life of large amounts contained in high-level radioactive waste. A method for efficiently and effectively converting radionuclides within a short time is known, and the latter is called a so-called annihilation process.
This annihilation treatment is performed by minor actinoids such as Np, Am, and Cm contained in high-level radioactive waste, long-lived fission products such as Tc-99 and I-129, or exothermic Sr-90 and Cs-137. , Or useful platinum group elements such as Rh and Pd are separated (group separation) according to the characteristics of each element, and then neutrons and the like are irradiated to minor actinoids and fission products having a long half-life to cause nuclear reaction. This is a radionuclide conversion process that generates radioactive nuclides and converts them into short-lived or non-radioactive nuclides.It separates and recovers useful elements and long-lived radionuclides contained in high-level radioactive waste and aims to effectively use the useful elements. It is characterized by converting long-lived radionuclides into short-lived or stable nuclides.
[0003]
Examples of this annihilation treatment include annihilation treatment of actinoids and the like by neutron irradiation in a nuclear reactor such as a fast breeder reactor or an actinoid firing furnace, nuclear disintegration processing of actinoids or the like by proton irradiation in an accelerator, cesium by gamma ray irradiation in an accelerator, Three types of processes for annihilation of strontium and the like are known.
Neutron irradiation in a nuclear reactor can rationally process minor actinoids with a large neutron reaction cross-section. It can be fissioned.
However, for long-lived fission products, such as Sr-90 and Cs-137, which have a small neutron reaction cross section and are hardly annihilated by neutron irradiation such as a nuclear reactor, annihilation processing using an accelerator is applied.
[0004]
In the annihilation treatment by the accelerator, unlike the nuclear reactor, the treatment can be performed in a subcritical state. Therefore, there are advantages such as excellent safety related to criticality and a large degree of freedom in design. In this annihilation process, a proton accelerator and an electron beam accelerator are used.
In the annihilation treatment using a proton accelerator, a nuclear fragmentation reaction in which a target nucleus is irradiated with high-energy protons of, for example, about 500 MeV to 2 GeV to crush the target nucleus is used. A large number of neutrons generated by the fragmentation of a target nucleus are injected into a subcritical blanket around the target nucleus to generate a fission reaction, or a neutron capture reaction to generate a nuclide conversion reaction.
Thereby, for example, transuranium elements such as Np, Am, and Cm and long-lived fission products can be extinguished, and heat generated in the subcritical blanket is recovered to generate electric power, which is used for operation of the proton accelerator. Self-sufficient power can be provided.
[0005]
On the other hand, in annihilation processing using an electron beam accelerator, for example, a photonuclear reaction caused by gamma rays generated by bremsstrahlung of an electron beam, for example, gamma rays generated by inverse Compton scattering by combining an electron storage ring and an optical cavity, for example, (γ , N) reaction or (γ, fission) reaction or the like, long-lived fission products such as Sr and Cs, transuranium elements, etc. can be annihilated.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in the conventional annihilation treatment, when nuclide conversion is performed using a nuclear reactor or an accelerator, there is a problem that a large-scale and expensive apparatus must be used, and the cost required for nuclide conversion increases. Further, when a nuclear reactor such as a light water reactor is used, there is a problem that a neutron flux required for nuclide conversion such as Cs-137 having a small neutron reaction cross section cannot be obtained.
Therefore, the present inventors have proposed a nuclide conversion apparatus capable of performing nuclide conversion with a relatively small apparatus as compared with a large-scale apparatus such as a nuclear reactor or an accelerator, in order to solve these problems. A nuclide conversion method was proposed (Japanese Patent Application No. 2001-201875).
This application is an application before publication and does not fall under the prior art under the Patent Law.
[0007]
However, the nuclide conversion method proposed by the present inventors is to add an element to which nuclide conversion is performed on the deuterium high-density side of the structure. If the time elapses, that is, if the time elapses after the structure is manufactured and before the step of adding the element is started, there is a problem that the addition amount of the element decreases.
This means that the amount of nuclide to be converted that can be processed in one nuclide conversion step is reduced, and reduction of the processing amount is a major industrial problem.
[0008]
Therefore, in order to increase the throughput, it is conceivable to adopt a manufacturing process that proceeds to the element addition step without leaving a time interval from the structure manufacturing process, but a place in charge of the structure manufacturing process, This is difficult to apply when the places in charge of the element addition process are geographically separated.
Therefore, it has been desired to develop a method that does not reduce the amount of element addition even when there is a time interval between the structure manufacturing process and the element addition process.
[0009]
In the above structure, the surface of the palladium (Pd) film as the outermost layer is gradually contaminated with the passage of time immediately after the manufacturing process. It has been found that there is a problem that the number is reduced. Such contamination is not a phenomenon inherent to the structure, but is considered to be one of the natural contamination of the surface of the article. Specific pollutants include various compounds such as hydrocarbons, sulfur compounds, and nitrogen oxides in addition to atmospheric components, and depend on the environment in which the structure exists.
[0010]
The present invention has been made to solve the above-described problems, and contaminants remaining on the surface of a palladium film can be almost completely decomposed and removed at a molecular level. It is an object of the present invention to provide a method for cleaning a palladium film that can prevent a decrease in the amount of an element added over time from a manufacturing process of a structure serving as the outermost layer.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies, the present inventors have found a method capable of almost completely removing the surface contamination of the palladium film constituting the outermost layer of the structure, and have reached the present invention.
That is, the method for cleaning a palladium film according to claim 1 of the present invention is a method for cleaning the surface of the palladium film by removing contaminants attached to at least a part of the surface of the palladium film. And an electrolysis process for subjecting the surface to an electrolysis treatment to decompose and remove contaminants on the surface.
[0012]
In this method of cleaning a palladium film, the surface of the palladium film is subjected to an electrolysis treatment to decompose and remove the contaminants on the surface, so that the contaminants on the surface of the palladium film can be efficiently and almost completely eliminated at the molecular level. To prevent the decrease in the amount of added elements over time from the manufacturing process of the structure having the palladium film as the outermost layer.
[0013]
According to a second aspect of the present invention, in the method for cleaning a palladium membrane according to the first aspect, the electrolysis step performs electrolysis using the palladium membrane as a cathode.
[0014]
In this method of cleaning a palladium film, the electrolysis is performed using the palladium film as a cathode, whereby contaminants on the surface of the palladium film used as the cathode are reduced with high efficiency and almost completely removed at the molecular level.
[0015]
According to a third aspect of the present invention, in the method for cleaning a palladium membrane according to the first aspect, the electrolysis step includes performing electrolysis using the palladium membrane as an anode.
[0016]
In this method of cleaning a palladium film, by performing electrolysis using the palladium film as an anode, contaminants such as organic substances on the surface of the palladium film are oxidized and almost completely removed at a molecular level.
[0017]
The method for cleaning a palladium membrane according to claim 4 is the method for cleaning a palladium membrane according to claim 1, wherein the electrolysis step includes a first electrolysis step of performing electrolysis using the palladium film as an anode. A second electrolysis step of performing electrolysis using the palladium film as a cathode.
[0018]
In this method of cleaning a palladium film, in the first electrolysis step, electrolysis is performed using the palladium film as an anode, thereby oxidizing contaminants such as organic substances on the surface of the palladium film used as the anode, and reducing the molecular level. To remove almost completely.
Next, in the second electrolysis step, by performing electrolysis using the palladium film as a cathode, the oxidized layer on the surface of the palladium film generated in the course of the surface cleaning in the first electrolysis step is removed. To reduce.
[0019]
6. The method for cleaning a palladium film according to claim 5, wherein the surface of the palladium film is cleaned by removing contaminants attached to at least a part of the surface of the palladium film, and the surface of the palladium film is plasma-cleaned. And a plasma irradiation step of decomposing and removing contaminants on the surface.
[0020]
In this method of cleaning a palladium film, the surface of the palladium film is irradiated with plasma to decompose and remove the contaminants on the surface, so that the contaminants on the surface of the palladium film can be removed with high efficiency and almost completely at the molecular level. The palladium film is removed to prevent a decrease in the amount of the element added over time from the manufacturing process of the structure having the palladium film as the outermost layer.
[0021]
According to a sixth aspect of the present invention, in the method for cleaning a palladium membrane according to the fifth aspect, the plasma irradiation step includes irradiating atmospheric plasma.
[0022]
In this method of cleaning a palladium film, the surface of the palladium film is irradiated with atmospheric plasma to remove contaminants on the surface of the palladium film with high efficiency and at a molecular level almost completely.
[0023]
According to a seventh aspect of the present invention, in the method for cleaning a palladium film according to the fifth aspect, the plasma irradiation step includes irradiating a reduced pressure plasma.
[0024]
In this method of cleaning a palladium film, the surface of the palladium film is irradiated with reduced-pressure plasma to remove contaminants on the surface of the palladium film with high efficiency and at a molecular level almost completely.
[0025]
The method for cleaning a palladium membrane according to claim 8 is the method for cleaning a palladium membrane according to any one of claims 1 to 7, wherein the contaminant includes an organic substance containing hydrocarbon as a main component. It is characterized by.
[0026]
According to a ninth aspect of the present invention, in the method for cleaning a palladium membrane according to the eighth aspect, the organic substance has hydrophobicity.
[0027]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Embodiments of the method for cleaning a palladium membrane of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0028]
"First Embodiment"
FIG. 1 is a cross-sectional view showing an electrolysis apparatus applied to a palladium membrane cleaning method of the present embodiment. In the drawing, reference numeral 1 denotes a flat plate-type palladium (Pd) film serving as a cathode, and 2 denotes an anode. Is a flat platinum (Pt) plate, 3 is an electrolytic cell, 4 is an electrolytic solution stored in the electrolytic cell 3, 5 is a DC power supply, and 6 is a wiring.
Here, the palladium film 1 and the platinum plate 2 are installed so as to have a parallel plate type arrangement.
The electrolytic solution 4 is not particularly limited as long as it is an electrolytic solution capable of performing the electrolytic treatment of the palladium film 1. For example, the electrolytic solution 4 has a concentration of 1 mM (1 × 10 -3 mol / L) DNO 3 Aqueous solution containing DNO (DNO 3 Heavy aqueous solution) is preferred.
[0029]
Next, the palladium film 1 is cleaned using the electrolysis apparatus.
First, the palladium film 1 and the platinum plate 2 are immersed in the electrolytic solution 4 so as to face each other. A voltage V is applied to the palladium film 1 and the platinum plate 2 via a wiring 6 by a DC power supply 5 using 1 as a cathode and the platinum plate 2 as an anode.
[0030]
Here, for example, the surface area (electrode area) of each of the palladium film 1 and the platinum plate 2 is 6 cm. 2 The distance between the palladium film 1 and the platinum plate 2, that is, the electrode distance was 1 cm, and the concentration of the electrolyte 4 was 1 mM (1 × 10 -3 mol / L) DNO 3 The applied voltage V was set to 3 V using a heavy aqueous solution.
By energizing for a predetermined time under these conditions, the surface of the palladium film 1 can be subjected to an electrolytic treatment.
[0031]
The cleaning of an article by this electrolytic treatment involves physical impact when gas bubbles generated by the electrolysis rupture, oxidation / reduction by the electrode reaction of contaminants adhering to the article surface, and gas and contaminants generated by the electrolysis. Are effectively cleaned by the chemical reaction with, and their synergistic effect. The case where the object to be cleaned is used as a cathode is called cathodic electrolysis, and the case where it is used as an anode is called anodic electrolysis. This embodiment is an example of cathodic electrolysis.
[0032]
Next, the degree of surface cleaning of the palladium film 1 subjected to the electrolytic treatment is evaluated. The electrolytically treated palladium film 1 is left in the atmosphere for a predetermined time to dry, and then the contact angle of the palladium film 1 with water is measured.
The contact angle with water is a parameter indicating the degree of surface cleaning of the palladium film 1, and is measured based on Japanese Industrial Standards (JIS R 3257) "Testing method for wettability of substrate glass surface".
[0033]
Here, the reason for using the contact angle with water as a parameter for surface cleaning is that the cleaned surface is covered with highly hydrophilic metal palladium and palladium oxide, and the higher the cleanliness, the more the surface is cleaned. This is because the ratio of water to the whole becomes high, so that the water wets well, that is, the contact angle with water becomes close to 0 degrees.
In general, a good condition for good wetting is a contact angle of 20 to 30 degrees or less. In recent years, the standard of a very wet state such as “superhydrophilicity” which is often talked about in photocatalysts is a contact angle of 10 degrees or less. However, such a surface is only realized shortly after cleaning if it is carefully and carefully cleaned. For example, it is customary that the surface of an object left in the air becomes gradually contaminated and the contact angle becomes 10 degrees or more.
[0034]
The palladium film 1 immediately after production has a clean surface, and has a contact angle with water of 10 degrees or less.
However, when the palladium film 1 is left in the air, its surface is gradually contaminated and the contact angle is increased.
FIG. 2 is a diagram showing the relationship between the time t (time) of leaving the palladium film 1 in the air and the contact angle θ (°) with water on the surface of the palladium film 1 when the palladium film 1 is left in the air. In this figure, the time immediately after the production is t = 0, the time t left in the atmosphere is plotted on the horizontal axis, and the measured contact angle θ with water is plotted on the vertical axis.
[0035]
According to FIG. 2, immediately after fabrication, the contact angle is 10 degrees or less, and although the palladium film 1 has a very clean surface, the contact angle gradually increases with the passage of time. The surface was found to become increasingly contaminated.
In FIG. 2, the state of being left in the air for about one day is observed. However, if the state is further continued, the contact angle reaches about 90 degrees in a few months and shows a saturation tendency. Do you get it.
[0036]
FIG. 3 shows the relationship between the electrolysis time t (min), that is, the energization time of the palladium film 1 and the contact angle θ (°) of water on the surface of the palladium film 1 when the palladium film 1 is electrolyzed. FIG. In this figure, the electrolysis time t = 0 indicates the surface state of the palladium film 1 before the electrolysis treatment was performed, and it was found that the surface was a water-repellent surface having poor wettability. Further, it was found that the contact angle θ (°) with water on the surface of the palladium film 1 gradually decreased with the passage of the electrolysis time t, and a clean surface with good wettability was realized.
[0037]
Next, the addition amounts of the elements are compared for both the palladium film whose surface has been cleaned by the cleaning method of the present embodiment and the palladium film to which the cleaning method of the present embodiment has not been applied.
Here, a comparative test was performed as follows.
First, 24 palladium films serving as test pieces were prepared, and 12 palladium films were stored in the air for one day.
On the other hand, the remaining 12 palladium films were subjected to the above electrolytic treatment, and these were used as sample B.
Here, the electrolysis treatment conditions in this case were the same as those described above, and the electrolysis time was 1 minute.
[0038]
Next, cesium (Cs) was added to the surface of each of the samples A and B.
FIG. 4 is a sectional view showing an electrodeposition apparatus used for adding elements such as cesium (Cs). In the figure, reference numeral 11 denotes a sample A (B) as a test piece, and reference numeral 12 denotes platinum (Pt) as an anode. Electrodes, 13 is an electrolytic cell, 14 is an electrolytic solution stored in the electrolytic cell 13, 15 is a DC power supply, and 16 is a wiring.
Here, the sample A (B) 11 and the platinum electrode 12 are installed so as to have a parallel plate type arrangement. Further, as the electrolytic solution 14, here, CsNO 3 D including 2 O diluted solution (CsNO 3 / D 2 O solution) is preferably used.
[0039]
To add cesium (Cs) to the surface of sample A (B) 11, 1 mM CsNO 3 / D 2 Using the O solution as the electrolytic solution 14, the platinum electrode 12 is connected to the anode of the power supply 15, the sample A (B) 11 is connected to the same cathode, and a voltage of, for example, 1 V is applied for 10 seconds to obtain the sample A (B). Cesium (Cs) can be added to the surface of No. 11.
[0040]
Next, each sample A (B) was dissolved in a nitric acid solution, and cesium (Cs) added to the sample A (B) was eluted and recovered in the nitric acid solution to prepare evaluation water.
Next, the abundance of cesium (Cs) ions contained in the evaluation water was measured using IPC-MS (inductively coupled plasma mass spectrometry). Next, the weight of the added cesium (Cs) was determined from the measured cesium (Cs) ion concentration and the amount of the evaluation water. Further, the weight of the cesium (Cs) was divided by the effective area of the sample A (B) to determine the amount of cesium (Cs) added per unit area of the sample A (B).
[0041]
As a result of performing a comparative test on each of Samples A and B, the average value of the amount of cesium (Cs) added in Sample A was 9 ng / cm. 2 On the other hand, the average value of the amount of cesium (Cs) added to Sample B was 27 ng / cm. 2 The effect of improving the amount of cesium (Cs) added by the electrolytic treatment was apparent.
[0042]
As described above, according to the method for cleaning a palladium film of the present embodiment, the palladium film 1 and the platinum plate 2 are immersed in the electrolytic solution 4 so as to face each other, and the palladium film 1 is used as the cathode and the platinum plate. Since the surface of the palladium film 1 is subjected to an electrolytic treatment by applying a current for a predetermined time using the anode 2 as an anode, contaminants on the surface of the palladium film 1 can be removed with high efficiency and almost completely at the molecular level. Therefore, in the structure having the palladium film 1 as the outermost layer, it is possible to prevent a decrease in the addition amount of the element over time from the manufacturing process.
[0043]
"Second embodiment"
A method for cleaning a palladium membrane according to a second embodiment of the present invention will be described.
The palladium membrane cleaning method of the present embodiment is different from the palladium membrane cleaning method of the first embodiment described above in that the palladium (Pd) film 1 is used as an anode, the platinum plate 2 is used as a cathode, and anodic electrolysis is performed. It is a point that was given.
[0044]
In the present embodiment, the concentration of the electrolyte 4 is 1 mM (1 × 10 -3 mol / L) CsNO 3 Heavy solution containing CsNO 3 Heavy aqueous solution), but this CsNO 3 An electrolytic solution other than the heavy aqueous solution may be used.
In the present embodiment, for example, the surface area (electrode area) of each of the palladium film 1 and the platinum plate 2 is 6 cm. 2 The distance between the palladium film 1 and the platinum plate 2, that is, the electrode distance is set to 1 cm, and the palladium film 1 and the platinum plate 2 are immersed in the electrolytic solution 4 so as to face each other. A voltage of 3 V was applied between the two electrodes by the DC power supply 5 using the as a cathode, and a current was supplied for a predetermined time, so that the surface of the palladium film 1 was subjected to electrolytic treatment.
[0045]
Next, the palladium film 1 subjected to the electrolytic treatment was left to dry in the air for a predetermined time, and then the contact angle of the palladium film 1 with water was measured according to the first embodiment.
FIG. 5 shows the relationship between the electrolysis time t (minutes), that is, the energization time of the palladium film 1, and the contact angle θ (°) of water on the surface of the palladium film 1 when the palladium film 1 is electrolyzed. FIG. In this figure, the electrolysis time t = 0 indicates the surface state of the palladium film 1 before the electrolysis treatment was performed, and it was found that the surface had poor wettability. Further, it was found that the contact angle θ (°) with water on the surface of the palladium film 1 gradually decreased with the passage of the electrolysis time t, and a clean surface with good wettability was realized.
[0046]
In the method for cleaning a palladium film according to the present embodiment, similarly to the method for cleaning a palladium film according to the first embodiment, contaminants on the surface of the palladium film 1 are removed with high efficiency and almost completely at the molecular level. Can be removed. Therefore, in the structure having the palladium film 1 as the outermost layer, it is possible to prevent a decrease in the addition amount of the element over time from the manufacturing process.
[0047]
"Third embodiment"
A method for cleaning a palladium membrane according to a third embodiment of the present invention will be described.
The palladium membrane cleaning method of the present embodiment is different from the palladium membrane cleaning methods of the first and second embodiments described above in that the electrolysis step is performed by using the palladium film 1 as an anode and the platinum plate 2 as a cathode. A first electrolysis step of performing anodic electrolysis (anodic electrolysis), and a second electrolysis step of performing cathodic electrolysis (cathodic electrolysis) using the palladium film 1 as a cathode and the platinum plate 2 as an anode. It is.
[0048]
The feature of this cleaning method is that, in the first electrolysis step, when the oxidation of the surface of the palladium film 1 which is likely to proceed at the same time as the surface cleaning proceeds, the second electrolysis step This reduces and removes the oxide layer on the surface of the palladium film 1.
[0049]
For the appropriate values of the charge amount (product of the electrolytic current and the electrolytic time in the electrolysis step) and the applied voltage in the first and second steps, the experiment was performed under the condition that no oxide layer remains on the surface of the palladium film 1 after the second step. It is desirable to derive it.
[0050]
In the first electrolysis step, the extent to which the oxide layer is formed on the surface of the palladium membrane 1 is governed by a plurality of factors such as the type and concentration of the supporting electrolyte, overvoltage, and current density at that time. Generally, the degree of layer formation has a large width. Therefore, the appropriate values of the charge amount and the applied voltage in the second step also have a large range.
[0051]
The method for deriving the appropriate value is not particularly limited. Specifically, the surface of the palladium film after the electrolysis step is analyzed by ESCA, and the charge amount / applied voltage of each of the first step and the second step is obtained from the ESCA spectrum. There is a way to set.
For example, focusing on the palladium spectrum in the ESCA spectrum, it can be observed that the peak position of palladium shifts depending on the oxidation state of palladium atoms on the surface. Since the peak position of palladium as a metal and the peak position of palladium in an oxidized state are slightly different, the second step in which the peak position of palladium as a metal is obtained by focusing on the peak position of palladium. The charge amount and applied voltage may be determined.
[0052]
Next, the method for cleaning a palladium film of the present embodiment will be described more specifically.
Here, the first electrolysis step was performed according to the electrolysis step of the second embodiment, and the second electrolysis step was performed according to the electrolysis step of the first embodiment.
The contact angle of the palladium membrane with water before performing the first electrolysis step was about 70 degrees.
[0053]
In the first electrolysis step, an applied voltage of 3 V and a charge amount of 0.35 C / cm 2 As a result, the contact angle with water of the palladium film was reduced to about 10 degrees, and a very clean surface was realized. When the ESCA spectrum of this surface was observed, a peak of palladium oxide was observed.
Subsequent to the first electrolysis step, a second electrolysis step was performed. Applied voltage 3V, charge amount 1.0C / cm 2 As a result, the contact angle of the palladium film with water was maintained at about 10 degrees. When the ESCA spectrum of this surface was observed, the peak position of palladium was shifted, and it was confirmed that the palladium oxide on the surface was reduced to metallic palladium.
[0054]
By optimizing the charge amount and the applied voltage as described above, the very clean surface state achieved in the first electrolysis step can be maintained after the second electrolysis step, and The oxide layer formed on the surface of the palladium film in the electrolysis step was reduced by the second electrolysis step, and an extremely purified surface was realized.
[0055]
In the method for cleaning a palladium film of the present embodiment, the contaminants on the surface of the palladium film 1 are removed at a high efficiency and at the molecular level, similarly to the methods for cleaning the palladium film of the first and second embodiments described above. It can be almost completely removed.
In addition, since the oxidized layer on the surface of the palladium film 1 generated in the first electrolysis step is reduced by the second electrolysis step, the surface of the palladium film 1 can be made an extremely clean surface.
[0056]
"Fourth embodiment"
FIG. 6 is a schematic configuration diagram showing a plasma irradiation apparatus applied to a palladium film cleaning method according to a fourth embodiment of the present invention, and FIG. 7 is an enlarged cross-sectional view showing a main part of the plasma irradiation apparatus.
This plasma irradiation apparatus generates atmospheric plasma by an RF plasma method, and includes a plasma irradiation head 21, a plasma irradiation controller 22 for controlling the head 21, and a cable 23 for connecting the head 21 and the controller 22. The air plasma 24 generated from the plasma irradiation head 21 is irradiated with the plasma palladium film 25 to clean the surface thereof.
[0057]
The head 21 incorporates a device for generating atmospheric plasma. The controller 22 includes a power supply for generating an electric signal input to the head 21 and a control for controlling the power supply. The device and a fan for taking in room air are incorporated. The cable 23 has a function of transmitting an electric signal for plasma generation from the controller 22 to the head 21 and a function of transporting the air taken in by the controller 22.
[0058]
In addition to the method of taking in air by the controller 22, a method of supplying gas to the head 21 using a gas supply line or a gas cylinder installed in a factory or the like may be used. As the type of gas in this case, it is preferable to use dry nitrogen, air, dry air, or the like from the viewpoint of handleability and cost. In addition to these gases, rare gases such as argon and helium, or combustible and combustible gases such as oxygen and hydrogen can be used.
[0059]
As shown in FIG. 7, the head 21 has two electrodes 31, 31 opposed to each other in an opening 21 a at a cylindrical tip end thereof, and a cable 32 for applying a high frequency to each of the electrodes 31, 31. A high frequency is applied to the electrodes 31, 31 by these cables 32, 32 to generate atmospheric plasma 24 by an RF plasma method. The presence region of the atmospheric plasma 24 is extended in the direction of the airflow 33 by the airflow 33, which is the flow of the air sent into the head 21 by the controller 22, and is discharged to the outside of the head 21. Thereby, the surface of the palladium film 25 can be irradiated with the atmospheric plasma 24 generated in the space region between the opposing electrodes 31, 31.
[0060]
Here, as a material forming the electrode 31, a material which easily emits thermoelectrons, such as tungsten, is preferable.
Further, the distance between the electrodes 31, 31, ie, the distance between the electrodes, is determined in relation to the applied voltage. In general, the electric field strength of the dielectric breakdown of air at atmospheric pressure is several tens of kV / cm, but actual air is different from pure gas, and in addition to nitrogen and oxygen, many gases such as carbon dioxide, hydrogen, and argon are used. It is composed of components and also contains water vapor.
[0061]
Since the water vapor content fluctuates greatly depending on the weather conditions, and fine dust floats in the air, it is actually difficult to uniquely determine the electric field strength of dielectric breakdown of air at atmospheric pressure. is there. Here, it is assumed that 20 kV / cm is the electric field strength level of the dielectric breakdown of air at atmospheric pressure.
[0062]
A practically desirable value of the distance between the electrodes is 1 mm to 10 mm, and more preferably 5 mm to 10 mm. The reason is as described below.
First, when considering the distance between electrodes from the viewpoint of applied voltage, 1 mm to 20 mm is preferable. In the case of this distance between the electrodes, the corresponding applied voltage is 2 kV to 40 kV. Here, if the distance between the electrodes is smaller than 1 mm, the region where the atmospheric plasma is generated becomes narrower, and as a result, the irradiation region of the atmospheric plasma becomes narrower, which is not preferable. This is because the applied voltage required to generate plasma increases, and equipment such as a power supply also needs to be increased in size, resulting in an increase in cost.
[0063]
Second, when considered from the viewpoint of the atmospheric plasma generation region, the thickness is preferably 10 mm or less. Here, considering the region where the atmospheric plasma 24 exists, when the atmospheric plasma 24 is pushed out of the electrodes 31 by the air flow 33, the life of the plasma is short under the atmospheric pressure. It becomes several centimeters toward the outside from 31 and 31, more specifically, 10 to 20 mm. Therefore, the distance from the electrodes 31, 31 to the palladium film 25 as an object, that is, the work distance is determined by the region where the atmospheric plasma 24 exists, and the upper limit of this work distance is several cm.
[0064]
Here, when the distance between the electrodes and the work distance are substantially the same, the palladium film 25 plays the role of the ground electrode, and thus a problem occurs in which the generation state of the atmospheric plasma 24 is different from the design. In this case, the upper limit of the distance between the electrodes is substantially about 10 mm.
In consideration of the above circumstances, the practically desirable distance between the electrodes is 1 mm to 10 mm, more preferably 5 mm to 10 mm.
[0065]
Next, surface cleaning by air plasma irradiation will be described.
Generally, plasma processing is known as one method of cleaning the surface of an article. In this processing method, an article to be processed is placed in a vacuum vessel, the inside of the vacuum vessel is depressurized, and a high frequency is applied to the electrode under the flow of a predetermined reaction gas to generate a plasma. This is a technique for decomposing contaminants attached to the surface of a target article by using various induced radicals to clean the surface. This plasma treatment also has the effect of burning and removing contaminants by thermal energy (tens of thousands to hundreds of thousands of degrees Celsius) of the plasma itself in addition to radicals.
[0066]
Contaminants are removed from the surface of the article exposed to the plasma, so that the surface has a high surface energy. A surface with a high surface energy has good wettability to water and becomes a hydrophilic surface. Conventionally, plasma processing has been substantially limited to reduced pressure, but recent research has shown that under appropriate conditions, plasma processing can be realized even under atmospheric pressure. Such plasma under atmospheric pressure is called “atmospheric plasma”.
[0067]
As described above, such an atmospheric plasma is generated by applying a high frequency between the two electrodes 31, 31 made of a material that easily emits thermoelectrons. Can be generated in the space. This method is generally called an RF plasma method. The existence region of the atmospheric plasma 24 generated in this manner is not limited to the space between the electrodes 31, 31. For example, by adding some air blowing means to the electrodes 31, 31, A flow can be formed between the electrodes 31, 31 and the atmospheric plasma 24 can be sent out more than between the electrodes 31, 31.
[0068]
The atmospheric plasma 24 sent to the outside of the electrodes 31 in this way reaches the surface of the palladium film 25, which is the target article, without being interfered by the electrodes 31 and 31, and cleans the surface. Can contribute.
In addition, as a method of generating the atmospheric plasma 24, there is a microwave-excited plasma method in which plasma is generated using a microwave generated from a microwave generator, in addition to the RF plasma method.
[0069]
Next, a method of cleaning the palladium film using the atmospheric plasma 24 of the present embodiment will be described more specifically.
The palladium film 25 was cleaned using the above-described plasma irradiation apparatus.
Here, a commercially available atmospheric plasma generator (ST-7000 manufactured by Keyence Corporation) was used as the plasma irradiation apparatus.
In this plasma irradiation apparatus, the work distance was 6 mm. Air taken in by the controller 22 was used as the gas to be turned into plasma.
[0070]
Further, a high frequency voltage of 10 to 20 kV is applied between the electrodes 31 by the controller 22 to irradiate the generated atmospheric plasma 24 to the surface of the palladium film 25 to be cleaned for a predetermined time. Was measured for the contact angle of the palladium film 25 with water.
[0071]
FIG. 8 is a diagram showing the relationship between the plasma irradiation time t (second) and the contact angle θ (°) of water on the surface of the palladium film 25 when the palladium film 25 is irradiated with the atmospheric plasma 24. In this figure, the plasma irradiation time t = 0 shows the surface state of the palladium film 25 before the plasma irradiation, and the surface was hydrophobic. Further, as the plasma irradiation time t elapses, the contact angle θ (°) with water on the surface of the palladium film 25 gradually decreases, and a clean surface with very good wettability is realized by air plasma irradiation for several seconds. I knew it was.
[0072]
As described above, according to the palladium film cleaning method of the present embodiment, a high frequency voltage is applied between the electrodes 31 and 31 and the generated atmospheric plasma 24 is irradiated on the surface of the palladium film 25. It is possible to remove the contaminants on the surface of the surface 25 with high efficiency and almost completely at the molecular level. Therefore, in the structure having the palladium film 25 as the outermost layer, it is possible to prevent a decrease in the amount of the element added over time from the manufacturing process.
[0073]
"Fifth embodiment"
A method for cleaning a palladium membrane according to a fifth embodiment of the present invention will be described.
The method of cleaning the palladium film of the present embodiment differs from the method of cleaning the palladium film of the fourth embodiment described above in that a reduced-pressure plasma having a lower pressure than atmospheric plasma is used. The reduced-pressure plasma can be generated by changing the plasma generation conditions of the plasma irradiation apparatus according to the fourth embodiment.
[0074]
Next, surface cleaning by low-pressure plasma irradiation will be described.
According to this method, a palladium membrane as an object is placed in a closed container capable of vacuum evacuation, and while a gas is flowing into the closed container, the gas is evacuated by a vacuum pump, and the gas pressure in the closed container is reduced to a predetermined value. Keep in value. Next, a high-frequency voltage is applied between the two parallel plate electrodes provided in the closed container to generate reduced-pressure plasma.
[0075]
The choice of the gas is highly flexible and is selected according to the purpose. Generally, an argon (Ar) gas, which has a small risk of altering the palladium film as an object article, a mixed gas containing oxygen effective for contaminating organic substances, a mixed gas containing hydrogen that can be reduced, and the like are preferably used. Can be
[0076]
A method for cleaning a palladium film using the reduced-pressure plasma treatment will be described more specifically.
The palladium film was cleaned using the plasma irradiation apparatus of the fourth embodiment. Here, a commercially available sputtering device (magnetron sputtering device SH450 manufactured by ULVAC, Inc.) was used as the plasma irradiation device.
This sputtering apparatus has a function of generating plasma by applying a high-frequency voltage between two parallel plate electrodes and removing surface contamination of a target article, in addition to film formation by sputtering, which is an original application.
[0077]
In the low pressure plasma treatment, the gas type is argon (Ar) gas, and the gas pressure is 5 × 10 -3 A reduced pressure plasma was generated under the conditions of torr and RF power: 50 W, and the palladium film was exposed for 1 minute. Thereafter, the palladium film was taken out of the sputtering apparatus, and the contact angle of the surface of the palladium film with water was measured.
According to this measurement result, the contact angle θ with water on the surface of the palladium film before applying the reduced-pressure plasma was about 70 degrees, whereas the contact angle with water on the surface of the palladium film after applying the reduced-pressure plasma was The angle θ was about 10 degrees, and it was found that a clean surface with very good wettability was realized by irradiation with reduced-pressure plasma.
[0078]
In the method for cleaning a palladium film of the present embodiment, the contaminants on the surface of the palladium film are removed with high efficiency and almost completely at the molecular level, similarly to the method of cleaning the palladium film of the fourth embodiment described above. can do. Therefore, in the structure having the palladium film as the outermost layer, it is possible to prevent a decrease in the amount of the element added with the lapse of time from the manufacturing process.
[0079]
【The invention's effect】
According to the method for cleaning a palladium film according to claim 1 of the present invention, the surface of the palladium film is subjected to electrolysis treatment to decompose and remove the contaminants on the surface, so that the contaminants on the surface of the palladium film can be efficiently removed. In addition, it can be almost completely removed at the molecular level. Therefore, in the structure having the palladium film as the outermost layer, it is possible to prevent a decrease in the amount of the element added with the lapse of time from the manufacturing process.
[0080]
According to the method for purifying a palladium film according to the second aspect, since electrolysis is performed using the palladium film as a cathode, contaminants on the surface of the palladium film used as a cathode are removed with high efficiency and almost completely at a molecular level. can do.
[0081]
According to the method for cleaning a palladium film according to claim 3, electrolysis is performed using the palladium film as an anode, so that contaminants such as organic substances on the surface of the palladium film can be oxidized and almost completely removed at a molecular level. it can.
[0082]
According to the method for cleaning a palladium film according to the fourth aspect, the electrolysis step includes a first electrolysis step of performing electrolysis using the palladium film as an anode, and a second electrolysis step of performing electrolysis using the palladium film as a cathode. By performing the second electrolysis step after the first electrolysis step, the surface of the palladium film is formed during the surface cleaning in the first electrolysis step. The resulting palladium oxide layer can be reduced.
[0083]
According to the method for cleaning a palladium film according to the fifth aspect, the surface of the palladium film is irradiated with plasma to decompose and remove the contaminants on the surface. At the level can be almost completely removed. Therefore, in the structure having the palladium film as the outermost layer, it is possible to prevent a decrease in the amount of the element added with the lapse of time from the manufacturing process.
[0084]
According to the method for cleaning a palladium film according to claim 6, since the surface of the palladium film is irradiated with atmospheric plasma, contaminants on the surface of the palladium film can be removed with high efficiency and almost completely at the molecular level. it can.
[0085]
According to the method for cleaning a palladium film according to claim 7, since the surface of the palladium film is irradiated with reduced-pressure plasma, contaminants on the surface of the palladium film can be removed with high efficiency and almost completely at the molecular level. it can.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing an electrolysis apparatus applied to a palladium membrane cleaning method according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a diagram showing the relationship between the time of leaving a palladium film left in the air and the contact angle with water.
FIG. 3 is a diagram showing a relationship between an electrolysis time of a palladium membrane and a contact angle with water according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a sectional view showing an electrodeposition apparatus.
FIG. 5 is a diagram showing a relationship between an electrolysis time of a palladium membrane and a contact angle with water according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 6 is a schematic configuration diagram showing a plasma irradiation apparatus applied to a palladium membrane cleaning method according to a fourth embodiment of the present invention.
FIG. 7 is an enlarged sectional view showing a main part of a plasma irradiation apparatus applied to a palladium film cleaning method according to a fourth embodiment of the present invention.
FIG. 8 is a diagram illustrating a relationship between a plasma irradiation time of a palladium film and a contact angle with water according to a fourth embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Palladium membrane
2 Platinum plate
3 Electrolyzer
4 Electrolyte
5 DC power supply
6 Wiring
11 Sample A (B)
12 Platinum electrode
13 Electrolyzer
14 Electrolyte
15 DC power supply
16 Wiring
21 Plasma irradiation head
21a opening
22 Plasma irradiation controller
23 Cable
24 Atmospheric Plasma
25 Palladium membrane
31 electrodes
32 cable
33 Airflow

Claims (9)

パラジウム膜の表面の少なくとも一部に付着した汚染物質を除去することにより、前記パラジウム膜の表面を清浄化する方法であって、
前記表面に電気分解処理を施し、該表面の汚染物質を分解除去する電気分解工程を備えてなることを特徴とするパラジウム膜の清浄化方法。
A method for cleaning the surface of the palladium film by removing contaminants attached to at least a part of the surface of the palladium film,
A method for cleaning a palladium membrane, comprising: an electrolysis process for subjecting the surface to an electrolysis treatment to decompose and remove contaminants on the surface.
前記電気分解工程は、前記パラジウム膜を陰極として電気分解を行うことを特徴とする請求項1記載のパラジウム膜の清浄化方法。The method for cleaning a palladium film according to claim 1, wherein in the electrolysis step, electrolysis is performed using the palladium film as a cathode. 前記電気分解工程は、前記パラジウム膜を陽極として電気分解を行うことを特徴とする請求項1記載のパラジウム膜の清浄化方法。The method for cleaning a palladium film according to claim 1, wherein in the electrolysis step, electrolysis is performed using the palladium film as an anode. 前記電気分解工程は、前記パラジウム膜を陽極として電気分解を行う第1の電気分解工程と、前記パラジウム膜を陰極として電気分解を行う第2の電気分解工程とを備えてなることを特徴とする請求項1記載のパラジウム膜の清浄化方法。The electrolysis step includes a first electrolysis step of performing electrolysis using the palladium film as an anode, and a second electrolysis step of performing electrolysis using the palladium film as a cathode. The method for cleaning a palladium membrane according to claim 1. パラジウム膜の表面の少なくとも一部に付着した汚染物質を除去することにより、前記パラジウム膜の表面を清浄化する方法であって、
前記表面にプラズマを照射し、該表面の汚染物質を分解除去するプラズマ照射工程を備えてなることを特徴とするパラジウム膜の清浄化方法。
A method for cleaning the surface of the palladium film by removing contaminants attached to at least a part of the surface of the palladium film,
A method for cleaning a palladium film, comprising a plasma irradiation step of irradiating the surface with plasma to decompose and remove contaminants on the surface.
前記プラズマ照射工程は、大気プラズマを照射することを特徴とする請求項5記載のパラジウム膜の清浄化方法。The method for cleaning a palladium film according to claim 5, wherein the plasma irradiation step irradiates atmospheric plasma. 前記プラズマ照射工程は、減圧プラズマを照射することを特徴とする請求項5記載のパラジウム膜の清浄化方法。The method for cleaning a palladium film according to claim 5, wherein the plasma irradiation step includes irradiating a reduced pressure plasma. 前記汚染物質は、炭化水素を主成分とする有機物質を含むことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項記載のパラジウム膜の清浄化方法。The method according to any one of claims 1 to 7, wherein the contaminant includes an organic substance containing a hydrocarbon as a main component. 前記有機物質は、疎水性を有することを特徴とする請求項8記載のパラジウム膜の清浄化方法。9. The method according to claim 8, wherein the organic substance has hydrophobicity.
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