JP2004069312A - 海象再現水槽 - Google Patents

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Abstract

【課題】海域に生じる波と流れの場を室内水槽内で忠実に再現できる海象再現水槽を、安価で、短期間に、しかも安全に提供すること。
【解決手段】水槽3内に仕切り15、仕切り21を設置して、貯水槽9、供用水槽25、供用水槽25の周囲に設けられた回流部35を形成する。貯水槽9と供用水槽25および回流部35との間には、貯水槽9と供用水槽25、貯水槽9と回流部35との間で往復方向の水流を発生させる水流発生部27を設ける。さらに、供用水槽25と回流部35との間の仕切り21に、複数の流量制御可能な開口部23を設ける。個々の開口部23を出入りする流量を制御し、水流発生部27で所定の方向の水流を発生させて、供用水槽25内に任意の方向の流れや長周期波を発生させつつ、多方向不規則波造波装置17を用いて多方向不規則波を発生させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、海象再現水槽に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
新形式海洋構造物や新形式海岸構造物の性能評価と開発を行う際には、実験水槽内で水理模型実験を行い、計画、設計、施工の上での問題点を実証的に解決する必要がある。従来、水路や水槽にて定常流を発生させる装置には、ポンプを用いて水を一定方向に循環させるものがある。また、波を発生させる装置には、造波板等を運動させたり、空気圧室内の空気圧を増減させることにより、水面を上下動させるものがある。さらに、造波板と還流装置を併用し、波と一定方向の流を同時に発生させる波・流れ装置がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術では、以下の▲1▼から▲5▼のような問題点があった。▲1▼高い精度で実海域の波と流れの場を室内に再現することができなかった。▲2▼実海域の波と流れの場を室内に忠実に再現させるためには、大規模な装置や設備が必要となり、実験の費用が非常に高いものとなった。▲3▼実海域の波と流れの場を忠実に再現するには、装置や施設を製作・更新するのに非常に長い期間を要するばかりでなく、実験の効率が悪いため、実験期間もかなり長くならざるを得なかった。
【0004】
▲4▼大規模な施設・装置であるため、製作上や実験実施上、安全面で難点があった。▲5▼大規模な施設・装置であるため、消費電力や材料も多くなり、環境面でも難点があった。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、海域に生じる波と流れの場を室内水槽内で忠実に再現できる海象再現水槽を、安価で、短期間に、しかも安全に提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために本発明は、水が満たされた供用水槽と、水が満たされた貯水槽と、前記供用水槽の周囲に設けられ、水が回流する回流部と、前記回流部と前記供用水槽との間に設けられた開閉可能な複数の水路と、前記貯水槽と前記供用水槽および前記回流部との間に設けられた水流発生部とを具備することを特徴とする海象再現水槽である。
【0007】
供用水槽および貯水槽は、例えば、水槽の内部に槽内を2つに分ける仕切りを固定して形成される。供用水槽は、実験槽として用いることもできる。供用水槽および回流部は、水槽の内部に仕切りを固定する等の方法で形成される。例えば、水槽の外周を二重仕切りとして、内側の仕切りの内部を供用水槽、2枚の仕切りの間を回流部として使用することができる。
【0008】
水路は、例えば、回流部と供用水槽との仕切りに設けられた複数の開口部である。開口部にはそれぞれ出入りする流量が可変になる機器が設けられ、それらの機器は個々に制御される。複数の開口部を出入りする流量を個別に制御することにより、開口部を介して供用水槽と回流部との間で水の移動が起こり、供用水槽内に任意の方向の流れを発生させることができる。
【0009】
回流部は、周方向の水流を遮断するような仕切りによって、2つの部分に分割される。2つの回流部のうち、一方は貯水槽に直接連結され、他方は水流発生部を介して貯水槽に連結される。
【0010】
水流発生部では、例えば、貯水槽と供用水槽とが主管で連結され、貯水槽と回流部とが主管から分岐した枝管で連結される。主管には貯水槽と水槽との間の水流を制御するバルブが、枝管には貯水槽と回流部との間の水流を制御するバルブが設けられる。また、主管には、貯水槽と供用水槽との間、および、貯水槽と回流部との間に水流を発生させる水流発生装置が設けられる。
【0011】
水流発生部では、主管に設けられたバルブ、枝管に設けられたバルブの開閉をそれぞれ制御して、主管に設けられた水流発生装置を作動させ、貯水槽と供用水槽との間、貯水槽と回流部との間に水流を発生させる。
【0012】
供用水槽内には、さらに造波装置を設けてもよい。造波装置には、例えば、多方向不規則波造波装置を使用する。水槽内を供用水槽と貯水槽とに分割する仕切りを、造波装置の導波板として用いることもできる。また、仕切りを造波装置の反射板として使用することもできる。さらには、造波板列を仕切りとして用いてもよい。
【0013】
本発明では、水が満たされた供用水槽の周囲に水が回流する回流部を形成し、回流部と供用水槽との間に出入りする流量の調節が可能な複数の水路を設ける。また、水が満たされた貯水槽と、供用水槽および回流部との間に水流発生部を設ける。さらに、必要に応じて、供用水槽内に造波装置を設ける。
【0014】
回流部と供用水槽との間に設けられた複数の水路をそれぞれ開閉した後、水流発生部を用いて、貯水槽と供用水槽との間、または、貯水槽と回流部との間に、水流を発生させる。回流部と供用水槽との間の水の移動方向と、水流発生部からの水流の方向とを制御することにより、供用水槽内に任意の方向の流れと、長周期波を発生させることができる。さらに、造波装置を併用することにより、水槽内に任意の方向の波を発生させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の実施例を詳細に説明する。図1は、海象再現水槽1の平面図、図2は、海象再現水槽1の断面立面図を示す。図2は、図1のX−Xによる断面図である。図1に示すように、海象再現水槽1は、水槽3内に設けられた貯水槽9と供用水槽25、水流発生部27、回流部35、開口部23、多方向不規則波造波装置17等で構成される。
【0016】
図1、図2に示すように、水槽3は、底面7に側面5a、側面5b、側面5c、側面5dが設けられた直方体形状であり、内部に水が満たされる。水槽3には、水槽3の短辺方向の側面5dと平行に、仕切り15が設置される。仕切り15は、不透水性で、側方からの水圧に耐えられる部材である。仕切り15は、下端が底面7に接触し、一端が曲折して側壁5dに接触し、他端が側面5aと平行に設けられた仕切り21aに接触するように設置される。仕切り15は、水槽3内に貯水槽9を形成する。
【0017】
水槽3のうち、貯水槽9以外の部分の外周付近には、仕切り21が設置される。仕切り21は、側面5aと平行な仕切り21a、側面5cと平行な仕切り21c、側面5bと平行な仕切り21bからなる。仕切り21a、仕切り21b、仕切り21cは、不透水性で、側方からの水圧に耐えられる部材である。
【0018】
仕切り21aは、一端が仕切り15に接触し、他端が仕切り21cに接触し、下端が底面7に接触するように設置される。仕切り21cは、一端が仕切り21aに接触し、他端が仕切り21bに接触し、下端が底面7に接触するように設置される。仕切り21bは、一端が仕切り21cに接触し、他端が仕切り15を貫通して設置された水流発生部27に接触し、下端が底面7に接触するように設置される。
【0019】
仕切り21は、水槽3内に供用水槽25と回流部35とを形成する。供用水槽25は、仕切り21に囲まれた部分であり、回流部35は、仕切り21と側面5a、側面5c、側面5bとに挟まれた部分である。回流部35は、仕切り21aと側面5aとの間の回流部35a、仕切り21cと側面5cとの間の回流部35c、仕切り21bと側面5bとの間の回流部35bからなる。回流部35aと回流部35cとは連続しているが、回流部35cと回流部35bとの間には仕切り43が設けられ、水流が遮断される。
【0020】
仕切り21には、開口部23が設けられる。開口部23aは仕切り21aに、開口部23bは仕切り21bに、開口部23cは仕切り21cに設けられた開口部23である。図3は、開口部23付近の拡大立面図、図4は、開口部23付近の断面立面図である。図4は、図3のZ−Zによる断面図を示す。
【0021】
図3、図4に示すように、開口部23では、仕切り21に流量制御装置24が設置される。流量制御装置24は、例えば上下方向に移動可能であり、流量制御装置24を稼動させることで、仕切り21に開口26が形成される。開口26は、供用水槽25と回流部35との間の水路として用いられる。複数の開口部23を出入りする流量は、個別に制御することができる。個々の開口部23の開閉状態、開口率等は、発生させたい流れ、波に合わせて決定される。
【0022】
図2に示すように、仕切り15には、仕切り15を貫通するように、複数の水流発生部27が設置される。水流発生部27は、図1に示すように、水槽3の長辺方向の側面5a、5bと平行に配置された主管30と、主管30から枝分かれした枝管32、主管30に設置された水流発生装置29とバルブ33、枝管32に設置されたバルブ31等で構成される。水流発生装置29は、主管30と枝管32との分岐部より貯水槽9側に設置され、バルブ33は、主管30と枝管32との分岐部より供用水槽25側に設置される。
【0023】
主管30の貯水槽9側の端部には、吸排口37が設けられる。主管30の他方の端部には吸排口41が設けられ、吸排口41付近には多方向不規則波造波装置17が設置される。多方向不規則波造波装置17は、供用水槽25側の鉛直面に造波板19を有する。
【0024】
多方向不規則波造波装置17は、供用水槽25と貯水槽9との間に、回流部35bに連続する緩衝槽45を形成する。緩衝槽45に配置された枝管32の端部には、吸排口39が設けられる。主管30、枝管32、吸排口37、吸排口39、吸排口41は、水流の圧力に耐えられる材質とし、流量や設置数は、供用水槽25の大きさ等によって決定する。
【0025】
水流発生部27では、主管30に設置されたバルブ33を開け、枝管32に設置されたバルブ32を閉めることにより、貯水槽9と供用水槽25との間で水の移動が可能となる。
【0026】
また、主管30に設置されたバルブ33を閉め、枝管32に設置されたバルブ32を開けることにより、緩衝槽45を介して貯水槽9と回流部35bとの間での水の移動が可能となる。
【0027】
水流発生装置29は、貯水槽9と供用水槽25との間、または、緩衝槽45を介して貯水槽9と回流部35bとの間で、正逆方向の水流を発生させる機能を有する。水流発生装置29は、例えば、軸流ポンプ等のポンプ及びスラスタである。水流発生装置29を駆動させるモータ(図示せず)、開口部23の流量制御装置24、バルブ31、バルブ33は、例えば、コンピュータ(図示せず)を用いて制御される。
【0028】
供用水槽25内では、底面7が、底面7aまで、20cm程度かさ上げされる。また、実験模型を形成するための砂ピット13が設けられる。貯水槽9の側面5dには、消波装置11が設けられる。消波装置11は、複数の長方形の板から成る。それぞれの板は、長辺の一辺が側面5dに接触し、短辺が側面5aおよび側面5bに接触し、側面5dから底面7の方向に傾斜するように、平行に設置される。消波装置11は、水流発生部27からの水流により発生した波が、側面5dを越えて水槽3の外部に流出するのを防ぐ。
【0029】
次に海象再現水槽1の動作について説明する。海象再現水槽1で波、流れを再現する際には、まず、発生させたい流れの方向に合わせて、仕切り21に設けられた複数の開口部23の開閉状態と、水流発生部27の主管30に設けられたバルブ33および枝管に設けられたバルブ31の開閉状態と、水流発生装置29の運転方向を決定する。
【0030】
また、発生させたい流れの強さに合わせて、水流発生部27の水流発生装置29を駆動させるモータ(図示せず)の回転方向や回転数、バルブ31、バルブ33の流量、開口部23の流量制御装置24の開口率等を決定する。
【0031】
そして、開口部23の流量制御装置24(図3、図4)を制御して、複数の開口部23をそれぞれ開状態または閉状態とする。次に、主管30に設けられたバルブ33と枝管に設けられたバルブ31を、開状態または閉状態とする。さらに、水流発生装置29の運転を開始する。
【0032】
バルブ31を閉状態、バルブ33を開状態として水流発生装置29を運転すると、水流発生装置29の運転方向により、供用水槽25から貯水槽9へ、または貯水槽9から供用水槽25へ水が移動する。また、バルブ33を閉状態、バルブ31を開状態として水流発生装置29を運転すると、水流発生装置29の運転方向により、緩衝槽45から貯水槽9へ、または、貯水槽9から緩衝槽45へ水が移動する。
【0033】
このとき、開口部23aが開状態であれば、供用水槽25と回流部35aとの間で水が移動する。開口部23bが開状態であれば、供用水槽25と回流部35bとの間で水が移動し、開口部23cが開状態であれば、供用水槽25と回流部35cとの間で水が移動する。
【0034】
水の流れが定常となり、目標とする水流の方向、強さが得られた後、多方向不規則波造波装置17の運転を開始する。
【0035】
以下に、海象再現水槽1を用いて図1の矢印A、矢印Bに示す各方向に波、流れを発生させる場合について、図5のフローチャートに沿って、それぞれ説明する。図5は、図1の矢印Aまたは矢印Bに示す方向の流れを発生させる方法のフローチャートを、図6は、矢印Aに示す方向の流れ発生時の海象再現水槽1の平面図を、図7は、矢印Bに示す方向の流れ発生時の海象再現水槽1の平面図を示す。
【0036】
図1、図6に示す矢印Aの方向の流れを発生させるには、まず、図6に示すように、開口部23a、開口部23bを閉め、開口部23cを開けて(ステップ101)、仕切り21cのみに開口26を設ける。そして、水流発生部27で、枝管32に設けられたバルブ31を閉め(ステップ102)、主管30に設けられたバルブ33を開ける(ステップ103)。さらに、貯水槽9から供用水槽25への水流が起こるように水流発生装置29を運転する(ステップ104)。
【0037】
水流発生装置29の駆動により、水流発生部27付近では、貯水槽9内の水が吸排口37から吸入され、主管30を通って、吸排口41から供用水槽25内に排出される。仕切り21c付近では、供用水槽25内の水が、開口部23cの開口26を介して回流部35cに流入する。回流部35cに流入した水は、回流部35aを通って貯水槽9内に戻る。すなわち、水槽3内で、図6の矢印Fに示す方向の水流が発生する。
【0038】
図1、図7に示す矢印Bの方向の流れを発生させるには、まず、図7に示すように、開口部23a、開口部23bを閉め、開口部23cを開けて(ステップ101)、仕切り21cのみに開口26を設ける。そして、水流発生部27で、枝管32に設けられたバルブ31を閉め(ステップ102)、主管30に設けられたバルブ33を開ける(ステップ103)。さらに、供用水槽25から貯水槽9への水流が起こるように水流発生装置29を運転する(ステップ104)。
【0039】
水流発生装置29の駆動により、水流発生部27付近では、供用水槽25内の水が吸排口41から吸入され、主管30を通って、吸排口37から貯水槽9内に排出される。貯水槽9内に流入した水は、回流部35aを通って回流部35cに達する。仕切り21c付近では、回流部35c内の水が、開口部23cの開口26を介して供用水槽25に流入する。すなわち、水槽3内で、図7の矢印Gに示す方向の水流が発生する。
【0040】
次に、海象再現水槽1を用いて図1の矢印C、矢印Dに示す各方向に流れを発生させる場合について、図8のフローチャートに沿って、それぞれ説明する。図8は、図1の矢印Cまたは矢印Dに示す方向の流れを発生させる方法のフローチャートを、図9は、矢印Cに示す方向の流れ発生時の海象再現水槽1の平面図を、図10は、矢印Dに示す方向の流れ発生時の海象再現水槽1の平面図を示す。
【0041】
図1、図9に示す矢印Cの方向の流れを発生させるには、まず、図9に示すように、開口部23a、開口部23bを開け、開口部23cを閉めて(ステップ201)、仕切り21aと仕切り21bに開口26を設ける。そして、水流発生部27で、主管30に設けられたバルブ33を閉め(ステップ202)、枝管32に設けられたバルブ31を開ける(ステップ203)。さらに、貯水槽9から緩衝槽45への水流が起こるように水流発生装置29を運転する(ステップ204)。
【0042】
水流発生装置29の駆動により、水流発生部27付近では、貯水槽9内の水が吸排口37から吸入され、主管30と枝管32を通って、吸排口39から緩衝槽45内に排出される。緩衝槽45に流入した水は、回流部35bに達する。仕切り21b付近では、回流部35b内の水が、開口部23bの開口26を介して供用水槽25内に流入する。また、仕切り21a付近では、供用水槽25内の水が、開口部23aの開口26を介して回流部35aに流入する。回流部35aに流入した水は、貯水槽9内に戻る。すなわち、水槽3内で、図9の矢印Hに示す方向の水流が発生する。
【0043】
図1、図10に示す矢印Dの方向の流れを発生させるには、まず、図10に示すように、開口部23a、開口部23bを開け、開口部23cを閉めて(ステップ201)、仕切り21aと仕切り21bに開口26を設ける。そして、水流発生部27で、主管30に設けられたバルブ33を閉め(ステップ202)、枝管32に設けられたバルブ31を開ける(ステップ203)。さらに、緩衝槽45から貯水槽9への水流が起こるように水流発生装置29を運転する(ステップ204)。
【0044】
水流発生装置29の駆動により、水流発生部27付近では、緩衝槽45内の水が吸排口39から吸入され、枝管32と主管30を通って、吸排口37から貯水槽9内に排出される。貯水槽9に流入した水は、回流部35aに達する。仕切り21a付近では、回流部35a内の水が、開口部23aの開口26を介して供用水槽25内に流入する。また、仕切り21b付近では、供用水槽25内の水が、開口部23bの開口26を介して回流部35bに流入する。回流部35bに流入した水は、緩衝槽45内に戻る。すなわち、水槽3内で、図10の矢印Iに示す方向の水流が発生する。
【0045】
次に、海象再現水槽1を用いて図1の矢印Eに示す方向に流れを発生させる場合について、図11のフローチャートに沿って説明する。図11は、図1の矢印Eに示す方向の流れを発生させる方法のフローチャートを、図12は、矢印Eに示す方向の流れ発生時の海象再現水槽1の平面図を示す。
【0046】
図1、図12に示す矢印Eの方向の波、流れを発生させるには、まず、図12に示すように、開口部23a、開口部23b、開口部23cを閉めて(ステップ301)、仕切り21に開口を設けない。そして、水流発生部27で、枝管32に設けられたバルブ31を閉め(ステップ302)、主管30に設けられたバルブ33を開ける(ステップ303)。さらに、貯水槽9から供用水槽25への水流と供用水槽25から貯水槽9への水流が交互に起こるように水流発生装置29を運転する(ステップ304)。
【0047】
水流発生装置29の駆動により、水流発生部27付近では、貯水槽9内の水が吸排口37から吸入され、主管30を通って吸排口41から供用水槽25内に排出される状態と、供用水槽25内の水が吸排口41から吸入され、主管30を通って吸排口37から貯水槽9内に排出される状態とが交互に発生する。すなわち、水槽3内で、図12の矢印Jに示す方向の水流が発生する。
【0048】
矢印Jに示すような正逆方向の流れを発生させることにより、供用水槽25内には、矢印Eに示す方向に、長周期の波である津波49(図2)が発生する。
【0049】
このように、本実施の形態では、供用水槽25の周囲に回流部35を設け、水流発生部7を用いて、貯水槽9と供用水槽25との間や、貯水槽9と回流部35との間で往復方向の水流を発生させる。また、供用水槽25と回流部35との間に、水路として複数の開口部23を設ける。複数の開口部23を出入りする流量は個別に制御でき、供用水槽25と回流部35との間では、開口部23を介しての水の移動が可能である。
【0050】
貯水槽9と供用水槽25、または、貯水槽9と回流部35との間の水流の方向と、供用水槽25と回流部35との間の開口26の位置を制御することにより、供用水槽25内に任意の方向の水流や長周期の波を発生させることができる。また、水流発生装置29やバルブ31、バルブ33の流量、開口部23の開口率等を調整することにより、水流の強さを変化させることができる。
【0051】
さらに、水槽3内に多方向不規則波造波装置17を設け、多方向不規則波造波装置17を用いて風波を発生させることにより、任意の方向の水流と波とを同時に発生させることができる。
【0052】
供用水槽25内に、実際の海域での波、流れの場、例えば、多方向不規則波(風波)と潮汐(潮位変動)、潮流(流速と方向)、津波(超長周期波)、沿岸流(岸に沿った流れ)、岸方向流れ、沖方向流れ等を同時に発生させて水理模型実験を行うことで、防波堤や港湾施設、海洋構造物等の計画、設計、施工の上での問題点を実証的に解決することができ、合理的な設計、施工が可能となる。
【0053】
なお、本実施の形態では、貯水槽9と供用水槽25、および、貯水槽9と緩衝槽45を、1つの水流発生部27で連結したが、貯水槽9と供用水槽25を連結する水流発生部と、貯水槽9と緩衝槽45とを連結する水流発生部とを別々に設け、それぞれにバルブと水流発生装置を設置してもよい。
【0054】
また、本実施の形態では、貯水槽9、供用水槽25、回流部35を、直方体形状の水槽3内に仕切り15と仕切り21とを設置して形成したが、これらを個別に設けてもよい。その場合、貯水槽と供用水槽、貯水槽と回流部との間を他の形状の水流発生部で連結し、供用水槽と回流部との間には、他の形式の開閉可能な水路を設置する。
【0055】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、海域に生じる波と流れの場を水槽内で忠実に再現できる海象再現水槽を、安価で、短期間に、しかも安全に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】海象再現水槽1の平面図
【図2】海象再現水槽1の断面立面図
【図3】開口部23付近の拡大立面図
【図4】開口部23付近の断面立面図
【図5】図1の矢印Aまたは矢印Bに示す方向の流れを発生させる方法のフローチャート
【図6】矢印Aに示す方向の流れ発生時の海象再現水槽1の平面図
【図7】矢印Bに示す方向の流れ発生時の海象再現水槽1の平面図
【図8】図1の矢印Cまたは矢印Dに示す方向の流れを発生させる方法のフローチャート
【図9】矢印Cに示す方向の流れ発生時の海象再現水槽1の平面図
【図10】矢印Dに示す方向の流れ発生時の海象再現水槽1の平面図
【図11】図1の矢印Eに示す方向の流れを発生させる方法のフローチャート
【図12】矢印Eに示す方向の流れ発生時の海象再現水槽1の平面図
【符号の説明】
1………海象再現水槽
3………水槽
9………貯水槽
15、21、21a、21b、21c………仕切り
17………多方向不規則波造波装置
23…、23a、23b、23c………開口部
24………流量制御装置
25………供用水槽
26………開口
27………水流発生部
29………水流発生装置
30………主管
31、33………バルブ
32………枝管
35、35a、35b、35c………回流部
43………仕切り
45………緩衝槽

Claims (8)

  1. 水が満たされた供用水槽と、
    水が満たされた貯水槽と、
    前記供用水槽の周囲に設けられ、水が回流する回流部と、
    前記回流部と前記供用水槽との間に設けられた開閉可能な複数の水路と、
    前記貯水槽と前記供用水槽および前記回流部との間に設けられた水流発生部と、
    を具備することを特徴とする海象再現水槽。
  2. 前記供用水槽および前記貯水槽は、水槽の内部に第1の仕切りを設置して形成されることを特徴とする請求項1記載の海象再現水槽。
  3. 前記回流部および前記供用水槽は、水槽の内部に第2の仕切りを設置して形成されることを特徴とする請求項1記載の海象再現水槽。
  4. 前記水路は、前記第2の仕切りに設けられた開口部であることを特徴とする請求項3記載の海象再現水槽。
  5. 前記開口部では、開口部の大きさ等を変化させて、出入りする流量等を変化させることを特徴とする請求項4記載の海象再現水槽。
  6. 前記回流部は、仕切りによって、前記貯水槽に連結される第1の回流部と、前記水流発生部を介して前記貯水槽に連結される第2の回流部とに分割されることを特徴とする請求項1記載の海象再現水槽。
  7. 前記水流発生部は、
    前記貯水槽と前記供用水槽とを連結する主管と、
    前記主管に設置された水流発生装置と、
    前記主管に設置された第1のバルブと、
    前記主管から分岐して前記貯水槽と前記回流部とを連結する枝管と、
    前記枝管に設置された第2のバルブと、
    を具備し、
    前記水路を開閉した後、前記第1のバルブまたは前記第2のバルブを開放して前記供用水槽または前記回流部に水流を発生させることを特徴とする請求項1記載の海象再現水槽。
  8. 供用水槽に設けられた造波装置をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の海象再現水槽。
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