JP2004067055A - 回転翼航空機のロータ面変動検出装置および抑制装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ロータブレード13のロータ回転軸線に沿う相対変位を検出可能な検出手段と、検出手段の配設対象の他方に配設され、ロータ回転軸線と略平行なリードラグ軸線を軸中心とする部分円筒面を含む被検出面12aが形成された検出面形成体12と、検出面形成体12に対する検出手段からの検出信号に基づいてロータブレード13のロータ面の変位を修正可能な制御手段とを備えた。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転翼航空機のロータ面変動検出装置および抑制装置に関し、たとえば中大型の回転翼航空機に好適に用いられるロータ面変動検出装置および抑制装置に関する。
本発明において、用語「略平行」は「平行」を含む。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、海、山岳地および渋滞路における人命救助を含む救急患者の搬送、ならびに物資輸送にヘリコプタなどの回転翼航空機が広く用いられている。回転翼航空機は、気流の不安定な対流圏で運用されるので、山および地表などの影響と、気流および雲などの気象条件の影響とを受けやすい。
【0003】
回転翼航空機において、突風などによって急激な外力が作用したときにおきるロータブレードの非定常的変位を検出し、検出結果に基づいてロータブレードのロータ面の変動を抑制あるいは修正し、乗り心地を向上させる先行技術として、特開平10−16896号公報に示される技術がある。
【0004】
図12は、先行技術における回転翼航空機1の突風制御システムの概略斜視図である。このシステムにおいては、ロータブレード2の下面に金属箔または反射箔などが固定され、機体3には投光手段と受光手段とから構成される複数のセンサ4が設けられている。投光手段からの光が金属箔または反射箔によって反射され、受光手段によって受光されることによってロータブレード2の変位を光学的に検出するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記先行技術における回転翼航空機1の突風制御システムでは、複数のセンサ4が機体3外部に露出しているので、降雨、降雪、逆光時に作動不良を起こすおそれがある。また、突風制御では、ブレードのフラッピング運動に起因するロータ面の変動を制御するのに対し、センサ4で検出される信号は、ロータブレード2の3軸運動(すなわちフラッピング、ピッチング、リードラグ)が混成されたものであるため、演算処理が複雑化するとともに、精度の良い制御もできない。
【0006】
したがって本発明の目的は、作動不良を解消することができるとともに、演算処理を簡単化し、精度の高いロータ面の制御が可能な回転翼航空機のロータ面変動検出装置および抑制装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、ロータハブ側構成体に設けられ、ロータブレードのリードラグ軸線を軸中心とする円筒面状の被検出面を有する検出面形成体と、
ロータブレード側構成体のブレードピッチ軸線上に設けられ、被検出面までの距離を計測する測距センサによって、ロータブレードのフラッピング運動のみを検出可能とするブレードフラッピング運動検出手段とを備えることを特徴とする回転翼航空機のロータ面変動検出装置である。
【0008】
本発明に従えば、ブレードフラッピング運動検出手段は、リードラグ軸線を軸中心とする円筒面状の被検出面までの距離を、ブレードピッチ軸上に設けられる測距センサを用いて計測することによって、ロータブレードのフラッピング運動のみを検出することができる。測距センサと被検出面とを上述の配置構成にすれば、測距センサと被検出面との距離は、ロータブレードがリードラグ運動およびピッチ運動の一方の運動をしても変化せず、ロータブレードがフラッピング運動をしたとき変化する。したがって測距センサによる円筒面状の被検出面までの距離計測に基づいて、複雑な演算処理などを要することなく、簡単な演算処理によって、容易にフラッピング運動を検出することができる。しかも複雑な演算処理に伴なう誤差の発生がなく、高精度にフラッピング運動を検出することができる。
【0009】
請求項2記載の本発明は、ロータハブ側構成体に設けられ、ロータブレードのリードラグ軸線を軸中心とする円錐面状の被検出面を有する検出面形成体と、
ロータブレード側構成体のブレードピッチ軸線上に設けられ、被検出面までの距離を計測する測距センサによって、ロータブレードのフラッピング運動のみを検出可能とするブレードフラッピング運動検出手段とを備えることを特徴とする回転翼航空機のロータ面変動検出装置である。
【0010】
本発明に従えば、ブレードフラッピング運動検出手段は、リードラグ軸線を軸中心とする円錐面状の被検出面までの距離を、プレードピッチ軸上に設けられる測距センサを用いて計測することによって、ロータブレードのフラッピング運動のみを検出することができる。測距センサと被検出面とを上述の配置構成にすれば、測距センサと被検出面との距離は、ロータブレードがリードラグ運動およびピッチ運動の一方の運動をしても変化せず、ロータブレードがフラッピング運動をしたとき変化する。したがって測距センサによる円錐面状の被検出面までの距離計測に基づいて、複雑な演算処理などを要することなく、簡単な演算処理によって、容易にフラッピング運動を検出することができる。円筒面状の被検出面を有する検出面形成体と比べて、単位角度あたりのフラッピング変位が大きくなるので、たとえばノイズなどの影響が小さくなる。また、円錐面の傾斜角を部分的に設定変更することで、フラップアップとフラップダウンの区別が可能となる。しかも複雑な演算処理に伴なう誤差の発生がなく、高精度にフラッピング運動を検出することができる。
【0011】
請求項3記載の本発明は、前記ブレードフラッピング運動検出手段に加えて、ロータハブおよびロータブレードのいずれかに設けられた測距センサからなり、この測距センサによってロータブレードのリードラグ運動およびピッチ運動を検出可能とするリードラグ運動およびピッチ運動検出手段を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明に従えば、ロータブレードのリードラグ運動に起因する機体異常振動を検出することが可能となるうえ、飛行試験などにおいて、操縦入力量を計測する際、ロータブレードのピッチ変化を直接計測可能となる。
【0013】
請求項4記載の本発明は、各測距センサとして非接触センサを用いることを特徴とする。
本発明に従えば、接触型のセンサと比べて耐久性を高くすることができる。
【0014】
請求項5記載の本発明は、前記ブレードフラッピング運動検出手段がカバー部材によって覆われていることを特徴とする。
【0015】
本発明に従えば、ロータブレードのフラッピング運動検出手段がカバー部材によって覆われているので、降雨、降雪、逆光などの影響を受けず、検出対象の運動を確実に検出することができる。
【0016】
請求項6記載の本発明は、リードラグ運動およびピッチ運動検出手段がカバー部材によって覆われていることを特徴とする。
【0017】
本発明に従えば、リードラグ運動およびピッチ運動検出手段がカバー部材によって覆われているので、降雨、降雪、逆光などの影響を受けず、検出対象の運動を確実に検出することができる。
【0018】
請求項7記載の本発明は、各測距センサとして磁気方式の非接触センサを用いることを特徴とする。
【0019】
本発明に従えば、前記各測距センサとして磁気方式の非接触センサを用いているので、前述のカバー部材を必要とせずに、接触型のセンサと比べて耐久性を高くすることができるうえ、降雨、降雪、逆光などの影響を受けず、検出対象の運動を確実に検出することができる。
【0020】
請求項8記載の本発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の回転翼航空機のロータ面変動検出装置と、
検出されたロータブレードのフラッピング運動に基づいて突発的な外的要因によるロータ面の変動を抑制可能な制御手段とを備えることを特徴とする回転翼航空機のロータ面変動抑制装置である。
【0021】
本発明に従えば、検出されたロータブレードのフラッピング運動に基づいて、突発的な外的要因によるロータ面の変動を、高精度にかつ容易に抑制することができる。乗り心地を向上することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態に係る、ロータ面変動抑制装置10を含む回転翼航空機11の部分斜視図であり、図2はフェアリング18を含む図1相当図であり、図3はロータハブ構造における検出面形成体12の配設位置を示す要部斜視図であり、図4は第1センサS1および検出面形成体12などの部分拡大斜視図である。このロータブレード13のロータ面変動抑制装置10は、たとえば中大型の回転翼航空機に好適に用いられものであり、主に、ロータハブ14と、ロータブレード13と、第1〜第3センサS1〜S3と、検出面形成体12と、ロータ面の変動を抑制可能な制御手段としてのたとえば中央処理装置(CPU:
Central Processing Unit)とを備えている。第1センサS1は一個の測距センサを含み、この測距センサは、ロータブレード側構成体としてのヨーク19のブレードピッチ軸線L3上に設けられ、被検出面12aまでの距離を計測する機能を有する。第2,第3センサS2,S3は、ヨーク19内側面部19L,19Rにそれぞれ設けられた測距センサを含み、これら測距センサによってロータブレード13のリードラグ運動およびピッチ運動を検出可能になっている。また、ロータハブ14と、ロータブレード13と、第1〜第3センサS1〜S3と、検出面形成体12とが、ロータ面変動検出装置に相当する。なお、図示のA1方向を上方としA2方向を下方として説明する。
【0023】
このロータハブ構造は、回転翼航空機11の原動機(図示略)の出力を、伝導軸によってロータハブ14を介してロータブレード13に伝達し、このロータブレード13をロータ回転軸L1回りに回転させる構造である。回転翼航空機11の胴体の上端部には、円筒状のロータマスト16がロータ回転軸L1回りに回転可能に連結され、ロータマスト16の上端部には、4枚のロータブレード13を支持するためのロータハブ側構成体としてのフレーム部材17が一体形成され、ロータマスト16の下半側外周部にはカバー部材としてのフェアリング18が連結されている。フレーム部材17の半径方向先端部つまり十文字の各先端部分には、ロータ回転軸線L1と平行な略上下方向に湾曲させて半径方向内方Riに連なるU字状部分17aが形成され、このU字状部分17aでもって、ロータブレード13の回転によって半径方向外方Ro向きに作用する遠心力を支持するようになっている。
【0024】
各U字状部分17aの曲面状凹部には、荷重伝達部材20が部分的に当接した状態で設けられている。荷重伝達部材20には、半径方向内方Riに開放する嵌合穴が形成され、嵌合穴に図示外の球面軸受などが内嵌されている。球面軸受に、ヨーク19に連なる軸状部材の軸部が支持されている。ロータブレード13の回転によって半径方向外方Ro向きに作用する遠心力は、ヨーク19から、順次、エラストメリックベアリング21、荷重伝達部材20を介してフレーム部材17に伝達するようになっている。フレーム部材17とロータマスト16間で回転軸心L1付近部には、センター支持部材22がコントロールロッド23を挿通するように配設されている。
【0025】
図5は第1〜第3センサS1〜S3と検出面形成体12との関係を示す平面図であり、図6は第1センサS1と検出面形成体12との関係を示す側面図であり、図7は図6のA−A線断面図である。フレーム部材17の半径方向先端部には正面視略矩形状の検出面形成体12が設けられ、この検出面形体12に臨むロータブレード13の半径方向基端部には、第1〜第3センサS1〜S3が配設されている。検出面形成体12には、半径方向外方Roに臨む被検出面12aであって、ロータ回転軸線L1と略平行なリードラグ軸線L2を軸中心とする部分円筒面を含む被検出面12aつまり円筒面状の被検出面12aが形成される。
【0026】
ロータブレード13のブレードピッチ軸線L3上において、被検出面12aに対して半径方向外方Roに所定距離離隔したロータブレード13の半径方向基端部には、ブレードフラッピング運動検出手段としての第1センサS1が配設されている。つまり、被検出面12aに対し、第1センサS1が配設される計測対象の計測軸はブレードピッチ軸線L3に一致する。第1センサS1は、たとえばレーザ光を発生するレーザ源と、被検出面12aからの反射光を受光する受光手段との組合わせによって構成され、この第1センサS1によってロータハブ14に対し、ロータブレード13のロータ回転軸線L1に沿う相対変位(フラッピング運動変位)を検出可能になっている。ロータブレード13がフラッピング運動するとき、第1センサS1の半径方向基端部側であるセンサヘッドの軌跡24aは、図6に示すようにリードラグ軸線L2上のブレード取付部P1を中心に一定半径で描かれる。なお、ロータブレード13がリードラグ運動するとき、第1センサS1のセンサヘッドの軌跡24bは、図5に示すようにブレード取付部P1を中心に一定半径で描かれる。したがって、ロータブレード13がフラッピング運動すると、ピッチ軸線L3上に存在する第1センサS1とその検出対象の被検出面12aとの距離d1は、ロータブレード13のフラッピング運動にともなって変化し、これによってフラッピング角βが変化したと検出される。制御手段としての中央処理装置CPUは、このような検出面形成体12に対する第1センサS1からの検出信号に基づいて、ロータブレード13のロータ面の変位を修正可能になっている。
【0027】
フレーム部材17の半径方向先端側の左右側面部17L,17Rには、対向するヨーク19の内側面にそれぞれ臨む一対の被検出面25,26が形成されている。各被検出面25(26)は、ロータ回転軸線L1と平行な軸線を含み、かつ、フレーム部材17の十文字の長手方向と平行な仮想平面上に部分的に形成される。被検出面25,26に臨むヨーク19の内側面部19L,19Rには、それぞれリードラグ運動およびピッチ運動検出手段としての第2,第3センサS2,S3が配設されている。これら第2,第3センサS2,S3は、たとえばレーザ光を発生するレーザ源と、被検出面25,26からの反射光をそれぞれ受光する受光手段との組合わせによって構成され、これら第2,第3センサS2,S3によってロータブレード13のリードラグ軸線L2まわりの変位(リードラグ運動変位)と、フェザリング軸線L3まわりの変位(フェザリング運動変位)を検出可能になっている。
【0028】
ロータブレード13がリードラグ運動するとき、第2センサS2とその検出対象の被検出面26との距離d2と、第3センサS3とその検出対象の被検出面25との距離d3との差(d2’−d3’)が元の差(d2−d3)に対して変化し、これによってリードラグ角γが変化したと検出される。ロータブレード13がフェザリング運動するとき、第2センサS2とその検出対象の被検出面26との距離d2と、第3センサS3とその検出対象の被検出面25との距離d3との和(d2’+d3’)が元の和(d2+d3)に対して変化し、これによってフェザリング角θが変化したと検出される。
【0029】
図8は、リードラグ変位を計測するためのセンサS2,S3の配設位置などを示す平面図であり、図9は、広指向性のセンサを適用した場合の図8の縦断面図であり、図10は、狭指向性のセンサを適用した場合の図8の縦断面図である。上述したように、第1〜第3センサS1〜S3の出力から、フラッピング角とフェザリング角とリードラグ角がそれぞれ算出される。各センサS1〜S3は、サイズ、応答速度、耐環境性の観点から渦電流式を適用してもよい。つまり、第2,第3センサS2,S3に指向性の低い渦電流式の変位計を適用すると被検出面26,25までの最短距離を測ることになる。その場合、第2センサS2と第3センサS3の出力変位d2,d3は、フェザリング発生時にはそれぞれ小さくなる。第2センサS2の出力変位d2と第3センサS3の出力変位d3との和(d2+d3)は、フェザリング角に反比例し、フラッピングおよびリードラグに依存しないことになる。これに対して、第2センサS2の出力変位d2から第3センサS3の出力変位d3を減じた値(d2−d3)は、リードラグが発生する場合だけ0以外の値となる。リードラグ一定の場合には、フラッピングに依存しないことは当然であるが、フェザリングが変化した場合、第2,第3センサS2,S3の出力変位d2,d3はそれぞれ変化するが、第2センサS2の出力変位d2から第3センサS3の出力変位d3を減じた値に変化はない。
【0030】
一方、第2,第3センサS2,S3に、指向性の強いレーザ変位計を適用すると被検出面26までの最短距離を計測できない。この場合、第2,第3センサS2,S3の出力変位d2,d3は、フェザリング角θとリードラグ角φによっても影響を受け、指向性の低い変位計を適用した場合と同じ変位値を得るためには、第2センサS2とその被検出面26間の最短距離から第3センサS3とその被検出面25間の最短距離を減じた値{すなわち(d2−d3)cosθcosφ}を求める必要がある。しかし、フェザリング角θとリードラグ角φがともに0のときの第2センサS2の出力変位d2と第3センサS3の出力変位d3との和(d2+d3)を予め求めておけば、フェザリング角θのcos値にリードラグ角φのcos値を乗じた値cosθcosφを得ることができる。それ故、第2,第3センサS2,S3に、指向性の強いレーザ変位計を適用した場合においても、前記指向性の低い変位計を適用した場合と同じ変位値を得ることができる。
【0031】
以上説明したロータ面変動抑制装置10によれば、第1センサS1は、リードラグ軸線L2を軸中心とする円筒面状の被検出面12aまでの距離を、ブレードピッチ軸L3上に設けられる一個の測距センサを用いて計測することによって、ロータブレード13のフラッピング運動のみを検出することができる。前記測距センサと被検出面12aとを上述の配置構成にすれば、測距センサと被検出面12aとの距離は、ロータブレードがリードラグ運動およびピッチ運動の一方の運動をしても変化せず、ロータブレード13がフラッピング運動をしたとき変化する。したがって一個の測距センサによる円筒面状の被検出面12aまでの距離計測に基づいて、複雑な演算処理などを要することなく、簡単な演算処理によって、容易にフラッピング運動を検出することができる。しかも複雑な演算処理に伴なう誤差の発生がなく、高精度にフラッピング運動を検出することができる。
【0032】
ロータハブ14側の円筒面状の被検出面12aまでの距離を検出する一個の第1センサS1によって、ロータブレード13のフラッピング運動のみを検出し、制御手段は、検出されたロータブレード13のフラッピング運動に基づいて突発的な外的要因たとえば突風などのようにロータブレード13に作用する急激な外力に起因するロータ面の変動を抑制することができ、乗り心地を向上させることができる。
【0033】
しかも、検出面形成体12は、ロータ回転軸線L1と略平行なリードラグ軸線L2を軸中心とする部分円筒面を含む被検出面12aが形成されているので、リードラグ運動を分離除去して検出できる。また、第1センサS1がブレードピッチ軸線L3上に配設されているため、フェザリング運動も分離除去して検出できる。演算処理を簡単化することができるとともに精度の高い制御が可能となる。また、リードラグ運動に起因する空中共振などの異常振動も抑制することができる。第1〜第3センサS1〜S3は、非接触式のセンサであるので、ブレードの繰返し運動によるセンサの故障などの心配もない。第1〜第3センサS1〜S3は、フェアリング18によって覆われているので、降雨、降雪、逆光などの影響を受けず、検出対象の運動を確実に検出することができる。
【0034】
図11は本発明の他の実施形態に係る円錐面状の被検出面12bを示す概略側面図である。ただし、前記実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、その説明は適宜省略する。本発明の実施の他の形態として、半径方向外方Roに臨む被検出面12bであって、リードラグ軸線L2を軸中心とする部分円錐面を含む被検出面12bが形成された検出面形成体12Aを適用することも可能である。この場合には、部分円筒面を含む被検出面12aが形成された検出面形成体12と比べて、単位角度あたりのフラッピング変位が大きくなるので、センサ信号のノイズなどの影響が小さくなる。また、円錐面の傾斜角を部分的に設定変更することで、フラップアップとフラップダウンの区別が可能となる。センサをロータハブ側に配設し、検出面形成体をロータブレード側に配設することも可能である。この場合には、前記第1センサS1に対向する被検出面は凹状部分曲面となる。被検出面12a,12bをロータハブ自体の表面に形成することも可能である。ロータマストを中空円筒状に形成したうえで、このロータマスト内にセンサおよび検出面形成体を配設することも可能である。またレーザ式のセンサの代りに渦電流式のセンサを適用してもよい。その場合、フェアリングが無くても降雨、降雪などの影響を受けない。その他、前記実施形態に、特許請求の範囲を逸脱しない範囲において種々の部分的変更を行う場合もある。
【0035】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、ブレードフラッピング運動検出手段は、リードラグ軸線を軸中心とする円筒面状の被検出面までの距離を、ブレードピッチ軸上に設けられる測距センサを用いて計測することによって、ロータブレードのフラッピング運動のみを高精度にかつ容易に分離検出することができる。測距センサと被検出面とを上述の配置構成にすれば、測距センサと被検出面との距離は、ロータブレードがリードラグ運動およびピッチ運動の一方の運動をしても変化せず、ロータブレードがフラッピング運動をしたときにのみ変化する。したがって測距センサによる円筒面状の被検出面までの距離計測に基づいて、複雑な演算処理などを要することなく、簡単な演算処理によって、容易にフラッピング運動を検出することができる。しかも複雑な演算処理に伴なう誤差の発生がなく、高精度にフラッピング運動を検出することができる。
【0036】
請求項2記載の本発明によれば、ブレードフラッピング検出手段は、ロータハブ側の円錐面状の被検出面までの距離を検出する測距センサによって、ロータブレードのフラッピング運動のみを高精度にかつ容易に分離検出することができる。したがって測距センサによる円錐面状の被検出面までの距離計測に基づいて、複雑な演算処理などを要することなく、簡単な演算処理によって、容易にフラッピング運動を検出することができる。円筒面状の被検出面を有する検出面形成体と比べて、単位角度あたりのフラッピング変位が大きくなるので、たとえばノイズなどの影響が小さくなる。また、円錐面の傾斜角を部分的に設定変更することで、フラップアップとフラップダウンの区別が可能となる。しかも複雑な演算処理に伴なう誤差の発生がなく、高精度にフラッピング運動を検出することができる。
【0037】
請求項3記載の本発明によれば、ロータブレードのリードラグ運動に起因する機体異常振動を検出することが可能となるうえ、飛行試験などにおいて、操縦入力量を計測する際、ロータブレードのピッチ変化を直接計測可能となる。その他請求項1または2と同様の効果を奏する。
【0038】
請求項4記載の本発明によれば、各測距センサとして非接触センサを用いているので、ロータブレードの繰返し運動によるセンサの故障などの心配がなくなる。それ故、各測距センサの耐久性を格段に高くすることができる。その他請求項1〜3のいずれかと同様の効果を奏する。
【0039】
請求項5記載の本発明によれば、ブレードフラッピング運動検出手段がカバー部材によって覆われているので、降雨、降雪、逆光などの影響を受けず、検出対象の運動を確実に検出することができる。その他請求項1〜4と同様の効果を奏する。
【0040】
請求項6記載の本発明によれば、リードラグ運動およびピッチ運動検出手段がカバー部材によって覆われているので、降雨、降雪、逆光などの影響を受けず、検出対象の運動を確実に検出することができる。その他請求項1〜4と同様の効果を奏する。
【0041】
請求項7記載の本発明によれば、前記各測距センサとして磁気方式の非接触センサを用いているので、前述のカバー部材なしで降雨、降雪、逆光などの影響を受けず、検出対象の運動を確実に検出することができる。その他請求項1〜5と同様の効果を奏する。
【0042】
請求項8記載の本発明によれば、突発的な外的要因によるロータ面の変動を、高精度にかつ容易に抑制することができる。したがって乗り心地を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る回転翼航空機の部分斜視図である。
【図2】フェアリングを設けた図1相当図である。
【図3】センサおよび検出面形成体の配設位置を示す要部斜視図である。
【図4】センサおよび検出面形成体などの部分拡大斜視図である。
【図5】センサと検出面形成体との関係を示す平面図である。
【図6】センサと検出面形成体との関係を示す側面図である。
【図7】図6のA−A線断面図である。
【図8】リードラグ変位を計測するためのセンサの配設位置などを示す平面図である。
【図9】広指向性のセンサを適用した場合の図9の縦断面図である。
【図10】狭指向性のセンサを適用した場合の図9の縦断面図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係る円錐面状の被検出面を示す概略側面図である。
【図12】従来の回転翼航空機の突風制御システムの概略斜視図である。
【符号の説明】
10 ロータ面変動抑制装置
11 回転翼航空機
12,12A 検出面形成体
12a,12b 被検出面
13 ロータブレード
14 ロータハブ
16 ロータマスト
18 フェアリング
S1〜S3 第1〜第3センサ
Claims (8)
- ロータハブ側構成体に設けられ、ロータブレードのリードラグ軸線を軸中心とする円筒面状の被検出面を有する検出面形成体と、
ロータブレード側構成体のブレードピッチ軸線上に設けられ、被検出面までの距離を計測する測距センサによって、ロータブレードのフラッピング運動のみを検出可能とするブレードフラッピング運動検出手段とを備えることを特徴とする回転翼航空機のロータ面変動検出装置。 - ロータハブ側構成体に設けられ、ロータブレードのリードラグ軸線を軸中心とする円錐面状の被検出面を有する検出面形成体と、
ロータブレード側構成体のブレードピッチ軸線上に設けられ、被検出面までの距離を計測する測距センサによって、ロータブレードのフラッピング運動のみを検出可能とするブレードフラッピング運動検出手段とを備えることを特徴とする回転翼航空機のロータ面変動検出装置。 - 前記ブレードフラッピング運動検出手段に加えて、ロータハブおよびロータブレードのいずれかに設けられた測距センサからなり、この測距センサによってロータブレードのリードラグ運動およびピッチ運動を検出可能とするリードラグ運動およびピッチ運動検出手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の回転翼航空機のロータ面変動検出装置。
- 各測距センサとして非接触センサを用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の回転翼航空機のロータ面変動検出装置。
- 前記ブレードフラッピング運動検出手段がカバー部材によって覆われていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の回転翼航空機のロータ面変動検出装置。
- リードラグ運動およびピッチ運動検出手段がカバー部材によって覆われていることを特徴とする請求項3記載の回転翼航空機のロータ面変動検出装置。
- 各測距センサとして磁気方式の非接触センサを用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の回転翼航空機のロータ面変動検出装置。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の回転翼航空機のロータ面変動検出装置と、
検出されたロータブレードのフラッピング運動に基づいて突発的な外的要因によるロータ面の変動を抑制可能な制御手段とを備えることを特徴とする回転翼航空機のロータ面変動抑制装置。
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